JP2017178709A - ガラス基板の製造方法、及び、ガラス基板の製造装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】熔解槽101に貯留される熔融ガラスMGに電流を流して通電加熱する少なくとも一対の酸化錫からなる電極208を有し、電極208は、熔解槽101の側壁に形成された貫通孔210aに設置される第1の電極208aと、第1の電極208aの後端面208cに継ぎ足される第2の電極208bとから構成され、電流が流れる方向に対して垂直方向において、第2の電極208bの断面積は第1の電極208aの断面積より小さく、第2の電極208bの一端から第1の電極208aの一端までの差寸法は第1の電極208aの一端から耐火物までの隙間寸法より小さく、第2の電極208bの後端面208eを押圧して、電極208を熔融ガラスMG方向に押し出すガラス基板の製造方法。
【選択図】図4
Description
前記熔解槽は、複数の耐火物が積層されて構成され、前記熔解槽に貯留される熔融ガラスに電流を流して通電加熱する少なくとも一対の電極を有し、
前記電極は、前記熔解槽の側壁に形成された貫通孔に設置される第1の電極と、前記第1の電極の後端面に継ぎ足される第2の電極とから構成され、
前記電流が流れる方向に対して垂直方向において、前記第2の電極の断面積は前記第1の電極の断面積より小さく、前記第2の電極の一端から前記第1の電極の一端までの差寸法は前記第1の電極の一端から前記耐火物までの隙間寸法より小さく、
前記第2の電極の後端面を押圧して、前記電極を熔融ガラス方向に押し出す、
ことを特徴とする。
前記熔解槽は、複数の耐火物が積層されて構成され、前記熔解槽に貯留される熔融ガラスに電流を流して通電加熱する少なくとも一対の電極を有し、
前記電極は、前記熔解槽の側壁に形成された貫通孔に設置される第1の電極と、前記第1の電極の後端面に継ぎ足される第2の電極とから構成され、
前記電流が流れる方向に対して垂直方向において、前記第2の電極の断面積は前記第1の電極の断面積より小さく、前記第2の電極の一端から前記第1の電極の一端までの差寸法は前記第1の電極の一端から前記耐火物までの隙間寸法より小さい、
ことを特徴とする。
(ガラス基板の製造方法の全体概要)
図1は、本実施形態のガラス基板の製造方法の工程の一例を示す図である。ガラス基板の製造方法は、熔解工程(ST1)、清澄工程(ST2)、均質化工程(ST3)、供給工程(ST4)、成形工程(ST5)、徐冷工程(ST6)、および、切断工程(ST7)を主に有する。この他に、研削工程、研磨工程、洗浄工程、検査工程、梱包工程等を有してもよい。製造されたガラス基板は、必要に応じて梱包工程で積層され、納入先の業者に搬送される。
清澄工程(ST2)では、熔融ガラスが昇温されることにより、熔融ガラス中に含まれる酸素、CO2あるいはSO2を含んだ泡が発生する。この泡が熔融ガラス中に含まれる清澄剤(酸化スズ等)の還元反応により生じた酸素を吸収して成長し、熔融ガラスの液面に浮上して放出される。その後、清澄工程では、熔融ガラスの温度を低下させることにより、清澄剤の還元反応により得られた還元物質が酸化反応をする。これにより、熔融ガラスに残存する泡中の酸素等のガス成分が熔融ガラス中に再吸収されて、泡が消滅する。清澄剤による酸化反応及び還元反応は、熔融ガラスの温度を制御することにより行われる。
なお、清澄工程は、熔融ガラスに存在する泡を減圧雰囲気で成長させて脱泡させる減圧脱泡方式を用いることもできる。減圧脱泡方式は、清澄剤を用いない点で有効である。しかし、減圧脱泡方式は装置が複雑化及び大型化する。このため、清澄剤を用い、熔融ガラス温度を上昇させる清澄方法を採用することが好ましい。
供給工程(ST4)では、撹拌された熔融ガラスが成形装置に供給される。
成形工程(ST5)では、熔融ガラスをシートガラスに成形し、シートガラスの流れを作る。成形には、オーバーフローダウンドロー法が用いられる。
徐冷工程(ST6)では、成形されて流れるシートガラスが所望の厚さになり、内部歪が生じないように、さらに、反りが生じないように冷却される。
切断工程(ST7)では、徐冷後のシートガラスを所定の長さに切断することで、板状のガラス基板を得る。切断されたガラス基板はさらに、所定のサイズに切断され、目標サイズのガラス基板が作られる。
図2に示す熔解槽101には、図示されないバーナー等の加熱手段が設けられている。熔解槽には清澄剤が添加されたガラス原料が投入され、熔解工程(ST1)が行われる。熔解槽101で熔融した熔融ガラスは、移送管104を介して清澄管102に供給される。
清澄管102では、熔融ガラスMGの温度を調整して、清澄剤の酸化還元反応を利用して熔融ガラスの清澄工程(ST2)が行われる。具体的には、清澄管102内の熔融ガラスが昇温されることにより、熔融ガラス中に含まれる酸素、CO2あるいはSO2を含んだ泡が、清澄剤の還元反応により生じた酸素を吸収して成長し、熔融ガラスの液面に浮上して気相空間に放出される。その後、熔融ガラスの温度を低下させることにより、清澄剤の還元反応により得られた還元物質が酸化反応をする。これにより、熔融ガラスに残存する泡中の酸素等のガス成分が熔融ガラス中に再吸収されて、泡が消滅する。清澄後の熔融ガラスは、移送管105を介して攪拌槽103に供給される。
攪拌槽103では、攪拌機107によって熔融ガラスが攪拌されて均質化工程(ST3)が行われる。攪拌槽103で均質化された熔融ガラスは、ガラス供給管106を介して成形装置108に供給される(供給工程ST4)。
成形装置108では、オーバーフローダウンドロー法により、熔融ガラスからシートガラスSGが成形され(成形工程ST5)、徐冷される(徐冷工程ST6)。
切断装置109では、シートガラスSGから切り出された板状のガラス基板が形成される(切断工程ST7)。
図3は、熔解工程(ST1)を行う熔解槽101を説明する図である。
熔解槽101は、耐火レンガである耐火物部材により構成された壁210を有する。熔解槽101は、壁210で囲まれた内部空間を有する。熔解槽101の内部空間は、上記空間に投入されたガラス原料が熔解してできた熔融ガラスMGを加熱しながら収容する液槽Bと、熔融ガラスMGの上層に形成され、ガラス原料が投入される、気相である上部空間Aとを有する。
上部空間Aの壁210には、燃料と酸素等を混合した燃焼ガスが燃焼して火炎を発するバーナー206が設けられる。バーナー206は火炎によって上部空間Aの耐火物部材を加熱して壁210を高温にする。ガラス原料は、高温になった壁210の輻射熱により、また、高温となった気相の雰囲気により加熱されて熔解する。
図4は、熔解槽101の電極体208及び貫通孔210a近傍のxz平面に平行な断面図である。図5は、電極体208及び貫通孔210a近傍のxy平面に平行な断面図である。図6は、電極体208及び貫通孔210a近傍をx方向から見た正面拡大図である。図4から図6では、電極体208に設けられるコネクタ等の図示は省略されている。
電極支持部235と接する第1の電極体要素208a、第2の電極体要素208bの底面は、底面の高さ位置が一致するように設置される。第1の電極体要素208aの先端面208f及び後端面208c、第2の電極体要素208bの先端面208d及び後端面208eは、電極体208の中心軸C1と垂直になるように構成されている。第1の電極体要素208aの後端面208c、第2の電極体要素208bの先端面208dは、電流が途切れなく流れるように密接(密着)ている。第2の電極体要素208bから第1の電極体要素208aに電流が流れればよく、第1の電極体要素208aと第2の電極体要素208bとを接続する方法は任意である。図4から図6では、縦方向に4段、横方向に4列、合計16本の電極体要素208aで構成されている。電極体要素208aからなる複合体としての電極体208は、本実施形態のように、縦方向に4段、横方向に4列、合計16本の電極体要素208aで構成されることに限定されず、合計本数、縦方向の段数、横方向の列数は特に制限されない。例えば、電極体208は、1つの電極体要素で構成されてもよい。
図6に示すように、水平治具221は、水平方向に隣接するすべての電極体要素208aに掛け渡され、電極体要素208aの最も上の段から最も下の段までの各段にそれぞれ設けられている。垂直治具222は、上下方向に隣接する水平治具221の各々に掛け渡されている。
測定ゲージ(測定器)225は、2点間の距離を測定可能なゲージであり、電極体208の後端面208b上の任意の点と基準面Rとの距離を測定する。
図1に示すガラス基板の製造方法の熔解工程(ST1)においては、熔解槽101の液槽Bの壁210の貫通孔210aに電極体208を配置した後、熔解槽101内にガラス原料が供給される。ガラス原料は、バーナー206が発する火焔によって加熱されて熔解して、熔融ガラスMGが液槽Bに蓄えられる。その後、電極体208を用いて熔融ガラスMGが通電加熱される。熔融ガラスMGの通電加熱を長期間継続すると、電極体208の先端部が熔融ガラスMGによって浸食される。これにより、図4及び図5に示すように、電極体208の先端面208fの位置が、初期の位置P0から貫通孔210aの内側へ後退する。
SiO2:55−80質量%
Al2O3:8−20質量%
B2O3:0−18質量%
RO 0〜17モル%(ROはMgO、CaO、SrO及びBaOの合量)、
R’2O 0〜2モル%(R’2OはLi2O、Na2O及びK2Oの合量)。
ROのうち、MgOが0〜10質量%、CaOが0〜10質量%、SrOが0〜10質量%、BaOが0〜10質量%であることが好ましい。
さらに、熔融ガラス中で価数変動する金属の酸化物(酸化スズ、酸化鉄)を合計で0.05〜1.5質量%含んでいることが好ましい。
AS2O3、Sb2O3、PbOを実質的に含まないことが好ましいが、これらを任意に含んでいてもよい。
また、ガラス中で価数変動する金属の酸化物(酸化スズ、酸化鉄)を合計で0.05〜1.5質量%含み、As2O3、Sb2O3及びPbOを実質的に含まないということは必須ではなく任意である。
また、本実施形態で製造されるガラス基板は、カバーガラス、磁気ディスク用ガラス、太陽電池用ガラス基板などにも適用することが可能である。
101 熔解槽
102 清澄管
103 撹拌槽
104、105 移送管
106 ガラス供給管
200 成形装置
300 切断装置
MG 熔融ガラス
SG シートガラス
Claims (5)
- ガラス原料が熔解され生成される熔融ガラスを貯留する熔解槽と、前記熔融ガラスからガラス基板を成形する成形装置とを備えるガラス基板の製造方法であって、
前記熔解槽は、複数の耐火物が積層されて構成され、前記熔解槽に貯留される熔融ガラスに電流を流して通電加熱する少なくとも一対の電極を有し、
前記電極は、前記熔解槽の側壁に形成された貫通孔に設置される第1の電極と、前記第1の電極の後端面に継ぎ足される第2の電極とから構成され、
前記電流が流れる方向に対して垂直方向において、前記第2の電極の断面積は前記第1の電極の断面積より小さく、前記第2の電極の一端から前記第1の電極の一端までの差寸法は前記第1の電極の一端から前記耐火物までの隙間寸法より小さく、
前記第2の電極の後端面を押圧して、前記電極を熔融ガラス方向に押し出す、
ことを特徴とするガラス基板の製造方法。 - 前記第1の電極の後端面側の角部は曲面形状からなる、
ことを特徴とする請求項1に記載のガラス基板の製造方法。 - 前記第2の電極の一端から前記耐火物までの隙間寸法は5mm以下である、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のガラス基板の製造方法。 - 前記第1の電極の底面と前記第2の電極の底面との高さ位置は一致する、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のガラス基板の製造方法。 - ガラス原料が熔解され生成される熔融ガラスを貯留する熔解槽と、前記熔融ガラスからガラス基板を成形する成形装置とを備えるガラス基板の製造装置であって、
前記熔解槽は、複数の耐火物が積層されて構成され、前記熔解槽に貯留される熔融ガラスに電流を流して通電加熱する少なくとも一対の電極を有し、
前記電極は、前記熔解槽の側壁に形成された貫通孔に設置される第1の電極と、前記第1の電極の後端面に継ぎ足される第2の電極とから構成され、
前記電流が流れる方向に対して垂直方向において、前記第2の電極の断面積は前記第1の電極の断面積より小さく、前記第2の電極の一端から前記第1の電極の一端までの差寸法は前記第1の電極の一端から前記耐火物までの隙間寸法より小さい、
ことを特徴とするガラス基板の製造装置。
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JP2016070139A JP2017178709A (ja) | 2016-03-31 | 2016-03-31 | ガラス基板の製造方法、及び、ガラス基板の製造装置 |
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WO2020051023A1 (en) * | 2018-09-06 | 2020-03-12 | Corning Incorporated | Melting furnace electrode handling devices |
CN112624572A (zh) * | 2020-12-30 | 2021-04-09 | 彩虹(合肥)液晶玻璃有限公司 | 一种tft-lcd基板玻璃池炉电极推进装置 |
-
2016
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US11523477B2 (en) | 2018-09-06 | 2022-12-06 | Corning Incorporated | Melting furnace electrode handling devices |
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