JP4420020B2 - 溶液を攪拌する方法 - Google Patents

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Description

本発明は、被検物質と選択的に結合する物質(本明細書において「選択結合性物質」)を固定化した担体と被検物質が含まれる溶液を接触させて、担体に固定化された選択結合性物質と被検物質とを反応させる際に、被検物質が含まれる溶液を攪拌する方法に関する。より具体的には、担体に固定化された選択結合性物質と被検物質との反応を促進するために、被検物質が含まれる溶液を攪拌する方法に関する。

各種生物の遺伝情報解析の研究が始められている。ヒト遺伝子をはじめとして、多数の遺伝子とその塩基配列、また遺伝子配列にコードされる蛋白質およびこれら蛋白質から二次的に作られる糖鎖に関する情報が急速に明らかにされつつある。配列の明らかにされた遺伝子、蛋白質、糖鎖などの高分子体の機能は、各種の方法で調べることができる。主なものとして、核酸は、ノーザンブロッティング、あるいはサザンブロッティングのような、各種の核酸/核酸間の相補性を利用して、各種遺伝子とその生体機能発現との関係を調べることができる。蛋白質は、ウエスタンブロッティングに代表される蛋白質/蛋白質間の反応を利用し蛋白質の機能および発現について調べることができる。
近年、多数の遺伝子発現を一度に解析する手法として、DNAマイクロアレイ法(DNAチップ法)と呼ばれる新しい分析法が開発され、注目を集めている。これらの方法は、いずれも、核酸/核酸間ハイブリダイゼーション反応に基づく核酸検出・定量法である点で原理的には従来の方法と同じである。これらの方法は、蛋白質/蛋白質間あるいは糖鎖/糖鎖間や糖鎖/蛋白質間の特異的な反応に基づく蛋白質や糖鎖検出・定量に応用が可能ではある。これらの技術は、マイクロアレイ又はDNAチップと呼ばれるガラスの平面基板片上に、多数のDNA断片や蛋白質、糖鎖が高密度に整列固定化されたものが用いられている点に大きな特徴がある。DNAチップ法の具体的使用法としては、例えば、研究対象細胞の発現遺伝子等を蛍光色素等で標識したサンプルを平面基板片上でハイブリダイゼーションさせ、互いに相補的な核酸(DNAあるいはRNA)同士を結合させ、その箇所を高解像度検出装置(スキャナー)で高速に読みとる方法や、電気化学反応にもとづく電流値等の応答を検出する方法が挙げられる。このようして、サンプル中のそれぞれの遺伝子量を迅速に推定できる。また、DNAチップの応用分野は、発現遺伝子の量を推定する遺伝子発現解析のみならず、遺伝子の一塩基置換(SNP)を検出する手段としても大きく期待されている。
核酸を基板上に固定化する技術として、スライドガラス等の平坦な基板の上に、ポリ−L−リシン、アミノシラン等をコーティングして、スポッターと呼ばれる点着装置を用い、各核酸を固定化する方法などが開発されている(特表平10−503841号公報)。
また、最近は、DNAチップに用いられる核酸プローブ(基板上に固定化された核酸)は、従来の数百〜数千塩基の長さのcDNAおよびその断片に変わり、検体とのハイブリダイゼーション時のエラーを下げることと、合成機で容易に合成できるので、オリゴDNA(オリゴDNAとは塩基数が10〜100塩基までのものをいう)を用いている。この際、オリゴDNAとガラス基板は共有結合にて結合する(特開2001−108683号公報)。
現在、DNAチップは、チップ上に数万から数千種類の多数の遺伝子を載せ、一度に大量の遺伝子の発現を調べる研究用として用いられていることが多い。今後、診断用途で、DNAチップが使用されることが期待されている。DNAチップを診断で使用する場合、一般的に採取できる検体の量が非常に少ないものと予想される。現行のDNAチップは感度が十分ではないため、このような検体の測定が不可能であることが予想される。さらに現状のDNAチップでは、発現量の低い遺伝子についてはハイブリダイゼーション後の蛍光強度が非常に微弱であり、このような遺伝子は実質上解析できないという問題点を有している。従って、現行のDNAチップでは、検体の量が少ない場合や発現量の少ない遺伝子の場合のハイブリダイゼーション後の蛍光の強度をいかに大きくするかということが課題である。この課題を解決するためには検体DNAとプローブDNAとをいかに効率よく反応させるかがポイントとなる。効率よく検体DNAとプローブを反応させる方法としては、検体の自然拡散では不十分であるので、溶液を攪拌し、効率よくプローブと検体との反応を促進することが考えられている。
検体溶液を攪拌する例としては、特開2003−248008号公報、特開2003−339375号公報には、磁気ビーズを磁力により検体溶液中で動かすことで、検体溶液を攪拌し、検体との反応効率を上げる方法が開示してある。また、特開2003−339375号公報には、ビーズを混合した検体溶液をDNAチップに接触させ、溶液をカバーガラスなどを用いてシーリングし、チップを回転させることにより、ビーズを重力方向に落下させることで検体溶液を攪拌して、ハイブリダイゼーション後のシグナルを大きくする方法が開示してある。
しかし、特開2003−248008号公報や特開2003−339375号公報に示した方法では、以下の問題点があった。
すなわち、一般に平板状のDNAチップを用いて、通常のカバーガラスで検体溶液をシーリングした場合は、カバーガラスとDNAチップとの隙間は、高々10μm程度である。従って、これより大きい微粒子を混合しても、微粒子がDNAチップとカバーの間に挟まり、微粒子が動くことができず、効果がないという問題点があった。さらに、大きさ数μm程度の微粒子では、重力などで微粒子を移動させようとしても、溶液の抵抗のため検体溶液中を微粒子が十分に移動できず、攪拌の効果を十分に発揮できないという問題点があった。また、重力で微粒子を移動させようとしても、微粒子がDNAプローブを固定化した担体の面と接触することも十分な特性が得られない原因であると推定される。また、O−リングなどで、カバーガラスとDNAチップとのクリアランスを大きくして、攪拌するための微粒子を大きくし、重力や磁力により反応液中の微粒子を動かして溶液を攪拌するという手段がある。しかし、シーリングのためのカバーガラスとDNAチップの両方ともが平坦な形状をしているため、微粒子がDNAプローブが固定化されている部分をも動く。このため、微粒子がプローブDNAを固定化している部分を傷つけてしまい、その傷によりデータ解析に支障を来したり、微粒子がプローブ固定面にぶつかることでプローブが剥がれ落ちたりするため、シグナル強度が、かえって弱くなるといった問題点があった。
本発明は、担体表面に固定化された選択結合性物質に、その選択結合性物質と反応する被検物質を含む溶液を接触させ、該溶液を攪拌する方法であって、被検物質を含む溶液に微粒子または気泡を混合し、微粒子または気泡を選択結合性物質の固定化面に接触することなく移動させて溶液を攪拌する方法である。
本発明の実施形態の断面模式図である。 本発明の実施形態の断面模式図である。 担体の模式図である。 担体の断面模式図である。 DNAチップ突き当て治具の例である。 担体を支持体層/選択結合性物質固定化層とした場合の概念図である。 PMMA表面に選択結合性物質を固定化する際の反応スキームである。 実施例9で用いた治具の概念図である。 ターゲット濃度を変化させた場合の蛍光強度である。
符号の説明

1 担体に固定化された選択結合性物質(DNA)
2 微粒子(ビーズ)
3 担体
4 反応溶液を保持する容器
11 平坦部
12 凹凸部
13 DNAチップ
14 対物レンズ
15 レーザー励起光
16 マイクロアレイを治具に突き当てるためのバネ
31 選択結合性物質固定化層
32 支持体層
41 PMMA
42 DNA
51 磁石
52 磁石の往復運動の方向
53 基板
発明の実施するための最良の形態
以下、本発明の攪拌方法について説明する。
本発明の第1の溶液を攪拌する方法は、担体表面に固定化された選択結合性物質に、その選択結合性物質と反応する被検物質を含む溶液を接触させ、該溶液を攪拌する方法であって、被検物質を含む溶液に微粒子または気泡を混合し、微粒子または気泡を選択結合性物質の固定化面に接触することなく移動させて溶液を攪拌する。
本発明の第1の溶液を攪拌する方法では、被検物質を含む溶液に微粒子または気泡を混合、微粒子または気泡を移動することにより、溶液を攪拌する必要がある。
さらに本発明の第1の溶液を攪拌する方法では、微粒子または気泡を選択結合性物質の固定化面に接触することなく移動させて溶液を攪拌する。微粒子または気泡の移動領域を制限することにより、プローブ固定面に微粒子が当たって、この面を微粒子または気泡によって傷つけてしまうということを防ぐことが可能となる。
微粒子または気泡が選択結合性物質の固定化面に接触しない構造の担体を用いることが好ましい。担体に凹凸部が設けられており、かつ、凸部上面に選択結合性物質が固定化されていることが好ましい。
また、微粒子または気泡が選択結合性物質の固定化面に接触しない構造の溶液を保持する容器を用いることも好ましい。
さらに本発明の第2の溶液を攪拌する方法では、担体の凸部上面に固定化された選択結合性物質に、その選択結合性物質と反応する被検物質を含む溶液を接触させ、該溶液を攪拌する方法であって、被検物質を含む溶液に微粒子または気泡を混合し、微粒子または気泡を移動させて溶液を攪拌する。
本発明の第1の溶液を攪拌する方法、および、第2の溶液を攪拌する方法では、気泡または微粒子を用いる。気泡と微粒子を比較すると、大きさや、材料を選択することによって比重のコントロールが容易なことから、本発明の第1の溶液を攪拌する方法、および、第2の溶液を攪拌する方法とも、微粒子を好ましく用いることができる。
本発明の溶液を攪拌する方法では、微粒子の大きさ(微粒子の最大径)は、10μm以上のものが好ましい。微粒子の大きさが、10μmより小さいと、微粒子による攪拌の効果がほとんど得られない場合がある。この理由は、微粒子の大きさが、10μmより小さいと、溶液の抵抗により外場(磁場や重力や振動)を加えても微粒子がほとんど動かないことが起こる場合があるからである。微粒子の大きさは20μm以上が特に好ましい。
本発明の溶液を攪拌する方法では、どのような形の微粒子も用いることができる。特に好ましくは、微粒子の形状は、球状、すなわちビーズである。微粒子がビーズであると、これ自体が転がることにより反応液中で滞ることなくスムーズに移動でき、結果的に検体溶液の攪拌が良好に行えるので好ましい。微粒子の形態として最も好ましくは、直径が20μm〜300μmの球状微粒子(ビーズ)を用いることができる。ビーズの直径がこの範囲であると、ビーズ自体の重みで反応液の抵抗があっても、容易に重力や加速度などにより液中をビーズが移動でき、液の攪拌が十分に行えるため、良好な結果を得ることができる。
本発明の溶液を攪拌する方法では、微粒子の材質としては特に限定されない。微粒子の材質は、金属、ガラス、セラミック、ポリマー(ポリスチレン、ポリプロピレン、ナイロンなど)を用いることができる。この中でも、比重が水よりも大きい材質(ガラス、石英、ジルコニアセラミック)のビーズであると重力や振動による加速度などにより容易に液中を移動が可能となるので好ましい。また、磁気ビーズを使用することも可能である。特に、ジルコニアセラミックからなるビーズは、比重が大きいことから、重力や振動による加速度により、ビーズの移動が容易に行えることから最も好ましく用いることができる。また、ガラス、石英、ジルコニアセラミックが検体溶液中にビーズ成分が溶出することが少ないので好ましい。
ジルコニアセラミック(イットリア安定化ジルコニア)からなるビーズは、密度が6g/cmと石英ガラスの2.2g/cmなどに比べて大きいので、攪拌効果がより発揮でき、容器でシーリングする際の溶液の動きに対してもビーズが舞い上がって動いてしまうことが少なくいので、セッティングがより容易に行え、特に好ましい。
本発明の溶液を攪拌する方法では、好ましくは、微粒子を移動させ、溶液を攪拌する。本発明の溶液を攪拌する方法では、より好ましくは、重力、磁力、担体の振動のいずれか、もしくはこれらの組合せにより、微粒子を移動させる。この中でも、担体を垂直な面に沿って回転させ、重力によりビーズを移動する方法は、簡便に実施でき、十分な効果が得られることから好ましい。この時の回転速度としては、0.1rpm〜30rpmが好ましい。回転速度が30rpmを越えると、微粒子が一方向に移動しきれないうちに、微粒子に反対側の重力がかかる場合がある。すなわち、微粒子が検体液中で往復運動する距離が小さくなってしまい、攪拌の効果が十分に発揮できない場合がある。また、0.1rpmより回転速度が遅いと、液中の微粒子が移動しているトータルの時間が短くなり、結果的に検体溶液を攪拌している時間が短くなるので十分な効果が得られないことがある。以上の点を鑑みると回転速度の好ましい範囲は、0.5rpm〜5rpmである。担体を左右に振動して、加速度を加えることにより、溶液中の微粒子を動かすことも好ましく用いることのできる方法である。
本発明の溶液を攪拌する方法では、好ましくは、溶液を保持する容器を用いる。さらに、本発明の溶液を攪拌する方法では、より好ましくは、微粒子を移動させることにより溶液を攪拌し、かつ、微粒子の最小幅が選択結合性物質の固定化面と溶液を保持する容器との最短距離より大きい。
本発明の溶液を攪拌する方法では、好ましくは、微粒子の最大幅が10μm以上、凸部上面と凹部の高さの差以下である。
本発明の溶液を攪拌する方法では、好ましくは、微粒子を移動させることにより溶液を攪拌し、かつ、担体に凹凸部が設けられており、選択結合性物質が凸部上面に固定化され、微粒子が凹部を移動する。
本発明の溶液を攪拌する方法では、好ましくは、担体には平坦部と凹凸部が設けられており、複数の凸部上面に選択結合性物質が固定化されており、該凸部上面の高さが略同一であり、かつ、平坦部分と凸部上面の高さの差が50μm以下である。
選択結合性物質が固定化される担体の好ましい形状について述べる。
本発明の攪拌方法に用いる選択結合性物質が固定化された担体には凹凸部があり、凸部上面に選択性適合物質が固定化されていることが好ましい。このような構造を取ることにより、検出の際、非特異的に吸着した検体を検出することがないので、ノイズが小さく、結果的によりS/Nが良好な結果を得ることができる。ノイズが小さくなる具体的な理由は、以下の通りである。すなわち、凸部上面に選択結合性物質を固定化した担体をスキャナーと呼ばれる装置を用いてスキャンすると、凹凸部の凸部上面にレーザー光の焦点が合っているため、凹部では、レーザー光がぼやけ、凹部に非特異的に吸着した検体の望まざる蛍光(ノイズ)を検出しがたいという効果があるためである。
凹凸部の凸部の高さに関しては、それぞれの凸部の上面の高さが略同一であるであることが好ましい。ここで、高さが略同一とは、多少高さの違う凸部の表面に選択結合性物質を固定化し、これと蛍光標識した被検体とを反応させ、そして、スキャナーでスキャンした際、その信号レベルの強度差が問題とならない高さをいう。具体的に高さが略同一とは、高さの差が50μmより小さいことをいう。高さの差は30μm以下であることがより好ましく、高さが同一であればなお好ましい。なお、本願でいう同一の高さとは、生産等で発生するばらつきによる誤差も含むものとする。最も高い凸部上面の高さと、最も低い凸部上面の高さの差が50μmより大きいと、高さのずれた凸部上面でのレーザー光がぼやけてしまい、この凸部上面に固定化された選択結合性物質と反応した検体からのシグナル強度が弱くなる場合がある。
また、凸部分の上面は、実質的に平坦であることが好ましい。ここで凸部上面が実質的に平坦とは、20μm以上の凹凸がないことを意味する。
さらに本発明の攪拌方法に用いる担体には、平坦部が設けられていることが好ましい。凹凸部の凸部の上面の高さと平坦部分の高さが略同一であることが好ましい。すなわち、平坦部の高さと凸部上面の高さの差は、50μm以下であることが好ましい。凸部上面の高さと平坦部の高さの差が50μm以上であると、検出できる蛍光強度が弱くなる場合がある。より好ましくは、30μm以下であり、最も好ましくは、平坦部の高さと凸部の高さは同一である。
本発明の攪拌方法に用いる担体の具体例を図3、図4に例示する。凹凸部の周りに11で示される平坦部があり、かつ、12で示される凹凸部の凸部上面に選択結合性物質(例えば核酸)が固定化されている。この平坦部を使って、容易にスキャナーの励起光の焦点を凸部の上面に合わせることが可能となる。すなわち、スキャナーが担体の表面に励起光の焦点を合わせる際には、図5に示すように、治具に担体を突き当て、この治具の突き当て面の高さにレーザー光の焦点を予め調整しておくことが多い。本発明の攪拌方法に用いる担体の平坦部を治具の面に突き当てることにより、容易に担体の凸部上面にスキャナーのレーザー光の焦点を合わせることが可能となる。
本発明の溶液を攪拌する方法では、選択結合性物質が固定化される担体の選択結合性物質が固定化された複数の凸部とは、データとして必要な選択結合性物質(例えば核酸)が固定化された部分をいい、ただ単にダミーの選択結合性物質を固定化した部分は除く。
本発明の溶液を攪拌する方法では、選択結合性物質が固定化される担体は、凸部の上面の面積は略同一であることが好ましい。凸部の上面の面積は略同一であることにより、多種の選択結合性物質が固定化される部分の面積を同一にできるので、後の解析に有利である。ここで、凸部の上部の面積が略同一とは、凸部の中で最も大きい上面面積を、最も小さい上面面積で割った値が1.2以下であることを言う。
本発明の溶液を攪拌する方法では、選択結合性物質が固定化される担体は、凸部の上面の面積は、特に限定される物ではないが、選択結合性物質の量を少なくすることができる点とハンドリングの容易さの点から、1mm以下、10μm以上が好ましい。
本発明の溶液を攪拌する方法では、好ましく用いられる担体の凹凸部における凸部の高さは、10μm以上、500μm以下が好ましい。後述する理由から50μm以上、300μm以下が特に好ましい。凸部の高さがこれより低いと、スポット以外の部分の非特異的に吸着した検体試料を検出してしまうことがあり、結果的にS/Nが悪くなることがある。また、凸部の高さが500μm以上であると、凸部が折れて破損しやすいなどの問題が生じる場合がある。
本発明の第1の溶液を攪拌する方法では、微粒子または気泡の移動領域を制限している。これを確実に実現するための具体的な担体および溶液を保持する容器の形状について、図1を例示して説明する。
図1では、1がプローブDNA(選択結合性物質)を示す。また、2が微粒子(この場合はビーズ)であり、3がプローブDNAを固定化した担体を示す。これら1、2、3はターゲットDNA(被検物質)が含まれる溶液に触れることになる。そして、4が、例えばスライドガラス、カバーガラスや金属、プラスチックなどの材質からなる液体を保持する容器であり、ターゲットDNAが含まれる溶液はこの容器と担体の間で保持されることになる。図1の例では、プローブDNAは担体の凸部に固定化されている。担体の凸部上面(選択結合性物質が固定化された面)と溶液を保持している容器との最短距離が、微粒子の直径未満となっており、微粒子がプローブDNAを固定化している面に触れないようになっており、微粒子がこの面を傷つけることを防いでいる。微粒子が、例えば、楕円形の場合だと、凸部上面と容器との最短距離が微粒子の最小幅未満であると、プローブ固定化面と微粒子の接触を防ぐことができる。
図1の状況を具体的に実現する方法としては、凹凸形状を呈する担体の上に、検体DNAを含む溶液(検体溶液)を滴下して、その液中に凸部上面に微粒子がのらないように微粒子を入れ、それから容器に相当するカバーガラスなどを被せ、その回りを検体溶液がこぼれたり、蒸発してしまわないように粘着テープや、接着剤などでシーリングする。そうすると、カバーガラスの面と凸部上面との間は数μm〜数十μm程度の検体溶液が充填されたスペースができる。微粒子の大きさがカバーガラスの面と凸部上面との間より大きいと、微粒子が凸部上面を傷つけることがない。このような形状の担体を用いて担体を垂直な面内で回転させるなどすることにより、微粒子が凹凸部の凹部のみを移動し、微粒子が凸部上面に触れることなく検体溶液を攪拌することができる。凸部上面と容器の間の検体溶液が満たされた空間が確実にできるように、好ましくは、例えば板面の隅をその他の面より5μm〜100μm高くした板や、中央部を5〜100μm堀込んだ板を用意し、この板の中央部と、選択結合性物質が固定化された担体の凹凸部とを対抗するように合わせる。この板の例を図1の4に示す。このような容器を作製するには、例えば、ガラスをふっ酸処理する、平らな板の2〜4辺にフィルムや粘着テープを貼る、または、射出成形などで図1の4の形状の板を作製する、もしくは、スクリーン印刷で板の隅にギャップ状の盛り上がりを印刷することなどで可能である。
本発明の溶液を攪拌する方法では、好ましくは、微粒子または気泡が選択結合性物質の固定化面に接触しない構造の溶液を保持する容器を用いる。
図1では担体が凹凸形状を有していた。溶液を保持する容器に凹凸形状を設けることによって、同様の効果を得ることも可能である。その具体例を図2に示す。この場合、容器の凸部の下にプローブDNAが配置される。この場合も、プローブDNAが固定化された面と容器凸部との距離が微粒子の最小幅未満とすれば良い。これ以外の具体的な例としては、担体と容器の両方の構造が凹凸構造になっている場合が挙げられる。
上記のような凹凸部が設けられた担体や凹凸部を設けた容器を用いて、微粒子によりターゲットDNAが含まれる検体溶液を攪拌すると、以下のような効果も発揮でき、結果的に、従来技術よりもハイブリダイゼーション後の蛍光強度が強くなる。
すなわち、一般的な平板状のDNAチップでカバーガラスをかぶせてハイブリダイゼーションを行った場合は、カバーガラスとDNAチップとの隙間は、高々10μm程度である。これより大きい微粒子を混合しても、DNAチップとカバーガラスの間に微粒子が挟まってしまい、微粒子が動くことができず微粒子を混合した効果がないといった問題点がある。一方、これを避けるために、カバーガラスとDNAチップの間に挟まらない直径数μm程度の微粒子を混合して、重力や振動の加速度で微粒子を移動させようとしても、微粒子が小さいので、溶液の抵抗を大きく受けてしまい検体溶液中を微粒子が十分に移動できない。従って、微粒子での攪拌の効果を十分に発揮できない問題点がある。また、O−リングなどでカバーガラスと、担体との間の距離を大きくし、さらに攪拌するための微粒子を大きくして、十分に攪拌を行おうとすると、微粒子によりチップ表面が傷ついたり、微粒子がプローブ固定面に衝突することで、プローブが脱落してしまうという推定理由のため、ハイブリダイゼーション後の蛍光強度が十分に強くならないといった問題点がある。
本発明の好ましい実施形態のように、凹凸部を設けた担体や、凹凸部を設けた容器を用いると、図1や図2に示すように、少なくとも凹凸部の凹部と凸部の高さまでは微粒子の大きさを大きくすることが可能である。従って、凹凸部が設けられた担体や凹凸部を設けた容器を用いて、微粒子によりターゲットDNAが含まれる検体溶液を攪拌すると、大きい微粒子によって検体溶液の十分な攪拌が可能となる上に、プローブDNAの固定化面を傷つけることがないといった好ましい効果を得ることができる。
本発明の溶液を攪拌する方法では、好ましく用いられる容器の材質は、特に限定はされない。本発明で、好ましく用いられる容器の材質として、ガラスやプラスチックなどを挙げることができる。容器の形状が平板の場合だと、カバーガラスやスライドガラスなどのガラス製の板を好ましく用いることができ、一方、容器の形状が凹凸形状である場合は、ポリメチルメタクリレートやポリカーボネートなどのプラスチック材料が、射出成形が可能であり生産性の面から好ましい。
本発明で用いられる担体の材質は、特に限定されない。本発明で、好ましく用いられる担体の材質は、ガラスもしくは各種のポリマー(ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート)である。
選択結合性物質を固定化するため、担体の材質がガラスの場合、シランカップリング処理を行うことで官能基を表面に生成でき、これを足がかりにDNAなどの選択結合性物質を担体に固定化することが可能である。例えば、アミノアルキルシランなどを用いて、ガラスの表面にアミノ基を生成でき、DNAの場合だと、このアミノ基のプラスチャージとDNAのマイナスチャージにより静電的な力により固定化することが可能となる。
本発明において、とくに選択結合性物質を固定化するための担体表面が、下記一般式(1)で表す構造単位を含有するポリマーを有する固体であると、ハイブリダイゼーション後のシグナルがより大きくなることから好ましい。
(一般式(1)のR、R、Rは、アルキル基、アリール基もしくは水素原子を表す。)
一般式(1)で表す構造単位を含有するポリマーとしては、単独重合体あるいは共重合体が用いられる。前記ポリマーは、少なくとも一つのタイプのモノマーを原料に用いており、そのモノマーは、重合に関与し得る二重結合および重縮合に関与し得る官能基ならびに、ケトンもしくはカルボン酸またはそれらの誘導体の形態で存在する。また前記ポリマーは、一般式(1)の構造を有することがより好ましい。
一般式(1)で表す構造単位を含有するポリマーが共重合体の場合、一般式(1)で表される構造単位を全モノマー単位の10%以上含有していることが好ましい。一般式(1)で表される構造単位の含有量が10%以上であると、後に説明するようなステップにて、表面に多くのカルボキシル基を生成でき、プローブ核酸を多く固定化できるので、結果的にS/N比がより向上する。
本発明において、ポリマーとは、数平均重合度が50以上のものを言う。このポリマーの数平均重合度の好ましい範囲は、100から1万である。特に好ましくは、200以上、5000以下である。なお、数平均重合度はGPC(ゲルパーメイションクロマトグラフ)を用い定法にてポリマーの分子量を測定することにより、容易に測定できる。
一般式(1)において、R1およびR2はアルキル基、アリール基または水素原子を表し、それぞれ同一でも異なっても良い。前記アルキル基は直鎖状でも枝別れしても良く、好ましくは1から20の炭素数を有する。前記アリール基は、好ましくは6から18、さらに好ましくは6から12の炭素数を有する。官能基XはO、NR3 、またはCH2の中から任意に選ばれる。R3は前記R1およびR2と同様に定義される官能基である。
本発明において、選択結合性物質を固定化するための担体表面のポリマーは、官能基を含むポリマーが好ましい。官能基を含むポリマーで、好ましいものとしては、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチルメタクリレート(PEMA)またはポリプロピルメタクリレートのポリメタクリル酸アルキル(PAMA)等がある。これらの中で特に好ましいものは、ポリメチルメタクリレートである。さらに、ポリ酢酸ビニル、ポリメタクリル酸シクロヘキシルまたはポリメタクリル酸フェニル等も用いることができる。また、前記ポリマーの構成要素を組み合わせた、または前記ポリマーの構成要素に他の一種または複数種のポリマーの構成要素を加えた構造の、共重合体も用いることができる。前記他のポリマーとしては、ポリスチレンがある。
ポリマーが共重合体の場合、各構成要素の比の範囲は、カルボニル基を含むモノマー、例えばメタクリル酸アルキルの割合は、10モル%以上が好ましい。こうすることにより、表面に多くのカルボキシル基を生成できプローブ核酸を多く固定化できるので、結果的にS/N比がより向上するからである。ポリマーの構造単位のうち、より好ましい該モノマーの割合は50モル%以上である。
一般式(1)で表される構造単位を少なくとも1つ有するポリマーを有する担体に選択結合性物質を固定化するためには、これに前処理を施して、担体表面にカルボキシル基を形成させることが好ましい。担体表面にカルボキシル基を生成する手段としては、アルカリ、酸などで処理するほか、温水中での超音波処理、酸素プラズマ、アルゴンプラズマ、放射線に担体を晒す方法などが挙げられるが、担体の損傷が少なく、また、容易に実施できるという点からアルカリ、もしくは酸に担体を漬け込んで表面にカルボキシル基を生成させることが好ましい。具体的な例としては、水酸化ナトリウムや硫酸の水溶液(好ましい濃度は、1N〜20N)に担体を漬け込み、好ましくは30℃から80℃の温度にして、1時間から100時間の間保持すればよい。
ポリマーとしては、酸無水物単位を有する熱可塑性共重合体を用いることもできる。この熱可塑性共重合体は、(i)酸無水物単位を有することが好ましい。ここでいう(i)酸無水物単位は、(A)熱可塑性共重合体の主鎖や側鎖の骨格中や末端に存在する単位である。(i)酸無水物単位の構造としては、特に制限はなく、(メタ)アクリル酸無水物単位、グルタル酸無水物単位、マレイン酸無水物単位、イタコン酸無水物単位、シトラコン酸無水物単位、アコニット酸無水物単位等が挙げられるが、マレイン酸無水物単位、グルタル酸無水物単位が好ましく、なかでも、下記一般式(2)
(上記式中、R4、R5は、同一または相異なる水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を表す)
で表されるグルタル酸無水物単位が好ましい。
熱可塑性共重合体の構造は、(i)酸無水物単位を含有していれば特に制限はないが、下記一般式(3)
(ただし、R6は水素又は炭素数1〜5のアルキル基を表す)
で表される(ii)不飽和カルボン酸単位を有していることが好ましい。ここでいう(ii)不飽和カルボン酸単位とは、不飽和カルボン酸単量体を、共重合することにより得られる単位であり、この際に用いられる不飽和カルボン酸単量体としては特に制限はなく、他のビニル化合物と共重合させることが可能ないずれの不飽和カルボン酸単量体も使用可能である。好ましい不飽和カルボン酸単量体として、下記一般式(4)
(ただし、R6は水素又は炭素数1〜5のアルキル基を表す)
で表される化合物、マレイン酸、及びさらには無水マレイン酸の加水分解物などが挙げられるが、特に熱安定性が優れる点でアクリル酸、メタクリル酸が好ましく、より好ましくはメタクリル酸である。これらはその1種または2種以上用いることができる。
(A)熱可塑性共重合体は、(i)酸無水物単位を含有していれば特に制限はないが、下記一般式(5)
(ただし、Rは水素又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、Rは炭素数1〜6の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は1個以上炭素数以下の数の水酸基若しくはハロゲンで置換された炭素数1〜6の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基を示す)
で表される(iii)不飽和カルボン酸アルキルエステル単位を有していることが好ましい。ここでいう(iii)不飽和カルボン酸アルキルエステル単位とは、不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体を、共重合することにより得られる単位であり、ここで、不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体としては特に制限はないが、好ましい例として、下記一般式(6)で表されるものを挙げることができる。
担体の表面に、カルボキシル基や酸無水物があれば、アミノ基や水酸基を有する選択結合性物質を担体表面に共有結合で固定化することが可能となる。担体表面にカルボキシル基がある場合には、これらの結合の反応を助長するため、ジシクロヘキシルカルボジイミド、N−エチル−5−フェニルイソオキサゾリウム−3’−スルホナートなどの様々な縮合剤が用いられている。これらの中でも、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)は、毒性が少ないことや、反応系からの除去が比較的容易なことから、選択結合性物質と担体表面のカルボキシル基との縮合反応にはもっとも有効な縮合剤の1つである。これらEDCなどの縮合剤は、選択結合性物質の溶液と混ぜて使用しても良いし、カルボキシル基が表面に生成された担体を予めEDCの溶液に浸漬しておき、表面のカルボキシル基を活性化しておいても良い。縮合剤は、選択結合性物質の溶液と混ぜて使用する方が、反応収率が向上し、担体に多くの選択結合性物質を固定化でき、好ましく用いることができる。
このような縮合剤を用い、担体表面のカルボキシル基と選択結合性物質のアミノ基とを反応させた場合は、アミド結合により担体表面と選択結合性物質が固定化されることになり、担体表面のカルボキシル基と選択結合性物質の水酸基とを反応させた場合は、エステル結合により担体表面と選択結合性物質とが固定化されることになる。選択結合性物質を含む試料を担体に作用させる際の温度は、0℃〜95℃が好ましく、15℃〜65℃が更に好ましい。処理時間は通常5分〜24時間であり、1時間以上が好ましい。
一方、酸無水物が表面に存在するポリマーの場合では、上記のような縮合剤を加えても良いし、加えなくとも、例えば選択結合性物質のアミノ基との間で共有結合を行うことが可能である。
このように、好ましくは、ポリマー表面に選択結合性物質を固定化することにより、非特異的な検体の吸着を抑え、さらに、共有結合で強固に、かつ、高密度に選択結合性物質を固定化でき、さらに、ガラスに比べ、固定化された選択結合性物質の空間的な自由度が高いという推定理由のために、検体とのハイブリダイゼーション効率が高い担体を得ることができる。
一般式(1)や一般式(2)で示される構造単位を含むポリマーで担体を作製する場合、ガラス、セラミック、金属などと比較し、射出成形方法やホットエンボス法などを用いることにより、微細な凹凸形状を設けた担体をより簡単に大量生産することが可能である。特に射出成型法は大量生産が容易であることから好ましく用いることができる。
本発明において、好ましく使用する担体は、前述した方法により、ポリマー表面に選択結合性物質を固定化することにより、非特異的な検体の吸着を抑え、さらに、共有結合で強固に、かつ、高密度に選択結合性物質を固定化できる。さらに、ガラスに比べ、固定化された選択結合性物質の空間的な自由度が高いという推定理由のために、検体とのハイブリダイゼーション効率が高い担体を得ることができる。
上述の方法により得られた選択結合性物質固定化担体は、選択結合性物質を固定した後、適当な処理をすることができる。例えば、熱処理、アルカリ処理、界面活性剤処理などを行うことにより、固定された選択結合性物質を変性させることもできる。
選択結合性物質固定化担体は、蛍光標識化された検体と担体に固定化された選択結合性物質とをハイブリダイゼーション反応させ、スキャナーと呼ばれる装置で蛍光を読みとることが一般的である。スキャナーは励起光であるレーザー光を対物レンズで絞り込み、レーザー光を集光する。しかし、担体表面から自家蛍光が生じる場合、その発光がノイズとなり検出精度の低下に繋がることがある。これを防ぎ、担体自身からの自家蛍光を低減させるために、一般式(1)もしくは一般式(2)の構造単位を有するポリマーに黒色を呈し、またレーザー照射により発光を生じない物質を含有させて表面を黒色にすることが好ましい。このような黒色の担体を用いることにより、検出の際、担体からの自家蛍光を低減できる。黒色の担体は、ノイズが小さく、結果的にS/N比が良好な選択結合性物質が固定化された担体となる。
ここで、担体が黒色とは、可視光(波長が400nmから800nm)範囲において、担体の黒色部分の分光反射率が特定のスペクトルパターン(特定のピークなど)を持たず、一様に低い値であり、かつ、担体の黒色部分の分光透過率も、特定のスペクトルパターンを持たず、一様に低い値であることをいう。
本発明において、担体は、可視光(波長が400nmから800nm)の範囲の分光反射率が7%以下であり、同波長範囲での分光透過率が2%以下であることが好ましい。ここでいう分光反射率は、JIS Z 8722 条件Cに適合した、照明・受光光学系で、担体からの正反射光を取り込んだ場合の分光反射率をいう。
本発明において、担体を黒色にする手段としては、担体に黒色物質を含有させることにより達成することが可能であり、黒色物質の好ましいものを挙げると、カーボンブラック、グラファイト、チタンブラック、アニリンブラック、Ru、Mn、Ni、Cr、Fe、CoおよびCuの酸化物、Si、Ti、Ta、ZrおよびCrの炭化物などの黒色物質が使用できる。この中の黒色物質の中でも、カーボンブラック、グラファイト、チタンブラックを好ましく含有させることができ、特にカーボンブラックを好ましく用いることができる。
これらの黒色物質は単独で含有させる他、2種類以上を混合して含有させることもできる。
本発明において、担体の形状として、ガラス、金属などの熱変形をし難い材料からなる支持体層の上に、一般式(1)で表される構造単位を少なくとも1つ有するポリマーからなる選択結合性物質固定化層を設けると、熱や外力による担体の形状変化を防げることから好ましい。この概念の一例を図6に示す。支持体層としては、ポリプロピレンやガラスや、鉄、クロム、ニッケル、チタン、ステンレスなどの金属が好ましい。また、この支持体層と選択結合性物質固定化層との密着性を良くするため、支持体層の表面を、アルゴン、酸素、窒素ガスでのプラズマ処理やシランカップリング剤での処理を施すことが好ましい。このようなシランカップリング剤としては3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルジエトキシメチルシラン、3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン、3−(2−アミノエチルアミノプロピル)ジメトキシメチルシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ジメトキシ−3−メルカプトプロピルメチルシランなどが挙げられる。
支持体層の上に選択結合性物質固定化層を設ける手段としては、ポリマーを有機溶媒に溶解し、スピンコートやディッピングなどの公知の手段を用いることができる。より簡単には、支持体層に接着剤で貼り付けることもできる。
本発明において、「選択結合性物質」とは、被検物質と直接的又は間接的に、選択的に結合し得る物質を意味し、代表的な例として、核酸、タンパク質、糖類及び他の抗原性化合物を挙げることができる。
「選択結合性物質」として、特に好ましいものは、核酸である。核酸は、DNAやRNAでもPNAでもよい。特定の塩基配列を有する一本鎖核酸は、該塩基配列又はその一部と相補的な塩基配列を有する一本鎖核酸と選択的にハイブリダイズして結合するので、本発明でいう「選択結合性物質」に該当する。
また、タンパク質としては、抗体及びFabフラグメントやF(ab')2フラグメントのような、抗体の抗原結合性断片、並びに種々の抗原を挙げることができる。抗体やその抗原結合性断片は、対応する抗原と選択的に結合し、抗原は対応する抗体と選択的に結合するので、「選択結合性物質」に該当する。糖類としては、多糖類が好ましく、種々の抗原を挙げることができる。
また、タンパク質や糖類以外の抗原性を有する物質を固定化することもできる。
本発明に用いる選択結合性物質は、市販のものでもよく、また、生細胞などから得られたものでもよい。
本発明に用いる選択結合性物質は、核酸が好ましく、核酸の中でも、オリゴ核酸と呼ばれる、長さが10塩基から100塩基までの核酸は、合成機で容易に人工的に合成が可能であり、また、核酸末端のアミノ基修飾が容易であるため、担体表面への固定化が容易となることから好ましい。さらに、20塩基未満ではハイブリダイゼーションの安定性が低いという観点から20〜100塩基がより好ましい。ハイブリダイゼーションの安定性を保持するため、特に好ましくは40〜100塩基の範囲である。
本発明の溶液を攪拌する方法では、被検物質として、測定すべき核酸、例えば、病原菌やウイルス等の遺伝子や、遺伝病の原因遺伝子等並びにその一部分、抗原性を有する各種生体成分、病原菌やウイルス等に対する抗体等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明の溶液を攪拌する方法では、これらの被検物質を含む溶液としては、血液、血清、血漿、尿、便、髄液、唾液、各種組織液等の体液や、各種飲食物並びにそれらの希釈物等を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
被検物質となる核酸は、血液や細胞から常法により抽出した核酸を標識してもよいし、該核酸を鋳型として、PCR等の核酸増幅法によって増幅したものであってもよい。核酸を鋳型として、PCR等の核酸増幅法によって増幅したものの場合には、測定感度を大幅に向上させることが可能である。核酸増幅産物を被検物質とする場合には、蛍光物質等で標識したヌクレオチド三リン酸の存在下で増幅を行うことにより、増幅核酸を標識することが可能である。また、被検物質が抗原又は抗体の場合には、被検物質である抗原や抗体を常法により直接標識してもよい。被検物質である抗原又は抗体を選択結合性物質と結合させた後、担体を洗浄し、該抗原又は抗体と抗原抗体反応する標識した抗体又は抗原を反応させ、担体に結合した標識を測定することもできる。
本発明の溶液を攪拌する方法では、好ましくは、選択結合性物質と被検物質を反応させる。
本発明の溶液を攪拌する方法では、固定化物質と被検物質を相互作用させる工程は、従来と全く同様に行うことができる。反応温度及び時間は、ハイブリダイズさせる核酸の鎖長や、免疫反応に関与する抗原及び/又は抗体の種類等に応じて適宜選択されるが、核酸のハイブリダイゼーションの場合、通常、35℃〜70℃程度で1分間〜十数時間、免疫反応の場合には、通常、室温〜40℃程度で1分間〜数時間程度である。
本発明の溶液を攪拌する方法では、単にハイブリダイゼーション後のシグナルが向上するのみでなく、次のような利点もあることが分かった。すなわち、従来のDNAチップのハイブリダイゼーション方法では、ハイブリダイゼーション後の蛍光強度が弱く、プローブDNAが固定化されたスポット内の蛍光強度の分布がドーナツ状になり、後のデータ解析に支障をきたすという問題点があった。ところが、本発明の溶液を攪拌する方法では、蛍光強度も大きく向上する上に、上記のようなスポット内のドーナツ状の蛍光強度分布が低減される利点もあることが分かった。
実施例
本発明を以下の実施例によって更に詳細に説明する。本発明は下記実施例に限定されない。
実施例1
(DNA固定化担体の作製)
公知の方法であるLIGA(Lithographie Galvanoformung Abformung)プロセスを用いて、射出成形用の型を作製し、射出成型法により後述するような形状を有するPMMA製の担体を得た。なお、この実施例で用いたPMMAの平均分子量は5万であり、PMMA中には1重量%の割合で、カーボンブラック(三菱化学製 #3050B)を含有させており、担体は黒色である。この黒色担体の分光反射率と分光透過率を測定したところ、分光反射率は、可視光領域(波長が400nmから800nm)のいずれの波長でも5%以下であり、また、同範囲の波長で、透過率は0.5%以下であった。分光反射率、分光透過率とも、可視光領域において特定のスペクトルパターン(ピークなど)はなく、スペクトルは一様にフラットであった。なお、分光反射率は、JIS Z 8722の条件Cに適合した照明・受光光学系を搭載した装置(ミノルタカメラ製、CM−2002)を用いて、担体からの正反射光を取り込んだ場合の分光反射率を測定した。
担体の形状は、大きさが縦76mm、横26mm、厚み1mmであり、担体の中央部分を除き表面は平坦であった。担体の中央には、直径10mm、深さ0.2mmの凹んだ部分が設けてあり、この凹みの中に、直径0.2mm、高さ0.2mmの凸部を64(8×8)箇所設けた。凹凸部分の凸部上面の高さ(64箇所の凸部の高さの平均値)と平坦部分との高さの差を測定したところ、3μm以下であった。また、64個の凸部上面の高さのばらつき(最も高い凸部上面の高さと最も低い凸部上面との高さの差)、さらには、凸部上面の高さの平均値と平坦部上面の高さの差を測定したところそれぞれ3μm以下であった。さらに、凹凸部凸部のピッチ(凸部中央部から隣接した凸部中央部までの距離)は0.6mmであった。
上記のPMMA担体を10Nの水酸化ナトリウム水溶液に65℃で12時間浸漬した。これを、純水、0.1NのHCl水溶液、純水の順で洗浄し、担体表面にカルボキシル基を生成した。
(プローブDNAの固定化)
配列番号1(60塩基、5’末端アミノ化)のDNAを合成した。この配列番号1のDNAは5’末端がアミノ化されている。
このDNAを、純水に0.3nmol/μlの濃度で溶かして、ストックソリューションとした。担体に点着する際は、PBS(NaClを8g、NaHPO・12HOを2.9g、KClを0.2g、KHPOを0.2g純水に溶かし1lにメスアップしたものにpH調整用の塩酸を加えたもの、pH5.5)でプローブDNAの終濃度を0.03nmol/μlとし、かつ、担体表面のカルボン酸とプローブDNAの末端のアミノ基とを縮合させるため、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)を加え、この終濃度を50mg/mlとした。そして、これらの混合溶液をガラスキャピラリーで担体凸部上面に点着した。次いで、担体を密閉したプラスチック容器入れて、37℃、湿度100%の条件で20時間程度インキュベートして、純水で洗浄した。この反応スキームを図7に示す。
(検体DNAの調整)
検体DNAとして、上記DNA固定化担体に固定化されたプローブDNAとハイブリダイズ可能な塩基配列を持つ配列番号4のDNA(968塩基)を用いた。調整方法を以下に示す。
配列番号2と配列番号3のDNAを合成した。これを純水にとかして濃度を100μMとした。次いで、pKF3 プラスミドDNA(タカラバイオ(株)製品番号;3100)(配列番号5:2264塩基)を用意して、これをテンプレートとし、配列番号2および配列番号3のDNAをプライマーとして、PCR反応(Polymerase Chain Reaction)により増幅を行った。
PCRの条件は以下の通りである。すなわち、ExTaq 2μl、 10×ExBuffer 40μl、 dNTP Mix 32μl(以上はタカラバイオ(株)製 製品番号RR001Aに付属)、 配列番号2の溶液を2μl、配列番号3の溶液を2μl、 テンプレート(配列番号5)を0.2μlを加え、純水によりトータル400μlにメスアップした。これらの混合液を、4つのマイクロチューブに分け、サーマルサイクラーを用いてPCR反応を行った。これを、エタノール沈殿により精製し、40μlの純水に溶解した。PCR反応後の溶液の一部をとり電気泳動で確認したところ、増幅したDNAの塩基長は、およそ960塩基であり配列番号4(968塩基)が増幅されていることを確認した。
次いで、9塩基のランダムプライマー(タカラバイオ(株)製;製品番号3802)を6mg/mlの濃度に溶かし、上記のPCR反応後精製したDNA溶液に2μl加えた。この溶液を100℃に加熱した後、氷上で急冷した。これらにKlenow Fragment(タカラバイオ(株)製;製品番号2140AK)付属のバッファーを5μl、dNTP混合物(dATP、dTTP、dGTPの濃度はそれぞれ2.5mM、dCTPの濃度は400μM)を2.5μl加えた。さらに、Cy3−dCTP(アマシャムファルマシアバイオテク製;製品番号PA53021)を2μl加えた。この溶液に10UのKlenow Fragmentを加え、37℃で20時間インキュベートし、Cy3で標識された検体DNAを得た。なお、標識の際ランダムプライマーを用いたので検体DNAの長さには、ばらつきがある。最も長い検体DNAは配列番号4(968塩基)となる。なお、検体DNAの溶液を取り出して、電気泳動で確認したところ、960塩基に相当する付近にもっとも強いバンドが現れ、それより短い塩基長に対応する領域に薄くスメアがかかった状態であった。そして、これをエタノール沈殿により精製し、乾燥した。
この標識化された検体DNAを、1重量%BSA(ウシ血清アルブミン)、5×SSC(5×SSCとは、20×SSC(シグマ製)を純水にて4倍に希釈したもの。また、20×SSCを純水で2倍に希釈したものを10×SSCと表記し、20×SSCの2倍希釈液を10×SSC、100倍希釈液を0.2×SSCと表記する。)、0.1重量%SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)、0.01重量%サケ精子DNAの溶液(各濃度はいずれも終濃度)、400μlに溶解し、ハイブリダイゼーション用のストック溶液とした。
以下の実施例、比較例において、ハイブリダイゼーションの際の検体溶液は、特に断りのない限り、上記で調整したストック溶液を、1重量%BSA、5×SSC、0.01重量%サケ精子DNA、0.1重量%SDSの溶液(各濃度はいずれも終濃度)で200倍に希釈したものを用いた。なお、この溶液の検体DNAの濃度を測定したところ、1.5ng/μLであった
(ガラスビーズの修飾)
直径が150μmのガラスビーズ10gを10N NaOH溶液に浸漬した後、純水で洗浄した。ついで、APS(3−アミノプロピルトリエトキシシラン;信越化学工業(株)製)を2重量%の割合で純水に溶解した後、上記のガラスビーズを1時間浸漬し、この溶液から取り出した後に110℃で10分間乾燥した。このようにして、ガラスビーズの表面にアミノ基を導入した。
ついで、5.5gの無水コハク酸を1−メチル−2−ピロリドン335mlに溶解させた。1Mの50mlのホウ酸ナトリウム(ホウ酸3.09gとpH調整用の水酸化ナトリウムを加えて、純水で50mlにメスアップしたもの。pH8.0)に上記コハク酸溶液に加えた。この混合液に上記のガラスビーズを20分間浸漬した。浸漬後、純水で洗浄および乾燥した。このようにして、ガラスビーズの表面のアミノ基と無水コハク酸を反応させて、ガラスビーズ表面にカルボキシル基を導入した。
(ハイブリダイゼーション)
上記で得られたプローブDNAを固定化した担体に上記検体DNAをハイブリダイゼーションさせた。具体的には、先に用意したプローブ核酸が凸部に固定化されている担体にハイブリダイゼーション用の溶液を50μl滴下し、担体凹部に上記の修飾を施したガラスビーズ2mgを混合し、その上にカバーガラスをかぶせた。また、カバーガラスの周りをペーパーボンドでシールし、ハイブリダイゼーションの溶液が乾燥しないようにした。このカバーガラス面には、その4辺のうち、向かい合う2辺に厚さ8μm、幅1mmのフォトレジストをフォトリソグラフィーにより形成した物を用いた。こうすることでハイブリダイゼーション時、担体凸部とカバーガラスの距離(ギャップ)を8μmとできる。これをマイクロチューブローテーター(アズワン製、商品番号:1−4096−01)の回転面に設けたプラスチック容器内に固定し、65℃、湿度100%の条件で10時間インキュベートした。その際、ローテーターの回転数は3rpmとし、ローテーターの回転面は、水平面と直角となるようにした。さらに担体のプローブDNA固定化面は、ローテーターの回転面に対し直角となるようにした。インキュベート後、担体からカバーガラスを剥離後に担体を洗浄、乾燥した。
(測定)
DNAチップ用のスキャナー(Axon Instruments社のGenePix 4000B)に上記処理後の担体をセットし、レーザー出力33%、フォトマルチプライヤーの電圧設定を500にした状態で測定を行った。その結果を表1に示す。ここで、蛍光強度とはスポット内の蛍光強度の平均値である。
なお、本実施例では、ガラスビーズを用いたが、セラミックビーズ、テフロン(登録商標)ビーズを用いても表1とほぼ同様の結果が得られた。
比較例1
ガラスビーズを入れない場合の実験を行った。実験手順はハイブリダイゼーションの際にガラスビーズを混合しないこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
実施例1と比べて蛍光強度が低いことが確認できた。さらに、比較例1は、担体凸部の蛍光強度分布が不均一(ドーナツ状分布)であるのに対し、実施例1の結果は、担体凸部の蛍光強度分布がほぼ均一であった。
比較例2
凹凸部が設けられていない平坦なPMMA担体の場合の実験を行った。実験手順は、(1)平坦な担体を用いたこと、(2)プローブDNAの点着を専用機(日本レーザー電子(株)製、ジーンスタンプII)で行ったこと、(3)さらに、カバーガラス面の4辺に厚み200μm、幅1mmのポリエステルフィルムを貼り付け、ビーズ攪拌が行えるように担体とカバーガラスの間に隙間を設けて、この隙間にビーズと検体溶液を混合してハイブリダイゼーションを行った以外は、実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。実施例1と比較すると蛍光強度が低いことが分かる。さらに、実施例1では見られなかったスポットの傷つきが確認された。これは、ハイブリダイゼーション時にビーズがプローブ固定化面を傷つけたことが原因であるものと推定された。
また、ビーズの直径を1μmとして、本比較例と実験を行ったところ、蛍光強度は1500程度とさらに低かった。これは、ハイブリダイゼーション溶液の抵抗により、ビーズが移動しにくい現象が認められたこととに原因があるものと推定された。
実施例2
気泡を利用した攪拌効果の実験を行った。実験手順は、ハイブリダイゼーション工程のカバーガラスを被せる際にマイクロシリンジで気泡を0.9μL入れたこととガラスビーズをいれないこと以外は実施例1と同様である。また、鉛直方向に傾けたローテーターの回転面と担体のプローブ固定化面とが平行になるように担体を固定して回転させ、気泡がシーリングした検体溶液の周囲のみを移動するようにした。こうして、気泡がプローブ固定化面に接触しないようにした。結果を表1に示す。実施例と同等の効果が確認できた。
実施例3
カバーガラスの代わりに図2に示す断面構造の溶液を保持する容器4を用いて比較例2と同様の実験を行った。すなわち、凹凸を担体ではなくカバーに設けた。この容器と平坦なPMMA担体の位置関係を図2のように注意深く配置した。そして、ビーズを移動させながらハイブリダイゼーションを行うと、プローブDNAの固定化面と溶液を保持する容器4との距離がガラスビーズ2の直径より小さいためガラスビーズがプローブDNA固定化面1に接触することなくガラスビーズを移動させることができた。結果を表1に示す。蛍光強度に関しては実施例1と同等の結果が得られた。比較例2の結果と併せて考慮すると、プローブ固定化面にビーズが触れないことが重要であると考えられる。本実施例の方法では、カバーの凸部とプローブを固定化した部分との位置あわせを正確に行うことが、重要である。
比較例3
凹凸部が設けられていない平坦なPMMA担体であり、かつ、ビーズで攪拌を行わない場合の実験を行った。ハイブリダイゼーション溶液にビーズを混合せず、回転を行わなかった以外は、比較例2と同様な操作・測定を行った。結果を表1に示す。
実施例4
実施例1においてガラスビーズのサイズを5種類選択して実験した。実験手順は、実施例1と同様で、ガラスビーズの直径サイズを10、20、50、100、200μmで行った。結果を表2に示す。
比較例4
ガラスビーズの直径サイズを300μm、400μmとした以外は実施例1と同様な実験を行った。その結果を表2に示す。
以上より、10〜200μmのビーズを用いると攪拌効果が明らかに見られたが、比較例4の300、400μmのビーズでは顕著な効果は得られなかった。これは、担体凹部とカバーグラスの距離が208μmであり、300、400μmのビーズを半ば強引にセットしたため、カバーガラスと担体に挟まってしまい、移動できなかったからである。実施例・比較例より、ビーズが移動できない場合は、蛍光強度が弱いことがわかる。また、実施例4から、ビーズの大きさの好ましい大きさは10μm以上であり、より好ましくは20μm以上であることが分かる。
実施例5
次の特徴を持つ形状の担体で実施例1と同様の実験を行った。担体の中央には、直径10mm、深さ0.3mmの凹んだ部分が設けてあり、この凹みの中に、直径0.2mm、高さ0.3mmの凸部を64(8×8)箇所設けた。その他の担体の特徴や実験の手順は、実施例1と同様である。また、ガラスビーズの直径サイズを10、20、50、100、200、300μmとした。結果を表3に示す。
比較例5
ガラスビーズの直径サイズを400μmとした以外は実施例5と同様な実験を行った。その結果を表3に示す。
10〜300μmのビーズを用いると攪拌効果が明らかに見られたが、400μmのビーズでは顕著な効果は得られなかった。これは、担体凹部とカバーグラスの距離が308μmであり400μmのビーズを半ば強引にセットしたため、カバーガラスと担体に挟まってしまいビーズが移動できなかったからである。実施例・比較例より、ビーズが移動できない場合は、蛍光強度が弱いことがわかる。また、実施例5から、ビーズの大きさの好ましい大きさは、10μm以上であり、より好ましくは、20μm以上であることが分かる。
実施例6
凸部の高さがばらついた場合について実験を行った。実施例1で用いたPMMAの射出成形品の凸部をラッピングペーパーで削り、凸部上面の高さに差を設けた。すなわち、他の凸部上面(基準となる凸部)よりも、30μm低い凸部(4箇所)がある担体(担体ア)、他の凸部上面よりも、50μm低い凸部(4箇所)がある担体(担体イ)をそれぞれ作製した。なお、これら担体の低い部分以外の凸部(基準となる凸部)上面の高さと、平坦部分の高さの差は3μm以下であった。実施例1と同様に、点着するプローブDNAの調整を行った。ついで、基準となる凸部上面に4箇所、低い凸部上面に4箇所にプローブDNA溶液の点着を実施例1と同様に行い、さらに、ハイブリダイゼーション用の検体DNAの調整を実施例1と同様に行った。ハイブリダイゼーションと測定も実施例1と同様に行った。基準となる凸部上面の蛍光強度の平均値、高さが低い凸部上面の蛍光強度の平均値を表4に示す。
このように、凸部の高さにばらつき(50μm以下)があっても、実施例1、2と同等の蛍光強度がえられていることが分かる。
実施例7
凸部上面と平坦部の差がある場合について検討した。実施例1で用いたPMMAの射出成形品の平坦部をラッピングペーパーで削り、平坦部上面と凸部上面の高さの差が30μm(担体ウ)、50μm(担体エ)の2種類の担体を作製した。すなわち、担体ウは凸部の高さが平坦部の高さより30μm高いことになる。実験手順は、実施例1と同様に、点着するプローブDNAの調整、凸部上面へのプローブDNA溶液の点着、検体DNAの調整、ガラスビーズの修飾を行った。ハイブリダイゼーションは、実施例1でカバーガラスにポリマーを形成する変わりにシリコンシート(厚さ、60μm)を貼り付けたものを用いて行った。なお、上面にDNA溶液をスポットした凸部はそれぞれの担体について4カ所である。そして、DNAを点着したスポット(4カ所)の蛍光強度の平均値を求めた。その結果を表5に示す。
このように、平坦部上面と凸部上面との高さに差(50μm以下)があっても、
実施例1と同等の蛍光強度がえられることが分かる。
実施例8
実施例1でカバーガラスとペーパーボンドでシールした基板をボルテックス(Scientific Industries,Inc.製)にセットし、振動でガラスビーズを移動させハイブリダイゼーション攪拌した場合の実験を行った。実験手順は、ローテーターの代わりにボルテックスにセットすること以外、実施例1と同様に行った。結果を表6に示す。強い蛍光強度を示した。
実施例9
ハイブリダイゼーション時に磁性ビーズを混合し、周りの磁場を変化させることで磁性ビーズを移動させハイブリダイゼーション溶液を攪拌する実験を行った。まず、図8のような磁石が往復運動する機器を自作した。実験手順は、(DNA固定化担体の作製)(プローブDNAの固定化)(検体DNAの調整)(測定)は、実施例1と同様に行った。ハイブリダイゼージョンは、ガラスビーズの代わりに直径50μmの磁性ビーズ(トライアル株式会社製)、1mgを担体凹部に混合したことと、ローテーターの代わりに前述の自作機にセットしたこと以外、実施例1と同様に行った。結果を表6に示す。強い蛍光強度を示した。
比較例6
凹凸部が設けられていない平坦なPMMA担体を用いて実施例9と同様の実験を行った。実験手順は、(1)平坦な担体を用いたこと、(2)プローブDNAの点着を専用機(日本レーザー電子(株)製、ジーンスタンプII)で行ったこと、(3)さらに、カバーガラス面の4辺に厚み200μm、幅1mmのポリエステルフィルムを貼り付け、磁性ビーズで攪拌が行えるように担体とカバーガラスの間に隙間を設けて、この隙間に磁性ビーズと検体溶液を混合してハイブリダイゼーションを行ったこと、(4)図8に示す自作機へのセットは、カバーガラス面を下にしたこと以外は、実施例1と同様に行った。カバーガラス面を下にすることによって磁性ビーズはカバーガラス面上に引き付けられ、対面にあるプローブ固定化面に接触することなく溶液を攪拌することが期待できる。結果を表6に示す。実施例9より劣る蛍光強度しか得られなかった。さらに、実施例9では見られなかったスポットの傷つきが確認された。比較例6では、磁石に引き寄せられた磁性ビーズがポリエステルフィルムで設けた200μmの幅一杯に凝集してかたまり、それを塊のまま移動させたのでプローブ固定化面にこの塊が接触した。
実施例10
ビーズをイットリア安定化ジルコニア(ジルコニアにイットリアを2.5mol%の割合で混合したもの)製で、直径が125μmのものを用いた以外は、実施例1と同様の実験を行った。その結果、ハイブリダイゼーション後の蛍光強度についてはほぼ同じであった。しかし、ビーズ2mgを混合し、その上にカバーガラスを被せる際の溶液の動きに対してもビーズが移動し難く、セッティングが容易であった。これは、ジルコニアビーズの比重が6.05g/cmとガラスに対して3倍近くの比重があるためである。
実施例11
検体DNAの濃度を0.73、0.29、0.15ng/μLに調製したものを用いて実施例1同様の実験を行った。結果を図9に示す。図9には実施例1と比較例1の結果も併せて記載してある。
比較例7
検体DNAの濃度を0.73、0.29、0.15ng/μLに調製したものを用いて比較例1同様の実験を行った。結果を図9に示す。図9には実施例1と比較例1の結果も併せて記載してある。
このように4条件の検体濃度においてもビーズを用いた攪拌の効果が確認できた。
実施例12
DNAチップによるSNP(single nucleotide polymorphism)の検出実験を行った。実験手順は、(DNA固定化担体の作製)(検体DNAの調製)(ガラスビーズの修飾)(ハイブリダイゼーション)(測定)は実施例1と同様に行った。検体DNAの濃度は、1.5ng/μLである。ただし、ハイブリダイゼーションは42℃で行った。プローブDNAは、5‘末端がアミノ化された配列番号6、配列番号7のDNAを合成し用いた。配列番号6と7は一つの塩基だけが異なる。両プローブの5’側から10塩基のTの配列は、検体DNAとの相補性はなく、配列番号6のこれを除いた部分(20塩基)は検体DNAと完全に相補的である。この2種類のDNAを実施例1と同様の手順で担体凸部に固定した。結果を表7に示す。本発明の方法によりこの2種類のプローブDNAの1塩基の違いを検出することが可能である。
本発明により、担体に固定化された選択結合性物質と被検物質との反応を促進し、微量の検体でもシグナル強度やS/N比が良好な攪拌方法を提供することができる。すなわち、本発明の攪拌方法を用いることで、DNAチップに代表される選択結合性固定化担体のシグナル強度、S/N比を向上でき(すなわち、感度を向上でき)、微量な臨床検体でも測定可能となる。本発明により、DNAチップに代表される選択結合性物質固定化担体を用いた、臨床現場での診断・診察が可能となる。

Claims (14)

  1. 担体表面に固定化された選択結合性物質に、その選択結合性物質と反応する被検物質を含む溶液を接触させ、該溶液を攪拌する方法であって、微粒子または気泡が選択結合性物質の固定化面に接触しない構造の担体を用いて、被検物質を含む溶液に微粒子または気泡を混合し、微粒子または気泡を選択結合性物質の固定化面に接触することなく移動させる、溶液を攪拌する方法。
  2. 担体表面に固定化された選択結合性物質に、その選択結合性物質と反応する被検物質を含む溶液を接触させ、該溶液を攪拌する方法であって、微粒子または気泡が選択結合性物質の固定化面に接触しない構造の溶液を保持する容器を用いて、被検物質を含む溶液に微粒子または気泡を混合し、微粒子または気泡を選択結合性物質の固定化面に接触することなく移動させる、溶液を攪拌する方法。
  3. 微粒子または気泡が選択結合性物質の固定化面に接触しない構造の担体が、凹凸部が設けられており、かつ、凸部上面に選択結合性物質が固定化されている担体である、請求項1に記載の溶液を攪拌する方法。
  4. 微粒子または気泡が選択結合性物質の固定化面に接触しない構造の溶液を保持する容器が、凹凸部が設けられている溶液を保持する容器であり、かつ、該凸部の下の担体表面に選択結合性物質が固定化されている、請求項2に記載の溶液を攪拌する方法。
  5. 担体の凸部上面に固定化された選択結合性物質に、その選択結合性物質と反応する被検物質を含む溶液を接触させ、該被検物質を含む溶液に微粒子を混合し、微粒子を移動させて該溶液を攪拌する方法であって、溶液を保持する容器を用い、微粒子の最小幅が選択結合性物質の固定化面と溶液を保持する容器との最短距離より大きい、溶液を攪拌する方法。
  6. 微粒子を移動させることにより溶液を攪拌する請求項1〜4のいずれか1項に記載の溶液を攪拌する方法。
  7. 溶液を保持する容器を用いる請求項1または3に記載の溶液を攪拌する方法。
  8. 微粒子を移動させることにより溶液を攪拌し、かつ、微粒子の最小幅が選択結合性物質の固定化面と溶液を保持する容器との最短距離より大きい請求項2、4、5のいずれか1項に記載の溶液を攪拌する方法。
  9. 微粒子を移動させることにより溶液を攪拌し、かつ、担体に凹凸部が設けられており、選択結合性物質が凸部上面に固定化され、微粒子が凹部を移動する請求項1、3、5のいずれか1項に記載の溶液を攪拌する方法。
  10. 担体には平坦部と凹凸部が設けられており、複数の凸部上面に選択結合性物質が固定化されており、該凸部上面の高さが略同一であり、かつ、平坦部分と凸部上面の高さの差が50μm以下である請求項1、3、5のいずれか1項に記載の溶液を攪拌する方法。
  11. 重力、磁力、担体の振動のいずれか、またはこれらの組合せにより、微粒子を移動させる請求項5、6、8、9のいずれか1項に記載の溶液の攪拌方法。
  12. 微粒子の最大幅が10μm以上、担体の凸部上面と凹部の高さの差以下である請求項に記載の溶液の攪拌方法。
  13. 選択結合性物質が核酸である請求項1〜12のいずれか1項に記載の溶液の攪拌方法。
  14. 選択結合性物質と被検物質を反応させる請求項1〜13のいずれか1項に記載の溶液の攪拌方法。
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