JP6067755B2 - ガラス基板の製造方法、及びガラス基板製造装置 - Google Patents

ガラス基板の製造方法、及びガラス基板製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、ガラス原料を溶融してガラス基板を製造する、ガラス基板の製造方法およびガラス基板製造装置に関する。特に、ガラス基板の製造方法における、清澄工程に関する。
ガラス基板は、一般的に、ガラス原料から溶融ガラスを生成させた後、溶融ガラスをガラス基板へと成形する工程を経て製造される。上記の工程中には、溶融ガラスが内包する微小な気泡を除去する工程(以下、清澄ともいう)が含まれる。清澄は、管状の清澄槽の本体を加熱しながら、この清澄槽本体(以下、単に本体ともいう)に清澄剤を配合させた溶融ガラスを通過させ、清澄剤の酸化還元反応により溶融ガラス中の泡が取り除かれることで行われる。より具体的には、粗熔解した溶融ガラスの温度をさらに上げて清澄剤を機能させ泡を浮上脱泡させた後、温度を下げることにより、脱泡しきれずに残った比較的小さな泡は溶融ガラスに吸収させるようにしている。すなわち、清澄は、泡を浮上脱泡させる処理(以下、脱泡処理または脱泡工程ともいう)および小泡を溶融ガラスへ吸収させる処理(以下、吸収処理または吸収工程ともいう)を含む。清澄剤は従来Asが一般的であったが、近年の環境負荷の観点から、SnO等が用いられるようになってきている。
高温の溶融ガラスから品位の高いガラス基板を量産するためには、ガラス基板の欠陥の要因となる異物等が、ガラス基板を製造するいずれの装置からも溶融ガラスへ混入しないよう考慮することが望まれる。このため、ガラス基板の製造過程において溶融ガラスに接する部材の内壁は、その部材に接する溶融ガラスの温度、要求されるガラス基板の品質等に応じ、適切な材料により構成する必要がある。たとえば、上述の清澄槽本体を構成する材料は、通常白金または白金合金等の白金族金属が用いられていることが知られている(特許文献1)。白金または白金合金は、高価ではあるが融点が高く、溶融ガラスに対する耐食性にも優れている。
脱泡工程時に清澄槽本体を加熱する温度は、成形するべきガラス基板の組成によって相違するが、1600〜1700℃程度である。
清澄槽本体を加熱する技術として、例えば、清澄槽本体に1対のフランジ状の電極を設け、この電極対に電圧を印加することにより、清澄槽本体を通電加熱する技術が知られている(特許文献2)。また、フランジ状の電極には、銅やニッケルから構成される水冷管が設けられている。
特表2006−522001号公報 特表2011−513173号公報
近年、ガラス基板に含まれる白金異物が、問題となっている。
例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、有機ELディスプレイなどのフラットパネルディスプレイなどのフラットパネルディスプレイに使用されるガラス基板(FPD用ガラス基板)に含まれる白金異物は、近年特に厳しく制限されている。また、フラットパネルディスプレイ用に限らず、他の用途でも問題となっている。
しかしながら、上記特許文献2に記載されているように、フランジ状の電極を水冷管で冷却すると、清澄槽の電極近傍の位置では、局所的に温度が低下する。
一方、清澄槽本体の内部表面が、白金または白金合金(白金族金属)から構成されている場合、気相空間(酸素を含む雰囲気)に接する部分が揮発する。揮発した白金または白金合金は、清澄槽の電極近傍の局所的に温度が低下した位置で凝縮し、凝縮物となって付着する。この凝縮物の一部は脱泡工程中の溶融ガラス中に落下して混入し、ガラス基板に白金異物として混入する恐れがあった。
本発明は以上の点を鑑み、ガラス製品の白金異物を低減することが可能なガラス基板の製造方法及びガラス基板製造装置を提供しようとするものである。
本発明は、以下の態様を有する。
[態様1]
熔解工程と、清澄工程と、成形工程とを含むガラス基板の製造方法であって、
前記清澄工程において用いられる清澄槽は、筒状の形状を有し、白金又は白金合金から構成され、前記清澄槽の外周面には、前記清澄槽を通電加熱するためのフランジ状の電極が接続され
前記清澄工程において、
前記通電加熱された清澄槽に、気相空間を有するように液位を調整して前記熔融ガラスを通過させることにより脱泡を行い、
前記電極の発熱を抑制するために前記電極を冷却し、
前記電極の冷却は、前記清澄槽の壁の温度が、前記清澄槽の気相空間に生じる白金蒸気が凝縮する温度を超える範囲になるように前記電極の温度を制御することにより行うことを特徴とするガラス基板の製造方法。
[態様2]
前記清澄工程において、
前記電極又は前記電極近傍の清澄槽の温度を測定し、
前記測定した温度に基づいて、前記電極の冷却量を調整する、態様1に記載のガラス基板の製造方法。
[態様3]
前記清澄工程において、
前記測定した電極又は電極近傍の清澄槽の温度が、予め決められた温度範囲内か否かを判定し、前記判定した結果、測定した温度が前記予め決められた温度範囲外にあるときに、前記冷却量を調整する、態様2に記載のガラス基板の製造方法。
[態様4]
前記清澄工程において、清澄剤として酸化錫が用いられる、態様1〜3のいずれか1項に記載のガラス基板の製造方法。
[態様5]
前記電極は、冷媒を通過させるための冷却管を有し、
前記清澄工程は、
前記冷却管に通過させる冷媒の量を増減することにより、冷却量を調整する、態様1〜4のいずれか1項に記載のガラス基板の製造方法。
[態様6]
前記冷媒は、気体である、態様5に記載のガラス基板の製造方法。
[態様7]
熔解槽と、清澄槽と、成形装置とを含むガラス基板製造装置であって、
前記清澄槽は、筒状の形状を有し、白金又は白金合金から構成され、前記清澄槽の外周面には、前記清澄槽を通電加熱するためのフランジ状の電極が接続され
前記電極は、前記電極の発熱を抑制するために冷却され、
前記電極の冷却は、前記清澄槽の壁の温度が、前記清澄槽の気相空間に生じる白金蒸気が凝縮する温度を超える範囲になるように前記電極の温度を制御することにより行うことを特徴とするガラス基板製造装置。
本発明のガラス基板の製造方法及びガラス基板製造装置によれば、ガラス製品の白金異物を低減することができる。
本実施形態のガラス基板の製造方法の簡単な工程を説明するためのフロー図である。 本実施形態のガラス基板製造装置の概略的な配置図である。 本実施形態の清澄槽の構成を示す概略図である。 本実施形態に係る清澄工程において、制御装置が電極の冷却を調整する方法の一例を示すフロー図である。 清澄槽の長手方向の温度分布の一例を示した図である。 電極の温度と時間との関係の一例を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明のガラス基板の製造方法の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態のガラス基板の製造方法の工程を示すフロー図である。図1に示すように、ガラス基板は、主に熔解工程(ST1)、清澄工程(ST2)、均質化工程(ST3)、供給工程(ST4)、成形工程(ST5)、徐冷工程(ST6)、切断工程(ST7)を経て作製される。
また、図2は、上述の熔解工程(ST1)〜切断工程(ST7)を経て作製される本実施形態のガラス基板製造装置の概略図であり、各工程において使用される装置の配置を概略的に示している。
図2に示すように、ガラス基板製造装置200は、ガラス原料を加熱して溶融ガラスを生成する熔解装置40と、溶融ガラスを清澄する清澄槽41と、溶融ガラスを撹拌して均質化するための撹拌装置100と、ガラス基板に成形する成形装置42とを備えている。また、溶融ガラスを上述の装置間に移送するガラス供給管43a、43b、43cを有する。熔解装置40以降、成形装置42までの各装置間を接続するガラス供給管43a、43b、43cおよび清澄槽41と撹拌装置100は、白金族金属で構成されている。
熔解装置40は、耐火煉瓦等の耐火物により構成されている。また、熔解装置40には、図示されない燃料と酸素等を混合した燃焼ガスが燃焼して火炎を発するバーナー等の加熱手段が設けられている。
熔解工程(ST1)では、たとえばSnO等の清澄剤が添加されて熔解装置40内に供給されたガラス原料を、上述の加熱手段で加熱して熔解することで溶融ガラスMGを得る。具体的には、図示されない原料投入装置を用いてガラス原料が溶融ガラスの液面に供給される。ガラス原料は、バーナーの火炎からの輻射熱により、加熱される。ガラス原料は、上述の加熱手段により加熱されて徐々に熔解し、溶融ガラスMG中に溶ける。
また、上記加熱手段は、例えばモリブデン、白金または酸化スズ等で構成された少なくとも1対の電極であってもよい。この場合、溶融ガラスMGは、上記電極間に電流を流すことにより通電加熱されて、昇温されてもよい。
熔解装置40に投入されるガラス原料は、製造するべきガラス基板の組成に応じて適宜調製される。一例として、TFT型LCD用基板として用いるガラス基板を製造する場合を挙げると、ガラス基板を構成するガラス組成物を質量%で表示して、
SiO:50〜70%、
Al:0〜25%、
:1〜15%、
MgO:0〜10%、
CaO:0〜20%、
SrO:0〜20%、
BaO:0〜10%、
RO:5〜30%(ただし、RはMg、Ca、Sr及びBaの合量)、
を含有する無アルカリガラスであることが、好ましい。
なお、本実施形態では無アルカリガラスとしたが、ガラス基板はアルカリ金属を微量含んだアルカリ微量含有ガラスであってもよい。アルカリ金属を含有させる場合、R’Oの合計が0.10%以上0.5%以下、好ましくは0.20%以上0.5%以下(ただし、R’はLi、Na及びKから選ばれる少なくとも1種であり、ガラス基板が含有するものである)含むことが好ましい。勿論、R’Oの合計が0.10%より低くてもよい。
また、本発明のガラス基板の製造方法を適用する場合は、ガラス組成物が、上記各成分に加えて、質量%で表示して、SnO:0.01〜1%(好ましくは0.01〜0.5%)、Fe:0〜0.2%(好ましくは0.01〜0.08%)を含有し、環境負荷を考慮して、As、Sb及びPbOを実質的に含有しないようにガラス原料を調製しても良い。
次の清澄工程(ST2)は、清澄槽41において行われる。清澄工程では、清澄槽41内の気相空間を有するように溶融ガラスMGの液位を調整して溶融ガラスMGを通過させる。このとき、清澄槽41内の溶融ガラスMGが所定温度(上記組成のガラスの場合は例えば1600℃以上)に昇温されることにより、溶融ガラスMG中に含まれるO、CO2あるいはSOを含んだ泡が、例えばSnO等の清澄剤の還元反応により生じたOを吸収して成長し、溶融ガラスMGの液面に浮上して放出される。その後、ガラス供給管43b等において熔融ガラスMGの温度を低下させることにより、SnO等の清澄剤が還元反応して得られたSnOが酸化反応をすることにより、溶融ガラスMGに残存する泡中のO等のガス成分が溶融ガラスMG中に吸収されて、泡が消滅する。清澄剤による酸化反応および還元反応は、溶融ガラスMGの温度を制御することにより行われる。
均質化工程(ST3)では、ガラス供給管43bを通って供給された撹拌装置100内の溶融ガラスMGを、後述する攪拌機を用いて撹拌することにより、ガラス成分の均質化を行う。攪拌装置100は、1つの攪拌機を用いて溶融ガラスMGを攪拌するが、2つ以上の攪拌機を用いて溶融ガラスMGを攪拌することもできる。
供給工程(ST4)では、ガラス供給管43cを通して溶融ガラスMGが成形装置42に供給される。溶融ガラスは、清澄槽41から成形装置に送られる際のガラス供給管43cにおいて、成形に適した温度(上記組成のガラスの場合は例えば1200℃程度)となるように冷却される。
成形装置42では、成形工程(ST5)および徐冷工程(ST6)が行われる。
成形工程(ST5)では、溶融ガラスMGをシート状ガラス44に成形し、シート状ガラス44の流れを作る。徐冷工程(ST6)では、成形されて流れるシート状ガラス44が所望の厚さになり、内部歪みが生じないように冷却される。
切断工程(ST7)では、図示しない切断装置において、成形装置42から供給されたシート状ガラス44を所定の長さに切断することで、板状のガラス基板を得る。切断されたガラス基板はさらに、所定のサイズに切断され、目標サイズのガラス基板が作製される。この後、ガラス基板の端面の研削、研磨およびガラス基板の洗浄が行われ、さらに、泡やキズ、汚れ等の欠点の有無が検査された後、検査合格品のガラス基板が最終製品として梱包される。
[清澄槽41の構成]
次に、図3を用いて、清澄槽41の構成を説明する。図3は、実施の形態の清澄槽41の構成を示す概略図である。清澄槽41では、清澄槽41の壁の温度が、清澄槽41の気相空間に生じる白金蒸気が凝縮する温度を超える範囲になるように制御されている。
図3に示すように、清澄槽41は、筒状の形状を有しており、白金又は白金合金から構成されている。清澄槽41の両端の外周面には、電極50a,50bが溶接されている。電極50a,50bは、清澄槽41を通電加熱するために用いられ、電源装置52に接続されている。電極50a,50bの間に電圧が印加されることにより、電極50a,50bの間の清澄槽41に電流が流れて、清澄槽41が通電加熱される。この通電加熱により、清澄槽41は例えば、1650℃〜1700℃程度に加熱され、ガラス供給管43aから供給された溶融ガラスMGは、脱泡に適した温度、例えば、1600℃〜1700℃程度に加熱される。
また、電極50a,50bにはそれぞれ、冷媒供給装置54a,54b、温度計測装置56a,56b、制御装置58a,58bが接続されている。電極50a,50bの外周には冷却管502a,502bが設けられている。
なお、電極50aは電極50bと、冷却管502aは冷却管502bと、冷媒供給装置54aは冷媒供給装置54bと、温度計測装置56aは温度計測装置56bと、制御装置58aは制御装置58bと、それぞれ同じ構成を有するので、以下、電極50a,50bを電極50と総称し、冷媒供給装置54a,54bを冷媒供給装置54と総称し、温度計測装置56a,56bを温度計測装置56と総称し、冷却管502a,502bを冷却管502と総称し、制御装置58a,58bは、制御装置58と総称して説明する。
電極50は、白金または白金合金から構成されている。なお、本実施例では、電極50が白金または白金合金から構成されている場合を具体例として説明するが、電極50の一部が、パラジウム,銀,銅などの他の金属から構成されていてもよい。例えば、白金または白金合金は高価であるため、電極50の比較的温度が低い場所では、パラジウム,銀,銅などを使用してもよい。電極50は、板状に形成され、清澄槽41の両端の外周面に互いの電極50(50a,50b)がほぼ平行になるように溶接されて設置される。また、電極50には、電源装置52と接続するために、一部が突出した突出部が設けられてフランジ状を成している。この突出部は、清澄槽41から突出しているために、清澄槽41の外気により冷却される。このため、電極50近傍の清澄槽41が冷却される。
なお、電極50の形状、設置位置、設置方法は、電源装置52から流れた電流が電極50、清澄槽41を流れて、熔融ガラスMGを加熱できればよく、任意である。
電極50には、温度計測装置56が接続されている。例えば、温度計測装置56は、熱電対から構成される。温度計測装置56はそれぞれ、電極50の温度を計測し、計測した結果を、制御装置58に出力する。温度計測装置56の計測する温度は、電極50の温度の代わりに、電極50近傍の清澄槽の(壁の)温度を計測して、後述する電極50の冷却の制御に用いてもよい。電極50近傍とは、電極50の位置から50cmの範囲内を意味する。
また、電極50の発熱を抑制するために、電極50の周囲に接触するように冷却管502が設けられている。すなわち、電極50は冷却管502により冷却されて発熱が抑制される。すなわち、電極50が冷却されて電極50の発熱が抑制されるとは、電流によって発した電極50の熱が冷却されて温度が抑制されることを意味する。
冷却管502は、冷媒供給装置54に接続されている。冷却管502は、管状に構成されており、冷媒供給装置54から供給された冷媒を受け入れる流入口と、供給された冷媒を冷媒供給装置54に対して排出する排出口とを有する。すなわち、冷却管502は、冷媒供給装置54から供給された冷媒を通過させることにより、冷却管502に接触するように設けられている電極50を冷却するように構成されている。
上記冷媒は、水などの液体であってもよいし、空気などの気体であってもよい。
本発明では、上記冷媒は、気体であることがより好ましい。冷媒が水などの液体である場合は、冷却能が高いため、清澄槽41の電極50の近傍では局所的に温度が低下する。
清澄槽において局所的な温度低下が起きると、清澄が十分に行なわれず、泡品質が低下するおそれがあった。また、白金又は白金合金から構成された清澄槽では気相空間を有するので白金又は白金合金が揮発する。揮発した白金又は白金合金(白金揮発物という)は、電極近傍の局所的に温度が低下した位置で凝縮し、凝縮物となって付着する。凝縮物の一部は脱泡工程中の溶融ガラス中に落下して混入し、ガラス基板の品質の低下を招くおそれがあった。したがって、本実施形態では、上記冷媒は、気体であることが好ましい。
冷却管502は、金属から構成される。冷媒供給装置54から供給される冷媒が水などの液体である場合は、冷却能が高いため、上記金属に、銅やニッケルなどを用いてもよく、使用に耐え得る。しかしながら、冷媒供給装置54から供給される冷媒が気体である場合は、液体と比較して冷却能が低いため、上記金属に、高温の空気中で酸化されない材料を用いることが好ましい。具体的には、白金、ロジウム、銀、パラジウム、金、またはこれらの合金が好ましい。銀は、これらの材質のうち、最も価格が安く、また電気抵抗が小さいので発熱を抑えることができる。したがって、上記金属は銀を含むことが好ましく、90質量%以上含むことがより好ましい。また、例えば、清澄槽に通電する電流が3000アンペアを超えるときは,冷却管材料は電気抵抗率が小さく,電流のバイパスとして機能する材質が望ましく、例えば、銅、銀、白金を用いることができる。また、通電する電流が3000アンペアより小さいときは,冷却管材料の抵抗発熱についての問題は小さいので,ステンレスやニッケル、コバルトなどを用いることもできる。すなわち、冷却管502は、銀、白金、銅、ロジウム、パラジウム、金、鉄、コバルト、ニッケルのいずれかを含むように構成されていてよい。なお、冷却管502に白金より融点が低い銀等の材料を用いる場合、冷却管502の周囲を耐火煉瓦等の耐火物で覆い、冷却管502を保護することもできる。
冷媒供給装置54は、制御装置58に接続されており、制御装置58の制御に従い、冷却管502に冷媒を供給する。冷媒は、たとえば圧縮空気などを用いることができる。
制御装置58は、CPU、メモリ等を含むコンピュータから構成されている。
制御装置58は、上述したように、温度計測装置56が計測した温度の結果を受け入れ、この計測結果に基づいて冷媒供給装置54を制御する。これにより、電極50の冷却量は調整される。例えば、制御装置58は、温度計測装置56が計測した温度の結果が、予め決められた温度範囲外にあるときには、冷媒供給装置54を制御して、冷却量を調整する。例えば冷媒供給量を予め決められた量だけ増減させる。なお、予め決められた温度範囲内にあるときには、冷媒供給装置54が供給する冷媒供給量が変更されないように、冷媒供給装置54を制御する。
具体的には、制御装置58は、上限値または下限値の少なくとも一方を含む、温度範囲を、予めメモリに記憶する。また、制御装置58は、予め決められた冷媒増加量および減少量を予めメモリに記憶する。
制御装置58は、温度計測装置56が計測した温度が、上限値を超えているときには、メモリを参照して、冷媒増加量を決定する。また、制御装置58は、冷媒供給装置54を制御して、決定した冷媒増加量だけ冷媒供給量を増加させる。
一方、下限値を超えているときには、メモリを参照して、冷媒減少量を決定する。また、制御装置58は、冷媒供給装置54を制御して、決定した量だけ冷媒供給量を減少させる。
例えば、上限値は、電極50が発熱により破断等しない温度である。ここで、電極50が白金で構成されている場合、白金の融点1768℃が上限値である。電極50は、上述したようにパラジウム等で構成することもできるため、上限値は、電極50を構成する材料の融点となる。また、下限値は、清澄槽41の気相空間に生じる白金蒸気が凝縮しない温度である。清澄槽41の気相空間に生じる白金蒸気が凝縮しない温度は、熔融ガラスMGの温度が清澄剤(例えば、酸化錫)の清澄を発現する温度以上であるため、上記下限値は、熔融ガラスMGの温度が酸化錫の清澄を発現する温度でなくてはならない。上述した、上限値は、具体的には、1720℃である。また、上述した下限値は、具体的には、1300℃であり、好ましくは、1400℃ある。
本発明者は、予め実験した結果、フランジ状の電極50の温度が1300℃以上になるように制御すれば、清澄槽において白金が凝縮(析出)しないことを見出した。また、本発明者は、さらに確実に白金が凝縮(析出)しないようにするためには、フランジ状の電極50の温度が1400℃以上になるように制御すればよいことを見出した。
したがって、本実施形態では、上述した下限値は、1300℃であり、1400℃であることがより好ましい。
[電極50の冷却調整方法]
次に、電極50の冷却調整方法を、図4を用いて詳述する。図4は、本実施形態に係る清澄工程ST2において、制御装置58が電極50の冷却を調整する方法の一例を示すフロー図である。
図4に示すように、ステップ11(ST11)において、制御装置58は、冷媒供給装置54が冷媒の供給を開始した状態で、温度計測装置56が計測した温度(計測温度)を受け入れる。電極50の温度は、冷却管502に接触した位置で温度が一番低く、清澄槽41と接触する位置に向かって徐々に温度が上がる。電極50においては清澄槽41と接触する位置で温度が一番高くなるが、清澄槽41においては電極50と接触する位置、つまり、電極50の近傍で温度が一番低くなる。図5は、清澄槽41の長手方向(流れ方向)の温度分布の一例を示した図である。電極50a、50bの間の白金で構成された清澄槽41に電流を流して清澄槽41を通電加熱すると、一般的に清澄槽41の長手方向中央部の温度T2が最高温度となり、長手方向両端部の電極50a、50b近傍の温度T1が最低温度となる。電極50a、50b近傍における気相空間GP及び熔融ガラスMGの温度が最も低くなるため、この電極50a、50b近傍の気相空間GPにおいて、白金蒸気が凝縮する可能性がある。このため、温度計測装置56は、電極50a、50b近傍で最低となるこの温度T1を計測する。そして、制御装置58は、後述するステップにおいて、温度T1が上限値から下限値の範囲内にあるか否かを判定する。このように、清澄槽41の壁の温度が、気相空間GPに生じる白金蒸気が凝縮する温度を超える範囲になるように、電極50a,50bの冷却が制御されている。
なお、制御装置58は、冷媒供給装置54に冷媒供給を開始させる際、冷媒供給量は、任意の量であってよい。例えば、制御装置58は、メモリに、初期冷媒供給量を記憶しておき、この初期冷媒供給量となるように冷媒供給装置54を制御してもよい。
ステップ12(ST12)において、制御装置58は、温度計測装置56から入力された計測温度が上限値を超えているか否かを判定する。温度計測装置56から入力された計測温度が上限値を超えているときには(ST12;Y)、制御装置58は、ST13の処理に進み、それ以外のときには(ST12;N)、ST21の処理に進む。計測温度が上限値を超えている場合(ST12;Y)、電極50及び電極50の近傍が異常に加熱された状態であるため、電極50が破断するおそれがある。このため、制御装置58は、ステップ13(ST13)において、電極50の冷却を行う。一方、計測温度が上限値を超えていない場合(ST12;N)、温度が適正に制御され電極50が破断するおそれがないため、ステップ21(ST21)において、計測温度が下限値を下回っているか否かを判定する。
ステップ13(ST13)において、制御装置58は、メモリを参照して、増加させる冷媒の量を決定する。また、制御装置58は、冷媒供給装置54を制御して、決定した量だけ冷媒供給量を増加させる。図6は、電極50の温度と時間との関係の一例を示す図である。制御装置58は、温度計測装置56により計測している計測温度が時間t1に上限値を超えたと判定すると(ST12;Y)、同図に示すように、時間t1以降、冷媒供給装置54を制御して冷媒供給量を増加させて、電極50の温度が上限値を下回るように制御する。ここで、制御装置58が、冷媒供給装置54を制御して冷媒供給量を増加させないと、同図に示す点線のように電極50の温度が上昇していき、電極50の破断の原因となる。電極50の温度を低下させる方法は、冷媒供給装置54が供給する単位時間当たりの冷媒供給量を増加させる方法の他、冷媒の供給時間(制御実行時間)を長くする、冷媒の温度を低下させる、また、電源装置52が供給する電流量を低下させる方法であってもよい。
ステップ21(ST21)において、制御装置58は、温度計測装置56から入力された計測温度が下限値未満か否かを判定する。温度計測装置56から入力された計測温度が下限値未満であるときには(ST21;Y)、制御装置58は、ST22の処理に進み、それ以外のときには(ST21;N)、処理を終了する。
ステップ22(ST22)において、制御装置58は、メモリを参照して、減少させる冷媒の量を決定する。また、制御装置58は、冷媒供給装置54を制御して、決定した量だけ冷媒供給量を減少させる。制御装置58は、温度計測装置56により計測している計測温度が時間t2に下限値を下回った判定すると(ST21;Y)、図6に示すように、時間t2以降、冷媒供給装置54を制御して冷却量を減少させて、電極50の温度が下限値を上回るように制御する。ここで、制御装置58が、冷媒供給装置54を制御して冷却量を減少させないと、図6に示す点線のように電極50の温度が低下していき、清澄槽41の気相空間に生じる白金蒸気が凝縮し、また、清澄剤(酸化錫)の清澄が発現しなくなる。電極50の温度を上昇させる方法は、冷媒供給装置54が供給する単位時間当たりの冷媒供給量を減少させる方法の他、冷媒の供給時間(制御実行時間)を短くする、冷媒の温度を上昇させる、また、電源装置52が供給する電流量を増加させる方法であってもよい。
以上の処理を繰り返すことにより、電極50の温度を上限値から下限値の範囲内になるように制御でき、ガラス製品の白金異物を低減することができる。
次に、本実施形態の作用について説明する。
清澄工程では、電極50a,50bの間に電圧が印加されることにより、電極50a,50bの間の清澄槽41に電流が流れて、清澄槽41が通電加熱される。加熱された清澄槽41内を溶融ガラスMGが通過することにより、溶融ガラスMGが所定温度(上記組成のガラスの場合は例えば1600℃以上)に昇温されることにより、溶融ガラスMG中に含まれるO、COあるいはSOを含んだ泡が、例えばSnO等の清澄剤の還元反応により生じたOを吸収して成長し、溶融ガラスMGの液面に浮上して放出される。その後、ガラス供給管43b等において熔融ガラスMGの温度を低下させることにより、SnO等の清澄剤が還元反応したSnOが酸化反応をすることにより、溶融ガラスMGに残存する泡中のO等のガス成分が溶融ガラスMG中に吸収されて、泡が消滅する。清澄剤による酸化反応および還元反応は、溶融ガラスMGの温度を制御することにより行われる。
また、電極50の発熱を抑制するために、電極50の周囲に接触するように冷却管502が設けられている。冷却管502は、冷媒供給装置54に接続されている。すなわち、冷却管502は、冷媒供給装置54から供給された冷媒を通過させることにより、冷却管502に接触して設けられている電極50を冷却する。
なお,冷却管502は、清澄槽41内の電流密度を均一化する役割も担う。冷却管502を用いない場合、板状の電極50だけでは,電流は清澄槽41へ最短距離で向かう傾向にあり、清澄槽41内部での電流密度が上側に偏る。一方、冷却管502は電気抵抗が小さくなるようにできており、電流を、冷却管502を通して清澄槽41の下側に誘導することで,電流を迂回させ、電流の偏りを低減することができる。
このとき、清澄槽41の気相空間は、清澄槽41の内面において揮発した白金蒸気を有する。
本実施形態では、電極50に温度計測装置56が設けられ、制御装置58により、電極50は、所定の温度以上になるように制御されている。所定の温度とは、清澄槽41の気相空間に生じる白金蒸気が凝縮する温度を超える温度である。すなわち、電極50は、清澄槽41の気相空間に生じる白金蒸気が凝縮する温度を超える範囲になるように制御されている。したがって、清澄槽41の気相空間に生じる白金蒸気が凝縮するのを防止し、ガラス中に白金異物が混入することを防止することができる。
なお、上記実施形態では、電極50a,50bにそれぞれ、冷媒供給装置54a,54b温度計測装置56a,56b、制御装置58a,58bが接続されている例を具体例として説明したが、電極50a,50bのいずれか一方のみに、冷媒供給装置54(54a,54b)、温度計測装置56(56a,56b)、制御装置58(58a,58b)が接続されていてもよい。
また、上記実施形態では、温度計測装置56は、電極50に設けられていたが、清澄槽41に設けられていてもよい。
また、上記実施形態では、清澄槽41は、フランジ状の1対の電極50a,50bを有する場合を具体例として説明したが、例えば、50bのみを有していてもよい。この場合、例えば、ガラス供給管43aに電極(図示せず)を設け、清澄槽41に設けられた電極50bと、ガラス供給管43aに設けられた電極との間に電流を流すことにより、清澄槽41を通電加熱してもよい。
また、上記実施形態では、制御装置58は、予め決められた冷媒増加量および減少量を予めメモリに記憶する。しかしながら、制御装置58は、例えば、温度に応じた冷媒増加量および減少量を予めメモリに記憶してもよい。すなわち、制御装置58は、温度計測装置56から入力された計測温度に応じて、冷媒増加量および減少量を決定してよい。これにより、冷却の精度を高めることができる。
また、上記実施形態では、制御装置58が、冷媒増加量および減少量を決定し、冷媒供給装置54を制御して、決定した量だけ冷媒供給量を増減させた。しかしながら、制御装置58に替わって、オペレータ(作業者)が、冷媒増加量および減少量を決定し、冷媒供給装置54を制御して、決定した量だけ冷媒供給量を増減させてもよい。
また、各電極50a,50bにおいて、冷却量を変えてもよい。例えば、清澄を促進させるために、ガラス供給管43aに近接された電極50aの温度を、ガラス供給管43bに近接された電極50bの温度より高くすることもできる。また、清澄槽41の流れ方向において、熔融ガラスMGの清澄を促進させる温度は異なるため、電極50a,50bにおける温度の上限値を同一にし、温度の下限値においては、電極50aの下限値を電極50bの下限値より高く設定(例えば、電極50aでの温度の下限値:1400℃、電極50bでの温度の下限値1350℃)することもできる。
また、電源装置52と接続される電極50が有する突出部の形状を任意に変更することもできる。電極50の突出部は清澄槽41から突出しているため、外気の影響を受けた電極50が冷却され、電極50近傍の清澄槽41の気相空間も冷却される。このため、清澄槽41から突出する突出部を線状して、外気による冷却を低減し、電極50近傍の冷却を抑制することもできる。また、突出部を保温材等で保温することにより、電極50近傍の冷却を抑制することもできる。
[実施例]
上述の実施形態において説明したガラス基板製造装置を用いて、ガラス基板を製造した。
電極50の温度は、1300℃以上、1720℃以下になるように制御した。
製造したガラス基板に含まれる白金異物を確認したところ、電極50の温度を制御しない従来の方法と比較して、ガラス基板に含まれる白金異物の量が低下し、歩留まりおよび品質が向上した。
なお、本明細書において、「白金又は白金合金(白金族金属)」は、白金族元素からなる金属を意味し、単一の白金族元素からなる金属のみならず白金族元素の合金を含む用語として使用する。ここで、白金族元素とは、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)の6元素を指す。
また、本発明は、酸化錫(SnO)を清澄剤として使用するガラス基板の製造に特に適している。清澄剤は従来ヒ素(AS)が一般的であったが、近年の環境負荷の観点から、酸化錫(SnO)が使用されている。酸化錫は亜ヒ酸と比較して脱泡工程時に泡を放出する力が弱いため、ガラスの粘性を低くして脱泡効果を上げる必要があり、結果として高い温度で清澄を行う必要がある。したがって、清澄剤として酸化錫(SnO)を使用する場合、ヒ素(亜ヒ酸;AS)を使用する場合と比較して、清澄槽を高い温度に加熱する必要があるが、清澄槽において局所的に温度が低下した場合、温度差がより大きくなるので、上述した白金異物の問題がより顕著となる。したがって本発明は、酸化錫(SnO)を清澄剤として使用するガラス基板の製造に特に適している。
また、本発明は、ガラスが、無アルカリガラスやアルカリを微量しか含まないアルカリ微量含有ガラスである、ガラス基板の製造に特に適している。無アルカリガラスやアルカリ微量含有ガラスは、アルカリ微量含有ガラスに比べてアルカリを多く含有するガラスに比べて、粘性が高いため、より高い温度で清澄を行う必要があり、清澄槽を高い温度に加熱する必要がある。
清澄槽を高い温度に加熱すると、清澄槽において局所的に温度が低下した場合、上述した白金異物の問題がより顕著となる。したがって、本発明は、無アルカリガラスやアルカリを微量しか含まないアルカリ微量含有ガラスである、ガラス基板の製造に特に適している。また、無アルカリガラスやアルカリを微量しか含まないアルカリ微量含有ガラスが用いられる、液晶表示装置用ガラス基板や有機EL用ガラス基板などのフラットパネルディスプレイ(FPD)用ガラス基板の製造に特に適している。
FPD用ガラス基板として、例えば、液晶ディスプレイ用ガラス基板や有機ELディスプレイ用ガラス基板が挙げられる。FPD用ガラス基板は、例えば、厚さが0.1〜0.7mmで、サイズが300×400mm〜2850×3050mmであり、本発明は、泡や白金異物の欠陥が改善されることから、よりサイズの大きなガラスの製造に適している。
本発明は、低温ポリシリコン(LTPSS)用ガラス基板を製造する場合に特に適している。低温ポリシリコン(LTPS)用ガラス基板は、一般的にガラス基板をエッチング等によりスリミングして使用する。ガラス基板をエッチング等によりスリミングすると、ガラス基板の内部に含まれる白金異物が表面に表れ、ガラス表面に凹凸を形成するため問題となる。したがって、本発明は、低温ポリシリコン(LTPS)用ガラス基板を製造する場合に特に適している。低温ポリシリコン(LTPS)用ガラス基板は、歪点が高いガラス基板であり、例えば、歪点が675℃以上、好ましくは、680℃以上、更に好ましくは、690℃以上のガラス基板が挙げられる。
本発明は、FPD用ガラス基板を製造する場合に特に適している。近年、フラットパネルディスプレイでは、より高コントラストが求められており、従来問題となっていなかった白金異物が、高コントラスト化に伴い問題となっている。したがって、本発明は、FPD用ガラス基板を製造する場合に特に適している。
その他、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々好適な他の形態への変更が可能である。
40 熔解装置
41 清澄槽
42 成形装置
43a、43b、43c ガラス供給管
52 電源装置
54a、54b 冷媒供給装置
56a、56b 温度計測装置
58a、58b 制御装置
100 撹拌装置
200 ガラス基板製造装置
502a、502b 冷却管

Claims (7)

  1. 熔解工程と、清澄工程と、成形工程とを含むガラス基板の製造方法であって、
    前記清澄工程において用いられる清澄槽は、筒状の形状を有し、白金又は白金合金から構成され、前記清澄槽の外周面には、前記清澄槽を通電加熱するためのフランジ状の電極が接続され
    前記清澄工程において、
    前記通電加熱された清澄槽に、気相空間を有するように液位を調整して前記熔融ガラスを通過させることにより脱泡を行い、
    前記電極の発熱を抑制するために前記電極を冷却し、
    前記電極の冷却は、前記清澄槽の壁の温度が、前記清澄槽の気相空間に生じる白金蒸気が凝縮する温度を超える範囲になるように前記電極の温度を制御することにより行うことを特徴とするガラス基板の製造方法。
  2. 前記清澄工程において、
    前記電極又は前記電極近傍の清澄槽の温度を測定し、
    前記測定した温度に基づいて、前記電極の冷却量を調整する、請求項1に記載のガラス基板の製造方法。
  3. 前記清澄工程において、
    前記測定した電極又は電極近傍の清澄槽の温度が、予め決められた温度範囲内か否かを判定し、前記判定した結果、測定した温度が前記予め決められた温度範囲外にあるときに、前記冷却量を調整する、請求項2に記載のガラス基板の製造方法。
  4. 前記清澄工程において、清澄剤として酸化錫が用いられる、請求項1〜3のいずれか1項に記載のガラス基板の製造方法。
  5. 前記電極は、冷媒を通過させるための冷却管を有し、
    前記清澄工程は、
    前記冷却管に通過させる冷媒の量を増減することにより、冷却量を調整する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のガラス基板の製造方法。
  6. 前記冷媒は、気体である、請求項5に記載のガラス基板の製造方法。
  7. 熔解槽と、清澄槽と、成形装置とを含むガラス基板製造装置であって、
    前記清澄槽は、筒状の形状を有し、白金又は白金合金から構成され、前記清澄槽の外周面には、前記清澄槽を通電加熱するためのフランジ状の電極が接続され
    前記電極は、前記電極の発熱を抑制するために冷却され、
    前記電極の冷却は、前記清澄槽の壁の温度が、前記清澄槽の気相空間に生じる白金蒸気が凝縮する温度を超える範囲になるように前記電極の温度を制御することにより行うことを特徴とするガラス基板製造装置。
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