JP4471622B2 - ハニカム構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、ディーゼルエンジン等の内燃機関から排出される排気ガス中のパティキュレート等を除去するフィルタや、触媒担持体等として用いられるハニカム構造体に関する。
バス、トラック等の車両や建設機械等の内燃機関から排出される排気ガス中に含有されるスス等のパティキュレートが環境や人体に害を及ぼすことが最近問題となっている。
そこで、排気ガス中のパティキュレートを捕集して、排気ガスを浄化することができるフィルタとして多孔質セラミックからなるハニカム構造体が種々提案されている。
従来、このようなハニカム構造体として、容積の大きな貫通孔(以下、大容積貫通孔ともいう)と、容積の小さな貫通孔(以下、小容積貫通孔ともいう)の2種類の貫通孔を設け、いずれか一方の端部において、大容積貫通孔を封止材により封止するとともに、他方の端部において、小容積貫通孔を封止材により封止したものが知られている。このようなハニカム構造体に関して、大容積貫通孔の開口側をフィルタの流入側とし、小容積貫通孔の開口側をフィルタの流出側とする技術が開示されている(例えば、特許文献1〜13参照)。
また、フィルタの流入側が開口している貫通孔(以下、流入側貫通孔ともいう)の数をフィルタの流出側が開口している貫通孔(以下、流出側貫通孔ともいう)の数よりも多くしたハニカム構造体(フィルタ)等も知られている(例えば、特許文献6の図3参照)。
これらのハニカム構造体では、貫通孔は、大容積貫通孔群(表面積及び断面積の総量が相対的に大きい)と、小容積貫通孔群(表面積及び断面積の総量が相対的に小さい)の2種類から構成されており、フィルタとして排気ガス浄化装置に用いる際に、大容積貫通孔群の開口側をフィルタの流入側とし、小容積貫通孔群の開口側をフィルタの流出側とすることで、流入側貫通孔の表面積の総量と流出側貫通孔の表面積の総量とが等しいハニカム構造体と比較して、捕集したパティキュレートの堆積層の厚さを薄くすることができる。その結果、フィルタの小型化を図ること、パティキュレート捕集時の圧力損失の上昇を抑制すること、及び、パティキュレートの捕集限界量を多くすること等が可能となる。
また、昨今、ハニカム構造体をフィルタとして排気ガス浄化装置に用いる場合には、ハニカム構造体に触媒を担持させることにより、パティキュレートの酸化除去や、排気ガス中の有害なガス成分の酸化還元による浄化処理を行う方法等が採られている。
特開昭56−124418号公報 特開昭56−124417号公報 特開昭62−96717号公報 実開昭58−92409号公報 米国特許第4416676号明細書 特開昭58−196820号公報 米国特許第4420316号明細書 特開昭58−150015号公報 特開平5−68828号公報 仏国特許発明第2789327号明細書 国際公開第02/100514A1号パンフレット 国際公開第02/10562A1号パンフレット 国際公開第03/20407A1号パンフレット
上述のような大容積貫通孔群と小容積貫通孔群とが設けられたハニカム構造体では、大容積貫通孔群を構成する貫通孔と小容積貫通孔群を構成する貫通孔とを隔てる隔壁以外に、大容積貫通孔群を構成する貫通孔同士を隔てる隔壁が存在することになる。
本発明の発明者は、鋭意検討した結果、大容積貫通孔群と小容積貫通孔群とが設けられたハニカム構造体に触媒を担持させる際には、大容積貫通孔群を構成する貫通孔と小容積貫通孔群を構成する貫通孔とを隔てる隔壁よりも、大容積貫通孔群を構成する貫通孔同士を隔てる隔壁に触媒をより多く担持させた方が、ハニカム構造体の圧力損失を上昇させることなく、排気ガス等の浄化性能を向上させることができることを見出し、本発明に至った。
なお、特許文献5には、流入側貫通孔同士を隔てる隔壁と、流入側貫通孔と流出側貫通孔とを隔てる隔壁とで20%以上厚みに差を設けたハニカム構造体が開示されている。しかしながら、このハニカム構造体は、第4コラム第24行目〜第28行目に記載されているように、流入側貫通孔と流出側貫通孔とを隔てる隔壁に最大限排気ガスを通過させるものであって、流入側貫通孔同士を隔てる隔壁において、有効に排気ガスを通過させるものではなく、排気ガスを浄化させる触媒反応を生じさせることが難しいものである。
第一の本発明のハニカム構造体は、多数の貫通孔が隔壁を隔てて長手方向に並設され、上記隔壁に触媒が担持された柱状のハニカム構造体であって、
上記多数の貫通孔は、長手方向に垂直な断面における面積の総和が相対的に大きくなるように、上記ハニカム構造体の一方の端部で封止されてなる大容積貫通孔群と、上記断面における面積の総和が相対的に小さくなるように、上記ハニカム構造体の他方の端部で封止されてなる小容積貫通孔群とからなり、
上記ハニカム構造体の入口側の開口率をα(%)とし、隣り合う上記大容積貫通孔群を構成する貫通孔同士を隔てる上記隔壁と、隣り合う上記大容積貫通孔群を構成する貫通孔と上記小容積貫通孔群を構成する貫通孔とを隔てる上記隔壁との上記断面における厚さの差をβ(mm)としたときに、下記式(1)及び(2)の関係を満たすことを特徴とする。
0.0022α+0.0329≦β≦0.0071α+0.2553 …(1)
35≦α≦60 …(2)
なお、上記大容積貫通孔群と上記小容積貫通孔群との組み合わせとしては、(1)大容積貫通孔群を構成する個々の貫通孔と、小容積貫通孔群を構成する個々の貫通孔とで、長手方向に垂直な断面の面積が同じであって、大容積貫通孔群を構成する貫通孔の数が多い場合、(2)大容積貫通孔群を構成する個々の貫通孔と、小容積貫通孔群を構成する個々の貫通孔とで、上記断面の面積が異なり、両者の貫通孔の数も異なる場合、(3)大容積貫通孔群を構成する個々の貫通孔と、小容積貫通孔群を構成する個々の貫通孔とで、大容積貫通孔群を構成する貫通孔の上記断面の面積が大きく、両者の貫通孔の数が同じ場合がある。
第一の本発明のハニカム構造体は、さらに、下記式(3)の関係を満たすことが望ましい。
0.0046α+0.0077≦β≦0.0071α+0.1553 …(3)
第一の本発明のハニカム構造体では、隣り合う大容積貫通孔群を構成する貫通孔同士を隔てる隔壁に触媒が担持されていることが望ましい。
第一の本発明のハニカム構造体では、大容積貫通孔群を構成する貫通孔及び/又は小容積貫通孔群を構成する貫通孔の長手方向に垂直な断面の形状は、多角形であることが望ましい。
第一の本発明のハニカム構造体では、大容積貫通孔群を構成する貫通孔の長手方向に垂直な断面の形状は、八角形であり、小容積貫通孔群を構成する貫通孔の上記断面の形状は、四角形であることが望ましい。
第一の本発明のハニカム構造体では、大容積貫通孔群の長手方向に垂直な断面における面積と、小容積貫通孔群の上記断面における面積との比が1.5〜2.7であることが望ましい。
第一の本発明のハニカム構造体では、長手方向に垂直な断面における隣り合う大容積貫通孔群を構成する貫通孔同士を隔てる隔壁と、隣り合う上記大容積貫通孔群を構成する貫通孔と小容積貫通孔群を構成する貫通孔とを隔てる隔壁との交わる角の少なくとも1つが鈍角であることが望ましい。
第一の本発明のハニカム構造体では、大容積貫通孔群を構成する貫通孔及び/又は小容積貫通群を構成する貫通孔の長手方向に垂直な断面の角部の近傍が曲線により構成されていることが望ましい。
第一の本発明のハニカム構造体では、隣り合う大容積貫通孔群を構成する貫通孔の長手方向に垂直な断面における重心間距離と、隣り合う小容積貫通孔群を構成する貫通孔の上記断面における重心間距離とが等しいことが望ましい。
第二の本発明のハニカム構造体は、多数の貫通孔が隔壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム構造体であって、
上記多数の貫通孔は、長手方向に垂直な断面における面積の総和が相対的に大きくなるように、上記ハニカム構造体の一方の端部で封止されてなる大容積貫通孔群と、上記断面における面積の総和が相対的に小さくなるように、上記ハニカム構造体の他方の端部で封止されてなる小容積貫通孔群とからなり、
隣り合う上記大容積貫通孔群を構成する貫通孔同士を隔てる上記隔壁と、隣り合う上記大容積貫通孔群を構成する貫通孔と上記小容積貫通孔群を構成する貫通孔とを隔てる上記隔壁とに触媒がそれぞれ担持されており、
上記隣り合う大容積貫通孔群を構成する貫通孔同士を隔てる隔壁における触媒の濃度と、上記隣り合う大容積貫通孔群を構成する貫通孔と小容積貫通孔群を構成する貫通孔とを隔てる隔壁における触媒の濃度との比が1.1〜3.0であることを特徴とする。
第三の本発明のハニカム構造体は、第一又は第二の本発明のハニカム構造体がシール材層を介して複数個組み合わされてなるハニカムブロックの外周面にシール材層が形成されてなることを特徴とする。
なお、第一又は第二の本発明のハニカム構造体は、第三の本発明のハニカム構造体の構成部材として用いられる場合のほか、1個のみでフィルタとして用いられてもよい。
以下においては、第一又は第二の本発明のハニカム構造体のような、全体が一体として形成された構造を有するハニカム構造体を一体型ハニカム構造体ともいい、第三の本発明のハニカム構造体のような、セラミック部材がシール材層を介して複数個組み合わされた構造を有するハニカム構造体を集合体型ハニカム構造体ともいう。また、一体型ハニカム構造体と集合体型ハニカム構造体とを特に区別しない場合に、ハニカム構造体という。
第一、第二又は第三の本発明のハニカム構造体は、車両の排気ガス浄化装置に使用されることが望ましい。
第一の本発明のハニカム構造体によれば、上記式(1)及び(2)の関係を満たすように、入口側の開口率αと上記隔壁厚みの差βとの関係が調整されているため、パティキュレート捕集前の状態での圧力損失の上昇を低減しつつ、隣り合う大容積貫通孔群を構成する貫通孔同士を隔てる隔壁に触媒を充分に担持させることができる。従って、上記隔壁に触媒を担持させることにより、第一の本発明のハニカム構造体は、パティキュレートの浄化性能を向上させ、パティキュレート捕集時の圧力損失の上昇を抑制することが可能である。特に、上記式(3)を満たすように、入口側の開口率をαと、上記隔壁厚みの差βとの関係が調整されると、より効果的に、パティキュレート捕集前の状態でのハニカム構造体の圧力損失の上昇を低減しつつ、隣り合う大容積貫通孔群を構成する貫通孔同士を隔てる隔壁に触媒を充分に担持させることができる。
第一の本発明のハニカム構造体では、隣り合う大容積貫通孔群を構成する貫通孔同士を隔てる隔壁に触媒が担持されていると、パティキュレート捕集前の状態でのハニカム構造体の圧力損失の上昇を低減しつつ、パティキュレートの浄化性能を向上させ、パティキュレート捕集時の圧力損失の上昇を抑制することができる。
第一の本発明のハニカム構造体では、大容積貫通孔群を構成する貫通孔及び/又は小容積貫通孔群を構成する貫通孔の長手方向に垂直な断面の形状が多角形であると、圧力損失を下げるために長手方向に垂直な断面における隔壁の面積を減少させて開口率を高くしても、耐久性に優れ、長寿命のハニカム構造体を実現することができる。さらに、大容積貫通孔群を構成する貫通孔の長手方向に垂直な断面の形状が八角形であり、小容積貫通孔群を構成する貫通孔の上記断面の形状が四角形であると、より耐久性に優れ、長寿命のハニカム構造体を実現することができる。
第一の本発明のハニカム構造体では、大容積貫通孔群の長手方向に垂直な断面における面積と、小容積貫通孔群の上記断面における面積との比が1.5〜2.7であると、入口側の開口率を相対的に大きくして、パティキュレート捕集時の圧力損失の上昇を抑制することができるとともに、パティキュレート捕集前の圧力損失が高くなり過ぎることも防止することができる。
第一の本発明のハニカム構造体では、長手方向に垂直な断面における隣り合う大容積貫通孔群を構成する貫通孔同士を隔てる隔壁と、隣り合う上記大容積貫通孔群を構成する貫通孔と小容積貫通孔群を構成する貫通孔とを隔てる隔壁との交わる角の少なくとも1つが鈍角であると、圧力損失を低減することができる。
第一の本発明のハニカム構造体では、大容積貫通孔群を構成する貫通孔及び/又は小容積貫通孔群を構成する貫通孔の長手方向に垂直な断面の角部の近傍が曲線により構成されていると、貫通孔の角部に応力が集中することを防止することができ、クラックの発生を防止することができ、また、圧力損失を低減することができる。
第一の本発明のハニカム構造体では、隣り合う大容積貫通孔群を構成する貫通孔の長手方向に垂直な断面における重心間距離と、隣り合う小容積貫通孔群を構成する貫通孔の上記断面における重心間距離とが等しいと、再生時に熱が均一に拡散して温度分布が均一になりやすく、長期間繰り返し使用しても、熱応力に起因するクラック等が発生しにくい耐久性に優れたものとなる。
第二の本発明のハニカム構造体によれば、上記隣り合う大容積貫通孔群を構成する貫通孔同士を隔てる隔壁における触媒の濃度と、上記隣り合う大容積貫通孔群を構成する貫通孔と小容積貫通孔群を構成する貫通孔とを隔てる隔壁における触媒の濃度との比が1.1〜3.0に調整されているため、パティキュレート捕集前の状態での圧力損失の上昇を低減しつつ、パティキュレートの浄化性能を向上させ、パティキュレート捕集時の圧力損失の上昇を抑制することができる。
第三の本発明のハニカム構造体によれば、第一又は第二の本発明のハニカム構造体がシール材層を介して複数個組み合わされてなるため、上記シール材層により熱応力を低減して耐熱性を向上させること、及び、第一又は第二の本発明のハニカム構造体の個数を増減させることで自由にその大きさを調整すること等が可能となる。
第一、第二又は第三の本発明のハニカム構造体は、車両の排気ガス浄化装置に使用されると、パティキュレート捕集時の圧力損失の上昇を抑制して再生までの期間を長期化すること、パティキュレートの浄化性能を向上させること、耐熱性を向上させること、及び、自由にその大きさを調整すること等が可能となる。
第一の本発明のハニカム構造体は、多数の貫通孔が隔壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム構造体であって、上記多数の貫通孔は、長手方向に垂直な断面における面積の総和が相対的に大きくなるように、上記ハニカム構造体の一方の端部で封止されてなる大容積貫通孔群と、上記断面における面積の総和が相対的に小さくなるように、上記ハニカム構造体の他方の端部で封止されてなる小容積貫通孔群とからなり、上記ハニカム構造体の入口側の開口率をα(%)とし、隣り合う上記大容積貫通孔群を構成する貫通孔同士を隔てる上記隔壁と、隣り合う上記大容積貫通孔群を構成する貫通孔と上記小容積貫通孔群を構成する貫通孔とを隔てる上記隔壁との上記断面における厚さの差をβ(mm)としたときに、下記式(1)及び(2)の関係を満たすことを特徴とする。
0.0022α+0.0329≦β≦0.0071α+0.2553 …(1)
35≦α≦60 …(2)
ここで、上記入口側の開口率αとは、ハニカム構造体の入口側の端面における大容積貫通孔群の面積の占める比率である。
図1(a)は、第一の本発明の一体型ハニカム構造体の一例を模式的に示した斜視図であり、(b)は、(a)に示した第一の本発明の一体型ハニカム構造体のA−A線断面図である。
図1に示したように、一体型ハニカム構造体20は、略四角柱状であり、その長手方向に多数の貫通孔21が隔壁23を隔てて並設されている。貫通孔21は、一体型ハニカム構造体20の出口側の端部で封止材22により封止されてなる大容積貫通孔21aと、一体型ハニカム構造体20の入口側の端部で封止材22により封止されてなる小容積貫通孔21bとの2種類の貫通孔からなり、大容積貫通孔21aは、長手方向に垂直な断面における面積が小容積貫通孔21bに対して相対的に大きくなっており、これらの貫通孔21同士を隔てる隔壁23がフィルタとして機能するようになっている。即ち、大容積貫通孔21aに流入した排気ガスは、必ず隔壁23を通過した後、小容積貫通孔21bから流出するようになっている。
なお、一体型ハニカム構造体20における上記大容積貫通孔群と上記小容積貫通孔群との組み合わせは、大容積貫通孔群を構成する個々の貫通孔21aと、小容積貫通孔群を構成する個々の貫通孔21bとで、大容積貫通孔群を構成する貫通孔21aの長手方向に垂直な断面の面積が大きく、両者の貫通孔の数が同じ場合に該当する。
第一の本発明の一体型ハニカム構造体は、入口側の開口率をα(%)とし、隣り合う上記大容積貫通孔群を構成する貫通孔同士を隔てる上記隔壁と、隣り合う上記大容積貫通孔群を構成する貫通孔と上記小容積貫通孔群を構成する貫通孔とを隔てる上記隔壁との上記断面における厚さの差をβ(mm)としたときに、下記式(1)及び(2)の関係を満たすことを特徴とする。
0.0022α+0.0329≦β≦0.0071α+0.2553 …(1)
35≦α≦60 …(2)
なお、上記入口側の開口率αを大きくすると、通常、隣り合う大容積貫通孔21aと小容積貫通孔21bとを隔てる隔壁23aの厚さは薄くなる。一方、排気ガス中のHC、CO等を触媒反応により充分に浄化し、パティキュレートを充分に燃焼させるためには、隣り合う大容積貫通孔21a同士を隔てる隔壁23bをある程度以上の厚さとし、触媒を担持させる必要がある。従って、上記式(1)では、上記入口側の開口率αの増大に応じて、上記隔壁厚みの差βが増大している。
上記隔壁厚みの差βの下限は、0.0022α+0.0329であり、上限は、0.0071α+0.2553である。0.0022α+0.0329未満であると、隣り合う大容積貫通孔21aと小容積貫通孔21bとを隔てる隔壁23aの厚さが小さいため、触媒を充分に担持させることができず、隔壁23b上のパティキュレートを充分に燃焼除去することができない場合や、隣り合う大容積貫通孔21aと小容積貫通孔21bとを隔てる隔壁23aの厚さが大きく、排気ガスの流入が困難になる場合がある。一方、0.0071α+0.2553を超えると、隣り合う大容積貫通孔21a同士を隔てる隔壁23bの厚さが大きいため、隔壁23bの通気性が低下し、排気ガスの流入が減って、隔壁23bによるパティキュレートの捕集が行われにくくなってしまったり、担持させる触媒の量に比べて必要以上に隔壁23bが厚くなってしまったりする。上記隔壁厚みの差βの望ましい下限は、0.0046α+0.0077であり、望ましい上限は、0.0071α+0.1553である。すなわち、本発明の一体型ハニカム構造体は、さらに、下記式(3)の関係を満たすことが望ましい。
0.0046α+0.0077≦β≦0.0071α+0.1553 …(3)
隣り合う大容積貫通孔21a同士を隔てる隔壁23bの厚さは特に限定されないが、望ましい下限は0.2mmであり、望ましい上限は1.2mmである。0.2mm未満であると、隣り合う大容積貫通孔21a同士を隔てる隔壁23bに触媒を充分に担持させることができないので、隔壁23bに堆積したパティキュレートを充分に燃焼除去することができないことがある。1.2mmを超えると、隣り合う大容積貫通孔21a同士を隔てる隔壁23bの通気性が低下し、パティキュレートの捕集能力が低下してしまうことがある。
隣り合う大容積貫通孔21aと小容積貫通孔21bとを隔てる隔壁23aの厚さは特に限定されないが、望ましい下限は0.2mmであり、望ましい上限は1.2mmである。0.2mm未満であると、一体型ハニカム構造体20の強度が充分でないことがある。1.2mmを超えると、一体型ハニカム構造体20の圧力損失が高くなり過ぎることがある。
一体型ハニカム構造体20の入口側の開口率αの下限は35%であり、上限は60%である。入口側の開口率αが35%未満であると、一体型ハニカム構造体20の圧力損失が高くなり過ぎることがある。入口側の開口率αが60%を超えると、一体型ハニカム構造体20の強度が充分でなかったり、出口側の開口率が小さ過ぎて、一体型ハニカム構造体20の圧力損失が高くなり過ぎることがある。上記入口側の開口率αの望ましい下限は40%であり、望ましい上限は55%である。
第一の本発明の一体型ハニカム構造体は、上記式(1)及び(2)の関係を満たすように、入口側の開口率αと、上記隔壁厚みの差βとの関係が調整されているため、パティキュレート捕集前の状態での圧力損失の上昇を低減しつつ、隣り合う大容積貫通孔21a同士を隔てる隔壁23bに触媒を充分に担持させることができる。従って、第一の本発明の一体型ハニカム構造体は、CO、HC及びNOx等の排気ガス中の有害なガス成分を浄化することができる触媒を隔壁23bに担持させることにより、触媒反応により隔壁23bを通過する排気ガスを充分に浄化することが可能となり、上記触媒反応で生じた反応熱は、パティキュレートの燃焼除去に利用することができる。また、パティキュレートの燃焼の活性化エネルギーを低下させる触媒を隔壁23bに担持させることにより、隔壁23bに付着したパティキュレートをより容易に燃焼除去することができる。その結果、第一の本発明の一体型ハニカム構造体は、パティキュレートの浄化性能を向上させることができ、パティキュレート捕集時の圧力損失の上昇を抑制することができる。また、上記式(1)の関係を満たすように、隣り合う大容積貫通孔21a同士を隔てる隔壁23bを厚くすることで、ハニカム構造体の強度を向上させることが可能である。さらに、上記入口側の開口率αの増大に応じて、上記式(1)の関係を満たすように、隣り合う大容積貫通孔21a同士を隔てる隔壁23bを厚くすることで、ハニカム構造体の熱容量が低下することを防ぐことができ、再生時に発生する熱衝撃等によって、ハニカム構造体にクラックが生じることを抑制することが可能である。
特に、上記式(3)を満たすように、入口側の開口率をαと、上記隔壁厚みの差βとの関係が調整されると、より効果的に、パティキュレート捕集前の状態でのハニカム構造体の圧力損失の上昇を低減しつつ、隣り合う大容積貫通孔21a同士を隔てる隔壁23bに触媒を充分に担持させることができる。その結果、第一の本発明の一体型ハニカム構造体は、より効果的に、パティキュレートの浄化性能を向上させることができ、パティキュレート捕集時の圧力損失の上昇を抑制することができる。
第一の本発明の一体型ハニカム構造体には、隣り合う大容積貫通孔群を構成する貫通孔同士を隔てる隔壁に触媒が担持されていることが望ましい。
上記触媒としては特に限定されないが、パティキュレートの燃焼の活性化エネルギーを低下させるものや、CO、HC及びNOx等の排気ガス中の有害なガス成分を浄化することができるもの等が望ましく、例えば、白金、パラジウム、ロジウム等の貴金属等を挙げることができる。なかでも、白金、パラジウム、ロジウムからなる、いわゆる三元触媒が望ましい。また、貴金属に加えて、アルカリ金属(元素周期表1族)、アルカリ土類金属(元素周期表2族)、希土類元素(元素周期表3族)、遷移金属元素等を担持させてもよい。
上記触媒は、隔壁23内部の気孔の表面に担持されていてもよいし、隔壁23上にある厚みをもって担持されていてもよい。また、上記触媒は、隔壁23の表面及び/又は気孔の表面に均一に担持されていてもよいし、ある一定の場所に偏って担持されていてもよい。なかでも、大容積貫通孔21a内の隔壁23の表面又は表面付近の気孔の表面に担持されていることが望ましく、これらの両方ともに担持されていることがより望ましい。上記触媒とパティキュレートとが接触しやすいため、パティキュレートの燃焼を効率よく行うことができるからである。
第一の本発明のハニカム構造体では、隣り合う大容積貫通孔群を構成する貫通孔同士を隔てる隔壁と、隣り合う大容積貫通孔群を構成する貫通孔と小容積貫通孔群を構成する貫通孔とを隔てる隔壁とに触媒がそれぞれ担持されており、上記隣り合う大容積貫通孔群を構成する貫通孔同士を隔てる隔壁における触媒の濃度Aと、上記隣り合う大容積貫通孔群を構成する貫通孔と小容積貫通孔群を構成する貫通孔とを隔てる隔壁における触媒の濃度Bとの比(=A/B;以下、隔壁触媒濃度比ともいう)が1.1〜3.0であることが望ましい。1.1未満であると、隣り合う大容積貫通孔群を構成する貫通孔同士を隔てる隔壁に担持されている触媒の量が少な過ぎて、パティキュレートの浄化性能を充分に向上させることができなかったり、隣り合う大容積貫通孔群を構成する貫通孔と小容積貫通孔群を構成する貫通孔とを隔てる隔壁に担持されている触媒の量が多過ぎて、パティキュレート捕集前の状態で圧力損失が高くなり過ぎることがある。3.0を超えると、排気ガス浄化装置内での使用時等の高温環境下で、触媒のシンタリングが生じやすくなり、触媒の活性が低下しやすくなるため、フィルタの再生処理における再生率(燃焼浄化されたパティキュレートの割合)が低下してしまうと考えられる。また、3.0を超えて、隣り合う大容積貫通孔群を構成する貫通孔同士を隔てる隔壁に触媒を担持させても、パティキュレートの浄化性能は大きく向上しない。
また、一体型ハニカム構造体20に上記触媒を付与する際には、予めその表面をアルミナ等のサポート材により被覆した後に、上記触媒を付与することが望ましい。これにより、比表面積を大きくして、触媒の分散度を高め、触媒の反応部位を増やすことができる。また、サポート材によって触媒金属のシンタリングを防止することができるので、触媒の耐熱性も向上する。加えて、圧力損失を下げることを可能にする。
一体型ハニカム構造体20は、上記触媒が担持されていることで、排気ガス中のパティキュレートを捕集するフィルタとして機能するとともに、排気ガスに含有されるCO、HC及びNOx等を浄化するための触媒コンバータとして機能することができる。なお、一般に、パティキュレートの燃焼浄化は、貴金属等の触媒の表面上で、酸素、NOx等が反応することで活性化された酸素により促進されているものと考えられる。このパティキュレートの燃焼浄化の際に、比較的低温でも分解浄化されやすいSOF、CO及びHC等を酸化反応させれば、発熱が生じて、触媒等が高温となるので、パティキュレートの燃焼浄化の反応速度をより向上させることが可能である。即ち、触媒が隣り合う大容積貫通孔21a同士を隔てる隔壁23bに担持されていることで、SOF、CO及びHC等を浄化する際に生じる反応熱を利用して、隔壁23b上のパティキュレートを効率よく燃焼除去することができる。
このように第一の本発明のハニカム構造体では、隣り合う大容積貫通孔群を構成する貫通孔同士を隔てる隔壁に触媒が担持されていると、パティキュレート捕集前の状態でのハニカム構造体の圧力損失の上昇を低減しつつ、パティキュレートの浄化性能を向上させ、パティキュレート捕集時の圧力損失の上昇を抑制することができる。
なお、第一の本発明の一体型ハニカム構造体は、触媒を担持させることにより、従来公知の触媒付DPF(ディーゼル・パティキュレート・フィルタ)と同様のガス浄化装置として機能するものである。従って、ここでは、第一の本発明の一体型ハニカム構造体の触媒担持体としての機能に関する詳しい説明を省略する。
第一の本発明の一体型ハニカム構造体では、ハニカム構造体の入口側の開口率αを大きくすると、隣り合う大容積貫通孔群を構成する貫通孔同士を隔てる隔壁の長さが増すことになり、ハニカム構造体を構成する隔壁において、隣り合う大容積貫通孔群を構成する貫通孔同士を隔てる隔壁の割合が増すことになる。そこで、第一の本発明の一体型ハニカム構造体は、開口率に応じて、大容積貫通孔群を構成する貫通孔同士を隔てる隔壁の厚みを調整したものであり、ガスの流入と流出とを制御することが可能である。さらに、ガスの流入、流出の状況に応じて触媒を担持させることにより、第一の本発明の一体型ハニカム構造体では、フィルタ全体の温度分布を一様にすること、及び、フィルタ全体を均一に再生させること等が可能である。
このような第一の本発明の一体型ハニカム構造体では、貫通孔は、大容積貫通孔群と小容積貫通孔群との2種類からなり、例えば、図1に示したように、大容積貫通孔群を構成する貫通孔として、八角形の大容積貫通孔21aが設けられ、小容積貫通孔群を構成する貫通孔として、正方形の小容積貫通孔21bが設けられ、両者の封止数を1対1(市松模様状)にしたもの等がある。
上述の第一の本発明の一体型ハニカム構造体では、大容積貫通孔21aと大容積貫通孔21aとを隔てる隔壁23bと、大容積貫通孔21aと小容積貫通孔21bとを隔てる隔壁23aの2種類が存在することとなる。
第一の本発明の一体型ハニカム構造体が排気ガス浄化用フィルタとして使用された場合、使用初期段階では、排気ガスは相対的に抵抗の低い隔壁23aを主に通過し、隔壁23aは高温の排気ガスに直接的に晒される一方、相対的に抵抗の高い隔壁23bは高温の排気ガスにそれほど晒されることがない。このため、第一の本発明の一体型ハニカム構造体が触媒を担持したものである場合、隔壁23aの触媒は反応するが、隔壁23bの触媒はあまり反応しないこととなる(捕集段階1)。
しかしながら、その後も継続して使用すると、隔壁23aにパティキュレートが蓄積され、隔壁23aを通過する際の抵抗が増大してくるため、隔壁23bに流入する排気ガスの量が多くなってくる。このとき、隔壁23bも高温の排気ガスに充分に晒され、隔壁23bの触媒も反応することとなる(捕集段階2)。
ある程度隔壁23bにパティキュレートが蓄積されると、再度主に隔壁23aに排気ガスが流れるようになる。この場合は、基本的には、捕集段階1と同様である(捕集段階3)。
以上に示したように、捕集段階が進むと、排気ガスは、隔壁23bに流入し、隔壁23bにおいても、パティキュレートが捕集されることとなるが、相対的に考えると、隔壁23bは、構造上排気ガスが通過しにくく、排気ガスは、隔壁23aの方に流入しやすい。このため、隔壁23bでは、CO、HC等の酸化反応が生じにくく、昇温しにくいので、パティキュレートの燃焼反応が生じにくかったり、ハニカム構造体に温度分布が生じて、クラックが入りやすかったりすると考えられる。
第一の本発明は、排気ガスが相対的に流入しにくいと考えられる隔壁23bの厚さを調整することにより、運転状況によって温度が変動しやすい排気ガスが流入しても、フィルタ全体としての昇温温度の安定性、触媒反応の安定性を図っていることを特徴としている。
すなわち、隔壁23bを隔壁23aよりも厚くしたことにより、フィルタの熱容量における隔壁23bの比率を高くしていること、排気ガスの流入が少ない隔壁23bの触媒担持量を多くし、排気ガスの浄化を促進していること、隔壁23bにおける排気ガスの発熱反応を促進していること等を特徴としている。
一体型ハニカム構造体20は、主として多孔質セラミックからなることが望ましく、その材料としては、例えば、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化チタン等の窒化物セラミック、炭化珪素、炭化ジルコニウム、炭化チタン、炭化タンタル、炭化タングステン等の炭化物セラミック、アルミナ、ジルコニア、コージュライト、ムライト、シリカ等の酸化物セラミック等を挙げることができる。また、一体型ハニカム構造体20は、シリコンと炭化珪素との複合体、チタン酸アルミニウムといった2種類以上の材料から形成されているものであってもよい。
一体型ハニカム構造体20を製造する際に使用するセラミックの粒径としては特に限定されないが、後の焼成工程で収縮が少ないものが望ましく、例えば、0.3〜50μm程度の平均粒径を有する粉末100重量部と、0.1〜1.0μm程度の平均粒径を有する粉末5〜65重量部とを組み合わせたものが望ましい。上記粒径のセラミック粉末を上記配合で混合することで、多孔質セラミックからなる一体型ハニカム構造体を製造することができる。
なお、一体型ハニカム構造体20を構成する封止材22と隔壁23とは、同じ多孔質セラミックからなることがより望ましい。これにより、両者の接着強度を高くすることができるとともに、封止材22の気孔率を隔壁23と同様に調整することで、隔壁23の熱膨張率と封止材22の熱膨張率との整合を図ることができ、製造時や使用時の熱応力によって封止材22と隔壁23との間に隙間が生じたり、封止材22や封止材22に接触する部分の隔壁23にクラックが発生したりすることを防止することができる。
一体型ハニカム構造体20の気孔率は特に限定されないが、望ましい下限は20%であり、望ましい上限は80%である。20%未満であると、一体型ハニカム構造体20がすぐに目詰まりを起こすことがあり、一方、80%を超えると、一体型ハニカム構造体20の強度が低下して容易に破壊されることがある。
なお、上記気孔率は、例えば、水銀圧入法、アルキメデス法及び走査型電子顕微鏡(SEM)による測定等の従来公知の方法により測定することができる。
一体型ハニカム構造体20の平均気孔径の望ましい下限は1μmであり、望ましい上限は100μmである。1μm未満であると、パティキュレートが容易に目詰まりを起こすことがある。一方、100μmを超えると、パティキュレートが気孔を通り抜けてしまい、該パティキュレートを捕集することができず、フィルタとして機能しないことがある。
図1に示した一体型ハニカム構造体20は、略四角柱状であるが、本発明の一体型ハニカム構造体の形状は柱状体であれば特に限定されず、例えば、長手方向に垂直な断面の形状が多角形、円形、楕円形、扇形等からなる柱状体を挙げることができる。
また、第一の本発明の一体型ハニカム構造体では、貫通孔は、長手方向に垂直な断面における面積の総和が相対的に大きくなるように、第一の本発明の一体型ハニカム構造体の一方の端部で封止されてなる大容積貫通孔群と、上記断面における面積が相対的に小さくなるように、第一の本発明の一体型ハニカム構造体の他方の端部で封止されてなる小容積貫通孔群との2種類からなる。
パティキュレートを捕集して圧力損失が上昇した排気ガス浄化用フィルタを再生する際には、パティキュレートを燃焼させるが、パティキュレート中には、燃焼して消滅する炭素等のほかに、燃焼して酸化物となる金属等が含まれており、これらが排気ガス浄化用フィルタ中にアッシュとして残留する。アッシュは、通常、排気ガス浄化用フィルタの出口に近いところに残留するので、排気ガス浄化用フィルタを構成する貫通孔は、出口に近いところからアッシュが充填されていき、アッシュが充填された部分の容積が次第に大きくなるとともに、排気ガス浄化用フィルタとして機能する部分の容積(面積)が次第に小さくなっていく。そして、アッシュの蓄積量が多くなりすぎると、もはやフィルタとして機能しなくなり、排気管から取り出して逆洗浄を行ってアッシュを排気ガス浄化用フィルタから取り除くか、排気ガス浄化用フィルタを廃棄することとなる。
第一の本発明の一体型ハニカム構造体は、流入側貫通孔の容積と流出側貫通孔の容積とが同じものと比べると、アッシュが蓄積しても、排気ガス浄化用フィルタとして機能する部分のろ過面積の減少比率が小さく、アッシュに起因する圧力損失も小さくなる。従って、逆洗浄等を必要とするまでの期間も長くなり、排気ガス浄化用フィルタとしての寿命を長くすることができる。その結果、逆洗や交換等により必要となるメンテナンス費用を大幅に削減することができる。
第一の本発明の一体型ハニカム構造体では、隣り合う大容積貫通孔(流入側貫通孔)21aと小容積貫通孔(流出側貫通孔)21bとを隔てる隔壁23aのみでなく、隣り合う大容積貫通孔(流入側貫通孔)21a同士を隔てる隔壁23bにも一様にパティキュレートが蓄積する。これは、パティキュレートの捕集開始直後は、大容積貫通孔(流入側貫通孔)21aから小容積貫通孔(流出側貫通孔)21bへ向かってガスが流れるために、パティキュレートは大容積貫通孔21aと小容積貫通孔21bとを隔てる隔壁23a上に堆積するのであるが、パティキュレートの捕集が進んでケーク層を形成するにしたがい、大容積貫通孔21aと小容積貫通孔21bとを隔てる隔壁23aにガスが流れにくくなり、徐々に大容積貫通孔21a同士を隔てる隔壁23bにもガスの流れが生じることが分かった。よって、ある一定期間パティキュレートの捕集を行った後には、大容積貫通孔(流入側貫通孔)21aの隔壁23上には一様にパティキュレートが堆積するようになる。
従って、開口率を一定として、隣り合う大容積貫通孔(流入側貫通孔)21a同士を隔てる隔壁23bのないフィルタと比較した際に、本発明の一体型ハニカム構造体では、ろ過するための隔壁23の表面積が大きいため、同じ量のパティキュレートを蓄積させたときに、隔壁23に蓄積するパティキュレートの厚みを減少させることができる。このため、本発明の一体型ハニカム構造体では、使用を開始してから時間が経過するに従って上昇する圧力損失の上昇率が小さくなり、フィルタとしての使用期間全体で考えた際の圧力損失を低減することができ、再生までの期間を長期化することができる。
図1に示したような構成からなる第一の本発明の一体型ハニカム構造体では、大容積貫通孔群を構成する貫通孔及び/又は小容積貫通孔群を構成する貫通孔の長手方向に垂直な断面の形状は、多角形であることが望ましい。多角形にすることにより、ハニカム構造体の長手方向に垂直な断面における隔壁の面積を減少させて開口率を高くしても、耐久性に優れるとともに、長寿命のハニカム構造体を実現することができるからである。なかでも、4角形以上の多角形がより望ましく、その角の少なくとも1つが鈍角であることがさらに望ましい。ガスが貫通孔を通過する際の摩擦に起因する圧力損失を低減することができるからである。なお、大容積貫通孔群を構成する貫通孔のみの上記断面の形状を四角形、五角形、台形、八角形等の多角形としてもよく、小容積貫通孔群を構成する貫通孔のみの上記断面の形状を多角形としてもよく、両方を多角形としてもよい。特に、大容積貫通孔群を構成する大容積貫通孔の長手方向に垂直な断面の形状が八角形であり、小容積貫通孔群を構成する小容積貫通孔の上記断面の形状が四角形であることが望ましい。
第一の本発明の一体型ハニカム構造体では、大容積貫通孔群の長手方向に垂直な断面における面積と、小容積貫通孔群の上記断面における面積との比(大容積貫通孔群断面積/小容積貫通孔群断面積;以下、開口率比ともいう)の望ましい下限は1.5であり、望ましい上限は2.7である。上記開口率比が1.5未満であると、殆ど大容積貫通孔群と小容積貫通孔群とを設けた効果を得ることができないことがある。一方、上記開口率比が2.7を超えると、小容積貫通孔群の容積が小さすぎるため、パティキュレート捕集前の圧力損失が大きくなり過ぎることがある。
第一の本発明の一体型ハニカム構造体では、大容積貫通孔群を構成する貫通孔及び/又は小容積貫通孔群を構成する貫通孔の長手方向に垂直な断面の角部近傍は、曲線により構成されていることが望ましい。曲線にすることにより、貫通孔の角部に応力が集中することを防止して、クラックの発生を防止することができ、また、貫通孔を通過する際の摩擦に起因する圧力損失を低減することができる。
第一の本発明の一体型ハニカム構造体では、隣り合う大容積貫通孔群を構成する貫通孔の長手方向に垂直な断面における重心間距離と、隣り合う小容積貫通孔群を構成する貫通孔の上記断面における重心間距離とが等しいことが望ましい。これにより、再生時に熱が均一に拡散する結果、温度分布が均一になりやすく、長期間繰り返し使用しても、熱応力に起因するクラック等が発生しにくい耐久性に優れたハニカム構造体となる。
なお、本発明において、「隣り合う大容積貫通孔群を構成する貫通孔の長手方向に垂直な断面の重心間距離」とは、一の大容積貫通孔群を構成する貫通孔の長手方向に垂直な断面における重心と、他の大容積貫通孔群を構成する貫通孔の上記断面における重心との最小の距離のことを意味し、一方、「隣り合う小容積貫通孔群を構成する貫通孔の上記断面の重心間距離」とは、一の小容積貫通孔群を構成する貫通孔の長手方向に垂直な断面における重心と、他の小容積貫通孔群を構成する貫通孔の上記断面における重心との最小の距離のことを意味する。
また、一体型ハニカム構造体10において、大容積貫通孔21aと小容積貫通孔21bとは、隔壁23を隔てて上下方向及び左右方向に交互に並設されており、各方向における大容積貫通孔21aの長手方向に垂直な断面の重心と小容積貫通孔21bの長手方向に垂直な断面の重心とは、一直線上に存在する。
従って、上記「隣り合う大容積貫通孔群を構成する貫通孔の長手方向に垂直な断面における重心間距離」及び「隣り合う小容積貫通孔群を構成する貫通孔の上記断面における重心間距離」とは、一体型ハニカム構造体10の長手方向に垂直な断面において、互いに斜めに隣り合う大容積貫通孔21a及び小容積貫通孔21bの重心間の距離をいう。
第一の本発明の一体型ハニカム構造体では、大容積貫通孔群を構成する貫通孔及び小容積貫通孔群を構成する貫通孔の数は特に限定されないが、実質的に同数であることが望ましい。このような構成にすると、排気ガスの濾過に関与しにくい隔壁を最小限にすることができ、流入側貫通孔を通過する際の摩擦及び/又は流出側貫通孔を通過する際の摩擦に起因する圧力損失が必要以上に上昇することを抑えることが可能である。例えば、図2に示すような貫通孔の数が実質的に大容積貫通孔101と小容積貫通孔102とで1:2であるハニカム構造体100と比較すると、貫通孔の数が実質的に同数である場合では、流出側貫通孔を通過する際の摩擦による圧力損失が低いため、ハニカム構造体全体としての圧力損失が低くなる。
次に、第一の本発明の一体型ハニカム構造体の長手方向に垂直な断面における大容積貫通孔群を構成する貫通孔及び小容積貫通孔群を構成する貫通孔の構成の具体例について説明する。
図3(a)〜(d)及び図4(a)〜(f)は、第一の本発明の一体型ハニカム構造体における長手方向に垂直な断面を模式的に示した断面図であり、図3(e)は、従来の一体型ハニカム構造体における長手方向に垂直な断面を模式的に示した断面図である。
図3(a)に示した一体型ハニカム構造体110は、上記開口率比がほぼ1.55、図3(b)に示した一体型ハニカム構造体120は、ほぼ2.54、図3(c)に示した一体型ハニカム構造体130は、ほぼ4.45、図3(d)に示した一体型ハニカム構造体140は、ほぼ6.00である。また、図4(a)、(c)、(e)は、上記開口率比がすべてほぼ4.45であり、図4(b)、(d)、(f)は、すべてほぼ6.00である。
なお、図3(d)に示した一体型ハニカム構造体140のように、上記開口率比が大きいと、小容積貫通孔141bの容積が小さすぎるため、初期の圧力損失が大きくなりすぎることがある。
図3(a)〜(d)は、すべて大容積貫通孔111a、121a、131a、141aの上記断面形状は8角形であり、小容積貫通孔111b、121b、131b、141bの上記断面形状は4角形であり、それぞれが交互に配列されており、小容積貫通孔の断面積を変化させ、大容積貫通孔の断面形状を少し変化させることにより、上記開口率比を任意に変動させることが容易にできる。同様に、図4に示す一体型ハニカム構造体に関しても任意にその開口率比を変動させることができる。また、図3(a)〜(d)に示したように、本発明の一体型ハニカム構造体の外周の角部には、面取りが施されていることが望ましい。
なお、図3(e)に示した一体型ハニカム構造体150は、流入側貫通孔152a及び流出側貫通孔152bの上記断面形状はともに4角形であり、それぞれが交互に配列されている。
図4(a)〜(b)に示す一体型ハニカム構造体160、260では、大容積貫通孔161a、261aの上記断面形状は5角形であり、そのうちの3つの角がほぼ直角となっており、小容積貫通孔161b、261bの上記断面形状は4角形で、それぞれ大きな四角形の斜めに対向する部分を占めるように構成されている。図4(c)〜(d)に示す一体型ハニカム構造体170、270では、図3(a)〜(d)に示す上記断面形状を変形したものであって、大容積貫通孔171a、271aと小容積貫通孔171b、271bとが共有する隔壁を小容積貫通孔側にある曲率を持って広げた形状である。この曲率は任意のものであってよく、例えば、隔壁を構成する曲線が1/4円に相当するものであってもよい。この場合、その上記開口率比は3.66となる。従って、図4(c)〜(d)に示す一体型ハニカム構造体170、270では、隔壁を構成する曲線が1/4円に相当するものよりも、さらに小容積貫通孔171b、271bの上記断面の面積が小さくなっている。図4(e)〜(f)に示す一体型ハニカム構造体180、280では、大容積貫通孔181a、281a及び小容積貫通孔281b、281bは4角形(長方形)からなり、2つの大容積貫通孔と2つの小容積貫通孔を組み合わせると、ほぼ正方形となるように構成されている。
第一の本発明の一体型ハニカム構造体の長手方向に垂直な断面における大容積貫通孔群を構成する貫通孔及び小容積貫通孔群を構成する貫通孔の構成のその他の具体例としては、例えば、図5に示した一体型ハニカム構造体190における大容積貫通孔191a及び小容積貫通孔191bを設けた構成、図6(a)〜(d)に示した一体型ハニカム構造体200、21、220、230における大容積貫通孔201a、211a、221a、231a及び小容積貫通孔201b、211b、221b、231bを設けた構成等を挙げることができる。
第二の本発明のハニカム構造体は、多数の貫通孔が隔壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム構造体であって、上記多数の貫通孔は、長手方向に垂直な断面における面積の総和が相対的に大きくなるように、上記ハニカム構造体の一方の端部で封止されてなる大容積貫通孔群と、上記断面における面積の総和が相対的に小さくなるように、上記ハニカム構造体の他方の端部で封止されてなる小容積貫通孔群とからなり、隣り合う上記大容積貫通孔群を構成する貫通孔同士を隔てる上記隔壁と、隣り合う上記大容積貫通孔群を構成する貫通孔と上記小容積貫通孔群を構成する貫通孔とを隔てる上記隔壁とに触媒がそれぞれ担持されており、上記隣り合う大容積貫通孔群を構成する貫通孔同士を隔てる隔壁における触媒の濃度と、上記隣り合う大容積貫通孔群を構成する貫通孔と小容積貫通孔群を構成する貫通孔とを隔てる隔壁における触媒の濃度との比が1.1〜3.0であることを特徴とする。
なかでも、上記触媒として白金を使用し、上記隣り合う大容積貫通孔群を構成する貫通孔同士を隔てる隔壁における白金の濃度と、上記隣り合う大容積貫通孔群を構成する貫通孔と小容積貫通孔群を構成する貫通孔とを隔てる隔壁における白金の濃度との比が1.1〜3.0であることが望ましい。
第二の本発明のハニカム構造体によれば、上記隣り合う大容積貫通孔群を構成する貫通孔同士を隔てる隔壁における触媒の濃度と、上記隣り合う大容積貫通孔群を構成する貫通孔と小容積貫通孔群を構成する貫通孔とを隔てる隔壁における触媒の濃度との比が1.1〜3.0に調整されているため、パティキュレート捕集前の状態での圧力損失の上昇を低減しつつ、パティキュレートの浄化性能を向上させ、パティキュレート捕集時の圧力損失の上昇を抑制することができる。一方、上記隔壁触媒濃度比が1.1未満であると、隣り合う大容積貫通孔群を構成する貫通孔同士を隔てる隔壁に担持されている触媒の量が少な過ぎて、パティキュレートの浄化性能を充分に向上させることができなかったり、隣り合う大容積貫通孔群を構成する貫通孔と小容積貫通孔群を構成する貫通孔とを隔てる隔壁に担持されている触媒の量が多過ぎて、パティキュレート捕集前の状態で圧力損失が高くなり過ぎることがある。上記隔壁触媒濃度比が3.0を超えると、排気ガス浄化装置内での使用時等の高温環境下で、触媒のシンタリングが生じやすくなり、触媒の活性が低下しやすくなるため、フィルタの再生処理における再生率(燃焼浄化されたパティキュレートの割合)が低下してしまうと考えられる。また、3.0を超えて、隣り合う大容積貫通孔群を構成する貫通孔同士を隔てる隔壁に触媒を担持させても、パティキュレートの浄化性能は大きく向上しない。
第二の本発明のハニカム構造体は、上記隣り合う大容積貫通孔群を構成する貫通孔同士を隔てる隔壁における触媒の濃度を向上させて触媒反応の反応点を増大させたものであり、一方、第一の本発明のハニカム構造体は、上記隣り合う大容積貫通孔群を構成する貫通孔同士を隔てる隔壁を相対的に厚くして触媒反応の反応点を増大させることを可能にしたものである。従って、第二の本発明のハニカム構造体は、その構成材料、及び、長手方向に垂直な断面形状を含む構造において、隣り合う大容積貫通孔群を構成する貫通孔同士を隔てる隔壁に触媒を担持させた第一の本発明のハニカム構造体と同様であってよく、同様の効果を奏するものである。
第一又は第二の本発明の一体型ハニカム構造体は、1個のみで一体型フィルタとして用いられてもよいが、シール材層を介して複数個結束されて集合体型フィルタとして用いられることが望ましい。上記集合体型フィルタとすることにより、上記シール材層により熱応力を低減してフィルタの耐熱性を向上させること、及び、第一又は第二の本発明の一体型ハニカム構造体の個数を増減させることで自由にその大きさを調整すること等が可能となるからである。
なお、一体型フィルタと集合体型フィルタとは、同様の機能を有するものである。
なお、第一又は第二の本発明の一体型ハニカム構造体からなる一体型フィルタでは、その材料として、通常、コージェライト等の酸化物セラミックが使用される。安価に製造することができるとともに、比較的熱膨張係数が小さいため、製造中及び使用中に熱応力によってフィルタが破損する恐れが少ないからである。
また、図1には示していないが、第一又は第二の本発明の一体型ハニカム構造体からなる一体型フィルタでは、下述の本発明の集合体型ハニカム構造体と同様に、外周面に第一又は第二の本発明の一体型ハニカム構造体よりも気体を通過させにくい材質からなるシール材層が形成されていることが望ましい。上記シール材層が外周面に形成されることにより、上記シール材層により第一又は第二の本発明の一体型ハニカム構造体を圧縮することができ、強度を向上し、クラックの発生に伴うセラミック粒子の脱粒を防止することができる。
第三の本発明の集合体型ハニカム構造体は、第一又は第二の本発明の一体型ハニカム構造体がシール材層を介して複数個組み合わされてなるハニカムブロックの外周面に、第一又は第二の本発明の一体型ハニカム構造体よりも気体を通過させにくい材質からなるシール材層が形成されてなるものであり、集合体型フィルタとして機能する。
図7は、本発明の集合体型ハニカム構造体の一例を模式的に示した斜視図である。
図7に示したように、集合体型ハニカム構造体10は、排気ガス浄化用フィルタとして用いられるものであり、一体型ハニカム構造体20がシール材層14を介して複数個結束されてハニカムブロック15を構成し、このハニカムブロック15の周囲に、排気ガスの漏洩を防止するためのシール材層13が形成されているものである。なお、シール材層13は、一体型ハニカム構造体20よりも気体を通過させにくい材質からなる。
なお、集合体型ハニカム構造体10では、一体型ハニカム構造体20を構成する材料として、熱伝導性、耐熱性、機械的特性及び耐薬品性等に優れた炭化珪素が望ましい。
集合体型ハニカム構造体10において、シール材層14は、一体型セラミック構造体20間に形成され、複数個の一体型セラミック構造体20同士を結束する接着剤として機能することが望ましく、一方、シール材層13は、ハニカムブロック15の外周面に形成され、集合体型ハニカム構造体10を内燃機関の排気通路に設置した際、ハニカムブロック15の外周面から貫通孔を通過する排気ガスが漏れ出すことを防止するための封止材として機能するものである。
なお、集合体型ハニカム構造体10において、シール材層13とシール材層14とは、同じ材料からなるものであってもよく、異なる材料からなるものであってもよい。さらに、シール材層13及びシール材層14が同じ材料からなるものである場合、その材料の配合比は同じであってもよく、異なっていてもよい。
ただし、シール材層14は、緻密体からなるものであってもよく、その内部への排気ガスの流入が可能なように、多孔質体からなるものであってもよいが、シール材層13は、緻密体からなるものであることが望ましい。シール材層13は、集合体型ハニカム構造体10を内燃機関の排気通路に設置した際、ハニカムブロック15の外周面から排気ガスが漏れ出すことを防止する目的で形成されているからである。
シール材層13、14を構成する材料としては特に限定されず、例えば、無機バインダー、有機バインダー、無機繊維、及び/又は、無機粒子からなるもの等を挙げることができる。
上記無機バインダーとしては、例えば、シリカゾル、アルミナゾル等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記無機バインダーのなかでは、シリカゾルが望ましい。
上記有機バインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記有機バインダーのなかでは、カルボキシメチルセルロースが望ましい。
上記無機繊維としては、例えば、シリカ−アルミナ、ムライト、アルミナ、シリカ等のセラミックファイバー等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記無機繊維のなかでは、シリカ−アルミナファイバーが望ましい。
上記無機粒子としては、例えば、炭化物、窒化物等を挙げることができ、具体的には、炭化珪素、窒化珪素、窒化硼素等からなる無機粉末又はウィスカー等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記無機粒子のなかでは、熱伝導性に優れる炭化珪素が望ましい。
なお、上述したように、第一又は第二の本発明の一体型ハニカム構造体をそのまま排気ガス浄化用フィルタとして用いる場合には、本発明の集合体型ハニカム構造体と同様のシール材層が第一又は第二の本発明の一体型ハニカム構造体の外周面に設けられてもよい。
図7に示した集合体型ハニカム構造体10は、円柱状であるが、本発明の集合体型ハニカム構造体の形状としては、柱状体であれば特に限定されず、例えば、長手方向に垂直な断面の形状が多角形、楕円形等からなる柱状体を挙げることができる。
また、本発明の集合体型ハニカム構造体は、第一又は第二の本発明の一体型ハニカム構造体を複数個結束させた後、上記断面形状が多角形、円形又は楕円形等となるように外周部を加工したものであってもよく、予め第一又は第二の本発明の一体型ハニカム構造体の上記断面形状を加工した後に、それらを接着剤により結束させることによって、上記断面形状を多角形、円形又は楕円形等としたものであってもよく、予め第一又は第二の本発明の一体型ハニカム構造体をそれぞれの上記断面形状が所望の形状となるように成形して製造し、それらを接着剤により結束させることによって、上記断面形状を多角形、円形又は楕円形等としたものであってもよく、例えば、上記断面形状が円を4分割した扇形である柱状の第一又は第二の本発明の一体型ハニカム構造体を4個結束させて円柱状の本発明の集合体型ハニカム構造体を製造することができる。
次に、上述した本発明のハニカム構造体の製造方法の一例について説明する。
本発明のハニカム構造体が、その全体が一の焼結体から構成された一体型フィルタである場合、まず、上述したようなセラミックを主成分とする原料ペーストを用いて押出成形を行い、本発明の一体型ハニカム構造体と略同形状のセラミック成形体を作製する。
なお、第一の本発明の一体型ハニカム構造体を製造する場合には、上記式(1)及び(2)を満たすようなセラミック成形体を作製する。
上記原料ペーストとしては特に限定されないが、製造後の第一又は第二の本発明の一体型ハニカム構造体の気孔率が20〜80%となるものが望ましく、例えば、上述したようなセラミックからなる粉末に、バインダー及び分散媒液等を加えたものを挙げることができる。
上記バインダーとしては特に限定されず、例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることができる。
上記バインダーの配合量は、通常、セラミック粉末100重量部に対して、1〜10重量部程度が望ましい。
上記分散媒液としては特に限定されず、例えば、ベンゼン等の有機溶媒、メタノール等のアルコール、水等を挙げることができる。
上記分散媒液は、上記原料ペーストの粘度が一定範囲内となるように適量配合される。
これらセラミック粉末、バインダー及び分散媒液は、アトライター等で混合し、ニーダー等で充分に混練した後、押出成形される。
また、上記原料ペーストには、必要に応じて成形助剤を添加してもよい。
上記成形助剤としては特に限定されず、例えば、エチレングリコール、デキストリン、脂肪酸石鹸、ポリアルコール等を挙げることができる。
さらに、上記原料ペーストには、必要に応じて酸化物系セラミックを成分とする微小中空球体であるバルーンや、球状アクリル粒子、グラファイト等の造孔剤を添加してもよい。
上記バルーンとしては特に限定されず、例えば、アルミナバルーン、ガラスマイクロバルーン、シラスバルーン、フライアッシュバルーン(FAバルーン)、ムライトバルーン等を挙げることができる。これらのなかでは、フライアッシュバルーンが望ましい。
次に、上記セラミック成形体を、マイクロ波乾燥機、熱風乾燥機、誘電乾燥機、減圧乾燥機、真空乾燥機、凍結乾燥機等を用いて乾燥させ、セラミック乾燥体とする。次いで、大容積貫通孔の出口側の端部、及び、小容積貫通孔の入口側の端部に、封止材となる封止材ペーストを所定量充填し、貫通孔を目封じする。
上記封止材ペーストとしては特に限定されないが、後工程を経て製造される封止材の気孔率が20〜80%となるものが望ましく、例えば、上記原料ペーストと同様のものを用いることができるが、上記原料ペーストで用いたセラミック粉末に、潤滑剤、溶剤、分散剤、バインダー等を添加したものであることがより望ましい。上記封止処理の途中で封止材ペースト中のセラミック粒子等が沈降することを防止することができるからである。
次に、上記封止材ペーストが充填されたセラミック乾燥体に対して、所定の条件で脱脂、焼成を行う。
上記セラミック乾燥体の脱脂及び焼成の条件は、従来から多孔質セラミックからなるフィルタを製造する際に用いられている条件を適用することができる。
次に、焼成して得られたセラミック焼成体の表面に高い比表面積のアルミナ膜を形成し、このアルミナ膜の表面に白金等の触媒を付与することにより、表面に触媒が担持された多孔質セラミックからなり、その全体が一の焼結体から構成された第一又は第二の本発明の一体型ハニカム構造体を製造することができる。
なお、第二の本発明の一体型ハニカム構造体を製造する場合には、一旦、ハニカム構造体全体に触媒を付与した後、大容積貫通孔群を構成する貫通孔と小容積貫通孔群を構成する貫通孔とを隔てる隔壁にマスキングを行い、その状態で再度触媒を付与する方法や、一旦、ハニカム構造体全体に触媒又は触媒の原料を含有するスラリーを付与した後、大容積貫通孔群を構成する貫通孔と小容積貫通孔群を構成する貫通孔とを隔てる隔壁に付着した上記スラリーのみを、高圧の気体を吹き付けることにより除去する方法等が挙げられる。
上記セラミック焼成体の表面にアルミナ膜を形成する方法としては、例えば、Al(NO等のアルミニウムを含有する金属化合物の溶液をセラミック焼成体に含浸させて加熱する方法、アルミナ粉末を含有する溶液をセラミック焼成体に含浸させて加熱する方法等を挙げることができる。
上記アルミナ膜に助触媒等を付与する方法としては、例えば、Ce(NO等の希土類元素等を含有する金属化合物の溶液をセラミック焼成体に含浸させて加熱する方法等を挙げることができる。
上記アルミナ膜に触媒を付与する方法としては、例えば、ジニトロジアンミン白金硝酸溶液([Pt(NH(NO]HNO)等をセラミック焼成体に含浸させて加熱する方法等を挙げることができる。
また、本発明のハニカム構造体が、図7に示したような、一体型ハニカム構造体20がシール材層14を介して複数個結束されて構成された集合体型ハニカム構造体10である場合、次に、一体型ハニカム構造体20の側面に、シール材層14となるシール材ペーストを均一な厚さで塗布して、順次他の一体型ハニカム構造体20を積層する工程を繰り返し、所定の大きさの角柱状の一体型ハニカム構造体20の積層体を作製する。
なお、上記シール材ペーストを構成する材料としては、既に説明しているので、ここではその説明を省略する。
次に、この一体型ハニカム構造体20の積層体を加熱してシール材ペースト層を乾燥、固化させてシール材層14とし、その後、ダイヤモンドカッター等を用いて、その外周部を図7に示したような形状に切削することで、ハニカムブロック15を作製する。
そして、ハニカムブロック15の外周に上記シール材ペーストを用いてシール材層13を形成することで、一体型ハニカム構造体20がシール材層14を介して複数個結束されて構成された本発明の集合体型フィルタ10を製造することができる。
本発明のハニカム構造体の用途は特に限定されないが、車両の排気ガス浄化装置に用いることが望ましい。
図8は、本発明のハニカム構造体が設置された車両の排気ガス浄化装置の一例を模式的に示した断面図である。
図8に示したように、排気ガス浄化装置600は、主に、ハニカム構造体60、ハニカム構造体60の外方を覆うケーシング630、ハニカム構造体60とケーシング630との間に配置される保持シール材620、及び、ハニカム構造体60の排気ガス流入側に設けられた加熱手段610から構成されており、ケーシング630の排気ガスが導入される側の端部には、エンジン等の内燃機関に連結された導入管640が接続されており、ケーシング630の他端部には、外部に連結された排出管650が接続されている。なお、図8中、矢印は排気ガスの流れを示している。
また、図8において、ハニカム構造体60は、図1に示した一体型ハニカム構造体20であってもよく、図7に示した集合体型ハニカム構造体10であってもよい。
このような構成からなる排気ガス浄化装置600では、エンジン等の内燃機関から排出された排気ガスは、導入管640を通ってケーシング630内に導入され、大容積貫通孔21aからハニカム構造体60内に流入し、隔壁23を通過して、この隔壁23でパティキュレートが捕集されて浄化された後、小容積貫通孔21bからハニカム構造体60外に排出され、排出管650を通って外部へ排出されることとなる。
また、排気ガス浄化装置600では、ハニカム構造体60の隔壁に大量のパティキュレートが堆積し、圧力損失が高くなると、ハニカム構造体60の再生処理が行われる。
上記再生処理では、加熱手段610を用いて加熱されたガスをハニカム構造体60の貫通孔の内部へ流入させることで、ハニカム構造体60を加熱し、隔壁に堆積したパティキュレートを燃焼除去する。また、ポストインジェクション方式を用いてパティキュレートを燃焼除去してもよい。そのほか、ケーシング630の手前の導入管640の部分に酸化触媒を付与したフィルタを設置してもよく、ケーシング630の内部であって、加熱手段610より排気ガス流入側に酸化触媒を付与したフィルタを設置してもよい。
以下に実施例を掲げ、図面を参照して本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
(1)平均粒径10μmのα型炭化珪素粉末60重量%と、平均粒径0.5μmのβ型炭化珪素粉末40重量%とを湿式混合し、得られた混合物100重量部に対して、有機バインダー(メチルセルロース)を5重量部、水を10重量部加えて混練して混合組成物を得た。次に、上記混合組成物に可塑剤と潤滑剤とを少量加えてさらに混練した後、押出成形を行い、図3(a)に示した断面形状と略同様の断面形状で、入口側の開口率が37.97%、開口率比が1.52の生成形体を作製した。なお、隣り合う大容積貫通孔21a同士を隔てる隔壁23bの厚さを0.45mm、隣り合う大容積貫通孔21aと小容積貫通孔21bとを隔てる隔壁23aの厚さを0.30mmとした。
次に、マイクロ波乾燥機等を用いて上記生成形体を乾燥させ、セラミック乾燥体とした後、上記生成形体と同様の組成の封止材ペーストを所定の貫通孔に充填した。
次いで、再び乾燥機を用いて乾燥させた後、400℃で脱脂し、常圧のアルゴン雰囲気下2200℃、3時間で焼成を行うことにより、気孔率が42%、平均気孔径が9μm、その大きさが34.3mm×34.3mm×150mm、貫通孔21の数が28個/cm(大容積貫通孔21a:14個/cm、小容積貫通孔21b:14個/cm)で、炭化珪素焼結体からなるセラミック焼成体を製造した。
なお、一体型ハニカム構造体20では、出口側の端面において、大容積貫通孔21aのみを封止材により封止し、入口側の端面において、小容積貫通孔21bのみを封止材により封止した。
(2)Al(NOを1,3−ブタンジオール中に投入し、60℃で5時間攪拌することによりAl(NOを30重量%含有する1,3−ブタンジオール溶液を作製した。この1,3−ブタンジオール溶液中に上記セラミック焼成体を浸漬した後、150℃で2時間、400℃で2時間加熱し、更に80℃の水に2時間浸漬した後、700℃で8時間加熱して上記セラミック焼成体の表面にアルミナ層を形成した。
Ce(NOをエチレングリコール中に投入し、90℃で5時間攪拌することによりCe(NOを6重量%含有するエチレングリコール溶液を作製した。このエチレングリコール溶液中に上記アルミナ層が形成された上記セラミック焼成体を浸漬した後、150℃で2時間、窒素雰囲気中650℃で2時間加熱して、上記セラミック焼成体の表面に触媒を担持させるための希土類酸化物含有アルミナ層を形成した。
白金濃度4.53重量%のジニトロジアンミン白金硝酸([Pt(NH(NO]HNO)を蒸留水で希釈し、上記希土類酸化物含有アルミナ層が形成された上記セラミック焼成体にPtが2g/Lとなるように浸漬した後、110℃で2時間、窒素雰囲気中500℃で1時間加熱して、上記セラミック焼成体の表面に、白金触媒を担持させ、一体型ハニカム構造体20の製造を終了した。
(実施例2〜37、比較例1〜8)
表1に示したように、一体型ハニカム構造体20の長手方向に垂直な断面形状、及び、隣り合う大容積貫通孔21a同士を隔てる隔壁23bの厚さを変更したほかは、実施例1と同様にして一体型ハニカム構造体20を製造した。
なお、一体型ハニカム構造体20の長手方向に垂直な断面形状、及び、隣り合う大容積貫通孔21a同士を隔てる隔壁23bの厚さは、混合組成物の押出成形を行う際のダイの形状を変更することにより調整した。
(実施例38)
(1)平均粒径10μmのα型炭化珪素粉末60重量%と、平均粒径0.5μmのβ型炭化珪素粉末40重量%とを湿式混合し、得られた混合物100重量部に対して、有機バインダー(メチルセルロース)を5重量部、水を10重量部加えて混練して混合組成物を得た。次に、上記混合組成物に可塑剤と潤滑剤とを少量加えてさらに混練した後、押出成形を行い、図3(a)に示した断面形状と略同様の断面形状で、入口側の開口率が37.97%、開口率比が1.52の生成形体を作製した。なお、隣り合う大容積貫通孔21a同士を隔てる隔壁23bの厚さ、及び、隣り合う大容積貫通孔21aと小容積貫通孔21bとを隔てる隔壁23aの厚さをともに0.30mmとした。
次に、マイクロ波乾燥機等を用いて上記生成形体を乾燥させ、セラミック乾燥体とした後、上記生成形体と同様の組成の封止材ペーストを所定の貫通孔に充填した。
次いで、再び乾燥機を用いて乾燥させた後、400℃で脱脂し、常圧のアルゴン雰囲気下2200℃、3時間で焼成を行うことにより、気孔率が42%、平均気孔径が9μm、その大きさが34.3mm×34.3mm×150mm、貫通孔21の数が28個/cm(大容積貫通孔21a:14個/cm、小容積貫通孔21b:14個/cm)で、炭化珪素焼結体からなるセラミック焼成体を製造した。
なお、一体型ハニカム構造体20では、出口側の端面において、大容積貫通孔21aのみを封止材により封止し、入口側の端面において、小容積貫通孔21bのみを封止材により封止した。
(2)Al(NOを1,3−ブタンジオール中に投入し、60℃で5時間攪拌することによりAl(NOを30重量%含有する1,3−ブタンジオール溶液を作製した。この1,3−ブタンジオール溶液中に上記セラミック焼成体を浸漬した後、150℃で2時間、400℃で2時間加熱し、更に80℃の水に2時間浸漬した後、700℃で8時間加熱して上記セラミック焼成体の表面にアルミナ層を形成した。
Ce(NOをエチレングリコール中に投入し、90℃で5時間攪拌することによりCe(NOを6重量%含有するエチレングリコール溶液を作製した。このエチレングリコール溶液中に上記アルミナ層が形成された上記セラミック焼成体を浸漬した後、150℃で2時間、窒素雰囲気中650℃で2時間加熱して、上記セラミック焼成体の表面に触媒を担持させるための希土類酸化物含有アルミナ層を形成した。
ジニトロジアンミン白金硝酸水溶液中に、上記希土類酸化物含有アルミナ層が形成された上記セラミック焼成体を浸漬させた後、110℃で2時間、窒素雰囲気中500℃で1時間加熱して、上記セラミック焼成体の表面全体に、白金触媒を2g/L担持させた。
次いで、隣り合う大容積貫通孔21aと小容積貫通孔21bとを隔てる隔壁23aの表面にフェノール樹脂を流し込み、加熱して硬化させ、マスキング処理を施した。そして、再びジニトロジアンミン白金硝酸水溶液中に、上記マスキング処理を施したセラミック焼成体を浸漬させた後、110℃で2時間、窒素雰囲気中500℃で1時間加熱して、隣り合う大容積貫通孔21a同士を隔てる隔壁23bに、白金触媒をさらに1g/L担持させた。次に、500℃で5時間加熱して、フェノール樹脂を燃焼除去し、一体型ハニカム構造体20の製造を終了した。
なお、得られた一体型ハニカム構造体20において、白金触媒は、隣り合う大容積貫通孔21aと小容積貫通孔21bとを隔てる隔壁23aに2g/L担持させられており、隣り合う大容積貫通孔21a同士を隔てる隔壁23bに2.6g/L担持させられていた。
(実施例39〜81、比較例9〜16)
表2に示したように、一体型ハニカム構造体20の長手方向に垂直な断面形状、及び、隣り合う大容積貫通孔21a同士を隔てる隔壁23bに担持させた白金触媒の量を変更したほかは、実施例38と同様にして一体型ハニカム構造体20を製造した。
なお、一体型ハニカム構造体20の長手方向に垂直な断面形状は、混合組成物の押出成形を行う際のダイの形状を変更することにより調整した。また、一体型ハニカム構造体20の隣り合う大容積貫通孔21a同士を隔てる隔壁23bに担持させた白金触媒の量は、マスキング処理を施したセラミック焼成体を浸漬させるジニトロジアンミン白金硝酸水溶液の濃度を変更することにより調整した。
(フィルタ再生試験)
図8に示したように、各実施例及び比較例に係る一体型ハニカム構造体をエンジンの排気通路に配設して排気ガス浄化装置とし、上記エンジンを運転して、一体型ハニカム構造体にパティキュレートを7g/L捕集させた。
次に、パティキュレートを捕集させた一体型ハニカム構造体を反応試験機内に設置し、上記一体型ハニカム構造体に窒素ガスを130L/minの流量で導入しながら、上記一体型ハニカム構造体を200℃に保持した。
次に、パティキュレートを含有していないこと以外はディーゼルエンジンの排気ガスとほぼ同じ組成の模擬ガスを上記一体型ハニカム構造体内に、温度650℃、圧力8kPa、時間7分間の条件で保持させ、パティキュレートを燃焼させた。なお、この際、上記一体型ハニカム構造体よりも模擬ガス流入側に、市販の基材がコージェライトからなるハニカム構造の触媒担持体(大きさ34.3mm×34.3mm×70mm、セル密度400セル/inch、白金担持量5g/L)を設置し、このハニカム構造の触媒担持体を通過させた模擬ガスを上記一体型ハニカム構造体に導入させた。
最後に、一体型ハニカム構造体の重量を測定して、7g/L捕集させたパティキュレートのうち、燃焼したパティキュレートの割合(フィルタ再生率)を求め、パティキュレートの浄化性能を評価した。
なお、実施例38〜81及び比較例9〜16に係る一体型ハニカム構造体については、前処理として、エンジンの排気通路に配設する前に、大気雰囲気中、850℃で20時間加熱した。
また、上記模擬ガスは、Cを6540ppm、COを5000ppm、NOxを160、SOxを8ppm、COを0.038%、HOを10%、Oを10%含有するものとした。上記模擬ガスの導入により、上記一体型ハニカム構造体は、600℃程度まで昇温した。
上記フィルタ再生試験の結果を表1、2及び図9、10に示した。
なお、図9は、実施例1〜37及び比較例1〜8に係る一体型ハニカム構造体について、フィルタ再生試験におけるフィルタ再生率と隔壁厚みの差βとの関係を、入口側の開口率ごとに示したグラフであり、中が塗りつぶされた点は、実施例を表し、中が塗りつぶされていない点は、比較例を表す。
また、図10は、実施例38〜81及び比較例9〜16に係る一体型ハニカム構造体について、フィルタ再生試験におけるフィルタ再生率と、隣り合う大容積貫通孔21a同士を隔てる隔壁23bにおける白金触媒濃度との関係を、一体型ハニカム構造体の断面形状ごとに示したグラフであり、中が塗りつぶされた点は、実施例を表し、中が塗りつぶされていない点は、比較例を表す。
Figure 0004471622
Figure 0004471622
表1及び図9に示したように、上記式(1)及び(2)の関係を満たす各実施例に係る一体型ハニカム構造体は、いずれもフィルタ再生率が60%以上であった。
表2及び図10に示したように、隔壁触媒濃度比が1.1〜3.0である各実施例に係る一体型ハニカム構造体は、いずれも850℃での熱処理後のフィルタ再生率が46%以上であった。
(a)は、本発明の一体型ハニカム構造体の一例を模式的に示した斜視図であり、(b)は、(a)に示した本発明の一体型ハニカム構造体のA−A線断面図である。 貫通孔の数が実質的に流入側貫通孔群101と流出側貫通孔群102とで1:2となるように構成された本発明のハニカム構造体の長手方向に垂直な断面を模式的に示した断面図である。 (a)〜(d)は、本発明の一体型ハニカム構造体における長手方向に垂直な断面を模式的に示した断面図であり、(e)は、従来の一体型ハニカム構造体における長手方向に垂直な断面を模式的に示した断面図である。 (a)〜(f)は、本発明の一体型ハニカム構造体における長手方向に垂直な断面の一部を模式的に示した断面図である。 本発明の一体型ハニカム構造体における長手方向に垂直な断面の一例を模式的に示した断面図である。 (a)〜(d)は、本発明の一体型ハニカム構造体における長手方向に垂直な断面の一例を模式的に示した断面図である。 本発明の集合体型ハニカム構造体の一例を模式的に示した斜視図である。 本発明のハニカム構造体が設置された車両の排気ガス浄化装置の一例を模式的に示した断面図である。 実施例1〜37及び比較例1〜8に係る一体型ハニカム構造体について、フィルタ再生試験におけるフィルタ再生率と隔壁厚みの差βとの関係を、入口側の開口率ごとに示したグラフである。 実施例38〜81及び比較例9〜16に係る一体型ハニカム構造体について、フィルタ再生試験におけるフィルタ再生率と、隣り合う大容積貫通孔21a同士を隔てる隔壁23bにおける白金触媒濃度との関係を、一体型ハニカム構造体の断面形状ごとに示したグラフである。
符号の説明
10 集合体型ハニカム構造体
13、14 シール材層
15 ハニカムブロック
20 一体型ハニカム構造体
21 貫通孔
21a 大容積貫通孔
21b 小容積貫通孔
22 封止材
23 隔壁
23a 隣り合う大容積貫通孔21aと小容積貫通孔21bとを隔てる隔壁
23b 隣り合う大容積貫通孔21a同士を隔てる隔壁

Claims (10)

  1. 多数の貫通孔が隔壁を隔てて長手方向に並設され、前記隔壁に触媒が担持された柱状のハニカム構造体であって、
    前記多数の貫通孔は、長手方向に垂直な断面における面積の総和が相対的に大きくなるように、前記ハニカム構造体の一方の端部で封止されてなる大容積貫通孔群と、前記断面における面積の総和が相対的に小さくなるように、前記ハニカム構造体の他方の端部で封止されてなる小容積貫通孔群とからなり、
    前記ハニカム構造体の入口側の開口率をα(%)とし、隣り合う前記大容積貫通孔群を構成する貫通孔同士を隔てる前記隔壁と、隣り合う前記大容積貫通孔群を構成する貫通孔と前記小容積貫通孔群を構成する貫通孔とを隔てる前記隔壁との前記断面における厚さの差をβ(mm)としたときに、下記式(1)及び(2)の関係を満たすことを特徴とするハニカム構造体。
    0.0022α+0.0329≦β≦0.0071α+0.2553 …(1)
    35≦α≦60 …(2)
  2. さらに、下記式(3)の関係を満たす請求項1に記載のハニカム構造体。
    0.0046α+0.0077≦β≦0.0071α+0.1553 …(3)
  3. 大容積貫通孔群を構成する貫通孔及び/又は小容積貫通孔群を構成する貫通孔の長手方向に垂直な断面の形状は、多角形である請求項1又は2に記載のハニカム構造体。
  4. 大容積貫通孔群を構成する貫通孔の長手方向に垂直な断面の形状は、八角形であり、小容積貫通孔群を構成する貫通孔の前記断面の形状は、四角形である請求項1〜3のいずれか1に記載のハニカム構造体。
  5. 大容積貫通孔群の長手方向に垂直な断面における面積と、小容積貫通孔群の前記断面における面積との比が1.5〜2.7である請求項1〜4のいずれか1に記載のハニカム構造体。
  6. 長手方向に垂直な断面における隣り合う大容積貫通孔同士群を構成する貫通孔を隔てる隔壁と、隣り合う大容積貫通孔群を構成する貫通孔と小容積貫通孔群を構成する貫通孔とを隔てる隔壁との交わる角の少なくとも1つが鈍角である請求項1〜5のいずれか1に記載のハニカム構造体。
  7. 大容積貫通孔群を構成する貫通孔及び/又は小容積貫通孔群を構成する貫通孔の長手方向に垂直な断面の角部の近傍が曲線により構成されている請求項1〜6のいずれか1に記載のハニカム構造体。
  8. 隣り合う大容積貫通孔群を構成する貫通孔の長手方向に垂直な断面における重心間距離と、隣り合う小容積貫通孔群を構成する貫通孔の前記断面における重心間距離とが等しい請求項1〜7のいずれか1に記載のハニカム構造体。
  9. 請求項1〜8のいずれか1に記載のハニカム構造体が接着剤層を介して複数個組み合わされてなるハニカムブロックの外周面にシール材層が形成されてなるハニカム構造体。
  10. 車両の排気ガス浄化装置に使用される請求項1〜9のいずれか1に記載のハニカム構造体。
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