JP4669843B2 - 光造形装置及び光造形方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光硬化性樹脂組成物に光を照射して光硬化させて、光学的に立体造形物を製造する光造形装置及び光造形方法に関する。
近年、三次元CADに入力されたデータに基づいて光硬化性樹脂を硬化させて立体造形物を製造する光造形装置が実用化されている。このような光造形技術は、設計の途中で外観デザインを検証するためのモデル、部品の機能性をチェックするためのモデル、鋳型を製作するための樹脂型、金型を製作するためのベースモデルなどのような複雑な三次元物体を容易に造形できることから注目を集めている。
光学造形装置によって造形物を製造するに当たっては、造形浴槽を用いる方法が汎用されており、その手順としては、造形浴槽に液状の光硬化性樹脂組成物を入れ、液面に所望のパターンが得られるようにコンピュータで制御されたスポット状のレーザー光(例えば、紫外線レーザー光)を選択的に照射して所定の厚みに光硬化させて光硬化層を形成し、その光硬化層を造形浴槽内で下方に移動させて造形浴槽内の光硬化性樹脂液を該光硬化層上に流動させて光硬化性樹脂液の層を形成し、その光硬化性樹脂液層にスポット状の紫外線レーザー光を照射して光硬化層を積層形成するといった工程を所定の形状および寸法の立体造形物が得られるまで繰り返して行うものである。
スポット状の紫外線レーザー光を用いる上記した従来法による場合は、1個のスポット状レーザー光を光硬化性樹脂組成物の表面に照射しながら移動させて面状の光硬化したパターンを形成する、いわゆる点描方式であるため、造形に長い時間を要し、生産性が低いという問題がある。しかも、光源として用いられる紫外線レーザー装置等のレーザー装置は極めて高価であるため、この種の光造形装置を高価格なものにしている。
そこで、従来においては、光を選択的に透過または遮光する液晶シャッター(液晶マスク)を光硬化性樹脂の液面に対して平行に走向し得るように配置すると共に、液晶シャッターの走向範囲を複数に分割し、液晶シャッターをその分割された走向範囲の各々を順次走向させて各走向範囲の露光を行い、1層分の所定の断面形状パターンを有する光硬化層を形成する光造形装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
レーザー光を用いて立体造形物を製造する場合、各光硬化層の光硬化深さ(厚み)は、所定領域へ照射すべきレーザー光の強度(I)と照射時間(t)との積、すなわち、レーザー光の照射露光量(Ixt)を制御することで調整することができる。ここで、照射時間はレーザー光の走査速度に反比例する。具体的には、レーザ光の走査速度を一定とした場合、レーザー光の強度を変調することで照射領域の膜厚を制御するか、あるいは、レーザ光の強度を一定とした場合、レーザー光の走査速度を変えることで照射領域の膜厚を制御することになる。また、全走査領域に渡って走査中のレーザー光の露光量を一定にするためには、レーザー光の強度とレーザー光の走査速度とが所定関係を満たすようにレーザー装置を制御する必要がある(例えば、特許文献2参照)。これは、レーザー光による走査において、例えば、各走査線の走査開始位置では、レーザー光の走査速度はゼロ(すなわち露光量は最大)であるが、走行方向への走査に伴って徐々に加速され(すなわち露光量が低下し)、一定の速度(走査速度)に達した時点で露光量が一定となり(走査露光量)、さらに、各走査線の走査終了位置付近では、レーザー光は徐々に減速され(すなわち露光量が増加)、走査終了位置にて露光量が最大となる。したがって、各走査線に沿ったレーザー光の走査においては、各走査線に対応する走査領域では、走査開始位置および走査終了位置では露光量が最大となり、これらの領域から走査速度が一定(露光量が一定)となる走査速度一定領域までは、徐々に露光量が低下することになる。すなわち、レーザー光の強度を一定とした場合、レーザー光の走査速度を一定に設定したとしても、各走査領域での露光量が不均一となり、一定の膜厚が得られないということになる。したがって、走査開始(終了)位置から走査速度一定領域までの領域(以下、走査速度変動領域と称する)において、レーザー光強度を走査速度の変動に合わせて可変にすることで、全露光領域に渡って露光量を一定にすることができる。具体的には、走査速度変動領域期間において、レーザー発生装置にデジタル的あるいはアナログ的に変調を加えて、この領域での露光量が走査速度一定領域での露光量と同一となるようにしている。
特開平8−112863号公報 特開平6−61847号公報
上述したように、レーザー光を用いた光硬化層の膜厚制御を行うためには、走査速度に対応したレーザー光の強度制御を行うための制御回路等が必要となり、光造形装置をさらに高価格なものにしていた。また、レーザー光の走査速度を制御することで膜厚制御を行う場合、レーザー光による走査速度は極めて速いために走査速度制御自体が複雑となり、正確な制御を行うこと自体が困難であった。一方、特許文献1に開示される露光機構を有する光造形装置においては、光硬化層の膜厚制御に関してはなんら開示されておらず、例えば、複数の異なる光感度を有する光硬化樹脂等を用いて光造形を行う場合の露光量の制御や、あるいは、ある光硬化層において、膜厚(光硬化深さ)が異なる複数の部位を形成する場合等の露光量の制御に関してなんら対処することができないという問題があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、各光硬化層中において形成されえる光硬化物の厚さ(光硬化深さ)を自由に調整することが可能な、高品位な立体造形物を製造することのできる光造形装置及び光造形方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、所定パターンを有するマスクを介して、光照射装置からの光を光硬化性樹脂層の表面に照射して露光像を形成し、当該露光像が照射された光照射領域中の光硬化性樹脂層を光硬化させる工程を1層分の光硬化層が形成するまで繰り返し、さらに、当該光硬化層の表面に新たな未硬化樹脂層を形成すると共に、当該未硬化樹脂層に前記マスクを介して光を照射して光硬化層を形成する工程を繰り返して立体造形物を形成する光造形装置において、
前記光硬化性樹脂層表面上に形成される前記露光像を、当該光硬化性樹脂層の表面に沿って移動させる露光像移動手段と、
前記露光像の移動に同期して、当該マスク上のマスクパターンを変化させるマスクパターン可変手段と、
前記露光像移動手段による前記露光像の移動に際して、前記光照射領域へ照射される前記露光像の露光量を可変にすることで、当該光照射領域中で光硬化する光硬化層の膜厚を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする
上記光造形装置において、前記露光像移動手段は前記光照射装置を移動させる移動手段からなり、前記マスクパターン可変手段は、前記移動手段による前記光照射装置の移動に同期して、当該マスク上の前記マスクパターンを変化させ、さらに、前記制御手段は、前記移動手段による前記光照射装置の移動速度を制御して前記露光像の露光量を可変にし、当該光照射領域中で光硬化する光硬化層の膜厚を制御することを特徴とする。
上記光造形装置において、前記制御手段は、少なくとも前記光照射領域に照射される光の光量、光硬化層を形成する光硬化性樹脂の光硬化に対する感度、並びに前記移動方向への前記光照射領域の長さに基づいて前記移動速度を算出し、前記移動手段を介して前記光照射装置を当該算出移動速度で移動させることを特徴とする。
上記光造形装置において、前記移動手段は前記光照射装置を少なくとも直交する二つの方向へ移動させることを特徴とする。
上記光造形装置において、前記光照射領域の形状は、長辺の長さがL,短辺の長さがSの矩形状であって、当該矩形状の光照射領域の長手方向と短手方向を、各々前記光照射装置の前記二つの移動方向に平行とした場合、当該長手方向への前記光照射装置の移動速度をVL,当該短手方向への前記光照射装置の移動速度をVSとしたとき、以下の関係式
VL/VS = L/S
が成立するように各移動速度VL,VSが決定されることを特徴とする。
上記光造形装置において、前記光照射領域の形状は、長辺の長さがL,短辺の長さがSの矩形状であって、当該矩形状の光照射領域の長手方向と短手方向が、各々前記光照射装置の前記二つの移動方向に平行である場合、当該長手方向への前記光照射装置の移動速度をVL,当該短手方向への前記光照射装置の移動速度をVSとし、前記光照射領域へ照射される光の光量をE(mJ/cm2)、前記光硬化性樹脂を厚さt(mm)硬化するために必要な光の光量をEt(mJ/cm2)としたとき、当該膜厚tを得るための前記光照射装置の長手方向及び短手方向の移動速度VLおよびVSは、各々、L・E/Et(mm/sec)及びS・E/Et(mm/sec)で表されることを特徴とする。
上記光造形装置において、前記光照射領域へ照射される光の光量Eを測定する光センサーと、前記光硬化性樹脂の光硬化層の厚さtと、光硬化性樹脂を厚さtだけ光硬化するに必要な光量Etとの関係を示した膜厚・光量データを予め記憶した記憶手段とをさらに備え、前記制御手段は、前記光センサーからの光量Eの測定値と、前記記憶手段に記憶された前記膜厚・光量データとから、所望とする膜厚を得るための前記光照射装置の移動速度を求めることを特徴とする。
上記光造形装置において、前記マスクは、微小ドットエリアでの遮光及び透光が可能な複数の微小光シャッターが面状に配置され、これらの微小光シャッターによりマスク画像を形成する面状マスクであり、前記未硬化樹脂層の表面に対する連続移動と同期して、形成すべきパターンに応じて前記マスク画像を連続的に変化させることを特徴とする。
上記光造形装置において、前記マスクパターン可変手段は、前記光照射装置の移動速度に同期して、当該マスクパターンの変化速度を制御することを特徴とする。
上記光造形装置において、前記マスクパターン可変手段は、前記マスク上の前記マスクパターンの光透過率を変化させることで、当該マスクパターン可変手段を介して光照射面中に照射される前記露光像の露光量を可変にする露光量可変手段を備えていることを特徴とする。
上記光造形装置において、光透過率が同じか又は異なる複数個のフィルターをさらに備え、前記光照射装置から前記マスクパターン可変手段へ照射される光、もしくは、前記マスクパターン可変手段から前記光照射領域へ照射される光を前記複数個のフィルターの少なくとも一つに通過させることで、前記光照射領域に照射される当該光の強度を可変にして、当該光照射領域中で光硬化する光硬化層の膜厚を制御することを特徴とする。
上記光造形装置において、前記マスクパターン可変手段は、液晶を用いた透過型面状描画装置からなることを特徴とする。
上記造形装置において、前記マスクパターン可変手段は、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)を用いた反射型面状描画装置からなることを特徴とする。
所定パターンを有するマスクを介して、光照射装置からの光を光硬化性樹脂層の表面に照射して露光像を形成し、当該露光像が照射された光照射領域中の光硬化性樹脂層を光硬化させる工程を1層分の光硬化層が形成するまで繰り返し、さらに、当該光硬化層の表面に新たな未硬化樹脂層を形成すると共に、当該未硬化樹脂層に前記マスクを介して光を照射して光硬化層を形成する工程をさらに繰り返して立体造形物を形成する光造形方法において、
前記光硬化性樹脂層表面上に形成される前記露光像を、当該光硬化性樹脂層表面に沿って移動する露光像移動ステップと、
前記露光像の移動に同期して、当該マスク上の前記マスクパターンを変化させるマスクパターン可変ステップと、
前記露光像移動手段による前記露光像の移動に際して、前記光照射領域へ照射される前記露光像の露光量を可変にすることで、当該光照射領域中で光硬化する光硬化層の膜厚を制御する制御ステップとを備えたことを特徴とする。
上記光造形方法において、前記露光像移動ステップは、前記光照射装置を少なくとも二つの方向へ移動する移動ステップを備え、前記マスクパターン変化ステップは、前記光照射装置の移動に同期して、当該マスク上の前記マスクパターンを変化させ、さらに、前記制御ステップは、前記移動ステップによる当該光照射装置の移動速度を制御することで、当該光照射領域中で光硬化する光硬化層の膜厚を制御することを特徴とする。
上記光造形方法において、前記制御ステップは、少なくとも前記光照射領域に照射される光の光量、光硬化層を形成する光硬化性樹脂の光硬化に対する感度、並びに前記移動方向への前記光照射領域の長さに基づいて前記移動速度を算出するステップを備えており、前記移動ステップにおいて、当該光照射装置を当該算出移動速度で移動させることを特徴とする。
上記光造形方法において、前記マスクパターン可変ステップは、前記マスク上の前記マスクパターンの光透過率を変化させることで、光照射面中に照射される前記露光像の露光量を可変にする露光量可変ステップを備えていることを特徴とする。
上記光造形方法において、光透過率が同じか又は異なる複数個のフィルターを配置し、前記光照射装置から光照射面上に照射される光を前記複数個のフィルターの少なくとも一つに通過させることで、前記光照射領域に照射される当該光の強度を可変にして、当該光照射領域中で光硬化する光硬化層の膜厚を制御するステップをさらに有することを特徴とする。
本発明によれば、所望の厚さ(深さ)の硬化物を各光硬化層全域にわたって得ることができるので、高品位で複雑な立体造形物を迅速に製造することが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について詳細に説明する。図1は本実施形態に係る光造形装置100の外観構成を示す図である。この図に示すように、光造形装置100は、大別して、液状の光硬化性樹脂組成物が満たされる造形浴槽10と、当該光硬化性樹脂組成物に対して上方から光を照射する光照射装置20とを備えている。上記造形浴槽10の内部には、造形テーブル11が昇降機構30により昇降可能に配置されている。
上記造形テーブル11は、立体造形物を製造する際に、図2に示すように、造形浴槽10に満たされた液状の光硬化性樹脂組成物の液面12から所定距離dだけ引き下げられて、当該造形テーブル11の面上に、立体造形物の1層分に相当する液状の光硬化性樹脂層、すなわち、未硬化の光硬化性樹脂層(以下、「造形面5」という)を形成する。そして、光照射装置20が造形面5に対して光を照射することで造形面5を光硬化させて、立体造形物の1層分に相当する光硬化層を形成する。その後、造形テーブル11を更に所定距離dだけ引き下げて、先に形成した光硬化層の上面に1層分の造形面5を形成し、上記同様に、光照射装置20が造形面5に対して光を照射することで、先に形成した光硬化層の上に新たに1層分の光硬化層を積層形成する。また、各光硬化層を形成する際には、光照射装置20が所定パターンの光を造形面5に照射することで各光硬化層が所定パターンに形成され、かかる光硬化層を積層形成することで目的の立体造形物が製造される。
上記光照射装置20の構成について詳述すると、図3に示すように、光照射装置20は、光源1と、集光レンズ2と、面状描画マスク3と、投影レンズ4とを備えている。光源1は、液状の光硬化性樹脂組成物に光を照射して光硬化層を形成するものであり、例えば超高圧水銀ランプや、メタルハライドランプ、或いは紫外線蛍光灯等の紫外線ランプが用いられる。この光源1の光放射端1aは全体的に球面を帯びた形状になされ、当該光放射端1aから出射された光は所定の拡散角を持って拡散し集光レンズ2に入射する。
集光レンズ2は、入射光を集光して投影レンズ4に対して照射するものであり、投影レンズ4は、液状の光硬化性樹脂組成物の液面に光を照射して、当該光硬化性樹脂組成物を光硬化させる。上記面状描画マスク3は、図3に示すように、集光レンズ2と投影レンズ4との間に、その全面に光が照射されるように介挿される。すなわち、集光レンズ2から放射された光うち、面状描画マスク3のマスク画像(マスクパターン)を通過した光が造形面5に照射され、その個所(いわゆる露光面)が光硬化することで、造形面5にマスク画像に応じたパターンの光硬化層(以下、「露光像」という)6が形成される。
面状描画マスク3について詳述すると、当該面状描画マスク3は、微小ドットエリアでの遮光及び透光が可能な複数の微小光シャッターが面状に配置され、これらの微小光シャッターによりマスク画像を形成する面状マスクであり、本実施の形態では、この面状描画マスク3に、液晶式の面状描画マスクを用いて面状描画マスク3のマスク画像を適宜変更(変化)することで、所望のパターンを有する露光像6を得ることとしている。かかる面状描画マスク3としては、例えばカシオ社製のTFT方式VGA(640×480画素)の液晶を用いることができる。
ここで、本実施の形態では、面状描画マスク3を固定した状態で造形面5の全体に一括露光して一層分の光硬化層を一度に形成するのではなく、図3に示すように、面状描画マスク3として、目的の光硬化層の全幅、或いは、造形面5の全幅よりも幅寸法の小さい面状描画マスク3を用いると共に、造形面5内で光照射位置を連続移動させることで露光像6を順次形成して、一層分の光硬化層を形成することとしている(なお、図3には造形面5の幅の約半分の幅を有する面状描画マスク3を用いた場合を例示する)。
図4は光照射装置の連続移動動作を行う移動制御部を説明するためのブロック図である。以下、光照射装置20の連続移動制御について図1及び図4を参照して説明する。光造形装置100は、造形浴槽10の上方に配置された、上記光照射装置20をX−Y軸の2軸に移動させるためのX軸ガイドレール40及びY軸ガイドレール41とを有している。これらのガイドレール40、41には、上記光照射装置20を支持する支持プレート42が移動可能に連結されている。また、この支持プレート42は、図4で示されるモータ駆動回路55を介してコンピュータ50によってフィードバック制御されるX軸パルスモータ43及びY軸パルスモータ44と連結されており、これらのパルスモータ43、44の駆動によって支持プレート42と共に上記光照射装置20がX−Y軸に沿って、すなわち、造形面5に対して平行に移動する。
一方、面状描画マスク3には、光照射装置20の連続移動と同期して、マスク画像データがコンピュータ50から動画的に連続変化するように出力される。具体的には、コンピュータ50は、立体造形物の各光硬化層ごとに、形成すべきパターン画像を予め記憶装置(例えばハードディスク装置等)に記憶しており、X軸パルスモータ43及びY軸パルスモータ44を駆動させて光照射装置20を連続移動させるのに伴って、面状描画マスク3に対して、光照射位置に応じたマスク画像を順次出力し、当該面状描画マスク3のマスク画像を動画的に変化させる。これにより、光照射装置20の連続移動に伴って、造形面5内に所定パターンを有する露光像6が連続的に形成される。
より詳細に説明すれば、あらかじめ各光硬化層ごとに硬化部位及び非硬化部位に関する位置情報を含む、各硬化層毎の画像パターン(マスクパターン)がコンピュータ50による画像処理により得ら、これらの情報は記憶装置等に記憶されている。また、光照射装置20(例えばそのヘッドの中心)の各移動位置には予めアドレスが割り当てられており、さらに、当該アドレスに対応して画像パターン上にもアドレスが割り当てられる。すなわち、光照射装置20の移動空間(XY平面)と、各硬化層毎の画像パターンを構成する画像平面とは互いに一対一の関係を有している。コンピュータ50の制御により、光照射装置20が各割り当てられたアドレスに到達するごとに、当該移動位置(アドレス)に対応した画像パターン上の位置(アドレス)を中心とする所定面積の矩形領域(以下描画窓と称する)内の画像データが面状描画マスク3に供給され、表示されることになる。光照射装置20の移動と同期して描画窓が画像パターン上を仮想的に移動し(実際は、描画窓に対応する面状描画マスク3内の画像がスクロールされる)、描画窓に対応する面状描画マスク上に動画像が連続的に表示されることになる。このような制御が光硬化層一層にわたって行われる。
上述した制御方法は、光照射装置20の移動に同期して面状描画マスク30上の画像表示を制御するものであるが、これとは反対に、面状描画マスク30上の画像の変化に同期して、光照射装置20を駆動制御するようにしてもよい。このように光照射装置20の移動と面状描画マスク(液晶)の画像表示とを同期制御できるのは、本実施形態の光露光速度(走査速度)がレーザー光による走査に比べて極めて低速で行うことができるからである。また、パルスモータは画像の連続変化(画像表示ドットの見かけ上の移動)に同期して、光照射装置20を正確に移動させるのに最も適したモータであるが、パルスモータの替わりにサーボモータ等の駆動モータを用いても同様な効果が得られることはいうまでもない。また、上述した実施形態では、コンピュータ50がモータ駆動、液晶駆動、画像表示等のすべての制御を行っていたが、それぞれの機能を分担して行うコンピュータを複数個用いてこれらの制御を行ってもよい。例えば、画像処理用のコンピュータ58を別途設けて、面状描画マスク上に表示すべき画像を作成する処理を専用に行わせるようにしてもよい。
ここで、露光像6の連続的形成について図5を参照して、より詳細に説明すると、光造形装置100は、先ず、図5の(1)に示すように、光照射位置(面状描画マスク3)が造形面5の端部5aより外側(走査開始位置)にくるように位置させる。このとき、面状描画マスク3には、造形浴槽10への光照射を遮るべく、全面黒色等の全面遮光パターンがコンピュータ50から出力される。次いで図5の(2)〜(5)に示すように、光照射位置を造形面5のもう一方の端部5bの外側(走査停止位置)の方向へと、造形面5に対して平行状態で直線的に連続移動させる。その際、面状描画マスク3によるマスク画像は、光照射位置及び形成すべきパターンに応じて動画的に連続的に変化し、該マスク画像に対応した光が造形面5に照射されて露光像6が連続的に形成される。
そして、図5の(5)に示すように、光照射位置が造形面5の端部5bの外側に位置したときには、当該造形面5には、形成すべき所定パターンの半幅分の露光像6が形成されているので、その段階で、光照射位置を造形面5の残り半幅分の位置に移動し(図5の(6))、その位置から図5の(6)〜(10)に示すように、造形面5の端部5bから造形面5の端部5a側へと光照射位置を連続移動させ、上記と同様にして、露光像6を連続的に形成する。これによって、造形面5に、所定パターン(断面形状パターン)を有する1層分の光硬化層が形成される。
なお、上記の説明では、光照射位置を造形面5の一端の端部5aより外側の位置(走査開始位置)から他端の端部5bより外側の位置(走査停止位置)との間で一往復させて1層分の光硬化層を形成する場合について例示したが、これに限らず、光照射面積(露光面積)と造形面5の面積に応じて、当該造形面5内で光照射位置を複数回往復させて1層分の光硬化層を形成しても良い。また、上記の説明では、光照射位置の往路と復路との各々で光照射を行うことで造形面5内に露光像6を順次形成する場合を例示したが、これに限らず、往路または復路のみで光照射を行って光照射を行って、露光像6を順次形成する構成としても良い。例えば、この構成においては、光照射位置を造形面5の走査開始位置から走査停止位置まで連続移動させて露光像6を順次形成した後、光照射を行わずに光照射位置を走査停止位置から走査開始位置まで移動させ、そして、先に形成した露光像6と隣接する位置に光照射位置をずらし、再び、走査開始位置から走査
停止位置まで連続移動させて露光像6を順次形成する。そして、かかる工程を繰り返し行い、一層分の光硬化層を形成する。
上述したように、光照射位置の走査開始位置(光照射装置20の移動開始位置)と光照射位置の走査停止位置(光照射装置20の移動停止位置)とは、各々造形面5外の位置にあり、それぞれこの位置から加速および減速が開始されることになる。また、レーザー光走査速度(例えば、1000〜5000mm/sec)に比べて本願の面露光走査は極めて走査速度が低い(例えば、75〜100mm/sec)ので、加速してから一定の露光速度に達するまで(減速してから停止するまで)にさほど時間を要さず、液晶シャッターも十分に応答することができる。したがって、光照射装置20が移動開始してから造形面5に進入する前に、光照射装置20を一定の露光速度に到達させることができ、レーザー光走査のような加速時の光照射強度の調整を行う必要がない。同様に、光照射装置20は造形面5の外側に至った段階で減速動作を開始しているの、レーザー光走査のような減速時の光照射強度の調整も行う必要がない。また、レーザー光の走査速度に比べて極めて低速であること、一定の露光速度に達した段階での走査速度の制御をより簡単に、正確に行うことができ、造形面上での光硬化層の膜厚を正確に制御することができる。
次に光硬化性樹脂層の硬化深さ(膜厚)の制御に関して説明する。光硬化樹脂層の膜厚は、照射される光の露光量を制御することで自由に調節することができる。露光量は、照射される光の光強度と、照射時間(露光速度の逆数)との積により決定される。従って、照射光の光強度を一定とした状態で露光速度を制御するか、あるいは、照射光の露光速度を一定とした状態で光強度を制御することで、光硬化樹脂層の硬化膜厚を調節することができる。
まず、光強度を一定とした状態で露光速度を制御することで、光硬化樹脂層の膜厚を調節する方式について説明する。
図6は本実施形態の光照射装置20の移動制御(走査速度制御)動作を示した概略図である。面状描画マスクの形状を矩形状とした場合、当該面状描画マスクを透過した光が造形面5上に照射される領域(露光領域)EAの形状は、長辺の長さがLで、短辺の長さがSで表される矩形形状となる。また、造形面5の長手方向(矢印L方向)への露光領域EAの移動速度をVL、それと直行する短手方向(矢印S方向)への移動速度をVSとする。ここで、説明を簡単にするために、光照射装置20の移動が造形面5の長手方向または短手方向に平行に行われるものとする。また、長手方向Lは図3のX軸方向に、短手方向Sは図3のY軸方向に対応する。図5中、A1、B1は各々光照射装置20が長手方向及び短手方向へ移動される場合の走査開始位置にある露光領域を示しており、また、A2、B2は各々光照射装置20が長手方向及び短手方向へ移動される場合の走査停止位置にある露光領域を示している。これらの状態では、何れも液晶シャッターは閉じた状態となっているので、光は照射されていない。
まず、長手方向への走査を行う場合について説明する。コンピュータ50による制御によりY軸パルスモータを駆動することで所定の走査開始位置に露光領域を合わせる。さらに、X軸パルスモータを駆動して、光照射装置20を走査開始位置(A1)から長手方向へと加速する。所定の露光速度となった時点で加速をやめ、露光速度を一定に保ちながら長手方向へ光照射装置20を移動する。このとき、露光領域EAが造形面5の一端5aに進入する前に光照射装置20が所定の露光速度に達するように加速制御されている。露光領域EAが造形面5に侵入した時点から、光照射装置20の移動に同期した画像情報が面状描画マスクへ供給される。これにより、当該画像情報に対応した露光像6が造形面5上の露光領域EA内に照射され、これにより露光領域EA内の光硬化性樹脂が当該露光像に対応して硬化されることになる。前述したように、ここで硬化される光硬化性樹脂の深さ(光硬化層の膜厚)は露光速度(走査速度)に依存して決定される。したがって、このときの露光速度を制御することで任意の光硬化層の膜厚を得ることができる。
ここで、面状露光領域へ照射される光の光量をE(mJ/cm2)とし、光硬化性樹脂を厚さt(mm)硬化するために必要な光量(光硬化性樹脂の光硬化感度等に依存)をEt(mJ/cm2)とすると、厚さtの光硬化層を得るために必要な時間は、Et/E(sec)で表すことができる。ここで、長手方向Lの露光領域の長さがLなので、当該膜厚tを得るための露光速度(走査速度)VLは、L/(Et/E)=L・E/Et(mm/sec)と表すことができる。従って、各層あるいは各層の各部位で所望とする膜厚を得るためには、上記式から得られる露光速度VLを計算し、露光速度がこの算出された露光速度となるようにX軸パルスモータの駆動を制御すればよい。
次に、短手方向への走査を行う場合について説明する。コンピュータ50による制御によりX軸パルスモータを駆動することで所定の走査開始位置に露光領域を合わせる。さらに、Y軸パルスモータを駆動して、光照射装置20を走査開始位置(B1)から短手方向へ加速する。所定の露光速度となった時点で加速をやめ、露光速度を一定に保ちながら短手方向へ光照射装置20を移動する。このとき、露光領域EAが造形面5の一端に進入する前に光照射装置20が所定の露光速度に達するように加速制御されている。露光領域EAが造形面5に侵入した時点から、光照射装置20の移動に同期した画像情報が面状描画マスクへ供給される。これにより、当該画像情報に対応した露光像6が造形面5上の露光領域EA内に照射され、これにより露光領域EA内の光硬化性樹脂が当該露光像に対応して硬化されることになる。前述したように、ここで硬化される光硬化性樹脂の深さ(光硬化層の膜厚)は露光速度(走査速度)に依存して決定される。したがって、このときの露光速度を制御することで任意の光硬化層の膜厚を得ることができる。以上の動作は長手方向への走査と全く同じである。
上記長手方向への露光速度(走査速度)の求め方と同様にして、短手方向の露光領域の長さがSなので、当該膜厚tを得るための露光速度(走査速度)VSは、S/(Et/E)=S・E/Et(mm/sec)と表すことができる。各層あるいは各層の各部位で所望とする膜厚を得るためには、上記式から得られる露光速度VSを計算し、露光速度がこの算出された露光速度となるようにY軸パルスモータの駆動を制御すればよい。
従って、長手方向への露光速度(走査速度)VLと短手方向への露光速度(走査速度)VSとの比(VL/VS)は、L/Sとなる。すなわち、露光領域の長辺と短辺の比に対応する分、長手方向への露光速度を速くする(短手方向への露光速度を遅くする)必要がある。この場合、長手方向及び短手方向への露光速度が異なることから、面状描画マスク上の動画の表示速度も、各露光速度の比に応じて変化させる必要がある。これらの処理もコンピュータ50にて行われる。一方、光源の光強度(光量E)は経時的な劣化に伴い変化していくので、造形処理を行う直前か、あるいは、処理中に定期的に光センサ等を用いて光源の照度を検出し、パラメータとしての光量Eを予めあるいはリアルタイムで測定しておくとよい。また、所望とする膜厚を得るのに必要な光量(エネルギー)Etは、光硬化性樹脂の種類、すなわち、各光硬化性樹脂の光感度や、周囲温度等により変化するので、これらのパラメータもあらかじめ設定するか、あるいは、造形処理プロセス中にリアルタイムで設定するようにする。これらのデータは記憶装置に記憶される。
以上のように、所定の光硬化性樹脂を用いて、所望とする光硬化層の膜厚を得るためには、各種パラメータをコンピュータ50に記録手段あるいは入力手段を通して入力し、こられのパラメータに基づいて上述した露光速度(走査速度)VL,VSを決定すればよい。当該露光速度(走査速度)VL,VSは各層毎に決定するか、あるいは、各層中の各部位毎に決定される。各層中の各部位毎に決定される場合、レーザー光による走査と異なり、走査速度自体が低速なので走査中においても正確に且つ確実に走査速度を可変制御することができるので、所望とする膜厚変化を有する光硬化パターンを各層毎に得ることができる。例えば、ある光硬化層中において、膜厚が連続的に変化する(グラデーションをつける)あるいは階段状に変化する様な部位を造形することも可能となり、本実施形態の膜厚制御により、より複雑な形状を有する立体物を作成することができる。また、光照射装置20の移動速度を高速にすれば、光照射装置20の移動機構の振動等に起因する騒音が低減することが知られている。この場合、光照射装置20の移動を可能な限り高速にすると、光硬化性樹脂層上に形成される露光像の移動速度も速くなることから、露光量が低下することになる。従って、露光量の低下を補償するために、同一場所での露光操作を繰り返し行う。繰り返し露光回数は、移動速度の増加に応じて適宜変更する。例えば、また、露光速度を倍速にすると、同一領域に対する露光操作は二回繰り返す必要がある。露光操作を繰り返し行う代わりに、移動速度の増加に応じて光硬化性樹脂層に照射される光強度を増加させてもよい。これに関しては後述する。
また、本実施の形態によれば、マスクとして、微小ドットエリアでの遮光及び透光が可能な複数の微小光シャッターが面状に配置され、これらの微小光シャッターによりマスク画像を形成する面状描画マスク3を用いる構成としたため、露光面積を拡大することができ、これにより、例えばスポット状のレーザー光を造形面5内で走査させてパターンを形成する、いわゆる点描画方式に比べて、造形に要する時間を短縮し、生産性を高めることが可能となる。
また、本実施の形態によれば、面状描画マスク3が、造形面5に対する連続移動と同期して、形成すべきパターンに応じてマスク画像を連続的に変化させる構成としたため、小型、中型の立体造形物は勿論のこと、大型の立体造形物であっても、高い造形制度で、且つ、硬化ムラの発生を防止しながら、高品位な立体造形物を速い造形速度で生産性良く製造することができる。
上述した実施の形態では、光源1からの光を直接集光レンズ2に照射する構成としたが、これに限らず、図7に示すように、光源1からの光を、光伝送機構60を介して集光レンズ2に導く構成としても良い。具体的には、光伝送機構60は、光源1からの光をライン状にして出力するロッドレンズ61と、当該ロッドレンズ61から出力されたライン状の光を拡散させる結像レンズ62と、当該結像レンズ62により拡散された光を集光レンズ2に向けて照射する反射鏡63とを有している。このように、光伝送機構60を介して光源1の光を集光レンズ2に伝達する構成とすることで、光源1と集光レンズ2とを離間配置することができると共に、光源1の光軸と集光レンズ2との光軸とを合致させる必要がなく、光学系のレイアウトが柔軟になる。
なお、光伝送機構60は上記の構成に限らず、図8に示すように、光伝送機構60として光ファイバー64(ライドガイドでも良い)を用い、光源1からの光を当該光ファイバー64内を導波させて、当該光ファイバー64の出射端64aから集光レンズ2に向けて光を照射する構成としても良い。このように、光伝送機構60に光ファイバー64等の可撓性材を用いることにより、造形面5内で光照射位置を連続移動させる際に、光源1を所定の位置に固定配置したまま、光伝送機構60を集光レンズ2、面状描画マスク3および投影レンズ4と共に連続移動させることができる。
上述した実施の形態では、露光速度の制御は、主に光照射装置20の移動速度を制御することで行われていたが、必ずしも光照射装置20の移動速度の制御方式に限定する必要はない。例えば、光照射装置20を固定し、これに相対的に造形面5自体が移動する構造であってもよい。この場合、造形テーブル11を移動させるか、あるいは、造形浴槽10を移動させる機構を設ければよい。これらの移動機構は、光照射装置20の移動機構と同様なものであり(すなわち、X,Y軸方向へ平行移動可能な機構)、これらの移動機構による移動制御に応じて面状描画マスクのマスクパターンが制御されることになる。いずれにせよ、造形面5(光硬化性樹脂層)に対する露光像の相対的移動速度を制御することが可能である限り、移動機構はどのような形態であってもよい。
上述した実施の形態では、面状描画マスク3として光透過型の液晶式のものを用いた構成を例示したが、これに限らず、微小ドットエリアでの遮光及び透光が可能であり、なおかつ、連続的に、これらの遮光及び透光が可能とした構成であってもよい。さらに、例えば、デジタルマイクロミラーシャッターを面状に配置した面状描画マスク(以下「DMD式面状描画マスク」(デジタルマイクロミラーデバイス)という)を用いた反射型の構成としても良い。この場合、露光像の形成(変更)はデジタルマイクロミラーの反射により行われるものであるが、透過型の液晶式と同様に、用語“マスク”を用いて説明する。従って、本願明細書では、用語“マスク”は透過型に限定されず、反射型の構成においても適応されるものとする。このように、面状描画マスク3としてDMD式面状描画マスクを用いる場合には、図9に示すように、形成しようとする所定の断面形状とDMD式面状描画マスクの連続移動に対応させてコンピュータ50に予め記憶させた情報に応じて、面状に配置された複数の微小なミラーシャッターのうち特定のミラーシャッターは光が投影レンズ4および造形面5の方向に反射される(導かれる)方向に向き、一方光を遮蔽させるべき箇所に位置するミラーシャッターは光が投影レンズ4および造形面5の方向に反射されない(導かれない)方向に向き、そのような操作を、所定の断面形状を有する光硬化した樹脂層が形成されるまで連続的(動画的)に繰り返すように設計すれば良い。
図10は、図9で示されるDMD式面状描画マスクを用いたDMD光学系の構成を示した断面図である。光源1から照射された光は赤外フィルタ並びに集光レンズ2を通過した後、光源からの光の均一化をはかり、DMDマスク相似光の形成を行う石英ロッドレンズ7に入射する。さらに、石英ロッドレンズ6からの光は、第一レンズ8並びに第二レンズ群9を介して平行光となり、プリズム10を介してDMDへ照射された後、投影レンズ4上に収束され、投影レンズ4により最終的に造形面5上に投影される。
ここで、液晶を用いた透過型面状描画マスク3の場合とDMDを用いた反射型描画マスク3との効果上の差違について説明する。まず、液晶を用いた透過型面状描画マスク3の場合、透過効率が約10%程度であるが、DMDを用いた反射型描画マスク3の場合は、反射効率が約50%と高くなり、造形速度の向上を図ることができる。また、液晶としてTFT液晶を用いた場合は、液晶の応答速度が約60Hz程度であるが、DMDを用いた場合は、約2kHzとなり、応答速度をかなり向上することができる。これにより、位置決め精度がさらに向上され、造形精度そのものの向上を図ることができる。具体的には、描画ヘッド移動時にサーボモータを使用し、サーボの移動パルスを使用して描画の位置決めが可能となる(クローズドループ化)、といった効果が得られる。
さらに、TFT液晶を用いた場合、コントラストが1:100乃至1:10程度であったのが、DMDを用いた場合は、1:1000以上となり、10倍から100倍のコントラストの向上を図ることができる。これにより、例えば、液晶の場合、本来照射しない箇所にも若干の漏れ光があったが、DMDを用いた場合は、理論的には漏れ光は存在しない。漏れ光の長時間にわたる累積光エネルギーは、樹脂の劣化を招くが、DMDを用いた場合は、このような樹脂の劣化が低減されることになる。また、コントラストの向上により、立体造形物の輪郭がよりシャープになり、造形精度を向上といった効果をもたらす。他方、DMD自体は非常にコンパクトなものであるので、光学系自体がコンパクトに設計可能である。従って、装置全体の小型化を図ることができ、また、露光ヘッドの移動をよりスムーズに行うことができる。さらに、液晶の場合、有機物であるため紫外線による劣化が考えられるが、DMDの場合は、有機物を使用しないため紫外線による劣化を最小に抑えることができる。
なお、面状描画マスク3として、液晶式或いはDMD式のいずれを用いる場合であっても、その形状は上述した実施の形態に特に制限されるものではなく、製造しようとする光造形物の形状や寸法(特に断面形状やその寸法)などに応じて適当な形状のものを採用することができる。すなわち、面状描画マスク3は、例えば、図3に示すような正方形或いは矩形の形状であってもよいし、またはその他の形状であってもよい。なお、正方形の場合は、上述した長手方向並びに短手方向の露光速度VL,VSが共に等しくなる。さらに、面状描画マスク3の寸法も、製造しようとする光造形物の形状や寸法(特に断面形状やその寸法)などに応じて適当な寸法のものを採用することができる。例えば、図3に示すように、形成しようとする所定の光硬化した断面形状パターンの全幅(造形面の全幅)よりもその幅寸法が小さい面状描画マスク3を使用して、該面状描画マスク3よりも大きな寸法を有する所定の光硬化した断面形状パターンを製造することができる。
上述した実施の形態では、光照射装置20の移動速度を制御することで、造形面5上に形成される露光像(図5の露光領域EA)の移動速度(すなわち、露光速度)を変え、それにより光硬化層の膜厚を制御していた。すなわち、露光速度を制御することで光硬化性樹脂層の硬化深さ(膜厚)を調節している。露光速度を変えずに一定として、照射される光の強度を制御することでも光硬化性樹脂層の硬化深さ(膜厚)を調節することができる。ここで、照射される光の強度調節(露光量調節)は、面状描画マスク3の諧調を変えて、当該面状描画マスク3の光透過率を任意に変化させることで行われる。すなわち、面状描画マスク3の光透過率を低くすると、面状描画マスク3を通過した照射光全体の光強度が低下し、逆に光透過率を高くすると、面状描画マスク3を通過した照射光全体の光強度が増加することになる。これにより、露光速度を一定とした状態でも、造形面5上に照射される光の露光量が制御されるので、これに伴い光硬化性樹脂層の膜厚も自由に調節できる。従って、光照射装置20の移動制御を行うことなく、面状描画マスク3の光透過率を制御するだけでも光硬化性樹脂層の硬化膜厚を自由に調節することができる。また、騒音を低減する目的で露光速度を高速にした場合でも、露光速度の増加に応じて面状描画マスク3の光透過率を高くすることで、結果的に造形面5上に照射される光の露光量の低減を補償することができるので、露光操作を繰り返し行う必要がなくなる。
面状描画マスク3の光透過率は、図4のコンピュータ50により制御される。コンピュータ50は、モータ駆動回路への信号に基づいた光照射装置20の移動速度の変化に対応して、面状描画マスク3への光透過率可変のための制御信号を出力する。この制御信号に基づいて、面状描画マスク3は、その光透過率を面状描画マスク3全体で均一に変えるか、あるいは、局所的に、例えば、光硬化させる部位に対応したマスク部分(光透過部分)のみで変える。また、造形面5への照射光(露光像)の光強度の制御は、面状描画マスク3の光透過率の調節に限定されず、それ以外の方法を利用してもよい。例えば、光透過率が同じあるいは異なる複数のフィルタを用いて、面状描画マスク3に照射前、または、照射後の光を、当該複数のフィルタから適宜選択された一枚のフィルターを介して、あるいは、適宜選択された二枚以上のフィルターを介して造形面5に照射することで、照射光の光強度を調節してもよい。また、使用するフィルターは光透過率の異なる複数の領域を有した一枚のフィルタであってもよい。この場合、必要な光透過率の領域が選択されて、当該領域を介して造形面5に光照射される。
上述した実施の形態では、面状描画マスク3を造形面5に対して平行移動させる構成としたが、必ずしもそれに限定されず、必要に応じて造形面5に対して非平行状態で移動させてもよい。例えば、立体造形物を製造するに当たって、各光硬化層のすべてにおいて、形成しようとする所定の断面形状パターンが面状描画マスクの寸法(面積)よりも大きな連続した描画領域となるような形状および構造を有する立体造形物の製造においては、面状描画マスク3を光硬化性樹脂組成物の表面(造形面5)に対して連続的に移動させると共に面状描画マスクのマスク画像を、形成しようとする断面形状パターンに対応させて面状描画マスク3の移動と同期させて連続的に変えながら(動画的に変えながら)、光硬化性樹脂組成物の表面に面状描画マスク3を介して光を照射して、所定の断面形状パターンを有する光硬化層を形成し、これを積層形成することで、目的とする立体造形物を製造することができる。この場合であっても、各走査方向に応じて露光時間に差が生じないように露光速度に補正を加えることは言うまでもない。
なお、立体造形物の形状や構造によっては、面状描画マスク3の面積よりも大きな所定の断面形状パターンの形成と共に、面状描画マスク3の面積よりも小さな断面形状パターンを造形操作の途中で形成することが必要な場合がある(例えば、球状をなす本体の頂部に尖った角(つの)を有する立体造形物において、球状の本体部分の横断面積(断面形状パターン)は面状描画マスク3の面積よりも大きく、角に相当する部分の横断面積(断面形状パターン)が面状描画マスク3の面積よりも小さい場合など)。そのような場合には、大きな断面形状パターンを有する本体部分の形成は、面状描画マスク3のマスク画像を動画的に連続的に変える上記した造形操作を多層にわたって繰り返すことによって行い、一方小さな断面形状パターンを有する角の部分は、面状描画マスク3のマスク画像を動画的に変化させずに静止画の状態にし、そのマスク画像を通して光を造形面に照射する操作を角部分の形成が完了するまで多層にわたって繰り返すことによって、目的とする立体造形物を製造することができる。
上述した実施の形態では、面状描画マスク3の数が1個の構成について例示したが、これに限定されず、複数(2個以上)の面状描画マスク3を備える構成とし、これらの面状描画マスク3が同時に連続移動して露光像6を形成するようにしても良い。このようにすることで、造形速度が一層向上する。
上述した実施の形態では、造形浴槽10に満たした液状の光硬化性樹脂組成物に対して光を照射して、当該造形浴槽10内に配置された造形テーブル11の上面に光硬化層を形成し、当該光硬化層を積層形成して立体造形物を形成する構成について例示したが、これに限らず、例えば、気体雰囲気中に造形テーブルを配置し、その造形テーブル面に1層分の液状、ペースト状、粉末状或いは薄膜状の光硬化性樹脂組成物を施して面状描画マスク3を介して光を照射して所定のパターンおよび厚みを有する光硬化層を形成した後、該光硬化層面に1層分の液状、ペースト状、粉末状または薄膜状の光硬化性樹脂組成物を施して面状描画マスク3を介して制御下に光を照射して所定のパターンおよび厚みを有する光硬化層を一体に積層形成する工程を繰り返して行って、立体造形物を形成する構成としても良い。
また、この構成においては、造形テーブルまたは光硬化層を上向きにしておき、その上面に光硬化性樹脂組成物を施し、面状描画マスク3を介して光照射して光硬化層を順次積層形成する構成としても良いし、造形テーブルまたは光硬化層を垂直または斜めに配置しておいて造形テーブル面または光硬化層面上に光硬化性樹脂層を施し面状描画マスク3を介して光照射して光硬化層を順次積層形成する構成としても良いし、或いは、造形テーブルまたは光硬化層を下向きに配置しておいて造形テーブル面または光硬化層面に光硬化性樹脂層組成物を施し面状描画マスク3を介して光照射して順次下方に光硬化層を積層形成してゆく構成としても良い。造形テーブル面または光硬化層面に光硬化性樹脂組成物を施すに当たっては、例えば、ブレード塗装、流延塗装、ローラー塗装、転写塗装、ハケ塗り、スプレー塗装などを用いることができる。
光硬化性樹脂組成物の種類は特に制限されず、光造形に用い得る液状、ペースト、粉末状、薄膜状などの光硬化性樹脂組成物のいずれもが使用できる。例えば、光硬化性樹脂組成物としては、アクリル系化合物や多官能性ビニル化合物、各種エポキシ系化合物などの1種または2種以上と、光重合開始剤および必要に応じて増感剤などを含有する光硬化性樹脂組成物を用いることができる。また、これらの成分以外にも、必要に応じて、レベリング剤、リン酸エステル塩系界面活性剤以外の界面活性剤、有機高分子改質剤、有機可塑剤などを含有していてもよい。さらに、必要に応じて、固体微粒子やウィスカーなどの充填材を含有していてもよい。充填材を含有する光硬化性樹脂組成物を用いると、硬化時の体積収縮の低減による寸法精度の向上、機械的物性や耐熱性の向上などを図ることができる。
本光造形装置は、精密部品や、電気・電子部品、家具、建築構造物、自動車用部品、各種容器類、鋳物、金型、母型などのためのモデルや加工用モデルの製造に用いることができ、また、複雑な熱媒回路の設計用の部品、複雑な構造の熱媒挙動の解析企両用の部品、その他の複雑な形状や構造を有する各種の立体造形物の製造にも用いることができる。
本発明の光造形装置の構成を示す図である。 造形浴槽の構成を示す図である。 光照射装置の構成を示す図である。 光照射装置の移動制御部を説明するためのブロック図である。 光照射装置の移動制御動作を説明するための原理図である。 光硬化層の積層形成手順を説明するための図である。 光照射装置の他の構成を示す図である。 光照射装置のその他の構成を示す図である。 光照射装置のその他の構成を示す図である。 図9のDMD光学系を用いた場合の光照射装置の断面図である。
符号の説明
1 光源
3 面状描画マスク(液晶マスク)
5 造形面(未硬化樹脂層)
10 造形浴槽
11 造形テーブル
43 X軸パルスモータ
44 Y軸パルスモータ
50 コンピュータ
55 モータ駆動回路
100 光造形装置

Claims (18)

  1. 所定パターンを有するマスクを介して、光照射装置からの光を光硬化性樹脂層の表面に照射して露光像を形成し、当該露光像が照射された光照射領域中の光硬化性樹脂層を光硬化させる工程を1層分の光硬化層が形成するまで繰り返し、さらに、当該光硬化層の表面に新たな未硬化樹脂層を形成すると共に、当該未硬化樹脂層に前記マスクを介して光を照射して光硬化層を形成する工程を繰り返して立体造形物を形成する光造形装置において、
    前記光硬化性樹脂層表面上に形成される前記露光像を、当該光硬化性樹脂層の表面に沿って移動させる露光像移動手段と、
    前記露光像の移動に同期して、当該マスク上のマスクパターンを変化させるマスクパターン可変手段と、
    前記露光像移動手段による前記露光像の移動に際して、前記光照射領域へ照射される前記露光像の露光量を可変にすることで、当該光照射領域中で光硬化する光硬化層の膜厚を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする光造形装置。
  2. 前記露光像移動手段は前記光照射装置を移動させる移動手段からなり、前記マスクパターン可変手段は、前記移動手段による前記光照射装置の移動に同期して、当該マスク上の前記マスクパターンを変化させ、さらに、前記制御手段は、前記移動手段による前記光照射装置の移動速度を制御して前記露光像の露光量を可変にし、当該光照射領域中で光硬化する光硬化層の膜厚を制御することを特徴とする請求項1記載の光造形装置。
  3. 前記制御手段は、少なくとも前記光照射領域に照射される光の光量、光硬化層を形成する光硬化性樹脂の光硬化に対する感度、並びに前記移動方向への前記光照射領域の長さに基づいて前記移動速度を算出し、前記移動手段を介して前記光照射装置を当該算出移動速度で移動させることを特徴とする請求項2記載の光造形装置。
  4. 前記移動手段は前記光照射装置を少なくとも直交する二つの方向へ移動させることを特徴とする請求項3記載の光造形装置。
  5. 前記光照射領域の形状は、長辺の長さがL,短辺の長さがSの矩形状であって、当該矩形状の光照射領域の長手方向と短手方向を、各々前記光照射装置の前記二つの移動方向に平行とした場合、当該長手方向への前記光照射装置の移動速度をVL,当該短手方向への前記光照射装置の移動速度をVSとしたとき、以下の関係式
    VL/VS = L/S
    が成立するように各移動速度VL,VSが決定されることを特徴とする請求項4記載の光造形装置。
  6. 前記光照射領域の形状は、長辺の長さがL,短辺の長さがSの矩形状であって、当該矩形状の光照射領域の長手方向と短手方向が、各々前記光照射装置の前記二つの移動方向に平行である場合、当該長手方向への前記光照射装置の移動速度をVL,当該短手方向への前記光照射装置の移動速度をVSとし、前記光照射領域へ照射される光の光量をE(mJ/cm2)、前記光硬化性樹脂を厚さt(mm)硬化するために必要な光の光量をEt(mJ/cm2)としたとき、当該膜厚tを得るための前記光照射装置の長手方向及び短手方向の移動速度VLおよびVSは、各々、L・E/Et(mm/sec)及びS・E/Et(mm/sec)で表されることを特徴とする請求項4記載の光造形装置。
  7. 前記光照射領域へ照射される光の光量Eを測定する光センサーと、前記光硬化性樹脂の光硬化層の厚さtと、光硬化性樹脂を厚さtだけ光硬化するに必要な光量Etとの関係を示した膜厚・光量データを予め記憶した記憶手段とをさらに備え、前記制御手段は、前記光センサーからの光量Eの測定値と、前記記憶手段に記憶された前記膜厚・光量データとから、所望とする膜厚を得るための前記光照射装置の移動速度を求めることを特徴とする請求項2記載の光造形装置。
  8. 前記マスクは、微小ドットエリアでの遮光及び透光が可能な複数の微小光シャッターが面状に配置され、これらの微小光シャッターによりマスク画像を形成する面状マスクであり、前記未硬化樹脂層の表面に対する連続移動と同期して、形成すべきパターンに応じて前記マスク画像を連続的に変化させることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の光造形装置。
  9. 前記マスクパターン可変手段は、前記光照射装置の移動速度に同期して、当該マスクパターンの変化速度を制御することを特徴とする請求項2記載の光造形装置。
  10. 前記マスクパターン可変手段は、前記マスク上の前記マスクパターンの光透過率を変化させることで、当該マスクパターン可変手段を介して光照射面中に照射される前記露光像の露光量を可変にする露光量可変手段を備えていることを特徴とする請求項1記載の光造形装置。
  11. 光透過率が同じか又は異なる複数個のフィルターをさらに備え、前記光照射装置から前記マスクパターン可変手段へ照射される光、もしくは、前記マスクパターン可変手段から前記光照射領域へ照射される光を前記複数個のフィルターの少なくとも一つに通過させることで、前記光照射領域に照射される当該光の強度を可変にして、当該光照射領域中で光硬化する光硬化層の膜厚を制御することを特徴とする請求項1記載の光造形装置。
  12. 前記マスクパターン可変手段は、液晶を用いた透過型面状描画装置からなることを特徴とする請求項1記載の光造形装置。
  13. 前記マスクパターン可変手段は、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)を用いた反射型面状描画装置からなることを特徴とする請求項1記載の光造形装置。
  14. 所定パターンを有するマスクを介して、光照射装置からの光を光硬化性樹脂層の表面に照射して露光像を形成し、当該露光像が照射された光照射領域中の光硬化性樹脂層を光硬化させる工程を1層分の光硬化層が形成するまで繰り返し、さらに、当該光硬化層の表面に新たな未硬化樹脂層を形成すると共に、当該未硬化樹脂層に前記マスクを介して光を照射して光硬化層を形成する工程をさらに繰り返して立体造形物を形成する光造形方法において、
    前記光硬化性樹脂層表面上に形成される前記露光像を、当該光硬化性樹脂層表面に沿って移動する露光像移動ステップと、
    前記露光像の移動に同期して、当該マスク上の前記マスクパターンを変化させるマスクパターン可変ステップと、
    前記露光像移動手段による前記露光像の移動に際して、前記光照射領域へ照射される前記露光像の露光量を可変にすることで、当該光照射領域中で光硬化する光硬化層の膜厚を制御する制御ステップとを備えたことを特徴とする光造形方法。
  15. 前記露光像移動ステップは、前記光照射装置を少なくとも二つの方向へ移動する移動ステップを備え、前記マスクパターン変化ステップは、前記光照射装置の移動に同期して、当該マスク上の前記マスクパターンを変化させ、さらに、前記制御ステップは、前記移動ステップによる当該光照射装置の移動速度を制御することで、当該光照射領域中で光硬化する光硬化層の膜厚を制御することを特徴とする請求項14記載の光造形方法。
  16. 前記制御ステップは、少なくとも前記光照射領域に照射される光の光量、光硬化層を形成する光硬化性樹脂の光硬化に対する感度、並びに前記移動方向への前記光照射領域の長さに基づいて前記移動速度を算出するステップを備えており、前記移動ステップにおいて、当該光照射装置を当該算出移動速度で移動させることを特徴とする請求項14記載の光造形方法。
  17. 前記マスクパターン可変ステップは、前記マスク上の前記マスクパターンの光透過率を変化させることで、光照射面中に照射される前記露光像の露光量を可変にする露光量可変ステップを備えていることを特徴とする請求項14記載の光造形方法
  18. 光透過率が同じか又は異なる複数個のフィルターを配置し、前記光照射装置から光照射面上に照射される光を前記複数個のフィルターの少なくとも一つに通過させることで、前記光照射領域に照射される当該光の強度を可変にして、当該光照射領域中で光硬化する光硬化層の膜厚を制御するステップをさらに有することを特徴とする請求項14記載の光造形方法
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