JP4624236B2 - 真空蒸着用アライメント装置 - Google Patents
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Description
この導体パターンを形成する場合、通常、基板の表面に導体パターンが形成されたマスクを配置し、その表面に塗布されたフォトレジストが露光されることにより行われている。
このアライメント装置は真空容器内に配置されることになるが、位置合わせ精度が高いアライメント装置を真空容器内に配置する場合、ガス放出が少ない特種な材料からなる部品および潤滑剤を用いる必要があるとともに、放熱対策なども必要とするため、装置そのものが非常に高価なものとなる。
アライメント装置を真空容器の外部に配置する場合には、アライメント装置におけるマスク保持体の真空容器内への挿入部分における真空維持機構が必要となり、したがって特殊なシール機構、または加工が必要となり、やはり装置が高価なものとなる。
さらに、基板とマスクとの位置合わせは、真空蒸着室内で行われているため、1回の蒸着が終了すると、その度に、基板を真空容器から搬出した後、次の基板を搬入し、そして基板とマスクとの位置合わせが行われているため、非常に、作業効率が悪いという問題もあった。
蒸着用真空容器内で基板表面に蒸着材料を蒸着させて所定の導体パターンを形成するためのマスク部を有するマスク体と上記基板との位置合わせを、上記蒸着用真空容器とは異なる位置合わせ用真空容器内で行い、かつ当該位置合わせ用真空容器に対する基板およびマスク体の搬入出を、マスク体のマスク部上面に基板を載置するとともに、この基板の上面に押さえ板を載置した状態で行うようにしたアライメント装置であって、
上記位置合わせ用真空容器の壁体部に形成された貫通穴を挿通された吊持部材の下端部に吊持されたマスク保持体と、上記位置合わせ用真空容器の外方に設けられるとともに上記吊持部材の上端部に連結された連結用板体と、この連結用板体を移動させてマスク保持体に保持されたマスク体の基板に対する位置を調整し得る位置調整手段と、上記吊持部材に外嵌されるとともに壁体部の貫通穴の外周と上記連結用板体との間に設けられて真空側と大気側とを遮断する伸縮式筒状遮断部材と、上記筒状遮断部材の内側が真空状態であることにより発生する連結用板体への押圧力と逆方向の付勢力を発生させる付勢手段と、上記位置合わせ用真空容器の壁体部側に設けられた昇降手段により昇降自在に設けられて当該位置合わせ用真空容器内に搬入されたマスク体に載置された基板を昇降させる基板保持体とを具備するとともに、
上記吊持部材を介して位置調整手段によりマスク保持体を上昇させてマスク体を保持した際に、当該マスク体を上昇させるよりも先に上記押さえ板を上昇させる突状支持部材をマスク保持体に設けたものである。
また、上記アライメント装置における位置合わせ用真空容器内に、マスク体を下方から支持して当該マスク体に載置された基板および押さえ板を、当該位置合わせ用真空容器外との間で搬送し得る搬送手段を配置したものである。
さらに、上記アライメント装置における付勢手段の付勢力を調整可能に構成したものである。
本発明の実施の形態に係る真空蒸着用アライメント装置を図面に基づき説明する。
この真空蒸着用アライメント装置は、例えば有機ELディスプレイの表示部を製造するための真空蒸着装置に設けられるもので、マスク体を用いてガラス基板の表面に有機材料(蒸着材料である)を蒸着させて所定の導体パターンを得る際に、マスク体を保持するとともにガラス基板に対する当該マスク体の位置合わせ(アライメント)を行うためのものであり、さらにこの真空蒸着装置においては、位置合わせと蒸着とを、異なる真空容器にて行うようにしたものである。
このマスク保持体5は、図3および図6に示すように、マスク体4の周縁部を支持する矩形状の保持枠71と、この保持枠71の左右の各側辺部(長辺部でもある)に所定間隔を有して突設された一対の押さえ板支持棒(突状支持部材)72とから構成されている。勿論、この保持枠71の中央部分は開口部にされて、有機材料(蒸着材料)が通過し得るようにされている。
なお、押さえ板9および撓み抑制板8にも、覗き窓59に対応する位置で、それぞれ覗き用の開口部9aおよび8aが形成されている。
まず、図9に示すように、基板保持体7とマスク保持体5とを、ワークWの搬送面(支持ローラ61の上面)より各支持棒72,75の先端部が下方に位置する退避位置に下降させておく。
以下、この位置合わせ作業について説明する。
すなわち、図7に示すように、マスク体4側に設けられた円形のマスク側マークM1内に、基板6側に設けられた点状の基板側マークM2が入るように、位置調整手段13の平面内移動装置21が駆動された後、鉛直移動装置22により、基板6の表面に、殆ど接触するようにマスク体4が移動される。なお、各マークの形状は、画像認識が容易なものであれば、十字形状など、どのようなものであってもよい。
次に、昇降手段16により、基板保持体7をその退避位置に向けて下降させた後、鉛直移動装置22によりマスク保持体5を下降させてマスク体4を支持ローラ61上に支持させ、そしてさらにマスク保持体5をその退避位置に向けて下降させると、押さえ板9が撓み抑制板8上に載置される。
ここで、図12に基づき、基板6に撓み抑制板8が載置された場合の効果について説明する。
ところで、基板6に対するマスク体4の位置合わせは、基板6とマスク体4とが接触しない隙間でもって行われるため、位置合わせ後には、その隙間分を、マスク体4を鉛直移動装置22によって上昇させて密着させるが、装置のバックラッシや直進精度によって上昇時にずれが生じる。このずれは、上昇量が大きくなると顕著に現れるため、高精度な位置合わせ(数μm)が要求される場合、極力少ない上昇量であることが望ましい。
上述したように、所定の真空下で、基板6に対するマスク体4の位置合わせを行う際に、真空容器2の外部にマスク体4の位置調整手段13を配置したので、装置自体の構成を安価なものにすることができる。
1.マスク体4を水平面内で移動させる平面内移動装置21および鉛直方向で移動させる鉛直移動装置22を真空容器2の外部(大気圧下)に配置したので、特殊な真空用機械要素や、モータの冷却装置などを必要としないので、安価で且つ高精度なアライメント装置を提供することができる。
2.各移動装置21,22を真空容器2の外部(大気圧下)に配置するとともに、真空下で作用する押圧力に対向する付勢力を付与し得る付勢手段15を具備したので、真空により生じる各移動装置21,22に作用する力を軽減することができ、したがって移動装置におけるモータなどの駆動機器として容量の小さいものを用いることができるので、より安価な構成にし得る。
3.また、各移動装置21,22を真空容器2の外部(大気圧下)に配置するとともに、真空下で作用する押圧力に対向し得る付勢力を付与し得る付勢手段15を具備したので、装置自体に歪が発生するのを抑制し得るとともに、マスク体4の位置合わせ用のカメラ装置57における視野ずれを防止でき、したがって高精度な位置合わせを行うことができる。
4.さらに、カメラ装置57の焦点調整具58を具備したので、基板6に対するマスク体4の位置合わせをマークM1,M2を介して行う際に、両マークの位置を正確に把握でき、したがってより高精度な位置合わせを行うことができる。
5.アライメント装置一式全てを、真空容器2の上面に配置しているため、大気圧による真空容器の変形の影響がなく、また基板6やマスク体4を上方から吊り下げるように支持するため、各駆動部分でのバックラッシや弾性変形の影響が少なくなるとともに自ら安定するという効果が得られる(振り子のように自動調心性を有する)ため、基板6に対するマスク体4の位置合わせを高精度に行うことができる。
6.支持ローラ61を介して搬送されたワークWを基板保持体7およびマスク保持体5により持ち上げて、押さえ板9、基板6およびマスク体4をそれぞれ分離した後、基板6に対するマスク体4の位置合わせを行い、その後、再びこれらを一体化させて支持ローラ61を介して次の工程へ搬送するようにしているため、基板6に対するマスク体4の位置合わせを高精度に維持したまま、高い生産性を確保することができる。
7.さらに、基板6の上面に配置された撓み抑制板8を設けなくてもよく、この場合でも、上述した1〜6項の効果は得られるが、この撓み抑制板8を設けることにより、基板6の撓みを抑制して、基板6をマスク体4に一体化させる際に発生するずれを防止することができるので、基板6に対するマスク体4の位置合わせを高精度でもって行うことができる。
2 位置合わせ用真空容器
2a 取付板体
2b 貫通穴
2c 貫通穴
3 位置合わせ用真空室
4 マスク体
5 マスク保持体
6 ガラス基板
7 基板保持体
8 撓み抑制板
9 押さえ板
11 吊持部材
12 連結用板体
13 位置調整手段
14 筒状遮断部材
15 付勢手段
16 昇降手段
17 搬送手段
21 平面内移動装置
22 鉛直移動装置
61 支持ローラ
62 棒状支持台
71 保持枠
72 押さえ板支持棒
73 支持片
74 保持枠
75 基板支持棒
77 マスク部
78 保持枠
Claims (6)
- 蒸着用真空容器内で基板表面に蒸着材料を蒸着させて所定の導体パターンを形成するためのマスク部を有するマスク体と上記基板との位置合わせを、上記蒸着用真空容器とは異なる位置合わせ用真空容器内で行い、かつ当該位置合わせ用真空容器に対する基板およびマスク体の搬入出を、マスク体のマスク部上面に基板を載置するとともに、この基板の上面に押さえ板を載置した状態で行うようにしたアライメント装置であって、
上記位置合わせ用真空容器の壁体部に形成された貫通穴を挿通された吊持部材の下端部に吊持されたマスク保持体と、
上記位置合わせ用真空容器の外方に設けられるとともに上記吊持部材の上端部に連結された連結用板体と、
この連結用板体を移動させてマスク保持体に保持されたマスク体の基板に対する位置を調整し得る位置調整手段と、
上記吊持部材に外嵌されるとともに壁体部の貫通穴の外周と上記連結用板体との間に設けられて真空側と大気側とを遮断する伸縮式筒状遮断部材と、
上記筒状遮断部材の内側が真空状態であることにより発生する連結用板体への押圧力と逆方向の付勢力を発生させる付勢手段と、
上記位置合わせ用真空容器の壁体部側に設けられた昇降手段により昇降自在に設けられて当該位置合わせ用真空容器内に搬入されたマスク体に載置された基板を昇降させる基板保持体とを具備するとともに、
上記吊持部材を介して位置調整手段によりマスク保持体を上昇させてマスク体を保持した際に、当該マスク体を上昇させるよりも先に上記押さえ板を上昇させる突状支持部材をマスク保持体に設けた
ことを特徴とする真空蒸着用アライメント装置。 - 基板の上面に、当該基板の撓みを抑制するための撓み抑制板を配置したことを特徴とする請求項1に記載の真空蒸着用アライメント装置。
- 位置合わせ用真空容器内に、マスク体を下方から支持して当該マスク体に載置された基板および押さえ板を、当該位置合わせ用真空容器外との間で搬送し得る搬送手段を配置したことを特徴とする請求項1に記載の真空蒸着用アライメント装置。
- 位置調整手段を、連結用板体に吊持部材およびマスク保持体を介して保持されたマスク体が基板表面と平行に移動し得るように構成したことを特徴とする請求項1に記載の真空蒸着用アライメント装置。
- 位置調整手段に、連結用板体を基板表面と直交する軸心方向で移動し得る機能を具備させたことを特徴とする請求項1または4に記載の真空蒸着用アライメント装置。
- 付勢手段の付勢力を調整可能に構成したことを特徴とする請求項1に記載の真空蒸着用アライメント装置。
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