JP5095538B2 - 排ガス浄化用酸化触媒装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の排ガスに含まれるパティキュレートを、複合金属酸化物からなる触媒を用いて酸化、燃焼して浄化する排ガス浄化用酸化触媒装置に関するものである。
従来、内燃機関の排ガスに含まれるパティキュレートや炭化水素を酸化、燃焼して浄化するために、ペロブスカイト型複合金属酸化物からなる触媒を用いた排ガス浄化用酸化触媒装置が知られている。
前記排ガス浄化用酸化触媒装置として、ハニカム構造を有する多孔質フィルタ基材の表面に、前記ペロブスカイト型複合金属酸化物からなる触媒層を担持させてなるものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、前記ハニカム構造を有する多孔質フィルタ基材として、一方の端部を排ガス流入部とし、他方の端部を排ガス流出部とするウォールフロー構造を有する多孔質フィルタ基材が知られている(例えば、特許文献2参照)。前記ウォールフロー構造を備える前記多孔質フィルタ基材は、軸方向に貫通して形成された複数の貫通孔のうち、排ガス流入部が開放されるとともに排ガス流出部が閉塞された複数の流入セルと、該複数の貫通孔の排ガス流入部が閉塞されるとともに排ガス流出部が開放された複数の流出セルと、該流入セル及び該流出セルを隔てるセル隔壁とを備えるものである。
前記ウォールフロー構造を備える前記多孔質フィルタ基材を用いる排ガス浄化用酸化触媒装置によれば、前記排ガス流入部から流入する内燃機関の排ガスを前記セル隔壁を介して前記流出セルに流通させる間に、該排ガス中のパティキュレートを前記触媒により酸化、燃焼し、浄化された該排ガスを前記排ガス流出部から流出せしめることができる。
前記従来の排ガス浄化用酸化触媒装置において、前記触媒としては、一般式AMO3で表され、AサイトにはLa、Y、Dy、Nd等の1種以上と、Sr、Ba、Mg等の1種以上の金属が入り、MサイトにはMn、Fe、Co等の1種以上の金属が入るペロブスカイト型複合金属酸化物が用いられるとされている。前記ペロブスカイト型複合金属酸化物として、具体的には、La1-xSrxFeO3(0.1≦x≦0.65)、La1-xBaxFeO3(0.1≦x≦0.65)等が挙げられている。
また、本発明者らにより、前記触媒として、一般式Y1-xAgxMn1-yy3で表され、AはTi、Nb、Ta、Ruからなる群から選択される1種の金属であり、0.01≦x≦0.15かつ0.005≦y≦0.2であるペロブスカイト型複合金属酸化物が提案されている(特許文献3参照)。
前記ペロブスカイト型複合金属酸化物によれば、前記パティキュレートの燃焼温度を低下させることができるが、さらに該燃焼温度を低下させることのできる排ガス浄化用酸化触媒装置が望まれる。
特開平7−116519号公報 特開2007−237012号公報 特開2008−100184号公報
本発明は、かかる不都合を解消して、内燃機関の排ガス中のパティキュレートをより低温で酸化、燃焼することができる排ガス浄化用酸化触媒装置を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、本発明は、一方の端部を排ガス流入部とし、他方の端部を排ガス流出部とするウォールフロー構造を有する多孔質フィルタ基材と、該多孔質フィルタ基材に担持された触媒とを備え、該多孔質フィルタ基材は、軸方向に貫通して形成された複数の貫通孔のうち、排ガス流入部が開放されるとともに排ガス流出部が閉塞された複数の流入セルと、該複数の貫通孔の排ガス流入部が閉塞されるとともに排ガス流出部が開放された複数の流出セルと、該流入セル及び該流出セルを隔てるセル隔壁とを備え、該触媒は、該セル隔壁の少なくとも該流入セル側の表面に担持された触媒層からなり、該排ガス流入部から流入する内燃機関の排ガスを該セル隔壁を介して該流出セルに流通させる間に、該排ガス中のパティキュレートを前記触媒により酸化し、浄化された該排ガスを該排ガス流出部から流出せしめる排ガス浄化用酸化触媒装置において、該触媒は、化学式YMnO3で表される複合金属酸化物またはY0.95Ag0.05MnO3で表される複合金属酸化物と、酸化ジルコニウムとの混合物の多孔質体からなることを特徴とする。
本発明の排ガス浄化用酸化触媒装置は、前記ウォールフロー構造を有する多孔質フィルタ基材のセル隔壁の少なくとも流入セル側の表面に担持された触媒層を形成する触媒を、化学式YMnO3で表される複合金属酸化物またはY0.95Ag0.05MnO3で表される複合金属酸化物と、酸化ジルコニウムとの混合物の多孔質体とすることにより、内燃機関の排ガス中のパティキュレートを、より低温で燃焼させることができる。
本発明の排ガス浄化用酸化触媒装置において、前記触媒層は、直径が0.01〜5.0μmの範囲の気孔を備える多孔質体からなり、前記多孔質フィルタ基材及び該触媒層全体の気孔率が、50〜65体積%の範囲であることが好ましい。本発明の排ガス浄化用酸化触媒装置は、前記触媒層を形成する前記多孔質体の気孔の直径が、前記範囲内であるか、または、前記多孔質フィルタ基材及び該触媒層全体の気孔率が、前記範囲内であることにより、内燃機関の排ガス中のパティキュレートの燃焼温度を、十分に低温にすることができる。
本発明の排ガス浄化用酸化触媒装置において、前記触媒層を形成する前記多孔質体の気孔の直径が0.01μm未満である場合には、圧力損失が増大することがある。一方、前記触媒層の前記気孔の直径が3.0μmを超える場合には、前記排ガス中の前記パティキュレートが該気孔の表面に十分に接触することができなくなり、該パティキュレートの燃焼温度を低下させる効果が十分に得られないことがある。
また、本発明の排ガス浄化用酸化触媒装置において、前記多孔質フィルタ基材及び前記触媒層全体の気孔率が50体積%未満である場合には、前記排ガスが前記気孔を通過する際に圧力損失が増大することがある。一方、前記多孔質フィルタ基材及び前記触媒層全体の気孔率が65体積%を超える場合には、前記排ガスと該触媒層との接触確率が低下し、前記パティキュレートの燃焼温度を低下させる効果が十分に得られないことがある。
また、本発明の排ガス浄化用酸化触媒装置において、前記触媒層は、10〜20μmの範囲の厚さを備えることが好ましい。前記触媒層の厚さが10μm未満である場合には、前記排ガス中の前記パティキュレートが該気孔の表面に十分に接触することができなくなり、該パティキュレートの燃焼温度を低下させる効果が十分に得られないことがある。また、前記触媒層の厚さが20μmを超える場合には、圧力損失が増大することがある。
また、本発明の排ガス浄化用酸化触媒装置において、前記触媒層は、前記セル隔壁の流入セル側の表面及び流出セル側の表面の両方に担持されていてもよいが、流入セル側の表面のみに担持されているものでも、前記パティキュレートの燃焼温度を低下させる効果を十分に得ることができる。
次に、添付の図面を参照しながら本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。図1は本実施形態の排ガス浄化用酸化触媒装置の説明的断面図、図2は本実施形態の排ガス浄化用酸化触媒装置による排出ガスのCO2濃度を示すグラフ、図3は本実施形態の排ガス浄化用酸化触媒装置における多孔質フィルタ基材及び触媒層の気孔の直径を示すグラフ、図4は本実施形態の排ガス浄化用酸化触媒装置における多孔質フィルタ基材及び触媒層全体の気孔率を示すグラフである。また、図5(a)は実施例1の排ガス浄化用酸化触媒装置のセル隔壁の倍率50倍の断面画像、図5(b)は図5(a)のA部を拡大して示す倍率500倍の断面画像であり、図6(a)は実施例2の排ガス浄化用酸化触媒装置のセル隔壁の倍率50倍の断面画像、図6(b)は図6(a)のA部を拡大して示す倍率500倍の断面画像である。
図1に示すように、本実施形態の排ガス浄化用酸化触媒装置1は、一方の端部を排ガス流入部1aとし、他方の端部を排ガス流出部1bとするウォールフロー構造を有する多孔質フィルタ基材2と、多孔質フィルタ基材2に担持された触媒とを備えている。
多孔質フィルタ基材2は、例えばSiCからなる多孔質体であって、直径が20〜25μmの範囲の複数の気孔を備えると共に、それ自体55〜60体積%の範囲の気孔率を備えている。多孔質フィルタ基材2は、例えば直方体形状であり、軸方向に貫通する複数の貫通孔が断面格子状に配設されて、該貫通孔からなる複数の流入セル4と複数の流出セル5とを備えている。流入セル4は、排ガス流入部1a側の端部4aが開放されると共に排ガス流出部1b側の端部4bが閉塞されている。一方、流出セル5は、排ガス流入部1a側の端部5aが閉塞されると共に排ガス流出部1b側の端部5bが開放されている。流入セル4及び流出セル5は、断面市松格子状となるように交互に配設されていて、各セル4,5の境界部を形成するセル隔壁6により相互に隔てられている。
排ガス浄化用酸化触媒装置1は、触媒として、図1に示すようにセル隔壁6の流入セル4側の表面に担持されている触媒層3を備えている。触媒層3は、直径が0.01〜5.0μmの範囲の気孔(図示せず)を備える多孔質体であって、化学式YMnO3で表される複合金属酸化物または化学式Y0.95Ag0.05MnO3で表される複合金属酸化物と、酸化ジルコニウムとの混合物からなる。また、多孔質フィルタ基材2及び触媒層3は、両者を合わせた全体の気孔率が50〜65体積%の範囲となっている。尚、図示しないが、最外層のセル隔壁6の外周部には、排ガスの流出を規制する金属からなる規制部材が設けられている。
排ガス浄化用酸化触媒装置1においては、触媒層3は、セル隔壁6の流入セル4側の表面のみに担持されているが、流入セル4側の表面と流出セル5側の表面との両方に担持されていてもよい。また、多孔質フィルタ基材2として、SiCからなる多孔質体を用いているが、Si−SiCからなる多孔質体を用いてもよい。
次に、図1を参照して本実施形態の排ガス浄化用酸化触媒装置1の作動について説明する。まず、排ガス浄化用酸化触媒装置1を、排ガス流入部1aが内燃機関の排ガスの流路に対して上流側となるように設置する。このようにすると、流出セル5は端部5aが閉塞されているので、前記排ガスは、図1に矢示するように、端部4aから流入セル4内へ導入される。
このとき、流入セル4は排ガス流出部1b側の端部4bが閉塞されているので、流入セル4内へ導入された前記排ガスは、多孔質フィルタ基材2からなるセル隔壁6を介して流出セル5内へ流通せしめられる。そして、前記流通せしめられる間に、前記排ガス中のパティキュレートが、セル隔壁6の表面に担持された触媒層3に接触し、触媒層3の触媒の作用により酸化、燃焼され、除去される。
この結果、前記パティキュレートが燃焼除去された前記排ガスが、流出セル5の排ガス流出部1b側の端部5bから、外部に排出される。
本実施形態の排ガス浄化用酸化触媒装置1によれば、触媒層3を形成する触媒が、化学式YMnO3で表される複合金属酸化物または化学式Y0.95Ag0.05MnO3で表される複合金属酸化物と、酸化ジルコニウムとの混合物からなることにより、内燃機関の排ガス中のパティキュレートをより低温で酸化、燃焼し、浄化することができる。
また、本実施形態の排ガス浄化用酸化触媒装置1によれば、触媒層3が多孔質体からなり、直径が0.01〜5.0μmの範囲の気孔を備え、多孔質フィルタ基材2及び触媒層3を合わせた全体が50〜65体積%の範囲の気孔率を備えている。この結果、前記排ガス中のパティキュレートと触媒層3との接触確率を高めることができる。従って、本発明によれば、従来技術の排ガス浄化用酸化触媒装置と比較して、内燃機関の排ガス中のパティキュレートをさらに低温で酸化、燃焼し、浄化することができる。
次に、本発明の実施例及び比較例を示す。
本実施例では、まず、硝酸イットリウム5水和物と、硝酸マンガン6水和物と、クエン酸と、水とを、1:1:6:40のモル比となるように秤量し、25℃の温度で15分間、乳鉢で混合粉砕した後、400℃の温度で1時間、一次焼成を行った。次に、前記一次焼成で得られた結果物に対し、10質量%の水分散ジルコニアゾルを、15分間、乳鉢で混合粉砕した後、回転式ボールミルを用い、100回転/分で5時間、混合粉砕し、触媒前駆体スラリーを調製した。尚、前記水分散ジルコニアゾルは、酸化ジルコニウム粉末を水に分散したものである。
次に、軸方向に貫通する複数の貫通孔が断面格子状に配設された多孔質フィルタ基材2(日本碍子株式会社製SiC多孔質体、商品名:MSC14)を用意した。多孔質フィルタ基材2は、36×36×50mmの寸法を備えるみかけ体積65000mm3の直方体形状であり、気孔の平均直径が20〜25μmの範囲にある。
次に、多孔質フィルタ基材2の前記貫通孔の一端部を一つ置きに(すなわち、断面市松格子状となるように)、シリカを主成分とするセラミックス接着剤にて閉塞することにより、流出セル5を形成した。次に、多孔質フィルタ基材2に、前記端部が閉塞されている側から前記スラリーを流し込むことにより、端部が閉塞されていない前記複数の貫通孔(すなわち、流出セル5以外のセル)内に該スラリーを流入させ、次いで、多孔質フィルタ基材2から過剰な前記スラリーを除去した。
次に、前記スラリーが付着された多孔質フィルタ基材2を、800℃の温度で1時間、二次焼成した。この結果、流出セル5以外のセルのセル隔壁6の表面に、化学式YMnO3で表される複合金属酸化物と、酸化ジルコニウムとの混合物の多孔質からなる触媒層3が形成された。触媒層3は、前記二次焼成により、直径が0.01〜5.0μmの範囲の気孔を備える多孔質体となっている。
次に、流出セル5以外のセルの前記端部が閉塞された側とは反対側の端部を、シリカを主成分とするセラミックス接着剤にて閉塞して、流入セル4を形成することにより、図1に示す構成を備える排ガス浄化用酸化触媒装置1を製造した。排ガス浄化用酸化触媒装置1は、多孔質フィルタ基材2及び触媒層3を合わせた全体が50〜65体積%の範囲の気孔率を備えている。
次に、本実施例の排ガス浄化用酸化触媒装置1に対して、次のようにして触媒評価性能試験を行った。まず、排ガス浄化用酸化触媒装置1を、排気量が2.4Lのディーゼルエンジンを搭載したエンジンベンチの排気系に搭載した。次に、パティキュレートを含む雰囲気ガス下において、該雰囲気ガスの排ガス浄化用酸化触媒装置1に対する流入温度180℃、エンジン回転数1500回転/分、トルク70N/mの条件で、前記ディーゼルエンジンを20分間運転することにより、排ガス浄化用酸化触媒装置1のみかけ体積1Lあたりパティキュレートを2g捕集させた。
次に、パティキュレートが捕集された排ガス浄化用酸化触媒装置1を前記排気系から取り出し、流通型昇温度装置内の石英管内に固定した。次に、前記石英管の一端部(供給口)から、酸素と窒素との体積比が10:90である雰囲気ガスを、空間速度20000/時間で供給し、石英管の他端部(排出口)から排出させながら、前記流通型昇温度装置の管状マッフル炉により、排ガス浄化用酸化触媒装置1を室温から700℃の温度まで3℃/分で加熱した。このとき、前記石英管からの排出ガスのCO2濃度を質量分析計を用いて測定した。結果を図2に示す。尚、図2において、CO2濃度のピークがパティキュレートの燃焼温度に相当する。
次に、本実施例の排ガス浄化用酸化触媒装置1をダイヤモンドカッターにて切削することにより、5mm角の立方体を3個切り出した。
次に、1個目の立方体の排ガス浄化用酸化触媒装置1に対して、自動水銀ポロシメータを用いて、多孔質フィルタ基材2の気孔の直径及び触媒層3の気孔の直径と、多孔質フィルタ基材2及び触媒層3を合わせた全体の気孔率とを測定した。多孔質フィルタ基材2の気孔の直径及び触媒層3の気孔の直径の測定結果を図3に、多孔質フィルタ基材2及び触媒層3を合わせた全体の気孔率の測定結果を図4に示す。
図3に示すように、多孔質フィルタ基材2の気孔の直径及び触媒層3の気孔の直径は、0.01〜100μmの範囲にあった。ここで、多孔質フィルタ基材2の気孔の平均直径が20〜25μmの範囲にあることを考慮すると、触媒層3の気孔の直径は0.01〜5.0μmの範囲にあると考えられる。また、図4に示すように、多孔質フィルタ基材2及び触媒層3を合わせた全体の気孔率は61体積%であることが明らかである。
次に、2個目の立方体の排ガス浄化用酸化触媒装置1に対して、透過型電子顕微鏡を用いて断面画像を撮影した。図5(a),(b)に排ガス浄化用酸化触媒装置1の断面画像を示す。図5(b)に示すように、セル隔壁6の表面に形成されている触媒層3は、10〜20μmの範囲の厚さを備えていることが明らかである。
次に、3個目の立方体の排ガス浄化用酸化触媒装置1に対して、X線回折装置を用いて、触媒層3を構成する触媒の成分を評価した。触媒層3のX線回折の結果から、前記触媒は、複合金属酸化物であるYMO3(Mは金属)に起因する結晶ピークと、2θ=31°前後にメインピークを有する酸化ジルコニウムに起因する結晶ピークとを備えており、化学式YMnO3で表される複合金属酸化物と、酸化ジルコニウムとの混合物からなることが明らかである。尚、前記酸化ジルコニウムは、複合金属酸化物であるYMnO3中のイットリウムの一部が酸化ジルコニウム中に固溶して生成された立方晶イットリウム安定化ジルコニアである。
本実施例では、まず、硝酸イットリウム5水和物と、硝酸銀と、硝酸マンガン6水和物と、クエン酸と、水とを、0.95:0.05:1:6:40のモル比となるように秤量し、25℃の温度で15分間、乳鉢で混合粉砕した後、400℃の温度で1時間、一次焼成を行った。次に、前記一次焼成で得られた結果物に対し、10質量%の水分散ジルコニアゾルを、15分間、乳鉢で混合粉砕した後、回転式ボールミルを用い、100回転/分で5時間、混合粉砕し、触媒前駆体スラリーを調製した。
次に、本実施例で得られた前記触媒前駆体スラリーを用いた以外は、実施例1と全く同一にして、図1に示す構成を備える排ガス浄化用酸化触媒装置1を製造した。
本実施例で得られた排ガス浄化用酸化触媒装置1は、流入セル4のセル隔壁6の表面に、化学式Y0.95Ag0.05MnO3で表される複合金属酸化物と、酸化ジルコニウムとの混合物の多孔質からなる触媒層3が形成されており、触媒層3は、前記二次焼成により、直径が0.01〜5.0μmの範囲の気孔を備える多孔質体となっている。また、本実施例で得られた排ガス浄化用酸化触媒装置1は、多孔質フィルタ基材2及び触媒層3を合わせた全体が50〜65体積%の範囲の気孔率を備えている。
次に、本実施例で得られた排ガス浄化用酸化触媒装置1を用いた以外は、実施例1と全く同一にして、触媒評価性能試験を行った。結果を図2に示す。
次に、本実施例の排ガス浄化用酸化触媒装置1をダイヤモンドカッターにて切削することにより、5mm角の立方体を3個切り出した。
次に、1個目の立方体の排ガス浄化用酸化触媒装置1に対して、自動水銀ポロシメータを用いて、多孔質フィルタ基材2の気孔の直径及び触媒層3の気孔の直径と、多孔質フィルタ基材2及び触媒層3を合わせた全体の気孔率とを測定した。多孔質フィルタ基材2の気孔の直径及び触媒層3の気孔の直径の測定結果を図3に、多孔質フィルタ基材2及び触媒層3を合わせた全体の気孔率の測定結果を図4に示す。
図3に示すように、多孔質フィルタ基材2の気孔の直径及び触媒層3の気孔の直径は、0.01〜100μmの範囲にあった。ここで、多孔質フィルタ基材2の気孔の平均直径が20〜25μmの範囲にあることを考慮すると、触媒層3の気孔の直径は0.01〜5.0μmの範囲にあると考えられる。また、図4に示すように、多孔質フィルタ基材2及び触媒層3を合わせた全体の気孔率は51体積%であることが明らかである。
次に、2個目の立方体の排ガス浄化用酸化触媒装置1に対して、透過型電子顕微鏡を用いて断面画像を撮影した。図6(a),(b)に排ガス浄化用酸化触媒装置1の断面画像を示す。図6(b)に示すように、セル隔壁6の表面にが形成されている触媒層3は、10〜20μmの範囲の厚さを備えていることが明らかである。
次に、3個目の立方体の排ガス浄化用酸化触媒装置1に対して、X線回折装置を用いて、触媒層3を構成する触媒の成分を評価した。触媒層3のX線回折の結果から、前記触媒は、複合金属酸化物であるYMO3(Mは金属)に起因する結晶ピークと、2θ=31°前後にメインピークを有する酸化ジルコニウムに起因する結晶ピークとを備えており、化学式Y0.95Ag0.05MnO3で表される複合金属酸化物と、酸化ジルコニウムとの混合物からなることが明らかである。尚、前記酸化ジルコニウムは、複合金属酸化物であるY0.95Ag0.05MnO3中のイットリウムの一部が酸化ジルコニウム中に固溶して生成された立方晶イットリウム安定化ジルコニアである。
〔比較例〕
本比較例では、触媒層3a,3bを全く形成しなかった以外は、前記実施例と全く同一にして、排ガス浄化用酸化触媒装置を製造した。
次に、本比較例の排ガス浄化用酸化触媒装置に対して、前記実施例と全く同一にして、触媒評価性能試験を行った。結果を図2に示す。
図2から、前記実施例1または実施例2の排ガス浄化用酸化触媒装置1によれば、本比較例の排ガス浄化用酸化触媒装置に比較して、内燃機関の排ガス中のパティキュレートをより低温で酸化、燃焼することができることが明らかである。
次に、本比較例の排ガス浄化用酸化触媒装置1をダイヤモンドカッターにて切削することにより、5mm角の立方体を1個切り出した。
次に、前記立方体の排ガス浄化用酸化触媒装置1に対して、自動水銀ポロシメータを用いて、多孔質フィルタ基材2の気孔の直径と、気孔率とを測定した。多孔質フィルタ基材2の気孔の直径の測定結果を図3に、多孔質フィルタ基材2の気孔率の測定結果を図4に示す。
図3に示すように、多孔質フィルタ基材2の気孔は、平均直径が20〜25μmの範囲にあることが明らかである。また、図4に示すように、多孔質フィルタ基材2の気孔率は42体積%であることが明らかである。
本発明の排ガス浄化用酸化触媒装置の説明的断面図。 本発明の排ガス浄化用酸化触媒装置による排出ガスのCO2濃度を示すグラフ。 本発明の排ガス浄化用酸化触媒装置における多孔質フィルタ基材及び触媒層の気孔の直径を示すグラフ。 本発明の排ガス浄化用酸化触媒装置における多孔質フィルタ基材及び触媒層全体の気孔率を示すグラフ。 (a)は本発明に係る実施例1の排ガス浄化用酸化触媒装置のセル隔壁の倍率50倍の断面画像であり、(b)は(a)のA部を拡大して示す倍率500倍の断面画像。 (a)は本発明に係る実施例2の排ガス浄化用酸化触媒装置のセル隔壁の倍率50倍の断面画像であり、(b)は(a)のA部を拡大して示す倍率500倍の断面画像。
符号の説明
1…排ガス浄化用酸化触媒装置、 2…多孔質フィルタ基材、 3…触媒層、 4…流入セル、 5…流出セル、 6…セル隔壁。

Claims (4)

  1. 一方の端部を排ガス流入部とし、他方の端部を排ガス流出部とするウォールフロー構造を有する多孔質フィルタ基材と、該多孔質フィルタ基材に担持された触媒とを備え、
    該多孔質フィルタ基材は、軸方向に貫通して形成された複数の貫通孔のうち、排ガス流入部が開放されるとともに排ガス流出部が閉塞された複数の流入セルと、該複数の貫通孔の排ガス流入部が閉塞されるとともに排ガス流出部が開放された複数の流出セルと、該流入セル及び該流出セルを隔てるセル隔壁とを備え、
    該触媒は、該セル隔壁の少なくとも該流入セル側の表面に担持された触媒層からなり、
    該排ガス流入部から流入する内燃機関の排ガスを該セル隔壁を介して該流出セルに流通させる間に、該排ガス中のパティキュレートを前記触媒により酸化し、浄化された該排ガスを該排ガス流出部から流出せしめる排ガス浄化用酸化触媒装置において、
    該触媒は、化学式YMnO3で表される複合金属酸化物またはY0.95Ag0.05MnO3で表される複合金属酸化物と、酸化ジルコニウムとの混合物の多孔質体からなることを特徴とする排ガス浄化用酸化触媒装置。
  2. 前記触媒層は、直径が0.01〜5.0μmの範囲の気孔を備える多孔質体からなり、前記多孔質フィルタ基材及び該触媒層全体の気孔率が、50〜65体積%の範囲であることを特徴とする請求項1記載の排ガス浄化用酸化触媒装置。
  3. 前記触媒層は、10〜20μmの範囲の厚さを備えることを特徴とする請求項1または請求項2記載の排ガス浄化用酸化触媒装置。
  4. 前記触媒層は、前記セル隔壁の前記流入セル側の表面のみに担持されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の排ガス浄化用酸化触媒装置。
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