JP4494832B2 - アライメント装置及び成膜装置 - Google Patents

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Description

本発明は、基板とマスクとを精度良く位置合わせするためのアライメント装置及びこれを備えた成膜装置に関する。
基板にマスクを重ねて成膜する成膜装置においては、基板とマスクを高精度に位置合わせするアライメント技術が重要とされている。例えば、有機薄膜を用いた有機EL(Electro Luminescence)表示装置の製造においては、三原色の各色の光を発生させる三種類の有機薄膜を同一の基板上に形成する際、所定のマスクパターン(開口)が形成されたマスクを基板の成膜面に高精度に位置決めして蒸着あるいはスパッタ等の所定の成膜処理が行われている。
ところで、従来より、有機EL表示装置の製造に用いられる成膜装置においては、マスクとして磁性材料製のメタルマスクが用いられており、マスクの上に基板を位置合わせした後、基板の上にマグネットを重ね、このマグネットとマスクとの間で基板を挟むことによって、互いに位置合わせされた基板とマスクの密着状態を保持している(特許文献1,2参照)。
特開2001−358202号公報 特開2002−367781号公報
しかしながら、従来の成膜装置においては、基板を支持する基板ホルダは単に基板の下面を支持するだけの構成であるので、マスクと位置合わせされた基板に対してマグネットを下降させた時に、マグネットの磁力によりマスクが基板を押し上げるようにして上方へ撓み変形する場合があり、これが原因で基板が位置ズレし、マスクと基板のアライメント状態に狂いが生じるという問題がある。
また、従来の成膜装置では、成膜済の基板とマスクを分離する際、基板に対してマグネットを上昇させる時に、マグネットの磁力によりマスクが基板を押し上げるようにして上方へ撓み変形する結果、基板が位置ズレして基板成膜面上の形成膜がマスクの開口エッジにより削り落とされる場合があり、基板成膜面の保護が図れなかった。
本発明は上述の問題に鑑みてなされ、マグネット昇降時における基板の位置ズレを防止して、基板とマスクとの間のアライメント精度の向上と成膜済の基板成膜面の保護を図ることができるアライメント装置及びこれを備えた成膜装置を提供することを課題とする。
以上の課題を解決するに当たり、本発明のアライメント装置は、マスクホルダに支持されている磁性材料製のマスクに対して基板を昇降自在に保持する基板保持機構と、前記マスクと前記基板とを位置合わせするアライメント機構と、前記マスクと前記基板とを密着させるマグネットを前記基板に対して昇降させるマグネット昇降機構とを備え、前記基板保持機構は、前記基板の周縁を挟持する一対の第1,第2フックを有する基板保持ユニットを複数備えてなることを特徴とする。
また、本発明の成膜装置は、成膜室を区画する真空チャンバと、この真空チャンバ内に配置された成膜手段と、この成膜手段の対向位置に配置された基板の成膜面にマスクを位置合わせするアライメント装置とを備えた成膜装置において、前記アライメント装置は、マスクホルダに支持されている磁性材料製の前記マスクに対して前記基板を昇降自在に保持する基板保持機構と、前記マスクと前記基板とを位置合わせするアライメント機構と、前記マスクと前記基板とを密着させるマグネットを前記基板に対して昇降させるマグネット昇降機構とを備え、前記基板保持機構は、前記基板の周縁を挟持する一対の第1,第2フックを有する基板保持ユニットを複数備えてなることを特徴とする。
本発明では、基板保持ユニットによって基板の周縁を上下から挟持する構成とされているので、マグネット昇降時に、マグネットの磁力によるマスクの撓み変形によって基板に位置ズレが生じるのを抑止することができる。これにより、マスクと基板との間のアライメント精度の悪化を回避することができると共に、成膜済の基板にあってはその成膜面上の形成膜がマスクの開口エッジによって損壊されることが防止されて成膜面の保護が図れる。
更に、マグネット昇降機構が、昇降軸の下端に固定されマグネットを保持するマグネットホルダと、このマグネットホルダに対して相対移動自在に吊り下げられ基板の上面に対向配置される基板押えとを有する構成とすることにより、マグネットの下降時、基板押えがマグネットよりも先に基板上面に到達し、自重により基板上面を押圧する作用を行う。これにより、マグネットの磁力によるマスクの撓み変形に伴う基板の位置ズレが確実に防止される。また、マグネットの上昇時にも同様に、マグネットが基板から離れても基板押えの自重により基板の位置ズレが確実に防止される。
以上、本発明によれば、基板を保持する基板保持機構を、基板の周縁を挟持する複数の基板保持ユニットで構成したので、基板とマスクとの密着を図るマグネットの昇降時において基板の位置精度を確保してマスク−基板間のアライメント精度の悪化を防止できると共に、基板成膜面上の形成膜がマスクにより損壊されるのを防止して基板成膜面の保護を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1〜図3は、本発明の実施の形態によるアライメント装置1を備えた成膜装置2の概略構成を示しており、図1はその要部の正面断面図、図2はその要部側面図、図3はその要部平面図である。
成膜装置2は、成膜室3を区画する真空チャンバ4の上部に、基板5とマスク6を位置合わせしその状態を保持するアライメント装置2が設けられた構成となっている。以下、アライメント装置1の構成について説明する。
アライメント装置1は、基板5を支持する基板保持ユニット10と、マスク6を支持するマスクホルダ11と、基板5とマスク6とを密着させるマグネット7を昇降させるマグネット昇降機構12とを備えている。
基板保持ユニット10は、基板5を囲むように計4箇所に配置され(図4)、基板5の周縁を挟持する一対の第1,第2フック21,22をそれぞれ有している。これら第1、第2フック21,22はそれぞれ昇降自在とされており、本実施の形態では、第1フック21の昇降軸21Aの軸心位置に、第2フック22の昇降軸22Aを位置させている。基板5は、ガラスやセラミック、半導体基板等が適用される。
具体的には、第1フック21は昇降軸21Aの下端に形成され、この昇降軸21Aは鉛直方向に延在する中空軸で構成されている。また、第2フック22は昇降軸22Aの下端に形成され、この昇降軸22Aは昇降軸21Aの軸心位置に相対移動自在に挿通されている。第1、第2フック21,22のそれぞれの基板挟持面には、図示せずとも滑り止め層がコーティングされており、基板5に対して適度に弾接されて、適正な挟持作用が確保されている。
これら各基板保持ユニット10は、第1,第2フック21,22を同時に昇降させる第1昇降機構部31と、第1フック21に対して第2フック22を相対的に昇降させる第2昇降機構部32とをそれぞれ備えている。
第1昇降機構31は、第1フック21の昇降軸21Aの外周部に一体固定されたガイドブロック23と、真空チャンバ4の天板部4aの上に取り付けられた支持プレート13上に立設されたガイドレール24と、ガイドブロック23をガイドレール24に沿って移動させるリニア軸受25とを有している。
ガイドブロック23は、互いに隣接する一対の基板保持ユニット10,10の昇降軸21A,21Aをそれぞれ支持しており、このガイドブロック23には、ボールネジ14の回転運動を当該ガイドブロック23の昇降運動に変換するブロック部材15が取り付けられている(図2)。ボールネジ14は、ガイドレール24の上端に取り付けられるベースプレート16と支持プレート13とに支持されて鉛直方向に延在している。
ベースプレート16には更に、ボールネジ14を回転駆動するロータリーアクチュエータ等でなる第1駆動部41が取り付けられている(図2)。この第1駆動部41の駆動軸41aにはプーリ41bが固定されており、これとボールネジ14の上端に固定されたプーリ14aとの間にベルト26Aが張設されている。
なお、第1駆動部41側のプーリ41bは一対設けられ、他方のプーリ41bは、図2に示す方向とは反対側に位置する残余の基板保持ユニット10の昇降軸21Aを支持するガイドブロック23を昇降させるためのボールネジ14を回転駆動させるベルト26Bが張設されている(図3)。
一方の第2昇降機構部32は、第2フック22の昇降軸22Aの上端部にブラケット27を介して連結された第2駆動部42を有している。この第2駆動部42は、第1フック21の昇降軸21Aの外周部に固定された支持台28に対し、取付部材29及び30を介して固定されている。このため、第2フック22の昇降軸22Aは、上述した第1昇降機構部31の駆動により、第1フック21の昇降軸21Aと共に昇降移動されるようになっている。
第2駆動部42は、空気圧又は油圧往復シリンダで構成され、駆動軸42aを伸縮させることにより、第2フック22の昇降軸22Aを第1フック21の昇降軸21Aに対して相対的に昇降自在としている。この第2駆動部42の駆動により、基板保持ユニット10による基板5の挟持作用及び挟持解除作用が行われる。
なお、以上のように構成される第1,第2昇降機構部31,32においては、真空チャンバ4の天板部4aとガイドブロック23の間、及び、第1フック21の昇降軸21A上端とブラケット27との間には、密閉性のベローズ33及び34が取り付けられている。
更に、これら各基板保持ユニット10には、第1,第2フック21,22を第1フック21の昇降軸21Aの周りに同時に旋回させる旋回機構部35が設けられている。
旋回機構部35は、各々の基板保持ユニット10の支持台28にそれぞれ取り付けられたロータリーアクチュエータ等でなる第3駆動部43と、この第3駆動部43の回転軸43aに固定されたプーリ43bと、第1フック21の昇降軸21Aの外周部に固定されたプーリ21aと、これらプーリ43bとプーリ21aとの間に張設されたベルト26Cとで構成され、第3駆動部43の駆動によりベルト26Cを介して昇降軸21Aが回転されることにより、第1,第2フック21,22が昇降軸21Aの周りに旋回されるようになっている。このとき、各基板保持ユニット10は、第1,第2フック21,22を基板5の周縁に対して、例えば図4に示すように旋回するようになっている。
なお、第1フック21の旋回による第2フック22の連れ回りに関しては、昇降軸21Aの周面の一部に形成した切欠き部21b(図1)から突出する第2フック22が、当該切欠き部21bの切欠き面と当接することによって第1フック21と一体的に旋回されるようにしている。
基板保持ユニット10は以上のように構成され、これらにより本発明に係る「基板保持機構」が構成される。基板5は、この基板保持機構によって真空チャンバ4の内部において、その直下方位置でマスクホルダ11に支持されるマスク6に対して相対的に昇降移動自在とされている。
次に、このマスクホルダ11の構成について説明する。
マスクホルダ11は、磁性金属でなるマスク6の周縁の例えば四隅下面を各々支持する複数の支持爪51と、これら支持爪51を下端部で各々支持する複数本の支持ロッド52と、これら支持ロッド52が取り付けられる取付プレート53と、この取付プレート53を支持する中空軸54とを備えている。
支持爪51の上面には、マスク6の周縁に穿設された位置決め孔に嵌合する位置決めピン51aが突設されており、支持爪51に対するマスク6の相対移動が規制されている。
中空軸54は、支持プレート13上に設けられたケーシング55内に配置されており、モータ56により回転自在とされていると共に、磁性流体シール57を介してX−Y方向移動部58に連結されている。これらモータ56及びX−Y方向移動部58の各駆動により、マスクホルダ11及びこれに支持されるマスク6は、ケーシング55脇に配置されたCCD(Charge Coupled Device)カメラ59による基板5及びマスク6間の位置合わせ画像に基づき、基板保持ユニット10に支持されている基板5に対してX,Y及びθ方向に相対移動可能とされている。
なお、モータ56、X−Y方向移動部58、CCDカメラ59等により、本発明の「アライメント機構」が構成されている。このアライメント機構は、磁性流体シール57と支持プレート13との間に密閉性のベローズ60が中空軸54を被覆するように取り付けられている。
そして、マグネット昇降機構12は、上述のアライメント機構により互いに精密アライメントした基板5及びマスク6を密着させるマグネット7を下面に保持するマグネットホルダ61と、このマグネットホルダ61を昇降させるマグネット昇降軸62とを備えている。マグネット昇降軸62は、マスクホルダ11の中空軸54の軸心部に対して相対移動自在に挿通され、その上端部は、ケーシング55に支持された油圧又は空圧シリンダ等でなる第4駆動部44の伸縮ロッドに連結されている。
図5は、マグネットホルダ61の構成を示す斜視図である。マグネットホルダ61は、マスクホルダ11の各支持ロッド52がそれぞれ挿通される複数のガイド孔63を周縁に有し、マグネット昇降軸62の軸方向への移動がガイドされるように構成されている。
マグネットホルダ61には、基板5に対してマグネット7を着脱する際に、基板5の位置ズレを規制する基板押え64が取り付けられている。この基板押え64は、マグネットホルダ61に形成された複数の挿通孔68にそれぞれ挿通される複数の段付きピン65を有しており、これら複数の段付ピン65を介して、マグネットホルダ61に対し、相対的に所定距離だけ昇降移動自在に吊り下げられている。
基板押え64は例えばアルミニウム等の非磁性金属材料でなり、図5に示すように、略長方形状の薄板部材64aと、段付ピン65を支持する一対の第1枠体64b,64bと、これら一対の第1枠体64b,64bの端部間を跨るように取り付けられる一対の第2枠体64c,64cとで構成されている。また、薄板部材64aの第2枠体64c,64c側の周縁部には、基板5の周縁上面を挟持する基板保持ユニット10の第2フック22との干渉を防止するためのニゲ64dが形成されている。
なお、マグネットホルダ61の所定位置には、切欠き61dが設けられている。この切欠き61dは、基板5に対するマグネット7の取付時、マグネットホルダー61と基板押え64の第2枠体64cとの干渉を避けるためのニゲである。
本実施の形態のアライメント装置1は以上のように構成されている。このアライメント装置1は、全体的に、真空チャンバ4の天板部4aの上に載置された支持プレート13上に構成されており、真空チャンバ4の内外の圧力差等に起因する天板部4aの変形でアライメント動作が影響を受けないようにしている。そして、アライメント装置1は、成膜室3内において、基板保持ユニット10、マスクホルダ11及びマグネット昇降機構12により、基板5に対するマスク6の位置合わせ作用と、位置合わせした基板5及びマスク6の密着保持作用を行う。
以下、このアライメント装置1及び成膜装置2の動作について図6及び図7を参照して説明する。図6及び図7は、図1に示したアライメント装置1を簡略化して示した図で、図1において対応する部分については同一の符号を付している。
図示しないロボットにより、成膜面を下向きにして真空チャンバ内に搬入された基板5は、図6Aに示すように、各基板保持ユニット10の第1,第2フック21,22により周縁部が挟持される。基板保持ユニット10に保持された基板5の成膜面(下面)側はマスクホルダ11に支持されたマスク6と対向し、反対側の非成膜面(上面)側はマグネットホルダ61から吊り下げられた基板押え64の薄板部材64aに対向している。
次に、図6Aに示す状態で、アライメント機構により基板5とマスク6の位置合わせが行われる。基板5とマスク6の位置合わせは、基板保持ユニット10によって静止されている基板5に対し、マスク6を支持するマスクホルダ11を、上述したアライメント機構に介して相対移動させることによって基板5とマスク6のアライメントが行われる。
具体的には、CCDカメラ59によって基板5のアライメントマークとマスク6のアライメントマークの各画像を取得し、これらのアライメントマークに基づいてモータ56及びX−Y方向移動部58を駆動し、マスクホルダ11をθ、X及びYの各方向に移動させる。
以上のようにして基板5とマスク6のアライメントが行われた後、第1昇降機構部31の駆動により各基板保持ユニット10が同時に下降し、図6Bに示すように基板5がマスク6の上に重ね合わされる。このとき、基板5は、基板保持ユニット10の第1,第2フック21,22により挟持されることによって支持されているので、基板5が薄厚のものであってもこれを撓ませることなくマスク6の上に重ねることができ、これにより基板5の位置ズレが防止される。
続いて、マグネット昇降機構12を駆動して、基板5の非成膜面(上面)側にマグネット7が重ね合わされる。この動作は、図7Aに示すように、第4駆動部44の駆動によりマグネット昇降軸62を下降させ、支持ロッド52のガイド作用を経て、マグネット7を支持するマグネットホルダ61を基板5の非成膜面に向けて移動させる。
このとき、各基板保持ユニット10は、第1,第2フック21,22で基板5の周縁を上下から挟持しているので、マグネット7の下降時に、マグネット7の磁力によるマスク6の撓み変形によって基板5に位置ズレが生じるのを抑止することができる。
また、本実施の形態においては、マグネットホルダ61に吊り下げられた基板押え64はマグネット7よりも先に基板5の上面に到達し、この基板押え64の自重により基板5をマスク6側へ押圧する作用を行う。そして、マグネット7の磁力によるマスク6のマグネット7側への変形を抑止しながら、マグネット7を基板5に当接した基板押え64の薄板部材64a上に重ねる。これにより、基板5とマスク6との間の精密アライメント及び密着を図ることができる(図7B)。
以上のように、基板5の成膜面にマスク6が重ね合わされた後、同じ成膜室3において基板5の成膜面と対向するように配置された図示しない蒸発源あるいはスパッタターゲット等の成膜手段によって、基板5の成膜面にマスク6を介して所定の成膜材料が形成される。これにより、基板5の成膜面に、マスク6の開口パターンに対応した形状の成膜パターンが形成される。
なお、この成膜装置2においては、モータ56により中空軸54を回転駆動し、基板5をマスク6及びマグネット7と共に回転させながら成膜することも可能である。この場合には、基板保持ユニット10による基板5の挟持作用を解除し、第1,第2フック21,22を図4に示したように基板5の回転を阻害しない位置まで旋回退避させる。
成膜後、基板5とマスク6とを分離するべく、まず、第4駆動部44の駆動によりマグネット昇降軸62を上昇させ、マグネット7を基板押え64から分離する(図7A)。
このとき、基板5は、各基板保持ユニット10の第1,第2フックにより周縁が挟持されているので、マグネット7の磁力によるマスク6の撓み変形を抑止でき、基板5とマスク6との間の位置ズレが防止される。また、基板押え64により基板5がマスク6側へ押さえ付けられているので、マグネット7の磁力によるマスク6の撓み変形が抑止され、基板5とマスク6との間の位置ズレが防止される。これにより、基板5とマスク6の位置ズレによる基板5の成膜面に形成されたパターンの損傷を回避でき、基板5の成膜面を保護することができる。
続いて、第1昇降機構31により、各基板保持ユニット10を上昇させて、基板5をマスク6から分離する(図6A)。そして、第2昇降機構32により第2フック22を上昇させて基板5の挟持作用を解除し、第1フック21のみによって基板5が支持される。そして、図示しないロボットが基板5の下方に進入し、真空チャンバ4の外部へ搬出されると共に、次に処理するべき新しい基板5が第1フック21上へ載置される。
以上のように、本実施の形態によれば、複数の基板保持ユニット10が基板5の周縁を挟持する構成とされているので、基板5の撓みを規制してマスク6に対する高精度なアライメントを実現することができる。また、マグネット7の昇降時におけるマスク6の撓み変形による基板5の位置ズレを抑止して、基板5とマスク6との間のアライメント精度の悪化を回避することができる。
また、本実施の形態によれば、基板5とマスク6とを高精度に位置合わせするアライメント装置1が成膜室3内に臨んで構成されているので、アライメント工程後、迅速に成膜工程に移行することができ、これにより生産性の向上を図ることが可能となる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、勿論、本発明はこれに限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
例えば、上述した構成の基板保持ユニット10を用いてマスクホルダ11に保持されたマスク6の交換作用を行わせることも可能である。この場合、例えば図8に示すように、第1フック21の先端にマスク係合用の突出片21tを形成すると共に、マスク6の周縁所定位置には、この第1フック21の突出片21tと係合する係合爪(図示略)を形成しておく。そして、第1フック21を旋回機構部35の駆動により旋回させた際、これら突出片21tと係合爪を互いに係合させ、マスク6をマスクホルダ11から分離し、ロボット等の搬送手段を介して当該マスクをチャンバ外部へ搬出したり、新しいマスクをマスクホルダ11へセットする。
また、以上の実施の形態では、本発明に係るアライメント装置1を成膜装置2へ適用した例について説明したが、これに限らず、例えばステンシルマスクを用いるイオン注入、プラズマエッチング処理等の他の真空処理装置にも、本発明は適用可能である。
本発明の実施の形態によるアライメント装置1を備えた成膜装置2の概略構成図である。 図1に示したアライメント装置1の要部側面図である。 図1に示したアライメント装置1の要部平面図である。 基板保持ユニット10の一作用を説明する平面図である。 マグネットホルダ61の構成を示す斜視図である。 アライメント装置1の動作を説明する図である。 アライメント装置1の動作を説明する図である。 基板保持ユニットの第1,第2フックの構成例を示す図である。
符号の説明
1 アライメント装置
2 成膜装置
3 成膜室
4 真空チャンバ
5 基板
6 マスク
7 マグネット
10 基板保持ユニット
11 マスクホルダ
12 マグネット昇降機構
13 支持プレート
21 第1フック
21A 昇降軸
22 第2フック
22A 昇降軸
31 第1昇降機構部
32 第2昇降機構部
35 旋回機構部
41 第1駆動部
42 第2駆動部
43 第3駆動部
44 第4駆動部
54 中空軸
56 モータ
58 X−Y方向移動部
59 CCDカメラ
61 マグネットホルダ
62 マグネット昇降軸
64 基板押え

Claims (11)

  1. 磁性材料製のマスクを支持するマスクホルダと、
    第1,第2フックを含み、前記第1,第2フックが基板の周縁を挟持する第1の状態と、前記第1,第2のフックが前記基板の回転を阻害しない位置に退避した第2の状態とをそれぞれ有する複数の基板保持ユニットを有し、前記マスクホルダに支持されている前記マスクに対して前記基板を昇降自在に保持可能な基板保持機構と、
    前記基板保持機構に支持されている前記基板に対して前記マスクホルダを回転させるモータと、前記基板に対して前記マスクホルダを水平方向に移動させる移動部とを有し、前記マスクと前記基板とを位置合わせするアライメント機構と、
    前記マスクと前記基板とを密着させるマグネットを有し、前記マグネットを前記基板に対して昇降させるマグネット昇降機構と
    を備えことを特徴とするアライメント装置。
  2. 前記マグネット昇降機構は、
    昇降軸と、
    前記昇降軸の下端に固定され前記マグネットを保持するマグネットホルダと、
    前記マグネットホルダに対して相対移動自在に吊り下げられ前記基板の上面に対向配置される基板押えとをさらに有している請求項1に記載のアライメント装置。
  3. 前記各基板保持ユニットは、
    前記第1,第2フックを各々同時に昇降させる第1昇降機構部と、
    前記第1フックに対して前記第2フックを相対的に昇降させる第2昇降機構部とをそれぞれ有している請求項1に記載のアライメント装置。
  4. 前記第2フックの昇降軸は、前記第1フックの昇降軸の軸心位置に配置されている請求項3に記載のアライメント装置。
  5. 前記各基板保持ユニットには、前記第1,第2フックを前記第1フックの昇降軸の周りに同時に旋回させる旋回機構部が設けられている請求項3に記載のアライメント装置。
  6. 成膜室を区画する真空チャンバと、この真空チャンバ内に配置された成膜手段と、この成膜手段の対向位置に配置された基板の成膜面にマスクを位置合わせするアライメント装置とを備え、
    前記アライメント装置は、
    磁性材料製のマスクを支持するマスクホルダと、
    第1,第2フックを含み、前記第1,第2フックが基板の周縁を挟持する第1の状態と、前記第1,第2のフックが前記基板の回転を阻害しない位置に退避した第2の状態とをそれぞれ有する複数の基板保持ユニットを有し、前記マスクホルダに支持されている前記マスクに対して前記基板を昇降自在に保持可能な基板保持機構と、
    前記基板保持機構に支持されている前記基板に対して前記マスクホルダを回転させるモータと、前記基板に対して前記マスクホルダを水平方向に移動させる移動部とを有し、前記マスクと前記基板とを位置合わせするアライメント機構と、
    前記マスクと前記基板とを密着させるマグネットを有し、前記マグネットを前記基板に対して昇降させるマグネット昇降機構と
    を備えことを特徴とする成膜装置。
  7. 前記マグネット昇降機構は、
    昇降軸と、
    前記昇降軸の下端に固定され前記マグネットを保持するマグネットホルダと、
    前記マグネットホルダに対して相対移動自在に吊り下げられ前記基板の上面に対向配置される基板押えとを有している請求項6に記載の成膜装置。
  8. 前記各基板保持ユニットは、
    前記第1,第2フックを各々同時に昇降させる第1昇降機構部と、
    前記第1フックに対して前記第2フックを相対的に昇降させる第2昇降機構部とをそれぞれ有している請求項6に記載の成膜装置。
  9. 前記第2フックの昇降軸は、前記第1フックの昇降軸の軸心位置に配置されている請求項8に記載の成膜装置。
  10. 前記各基板保持ユニットは、前記第1,第2フックを前記第1フックの昇降軸の周りに同時に旋回させる旋回機構部をそれぞれ有している請求項8に記載の成膜装置。
  11. 前記各基板保持ユニットは、前記真空チャンバの天板上に配置された支持プレート上に共通に支持されている請求項6に記載の成膜装置。
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