JP2004255377A - セラミックハニカム構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ハニカムフィルタ内における微粒子の不均一堆積の問題を解消し、再生(燃焼)を行う際に部分的な温度上昇を発生しにくくして、溶損や破損に至ることを防止し、且つ金属容器への収納時の取り扱いや、使用時の機械振動、機械的衝撃や熱衝撃にも耐え、長期間に亘り使用できるセラミックハニカム構造体を提供する。
【解決手段】 外周壁とこの外周壁の内側で隔壁により囲まれた流路を有する多孔質セラミックハニカム構造体であって、該セラミックハニカム構造体の端面と外周壁が略直交し、該外周壁が略円筒形状であり、前記隔壁の表面粗さが最大高さRyで10μm以上であり、且つ長手方向断面において隣り合う隔壁が略平行であると共に外周壁に対して少なくとも一部の隔壁が傾いていることを特徴とするセラミックハニカム
【選択図】 図3

Description

本発明は、自動車等の排気ガス浄化装置に使用されるセラミックハニカム構造体に関し、例えばディーゼルエンジンからの排気ガスを浄化するセラミックハニカム触媒や排気ガス中に含まれる微粒子を捕集するセラミックハニカムフィルタに使用するのに好適なセラミックハニカム構造体に関する。
ディーゼルエンジンからの排気ガス中に含まれる微粒子を除去するため、セラミックハニカム構造体の隔壁を多孔質構造とし、このハニカム構造体の流路開口部の両端を交互に目封止することにより、微粒子を含んだ排気ガスを前記隔壁に通過せしめる構造の微粒子捕集用のセラミックハニカムフィルタを採用する検討が進められている。
図1は、排気ガス中の微粒子を捕集するセラミックハニカムフィルタの使用例の一例を示す要部の模式断面概略図である。図1に示すように、セラミックハニカムフィルタ10は、把持部材13及び14を介して、収納容器12内に収納され、把持部材の面圧により、使用中に動かないように把持されている。通常セラミックハニカムフィルタ10の端面外周の形状は、ほぼ円筒状で、その外周壁11aとこの外周壁11aの内周側に各々直交する隔壁11bにより形成された複数の流路15を有し、この流路15の両端部が交互に入口側目封止部1a、出口側目封止部1bで封止されている。
このようなハニカムフィルタでの排気ガス浄化作用は以下の通り行われる。先ず、入口側排気ガス2aは収納容器12に収納されたセラミックハニカムフィルタ10の入口側端面10aの開口している流路15aから流入し、矢印で示すように、隔壁11bを通過し出口側排気ガス2bとして、出口側端面10bの開口している流路15bから排気される。入口側排気ガス2aが隔壁11bを通過する際に、入口側排気ガス2aに含まれる微粒子は、隔壁11bに捕捉され、浄化された排気ガスが出口側排気ガス2bとして、大気中に放出される。隔壁11bに捕捉された微粒子は一定量以上になるとフィルタの目詰まりが発生するため、バーナーや電気ヒーターにより燃焼させ、フィルタの再生が行われる。
しかしながら、フィルタを良好に再生するための最適な微粒子堆積量の範囲が狭く、最適範囲からはずれると、微粒子の自己発熱により、フィルタの溶融温度を超えてフィルタが溶損したり、或いは許容応力を超えてフィルタにクラックの発生することがあった。特にこの現象は、流路の流出側端部を閉塞する目封止部1bの上流付近で発生しやすかった。
このような現象が発生するのは、以下の理由による。フィルタ上に堆積した微粒子は、入口側端面で排ガス中の火花や点火ヒーターによって着火し、入口側端面で燃焼が広がり、それと同時に流路内を下流に向かって燃焼する。図1に示すように、セラミックハニカムフィルタ10において、排ガス中の微粒子の一部は入口側端面10aに堆積し、大部分は流路15内の入口排ガス通路15aの隔壁11bに堆積する。ここで、入口側端面10aに堆積した微粒子に着火すると、入口側端面10aで燃焼が広がり、それと同時に入口排ガス通路15aの隔壁11bに堆積した微粒子に伝播して流路15内を下流に向かって、燃焼する。入口排ガス通路15aの隔壁11bに堆積した微粒子が燃焼した上流側の隔壁では圧力損失が小さくなり、この部分の隔壁を通過して入口排ガス通路15aから出口側排ガス通路15bに流れる排ガス量が増加し、下流側の隔壁を通過する排ガス量が減少する。燃焼が流路15a内を下流に向かって伝播するに伴って、この傾向はさらに著しくなる。そこで、下流側の隔壁11bに堆積した微粒子が燃焼する時には、上流側に比べて、同じ微粒子量が燃焼する間に通過する排ガス量が少ないので、排ガスによる冷却作用が少ない。その結果、下流側の隔壁11bでは、上流側に比べて燃焼中の温度が高温になる。従って、入口側で、排ガスフィルタの再生に適した温度になるようにすると、出口側では燃焼温度が高温になり過ぎて、隔壁11bの溶融、及び熱衝撃による破壊などの問題が生じていた。
上記問題を解決するため、特許文献1に記載の発明には、ハニカム構造体のセル(流路)の各々において、排気ガス入口側の内径を、出口側の内径より大きくし、排ガス通路をテーパ状にした排ガスフィルタが開示されている。本排ガスフィルタによれば、流路がテーパ状になっていることから、下流側の流路の面積が上流側に比べて小さく、堆積する微粒子量も少なくなる。排ガス流量は上流側でも下流側でも変わらないため、下流側では、微粒子の燃焼により発生する熱量が少なく、排ガスによる冷却作用は変わらないので、結果として、下流側では上流側に比べて、燃焼温度の上昇を少なくすることができ、流路15の下流側での過度の温度上昇を防ぎ、フィルタ全体に温度むらの少ない、均一な温度分布で燃焼させることができる。従って、排ガスフィルタの再生が容易になるとともに、過度の温度上昇によるクラックや溶融の問題をなくすことができるとしている。
一方、排ガス通路をテーパ状にする技術として、特許文献2に記載の発明には、ハニカム構造体の複数のチャンネル(流路)の少なくとも一部は、少なくとも一方向の断面寸法が長さ方向に沿って減縮するチャンネル断面と、厚さが長さ方向に沿って減縮する隣接のチャンネル壁部分とを有するセルラハニカム体が開示されている。このセルラハニカム体によれば、従来の可塑化された粉末バッチ材料からハニカムを直接押し出すことによって作製可能なものより微細なセル構造と薄いセル壁(隔壁)を備えた製品を提供できるとしている。例えば、1600セル/(1平方インチ)と0.1mm未満の隔壁厚さの隔壁構造が容易に得られるとしている。
また、特許文献3には、多数の流路(通気孔)を有するハニカム体と、この流路の内面に向けて紫外線を照射する紫外線ランプを有してなり、ハニカム体の内面には紫外線の照射により励起される光励起化触媒物質が担持され、当該流路は空気の流れる方向に角度をもって配置される空気浄化装置が開示されている。この構成により、ハニカム体に形成された流路は空気の流れる方向に対して角度を持って構成されるため、空気流入口から空気流出口に向けて汚染空気が直進するのでなく、風路を曲げられた形で流過することになり、流路近辺で乱流が生じるとともに、流路近辺における汚染空気の滞留時間も長くなるので、紫外線照射を受ける時間を長くすることができるとしている。
特開昭63−7817号公報 特表2001−526129号公報 特開平9−66096号公報 特許第2604876号公報 特許第2613729号公報
しかしながら、上記従来技術の、流路の断面寸法を長さ方向に沿って減縮しテーパ状としたハニカム構造体や、流路を排気ガスの流入する方向に傾けたハニカム構造体を、例えばハニカムフィルタとして実際に使用してみると、以下のように、微粒子の不均一堆積による微粒子燃焼温度の局所的上昇が発生して、クラックや溶損が発生したり、金属容器内への収納に伴う不具合の発生する場合があった。
特許文献1に記載の排ガスフィルタは、流路の入口側の内径を出口側の内径より大きくし、排ガス通路をテーパ状にしたハニカム構造体を使用しているが、本発明者らが実際にハニカムフィルタに採用してみると、流路に流入した排気ガスは流路入口からスムーズに浸入し、流路内を層流状態で直進し易く、排ガス中の微粒子は、流路の出口側端面を閉塞する目封止部1bの上流側端面に高濃度で堆積しやすくなり、ハニカムフィルタ内での微粒子の堆積に不均一が生じることがあった。このため、フィルタ再生の際に目封止部1bの上流側端面での微粒子の自己発熱に伴う温度上昇により、隔壁にクラックや溶損の発生することがあった。また、隔壁の表面粗さや気孔率については何ら考慮されていないこともあり、隔壁に沿って流れる排ガス中の微粒子は隔壁で効率良く捕集されない場合もあり、微粒子が流路の出口側端面を閉塞する目封止部1bの上流側端面に高濃度で堆積しやすいという問題点も有していた。また、特許文献1の第2図に記載されているように、排ガス通路をテーパ状とするのに伴い、外周壁もテーパ状となるため、ハニカム構造体の端面と外周壁により形成される交差部の少なくとも一部が鋭角を形成し、当該交差部がシャープエッジとなるため、金属容器への収納の際に破損したり、ハニカムフィルタとして使用した際の機械的振動や熱応力により鋭角交差部からクラックが発生し、場合によっては隔壁が脱落し、浄化不能になることもあるという問題も抱えていた。また、外周壁がテーパ状であることから、テーパを有さない内周面を持つ通常の金属容器への収納作業が難しいという問題点もあった。更に、ハニカム構造体は、セラミック原料を口金から押出すことにより一定断面形状を連続的に成形するという押出成形法で製造されることから、排ガス通路をテーパ状に製造することは困難であった。
また、特許文献2に記載のハニカム構造体については、流路の所望部位を目封止し、排ガス中の微粒子を隔壁で捕集することにより排ガスを浄化するハニカムフィルタに関する記載は一切なされていないが、従来技術に鑑み、流路の所望部位を目封止してハニカムフィルタとすると、流路の少なくとも一部の断面寸法が長さ方向に向かって減縮し、隔壁断面が長さ方向に沿って減縮しており、また、隔壁の表面粗さや気孔率については何ら考慮されていないことから、流路に流入した排ガスは流路入口からスムーズに浸入して隔壁での捕集が充分行われず、流路内を層流状態で直進し易くなるため、排ガス中の微粒子は、流路の流出側端部を閉塞する目封止部1bの上流側端面に高濃度で堆積しやすくなる。このため、ハニカムフィルタ内での微粒子の堆積に不均一が生じ、フィルタの再生の際に、微粒子の自己発熱に伴う温度上昇により、隔壁の溶損やクラック発生につながることが推定される。また、特許文献2のFIG.1で示されるように、端面と外周壁により形成される交差部の少なくとも一部が鋭角を形成し、当該交差部がシャープエッジとなるため、金属容器への収納の際に破損したり、ハニカムフィルタとして使用した際の機械的振動や熱応力により、鋭角交差部からクラックが発生し、場合によっては隔壁が脱落し、浄化不能になることもあるという問題も抱えていた。また、外周壁がテーパ状であることから、テーパを有さない内周面を持つ通常の金属容器への収納作業が難しいという問題点もあった。更に、ハニカム構造体は、セラミック原料を口金から押出すことにより一定断面形状を連続的に成形するという押出成形法で製造されることから、流路の断面を長さ方向に向かって減縮することは困難であった。
また、特許文献3に記載の空気浄化装置では、ハニカム構造体を空気の流れる方向に対してハニカム体全体が傾くように配置しているが、特許文献3の図2及び図5に示されるように、ハニカム体が傾くことによって、余分なスペースの必要になる。仮に、本発明の主な利用分野である、自動車等の排気ガス浄化装置に適用しようとした場合、自動車等の取り付けスペースは限定されることから、取り付けが困難になるといった問題や、排気経路を傾けた特別の金属容器が必要になるといった問題につながることがあった。一方、特許文献3に記載の発明には、通気孔(流路)がハニカム体の中で角度をもって形成されていても良く、この場合浄化ユニットの底板に対して略直角にハニカム体を挿入すれば足りるとの記載があるが、流路をハニカム体の中で傾ける方法の具体的記載がないため、製造技術の高度化により、複雑形状を高精度で得ているセラミックハニカム構造体に対しては、外周壁に対して流路(隔壁)を傾けることは、困難であるとういう問題点があった。また、隔壁の表面粗さや気孔率については何ら考慮されていないことから、従来技術に鑑み、流路の所望部位を目封止してハニカムフィルタとして使用した場合、流路に流入した排気ガスは流路入口からスムーズに浸入して、隔壁での捕集が充分行われず、流路内を層流状態で直進し易くなるため、排気ガス中の微粒子は、流路の流出側端部を閉塞する目封止部1bの上流側端面に高濃度で堆積しやすくなる。このため、ハニカムフィルタ内での微粒子の堆積に不均一が生じ、フィルタ再生の際に、微粒子の自己発熱に伴う温度上昇により、隔壁の溶損やクラック発生につながるという問題点があった。
本発明の目的は、例えばハニカムフィルタ内における微粒子の不均一堆積の問題を解消し、再生(燃焼)を行う際に部分的な温度上昇を発生しにくくして、溶損や破損に至ることを防止し、且つ金属容器への収納時の取り扱いや、使用時の機械振動、機械的衝撃や熱衝撃にも耐え、長期間に亘り使用できるセラミックハニカム構造体を提供することを目的とする。
上記問題を解決するため、本発明者等は、外周壁とこの外周壁の内側で隔壁により囲まれた流路を有する多孔質セラミックハニカム構造体の、排気ガスの流れ方向に対するハニカムフィルタの外形形状、及び隔壁の配置について、鋭意検討を行った結果、これらを最適な範囲に調整することによって、例えば排気ガス中の微粒子をハニカム構造体内で比較的均等に堆積させることができ、従来技術で問題となっていた再生時における局所的過度な温度上昇による溶損やクラック発生の問題や、金属容器への収納時の不具合、使用時の機械的衝撃や熱衝撃による破損の問題が起こりにくくなることを見出し本発明に想到した。
すなわち、本発明に係るセラミックハニカム構造体は、外周壁とこの外周壁の内側で隔壁により囲まれた流路を有する多孔質セラミックハニカム構造体であって、該セラミックハニカム構造体の端面と外周壁が略直交し、該外周壁が略円筒形状であり、前記隔壁の表面粗さが最大高さRyで10μm以上であり、且つ長手方向断面において隣り合う隔壁が略平行であると共に外周壁に対して少なくとも一部の隔壁が傾いていることを特徴とする。
本発明のセラミックハニカム構造体は、前記隔壁の気孔率が50〜80%であって、前記流路の所望部位が目封止され、フィルタとして使用されることが好ましい。
本発明のセラミックハニカム構造体の隔壁に沿って切断した2等分割断面において、隔壁の長手方向端部が外周壁と接する隔壁を1〜6ケ有することが好ましい。
また、本発明のセラミックハニカム構造体の隔壁に沿って切断した2等分割断面において、前記外周壁に対して少なくとも一部の隔壁が0.3〜3.3°傾いていることが好ましい。
本発明のセラミックハニカム構造体において、前記セラミックハニカム構造体の隔壁及び/または目封止部の少なくとも一部に触媒物質が担持されていることが好ましい。
本発明のセラミックハニカム構造体において、最外周に位置する流路が外部との間の隔壁を有しないことによって外部に開口して概略軸方向に延びる凹溝を形成しているセラミックハニカム本体の、前記凹溝を充填して外表面を形成する外周壁が形成されており、外周壁を構成する部材と凹溝の間の少なくとも一部に空隙を有していることが好ましい。
本発明のセラミックハニカム構造体において、前記外周壁を構成する部材と凹溝の間に形成された空隙を有する凹溝の個数割合が全凹溝のうちの5%以上であることが好ましい。
本発明のセラミックハニカム構造体において、最外周に位置する流路が外部との間の隔壁を有しないことによって外部に開口して概略軸方向に延びる凹溝を形成しているセラミックハニカム本体の、前記凹溝を充填して外表面を形成する外周壁が形成されており、外周壁の少なくとも一部に外表面に開口した空隙を有していることが好ましい。
本発明のセラミックハニカム構造体において、前記外表面に開口した空隙の長さの合計がセラミックハニカム構造体全長の1倍以上であることが好ましい。
次に、本発明の各構成の理由を説明する。
本発明のセラミックハニカム構造体について、図3のセラミックハニカムフィルタの隔壁に沿って切断した2等分割断面模式図を用いて説明する。本発明のセラミックハニカム構造体は、端面と外周壁が略直交し、該外周壁が略円筒形状であり、前記隔壁11bの表面粗さが最大高さRyで10μm以上あり、且つ長手方向断面において隣り合う隔壁11bが略平行であると共に外周壁11aに対して少なくとも一部の隔壁11bが傾いている。このため、ハニカム構造体の隔壁がハニカム構造体の外周壁と平行の場合、或いは流路がテーパ状になっている場合に比べて、例えば流路に流入した微粒子を含む排気ガス2aは、排気ガスの流入方向に対して傾いた隔壁でその方向を曲げられ、流路内の排気ガスの流れに乱れが生じるため、表面粗さが最大高さRyで10μm以上を有する隔壁が、排気ガス中に存在する微粒子を入口側から出口側に亘って捕集し易くなる。このため、排気ガス流出側端部の目封止部付近に微粒子が集中的に堆積することを防止し、ハニカムフィルタ全体、特にハニカムフィルタの長手方向に亘って略均一に微粒子を分散させることが出来るので、フィルタ再生を行う際の微粒子の部分的な堆積箇所での急激な温度上昇を抑えることができ、再生を容易に行うことができる。
また、本発明のセラミックハニカム構造体は、該ハニカム構造体端面と外周壁が略直交し、該外周壁が略円筒形状であるため、ハニカム構造体の外周壁と端面の交差部が略直角となって、特許文献1及び2の発明に記載されたハニカム構造体のような鋭角部は形成されないことから、金属容器への収納の際に破損することがなく、ハニカムフィルタとして使用された際の機械的振動や熱応力による破損を防ぐことができるのと共に、特許文献1及び2の発明に記載されたハニカム構造体のように外周がテーパ状になっていないため、金属容器内への収納も容易に行える。尚、セラミックハニカム構造体の外周壁と端面の交差部には大きさ0.5〜3mm程度のRまたは面取りを施すと、より破損しにくくなるのでより好ましい。ここで、外周壁に対して隔壁を傾けるのは、全ての隔壁で行う必要はなく、一部の隔壁もしくは隔壁の長手方向の一部でも構わない。また、その傾きの角度はハニカム構造体全域に亘って一定である必要もなく、ハニカム構造体内の位置によって変わっても構わない。
ここで、長手方向断面において隣り合う隔壁11bが略平行であるとは、一つの流路を形成する隣接する隔壁の間隔が、略一定で有ることをいい、流路の入り口から出口にわたって、(隔壁間隔の平均値)×(±0.2)内であることを言う。また、端面と外周壁が略直交しているとは、一方の端面に幾何学的に直角な曲面に対して、他方の端面のずれ量が(全長)×{±tan(0.3°)}内であることを言い、外周壁が略円筒形状であるとは、両端面から12.7mmの位置で等間隔で各4ケ所測定した外径寸法が(合計8ケ所)、(外径寸法の平均値)×(±0.01)内であることを言う。
ここで、本発明のハニカム構造体において、隔壁の表面粗さを最大高さRyで10μm以上とするのは、隔壁の表面粗さが最大高さRyで10μm以上の場合には、隔壁表面に形成された凹凸部により、例えば排気ガス中の微粒子を効率良く捕集することが可能となるからである。隔壁の表面粗さのより好ましい範囲は、最大高さRyで20〜100μmである。尚、最大高さRyは、表面粗さ計により、隔壁表面形状を長手方向に測定し、
JIS B 0601−1994に準じて求めたものである。
本発明のセラミックハニカム構造体において、前記隔壁の気孔率が50〜80%であって、前記流路の所望部位が目封止され、フィルタとして使用されることが好ましいのは、前記隔壁11bの気孔率が50〜80%であると、例えば排気ガス中の微粒子を捕集し易いのと共に、前記流路の所望部位が目封止されたフィルタとして使用した場合にフィルタの圧力損失が上昇するのを防ぎ、エンジンの出力低下を防ぐためである。このため、排気ガス流出側端部の目封止部付近に微粒子が集中的に堆積することを防止し、ハニカムフィルタ全体、特にハニカムフィルタの長手方向に亘って略均一に微粒子を堆積させることが出来るので、圧力損失の上昇を防ぐと共に、フィルタ再生を行う際の微粒子の部分的な堆積箇所での急激な温度上昇を抑えることができ、再生を容易に行うことができる。
この理由は、本発明のセラミックハニカム構造体において、隔壁の気孔率が50%未満の場合には、隔壁自体の排気ガスの透過性が低下し、排気ガス出口側の目封止部に微粒子が高濃度に堆積しやすくなるのと共に、ハニカム構造体の圧力損失が高くなるからである。一方、気孔率が80%を超えると微粒子の捕集効率が低下するのとともに、ハニカム構造体の強度が低下するからである。この気孔率のより好ましい範囲は60〜75%である。
本発明のセラミックハニカム構造体の隔壁に沿って切断した2等分割断面において、隔壁の長手方向端部が外周壁と接する隔壁を1〜6ケ有することが好ましいのは、上述したように、隔壁の表面粗さをRy10μm以上とし、且つ長手方向断面において外周壁に対して少なくとも一部の隔壁を傾かせていると、排気ガス中に存在する微粒子を入口側から出口側に亘る隔壁で捕集し易くなるが、その傾きには好適な範囲があるからである。
ここで、外周壁に対する隔壁の傾きの大きさについて、図2〜図4を用いて説明する。図2は、本発明のセラミックハニカム構造体で形成されたセラミックハニカムフィルタの流路入口側から見た端面を示す模式図である。図3は、前述のように外周壁と隔壁が傾きをなすように形成されたセラミックハニカム構造体で作製されたセラミックハニカムフィルタの隔壁に沿って切断した2等分割断面の模式断面図の一例を示したものであるが、外周近傍の隔壁端部11b−tが外周壁で接するように形成されている。ここで、隔壁に沿って切断した2等分割断面とは、セラミックハニカム構造体を長手方向に凡そ同一の大きさに2分割する際に、隔壁に沿うように切断した面のことをいい、図4に切断の箇所17を示す。図3の例では隔壁の長手方向端部が外周壁と接する隔壁は1ヶである。このセラミックハニカム構造体の外周壁は段落(0039)に記載するように外部に開口して軸方向に延びる凹溝を形成しているセラミックハニカム本体の凹溝に外周壁を構成する部材を充填して形成されるものであるが、図4は、本発明のセラミックハニカム構造体において、外周壁が形成される前のセラミックハニカム本体の外観模式図を示している。但し、この模式図では外部に開口して軸方向に延びる凹溝の記載は省略している。このセラミックハニカム本体に外周壁を形成すると、外周壁と隔壁の端部11b−tが接するように形成されることが認識される。従って、セラミックハニカム構造体の隔壁に沿って切断した2等分割断面において、隔壁の長手方向端部が外周壁と接する隔壁の数と、外周壁に対する隔壁の傾きは相関があり、隔壁の長手方向端部が外周壁と接する隔壁の数を1〜6ヶと規定することにより、外周壁に対する隔壁の傾きの範囲を規定することができるのである。
本発明のセラミックハニカム構造体の隔壁に沿って切断した2等分割断面において、隔壁の長手方向端部が外周壁と接する隔壁の数を1〜6ヶ有することが好ましいとするのは、以下の理由による。セラミックハニカム構造体において、隔壁の長手方向端部が外周壁と接する隔壁が1ケ未満であると、外周壁に対する隔壁の傾きが小さく、流路内での排気ガスの流れに乱れを生じさせにくいため、例えば微粒子が排気ガス出口側目封止部付近へ高濃度で堆積するのを防ぐ効果が小さくなることもあるからである。また、セラミックハニカム構造体の長手方向端部が外周壁と接する隔壁が6ケを超えるようにすると、入口側から出口側に貫通しない流路の割合が増え、例えばセラミックハニカムフィルタの場合、実質的にフィルタ面積が小さくなることから、圧力損失が上昇することもあるからである。なお、セラミックハニカム構造体の隔壁に沿って切断した2等分割断面において、長手方向端部が外周壁と接する隔壁を1〜4ケ有すると、上記観点から尚好ましい。
セラミックハニカム構造体の隔壁に沿って切断した2等分割断面において外周壁に対して少なくとも一部の隔壁が傾いている、別の例を、図5〜8を用いて説明する。図5はセラミックハニカム構造体の隔壁に沿って切断した2等分割断面の模式断面図の一例を示したものであり、外周近傍の隔壁端部が2ケ所で外周壁と接するように形成される。図6は、図5のセラミックハニカム構造体において、外周壁を形成する前のセラミックハニカム本体の外観模式図を示したものであり、隔壁に沿って切断した2等分割断面において、隔壁の長手方向端部が外周壁と接する隔壁の数が2ケであることが認識される。図6の外観模式図においても、外部に開口して軸方向に延びる凹溝の記載は省略している。
図7は、セラミックハニカム構造体の隔壁に沿って切断した2等分割断面の模式断面図の一例を示したものであり、隔壁の傾きが長手方向で変化しており、外周近傍の隔壁端部が2ケ所で外周壁と接するように形成されたものである。図8は、図7のセラミックハニカム構造体において、外周壁を形成する前のセラミックハニカム本体の外観模式図を示したものであり、隔壁に沿って切断した2等分割断面において、隔壁の長手方向端部が外周壁と2ケ所で接しているが、外周壁と接する隔壁の数は1ケに相当することが認識される。図8の外観模式図においても、外部に開口して軸方向に延びる凹溝の記載は省略している。
前記ハニカム構造体の隔壁に沿って切断した2等分割断面において、外周壁に対して少なくとも一部の隔壁が0.3〜3.3°傾いているとより好ましいのは、上記同様、外周壁と隔壁の傾きには最適な範囲があるからである。即ち、前記ハニカム構造体の隔壁に沿って切断した2等分割断面において、外周壁に対して少なくとも一部の隔壁が0.3°未満で傾いていると、例えば微粒子が排気ガス出口側目封止部付近へ高濃度で堆積するのを防ぐ効果が小さくなることもあるからであり、3.3°を超えて傾いていると、入口側から出口側に貫通しない流路の割合が増え、例えばセラミックハニカムフィルタの場合、実質的にフィルタ面積が小さくなることから、圧力損失が上昇することもあるからである。なお、前記ハニカム構造体の長手方向断面において、外周壁に対して少なくとも一部の隔壁が0.5〜2°傾いていると、上記観点から更に好ましい。
本発明のセラミックハニカム構造体において、前記セラミックハニカム構造体の隔壁及び/または目封止部の少なくとも一部に触媒物質が担持されていることが好ましい理由は、排気ガス流入方向に対して傾いた隔壁表面に担持された触媒物質の作用により、より隔壁での微粒子の捕集、浄化が行われ易くなるため、排気ガス出口側端面の目封止部付近に微粒子が集中的に堆積することを防止し易くなるからである。ここで触媒物質は、白金族金属を含む酸化触媒や微粒子燃焼触媒であると好ましい。尚、白金族金属を含む酸化触媒は、たとえば、Pt、Pd、Ru、Rh又はその組合せ、白金族金属酸化物等が含まれるが、アルカリ土類金属酸化物や希土類酸化物等を含んでも良い。また、白金族金属を含む触媒物質には、公知のγアルミナ等の活性アルミナからなる高比表面積材料が含まれると、白金族金属等と排気ガスとの接触面積を大きくすることができ、排気ガスの浄化効率を高めることができることから好ましい。また、微粒子燃焼触媒としては、ベース金属触媒、典型的にはランタン、セシウム、バナジウム(La/Cs/V)類よりなる触媒物質であると好ましい。
本発明のセラミックハニカム構造体において、最外周に位置する流路が外部との間の隔壁を有しないことによって外部に開口して概略軸方向に延びる凹溝を形成しているセラミックハニカム本体の、前記凹溝を充填して外表面を形成する外周壁が形成されており、外周壁を構成する部材と凹溝の間の少なくとも一部に空隙を有していることが好ましいのは、以下の理由による。本発明の構成である外周壁と隔壁が傾きをなし、かつハニカム構造体端面と外周壁が略直交するようにするには、公知技術(例えば特許文献4及び5に記載の技術)を使用して、ハニカム構造体の周縁部を隔壁が傾きをなすように除去加工し、最外周に位置する流路が外部との間の隔壁を有しないことによって外部に開口して概略軸方向に延びる凹溝を形成したセラミックハニカム本体の前記凹溝を充填して外表面を形成する外周壁を形成する。この場合隔壁を備えたセラミックハニカム本体と外周壁の熱膨張係数を一致させることは、困難であるため、このようなセラミックハニカム構造体が排気ガスで急熱されると、セラミックハニカム構造体の中心部の温度が上昇する一方、外壁部は把持部材、金属容器を介して外気温度に接しており外周壁部の温度は上昇しにくいため、中心部と外壁部の温度差により、外表面に引張応力が作用、クラックが発生し、強固に固着している外壁部と凹溝界面を貫通し、隣接した流路の隔壁へと連鎖的に進展するようになることがあった。隔壁にクラックが進展すると、隔壁が脱落して排ガスの浄化性能が低下したり、微粒子捕集用フィルタの場合は、入口側と出口側の流路が連通してしまうため、微粒子の捕集率が低下するといった、排気ガス浄化装置の浄化性能に係わる、極めて重要な問題に発展することがあった。このため、隔壁で囲まれた多数の流路のうち、最外周に位置する流路が、外部との間の隔壁を有しないことによって、外部に開口して軸方向に延びる凹溝を形成しているセラミックハニカム本体の、前記凹溝を充填して外表面を形成する外壁部を有するセラミックハニカム構造体において、図13に示すように、前記外壁部と凹溝との間の少なくとも一部に空隙を有する場合には、ハニカム構造体の耐熱衝撃性が大幅に向上する。即ち、本発明のセラミックハニカム構造体が例えば排気ガスにより急熱された場合には、熱衝撃により外壁部に発生する応力をこの空隙が開放するため、外周壁に発生したクラックが隔壁に進展しにくくなるため、隔壁が脱落して排ガスの浄化性能が低下したり、微粒子捕集用フィルタの場合は、入口側と出口側の流路が連通し、微粒子の捕集率が低下するといった、排気ガス浄化装置の浄化性能に係わる、致命的な問題に発展することを防ぐことが出来る。また、本発明のセラミックハニカム構造体は、外壁部と凹溝を構成する隔壁の間の接着面積が小さくなることから、両者界面の熱膨張係数差により生じる残留応力が低減できるため、熱衝撃によるクラックが発生しにくいという効果も有している。
本発明のセラミックハニカム構造体において、前記外壁部を構成する部材と凹溝の間に空隙を有する凹溝の個数割合が全凹溝のうちの5%以上であることが好ましいのは、前記外壁部を構成する部材と凹溝の間に空隙を有する凹溝が多数存在する場合には、熱衝撃応力を開放する観点からすれば、効果が大きいからである。20%以上であれば更に好ましい。前記外壁部を構成する部材と凹溝の間に空隙部を有する凹溝の個数割合が95%を超えると、凹溝を構成する隔壁と、外壁部を構成する部材間の接着面積が減少し、アイソスタティック強度が低下すると共に、外壁部がセラミックハニカム本体から剥離し易くなるため好ましくない。外壁部を構成する部材と凹溝の間に空隙を有する凹溝のより好ましい個数割合は全凹溝のうちの20〜90%である。
ここで、外壁部を構成する部材と凹溝の間に空隙を有する凹溝とは、図13に断面模式図で示すように隔壁で囲まれた多数のセルのうち、最外周に位置する流路が、外部との間の隔壁を有しないことによって、外部に開口して軸方向に延びる凹溝を形成しているセラミックハニカム本体の、前記凹溝の全領域が外周壁部材で充填されていない凹溝のことをいい、図14に示すように、凹溝を構成する隔壁の端部51、54と凹溝を構成する隔壁の交点52、53で形成される凹溝長さ51−52−53−54のうち、外壁部を構成する部材と接触している部分の長さ即ち、接触部長さ51−55、56−57、58−54の合計長さの割合が95%以下の凹溝のことをいう。ここで、外壁部を構成する部材と凹溝の間に形成された空隙について凹溝の一断面を用いて説明したが、この空隙は、ハニカム構造体の軸方向に連続的に形成されていると、ハニカム構造体全体に発生する熱衝撃応力を開放する意味で好ましい。但し、この空隙の形態は例えば図13に示す形態が、軸方向全長に亘って全て同一である必要はなく、外壁部を構成する部材と隔壁の接触長さの割合がハニカム構造体の軸方向の位置によって異なっても、熱応力を開放する効果は有している。
図18は、本発明のセラミックハニカム構造体の隔壁に沿って切断した2等分割断面において、隔壁の長手方向端部11b−tが外周壁11aと接する箇所の拡大模式図を示している。本発明のセラミックハニカム構造体は、隔壁が外周壁に対して傾いていることから、最外周に位置して外部に開口して延びる凹溝は複数存在し、外周壁を形成する部材は、複数の凹溝に充填される。
本発明のセラミックハニカム構造体において、最外周に位置する流路が外部との間の隔壁を有しないことによって外部に開口して概略軸方向に延びる凹溝を形成しているセラミックハニカム本体の、前記凹溝を充填して外表面を形成する外周壁が形成されており、外周壁の少なくとも一部に外表面に開口した空隙を有していることが好ましいのは以下の理由による。即ち、本発明のセラミックハニカム構造体が例えば排気ガスにより急熱された場合には、予め外周壁の外表面に開口した空隙が形成されていることから、当該空隙の開口幅が拡大することによって、外周壁に作用する熱衝撃応力が開放されるため、熱衝撃によるクラックが、外周壁と隔壁との接合界面を超え、隔壁に進展することを防げるからである。このため、隔壁が脱落して排ガスの浄化性能が低下したり、微粒子捕集用フィルタの場合は、入口側と出口側の流路が連通し、微粒子の捕集率が低下するといった、排気ガス浄化装置の浄化性能に係わる、致命的な問題に発展することを防ぐことが出来るのである。
ここでいう外表面に開口した空隙とは外表面における開口幅が代表的には2μm以上で長さ100μm以上の細長い形状のものを指し、外周壁に形成された気孔とは区別されるものである。例えば、図15に模式図に示すように、空隙部41は、軸方向に延びる凹溝18に充填された外周壁11aの外表面に形成されており、その深さ方向の先端は、外周壁内で閉じている場合や、凹溝18まで到達している場合等がある。意図的に形成した、この空隙部を外表面側から観察した走査型電子顕微鏡写真を図16に示す。
また、外表面に開口した空隙は図17(a)(b)(c)に示すように、軸方向に存在する場合のみならず、図17(d)(e)に示すように円周方向等に存在しても良いし、図17(f)に示すように亀甲状に存在しても、前記述べたように熱衝撃による応力を開放する効果がある。
ここで、前記外表面に開口した空隙の長さの合計がセラミックハニカム構造体全長の1倍以上であることが好ましいとしたのは、空隙が多数存在すれば、熱衝撃応力を開放する観点からすれば、効果が大きいのであるが、空隙の長さの合計がセラミックハニカム構造体全長の1倍以上あれば、少なくともハニカム構造体の外周壁に発生する熱衝撃応力の円周方向成分をセラミックハニカム構造体の全長に亘って開放できることから、熱衝撃性向上の効果が得られるためである。ここで、空隙の長さの合計とは、ハニカム構造体1ケ中の外表面に開口した空隙の長さの合計のことであり、ハニカム構造体1ヶ中に複数存在する場合はこれらの総和で表す。例えば、図17(a)は、空隙の長さの合計がセラミックハニカム構造体全長の1倍に相当し、図17(c)は、空隙の長さの合計がセラミックハニカム構造体全長の1倍より少し大きい場合に相当する。尚、空隙の長さの合計がセラミックハニカム構造体全長の3倍以上であれば、よりその効果が大きくなる。
また、本発明のセラミックハニカム構造体の隔壁の平均細孔径は10〜40μmが良い。隔壁の気孔率との関係もあるが、隔壁の平均細孔径を10〜40μmとしたのは、平均細孔径が10μm未満であると圧力損失が大きくなり、平均細孔径が40μmを越えると微粒子が隔壁を通過して捕集効率が低下し、また強度も低下するため、微粒子捕集用フィルタとして適さないからである。なお、気孔率及び平均細孔径は、水銀ポロシメータを用いて測定する。
本発明のセラミックハニカム構造体の隔壁厚は0.1〜0.5mmが好ましく、隔壁のピッチは1.3mm以上が好ましい。隔壁厚が0.1mm未満の場合は、特に外径が150mmを越えるようなセラミックハニカム構造体を製造する際に隔壁の強度が低下し、好ましくない。一方、隔壁厚が0.5mmを超える場合は、セラミックハニカム構造体の排気ガスに対する隔壁の通気抵抗が大きくなり、圧力損失が大きくなるからである。より好ましい隔壁厚さは、0.2〜0.4mmである。また、隔壁のピッチが1.3mm未満の場合は、セラミックハニカム構造体の流路の開口面積が小さくなることから、セラミックハニカム構造体の入口の圧力損失が大きくなるためである。セラミックハニカム構造体の圧力損失が大きくなると、エンジンの出力低下につながることから好ましくない。
本発明のセラミックハニカム構造体の隔壁を構成するセラミック材料としては、本発明が主にディーゼルエンジンの排気ガス中の微粒子を除去するためのフィルタや触媒担体として使用されるため、耐熱性に優れた材料を使用することが好ましく、コージェライト、アルミナ、ムライト、窒化珪素、炭化珪素及びLASからなる群から選ばれた少なくとも1種を主結晶とするセラミック材料を用いることが好ましい。中でも、コージェライトを主結晶とするセラミックハニカム構造体は、安価で耐熱性、耐化学性に優れ、また低熱膨張であることから最も好ましい。
本発明のセラミックハニカム構造体において、外周壁を構成する部材としては、本発明が凹溝を構成する隔壁と、該凹溝に充填された外周壁の熱膨張係数差は小さい方が好ましいが、これに限定する必要はなく、隔壁を構成する材料に対して適宜選定すれば良い。例えばコージェライト、アルミナ、ムライト、窒化珪素、炭化珪素及びLASから選ばれたセラミック材料としても良いし、コージェライト、シリカ、アルミナ、ムライト、炭化珪素、窒化珪素等から選ばれる耐熱性セラミックス骨材粒子に無機バインダー、必要に応じてセラミックファイバー、セメント等を添加したものを適宜選択すれば良い。
本発明のセラミックハニカム構造体の外周壁近傍において流路端部が隣接する流路同士が目封止されていることが好ましい。即ち図19に示すように、両端部が封じられた流路が形成されることにより、これらの流路では排気ガスの流通が起こりにくいことから、断熱層として機能し、排気ガスの熱がハニカム構造体内部からから外周壁を介して金属製収納容器へ伝わりにくくなり、排ガスの浄化効率が改善されるからである。また、外周壁近傍の流路端部が目封止材で補強されることからセラミックハニカム構造体の端面角部の破損が発生しにくくなり、結果としてセラミックハニカム構造体の強度が改善され、支持部材の支持力や、使用時の機械的振動や衝撃により破損しにくくなるからである。
上記観点から、本発明のセラミックハニカム構造体において、外周壁近傍の流路端部が隣接する流路同士が目封止されている目封止材のハニカム構造体端面からの長さがセラミックハニカム構造体フィルタの全長の8.2%以下が好ましく、且つ、隣接する流路同士の目封止されている範囲が、セラミックハニカム構造体端面の外周壁からハニカムフィルタ端面の中心に向かって、最大5×(隔壁ピッチ)の長さの範囲に存在する流路であることが好ましい。
以上、本発明のセラミックハニカム構造体の作用効果について、主にセラミックハニカム構造体の流路の所望部位を目封止したセラミックハニカムフィルタを例にあげて説明したが、流路を目封止せずに触媒物質を担持したセラミックハニカム構造体であっても、外周壁に対して傾いた隔壁を有していると、傾いた隔壁で排気ガスの流れに乱れが生じて、担持された触媒物質に、効果的に排気ガスが接触して、浄化効率が高くなるという観点からすると、同様の効果があるということは、言うまでもない。
本発明のセラミックハニカムフィルタの製造方法概略について以下説明する。
図3及び図5の断面模式図を有する本発明のセラミックハニカムフィルタを、図9の製造工程を模式断面で示した図面により説明する。(a)ハニカム構造の押出成形体を乾燥して、隔壁31bに囲まれた流路31cを有するハニカム乾燥体を得た後、(b)このハニカム乾燥体の外周部35を加工除去する。(c)この際を隔壁31bに対して加工除去した後のハニカム乾燥体の外周部36が傾くように加工し、最外周部に、外部との間の隔壁を有しないことによって、外部に開口して概略軸方向に延びる凹溝を有するハニカム構造の乾燥体とする。(d)次いでハニカム乾燥体の両端部を加工除去する。この際、外周部36に対して加工除去した後のハニカム乾燥体の端面38が略直角になるように加工する。(e)流路31cの所望の端部に目封止材39を充填して焼成する。(f)次いで、ハニカム乾燥体の外周部36の表面に形成された凹溝に外周壁用コート材31aを充填、塗布して外周壁部を形成し、必要に応じて焼成操作を行い、隔壁、目封止材、外周壁部を一体化させることによりセラミックハニカムフィルタが得られる。このように、乾燥体の外周部を隔壁と傾くように加工除去することから、外周壁形成前の外観は、図4及び図6に示すような形態とすることができる。また、(e)の目封止材と(f)外周壁の焼成を同時に行う方法を採用することもできる。また、ハニカム乾燥体を焼成した上で、図9(b)以降の工程を採用することもできる。即ち、ハニカム焼成体の外周壁に対して隔壁が傾くようにハニカム焼成体の外周部を加工除去した後、外周面に外周壁用コート材を塗布、目封止材を充填した上で、外周壁と目封止部を焼成する方法も必要に応じて採用できる。
図7に断面模式図、及び図8に外周壁を形成する前の外観模式図を示す形態の本発明のセラミックハニカム構造体は、押出成形機により、図10に示すように押出成形機により縦方向にハニカム構造の成形体を押し出す過程で、ハニカム成形体の重量を支えるために付加する保持力の方向、大きさを調整することにより、流路が長手方向に対して湾曲したハニカム成形体を得る。そして、このようにして得られたハニカム成形体を乾燥した後、図3で示したハニカムフィルタと同様に、ハニカム乾燥体或いはハニカム焼成体の外周壁に対して隔壁が傾くように加工除去した後、外周面に外周壁用コート材を塗布、外周壁を形成し、流路の所望の端部に目封止材を充填して目封止部を形成する。
ここで、本発明の好ましい形態である、外周壁を構成する部材と凹溝の間に空隙を有するセラミックハニカム構造体を製造するには、最外周に位置する流路が、外部との間の隔壁を有しないことによって、外部に開口して軸方向に延びる凹溝に粘度を20000cP以上に調整したコート材を塗布、充填させた後、乾燥させる。特許文献4の方法のように、10000cP〜20000cPの粘度を有するコート材を塗布した場合には、凹溝12の角隅部にまでコート材が充填されるのであるが、コート材の粘度を例えば20000cP以上の高粘度とすることにより、図13及び図14に示すように凹溝の角隅部までコート材が充填されないため、外壁部を構成する部材と凹溝との間に空隙を有するセラミックハニカム構造体が得られる。尚、コート材の粘度を20000cP以上の高粘度にするには、骨材、無機バインダ−や有機バインダーの種類や添加量、水分量等を調整することにより可能となる。また、コート材の乾燥が終了した後は、必要に応じてコート材の焼成を行っても良い。
更に本発明の好ましい形態である、外表面に開口した空隙を有するセラミックハニカム構造体を製造するには、例えば、セラミックハニカム構造体の最外周に位置するセルが、外部との間の隔壁を有しないことによって、外部に開口して軸方向に延びる凹溝にセラミック骨材及び無機バインダからなるコート材を塗布、充填させ、例えば70℃以上に加熱させられた乾燥炉に、投入してコート材中に含まれる水分を急速乾燥することにより、コート材表面に開口した空隙部を形成させることができる。この空隙が発生するのは急速乾燥によりコーティングされたコート材の表面と内部の水分量に差が生じ、表面と内部の乾燥収縮量の差が発生するからである。このとき、コート材中の骨材、無機バインダ−や有機バインダーの種類や添加量、水分量、或いは乾燥炉の温度を調整することにより、外表面に開口した空隙の発生割合、空隙の開口幅、空隙の形態を変化させることができるが、無機バインダの添加量や水分量を増加させると空隙は発生し易くなる。なお、コート材の乾燥が終了した後は、必要に応じてコート材の焼成を行っても良い。
尚、本発明は上記で示した図3〜8に示す形態に限定されるものではなく、流路に流入した排気ガスが、隔壁で曲げられ、流れに乱れを生じさせるとともに、最適な細孔構造を有する隔壁で微粒子を捕集するという、本発明の技術的思想に基づけば図11に示す各種形態も本発明に含まれるものである。
以上詳細に説明のとおり、本発明のセラミックハニカム構造体は、該セラミックハニカム構造体の端面と外周壁が略直交し、該外周壁が略円筒形状であり、前記隔壁の表面粗さRyが10μm以上であり、且つ長手方向断面において隣り合う隔壁が略平行であると共に外周壁に対して少なくとも一部の隔壁が傾いていることから、例えばセラミックハニカムフィルタとして使用した場合、隔壁の長手方向がハニカムフィルタ外周壁または排気ガス流入方向と平行の場合に比べて、セル壁の長手方向に略均一に微粒子を分散させることができるので、フィルタ再生を行う場合でも微粒子の部分的な堆積に伴う部分的で急激な温度上昇を抑えることができるため、隔壁の溶損や破損を防げるのと共に、触媒による微粒子の燃焼浄化を行う場合でも長期間に亘り使用できる。更に金属容器への収納時の不具合や、使用時の機械的衝撃や熱衝撃による破損を防げるという効果も有している。
以下、本発明の実際の実施例を説明する。
(実施例1〜5)
カオリン、タルク、シリカ、水酸化アルミ、アルミナなどの粉末を調整して、質量比で、SiO2 :47〜53%、Al23:32〜38%、MgO:12〜16%及びCaO、Na2O 、K2O、TiO2、Fe23、PbO、P25などの不可避的に混入する成分を全体で2.5%含むようなコージェライト生成原料粉末を得た後に、メチルセルロースとヒドロキシプロピルメチルセルロース等の成形バインダー及びグラファイトからなる造孔剤を添加し、規定量の水を注入して充分な混合、混練を行い、可塑化可能な坏土を作製した。
次に、公知の構造の押出成形用金型を用いて、押出成形し、得られたハニカム構造の成形体を乾燥することにより、外径300mm長さ350mmの寸法を有し、隔壁により囲まれた多数の流路を有するハニカム構造の乾燥体を作製した。その後、図9に示す製造方法により、隔壁が外周に対して傾くように、外周部及び両端面を加工除去した後、公知の方法で目封止部を形成して焼成した上で、外径264mm、長さ305mm、隔壁のピッチ1.5mm、隔壁の厚さ0.3mmで隔壁の気孔率が63%、隔壁の表面粗さが最大高さRyで55μmであり、隔壁が外周に対し各種傾きを有し、且つ最外周に位置する流路が外部との間に隔壁を有しないことによって、外部に開口して軸方向に延びる凹溝を形成しているセラミックハニカム本体を作製した。一方、外周壁のコート材として、平均粒径20μmのコージェライト粉末A、100質量部に対して、コロイダルシリカを固形分で10質量部配合し、これにメチルセルロース、水を加えて混練し、粘度35000cPのコート材を準備した。次いで、前記準備した外周に凹溝を有するハニカム本体の外周部に塗布した上で、40℃24時間乾燥した後、70℃で12時間乾燥させた。その後450℃まで加熱して、前記メチルセルロースを分解すると共に、凹溝と外周壁が強固に一体化された外径267mm、長さ305mm、隔壁の間隔1.52mm、隔壁の厚さ0.3mmで、端面と外周壁が略直交し、外周壁が略円筒形状であり、長手方向断面において外周壁に対して隔壁が傾いている図3〜図6に示す形態のセラミックハニカムフィルタを作製した。このとき、外周部を加工除去する際に、隔壁に沿って切断した2等分割断面において、隔壁の長手方向端部が外周壁と接する隔壁を1〜6ケ存在させるように調整して表1に示す実施例1〜5の5種類のハニカムフィルタを作製した。ここで、隔壁の表面粗さである最大高さRyは、ミツトヨ製表面粗さ計SURFTESTにより、先端の曲率半径5μmの触針を用いて、隔壁表面を長手方向2mmに亘って測定して、JIS B
0601−1994に準じて求め、3ケ所の測定値の平均とした。
実施例1〜5のセラミックハニカム構造体の、隔壁に沿って切断した2等分割断面において、3本の流路の隔壁間隔を50mm間隔で測定したところ、1.49〜1.55mmであった。また、一方の端面に直角な曲面に対する他方の端面のずれ量は、最大0.3mmであり、両端面から12.7mmの位置で等間隔に各4ケ所測定した外径寸法は、266〜268mmであった。
得られた実施例1〜5のハニカムフィルタを図12に示すように、金属容器に組み込んだ後、圧力損失、捕集率、及び耐溶損性の評価を行った。圧力損失は、圧力損失テストスタンドにて、空気流量15Nm/minの時のハニカムフィルタ入口側と出口側の差圧を圧力損失として評価を行った。捕集率は、ハニカムフィルタに対して、微粒子発生器により空気流量10Nm3 /minで、粒径0.042μmのカーボン粉を3g/hで2時間投入した際の、ハニカムフィルタが捕集したカーボン粉の重量と投入したカーボン粉の重量から、捕集率を算出した。耐溶損性は、ハニカムフィルタへのカーボン粉の投入を継続し、ハニカムフィルタに捕集された微粒子が6g/Lとなるまで行った後、これらのハニカムフィルタを排気試験装置(図示せず)に装着し、バーナーによる燃焼ガスによりカーボン粉に着火させ、溶損発生の有無を確認して評価した。この時の昇温速度は毎秒1.6℃とし、600℃到達後、燃焼ガスの導入を停止し、捕集されたカーボン粉による自己燃焼を行わせる。燃焼が終了し、冷却後のハニカムフィルタに対して、X線による内部溶損発生の有無の確認を行ったうえで、溶損が認められなかったものについては、捕集させるカーボン粉を2g/Lづつ増加させ、溶損が発生するまで繰り返し溶損試験を行い、溶損が発生しなかったカーボン捕集量の最大値を耐溶損カーボン捕集量として耐溶損性の指標として表した。
次に、作成した本発明例1〜5のセラミックハニカムフィルタに対して、耐熱衝撃温度の試験を行った。耐熱衝撃温度の評価試験は、一定温度(室温+400℃)に加熱された電気炉中にセラミックハニカムフィルタを挿入して30分間保持し、その後室温に急冷した後、セラミックハニカムフィルタの軸方向両端面の目視観察を行い、隔壁に発生したクラックの有無を確認した。また、隔壁にクラックが発見されない場合は、電気炉の温度を25℃上昇させ同様の試験を行い、クラックが発生するまで繰り返した。そしてクラックが発見されなかった最高温度差(加熱温度−室温)を耐熱衝撃温度とした。
更に、耐熱衝撃温度が測定終了したハニカム構造体を軸方向に5等分に切断し、切断面での凹溝に充填され形成された外壁部形態の観察を、1切断面につき、90°間隔で4カ所行い、全凹溝のうち外壁部を構成する部材と凹溝の間に空隙を有する凹溝の個数割合をカウントした。
実施例1〜5のハニカムフィルタの、評価結果を表1に示す。ハニカムフィルタの端面と外周壁が略直交し、該外周壁が略円筒形状であり、前記隔壁の気孔率が63%、隔壁の表面粗さが最大高さRyで55μmであり、且つ隔壁に沿って切断した2等分割断面において、隔壁の長手方向端部が外周壁と接する隔壁を1〜6ケ存在させるようにしたことから、排気ガスの流入方向に対して隔壁が傾いて形成されているため圧力損失は200mmHO以下、捕集率は90%以上、耐溶損カーボン捕集量も16g/L以上であった。特に、隔壁の長手方向端部が外周壁と接する隔壁の数を多くした方が、耐溶損カーボン捕集量が大きくなっている。これらの溶損発生位置は、いずれも、排気ガス出口側の目封止部付近であることが確認され、排気ガス出口側の目封止部にカーボン粉が高濃度で堆積していたことが伺える。
また、いずれのセラミックハニカムフィルタも外周壁と端面の交差部は略直角となっており鋭角部が存在せず、かつ、外周壁が略円筒形状であることから、金属容器に挿入する際に、外周壁と端面の交差部の破損の問題は発生しなかった。それと共に、最外周に位置する流路が外部との間の隔壁を有しないことによって外部に開口して概略軸方向に延びる凹溝を形成しているセラミックハニカム本体と、前記凹溝を充填している外周壁を構成する部材との間の少なくとも一部に空隙を有していることから、耐熱衝撃温度は実用上問題ないレベルである450℃以上の500〜550℃が得られた。
(比較例1)
実施例1において、外周壁部を加工除去する際に、隔壁に沿って切断した2等分割断面において、隔壁の長手方向端部が外周壁と接する隔壁が存在しないように調整した以外は、実施例1と同様の方法により、外径267mm、長さ305mm、隔壁のピッチ1.5mm、隔壁の厚さ0.3mmで、端面と外周壁が略直交し、外周壁が略円筒形状であり、隔壁の気孔率が63%、隔壁の表面粗さが最大高さRyで55μmであり、隔壁に沿って切断した2等分割断面において、隔壁の長手方向端部が外周壁と接する隔壁が存在しない比較例1のハニカムフィルタを作製した。比較例1のセラミックハニカム構造体の、隔壁に沿って切断した2等分割断面において、3本の流路の隔壁間隔を50mm間隔で測定したところ、1.49〜1.55mmであった。また、一方の端面に直角な曲面に対する他方の端面のずれ量は、最大0.3mmであり、両端面から12.7mmの位置で等間隔に各4ケ所測定した外径寸法は、266〜268mmであった。
比較例1のハニカムフィルタに対し、実施例1と同様、圧力損失、捕集率、耐溶損カーボン粉捕集量を測定した結果を、表1に記した。比較例1のハニカムフィルタは、隔壁に沿って切断した2等分割断面において、隔壁の長手方向端部が外周壁と接する隔壁が存在しない、即ち排気ガスの流入方向に対する隔壁の傾きが小さいため、圧力損失は200mmH以下、捕集率は90%以上であったものの、耐溶損カーボン粉捕集量は6g/Lであり、実施例1〜5に比べて耐溶損性は低かった。また比較例1において、溶損が発生したカーボン捕集量(8g/L)では、排気ガス出口側の目封止部付近が特に大きく溶損しているのが確認された。
(実施例6〜7)
実施例6及び7のセラミックハニカムフィルタは、外周壁を形成するためのコート材の水分量を調整して、コート材の粘度を、実施例6では25000cP、実施例7では50000cPとして外周壁をコートした以外は、実施例2と同様にして作製し、外径267mm、長さ305mm、隔壁の間隔1.52mm、隔壁の厚さ0.3mmで、端面と外周壁が略直交し、外周壁が略円筒形状であり、長手方向断面において、隔壁の長手方向端部が外周壁と接する隔壁が2ケ存在し、隔壁の気孔率が63%、隔壁の表面粗さが最大高さRyで55μmである2種類のセラミックハニカムフィルタを得た。実施例6〜7のセラミックハニカム構造体の、隔壁に沿って切断した2等分割断面において、3本の流路の隔壁間隔を50mm間隔で測定したところ、1.47〜1.55mmであった。また、一方の端面に直角な曲面に対する他方の端面のずれ量は、最大0.4mmであり、両端面から12.7mmの位置で等間隔に各4ケ所測定した外径寸法は、266〜268mmであった。
実施例6〜7のセラミックハニカムフィルタに対し、実施例1と同様、圧力損失、捕集率、耐溶損カーボン粉捕集量、耐熱衝撃温度を測定した表1に示す。ハニカムフィルタの端面と外周壁が略直交し、該外周壁が略円筒形状であり、前記隔壁の気孔率が63%、隔壁の表面粗さが最大高さRyで55μmであり、且つ隔壁と略平行な外周壁のうちの一つにおいて、隔壁の長手方向端部が外周壁と接する隔壁を26ケ存在させるようにしたことから、排気ガスの流入方向に対して隔壁が傾いて形成されているため圧力損失は200mmHO以下、捕集率は90%以上、耐溶損カーボン捕集量も16g/L以上であり、実施例2のセラミックハニカムフィルタと同等のフィルタ性能が得られた。
また、いずれのセラミックハニカムフィルタも外周壁と端面の交差部は略直角となっており鋭角部が存在せず、外周壁が略円筒形状であることから、金属容器に挿入する際に、外周壁と端面の交差部の破損の問題は発生しなかった。それと共に、最外周に位置する流路が外部との間の隔壁を有しないことによって外部に開口して概略軸方向に延びる凹溝を形成しているセラミックハニカム本体と、前記凹溝を充填している外周壁を構成する部材との間の少なくとも一部に空隙を有していることから、耐熱衝撃温度は実用上問題ないレベルである450℃以上の475℃及び570℃が得られた。但し、実施例6では、空隙を有する凹溝の個数割合が、実施例2に比べて低かったため、耐熱衝撃温度は実施例2の525℃に比べて低くなった実施例6では低くなった。一方、実施例7では、空隙を有する凹溝の個数割合が、実施例2に比べて高かった、耐熱衝撃温度は実施例2の525℃に比べて高くなった。
(実施例8〜10)
実施例8〜10のセラミックハニカムフィルタは実施例1〜5と同様にカオリン、タルク、シリカ、水酸化アルミ、アルミナなどの粉末を調整して、質量比で、SiO2 :47〜53%、Al23:32〜38%、MgO:12〜16%及びCaO、Na2O 、K2O、TiO2、Fe23、PbO、P25などの不可避的に混入する成分を全体で2.5%含むようなコージェライト生成原料粉末を得た後に、メチルセルロースとヒドロキシプロピルメチルセルロース等の成形バインダーとグラファイトからなる造孔剤を添加し、規定量の水を注入して充分な混合、混練を行い、可塑化可能な坏土を作製した。この際、造孔剤の添加量を実施例1〜5に対して変更した。
次いで、実施例1と同様の方法で、外径267mm、長さ305mm、隔壁の間隔1.52mm、隔壁の厚さ0.3mmで、端面と外周壁が略直交し、外周壁が略円筒形状であり、隔壁に沿って切断した2等分割断面において、隔壁の長手方向端部が外周壁と接する隔壁が2ケ存在し、隔壁の気孔率が55〜85%、隔壁の表面粗さが最大高さRyで25μm〜75μmである、実施例8〜10の3種類のハニカムフィルタを作製した。実施例8〜10のセラミックハニカム構造体の、隔壁に沿って切断した2等分割断面において、3本の流路の隔壁間隔を50mm間隔で測定したところ、1.49〜1.55mmであった。また、一方の端面に直角な曲面に対する他方の端面のずれ量は、最大0.7mmであり、両端面から12.7mmの位置で等間隔に各4ケ所測定した外径寸法は、265〜269mmであった。
実施例8〜10のセラミックハニカムフィルタに対し、実施例1と同様、圧力損失、捕集率、耐溶損カーボン粉捕集量を測定した結果を、表1に記した。実施例8〜10のハニカムフィルタは、ハニカムフィルタの端面と外周壁が略直交し、該外周壁が略円筒形状であり、前記隔壁の気孔率が55〜85%、隔壁の表面粗さが最大高さRyで25〜75μmであり、且つ隔壁に沿って切断した2等分割断面において、隔壁の長手方向端部が外周壁と接する隔壁が2ケ存在し、即ち排気ガスの流入方向に対して隔壁が傾いているため、捕集率は90%以上、耐溶損カーボン捕集量も16g/L以上であった。また、いずれのハニカムフィルタも外周壁と端面の交差部は略直角となっており鋭角部が存在せず、外周壁は略円筒形状であることから、金属容器に挿入する際に、外周壁と端面の交差部の破損の問題は発生せず、且つ空隙を有する凹溝の個数割合が、実施例2と同様の49%で有ったことから、耐熱衝撃温度は、実用上問題ない450℃以上が得られた。
(比較例2)
実施例8〜10において、添加するグラファイトの量を調整した以外は、実施例8〜10と同様の方法により、外径267mm、長さ305mm、隔壁の間隔1.52mm、隔壁の厚さ0.3mmで、端面と外周壁が略直交し、外周壁が略円筒形状であり、隔壁に沿って切断した2等分割断面において、隔壁の長手方向端部が外周壁と接する隔壁が2ケ存在し、隔壁の気孔率が45%、隔壁の表面粗さが最大高さRyで9μmである、比較例2の2種類のハニカムフィルタを作製した。
比較例2のハニカムフィルタに対し、実施例1と同様、圧力損失、捕集率、耐溶損カーボン粉捕集量を測定した結果を、表1に記した。比較例2のハニカムフィルタは、隔壁に沿って切断した2等分割断面において、隔壁の長手方向端部が外周壁と接する隔壁が2ケ存在しているものの、隔壁の表面粗さが最大高さRyで9μmであることから、捕集率は90%以上であったものの、圧力損失は200mmHOを超え、耐溶損カーボン粉捕集量は6g/Lと低い値であった。比較例2においても溶損が発生したカーボン捕集量(8g/L)では、排気ガス出口側の目封止部付近が特に大きく溶損しているのが確認されたため、隔壁におけるカーボン粉の捕集が効率良く行われず、排気ガス出口側の目封止部にカーボン粉が高濃度で堆積していたことが伺える。
(実施例11〜12)
実施例1〜5と同様の方法により、外径267mm、長さ305mm、隔壁の間隔1.52mm、隔壁の厚さ0.3mmで、端面と外周壁が略直交し、外周壁が略円筒形状であり、隔壁の気孔率が63%、隔壁の表面粗さが最大高さRyで55μmであり、、隔壁に沿って切断した2等分割断面に、隔壁の長手方向端部が外周壁と接する隔壁を2及び4ケ存在するようにした、実施例11及び12のセラミックハニカムフィルタを作成した。ここで、外周壁コート材をコート後の乾燥条件は、80℃に加熱した乾燥炉に直接投入し、12時間保持して行った。実施例11〜12のセラミックハニカム構造体の、隔壁に沿って切断した2等分割断面において、3本の流路の隔壁間隔を50mm間隔で測定したところ、1.49〜1.54mmであった。また、一方の端面に直角な曲面に対する他方の端面のずれ量は、最大0.5mmであり、両端面から12.7mmの位置で等間隔に各4ケ所測定した外径寸法は、265〜269mmであった。
これらに対して、実施例1と同様に、圧力損失、捕集量、耐溶損カーボン捕集量、耐熱衝撃温度を測定した結果を表2に示す。更に、溶損試験終了後のセラミックハニカムフィルタを切断し、外周壁と外周壁に接する隔壁のなす傾きの角度を測定した結果についても表2に示す。この実施例では、図3及び図5に示すように、隔壁は一方向に傾いた形態であった。ここで、隔壁に沿って切断した2等分割断面において、外周壁と外周壁に接する隔壁のなす角度の測定は、隔壁の長手方向端部が隔壁と接している隔壁で行い、更に当該隔壁が複数有るためこれらの平均値を表2に記した。
実施例11及び12のセラミックハニカムフィルタは、隔壁に沿って切断した2等分割断面において、隔壁の長手方向端部が外周壁と接する隔壁が1〜6ケの範囲内であり、且つ、長手方向断面における外周壁と隔壁の傾きが0.3〜3.3°の範囲内であることから、排気ガスの流入方向に対して隔壁が傾いて形成されているため圧力損失は200mmHO以下、捕集率は90%以上、耐溶損カーボン捕集量も16g/L以上であった。特に、隔壁に沿って切断した2等分割断面における外周壁と隔壁の傾きの大きい方が、耐溶損カーボン捕集量が大きくなっている。
また、いずれのハニカムフィルタも外周壁と端面の交差部は略直角となっており鋭角部が存在せず、外周壁が略円筒形状であることから、金属容器に挿入する際に、外周壁と端面の交差部の破損の問題は発生しなかった。それと共に、最外周に位置する流路が外部との間の隔壁を有しないことによって外部に開口して概略軸方向に延びる凹溝を形成しているセラミックハニカム本体と、前記凹溝を充填している外周壁を構成する部材との間の少なくとも一部に空隙を有しており、且つ、外周壁の外表面に開口した空隙部を有していることから、耐熱衝撃温度は実用上問題ないレベルである450℃以上の500〜575℃が得られた。
(実施例13〜14)
実施例1と同様に、カオリン、タルク、シリカ、水酸化アルミ、アルミナなどの粉末を調整して、質量比で、SiO2 :47〜53%、Al23:32〜38%、MgO:12〜16%及びCaO、Na2O 、K2O、TiO2、Fe23、PbO、P25などの不可避的に混入する成分を全体で2.5%含むようなコージェライト生成原料粉末を得た後に、メチルセルロースとヒドロキシプロピルメチルセルロース等の成形バインダーとグラファイトからなる造孔剤を添加し、規定量の水を注入して充分な混合、混練を行い、可塑化可能な坏土を作製した。
次に、図10に示すような押出成形機に、公知の構造の押出成形用金型を装着し、ハニカム構造の成形体を重力方向に押し出す際に、ハニカム成形体の重力を支えるために重力の反対方向に付加する保持力の大きさ及び方向を変化させ、隔壁が長手方向に対して湾曲した、ハニカム構造の成形体を得た。その後、外周部及び両端面を加工除去した後、公知の方法で目封止部を形成して焼成した上で、外径264mm、長さ305mm、隔壁の間隔1.52mm、隔壁の厚さ0.3mmで隔壁の気孔率が63%、隔壁の表面粗さが最大高さRyで55μmであり、外周に対し傾きを有し、且つ最外周に位置する流路が外部との間に隔壁を有しないことによって、外部に開口して軸方向に延びる凹溝を形成しているセラミックハニカム本体を作製した。一方、外周壁のコート材として、平均粒径10μmのコージェライト粉末B100、質量部に対して、コロイダルシリカを固形分で12質量部配合し、これにメチルセルロース、水を加えて混練し、粘度32000cPのコート材を準備した。次いで、前記準備した外周に凹溝を有するハニカム本体の外周部に塗布した上で、70℃で12時間乾燥させた。その後450℃まで加熱して、前記メチルセルロースを分解すると共に、凹溝と外周壁が強固に一体化された外径267mm、長さ305mm、隔壁の間隔1.52mm、隔壁の厚さ0.3mmで、端面と外周壁が略直交し、外周壁が略円筒形状であり、長手方向断面において外周壁に対して隔壁が傾いている図7〜図8に示す形態の実施例13及び14のセラミックハニカムフィルタを作製した。実施例13〜14のセラミックハニカム構造体の、隔壁に沿って切断した2等分割断面において、3本の流路の隔壁間隔を50mm間隔で測定したところ、1.48〜1.56mmであった。また、一方の端面に直角な曲面に対する他方の端面のずれ量は、最大0.7mmであり、両端面から12.7mmの位置で等間隔に各4ケ所測定した外径寸法は、266〜269mmであった。
これら実施例13及び14のセラミックハニカムフィルタに対して、実施例1と同様に、圧力損失、捕集量、耐溶損カーボン捕集量、耐熱衝撃温度を測定した結果を表3に示す。更に、溶損試験終了後のハニカムフィルタを切断し、外周壁と外周壁に接する隔壁のなす傾きの角度を測定した結果についても表3に示す。
実施例13及び14のセラミックハニカムフィルタは、隔壁に沿って切断した2分割断面において、隔壁の長手方向端部が外周壁と接する隔壁が1〜6ケの範囲内であり、且つ、長手方向断面における外周壁と隔壁の傾きが0.3〜3.3°の範囲内であることから、排気ガスの流入方向に対して隔壁が傾いて形成されているため圧力損失は200mmHO以下、捕集率は90%以上、耐溶損カーボン捕集量も16g/L以上であった。特に、実施例1及び2のセラミックハニカムフィルタが図3に示すように、外周壁に対して隔壁が略一様に傾いているのに比べて、実施例13及び14のセラミックハニカムフィルタは、図7に示すように外周壁に対して隔壁が湾曲していることから、耐溶損カーボン捕集量が大きくなっている。
また、いずれのハニカムフィルタも外周壁と端面の交差部は略直角となっており鋭角部が存在せず、外周壁が略円筒形状であることから、金属容器に挿入する際に、外周壁と端面の交差部の破損の問題は発生しなかった。それとともに、最外周に位置する流路が外部との間の隔壁を有しないことによって外部に開口して概略軸方向に延びる凹溝を形成しているセラミックハニカム本体と、前記凹溝を充填している外周壁を構成する部材との間の少なくとも一部に空隙を有しており、且つ、外周壁の外表面に開口した空隙を有していることから、耐熱衝撃温度は実用上問題ないレベルである450℃以上の550℃が得られた。
以上、実施例を用いて説明したように、本発明例のセラミックハニカムフィルタの場合には、外周壁に対してセル壁長手方向が傾いているので、カーボン粉の局部的な堆積が起こりにくいため、ハニカムフィルタの隔壁が外周壁と平行の場合に比べて、溶損発生までのカーボン粉の捕集量が多いことが判る。
従来のセラミックハニカムフィルタの一例の断面模式図である。 本発明のセラミックハニカム構造体の一例の流路入口側から見た端面模式図である。 本発明のセラミックハニカム構造体の一例の隔壁に沿って切断した2等分割断面模式図である。 本発明のセラミックハニカム構造体の一例の外観模式図である。 本発明のセラミックハニカム構造体の一例の隔壁に沿って切断した2等分割断面模式図である。 本発明のセラミックハニカム構造体の一例の外観模式図である。 本発明のセラミックハニカム構造体の一例の隔壁に沿って切断した2等分割断面模式図である。 本発明のセラミックハニカム構造体の一例の外観模式図である。 本発明のセラミックハニカム構造体を製造する工程の一例を示す断面模式図である。 本発明のセラミックハニカム構造体を製造する成形工程の一例を示す断面模式図である。 本発明例のセラミックハニカム構造体の一例の断面模式図である。 本発明の実施例で行ったセラミックハニカム構造体の金属容器への収納状況を示す模式断面図である。 セラミックハニカム本体の凹溝に外周壁が設けられた状態を示す本発明の説明図である。 図13において、外壁部を構成する部材と凹溝の間に形成された空隙を示す図である。 セラミックハニカム本体の凹溝に形成された外周壁の外表面に開口した空隙部が設けられた状態を示す本発明の説明図である。 本発明のセラミックハニカム構造体の外壁部に形成された空隙部を外表面から観察した走査型顕微鏡写真である。 本発明の外壁部に空隙部を有するセラミックハニカム構造体の空隙部の形態を示す説明図である。 本発明のセラミックハニカム構造体の隔壁に沿って切断した2等分断面における外周壁と隔壁が接する箇所の拡大図である。 本発明のセラミックハニカム構造体において、外周壁近傍の流路端部が隣接する流路同士が目封止されている形態を示す図である。
符号の説明
1;セラミックハニカム構造体
1a;入口側目封止部
1b;出口側目封止部
2a;入口側排気ガス
2b;出口側排気ガス
10;セラミックハニカムフィルタ
10a;入口側端面
10b;出口側端面
11a;外周壁
11b;隔壁
11b−t;隔壁の長手方向端部
12;収納容器
13a、13b;把持部材
14;把持部材
15;流路
15a;入口側流路
15b;出口側流路
16;堆積した微粒子
17;隔壁に沿って切断した2分割断面の切断箇所
18;凹溝
19;セラミックハニカム本体
21;押出し成形機
22;口金
23;支持手段
31b;隔壁
31c;流路
35;除去加工される外周部
36;除去加工後の外周面
37;除去加工される両端部
38;除去加工後の両端面
39;目封止材
41:外周壁の外表面に開口した空隙
42;外周壁を構成する部材と凹溝の間に形成された空隙
51、54;凹溝を構成する隔壁の端部
52、53;凹溝を構成する隔壁の交点
55、56、57、58;凹溝断面における外周壁を構成する部材と隔壁の交点

Claims (9)

  1. 外周壁とこの外周壁の内側で隔壁により囲まれた流路を有する多孔質セラミックハニカム構造体であって、該セラミックハニカム構造体の端面と外周壁が略直交し、該外周壁が略円筒形状であり、前記隔壁の表面粗さが最大高さRyで10μm以上であり、且つ長手方向断面において隣り合う隔壁が略平行であると共に外周壁に対して少なくとも一部の隔壁が傾いていることを特徴とするセラミックハニカム構造体。
  2. 前記隔壁の気孔率が50〜80%であって、前記流路の所望部位が目封止され、フィルタとして使用されることを特徴とする請求項1記載のセラミックハニカム構造体。
  3. 前記セラミックハニカム構造体の隔壁に沿って切断した2等分割断面において、隔壁の長手方向端部が外周壁と接する隔壁を1〜6ケ有することを特徴とする請求項1又は2記載のセラミックハニカム構造体。
  4. 前記セラミックハニカム構造体の隔壁に沿って切断した2分等割断面において、前記外周壁に対して少なくとも一部の隔壁が0.3〜3.3°傾いていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のセラミックハニカム構造体。
  5. 前記セラミックハニカム構造体の隔壁及び/または目封止部の少なくとも一部に触媒物質が担持されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のセラミックハニカム構造体。
  6. 前記セラミックハニカム構造体において、最外周に位置する流路が外部との間の隔壁を有しないことによって外部に開口して概略軸方向に延びる凹溝を形成しているセラミックハニカム本体の、前記凹溝を充填して外表面を形成する外周壁が形成されており、外周壁を構成する部材と凹溝の間の少なくとも一部に空隙を有していることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のセラミックハニカム構造体。
  7. 前記外周壁を構成する部材と凹溝の間に形成された空隙を有する凹溝の個数割合が全凹溝のうちの5%以上であることを特徴とする請求項6記載のセラミックハニカム構造体。
  8. 前記セラミックハニカム構造体において、最外周に位置する流路が外部との間の隔壁を有しないことによって外部に開口して概略軸方向に延びる凹溝を形成しているセラミックハニカム本体の、前記凹溝を充填して外表面を形成する外周壁が形成されており、外周壁の少なくとも一部に外表面に開口した空隙を有していることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のセラミックハニカム構造体。
  9. 前記外表面に開口した空隙の長さの合計がセラミックハニカム構造体全長の1倍以上であることを特徴とする請求項8記載のセラミックハニカム構造体。
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