JP4426381B2 - ハニカム構造体及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば排ガス浄化用フィルタ、水処理用フィルタ、分離膜用フィルタなどに使用することができる、目封じ部を備えるハニカム構造体及びその製造方法に関する。詳しくは、圧力損失と捕集効率のバランスに優れたハニカム構造体及びその製造方法に関する。
ハニカム構造体を排ガス浄化用フィルタ等として用いる場合に、一般に図5(a)、図5(b)に示すように、二つの端面42、44間を連通する複数のセル3を形成する多孔質の隔壁2と、セル3をいずれかの端面において目封じする目封じ部4とを備えるハニカム構造体1の形態で用いる。このような形態とすることにより、一方の端面42からセル内に流入する被処理流体は、多孔質の隔壁2を通って別のセル3を経て他の端面44から排出される。この際、隔壁2がフィルタとなって、粒子状物質等を捕捉する。
このようなハニカム構造体において、高捕集効率と低圧力損失の両立が求められている。特に、ディーゼルエンジンから排出される粒子状物質を除去するフィルタ(DPF)等として用いる場合、燃費向上を目的とした低圧力損失の要求が大きいため、圧力損失を低くしても、捕集効率の低下の少ないハニカム構造体が求められている。
このような課題に答えるため、目封じ部を備えないストレートフロー型のハニカム構造体のセル隔壁に粗大粒子を含む耐熱性粒子を固着させるとともに、セル隔壁に触媒層を形成した排ガス浄化用触媒が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−326162号公報
本発明は、目封じ部を備える、いわゆるウォールフロー型のハニカム構造体において、圧力損失低減のために隔壁の気孔率を高くし、及び/又は平均気孔径を大きくしても捕集効率の低下を少なくすることができ、圧力損失と捕集効率のバランスに優れたハニカム構造体及びこのようなハニカム構造体を好適に製造することができる製造方法を提供することを特徴とする。
本発明は、二つの端面間を連通する複数のセルを形成するように配置された多孔質の隔壁と、前記セルをいずれかの端面において目封じするように配置された目封じ部とを備えるハニカム構造体であって、前記隔壁の気孔率が50%〜80%、前記隔壁の平均気孔径が15μm〜40μmであり、前記隔壁表面に、平均粒子径が前記隔壁の平均気孔径の1.5倍以上であって、200μm以下であるセラミックス粒子を、前記ハニカム構造体の隔壁の単位表面積(1cm 2 )当たり、0.001mg〜1mgの固着量で固着したハニカム構造体を提供するものである。
本発明において、セラミックス粒子の平均粒子径が、150μm以下であることが更に好ましい。また、セラミックス粒子において、20μm以下の粒子径のセラミックス粒子が、全体の10質量%以下であることが好ましい。また、セラミックス粒子が、隔壁と同一の成分を含むことが好ましい。また、ハニカム構造体の中心軸から外周までの長さの1/2の範囲内の隔壁を特定隔壁とし、少なくとも特定隔壁の表面にセラミックス粒子が分布していることが好ましい。また、隔壁が、コージェライト、炭化珪素、窒化珪素、アルミナ、ムライト、アルミニウムチタネート及びリチウムアルミニウムシリケートからなる群より選ばれたいずれか1種を主結晶相とすることが好ましい。また、セルの長手方向に直交する断面形状が、三角形、四角形、六角形、八角形及び円形のいずれか1以上の形状であることが好ましい。また、隔壁がろ過能を有し、内燃機関の排ガス中に含まれる粒子状物質を捕集除去するフィルタとして用いられるハニカム構造体であることが好ましく、この場合セラミックス粒子が、隔壁の排ガス流入側表面のみに固着していることが更に好ましい。
本発明は、また、二つの端面間を連通する複数のセルを形成する隔壁を備えるハニカム成形体を成形する工程、所定のセルを端面において目封じする工程、セラミックス粒子をセル内に送り込む工程、及びハニカム成形体を焼成してハニカム焼成体を得る工程を含み、隔壁の気孔率が50%〜80%、隔壁の平均気孔径が15μm〜40μmであり、前記隔壁表面に、平均粒子径が前記隔壁の平均気孔径の1.5倍以上であって、200μm以下であるセラミックス粒子を、隔壁の単位表面積(1cm 2 )当たり、0.001mg〜1mgの固着量で固着してハニカム構造体を得る、ハニカム構造体の製造方法を提供するものである。
本発明において、セラミックス粒子をセル内に送り込む工程が、ハニカム焼成体を得る工程の前に行われることも好ましく、ハニカム焼成体を得る工程の後に行われることも好ましい。また、ハニカム成形体又はハニカム焼成体の外周の少なくとも一部を加工除去する工程、及びハニカム成形体又はハニカム焼成体の外周にコート材を配設して外周壁を形成する工程を更に含むことが好ましい。また、セラミックス粒子をセル内に送り込む工程が、セラミックス粒子を、少なくとも一方の端面からセル内へ、気体により送り込む工程であることが好ましい。また、ハニカム成形体又はハニカム焼成体を加工した際に生じる粒子を前記セラミックス粒子として用いることも好ましい。
隔壁表面にセラミックス粒子を固着させることにより、このセラミックス粒子が、隔壁表面の粗大な開気孔をある程度塞ぐことができ、気孔率や平均気孔径を大きくしても、捕集効率の低下を少なくすることができる。特に、運転初期又はハニカム構造体の再生時の捕集効率の低下を少なくすることができる。
以下、本発明の、ハニカム構造体及びその製造方法を具体的な実施形態に基づき詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。なお、以下において、セルの長手方向(例えば、図1に示す軸方向)に直交する断面を直交断面、セルの長手方向に平行な断面を平行断面という。
図1(a)は、本発明のハニカム構造体の一実施形態を示す模式的な斜視図、図1(b)は図1(a)の模式的な平行断面図、図1(c)は図1(b)の模式的な一部拡大図である。図1(a)〜(c)に示すハニカム構造体1は、二つの端面42、44間を連通するセル3を形成するように配置された多孔質の隔壁2と、セル3をいずれかの端面において目封じするように配置された目封じ部4とを備える。
このハニカム構造体は、更に隔壁表面に固着したセラミックス粒子5を有する。このセラミックス粒子5を有することにより、隔壁2の表面の粗大な開気孔をある程度塞ぐことができ、捕集効率の低下を少なくすることができる。特に運転開始直後の捕集効率の低下を少なくすることができる。
また、ハニカム構造体をDPFに用いた場合に、たまった粒子状物質(PM)を定期的に燃焼除去し、ハニカム構造体を再生する。この再生時にも捕集効率が低下するが、図1(a)〜(c)に示すハニカム構造体1は再生時の捕集効率の低下も少なくすることができる。
従来のハニカム構造体において、隔壁に粗大な開気孔があると、PM等の捕捉すべき物質が粗大な開気孔を通って、隔壁を通り抜けてしまうが、運転時間の経過とともにPM等の捕捉物がハニカム構造体内に堆積することにより、粗大な開気孔がある程度塞がり、捕集効率が向上するものと思われる。これに対して、図1(a)〜(c)に示すハニカム構造体1は、セラミックス粒子5が当初から粗大な開気孔をある程度塞ぐため、運転開始直後や再生時の捕集効率の低下を少なくすることができるものと思われる。
セラミックス粒子5の粒子径に特に制限はないが、粒子径が大きすぎると隔壁表面に固着させることが難しくなり好ましくない。従って、セラミックス粒子5の平均粒子径は、200μm以下であることが好ましく、150μm以下であることが更に好ましい。一方、粒子径が小さすぎると捕集効率に有効な開気孔まで塞いでしまい、圧力損失が上昇しすぎて好ましくない。従って、セラミックス粒子5の平均粒子径は、隔壁の平均気孔径の1.5倍以上であることが好ましく、1.8倍以上であることが更に好ましい。また、粒子径が20μm以下のセラミックス粒子が、セラミックス粒子全体の10質量%以下であることが好ましい。
セラミックス粒子5の材質に特に制限はないが、後述する焼成工程で隔壁表面に強固に固着させる場合には、セラミックス粒子5が隔壁2と同一の成分を含むことが好ましく、セラミックス粒子5と隔壁の材質が同一であることが更に好ましい。
セラミックス粒子5の固着量にも特に制限はないが、固着量が少なすぎると捕集効率低下を少なくする効果が小さくなりすぎ好ましくない。従って、セラミックス粒子5の固着量は隔壁の単位表面積1cm2当たり、0.001mg以上であることが好ましい。一方、固着量が多すぎると圧力損失が上昇しすぎて好ましくない。従って、固着量は単位表面積1cm2当たり、1mg以下であることが好ましい。
セラミックス粒子5は、全ての隔壁の表面に固着している必要はないが、セラミックス粒子5が固着している隔壁2の範囲が小さすぎると捕集効率の低下を少なくする効果が小さくなりすぎ好ましくない。また、ハニカム構造体1を被処理流体が通過する際、ハニカム構造体1の径方向の中心部近傍の流速が大きくなり、外周部近傍の流速が遅くなる傾向がある。従って、流速の早い中心部近傍における捕集効率がより低下する傾向にあるため、中心部近傍の隔壁表面にセラミックス粒子5が固着していることが好ましい。
このことより、図2に示すように、ハニカム構造体1において、中心軸Xから外周までの長さyの1/2の範囲、即ち図2において破線bで囲まれた範囲、にある隔壁を特定隔壁とし、少なくともこの特定隔壁の表面にセラミックス粒子が分布していることが好ましい。また、セラミックス粒子が分布している隔壁の表面は、隔壁の両表面であってもよいが、一方の表面であってもよい。隔壁の一方の表面にセラミックス粒子が固着し分布している場合には、粒子状物質を捕捉する排ガス流入側の面にセラミックス粒子が固着し分布することによって捕集効率の低下を抑制するという効果が顕著に表れるので、排ガス入口側の隔壁面のみ固着していても十分にその効果を表す。なお、セラミックス粒子が特定隔壁の表面にのみ分布している場合には、特定隔壁の排ガス流入側の面にのみセラミックス粒子が固着していることも好ましいが、特定隔壁の範囲を超えてセラミックス粒子が隔壁の一方の表面又は両方の表面に分布していることも好ましく、全ての隔壁の一方の表面又は両方の表面にセラミックス粒子が固着していることも好ましい。
本発明におけるハニカム構造体の形状に特に制限はない。ハニカム構造体の直交断面形状は、例えば円形、楕円形、レーストラック形状、四角形等、用途や設置場所に応じて適宜決定することができる。セル密度は、例えば6セル/平方インチ〜2000セル/平方インチ(0.9セル/cm2〜311セル/cm2)、好ましくは50セル/平方インチ〜1000セル/平方インチ(7.8セル/cm2〜155セル/cm2)程度とすることができる。
また、隔壁の材質や厚さにも特に制限はない。隔壁の材質としては、セラミックスが好ましく、この中でも、コージェライト、炭化珪素、窒化珪素、アルミナ、ムライト、アルミニウムチタネート及びリチウムアルミニウムシリケートからなる群より選ばれたいずれか1種を主結晶相とするセラミックスが好ましい。なお、主結晶相とは、その部材(例えば、隔壁)を構成する結晶相の50質量%以上、好ましくは70質量%以上、更に好ましくは90質量%以上を構成する相を意味する。
隔壁の厚さは、例えば30μm〜2000μm、好ましくは40μm〜1000μm、更に好ましくは50μm〜750μm程度とすることができる。また、隔壁の気孔率にも特に制限はないが、気孔率が高くなると捕集効率が低下する傾向にあるため、気孔率の高いハニカム構造体において、本発明は特に効果的である。従って隔壁の気孔率が、50%以上、更には55%以上、特に60%以上のハニカム構造体に本発明を適応することが好ましい。一方、気孔率が高すぎると、隔壁の強度が低下しすぎるため好ましくない。従って、隔壁の気孔率は、80%以下、更に75%以下、特に70%以下であることが好ましい。
また、隔壁の平均気孔径にも特に制限はないが、平均気孔径が大きくなると捕集効率が低下する傾向にあるため、平均気孔径の大きいハニカム構造体において、本発明は特に効果的である。従って平均気孔径は、15μm以上、更には20μm以上、特に25μm以上であることが好ましい。一方、平均気孔径が大きすぎると、捕集効率の低下が大きすぎ好ましくない。従って、平均気孔径は40μm以下、更に35μm以下、特に30μm以下であることが好ましい。なお、本発明における気孔径は水銀ポロシメーターにより測定した値を意味する。
セルの直交断面形状にも特に制限はないが、三角形、四角形、六角形、八角形などの多角形又は円形とすることが好ましい。セルの直交断面形状は、1つのハニカム構造体において1種類である必要はなく、複数種の形状を含んでもよい。
本発明のハニカム構造体は、被処理流体の所定量が隔壁を通るように、いずれかの端面においてセルを目封じするように配置された目封じ部を備える。この目封じ部は、図1(a)、図1(b)に示すハニカム構造体1における目封じ部4のように、セル3を端面42、44において、互い違いに目封じするように配置されることが好ましい。また、目封じ部4の材質にも特に制限はないが、セラミックスであることが好ましく、コージェライト、炭化珪素、窒化珪素、アルミナ、ムライト、アルミニウムチタネート及びリチウムアルミニウムシリケートからなる群より選ばれたいずれか1種を主結晶相とするセラミックスを含むことが好ましい。
図1(a)に示すハニカム構造体1は、更に外周壁7を備える。外周壁7は、隔壁2と一体的に形成されたものでもよく、あるいは外周にコート材を配設して形成されたものであってもよい。
また、ハニカム構造体が、触媒、例えば触媒能を有する金属等を担持していることも好ましい。例えば、ハニカム構造体をDPFとして用いる場合には、ハニカム構造体内に捕捉されたPM等を除去するために、これらを除去可能な触媒、例えばPMの酸化/燃焼を促進する能力を有する触媒を含むことが好ましい。この様な触媒の具体例としては、例えば、貴金属系のPt、Pd、Rh等、非金属系のペロブスカイト型触媒等が挙げられ、これらのうちの少なくとも1種をハニカム構造体の隔壁に担持させることが好ましい。
次に、図1(a)〜(c)に示すハニカム構造体1を好適に製造することができる製造方法を具体例を基に説明する。
まず、隔壁を形成する原料、例えばコージェライト化原料、炭化珪素、金属珪素、窒化珪素、アルミナ、ムライト、アルミニウムチタネート及びリチウムアルミニウムシリケート等に、バインダーを添加し、更に、例えば水等の分散媒を添加して成形原料とし、これを混合及び混練して可塑性の坏土とする。この坏土を押出成形等の成形をすることにより、二つの端面間を連通する複数のセルを形成する隔壁を備えるハニカム成形体を得ることができる。
なお、バインダーとしては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、グリセリン等を挙げることができる。また、成形原料には必要に応じて所望の添加剤を添加することができる。添加剤としては、バインダー、分散媒の他に、分散剤、造孔材等を挙げることができる。分散剤としては、例えば、エチレングリコール、デキストリン、脂肪酸石鹸、ポリアルコール等を挙げることができ、造孔剤としては、例えば、グラファイト、小麦粉、澱粉、フェノール樹脂、ポリエチレンテレフタレート等を挙げることができる。これら添加剤は、目的に応じて1種以上を用いることができる。
次に、目封じ部を形成する原料、例えばコージェライト、コージェライト化原料、炭化珪素、窒化珪素、アルミナ、ムライト、アルミニウムチタネート及びリチウムアルミニウムシリケート等に、バインダー、分散媒等を加え、スラリー状の目封じ剤とし、これを所定の容器に入れる。そして、目封じするセル以外のセルを端面においてマスキングし、この端面を目封じ剤が入った容器に浸漬させることにより所定のセルの端部に目封じ剤を充填し、目封じすることができる。バインダー及び分散剤は、各々成形原料に好ましい例として挙げた物の中から選ぶことが好ましい。なお、この工程は、成形の後に行う必要があるが、成形の後であればどの時点で行ってもよく、例えば、後述する焼成の前又は後に行うことができる。
次に、セラミックス粒子、例えばコージェライト、炭化珪素、窒化珪素、アルミナ、ムライト、アルミニウムチタネート及びリチウムアルミニウムシリケート等の粉末を用意し、これを流体、好ましくは気体、例えば空気等によってハニカム成形体の一方の端面からセル内に送り込み、隔壁表面にセラミックス粒子を固着させる。
この工程は、成形後であればどの段階で行ってもよいが、目封じをした後に行うことが好ましい。目封じをした後に一方の端面から粉末をセル内に送り込むことにより、隔壁の二つの表面のうちいずれか一方の表面(被処理流体の流入面又は流出面のいずれか一方)にセラミックス粒子を固着させることができる。また、この操作を両方の端面について行うことにより、隔壁の両面にセラミックス粒子を固着させることができる。
この工程は、後述する焼成の前に行うことも好ましい。セラミックス粒子を隔壁表面に固着させた後に焼成することにより、より強固に固着させることができる。但し、焼成しなくても隔壁表面の粗大な開気孔中にセラミックス粒子を固着させることは可能である。また、一度焼成した後にセラミックス粒子をセル内に送り込み、更に焼成することもできる。あるいは、セラミックス粒子をセル内に送り込んだ後に、ハニカム構造体に触媒をコーティングすることにより、更にセラミックス粒子を強固に固着させることもできる。また、固着させるセラミックス粒子に、ハニカム成形体あるいはハニカム焼成体を切削等の加工をした際に生じる不要となったセラミックス粒子を再利用することによりコストダウンできる。
次に、ハニカム成形体を焼成する。焼成は、上述のような工程で形成されたハニカム成形体を、所定の焼成雰囲気で、所定温度まで昇温し、所定時間保持することにより行うことができる。焼成温度及び雰囲気は、用いる原料によって適宜変更することができ、当業者であれば、隔壁を形成する原料に最適の焼成温度及び雰囲気を選択することができる。例えばコージェライト化原料を用いる場合には、大気中で加熱脱脂した後、大気中で最高温度1400℃〜1450℃程度の温度で焼成を行い、炭化珪素粉及び金属珪素粉を原料とした場合には、大気又はN2雰囲気中で加熱脱脂した後、Ar雰囲気中で1550℃程度で焼成を行うことができる。焼成には、通常、単窯又はトンネル等の連続炉を用い、ここで脱脂・焼成を同時に行うことができる。
必要に応じて、ハニカム構造体の外周の少なくとも一部を加工除去してもよい。外周の少なくとも一部を加工除去した場合には、その部分にコート材を配設して外周壁を形成することが好ましい。このように外周を加工除去した後、外周壁を形成することにより、寸法精度及び強度により優れたハニカム構造体とすることができる。コート材は、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、セラミックス繊維及びセラミックス粒子の中の少なくとも1種を含むことが好ましい。また更に、コート材が、繊維を含むことが好ましい。繊維を用いることにより、形成される外周壁のクラックを防止できる。このような繊維は、セラミックス繊維であることが好ましい。コート材に含まれるセラミックス粒子は、上述の隔壁の材質として好適なセラミックスから選ばれるセラミックス粒子が好ましく、隔壁の材質と同じ種類のセラミックス粒子とすることが更に好ましい。これらの原料に、水等の液体成分を加えてスラリー状とし、これをコート材としてコートすることが好ましい。また、コート材をコートした後、加熱して乾燥することが、液体成分を早期に蒸発させて外周壁を形成することができるため好ましい。特に150℃以上の温度で乾燥することにより、外周壁の強度を高めることができる。
また、必要に応じて、ハニカム構造体の隔壁に触媒を担持させる場合、当業者が通常行う方法で担持させることができる。例えば触媒スラリーをウォッシュコートして乾燥、焼成することにより触媒を担持させることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
上述した製造方法に基づき、コージェライト化原料を用いて、図1(a)及び図1(b)に示す形状であって、直径144mm、長さ152mm、隔壁厚さ0.3mm、セル密度46/cm2のコージェライト製ハニカム構造体を作製した。なお、隔壁表面に固着させるセラミックス粒子としてコージェライトを用い、目封じの後焼成の前に、これをエアーにより一方の端面からセル内に送り込むことにより隔壁表面に固着させた。セラミックス粒子の固着量は、0から隔壁の単位表面積1cm2当たり、2mgまで変化させた。
(捕集効率の評価)
得られたハニカム構造体の中から、セラミックス粒子の固着量が0の従来のハニカム構造体(ハニカム構造体A)及び固着量が単位表面積1cm2当たり、0.5mgのハニカム構造体(ハニカム構造体B)を選び、これら二つのハニカム構造体を、排気量2000cc、直列4気筒のコモンレール式直噴ディーゼルエンジンの排気系に搭載してPMの捕集を行った。なお捕集効率は、ハニカム構造体の上流側と下流側でそれぞれ排ガスの一部を吸引してろ紙を通過させ、ろ紙上に付着した排ガスのPMの質量から下式により求めた。
捕集効率(%)={1−(ハニカム構造体の下流側におけるPMの質量)/(ハニカム構造体の上流におけるPMの質量)}×100
結果を図3に示す。図3に示すように、従来のハニカム構造体Aに比較して、本発明のハニカム構造体Bは、PM捕集開始直後の捕集効率が著しく改善され、時間が経過し捕集量が増加しても、良好な捕集効率を示した。なお、図3において、途中で捕集効率が低下している時点は、捕集したPMを燃焼させハニカム構造体を再生した時点である。
(セラミックス粒子の固着量に対する捕集効率と圧力損失の関係の評価)
セラミックス粒子の固着量が、隔壁の単位表面積1cm2当たり、0mg〜2mgまでのハニカム構造体を選び、これらを、排気量2000cc、直列4気筒のコモンレール式直噴ディーゼルエンジンの排気系に搭載してPMの捕集を行い、セラミックス粒子の固着量に対する一定運転時間における捕集効率と圧力損失の関係を調べた。
結果を図4に示す。図4に示すように、セラミックス粒子の固着量が1cm2当たり、0mg〜0.001mgまでは捕集効率の上昇が見られず、セラミックス粒子の固着量が1cm2当たり、0.001mg〜1mgの範囲では比較的圧力損失の上昇が少なく、かつ捕集効率の上昇が見られた。しかし、セラミックス粒子の固着量が1cm2当たり、1mgを超えると、捕集効率の上昇が見られず、圧力損失の上昇が大きくなる傾向が見られた。従って、この条件においては、固着量が、隔壁の単位表面積1cm2当たり、0.001mg〜1mgの範囲が好ましい範囲であることがわかった。
以上説明してきたように、本発明のハニカム構造体は、捕集効率に優れ、例えば排ガス浄化用フィルタ、水処理用フィルタ、分離膜用フィルタなどに使用することができる。特にDPF等、内燃機関の排ガスの含塵流体中に含まれる粒子状物質を捕集除去するフィルタとして用いられるハニカム構造体として好適に使用することができる。また、本発明のハニカム構造体の製造方法は、このようなハニカム構造体を好適に製造することができる。
図1(a)は、本発明のハニカム構造体の一実施形態を示す模式的な斜視図である。図1(b)は、図1(a)に示すハニカム構造体の模式的な平行断面図である。図1(c)は図1(b)の模式的な一部拡大図である。 図2は、本発明のハニカム構造体の別の実施形態を示す模式的な斜視図である。 図3は、従来のハニカム構造体と本発明のハニカム構造体の捕集効率を示すグラフである。 図4は、本発明に係るセラミックス粒子の固着量に対する捕集効率と圧力損失の関係を示すグラフである。 図5(a)は、従来のハニカム構造体を示す模式的な斜視図、図5(b)は図5(a)に示すハニカム構造体の模式的な平行断面図である。
符号の説明
1…ハニカム構造体、2…隔壁、3…セル、4…目封じ部、5…セラミックス粒子、7…外周壁、42、44…端面。

Claims (15)

  1. 二つの端面間を連通する複数のセルを形成するように配置された多孔質の隔壁と、前記セルをいずれかの端面において目封じするように配置された目封じ部とを備えるハニカム構造体であって、
    前記隔壁の気孔率が50%〜80%、前記隔壁の平均気孔径が15μm〜40μmであり、
    前記隔壁表面に、平均粒子径が前記隔壁の平均気孔径の1.5倍以上であって、200μm以下であるセラミックス粒子を、前記ハニカム構造体の隔壁の単位表面積(1cm 2 )当たり、0.001mg〜1mgの固着量で固着したハニカム構造体。
  2. 前記セラミックス粒子の平均粒子径が、150μm以下である請求項に記載のハニカム構造体。
  3. 前記セラミックス粒子において、20μm以下の粒子径のセラミックス粒子が、全体の10質量%以下である請求項又はに記載のハニカム構造体。
  4. 前記セラミックス粒子が、前記隔壁と同一の成分を含む請求項1〜のいずれか1項に記載のハニカム構造体。
  5. ハニカム構造体の中心軸から外周までの長さの1/2の範囲内の隔壁を特定隔壁とし、少なくとも特定隔壁の表面に前記セラミックス粒子が分布している請求項1〜のいずれか1項に記載のハニカム構造体。
  6. 前記隔壁が、コージェライト、炭化珪素、窒化珪素、アルミナ、ムライト、アルミニウムチタネート及びリチウムアルミニウムシリケートからなる群より選ばれたいずれか1種を主結晶相とする請求項1〜のいずれか1項に記載のハニカム構造体。
  7. 前記セルの長手方向に直交する断面形状が、三角形、四角形、六角形、八角形及び円形のいずれか1以上の形状である請求項1〜のいずれか1項に記載のハニカム構造体。
  8. 前記隔壁が、ろ過能を有し、内燃機関の排ガス中に含まれる粒子状物質を捕集除去するフィルタとして用いられる請求項1〜のいずれか1項に記載のハニカム構造体。
  9. 前記セラミックス粒子が、前記隔壁の排ガス流入側表面のみに固着している請求項に記載のハニカム構造体。
  10. 二つの端面間を連通する複数のセルを形成する隔壁を備えるハニカム成形体を成形する工程、所定のセルを端面において目封じする工程、セラミックス粒子をセル内に送り込む工程、及びハニカム成形体を焼成してハニカム焼成体を得る工程を含み、隔壁の気孔率が50%〜80%、隔壁の平均気孔径が15μm〜40μmであり、前記隔壁表面に、平均粒子径が前記隔壁の平均気孔径の1.5倍以上であって、200μm以下であるセラミックス粒子を、隔壁の単位表面積(1cm 2 )当たり、0.001mg〜1mgの固着量で固着してハニカム構造体を得る、ハニカム構造体の製造方法。
  11. 前記セラミックス粒子をセル内に送り込む工程が、前記ハニカム焼成体を得る工程の前に行われる請求項10に記載のハニカム構造体の製造方法。
  12. 前記セラミックス粒子をセル内に送り込む工程が、前記ハニカム焼成体を得る工程の後に行われる請求項10に記載のハニカム構造体の製造方法。
  13. ハニカム成形体又はハニカム焼成体の外周の少なくとも一部を加工除去する工程、及びハニカム成形体又はハニカム焼成体の外周にコート材を配設して外周壁を形成する工程を更に含む請求項10〜12のいずれか1項に記載のハニカム構造体の製造方法。
  14. 前記セラミックス粒子をセル内に送り込む工程が、セラミックス粒子を、少なくとも一方の端面からセル内へ気体により送り込む工程である請求項10〜13のいずれか1項に記載のハニカム構造体の製造方法。
  15. ハニカム成形体又はハニカム焼成体を加工した際に生じる粒子を前記セラミックス粒子として用いる請求項10〜14のいずれか1項に記載のハニカム構造体の製造方法。
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