JP4445925B2 - 有機el素子、有機el表示装置、有機el素子の製造方法および有機el素子の製造装置 - Google Patents

有機el素子、有機el表示装置、有機el素子の製造方法および有機el素子の製造装置 Download PDF

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Description

本発明は有機EL素子、有機EL表示装置、有機EL素子の製造方法および有機EL素子の製造装置に関する。
近年、従来用いられてきたCRT(Cathode Ray Tube)に換わって、薄型にすることが可能な平面型表示装置の実用化が進んでおり、有機エレクトロルミネッセンス素子(以降文中有機EL素子と呼ぶ)は自発光、高速応答などの特徴を有するために、次世代の表示装置として着目されている。
有機EL素子は、正極と負極の間に発光層である有機EL層が狭持された構造となっており、当該有機EL層に正極から正孔を、負極から電子を注入してそれらの再結合をさせることによって、当該有機EL層を発光させる構造になっている。
有機EL素子を長期間使用した場合、経時変化によって光出力の低下や駆動電圧の上昇が生じ、さらに使用を続けると最終的には有機EL層が短絡してEL素子の破壊が生じることが知られている。このような破壊の原因としては有機EL層の結晶化や、結晶化に伴う空間電荷の蓄積、および誘電分極による素子の電位気的な性質の変化が考えられ、また電極の酸化による劣化もその原因になっていると推察される。
そこで、有機EL素子の長寿命化を図るためには、発光効率や輝度を維持しながら動作電圧を抑制する、すなわち有機EL素子を高効率とすることが重要であり、動作電圧を抑制することは、有機EL素子の消費電力を抑制することにもつながる。
有機EL素子の開発当初は、正極/発光層(有機EL層)/負極からなる単純な構造であったが、有機EL素子を高効率とするために、例えば正極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/負極、からなる、いわゆる積層型有機EL素子が提案されている。(例えば非特許文献1参照。)
さらに、正極から注入される正孔の量を増大させるために、正極と正孔輸送層の間に2−TNATAなどからなる正孔注入層を設けて、有機EL素子の動作電圧を低下させる方法や(特許文献1参照)、正孔輸送層にアクセプタをドープすることにより、当該正孔輸送層の導電性を上げて、有機EL素子の動作電圧の低下と高効率化を図る方法が提案されている。(特許文献2参照。)
また、このように正孔輸送層にアクセプタをドープした場合には導電性は向上するものの、キャリアの閉じ込めが充分に行われず、負の方向での電圧印加に対して電流が流れる、すなわちリーク電流が発生するという問題がある。そのために、さらに電子を閉じ込めるための電子注入抑制層を形成して、導電性を向上して発光効率を高めながら、リーク電流を抑制する方法が提案されている(特許文献3参照。)
特開2001−254076号公報 特開平4−297076号公報 特開2002−196140号公報
しかしながら、上記の有機EL素子のいずれの場合も、リーク電流の抑制に関しては不十分である。負の方向の電圧印加でリーク電流が流れてしまうと、例えば、以下に説明するようにクロストークが発生する原因となってしまう。
図1Aは有機EL素子を用いた有機EL表示装置の構造を模式的に示した図であり、図1Bはその等価回路を示した図である。
図1Aおよび図1Bを参照するに、まず素子aを駆動させるために当該素子aに電圧を印加する場合に、経路E1に沿って電流が流れるが、その場合にまた経路E2に沿って電流が流れることが想定される。この場合、素子bで負方向での電圧でのリーク電流が多いと、素子bでのクロストークが発生してしまうことになる。また、電子の閉じ込めが不十分でリーク電流が多い場合には、発光に寄与する電子の割合が減少してしまうため、発光効率が低下してしまう問題があった。
このように、従来の有機EL素子では、有機EL素子の導電性を向上させて動作電圧を抑制しながら、有機EL素子のリーク電流を抑制することは困難であった。
そこで、本発明では上記の課題を解決した、新規で有用な有機EL素子、有機EL表示装置、有機EL素子の製造方法および有機EL素子の製造装置を提供することを目的としている。
本発明の具体的な課題は、有機EL素子の導電性を向上させて動作電圧を抑制しながら、有機EL素子のリーク電流を抑制することを可能とすることであり、さらに当該有機EL素子を用いた有機EL表示装置、当該有機EL素子の製造方法および当該有機EL素子の製造装置を提供することである。
本発明による有機EL素子は、上記の問題を解決するために、正極と負極間に、少なくとも発光層と、前記発光層の正極側に隣接する正孔輸送層と、前記前記発光層の負極側に隣接する電子注入輸送層とを有する有機EL素子であって、前記正孔輸送層と前記正極の間に正孔注入層が形成され、当該正孔注入層は、その導電性を当該正孔注入層の厚さ方向に連続的に変化させることを特徴としている。
当該有機EL素子では、前記正孔注入層の導電性を当該正孔注入層の厚さ方向に連続的に変化させるように形成したため、正孔注入層中でキャリアが涸渇した領域が形成され、当該有機EL素子の導電性を向上させて動作電圧を抑制しながら、有機EL素子のリーク電流を抑制することを可能としている。
また、本発明による有機EL表示装置は、正極と負極間に、少なくとも発光層と、前記発光層の正極側に隣接する正孔輸送層と、前記前記発光層の負極側に隣接する電子注入輸送層とを有する有機EL素子を有する有機EL表示装置であって、前記正孔輸送層と前記正極の間に正孔注入層が形成され、当該正孔注入層は、その導電性を当該正孔注入層の厚さ方向に連続的に変化させることを特徴としている。
当該有機EL表示装置では、前記正孔注入層の導電性を当該正孔注入層の厚さ方向に連続的に変化させるように形成したため、正孔注入層中でキャリアが濃度を減少した領域が形成され、当該有機EL素子の導電性を向上させて動作電圧を抑制しながら、有機EL素子のリーク電流を抑制し、クロストークが抑制される効果を奏する。
また、本発明による有機EL素子の製造方法では、基板上に形成された正極上に正孔注入層を形成する工程と、前記正孔注入層上に正孔輸送層を形成する工程と、前記正孔輸送層上に発光層を形成する工程と、前記発光層上に電子注入輸送層を形成する工程と、前記電子注入輸送層上に負極を形成する工程を有する有機EL素子の製造方法であって、前記正孔注入層を形成する工程は、蒸着源を使った真空蒸着法により実施され、前記正孔注入層の形成工程中は、前記蒸着源と、有機EL素子が形成される被処理基板との距離を変化させる工程を含むことを特徴としている。
当該有機EL素子の製造方法によれば、前記蒸着源と、有機EL素子が形成される被処理基板との距離を変化させる工程を含むため、前記正孔注入層の膜厚方向で、当該正孔注入層に導入する材料を変化させた膜を形成することが可能となる。
また、本発明による、有機EL素子の製造装置は、処理容器と、前記処理容器内部を排気する排気手段と、前記処理容器内部の第1の側に設けられた被処理基板を保持する保持台と、前記処理容器内部の当該第1の側に対向する第2の側に設けられた、材料を気化させる蒸着源とを有し、当該蒸着源によって気化された前記材料が前記被処理基板に蒸着される、有機EL素子の製造装置であって、前記気化手段を前記処理容器内で移動させる移動手段を有し、前記移動手段は、少なくとも前記蒸着源を前記第1の側から第2の側の方向へ、または前記第2の側から第1の側の方向へ移動させることが可能な構造であることを特徴としている。
上記有機EL素子の製造装置によれば、有機EL素子の有機層を形成する場合に、前記蒸着源を前記第1の側から第2の側の方向へ、または前記第2の側から第1の側の方向へ移動させることにより、形成される膜の膜厚の再現性や、膜中に添加される成分の濃度の再現性が良好となる効果を奏する。
図1Aは、従来の有機EL表示装置を模式的に示した図であり、図1Bはその等価回路図である。
図2は、本発明による有機EL素子を模式的に示した断面図である。
図3A〜図3Cは、図2の有機EL素子の正孔注入層の詳細を模式的に示した断面図である。
図4A〜図4Cは、図3A〜図3Cに示した正孔注入層のアクセプタの濃度を模式的に示した図である。
図5は、図4A〜図4Cに示した正孔注入層を用いた有機EL素子の特性を示した図である。
図6は、本発明による有機EL表示装置を模式的に示した斜視図である。
図7は、有機EL素子を形成する場合の有機層の成膜方法を模式的に示した図である。
図8は、本発明による有機EL素子の製造装置を模式的に示した断面図である。
図9は、図8の製造装置で形成される有機層に導入される成分の濃度を示した図である。
図10A、図10Bは、図8に示した製造装置によって製造した有機EL素子の輝度と輝度半減期のバラつきを調べた結果を示した図である。
図11は、図8に示した製造装置によって有機EL素子を製造する場合の基板の一例を模式的に示した図である。
図12は、図8の製造装置によって有機EL素子を製造する場合の、被処理基板と蒸着源の位置関係の一例を示した図である。
図13A〜図13Lは、図8の製造装置によって形成される有機層に導入される成分の濃度の状態の例を示した図である。
図14A〜図14Fは、図8に示した製造装置で用いることが可能な蒸着の材料の分子式の例を示した図である。
次に、本発明の実施の形態に関して図面に基づき、説明する。
図2は、本発明による有機EL素子の構成の一例の断面を、模式的に示した図である。
図2を参照するに、図2に示した有機EL素子100は、例えばガラスからなる基板101上に、透明な電極、例えばITOからなる正極201が形成され、当該正極201と、例えばAlからなる負極701に、有機EL層からなる発光層501が狭持された構造になっている。
前記発光層501と前記負極701の間には、電子注入輸送層601が形成され、また、前記発光層501と前記正極201の間には、前記発光層501に接するように正孔輸送層401が形成されており、さらに当該正孔輸送層401と前記正極201の間には、当該正孔輸送層401と前記正極201に接するように正孔注入層301が形成されている。
前記有機EL素子100では、前記負極701と前記正極201の間に順方向に電圧が印加されることにより、前記負極701から電子が、また前記正極201からは正孔が前記発光層501に注入される。当該電子と当該正孔の再結合により、前記発光層501のエネルギーギャップに対応した波長で当該発光層501が発光する。
前記正極201には仕事関数の大きい、例えば導電性酸化物であるITOが用いられ、負極には仕事関数の小さい、例えばAl−Liなどが用いられる。
前記発光層501の発光効率を高めるためには、前記発光層501に効率よくキャリアを注入することが重要であるが、前記正極201と前記発光層501また前記負極701と前記発光層501の間では大きなバンド段差が形成されるため、素子の抵抗を低減してキャリアを効率よく注入するための層が必要であり、本実施例では正孔注入層301と電子注入輸送層601が設けられている。
本実施例においては、前記正孔注入層301にはアクセプタが導入されて導電性が増大され、前記正極201から前記発光層501に効率よく正孔が注入されるようになっている。
しかし、前記発光層501で発光効率を高めるためには、さらに当該発光層501中に電子と正孔が閉じ込められて再結合が促進されることが重要であり、例えば発光に寄与せずに発光層を通過する電子が多い場合には、リーク電流が増大するが、当該リーク電流の増大は発光効率の低下を示している。
そのため、前記発光層501を挟持する層は効率よくキャリアを当該発光層501に注入すると共に、キャリアを閉じ込める機能を有することが好ましい。
そのため、本実施例では前記正孔輸送層401を設け、正孔を効率よく前記発光層に輸送すると共に、前記発光層501から電子が前記正極201側へ通過するのを阻止して発光効率を高めるように、電子を発光層中に閉じ込める役目を果たすエネルギー障壁の大きさを高くした構造になっている。そのため、前記正孔輸送層401を電子阻止層と呼ぶ場合もある。
しかし、単に前記正孔注入層301にアクセプタを導入する従来の有機EL素子の場合には、以下に説明するように、素子の抵抗を下げて動作電圧を抑制することと、キャリアの閉じ込め効果を維持してリーク電流を抑制することを両立することは困難であった。
例えば前記発光層501に注入される電子の中には、前記正孔輸送層(電子阻止層)401を通過するものがあり、前記正孔輸送層401で完全に電子の通過を防止すること、いわゆる素抜けを防止することは困難である。
従来の有機EL素子の場合は、正孔輸送層を通過した電子は正孔注入層を容易に通過して正極に達するためリーク電流が大きく、特に動作電圧を抑制する目的で、正孔注入層の導電性を増大させるためにアクセプタの濃度を増大させようとした場合にはリーク電流が増大する問題を抑制するのは困難であった。
一方、本実施例による、前記有機EL素子100の場合には、前記正孔注入層301の導電性を、当該正孔注入層301の前記正極201に面した側から前記正孔輸送層401に面した側にむかって連続的に変化するように形成した。
そのため、当該有機EL素子の導電性を向上させて動作電圧を抑制しながら、有機EL素子のリーク電流を抑制することを可能としている。すなわち、当該正孔注入層の導電性を向上させて動作電圧を抑制する効果を得る部分と、導電性を低下させて電子の通過を阻止してリーク電流を抑制する部分を設けることで、動作電圧を抑制しながらリーク電流を抑制することを可能としている。
例えば、前記正孔注入層301に、アクセプタをドープすることで当該導電性を制御することが可能であるが、当該正孔注入層301の膜厚方向、すなわち前記正極201から前記正孔輸送層410の方向においてアクセプタの濃度を連続的に変化させるように形成することで当該正孔注入層301中に、導電性を増大させる部分と導電性を低下させる部分を形成することを可能としている。
このように、前記有機EL素子100において、前記正孔注入層301の導電性を変化させた例である正孔注入層301A〜301Cを次に図3A〜図3Cに示す。なお、図2に示したように、前記正極201から前記電子輸送層401に向かう方向、すなわち前記正孔注入層301の膜厚方向をx軸方向とする。
まず、図3Aを参照するに、本図に示す正孔注入層301Aの場合には、前記正孔注入層301Aのアクセプタ濃度が、前記正極201の近傍で低くなるように形成されている。前記正孔注入層301Aは、前記正極201に面する側にアクセプタの濃度が低い低濃度層301bが形成され、さらに当該低濃度層301bと前記正孔輸送層401の間にアクセプタ濃度が高い高濃度層301aが形成されている。そのため、前記正孔輸送層401を通過した電子が前記低濃度層301bによって当該正孔注入層301Aを通過することを阻止すると共に、アクセプタ濃度が高い高濃度層301aが形成されることによって、当該正孔注入層301Aの導電性を高く維持して、正孔が効率的に発光層に注入されるようにして有機EL素子の動作電圧を抑制する効果を奏する。
また、前記正極201に用いられるITOは、膜の表面粗さ、すなわち膜の表面の凹凸が大きく、特に突起した部分が起点となってリーク電流が大きくなる現象が生じる場合があった。本図に示したように正極の近傍にアクセプタ濃度が低く導電性が小さい低濃度層を設けることによって、正極の表面粗さに起因する電界集中効果、および当該電界集中効果に伴うリーク電流の増大を抑制する効果も奏する。
次に、図3Bを参照するに、本図に示す正孔注入層301Bの場合には、当該正孔注入層301Bのアクセプタ濃度が、前記正孔輸送層401の近傍で低くなるように形成されている。前記正孔注入層301Bは、前記正孔輸送層401に面する側にアクセプタの濃度が低い低濃度層301dが形成され、さらに当該低濃度層301dと前記正極201の間に、アクセプタ濃度が高い高濃度層301cが形成されている。そのため、前記正孔輸送層401を通過した電子が前記低濃度層301dによって当該正孔注入層301Bを通過することを阻止すると共に、アクセプタ濃度が高い高濃度層301cが形成されることによって、当該正孔注入層301Bの導電性を高く維持して、正孔が効率的に発光層に注入されるようにして有機EL素子の動作電圧を抑制する効果を奏する。
また、次に図3Cに示す正孔注入層301Cのように、当該正孔注入層301Cのアクセプタ濃度が、前記正極201の近傍と、前記正孔輸送層401の近傍の双方で低くなるように形成すると、さらにリーク電流を抑制する効果が大きくなる。
前記前記正孔注入層301Cでは、前記正極201に面する側にアクセプタ濃度が低い低濃度層301gが、また正孔輸送層401に面する側にアクセプタの濃度が低い低濃度層301fが形成され、さらに当該低濃度層301gと当該低濃度層301fの間に、アクセプタ濃度が高い高濃度層301eが形成されている。
そのため、前記正孔輸送層401を通過した電子が前記低濃度層301fと前記低濃度層301gによって当該正孔注入層301Cを通過することを阻止すると共に、アクセプタ濃度が高い高濃度層301eが形成されることによって、当該正孔注入層301Cの導電性を高く維持して、正孔が効率的に発光層に注入されるようにして有機EL素子の動作電圧を抑制する効果を奏する。
次に、図3A〜図3Cに示した正孔注入層を用いた有機EL素子の構成の詳細な例について、それぞれ図4A〜図4Cに基づき以下に説明する。
図4Aは、図2に示した有機EL素子で、正孔注入層に図3Aに示した正孔注入層301Aを用いた例を示した図であり、併記したグラフは正孔注入層のアクセプタ濃度を模式的に示したものである。ただし図中、先に説明した部分には同一の参照符号を付し、説明を省略するが、本図では、正孔注入層、正極および正孔輸送層以外は図示を省略しており、本図のx軸方向は図2のx軸方向に対応している。(以下図4B〜図4Cにおいて同じ。)
本実施例では、基板101にガラスからなる基板、正極201にはITO電極、正孔注入層301Aには、2−TNATA(4,4’,4”−tris(2−naphthylphenylamino)triphenylamine、バンドー化学)、正孔注入層にドープするアクセプタにF4−TCNQ(2,3,5,6−tetrafluoro−7,7,8,8tetracyanoquinodimethane、アルドリッチ)、正孔輸送層(電子抑制層)401にα−NPD(N,N’−di(1−naphthyl)−N,N’−diphenyl−[1,1’−biphenyl]−4,4’−diamine、TYE501、東洋インキ)、発光層501にはAlq(TYE701、東洋インキ)をホストとして発光材料をドープしたもの、電子輸送層601にAlq、負極701にAl−Liを用いた。
また、アクセプタとしては、FeCl、InCl、AsF、Cl、Br,Iなどの無機材料、TCNQ(7,7,8,8,−テトラシアノキノジメタン)、TCNE(テトラシアノエチレン)などのシアノ基を有する化合物、TNF(トリニトロフルオレノン)、DNF(ジニトロフルオレノン)などのニトロ基を有する化合物、などの有機材料を用いることも可能である。
本実施例に示す有機EL素子を形成する場合には、まずITO付きガラス基板を水、アセトン、イソプロピルアルコールにより超音波洗浄し、UVオゾン処理もしくは酸素プラズマ処理を施した。UVオゾン処理は大気中でUV照射を20分行った。
次に正極となるITO表面上に,真空蒸着装置を用いて、圧力1×10−6torr、基板温度は室温で以下の膜を蒸着する。
まず、2−TNATAとF4−TCNQをそれぞれ蒸着速度0.1nm/s、0.00004nm/sで厚さ10nm(0.04%)蒸着して前記低濃度膜301bを形成した。さらに、2−TNATAとF4−TCNQをそれぞれ蒸着速度0.1nm/s、0.00012nm/sで厚さ30nm(0.12%)蒸着して前記高濃度膜301aを形成した。
上記によって形成される正孔注入層301A上に、α−NPDを蒸着速度0.1nm/sで厚さ10nm蒸着し、正孔輸送層401を形成した。
次に、発光材料をドープしたAlqを厚さ30nm蒸着して発光層501を形成した。さら発光層上にAlqを厚さ20nm形成して電子注入輸送層601とし、負極としてLiFを厚さ0.5nm、Alを厚さ100nm形成して有機EL素子を形成した。
このようにして形成した有機EL素子にITOを正極、Al−Liを負極として電圧6V以上を印加すると緑色発光が観測された。
また、図4Aには前記x軸方向、すなわち正孔注入層の膜圧方向でのアクセプタの濃度を模式的に示した図を示してあるが、前記低濃度層301bではアクセプタ濃度が低く、前記高濃度層301aではアクセプタ濃度が高くなっていることがわかる。
このような正孔注入層は40〜50nm形成されることが好ましい。また、正孔注入層ではアクセプタ濃度が前記低濃度層301bから前記高濃度層301aにおいて少なくとも10%以上変化するようにすると、リーク電流を抑制する効果が大きくなり、好適である。
また、前記低濃度層301bと高濃度層301aの境界である境界g1では、アクセプタ濃度の勾配は、急峻な変化ではなく、連続的な変化であって、緩やかな勾配となることが好ましい。これはアクセプタの濃度勾配を緩やかに形成した場合に、有機EL素子の寿命が長くなるためである。また、このように濃度変化や濃度勾配を有する有機層を形成する場合に用いる製造装置については後述する。
また、図4Bは、図2に示した有機EL素子で、正孔注入層に図3Bに示した正孔注入層301Bを用いた例を示した図であり、併記したグラフは正孔注入層のアクセプタ濃度を模式的に示したものである。
本実施例では、基板101、正極201、正孔輸送層(電子抑制層)401、発光層501、電子輸送層601および負極701の構造は実施例1に記載した場合と同一であり、実施例1に記載した方法で形成することが可能である。
本実施例では実施例1の場合と同様に、正孔注入層301Bには、2−TNATA、正孔注入層にドープするアクセプタにF4−TCNQを用いてITO表面上に以下のように正孔注入層301Bを形成した。
まず、2−TNATAとF4−TCNQをそれぞれ蒸着速度0.1nm/s、0.00012nm/sで厚さ30nm(0.12%)蒸着して前記高濃度膜301cを形成した。さらに、2−TNATAとF4−TCNQをそれぞれ蒸着速度0.1nm/s、0.00004nm/sで厚さ10nm(0.04%)蒸着して前記低濃度膜301dを形成した。
また、図4Bには前記x軸方向、すなわち正孔注入層の膜圧方向でのアクセプタの濃度を模式的に示した図を示してあるが、前記高濃度層301cではアクセプタ濃度が高く、前記低濃度層301dではアクセプタ濃度が低くなっていることがわかる。
このような正孔注入層は40〜50nm形成されることが好ましい。また、正孔注入層ではアクセプタ濃度が前記高濃度層301cから前記低濃度層301dにおいて少なくとも10%以上変化するようにすると、リーク電流を抑制する効果が大きくなり、好適である。
また、前記高濃度層301cと低濃度層301dの境目である境界g2では、実施例1の境界g1の場合と同様の理由からアクセプタ濃度の勾配は、急峻な変化ではなく、連続的な変化であって、緩やかな勾配となることが好ましい。
また、図4Cは、図2に示した有機EL素子で、正孔注入層に図3Cに示した正孔注入層301Cを用いた例を示した図であり、併記したグラフは正孔注入層のアクセプタ濃度を模式的に示したものである。
本実施例では、基板101、正極201、正孔輸送層(電子抑制層)401、発光層501、電子輸送層601にAlqおよび負極701の構造は実施例1に記載した場合と同一であり、実施例1に記載した方法で形成することが可能である。
本実施例では実施例1の場合と同様に、正孔注入層301Cには、2−TNATA、正孔注入層にドープするアクセプタにF4−TCNQを用いて以下のようにITO表面上に正孔注入層301Cを形成した。
まず、2−TNATAとF4−TCNQをそれぞれ蒸着速度0.1nm/s、0.00004nm/sで厚さ10nm(0.04%)蒸着して前記低濃度膜301gを形成した。さらに、2−TNATAとF4−TCNQをそれぞれ蒸着速度0.1nm/s、0.00016nm/sで厚さ20nm(0.16%)蒸着して前記高濃度膜301eを形成した。次に、2−TNATAとF4−TCNQをそれぞれ蒸着速度0.1nm/s、0.00004nm/sで厚さ10nm(0.04%)蒸着して前記低濃度膜301fを形成して正孔注入層301Cを形成した。
また、図4Cには前記x軸方向、すなわち正孔注入層の膜圧方向でのアクセプタの濃度を模式的に示した図を示してあるが、前記高濃度層301eではアクセプタ濃度が高く、前記低濃度層301g、301fではアクセプタ濃度が低くなっていることがわかる。
このような正孔注入層は40〜50nm形成されることが好ましい。また、正孔注入層ではアクセプタ濃度が前記低濃度層301gから前記高濃度層301eにおいて少なくとも10%以上変化するようにすると、リーク電流を抑制する効果が大きくなり、好適である。また、アクセプタ濃度が前記高濃度層301eから前記低濃度層301fにおいて少なくとも10%以上変化するようにすると、リーク電流を抑制する効果が大きくなり、好適である。
また、低濃度層と高濃度層の境目である境界g3およびg4では、実施例1の境界g1の場合と同様の理由からアクセプタ濃度の勾配は、急峻な変化ではなく、連続的な変化であって、緩やかな勾配となることが好ましい。
次に、上記実施例1〜実施例3(正孔注入層100A〜100Cを用いた場合)の有機EL素子のリーク電流、発光輝度、動作電圧、発光効率を比較した結果を図5に示す。また、比較例として、正孔注入層で導電性を略均一としたものの結果を併記した。当該比較例の場合、正孔注入層を、2−TNATAとF4−TCNQをそれぞれ蒸着速度0.1nm/s、0.0001nm/sで厚さ40nm(0.1%)蒸着したものを用い、これ以外の構成は実施例1〜実施例3の場合と同一とした。
図5を参照するに、実施例1〜実施例3の場合において、比較例と比べた場合に、発光輝度、動作電圧、発光効率を同程度の値に保持しながら、比較例に比べてリーク電流が抑制された効果が確認された。すなわち、正孔注入層にアクセプタをドープして、発光輝度、発光効率を高くし、動作電圧を抑制する効果を維持しながら、アクセプタをドープした場合にリーク電流が増大するという従来の問題点を抑制する効果が確認された。
また、実施例1の場合には、実施例2の場合に比べてさらにリーク電流が低くなっているが、これは正孔注入層100Aの説明で記述したように、前記正極201に用いられるITOの膜の表面粗さ、すなわち膜の表面の凹凸に起因するリーク電流の増大を抑制する結果であると考えられる。
さらに、実施例3の場合には、実施例1および実施例2に比べてリーク電流が小さくなっており、正孔注入層の導電性、この場合アクセプタ濃度が、正極近傍と正孔輸送層近傍の双方で低くなるように形成されているため、リーク電流を抑制する効果が大きくなっていると共に、アクセプタのドープによって発光輝度、発光効率を高くし、動作電圧を抑制する従来の効果が維持されることも併せて確認された。
実施例1〜実施例3に示したいずれかの有機EL素子を用いて、有機EL表示装置を形成することが可能であり、図6には本発明の実施例4による有機EL表示装置を形成した一例の斜視図である有機EL表示装置100Aを示す。
本実施例による有機EL表示装置は、例えば対角線の大きさ(画面サイズ)が3.5インチのものであり、通常の有機EL表示装置の製造方法で製造することが可能であり、配線系統や制御装置も通常の有機ELと同様のものを用いることが可能である。
本実施例による有機EL表示装置は、発光輝度、発光効率が高くかつ動作電圧が低いために消費電力が小さく、また動作電圧が低いために表示装置の寿命が長いという特長を有している。
さらに、有機EL素子の、負電圧に対するリーク電流が抑制されているため、クロストークの発生が抑制されるという効果を奏する。
また、実施例1〜実施例3に示した有機EL素子の発光層、電子注入輸送層、正孔輸送層および正孔注入層などの有機物薄膜層は、前記したように真空蒸着法により形成される。
従来の真空蒸着装置の構成の一部を模式的に示した図7に示す。図7を参照するに、従来の真空蒸着装置は、図示しない真空容器内に設けられた、材料Liqを保持する蒸着源P0を、例えば高電気抵抗加熱手段hによって加熱して材料を蒸発または昇華させることで気化し、被処理基板Suに蒸着する構造となっている。
このように真空蒸着法を用いて有機EL素子を形成する場合、重要となるのが製品間でのバラつきを抑制して歩留りを向上させることである。従来の真空蒸着装置の場合、形成される膜の厚さ、組成などのバラつきが大きい問題があった。例えば成膜速度を制御する場合に、抵抗加熱の制御による温度制御の速度が遅く、成膜速度、すなわち形成される膜の膜厚の制御性が劣っていた。
また、特に先に記述した実施例1〜実施例3では正孔注入層の導電性を連続的に変化させて導電性を制御しているため、形成される膜の膜厚の再現性がよく、また導電性を変化させるために添加する材料の濃度の再現性がよいことが必要であるが、従来の装置でこれらを達成するのは困難であった。
また、例えば図2に示す有機EL素子のように種類の異なる有機膜を積層することは困難であった。
例えば、特開2001−23776号公報に開示されているように、膜中の濃度勾配を、蒸着源の加熱手段に流す電流によって制御する場合には、蒸着速度が不安定であり、充分な制御性が得られない。
また、例えば特開2003−77662号公報には、固定された複数の蒸着源の上部で基板を移動させることにより、膜中に添加される添加物の濃度勾配を有する膜を形成する方法が提案されているが、この方法をとると製造装置そのものが非常に大きく高価なものになってしまう。
本実施例では、従来の真空蒸着装置が有する問題を解決して、形成される膜厚の制御性と再現性がよく、また膜中の添加物や成分などの濃度勾配の制御性や再現性にすぐれた有機EL製造装置の説明をする。
図8は、本実施例による有機EL製造装置である真空蒸着装置10を模式的に示した図である。
図8を参照するに、真空蒸着装置10の概略は、処理容器11の内部に材料19aを保持し、気化させる蒸着源18a、および材料19bを保持し、気化させる蒸着源19bを有しており、保持台15に保持部材12aによって保持された被処理基板15に気化させた材料を蒸着する構造になっている。
前記処理容器11には、第1の排気口24を有し、当該第1の排気口24には、粗引きライン25が接続され、図示しない排気手段、例えばドライポンプなどによって処理容器11の内部が真空排気される。
さらに、前記処理容器11には、第2の排気口22が設けられ、当該第2の排気口には高真空ポンプ、例えば吸着型ポンプであるクライオポンプなどが接続され、当該処理容器11内部を高真空に保持することが可能になっている。
前記保持台12は、例えば略円筒状の支持部13によって支持され、当該支持部13と前記処理容器11の間は例えば磁性流体によりシールされる。前記支持部13は回動機構14に接続され、前記保持台12は、前記支持部13を介して当該回動機構14により、回動される構造となっている。前記被処理基板15が前記保持台12によって回動されることにより、被処理基板15に蒸着される膜の膜厚の均一性が良好となる効果を奏する。また、前記保持台12の近傍には、蒸着される膜の厚さを検知する検知手段27が設けられている。
前記蒸着源18aに保持された材料19aは、当該処理容器18aに設けられた図示しない加熱手段によって加熱されて蒸発または昇華により気化して気化材料19a’となり、被処理基板15に蒸着される。同様に、前記蒸着源18bに保持された材料19bは、当該処理容器18bに設けられた図示しない加熱手段によって加熱されて気化して気化材料19b’となり、被処理基板15に蒸着される構造になっている。
前記蒸着源18aは、例えば多関節アームなどの上下機構からなる移動手段17aによって支持されており、当該蒸着源18aは当該移動手段17aによって上下方向に、すなわち処理容器11内において前記蒸着源18aが設けられた側から前記保持台15が設けられた側に向かう方向に略平行な方向、すなわち当該蒸着源18aが被処理基板15に近づく方向または遠ざかる方向(図中当該方向をz軸方向とする)に移動させることが可能な構造になっている。
同様に、前記蒸着源18bは、例えば多関節アームなどの上下機構からなる移動手段17bによって支持されており、当該蒸着源18bは当該移動手段17bによって上下方向に、すなわちz軸方向に可動させることが可能な構造になっている。
このように、成膜のための材料を気化させる蒸着源を移動させる構造としたことで、基板に到達する蒸着される気化した材料の量を速やかに制御して再現性よく被処理基板上に薄膜を形成することが可能になる。
例えば、従来は蒸着源の加熱手段による温度調節によって成膜速度や成膜される膜厚を制御していたため、制御速度に限界があり、また突沸などの不安定な要因があったために膜厚の再現性を良好とすることは困難であった。
本実施例では、前記移動手段17aによって速やかに成膜速度を制御可能であるため、形成される薄膜の膜厚を制御性よく、また再現性を良好に形成できる。
この場合、前記蒸着源18aに設けられた、当該蒸着源18aと共に移動手段17aによって移動し、当該蒸着源17aと一定の距離を保持する、蒸着源18aから気化する材料の量を測定する検知手段20aが設けられているため、形成される膜厚の再現性が良好となる効果を奏する。
前記検知手段20aは、前記蒸着源18aから気化する材料の量を検知する測定手段であり、例えば成膜速度を一定に保持する場合には、前記蒸着源18aから気化する材料の量が増大したら前記移動手段17aによって、前記蒸着源18aと前記被処理基板15の距離d0が大きくなるように制御される。また、前記蒸着源18aから気化する材料の量が減少した場合には前記距離d0が小さくなるように前記移動手段17aで制御される。
この場合、前記検知手段20aからの検知された信号は、制御装置10Aに送られ、当該信号に応じて制御装置10Aによって前記移動手段17aが制御されて前記距離d0が制御される。また、前記制御装置10Aは、前記保持台の回動や加熱手段の制御、および検知手段27に基づく制御など成膜に関する真空蒸着装置10の制御を行う機能を有している。
このため、材料の気化が不安定な場合にも速やかに前記距離d0を制御することで、成膜速度の制御性が良好となるため、形成される薄膜の膜厚の再現性が良好となる効果を奏する。
また、前記蒸着源18bに関しても、前記蒸着源18aと同様に、移動手段17bおよび検知手段20bを有し、前記蒸着源18aの場合の前記移動手段17aおよび検知手段20aとそれぞれ同様の効果を奏する。
またこの場合、複数の蒸着源を用いることで、様々な組成の膜を形成することが可能となり、また様々な濃度勾配を制御性よく、また再現性を良好に形成することが可能となる。
例えば材料19aからなる薄膜中に、材料(または添加剤などでもよい)19bを混合または添加する場合を考えると、本実施例の場合は、成膜開始後に必要に応じて前記移動手段17aまたは移動手段17bによって前記蒸着源18aまたは蒸着源18bを移動させることによって、形成される薄膜に添加される、材料19aに対する材料19bの割合を制御することが可能となり、さらに膜厚方向において濃度の勾配を設けることが可能である。
例えば、図9は本実施例による真空蒸着装置10によって形成される薄膜の成分を示した例であり、材料19aに添加される材料19bの割合を示したものである。
図9を参照するに、形成される薄膜の膜厚方向に従って、材料19bの濃度が増大するようになっている。これは、成膜が進行するに従い、前記移動手段17bによって被処理基板15と前記蒸着源18bの距離を近づけるよう制御することでこのような濃度勾配を有する膜を形成することが可能となる。
また、この場合、前記蒸着源18aを被処理基板から遠ざかるように制御してもよく、また蒸着源18bと蒸着源18aの双方を移動させるように制御してもよい。
このように、従来は形成することが困難であった、添加物の濃度勾配を有する膜を、制御性よく、また再現性よく形成することが可能となる。またこの場合、前記検知手段20aおよび20bと制御装置10Aによって成膜速度が制御されるために、添加材料の濃度勾配のみならす膜厚も制御性よく、また再現性よく形成することができる。
また、前記移動手段17aおよび前記移動手段17bは、それぞれ移動手段21aおよび移動手段21b上に固定されている。前記移動手段21aおよび前記移動手段21bは、前記処理溶器10の底部に設けられた略レール状のスライド受け16上をスライドするように移動し、前記蒸着源18aおよび前記蒸着源18bを、被処理基板と略平行な方向に移動させることが可能な構造となっている。この場合、前記移動手段21aおよび前記移動手段21bの移動は前記制御装置10Aによって制御される。
このように前記蒸着源18aおよび18bが被処理基板と略平行な方向(図面上のx軸方向)を移動することが可能な構造としたことにより、さらに成膜速度や被処理基板の面内での成膜速度の均一性を良好とする場合の制御性が良好となり、さらに添加する材料の濃度分布を制御する制御のバリエーションが広がり、制御性が良好となる効果を奏する。
また、前記処理容器11内には、例えば開口部を有する筐体形状の蒸着遮断手段26を設けてある。このため、前記蒸着源18aまたは蒸着源18bを前記蒸着遮断手段26の内部に移動させることで、当該蒸着源18aまたは蒸着源18bから気化する材料が被処理基板に蒸着する速度を速やかに低下させることが可能であり、例えば異なる材料からなる薄膜を積層させる場合や、図13A〜図13Lで後述する様々な濃度勾配を形成する場合に制御性が良好となって好適である。このような蒸着制御手段は筐体形状に限定されるものではなく、蒸着源から気化する材料を遮断するものであればよく、例えば板状または円板状のシャッターなどを用いることが可能である。
本実施例による真空蒸着装置により、例えば図2に示すような有機膜が積層された有機EL素子を、再現性よく、そのために歩留りを良好として製造することが可能となる。
特に図4A〜図4Cに示した、正孔注入層のアクセプタ濃度の制御性と再現性が良好である効果を奏し、さらに境界g1、g2、g3およびg4のアクセプタ濃度の勾配を所望の値に容易に形成することができる。境界g1〜g4では、アクセプタ濃度の変化である濃度勾配は、急峻な変化ではなく、連続的な変化であって、緩やかな勾配とした場合に、有機EL素子の寿命が長くなるため、このような緩やかな濃度勾配を形成して長寿命の有機EL素子を形成することが可能となる。
次に、本実施例による真空蒸着装置を用いて、膜厚の再現性を確認した。形成した有機EL素子の構成は、ITO/NPD〜Alq3(150nm)/LiF(0.5nm)/Al(100nm)であり、NPDに対するAlqの濃度勾配は図9に示すように形成した。なお、NPDとAlqの分子式については後述する。素子の形成は以下のようにして行った。
まず、大きさが200×200mmのITO電極付きガラス基板を純水、アセトン、純水、イソプロピルアルコールの順で15分ずつ超音波洗浄し、UV−オゾン洗浄した後、図8に示すように被処理基板を保持台に設置した。この場合、保持台の回転速度は10rpmとした。
前記蒸着源18aにはNPD、前記蒸着源18bにはAlq3を入れ、加熱手段のヒータに流す電流値と温度、また気化する材料の速度が安定したら成膜を開始する。
成膜の開始にあたっては、前記蒸着源18bを前記蒸着遮断手段26内部に対比させ、前記蒸着源18aを、前記検知手段27で検知されるα―NPDの成膜速度が0.1nm/sとなる位置に前記移動手段17aによって制御する。
次に、前記蒸着源18bを前記蒸着遮断手段26内から移動させてAlq3の蒸着を開始する。この場合、予め設定した濃度勾配となるように、前記制御装置10Aによって、前記移動手段17bによって前記蒸着源18bが被処理基板に近づくように制御されると共に前記移動手段17aによって前記蒸着源18aが被処理基板から遠ざかるように制御される。
この場合、前記検知手段27によって成膜速度は0.1nm/sになるように制御され、また材料の気化状態の変動による成膜速度などの変動要因は前記検知手段20aおよび20bによって検知され、それぞれ移動手段17aおよび17bの移動速度に反映され、材料の気化状態の変動が成膜速度に影響することを排除している。
成膜が終了する時点では前記蒸着源18aは前記蒸着遮断手段26の内部に退避する位置に制御される。
次にLiF層を0.5nm成膜後、Alを100nm蒸着により成膜し、ガラス基板をUV硬化接着剤で貼り付けて封止して有機EL素子を形成した。
再現性を確認するために上記の有機EL素子を5回形成して、電流密度10mA/cmにおける発光輝度と素子の輝度半減寿命を調べた。その結果を図10Bに示す。また、比較のために蒸着源の位置を移動する事無く、加熱手段の温度、すなわち加熱手段のヒータの電流値で成膜速度を操作して、従来の装置と同様に制御を行って同様に有機EL素子を形成した結果を図10Aに示す。また、バラつきは5回の評価結果の平均値を基準として算出した。
図10Aおよび図10Bを参照するに、本実施例による真空蒸着装置を用いて、蒸着源18aまたは18bの位置を制御することで成膜速度、膜中の成分を制御した場合には輝度と寿命の再現性に優れバラつきが小さく、形成される製品の歩留りを高くできることが確認された。
また、本実施例による真空蒸着装置は、以下に説明するように、有機EL素子の有機膜の研究・開発や検査などに用いると好適であり、これらの研究・開発や評価にかかる時間を短縮して効率的に行う事が可能となる効果を奏する。
有機EL素子は素子構成、例えば積層される各層の膜厚、ドープ濃度などにより発光効率や素子の寿命が大きく変化するため、膜厚やドープ濃度を適切な膜厚やドープ濃度などを評価する必要が有り、従来の蒸着装置ではシャドーマスクなどを用いた成膜を繰り返す必要があり、成膜に時間を要していた。
本実施例による蒸着装置では、一度の成膜でドープ濃度の勾配を有した膜を容易に形成することができるため、例えばドープ濃度の評価のための薄膜を一度の成膜で完了することが可能となる。
例えば、ドープ濃度の評価を行うために、以下に示す構成の有機EL素子を形成した。
ITO/2−TNATA(40nm)/α―NPD(10nm)/CBP+x%(濃度勾配を形成する)tbppy(20nm)/BCP(10nm)/Alq3(20nm)/LiF(0.5nm)/Al(100nm)
なお、2−TNATA、tbppy、CBP、BCPの分子式については後述する。
成膜は図11に示す、ITO電極E1が形成された基板Sub上に行い、図12に示すように蒸着源18aおよび18bを配置した。ただし図中、先に説明した部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
発光層(CBP+x%(濃度勾配を形成する)tbppy)を形成する場合の、被処理基板と前記処理容器18aの距離d1は60cm、被処理基板と前記処理容器18bの距離d2は35cm、前記処理容器18aと前記処理容器18bの被処理基板に平行な方向での距離d3を30cmとし、ドープ材料であるtbppyが保持される蒸着源18bの位置は、被処理基板上でtbppyの成膜速度が最も早い部分と最も遅い部分で20:1となるようにされている。
まず、正孔注入層である2−TNATAを40nmと正孔輸送層であるα―NPDを10nmの厚さに基板に均一に蒸着した。発光層は、前記蒸着源18bにドープする材料であるtbppyを入れ、前記蒸着源18aにはホスト材料であるCBPを入れて、前記蒸着源18bに最も近い位置にある基板状のドープ濃度が20wt%となるように処理容器の位置を制御して成膜を行い、基板上でドープ濃度が連続的に変化するよう発光層を形成した。
その後、BCB層10nm、Alq層20nmを形成し、シャドーマスクにより陽極と直交するように帯状に陰極となる幅1mmのLiF/Al電極を作成した。
作成した素子の発光効率および素子寿命を評価した結果、発光効率はドープ濃度12%が最適であり、素子寿命に関してはドープ濃度9%で最大になることが明らかとなった。このように本実施例による真空蒸着装置を用いると、従来は複数回の成膜を必要としていた発光層のドープ濃度の評価を1回の成膜で完了することが可能となった。
また、本実施例による真空蒸着装置で形成することが可能な、ドープ材料の濃度勾配の形状の例を図13A〜図13Lに示す。このように様々な濃度勾配を有する薄膜を、再現性よく形成することが可能である。
次に、本実施例による真空蒸着装置で用いることが可能な蒸着の材料の分子式の例を図14A〜図14Fに示す。
なお、Alq3は、tris(8―hydroxyquinoline)aluminumを、tbppyは、1,3.6,8―tetrakis―biphenyl―4―yl―pyreneを、CBPは、4.4’―N―N’―dicarbazole―biphenylを、BCPは、Bathocuproineを示している。このような材料は一例であり、本実施例による蒸着装置ではこのほかにも任意に様々な材料を用いて、必要に応じた濃度勾配を有する薄膜を形成することが可能である。
なお、本発明の有機EL素子はフラットパネルディスプレイなどの表示装置以外にも、低消費電力光源として使うことが可能である。
以上、本発明を好ましい実施例について説明したが、本発明は上記の特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した要旨内において様々な変形・変更が可能である。
本発明によれば、有機EL素子の導電性を向上させて動作電圧を抑制しながら、有機EL素子のリーク電流を抑制することを可能とする。そのため、有機EL表示装置のクロストークを低減することが可能となる。

Claims (14)

  1. 正極と負極間に、少なくとも発光層と、前記発光層の正極側に隣接する正孔輸送層と、前記前記発光層の負極側に隣接する電子注入輸送層とを有する有機EL素子であって、
    前記正孔輸送層と前記正極の間に正孔注入層が形成され、当該正孔注入層は、その導電性を当該正孔注入層の厚さ方向に連続的に変化させてなり、
    前記正孔注入層はアクセプタを含み、且つアクセプタ濃度を当該正孔注入層の厚さ方向に連続的に変化させることを特徴とする有機EL素子。
  2. 正極と負極間に、少なくとも発光層と、前記発光層の正極側に隣接する正孔輸送層と、前記前記発光層の負極側に隣接する電子注入輸送層とを有する有機EL素子であって、
    前記正孔輸送層と前記正極の間に正孔注入層が形成され、当該正孔注入層は、その導電性を当該正孔注入層の厚さ方向に連続的に変化させてなり、
    前記正孔注入層はアクセプタを含み、且つ前記正孔輸送層との界面近傍に、当該正孔注入層のアクセプタ濃度が減少した境界領域が形成されていることを特徴とする有機EL素子。
  3. 前記正孔注入層では、前記アクセプタ濃度が前記界面近傍で少なくとも10%以上変化することを特徴とする請求項記載の有機EL素子。
  4. 正極と負極間に、少なくとも発光層と、前記発光層の正極側に隣接する正孔輸送層と、前記前記発光層の負極側に隣接する電子注入輸送層とを有する有機EL素子であって、
    前記正孔輸送層と前記正極の間に正孔注入層が形成され、当該正孔注入層は、その導電性を当該正孔注入層の厚さ方向に連続的に変化させてなり、
    前記正孔注入層はアクセプタを含み、且つ前記正極との界面近傍に、当該正孔注入層のアクセプタ濃度が減少した境界領域が形成されていることを特徴とする有機EL素子。
  5. 前記正孔注入層では、前記アクセプタ濃度が前記界面近傍で少なくとも10%以上変化することを特徴とする請求項記載の有機EL素子。
  6. 正極と負極間に、少なくとも発光層と、前記発光層の正極側に隣接する正孔輸送層と、前記前記発光層の負極側に隣接する電子注入輸送層とを有する有機EL素子であって、
    前記正孔輸送層と前記正極の間に正孔注入層が形成され、当該正孔注入層は、その導電性を当該正孔注入層の厚さ方向に連続的に変化させてなり、
    前記正孔注入層はアクセプタを含み、前記正孔輸送層との界面近傍と、前記正極との界面近傍とに、当該正孔注入層のアクセプタ濃度が減少した第1および第2の境界領域がそれぞれ形成されていることを特徴とする有機EL素子。
  7. 前記正孔注入層は、4,4’,4’’−tris(2−naphthylphenylamino)triphenylamineよりなり、前記アクセプタは、2,3,5,6−tetrafluoro−7,7,8,8tetracyanoquinodimethaneよりなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機EL素子。
  8. 前記正極は導電性酸化物よりなり、前記正孔注入層は40〜50nmの膜厚を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機EL素子。
  9. 正極と負極間に、少なくとも発光層と、前記発光層の正極側に隣接する正孔輸送層と、前記前記発光層の負極側に隣接する電子注入輸送層とを有する有機EL素子を有する有機EL表示装置であって、
    前記有機EL素子が、請求項1〜8のいずれか1項に記載の有機EL素子である有機EL表示装置。
  10. 基板上に形成された正極上に正孔注入層を形成する工程と、
    前記正孔注入層上に正孔輸送層を形成する工程と、
    前記正孔輸送層上に発光層を形成する工程と、
    前記発光層上に電子注入輸送層を形成する工程と、
    前記電子注入輸送層上に負極を形成する工程を有する有機EL素子の製造方法であって、
    前記正孔注入層を形成する工程は、蒸着源を使った真空蒸着法により実施され、前記正孔注入層の形成工程中は、前記蒸着源と、有機EL素子が形成される被処理基板との距離を変化させる工程を含み、且つ前記正孔注入層にアクセプタが導入され、前記蒸着源の距離を変化させる工程により、当該正孔注入層の膜厚方向のアクセプタ濃度を変化させることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の有機EL素子の製造方法。
  11. 前記膜厚方向のアクセプタ濃度の変化は、アクセプタ濃度を増大させる変化であることを特徴とする請求項10記載の有機EL素子の製造方法。
  12. 前記膜厚方向のアクセプタ濃度の変化は、アクセプタ濃度を減少させる変化であることを特徴とする請求項10記載の有機EL素子の製造方法。
  13. 前記蒸着源は複数用いられ、複数の当該蒸着源のうち、少なくともひとつにはアクセプタが保持されることを特徴とする請求項10記載の有機EL素子の製造方法。
  14. 前記正孔注入層の導電性は、当該正孔注入層のアクセプタの濃度の変化により、変化させられることを特徴とする請求項10記載の有機EL素子の製造方法。
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