JP2012206080A - ハニカムフィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】ハニカムフィルタの流体に含まれる固体成分の捕集性能をより高めると共に、耐久性を向上する。
【解決手段】ハニカムフィルタ20は、ハニカムフィルタの中心からハニカム焼成体21の一方の端面の中心への第1ベクトルδ1と、ハニカムフィルタの中心からハニカム焼成体21の他方の端面の中心への第2ベクトルδ2との差ベクトルの絶対値である差分値Xが0.5mm以上を満たす。このハニカムフィルタ20では、差分値Xを0.5mm以上とすることにより、流路が直線的でなくなることから、流体の流れが乱れることにより捕集効率が向上する。また、コート層28の平均厚さtに対する差分値Xの比であるX/tが、X/t<0.9を満たす。この比X/tが0.9未満では、差分値Xに対して相対的にコート層の厚さtを確保可能であるため、コート層の耐久性を確保することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、ハニカムフィルタに関する。
従来、地球環境影響、資源節約の観点から自動車の燃費低減が求められており、ディーゼルエンジンや直噴ガソリンエンジン等の熱効率の良い内燃機関が自動車用の動力源として使用される傾向にある。これらは、燃焼時に固体成分(PM)が発生することから、多孔質隔壁セル構造の両端を交互に目封じしてガスが隔壁細孔を通過する構造のウォールフロー型のハニカムフィルタを用いることにより、このPMを捕集することがある。このようなハニカムフィルタでは、圧力損失の増加を防止するため、材料の気孔率を高くすることが必要である。
ハニカムフィルタの気孔率を高くする際に、成形時に多量の造孔成分を原料として混入させておき、これを焼成時に焼き飛ばして気孔を形成させることがあるが、造孔剤の量を多くすると、成型時、焼成時の変形が大きくなり、ハニカム構造体の形状精度が維持できない問題があった。この対策としては、大きめに成形・焼成した焼成体の外周を研削し形状精度を維持するか、小さめに成形・焼成した焼成体の外周に厚めのコート層を設けるか、などが考えられる。前者では、機械的強度の低下が問題となる。一方、後者では、例えば、セラミックハニカム焼成体の外周に、被覆層を設けたセラミックハニカム構造体が提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。このハニカム構造体では、被覆層により外形を整えることができ、セラミックハニカム焼成体の外周形状と、実際に配置する排気管との間の空間を被覆層により補うことができる。
実開昭63−144836号公報 特開平6−170241号公報
ところで、ハニカムフィルタでは、隔壁上に捕集されたPM層が更なるPMの捕集に効果があると考えられる。これに対し、エンジンのクリーン化が進みPMの発生量自体が少ない場合には、PM層が形成されず捕集効率が低下するということがあった。このように、捕集効率を上げなければならないという問題が生じていた。一方、特許文献1、2に記載のハニカム構造体では、例えば、ハニカムフィルタに適用した場合など、ハニカム焼成体と被覆層との剥離などが問題となり、耐久性も高める必要があった。
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、流体に含まれる固体成分の捕集性能をより高めると共に、耐久性を向上することができるハニカムフィルタを提供することを主目的とする。
本発明は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
即ち、本発明のハニカムフィルタは、
流体に含まれる固体成分を捕集するハニカムフィルタであって、
一方の端部が開口され且つ他方の端部が目封止され流体の流路となる複数のセルを形成する複数の多孔質の隔壁部と、前記隔壁部の外周を形成する外周壁とを備えたハニカム焼成体と、
前記ハニカム焼成体の外周壁に形成され該ハニカム焼成体の外周を保護する層であるコート層と、を備え、
前記ハニカムフィルタの中心から前記ハニカム焼成体の一方の端面の中心に向かう第1ベクトルδ1と、前記ハニカムフィルタの中心から前記ハニカム焼成体の他方の端面の中心に向かう第2ベクトルδ2との差ベクトルの絶対値である差分値Xが、0.5mm≦Xを満たし、
前記コート層の平均厚さtに対する前記差分値Xの比であるX/tが、X/t<0.9を満たすものである。
このハニカムフィルタでは、ハニカムフィルタの中心からハニカム焼成体の一方の端面の中心に向かう第1ベクトルδ1と、ハニカムフィルタの中心からハニカム焼成体の他方の端面の中心に向かう第2ベクトルδ2との差ベクトルの絶対値である差分値Xが、0.5mm≦Xを満たす。この差分値Xが0.5mm以上では、流路が直線的でなくなることから、流体の流れが乱れることにより捕集効率が向上するものと推察される。また、コート層の平均厚さtに対する差分値Xの比であるX/tが、X/t<0.9を満たす。この比X/tが0.9未満では、差分値Xに対して相対的にコート層の厚さtを確保可能であるため、コート層の耐久性を確保することができる。ここで、「第1ベクトルδ1」は、ハニカムフィルタの軸方向から平面視したときの、ハニカムフィルタの中心からハニカム焼成体の一方の端面の中心に向かうベクトルとする。また、第2ベクトルδ2も同様である。
本発明のハニカムフィルタにおいて、前記差分値XがX<1.7mmを満たすことが好ましい。こうすれば、ハニカムフィルタの耐久性を高めることができる。
本発明のハニカムフィルタにおいて、前記ハニカム焼成体の外形は、前記ハニカムフィルタの外形に比して変形しているものとしてもよい。こうすれば、より容易に差分値Xを0.5mm以上にすることができる。
本発明のハニカムフィルタにおいて、前記外壁部は、気孔率が55%以上80%未満であり、平均細孔径が15μm以上60μm以下であるものとしてもよい。気孔率が55%以上80%未満の範囲では、コート層と外壁部との接合強度をより高めることができる。また、平均細孔径が15μm以上60μm以下の範囲では、コート層と外壁部との接合強度をより高めることができる。このとき、前記隔壁部は、気孔率が55%以上80%未満であり、平均細孔径が15μm以上60μm以下であるものとしてもよい。即ち前記隔壁部は前記外壁部と同等の気孔率及び平均細孔径を有するものとしてもよい。こうすれば、ハニカムフィルタを作製しやすい。
本発明のハニカムフィルタにおいて、前記ハニカムフィルタの一方の端面と他方の端面との平行度が2mm以下であり、一方の端面及び他方の端面の直角度が2mm以下であるものとしてもよい。こうすれば、ハニカムフィルタの耐久性を高めることができる。
本発明のハニカムフィルタにおいて、前記ハニカム焼成体は、コージェライト、SiC、ムライト、チタン酸アルミニウム、アルミナ、窒化珪素、サイアロン、リン酸ジルコニウム、ジルコニア、チタニア及びシリカから選択される1以上の無機材料を含んで形成されているものとしてもよい。このうち、コージェライトがより好ましい。
本発明のハニカムフィルタは、触媒が担持されているものとしてもよい。こうすれば、捕集した固体成分の燃焼除去などをより効率よく行うことができる。
ハニカムフィルタ20の構成の概略の一例を示す説明図。 フィルタ中心から焼成体中心へのベクトルδ1,δ2の説明図。 差分値Xの算出方法の説明図。 ハニカムフィルタの製造工程及びキャニング工程の説明図。 様々な形状のハニカム焼成体を有するハニカムフィルタの説明図。
本発明のハニカムフィルタの一実施形態を図面を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態であるハニカムフィルタ20の構成の概略の一例を示す説明図である。また、図2は、フィルタ中心から焼成体中心へのベクトルδ1,δ2の説明図である。本実施形態のハニカムフィルタ20は、図1に示すように、一方の端部が開口され且つ他方の端部が目封止部26により目封止され排ガス(流体)の流路となる複数のセル23を形成する複数の多孔質の隔壁部22と、隔壁部22の外周を形成する外周壁25とを備えたハニカム焼成体21と、ハニカム焼成体21の外周壁25に形成されハニカム焼成体21の外周を保護する層であるコート層28とを備えている。なお、図1には、ハニカムフィルタ20の外形が円柱状に形成され、セル23が矩形状に形成されているものを一例として示す。このハニカムフィルタ20では、隔壁部22は、一方の端部が開口され且つ他方の端部が目封止されたセル23と一方の端部が目封止され且つ他方の端部が開口したセル23とが交互に配置されるよう形成されている。また、ハニカムフィルタ20では、入口側からセル23へ入った排ガスが隔壁部22を介して出口側のセル23を通過して排出され、このとき、排ガスに含まれる固定成分(PM)が隔壁部22上に捕集される。
ハニカム焼成体21は、一端に目封止部26を有するセル23を形成する多孔質の隔壁部22と、隔壁部22の外周を形成する外周壁25とを備えている。このハニカム焼成体21は、その外周に亘って外周壁25が形成されている。この外周壁25により、機械的強度を有するものとすることができる。この外壁部25は、気孔率が55%以上80%未満であり、細孔25aの平均細孔径が15μm以上60μm以下であるものとしてもよい。気孔率が55%以上80%未満の範囲では、コート層28と外壁部25との接合強度をより高めることができる。また、平均細孔径が15μm以上60μm以下の範囲では、コート層28と外壁部25との接合強度をより高めることができる。なお、ハニカム焼成体21の隔壁部22や外周壁25の気孔率や平均細孔径は、水銀圧入法(JIS−R1655)で測定した結果をいうものとする。この外周壁25は、その厚さが0.2mm以上2mm以下の範囲であることが好ましい。厚さが0.2mmでは、十分な機械的強度を有するものとすることができるし、厚さが2mm以下では、PMの捕集に関係しない領域を低減することにより捕集性能をより高めることができる。
隔壁部22は、多孔質であり、その厚さである隔壁厚さが150μm以上460μm以下で形成されていることが好ましく、200μm以上400μm以下であることがより好ましく、280μm以上350μm以下であることが更に好ましい。この隔壁部22は、気孔率が55%以上80%未満であり、平均細孔径が15μm以上60μm以下であるものとしてもよい。即ち、隔壁部22は外壁部25と同等の気孔率及び平均細孔径を有するものとしてもよい。こうすれば、ハニカムフィルタを作製しやすい。
ハニカム焼成体21は、コージェライト、SiC、ムライト、チタン酸アルミニウム、アルミナ、窒化珪素、サイアロン、リン酸ジルコニウム、ジルコニア、チタニア及びシリカから選択される1以上の無機材料を含んで形成されているものとしてもよく、このうち、コージェライトがより好ましい。コージェライトは、気孔率を高めやすく、好ましい。
このハニカムフィルタ20では、図2に示すように、ハニカムフィルタの軸方向から平面視したときに、この軸方向に直行する面の座標において、ハニカムフィルタ20の中心Cから一方の端面のハニカム焼成体21の中心P1へのベクトルを第1ベクトルδ1とし、ハニカムフィルタ20の中心Cから他方の端面のハニカム焼成体21の中心P2へのベクトルを第2ベクトルδ2としたときに、第1ベクトルδ1と第2ベクトルδ2との差ベクトルの絶対値である差分値Xが0.5mm以上を満たす。この差分値Xが0.5mm以上では、流路が直線的でなくなることから、流体の流れが乱れることによりPMの捕集効率が向上するものと推察される。この差分値Xは、X<1.7mmを満たすことが好ましい。こうすれば、ハニカムフィルタの耐久性を高めることができる。
ここで、差分値Xの算出方法について説明する。図3は、差分値Xの算出方法の説明図である。図3に示すように、例えば、入口端面での顕微鏡測定を行い、端面での16方向のコート層28の厚さを計測する。なお、入口端面がハニカムフィルタ20の中心軸に対して傾斜しているときには、この中心軸に対して垂直方向の断面に対してコート層28の厚さを計測する。計測した各厚さの大きさを用い、各角度のベクトル和からハニカム焼成体21の外周平均円を求め、求めた外周平均円の中心をハニカム焼成体21の入口端面側の中心P1とする。また、ハニカムフィルタ20の外周平均円を求め、その中心をハニカムフィルタ20の中心Cとする。続いて、ハニカムフィルタの軸方向から平面視したときに、この軸方向に直行する面の座標において、ハニカムフィルタ20の中心Cから入口端面側の中心P1へのベクトルを第1ベクトルδ1とする。また、出口端面について、同様の計測を行い、求めた外周平均円の中心をハニカム焼成体21の出口端面側の中心P2とする。続いて、ハニカムフィルタの軸方向から平面視したときに、この軸方向に直行する面の座標において、ハニカムフィルタ20の中心Cから出口端面側の中心P2へのベクトルを第2ベクトルδ2とする。そして、第1ベクトルδ1と第2ベクトルδ2との差ベクトルの絶対値を差分値Xとする。この差分値Xが大きいと、ハニカム焼成体21の入口端面と出口端面との位置のずれが大きいことを意味し、セル23の形成方向がハニカムフィルタ20の軸方向に対してずれていることを表す。
このハニカムフィルタ20では、コート層28の平均厚さtに対する差分値Xの比であるX/tが、X/t<0.9を満たすものである。この比X/tが0.9未満では、差分値Xに対して相対的にコート層28の厚さtを確保可能であるため、コート層28の耐久性を確保することができる。この比X/tは、0.1以上であることが好ましく、0.2以上であることがより好ましい。X/tが0.1以上であれば、コート層28の厚さが相対的に厚くなりすぎず、好ましい。このコート層28の平均厚さtは、上述した第1ベクトルδ1と第2ベクトルδ2との算出時に計測したコート層28の16方向の厚さの平均として求めることができる。
このハニカム焼成体21の外形は、ハニカムフィルタの外形に比して変形しているものとしてもよい。ハニカム焼成体21の変形は、例えば、ハニカム焼成体21に曲がりが生じ入口端面と出口端面との位置がずれたものや、ハニカム焼成体21の中央部が膨らんだ形状、中央部がくびれている形状、入口端面及び出口端面の一方が収縮した形状が挙げられる(後述図5参照)。このハニカムフィルタ20では、ハニカム焼成体21の外周壁25にコート層28を形成して形状精度を与えるものとすればよいため、ハニカム焼成体21が積極的に変形している方が、より容易に差分値Xを0.5mm以上にすることができ、好ましい。なお、ハニカム焼成体21自体に形状精度があるものとしても構わない。この場合、コート層28の形成時にハニカム焼成体21を傾けるなどすれば、差分値Xを0.5mm以上にすることができる。
ハニカムフィルタ20は、ハニカムフィルタ20の一方の端面と他方の端面との平行度が2mm以下であることが好ましい。こうすれば、ハニカムフィルタの耐久性を高めることができる。ここで、平行度とは、端面から約10mm部分でハニカムフィルタ20の軸方向に垂直な断面を代表平面とし、この代表平面の外周から端面の外周までの長さを全周について測定し、この測定値のうち最長の長さと最小の長さとの差をいうものとする。また、ハニカムフィルタ20は、一方の端面及び他方の端面の直角度が2mm以下であるものとしてもよい。こうすれば、ハニカムフィルタの耐久性を高めることができる。ここで、直角度とは、端面を基準面としたとき、端面に直交する基準位置から側面の位置までの差を測定し、この測定値のうち最大値をいうものとする。
このハニカムフィルタ20の外形は、特に限定されないが、円柱状、四角柱状、楕円柱状、六角柱状などの形状とすることができる。ハニカム焼成体21の外形は、特に限定されないが、ハニカムフィルタ20に近い形状であることが好ましい。セル23は、その断面の形状として3角形、4角形、6角形、8角形などの多角形の形状や円形、楕円形などの流線形状、及びそれらの組み合わせとすることができる。例えば、セル23は排ガスの流通方向に垂直な断面が4角形に形成されているものとしてもよい。
ハニカムフィルタ20は、触媒が担持されているものとしてもよい。この触媒は、捕集されたPMの燃焼を促進する触媒、排ガスに含まれる未燃焼ガス(HCやCOなど)を酸化する触媒及びNOxを吸蔵/吸着/分解する触媒のうち少なくとも1種以上としてもよい。こうすれば、PMを効率よく除去することや未燃焼ガスを効率よく酸化することやNOxを効率よく分解することなどができる。この触媒としては、例えば、貴金属元素、遷移金属元素を1種以上含むものとするのがより好ましい。また、ハニカムフィルタ20では、他の触媒や浄化材が担持されていてもよい。例えば、アルカリ金属(Li、Na、K、Cs等)やアルカリ土類金属(Ca、Ba、Sr等)などを含むNOx吸蔵触媒、少なくとも1種の希土類金属、遷移金属、三元触媒、セリウム(Ce)及び/又はジルコニウム(Zr)の酸化物に代表される助触媒、HC(Hydro Carbon)吸着材等が挙げられる。具体的には、貴金属としては、例えば、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)や、金(Au)及び銀(Ag)などが挙げられる。触媒に含まれる遷移金属としては、例えば、Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Sc,Ti,V,Cr等が挙げられる。また、希土類金属としては、例えば、Sm,Gd,Nd,Y,La,Pr等が挙げられる。また、アルカリ土類金属としては、例えば、Mg,Ca,Sr,Ba等が挙げられる。このうち、白金及びパラジウムがより好ましい。また、貴金属及び遷移金属、助触媒などは、比表面積の大きな担体に担持してもよい。担体としては、例えば、アルミナ、シリカ、シリカアルミナ、ゼオライトなどを用いることができる。PMの燃焼を促進する触媒を有するものとすれば、捕集されたPMをより容易に除去することができるし、未燃焼ガスを酸化する触媒やNOxを分解する触媒を有するものとすれば、排ガスをより浄化することができる。
次に、ハニカムフィルタ20の製造方法について説明する。このハニカム構造体の製造方法は、例えば、ハニカム焼成体を作製するハニカム焼成体作製工程と、ハニカム焼成体21の外周壁25上にコート層28を形成するコート層形成工程と、コート層28を研削して所定の外形に加工する外周加工工程と、隔壁部22に触媒を担持する触媒担持工程と、を含むものとしてもよい(図4参照)。
ハニカム焼成体作製工程では、一方の端部が開口され且つ他方の端部が目封止され流体の流路となる複数のセル23を形成する複数の多孔質の隔壁部22と、隔壁部22の外周を形成する外周壁25とを備えたハニカム焼成体21を作製する。この工程では、上記差分値Xを0.5mm以上にするようなハニカム焼成体21を作製することが好ましい。ハニカム焼成体21の基材としては、コージェライト、SiC、ムライト、チタン酸アルミニウム、アルミナ、窒化珪素、サイアロン、リン酸ジルコニウム、ジルコニア、チタニア及びシリカから選択される1以上の無機材料を含んで形成してもよく、このうちコージェライトが好ましい。基材原料や造孔材、分散媒、有機バインダ、分散剤などを混合、混練して坏土を調製し、押し出し成形などによりハニカム成形体を成形することができる。このとき、外壁部25の気孔率が55%以上80%未満の範囲となる、配合量、形状の造孔材を添加するのが好ましい。また、外周壁25の平均細孔径が15μm以上60μm以下の範囲となる配合量、形状の造孔材を添加するのが好ましい。こうすれば、後述するコート層28の剥離などをより抑制することができる。更に、隔壁部22の気孔率が55%以上80%未満の範囲となる造孔材を添加するものとしてもよいし、隔壁部22の平均細孔径が15μm以上60μm以下の範囲となる造孔材を添加するものとしてもよい。即ち、外周壁25と隔壁部22とが同程度の気孔率、平均細孔径となるように原料を調整し、ハニカム成形体を作製するものとしてもよい。こうすれば、隔壁部22と外周壁25との原料の配合量が同程度にでき、ハニカム焼成体21の作製が容易になる。また、造孔材を比較的多く配合すると、焼成後に変形しやすく、差分値Xを0.5mm以上にしやすい。成形したハニカム成形体を基材に応じた焼成温度で焼成することにより、ハニカム焼成体21を作製することができる。
このハニカム焼成体作製工程では、ハニカム焼成体21の外形の変形を伴う作製方法を採るものとしてもよい。こうすれば、比較的容易に差分値Xを0.5mm以上にすることができる。外形の変形を伴う作製方法としては、例えば、成形体をダイスから押出す際、垂直方向に押出す方式において、ダイス角度を鉛直方向から傾けることにより、成形体に歪を生じさせるものとしてもよい。または、成形体をダイスから押出す際、水平方向に押出す方式において、成型体を受ける台座の形状に歪みを持たせ、それに沿って成形体に歪を生じさせるものとしてもよい。あるいは、ハニカム成形体を焼成してハニカム焼成体とする際に、成形体を置く台板を成形体と同一材料で作製し、間に融点の高い粉末を接着防止材として塗布するが、この台板の上面を傾けておくことにより、ハニカム焼成体に歪を生じさせるものとしてもよい。図5は、種々の変形したハニカム焼成体21を用いたハニカムフィルタ20B〜20Fの説明図である。図5に示すように、中央部がくびれているものや、入口端面と出口端面との面積が異なるものや、一方の端面側が収縮したものや、入口端面と出口端面とでどちらかの方向に曲がったものなど、種々の形状のハニカム焼成体21を用いることができる。
コート層形成工程では、ハニカム焼成体21の外周壁25上にコート層28を形成する。コート層の原料は、例えば、ハニカム焼成体21がコージェライトである場合は、タップ嵩密度が1.3g/cm3以上である主成分としてのコージェライトと、水とを含んでなるスラリーを用いてもよい。このコージェライト粉末は、平均粒子径が20μm〜55μmであるものとしてもよい。また、このコージェライト粉末は、コージェライト粉末全体に対する、平均粒子径が44μm以下である粉末成分の含有割合が80質量%以上であることが好ましい。スラリー材料としては、セラミックファイバー、シリカゾル、及びアルミナゾルからなる群より選択される少なくとも一種を含むことが好ましい。このスラリーをハニカム焼成体21の外周に形成したのち、乾燥することが好ましい。乾燥は、室温〜200℃以下で行うことが好ましく、10時間以上の乾燥時間が好ましい。シリカゾル、アルミナゾルを混入する場合には150℃以上での乾燥が好ましい。このコート層28は、ハニカム焼成体21に比して熱耐久性に劣るものとしてもよい。この場合、コート層28のみにはクラックが発生することもあるが、後述するキャニング時に外周に巻かれるマットと、ハニカム焼成体21の外周壁25とに挟まれて、圧縮された状態に維持されるため、脱落することが少なく、実質弊害が少ない。
外周加工工程では、コート層28を研削して所定の外形に加工する。この工程では、差分値Xを0.5mm以上にするように傾きを持たせて外周を研削するものとしてもよい。こうすれば、形状精度の高いハニカム焼成体21を用いても、外周の研削によって差分値Xを0.5mm以上にすることができる。なお、ハニカム焼成体21自体が差分値Xを0.5mm以上にするよう変形して作製されている場合は、特にこのような傾きを持たせる研削を行わなくてもよい。この工程では、ハニカムフィルタ20の一方の端面と他方の端面との平行度が2mm以下となるよう、外周を研削するものとしてもよい。また、この工程では、一方の端面及び他方の端面の直角度が2mm以下となるよう、外周を研削するものとしてもよい。こうすれば、最終的なハニカムフィルタ20の形状精度が保たれるため、ハニカムフィルタの耐久性を高めることができる。
触媒担持工程では、ハニカムフィルタ20に触媒を担持させる。触媒としては、例えば、アルカリ金属(Li、Na、K、Cs等)やアルカリ土類金属(Ca、Ba、Sr等)からなるNOx吸蔵触媒、三元触媒、CeとZrとの少なくとも一方を含む酸化物に代表される助触媒、HC(Hydro Carbon)吸着材等が挙げられる。また、捕集したPMの燃焼を酸化させることのできる酸化触媒を好適に用いることができる。酸化触媒としては、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)等の貴金属などが挙げられる。触媒の担持方法は特に限定されないが、例えば、隔壁22に対して、触媒成分を含む触媒液をウォッシュコートした後、高温で熱処理して焼き付ける方法等が挙げられる。また、例えば、ディッピング法等の従来公知のセラミック膜形成方法を利用して、セラミックスラリーをハニカム構造の基材の隔壁に付着させ、乾燥、焼成する方法等により、薄膜状の触媒層を形成してもよい。なお、NOx吸蔵触媒や酸化触媒等の触媒成分は、高分散状態で担持させるため、予めアルミナのような比表面積の大きな耐熱性無機酸化物に一旦担持させた後、ハニカム構造体の、PM捕集層、隔壁等に担持させてもよい。
このように作製したハニカムフィルタ20は、キャニング工程で、排気管30に収容される。このキャニング工程では、排気管の内周及びハニカムフィルタ20の外形に応じて定められる面圧設計値になるようなマット32を選択し、このマット32をハニカムフィルタ20の外周に巻き、排気管30に押し込み式でキャニングする。ハニカムフィルタ20は、外周にコート層28が形成され、更に外形が加工されて形状精度が保たれているため、このキャニングにより生じうるコート層28の剥離や破損を抑制することができる。
以上説明した実施例のハニカムフィルタ20によれば、ハニカムフィルタの中心からハニカム焼成体21の一方の端面の中心へのベクトルである第1ベクトルδ1と、ハニカムフィルタの中心からハニカム焼成体21の他方の端面の中心へのベクトルである第2ベクトルδ2との差ベクトルの絶対値である差分値Xが0.5mm以上を満たす。一般に、ハニカムフィルタでは、隔壁部22上に捕集したPM層が形成されることにより更なるPMの捕集効率が高まることがある。しかしながら、ガソリン直噴エンジンや圧縮着火天然ガスエンジン、先進技術のディーゼルエンジンなど、PMの排出量自体が極力抑えられたエンジンでは、隔壁部22上にこのようなPM層が形成されないことがある。このハニカムフィルタ20では、この差分値Xを0.5mm以上とすることにより、流路が直線的でなくなることから、流体の流れが乱れることにより捕集効率が向上するものと推察される。また、コート層の平均厚さtに対する差分値Xの比であるX/tが、X/t<0.9を満たす。この比X/tが0.9未満では、差分値Xに対して相対的にコート層の厚さtを確保可能であるため、コート層の耐久性を確保することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、一体成形したハニカム焼成体21の外周にコート層28を設けて、外形を整えるものとしたが、特にこれに限定されず、例えば、ハニカムセグメントを接合層により接合したハニカム焼成体を用い、そのハニカムセグメントの接合体の外周にコート層28を設けて、外形を整えたハニカムフィルタとしてもよい。こうしても、排ガスに含まれているPMの捕集性能ををより高めることができる。この接合層は、ハニカムセグメント21を接合する層であり、無機粒子、無機繊維及び結合材などを含むものとしてもよい。無機粒子は、上述した無機材料の粒子とすることができ、その平均粒径は0.1μm以上30μm以下であることが好ましい。無機繊維は、例えば、アルミノシリケート、アルミナ、シリカ、ジルコニア、セリア及びムライトから選択される1以上の材料を含んで形成されているものとすることができる。この無機繊維は、例えば平均粒径が0.5μm以上8μm以下、平均長さが100μm以上500μm以下であることが好ましい。結合材としてはコロイダルシリカや粘土などとすることができる。接合層27は、0.5mm以上2mm以下の範囲で形成されていることが好ましい。
上述した実施形態では、ハニカムフィルタ20には触媒が含まれるものとしたが、流通する流体に含まれる除去対象物質を浄化処理可能なものであれば特にこれに限定されない。あるいは、ハニカムフィルタ20は、触媒を含まないものとしてもよい。また、排ガスに含まれるPMを捕集するハニカムフィルタ20として説明したが、流体に含まれる固体成分を捕集・除去するものであれば特にこれに限定されず、建設機器の動力エンジン用のハニカムフィルタとしてもよいし、工場や発電所用のハニカムフィルタとしてもよい。また、エンジンの種類は、固体成分(PM)を排ガス中に含むものであれば特に限定されず、例えば、直噴ガソリンエンジン、天然ガスエンジン、ディーゼルエンジンなどが挙げられる。
上述した実施形態では特に説明しなかったが、隔壁部22の表面に捕集層を設けるものとしてもよい。この捕集層は、排ガスに含まれるPMを捕集する層であり、隔壁部の平均細孔径よりも小さい平均粒径で構成された粒子群により隔壁部上に形成されているものとしてもよい。こうすれば、PMの捕集により隔壁部22で生じうる圧力損失の上昇を抑制することができる。捕集層の形成方法は、流体を捕集層の原料の搬送媒体とし、捕集層の原料を含む気体を入口セルへ供給するものとしてもよい。こうすれば、捕集層を構成する粒子群がより粗に形成されるため、高い気孔率の捕集層を作製することができ、好ましい。搬送媒体としての流体は、例えば、空気や、窒素ガスなどの気体であることが好ましい。捕集層の原料は、例えば、コージェライト、SiC、ムライト、チタン酸アルミニウム、アルミナ、窒化珪素、サイアロン、リン酸ジルコニウム、ジルコニア、チタニア及びシリカから選択される1以上の無機繊維や無機粒子を含むものとしてもよい。このとき、捕集層は、隔壁部と同種の材料により形成されていることがより好ましい。
以下には、ハニカムフィルタを具体的に製造した例を実施例として説明する。
[ハニカムフィルタの作製]
コージェライト化原料として、アルミナ、水酸化アルミニウム、カオリン、タルク、及びシリカを使用し、コージェライト化原料100質量部に、造孔材を13質量部、分散媒を35質量部、有機バインダを6質量部、分散剤を0.5質量部、それぞれ添加し、混合、混練して坏土を調製した。分散媒として水を使用し、造孔材としては平均粒子径1〜10μmのコークスを使用し、有機バインダとしてはヒドロキシプロピルメチルセルロースを使用し、分散剤としてはエチレングリコールを使用した。造孔材としては、発砲樹脂、吸水性樹脂等を用いることもできる。造孔材の粒子径と量を適宜コントロールすることにより、隔壁の細孔径と気孔率がコントロール可能である。次いで、所定の金型を用いて坏土を押出成形し、端面を適切な方向にワイヤカットし、セル形状が四角形で、全体形状が端面の傾いた円柱形(円筒形)のハニカム成形体を得た。そして、ハニカム成形体をマイクロ波乾燥機で乾燥し、更に熱風乾燥機で完全に乾燥させた後、ハニカム成形体の両端面を切断し、所定の寸法に整えた。次に、ハニカム成形体の一方の端面のセル開口部に、市松模様状に交互にマスクを施し、マスクを施した側の端部をコージェライト化原料を含有する目封止スラリーに浸漬し、市松模様状に交互に配列された目封止部を形成した。他方の端部については、一方の端部において目封止されたセルについてマスクを施し、上記一方の端部に目封止部を形成したのと同様の方法で目封止部を形成した。その後、目封止部を形成したハニカム成形体を熱風乾燥機で乾燥し、更に、1410〜1440℃で、5時間、焼成することによって、目封止ハニカム焼成体を得た。上記の製造方法により、直径104〜105mm、長さ115.4mmで、厚さ0.5mmの焼成体外壁を一体的に有する目封じハニカム焼成体を作製した。リブ厚は12mil,セル密度は300cpsi、リブの気孔率は52%、平均細孔径は13μmであった。また、ハニカム焼成体の外周壁は 0.4〜0.6mmであった。その後、このハニカム焼成体の外周に、タップ嵩密度1.35で、平均粒径30μmのコージェライト粉末(60質量%)と水(18質量%)とコロイダルシリカゾル(18質量%)、セラミックファイバ(3質量%)、分散剤(0.6質量%)、有機バインダ(0.4質量%)、水(18質量%)とを混ぜ、スラリー(ペースト)を作製し、外周に2mmの厚さでコートした後、室温で24時間乾燥後、外周を研削して外径105.7mm,±0.2mmに仕上げた。外壁の平均細孔径、気孔率を変更して、作製した実施例、比較例について、コート層を形成し乾燥後の研削加工時の外周コート剥がれにつき検査した。なお、原料粒子の平均粒径は、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所社製LA−910)を用い、水を分散媒として測定したメディアン径(D50)である。
(水銀圧入法による細孔分布測定)
作製したハニカムフィルタの細孔分布測定を水銀ポロシメータ(Micromeritics社製Auto PoreIII型式9405)を用いて測定した。まず、測定用試料は、ハニカムフィルタの入口側端面及び出口側端面の外周部分より約1cm角程度の測定用試料を3つ切り出した。この試料を用い、水銀圧入法による測定をJIS−R1655に準じて行い、各測定結果の平均値をそのハニカムフィルタの気孔率及び平均細孔径とした。
(実施例1〜11)
ハニカムフィルタ外周壁の気孔率が55体積%、平均細孔径(メディアン径D50)が15μmとなるよう造孔材を調整し作製したものを実施例1とした。ハニカムフィルタ外周壁の気孔率が55体積%、平均細孔径が20μmとなるよう造孔材を調整し作製したものを実施例2とした。ハニカムフィルタ外周壁の気孔率が55体積%、平均細孔径が25μmとなるよう造孔材を調整し作製したものを実施例3とした。ハニカムフィルタ外周壁の気孔率が60体積%、平均細孔径が15μmとなるよう造孔材を調整し作製したものを実施例4とした。ハニカムフィルタ外周壁の気孔率が60体積%、平均細孔径が20μmとなるよう造孔材を調整し作製したものを実施例5とした。ハニカムフィルタ外周壁の気孔率が60体積%、平均細孔径が25μmとなるよう造孔材を調整し作製したものを実施例6とした。ハニカムフィルタ外周壁の気孔率が65体積%、平均細孔径が15μmとなるよう造孔材を調整し作製したものを実施例7とした。ハニカムフィルタ外周壁の気孔率が65体積%、平均細孔径が20μmとなるよう造孔材を調整し作製したものを実施例8とした。ハニカムフィルタ外周壁の気孔率が65体積%、平均細孔径が25μmとなるよう造孔材を調整し作製したものを実施例9とした。ハニカムフィルタ外周壁の気孔率が65体積%、平均細孔径が35μmとなるよう造孔材を調整し作製したものを実施例10とした。ハニカムフィルタ外周壁の気孔率が78体積%、平均細孔径が35μmとなるよう造孔材を調整し作製したものを実施例11した。なお、実施例1〜11の平行度は、0.3mm〜0.5mmであり、直角度は、0.5mm〜0.7mmであった。
(比較例1〜6)
ハニカムフィルタ外周壁の気孔率が45体積%、平均細孔径が20μmとなるよう造孔材を調整し作製したものを比較例1とした。ハニカムフィルタ外周壁の気孔率が35体積%、平均細孔径が20μmとなるよう造孔材を調整し作製したものを比較例2とした。ハニカムフィルタ外周壁の気孔率が80体積%、平均細孔径が20μmとなるよう造孔材を調整し作製したものを比較例3とした。ハニカムフィルタ外周壁の気孔率が60体積%、平均細孔径が13μmとなるよう造孔材を調整し作製したものを比較例4とした。ハニカムフィルタ外周壁の気孔率が60体積%、平均細孔径が70μmとなるよう造孔材を調整し作製したものを比較例5とした。ハニカムフィルタ外周壁の気孔率が88体積%、平均細孔径が35μmとなるよう造孔材を調整し作製したものを比較例6とした。なお、比較例1〜6の平行度は、0.3mm〜0.5mmであり、直角度は、0.5mm〜0.7mmであった。
実施例1〜11及び比較例1〜6の検査結果を表1に示す。この結果より、外周壁の気孔率は、55体積%以上80体積%未満が好ましいことがわかった。また、外周壁の平均細孔径は、15μm以上60μm以下の範囲が好ましいことが明らかとなった。これらの範囲では、コート層を形成したのちの研削加工において、はがれや破損を防止することができた。
Figure 2012206080
ハニカムフィルタの軸方向から平面視したときの、ハニカムフィルタの中心からハニカム焼成体の入口端面の中心への第1ベクトルδ1と、ハニカムフィルタの中心からハニカム焼成体の出口端面の中心への第2ベクトルδ2との差ベクトルの絶対値である差分値Xが種々のものであるハニカム焼成体を用いてハニカムフィルタを作製し、PM捕集孔率及び、繰り返し耐久運転でのコート層の損傷の有無の実験を行った。差分値X及びコート層の平均厚さtは、上述した方法により求めた。
(比較例7〜16)
差分値Xが0.43mm、コート層の平均厚さtが0.90mmのハニカムフィルタを比較例7とした。また、差分値Xが0.25mm、コート層の平均厚さtが0.98mmのハニカムフィルタを比較例8とした。また、差分値Xが0.18mm、コート層の平均厚さtが0.92mmのハニカムフィルタを比較例9とした。また、差分値Xが0.05mm、コート層の平均厚さtが0.99mmのハニカムフィルタを比較例10とした。また、差分値Xが0.90mm、コート層の平均厚さtが0.95mmのハニカムフィルタを比較例11とした。また、差分値Xが0.05mm、コート層の平均厚さtが1.82mmのハニカムフィルタを比較例12とした。また、差分値Xが0.32mm、コート層の平均厚さtが1.79mmのハニカムフィルタを比較例13とした。また、差分値Xが0.44mm、コート層の平均厚さtが1.80mmのハニカムフィルタを比較例14とした。また、差分値Xが0.48mm、コート層の平均厚さtが1.81mmのハニカムフィルタを比較例15とした。また、差分値Xが1.70mm、コート層の平均厚さtが1.80mmのハニカムフィルタを比較例16とした。なお、比較例7〜16の平行度は、0.3mm〜0.5mmであり、直角度は、0.5mm〜0.7mmであった。
(実施例12〜19)
差分値Xが0.52mm、コート層の平均厚さtが0.95mmのハニカムフィルタを実施例12とした。また、差分値Xが0.58mm、コート層の平均厚さtが0.94mmのハニカムフィルタを実施例13とした。また、差分値Xが0.64mm、コート層の平均厚さtが0.94mmのハニカムフィルタを実施例14とした。また、差分値Xが0.82mm、コート層の平均厚さtが0.96mmのハニカムフィルタを実施例15とした。また、差分値Xが0.54mm、コート層の平均厚さtが1.82mmのハニカムフィルタを実施例16とした。また、差分値Xが1.10mm、コート層の平均厚さtが1.83mmのハニカムフィルタを実施例17とした。また、差分値Xが1.45mm、コート層の平均厚さtが1.85mmのハニカムフィルタを実施例18とした。また、差分値Xが1.59mm、コート層の平均厚さtが1.85mmのハニカムフィルタを実施例19とした。なお、実施例12〜19の平行度は、0.3mm〜0.5mmであり、直角度は、0.5mm〜0.7mmであった。
[捕集効率]
上記作製したハニカムフィルタを2.0L直噴ガソリンエンジンの排気管の下流に装着し、乗用車用欧州規制モード運転を行い、ハニカムフィルタの上流側と下流側でのPMの濃度を、走査型モビリティ粒径分析装置(Scanning Mobility Particle Sizer:SMPS)により計測し、ハニカムフィルタ上流でのPMの濃度に対するハニカムフィルタ下流でのPMの濃度の減少率よりハニカムフィルタの捕集効率を算出した。
[繰り返し耐久試験]
乗用車用欧州規制モード運転を50サイクル繰り返し、試験後に外観を目視で確認し、コート層の損傷の有無を判断し、損傷ありを「×」、損傷なしを「○」として評価した。
(実験結果)
実施例12〜19及び比較例7〜16についての測定結果等を表2に示した。表2に示すように、差分値Xが0.5mm以上であるときにPM捕集効率が高い値を示した。また、X/tが0.9を下回ると、繰り返し耐久試験のあとのコート層の損傷が抑制されることがわかった。なお、この比較例7〜16及び実施例12〜19は、同一原料、同一の配合の押し出し原料を用いているので、隔壁部と同じ細孔特性(細孔径、気孔率)を焼成体外周壁は有している。
Figure 2012206080
20 ハニカムフィルタ、21 ハニカム焼成体、22 隔壁部、23 セル、25 外周壁、25a 細孔、26 目封止部、28 コート層、30 排気管、32 マット。

Claims (8)

  1. 流体に含まれる固体成分を捕集するハニカムフィルタであって、
    一方の端部が開口され且つ他方の端部が目封止され流体の流路となる複数のセルを形成する複数の多孔質の隔壁部と、前記隔壁部の外周を形成する外周壁とを備えたハニカム焼成体と、
    前記ハニカム焼成体の外周壁に形成され該ハニカム焼成体の外周を保護する層であるコート層と、を備え、
    前記ハニカムフィルタの中心から前記ハニカム焼成体の一方の端面の中心に向かう第1ベクトルδ1と、前記ハニカムフィルタの中心から前記ハニカム焼成体の他方の端面の中心に向かう第2ベクトルδ2との差ベクトルの絶対値である差分値Xが、0.5mm≦Xを満たし、
    前記コート層の平均厚さtに対する前記差分値Xの比であるX/tが、X/t<0.9を満たす、ハニカムフィルタ。
  2. 前記差分値XがX<1.7mmを満たす、請求項1に記載のハニカムフィルタ。
  3. 前記外壁部は、気孔率が55%以上80%未満であり、平均細孔径が15μm以上60μm以下である、請求項1又は2に記載のハニカムフィルタ。
  4. 前記隔壁部は、気孔率が55%以上80%未満であり、平均細孔径が15μm以上60μm以下である、請求項3に記載のハニカムフィルタ。
  5. 前記ハニカム焼成体の外形は、前記ハニカムフィルタの外形に比して変形している、請求項1〜4のいずれか1項に記載のハニカムフィルタ。
  6. 前記ハニカムフィルタの一方の端面と他方の端面との平行度が2mm以下であり、一方の端面及び他方の端面の直角度が2mm以下である、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載のハニカムフィルタ。
  7. 前記ハニカム焼成体は、コージェライト、SiC、ムライト、チタン酸アルミニウム、アルミナ、窒化珪素、サイアロン、リン酸ジルコニウム、ジルコニア、チタニア及びシリカから選択される1以上の無機材料を含んで形成されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載のハニカムフィルタ。
  8. 触媒が担持されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載のハニカムフィルタ。
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