JP4437010B2 - 充填包装袋の厚み検出装置 - Google Patents

充填包装袋の厚み検出装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、液体や粉体等の内容物を収容した連続状の充填包装袋を搬送しながら、その充填包装袋の厚みを検知する充填包装袋の厚み検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に液体や粉体等の内容物を収容した充填包装袋は、充填包装機により帯状のフィルムを連続的に送り出して製袋しつつ縦方向に熱シールした縦シール部と、この縦シール部に対して所定間隔毎に横方向に熱シールした横シール部とが施され、前記縦シール部と前記横シール部とに包囲されたフィルム内に内容物を充填した袋状部が形成されている。この内容物が充填されて密封された充填包装袋は、たとえば充填包装機に備えつけられたカッター機構によって各充填包装袋の横シール部の中央を切断して一個毎に小袋として搬出したり、横シール部の中央にミシン目を入れて搬出したり、あるいは、繋がった連続状態の充填包装袋を連続搬出させながら次の工程に備えられた自動箱詰め装置へと送り込み、自動箱詰め装置に備え付けられている充填包装袋の厚み検出機構によって、充填包装袋をそのまま所定数カウントして収納箱内に梱包したりするようにしている。
【0003】
この場合、連続状態に繋がった充填包装袋を前記厚み検出機構によって所定数カウントして収納箱内に折り込みながら梱包したり、あるいは連続状態につながった充填包装袋を前記厚み検出機構によって充填包装袋の横シール部位置を検知しつつ所定数カウントしながら各充填包装袋を箱詰め装置に設けられたカッター機構によって切断し、個々に切断された充填包装袋を包装箱内に収納したりするようにしている。
【0004】
また前記内容物として食品類などにあっては、衛生面の関係から一般的に包装作業を行う前、あるいはその包装作業後に殺菌処理のために高温に加熱処理することがあり、この際、加熱されたままの状態では内容物が変質してしまう虞もあり、また高温の状態ではその後の工程であるたとえば箱詰め工程などにおいての作業が困難となることがある。
【0005】
そこで、たとえば充填包装機のカッター機構によって切り放された充填包装袋を搬入コンベアを介して水槽などからなる冷却装置に備え付けられたネットコンベアへと送り込み、冷却装置の冷却媒体中を搬送することにより、その充填包装袋を急速的に冷却した後に搬出コンベアによって冷却装置の外部側へと搬送するものが提案されているが、前述したように搬入コンベア,ネットコンベアを備えた冷却装置,搬出コンベアなど装置構造が大がかりになってしまうとともに、個々に切り放された包装袋であるため、その包装袋に付着した冷却媒体を除去する作業工程において高能率に行うことは困難であるなどの問題がある。
【0006】
この問題を考慮する手段として、充填包装袋を前記充填包装機に備え付けられたカッター機構によって切断搬出することなく連続帯状の包装袋のまま搬出させて冷却装置へ搬送し、この冷却装置内を搬送することにより内容物を冷却し、冷却処理後に冷却装置の後工程として設置した切断装置によって、連続帯状包装袋から分離して単数、あるいは複数個に連なった充填包装袋として形成することが行われている。
【0007】
前記充填包装機により製袋されて充填包装された連続帯状包装袋は、後工程として設置された切断装置の供給側へと供給され、この切断装置は、その供給された連続帯状包装袋を搬送する一対の搬出ローラあるいは一対の搬出ベルトからなる搬送機構と、搬送される連続帯状包装袋の袋状部と横シール部箇所との厚みの変位を検出する対をなす厚み検出ローラからなる検出機構とを備え、この検出機構の検出信号に基づいて、この検出位置からカッター機構までの距離により連続帯状包装袋の横シール部箇所の中央部を切断するようにカッター機構のカッターを作動させて連続帯状包装袋から単数、あるいは複数個に連ねた包装袋に分離するように構成されている。
【0008】
ところで、前述した従来技術からなる前記自動箱詰め装置や前記切断装置にあっては、充填包装袋の数を数えたり、あるいは各充填包装袋間の横シール部の切断位置を検知したりするために、連続帯状の充填包装袋の厚みの変化を検出、すなわち連続帯状の充填包装袋において、肉薄部である横シール部と、肉厚部である内容物を充填して密封した袋状部との厚み寸法の差異を対をなす厚み検出ローラ、たとえば回動自在な固定ローラと、その固定ローラと対向して設けられ、ばね力あるいは磁石の吸着,反発力などにより押圧するように配設された揺動ローラの変位として取り出し、この変位量が所定値を越えたことを検知器により検知して充填包装袋の厚みを検出するようにした厚み検出装置が、知られている(たとえば、特許文献1あるいは特許文献2を参照。)
【0009】
【特許文献1】
実公昭58−26322号公報
【特許文献2】
実公平4−16168号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上述した従来装置においては、前にも述べたように、肉薄部である横シール部と、肉厚部である内容物を充填した袋状部との厚さ寸法の差異を揺動ローラの変位として検出しているため、たとえば袋状部に収容される内容物が少量である場合には袋状部の膨らみが小さく揺動ローラの変位が微少となり、また逆に、袋状部に収容される内容物が大量である場合には袋状部の膨らみが大きく揺動ローラの変位が大きくなるため、揺動ローラ変位に合わせて調整する必要があり、また連続帯状の充填包装袋を高速で搬送しながら検出する際には、連続した充填包装袋の送りに対して共振現象などの作用により充填包装袋が横ぶれを起こす場合があり、これにより充填包装袋の形状変化に揺動ローラの揺動が追従できなくなることがあり、またこの場合、揺動ローラの変位が大きくなればなるほどチャタリングも生じやすくなりやすいという問題もある。
【0011】
そこで本発明は、従来の問題を解決することをねらいとし、充填包装袋の袋状部に収容される液体や粉体等の内容物の量に影響されることなく、連続帯状の充填包装袋の袋状部と横シール部箇所との厚みによる境目の検知を正確に行い、かつ安定した追従作動を可能とする充填包装袋の厚み検出装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の充填包装袋の厚み検出装置請求項1では、縦シール部と横シール部とにより包囲されたフィルム内に内容物を充填収容した袋状部を設けた充填包装袋を連続的に搬送する搬送機構と、連続した帯状の前記充填包装袋に形成された前記袋状部と前記横シール部との厚みの差異を検出可能とする厚み検出機構と、前記厚み検出機構と隣接して設けられて、前記搬送機構によって連続的に搬送される前記連続した帯状の充填包装袋を案内ガイドし、その充填包装袋の袋状部を両側から挟圧保持して前記厚み検出機構へ送り出し可能とする案内ガイド抑え機構と、を備えことを特徴としている。
【0013】
ここで、前記厚み検出機構には、前記連続した帯状の充填包装袋のフィルムにその外側両面側からそれぞれ対向して押圧当接する一対の検出子と、前記一対の検出子をそれぞれ支持するとともに、それらの検出子が前記連続した帯状の充填包装袋の送り方向に対しその充填包装袋の横方向の揺れに追従するように、前記充填包装袋の送り方向に対し前記検出子よりも上流側に位置する第1の支軸を基点として相互に揺動可能とされ、かつ前記充填包装袋の送り方向に対し前記第1の支軸よりも上流側に位置する第2の支軸を基点として一緒に揺動可能とされた一対の支持部材と、前記支持部材の所定箇所にて、前記充填包装袋の袋状部と横シール部との厚みの差異による前記検出子の変位を検知する検知器と、を設けている。
【0014】
また前記案内ガイド抑え機構には、前記連続的に搬送される連続した帯状の充填包装袋とそれぞれ対向して摺接し、その充填包装袋を案内ガイドする一対のガイド板と、前記一対のガイド板の少なくとも一方に連結されて前記充填包装袋の袋状部を一定の押圧力で押圧付勢するシリンダと、を設けている。
【0016】
そして請求項1に従属する請求項では、前記厚み検出機構の各支持部材間、前記検出子を前記充填包装袋のフィルムの外側両面側からそれぞれ対向して押圧当接可能とするための弾性部材を介在させてなることを特徴としている。
【0019】
【発明の実施の形態】
請求項1記載の本発明の充填包装袋の厚み検出装置では、縦シール部と横シール部とにより包囲されたフィルム内に内容物を充填収容した袋状部を設けた充填包装袋を連続的に搬送する搬送機構と、連続した帯状の前記充填包装袋に形成された前記袋状部と前記横シール部との厚みの差異を検出可能とする厚み検出機構とを備え、この厚み検出機構に、連続した帯状の充填包装袋のフィルムにその外側両面側からそれぞれ対向して押圧当接する一対の検出子と、前記一対の検出子をそれぞれ支持するとともに、それらの検出子が前記連続した帯状の充填包装袋の送り方向に対しその充填包装袋の横方向(厚み方向)の揺れに追従するように、前記充填包装袋の送り方向に対し前記検出子よりも上流側に位置する第1の支軸を基点として相互に揺動可能とされ、かつ前記充填包装袋の送り方向に対し前記第1の支軸よりも上流側に位置する第2の支軸を基点として一緒に揺動可能とされた一対の支持部材と、前記支持部材の所定箇所にて、前記充填包装袋の袋状部と横シール部との厚みの差異による前記検出子の変位を検知する検知器と、を設けてなるため、品種毎の包装形態、特に充填包装袋の厚みが変わったとしても、前記一対の検出子をそれぞれ支持する一対の支持部材が、充填包装袋の送り方向に対しその検出子よりも上流側に位置する第1の支軸を基点とするトレーリングアームとなって相互に揺動し得ることによって、充填包装袋の袋状部の厚みの変化に影響されることなく安定した状態にて検知器を作動させることができ、しかもその一対の支持部材が、第1の支軸よりもさらに上流側に位置する第2の支軸を基点とするトレーリングアームとなって一緒に全体的に揺動し得ることによって、充填包装袋の横揺れに対しても検知器の追従性が良好となる。
【0020】
さらに請求項1記載の本発明の充填包装袋の厚み検出装置では、前記厚み検出機構と隣接して設けられて、前記搬送機構によって連続的に搬送される前記連続した帯状の充填包装袋を案内ガイドし、その充填包装袋の袋状部を両側から挟圧保持して前記厚み検出機構へ送り出し可能とする案内ガイド抑え機構を備え、しかも前記案内ガイド抑え機構前記連続的に搬送される連続した帯状の充填包装袋とそれぞれ対向して摺接し、その充填包装袋を案内ガイドする一対のガイド板と、前記一対のガイド板の少なくとも一方に連結されて前記充填包装袋の袋状部を一定の押圧力で押圧付勢するシリンダと、を設けてなることにより、充填包装袋のフィルムの外側両面側からそれぞれ対向して押圧当接可能とする検出子が充填包装袋の袋状部を押圧しても、前記案内ガイド抑え機構によって充填包装袋の袋状部を両側から挟圧保持して前記厚み検出機構へ送り出し可能としているため、たとえば液体からなる内容物であったとしても袋状部が固く膨らんだ状態にて検出子によって検知することができ、袋状部位置と横シール位置との厚みの変化分を明確にすることができ、これにより検知精度をさらに高めることが可能となる。
【0022】
この際、請求項では、前記厚み検出機構の各支持部材間に、前記検出子を前記充填包装袋のフィルムの外側両面側からそれぞれ対向して押圧当接可能とするための弾性部材を介在させことにより、弾性部材のテンションによって検出子同士を、充填包装袋の袋状部をフィルムの外側両面から挟み付けながら押圧するように設けたので、検出子が、袋状部の膨らみ部分と横シール部の薄肉部分との厚みの違いに応じて両側から追従作動するため、充填包装袋を連続状態で搬送する速度が高速になったとしても、従来に比べて応答性が良好となり、検出精度を高めることができるという効果がある。
【0024】
【実施例】
以下、本発明に係る帯状に連続した充填包装袋の厚み検出装置を切断装置に適用した例を参照にして説明する。図1から図6までは本発明の実施例を示すもので、たとえばホットパックと称される高温の液体や粘稠物などからなる液状物質を内容物として包装する場合、その内容物を加熱殺菌しながら充填包装機Jによって連続した帯状の充填包装袋Pとして充填包装し、その加熱された充填包装袋Pを熱交換処理装置である冷却装置Rへと供給して冷却するように構成しており、この冷却装置Rによって冷やされた連続した帯状の充填包装袋Pが切断装置Cへと供給案内される。
【0025】
この場合、連続した帯状の充填包装袋Pは、充填包装機Jにより帯状のフィルムFを連続的に送り出して製袋しつつ二つ折りに折り返された折返し部と、折り返して重ね合わされたフィルムFの重合端縁を縦方向にヒートシールした縦シール部FHと、この縦シール部FHに対して所定間隔毎に横方向にヒートシールした横シール部FSとが施され、前記縦シール部FHと前記横シール部FSとに包囲されたフィルムF内に内容物を充填した袋状部FPによって形成され、各袋状部FPがこの横シール部FSに区画されつつ縦方向に連なった連続した帯状の充填包装袋Pとして形成されている。
【0026】
また前記切断装置Cとしては、前工程である冷却装置Rから連続した帯状の充填包装袋Pを本体フレーム1の上側から下側に向けて連続状態に搬送するように設けられており、この場合、前記切断装置Cに備え付けられる充填包装袋Pの厚み検出装置2としては、縦シール部FHと横シール部FSとにより包囲されたフィルムF内に内容物を充填収容した袋状部FPを設けた充填包装袋Pを連続状態で搬送する搬送機構3が設けられ、この搬送機構3によって搬送される充填包装袋Pを案内ガイドし、充填包装袋Pの袋状部FPを両側から挟圧保持可能とする案内ガイド抑え機構4が設けられ、この案内ガイド抑え機構4と隣接した位置にて充填包装袋Pに形成された前記袋状部FPと前記横シール部FSとの厚みの差異を検出可能とする厚み検出機構5が設けられている。また切断装置Cには、前記厚み検出機構5により検知された信号に基づき前記横シール部FS箇所の中央部を切断して前記連続した帯状の充填包装袋Pから単数,あるいは複数の包装袋Pに分離するカッター機構6が設けられている。
【0027】
前記搬送機構3は、前工程である冷却装置Rから搬出された連続した帯状の充填包装袋P、前記本体フレーム1の上側から下側に向けて供給するように設けられており、本体フレーム1の上方に設けられた回転供給ドラム7と、充填包装袋Pを挟んで搬送する一対の対向する無端状の搬出ベルト8とによって構成されている。
【0028】
この搬送機構3の回転供給ドラム7と搬出ベルト8との間には、搬送機構3により搬送される連続した帯状の充填包装袋Pを案内ガイドし、充填包装袋Pの袋状部FPを両側から挟圧保持可能とする前記案内ガイド抑え機構4が設けられている。この案内ガイド抑え機構4は、充填包装袋Pの厚み方向の両側に沿って板状のガイド板9が配設され、その内側には所定の幅を有する押圧板10がそれぞれ対向して設けられている。また前記ガイド板9の少なくとも一方にはシリンダ11が連結され、他方のガイド板9と対向して前後方向に案内ロッド12に沿って一方のガイド板9が往復移動可能に設けられており、前記搬送機構3の作動時においては、シリンダ11の作動により前記一方のガイド板9が他方のガイド板9側に向けて所定の押圧力にて充填包装袋Pの袋状部FPを押圧付勢するようにしている。
【0029】
また搬送機構3の回転供給ドラム7と搬出ベルト8との間には、前記案内ガイド抑え機構4と隣接した位置にて、充填包装袋Pに形成された前記袋状部FPと前記横シール部FSとの厚みの差異を検出可能とする前記厚み検出機構5が設けられている。この厚み検出機構5には、前記充填包装袋Pの袋状部FPのフィルムFの外側両面側からそれぞれ対向して押圧当接可能とする一対の検出子13が設けられるとともに、この各検出子13をそれぞれ支持する支持部材である一対の揺動アーム部材14を、第1の支軸としての支軸15を基点として互いに開閉状態に揺動可能に設け、かつこの実施例においては、前記揺動アーム部材14の一方側のアームの端部の所定箇所に、検出子13の変位を検知する検知器となる近接センサ16を、他方の揺動アーム部材14のアームの端部と近接状態にして対峙させて設けて構成している。また、この実施例では、前記検出子13によって充填包装袋PのフィルムFの外側両面側からそれぞれ対向して押圧当接可能とするためのコイルスプリングなどからなる弾性部材17を前記それぞれの揺動アーム部材14の間に掛け渡して配設しており、この弾性部材17によって引張力を作用させ、各検出子13が充填包装袋P側に常時当接する方向に作用するように構成している。
【0030】
また前記一方の揺動アーム部材14は、本体フレーム1側に設けられた第2の支軸としての支軸15Aを基点にして揺動可能に設けられ、その一方の揺動アーム部材14の端部側と本体フレーム1側との間にコイルスプリングなどからなる第2の弾性部材18によって所定方向に引張力を作用させて保持するように構成している。なお、この実施例においては、支持部材となる前記揺動アーム部材14は、その一方の揺動アーム部材14を略T字状に形成するとともに、他方の揺動アーム部材14を略L字状に形成しており、それぞれ突き出されている側の揺動アーム部材14の端部同士の間にストッパ部材19を介在させて、対をなす検出子13の隙間の間隔を設定可能に設けている。これにより、充填包装袋Pが検出子13の間に介在した際に、フィルムFの厚みなどを考慮して検出子13の隙間の間隔を設定することによって、フィルムFの搬送時において負荷の軽減を計ることが可能となり、また前記一方の揺動アーム部材14の端部に取り付けられている前記近接センサ16と他方の揺動アーム部材14のアーム端部とを接近状態にして所定の間隔に設定可能としている。
【0031】
以下、本発明に係る充填包装袋の厚み検出装置の作用を説明する。液体や粉体等の内容物を収容した帯状の充填包装袋Pが切断装置Cの本体フレーム1の上方に設けられた回転供給ドラム7と充填包装袋Pを挟んで搬送する一対の対向する無端状の搬出ベルト8とからなる搬送機構3によって、その本体フレーム1の上側から下側に向けて連続状態に搬送されると、充填包装袋Pの袋状部FPを両側から挟圧保持可能とする前記案内ガイド抑え機構4によって充填包装袋Pがガイド板9に沿って案内ガイドされて搬送されるとともに、その対をなすガイド板9の内壁側にそれぞれ配設された押圧板10によって充填包装袋Pの外面側がシリンダの作動によって所定の押圧力(空圧制御による一定の押圧力)にて挟圧されながら搬送される。このため、充填包装袋Pの袋状部FPは所定の押圧力(空圧制御による一定の押圧力)にて挟圧保持されているため、その袋状部FP箇所のみは外部側から押圧しても固く張りがある。なお、場合によっては、押圧板10を設けることなく、対をなすガイド板9を配設するだけの構成によって案内ガイド抑え機構4を形成してもよく、少なくとも一方のガイド板9を充填包装袋Pの袋状部FPの厚みに合わせて調整移動可能に配設するようにしてもよい。
【0032】
この際、この実施例においては、ガイド板9の内壁側にそれぞれ配設された押圧板10が、ほぼ充填包装袋Fの横シール部の間の間隔(1ピッチ)に近い長さを有しているため、シリンダの作動によって所定の押圧力にて押圧板10の間に充填包装袋Pの袋状部FPが次々と挟まれながら搬送されて送り出される。この押圧板10の位置から送り出された充填包装袋Pは、前記案内ガイド抑え機構4と隣接した位置にて充填包装袋Pに形成された前記袋状部FPと前記横シール部FSとの厚みの差異を検出可能とする厚み検出機構5の検出子13が配置されているため、前記搬送機構3によって上方から下方に向かって連続的に充填包装袋Pが搬送されると、充填包装袋Pの搬送による動きに連れて充填包装袋Pの袋状部FPと横シール部FSとの厚みに応じて摺動状態で繰り返しながら検出子13が開閉作動するものであり、この場合、支軸15を基点として支持部材となる揺動アーム部材14に設けられた検出子13が、フィルムFの外側両面側に押圧当接した状態にて揺動移動する。
【0033】
すなわち、充填包装袋Pの袋状部FPが検出子13位置を通過する際には、互いに対向して充填包装袋Pの袋状部FPのフィルムFの両面側からそれぞれ当接している一対の検出子13が、支軸15を基点として弾性部材17の力に抗して外方に押されながら支持部材となる揺動アーム部材14とともに袋状部FPの外形に倣ってそれぞれ揺動移動し、この移動に伴い一方の揺動アーム部材14のアーム端部に取り付けられている検知器となる近接センサ16と他方の揺動アーム部材14のアーム端部との距離が変位することにより、近接センサ16が作動して検知信号が出力され、この信号に基づいて切断装置Cのカッター機構6が作動して連続状態に繋がった充填包装袋Pの横シール部FS箇所の中央部位置が切断されて個々に分離されて搬出される。また充填包装袋Pの袋状部FPの位置を通過し、充填包装袋Pの横シール部FSの位置に検出子13が達すると、支軸15を基点として弾性部材17の力に抗して外方に押されていた支持部材となるそれぞれの揺動アーム部材14が元の位置に復帰する。この繰り返し作動によって充填包装袋Pが次々と通過したことが検知される。この際、厚み検出機構5には、支軸15を基点として互いに揺動可能とした一対の揺動アーム部材14に一対の検出子13を、充填包装袋Pの袋状部FPのフィルムFの両面側からそれぞれ対向して押圧当接可能に設けるとともに、前記揺動アーム部材14の所定箇所に検出子13の変位を検知する検知器(近接センサ)16を設けることにより、品種毎の包装形態、特に充填包装袋Pの厚みが変わったとしても、充填包装袋Pの袋状部FPのフィルムFの両面側からそれぞれ対向して押圧当接可能とした検出子13が支軸15を基点として支持部材となる揺動アーム部材14に設けられることによって追従性が良好となり、充填包装袋Pの袋状部FPの厚みの変化に影響されることなく安定した状態にて検知器16を作動させることができる。
【0034】
また充填包装袋Pの袋状部FPを所定の押圧力(空圧制御による一定の押圧力)にて挟圧保持した状態にて厚み検出機構5へと充填包装袋Pを搬送するため、充填包装袋Pの厚みの変化に対し良好に検出子13が追従作動することによって検知器16の作動も良好とな、これにより充填包装袋Pの袋状部FPに収容される内容物の量に関係なく、従来に比べて正確でかつ充填包装袋の搬送速度が高速となった場合であっても追従性の良好な検知作業が可能となるものであり、また搬送速度が高速になるに連れて充填包装袋Pの横ぶれが生じやすいが、この実施例においては、支軸15Aを基点にして充填包装袋Pの動き(横ぶれ)に連れて支持部材である各揺動アーム部材14が揺動するように設けられているため、横ぶれに影響されることなく検出精度を高めることが可能となり、応答性も良好に保つことができるという効果がある。
【0035】
図7は、本発明の参考例を示すものであり、この参考例は、前述し実施例と同様に案内ガイド抑え機構4と隣接した位置にて、充填包装袋Pに形成された前記袋状部FPと前記横シール部FSとの厚みの差異を検出可能とする前記厚み検出機構5を設けて構成している。しかしてこの参考例では、厚み検出機構5、充填包装袋Pの袋状部FPのフィルムFの外側両面側からそれぞれ対向して押圧当接可能とする検出子13が設けられるとともに、この各検出子13をそれぞれ支持する支持部材である揺動アーム部材14が、本体フレーム1に取り付けられた支軸15Aに直接的に揺動可能に設けられている。また支持部材である揺動アーム部材14の一方側のアームの端部の所定箇所には検出子13の変位を検知する検知器となるフォトセンサ16Aが設けられるとともに、他方の揺動アーム部材14のアームの端部に検知器となるフォトセンサ16Bが対峙して設けられている。
【0036】
またこの参考例では、前記検出子13を充填包装袋PにそのフィルムFの外側両面側からそれぞれ対向して押圧当接可能とするためのコイルスプリングなどからなる弾性部材17が、支持部材である前記それぞれの揺動アーム部材14の間に掛け渡して配設されている。また前記弾性部材17によって引張力を作用させ、各検出子13同士が充填包装袋P側に常時当接する方向に作用するように構成するとともに、充填包装袋Pの横揺れに対しても支軸15Aを基点として各検出子13が支持部材14を介して追従して作動するように設けられている。
【0037】
従って、前述した実施例とほぼ同様にして、品種毎の包装形態、特に充填包装袋Pの厚みが変わったとしても、充填包装袋Pの袋状部FPのフィルムFの両面側からそれぞれ対向して押圧当接可能とする検出子13が、支軸15Aを基点として支持部材となる揺動アーム部材14Aに設けられることによって、追従性が良好となり、充填包装袋Pの袋状部FPの厚みの変化に影響されることなく安定した状態にてフォトセンサ16A、16Bからなる検知器を作動させることができるとともに、支軸15Aを基点にして充填包装袋Pの厚み方向へ動き(横ぶれ)に連れて支持部材である各揺動アーム部材14が揺動するように設けられているため、横ぶれに影響されることなく従来に比べて検出精度を高めることが可能となり、応答性も良好に保つことができるという効果がある。
【0038】
なお、本発明は上述した実施例に限定されるものでなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨の範囲において種々の変形実施が可能であり、厚み検出機構5の検出子13の形状,支持部材14の形状などは適宜変更可能である。
【0039】
すなわち、実施例においては、厚み検出機構5の各支持部材14(揺動アーム部材)間に、検出子13を充填包装袋PのフィルムFの外側両面側からそれぞれ対向して押圧当接可能とするための弾性部材17としてコイルスプリングを設けていたが、弾性部材17は、板バネであってもよいしゴムであってもよいし、磁石の吸着あるいは反発作用を利用したものであってもよい。また、検知器16、磁気的な近接センサに限らずフォトセンサやリミットスイッチによるものであってもよいし、あるいは荷重センサを設けて検出子13にかかる荷重を検知し、この荷重の差異によって袋状部FPと横シール部FSとを厚みを判別するものであってもよい。さらに、実施例の充填包装袋の厚み検出装置は、充填包装袋Pを切断するカッター機構の切断位置を割り出すための検出部として適用していたが、本発明は、たとえば充填包装袋Pの袋状部FPと横シール部FSとの厚みの変化を判別しその信号をカウントして充填包装袋Pの個数を計数する装置として適用することも可能である。
【0040】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1記載の本発明の充填包装袋の厚み検出装置によれば、縦シール部と横シール部とにより包囲されたフィルム内に内容物を充填収容した袋状部を設けた充填包装袋を連続的に搬送する搬送機構と、連続した帯状の前記充填包装袋に形成された前記袋状部と前記横シール部との厚みの差異を検出可能とする厚み検出機構とを備え、この厚み検出機構に、連続した帯状の充填包装袋のフィルムにその外側両面側からそれぞれ対向して押圧当接する一対の検出子と、前記一対の検出子をそれぞれ支持するとともに、それらの検出子が前記連続した帯状の充填包装袋の送り方向に対しその充填包装袋の横方向(厚み方向)の揺れに追従するように、前記充填包装袋の送り方向に対し前記検出子よりも上流側に位置する第1の支軸を基点として相互に揺動可能とされ、かつ前記充填包装袋の送り方向に対し前記第1の支軸よりも上流側に位置する第2の支軸を基点として一緒に揺動可能とされた一対の支持部材と、前記支持部材の所定箇所にて、前記充填包装袋の袋状部と横シール部との厚みの差異による前記検出子の変位を検知する検知器と、を設けてなるため、品種毎の包装形態、特に充填包装袋の厚みが変わったとしても、前記一対の検出子をそれぞれ支持する一対の支持部材が、充填包装袋の送り方向に対しその検出子よりも上流側に位置する第1の支軸を基点とするトレーリングアームとなって相互に揺動し得ることによって、充填包装袋の袋状部の厚みの変化に影響されることなく安定した状態にて検知器を作動させることができ、しかもその一対の支持部材が、第1の支軸よりもさらに上流側に位置する第2の支軸を基点とするトレーリングアームとなって一緒に全体的に揺動し得ることによって、充填包装袋の横揺れに対しても検知器の追従性が良好となる。
【0041】
さらに請求項1記載の本発明の充填包装袋の厚み検出装置によれば、前記厚み検出機構と隣接して設けられて、前記搬送機構によって連続的に搬送される前記連続した帯状の充填包装袋を案内ガイドし、その充填包装袋の袋状部を両側から挟圧保持して前記厚み検出機構へ送り出し可能とする案内ガイド抑え機構を備え、しかも前記案内ガイド抑え機構前記連続的に搬送される連続した帯状の充填包装袋とそれぞれ対向して摺接し、その充填包装袋を案内ガイドする一対のガイド板と、前記一対のガイド板の少なくとも一方に連結されて前記充填包装袋の袋状部を一定の押圧力で押圧付勢するシリンダと、を設けてなることにより、充填包装袋のフィルムの外側両面側からそれぞれ対向して押圧当接可能とする検出子が充填包装袋の袋状部を押圧しても、前記案内ガイド抑え機構によって充填包装袋の袋状部を両側から挟圧保持して前記厚み検出機構へ送り出し可能としているため、たとえば液体からなる内容物であったとしても袋状部が固く膨らんだ状態にて検出子によって検知することができ、袋状部位置と横シール位置との厚みの変化分を明確にすることができ、これにより検知精度をさらに高めることが可能となる。
【0043】
この際、請求項では、前記厚み検出機構の各支持部材間に、前記検出子を前記充填包装袋のフィルムの外側両面側からそれぞれ対向して押圧当接可能とするための弾性部材を介在させてなることにより、弾性部材のテンションによって検出子同士を、充填包装袋の袋状部をフィルムの外側両面から挟み付けながら押圧するように設けることにより、袋状部の膨らみ部分と横シール部の薄肉部分との厚みの違いに応じて両側から追従作動するため、充填包装袋を連続状態で搬送する速度が高速になったとしても、従来に比べて応答性が良好となり、検出精度を高めることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例である充填包装袋の厚み検出装置を包装システムに適用した全体構成を示す概要図である。
【図2】上記実施例で適用される連続した帯状の充填包装袋を成形するまでの包装袋を示す概要斜視図である。
【図3】図1の包装システムにおける切断装置に備え付けられた厚み検出装置の主要部を示す概要斜視図である。
【図4】図3の切断装置において、充填包装袋の厚み検出機構を主体的に示す要部の正面図である。
【図5】図4の充填包装袋の厚み検出機構における動作を示す要部の正面図である。
【図6】図5に対応する動作状態における案内ガイド抑え機構の要部を示した正面図である。
【図7】本発明の参考例を示す切断装置に備え付けられた充填包装袋の厚み検出装置を主体に表した要部の正面図である。
【符号の説明】
C 切断装置
F フィルム
FH 縦シール部
FP 袋状部
FS 横シール部
J 充填包装機
P 充填包装袋
R 冷却装置
1 本体フレーム
2 厚み検出装置
3 搬送機構
4 案内ガイド抑え機構
5 厚み検出機構
6 カッター機構
7 回転供給ドラム
8 搬出ベルト
9 ガイド板
10 押圧板
11 シリンダ
13 検出子
14 揺動アーム部材(揺動部材)
15 支軸
15A 支軸
16 近接センサ(検知器)
17 弾性部材(コイルスプリング)
18 第2の弾性部材(コイルスプリング)
19 ストッパ部材

Claims (2)

  1. 縦シール部と横シール部とにより包囲されたフィルム内に内容物を充填収容した袋状部を設けた充填包装袋を連続的に搬送する搬送機構と、
    連続した帯状の前記充填包装袋に形成された前記袋状部と前記横シール部との厚みの差異を検出可能とする厚み検出機構と、
    前記厚み検出機構と隣接して設けられて、前記搬送機構によって連続的に搬送される前記連続した帯状の充填包装袋を案内ガイドし、その充填包装袋の袋状部を両側から挟圧保持して前記厚み検出機構へ送り出し可能とする案内ガイド抑え機構と、
    を備え、
    前記厚み検出機構に、
    前記連続した帯状の充填包装袋のフィルムにその外側両面側からそれぞれ対向して押圧当接する一対の検出子と、
    前記一対の検出子をそれぞれ支持するとともに、それらの検出子が前記連続した帯状の充填包装袋の送り方向に対しその充填包装袋の横方向の揺れに追従するように、前記充填包装袋の送り方向に対し前記検出子よりも上流側に位置する第1の支軸を基点として相互に揺動可能とされ、かつ前記充填包装袋の送り方向に対し前記第1の支軸よりも上流側に位置する第2の支軸を基点として一緒に揺動可能とされた一対の支持部材と、
    前記支持部材の所定箇所にて、前記充填包装袋の袋状部と横シール部との厚みの差異による前記検出子の変位を検知する検知器と、
    を設け
    前記案内ガイド抑え機構に、
    前記連続的に搬送される連続した帯状の充填包装袋とそれぞれ対向して摺接し、その充填包装袋を案内ガイドする一対のガイド板と、
    前記一対のガイド板の少なくとも一方に連結されて前記充填包装袋の袋状部を一定の押圧力で押圧付勢するシリンダと、
    を設けてなる、充填包装袋の厚み検出装置。
  2. 前記厚み検出機構の各支持部材間には、前記検出子を前記充填包装袋のフィルムの外側両面側からそれぞれ対向して押圧当接可能とするための弾性部材を介在させてなる、請求項1に記載の充填包装袋の厚み検出装置。
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