JP5730806B2 - ガラス基板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ガラス原料を溶融して生成させた溶融ガラスを成形することによりガラス基板を製造する、ガラス基板の製造方法に関する。
ガラス基板は、一般的に、ガラス原料から溶融ガラスを生成させた後、溶融ガラスをガラス基板へと成形する工程を経て製造される。上記それぞれの工程は、例えばガラス材料を溶融させる溶解装置、溶融ガラスが内包する微小な気泡を除去する清澄槽、ガラス成分を均質化させる攪拌槽、ガラス基板の成形を行う成形装置等において適切な処理を施すことで行われている。ガラス基板製造用の装置はガラス原料を移送する移送管で接続されている。
上記の工程中、必要に応じて溶融ガラスが内包する微小な気泡を除去する工程を特に清澄といい、管状の清澄槽の本体を加熱しながら、この清澄槽本体(以下、単に本体ともいう)にAs等の清澄剤を配合させた溶融ガラスを通過させ、清澄剤の酸化還元反応により溶融ガラス中の泡が取り除かれることで行われる。より具体的には、粗溶解した溶融ガラスの温度をさらに上げて清澄剤を機能させ泡を浮上脱泡させた後、温度を下げることにより、脱泡しきれずに残った比較的小さな泡を溶融ガラスに吸収させるようにしている。すなわち、清澄は、泡を浮上脱泡させる処理(以下、脱泡処理または脱泡工程ともいう)および小泡を溶融ガラスへ吸収させる処理(以下、吸収処理または吸収工程ともいう)を含む。
清澄剤は従来Asが一般的であったが、近年の環境負荷の観点から、SnOやFe等が用いられるようになってきている。
高温の溶融ガラスから品位の高いガラス基板を量産するためには、ガラス基板の欠陥の要因となる異物等が、ガラス基板を製造するいずれの装置からも溶融ガラスへ混入しないよう考慮することが望まれる。このため、ガラス基板の製造過程において溶融ガラスに接する部材の内壁は、その部材に接する溶融ガラスの温度、要求されるガラス基板の品質等に応じ、適切な材料により構成する必要がある。たとえば、上述の清澄槽本体を構成する材料は、通常白金または白金合金等の白金族金属が用いられていることが知られている(特許文献1)。白金または白金合金等は、高価ではあるが融点が高く、溶融ガラスに対する耐食性にも優れている。
脱泡工程時に清澄槽本体を加熱する温度は、成形するべきガラス基板の組成によって相違するが、1000〜1650℃程度である。
また、ガラス原料は、製造するべきガラス基板の組成に応じて適宜調製されるが、たとえばLCD用基板として用いるガラス基板を製造する場合、ガラス組成物は、SiO、B、Al、MgO、CaO、SrO、BaO、RO等により構成される。
なお、本明細書においては「溶融」の表記について常用漢字の「溶融」を用いているが、「熔融」と表記されるものと同様の意味を含んでいる。
特表2006−522001号公報
上述の清澄槽の出口近傍において溶融ガラスの滞留が起こると、溶融ガラスが清澄槽内で高温に保持される時間が長くなるため、溶融ガラス成分のうちのホウ酸が揮発し、溶融ガラスの液面付近に比較的比重の小さいシリカ(SiO)リッチの異質素地が生成されてしまう。シリカリッチの異質素地が溶融ガラスの一部に生成されると、ガラス製品において脈理や失透等の欠陥が生じる原因となるという課題があった。
また、溶融ガラスにガラス材料以外の異物が混入した場合もまた、上述の脈理や失透の原因となり得る。たとえば高ジルコニア系耐火物を用いた溶融窯を用いてガラス原料を高温で溶融させると、溶融窯からジルコニアの一部が溶融ガラスに混入して、比較的比重の大きいガラスが生成される場合がある。
本発明は以上の点を鑑み、ガラス基板の製造過程において脈理や失透の原因の一つとなる上記課題を解消し、ガラス製品の品質を向上させることが可能なガラス基板の製造方法を提供しようとするものである。
上述した目的を達成するために、本発明は、清澄槽本体を加熱しながら、清澄槽本体に清澄剤を配合させた溶融ガラスを通過させて脱泡処理を行う脱泡工程を含むガラス基板の製造方法であって、以下のように構成されている。
清澄槽は、白金族金属で構成され、この清澄槽から次の工程に溶融ガラスを送り込むための移送管を、清澄槽から溶融ガラスが流れ出る出口側に接続して備えている。
また、上述の清澄槽に清澄剤を配合させた溶融ガラスを通過させる際に、溶融ガラスの液位が所定の液位となるように溶融ガラスの流量を調整する液位調整工程を有する。
また、所定の液位の溶融ガラスを通過させる際に、清澄槽内を流れる溶融ガラスの上部表面付近の溶融ガラスが、上述の出口付近において滞留することなく移送管に流れていくような位置に、移送管を設置する。
また、移送管の下部が、清澄槽の底部に対し、少なくとも30mm以上上部側に位置するようにすると良い。
本発明のガラス基板の製造方法によれば、清澄槽に接続される移送管の位置を、清澄槽内で溶融ガラスの滞留が起こらないような位置に設置するため、脈理や失透の原因となり得るシリカリッチの異質素地が生成されることがない。また、移送管の下部が、清澄槽の底部に対し、少なくとも30mm以上上部側に位置するようにすれば、異物が溶け込み比較的比重の大きくなった溶融ガラスが生成しても、清澄槽より後の装置に流れていくのを防ぐことができるため、溶融ガラスに混入した異物がガラス製品の欠陥の原因となるのを防ぐことができる。したがって、ガラス製品の品質を向上させることができる。
実施の形態のガラス基板の製造方法を説明するための、ガラス基板製造装置の概略的な構成図である。 清澄槽の基本的な構成を示す概略図である。 清澄槽30及びこれに接続される移送管40の概略図である。 移送管40の位置が本発明のものと異なる場合に生じる課題の説明図である。
以下、図面を参照しながら、本発明のガラス基板の製造方法の実施の形態について説明する。
図1は、実施の形態のガラス基板の製造方法を説明するための概略図であり、ガラス基板の製造における基本的な流れを簡略的に示したものである。
ガラス基板製造装置100は、ガラス原料を加熱して溶融ガラスを生成する溶融窯10と、溶融ガラスを清澄する清澄槽30と、溶融ガラスを成形する成形装置(図示せず)と、これらの間を接続する移送管20、40とを備えている。移送管20は、溶融窯10と清澄槽30とを接続し、溶融窯10から導出された溶融ガラスを清澄槽30に供給する。移送管40は、清澄槽30と成形装置(図示せず)を接続し、清澄槽30から導出された溶融ガラスを成形装置(図示せず)に供給する。なお、清澄槽30と成形装置との間には溶融ガラスを撹拌して均質化するための撹拌槽が配置されることがある。矢印は溶融ガラスが流れる方向を示す。
溶融窯10に投入されるガラス原料は、製造するべきガラス基板の組成に応じて適宜調製される。一例として、TFT型LCD用基板として用いるガラス基板を製造する場合を挙げると、ガラス基板を構成するガラス組成物を質量%で表示して、
SiO:50〜70%、
Al:0〜25%、
:1〜15%、
MgO:0〜10%、
CaO:0〜20%、
SrO:0〜20%、
BaO:0〜10%、
RO:5〜30%(ただし、RはMg、Ca、Sr及びBaの合量)、
を含有する無アルカリガラスであることが、好ましい。
なお、本実施形態では無アルカリガラスとしたが、ガラス基板はアルカリ金属を微量含んだアルカリ微量含有ガラスであってもよい。アルカリ金属を含有させる場合、R’Oの合計が0.10%以上0.5%以下、好ましくは0.20%以上0.5%以下(ただし、R’はLi、Na及びKから選ばれる少なくとも1種であり、ガラス基板が含有するものである)含むことが好ましい。勿論、R’Oの合計が0.10%未満でもよい。
また、本発明のガラス基板の製造方法を適用する場合は、ガラス組成物が、上記各成分に加えて、質量%で表示して、SnO:0.01〜1%(好ましくは0.01〜0.5%)、Fe:0〜0.2%(好ましくは0.01〜0.08%)を含有し、環境負荷を考慮して、As、Sb及びPbOを実質的に含有しないようにガラス原料を調製しても良い。
溶融窯10で生成した溶融ガラスは、移送管20を介して清澄槽30に送られる。清澄槽30では、溶融ガラスが所定温度(上記組成のガラスの場合は例えば1500℃以上)に保たれて、溶融ガラスに含まれる気泡の除去を行う脱泡工程を含む清澄が行われる。
さらに、清澄槽30で清澄された溶融ガラスは、移送管40を介して成形装置へと送られる。溶融ガラスは、清澄槽30から成形装置に送られる際の移送管40において、成形に適した温度(上記組成のガラスの場合は例えば1200℃程度)となるように冷却される。成形装置では、溶融ガラスがガラス基板へと成形される。
次に、脱泡工程を含む清澄について図2を用いて説明する。図2は清澄槽30の基本的な構成を示す概略図であり、内部を透視して示してある。
清澄槽30は、主に清澄槽本体(以下、本体ともいう)1、及び本体1に接続されたヒータ電極1a及び1bにより構成されている。本体1は白金あるいは白金ロジウム合金等の白金合金の金属管であり、一般的に円筒状のものが採用されている。清澄槽本体1は円筒状であり、通常その内径は移送管20及び40の内径よりも30%―40%以上大きく設定されている。このようにして本体1内を流れる溶融ガラスMGの流速が低下して溶融ガラスMGが本体1に滞在する時間を長くすることにより、溶融ガラスMGの清澄を効率良く行っている。本体1の管路を流路として、溶融ガラスMGは本体1の内部を流れる。ヒータ電極1a及び1bは、本体1の外周壁面から本体1に電流を流し、本体1の抵抗によって生じるジュール熱を用いて本体1の外周壁を加熱して溶融ガラスMGの温度を所定の温度に上げ、溶融ガラスMGに配合させた清澄剤を用いて溶融ガラスMGの脱泡を行う。
本体1の内部を流れる溶融ガラスMGは、本体1の流路断面全体を流れるのではなく、通常、本体1内部の上方には、溶融ガラスMGの脱泡処理により脱泡した泡を放出させるための気相空間aが存在する。また、本体1上部には、気相空間aから放出した泡中のガス成分を大気に放出させるための図示しないガス排出口が設けられている。
気相空間aは、清澄槽30の本体1を流れる溶融ガラスMGの液位の調整をすることにより所定の広さを得ることが可能である。また、一定の広さの気相空間aを保持することもできる。
次に、本発明のガラス基板の製造方法につき、図3を用いて詳細に説明する。
本発明においては、上述の脱泡工程を含むガラス基板の製造方法において、清澄槽30から次の工程に溶融ガラスを送り込むための移送管40を、清澄槽30から溶融ガラスが流れ出る出口側に接続して備えている。また、清澄槽30に清澄剤を配合させた溶融ガラスを通過させる際に、溶融ガラスの液位が所定の液位となるように溶融ガラスの流量を調整する液位調整工程を有する。
また、所定の液位の溶融ガラスを通過させる際に、清澄槽30内を流れる溶融ガラスの上部表面付近の溶融ガラスが、上述の出口付近において滞留することなく移送管40に流れていくような位置に、移送管40を設置する。
具体的には、本実施形態においては清澄槽30内における所定の液位の溶融ガラスの液位hと移送管の上部40aの位置とを一致させるように移送管40を設ける。
移送管40を設ける位置を以上のように設定すれば、溶融ガラスが清澄槽30の出口付近で滞留することなく移送管40に流れていくため、溶融ガラス表面にシリカリッチの異質素地が生成されることがない。
溶融ガラスの液位hと移送管の上部40aの位置とを一致させなくとも、移送管40を流れる溶融ガラスが液位hよりも下方になるように移送管を40設置すれば上述の滞留は起こらないが、別の問題が生じる恐れがある。
上記の別の問題について図4(a)を用いて説明する。移送管の上部40aが液位hよりも上方となるように設置すると、溶融ガラスMGの上部表面が空気と接触する。したがって、空気に触れた溶融ガラス成分が揮発してしまう。
これに対し、本発明のように溶融ガラスの液位hと移送管の上部40aの位置とを一致させると、清澄槽30から流れ込んだ溶融ガラスが移送管40内の流路断面全体を流れることになるため、溶融ガラスが空気と接触することがない。したがって、溶融ガラス成分が空気に触れて揮発するのを防ぐことができる。
上述の清澄槽30内における溶融ガラスの液位及び移送管上部40aの位置は一致させることが望ましいが、清澄槽30内の溶融ガラスMGの液面と移送管の上部40aの差が20mm以内であれば好ましい範囲内であるといえる。また、上述の差が15mm以内であればより好ましく、5mm以内であれば最も好ましい。
上述の差がこれらの範囲内であれば溶融ガラスMGが滞留することなく移送管40に流れていき、その上溶融ガラスMGの上部表面が空気に触れるおそれも少ない。このため、上述の差が、これらの効果が期待できる上述の範囲内であれば溶融ガラスの液位及び移送管40の上部の位置が一致しているという本発明の表現に含まれるものとする。
液位hと移送管の上部40aの位置が、上述の差の範囲内に常時収まるようにするためには、ガラス基板の製造工程において、溶融ガラスMGの液位が所定の液位(本実施形態においてはh)となるように溶融ガラスの流量を調整する、液位調整工程を有することが必要である。
液位の調整には、種々の好適な方法が考えられるが、たとえばレーザ変位計を用いて必要に応じて計測し、溶融窯10に投入するガラス材料の量を増減する等の方法により調整することが考えられる。
また、本実施形態では、移送管40の下部40bが、清澄槽30の底部30bに対し、少なくとも30mm以上上部側に位置するようにした(図3)。移送管40の下部40bの位置を上記のようにすれば、仮に溶融ガラスに異物が混入して清澄槽30内に入り込んだとしても、異物が移送管40に流れ込み、その後の工程に運ばれるのを防ぐことができる。特に、ガラス材料を溶融する溶融窯10が、高ジルコニア系耐火物により構成されている場合、溶融ガラスにジルコニアが混入しやすい。このため、ジルコニアが混入した溶融ガラスが清澄槽30に流れ込んでくることになる。しかし、ジルコニアは溶融ガラスの成分に対し比重が高いため、溶融ガラスに混入したジルコニアは流れ込んだ清澄槽30の底部30bに沈殿していく。図3にジルコニアの沈殿物Zを模式的に示す。本実施形態においては、移送管40の下部40bは清澄槽30の底部30bに対し、少なくとも30mm以上上部側に位置しているため、ジルコニアの沈殿物Zが移送管40に流れていくおそれは少ない。
さらに、本実施形態においては、清澄槽30の出口近傍の底部30bに、ジルコニア排出用の排出口30cを設け、ジルコニアの沈殿物Zを必要に応じて排出できるようにしている。排出口30cは、たとえばドレンパイプ等を用いて構成すると良い。
以上の説明からも理解できるように、本発明のガラス基板の製造方法によれば、清澄槽本体を通過する溶融ガラスは滞留することなく移送管40へと流れていく。このため、溶融ガラスの滞留に起因するシリカリッチの異質素地の生成を生じされることがない。また、溶融窯10から溶け出したジルコニア等の異物が溶融ガラスに混入して清澄槽に流れてきた場合でも、移送管40の下部40bの位置が清澄槽30の底部30bよりも高い位置に設置されているため、混入した異物がその後の工程に流れていくおそれも少ない。
したがって、ガラス製品の品質を向上させることができる。
ところで、ガラス基板は、用いる清澄剤によって清澄作用が効果的に発揮される温度が異なることが知られている。例えば、As(亜ヒ酸)は、気泡を除去する能力に優れており、清澄温度も1500℃程度以上の範囲で足りる。しかし、亜ヒ酸は、環境負荷が高いため、既に述べたように近年は環境負荷が高くない清澄剤としてSnO(酸化錫)等が用いられるようになってきている。しかし、酸化錫は亜ヒ酸と比較して脱泡工程時に泡を放出する力が弱いため、ガラスの粘性を低くして脱泡効果を上げる必要があり、したがって高い温度で清澄を行う必要がある。例えば、酸化錫を清澄剤として使用した場合、1600℃〜1700℃、好ましくは1630℃〜1710℃、さらに好ましくは1630℃〜1720℃近傍まで昇温される。つまり、清澄槽30の温度を、清澄槽30を構成する本体1の白金または白金合金の耐熱温度近傍まで上げる必要がある。清澄温度として上記のような高温を要する場合、溶融ガラスからホウ酸(B)が揮発しやすいため、シリカリッチの異質素地も生じやすくなる。
したがって本発明は、酸化錫を清澄剤として使用するガラス基板の製造に特に適している。
また、清澄槽30内において、溶融ガラスは清澄剤の酸素の放出反応が促進されるように、泡が浮上しやすい粘度、好ましくは、120poise(ポアズ)~400ポアズとなるように、清澄槽30に供給される前、および清澄槽30において加熱される。たとえば、無アルカリガラスやアルカリを微量しか含まないアルカリ微量含有ガラス(高温粘性ガラス)、たとえば102.5ポアズとする場合に1300℃以上、好ましくは1400℃以上、さらに好ましくは1500℃以上の溶融温度を要するガラス材料の場合、1700℃、好ましくは1710℃、さらに好ましくは1720℃近傍まで昇温される。
つまり、清澄槽30の温度を、清澄槽30を構成する本体1の白金または白金合金の耐熱温度近傍まで上げる必要がある。
清澄温度として上記のような高温を要する場合、溶融ガラスからホウ酸(B)が揮発しやすいため、シリカリッチの異質素地も生じやすくなる。したがって、本発明は高温粘性の高いガラス材料を用いてガラス基板を製造する場合にも特に適している。具体的には、溶融ガラスを102.5ポアズとする場合に1300℃以上の溶融温度を要するガラス材料で構成する場合に適しているといえる。上記の溶融温度は1400℃以上、さらに1500℃以上の溶融温度を要するガラス材料により好適である。
また、ガラス材料を無アルカリガラスやアルカリ微量含有ガラスとした場合、難溶性のシリカが溶けずに残りやすく、シリカリッチの異質素地が生じやすいため、無アルカリガラスまたはアルカリ微量含有ガラスによりガラス材料を構成した場合にも本発明は適しているといえる。
さらに、溶融ガラスが以下の1、2の材料で構成された場合のガラス基板の製造においても、本発明は適している。
1)SiO、Al、B、アルカリ土類金属のそれぞれを含む材料で構成され、SiOの含有量は50%‐70%である。
2)SiO、Al、B、アルカリ土類金属のそれぞれを含む材料で構成され、前記B含有量は5%以上である。
上記の1のように構成されたガラス材料の場合、SiO含有量が高いため、シリカリッチの異質素地が生じやすい傾向があるためである。したがって、SiO含有量が55%以上、また、60%以上であるガラス材料の場合は、本発明にさらに適しているといえる。
また、上記の2のように構成されたガラス材料の場合、B含有量が上比較的高いということができ、低温で溶解しやすいBの性質が起因でシリカリッチの異質素地が生じやすい傾向があるためである。したがって、SiO含有量が8%以上、また、10%以上であるガラス材料の場合は、本発明にさらに適している。
また、本発明は、高温粘性の高い溶融ガラスを用いてガラス基板を製造する場合にも特に適している。具体的には、溶融ガラスを102.5ポアズとする場合に1300℃以上の溶融温度を要するガラス材料で構成する。上記の溶融温度は1400℃以上、さらに1500℃以上の溶融温度を要するガラス材料により好適である。
また、無アルカリガラスまたはアルカリ微量含有ガラスなどの高温粘性の高い溶融ガラスを用いてガラス基板を製造する場合に特に適している。
いずれの場合も本発明を適用することにより、脈理や失透の一因を解消し、ガラス製品の品質を向上させることができる。
本発明のガラス基板の製造方法の実施に際し、実施の形態の製造方法に限定されるものではないことは明らかである。たとえば、実施の形態で例示したガラス原料以外のガラス原料についても、従来から用いられてきた汎用の原料を使用すれば本発明のガラス基板の製造方法を適用することができる。
その他、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々好適な他の形態への変更が可能である。
なお、本明細書において、「白金族金属」は、白金族元素からなる金族を意味し、単一の白金族元素からなる金属のみならず白金族元素の合金を含む用語として使用する。ここで、白金族元素とは、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)の6元素を指す。白金族金属は高価ではあるが、融点が高く、溶融ガラスに対する耐食性にも優れている。
また、清澄槽は、図示したように円筒形であることが好ましいが、溶融ガラスMGをその内部に収容する空間が確保されていればその形状に制限はなく、例えばその外形が直方体などであってもよい。
本発明は、オーバーフロー・ダウンロード法でガラスを成形するガラス基板の製造に適する。オーバーフロー・ダウンロード法は、溶融ガラスを楔状成形体の両側面に沿って流下させて、前述の楔状成形体の下端部で合流させることにより板状ガラスに成形し、成形された板状ガラスを徐冷し、切断する。オーバーフロー・ダウンロード法は、溶解したガラスを何物にも触れることなく垂直方向に引き伸ばして冷却することで、滑らかな表面を実現することができる。その後、切断された板状ガラスは、さらに、顧客の仕様に合わせて所定にサイズに切断され、端面研磨、洗浄などが行われ、出荷される。
本発明は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機Eディスプレイなどのフラットパネルディスプレイ(FPD)用のガラス基板の製造に特に適している。
本発明は、例えば、厚さが0.5〜0.7mmで、サイズが300×400mm〜2850×3050mmのFPD用ガラス基板の製造に適する。
なお、液晶表示装置用ガラス基板等は、その表面に半導体素子が形成されるため、アルカリ金属成分を全く含有しないか、または含まれていても半導体素子に影響を及ぼさない程度の微量であることが好ましい。また、液晶表示装置用ガラス基板等は、ガラス基板中に泡が存在すると表示欠陥の原因となるため、泡を極力低減することが好ましい。これらにことから、液晶表示装置用ガラス基板等では、上述したように、ガラス組成、溶融ガラスの温度、清澄剤等が選択されるので、本発明は、液晶表示装置用ガラス基板等の製造に適する。
1 本体(清澄槽本体)
10 溶融窯
20、40 移送管
40a 移送管上部
40b 移送管下部
30 清澄槽
30b 清澄槽底部
30c 排出口
100 ガラス基板製造装置
MG 溶融ガラス
a 気相空間
Z 沈殿物(ジルコニアの沈殿物)

Claims (11)

  1. 清澄槽本体を加熱しながら、前記清澄槽に清澄剤を配合させた溶融ガラスを通過させて脱泡処理を行う脱泡工程を含むガラス基板の製造方法であって、
    前記清澄槽は、
    白金族金属で構成され、
    該清澄槽から次の工程に前記溶融ガラスを送り込むための移送管を、前記清澄槽から溶融ガラスが流れ出る出口側に接続して備えており、
    前記清澄槽に清澄剤を配合させた溶融ガラスを通過させる際に、前記溶融ガラスの液位が所定の液位となるように前記溶融ガラスの流量を調整する液位調整工程を有し、
    前記所定の液位の溶融ガラスを通過させる際に、清澄槽内を流れる前記溶融ガラスの上部表面付近の当該溶融ガラスが、前記出口付近において滞留することなく前記移送管に流れていくような位置に、前記移送管を設置するものであって
    前記清澄槽及び前記移送管はいずれも円筒状であり、
    前記清澄槽の内径は前記移送管の内径より大きく、
    前記清澄槽の溶融ガラスの液位が、前記移送管の上部の位置となるように又は前記移送管の上部の位置より下方となるように、前記移送管を設置する
    ことを特徴とするガラス基板の製造方法。
  2. 前記清澄槽の溶融ガラスの液位と前記移送管の上部の差が20mm以内であることを特徴とする請求項1に記載のガラス基板の製造方法
  3. 前記移送管は、該移送管の下部が、前記清澄槽の底部に対し、少なくとも30mm以上上部側に位置することを特徴とする請求項1又は2に記載のガラス基板の製造方法。
  4. 前記清澄槽の前工程でガラスの材料を溶融するために用いられる溶融窯が、高ジルコニア系耐火物により構成されていることを特徴とする請求項3に記載のガラス基板の製造方法。
  5. 前記清澄槽は、
    前記清澄槽の前記出口近傍の底部に、ジルコニア排出用の排出口を設けたことを特徴とする請求項4に記載のガラス基板の製造方法。
  6. 前記溶融ガラスは、SiO、Al、B、アルカリ土類金属のそれぞれを含む材料で構成され、前記SiOの含有量は50%‐70%であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のガラス基板の製造方法。
  7. 前記溶融ガラスは、SiO、Al、B、アルカリ土類金属のそれぞれを含む材料で構成され、前記B含有量は5%以上であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のガラス基板の製造方法。
  8. 前記溶融ガラスは、無アルカリガラスまたはアルカリ微量含有ガラスで構成したことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のガラス基板の製造方法。
  9. 前記清澄槽内を流れる前記溶融ガラスの少なくとも一部の温度は、1630度以上1720度以下であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のガラス基板の製造方法。
  10. 前記溶融ガラスは、粘度を102.5ポアズとする場合に1300度以上の溶融温度を要する材料で構成したことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のガラス基板の製造方法。
  11. 前記清澄剤は、酸化錫であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のガラス基板の製造方法。
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