JP5145752B2 - 分析チップ - Google Patents
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〔1〕 表面に凹部を有する担体と、
前記担体の表面を覆い前記担体と接着されたカバー部材と、
前記担体と前記カバー部材との間に介在しこれらを接着させる接着部材と、
前記担体と前記カバー部材との間の空隙内に封入されてなる撹拌子とからなる分析チップであって、
前記担体表面における担体とカバー部材との接着地点が、凹部の外周部端面より離れた外側の領域に位置しており、前記接着地点における担体表面とカバー部材の担体側表面との間隔が、撹拌子の最短径より短いことを特徴とする分析チップ。
〔2〕 前記カバー部材の担体側表面外周に凸部が設けられており、前記接着部材が、前記担体と前記カバー部材の担体側表面外周の凸部との間に介在することを特徴とする前記〔1〕記載の分析チップ。
〔3〕 前記担体が、その表面であって前記空隙内に位置する領域上に固定化された選択結合性物質を有することを特徴とする、前記〔1〕または〔2〕に記載の分析チップ。
〔4〕 前記カバー部材が、前記担体に脱離可能に接着されていることを特徴とする前記〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の分析チップ。
〔5〕 前記接着部材が、シリコーン系ポリマー、アクリル系ポリマー及びこれらの混合物からなる群より選択されるポリマーを含む樹脂組成物であることを特徴とする前記〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の分析チップ。
〔6〕 (A)前記〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載の分析チップに被検物質をアプライする工程;(B)前記被検物質を前記担体に選択的に結合させる工程;及び(C)前記担体上に前記選択結合性物質を介して結合した前記被検物質量を測定する工程を含むことを特徴とする、被検物質の分析方法。
〔7〕 前記分析チップが、前記担体の表面であって前記空隙内に位置する領域上に固定化された選択結合性物質を有し、前記工程(C)が、前記被検物質と前記選択結合性物質とを相互作用させ、前記被検物質を前記選択結合性物質を介して前記担体に結合させることを含む、前記〔6〕記載の分析方法。
そして、担体は、好ましくはその表面であって前記空隙内に位置する領域上に固定化された選択結合性物質を有する。即ち、好ましくは、前記選択結合性物質が固定化された領域が、当該空隙内に存在するように、前記カバー部材は前記担体に接着される。前記カバー部材は、前記空隙が形成される限りにおいて、どのような態様で接着されてもよいが、好ましくは、両面テープ、樹脂組成物等の接着部材を介して接着される。担体の形状、前記選択結合性物質、その固定化の態様、空隙の形状、接着の態様等の具体例については後に詳述する。
図1及び図2の例においては、担体表面における担体とカバー部材との接着地点P1が凹部R1の外側に位置している。また、図示しないが、空隙5に撹拌子が封入されており、接着部材の厚みH1が撹拌子の最短径より短いものである。
また、後述するように、使用する撹拌子をふるいなどに掛けて選抜している場合には撹拌子の最短径に多少の幅が生じる場合もあるが、その場合には、もっとも小さいサイズの撹拌子の最短径を基準として、これより短い間隔とすることができる。
撹拌子の最短径は、撹拌子の形状が球形の場合には直径が該当し、マイクロロッド状(棒状)の場合には底面の直径が該当する。尚、撹拌子の形状は球状やマイクロロッド状に限定されない点については、後述するとおりである。
図2を引用して具体的に説明すると、凹部R1の外周部端面P2が接着部材の内側断面P3よりも内側に位置し、担体表面において、凹部R1に隣接して凹部R1よりも高い部分P4が生じる。その結果、空隙5の外縁部分には、接着部材の断面P3、担体のP4及びカバー部材の一部により三方を囲まれた空間S1が形成される。
本発明の分析チップにおける接着部材の厚みは、通常は1μm〜100μmの範囲で規定され、一定の接着強度を備えるために、5〜80μmとすることが好ましい。図1及び図2の例のような平面状のカバー部材を用いる場合は、接着部材の厚みが接着地点における担体表面とカバー部材の担体側表面との間隔になるので、接着部材の厚みを撹拌子の最短径より短くする必要がある。
図3に示す例においては、カバー部材の担体側表面外周に凸部1Aが設けられ、凸部1A上面の一部に担体とカバー部材との接着地点P5が位置している。一方、図4に示す例では、カバー部材の担体側表面外周に凸部1Aが設けられ、凸部1Aの上面全体が担体とカバー部材との接着地点P5となっている。
前記撹拌子の材質も、特に限定されないが、ガラス、セラミック(例えばイットリウム部分安定化ジルコニア)、金属(例えば金、白金、ステンレス)、プラスチック(例えばナイロンやポリスチレン)等を用いることができる。
一方、液面駐止用チャンバー4Aの孔径サイズ(直径)については、十分な液面駐止効果を得る観点から定めることができ、通常1.0mm以上、好ましくは1.0mm以上10mm以下とすることができる。また、液面駐止用チャンバー4Aの深さは、特に限定されないが、0.1〜5mmの範囲内とすることができる。
(DNA固定化担体の作製)
平均分子量5万のPMMA(ポリメチルメタクリレート)99質量部及びカーボンブラック(三菱化学製 商品名 #3050B)1質量部を混合し樹脂組成物を調製した。
配列番号1に示される配列を有し、5’末端がアミノ化されたDNAを合成した。このDNAを、図15に示すスキームにしたがって固定化した。
検体DNAとして、上記DNA固定化担体に固定化されたプローブDNAとハイブリダイズ可能な、配列番号4の塩基配列を持つDNA(968塩基)を用いた。このDNAの調製方法を以下に示す。
厚さ1mmのPMMA板から切削加工により図13及び図14に示す貫通孔4を4つ有し、担体側表面外周に高さが100μmの凸部を有するカバー部材を作製した。このカバー部材の凸部は、その接着地点が担体表面凹部の端面から外側500μmの距離(図13のW)に位置するように作製した。
シリコーン系エラストマー(シルガード)3を接着部材として、ディスペンサーを用いて、吐出圧力0.45MPaで前記担体の凹部から離れた場所に接着部材を塗布した。前記カバー部材を、プローブDNA固定化領域に被さるように設置し、カバー部材の上から50g重の荷重を掛け、接着部材が接着面全域に広がるまで静置した。接着部材が全面に広がるのを確認した後、荷重を取り外し、接着部材が完全に固まるまで42℃のオーブン内で2時間静置した。
接着部材の厚みをマイクロメーターを用いて測定した。具体的には、作成した分析チップの厚みから、予め測定しておいた担体およびカバー部材凸部の厚みを差し引くことで算出した。各辺における接着部材の厚み(図13のH)は、各々14μm、10μm、9μm、12μmであり(図14参照)、ほぼ所望とした10μm厚となった。すなわち、担体表面とカバー部材の担体側表面との間隔は、ほぼ110μmとなった。
カバー部材の貫通孔を通じて、空隙内に、直径が150μm〜180μmのジルコニア製撹拌子を添加し、図13及び図14に示す分析チップを得た。
上記で得られた分析チップに上記検体DNAをハイブリダイゼーションさせた。具体的には、マイクロピペットを用いてハイブリダイゼーション用の溶液50μlを貫通孔4より注入した。その後、カプトンテープ(アズワン株式会社製、型番 5−5018−01)で貫通孔を塞いだ。但し、カプトンテープとしては3mm角にカットしたもの4枚を用い、それぞれで1つずつの貫通孔を塞ぐこととした。その後、分析チップを42℃の条件で16時間インキュベートした。インキュベート後、担体からカバー部材と接着部材を脱離後に担体を洗浄、乾燥した。
上記のハイブリダイゼーションの過程において、分析チップの空隙内部の観察を行い、次の項目に関して評価した。
(1)攪拌によって、接着部材へ攪拌子が付着していないか。
(2)検体溶液をアプライしたときに、溶液が空隙内全体に行き渡っているか。
(3)攪拌時に攪拌子が空隙内をスムーズに動き回るか。
(4)ハイブリダイゼーション中、空隙内部に気泡が発生していないか。
本実施例において評価した結果、以下のとおりであった。接着部材に撹拌子の付着は見られなかった。得られた分析チップに検体溶液をアプライすると、検体溶液は空隙内全体に行き渡り、細部に隙間は見られなかった。検体溶液をアプライした後、撹拌子は空隙内で滞りなく運動し、空隙内の撹拌が効率よく行われることが確認できた。ハイブリダイゼーション後に空隙内部の観察を行ったところ、空隙内において気泡の発生は確認されなかった。
測定の結果、3箇所全てにおいて十分な蛍光強度が得られ、スポット場所の違いによるハイブリダイゼーション反応のばらつきは見られなかった。
担体とカバー部材との接着部材を介在した接着地点が前記担体の凹部と接して位置していること以外は、実施例1と同様に操作し、図16に示すような分析チップを調製し、空隙内部の目視観察、ハイブリダイゼーション及び蛍光強度の測定を行った。結果を表1に示す。
検体溶液のアプライ前に空隙内に撹拌子を添加したところ、接着部材部分に撹拌子が付着して固定化され、検体溶液を注入する際に固定化された撹拌子が障害となり、検体溶液が領域全体に広がらなかった。
また、付着した撹拌子と接着部材との間に隙間が発生したことにより、これが起因となり、ハイブリダイゼーション後に空隙内全体に気泡が発生した。
また、全体的に蛍光強度が低下し、スポット場所による蛍光強度のばらつきが見られた。
担体とカバー部材との接着地点が前記担体の凹部から離れて位置しているが、撹拌子の直径が担体とカバー部材との隙間より小さいこと以外は、実施例1と同様に操作して分析チップを調製し、空隙内部の目視観察、ハイブリダイゼーション及び蛍光強度の測定を行った。結果を表1に示す。
その結果、実施例1と比べて、空隙内に撹拌子を添加する際に担体とカバー部材との隙間に撹拌子が入り込み、接着部材部分に撹拌子が付着した。このため、検体溶液をアプライする際に付着した撹拌子が障害となり、領域全体に検体溶液が広がらなかった。
また、付着した撹拌子周りに発生した隙間が起因となり、ハイブリダイゼーション後に空隙内全体に気泡が発生した。
また、全体的に蛍光強度の低下が見られ、スポット場所により蛍光強度のばらつきが見られた。
担体とカバー部材との間の空隙内に撹拌子を封入しないこと以外は実施例1と同様に操作して分析チップを調製し、ハイブリダイゼーション及び蛍光強度の測定を行った。結果を表1に示す。
撹拌子を封入しない場合は、空隙内全体に検体溶液が行き渡ることを確認した。また、ハイブリダイゼーション後に、空隙内には泡が観察されなかった。しかし、撹拌子が存在しないために空隙内の撹拌が十分行われず、スポット場所による蛍光強度のばらつきが著しかった。また、スポット場所により、蛍光強度の低下が見られた。
カバー部材をその上から20g重の荷重を掛けて接着して、各辺における接着部材の厚み(図13のH)が各々24μm、26μm、28μm、25μmとなった分析チップを使用したことと、カバー部材の貫通孔を通じて、空隙内に、直径が180μm〜212μmのジルコニア製攪拌子を添加したこと以外は、実施例1と同様に操作し、図13及び図14(但し、図14中のHは上述の数値に代えたものである。)に示すような分析チップを調製し、空隙内の目視観察、ハイブリダイゼーション及び蛍光強度の測定を行った。結果を表1に示す。
カバー部材をその上から10g重の荷重を掛けて接着して、各辺における接着部材の厚み(図13のH)が各々52μm、55μm、56μm、54μmとなった分析チップを使用したことと、カバー部材の貫通孔を通じて、空隙内に、直径が212μm〜250μmのジルコニア製攪拌子を添加したこと以外は、実施例1と同様に操作し、図13及び図14(但し、図14中のHは上述の数値に代えたものである。)に示すような分析チップを調製し、空隙内の目視観察、ハイブリダイゼーション及び蛍光強度の測定を行った。結果を表1に示す。
カバー部材をその上から50g重の荷重を掛けて接着して、各辺における接着部材の厚み(図13のH)が各々10μm、12μm、13μm、11μmとなった分析チップを使用したことと、カバー部材の貫通孔を通じて、空隙内に、直径が180μm〜198μmのジルコニア製攪拌子を添加したこと以外は、実施例1と同様に操作し、図13及び図14(但し、図14中のHは上述の数値に代えたものである。)に示すような分析チップを調製し、空隙内の目視観察、ハイブリダイゼーション及び蛍光強度の測定を行った。結果を表1に示す。
カバー部材の凸部の接着地点が、担体表面凹部の端面から外側700μmの距離(図13のW)に位置し、かつ、カバー部材をその上から50g重の荷重を掛けて接着して、各辺における接着部材の厚み(図13のH)が各々11μm、12μm、12μm、11μmとなった分析チップを使用したであることと、カバー部材の貫通孔を通じて、空隙内に、直径が125μm〜150μmのジルコニア製攪拌子を添加したこと以外は実施例1と同様に操作し、図13及び図14(但し、図14中のHは上述の数値に代えたものである。)に示すような分析チップを調製し、空隙内部の目視観察、ハイブリダイゼーション及び蛍光強度の測定を行った。結果を表1に示す。
カバー部材の凸部の接着地点が、担体表面凹部の端面から外側300μmの距離(図13のW)に位置し、かつ、カバー部材をその上から50g重の荷重を掛けて接着して、各辺における接着部材の厚み(図13のH)が各々11μm、12μm、13μm、11μmとなった分析チップを使用したことと、カバー部材の貫通孔を通じて、空隙内に、直径が180μm〜212μmのジルコニア製攪拌子を添加したこと以外は実施例1と同様に操作し、図13及び図14(但し、図14中のHは上述の数値に代えたものである。)に示すような分析チップを調製し、空隙内部の目視観察、ハイブリダイゼーション及び蛍光強度の測定を行った。結果を表1に示す。
1A カバー部材の凸部
2 担体
3、3C 接着部材
4 貫通孔
4A 液面駐止用チャンバー
5 空隙(空間)
6 担体表面の凸部
7 撹拌子
8 平坦部
9 選択結合性物質
10 封止部材(テープ)
11 対物レンズ
12 レーザー励起光
13 マイクロアレイを治具に突き当てるためのバネ
14 治具
15 治具突き当て面
P1 担体側の接着地点
P2 担体表面の凹部の外周部端面
P3 接着部材の内側断面
P4 担体の凹部外側の表面部分
P5 カバー部材側の接着地点
S1 空間
R1 選択結合性物質が固定化された領域(凹部)
L1 凸部ピッチ
Claims (7)
- 表面に凹部を有する担体と、
前記担体の表面を覆い前記担体と接着されたカバー部材と、
前記担体と前記カバー部材との間に介在しこれらを接着させる接着部材と、
前記担体と前記カバー部材との間の空隙内に封入されてなる撹拌子とからなる分析チップであって、
前記担体表面に前記接着部材が接着し、当該接着部材にカバー部材が接着しており、
前記担体表面における担体と接着部材との接着地点が、凹部の外周部端面より離れた外側の領域に位置しており、前記接着地点における担体表面とカバー部材の担体側表面との間隔が、撹拌子の最短径より短いことを特徴とする分析チップ。 - 前記カバー部材の担体側表面外周に凸部が設けられており、前記接着部材が、前記担体と前記カバー部材の担体側表面外周の凸部との間に介在することを特徴とする請求項1記載の分析チップ。
- 前記担体が、その表面であって前記空隙内に位置する領域上に固定化された選択結合性物質を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の分析チップ。
- 前記カバー部材が、前記担体に脱離可能に接着されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の分析チップ。
- 前記接着部材が、シリコーン系ポリマー、アクリル系ポリマー及びこれらの混合物からなる群より選択されるポリマーを含む樹脂組成物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の分析チップ。
- (A)請求項3〜5のいずれか1項に記載の分析チップに被検物質をアプライする工程;
(B)前記被検物質を前記選択結合性物質を介して前記担体に選択的に結合させる工程;及び
(C)前記担体上に前記選択結合性物質を介して結合した前記被検物質量を測定する工程
を含むことを特徴とする、被検物質の分析方法。 - 前記分析チップが、前記担体の表面であって前記空隙内に位置する領域上に固定化された選択結合性物質を有し、前記工程(C)が、前記被検物質と前記選択結合性物質とを相互作用させ、前記被検物質を前記選択結合性物質を介して前記担体に結合させることを含む、請求項6記載の分析方法。
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