JP4491404B2 - 刃先交換式チップと刃先交換式隅削りフライスカッタ - Google Patents

Description

この発明は、直角コーナの加工に用いる刃先交換式チップ、詳しくは、加工コーナの直角度と、加工コーナの起立した壁面の平坦度を高めた刃先交換式チップとそれを用いた刃先交換式隅削りフライスカッタに関する。なお、この発明の隅削りフライスカッタには、刃先交換式エンドミルも含まれる。

周知の隅削りフライスカッタの中に、刃先交換式チップで切れ刃を構成したものがある（下記特許文献３、４等）。特許文献３が開示している刃先交換式隅削りフライスカッタは、カッタ本体の先端外周に設けた座に、平行四辺形のネガティブチップを側面がすくい面、端面（上下面のどちらか一方）が外周逃げ面となる向きに装着して構成される。この種のカッタは、平行四辺形や菱形のチップを使用することで正のアキシャルレーキを付与することができるが、外周逃げ面に逃げ角をつけるために、ラジアルレーキは負の角度にせざるを得ない。

ところが、ラジアルレーキを負にしたカッタは切れ味が低下する。そこで、２本の軸線を中心にして基体を捩じったカッターインサートが下記特許文献１に開示されている。この特許文献１のカッターインサートは、すくい面となる天面や底面にコーナ側で面位置が高くなる高低差がついており、外周逃げ面に逃げ角がつく姿勢にしてラジアルレーキも正の角度に設定することができる。下記特許文献２などにも類似のカッターインサートが開示されている。

菱形チップを採用した隅削りフライスカッタの問題点を、図１１を参照して説明する。図１１のカッタは、カッタ本体３１の先端外周に菱形チップ２０Ｄを、アキシャルレーキγｐが正、ラジアルレーキγｆが負、フェース角(前切れ刃角)κ´が正、アプローチ角ψが正の角度となる姿勢に装着している。このとき、主切れ刃となす稜線７の終端Ｐ２が一端Ｐ１の軌跡円Ｓと同じ円上を通過するようにチップ２０Ｄを傾けると、稜線７の両端を除く部分が軌跡円Ｓから外れた位置を通過する。稜線７の軌跡円Ｓからの離反量は、その稜線の中央部に向かって次第に大きくなり（図１１(ｄ)参照）、従って、この稜線７(主切れ刃)によって加工される被削材Ａの壁面ｗｆは、図１２に示すように中央が膨らんだ面になって加工精度、加工コーナの直角度が悪化する。

下記特許文献４は、アプローチ角ψが正の角度となる方向にチップを傾けることを可能にする技術を開示しており、アプローチ角ψを正の角度とすることで、図１１に示すように、稜線７の終端Ｐ２を軌跡円Ｓ上に配置して主切れ刃の軌跡をカッタの軸線と平行となる方向に近づけることができる。

しかしながら、その方法では、上述した問題を解消することができない。

なお、特許文献１、２は、被削材の壁面の平坦度や加工コーナの直角度を高めることについては、特に工夫したところがみられない。特許文献３も同様である。特許文献１、２が開示しているように、すくい面にコーナ側で面位置が高くなる高低差をつけてラジアルレーキを正の角度に設定できるようにしたカッタにおいては、被削材の壁面の平坦度や加工コーナの直角度の悪化がより顕著となる。
特開２００４−２８４０１０号公報 ＷＯ ２００５／０７５１３５号公報 特開２００３−２６６２３２号公報 特開２００４−２９１２０５号公報

この発明は、刃先交換式チップの形状を工夫してそのチップを使用した隅削りフライスカッタによって加工される被削材のコーナの直角度と加工壁面の平坦度を高められるようにすることを課題としている。

上記の課題を解決するため、この発明においては、相反する方向を向いた第１の面と第２の面、この第１の面と第２の面の一側縁と他側縁にそれぞれ交差して連なる第３の面と第４の面、第１の面と第２の面の一端と他端にそれぞれ交差して連なる第５の面と第６の面を有し、前記第１の面をすくい面、第３の面を外周逃げ面、第５の面を前逃げ面にして使用する隅削りフライスカッタ用の刃先交換式チップに以下の構成を加える。即ち、
前記第３の面の前記第５の面側と第６の面側に、それぞれ前記第１の面と交差して第１の面との間に主切れ刃となる稜線を生じさせるねじれ面を設ける。また、それぞれのねじれ面が第１の面との交差角を増大させる方向に傾くとともに、前記第５の面側に形成されたねじれ面の幅Ｗが、前記第３の面に垂直な方向から見て、前記稜線の前記第５の面側の端部から遠ざかるにつれて漸減し、前記第６の面側に形成されたねじれ面の幅Ｗが、前記第３の面に垂直な方向から見て、前記稜線の前記第６の面側の端部から遠ざかるにつれて漸減している面とする。

この刃先交換式チップの好ましい形態を以下に列挙する。
（１）第１の面に、コーナ側で面位置が高くなる高低差をつけたもの。この高低差は、４つのコーナの位置を全て高くしてもよいし、一方の組の対角コーナのみを高くしてもよい。
（２）第１の面の外周部にポジティブランドを形成したもの。
（３）第３の面の前記ねじれ面を除く部分を、２つの平面が鈍角に交差し、その２つの平面が第１の面を正面から直視した状態において山形をなす面にしたもの。
（４）第５の面と第３の面が交差するコーナの角度を９５°以下にしたもの。
（５）第３の面と第４の面、第５の面と第６の面を、それぞれ、チップを水平面内で１８０°回転させたときに回転前後の輪郭が重なる同一形状の面として構成したもの。
（６）第１の面と第２の面を、前記第５の面と第６の面間の中央に置かれるチップの高さ方向２等分線Ｌを基準にしてチップを１８０°反転させたときに、第１の面から垂直な方向から見て、反転前後の輪郭が重なる面として構成したもの。

これらの刃先交換式チップを、カッタ本体の先端外周に設けた座に、第１の面がすくい面、前記ねじれ面も含めた第３の面が外周逃げ面、第５の面が前逃げ面、第１の面とねじれ面との間の稜線が主切れ刃、第１の面と第５の面との間の稜線が副切れ刃となり、アキシャルレーキ（γｐ）が正又は負、ラジアルレーキ（γｆ）が負、アプローチ角ψが０°となる姿勢に装着すると刃先交換式隅削りフライスカッタが完成する。この発明においては、かかる刃先交換式隅削りフライスカッタも併せて提供する。

外周逃げ面となす第３の面の一部に上述したねじれ面を設けると、すくい面となす第１の面とねじれ面との間に形成される稜線(主切れ刃となす稜線)が第１の面を正面から直視した状態において長手途中が外側に膨らむ形状になり、主切れ刃が全域において上述した軌跡円に近づいて主切れ刃によって加工される被削材の壁面の平坦度と、加工コーナの直角度が高まる。また、ねじれ面による刃先の鈍化作用によって刃先強度も高まる。

なお、第１の面に、コーナ側で面位置が高くなる高低差をつけたものは、第３の面に外周逃げを生じる姿勢にして刃先に正の角度のラジアルレーキγｆを付与して切れ刃の切れ味を向上させることができる。第１の面に片側の対角コーナのみが高くなる高低差をつけたものは、アキシャルレーキγｐも正に設定して切れ味をさらに高めることができる。第１の面の４つのコーナの位置を共に高くしたものはアキシャルレーキγｐを正に設定できない場合が起こりうるが、アキシャルレーキγｐを負に設定せざるをえないものも、第１の面に高低差がないものに比べればすくい角が大きくなるので、切れ味がよくなる。第１の面の外周部にポジティブランドを形成したものも、切れ刃を鋭くして切れ味を向上させることができる。

また、第３の面のねじれ面を除く部分を、第１の面を正面から直視した状態において山形をなす面にしたものは、アプローチ角が０°の状態で正のフェース角を付与することができる。

さらに、第５の面と第３の面が交差するコーナの角度を９５°以下にしたものは、正のフェース角(前切れ刃角)を確保し易い。

このほか、第３の面と第４の面、第５の面と第６の面を、それぞれ、チップを水平面内で１８０°回転させたときに回転前後の輪郭が重なる同一形状の面として構成したものは第１の面の対角位置の２コーナ又は４箇所のコーナを切れ刃として使用することができる。これに加えて、第１の面と第２の面を、チップの高さ方向２等分線Ｌを基準にしてチップを１８０°反転させたときに、第１の面から垂直な方向から見て、反転前後の輪郭が重なる面として構成したものは、第１の面と第２の面の対角コーナや４箇所のコーナをそれぞれ切れ刃として使用することができ、経済効果がより高まる。

この発明の刃先交換式チップの具体例を図１〜図５に示す。図１の刃先交換式チップ２０は、相反する方向を向いた縦長の第１の面１と第２の面２、この第１の面１と第２の面２の一側縁と他側縁にそれぞれ交差して連なる第３の面３と第４の面４、第１の面１と第２の面１の一端と他端にそれぞれ交差して連なる第５の面５と第６の面６を有するチップになっている。第５の面５と第６の面６は、第３の面３と第４の面４の一端と他端にもコーナのＲ面９を介して連なっている。

第１の面１と第２の面２は、同一形状の面であり、これらの面が入れ替えを行ってすくい面として使用される。この第１の面１と第２の面２は外周部に切れ刃のすくい角を正にするポジティブランド１１を形成して中央部１ａ、２ａの位置を低くした面にしている。また、コーナ部Ｃ２、Ｃ４からコーナ部Ｃ１に向かって、同じくコーナ部Ｃ２、Ｃ４からコーナ部Ｃ３に向かってそれぞれ面位置を次第に高くし、４箇所のコーナ部Ｃ１〜Ｃ４のうち、一方の組の対角コーナ部Ｃ１、Ｃ３が、第３の面３（又は第４の面４）を直視した図（図１（ｂ）参照）において最外端に位置するようにしている。ポジティブランド１１は好ましいが必須ではない。

７は、後述するねじれ面１０と第１の面１との交差部、ねじれ面１０と第２の面２との交差部にそれぞれ形成される曲線の稜線であり、この稜線７を主切れ刃として使用する。８は第１の面１と第５、第６の面５、６との間及び第２の面２と第５、第６の面５、６との間にそれぞれ形成される稜線であり、副切れ刃として使用する。

第３の面３と第４の面４も同一形状の面であり、これらは外周逃げ面として使用される。また、第５の面５と第６の面６も同一形状の面であり、これらは前逃げ面として使用される。

第３の面３と第４の面４の一部、即ち、面１、２に沿った部分は、ねじれ面１０として形成されている。そのねじれ面１０は、第３の面３と第４の面４にそれぞれ４面に分けて設けられている。各ねじれ面１０は、第１、第２の面１、２にそれぞれ形成したポジティブランド１１との交差角を増大させる方向に傾斜しており、また、第３、第４の面３、４のコーナから遠ざかるにつれてその幅Ｗ{図１（ｂ）参照}が漸減する面にしている。このねじれ面１０の第３の面３と第４の面４に対する傾斜角α{図１（ｅ）参照}は、３°〜１５°程度に設定すると好ましい。αが３°以下では刃先強度を高める効果が小さく、また、αが１５°以上では被削材の壁面の平坦度を得難くなる。

このねじれ面１０を設けたことによって、稜線７が、第１の面１を正面から直視した図１（ａ）において長手途中が外側に膨らむ形になり、チップ２０を、アキシャルレーキが正、ラジアルレーキが負となる方向に傾けた状態において、図２に示すように、その稜線７によって形成される主切れ刃をアプローチ角ψがほぼ０°の刃にしてその切れ刃の回転軌跡を垂直な直線にすることができる。それによって加工面のコーナの直角度や加工壁面の平坦度が良くなる。

また、ねじれ面１０を設けるとそのねじれ面がない場合に比べてポジティブランド１１との交差角が鈍化するので{図１（ｅ）参照}、主切れ刃の強度も向上する。

このように構成した図１の刃先交換式チップ２０は、第１の面１（又は第２の面２）の４つのコーナ部Ｃ１〜Ｃ４のうち、一方の組の対角コーナ部Ｃ１、Ｃ３を刃先として使用する。第１の面１に大きな高低差をつけて対角コーナＣ１とＣ３の位置を高くしたことによって、チップを起立させた図１（ｂ）の状態において対角コーナ部Ｃ１、Ｃ３が第３の面の幅方向中心線Ｃから離れる方向(すくい角が大きくなる方向)に大きく突出し、中心線Ｃに対する稜線７の傾き角がより大きくなる（第２の面２側も同様）。そのために、切れ刃のアキシャルレーキを大きくしてより良い切れ味を確保することが可能になる。そのアキシャルレーキは、チップを直立させた図１（ｂ）の状態で、例えば、＋５°程度まで大きくすることができ、所謂ハイレーキの隅削りカッタを実現することが可能になる。

なお、第５の面５と第６の面６は第３の面３や第４の面４に対して９５°以下の角度で交差させると好ましい。その第５の面５と第６の面６を、図１（ｆ）に示すように、両側が数度の角度β（１度以下でもよい）で傾斜した山形の面にすると、アプローチ角ψを０°にしたチップに正のフェース角κ´を付与することが可能になる{図２}。

第３の面３と第４の面４のねじれ面１０を除いた部分は、複数の平面や曲面で構成される面にしてもよい。また、主切れ刃となる稜線７を直線の稜線にしたり、副切れ刃となる稜線８を曲線の稜線にしたりすることも許容される。さらに、図１の刃先交換式チップ２０は、面１、２の一方の組の対角コーナ部Ｃ１、Ｃ３の位置を他の部分よりも高くしてそのコーナ部Ｃ１、Ｃ３を刃先として使用するようにしており、コーナ部Ｃ１、Ｃ３と、コーナ部Ｃ２、Ｃ４が異なる形状になっているが、４箇所のコーナが全て同一形状のチップにしても差し支えない。

図３は、第２の例のチップである。この刃先交換式チップ２０Ａは、直方体をベースにしたチップであって、第１の面１と第２の面２の各４箇所のコーナ部Ｃ１〜Ｃ４が同一形状をなしている。第１の面１と第２の面２の外周部にはポジティブランド１１が形成され、面１、２の中央部１ａ、２ａは、凹んだ状態になっている。面１、２は、各コーナ部Ｃ１〜Ｃ４の箇所で高さが最も高くなり、ポジティブランド１１と第３、第４の面３、４の一部に形成したねじれ面１０との交差部に曲線の稜線７が形成されている。

この第２の例の刃先交換式チップ２０Ａは、第１の面１と第２の面２の対角位置のコーナ部Ｃ２、Ｃ４を右回りに回転するカッタの刃先として、残りのコーナ部Ｃ１、Ｃ３を左回りに回転するカッタの刃先としてそれぞれ使用することができるが、各コーナ部Ｃ１〜Ｃ４の高さ(突出量)を同一にしているので、図１のチップほどコーナ部の突出量（すくい角を大きくする方向への突出量）を大きくとることができない。従って、図１のチップに比べればすくい角が小さく、カッタ本体に装着するときに正のアキシャルレーキを設定することが必ずしも保証されないものになるが、このような構造でも、被削材のコーナの直角度と加工壁面の平坦度を高める目的は達成される。

図３の刃先交換式チップ２０Ａのその他の構成は図１のチップと同じであるので、主要部に図１と同一符号を付して説明を省く。

図４の第３の例の刃先交換式チップ２０Ｂは、第３の面３と第４の面４のねじれ面１０を除いた部分を、複数の平面３ａと３ｂ、４ａと４ｂで構成したものである。平面３ａと３ｂ、４ａと４ｂは鈍角に交差しており、第１の面１又は第２の面２を正面から直視した状態において山形をなす面になっている。第３の面３と第４の面４をこのような形状にすると、第５、第６の面５、６を山形にせずに、アプローチ角ψが０°の状態で正のフェース角κ´を付与することができる。図４の刃先交換式チップ２０Ｂのその他の構成は図１のチップと同じであるので説明を省く。

図５の第４の例の刃先交換式チップ２０Ｃは、稜線７を中間部で屈曲する直線の稜線にしたものである。直線の稜線は曲線の稜線に比べて長さが若干短くなるが、主切れ刃を直線の稜線で構成したものも、主切れ刃が曲線の稜線で形成されるものと大差の無い効果を期待することができる。その他の構成は図４の刃先交換式チップ２０Ｂと同じである。

なお、図１の刃先交換式チップ２０、図３〜図５の刃先交換式チップ２０Ａ、２０Ｂ、２０Ｃは、いずれも、水平面内で１８０°回転させたときに回転前後の輪郭が重なり、また、チップの高さ方向２等分線Ｌ（図３（ａ）参照）を基準にしてチップを反転させたときに、反転前後の第１の面１と第２の面２の輪郭が重なるので、ローテーションにより第１の面１の対角位置の２コーナと第２の面２の対角位置の２コーナを刃先として使用することができる。また、図３〜図５のチップ２０Ａ、２０Ｂ、２０Ｃは、逆回りに回転させるカッタに装着して第１、第２の面の残りの２コーナも刃先として使用することができる。従って、いずれのチップも経済効果に優れるが、第１の面１と第２の面２、第３の面と第４の面４、第５の面５と第６の面６はそれぞれの形状を異ならせてもよい。使用コーナ数が多い、少ないに拘わらず、この発明によれば加工コーナの直角度が向上する。

図６〜図９は、この発明の刃先交換式チップを使用した隅削りフライスカッタの一例を示している。この隅削りフライスカッタ３０は、カッタ本体３１の先端外周に設けた座３２に、図１の刃先交換式チップ２０を装着して構成されている。

刃先交換式チップ２０は、第１の面１がすくい面、ねじれ面１０と第３の面３が外周逃げ面、第５の面５が前逃げ面、第１の面１と第３の面３との間の稜線７が主切れ刃、第１の面１と第５の面５との間の稜線８が副切れ刃となり、アキシャルレーキγｐが＋５°、ラジアルレーキγｆが−１５°となる姿勢にしてあり、アプローチ角ψは０°、フェース角κ´は１５′となっている。

カッタ本体３１に対する刃先交換式チップ２０の固定は、取付け孔１２に通したクランプねじ３３によって行われている。例示のチップは、第３の面３から第４の面４に貫通する取付け孔１２（図１〜図５参照）を設け、その取付け孔１２にクランプねじ３３(図６、図７参照)を通し、そのクランプねじ３３をカッタ本体３１に径方向にねじ込んでカッタ本体３１に固定するようにした（図６〜図１０参照）が、スペース的な余裕があれば、取付け孔１２を第１の面１から第２の面２に貫通させて設け、その取付け孔に通したクランプねじをカッタ径方向と直角方向に締め付けて固定する構造にしてもよい。

図１０は刃数７枚のカッタにこの発明を適用したものである。このように、この発明の隅削りフライスカッタの刃数は任意に設定でき、図６〜図８に示す４枚に限定されない。

この発明の刃先交換式チップの一例を示す（ａ）正面図、（ｂ）側面図、（ｃ）底面図、（ｄ）図１（ａ）のＩ−Ｉ線に沿った位置の断面図、（ｅ）図１（ａ）のII−II線に沿った位置の断面図、（ｆ）第５（第６）の面を山形にした状態を示す図 図１のチップの使用状態の要部の概要を示す図 この発明の刃先交換式チップの第２の例を示す（ａ）正面図、（ｂ）側面図、（ｃ）図３（ａ）のIII−III線に沿った位置の断面図、（ｄ）第５（第６）の面を山形にした状態を示す図 この発明の刃先交換式チップの第３の例を示す（ａ）正面図、（ｂ）側面図、（ｃ）使用状態の要部の概要を示す図 この発明の刃先交換式チップの第４の例を示す（ａ）正面図、（ｂ）側面図、（ｃ）使用状態の要部の概要を示す図 この発明の隅削りフライスカッタの一例を示す斜視図 図６のカッタの側面図 図６のカッタの正面図 図６のカッタのチップ装着部の拡大斜視図 この発明の隅削りフライスカッタの他の例を示す斜視図 菱形チップを使用した隅削りフライスカッタを模式化して示す（ａ）正面図、（ｂ）断面図、（ｃ）側面図、（ｄ）（ａ）正面図の丸枠部の拡大図 図１１のカッタで加工した面のコーナを誇張して示す断面図

符号の説明

１ 第１の面
２ 第２の面
３ 第３の面
４ 第４の面
５ 第５の面
６ 第６の面
７ 主切れ刃となす稜線
８ 副切れ刃となす稜線
９ コーナのＲ面
１０ ねじれ面
１１ ポジティブランド
１２ 取付け孔
２０、２０Ａ〜２０Ｃ 刃先交換式チップ
２０Ｄ 菱形チップ
３０ 隅削りフライスカッタ
３１ カッタ本体
３２ 座
３３ クランプねじ
γｆ ラジアルレーキ
γｐ アキシャルレーキ
ψ アプローチ角
κ´ フェース角
Ａ 被削材

Claims (9)

1. 相反する方向を向いた第１の面（１）と第２の面（２）、この第１の面と第２の面の一側縁と他側縁にそれぞれ交差して連なる第３の面（３）と第４の面（４）、第１の面と第２の面の一端と他端にそれぞれ交差して連なる第５の面（５）と第６の面（６）を有し、前記第１の面（１）をすくい面、第３の面（３）を外周逃げ面、第５の面（５）を前逃げ面にして使用する隅削りフライスカッタ用の刃先交換式チップにおいて、
   前記第３の面（３）の前記第５の面（５）側と第６の面（６）側に、それぞれ前記第１の面（１）と交差して第１の面（１）との間に主切れ刃となる稜線（７）を生じさせるねじれ面（１０）を設け、
   それぞれのねじれ面（１０）が第１の面（１）との交差角を増大させる方向に傾くとともに、
   前記第５の面（５）側に形成されたねじれ面（１０）の幅（Ｗ）が、前記第３の面（３）に垂直な方向から見て、前記稜線（７）の前記第５の面（５）側の端部から遠ざかるにつれて漸減し、
   前記第６の面（６）側に形成されたねじれ面（１０）の幅（Ｗ）が、前記第３の面（３）に垂直な方向から見て、前記稜線（７）の前記第６の面（６）側の端部から遠ざかるにつれて漸減していることを特徴とする刃先交換式チップ。
2. 第１の面（１）に、コーナ側で面位置が高くなる高低差をつけた請求項１に記載の刃先交換式チップ。
3. 第１の面（１）に、一方の組の対角コーナ（Ｃ１、Ｃ３）が他方の組の対角コーナ（Ｃ２、Ｃ４）よりも高くなる高低差をつけて、第１の面（１）と前記ねじれ面（１０）との間及び第１の面（１）と第５の面（５）との間にそれぞれ形成される稜線のうち、一方の組の対角コーナ（Ｃ１、Ｃ３）側の稜線を切れ刃として使用するようにした請求項２に記載の刃先交換式チップ。
4. 第１の面（１）の外周部にポジティブランド（１１）を形成した請求項１〜３のいずれかに記載の刃先交換式チップ。
5. 第３の面（３）の前記ねじれ面（１０）を除く部分を、２つの平面（３ａ、３ｂ）が鈍角に交差し、その２つの平面（３ａ、３ｂ）が第１の面（１）を正面から直視した状態において山形をなす面にした請求項１〜４のいずれかに記載の刃先交換式チップ。
6. 第５の面（５）と第３の面（３）が交差するコーナの角度を９５°以下にした請求項１〜５のいずれかに記載の刃先交換式チップ。
7. 第３の面（３）と第４の面（４）、第５の面（５）と第６の面（６）を、それぞれ、チップを水平面内で１８０°回転させたときに回転前後の輪郭が重なる同一形状の面として構成した請求項１〜６のいずれかに記載の刃先交換式チップ。
8. 前記第１の面（１）と第２の面（２）を、前記第５の面（５）と第６の面（６）間の中央に置かれるチップの高さ方向２等分線（Ｌ）を基準にしてチップを１８０°反転させたときに、第１の面（１）から垂直な方向から見て、反転前後の輪郭が重なる面として構成した請求項７に記載の刃先交換式チップ。
9. 請求項１〜８のいずれかに記載の刃先交換式チップ（２０）を、カッタ本体（３１）の先端外周に設けた座（３２）に、第１の面（１）がすくい面、前記ねじれ面（１０）も含めた第３の面（３）が外周逃げ面、第５の面（５）が前逃げ面、第１の面（１）とねじれ面（１０）との間の稜線（７）が主切れ刃、第１の面（１）と第５の面（５）との間の稜線（８）が副切れ刃となり、アキシャルレーキ（γｐ）が正又は負、ラジアルレーキ（γｆ）が負、アプローチ角（ψ）が０°となる姿勢に装着して構成される刃先交換式隅削りフライスカッタ。

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