JP4417911B2 - 光学的立体造形方法および装置 - Google Patents

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Description

本発明は光硬化性樹脂組成物を用いる光学的立体造形方法および光学的立体造形装置に関する。より詳細には、本発明は、光硬化性樹脂組成物を用いて、表面に望ましくない線、筋、突条などが発現せず、外観および寸法精度に優れ、しかも強度ムラや硬化ムラのない、高品質の立体造形物を、高い造形精度で、速い造形速度で、生産性良く製造するための光学的立体造形方法および光学的立体造形装置に関するものであり、本発明による場合は小型から大型に至る各種の立体造形物を円滑に製造することができる。
近年、三次元CADに入力されたデータに基づいて光硬化性樹脂を硬化させて立体造形物を製造する光学造形方法および装置が実用化されている。この光造形技術は、設計の途中で外観デザインを検証するためのモデル、部品の機能性をチェックするためのモデル、鋳型を製作するための樹脂型、金型を製作するためのベースモデルなどのような複雑な三次元物体を容易に造形できることから注目を集めている。
光学造形方法によって造形物を製造するに当たっては、造形浴を用いる方法が汎用されており、その手順としては、造形浴に液状の光硬化性樹脂を入れ、液面に所望のパターンが得られるようにコンピューターで制御されたスポット状の紫外線レーザー光を選択的に照射して所定の厚みに光硬化させて硬化樹脂層を形成し、その硬化樹脂層を造形浴内で下方に移動させて造形浴内の光硬化性樹脂液を該硬化樹脂層上に流動させて光硬化性樹脂液の層を形成させ、その光硬化性樹脂液層にスポット状の紫外線レーザー光を照射して硬化樹脂層を形成し、前記の工程を所定の形状および寸法の立体造形物が得られるまで繰り返して行う方法が広く採用されている。
しかしながら、スポット状の紫外線レーザー光を用いる上記した従来法による場合は、1個のスポット状レーザー光を光硬化性樹脂の表面に照射しながら移動させて面状の光硬化したパターンを形成するいわゆる点描方式であるため、造形に長い時間を要し、生産性が低いという問題がある。しかも、光源として用いられる紫外線レーザー装置は極めて高価であるため、この種の光学的立体造形装置を高価格なものにしている。
上記した従来技術の欠点の解消を目的として、微小ドットエリアの遮光制御可能な光シャッターを連続的に一列配置したライン形状の露光マスクを用い、該露光マスクを光シャッターの配列方向と直交方向に走査させながら、所定の水平断面形状データに応じて光シャッターを制御することによって1層分の光硬化した樹脂層を順次形成する光学的立体造形法が提案されている(特許文献1を参照)。この方法による場合は、光源として高価な紫外線レーザー装置を必ずしも使用する必要がなく、通常の紫外線ランプのような安価な光源を用いることができ、またスポット状の紫外線レーザー光を用いる前記従来の方法に比べて造形速度を速くすることができる。しかしながら、この方法による場合は、線状の光硬化部を露光マスクの走査方向に1列ずつ形成し、それを多数回繰り返すことによって1層分の断面形状パターンを形成してゆく方式であることにより、露光マスクの走査速度を速くすると、十分に光硬化した1列毎の光硬化部を形成することができなくなるため、露光マスクをゆっくり走査する必要がある。しかも、1列毎の光硬化部を次々と形成して面状の光硬化層を形成する方式のため造形に時間がかかる。そのため、造形速度が十分に速いとは言えず、生産性の点で十分に満足のゆくものではない。
また、上記とは別の方法として、光源と光硬化性樹脂組成物の表面との間に、微小ドットエリアでの遮光および透光が可能な液晶シャッターよりなる面状描画マスクを固定配置し、面状描画マスクの停止状態で、形成しようとする1層分の断面形状パターンに応じて面状描画マスクに所定のマスクパターンを形成させ、そのマスクパターンを介して光硬化性樹脂組成物の表面に光を照射して光硬化性樹脂組成物を硬化させて1層分の断面形状パターンを形成させ、次いで該光硬化した断面形状パターンの上に次の1層分の光硬化性樹脂組成物を供給し、面状描画マスクの停止状態で、形成しようとする1層分の断面形状パターンに応じて面状描画マスクに次の所定のマスクパターンを形成させ、そのマスクパターンを介して光硬化性樹脂組成物の表面に光を照射して光硬化性樹脂組成物を硬化させて次の1層分の断面形状パターンを形成させるという操作を繰り返して立体造形物を製造する方法が知られている。
この方法による場合は、光硬化性樹脂組成物の表面への光照射および1層分の光硬化した断面形状パターンを、面状で一度に形成するため、スポット状の紫外線レーザーを用いる上記した従来法および微小ドットエリアの遮光制御可能な光シャッターを連続的に1列配置したライン形状の露光マスクを用いる上記した特許文献1に記載されている方法に比べて、光造形速度を速くすることができる。
この方法によって立体造形物を製造するに当たっては、造形精度(解像度)の点から、面状描画マスクから投影される光硬化性樹脂組成物表面での隣接する微小ドットエリア間の距離は0.1mm以下であることが必要であるとされており、そのため、画素数は、例えば、造形エリアサイズが250mm×250mmの小型のもので少なくとも2500×2500ドット程度必要であり、また造形エリアサイズが600mm×600mmの中型のものでは少なくとも6000×6000ドット程度必要である。しかしながら、現存する液晶マスク(液晶シャッター)や、デジタルマイクロミラーシャッターではこれを実現する解像度のものは存在しないか、または存在しても極めて高価である。
また、固定配置した面状描画マスクを停止した状態で光照射を行うこの方法による場合は、露光形状パターンの精細度は、面状描画マスクの精細度(粗さ)と面状描画マスクを介して光硬化性樹脂組成物表面に投影されるパターンとの拡大・縮小率によって決定され、拡大率が小さいほど(縮小率が大きいほど)光硬化性樹脂組成物の表面での光ドット間の距離が低減して形成される断面形状パターンの精細度が向上し、反対に拡大率が大きいほど光硬化性樹脂組成物の表面での光ドット間の距離が大きくなり形成される断面形状パターンの精細度が低下する。
そのため、面状描画マスクを固定配置したこの方法による場合は、精細度(造形精度)に優れる大型の立体造形物を製造することは困難であり、精細度(造形精度)の点から小型の立体造形物の製造にしか適用できないというのが現状である。
固定配置した面状描画マスクを用いる上記した方法の欠点を解消して、小型の液晶シャッターを使用して大型の立体造形物の製造を可能にすることを目的として、光を選択的に透過または遮光する液晶シャッター(液晶マスク)を光硬化性樹脂の液面に対して平行に走行し得るように配置すると共に、液晶シャッターの走行範囲を複数に分割し、液晶シャッターをその分割された走行範囲の第1の範囲まで移動して停止させ、液晶シャッターを停止させた状態で液晶シャッターの背部に設けた光源を該液晶シャッターの範囲で移送しながら該液晶シャッターを介して光硬化性樹脂表面に光を照射して該分割された第1の範囲に相当する硬化部分を形成させ、次いで液晶シャッターを第2の分割された走行範囲まで移動して停止させ、液晶シャッターを停止させた状態で液晶シャッターの背部に設けた光源を該液晶シャッターの範囲で移送しながら該液晶シャッターを介して光硬化性樹脂表面に光を照射して該分割された第2の範囲に相当する硬化部分を形成させ、それと同じ操作を1層分の所定の断面形状パターンが光硬化性樹脂組成物の表面に形成されるまで行い、そして前記工程を所定の立体造形物が形成されるまで繰り返して立体造形物を製造する方法が提案されている(特許文献2を参照)。
しかしながら、上記特許文献2に記載されている方法による場合は、液晶シャッターの分割された第1の走行範囲への移動−液晶シャッターの停止状態での光照射(光硬化性樹脂表面での光硬化部の形成)−液晶シャッターの分割された第2走行範囲への移動−液晶シャッターの停止状態での光照射(光硬化性樹脂表面での光硬化部の形成)・・・という操作の繰り返しによって1層分の硬化した断面形状パターンが形成され、それを更に多層にわたって繰り返すことによって立体造形物を製造しており、液晶シャッターが複数に分割されたそれぞれの走行範囲位置まで移動しているときには光照射が行われない。そのため、この方法による場合は、露光が継続して行われず、断続的になされるため、造形速度が遅くなる。しかも、この方法による場合は、液晶シャッターの走行範囲を複数に分割し、各々区分において液晶シャッターを停止させた状態で光硬化性樹脂組成物の硬化を行うために、互いに分割された走行区域の境界部分で硬化状態が不連続になったり不均一になり易く、それに伴って立体造形物全体の強度ムラ、強度不足、外観不良、寸法精度の低下などを生じ易い。
特開平4−305438号公報 特開平8−112863号公報
本発明の目的は、小型、中型の立体造形物に限らず、大型の立体造形物であっても、高い造形精度で、且つ硬化ムラや強度ムラの発生を防ぎながら、高品質の立体造形物を、速い造形速度で生産性良く製造することのできる光学的立体造形方法および光学的立体造形装置を提供することである。特に、本発明の目的は、光硬化した樹脂層における隣接した描画領域間の境界部分が、最終的に得られる立体造形物において線、筋、突条などとして発現せず、該境界部分が目立たず、外観および寸法精度に優れる前記した高品質の立体造形物を、速い造形速度および高い造形精度で生産性良く製造するための光学的立体造形方法および光学的立体造形装置を提供することである。
さらに、本発明の目的は、高価な紫外線レーザー装置を用いずに、通常の紫外線ランプのような安価な光源を用いた場合にも、高い造形精度を有し、且つ硬化ムラや強度ムラのない高品質の立体造形物を、速い造形速度で円滑に製造することのできる光学的立体造形方法および光学的立体造形装置を提供することである。
上記の目的を達成すべく本発明者は鋭意検討を重ねてきた。その結果、面状描画マスクを介して光硬化性樹脂組成物の表面に光を照射して、所定の断面形状パターンを有する光硬化した樹脂層を順次形成して立体造形物を製造するに当たって、面状描画マスクを固定または停止した状態で光照射を行う上記した従来技術に代えて、光造形工程の少なくとも一部において、光照射時に面状描画マスクを連続的に移動させると共に、面状描画マスクの該連続移動に同期させて、面状描画マスクによるマスク画像(マスクパターン)を、形成しようとする所定の断面形状パターンに応じて連続的に変えながら光を照射して造形を行う(面状描画マスクのマスク画像を例えば映画やテレビ画面などの動画のように連続的に変えながら光を照射して造形を行う)と、小型、中型の立体造形物に限らず、大型の立体造形物であっても、高い造形精度で、且つ硬化ムラの発生を防止しながら、高品質で、上記した従来技術よりも速い造形速度で生産性良く製造することができることを見出した。
さらに、本発明者は、前記した光造形工程を、光硬化した樹脂層における隣接する描画領域間の境界部分が、最終的に得られる立体造形物において目立つのを回避するようにして行うと、隣接する描画領域間の境界部分が、最終的に得られる立体造形物において線状、筋状、凸条などとして出現することを防止でき、外観および寸法精度に優れ、しかも強度ムラのない立体造形物が得られること、そして境界部分が目立つのを回避するためには、隣接する描画領域間の境界部分での光照射強度の合計を境界部分以外の部分における光照射強度と同じにする方法、隣接する描画領域間の境界形状を曲線形状にする方法、および隣接する描画領域間の境界部分の位置を上下に積層した光硬化した樹脂層間で互いにずらせる方法のうちの少なくとも1つが有効であることを見出した。
また、本発明者は、上記した方法による場合は、高価な紫外線レーザー装置を用いずに通常の紫外線ランプのような安価な光源を用いた場合にも、高い造形精度を有し且つ硬化ムラのない高品質の立体造形物を、速い造形速度で円滑に製造できることを見出した。
さらに、本発明者は、面状描画マスクとしては、微小ドットエリアでの遮光および透光が可能な複数の微小光シャッターを面状に配置した面状描画マスク、特に液晶シャッターまたはデジタルマイクロミラーシャッターを面状に配置した面状描画マスクが好ましく用いられること、また光源と面状描画マスクとの間に面状描画マスクと同期させて連続的に移動させることのできる光集レンズを配置し、面状描画マスクと光硬化性樹脂組成物の表面との間に面状描画マスクと同期させて連続的に移動させることのできる投影レンズを配置するのが好ましいことを見出して、それらの種々の知見に基づいて本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
(1) 光硬化性樹脂組成物の表面に面状描画マスクを介して制御下に光を照射して所定の断面形状パターンを有する光硬化した樹脂層を形成した後、該光硬化した樹脂層の上に1層分の光硬化性樹脂組成物を施し、該光硬化性樹脂組成物の表面に面状描画マスクを介して制御下に光を照射して所定の断面形状パターンを有する光硬化した樹脂層を更に形成する光造形工程を所定の立体造形物が形成されるまで順次繰り返すことによって立体造形物を製造する方法であって;
面状描画マスクとしてマスク画像を連続的に変化させ得る面状描画マスクを使用し;
光造形工程の少なくとも一部で、面状描画マスクを光硬化性樹脂組成物の表面に対して連続的に移動させると共に、面状描画マスクのマスク画像を、形成しようとする光硬化した樹脂層の断面形状パターンに対応させて面状描画マスクの移動と同期させて連続的に変えながら光硬化性樹脂組成物の表面に面状描画マスクを介して光を照射して所定の断面形状パターンを有する光硬化した樹脂層を形成する造形操作を行い;且つ、
光硬化した樹脂層における隣接する描画領域間の境界部分が、最終的に得られる立体造形物において目立たないようにするために、下記の(i)〜(iii)の操作;
(i)光硬化した樹脂層における隣接する描画領域間の境界部分での光照射強度の合計を、境界部分以外の部分における光照射強度と同じにする;
(ii)光硬化した樹脂層における隣接する描画領域間の境界形状を、曲線形状にする;および
(iii)光硬化した樹脂層における隣接する描画領域間の境界部分の位置を、上下に積層した光硬化した樹脂層間で互いにずらせる;
のうちの少なくとも1つを行う;
ことを特徴とする光学的立体造形方法である。
さらに、本発明は、
) 面状描画マスクとして、微小ドットエリアでの遮光および透光が可能な複数の微小光シャッターを面状に配置した面状描画マスクを用い、面状描画マスクの連続移動時に、形成しようとする断面形状パターンに対応させて前記複数の微小光シャッターによりマスク画像を連続的に変えながら光硬化性樹脂組成物の表面への光照射を行う前記(1)の光学的立体造形法方法;および、
) 面状描画マスクが、液晶シャッターまたはデジタルマイクロミラーシャッターを面状に配置した面状描画マスクである前記(1)または(2)の光学的立体造形方法;
である。
そして、本発明は、
) 載置台上または光硬化した樹脂層上に、1層分の光硬化性樹脂組成物を順次供給するための光硬化性樹脂組成物の供給手段;
光源;
マスク画像を連続的に変えることのできる面状描画マスク;
面状描画マスクを光硬化性樹脂組成物の表面に対して連続的に移動させるための移動手段;
面状描画マスクのマスク画像を、面状描画マスクの移動と同期させて連続的に変化させるための手段;並びに
光硬化した樹脂層における隣接する描画領域間の境界部分が、最終的に得られる立体造形物において目立たないようにするための、下記の(i)〜(iii)の手段;
(i)光硬化した樹脂層における隣接する描画領域間の境界部分での光照射強度の合計を境界部分以外の部分における光照射強度と同じにする手段;
(ii)光硬化した樹脂層における隣接する描画領域間の境界形状を、曲線形状にする手段;および、
(iii)光硬化した樹脂層における隣接する描画領域間の境界部分の位置を、上下に積層した光硬化した樹脂層間で、上下で互いにずらせる手段;
のうちの少なくとも1つ;
を備えていることを特徴とする光学的立体造形装置である。
さらに、本発明は、
) 面状描画マスクが、微小ドットエリアでの遮光および透光が可能な複数の微小光シャッターを面状に配置した面状描画マスクである前記(4)の光学的立体造形装置;
) 面状描画マスクが、液晶シャッターまたはデジタルマイクロミラーシャッターを面状に配置した面状描画マスクである前記(4)または(5)の光学的立体造形装置;および、
) 光源と面状描画マスクとの間に面状描画マスクと同期させて連続的に移動させることのできる光集レンズを有し、面状描画マスクと光硬化性樹脂組成物の表面との間に面状描画マスクと同期させて連続的に移動させることのできる投影レンズを有する前記(4)〜(6)のいずれかの光学的立体造形装置;
である。
本発明による場合は、描画領域の境界に相当する部分に線、筋、突条などが出現せず、外観および寸法精度に優れ、しかも強度ムラのない高品質の立体造形物を、形成しようとする所定の断面形状パターンよりもサイズが小さくて比較的安価な面状描画マスクを用いて、高い造形精度で、且つ硬化ムラの発生を防止しながら、従来よりも速い造形速度で生産性良く製造することができる。
そして、本発明による場合は、小型、中型の立体造形物に限らず、大型の立体造形物であっても、高い寸法精度および速い造形速度で円滑に製造することができる。
さらに、本発明による場合は、高価な紫外線レーザー装置を用いずに通常の紫外線ランプのような安価な光源を用いた場合にも、前記した高品質の立体造形物を、速い造形速度で円滑に製造することができる。
第1図は描画領域間に境界部分(重なり部分)を有する断面形状パターンを形成する際の一例を示す図である。
第2図は描画領域間に境界部分(重なり部分)を有する断面形状パターンを形成する際の別の例を示す図である。
第3A図、第3B図は描画領域間に境界部分(重なり部分)を有する断面形状パターンを形成する際の更に別の例を示す図である。
第4A図、第4B図は本発明の光学的立体造形方法において、描画領域間の境界部分(重なり部分)の位置が、上下の光硬化した樹脂層間でずれるようにして光造形を行う場合の一例を示す図である。
第5図は本発明で用いる光学的立体造形装置の一例を示す図である。
第6図は本発明で用いる光学的立体造形装置の別の例を示す図である。
第7図は本発明で用いる光学的立体造形装置のさらに別の例を示す図である。
第8図は本発明で用いる光学的立体造形装置のさらに別の例を示す図である。
第9図は本発明の光学的立体造形方法の一例を示す図である。
第10図は第9図の光学的立体造形方法で形成される断面形状パターンを示す図である。
図中の符号で、1は光源、2は集光レンズ、3は面状描画マスク、3aは液晶シャッターを面状に配置した面状描画マスク、3bはデジタルマイクロミラーシャッターを面状に配置した面状描画マスク、4は投影レンズ、5は造形面、6は露光像、7は光伝達手段、8はロッドレンズ、9は結像レンズ、10は反射鏡である。
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明では、光硬化性樹脂組成物の表面に面状描画マスクを介して制御下に光を照射して所定の断面形状パターンを有する光硬化した樹脂層を形成した後、該光硬化した樹脂層の上に1層分の光硬化性樹脂組成物を施し、該光硬化性樹脂組成物の表面に面状描画マスクを介して制御下に光を照射して所定の断面形状パターンを有する光硬化した樹脂層を更に形成する操作を所定の立体造形物が形成されるまで順次繰り返すことによって立体造形物を製造する。
前記した本発明の造形操作は、一般に、液状の光硬化性樹脂組成物を充填した造形浴中に造形テーブルを配置し、造形テーブルを下降させることによって造形テーブル面に1層分の液状の光硬化性樹脂組成物層を形成させ、それに面状描画マスクを介して制御下に光を照射して所定のパターンおよび厚みを有する光硬化した樹脂層(以下「光硬化層」ということがある)を形成した後、造形テーブルを更に下降させて該光硬化層面に1層分の液状の光硬化性樹脂組成物層を形成させて面状描画マスクを介して制御下に光を照射して所定のパターンおよび厚みを有する光硬化層を一体に積層形成する工程を繰り返して行う、造形浴法を採用して行うことができる。
また、前記した本発明の造形操作は、例えば、気体雰囲気中に造形テーブルを配置し、その造形テーブル面に1層分の液状、ペースト状、粉末状または薄膜状の光硬化性樹脂組成物を施して面状描画マスクを介して制御下に光を照射して所定のパターンおよび厚みを有する光硬化層を形成した後、該光硬化層面に1層分の液状、ペースト状、粉末状または薄膜状の光硬化性樹脂組成物を施して面状描画マスクを介して制御下に光を照射して所定のパターンおよび厚みを有する光硬化層を一体に積層形成する工程を繰り返して行う方法を採用して行うこともできる。この方法による場合は、造形テーブルまたは光硬化層を上向きにしておき、その上面に光硬化性樹脂組成物を施し、面状描画マスクを介して光照射して光硬化層を順次積層形成してゆく方式を採用してもよいし、造形テーブルまたは光硬化層を垂直または斜めに配置しておいて造形テーブル面または光硬化層面上に光硬化性樹脂層を施し面状描画マスクを介して光照射して光硬化層を順次積層形成してゆく方式を採用してもよいし、或いは造形テーブルまたは光硬化層を下向きに配置しておいて造形テーブル面または光硬化層面に光硬化性樹脂層組成物を施し面状描画マスクを介して光照射して順次下方に光硬化層を積層形成してゆく方式を採用してもよい。造形テーブル面または光硬化層面に光硬化性樹脂組成物を施すに当たっては、例えば、ブレード塗装、流延塗装、ローラー塗装、転写塗装、ハケ塗り、スプレー塗装などの適当な方法を採用することができる。
本発明では、上記した造形操作を行うに当たって、面状描画マスクとしてマスク画像を連続的に変化させ得る面状描画マスクを使用して、造形工程の少なくとも一部、すなわち光硬化した所定の断面形状パターンを形成するための工程のすべてまたは該工程の一部において、面状描画マスクを光硬化性樹脂組成物の表面に対して連続的に移動させると共に、面状描画マスクのマスク画像を形成しようとする光硬化した樹脂層の断面形状パターンに対応させて面状描画マスクの移動と同期させて連続的に変えながら(すなわち動画的に変えながら)、光硬化性樹脂組成物の表面に面状描画マスクを介して光を照射して所定の断面形状パターンを有する光硬化した樹脂層を形成する。面状描画マスクの移動は、造形面に対して平行状態で行うことが望ましいが、必ずしもそれに限定されず、必要に応じて造形面に対して非平行状態で移動させてもよい。
例えば、上記した造形操作を多段(多層)にわたって繰り返して立体造形物を製造するに当たって、各光硬化層のすべてにおいて、形成しようとする所定の断面形状パターンが面状描画マスクの寸法(面積)よりも大きな連続した描画領域となるような形状および構造を有する立体造形物の製造においては、面状描画マスクを光硬化性樹脂組成物の表面(造形面)に対して連続的に移動させると共に面状描画マスクのマスク画像を、形成しようとする断面形状パターンに対応させて面状描画マスクの移動と同期させて連続的に変えながら(動画的に変えながら)、光硬化性樹脂組成物の表面に面状描画マスクを介して光を照射して所定の断面形状パターンを有する光硬化した樹脂層を形成する操作を多層にわたって繰り返すことによって、目的とする立体造形物を製造することができる。
一方、立体造形物の形状や構造によっては、面状描画マスクの面積よりも大きな所定の断面形状パターンの形成と共に、面状描画マスクの面積よりも小さな断面形状パターンを造形操作の途中で形成することが必要な場合がある[何ら限定されるものではないが、例えば、球状をなす本体の頂部に尖った角(つの)を有する立体造形物において、球状の本体部分の横断面積(断面形状パターン)は面状描画マスクの面積よりも大きく、角に相当する部分の横断面積(断面形状パターン)が面状描画マスクの面積よりも小さい場合など]。そのような場合には、大きな断面形状パターンを有する本体部分の形成は、面状描画マスクのマスク画像を動画的に連続的に変える上記した造形操作を多層にわたって繰り返すことによって行い、一方小さな断面形状パターンを有する角の部分は、面状描画マスクのマスク画像を動画的に変化させずに静止画の状態にし、そのマスク画像を通して光を造形面に照射する操作を角部分の形成が完了するまで多層にわたって繰り返すことによって、目的とする立体造形物を製造することができる。
本発明では、上記したいずれの方法をも包含しており、そのため本発明では、面状描画マスクのマスク画像は、かならずしも造形工程の最初から最後まで常に動画的に連続して変化していなくてもよく、一部の造形工程ではマスク画像が動画的に連続して変化し、別の造形工程ではマスク画像が形成しようとする断面形状パターンに応じた静止画の状態であってもよい。
形成しようとする所定の断面形状パターンに応じて面状描画マスクのマスク画像を連続的に変化させて造形を行う本発明では、面状描画マスクの1回の連続移動−光照射工程では該所定の断面形状パターン全体をカバーできないために、1回目の連続移動−光照射を行った位置に隣接させて2回目の面状描画マスクの連続移動−光照射を行い、場合によってはそのような連続移動−光照射を次々と3回以上にわたって行って、所定の1層分の断面形状パターンを形成する方法が多く採用される。
その場合には、最終的に得られる立体造形物では、互いに隣接する描画領域間(1回目の描画領域と2回目の描画領域との隣接部分、2回目の描画領域と3回目の描画領域との隣接部分など)に境界部分が生ずる。
その際に、境界部分[1回目の描画領域と2回目の描画領域との隣接部分(境界部分)、2回目の描画領域と3回目の描画領域との隣接部分(境界部分)など]では、得られる立体造形物の強度向上などの点からは、端部において重複して光照射を行うことが好ましいが、それによって、境界部分では硬化が重複して行われた部分(以下これを「重なり部分」ということがある)が生ずる。そのような操作が、目的とする立体造形物が得られるまで多層にわたって繰り返されると、最終的に得られる立体造形物では、隣接する描画領域間の境界部に相当する部分に線、筋、突条などが出現し、立体造形物の外観が不良になり易く、それと共に場合によっては寸法精度の低下や強度ムラなどを生じやすくなる。
何ら限定されるものではないが、前記した点を、図を参照して説明する。
例えば、第1図に示すように、A、B、C、Dで包囲される光硬化した断面形状パターンを、面状描画マスク3のマスク画像を動画的に連続的に変化させて光造形を行って形成するに当たっては、1回の連続移動−光照射では、その断面形状パターンを形成できないため、1回目の連続移動−光照射によって描画領域(一)に相当する部分の光硬化を行い、2回目の連続移動−光照射によって描画領域(二)に相当する部分の光硬化を行い、3回目の連続移動−光照射によって描画領域(三)に相当する部分の光硬化を行って、A、B、C、Dで包囲される光硬化した断面形状パターンを形成する。その場合に、互いに隣接する描画領域(一)と描画領域(二)との重なり部分a1(境界部)、描画領域(二)と描画領域(三)の重なり部分a2(境界部)では、得られる立体造形物の強度維持などの点から、光照射が重複して行なわれることが多い。その結果、重なり部分a1(境界部)および重なり部分a2(境界部)における光照射の程度(硬化程度)が、他の部分(重なり部分a1とa2以外の部分)に比べて高くなり、それに伴って重なり部分a1および重なり部分a2における硬化状態が他の部分と異なったものになり(硬化の程度が高くなり)、最終的に得られる立体造形物において、重なり部分a1および重なり部分a2に相当する場所に、線、筋、突条などが出現し、立体造形物の外観が不良になり易く、それと共に場合によっては寸法精度の低下や強度ムラなどが生じやすくなる。
さらに、本発明では、光造形に使用する面状描画マスクの数は1個に限定されず、複数(2個以上)の面状描画マスクを用いて光造形を行ってもよく、本発明の光造形を複数の面状描画マスクを用いて光造形を行う場合に、例えば、第1図における描画領域(一)、描画領域(二)、描画領域(三)における光硬化を、該複数の面状描画マスクのそれぞれを用いて行うようにすると、造形速度が一層向上する。
しかしながら、その場合にも、得られる立体造形物の強度向上などのために、描画領域間の境界を重複して光硬化した場合には、重なり部分a1および重なり部分a2が生じ、それらの重なり部分a1(境界部)および重なり部分a2(境界部)における光照射の程度(硬化程度)は他の部分(重なり部分a1とa2以外の部分)に比べて高くなり、それに伴って最終的に得られる立体造形物において、重なり部分a1およびa2に相当する場所に、線、筋、突条などが出現し、立体造形物の外観不良、寸法精度の低下、強度ムラなどが生じやすくなる。
また、1個の面状描画マスクを用いて、一筆書きの要領で面状描画マスクを連続移動させながらそのマスク画像を動画的に変化させて所定の断面形状パターンを形成する場合に、例えば第2図に示すように、始点と終点とが同じ位置になるようにして光造形を行い、該始点と終点の境界部分で強度維持などの目的でその部分で光照射を重複して行った際には、始点と終点の境界で重なり部分cが生じ、重なり部分cにおける光照射の程度(硬化度合い)が、他の部分に比べて高くなり、それに伴って最終的に得られる立体造形物において、重なり部分cに相当する場所に、線、筋、突条などが出現し、立体造形物の外観不良、寸法精度の低下、強度ムラなどが生じやすくなる。
さらに、描画領域の境界部分を重ねずに(重複して光照射せずに)、単に端部同士が接合するようにして光造形を行った場合にも、重ねた場合(重複して光照射を行った場合)に比べるとその程度は小さいが、最終的に得られる立体造形物において、描画領域の端部同士が接合した境界部分に相当する位置に、線、筋などが生じて、外観の不良などを招き易い。
本発明は、光硬化した樹脂層における、上記した隣接する描画領域間の境界部分が立体造形物に線、筋、突条などとして出現を防止するために、光硬化した樹脂層における隣接する描画領域間の境界部分が、最終的に得られる立体造形物において目立たないようにして光造形を行う。
かかる点から、本発明でいう「光硬化した樹脂層における隣接する描画領域間の境界部分」は、光硬化した所定の断面形状パターンを面状描画マスクの連続移動−光照射を複数列にわたって行って形成する際の光硬化した樹脂層の境界部分(例えば第1図の場合)だけでなく、光硬化した所定の断面形状パターンを一筆書きのように面状描画マスクの一連続の連続移動−光照射で形成する際の光硬化した樹脂層の境界部分(例えば第2図の場合)、および前記以外の造形操作によって形成される光硬化した樹脂層における境界部分を意味する。さらに、本発明でいう前記「境界部分」は、描画領域の端部が重複して光硬化されている境界部分(光硬化が重なっている「重なり部分」)、および重複して光硬化されておらず光硬化された描画領域のそれぞれの端部同士が接合しているだけの境界部分の両方を意味する。
本発明では、光硬化した樹脂層における隣接する描画領域間の境界部分が目立たないようにするために、以下の(i)〜(iii)の方法(操作)および手段、すなわち、
(i)光硬化した樹脂層における隣接する描画領域間の境界部分での光照射強度の合計を、境界部分以外の部分における光照射強度と同じにする方法(操作)および手段;
(ii)光硬化した樹脂層における隣接する描画領域間の境界形状を、曲線形状にする方法(操作)および手段;および
(iii)光硬化した樹脂層における隣接する描画領域間の境界部分の位置を、上下に積層した光硬化した樹脂層間で互いにずらせる方法(操作)および手段;
のうちの少なくとも1つ採用する
上記した(i)〜(iii)の方法(操作)および手段は単独で採用してもよいし、2つ以上を併用してもよい。
特に、(i)〜(iii)のうちの2つまたは3つを併用した場合には、光硬化した樹脂層における隣接する描画領域間の境界部分が目立つのを一層効果的に抑制することができる。
上記(i)の方法は、特に隣接する描画領域の境界部分を重複して光照射して立体造形物を製造する場合(すなわち境界部分に「重なり部分」が発生する場合)に有効であり、面状描画マスクのマスク画像を連続的に変化させて光造形を行う際に、重なり部分に相当するエリアでは他のエリアに比べて光の造形面への透過または反射が低減した状態となるマスク画像を面状描画マスクに発現させるように、コンピューターにプログラミングしておくことによって実施することができる。
例えば、第1図において、1回目の面状描画マスクの連続移動−光照射を行う描画領域(一)において、重なり部分a1(境界部)に相当する部分への光照射強度を、描画領域(一)内の他の部分への光照射強度よりも低くして重なり部分a1における硬化度合いを該他の部分における硬化度合いよりも低くして光硬化を行い、次に2回目の面状描画マスクの連続移動−光照射を行う描画領域(二)において、重なり部分a1とa2に相当する部分への光照射強度を描画領域(二)内の他の部分への光照射強度よりも低くして光硬化を行って、描画領域(二)の光硬化を終了した時点において、重なり部分a1における硬化度合いを、描画領域(一)および(二)内の他の部分(重なり部分a1とa2以外の部分)の硬化度合いと同じになるようにし、描画領域(三)の光硬化についても前記と同様に行って、描画領域(三)の光硬化を終了した時点において、重なり部分a2における硬化度合いを、描画領域(一)、(二)および(三)内の他の部分(重なり部分a1とa2以外の部分)の硬化度合いと同じになるようにすることによって、ABCDで包囲される光硬化した断面形状パターン全体でその硬化度合いを均一にすることができる。
そして、目的とする立体造形物が得られるまで、前記した造形操作を多層にわたって繰り返すことによって、描画領域の重なり部分に相当する箇所に線、筋、突条などが発生せず、外観および寸法精度に優れ、しかも強度ムラや硬化ムラのない立体造形物を得ることができる。
上記(ii)の方法は、面状描画マスクのマスク画像を連続的に変化させて光造形を行う際に、境界部分に相当するエリアが曲線状となるマスク画像を面状描画マスクに発現させるようにコンピューターなどによってプログラミングしておくことによって実施することができる。
例えば、第3A図に示すように、描画領域(一)と描画領域(二)との間の重なり部分c1(境界部分)および描画領域(二)と描画領域(三)との間の重なり部分c2(境界部分)が曲線状になるようにして光造形を行った場合にも、重なり部分c1とc2が直線状である場合に比べて、最終的に得られる立体造形物では、重なり部分c1とc2に相当する箇所における線、筋、突条などの発生が抑制されて、外観および寸法精度に優れ、しかも強度ムラや硬化ムラの低減した立体造形物を得ることができる。第3A図に示す方法において、描画領域(一)、描画領域(二)および描画領域(三)の光硬化時に、重なり部分c1およびc2になる部分への光照射強度を他の部分への光照射強度よりも低減させない場合であっても、重なり部分c1およびc2を直線状にした場合に比べて重なり部分c1とc2に相当する箇所における線、筋、突条などの発生は抑制されるが、この(ii)の方法と共に上記(i)の方法を組み合わせて行うと、重なり部分c1とc2に相当する箇所における線、筋、突条などの発生を一層効果的に抑制することができる。
また、上記(ii)の方法を、描画領域(一)と描画領域(二)との間の境界部分および描画領域(二)と描画領域(三)との間の境界部分で光照射を重複して行わずに、描画領域の端部同士を単に接合させて光造形する際に適用して、その接合端部(境界部分)d1およびd2を、第3B図に示すように、曲線状にした場合にも、最終的に得られる立体造形物において、境界部分(接合部分)に相当する箇所に線、筋などが発生するのを低減されて、外観に優れる立体造形物を得ることができる。
また、上記(iii)の方法は、光硬化した樹脂層における、隣接する描画領域間の境界部分の位置が、立体造形物を構成する上下に積層した光硬化した樹脂層間で、上下方向で互いにずれるようにコンピューターなどによりプログラミングしておくことによって実施することができる。
この(iii)の方法を採用した場合の例としては、第4A図および第4B図を挙げることができる[第4A図および第4B図はいずれも縦断面図)。第4A図は、隣接する描画領域間の境界部分を重複して光照射して形成された立体造形物の部分構造を示したものであり、境界部分に相当する重なり部分e1、e2、e3、e4、e5、・・・・・を、立体造形物を構成する上下に積層した光硬化した樹脂層間で互いにずらして形成した場合の模式図である。また、第4B図は、隣接する描画領域間の境界部分で光照射を重複して行わずに、描画領域の端部同士を単に接合させて光造形して得られる立体造形物の部分構造を示したものであり、境界部分f1、f2、f3、f4、f5、・・・・・を、立体造形物を構成する上下に積層した光硬化した樹脂層間で互いにずらして形成した場合の模式図である。
第4A図および第4B図にみるように、この(iii)の方法による場合は、描画領域間の境界部分(重なり部分または端部同士の接合部分)が上下層間でずれていて同じ箇所に集中していないので、最終的に得られる立体造形物に線、筋、突条などが発生せず、外観および寸法精度に優れ、しかも強度ムラや硬化ムラの低減した立体造形物が得られる。
本発明の光学的立体造形方法および装置において、面状描画マスクを光硬化性樹脂組成物の表面(造形面)に対して連続的に移動させるための手段や方式は特に制限されない。例えば、リニアガイド、シャフト、フラットバーなどをガイドにし、駆動をボールネジ、台形ネジ、タイミングベルト、ラック&ピニオン、チェーンなどを用いて伝達し、駆動源はACサーボモータ、DCサーボモータ、ステッピングモータ、パルスモーターなどを用いることができる。また、ガイドと駆動を兼ねたリニアモーター方式、さらに多関節型のロボットのアーム先端部を利用することもできる。このように本システムの移動は任意の手段や方式を採用することができる。そのうちでも、面状描画マスクをミクロなピッチで精密に連続移動させることができて、面状描画マスクのマスク画像の連続変化と高精度で同期させ得る点から、駆動源としてパルスモーターが好ましく用いられる。
面状描画マスクの造形面に対する移動は、一方向(X軸方向およびY軸方向の一方)のみに行うようにしてもよいが、X軸方向とY軸方向の両方に移動可能にしておくことが好ましい。面状描画マスクをX軸方向とY軸方向の両方に移動可能にしておくことによって、面状描画マスクを直線状、曲線状、その他の任意の軌跡で連続移動させて種々の形状の光硬化した断面形状パターンを良好な造形精度で且つ速い造形速度で形成することができ、例えば一筆書きで円を描いて中空状の光硬化した断面形状パターンなども速い造形速度で且つ高い造形精度で形成することができる。
光造形を行う際の面状描画マスクの連続移動の方向や速度は、光源の種類、光硬化性樹脂組成物の表面に照射される光の照射強度、面状描画マスクを通しての光硬化性樹脂組成物表面での露光エリア(露光面積)、形成しようとする断面形状パターンの形状、光硬化性樹脂組成物の種類、光硬化性樹脂組成物の光硬化特性と光硬化層を形成するのに必要な露光時間などに応じて、コンピューターなどを使用して制御、調整する。一般的には、光硬化性樹脂組成物の表面における露光エリアの一方の端部からそれと対向するもう一方の端部側へと、面状描画マスクを光硬化性樹脂組成物の表面に対して平行した状態で、等速で直線状に連続移動させると、光硬化性樹脂組成物の表面への光照射量の均一制御を簡単に行うことができる。
面状描画マスクの連続移動と同期させて面状描画マスクのマスク画像を連続的(動画的)に変化させるに当たっては、形成しようとする断面形状パターンの内容および面状描画マスクの連続移動速度などに対応させて、面状描画マスクによって形成されるべきマスク画像に関する情報を予めコンピューターなどに記憶させておき、その情報に基づいて面状描画マスクのマスク画像を連続的に変化させるようにするとよい。
本発明で用いる面状描画マスクとしては、微小ドットエリアでの遮光および透光が可能な複数の微小光シャッターを面状に配置した面状描画マスクを用いることが好ましい。そのような面状描画マスクの具体例としては、液晶シャッターまたはデジタルマイクロミラーシャッターを挙げることができる。本発明における面状描画マスクとして好ましく用いられる液晶シャッターやデジタルマイクロミラーシャッターは、連続的(動画的)な画像形成が可能な手段として、他の分野(例えばテレビジョン、パソコン、プロジェクター、カーナビ、携帯電話など)において既に用いられている。
これらの面状描画マスクは、微小ドットエリアでの遮光および透光が可能な複数の微小光シャッターを面状(X−Y方向)に並列配置した正方形状または長方形状の面状描画マスクであることが好ましい。面状描画マスクに配置する微小光シャッター(画素子)の数は特に制限されず、従来から知られているものなどを使用することができる。液晶シャッター(液晶表示素子)としては、例えば、QVGA(画素数=320ドット×240ドット)、VGA(画素数=640×480ドット)、SVGA(画素数=800×600ドット)、UXGA(画素数=1024×768ドット)、QSXGA(画素数=2560×2648ドット)などを用いることができ、これらの液晶シャッターは従来から広く販売されている。
また、デジタルマイクロミラーシャッターとしては、例えば、テキサスインスツルメンツ社製の「DLPテクノロジー」(登録商標)のDMD(登録商標)デバイスなどを使用することができる。
本発明で好ましく用いられる上記した液晶シャッターおよびデジタルマイクロミラーシャッターよりなる面状描画マスクは、面状描画マスクの連続移動時に、形成しようとする断面形状パターンに対応させて前記複数の微小光シャッターにより遮光および/または透光を行うことによって、マスク画像を、例えばテレビジョンや映画などの動画のように連続的に変えることができる。そのため、連続的に移動しながら連続的に変わるそのようなマスク画像(動画的マスク画像)に対応した光が、その照射位置を連続的に移動させながら光硬化性樹脂組成物の表面に連続的に照射され、光照射された部分の光硬化性樹脂組成物の表面が連続的に硬化して、所定の1層分の断面形状パターンが形成される。
前記で例示した液晶シャッターを用いて、光硬化性樹脂組成物の表面での1画素ピッチ(隣り合う画素間の距離)が0.1mm(光造形に必要とされる造形精度)になるようにして、液晶シャッターを停止させた状態で光照射を行う従来技術による場合には、その露光面サイズはQVGAで32mm×24mm、VGAで64mm×48mm、SVGAで80mm×60mm、UXGAで102.4mm×76.8mm、QSXGAで256mm×264.8mmであり、露光面(断面形状パターン)の一辺のサイズが300mmを超えるような大型の立体造形物の製造は困難であった。それに対して本発明による場合は、前記した従来市販の液晶シャッターなどを面状描画マスクとして用い、それを光硬化性樹脂組成物の表面に対して連続的に移動させると同時に液晶シャッターによるマスク画像を液晶シャッターの移動と同期させて連続的に動画状に変化させながら光照射を行うので、露光面(断面形状パターン)のサイズは制限されず、任意の大きさの光硬化した断面形状パターンを形成することができる。そのため、本発明による場合は、一辺のサイズが300mmを超えるような大型の立体造形物をも、高い造形精度で、しかも速い造形速度で、簡単に、生産性良く製造することができる。
光源は面状描画マスクの背部側に配置され、光源からの光は面状描画マスクを介して光硬化性樹脂組成物の表面に照射される。光源の種類は特に制限されず、光学的立体造形で使用され得る光源であればいずれでもよく、例えば、キセノンランプ、メタルハライドランプ、水銀灯、蛍光灯、ハロゲンランプ、白熱ランプ、Arレーザー、He−Cdレーザー、LDレーザー(半導体励起固体レーザー)、LEDなどを挙げることができる。特に、本発明による場合は、光学的立体造形法で従来用いられてきたレーザー光装置のような高価な光源を使用せずに、キセノンランプ、メタルハライドランプ、水銀灯、蛍光灯、ハロゲンランプ、白熱ランプなどのような安価な汎用の光源を使用することができ、そのために、光学的立体造形装置を安価で使用し易いものとすることができる。
光源の形状、大きさ、数も特に制限されず、面状描画マスクの形状や寸法、形成しようとする光硬化断面形状パターンの形状やサイズなどに応じて適宜選択することができ、光源は、例えば、点状、球状、棒状、面状であってもよいし、また点状や球状の光源を面状描画マスクの背部側に直接状に一列または複数列で配置してもよい。
また、光源は、面状描画マスクの背部側に面状描画マスクと共に連続移動可能に設けてもよいし、または造形精度の向上、造形速度の向上、装置の軽量化、保守性の向上などの目的で、光源を固定位置に動かないように設ける共に光源からの光を光ファイバー、ライトガイドやその他の光伝達手段を通して面状描画マスクの背部に導き、光ファイバーやライトガイドやその他の光伝達手段を面状描画マスクと共に連続移動可能に設けてもよい。
また、造形速度の向上のために複数の光源を用いて集光し光エネルギーを高くさせる方式を採ってもよい。特に光ファイバーやライトガイドなどを使用する場合は複数光源を集光させ易いというメリットがある。
本発明では、造形精度の向上、造形速度の向上、装置の軽量化、保守性の向上、装置コストのダウンなどの目的で、面状描画マスクの背部側に配置する光源の種類、形状、数、面状描画マスクの形状やサイズなどに応じて、光源からの光を面状描画マスクに良好に導くための手段(例えば集光レンズ、フレネルレンズなど)、また面状描画マスクによって形成されたマスク画像(面状描画マスクを通った光画像)を光硬化性樹脂組成物の表面の所定位置に高造形精度で照射させるための手段(例えば投影レンズ、プロジェクタレンズなど)を配置することが好ましい。それらの手段は、面状描画マスクの連続的な移動と同期して連続移動するようにしておくことが好ましい。
本発明で用いる光硬化性樹脂組成物の種類は特に制限されず、光造形に用い得る液状、ペースト、粉末状、薄膜状などの光硬化性樹脂組成物のいずれもが使用できる。
本発明では、光硬化性樹脂組成物として、光造形において従来から用いられている、例えば、ウレタンアクリレートオリゴマー、エポキシアクリレートオリゴマー、エステルアクリレートオリゴマー、多官能エポキシ樹脂などの各種オリゴマー;イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルメタクリレート、ジシクロペンテニロキシエチルアクリレート、ジシクロペンテニロキシエチルメタクリレート、ジシクロペタニルアクリレート、ジシクロペタニルメタクリレート、ボルニルアクリレート、ボルニルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、モルホリンアクリルアミド、モルホリンメタクリルアミド、アクリルアミドなどのアクリル系化合物やN−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、酢酸ビニル、スチレンなどの各種の単官能性ビニル化合物;トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジシクロペンタニルジアクリレート、ポリエステルジアクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレートなど多官能性ビニル化合物;水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペートなどの各種エポキシ系化合物などの1種または2種以上と、光重合開始剤および必要に応じて増感剤などを含有する光硬化性樹脂組成物を用いることができる。
また、本発明で用いる光硬化性樹脂組成物は、上記した成分以外にも、必要に応じて、レベリング剤、リン酸エステル塩系界面活性剤以外の界面活性剤、有機高分子改質剤、有機可塑剤などを含有していてもよい。
本発明で用いる光硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、固体微粒子やウィスカーなどの充填材を含有していてもよい。充填材を含有する光硬化性樹脂組成物を用いると、硬化時の体積収縮の低減による寸法精度の向上、機械的物性や耐熱性の向上などを図ることができる。
充填材として用いる固体微粒子としては、例えば、カーボンブラック微粒子などの無機微粒子、ポリスチレン微粒子、ポリエチレン微粒子、ポリプロピレン微粒子、アクリル樹脂微粒子、合成ゴム微粒子などの有機重合体微粒子などを挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができる。固体微粒子の粒径は特に制限されないが、一般的には平均粒径が200μm以下、特に100μm以下のものが好ましく用いられる。
また、ウィスカーとしては、径が0.3〜1μm、特に0.3〜0.7μm、長さが10〜70μm、特に20〜50μmおよびアスペクト比が10〜100、特に20〜70のものが好ましく用いられる。なお、ここで言うウイスカーの寸法およびアスペクト比は、レーザー回析/散乱式粒度分布測定装置を用いて測定した寸法およびアスペクト比である。ウイスカーの種類は特に制限されず、例えば、ホウ酸アルミニウム系ウイスカー、酸化アルミニウム系ウイスカー、窒化アルミニウム系ウイスカー、酸化硫酸マグネシウム系ウイスカー、酸化チタン系ウイスカーなどを挙げることができ、前記したウイスカーの1種または2種以上を用いることができる。
固体微粒子および/またはウィスカーを含有する光硬化性樹脂組成物を用いる場合は、固体微粒子を光硬化性樹脂組成物の全容量に基づいて5〜70容量%の割合で含有することが好ましく、またウィスカーの含有量を5〜30容量%とすることが好ましい。固体微粒子とウィスカーの両方を含有する場合は、両者の合計含有量が光硬化層の全容量に基づいて10〜75容量%であることが好ましい。
固体微粒子および/またはウィスカーは、シランカップリング剤で表面処理されていても表面処理されていなくてもよいが、表面処理されていることが好ましい。固体微粒子および/またはウイスカーがシランカップリング剤で表面処理されている場合には、熱変形温度、曲げ弾性率、機械的強度の一層高い光硬化物を得ることができる。その場合のシランカップリング剤としては、充填剤の表面処理などに従来から用いられているシランカップリング剤のいずれもが使用でき、好ましいシランカップリング剤としては、アミノシラン、エポキシシラン、ビニルシランおよび(メタ)アクリルシランを挙げることができる。
以下に図を参照して本発明について具体的に説明するが、本発明は図に示されたものに何ら限定されるものではない。
第5図〜第8図は、本発明の光学的立体造形法(光造形法)で用いる光学的立体造形装置(光造形装置)の要部の具体例をそれぞれ示したものである。また、第9図は、第5図〜第8図に示したような光造形装置を用いて本発明の方法にしたがって光造形を行う際の工程(操作手順)を示したものである。
第5図〜第9図において、1は光源、2は集光レンズ、3は面状描画マスクであって、そのうち3aは液晶シャッターを面状に配置した面状描画マスク(以下「液晶式面状描画マスク」ということがある)、3bはデジタルマイクロミラーシャッターを面状に配置した面状描画マスク(以下「DMD式面状描画マスク」ということがある)を示し、また4は投影レンズ、5は光硬化性樹脂組成物表面よりなる造形面(1層分の造形面)、5aは造形面の一方の端部、5bは造形面のもう一方の端部、6は前記造形面に形成される露光像(光硬化した樹脂層)、7は光ファイバーやライトガイドなどの光伝達手段、8はロッドレンズ、9は結像レンズ、10は反射鏡を示す。
第5図〜第9図に示すように、光源1からの光は、集光レンズ2を用いて、面状描画マスク3(3a、3bなど)にその全面をカバーするようにして照射される。
その際に、第5図に示すように、光源1からの光をロッドレンズ8、結像レンズ9を通してから反射鏡10で反射させて集光レンズ2に導くようにしてもよいし、第6図および第7図に示すように、光源1を集光レンズ2の背面側に直接配置して光源1からの光を集光レンズ2に直接導いてもよいし、または第8図に示すように、光源1を集光レンズ2とは離れた場所に配置しておいて、光源1からの光を光ファイバーやライトガイドなどの光伝達手段7を介して集光レンズ2に導くようにしてもよい。
光源1を集光レンズ2の背面側に配置する第5図〜第7図に示すような方式の場合には、光源1は、集光レンズ2、面状描画マスク3(3a,3bなど)、投影レンズ4、ロッドレンズ8、結像レンズ9、反射鏡10と共に光造形時にその走査方向に連続移動する。
また、第8図に示すように、光源1からの光を光ファイバーやライトガイドなどの光伝達手段7を介して集光レンズ2の背面に導くようにした場合は、光源1を所定の位置に固定配置し、光ファイバーやライトガイドなどの可撓性の光伝達手段7を集光レンズ2、面状描画マスク3(3a,3bなど)および投影レンズ4と共に光造形時にその走査方向に連続移動させるようにすることができる。
光源1の種類や形状は特に制限されず、例えば、第5図〜第9図示すような、光放出部が丸形の光源であってもよいし、または図示されていない他の形状の光源であってもよい。光源1は、第5図および第7図に示すように、横向きに配置することが好ましい。
光造形操作時に、面状描画マスク3(3a,3bなど)には、形成しようとする光硬化した樹脂層の断面形状パターンに対応させて面状描画マスクの移動と同期して連続的に変化する所定のマスク画像が動画的に形成される。そのため、集光レンズ2を経て面状描画マスク3(3a,3bなど)の全面に照射された光は、面状描画マスク3(3a,3bなど)によって連続的に且つ刻々変化しつつ形成されている所定のマスク画像を介して通過または遮蔽され(反射され;DMD式面状描画マスクの場合)、マスク(遮蔽)されていない部分の光のみが投影レンズ4を経て光硬化性樹脂組成物よりなる造形面5に照射され、該造形面5に所定の形状パターンの露光像(光硬化部)6を形成する。
面状描画マスク3(3a,3bなど)の形状は特に制限されず、製造しようとする光造形物の形状や寸法(特に断面形状やその寸法)などに応じて適当な形状のものを採用することができる。面状描画マスク3(3a,3bなど)は、例えば、第5図〜第9図に示すような正方形またはほぼ正方形の形状であってもよいしまたはその他の形状であってもよい。
さらに、面状描画マスク3(3a,3bなど)の寸法も、製造しようとする光造形物の形状や寸法(特に断面形状やその寸法)などに応じて適当な寸法のものを採用することができる。例えば、第5図〜第9図に示すように、形成しようとする所定の光硬化した断面形状パターンの全幅(造形面の全幅)よりもその幅寸法が小さい面状描画マスク3(3a,3bなど)を使用して、該面状描画マスク3よりも大きな寸法を有する所定の光硬化した断面形状パターンを製造することができる。
面状描画マスク3として、液晶式面状描画マスク3aを用いた場合は、形成しようとする所定の断面形状と液晶面状描画マスク3aの連続移動に対応させてコンピューターなどに予め記憶させた情報に応じて、液晶面状描画マスク3aに配置された複数の微小な液晶シャッターのうち、光を通過させるべき箇所に位置する液晶シャッターは光を通過させるように開き、一方光を遮蔽させるべき箇所に位置する液晶シャッターは閉じて光の通過を阻止し、そのような操作を、所定の断面形状を有する光硬化した樹脂層が形成されるまで連続的(動画的)に繰り返すように設計されている。
また、面状描画マスク3として、DMD式面状描画マスク3bを用いた場合は、形成しようとする所定の断面形状とDMD式面状描画マスク3bの連続移動に対応させてコンピューターなどに予め記憶させた情報に応じて、面状に配置された複数の微小なミラーシャッターのうち特定のミラーシャッターは光が投影レンズ4および透光面5の方向に反射される(導かれる)方向に向き、一方光を遮蔽させるべき箇所に位置するミラーシャッターは光が投影レンズ4および造形面5の方向に反射されない(導かれない)方向に向き、そのような操作を、所定の断面形状を有する光硬化した樹脂層が形成されるまで連続的(動画的)に繰り返すように設計されている。
上記した液晶式面状描画マスク3aまたはDMD式面状描画マスク3bを用いて光造形を行う際に、描画領域間の境界部分(重なり部分)に相当するマスクエリアでは他のマスクエリアに比べて造形面への光の透過または反射が低減した状態となるマスク画像を面状描画マスクに発現させるようにコンピューターなどによってプログラミングしておくことによって、描画領域間の境界部分への光照射強度を他の部分への光照射強度と同じかまたは近似させて、描画領域間の境界部分(重なり部分)が過度に光硬化することが防止される。あるいは、描画領域間の境界部分に相当するマスクエリアで曲線状のマスク画像が形成されるようにコンピューターなどによってプログラミングしておくことによって、境界部分が曲線状に形成される。いずれの場合も、最終的に得られる立体造形物において、境界部分に相当する箇所に線、筋、突条が発現するのを防止または抑制することができ、外観および寸法精度に優れ、しかも強度ムラのない立体造形物を得ることができる。
第5図〜第9図に示した光造形装置では、光源1または光伝達手段7、ロッドレンズ8、結像レンズ9、反射鏡10、集光レンズ2、面状描画マスク3aまたは3b、投影レンズ4は、光硬化性樹脂組成物の表面に光を照射して光硬化した樹脂層を形成させる光造形操作時に、移動手段(図示せず)によって、一体をなして造形面5(光硬化性樹脂組成物の表面)に対して連続的に移動する(第5図〜第9図では矢印の方向に連続移動する)ように設計されている。
そして、面状描画マスク3(3a,3bなど)におけるマスク画像(マスクパターン)が、上記したように、予めコンピューターなどに記憶されているマスク画像に関する情報に基づいて、例えば、第9図に例示するように、形成しようとする光硬化した樹脂層の所定の断面形状パターンに対応して、面状描画マスク3(3a,3bなど)の連続移動と同期して、動画的に連続的に変化しながら、造形面5(光硬化性樹脂組成物の表面)に光照射が行われて、所定の断面形状を有する光硬化した樹脂層(露光像6)が連続的に形成される。
第9図は、形成しようとする所定の光硬化した断面形状パターン(露光像6)の全幅(または造形面5の全幅)よりも幅寸法の小さい面状描画マスク3(第9図の場合は造形面5の幅の約半分の幅を有する面状描画マスク3)を用いて、本発明の光造形を行う場合の一連の操作を例示したものである。
まず、光造形の開始時に、第9図の(1)に示すように、面状描画マスク3および投影レンズ4を経た光の移動先端が造形面5の端部5aにくるように位置させ、次いで第9図の(2)〜(5)に示すように、光源1(または光伝達手段7)、集光レンズ2、面状描画マスク3および投影レンズ4を造形面5のもう一方の端部5aの方向へと、造形面5に対して平行状態で連続移動させる。その際に、面状描画マスク3によるマスク画像は、形成しようとする所定の断面形状パターンに対応して動画的に連続的に変化しながら、該マスク画像に対応した光が造形面5に照射されて露光像6が形成される。前記の光造形操作が、第9図の(5)の段階まで進行したときに、形成しようとする所定の断面形状パターンのうちの半幅分の露光像6が形成されるので、その段階で、光源1(または光伝達手段7)、集光レンズ2、面状描画マスク3および投影レンズ4を造形面5の残りの半幅分の位置に移動し[第9図の(6)]、その位置から第9図の(6)〜(10)に示すように、造形面5の端部5bから造形面5の端部5a側へと、前記と同様の光造形操作を繰り返す。それによって、形成しようとする所定の断面形状パターンを有する1層分の光硬化した樹脂層(露光像6)が形成される。
第9図に示した光造形方法による場合には、そこで得られる立体造形物は、第10図に示す横断面形状を有し、第9図における(1)〜(5)の一連の面状描画マスク3の連続移動−光照射によって形成される、向かって右半分の光硬化した造形パターン部分と、第9図における(6)〜(10)の一連の面状描画マスク3の連続移動−光照射によって形成される、向かって左半分の光硬化した造形パターン部分との境界部に、第10図に示すように、境界部分(重なり部分)gが形成される。そのため、境界部分(重なり部分)gでの光照射強度の合計を、境界部分(重なり部分)以外の部分における光照射強度と同じにするか[前記した(i)の方法]、境界部分gの形状を曲線状にするか[上記(ii)の方法]、および/または境界部分(重なり部分)gの位置を上下に積層した光硬化した樹脂層間で互いにずらせる[上記(iii)の方法]ことによって、最終的に得られる立体造形物において、重なり部分eに相当する箇所線、筋、突条などが発現することが防止または低減されて、外観、寸法精度に優れ、しかも強度ムラや硬化ムラのない立体造形物を得ることができる。
第9図に例示した一連の光造形操作を行うに当たっては、1層分の光硬化した樹脂層(露光像6)の形成時(連続造形操作時)には、光源1(または光伝達手段7)、集光レンズ2、面状描画マスク3および投影レンズ4の連続移動時の速度を等速とし且つ面状描画マスク3および投影レンズ4を経て造形面5に到達する光の強度が、境界部分(重なり部分)以外の部分で光造形操作中に変化しないようにすることが好ましい。
面状描画マスク3のマスク画像を、形成しようとする光硬化した樹脂層(露光像6)の断面形状パターンに対応させて面状描画マスク3の連続移動と同期させて動画的に連続的に変えながら光造形を行う本発明の光造形方法による場合は、例えば第9図にみるように、所定の断面形状パターン(露光像6)よりも小さな面状描画マスク3を使用して、面状描画マスク3から投影される光硬化性樹脂組成物表面での隣接する微小ドットエリア間の距離を小さく保ちながら、小型から大型に至る各種のサイズの光造形物を簡単に且つ高い造形精度で円滑に製造することができる。その上、光照射によって形成される露光像6(光硬化した樹脂層)の各部(例えば第9図の6aで例示する)は、単に1回の光照射のみによって硬化されるのではなく、投影レンズ4を経て造形面5に照射される連続的に変化する動画的な所定パターンの光が、該各部(例えば6a部分)を完全に通過し終えるまでの間中、連続的に照射されて光硬化した樹脂層が形成される。そのため、本発明による場合は、光造形時の照射光の移動速度を速くしても十分な光硬化を行うことができ、目的とする光造形物を短時間で生産性良く製造することができる。しかも、本発明による場合は、形成される露光像6(所定の断面形状パターンを有する光硬化した樹脂)の各部における光照射量が前記した連続的な光照射によって均一化されるので、面状描画マスク3を停止した状態で光を照射する上記した従来技術におけるような隣接する照射部間の不連続性や光照射の不均一が生じず、断面形状パターン全体に均一なムラのない光照射が行われて、光造形物の寸法精度および造形精度が向上し、さらに強度ムラがなくなり、外観により優れたものとなる。
さらに、本発明による場合は、投影描画面を縮小して光造形を行うことができ、それによって描画分解能を上昇させることができる。また、投影描画面を縮小することで、描画部での単位面積当たりの光強度が上昇し、照射部での照射時間を短縮できる効果がある。例えば、硬化感度が5mJの光硬化性樹脂組成物を使用し、この光硬化性樹脂組成物を停止した(固定した)面状描画マスクを用いて250mm×250mmのサイズに一括照射していた画像1mW/cm2があるとすると、この時の必要光照射時間は5secである。この画像(光照射面積)を1/4サイズ(125mm×125mm)に縮小して本発明の方法(面状描画マスクを連続移動させると共にマスク画像を該連続移動に同期させて動画的に連続的に変化させながら光硬化を行う方法)によって最終的に前記250mm×250mmと同じエリアサイズの露光層を形成する場合は、面状描画マスクを停止した状態(固定状態)で一括照射する場合と比較して、その描画分解能は4倍になる。また、単位面積当たりの光強度も一括照射時の4倍の4mW/cm2になる。このとき、250mm×250mmのエリアを連続的に移動して露光するのに要する時間は、一括露光時と同じ5秒となる。つまり、本発明の方法を縮小光学系を用いて実施することにより、停止した面状描画マスクを用いて一括露光する場合と同じ造形時間でありながら、造形精度を格段に向上させることができる。
《実施例1》
光源1として120W超高圧水銀ランプを備え、面状描画マスク3としてカシオ社製のTFT方式VGA(640×480画素)の液晶を備える第5図に示す光造形装置を使用し、光硬化性樹脂組成物としてシーメット株式会社製「CPX−1000」(硬化感度2.5mJ)を用いて、造形面5(光硬化性樹脂組成物表面)への投影サイズ=28.8mm(装置の進行方向)×38.4mm(進行方向と直角の方向)(方形)、造形面5での光エネルギー強度2.5mW/cm2の条件下に、第9図に示したのと同様の工程で、光源1、ロッドレンズ8、結像レンズ9、反射鏡10、集光レンズ2、面状描画マスク3、投影レンズ4を一体にして28.8mm/secの速度で造形面5に対して平行に進行方向に連続移動させ、その際に液晶よりなる面状描画マスク3のマスク画像を形成しようとする断面形状パターンに応じて動画的に連続的に変えながら光照射を行って、第10図の断面形状パターンを有する立体造形物(縦×横×厚さ=70mm×70mm×15mm)を製造した。この光造形操作において、光硬化層各部での照射時間は7sec、境界部分(重なり部分)g以外の部分での光照射量は2.5mJであった。また、この光造形操作において、第10図の向かって右側の描画領域と向かって左側の描画領域との間の境界部分(重なり部分)gの幅は6.8mmであり、境界部分(重なり部分)gでの各々の連続移動−照射工程での液晶の表示に階調を付けることにより光照射量は1.25mJであり、最終的に形成される光硬化した断面形状パターンにおける境界部分(重なり部分)gでの合計の光照射は、他の部分と同じように、2.5mJであった。これによって、境界部分(重なり部分)gに相当する箇所に線、筋、突条が発現していない、外観および寸法精度に優れ、しかも硬化ムラのない、強度に優れる光造形物を、速い造形速度で円滑に製造することができた。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
本出願は、2003年9月11日出願の日本特許出願(特願2003−319572)基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
本発明の光学的立体造形方法および装置は、表面に望ましくない線、筋、突条などの発現のない、外観および寸法精度に優れ、しかも強度ムラや硬化ムラのない高品質の立体造形物を、高い造形精度および速い造形速度で、生産性良く製造するのに有効に使用することができる。
そして、本発明の光学的立体造形方法および装置は、小型から大型に至る各種の立体造形物の製造に有効に使用することができる。
本発明の方法および装置による場合は、精密部品、電気・電子部品、家具、建築構造物、自動車用部品、各種容器類、鋳物、金型、母型などのためのモデルや加工用モデル、複雑な熱媒回路の設計用の部品、複雑な構造の熱媒挙動の解析企画用の部品、その他の複雑な形状や構造を有する各種の立体造形物を、高い造形速度および寸法精度で円滑に製造することができる。

Claims (7)

  1. 光硬化性樹脂組成物の表面に面状描画マスクを介して制御下に光を照射して所定の断面形状パターンを有する光硬化した樹脂層を形成した後、該光硬化した樹脂層の上に1層分の光硬化性樹脂組成物を施し、該光硬化性樹脂組成物の表面に面状描画マスクを介して制御下に光を照射して所定の断面形状パターンを有する光硬化した樹脂層を更に形成する光造形工程を所定の立体造形物が形成されるまで順次繰り返すことによって立体造形物を製造する方法であって;
    面状描画マスクとしてマスク画像を連続的に変化させ得る面状描画マスクを使用し;
    光造形工程の少なくとも一部で、面状描画マスクを光硬化性樹脂組成物の表面に対して連続的に移動させると共に、面状描画マスクのマスク画像を、形成しようとする光硬化した樹脂層の断面形状パターンに対応させて面状描画マスクの移動と同期させて連続的に変えながら光硬化性樹脂組成物の表面に面状描画マスクを介して光を照射して所定の断面形状パターンを有する光硬化した樹脂層を形成する造形操作を行い;且つ、
    光硬化した樹脂層における隣接する描画領域間の境界部分が、最終的に得られる立体造形物において目立たないようにするために、下記の(i)〜(iii)の操作;
    (i)光硬化した樹脂層における隣接する描画領域間の境界部分での光照射強度の合計を、境界部分以外の部分における光照射強度と同じにする;
    (ii)光硬化した樹脂層における隣接する描画領域間の境界形状を、曲線形状にする;および
    (iii)光硬化した樹脂層における隣接する描画領域間の境界部分の位置を、上下に積層した光硬化した樹脂層間で互いにずらせる;
    のうちの少なくとも1つを行なう;
    ことを特徴とする光学的立体造形方法。
  2. 面状描画マスクとして、微小ドットエリアでの遮光および透光が可能な複数の微小光シャッターを面状に配置した面状描画マスクを用い、面状描画マスクの連続移動時に、形成しようとする断面形状パターンに対応させて前記複数の微小光シャッターによりマスク画像を連続的に変えながら光硬化性樹脂組成物の表面への光照射を行う請求項1に記載の光学的立体造形法方法。
  3. 面状描画マスクが、液晶シャッターまたはデジタルマイクロミラーシャッターを面状に配置した面状描画マスクである請求項1または2に記載の光学的立体造形方法。
  4. 載置台上または光硬化した樹脂層上に、1層分の光硬化性樹脂組成物を順次供給するための光硬化性樹脂組成物の供給手段;
    光源;
    マスク画像を連続的に変えることのできる面状描画マスク;
    面状描画マスクを光硬化性樹脂組成物の表面に対して連続的に移動させるための移動手段;
    面状描画マスクのマスク画像を、面状描画マスクの移動と同期させて連続的に変化させるための手段;並びに
    光硬化した樹脂層における隣接する描画領域間の境界部分が、最終的に得られる立体造形物において目立たないようにするための、下記の(i)〜(iii)の手段;
    (i)光硬化した樹脂層における隣接する描画領域間の境界部分での光照射強度の合計を境界部分以外の部分における光照射強度と同じにする手段;
    (ii)光硬化した樹脂層における隣接する描画領域間の境界形状を、曲線形状にする手段;および、
    (iii)光硬化した樹脂層における隣接する描画領域間の境界部分の位置を、上下に積層した光硬化した樹脂層間で、上下で互いにずらせる手段;
    のうちの少なくとも1つ;
    を備えていることを特徴とする光学的立体造形装置。
  5. 面状描画マスクが、微小ドットエリアでの遮光および透光が可能な複数の微小光シャッターを面状に配置した面状描画マスクである請求項に記載の光学的立体造形装置。
  6. 面状描画マスクが液晶シャッターまたはデジタルマイクロミラーシャッターを面状に配置した面状描画マスクである請求項4または5に記載の光学的立体造形装置。
  7. 光源と面状描画マスクとの間に面状描画マスクと同期させて連続的に移動させることのできる光集レンズを有し、面状描画マスクと光硬化性樹脂組成物の表面との間に面状描画マスクと同期させて連続的に移動させることのできる投影レンズを有する請求項4〜6のいずれか1項に記載の光学的立体造形装置。
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