JP4421747B2 - 玉葱の調製作業方法及び玉葱調製機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、玉葱の調製作業方法及びこれに使用される玉葱調製機に関する。
【0002】
【従来の技術】
畝から抜き上げて畝間の溝内に列状に放置された玉葱を調製処理する場合には、玉葱調製機を各畝上で移動させ、この調製機の位置した畝に接した溝内の玉葱をこの調製機に順次に供給してその茎葉部と根部を切除する調製処理を行わせ、この処理結果物である玉葱球状部w1をこの調製機の位置した畝上に排出させるように行っている。このような調製作業に使用される玉葱調製機としては例えば特開平8−243号のようなものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、畝上に植生した玉葱を収穫する際、玉葱収穫機で玉葱を地面から抜き上げてその位置から収穫中の畝上に降下させて放置するように行われることがある。このように抜き上げられて収穫された玉葱は畝上にそのまま存在するため、上記したような従来の玉葱調製機を畝上で移動させることができず、畝上での能率的な調製処理は行えないのである。本発明は、このような実状の下、畝上に列状に抜き上げられて放置された玉葱を効率的に調製処理することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明では次のようになす。即ち、請求項1に記載した発明では、処理対象畝上を移動される玉葱調製機から排出される玉葱球状部を処理対象畝と隣接した畝上に落下させ、一方、玉葱調製機から排出される玉葱茎葉部を処理対象畝上又は畝間溝上に落下させるように実施するのである。これによれば、玉葱球状部w1と玉葱茎葉部w2が混在しないため、その後の玉葱球状部の乾燥処理や収集作業に好都合となる。
【0005】
さらに詳細には請求項2に記載したように行うのであって、即ち、並列状に形成された複数畝においてこれの一側から一畝飛びの畝上に玉葱を集めて玉葱の存在する畝と存在しない畝とを交互に存在させ、各畝上の玉葱を調製処理し、この処理により得られた玉葱球状部w1を処理対象畝に隣接した玉葱の存在していない畝上に集めるように実施するのである。
【0006】
さらに具体的には請求項3に記載したように、並列状に形成された複数畝においてこれの一側から一畝飛びの畝上を経るように玉葱調製機を移動させ、前記調製機にこれの位置する畝の玉葱を調製処理させ、この調製機から排出される玉葱球状部を処理対象畝に隣接した畝上に落下させるように実施する。このようにすれば、玉葱調製機は一畝飛びの畝上を移動させるだけでよいものとなり、また二畝分の玉葱球状部が一度に処理されるものとなる。
【0007】
上記した請求項2及び請求項3に記載した調製作業方法に代えて、請求項4に記載したように行うこともできるのであって、即ち、並列状に形成された複数畝に於いてこれの一側から順次に隣接した畝上を経るように玉葱調製機を移動させ、前記調製機にこれの位置する畝上の玉葱を調製処理させ、この調製機から排出される玉葱球状部w1を処理対象畝に隣接した調製処理済みの畝上に落下させるように実施する。
【0008】
このようにすれば、最初に玉葱調製機が移動する畝を除けば、各畝上を移動する際に得られた玉葱球状部は直前に玉葱調製機が移動した隣接畝上に落下されることで、玉葱球状部のみが畝上に集められるようになる。従って、請求項2及び請求項3に記載した調製作業方法におけるように一畝飛びに玉葱の存在しない畝を作る必要はなくなる。
【0009】
また請求項5に記載した発明では、畝上を移動させるものとした玉葱調製機において、この調製機の位置する畝に隣接した畝上に人為力を要することなく玉葱球状部を排出するための排出手段を設けた構成となす。これによれば、排出手段が調製作業時の作業者の手間を軽減させる。
【0010】
また請求項6に記載した発明では、畝上を移動させるものとした玉葱調製機において、玉葱球状部を排出するための下り傾斜案内路56、62、63、65を設け、この案内路の先端が玉葱調製機の位置する畝に隣接した畝上に及ぶ構成となす。これによれば、簡易な構造により、玉葱球状部w1が隣接した畝に落下するものとなる。
【0011】
或いは請求項7に記載したように、畝上を移動させるものとした玉葱調製機において、玉葱球状部を排出するための下り傾斜案内路56、62、63、65を横方の伸縮変形或いは横向き縦面上での折曲変形可能に設け、この案内路の変形により、玉葱調製機の側部近傍箇所から、玉葱調製機の位置した処理対象畝に隣接した畝上に至る範囲内で、玉葱球状部の落下する特定位置が任意で調製される構成となす。これによれば、玉葱調製機は畝幅の変化にも対応できるものとなるほか、玉葱球状部が機体上に設置したコンテナ内に落下し得るものとなる。
【0012】
上記玉葱調製機において、請求項8に記載したように、玉葱茎葉部が玉葱調製機の位置した畝上或いはこの畝に接した左右何れかの溝上に落下される構成となす。これによれば、玉葱調製機から排出された玉葱球状部と玉葱茎葉部とが分離された状態に落下されるものとなる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施例に係る玉葱調製機の側面図、図2は前記調製機の正面図、図3は前記調製機の排出部等を正面から見た概要図、図4は前記調製機の調製処理機構を示す側面図、図5は前記調製機の調製処理機構部の平面図、図6は玉葱球状部の排出部を示す正面視断面図、図7は前記調製機の駆動系統の動力断続部を示す側面図、図8は前記調製処理機構部の駆動系統を示す側面図、図9は前記調製処理機構部の駆動系統を示す後面図、図10は前記調製機を使用した作業態様図である。
【0014】
図1〜図4に示すように、本発明の玉葱調製機は、走行部1に支持された機体フレーム2を備えると共に、機体フレーム2上には前側から玉葱供給搬送部3、玉葱調製処理部4及び玉葱排出部5を載設するほか、玉葱排出部5の後側に操縦部6を形成したものとなされている。
【0015】
先ず走行部1について説明すると、左右一対の走行クローラ1a、1bを備えたものとなされており、左右の走行クローラ1a、1bは巾900mm程度の畝上でも横方へ張り出すことなく走行するようになされている。
【0016】
次に玉葱供給搬送部3について説明すると、作業者が特定箇所に手供給した玉葱wを受け取って玉葱調製処理部4に供給搬送するもので、具体的には次のようになされている。
【0017】
即ち、前面、上面及び左右側面とからなる前側ケース7を備えており、このケース7の前面の上部巾中央箇所と、上面の巾中央箇所の前後方向部位とは玉葱wの移動を可能とするように切除された切欠溝aとなされている。この切欠溝aの前端部には後上がり状に傾斜された持ち上げ搬送部8の後部が上下左右への揺動変位可能に支持されている。
【0018】
持ち上げ搬送部8は無端状の搬送チェーン9とこれに対向させた挟扼杆10とからなり、これらの先又は前端部が作業者の身長等に適合するように上下へ揺動操作されると共に作業者が玉葱wを拾う位置に応じて左右へ揺動操作されるようになされている。そして、作業者が搬送チェーン9の搬送作用部始端に玉葱を倒立姿勢として手供給することにより前記搬送チェーン9と挟扼杆10との間に玉葱茎葉部w2を挟み付けて玉葱w全体を後方へ搬送するものとなしてある。
【0019】
前側ケース7の上面の裏側近傍箇所で持ち上げ搬送部8の後部から玉葱調製処理部4に至る範囲には図4及び図5に示すように前記切欠溝aに関連させて玉葱供給用搬送手段11が設けてあり、この搬送手段11は前後水平向きの玉葱支持搬送部12と、この搬送部12の前端部下方に位置させた誘引ブラシ装置13と、このブラシ装置13の後方で前記搬送部12の下側に位置された茎葉搬送部14とからなる。
【0020】
玉葱支持搬送部12は無端状となされ断面を円形となされた左右一対の搬送ベルト15、15を備え、これらベルト15、15の対向部間が搬送経路bとなされて前記切欠溝aの上部(前側ケース7の上面の裏側)に位置されてあり、各搬送ベルト15、15を駆動プーリ16、従動プーリ17に掛け回して特定位置で周回作動させる構成となされ、左右の搬送ベルト15、15が持ち上げ搬送部8の搬送した玉葱茎葉部w2の元部を前記搬送経路bの前端に受け入れ水平後方向へ挟持搬送するようになされている。この際、搬送ベルト15、15は実際には球状部を支えているだけで茎葉を挟持はしていない。
【0021】
誘引ブラシ装置13は左右一対の円筒状ブラシ体18、18を前後向きとして対向状に配置すると共にこれらブラシ体18、18の対向部を前記搬送経路bの直下に位置させており、各ブラシ体18、18は特定位置で回転されるものとした前後向きの片持ちブラシ駆動軸19、19に支持させ、これら駆動軸19、19の回転作動により一対のブラシ体18、18の対向部が下向きへ変位されるようになしてある。そして、各ブラシ体18はブラシ毛をブラシ胴部材の周面に特定向きの螺旋状に植設され、各片持ちブラシ駆動軸19回りの回転により周面部に接した玉葱茎葉部w2にブラシ毛を介して下向きの引張力を付与して緊張させると共に後方への送り力を付与するものとなされている。
【0022】
茎引き搬送部14は無端状となされた左右一対の搬送ベルト20、20を備え、これらベルト20、20の対向部間が搬送経路となされて前記搬送経路bの直下に位置され、後方へ向かうに伴って漸次降下するようになされており、各搬送ベルト20は背面にスポンジを貼付けされたVベルトとなされ、駆動プーリ21、従動プーリ22及び中間プーリ23に掛け回されて特定位置で周回作動されるようになされている。左右一対の従動プーリ22の上面側にはスター形の茎葉掻込ホイール24、24が固定してあり、従動プーリ22、22と同体回転してこれの前側近傍に達した玉葱茎葉部w2を搬送経路内に掻き込むようになしてある。そして、左右の搬送ベルト20、20は玉葱支持搬送部12の玉
葱wの搬送中、玉葱茎葉部w2を搬送始端に受け入れた後、斜め下方へ向けて挟持搬送し、この搬送過程で玉葱茎葉部w2を漸次下方へ引張し緊張させて、玉葱球状部w1の肩部が玉葱支持搬送部12の左右一対の搬送ベルト15、15に密接され支持された状態となるように玉葱を引き変位させるようになされている。このように茎葉を引張ることで、球状部の向きが揃う。
【0023】
前記左右一対の従動プーリ22、22の下方には玉葱茎葉部w2の先寄り部w2'を切り離すための荒切り装置25が設けてあり、この装置25は左右配置された前記従動プーリ22、22を固定され且つ一定位置での回転自在となされたそれぞれの回転中心軸26、26を延長した各縦向きディスク駆動軸27の下端にディスク刃28を固定し、これらディスク刃28を左右のブラシ体18、18の対向部の直下位置で重合させ、この重合部が後方へ変位するように回転させ、玉葱茎葉部w2がこれらディスク刃28の重合部で切断され、その先寄り部w2'が切除されるようになしてある。
【0024】
荒切り装置25の下方には前側茎葉部排出装置としてのベルトコンベア29が横向きに設けてあり、ディスク刃28、28で切り離された玉葱茎葉部w2の先寄り部w2'をコンベアベルト30で受け止めて機体フレーム2の右横外方へ放出するものとなされている。
【0025】
次に玉葱調製処理部4について説明すると、上記玉葱供給搬送部3により供給搬送された玉葱wからその茎葉元部と根部を切除する処理を行うもので、具体的には次のようになされている。
【0026】
即ち、前側ケース7よりも高くなされて玉葱調製処理機構の外周囲を包囲するものとした後側ケース31を備えており、玉葱調製処理機構として、このケース31内方に根部切断装置32、根起こしブラシ装置33、玉葱処理搬送部34、茎葉元部切断装置35及び後側茎葉部排出装置36が設けてある。
【0027】
上記根部切断装置32は機体フレーム2と同体に固定された起立支持枠37に支持させるのであり、このため起立支持枠37の左右から後向きへ各々上下二本のリンク部材を延設し、これらのリンク部材の先端部にヘッド枠38を軸着して四節平行リンク機構39を形成し、これにより上下変位自在となされたヘッド枠38に側面視鈎状の伝動ケース40を固定し、この伝動ケース40の下面から下向きに左右一対の縦向きディスク駆動軸41を突出させ、この駆動軸41のそれぞれにディスク刃42を固定し、これらディスク刃42、42を前記搬送経路bの延長線上で重合させて、それぞれのディスク刃42の重合部が後向きへ変位するように回転させ、これらディスク刃42、42が玉葱球状部w1からその根部を切除するようになしてある。
【0028】
そして、左右一対のディスク刃42、42の重合部の前後近傍箇所にはヘッド枠38を介してディスク刃42、42の前後位置に回転自在に支持された樹脂製の案内輪43a、43bが設けてあり、この案内輪43a、43bが玉葱処理搬送部34で後方へ搬送される玉葱球状部w1の表面を転動して玉葱球状部w1に対するディスク刃42、42の上下位置を制御するようになしてあり、玉葱が玉葱処理搬送部34で後方へ搬送される過程でディスク刃42、42がその根部の元位置を切り離すようになしてある。
【0029】
さらに起立支持枠37とヘッド枠38との間には図示しない引張スプリングが張り渡してあり、ヘッド枠38に作用する重力をそのスプリング力で打ち消すことにより、小さな外力がヘッド枠に作用することで、ヘッド枠が上下変位するようになしてある。
【0030】
上記根起こしブラシ装置33は前記四節平行リンク機構39の下方に設けられているものであって、特定位置での回転自在に設けられた左右一対の前後向きの片持ちブラシ駆動軸44の先部に固定された左右一対の根起こしブラシ体45を対向状に配置し、これらブラシ体45を前記搬送経路bの延長線上で対向させ、この対向部が上向きへ変位するように各ブラシ体45を回転させ、玉葱処理搬送部34で搬送されている玉葱wの根部に接触してこれを上方へ引き起こすように作用するものとなしてある。
【0031】
上記玉葱処理搬送部34は、玉葱支持搬送部12の後部上方から根切断装置32の下方を経てさらに後方へ及ぶ範囲に渡って左右一対の挟持搬送ベルト46、46を前後向きとして対向状に配置し、これらベルト46、46の対向部間に適当な隙間を形成したものとなし、この隙間箇所を玉葱球状部w1の搬送経路となされ前記搬送経路bの延長線上に合致されている。この際、各挟持搬送ベルト46は無端状で比較的巾広となされ巾中央の外面を凹み円弧状になされており、駆動プーリ47、従動プーリ48及び中間プーリ49に掛け回されて特定位置で周回作動されるようになされている。そして、左右の挟持搬送ベルト46、46が玉葱供給搬送部3の搬送した玉葱球状部w1の左右側部を挟み付けて
受け取り、その後、これの受取り時の上下姿勢を確実に保持しつつ後方へ搬送するようになされている。
【0032】
茎葉元部切断装置35は、機体フレーム2に平面視前広がり状の配置に固定された左右一対の水平伝動ケース50、50の上面から上方へ突出された左右一対のディスク駆動軸51の上端にディスク刃52を固定し、これらディスク刃52を玉葱処理搬送部34よりも少し低い位置で前記搬送経路bの延長線の下方に合致させて重合させると共にこの重合部が後方へ移動するように回転させ、玉葱処理搬送部34で後方へ搬送される玉葱球状部w1からその茎葉元部を切り離すものとなされている。
【0033】
後側茎葉部排出装置36は茎葉元部切断装置35の下方に横向きのベルトコンベア53を設けると共に、ディスク刃52の下部からコンベアベルト54の後側部分に至る案内板55を傾斜状に設け、この案内板55がディスク刃52で切り離された茎葉元部をコンベアベルト54上に案内し、この後、コンベアベルト54がこの茎葉元部を機体フレーム2の右側部外方へ放出するものとなしてある。
【0034】
次に玉葱排出部5について説明すると、上記玉葱調製処理部4で調製処理された結果物である玉葱球状部w1を機外に排出するもので、具体的には次のようになされている。
【0035】
即ち、後側ケース31の後端に連続して排出シュータ56を機体フレーム2と同体状に設けており、この排出シュータ56は玉葱処理搬送部34と概略同じ高さの後側に位置させた方形箱状の玉葱受入れ部57と、この受入れ部57の底面から左右の二股状に分岐されて正面視ハ字形の下り傾斜状に延長された一対の四角筒部58、58とを備えている。そして、図3及び図6等に示すように、前記受入れ部57の底面には四角形の揺動切換板59が二股状箇所の中央に位置された前後向き軸60回りへの揺動自在に装着され、この揺動切換板59の後縁に突設したピン部材61を前記受入れ部57の後面壁に形成された円弧溝dを通じて後側外方に突出させ、このピン部材61の左右移動操作により揺動切
換板59が左右揺動され、この揺動により、左右の四角筒部58、58の内部通路の任意な何れかが前記受入れ部57内の空間と連通されるようになされている。
【0036】
前記受入れ部57の前面壁には開口eが形成されており、この開口eには玉葱処理搬送部34の搬送終端から解放された玉葱球状部w1を重力作用により玉葱受入れ部57内に案内するものとした複数の案内杆62が前後向きの樋状配列となされて設けてある。
【0037】
また各四角筒部58の下端には排出樋63を前後向き軸を介して折曲揺動変位可能に連設すると共にこの排出樋63の揺動が連動リンク機構64を介して任意位置に固定されるようになしてある。そして、各排出樋63には延長樋65がボルトを介しての位置調製固定可能に付設してあって、この延長樋65の延長長さは排出樋63に対する延長樋65の固定位置を変更することにより大小に変更されるようになっている。
【0038】
上記連動リンク機構64は、左右の排出樋63のそれぞれにアーム部材66を固着し、このアーム部材65とピン部材61とをリンク部材67で結合してあり、ピン部材61を切換操作することで、排出樋63の一方が起立状態となり、他方が特定の傾斜状態となるようになしてある。この際、リンク部材67の長さを変更調製可能となして使用側の排出樋63の傾斜角度を任意な特定角度に変更できるようになす。また左右の排出樋63、63は不使用時には図3に仮想線gで示すように何れも起立させ得るようになされている。
【0039】
そして、玉葱処理搬送部34から解放された玉葱球状部w1が複数の案内杆62及び開口eを経て玉葱受入れ部57内に落下し、続いて揺動切換板59の位置していない側の四角筒部58内を経た後、排出樋63及び延長樋65を経て外方に落下するようになされているのであり、さらに具体的には、図3に示すように機体フレーム2が一つの畝h上にあるとき、この畝hに隣接した他の畝h上に玉葱球状部が落下するようになされ、また延長樋65の延長長さを最短状態にしたときは機体フレーム2の側部近傍に落下させることができるようになされている。
【0040】
この際、排出樋63や延長樋65は図3に示す程度の傾斜であれば玉葱球状部w1を円滑に落下させ得ることが確認されているが、この落下をさらに確実となすには例えば、排出樋63や延長樋65の底面を、多数のローラを算盤玉配列状に配列されたローラコンベアとなすか、或いは機体フレーム2を高くする等して排出樋63や延長樋65の下り傾斜角度をさらに大きくなすか、或いは排出樋63や延長樋65の玉葱接触面をテフロン(登録商標)等のような摩擦係数の小さい材料で被覆するようになす。そして現行の畝hピッチは概ね1300mm〜1600mm程度であるので排出樋63や延長樋65の長さはこれに対して適合し得るようになされている。
【0041】
次に操縦部について説明すると、機体フレーム2の後方に作業者が追随して歩行しながら機体の走行移動等を操縦するように形成されているのであって、具体的には、機体フレーム2の後部の左右から後上方へ操縦ハンドル68を延出させ、これらハンドル68にエンジン69のアクセルレバー、操向用のサイドクラッチレバー70及び走行クラッチレバー71等が装着されている。
【0042】
上記エンジン69は機体フレーム2の後端部で左右の操縦ハンドル68の前部間に設けれており、このエンジン69の動力が動力伝達機構を介して走行部1、玉葱供給搬送部3及び玉葱調製処理部4に伝達されるようになされている。
【0043】
上記動力伝達機構について図7、図8及び図9等を参照して説明すると、次のとおりである。即ち、エンジン69前方の機体フレーム2後部にミッションケース72が固定してあり、このミッションケース72の横向き入力軸73とエンジン69の横向き出力軸74とをベルト伝動機構75及びベルトテンション機構76を介して連動連結している。そして、ベルトテンション機構76は操縦ハンドル68に装着された走行クラッチレバー71と連係されると共に、前側ケース7の左右側部のそれぞれに支点軸77回りの揺動操作可能に設けられた走行クラッチレバー78とも連係されており、走行クラッチレバー71、78の何れかを揺動操作すると、ベルトテンション機構76の作動によりベルト伝動機構75の動力伝達が任意に断続されるようになされている。
【0044】
ミッションケース72はこれに伝達された動力をこのケース72内の図示しない左右のサイドクラッチ機構を経てこれに対応した左右の走行クローラ1a、1bに独立的に伝達するようになされており、前記左右のサイドクラッチ機構はそれぞれ、その対応した左右の操縦ハンドル68のサイドクラッチレバー70と連係されており、このレバー70の操作によりその対応する走行クローラ1a、1bへの動力伝達が任意に断続されるようになされている。
【0045】
一方、茎葉元部切断装置35の下方となる機体フレーム2箇所には横向き伝動ケース79が固定され、この伝動ケース79とエンジン69との間に横向き中間軸80を設け、横向き中間軸80とエンジン69の横向き出力軸74とをベルト伝動機構81及びベルトテンション機構82を介して連動連結し、また横向き中間軸80と横向き伝動ケース79の横向き入力軸83とをベルト伝動機構84を介して連動連結している。そして、ベルトテンション機構82は玉葱供給搬送部3の前面部に支点軸85回りの上下揺動操作可能に装着された作業クラッチレバー86と連係され、このレバー86の操作により玉葱供給搬送部3及び玉葱調製処理部4への動力伝達が任意に断続されるようになされている。
【0046】
上記横向き伝動ケース79の上面からは左右一対の縦向き出力軸87、87が突出されており、これら出力軸87、87は横向き伝動ケース79の横向き入力軸83にベベルギヤ機構88、88を介して連動連結されている。そして、横向き伝動ケース79の上方には前後方向へ比較的長い左右一対の水平伝動ケース50、50が配設されて機体フレーム2と同体状に固定されており、各水平伝動ケース50、50の後部に縦向き入力軸89、89が設けてあり、この入力軸89、89と、前記横向き伝動ケース79における対応した縦向き出力軸87、87とが自在継手90を介して連動連結されている。
【0047】
各水平伝動ケース50、50の縦向き入力軸89、89はこれらケース50、50の上面からさらに上方へ突出されて茎葉元部切断装置35のディスク駆動軸51、51となされ、これの上端にディスク刃52、52が固定されている。また各水平伝動ケース50、50の前部上面からは縦向き出力軸91、91が突出されており、これら出力軸91、91に玉葱支持搬送部12の駆動プーリ16、16と、茎引き搬送部14の駆動プーリ21、21とが上下配置に固定されている。
さらに各縦向き出力軸91、91はベルト伝動機構92、92を介して、特定位置での回転自在となされた縦向き駆動軸93、93と連動連結されており、各縦向き駆動軸93、93の上端部に玉葱処理搬送部34の駆動プーリ47、47が固定されている。
【0048】
そして、駆動プーリ16、16に伝達された動力は搬送ベルト15、15を介して従動プーリ17、17に伝達され、この従動プーリ17、17から適宜な伝動機構を介して持ち上げ搬送装置8の搬送チェーン9に伝達されるようになされ、また駆動プーリ21、21に伝達された動力は搬送ベルト14、14を介して従動プーリ22、22及び、この従動プーリ22、22が固定され且つ特定位置で回転するものとなされた縦向き回転中心軸26、26に伝達され、この回転中心軸26、26から、これを下方へ延長して形成されたディスク駆動軸27、27を介してこの駆動軸27、27に固定されたディスク刃28、28に伝達され、一方では前記回転中心軸26、26からベベルギヤ伝動機構94を
介して横向きブラシ駆動軸19、19に伝達されるようになされている。
【0049】
上記横向き伝動ケース79の右側面からはこの伝動ケース79の横向き入力軸83が延長状に突出されており、この入力軸83の先端の右側にはこれの右端からベベルギヤ伝動機構95を介して動力を伝達され特定位置での回転自在となされた比較的長い前後向き回転支持軸96が設けてある。そして、この回転支持軸96の長さ途中で茎葉元部切断装置35の下方箇所に後側茎葉部排出装置36のコンベアベルト54の掛け回された駆動ベルト車97を固定しており、また前後向き回転支持軸96の前側やや上方にこの回転支持軸96とベルト伝動機構101を介して連動連結された中間回転軸98が特定位置での回転自在に設けられ、また中間回転軸98の前側やや下方に、前側茎葉部排出装置29のコン
ベアベルト30を掛け回された駆動ベルト車99が固定された前後向き回転支持軸100を特定位置での回転自在に設け、これら双方の前後向き回転支持軸96、100を一体状に連結している。
【0050】
上記中間回転軸98の上方にはこの軸98からベルト伝動機構102を介して動力を伝達される前後向きの上側中間回転軸103が特定位置での回転自在に設けてあり、さらに起立支持枠37の左右中央部のやや左寄り箇所にはこの上側中間回転軸103からベルト伝動機構104を介して動力を伝達される前後向きの中間伝動軸105が特定位置での回転自在に設けてある。
そして、起立支持枠37の左右中央部には前記上側中間回転軸103から原動プーリ106、無端状の一本の伝動ベルト107及び左右一対の中間プーリ108、従動プーリ109を介して動力を伝達される前後向きの一対の片持ちブラシ駆動軸44、44が特定位置での回転自在に装着されている。この際、伝動ベルト107は原動プーリ106、中間プーリ108及び従動プーリ109に襷掛け態様に掛け回されてブラシ駆動軸44、44に固定された一対のブラシ体45、45に特定の逆向き回転が得られるようになす。
【0051】
前記中間伝動軸105は連結伝動軸110及び自在継手111を介して前記ヘッド枠38に固定された鈎状伝動ケース40の前後向き入力軸112に連動連結されており、さらにこの入力軸112は鈎状伝動ケース40内のベベルギヤ機構113を介してこの伝動ケース40の出力軸である右側のディスク駆動軸41と連動連結され、さらにこの駆動軸41がギヤ機構を介して左側のディスク駆動軸41と連動連結されており、これにより中間回転軸103に伝達された動力が左右一対のディスク刃42、42に伝達され、これらディスク刃42、42が逆向きに回転するようになされている。
【0052】
次に上記した玉葱調製機を使用して、畝栽培された玉葱を収穫する際の望ましい作業方法について説明する。多数の畝hを並列状に形成し、畝ピッチが凡そ1300mm〜1600mm程度で畝巾が凡そ900mm以上となされ、図10に示すように各畝hに玉葱wを複数条iに植え付けた状態において、公知の玉葱収穫機を使用する等して、各畝hの玉葱wを全て引き抜いてその上面に一日乃至二日程度放置して乾燥させる。これにより、玉葱球状部w1の表面が幾分硬くなって傷つき難い状態となる。
【0053】
この後、作業者は二畝分毎の玉葱wを一方の畝h上に集め、他方の畝h上を玉葱wの存在しない状態となし、ここに帯状のネットjを敷くようにする。なお、このネットjは調製処理後の便宜のために敷くものであって必ず敷かなければならないものではない。
【0054】
この状態の下で、本発明に係る玉葱調製機Tを作業者が任意に選択した処理対象となる特定の畝h上に進入させるのであり、この際、作業者は特定畝h上の処理開始箇所の機体長ほどの長さ範囲に存在する玉葱wを予め移動させておくようになし、また機体の後方から操縦ハンドル68、68を持って機体を操縦する。
【0055】
そして、機体の進入した畝(処理対象畝)h上では機体を畝hに沿った正しい向き及び位置に設定すると共に、処理対象畝hに隣接し且つネットjの敷かれた畝hの存在している側の排出樋63を横外方へ張り出させて固定させる。この際、他側の排出樋63は連動リンク機構64を介して起立状に保持される。次に排出樋63を張り出させた側の延長樋65をこれの先端がネットj上に位置するように調製して排出樋63に固定させる。
【0056】
この後、エンジン69の作動状態の下で、作業クラッチレバー86を入り操作するのであり、これにより機体は停止したままで、玉葱供給搬送部3及び玉葱調製処理部4が作動状態となる。
【0057】
この状態の下で、処理対象畝hにおける機体前部周辺に散在した玉葱wの一個ずつを倒立姿勢で持ち上げ搬送装置8の搬送始端箇所p1に順次に手供給する。この際、必要に応じて持ち下げ搬送装置8の先端部を上下左右へ位置変更することにより、作業者による玉葱wの手供給が疲れないで能率よく行われるようになる。なお状況によっては持ち上げ搬送装置8を取り外して玉葱支持搬送部12の搬送始端箇所p2に直接に供給するようにしてもよい。
【0058】
このように供給された玉葱wは持ち上げ搬送装置8により後方へ搬送された後、玉葱供給搬送手段11に受け継がれ、以後この搬送手段11により玉葱調製処理部4まで水平後方へ供給搬送される。この供給搬送において玉葱支持搬送部12は玉葱球状部w1を下方から支持して後方へ搬送するのであり、この搬送の初期に誘引ブラシ装置13が玉葱茎葉部w2に後方への送り力を付与すると同時に下方へ引張し、次に茎引き搬送部14がその玉葱茎葉部w2を受け継ぎ順次下方へ引張しつつ後方へ搬送する。上記誘引ブラシ装置13のブラシ体18、18は玉葱wの種類や乾燥状態等によってはその通過を妨げることもあるのであり、このような場合には、ブラシ体18、18は片持ちブラシ駆動軸19、19から取り外すようにする。
【0059】
この一方では、茎葉荒切り装置25の左右一対のディスク刃28が茎引き搬送部14に達した玉葱茎葉部w2の先寄り部w2'を切除する。この切除された先寄り部w2'は真下へ落下して前側茎葉部排出装置29のコンベアベルト30に受け止められ、続いて機体フレーム2の右側外方へ搬送されて処理対象畝h上やこの畝hに接した溝k内に放出される。
【0060】
玉葱供給搬送手段11により後方へ搬送された玉葱球状部w1は搬送ベルト15、15上に整姿された状態で玉葱処理搬送部34に達するのであり、玉葱処理搬送部34ではここに達した玉葱球状部w1の左右側部を挟持搬送ベルト46、46が強固に挟み付けてその姿勢変更が生じないように後方へ搬送する。
【0061】
この搬送中、根部引き起こしブラシ装置33が玉葱根部を上方へ引き上げて上向き起立状に整えるのであり、この後、玉葱球状部w1が根部切断装置32のディスク刃42、42に近づいたとき前側の案内輪43aがその表面に接して玉葱球状部w1の搬送に伴ってその表面上を転動することによりヘッド枠38を順次に上方へ誘導し、玉葱球状部w1に対するディスク刃42、42の高さを最適状態に制御する。このように制御されたディスク刃42、42は玉葱処理搬送部34により後方へ搬送される玉葱球状部w1を傷つけることなくその根部元を順次に切除するのであり、こうして玉葱球状部w1から切り離された玉葱根部は下方へ落下し、その大部分は後側茎葉部排出装置36のコンベアベルト54上に、そして他のものは畝h上に落下する。
【0062】
玉葱球状部w1がディスク刃42、42の直下を過ぎるとき、今度は後側の案内輪43bが玉葱球状部w1の表面に接して玉葱球状部w1の搬送に伴ってその表面上を転動することによりヘッド枠38を順次に下方へ誘導し、玉葱球状部w1がディスク刃42、42の下方を通過するまでディスク刃42、42を玉葱球状部w1から離した状態に保持するのであり、玉葱球状部w1がここを通過した後は、ディスク刃42、42は最下位置に達して次の玉葱球状部w1の処理に備える。
【0063】
一方では玉葱供給搬送手段11から解放された玉葱茎葉部w2が玉葱処理搬送部34に搬送されつつ、根部切断装置32の下方に存在する茎葉元部切断装置35のディスク刃52、52に達するのであり、これらディスク刃52、52は玉挟持搬送ベルト46、46による玉葱球状部w1の搬送中にその茎葉部元部を玉葱球状部w1から切除する。こうして玉葱球状部w1から分離された玉葱茎葉部w2は下方に落下して案内板55に案内されつつ後側茎葉部排出装置36のコンベアベルト54に受け止められる。
【0064】
こうしてコンベアベルト54上に位置するものとなった玉葱茎葉元部や玉葱根部は右横外方へ搬送され機体フレーム2の右側部から処理対象畝h上或いはこの畝hに接した溝k上に放出されるのであり、また玉葱wから玉葱根部や玉葱茎葉部w2を除去した後に得られる調製処理結果物である玉葱球状部w1は玉葱処理搬送部34によりさらに少し後方へ搬送された後、玉葱処理搬送部34から解放される。この解放された玉葱球状部w1は複数の案内棒部材62上に落下して排出シュータ56の玉葱受入れ部57内に転げ落ち、この後、揺動切換板59の存在しない側の、即ち図3に示すように揺動切換板59が右側に位置されているときは左側の四角筒部材58、排出樋63及び延長樋65を経て転げ落ち処理対象畝hに隣接した畝hのネットj上に落下するのである。
【0065】
機体前部周辺の処理対象畝h上の玉葱wを全て機に供給した後は、機体後部の走行クラッチレバー71又は前部の走行クラッチレバー78を操作して適当な距離だけ機体を前進させて再び停止状態となし、この状態で再び機体前部周辺の処理対象畝h上の玉葱wを機に供給するのであり、以後このような作業を繰り返す。
これにより、処理対象畝hに接した溝k内或いは処理対象畝h上に玉葱茎葉部w2が列状に排出されると共に、処理対象畝hに隣接した畝hのネットj上に調製処理結果物である玉葱球状部w1が列状に収集される。なお、走行速度を低速に設定し移動しながらの調製作業も可能である。
【0066】
そして処理対象畝h上の処理が終了したときは、次に処理対象となるべき玉葱wの集められた畝hに移動し同様の作業を行う。この際、次に処理対象となるべき畝hとしては直前に処理を終えた畝hに最も近い畝hを選択するのであり、通常では軌跡線mで示すように一畝h飛びに移動するようになされる。軌跡線mで示す順に作業を行う場合は排出シュータ56のピン部材61を機体後方から操作して、左右の排出樋63、63を処理対象畝hに対応して交互に張り出させるようにすることにより隣接した畝h上に玉葱球状部w1を落下させるようにする。
【0067】
こうしてネットj上に収集された玉葱球状部w1はそのまま適当期間、天日乾燥させた後、回収して出荷するのである。この際、ネットjは玉葱球状部w1の周囲への風の通りを良好となす上で寄与する。そしてネットj上の玉葱球状部w1を一箇所に集める際はネットjの端縁を持ち上げて玉葱球状部w1を所要の位置へ向けて転がせるのであり、これにより多数の玉葱球状部w1に手を触れないでもこれら玉葱球状部w1は一挙に特定箇所に集まり、省力的且つ迅速に回収されるものとなる。
【0068】
次に上記とは別の作業方法について説明する。上記の場合と同様に、各畝hの玉葱wは公知の玉葱収穫機を使用する等して全て引き抜き、そのまま畝h上に一日乃至二日程度放置して乾燥させてあるものとする。この場合において、作業者は特定畝hに存在した玉葱wをこれに隣接した畝h上に集めるのであり、この後、特定畝h上にネットjを敷く。なお、このネットjは上記の場合と同様に省略しても差し支えないものである。
【0069】
この状態の下で、本発明に係る玉葱調製機を上記特定畝hに隣接している処理対象となる畝h上に先と同様に進入させるのである。機体の進入した畝(処理対象畝)h上では先の場合と同様に調製処理を実施するのであり、この際、前記特定畝hの存在する側の排出樋63を横外方へ張り出させて延長樋65の先端を特定畝h上に位置させ、調製処理結果物である玉葱球状部w1を特定畝hのネットj上に落下させる。
【0070】
処理対象畝h上の処理が終了したときはその畝hの末端から畝外へ出た後、隣接した未処理畝hに機体を移動させると共に、直前に処理された畝h上にネットjを敷き、次の未処理畝h上を先の処理済みの畝hでの機体進行方向とは逆向きへ進行させつつ作業を行い、調製処理結果物である玉葱球状部w1は直前に処理された畝hのネットj上に落下させる。
【0071】
この後は次に隣接した未処理畝hに機体を移動させ、この時点での直前に処理された畝h上にネットjを敷き、次の未処理畝hの調製処理を先と同様に実施し、調製処理結果物である玉葱球状部w1を隣接した畝hのネットj上に落下させるのであり、以後、同様にして順次に各畝h上の玉葱wを処理する。これにより、それぞれの畝h上に調製処理結果物である玉葱球状部w1が存在した状態となり、これら玉葱球状部w1は既述したところと同様にして回収されるのである。
【0072】
上記した作業方法は本発明に係る代表的なものとして説明したものであり、本発明の作業方法は上記作業方法の他にこれを種々に変形した作業方法をも包含するものである。
【0073】
【発明の効果】
上記のように構成した本発明によれば、次のような効果が得られるのである。即ち、請求項1に記載したものによれば、玉葱球状部w1を玉葱茎葉部w2と混在しない状態で畝上に集めることができるのであり、その後の玉葱球状部w1の乾燥処理や回収作業を便利に行えるようになる。
【0074】
請求項2に記載したものによれば、従来の収穫機で畝上に抜き上げて放置した玉葱を玉葱調製機により能率的に調製処理することが可能となる。請求項3に記載したものによれば、玉葱調製機を各畝上で移動させる場合に比べてその全移動距離が短くなり、調製処理を能率的に行えるようになる。
【0075】
請求項4に記載したものによれば、一畝飛びの畝上の玉葱を他の畝上に移動させる作業をしないでも、畝上に放置された玉葱を玉葱調製機により調製処理することができ、また調製処理結果物である玉葱球状部w1を未処理の玉葱と混じらせることなく畝上に集めることができる。
【0076】
請求項5に記載したものによれば、調製処理結果物である玉葱球状部w1を処理対象畝と隣接した畝上に作業者の手間を要することなく落下させることにより、各畝上に放置された玉葱を傷つけることなく能率的に調製処理できるものである。請求項6に記載したものによれば、簡易な構造により、玉葱球状部w1を隣接した畝に落下させることができる。
【0077】
請求項7に記載したものによれば、畝巾が大きく変化しても玉葱調製処理機の処理対象畝に隣接した畝上に玉葱球状部w1を正確に落下させることができるほか、傾斜案内樋から排出される玉葱球状部を機体に搭載したコンテナ等に直接に落下させることができるのである。
【0078】
請求項8に記載したものによれば、玉葱調製機から排出された玉葱球状部w1を玉葱茎葉部w2と分離させて畝上に落下させることができる。
【0079】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る玉葱調製機の側面図である。
【図2】前記調製機の正面図である。
【図3】前記調製機の排出部等を正面から見た概要図である。
【図4】前記調製機の調製処理機構を示す側面図である。
【図5】前記調製機の調製処理機構部の平面図である。
【図6】玉葱球状部の排出部を示す正面視断面図である。
【図7】前記調製機の駆動系統の動力断続部を示す側面図である。
【図8】前記調製処理機構部の駆動系統を示す側面図である。
【図9】前記調製処理機構部の駆動系統を示す後面図である。
【図10】前記調製機を使用した作業態様図である。
【符号の説明】
T 玉葱調製機
h 畝
k 溝
w1 玉葱球状部w1
5 茎葉排出部(排出手段)
56 排出シュータ(下り傾斜案内路)
62 案内杆(下り傾斜案内路)
63 排出樋(下り傾斜案内路)
65 延長樋(下り傾斜案内路)
Claims (8)
- 処理対象畝上を移動される玉葱調製機から排出される玉葱球状部を処理対象畝と隣接した畝上に落下させ、一方、玉葱調製機から排出される玉葱茎葉部を処理対象畝上又は畝間溝上に落下させるように実施することを特徴とする玉葱の調製作業方法。
- 並列状に形成された複数畝に於いてこれの一側から一畝飛びの畝上に玉葱を集めて玉葱の存在する畝と存在しない畝とを交互に存在させ、各畝上の玉葱を調製処理し、この処理により得られた玉葱球状部を処理対象畝に隣接した玉葱の存在していない畝上に集めるように実施することを特徴とする玉葱の調製作業方法。
- 並列状に形成された複数畝においてこれの一側から一畝飛びの畝上を経るように玉葱調製機を移動させ、前記調製機にこれの位置する畝の玉葱を調製処理させ、この調製機から排出される玉葱球状部を処理対象畝に隣接した畝上に落下させるように実施することを特徴とする玉葱の調製作業方法。
- 並列状に形成された複数畝に於いてこれの一側から順次に隣接した畝上を経るように玉葱調製機を移動させ、前記調製機にこれの位置する畝上の玉葱を調製処理させ、この調製機から排出される玉葱球状部を処理対象畝に隣接した調製処理済みの畝上に落下させるように実施することを特徴とする玉葱の調製作業方法。
- 畝上を移動させるものとした玉葱調製機において、この調製機の位置する畝に隣接する畝上に人為力を要することなく玉葱球状部を排出するための排出手段を設けたことを特徴とする玉葱調製機。
- 畝上を移動させるものとした玉葱調製機において、玉葱球状部を排出するための下り傾斜案内路を設け、この案内路の先端が玉葱調製機の位置する畝に隣接した畝上に及ぶ構成であることを特徴とする玉葱調製機。
- 畝上を移動させるものとした玉葱調製機において、玉葱球状部を排出するための下り傾斜案内路を横方の伸縮変形或いは横向き縦面上での折曲変形可能に設け、この案内路の変形により、玉葱調製機の側部近傍箇所から、玉葱調製機の位置する処理対象畝に隣接した畝上に至る範囲内で、玉葱球状部の落下する特定位置
が任意に調製される構成であることを特徴とする玉葱調製機。 - 玉葱茎葉部が玉葱調製機の位置する畝上或いはこの畝に接した左右何れかの溝上に落下される構成であることを特徴とする請求項5、6又は7記載の玉葱調製機。
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