JP4433300B2 - 感光性樹脂組成物及びその硬化皮膜を有するフィルム - Google Patents
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Description
このように、高屈折率で帯電防止性能が良好で、透過性が高く、尚且つ反射率の低い光学特性的に満足の行く反射防止フィルムがないのが実情である。
(1)分子中に少なくとも2個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物(A)、一次粒径が1〜200ナノメートルの金属酸化物(B)及び光重合開始剤(C)を含有する感光性樹脂組成物において、金属酸化物(B)が下記導電性金属酸化物(B−1)群及び透明性金属酸化物(B−2)群のそれぞれの群から少なくとも1つ以上が選ばれてなる金属酸化物であることを特徴とする感光性樹脂組成物、
(B−1):アンチモン酸亜鉛、酸化錫ドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、五酸化アンチモン、酸化錫、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、フッ素ドープ酸化錫
(B−2):酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化チタン/酸化ジルコニウム/酸化錫/五酸化アンチモン複合物、酸化ジルコニウム/酸化錫/五酸化アンチモン複合物、酸化チタン/酸化ジルコニウム/酸化錫複合物
(2)前記導電性金属酸化物(B−1)群の金属酸化物がアンチモン酸亜鉛であり、前記透明性金属酸化物(B−2)群の金属酸化物が酸化チタン/酸化ジルコニウム/酸化錫/五酸化アンチモン複合物、酸化ジルコニウム/酸化錫/五酸化アンチモン複合物、又は酸化チタン/酸化ジルコニウム/酸化錫複合物である(1)記載の感光性樹脂組成物、
(3)前記導電性金属酸化物(B−1)群と前記透明性金属酸化物(B−2)群の比率が(B−1)50〜99重量%、(B−2)1〜50重量%である(1)又は(2)に記載の感光性樹脂組成物、
(4)希釈剤(D)を含有することを特徴とする(1)乃至(3)のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物
(5)(1)乃至(4)のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を基材フィルム上に塗工・硬化させてなる帯電防止フィルム、
(6)基材フィルム上にハードコート剤、(1)乃至(4)のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物、屈折率1.5以下の低屈折率コート剤の順に塗工・硬化させてなる帯電防止ハードコートフィルム、
に関する。
導電性金属酸化物(B−1)の具体例としては、例えば、アンチモン酸亜鉛、酸化錫ドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、五酸化アンチモン、酸化錫、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、フッ素ドープ酸化錫等が挙げられ、その中から選ばれる少なくとも1つ以上と、透明性金属酸化物(B−2)の具体例としては、例えば、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化チタン/酸化ジルコニウム/酸化錫/五酸化アンチモン複合物、酸化ジルコニウム/酸化錫/五酸化アンチモン複合物、酸化チタン/酸化ジルコニウム/酸化錫複合物等が挙げられ、その中から選ばれる少なくとも1つ以上を混合して使用する。特に、導電性金属酸化物(B−1)がアンチモン酸亜鉛で、透明性金属酸化物(B−2)が酸化チタン/酸化ジルコニウム/酸化錫/五酸化アンチモン複合物、酸化ジルコニウム/酸化錫/五酸化アンチモン複合物、酸化チタン/酸化ジルコニウム/酸化錫複合物のいずれかであることが好ましい。混合比率は、(B−1):(B−2)=50〜99:1〜50が好ましく、より好ましくは、(B−1):(B−2)=70〜95:5〜30である。
使用しうる分散液の具体例としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール等のアルコール類;エチレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の多価アルコール類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;トルエン、キシレン等の炭化水素類等が挙げられる。これらの分散液は、単独で用いても良く、2種類以上を混合して使用しても良い。分散液の量は、通常、金属酸化物(B)100重量部に対して70〜900重量部である。
また、それらの含有量は、硬化後の固形分換算で(A)成分10〜49.5重量%、(B)成分50〜80重量%、(C)成分0.5〜10重量%である。(D)成分に関しては、感光性樹脂組成物中の(D)成分の割合が、0〜99重量%、好ましくは40〜99重量%、より好ましくは50〜98重量%である。
こうして得られた本発明の感光性樹脂組成物は、経時的に安定であり、ハードコート剤として好ましく使用できる。
基材フィルムとしては、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアクリレート、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、ポリエーテルスルフォン、シクロオレフィン系ポリマー等のフィルムが挙げられ、例えば、PETフィルムが使用できる。使用するフィルムはある程度膜厚の厚いシート状のものであっても良く、柄や易接着層を設けたもの、コロナ処理等の表面処理をしたものであっても良い。
照射するエネルギー線としては、例えば、紫外線、電子線等が挙げられる。紫外線により硬化させる場合、光源としては、キセノンランプ、高圧水銀灯、メタルハライドランプ等を備えた紫外線照射装置が使用され、必要に応じて光量、光源の配置等が調整される。高圧水銀灯を使用する場合、80〜120W/cmの光量を有するランプ1灯に対して、搬送速度5〜60m/分で硬化させるのが好ましい。一方、電子線により硬化させる場合、100〜500eVのエネルギーを有する電子線加速装置を使用するのが好ましい。
分子中に少なくとも2個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物としては、前記記載の分子中に少なくとも2個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物(A)、光重合開始剤としては、前記記載の光重合開始剤(C)、希釈剤としては、前記記載の希釈剤(D)が挙げられる。
表1に示す各成分を配合し、本発明及び比較用の感光性樹脂組成物を得た。それらの感光性樹脂組成物を、マイクログラビアコーターを用いて基材フィルムのPETフィルム上に乾燥後の膜厚が約3μmになるように塗布し、80℃で乾燥後、紫外線照射器により硬化させ、本発明及び比較用の帯電防止フィルムを得た。
DPHA:KAYARAD DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)、日本化薬(株)製
CX−Z600M−3F2:セルナックスCX−Z600M−3F2(アンチモン酸亜鉛のメタノール分散液、固形分60重量%)、日産化学工業(株)製
HIT−301M1:サンコロイドHIT−301M1(酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化錫、五酸化アンチモン複合物のメタノール分散液、固形分30重量%)、日産化学工業(株)製
HX−305M1:サンコロイドHX−305M1(酸化ジルコニウム、酸化錫、五酸化アンチモン複合物のメタノール分散液、固形分30重量%)、日産化学工業(株)製
Irg.184:イルガキュアー184(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製
Irg.907:イルガキュアー907(2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン)、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製
PGM:アーコソルブPM(プロピレングリコールモノメチルエーテル)、(株)クラレ製
ハードコート剤としてKAYANOVA FOP−4100(日本化薬(株)製)を、マイクログラビアコーターを用いて、基材フィルム(PETフィルム:東洋紡績(株)製、A−4300、膜厚188μm)上に乾燥後の膜厚が約7μmになるように塗布し、80℃で乾燥後、紫外線照射器により硬化させた。その上に、表2に示す各成分を配合した本発明及び比較用の感光性樹脂組成物を、マイクログラビアコーターを用いて塗布し、80℃で乾燥後、紫外線照射器により硬化させた。この時、反射率の最大値を示す波長が500〜700nmになるように膜厚を調整した。その後、低屈折率コート剤としてKAYANOVA LR−397(日本化薬(株)製)を、マイクログラビアコーターを用いて塗布し、80℃で乾燥後、紫外線照射器により硬化させた。この時、反射率の最小値を示す波長が520〜650nmになるように膜厚を調整し、本発明の反射防止機能付き帯電防止性ハードコートフィルムを得た。
JIS K 5400に従い、鉛筆引っかき試験機を用いて、上記の各帯電防止フィルムの鉛筆硬度を測定した。即ち、測定する硬化皮膜を有するポリエステルフィルム上に、鉛筆(3H)を45度の角度で、上から1kgの荷重を掛け5mm程度引っかき、傷の付き具合を目視で判定した。5回測定を行った。
評価 5/5:5回中5回とも傷なし
0/5:5回中全て傷発生
抵抗率計(三菱化学(株)製 HIRESTA IP)を使用し、測定した。単位はΩ/□。
ヘイズメーター(東京電色(株)製TC−H3DPK)を使用し、測定した。
フィルメトリクス社製薄膜測定装置F20にて測定した。測定は、フィルムの裏面からの反射を防ぐため、塗工面の反対の面に黒のマジックを塗り、更に黒のビニルテープを貼った。
スチールウール#0000上に、200g/cm2の荷重を掛けて、フィルムを20往復させ、傷の状況を目視で判定した。
評価 A:傷なし
B:数本の傷発生
C:10往復まで傷なし
D:10往復で数本の傷発生
E:10往復で著しい傷発生
Claims (6)
- 分子中に少なくとも2個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物(A)、一次粒径が1〜200ナノメートルの金属酸化物(B)及び光重合開始剤(C)を含有する感光性樹脂組成物において、金属酸化物(B)が下記導電性金属酸化物(B−1)群及び透明性金属酸化物(B−2)群のそれぞれの群から少なくとも1つ以上が選ばれてなる金属酸化物であることを特徴とする感光性樹脂組成物。
(B−1):アンチモン酸亜鉛、酸化錫ドープ酸化インジウム(ITO)、五酸化アンチモン、酸化錫、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、フッ素ドープ酸化錫
(B−2):酸化チタン/酸化ジルコニウム/酸化錫/五酸化アンチモン複合物、酸化ジルコニウム/酸化錫/五酸化アンチモン複合物、酸化チタン/酸化ジルコニウム/酸化錫複合物 - 前記導電性金属酸化物(B−1)群の金属酸化物がアンチモン酸亜鉛である請求項1記載の感光性樹脂組成物。
- 前記導電性金属酸化物(B−1)群と前記透明性金属酸化物(B−2)群の比率が(B−1)50〜99重量%、(B−2)1〜50重量%である請求項1又は請求項2に記載の感光性樹脂組成物。
- 希釈剤(D)を含有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
- 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を基材フィルム上に塗工・硬化させてなる帯電防止フィルム。
- 基材フィルム上にハードコート剤、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物、屈折率1.5以下の低屈折率コート剤の順に塗工・硬化させてなる帯電防止ハードコートフィルム。
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