JP2014148924A - 排ガス浄化装置 - Google Patents

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敏雄 山田
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Abstract

【課題】圧力損失の上昇を抑制しつつ、良好な排ガス浄化性能を実現可能な排ガス浄化装置を提供する。
【解決手段】ハニカム触媒体10と、ハニカムフィルタ30と、ハニカム触媒体10及びハニカムフィルタ30が収納される筒状の缶体50と、を備え、ハニカムフィルタ30が、片側目封止セル22bと両端開口セル22aとが、第二隔壁21を隔てて隣接して配置されたものであり、缶体50の胴部51が、胴部51の内径が一定の大きさのストレート形状であり、缶体50の胴部51の内部に、ハニカム触媒体10とハニカムフィルタ30とが、ハニカム触媒体10の第一流出端面12からハニカムフィルタ30の第二流入端面31までの間隔が60mm以下で、且つ、ハニカム触媒体10の第一セル2の延びる方向P1とハニカムフィルタ30の第二セル22の延びる方向P2とのなす角度αが2〜16°となるように配置されてなる排ガス浄化装置100。
【選択図】図1

Description

本発明は、排ガス浄化装置に関する。更に詳しくは、圧力損失の上昇を抑制しつつ、良好な排ガス浄化性能を実現可能な排ガス浄化装置に関する。
エンジン等の内燃機関や各種の燃焼装置等から排出される排ガスには、煤を主体とする粒子状物質が含まれている。以下、粒子状物質を、「パティキュレートマター」又は「PM」ともいう。排ガス中のPMがそのまま大気中に放出されると、環境汚染を引き起こすため、排ガスの排気系には、PMを捕集するためのパティキュレートフィルタが搭載されている。
このようなパティキュレートフィルタとしては、例えば、排ガス及び浄化ガスの流路となる複数のセルを区画形成する多孔質の隔壁を有するハニカム構造体が用いられている。このハニカム構造体には、浄化ガスの流出側の端面における所定のセルの開口部と、排ガスの流入側の端面における残余のセルの開口部とに、セルの開口部を封止するための目封止部が配設され、ハニカムフィルタとして利用される。
従来、ハニカムフィルタを用いた排ガス浄化装置として、金属製の缶体内にハニカムフィルタを収納した排ガス浄化装置が提案されている(例えば、特許文献1〜4参照)。このような排ガス浄化装置を、自動車のエンジンの排気系に設置することにより、エンジンから排出される排ガス中の粒子状物質を除去することができる。
例えば、特許文献1及び2には、缶体の上流側にハニカム触媒体が配置され、缶体の下流側にハニカムフィルタが配置された排ガス浄化装置が開示されている。また、特許文献3には、金属管の両端に開口部を有し、その内部に少なくとも1つの触媒担体を含む複数の被収容物が多段状に配置可能なコンバータケースが開示されている。特許文献3に記載されたコンバータケースは、コンバータケースの収容管部同士を連結する連結管部に、曲がった部位を有し、車両搭載性を向上させるものである。また、特許文献4には、端部が目封止部によって実質的に塞がれた入口目封止セルと、流入端面側から流出端面側まで実質的に貫通する貫通セルとが隣接して配置されているハニカム構造体を備えた排ガス浄化装置が開示されている。特許文献4には、上述したハニカム構造体を、排ガスの流れ方向に2個直列に配置した排ガス浄化装置についても提案されている。
特開2011−169155号公報 特開2011−167581号公報 特開2003−307128号公報 国際公開第2012/046484号
近年、自動車のエンジンから排出される粒子状物質の量を低減するために、自動車のエンジン性能の向上が図られている。そのため、自動車の車種や、排ガスの規制値レベルによっては、従来の排ガス浄化装置における粒子状物質の捕集効率よりも、より低い捕集効率で十分足りる場合がある。即ち、排ガス浄化装置の捕集効率が一定水準を満たしていれば、従来の排ガス浄化装置に比して、より低い捕集効率で良い場合がある。そして、通常、ハニカムフィルタを備えた排ガス浄化装置を、排ガスの排気系に設置すると、当該排気系の圧力損失が増大し、エンジン出力や燃費に影響を及ぼすことがある。このようなことから、排ガス浄化装置に対しては、排ガスの規制値レベルを満足しているのであれば、より圧力損失の低減を重視したいという要望がある。
例えば、特許文献1及び2の排ガス浄化装置は、非常に優れた捕集効率を実現可能であるが、捕集効率が十分過ぎる場合には、圧力損失の増大が問題となる。即ち、捕集効率を多少犠牲にしても、圧力損失の低減が求められる場合がある。
また、特許文献4の排ガス浄化装置は、片側の端部のみが目封止されたハニカム構造体をフィルタとして用いているため、排ガス浄化性能(別言すれば、捕集効率)が低いという問題があった。排ガス浄化性能を向上するための対策としては、ハニカムフィルタの上流側に、ディーゼルエンジン酸化触媒や三元触媒を配置することが考えられる。但し、特許文献4に記載されたような、片側の端部のみが目封止されたハニカムフィルタは、排ガス浄化性能が本来あまり高くないため、排ガス浄化性能をより向上させるための更なる対策が求められる場合がある。
また、特許文献3に記載のコンバータケースにおいては、缶体の形状が複雑であり製造コストが過大となり、更に、缶体内にハニカム構造体を収納するキャニング作業が困難であるという問題があった。
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものである。本発明は、圧力損失の上昇を抑制しつつ、良好な排ガス浄化性能を実現可能な排ガス浄化装置を提供するものである。
本発明により、以下の排ガス浄化装置が提供される。
[1] ハニカム触媒体と、ハニカムフィルタと、前記ハニカム触媒体及び前記ハニカムフィルタが収納される筒状の缶体と、を備え、前記ハニカム触媒体が、第一流入端面から第一流出端面まで延びる複数の第一セルを区画形成する多孔質の第一隔壁及び最外周に配置された第一外周壁を有する筒状の第一ハニカム構造体と、前記第一ハニカム構造体の前記第一隔壁に担持された第一触媒と、を備え、前記ハニカムフィルタが、第二流入端面から第二流出端面まで延びる複数の第二セルを区画形成する多孔質の第二隔壁及び最外周に配置された第二外周壁を有する筒状の第二ハニカム構造体と、複数の前記第二セルのうちの一部の第二セルの前記第二流入端面側又は前記第二流出端面側の一方の端部を封止する目封止部と、前記第二ハニカム構造体の前記第二隔壁に担持された第二触媒と、を備え、前記ハニカムフィルタの前記一部の第二セルが、前記第二流入端面側又は前記第二流出端面側の一方の端部が前記目封止部によって塞がれた片側目封止セルであり、且つ、前記ハニカムフィルタの前記一部の第二セル以外の残りの第二セルが、前記第二流入端面及び前記第二流出端面が前記目封止部によって塞がれていない両端開口セルであり、前記ハニカムフィルタは、前記片側目封止セルと前記両端開口セルとが、前記第二隔壁を隔てて隣接して配置されたものであり、前記缶体が、エンジン排気マニホルドの出口側に接続される流入口と、前記ハニカム触媒体及び前記ハニカムフィルタが収納される胴部と、前記流入口から流入したガスを流出する流出口と、を備え、前記缶体の前記胴部が、前記胴部の内径が一定の大きさのストレート形状であり、前記胴部の内部に、前記ハニカム触媒体と前記ハニカムフィルタとが、前記ハニカム触媒体の前記第一流入端面が、前記缶体の前記流入口側に位置し、前記ハニカムフィルタの前記第二流出端面が、前記缶体の前記流出口側に位置し、前記ハニカム触媒体の前記第一流出端面から前記ハニカムフィルタの前記第二流入端面までの間隔が60mm以下で、且つ、前記ハニカム触媒体の前記第一セルの延びる方向と前記ハニカムフィルタの前記第二セルの延びる方向とのなす角度が2〜16°となるように配置されてなる排ガス浄化装置。
[2] 前記缶体の前記流入口から流入するガスの流れ方向に対して、前記ハニカム触媒体の前記第一セルの延びる方向が傾き、且つ前記ハニカムフィルタの前記第二セルの延びる方向が平行となるように、前記胴部の内部に、前記ハニカム触媒体と前記ハニカムフィルタとが配置されてなる前記[1]に記載の排ガス浄化装置。
[3] 前記缶体の前記流入口から流入するガスの流れ方向に対して、前記ハニカム触媒体の前記第一セルの延びる方向が平行となり、且つ前記ハニカムフィルタの前記第二セルの延びる方向が傾くように、前記胴部の内部に、前記ハニカム触媒体と前記ハニカムフィルタとが配置されてなる前記[1]に記載の排ガス浄化装置。
[4] 前記缶体の前記流入口から流入するガスの流れ方向に対して、前記ハニカム触媒体の前記第一セルの延びる方向と、前記ハニカムフィルタの前記第二セルの延びる方向とがそれぞれ傾くように、前記胴部の内部に、前記ハニカム触媒体と前記ハニカムフィルタとが配置されてなる前記[1]に記載の排ガス浄化装置。
[5] 前記ハニカム触媒体は、筒状に形成された前記第一外周壁の延びる方向に対して、前記第一セルの延びる方向が傾くように前記第一隔壁が配置されたものである前記[1]〜[4]のいずれかに記載の排ガス浄化装置。
[6] 前記ハニカムフィルタは、筒状に形成された前記第二外周壁の延びる方向に対して、前記第二セルの延びる方向が傾くように前記第二隔壁が配置されたものである前記[1]〜[5]のいずれかに記載の排ガス浄化装置。
本発明の排ガス浄化装置によれば、圧力損失の上昇を抑制しつつ、良好な排ガス浄化性能を実現することができる。即ち、本発明の排ガス浄化装置においては、ハニカム触媒体と、ハニカムフィルタとが、内径が一定の大きさのストレート形状の筒状の缶体内に収納されている。このため、缶体が排ガスの流れ方向に折れ曲がったような排ガス浄化装置と比較して、圧力損失の上昇を抑制することができる。また、缶体内への、ハニカム触媒体及びハニカムフィルタの収納が容易であり、排ガス浄化装置を簡便に製造することができる。
また、本発明の排ガス浄化装置に用いられるハニカムフィルタは、片側目封止セルと両端開口セルとが、第二隔壁を隔てて隣接して配置されたものであり、圧力損失を非常に低くすることができる。本発明の排ガス浄化装置は、極めて高い捕集効率を必要とせず、且つ、圧力損失の低減を重視する際に、好適に用いることができる。特に、本発明の排ガス浄化装置は、直噴ガソリンエンジン用、又はディーゼルエンジン用の排ガス浄化装置としてより好適に用いることができる。
更に、本発明の排ガス浄化装置は、ハニカム触媒体とハニカムフィルタとが、ハニカム触媒体の第一セルの延びる方向とハニカムフィルタの第二セルの延びる方向とのなす角度が2〜16°となるように、上記缶体内に配置されている。即ち、ハニカム触媒体とハニカムフィルタとが直列に配置された状態と比較して、ハニカム触媒体とハニカムフィルタとのうちの少なくとも一方が、ガス(具体的には、排ガス)の流れに対して傾いた状態で配置されている。従って、ハニカム触媒体の第一流出端面から排出されるガスが、ハニカムフィルタの第二セル内に2〜16°の角度をもって流入することとなる。このため、ハニカムフィルタの第二セル内に流入するガスが、第二隔壁を通過し易く(別言すれば、排ガス中の粒子状物質が第二隔壁に捕集され易く)、更に、第二隔壁に担持した第二触媒とも接触し易くなる。これにより、ハニカムフィルタの排ガス浄化性能を良好に向上させることができる。即ち、ハニカム触媒体とハニカムフィルタとが直列に配置された状態と比較して、粒子状物質の排出個数を大きく減少させることができる。また、例えば、ハニカムフィルタとして、第二流入端面側が目封止されたものを用いた場合には、ハニカムフィルタ内に、灰(アッシュ)が溜まらないため、排ガス浄化装置のメンテナンスの点で有利である。
また、ハニカム触媒体の第一流出端面からハニカムフィルタの第二流入端面までの間隔が60mm以下であるため、ハニカム触媒体から流出したガスの指向性が失われ難く、ハニカムフィルタの捕集効率を良好に向上させることができる。また、ハニカム触媒体の第一流出端面からハニカムフィルタの第二流入端面までの間隔が60mm以下であるため、排ガス浄化装置がコンパクトなものとなり、設置スペースに制限のある車載用途でも十分に搭載可能な大きさを実現することができる。
本発明の排ガス浄化装置においては、排ガス浄化性能(特に、捕集効率)の向上に伴い、例えば、従来の排ガス浄化装置と同じ排ガス浄化性能とした場合に、ハニカム触媒体及びハニカムフィルタの少なくとも一方の大きさを小さくすることができる。また、ハニカム触媒体及びハニカムフィルタの少なくとも一方に担持する触媒(第一触媒及び第二触媒の少なくとも一方の触媒)の担持量を少なくすることもできる。更に、ハニカム触媒体及びハニカムフィルタの少なくとも一方の大きさを小さくした場合は、排ガス浄化装置の圧力損失を更に小さくすることも可能となる。
本発明の排ガス浄化装置の一の実施形態の構成を模式的に示す断面図であり、缶体に流入する排ガスの流れ方向に平行な断面を示す。 本発明の排ガス浄化装置の一の実施形態に用いられるハニカム触媒体を模式的に示す斜視図である。 図2に示すハニカム触媒体の流入端面を模式的に示す平面図である。 図3のA−A’断面を模式的に示す断面図である。 本発明の排ガス浄化装置の一の実施形態に用いられるハニカムフィルタを模式的に示す斜視図である。 図5に示すハニカムフィルタの流入端面を模式的に示す平面図である。 図6のB−B’断面を模式的に示す断面図である。 本発明の排ガス浄化装置の更に他の実施形態の構成を模式的に示す断面図であり、缶体に流入する排ガスの流れ方向に平行な断面を示す。 本発明の排ガス浄化装置の更に他の実施形態の構成を模式的に示す断面図であり、缶体に流入する排ガスの流れ方向に平行な断面を示す。 本発明の排ガス浄化装置の他の実施形態の構成を模式的に示す断面図であり、缶体に流入する排ガスの流れ方向に平行な断面を示す。 本発明の排ガス浄化装置の更に他の実施形態の構成を模式的に示す断面図であり、缶体に流入する排ガスの流れ方向に平行な断面を示す。 図11に示す排ガス浄化装置に用いられるハニカム触媒体を模式的に示す斜視図である。 図12に示すハニカム触媒体の流入端面を模式的に示す平面図である。 図13のC−C’断面を模式的に示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
(1)排ガス浄化装置:
図1に示すように、本発明の排ガス浄化装置の一の実施形態は、ハニカム触媒体10と、ハニカムフィルタ30と、ハニカム触媒体10及びハニカムフィルタ30が収納される筒状の缶体50と、を備えた排ガス浄化装置100である。図1は、本発明の排ガス浄化装置の一の実施形態の構成を模式的に示す断面図であり、缶体に流入する排ガスの流れ方向に平行な断面を示す。図1に示すように、本実施形態の排ガス浄化装置100は、ハニカム触媒体10とハニカムフィルタ30とが、筒状の缶体50内に収納されたものである。
図2〜図4に示すように、ハニカム触媒体10は、筒状の第一ハニカム構造体4と、第一ハニカム構造体4の第一隔壁1に担持された第一触媒7と、を備えたものである。第一ハニカム構造体4が、第一流入端面11から第一流出端面12まで延びる複数の第一セル2を区画形成する多孔質の第一隔壁1、及び最外周に配置された第一外周壁3を有する。第一触媒7は、多孔質の第一隔壁1の表面、及び第一隔壁1に形成された細孔の内部の少なくとも一方に担持されている。ここで、図2は、本発明の排ガス浄化装置の一の実施形態に用いられるハニカム触媒体を模式的に示す斜視図である。図3は、図2に示すハニカム触媒体の流入端面を模式的に示す平面図である。図4は、図3のA−A’断面を模式的に示す断面図である。
また、図5〜図7に示すように、ハニカムフィルタ30は、筒状の第二ハニカム構造体24と、目封止部28と、第二ハニカム構造体24の第二隔壁21に担持された第二触媒27と、を備えたものである。第二ハニカム構造体24が、第二流入端面31から第二流出端面32まで延びる複数の第二セル22を区画形成する多孔質の第二隔壁21、及び最外周に配置された第二外周壁23を有する。目封止部28は、複数の第二セル22のうちの一部の第二セル22の第二流入端面31側又は第二流出端面32側の一方の端部を封止するものである。このように、本実施形態の排ガス浄化装置100においては、上述した一部の第二セル22が、第二流入端面31側又は第二流出端面32側の一方の端部が目封止部28によって塞がれた片側目封止セル22bとなる。また、一部の第二セル(即ち、片側目封止セル22b)以外の残りの第二セル22が、第二流入端面31及び第二流出端面32が目封止部28によって塞がれていない両端開口セル22aとなる。この両端開口セル22aは、第二流入端面31から第二流出端面32に至るまで、第二セル22内の流路が塞がれていないセルである。本実施形態の排ガス浄化装置100におけるハニカムフィルタ30は、上述した片側目封止セル22bと両端開口セル22aとが、第二隔壁21を隔てて隣接して配置されたものである。即ち、片側目封止セル22bと両端開口セル22aとは、第二隔壁21を隔てて交互に配置されている。第二触媒27は、多孔質の第二隔壁21の表面、及び第二隔壁21に形成された細孔の内部の少なくとも一方に担持されている。ここで、図5は、本発明の排ガス浄化装置の一の実施形態に用いられるハニカムフィルタを模式的に示す斜視図である。図6は、図5に示すハニカムフィルタの流入端面を模式的に示す平面図である。図7は、図6のB−B’断面を模式的に示す断面図である。
また、図1に示すように、缶体50は、流入口52と、ハニカム触媒体10及びハニカムフィルタ30が収納される胴部51と、流出口53と、を備えたものである。流入口52は、エンジン排気マニホルド(図示せず)の出口側に排気管等を介して接続され、内燃機関等から排出される排ガス(以下、「ガスG0」ともいう)を、缶体50内に導入するものである。流出口53は、流入口52から流入したガスG0を浄化して、浄化ガス(以下、「ガスG3」ともいう)として流出するためのものである。本実施形態の排ガス浄化装置100においては、この缶体50の胴部51が、胴部51の内径が一定の大きさのストレート形状である。即ち、ハニカム触媒体10及びハニカムフィルタ30が収納される胴部51が、真直ぐな直管形状である。このストレート形状の胴部51の内部に、ハニカム触媒体10とハニカムフィルタ30とが、収納される。この際、ハニカム触媒体10の第一流入端面11が、缶体50の流入口52側に位置し、ハニカムフィルタ30の第二流出端面32が、缶体50の流出口53側に位置する。また、本実施形態の排ガス浄化装置100においては、ハニカム触媒体10の第一流出端面12からハニカムフィルタ30の第二流入端面31までの間隔tが60mm以下である。
更に、ハニカム触媒体10とハニカムフィルタ30とが、ハニカム触媒体10の第一セル2の延びる方向P1とハニカムフィルタ30の第二セル22の延びる方向P2とのなす角度αが2〜16°となるように配置されている。上記角度αは、第一セル2の延びる方向P1と第二セル22の延びる方向P2とが平行な場合を0°とした場合の角度のことである。例えば、第一セル2の延びる方向P1と第二セル22の延びる方向P2とのなす角度αが16°という場合は、第一セル2の延びる方向P1に対して、第二セル22の延びる方向P2が16°だけ傾いているということである。この角度αは、第一セル2の延びる方向P1と、第二セル22の延びる方向P2とによって決定される角度であるため、角度αが16°という場合には、第二セル22の延びる方向P2に対して、第一セル2の延びる方向P1が16°だけ傾いていてもよい。このように、本実施形態の排ガス浄化装置100においては、ハニカム触媒体10とハニカムフィルタ30とが、直列の状態から上記角度αだけ傾いた状態で、ストレート形状の胴部51の内部に収納されている。本発明において、上述した「角度α」は、方向P1に向かって延びる第一軸と、方向P2に向かって延びる第二軸と、が同一の平面上にある平面において、上記第一軸と上記第二軸とのなす角度のことである。
流入口52から缶体50内に流入したガスG0は、まず、ハニカム触媒体10の第一流入端面11から第一セル2内に流入し、第一セル2を経由して、ハニカム触媒体10の第一流出端面12から流出する。ハニカム触媒体10を通過するガスを、ガスG1とする。そして、ハニカム触媒体10の第一流出端面12から流出したガスG1は、ハニカムフィルタ30の第二流入端面31から第二セル22内に第二隔壁21に衝突しながら流入する。ハニカムフィルタ30を通過するガスを、ガスG2とする。
ここで、ハニカムフィルタ30は、上述したように、片側目封止セル22bと両端開口セル22aとが、第二隔壁21を隔てて隣接して配置されたものである。この構造により、ガスG2が、両端開口セル22aに流入すると、片側目封止セル22b内の圧力に比して、当該両端開口セル22a内の圧力が高くなる。別言すれば、両端開口セル22a内の圧力に比して、片側目封止セル22b内の圧力が低くなる。この結果、両端開口セル22aに流入したガスG2の一部が、第二隔壁21を透過して、片側目封止セル22bへと移動する。ガスG2が第二隔壁21に衝突する際に、及びガスG2が第二隔壁21を透過する際に、ガスG2に含まれる粒子状物質が、第二隔壁21によって捕集される。そして、ハニカムフィルタ30の第二流出端面32から流出したガスG3は、最終的に、缶体50の流出口53から流出する。
なお、図10に示すような排ガス浄化装置103の場合でも、図1に示す排ガス浄化装置100と同様に、ハニカムフィルタ30bの第二隔壁21によって、ガスG2に含まれる粒子状物質を捕集することができる。ここで、図10は、本発明の排ガス浄化装置の他の実施形態の構成を模式的に示す断面図であり、缶体に流入する排ガスの流れ方向に平行な断面を示す。図10においては、図1に示す排ガス浄化装置100と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。図10に示す排ガス浄化装置103のハニカムフィルタ30bでは、第二ハニカム構造体24の第二流出端面32側に目封止部28が配置されている。このハニカムフィルタ30bにおいては、第二流入端面31において、全ての第二セル22が開口しているため、ハニカムフィルタ30bに流入するガスG2は、まず、片側目封止セル22b及び両端開口セル22aのそれぞれに第二隔壁21に衝突しながら流入する。但し、片側目封止セル22bは、第二流出端面32側が目封止部28によって塞がれているため、片側目封止セル22bに流入したガスG2は、第二隔壁21を透過して、両端開口セル22aへと移動する。ガスG2が第二隔壁21に衝突する際に、及びガスG2が第二隔壁21を透過する際に、ガスG2に含まれる粒子状物質が、第二隔壁21によって捕集される。
このように、本実施形態の排ガス浄化装置においては、一部の第二セルが、「片側の端部が目封止部によって実質的に塞がれた」片側目封止セルであり、残りの第二セルが、「第二流入端面から第二流出端面まで実質的に貫通する」両端開口セルである。このため、従来の両方の端部が隔壁を隔てて交互に目封止されたハニカムフィルタと比較して、圧力損失の過剰な上昇を抑制することができる。ガス流入時における、片側目封止セル内の圧力及び両端開口セル内の圧力と、第二隔壁をガスが透過する際の圧力損失(別言すれば、第二隔壁の透過抵抗)とを調整することにより、当該ハニカムフィルタの捕集効率を調節することができる。例えば、第二セルの大きさ、あるいは、第二隔壁の気孔率や厚みなどを工夫することにより、所望の捕集効率のハニカムフィルタを得ることができる。このようなハニカムフィルタを備えた本実施形態の排ガス浄化装置によれば、圧力損失の上昇を抑制しつつ、良好な排ガス浄化性能を実現することができる。
また、図1に示すように、本実施形態の排ガス浄化装置100においては、ハニカム触媒体10と、ハニカムフィルタ30とが、内径が一定の大きさのストレート形状の筒状の缶体50内に収納されている。このため、缶体が排ガスの流れ方向に折れ曲がったような排ガス浄化装置と比較して、圧力損失の上昇を有効に抑制することができる。また、このようなストレート形状の筒状の缶体50を用いることにより、缶体50内への、ハニカム触媒体10及びハニカムフィルタ30の収納が容易であり、排ガス浄化装置100を簡便に製造することができる。
本実施形態の排ガス浄化装置100は、極めて高い捕集効率を必要とせず、且つ、圧力損失の低減を重視する際に、好適に用いることができる。特に、本実施形態の排ガス浄化装置100は、直噴ガソリンエンジン用、又はディーゼルエンジン用の排ガス浄化装置としてより好適に用いることができる。直噴ガソリンエンジンとは、筒内直接噴射ガソリンエンジンのことである。
更に、ハニカム触媒体10とハニカムフィルタ30とが、ハニカム触媒体10の第一セル2の延びる方向P1とハニカムフィルタ30の第二セル22の延びる方向P2とのなす角度が2〜16°となるように、上記缶体50内に配置されている。即ち、ハニカム触媒体10とハニカムフィルタ30とが直列に配置された状態と比較して、ハニカム触媒体10とハニカムフィルタ30とのうちの少なくとも一方が、ガスの流れに対して傾いた状態で配置されている。従って、ハニカム触媒体10の第一流出端面12から排出されるガスG1が、ハニカムフィルタ30の第二セル22内に2〜16°の角度をもって流入することとなる。このため、ハニカムフィルタ30の第二セル22内に流入するガスG2が、第二隔壁21に衝突するとともに、第二隔壁21を通過し易く(別言すれば、排ガス中の粒子状物質が第二隔壁21に捕集され易く)、更に、第二隔壁21に担持した第二触媒27とも接触し易くなる。これにより、ハニカムフィルタ30の排ガス浄化性能を良好に向上させることができる。即ち、ハニカム触媒体10とハニカムフィルタ30とが直列に配置された状態と比較して、粒子状物質の排出個数を大きく減少させることができる。また、例えば、ハニカムフィルタ30として、第二流入端面31側が目封止されたものを用いた場合には、ハニカムフィルタ30内に、灰(アッシュ)が溜まらないため、排ガス浄化装置100のメンテナンスの点で有利である。
また、ハニカム触媒体10の第一流出端面12からハニカムフィルタ30の第二流入端面31までの間隔が60mm以下であるため、ハニカム触媒体10から流出したガスG1の指向性が失われ難く、ハニカムフィルタ30の捕集効率を良好に向上させることができる。また、ハニカム触媒体10の第一流出端面12からハニカムフィルタ30の第二流入端面31までの間隔が60mm以下であるため、排ガス浄化装置100がコンパクトなものとなり、設置スペースに制限のある車載用途でも十分に搭載可能な大きさを実現することができる。
一方、従来の排ガス浄化装置のように、第一セル2の延びる方向P1と第二セル22の延びる方向P2とが平行であると、ハニカム触媒体10の第一流出端面12から流出したガスG1が、第二セル22の延びる方向P2に指向した状態で、ハニカムフィルタ30の第二流入端面31に到達する。従って、ガスG2と第二隔壁21との衝突が促進されず、排ガス浄化性能の更なる向上を図ることは困難である。
また、図1に示す排ガス浄化装置100においては、缶体50の流入口52から流入するガスG0の流れ方向P3に対して、第一セル2の延びる方向P1が傾くようにハニカム触媒体10が配置されている。このため、図1に示す排ガス浄化装置100においては、上述したハニカムフィルタ30の排ガス浄化性能向上効果に加え、第一触媒7の排ガス浄化性能向上効果も更に期待することができる。なお、図1に示す排ガス浄化装置100においては、缶体50の流入口52から流入するガスG0の流れ方向P3に対して、第二セル22の延びる方向P2が平行となるようにハニカムフィルタ30が配置されている。
更に、本実施形態の排ガス浄化装置100においては、排ガス浄化性能の向上に伴い、例えば、従来の排ガス浄化装置と同じ排ガス浄化性能とした場合に、ハニカム触媒体10及びハニカムフィルタ30の少なくとも一方の大きさを小さくすることができる。また、ハニカム触媒体10及びハニカムフィルタ30の少なくとも一方に担持する触媒(第一触媒7及び第二触媒27の少なくとも一方の触媒)の担持量を少なくすることもできる。更に、ハニカム触媒体10及びハニカムフィルタ30の少なくとも一方の大きさを小さくした場合は、排ガス浄化装置100の圧力損失を更に小さくすることも可能となる。
本発明の排ガス浄化装置は、図8に示すような排ガス浄化装置101であってもよい。図8に示す排ガス浄化装置101は、缶体50の流入口52から流入するガスG0の流れ方向P3に対して、第二セル22の延びる方向P2が傾くようにハニカムフィルタ30が配置されている。このため、ハニカム触媒体10の第一流出端面12から流出したガスG1は、ハニカムフィルタ30の第二流入端面31から流入する際に、第二隔壁21に衝突し易くなり、また、衝突により第2セル22におけるガスG2の流れに乱れが生じ易くなる。これらにより、第二隔壁21に担持された第二触媒27の排ガス浄化性能が向上する。図8に示す排ガス浄化装置101においては、缶体50の流入口52から流入するガスG0の流れ方向P3に対して、第一セル2の延びる方向P1が平行となるようにハニカム触媒体10が配置されている。ここで、図8は、本発明の排ガス浄化装置の更に他の実施形態の構成を模式的に示す断面図であり、缶体に流入する排ガスの流れ方向に平行な断面を示す。図8においては、図1に示す排ガス浄化装置100と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
更に、本発明の排ガス浄化装置は、図9に示すような排ガス浄化装置102であってもよい。図9に示す排ガス浄化装置102においては、ハニカム触媒体10とハニカムフィルタ30とのそれぞれが、流入口52から流入するガスG0の流れ方向P3に対して傾くように配置されている。即ち、缶体50の流入口52から流入するガスG0の流れ方向P3に対して、第一セル2の延びる方向P1が傾くようにハニカム触媒体10が配置されている。更に、缶体50の流入口52から流入するガスG0の流れ方向P3に対して、第二セル22の延びる方向P2が傾くようにハニカムフィルタ30が配置されている。そして、図9に示す排ガス浄化装置102においても、ハニカム触媒体10とハニカムフィルタ30とは、第一セル2の延びる方向P1と第二セル22の延びる方向P2とのなす角度αが2〜16°となるように配置されている。このように構成された排ガス浄化装置102においても、図1に示す排ガス浄化装置100と同様の効果を得ることができる。ここで、図9は、本発明の排ガス浄化装置の更に他の実施形態の構成を模式的に示す断面図であり、缶体に流入する排ガスの流れ方向に平行な断面を示す。図9においては、図1に示す排ガス浄化装置100と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
なお、第一セル2の延びる方向P1と第二セル22の延びる方向P2とのなす角度αが2°未満であると、ハニカム触媒体10の第一流出端面12から流出したガスG1が、第二隔壁21に衝突し難くなる。また、第一セル2の延びる方向P1と第二セル22の延びる方向P2とのなす角度αが16°を超えると、ハニカムフィルタ30に対する、ガスG2の流入抵抗が大きくなり、排ガス浄化装置の圧力損失が増大することがある。第一セル2の延びる方向P1と第二セル22の延びる方向P2とのなす角度αは、2〜11°であることがより好ましく、3〜7°であることが更に好ましい。このように構成することによって、圧力損失の増大を抑制しつつ、排ガス浄化性能をより好適に向上させることができる。
また、本実施形態の排ガス浄化装置100においては、ハニカム触媒体10の第一流出端面12からハニカムフィルタ30の第二流入端面31までの間隔t(以下、単に「間隔t」ということがある)が60mm以下である。この間隔tとは、相対する第一流出端面12及び第二流入端面31において、第一流出端面12から第二流入端面31までの最短距離のことを意味する。この間隔tが、60mmを超えると、ハニカム触媒体10の第一流出端面12から流出したガスG1の指向性が失われてしまい、第二触媒27の排ガス浄化性能向上効果が十分に発現しないことがある。間隔tは、2〜50mmであることが好ましく、2〜40mmであることが更に好ましい。間隔tを2mm以上とすることで、ハニカム触媒体10の第一流出端面12と、ハニカムフィルタ30の第二流入端面31との接触を有効に防止することができる。即ち、缶体50の胴部51の内部に、ハニカム触媒体10とハニカムフィルタ30とを収納した際に、ハニカム触媒体10とハニカムフィルタ30との衝突を有効に防止することができる。
また、本実施形態の排ガス浄化装置100においては、缶体50の流入口52から流入するガスG0の流れ方向P3と、第一セル2の延びる方向P1とのなす角度βが、0〜16°であることが好ましく、0〜11°であることが更に好ましく、0〜7°であることが特に好ましい。ガスG0の流れ方向P3と、第一セル2の延びる方向P1とのなす角度βが大きくなり過ぎると、ハニカム触媒体10に対する、ガスG1の流入抵抗が大きくなり、排ガス浄化装置の圧力損失が増大することがある。
図1に示す排ガス浄化装置100においては、ハニカム触媒体10が、筒状に形成された第一外周壁3の延びる方向に対して、第一セル2の延びる方向が平行となるように第一隔壁1が配置されている。従って、ハニカム触媒体10においては、第一流入端面11から第一流出端面12に向かう方向が、第一セル2の延びる方向P1となる。また、図1に示す排ガス浄化装置100においては、ハニカムフィルタ30についても、筒状に形成された第二外周壁23の延びる方向に対して、第二セル22の延びる方向が平行となるように第二隔壁21が配置されている。従って、ハニカムフィルタ30においても、第二流入端面31から第二流出端面32に向かう方向が、第二セル22の延びる方向P2となる。図1に示す排ガス浄化装置100においては、ハニカム触媒体10及びハニカムフィルタ30の外周面の周囲を把持材55a,55bで包み、缶体50の胴部51の内部に、ハニカム触媒体10とハニカムフィルタ30とを保持している。把持材55a,55bとしては、例えば、セラミック繊維製マット等を挙げることができる。
図1に示す排ガス浄化装置100においては、ガスG0の流れ方向P3に向かって把持部分の厚さが異なる把持材55aを用いることにより、ガスG0の流れ方向P3に対して第一セル2の延びる方向P1が傾くように、ハニカム触媒体10が保持されている。即ち、ガスG0の流れ方向P3に対して第一セル2の延びる方向P1が傾くようにハニカム触媒体10が配置された場合に、缶体50の胴部51の内面と、ハニカム触媒体10の外周面との隙間を埋めるように把持材55aが配置されている。一方、ハニカムフィルタ30については、ガスG0の流れ方向P3に対して厚みが一定の把持材55bを用いることにより、ガスG0の流れ方向P3に対して第二セル22の延びる方向P2が平行となるように保持されている。図8〜図10に示す排ガス浄化装置101,102,103においても、ガスG0の流れ方向P3に向かって把持材55a,55bの厚さを調節し、ハニカム触媒体10及びハニカムフィルタ30の傾きを調整している。
本発明の排ガス浄化装置においては、ハニカム触媒体が、筒状に形成された第一外周壁の延びる方向に対して、第一セルの延びる方向が傾くように第一隔壁が配置されていてもよい。また、本発明の排ガス浄化装置においては、ハニカムフィルタが、筒状に形成された第二外周壁の延びる方向に対して、第二セルの延びる方向が傾くように第二隔壁が配置されていてもよい。例えば、図11に示す排ガス浄化装置104は、筒状に形成された第一外周壁3aの延びる方向に対して、第一セル2aの延びる方向が傾くように第一隔壁1aが配置されたハニカム触媒体10aを用いた場合の例を示す。即ち、図12〜図14に示すように、ハニカム触媒体10aは、筒状の第一ハニカム構造体4aと、第一ハニカム構造体4aの第一隔壁1aに担持された第一触媒7と、を備えたものである。第一ハニカム構造体4aが、複数の第一セル2aを区画形成する多孔質の第一隔壁1a、及び最外周に配置された第一外周壁3aを有し、第一外周壁3aの延びる方向に対して、第一セル2aの延びる方向が傾くように第一隔壁1aが配置されている。第一外周壁3aの延びる方向とは、筒状の第一ハニカム構造体4aの軸方向のことである。別言すれば、第一流入端面11aから第一流出端面12aに向かう方向である。第一触媒7は、図2〜図5に示すハニカム触媒体10と同様に、多孔質の第一隔壁1aの表面、及び第一隔壁1aに形成された細孔の内部の少なくとも一方に担持されている。図11に示す排ガス浄化装置104においては、ハニカム触媒体10aとハニカムフィルタ30とが、缶体50の胴部51の内部に直列に配置されている。即ち、ハニカム触媒体10aの第一流出端面12aとハニカムフィルタ30の第二流入端面31とが平行に向かい合うように配置されている。但し、上述したように、第一外周壁3aの延びる方向に対して、第一セル2aの延びる方向P1が傾くように第一隔壁1aが配置されているため、第一セル2aの延びる方向P1と第二セル22の延びる方向P2とのなす角度αが2〜16°となるようにすることができる。
図11に示す排ガス浄化装置104では、ハニカム触媒体10aとハニカムフィルタ30とが、缶体50の胴部51の内部に直列に配置されているため、把持材55a,55bとして、厚みが一定のものを用いることができる。また、図11に示す排ガス浄化装置104では、缶体50の胴部51への、把持材55a,55bを配置したハニカム触媒体10a及びハニカムフィルタ30の収納も簡便なものとなる。
ここで、図11は、本発明の排ガス浄化装置の更に他の実施形態の構成を模式的に示す断面図であり、缶体に流入する排ガスの流れ方向に平行な断面を示す。図12は、図11に示す排ガス浄化装置に用いられるハニカム触媒体を模式的に示す斜視図である。図13は、図12に示すハニカム触媒体の流入端面を模式的に示す平面図である。図14は、図13のC−C’断面を模式的に示す断面図である。図11においては、図1に示す排ガス浄化装置100と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。また、図12〜図14においては、図2〜図4に示すハニカム触媒体10と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
また、図11においては、図12〜図14に示すハニカム触媒体10aを用いた場合の例について説明したが、ハニカムフィルタ30として、第二セル22の延びる方向P2が傾くように第二隔壁21が配置されたものを用いてもよい。また、図示は省略するが、第一セルの延びる方向が傾くように第一隔壁が配置されたハニカム触媒体と、第二セルの延びる方向が傾くように第二隔壁が配置されたハニカムフィルタとを併用して用いてもよい。
以下、本実施形態の排ガス浄化装置について、構成要素ごとに更に詳細に説明する。
(1−1)缶体:
図1に示すように、缶体50は、本実施形態の排ガス浄化装置100における筐体(別言すれば、外装)であり、この缶体50がエンジン排気マニホルドに接続可能に構成されている。即ち、缶体50は、エンジン排気マニホルドの出口側に接続される流入口52、及びハニカム触媒体10及びハニカムフィルタ30を通過したガスG3を流出する流出口53を有している。そして、この缶体50の胴部51の内部に、ハニカム触媒体10及びハニカムフィルタ30が収納されている。本実施形態の排ガス浄化装置100により排ガスを浄化する際には、缶体50の流入口52を、エンジン排気マニホルドの出口側に接続する。そして、この缶体50の流入口52から流入した排ガス(ガスG0)を、缶体50内に収納されたハニカム触媒体10及びハニカムフィルタ30によって浄化する。上述したように、缶体50の胴部51は、胴部51の内径が一定の大きさのストレート形状である。
図1に示す缶体50は、エンジン排気マニホルドの口径、及び浄化済みの排ガスが排出される排気系の口径(例えば、上記の排気管、マフラー等の口径)に適合するように、流入口52及び流出口53が形成されている。
また、缶体50の胴部51と、缶体50の流入口52及び流出口53とは、流入口52から口径が漸増する拡管部と、流出口53に向けて口径が漸減する狭管部とを更に有していてもよい。なお、例えば、エンジン排気マニホルドや排気管、マフラー等の口径と、缶体50の胴部51の口径が同一の場合には、上述の拡管部や狭管部については特に有していなくてもよい。
缶体の材質としては、例えば、ステンレス製であることが好ましく、クロム系、クロム・ニッケル系のステンレス製であることが特に好ましい。
ハニカム触媒体10及びハニカムフィルタ30を缶体50の胴部51の内部に保持する方法としては、例えば、以下のような方法を挙げることができる。即ち、ハニカム触媒体10及びハニカムフィルタ30の外周面の周囲をセラミック繊維製マット等の把持材55a,55bで包み、缶体50の胴部51の内部に圧入する方法等を挙げることができる。セラミック繊維製マット等の把持材55a,55bを用いることにより、ハニカム触媒体10及びハニカムフィルタ30を、外部からの衝撃から守るとともに、断熱することができる。ハニカム触媒体10及びハニカムフィルタ30を胴部51の内部に保持した後、あらかじめ製作しておいた拡管部または狭管部を胴部51に溶接してもよいし、あるいは、缶体50をスピニング加工等によって拡管部または狭管部を作成してもよい。
把持材55a,55bとしては、上述したセラミック繊維製マットを好適例として挙げることができる。このようなセラミック繊維製マットは、その入手や加工が容易であるとともに、十分な耐熱性及びクッション性を有するものである。セラミック繊維製マットとしては、バーミュキュライトを実質上含まない非熱膨張性マット、又は少量のバーミュキュライトを含む低熱膨張性マット等を挙げることができる。
(1−2)ハニカム触媒体:
図2〜図4に示すように、ハニカム触媒体10は、筒状の第一ハニカム構造体4と、第一ハニカム構造体4の第一隔壁1に担持された第一触媒7と、を備えたものである。第一ハニカム構造体4が、複数の第一セル2を区画形成する多孔質の第一隔壁1、及び最外周に配置された第一外周壁3を有する。第一触媒7は、多孔質の第一隔壁1の表面、及び第一隔壁1に形成された細孔の内部の少なくとも一方に担持されている。
第一隔壁1の厚さが、0.035〜0.35mmであることが好ましく、0.045〜0.26mmであることが更に好ましい。第一隔壁の厚さが、0.035mm未満であると、ハニカム触媒体10の強度が低下することがある。また、第一隔壁の厚さが、0.35mmを超えると、排ガス浄化装置の圧力損失が大きくなり、エンジンの出力低下への影響を及ぼすことがある。
ハニカム触媒体10を構成する第一ハニカム構造体4のセル密度は、12〜200個/cmであることが好ましく、15〜190個/cmであることが更に好ましく、30〜160個/cmであることが特に好ましい。このように構成することによって、第一隔壁1に担持された第一触媒7と、ガスG1との接触面積を大きくすることができるとともに、ハニカム触媒体10の圧力損失が過度に増加することを抑制することができる。セル密度が12個/cm未満であると、ハニカム触媒体10の強度が低下することがある。セル密度が200個/cmを超えると、排ガス浄化装置の圧力損失が大きくなることがある。
第一隔壁1の気孔率は、20〜65%であることが好ましく、30〜50%であることが更に好ましく、30〜45%であることが特に好ましい。気孔率が20%未満であると、触媒を担持しにくくなったり熱容量が増大するおそれがある。一方、気孔率が65%を超えると、ハニカム触媒体10が脆くなり欠落し易くなることがある。また、第一隔壁1の平均細孔径は、1〜20μmであることが好ましく、1〜10μmであることが更に好ましい。第一隔壁の気孔率及び平均細孔径は、水銀ポロシメータにより測定した値である。
ハニカム触媒体10の第一流入端面11から第一流出端面12までの長さは、30〜350mmであることが好ましいが、これに限らず排ガス浄化システムとして最適な浄化性能を得るように適宜選択すればよい。
第一ハニカム構造体4の第一セル2の形状は、特に限定されないが、中心軸に直交する断面において、三角形、四角形、五角形、六角形、八角形等の多角形、円形、または楕円形、あるいは四角形と、六角形または八角形等との組合わせであることが好ましい。第一セル2の形状は、その他不定形であってもよい。第一セル2の形状としては、四角形、六角形等がより好ましい。
第一ハニカム構造体4の第一隔壁1は、セラミックを主成分とすることが好ましい。第一隔壁1の材質としては、具体的には、炭化珪素、珪素−炭化珪素系複合材料、コージェライト、ムライト、アルミナ、スピネル、炭化珪素−コージェライト系複合材料、リチウムアルミニウムシリケート、ゼオライト、バナジウム及びアルミニウムチタネートからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。これらの中でも、熱膨張係数が小さく、耐熱衝撃性に優れたコージェライトが好ましい。また、「セラミックを主成分とする」というときは、セラミックを全体の50質量%以上含有することをいう。
第一ハニカム構造体は、セグメント構造のハニカム構造体であってもよい。具体的には、セグメント構造の第一ハニカム構造体としては、複数個の第一ハニカムセグメントが、互いの側面同士が対向するように隣接して配置された状態で接合されたハニカム構造体を挙げることができる。第一ハニカムセグメントは、第一流入側端面から第一流出側端面まで延びる流体の流路となる複数の第一セルを区画形成する多孔質の第一隔壁及び第一隔壁を取り囲むように配設された第一外壁を有するものである。第一ハニカムセグメントの第一外壁が、上記第一ハニカムセグメントの側面となる。複数個の第一ハニカムセグメントを接合した接合体の最外周に、第一外周壁が配置される。また、複数個の第一ハニカムセグメントを接合した接合体の外周部を研削等によって加工し第一セルの延びる方向に垂直な断面の形状を円形等にした後、最外周にセラミック材料を塗工することによって第一外周壁を配置してもよい。このような、所謂、セグメント構造の第一ハニカム構造体であっても、図2〜図4に示すような、所謂、一体型の第一ハニカム構造体4と同様の作用効果を得ることができる。
第一ハニカム構造体の第一隔壁に担持される第一触媒の量(以下、「第一触媒の担持量」という)については、特に制限はない。第一触媒の担持量は、20〜400g/Lであることが好ましく、30〜300g/Lであることが更に好ましく、40〜250g/Lであることが特に好ましい。
ハニカム触媒体の第一隔壁に担持される第一触媒としては、例えば、酸化触媒、三元触媒などを挙げることができる。本実施形態の排ガス浄化装置を、ディーゼルエンジン用の排ガス浄化装置として用いる場合には、第一触媒として酸化触媒を用いることが好ましい。また、本実施形態の排ガス浄化装置を、直噴ガソリンエンジン用の排ガス浄化装置として用いる場合には、第一触媒として三元触媒を用いることが好ましい。第一触媒の具体例としては、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)等の貴金属を耐熱性無機酸化物からなる担体に担持させたものを挙げることができる。上記「耐熱性無機酸化物からなる担体」としては、アルミナ、チタニア、シリカ、ジルコニア、酸化セリウム、酸化タングステン、ゼオライト、遷移金属酸化物、希土類酸化物、又はこれらの混合物等からなる担体を挙げることができる。
第一触媒の担持量が400g/Lを超えると、ハニカム触媒体による浄化性能の向上を期待することができるが、その一方で、第一セルの断面積が小さくなり、圧力損失が増大してしまうことがある。また、第一触媒の担持量が20g/L未満であると、ハニカム触媒体による浄化性能が十分に発現しないことがある。なお、本明細書中、担持量(g/L)とは、ハニカム構造部の単位体積(1L)あたりに担持される触媒の量(g)のことである。即ち、ハニカム触媒体の第一隔壁に担持される第一触媒の担持量とは、第一ハニカム構造体の単位体積(1L)あたりに担持される第一触媒の量(g)のことである。第一触媒を、第一ハニカム構造体の第一隔壁へ担持させる方法としては、特に制限はなく、従来公知の方法に準じて行うことができる。
(1−3)ハニカムフィルタ:
図5〜図7に示すように、ハニカムフィルタ30は、筒状の第二ハニカム構造体24と、目封止部28と、第二ハニカム構造体24の第二隔壁21に担持された第二触媒27と、を備えたものである。第二ハニカム構造体24が、複数の第二セル22を区画形成する多孔質の第二隔壁21、及び最外周に配置された第二外周壁23を有する。目封止部28は、複数の第二セル22のうちの一部の第二セル22の第二流入端面31側又は第二流出端面32側の一方の端部を封止するものである。ハニカムフィルタ30は、上記目封止部28によって片側の端部が塞がれた片側目封止セル22bと、第二セル22内の流路が塞がれていない両端開口セル22aとが、第二隔壁21を隔てて隣接して配置されたものである。第二触媒27は、多孔質の第二隔壁21の表面、及び第二隔壁21に形成された細孔の内部の少なくとも一方に担持されている。
第二隔壁21の厚さが、0.05〜0.55mmであることが好ましく、0.08〜0.4mmであることが更に好ましい。第二隔壁21の厚さが、0.05mm未満であると、ハニカムフィルタ30の強度が低下することがある。また、第二隔壁21の厚さが、0.55mmを超えると、排ガス浄化装置の初期の圧力損失が大きくなり、エンジンの出力低下への影響を及ぼすことがある。
ハニカムフィルタ30を構成する第二ハニカム構造体24のセル密度は、12〜150個/cmであることが好ましく、20〜100個/cmであることが更に好ましく、30〜80個/cmであることが特に好ましい。このように構成することによって、第二隔壁21の、粒子状物質を捕集する面積を良好に確保することができるとともに、ハニカムフィルタ30の圧力損失が過度に増加することを抑制することができる。セル密度が12個/cm未満であると、ハニカムフィルタ30の強度が低下することがある。セル密度が150個/cmを超えると、排ガス浄化装置の初期の圧力損失が大きくなることがある。
第二隔壁21の気孔率は、30〜75%であることが好ましく、30〜70%であることが更に好ましく、35〜65%であることが特に好ましい。気孔率が30%未満であると、初期の圧力損失が増大するおそれがある。一方、気孔率が75%を超えると、ハニカムフィルタ30が脆くなり欠落し易くなることがある。また、第二隔壁21の平均細孔径は、5〜35μmであることが好ましく、7〜30μmであることが更に好ましい。第二隔壁の気孔率及び平均細孔径は、水銀ポロシメータにより測定した値である。
ハニカムフィルタ30の第二流入端面31から第二流出端面32までの長さは、30〜400mmであることが好ましいが、これに限らず排ガス浄化システムとして最適な浄化性能を得るように適宜選択すればよい。
第二ハニカム構造体24の第二セル22の形状は、特に限定されないが、中心軸に直交する断面において、三角形、四角形、五角形、六角形、八角形等の多角形、円形、または楕円形、あるいは四角形と、六角形または八角形等との組合わせであることが好ましい。第二セル22の形状は、その他不定形であってもよい。第二セル22の形状としては、四角形、六角形等がより好ましい。
第二ハニカム構造体24の第二隔壁21は、セラミックを主成分とすることが好ましい。第二隔壁21の材質としては、具体的には、炭化珪素、珪素−炭化珪素系複合材料、コージェライト、ムライト、アルミナ、スピネル、炭化珪素−コージェライト系複合材料、リチウムアルミニウムシリケート、ゼオライト、バナジウム及びアルミニウムチタネートからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。これらの中でも、熱膨張係数が小さく、耐熱衝撃性に優れたコージェライトが好ましい。
目封止部28については、第二ハニカム構造体24の第二隔壁21の材質と同じであることが好ましい。目封止部28の深さについては、特に制限はないが、1〜15mmであることが好ましく、1〜10mmであることが更に好ましい。1mmより浅いと、目封止部28の強度が低下することがある。15mmより深いと、第二隔壁21の、粒子状物質を捕集する面積が小さくなることがある。ここで、目封止部28の深さとは、目封止部28の、第二セル22の延びる方向における長さを意味する。
第二ハニカム構造体は、セグメント構造のハニカム構造体であってもよい。具体的には、セグメント構造の第二ハニカム構造体としては、複数個の第二ハニカムセグメントが、互いの側面同士が対向するように隣接して配置された状態で接合されたハニカム構造体を挙げることができる。第二ハニカムセグメントは、第二流入側端面から第二流出側端面まで延びる流体の流路となる複数の第二セルを区画形成する多孔質の第二隔壁及び第二隔壁を取り囲むように配設された第二外壁を有するものである。第二ハニカムセグメントの第二外壁が、上記第二ハニカムセグメントの側面となる。複数個の第二ハニカムセグメントを接合した接合体の最外周に、第二外周壁が配置される。また、複数個の第二ハニカムセグメントを接合した接合体の外周部を研削等によって加工し第二セルの延びる方向に垂直な断面の形状を円形等にした後、最外周にセラミック材料を塗工することによって第二外周壁を配置してもよい。このような、所謂、セグメント構造の第二ハニカム構造体であっても、図5〜図7に示すような、所謂、一体型の第二ハニカム構造体24と同様の作用効果を得ることができる。
第二ハニカム構造体の第二隔壁に担持される第二触媒の量(以下、「第二触媒の担持量」という)については、特に制限はない。第二触媒の担持量は、20〜400g/Lであることが好ましく、30〜300g/Lであることが更に好ましく、40〜250g/Lであることが特に好ましい。
ハニカムフィルタの第二隔壁に担持される第二触媒としては、例えば、酸化触媒などを挙げることができる。第二触媒の具体例としては、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)等の貴金属を耐熱性無機酸化物からなる担体に担持させたものを挙げることができる。上記「耐熱性無機酸化物からなる担体」としては、アルミナ、チタニア、シリカ、ジルコニア、酸化セリウム、酸化タングステン、ゼオライト、遷移金属酸化物、希土類酸化物、又はこれらの混合物等からなる担体を挙げることができる。
第二触媒の担持量が400g/Lを超えると、ハニカムフィルタによる浄化性能の向上を期待することができるが、その一方で、第二セルの断面積が小さくなり、圧力損失が増大してしまうことがある。また、第二触媒の担持量が20g/L未満であると、ハニカムフィルタによる浄化性能が十分に発現しないことがある。また、分散している貴金属の粒子間距離が小さくなるため触媒が熱劣化しやすくなるおそれがある。第二触媒を、第二ハニカム構造体の第二隔壁へ担持させる方法としては、特に制限はなく、従来公知の方法に準じて行うことができる。
(2)排ガス浄化装置の製造方法:
次に本発明の排ガス浄化装置の製造方法について、図1に示すような本実施形態の排ガス浄化装置100を製造する方法を例に説明する。
本実施形態の排ガス浄化装置100を製造する際には、まず、多孔質の隔壁及び外周壁を有するハニカム構造体を2個作製する。一方のハニカム構造体が、ハニカム触媒体の第一ハニカム構造体となり、もう一方のハニカム構造体が、ハニカムフィルタの第二ハニカム構造体となる。
ハニカム構造体を作製する際には、まず、セラミック原料を含有する成形原料を混合し混練して坏土を得る。セラミック原料としては、炭化珪素、珪素−炭化珪素系複合材料、コージェライト、コージェライト化原料、ムライト、アルミナ、スピネル、炭化珪素−コージェライト系複合材料、リチウムアルミニウムシリケート、ゼオライト、バナジウム及びアルミニウムチタネートからなる群より選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。なお、コージェライト化原料とは、シリカが42〜56質量%、アルミナが30〜45質量%、マグネシアが12〜16質量%の範囲に入る化学組成となるように配合されたセラミック原料である。コージェライト化原料は、焼成されてコージェライトになるものである。
また、成形原料は、上記セラミック原料に、分散媒、有機バインダ、無機バインダ、界面活性剤、造孔材等を更に混合して調製することが好ましい。各原料の組成比は、特に限定されず、作製しようとするハニカム構造体の構造、材質等に合わせた組成比とすることが好ましい。
分散媒としては、水を用いることができる。分散媒の添加量は、セラミック原料100質量部に対して、10〜30質量部であることが好ましい。
有機バインダとしては、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、又はこれらを組み合わせたものとすることが好ましい。また、有機バインダの添加量は、セラミック原料100質量部に対して、0.5〜5質量部が好ましい。
界面活性剤としては、エチレングリコール、デキストリン、脂肪酸石鹸、ポリアルコール等を用いることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。界面活性剤の添加量は、セラミック原料100質量部に対して、0.5〜2質量部が好ましい。
造孔材としては、樹脂粒子、デンプン、カーボン等を用いることができる。造孔材は、作製するハニカム構造体の隔壁に細孔を形成するためのものである。造孔材の添加量は、作製するハニカム構造体の隔壁の平均細孔径や気孔率を考慮して適宜調整することが好ましい。
成形原料を混練して坏土を形成する方法としては特に制限はなく、例えば、ニーダー、真空土練機等を用いる方法を挙げることができる。
次に、得られた坏土を成形して、円筒状のハニカム成形体を形成する。ハニカム成形体は、複数のセルを区画形成する隔壁と外周壁とを有するものである。坏土を成形してハニカム成形体を形成する方法としては特に制限はなく、押出成形、射出成形等の公知の成形方法を用いることができる。例えば、所望のセル形状、隔壁厚さ、セル密度を有する押出成形用口金を用いて押出成形する方法等を好適例として挙げることができる。押出成形用口金の材質としては、摩耗し難い超硬合金が好ましい。なお、製造する2個のハニカム構造体(即ち、第一ハニカム構造体及び第二ハニカム構造体)で、セラミック原料、セル形状、隔壁厚さ、セル密度、気孔率等を変えてもよい。
次に、得られたハニカム成形体を乾燥する。乾燥方法は、例えば、熱風乾燥、マイクロ波乾燥、誘電乾燥、減圧乾燥、真空乾燥、凍結乾燥等を挙げることができる。なかでも、誘電乾燥、マイクロ波乾燥又は熱風乾燥を単独で又は組み合わせて行うことが好ましい。
次に、ハニカム成形体を焼成する。ハニカム成形体を焼成する前には、このハニカム成形体を仮焼することが好ましい。仮焼は、脱脂のために行うものである。仮焼の方法については特に制限はない。例えば、ハニカム成形体中の有機物の少なくとも一部を除去することができればよい。上記有機物としては、有機バインダ、界面活性剤、造孔材等を挙げることができる。有機バインダの燃焼温度は100〜300℃程度である。このため、仮焼は、酸化雰囲気において、200〜1000℃程度で、10〜100時間程度加熱することが好ましい。
ハニカム成形体の焼成は、仮焼した成形体を構成する成形原料を焼結させて緻密化し、所定の強度を確保するために行われるものである。焼成の条件は、成形原料の種類により異なるため、その種類に応じて適当な条件を選択すればよい。例えば、コージェライト化原料を使用している場合には、焼成温度は、1350〜1440℃が好ましい。また、焼成時間は、最高温度でのキープ時間として、3〜10時間が好ましい。仮焼、本焼成を行う装置としては、電気炉、ガス炉等を挙げることができる。このようにしてハニカム成形体を仮焼、焼成することにより、ハニカム構造体を得ることができる。
以上のようにして、本実施形態の排ガス浄化装置用の第一ハニカム構造体及び第二ハニカム構造体を作製することができる。
次に、第一ハニカム構造体に第一触媒を担持して、ハニカム触媒体を作製する。第一触媒の担持方法については特性に制限はなく、従来公知の方法に準じて行うことができる。
また、第二ハニカム構造体については、一部のセルの一方の端面に目封止を行い、ハニカムフィルタを作製する。この目封止については、ハニカム成形体を焼成する前に行ってもよい。また、目封止前又は目封止後の第二ハニカム構造体に対して、第二触媒を担持する。第二触媒の担持方法についても、従来公知の方法に準じて行うことができる。以下、第二ハニカム構造体の一部のセルを目封止する方法について説明する。第二ハニカム構造体の一部のセルを目封止する方法としては、セルの開口部に目封止材を充填する方法を挙げることができる。目封止材を充填する方法としては、具体的には、まず、第二ハニカム構造体又は焼成前のハニカム成形体の一方の端面に、一部のセルの開口部を塞ぐようにマスクを施す。ここで、マスクの施し方には、特に制限はないが、ハニカム構造体の一方の端面(例えば、流入端面)において、端部が目封止された所定のセルと端部が目封止されない残余のセルとが交互に配置されて、市松模様を形成するようにマスクを施すことが好ましい。そして、セラミック原料、水またはアルコール、及び有機バインダを含むスラリー状の目封止材を、貯留容器に貯留しておく。セラミック原料としては、ハニカム成形体の原料として用いられるセラミック原料と同じであることが好ましい。そして、上記マスクを施した方の第二ハニカム構造体の端部を、貯留容器中に浸漬して、マスクが施されていないセルの開口部に目封止材を充填して目封止部を形成する。
また、図12〜図14に示すようなハニカム構造体(第一ハニカム構造体4a)は、以下のような方法によって製造することができる。まず、上述した方法により、ハニカム構造体を作製する。この際、ハニカム構造体を、その外周形状の大きさが、必要とする大きさ(即ち、缶体の胴部に収納される大きさ)よりも大きくなるように作製する。次に、得られたハニカム構造体の外周部分を斜めに研削加工する。即ち、研削加工後のハニカム構造体が、斜めに傾いた筒状となるように研削加工する。また、必要に応じて、ハニカム構造体の両方の端面を、当該端面が、研削加工後のハニカム構造体の側面に対して垂直な面となるように研削加工する。このように研削加工を行うことにより、研削加工後のハニカム構造体は、セルの延びる方向が傾くように隔壁が配置されたものとなる。
その後、研削加工したハニカム構造体の外周面に、セラミック材料を塗工して、外周コート層を形成する。この外周コート層が、ハニカム構造体の外周壁となる。研削加工したハニカム構造体の外周面に塗工するセラミック材料については特に制限はない。例えば、外周コート層を形成するためのセラミック材料としては、従来公知のハニカム構造体において、外周壁を作製するために用いられるセラミック材料を好適に用いることができる。
次に、得られたハニカム構造体の隔壁に、触媒(第一触媒)を担持する。このようにして、図12〜図14に示すようなハニカム触媒体10aを作製する。触媒を担持する方法については特に制限はなく、従来公知の方法に準じて行うことができる。また、このようにして作製したハニカム構造体を用いて、ハニカムフィルタを作製してもよい。即ち、セルの延びる方向が傾くように隔壁が配置されたハニカム構造体を、第二ハニカム構造体とし、この第二ハニカム構造体を用いてハニカムフィルタを作製してもよい。第二ハニカム構造体の一部のセルを目封止する方法については、上述した通りである。
次に、本実施形態の排ガス浄化装置用の缶体を作製する。缶体は、ステンレス等を用いて、従来公知の金属加工方法を用いて作製することができる。缶体としては、ハニカム触媒体及びハニカムフィルタを収納し保持する胴部、エンジン排気マニホルドの出口側に接続される流入口、流入口から流入したガスを流出する流出口を有するものであることが好ましい。缶体は、胴部の内径が一定の大きさのストレート形状のものとする。
次に、缶体の胴部の内部に、ハニカム触媒体及びハニカムフィルタを配置する。このようにして、本実施形態の排ガス浄化装置を製造することができる。缶体の胴部の内部にハニカム触媒体及びハニカムフィルタを配置する際には、ハニカム触媒体及びハニカムフィルタのそれぞれの外周面の周囲を、セラミック繊維製マット等の把持材で覆うことが好ましい。把持材で外周面が覆われたハニカム触媒体とハニカムフィルタとを、缶体の胴部の内部に配置する。
本実施形態の排ガス浄化装置を製造する際には、以下のようにして、ハニカム触媒体とハニカムフィルタとを、缶体の胴部の内部に配置する。まず、ハニカム触媒体の第一流入端面が、缶体の流入口側に位置し、ハニカムフィルタの第二流出端面が、缶体の流出口側に位置するように、ハニカム触媒体とハニカムフィルタとを配置する。また、ハニカム触媒体の第一流出端面からハニカムフィルタの第二流入端面までの間隔が60mm以下となるように、ハニカム触媒体とハニカムフィルタとを配置する。更に、ハニカム触媒体の第一セルの延びる方向とハニカムフィルタの第二セルの延びる方向とのなす角度が2〜16°となるように、ハニカム触媒体とハニカムフィルタとを配置する。以上のようにして、本実施形態の排ガス浄化装置を製造することができる。ハニカム触媒体の第一セルの延びる方向、及びハニカムフィルタの第二セルの延びる方向の角度調整は、例えば、上述した把持材の厚さによって調節することができる。
以下、本発明の排ガス浄化装置を、実施例により更に具体的に説明する。本発明は、これらの実施例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1)
[ハニカム触媒体の作製]
実施例1の排ガス浄化装置に使用するハニカム触媒体を作製した。具体的には、まず、セラミック原料を含有する成形原料を用いて、ハニカム成形体を成形するための坏土を調製した。セラミック原料として、コージェライト化原料を用いた。コージェライト化原料に、分散媒、有機バインダ、分散剤、造孔材を添加して、成形用の坏土を調製した。分散媒の添加量は、コージェライト化原料100質量部に対して、30質量部とした。有機バインダの添加量は、コージェライト化原料100質量部に対して、6質量部とした。造孔材の添加量は、コージェライト化原料100質量部に対して、1質量部とした。得られたセラミック成形原料を、ニーダーを用いて混練して、坏土を得た。
次に、得られた坏土を、真空押出成形機を用いて押出成形し、ハニカム成形体を得た。次に、ハニカム成形体を高周波誘電加熱乾燥した後、熱風乾燥機を用いて120℃で2時間乾燥した。その後、1350〜1450℃で10時間焼成して第一ハニカム構造体を得た。
また、得られた第一ハニカム構造体の第一隔壁に、酸化触媒を担持した。酸化触媒としては、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)を質量比で1:0.5:4(Pt:Rh:Pd)の比率で含み、アルミナ及びセリアを主成分とするものを用いた。触媒の担持量としては、150g/Lとした。触媒の担持量(g/L)とは、第一ハニカム構造体の単位体積(1L)あたりに担持される触媒の量(g)のことである。
実施例1において作製したハニカム触媒体は、セルの延びる方向の長さ(全長)が120mmであり、流入端面及び流出端面の外径が114mmの円筒状のものであった。また、隔壁の厚さは0.1mmであった。セルの延びる方向に垂直な断面における各セルの形状は正方形であり、セル密度は、62個/cmであった。また、この第一ハニカム構造体の第一隔壁の気孔率は35%であり、第一隔壁の平均細孔径は4μmであった。気孔率及び平均細孔径は、マイクロメリティクス社(Micromeritics社)製の「オートポアIII 9420(商品名)」によって測定した値である。
[ハニカムフィルタの作製]
ハニカム触媒体にて説明した方法と同様の方法で、ハニカムフィルタ用の第二ハニカム構造体を作製した。
次に、作製した第二ハニカム構造体の一部のセルに、セルの開口部を塞ぐように目封止部を配設した。目封止部は、第二ハニカム構造体の流入端面側のセルの開口部に配設した。本実施例においては、目封止部を配設した片側目封止セルと、目封止部を配設しない両端開口セルとが、隔壁を隔てて交互に配置されるように目封止部を配設した。
次に、第二ハニカム構造体の第二隔壁に、酸化触媒を担持した。酸化触媒としては、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)を質量比で1:0.5:4(Pt:Rh:Pd)の比率で含み、アルミナ及びセリアを主成分とするものを用いた。触媒の担持量としては、150g/Lとした。
実施例1において作製したハニカムフィルタは、セルの延びる方向の長さ(全長)が120mmであり、流入端面及び流出端面の外径が114mmの円筒状のものであった。また、隔壁の厚さは0.2mmであった。セルの延びる方向に垂直な断面における各セルの形状は正方形であり、セル密度は、50個/cmであった。また、この第二ハニカム構造体の第二隔壁の気孔率は48%であり、第二隔壁の平均細孔径は10μmであった。
[排ガス浄化装置の製造]
実施例1において作製したハニカム触媒体及びハニカムフィルタを、流入口、胴部、及び流出口を有する缶体の内部に収納し、拡管部および狭管部をスピニング加工によって形成して、実施例1の排ガス浄化装置を製造した。
缶体の胴部の内部には、ハニカム触媒体の第一流入端面が、缶体の流入口側に位置し、ハニカムフィルタの第二流出端面が、缶体の流出口側に位置するように、ハニカム触媒体とハニカムフィルタとを配置した。また、ハニカムフィルタを缶体の内部に収容する際には、目封止部を配置した端面が、ハニカムフィルタの流入端面(第二流入端面)となるようにした。このように、ハニカムフィルタの流入端面(第二流入端面)側に目封止部が位置するように構成された排ガス浄化装置について、表1の「目封止部の位置」の欄に、「流入端面」と記す。また、ハニカムフィルタの流出端面(第二流出端面)側に目封止部が位置するように構成された排ガス浄化装置について、表1の「目封止部の位置」の欄に、「流出端面」と記す。
また、ハニカム触媒体及びハニカムフィルタを、缶体に収納する際には、ハニカム触媒体の第一セルの延びる方向P1とハニカムフィルタの第二セルの延びる方向P2とのなす角度が2°となるように配置した。「ハニカム触媒体の第一セルの延びる方向P1とハニカムフィルタの第二セルの延びる方向P2とのなす角度」を、表1の「第一セルの延びる方向と第二セルの延びる方向とのなす角度(°)」の欄に示す。
ハニカム触媒体の第一流出端面からハニカムフィルタの第二流入端面までの間隔tは、0mmとした。「ハニカム触媒体の第一流出端面からハニカムフィルタの第二流入端面までの間隔」を、表1の「間隔t(mm)」の欄に示す。ハニカム触媒体の第一流出端面からハニカムフィルタの第二流入端面までの間隔tは、相対する第一流出端面及び第二流入端面において、第一流出端面から第二流入端面までの最短距離とする。
また、実施例1においては、ハニカム触媒体とハニカムフィルタとを、以下のように、缶体の胴部の内部に配置した。缶体の流入口から流入するガスの流れ方向P3に対して、第一セルの延びる方向P1が傾くようにハニカム触媒体を配置した。また、缶体の流入口から流入するガスの流れ方向P3に対して、第二セルの延びる方向P2が平行となるようにハニカムフィルタを配置した。本実施例においては、ガスの流れ方向P3に対して、第一セルの延びる方向P1が傾き、第二セルの延びる方向P2が平行となる配置を、「配置A」とする。表1の「ハニカム触媒体とハニカムフィルタの配置」の欄に、ハニカム触媒体とハニカムフィルタとの配置を示す。
また、本実施例においては、ハニカム触媒体とハニカムフィルタとの配置が、以下の場合を、「配置B」とする。即ち、缶体の流入口から流入するガスの流れ方向P3に対して、第一セルの延びる方向P1が平行となるようにハニカム触媒体が配置され、且つ、ガスの流れ方向P3に対して、第二セルの延びる方向P2が傾くようにハニカムフィルタが配置される。また、ハニカム触媒体とハニカムフィルタとの配置が、以下の場合を、「配置C」とする。即ち、缶体の流入口から流入するガスの流れ方向P3に対して、第一セルの延びる方向P1が傾くようにハニカム触媒体が配置され、且つ、ガスの流れ方向P3に対して、第二セルの延びる方向P2が傾くようにハニカムフィルタが配置される。更に、ハニカム触媒体とハニカムフィルタとの配置が、以下の場合を、「配置D」とする。即ち、缶体の流入口から流入するガスの流れ方向P3に対して、第一セルの延びる方向P1及び第二セルの延びる方向P2が共に平行となるように、ハニカム触媒体及びハニカムフィルタが配置される。
Figure 2014148924
(実施例2〜36)
「第一セルの延びる方向と第二セルの延びる方向とのなす角度(°)」、「間隔t(mm)」、「ハニカム触媒体とハニカムフィルタの配置」、及び「目封止部の位置」を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様の方法で、排ガス浄化装置を作製した。即ち、ハニカム触媒体、ハニカムフィルタ、及び缶体の構成は、実施例1と同じで、ハニカム触媒体とハニカムフィルタとの配置(即ち、傾き、間隔、及び目封止部の位置)を変えて排ガス浄化装置を作製した。なお、「配置C」の場合においては、缶体50の流入口52から流入するガスG0の流れ方向P3と、第一セル2の延びる方向P1とのなす角度βが、ハニカム触媒体の第一セルの延びる方向P1とハニカムフィルタの第二セルの延びる方向P2とのなす角度の1/2となるように配置した。
(比較例1〜12)
「第一セルの延びる方向と第二セルの延びる方向とのなす角度(°)」、「間隔t(mm)」、「ハニカム触媒体とハニカムフィルタの配置」、及び「目封止部の位置」を表2に示すように変更した以外は、実施例1と同様の方法で、排ガス浄化装置を作製した。即ち、ハニカム触媒体、ハニカムフィルタ、及び缶体の構成は、実施例1と同じで、ハニカム触媒体とハニカムフィルタとの配置(即ち、傾き、間隔、及び目封止部の位置)を変えて排ガス浄化装置を作製した。なお、「配置C」の場合においては、缶体50の流入口52から流入するガスG0の流れ方向P3と、第一セル2の延びる方向P1とのなす角度βが、ハニカム触媒体の第一セルの延びる方向P1とハニカムフィルタの第二セルの延びる方向P2とのなす角度の1/2となるように配置した。
(比較例13(評価の基準となる排ガス浄化装置))
「第一セルの延びる方向と第二セルの延びる方向とのなす角度(°)」、「間隔t(mm)」、及び「ハニカム触媒体とハニカムフィルタの配置」を表2に示すように変更した以外は、実施例1と同様の方法で、排ガス浄化装置を作製した。即ち、比較例13においては、ハニカム触媒体、ハニカムフィルタ、及び缶体の構成は、実施例1と同じで、ハニカム触媒体とハニカムフィルタとを、それらのセルの延びる方向がガスの流れ方向P3に対して、それぞれ平行となるように直列に配置して、排ガス浄化装置を作製した。比較例13においては、実施例1〜36、及び比較例1〜12の「間隔t」と同じ間隔となるように、複数の排ガス浄化装置を作製した。比較例13の排ガス浄化装置は、以下の「圧力損失の上昇評価」、及び「粒子状物質の排出個数変化」において、評価の基準となる排ガス浄化装置である。即ち、実施例1〜36、及び比較例1〜12の排ガス浄化装置についての評価を行う際に、「間隔t」が同じ値となる比較例13の排ガス浄化装置が、当該評価の基準となる。また、比較例13の各排ガス浄化装置を作製する際には、実施例1〜36、及び比較例1〜12の排ガス浄化装置に合わせて、「目封止部の位置」を決定した。このため、表2の「目封止部の位置」の欄には、「流入端面又は流出端面」と記す。
Figure 2014148924
実施例1〜36、及び比較例1〜12の排ガス浄化装置について、以下の方法で、「圧力損失の上昇評価」、及び「粒子状物質の排出個数変化」の評価を行った。評価結果を、表1、及び表2に示す。
[圧力損失の上昇評価(実施例1〜36、及び比較例1〜13用)]
実施例1〜36、及び比較例1〜13の排ガス浄化装置に大気圧(1atm)、室温(20℃)の空気を流量12m/分で流し、圧力損失の上昇評価を行った。実施例1〜36、及び比較例1〜12の排ガス浄化装置の圧力損失と、「間隔t」が同じ値で且つ「目封止部の位置」が同じとなるように構成された比較例13の排ガス浄化装置の圧力損失とを、以下のA〜Dの評価基準で、評価した。
A:基準の比較例13の排ガス浄化装置の圧力損失を100%とした場合に、評価対象の排ガス浄化装置の圧力損失が、102%以下である。
B:基準の比較例13の排ガス浄化装置の圧力損失を100%とした場合に、評価対象の排ガス浄化装置の圧力損失が、102%を超え、104%以下である。
C:基準の比較例13の排ガス浄化装置の圧力損失を100%とした場合に、評価対象の排ガス浄化装置の圧力損失が、104%を超え、106%以下である。
D:基準の比較例13の排ガス浄化装置の圧力損失を100%とした場合に、評価対象の排ガス浄化装置の圧力損失が、106%を超える。
なお、圧力損失の上昇評価において、「A」の場合は、エンジン性能への影響は無視でき、特に良好であるといえる。「B」の場合は、エンジン性能への影響は、実用上あまり問題ないレベルであり、より良好であるといえる。「C」の場合は、エンジン性能への影響は、実用上大きな問題とならないレベルであり、良好であるといえる。「D」の場合は、エンジン性能への影響があり、不良であるといえる。
[粒子状物質の排出個数変化(実施例1〜36、及び比較例1〜13用)]
排気量2.0Lの4気筒のディーゼルエンジン車をシャーシダイナモ上で走行させ、実施例1〜36、及び比較例1〜13の排ガス浄化装置の粒子状物質の排出個数変化の評価を行った。具体的には、排気量2.0Lの4気筒のディーゼルエンジン車のエンジン排気マニホルドの出口側に、排ガス浄化装置を設置し、欧州NEDCモードで運転し、排ガス中の、排出個数(個/km)を測定した。実施例1〜36、及び比較例1〜12の排ガス浄化装置について、「間隔t」が同じ値で且つ「目封止部の位置」が同じとなるように構成された比較例13の排ガス浄化装置を基準として、以下のA〜Dの評価基準で、評価した。
A:基準の比較例13の排ガス浄化装置の排出個数と比較して、評価対象の排ガス浄化装置の排出個数が、40%超低下する。
B:基準の比較例13の排ガス浄化装置の排出個数と比較して、評価対象の排ガス浄化装置の排出個数が、20%超、40%以下低下する。
C:基準の比較例13の排ガス浄化装置の排出個数と比較して、評価対象の排ガス浄化装置の排出個数が、2%超、20%以下低下する。
D:基準の比較例13の排ガス浄化装置の排出個数と比較して、評価対象の排ガス浄化装置の排出個数の低下が2%以下である。評価対象の排ガス浄化装置の排出個数が、基準の比較例13の排ガス浄化装置の排出個数を上回る場合を含む。
なお、粒子状物質の排出個数変化の評価において、「A」の場合、粒子状物質の捕集性能は、特に良好であるといえる。「B」の場合、粒子状物質の捕集性能は、より良好であるといえる。「C」の場合、粒子状物質の捕集性能は、良好であるといえる。「D」の場合、粒子状物質の捕集性能は実質的に略変化なし又は悪化しているといえる。
(結果1)
表1及び表2に示すように、実施例1〜36の排ガス浄化装置は、圧力損失の上昇評価、及び粒子状物質の排出個数変化の評価において、共に良好な結果を得ることができた。特に、実施例9〜11及び13〜15の排ガス浄化装置は、圧力損失の上昇評価、及び粒子状物質の排出個数変化の評価が、共に「A」であり、特に良好な結果を得ることができた。実施例1〜8の排ガス浄化装置は、「第一セルの延びる方向と第二セルの延びる方向とのなす角度(°)」が小さいため、浄化性能の向上が少し低めであった。また、「間隔t(mm)」が比較的に広い、実施例7、8、12、16、17などの排ガス浄化装置は、圧力損失の上昇が比較的に大きく、浄化性能の向上も少し低めであった。また、「第一セルの延びる方向と第二セルの延びる方向とのなす角度(°)」が大きくなるに従って、圧力損失の上昇評価が悪くなる傾向が確認された(例えば、実施例18〜36を参照)。実施例1〜36の結果により、本発明の排ガス浄化装置は、ディーゼルエンジン用の排ガス浄化装置として好適に使用できることが確認された。
また、「目封止部の位置」に関しては、表1の結果からも分かるように流入端面側であっても流出端面側であっても性能上の差は認められず、短期間の使用においては問題となることは無い。例えば、実施例2と実施例3、実施例4と実施例5、実施例7と実施例8、実施例26と実施例27、実施例30と実施例31、及び実施例33と実施例34の、「圧力損失の上昇評価」及び「粒子状物質の排出個数変化」の結果を参照。しかし、流出端面側が目封止されたものは、長期間の使用によってアッシュが堆積する。そのため、圧力損失が上昇することがありアッシュの排出等のメンテナンスが必要となる場合がある。一方、流入端面側が目封止されたものはアッシュの堆積が無いので、より好ましい。
一方、比較例1〜12の排ガス浄化装置は、粒子状物質の排出個数変化の評価が、全て「D」であり、捕集性能は実質的に略変化なし又は悪化する結果となった。比較例1〜4の排ガス浄化装置は、「第一セルの延びる方向と第二セルの延びる方向とのなす角度(°)」が極めて小さいため、捕集性能は殆ど向上しないという結果であった。比較例5は、「間隔t(mm)」が広いため、圧力損失が大きく上昇し、その結果、捕集性能も悪化することとなった。比較例6〜8の排ガス浄化装置は、「間隔t(mm)」が非常に広いため、圧力損失が大きく上昇し、捕集性能も悪化することとなった。比較例9〜12の排ガス浄化装置は、「第一セルの延びる方向と第二セルの延びる方向とのなす角度(°)」が非常に大きいため、圧力損失が大きく上昇し、その結果、捕集性能も悪化することとなった。
(実施例37)
実施例1と同様の方法で、第一ハニカム構造体を作成し、得られた第一ハニカム構造体の第一隔壁に、三元触媒を担持した。三元触媒としては、白金(Pt)、パラジウム(Pd)およびロジウム(Rh)を主成分とするものを用いた。触媒の担持量としては、170g/Lとした。上述したように、三元触媒を担持した第一ハニカム構造体をハニカム触媒体として用い、第二ハニカム構造体の隔壁の厚さを0.15mmとした以外は、実施例1と同様の方法で、排ガス浄化装置を作製した。即ち、実施例37の排ガス浄化装置は、ハニカムフィルタ、及び缶体の構成が、実施例1と同様であり、また、ハニカム触媒体及びハニカムフィルタの缶体の内部への配置状態も、実施例1と同様である。表3に、実施例37の排ガス浄化装置の、「第一セルの延びる方向と第二セルの延びる方向とのなす角度(°)」、「間隔t(mm)」、「ハニカム触媒体とハニカムフィルタの配置」、及び「目封止部の位置」を示す。
Figure 2014148924
(実施例38〜72)
「第一セルの延びる方向と第二セルの延びる方向とのなす角度(°)」、「間隔t(mm)」、「ハニカム触媒体とハニカムフィルタの配置」、及び「目封止部の位置」を表3に示すように変更した以外は、実施例37と同様の方法で、排ガス浄化装置を作製した。即ち、ハニカム触媒体、ハニカムフィルタ、及び缶体の構成は、実施例37と同じで、ハニカム触媒体とハニカムフィルタとの配置(即ち、傾き、間隔、及び目封止部の位置)を変えて排ガス浄化装置を作製した。
(比較例14〜25)
「第一セルの延びる方向と第二セルの延びる方向とのなす角度(°)」、「間隔t(mm)」、「ハニカム触媒体とハニカムフィルタの配置」、及び「目封止部の位置」を表4に示すように変更した以外は、実施例37と同様の方法で、排ガス浄化装置を作製した。即ち、ハニカム触媒体、ハニカムフィルタ、及び缶体の構成は、実施例37と同じで、ハニカム触媒体とハニカムフィルタとの配置(即ち、傾き、間隔、及び目封止部の位置)を変えて排ガス浄化装置を作製した。
(比較例26(評価の基準となる排ガス浄化装置))
「第一セルの延びる方向と第二セルの延びる方向とのなす角度(°)」、「間隔t(mm)」、及び「ハニカム触媒体とハニカムフィルタの配置」を表4に示すように変更した以外は、実施例37と同様の方法で、排ガス浄化装置を作製した。即ち、比較例26においては、ハニカム触媒体、ハニカムフィルタ、及び缶体の構成は、実施例37と同じで、ハニカム触媒体とハニカムフィルタとを、それらのセルの延びる方向がガスの流れ方向P3に対して、それぞれ平行となるように直列に配置して、排ガス浄化装置を作製した。比較例26においては、実施例37〜72、及び比較例14〜25の「間隔t」と同じ間隔となるように、複数の排ガス浄化装置を作製した。比較例26の排ガス浄化装置は、以下の「圧力損失の上昇評価」、及び「粒子状物質の排出個数変化」において、評価の基準となる排ガス浄化装置である。即ち、実施例37〜72、及び比較例14〜25の排ガス浄化装置についての評価を行う際に、「間隔t」が同じ値となる比較例26の排ガス浄化装置が、当該評価の基準となる。また、比較例26の各排ガス浄化装置を作製する際には、実施例37〜72、及び比較例14〜25の排ガス浄化装置に合わせて、「目封止部の位置」を決定した。このため、表4の「目封止部の位置」の欄には、「流入端面又は流出端面」と記す。
Figure 2014148924
実施例37〜72、及び比較例14〜25の排ガス浄化装置について、以下の方法で、「圧力損失の上昇評価」、及び「粒子状物質の排出個数変化」を行った。評価結果を、表3、及び表4に示す。
[圧力損失の上昇評価(実施例37〜72、及び比較例14〜26用)]
排気量2.0Lの4気筒の直噴ガソリンエンジンを設置したエンジンダイナモ装置を用いて、実施例37〜72、及び比較例14〜26の排ガス浄化装置の圧力損失の上昇評価を行った。具体的には、排気量2.0Lの4気筒の直噴ガソリンエンジンのエンジン排気マニホルドの出口側に、排ガス浄化装置を設置し、エンジン回転数:5500rpm、フルスロットル(WOT:Wide−Open Throttle)の状態における圧力損失を測定した。実施例37〜72、及び比較例14〜25の排ガス浄化装置の圧力損失と、「間隔t」が同じ値で且つ「目封止部の位置」が同じとなるように構成された比較例26の排ガス浄化装置の圧力損失とを、以下のA〜Dの評価基準で、評価した。
A:基準の比較例26の排ガス浄化装置の圧力損失を100%とした場合に、評価対象の排ガス浄化装置の圧力損失が、102%以下である。
B:基準の比較例26の排ガス浄化装置の圧力損失を100%とした場合に、評価対象の排ガス浄化装置の圧力損失が、102%を超え、104%以下である。
C:基準の比較例26の排ガス浄化装置の圧力損失を100%とした場合に、評価対象の排ガス浄化装置の圧力損失が、104%を超え、106%以下である。
D:基準の比較例26の排ガス浄化装置の圧力損失を100%とした場合に、評価対象の排ガス浄化装置の圧力損失が、106%を超える。
なお、圧力損失の上昇評価において、「A」の場合は、エンジン性能への影響は無視でき、特に良好であるといえる。「B」の場合は、エンジン性能への影響は、実用上あまり問題ないレベルであり、より良好であるといえる。「C」の場合は、エンジン性能への影響は、実用上大きな問題とならないレベルであり、良好であるといえる。「D」の場合は、エンジン性能への影響があり、不良であるといえる。
[粒子状物質の排出個数変化(実施例37〜72、及び比較例14〜26用)]
排気量2.0Lの4気筒の直噴ガソリンエンジン車をシャーシダイナモ装置上で走行させ、実施例37〜72、及び比較例14〜26の排ガス浄化装置の粒子状物質の排出個数変化の評価を行った。具体的には、排気量2.0Lの4気筒の直噴ガソリンエンジン車のエンジン排気マニホルドの出口側に、排ガス浄化装置を設置し、欧州NEDCモードで運転し、排ガス中の、排出個数(個/km)を測定した。実施例37〜72、及び比較例14〜25の排ガス浄化装置について、「間隔t」が同じ値で且つ「目封止部の位置」が同じとなるように構成された比較例26の排ガス浄化装置を基準として、以下のA〜Dの評価基準で、評価した。
A:基準の比較例26の排ガス浄化装置の排出個数と比較して、評価対象の排ガス浄化装置の排出個数が、40%超低下する。
B:基準の比較例26の排ガス浄化装置の排出個数と比較して、評価対象の排ガス浄化装置の排出個数が、20%超、40%以下低下する。
C:基準の比較例26の排ガス浄化装置の排出個数と比較して、評価対象の排ガス浄化装置の排出個数が、2%超、20%以下低下する。
D:基準の比較例26の排ガス浄化装置の排出個数と比較して、評価対象の排ガス浄化装置の排出個数の低下が2%以下である。評価対象の排ガス浄化装置の排出個数が、基準の比較例26の排ガス浄化装置の排出個数を上回る場合を含む。
なお、粒子状物質の排出個数変化の評価において、「A」の場合、粒子状物質の捕集性能は、特に良好であるといえる。「B」の場合、粒子状物質の捕集性能は、より良好であるといえる。「C」の場合、粒子状物質の捕集性能は、良好であるといえる。「D」の場合、粒子状物質の捕集性能は実質的に略変化なし又は悪化しているといえる。
(結果2)
表3及び表4に示すように、実施例37〜72の排ガス浄化装置は、圧力損失の上昇評価、及び粒子状物質の排出個数変化の評価において、共に良好な結果を得ることができた。一方、比較例14〜25の排ガス浄化装置は、粒子状物質の排出個数変化の評価が、全て「D」であり、捕集性能は実質的に略変化なし又は悪化する結果となった。このような結果により、本発明の排ガス浄化装置は、直噴ガソリンエンジン用の排ガス浄化装置としても好適に使用できることが確認された。
本発明の排ガス浄化装置は、内燃機関から排出される排ガスの浄化に用いることができる。
1,1a:第一隔壁、2,2a:第一セル、3,3a:第一外周壁、4,4a:第一ハニカム構造体、7:第一触媒、10,10a:ハニカム触媒体、11,11a:第一流入端面、12,12a:第一流出端面、21:第二隔壁、22:第二セル、22a:両端開口セル、22b:片側目封止セル、23:第二外周壁、24:第二ハニカム構造体、27:第二触媒、28:目封止部、30,30b:ハニカムフィルタ、31:第二流入端面、32:第二流出端面、50:缶体、51:胴部、52:流入口、53:流出口、55a,55b:把持材、100,101,102,103,104:排ガス浄化装置、G0,G1,G2,G3:ガス、P1:第一セルの延びる方向、P2:第二セルの延びる方向、P3:缶体の流入口から流入するガスの流れ方向、α:角度(ハニカム触媒体10の第一セルの延びる方向とハニカムフィルタの第二セルの延びる方向とのなす角度)。

Claims (6)

  1. ハニカム触媒体と、ハニカムフィルタと、前記ハニカム触媒体及び前記ハニカムフィルタが収納される筒状の缶体と、を備え、
    前記ハニカム触媒体が、第一流入端面から第一流出端面まで延びる複数の第一セルを区画形成する多孔質の第一隔壁及び最外周に配置された第一外周壁を有する筒状の第一ハニカム構造体と、前記第一ハニカム構造体の前記第一隔壁に担持された第一触媒と、を備え、
    前記ハニカムフィルタが、第二流入端面から第二流出端面まで延びる複数の第二セルを区画形成する多孔質の第二隔壁及び最外周に配置された第二外周壁を有する筒状の第二ハニカム構造体と、複数の前記第二セルのうちの一部の第二セルの前記第二流入端面側又は前記第二流出端面側の一方の端部を封止する目封止部と、前記第二ハニカム構造体の前記第二隔壁に担持された第二触媒と、を備え、
    前記ハニカムフィルタの前記一部の第二セルが、前記第二流入端面側又は前記第二流出端面側の一方の端部が前記目封止部によって塞がれた片側目封止セルであり、且つ、前記ハニカムフィルタの前記一部の第二セル以外の残りの第二セルが、前記第二流入端面及び前記第二流出端面が前記目封止部によって塞がれていない両端開口セルであり、前記ハニカムフィルタは、前記片側目封止セルと前記両端開口セルとが、前記第二隔壁を隔てて隣接して配置されたものであり、
    前記缶体が、エンジン排気マニホルドの出口側に接続される流入口と、前記ハニカム触媒体及び前記ハニカムフィルタが収納される胴部と、前記流入口から流入したガスを流出する流出口と、を備え、
    前記缶体の前記胴部が、前記胴部の内径が一定の大きさのストレート形状であり、
    前記胴部の内部に、前記ハニカム触媒体と前記ハニカムフィルタとが、前記ハニカム触媒体の前記第一流入端面が、前記缶体の前記流入口側に位置し、前記ハニカムフィルタの前記第二流出端面が、前記缶体の前記流出口側に位置し、前記ハニカム触媒体の前記第一流出端面から前記ハニカムフィルタの前記第二流入端面までの間隔が60mm以下で、且つ、前記ハニカム触媒体の前記第一セルの延びる方向と前記ハニカムフィルタの前記第二セルの延びる方向とのなす角度が2〜16°となるように配置されてなる排ガス浄化装置。
  2. 前記缶体の前記流入口から流入するガスの流れ方向に対して、前記ハニカム触媒体の前記第一セルの延びる方向が傾き、且つ前記ハニカムフィルタの前記第二セルの延びる方向が平行となるように、前記胴部の内部に、前記ハニカム触媒体と前記ハニカムフィルタとが配置されてなる請求項1に記載の排ガス浄化装置。
  3. 前記缶体の前記流入口から流入するガスの流れ方向に対して、前記ハニカム触媒体の前記第一セルの延びる方向が平行となり、且つ前記ハニカムフィルタの前記第二セルの延びる方向が傾くように、前記胴部の内部に、前記ハニカム触媒体と前記ハニカムフィルタとが配置されてなる請求項1に記載の排ガス浄化装置。
  4. 前記缶体の前記流入口から流入するガスの流れ方向に対して、前記ハニカム触媒体の前記第一セルの延びる方向と、前記ハニカムフィルタの前記第二セルの延びる方向とがそれぞれ傾くように、前記胴部の内部に、前記ハニカム触媒体と前記ハニカムフィルタとが配置されてなる請求項1に記載の排ガス浄化装置。
  5. 前記ハニカム触媒体は、筒状に形成された前記第一外周壁の延びる方向に対して、前記第一セルの延びる方向が傾くように前記第一隔壁が配置されたものである請求項1〜4のいずれか一項に記載の排ガス浄化装置。
  6. 前記ハニカムフィルタは、筒状に形成された前記第二外周壁の延びる方向に対して、前記第二セルの延びる方向が傾くように前記第二隔壁が配置されたものである請求項1〜5のいずれか一項に記載の排ガス浄化装置。
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