JPH08238678A - 光造形装置 - Google Patents

光造形装置

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JPH08238678A
JPH08238678A JP7313727A JP31372795A JPH08238678A JP H08238678 A JPH08238678 A JP H08238678A JP 7313727 A JP7313727 A JP 7313727A JP 31372795 A JP31372795 A JP 31372795A JP H08238678 A JPH08238678 A JP H08238678A
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JP
Japan
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spot light
light
optical system
spot
irradiation
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JP7313727A
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Inventor
Masaaki Miura
正章 三浦
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Pentax Corp
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Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】外形品質の良い造形物が得られる光造形装置を
提供する。 【解決手段】光造形装置1は、光源2、反射ミラー3、
光路分割素子4、輪郭用光学系5、内部用光学系6、コ
ントローラ31、移動手段20および樹脂槽28により
構成される。輪郭用光学系5は、反射ミラー7、12、
モジュレータ8、フォーカシング光学系9、ガルバノミ
ラー10、11およびハーフミラー13により構成さ
れ、内部用光学系6は、モジュレータ14、フォーカシ
ング光学系15、ガルバノミラー16、17およびハー
フミラー13により構成される。造形の際には、輪郭用
光学系5により、照射基準面上で造形物41の仮想輪郭
線に第1スポット光を照射し、内部用光学系6により、
照射基準面上で造形物41の仮想輪郭線で囲まれた領域
に第2スポット光を照射する。このようにして、順次積
層して造形物41を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光造形装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】形状モデル、成形マスター、試作少量製
作部品等を短期間に製作する技術として、紫外線硬化型
樹脂に紫外線を照射し、それを硬化させて造形物を製作
する方法が知られている。
【0003】これは、3次元CADで設計された立体像
(被造形物)を輪切りにした各層毎の断面形状データに
基づいて、紫外線のスポット光を液状の紫外線硬化型樹
脂の液面に照射し、紫外線硬化型樹脂を硬化させて第1
層を得、この後、1層分沈めて、スポット光を紫外線硬
化型樹脂の液面に照射し、紫外線硬化型樹脂を硬化させ
て第2層を得、以下、同様にして、各層毎に順次紫外線
硬化型樹脂を硬化して積層することにより造形物を得る
方法(光造形法)である。
【0004】このようにして造形物を製作する従来の光
造形装置には、造形物横断面の仮想輪郭線および仮想輪
郭線で囲まれた領域(内部)のそれぞれにスポット光を
照射する1つの光学系が設けられており、その光学系に
より、紫外線硬化型樹脂を入れた樹脂槽の中の特定の平
面(X−Y平面)内に、被造形物の断面(横断面)形状
に合わせてスポット光を照射する。この場合、前記光学
系は、仮想輪郭線にスポット光を照射し、この後、内部
にスポット光を照射して、1層分の紫外線硬化型樹脂を
硬化させる。
【0005】次いで、X−Y平面に対して垂直な方向
(Z軸方向)に、造形物を1層分移動させて造形物を紫
外線硬化型樹脂中に沈め、次の層の仮想輪郭線にスポッ
ト光を照射した後、内部にスポット光を照射して、この
層の紫外線硬化型樹脂を硬化させる。以下、前述した硬
化作業を繰り返し行い、輪切り状態の硬化層を積層する
ことにより立体の造形物を製作する。
【0006】このようにして造形物を製作する場合、造
形物横断面の仮想輪郭線へ照射するスポット光の最適条
件と、造形物横断面の内部へ照射するスポット光の最適
条件とは互いに異なる。
【0007】すなわち、造形物横断面の輪郭には、その
仮想輪郭線に沿って、正確にスポット光を線状に照射す
ることにより輪郭精度を上げ、かつ、外形面の粗度を小
さくし、外形品質の良い造形物を得たいので、スポット
光を絞り込み、極力小さなスポット径のスポット光を照
射するのが良い。これとは逆に、造形物横断面の内部に
は、スポット光を均一に照射して内部を均一に硬化し、
かつ、造形作業の高速化のためスポット光の走査距離を
短くしたいので、スポット径の比較的大きなスポット光
を照射するのが良い。さらに、両者に必要なスポット光
の照射位置の位置決め精度およびスポット光のエネルギ
ー密度も異なる。
【0008】しかしながら、従来の光造形装置では、1
つの光学系で輪郭と内部との照射を行っているので、そ
のスポット光を相反する仮想輪郭線および内部のそれぞ
れの最適条件に設定することは困難である。よって、外
形精度の良い造形物を短時間で製造することはできなか
った。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、形状
品質の良い造形物を得ることが可能な光造形装置を提供
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(8)の本発明により達成される。
【0011】(1) 光硬化型樹脂に、被造形物の形状
情報に基づいてスポット光を照射し、前記光硬化型樹脂
を硬化させて造形物を得る光造形装置であって、少なく
とも1つの光源と、照射基準面が設定されている未硬化
の光硬化型樹脂に対して相対的に造形物を前記照射基準
面の法線方向に移動させる移動手段と、前記光源からの
光束を、第1スポット光として、前記被造形物の形状情
報に基づいて設定される前記造形物の前記照射基準面上
での仮想輪郭線に沿って照射する輪郭用光学系と、前記
光源からの光束を前記仮想輪郭線で囲まれた領域に第2
スポット光として照射する内部用光学系とを有し、前記
輪郭用光学系および内部用光学系により、前記第1スポ
ット光および第2スポット光をそれぞれ照射するととも
に、前記移動手段により、前記光硬化型樹脂に対して相
対的に前記造形物を前記照射基準面の法線方向に移動し
て、前記被造形物の形状に前記光硬化型樹脂を硬化し、
前記造形物を得るよう構成したことを特徴とする光造形
装置。
【0012】(2) 前記移動手段は、前記造形物を、
前記光硬化型樹脂に対して相対的に、所定距離で段階的
に移動させるよう構成され、前記段階的に移動の1ピッ
チ毎に、前記輪郭用光学系により前記第1スポット光の
照射を行い、輪郭線が形成された複数ピッチ分に対し
て、前記内部用光学系により前記第2スポット光の照射
を行うよう作動する上記(1)に記載の光造形装置。
【0013】(3) 前記第1スポット光の照射と前記
第2スポット光の照射とが、時間的に重複するよう構成
した上記(1)に記載の光造形装置。
【0014】(4) 前記照射基準面上での前記第1ス
ポット光の面積は、前記照射基準面上での前記第2スポ
ット光の面積より小さくなるよう構成した上記(1)な
いし(3)のいずれかに記載の光造形装置。
【0015】(5) 前記第1スポット光の光量は、前
記第2スポット光の光量より少なくなるよう構成した上
記(1)ないし(4)のいずれかに記載の光造形装置。
【0016】(6) 前記仮想輪郭線に沿って該仮想輪
郭線から内側に所定の幅を前記第1スポット光により硬
化させ、その硬化部分より内側の領域を前記第2スポッ
ト光により硬化させるよう構成した上記(1)ないし
(5)のいずれかに記載の光造形装置。
【0017】(7) 前記内部用光学系の焦点が前記照
射基準面より前記光束の入射側に位置するよう構成され
た上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の光造形装
置。
【0018】(8) 前記第1スポット光および第2ス
ポット光のうちの少なくとも一方の面積および/または
光量を調整可能とした上記(1)ないし(7)のいずれ
かに記載の光造形装置。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の光造形装置を添付
図面に示す好適実施例に基づいて詳細に説明する。図1
および図2は、それぞれ、本発明の光造形装置の第1実
施例を示す斜視図およびブロック図である。なお、図1
に示すように、リードスクリュー24の軸方向をZ軸方
向とするX−Y−Z座標系を想定する。
【0020】図1に示すように、光造形装置1は、光源
2と、反射ミラー3と、光路分割素子4と、造形物41
の後述する照射基準面291上での仮想輪郭線に第1ス
ポット光を照射する輪郭用光学系5と、造形物41の照
射基準面291上での仮想輪郭線で囲まれた領域(内
部)に第2スポット光を照射する内部用光学系6と、コ
ントローラ31とを有している。光源2としては、例え
ば、Arレーザ、He−Cdレーザ等の紫外線発光レー
ザが用いられる。
【0021】輪郭用光学系5は、反射ミラー7、第1ス
ポット用モジュレータ(モジュレータ)8、第1スポッ
ト用フォーカシング光学系(フォーカシング光学系)
9、第1スポットY軸方向走査用のガルバノミラー(ガ
ルバノミラー)10、第1スポットX軸方向走査用のガ
ルバノミラー(ガルバノミラー)11、反射ミラー12
およびハーフミラー13により構成されている。
【0022】内部用光学系6は、第2スポット用モジュ
レータ(モジュレータ)14、第2スポット用フォーカ
シング光学系(フォーカシング光学系)15、第2スポ
ットY軸方向走査用のガルバノミラー(ガルバノミラ
ー)16、第2スポットX軸方向走査用のガルバノミラ
ー(ガルバノミラー)17およびハーフミラー13によ
り構成されている。なお、ハーフミラー13は、輪郭用
光学系5の光軸と内部用光学系6の光軸とを合わせるた
めに設けられているが、本発明ではこのハーフミラー1
3を省略し、ガルバノミラーで反射したスポット光を直
接造形物に照射するよう構成してもよい。
【0023】光源2から出射したレーザビームは、反射
ミラー3で反射して、光路分割素子4に入射し、この光
路分割素子4により、造形物41の横断面の仮想輪郭線
およびその近傍の硬化用の第1レーザビームと、造形物
41の横断面の仮想輪郭線で囲まれた領域(内部)の硬
化用の第2レーザビームとに2分割される。この場合、
光路分割素子4を透過した光が第1レーザビームであ
り、光路分割素子4で反射した光が第2レーザビームで
ある。
【0024】光路分割素子4を透過した第1レーザビー
ムは、反射ミラー7で反射して、モジュレータ8に入射
し、このモジュレータ8により、第1レーザビームの透
過/遮断の切り換えがなされる。モジュレータ8を透過
した第1レーザビームは、フォーカシング光学系9に入
射し、このフォーカシング光学系9により、第1レーザ
ビームの照射基準面(照射位置)291へのフォーカシ
ング調整がなされる。フォーカシング光学系9を透過し
た第1レーザビームは、ガルバノミラー10で反射し、
ガルバノミラー11で反射し、反射ミラー12で反射
し、さらにハーフミラー13でその一部が反射して、造
形物41の横断面の仮想輪郭線、すなわち造形物41の
照射基準面291上での仮想輪郭線に、第1スポット光
として照射される。
【0025】この場合、第1レーザビームは、ガルバノ
ミラー10によりY軸方向へ走査され、ガルバノミラー
11によりX軸方向へ走査され、これらの組み合わせに
より第1スポット光は、造形物41の照射基準面291
上での仮想輪郭線に沿って2次元的に走査される。な
お、第1スポット光は、造形物41の照射基準面291
上での仮想輪郭線で囲まれる領域内に位置し、かつ、第
1スポット光の外周が前記仮想輪郭線と一致するように
照射される。
【0026】一方、光路分割素子4で反射した第2レー
ザビームは、モジュレータ14に入射し、このモジュレ
ータ14により、第2レーザビームの透過/遮断の切り
換えがなされる。モジュレータ14を透過した第2レー
ザビームは、フォーカシング光学系15に入射し、この
フォーカシング光学系15により、第2レーザビームの
照射基準面(照射位置)291へのフォーカシング調整
がなされる。フォーカシング光学系15を透過した第2
レーザビームは、ガルバノミラー16で反射し、ガルバ
ノミラー17で反射し、さらにハーフミラー13でその
一部が透過して、造形物41の横断面の内部、すなわち
造形物41の照射基準面291上での仮想輪郭線で囲ま
れた領域(内部)に、第2スポット光として照射され
る。
【0027】この場合、第2レーザビームは、ガルバノ
ミラー16によりY軸方向へ走査され、ガルバノミラー
17によりX軸方向へ走査され、これらの組み合わせに
より第2スポット光は、造形物41の照射基準面291
上での仮想輪郭線で囲まれた領域(内部)を所定のパタ
ーンで2次元的に走査される。
【0028】前記第1スポット光および第2スポット光
は、それぞれ、照射位置である紫外線硬化型樹脂29の
液面(照射基準面)において、造形物41の仮想輪郭線
および内部の硬化に最適な条件となるように設定されて
いる。
【0029】すなわち、照射基準面291上でのスポッ
ト光面積(スポット光半径)は、第2スポット光より第
1スポット光の方が小さく、また、照射される光量は、
第2スポット光より第1スポット光の方が少なく、そし
て、照射基準面291上でのエネルギー密度は、第2ス
ポット光より第1スポット光の方が大きいか、または同
等となるように設定されている。これらは、光源2の出
力、光路分割素子4の反射率、フォーカシング光学系9
および15による焦点位置等の諸条件の変更により適宜
調整される。
【0030】第1スポット光については、光源2からの
平行光束がフォーカシング光学系9により集光されて、
照射基準面291上の微小領域を照射するようになって
いる。この場合、フォーカシング光学系9の焦点は、照
射基準面291上またはその極近傍に位置する。
【0031】一方、フォーカシング光学系15は、その
焦点(第2レーザビームの集光点)が照射基準面291
より図1中上側(第2レーザビームの入射側)に位置
し、かつ照射基準面291より図1中上側にて、その焦
点の位置を上下方向(Z軸方向)に変更し得るように構
成され、この焦点の位置の移動調整により、第2スポッ
ト光の径を任意に調整し得るようになっている。前記焦
点位置の移動調整により、第2スポット光は、任意の照
射面積をもって、照射基準面291を照射する。
【0032】本実施例においては、後述するように、第
2スポット光により、第2レーザビームの光軸方向(Z
軸方向)で複数層分の硬化を行わせる。このため、第2
スポット光の光量を大きく設定する必要があるが、第1
スポット光と第2スポット光とで共通の光源2を用いて
いるので、内部用光学系6へ入射する第2レーザビーム
の光量が輪郭用光学系5へ入射する第1レーザビームの
光量より大きくなるように、光路分割素子4における反
射率を十分に高めておく。また、第2スポット光の照射
時(内部硬化時)には、光源2の出力を増大させてもよ
い。なお、第1スポット光と第2スポット光の光強度の
バランスは、造形物41の形状やその成形のアルゴリズ
ム等に応じて適宜設定するのが好ましい。
【0033】前述したように、第1スポット光を絞り込
みそのスポット光面積を小さくすることにより、造形物
41の輪郭をシャープに成形することができ、また、第
1スポット光を絞り込むことによりエネルギー密度が増
大するので、硬化に必要な光量の紫外線を短時間で照射
でき、これにより造形作業の高速化を図ることができ
る。
【0034】また、第2スポット光のスポット光面積を
大きくすることにより、造形物41の内部にスポット光
を均一に照射できるので、内部を均一に硬化することが
できる。この場合、光量を一定にしたままスポット光面
積を増加させるとエネルギー密度が低下してしまうの
で、前述したように第2スポット光の光量は大きく設定
される。これにより、第2スポット光は、十分なエネル
ギー密度を確保したまま、そのスポット光面積が大きく
なり、よって、広い面積を短時間で硬化させることがで
きる。
【0035】光造形装置1は、さらに、樹脂槽28と、
造形物41を照射基準面291の法線方向(Z軸方向)
に移動させる移動手段20とを有している。樹脂槽28
には、液体状(未硬化)の紫外線硬化型樹脂29が貯留
されている。本実施例では、この紫外線硬化型樹脂29
の液面が照射基準面291に設定されており、造形の際
には、この照射基準面291をターゲットとして第1ス
ポット光および第2スポット光をそれぞれ照射する。
【0036】ここで、紫外線硬化型樹脂とは、紫外線の
照射により、光重合や光増感重合を開始し、これにより
硬化する樹脂やその組成物をいう。なお、本実施例で
は、例えば、ウレタンアクリレート系、エポキシアクリ
レート系およびビニルエーテル系の紫外線硬化型樹脂
等、公知の各種紫外線硬化型樹脂が用いられる。
【0037】移動手段20は、作業台21、ナット2
3、リードスクリュー24、モータ25、Z軸スケール
26およびZ軸スケールユニット27により構成されて
いる。以下、この移動手段20について具体的に説明す
る。
【0038】モータ25の回転軸には、リードスクリュ
ー24の一端が固定されている。このリードスクリュー
24には、リードスクリュー24に噛合するナット23
が、リードスクリュー24の軸方向に移動可能に設置さ
れている。
【0039】また、ナット23には、作業台21が接合
されている。作業台21は、Z軸方向にクランク状に屈
曲した板材であり、Z軸方向にのみ移動可能で、Z軸と
垂直な方向には移動不可能な機構になっている。また、
作業台21の一端側は、造形物41を載置(支持)する
載置部(支持部)22となっている。この作業台21
は、その載置部22が、樹脂槽28の中に位置するよう
配置されている。なお、作業台21の載置部22および
樹脂槽28中の紫外線硬化型樹脂29の液面は、X−Y
平面と平行になっている。
【0040】また、Z軸スケール26は、リードスクリ
ュー24と平行に、リードスクリュー24の近傍に配置
されており、このZ軸スケール26には、Z軸スケール
ユニット27が接続されている。前記Z軸スケール26
およびZ軸スケールユニット27により、造形物41の
Z軸方向の高さ、すなわち、照射基準面291に対する
作業台21の載置部22の位置が検出される。そして、
その情報は、後述するように、作業台21を初期位置へ
移動する際と、作業台21の移動が造形物41のZ軸方
向全長分完了したか否かを判断する際とに利用される。
【0041】図2に示すように、エンジニアリングワー
クステーションまたはパーソナルコンピュータよりなる
コントローラ31は、制御手段(CPU)32、データ
入力部33、操作部(キーボード)34および表示部
(CRT)35により構成されている。
【0042】制御手段32は、光源2、モジュレータ
8、14、フォーカシング光学系9、15、ガルバノミ
ラー10、11、16、17、モータ25およびZ軸ス
ケールユニット27それぞれの駆動制御等、光造形装置
1全体の制御を行う。データ入力部33からは、Z軸方
向の高さに応じた造形物41の断面形状のデータが、制
御手段32に入力される。
【0043】操作部34から制御手段32に造形開始信
号が入力されると、造形が開始される。また、この操作
部34により、第1スポット光および第2スポット光の
走査速度、拡大/等倍/縮小の選択、ミラー反転モード
の設定等、各種の造形条件を入力し得るようになってい
る。
【0044】表示部35には、前記操作部34により造
形条件を入力する際、第1スポット光および第2スポッ
ト光の走査速度、拡大/等倍/縮小、ミラー反転等の各
種の造形条件、すなわち、設定項目やその設定値および
形状情報(断面形状データ)等が表示される。また、造
形作業が終了した際には、表示部35により造形終了表
示等がなされる。
【0045】制御手段32には、光源2と、モジュレー
タ8と、モジュレータ14と、フォーカシング光学系9
を駆動する第1スポット用フォーカシング光学系駆動手
段(フォーカシング光学系駆動手段)9aと、フォーカ
シング光学系15を駆動する第2スポット用フォーカシ
ング光学系駆動手段(フォーカシング光学系駆動手段)
15aと、ガルバノミラー10のミラーを駆動する第1
スポットY軸方向走査用のガルバノミラー駆動手段(ガ
ルバノミラー駆動手段)10aと、ガルバノミラー11
のミラーを駆動する第1スポットX軸方向走査用のガル
バノミラー駆動手段(ガルバノミラー駆動手段)11a
と、ガルバノミラー16のミラーを駆動する第2スポッ
トY軸方向走査用のガルバノミラー駆動手段(ガルバノ
ミラー駆動手段)16aと、ガルバノミラー17のミラ
ーを駆動する第2スポットX軸方向走査用のガルバノミ
ラー駆動手段(ガルバノミラー駆動手段)17aと、モ
ータ25と、Z軸スケールユニット27とが接続されて
いる。
【0046】次に、光造形装置1の造形時の動作につい
て説明する。まず、光造形装置1による造形作業の概要
を説明すると、3次元CAD等で設計された立体像(被
造形物)をX−Y平面で輪切りにした各層毎の断面形状
データに基づいて、第1スポット光を照射基準面291
に照射し、紫外線硬化型樹脂29を硬化させて第1層の
輪郭部(輪郭線およびその近傍)を得、この後、1層分
沈めて、第1スポット光を同様に照射して第2層の輪郭
部を得、以下、同様にして、第N層まで輪郭部のみを成
形する。
【0047】次いで、前記断面形状データに基づいて、
第1層から第N層に、まとめて、第2スポット光を照射
し、紫外線硬化型樹脂29を硬化させて第1層から第N
層までを得る。以下、上記の動作を繰り返し、順次紫外
線硬化型樹脂29を硬化して積層すること(光造形法)
により造形物41を得る。
【0048】なお、制御手段32において、前記断面形
状データにより、被造形物の仮想輪郭線およびこの仮想
輪郭線で囲まれた内部硬化断面(内部硬化領域)が設定
される。前記仮想輪郭線および内部硬化断面(内部硬化
領域)の形状は、造形物のZ軸方向の移動に伴って、同
一でも異なっていてもよい。
【0049】光造形装置1の造形時の動作は下記の通り
である。図2に示すように、操作部34から制御手段3
2に造形開始信号が入力されると、光源2が駆動する。
この場合、図1に示すように、第1レーザビームおよび
第2レーザビームは、それぞれ、モジュレータ8および
14によって遮断されている。
【0050】また、フォーカシング光学系駆動手段9a
および15aにより、それぞれ、フォーカシング光学系
9および15が駆動され、第1レーザビームおよび第2
レーザビームの照射基準面291上での第1スポット光
および第2スポット光のフォーカシング調整がなされ
る。
【0051】また、作業台21は、Z軸スケールユニッ
ト27からの情報に基づいて、初期位置(スタート位
置)、すなわち、作業台21の載置部22の表面が紫外
線硬化型樹脂29の液面から1層(1ステップ)分沈ん
だ位置へ移動される。この場合、モータ25が駆動して
リードスクリュー24が回転し、これによりリードスク
リュー24に噛合しているナット23がそのリードスク
リュー24に沿って、Z軸方向に移動し、そのナット2
3とともに作業台21がZ軸方向に移動し、初期位置で
停止する。1層の厚さは、例えば、10〜100μm程
度とすればよい。
【0052】次いで、被造形物の形状情報(各層毎の断
面形状データ)のうちの第1層に関する断面形状データ
に基づいて、第1スポット光が照射され、これにより第
1層の輪郭部(輪郭線およびその近傍)の成形がなされ
る。なお、この輪郭部の成形時の動作については、後に
詳述する。
【0053】次いで、モータ25が1ステップ回転駆動
し、これにより、作業台21は、その載置部22が初期
位置からさらに1層分沈んだ位置へ移動される。次い
で、被造形物の形状情報(各層毎の断面形状データ)の
うちの第2層に関する断面形状データに基づいて、第1
スポット光が照射され、これにより第2層の輪郭部の成
形がなされる。以下、前記と同様にして、第N層まで造
形物41の輪郭部のみが成形される。なお、前記Nは、
例えば、1〜20程度とすればよい。
【0054】次いで、第N層に関する断面形状データに
基づいて、第1層から第N層に、まとめて、第2スポッ
ト光が照射され、これにより第1層から第N層の輪郭線
で囲まれた領域(内部)の成形がなされる。なお、この
内部の成形時の動作については、後に詳述する。以下、
上記の動作が繰り返し行われ、最終層まで積層されて、
造形物が得られる。
【0055】次に、輪郭部および内部の成形時の動作に
ついて説明する。図3は、光造形装置1の作業台21お
よび樹脂層28を示す側面図であり、図4は、第1スポ
ット光および第2スポット光の走査パターンを示す模式
図である。
【0056】モジュレータ8を透過した第1レーザビー
ム53は、輪郭用光学系5により、照射基準面(液面)
291へ第1スポット光51として照射される。この場
合、被造形物の形状情報に基づいて、輪郭用光学系5か
ら照射される第1スポット光51により、照射基準面2
91に、造形物41の照射基準面291上での仮想輪郭
線が描画される。
【0057】すなわち、第1レーザビームは、ガルバノ
ミラー10によりY軸方向へ走査され、ガルバノミラー
11によりX軸方向へ走査され、これらの組み合わせに
より第1スポット光51は、少なくとも1回、造形物4
1の照射基準面291上での仮想輪郭線42に沿って2
次元的に走査される。この際、図4に示すように、第1
スポット光51は、その外周が断面形状データに基づい
て特定される所望の仮想輪郭線42と一致するように走
査される。
【0058】このようにして照射される第1スポット光
51によって、造形物41の照射基準面291側の端部
近傍の樹脂で、かつ仮想輪郭線42に沿って該仮想輪郭
線42から内側に所定の幅が硬化し、照射基準面291
における造形物41の新たな輪郭部が形成される。
【0059】また、モジュレータ14を透過した第2レ
ーザビーム54は、内部用光学系6により、図3に示す
ように、照射基準面291へ第2スポット光52として
照射される。この際、第2スポット光52は、被造形物
の形状情報に基づいて仮想輪郭線42より内部(内側)
を走査する。
【0060】すなわち、第2レーザビームは、ガルバノ
ミラー16によりY軸方向へ走査され、ガルバノミラー
17によりX軸方向へ走査され、これらの組み合わせに
より第2スポット光52は、仮想輪郭線42で囲まれた
領域、すなわち内部43をライン44で示すように2元
的に走査される。これにより、第2スポット光52は、
造形物41の照射基準面291上での内部43全体に照
射され、その内部43が硬化される。
【0061】このようにして、前述した第1スポット光
51による作用と第2スポット光52による作用とを組
み合わせて、照射基準面291の近傍において、造形物
41の端部の成長形成を繰り返し行い、最終的に造形物
41の完成体を得る。
【0062】次に、造形時における光造形装置1の制御
手段32の制御動作について説明する。図5は、造形時
の制御手段32の制御動作を示すフローチャートであ
る。以下、このフローチャートに基づいて説明する。
【0063】図1、図2および図5に示すように、操作
部34から制御手段32に造形開始信号が入力される
と、光源2を駆動(オン)し、Z軸スケールユニット2
7からの信号(情報)に基づき、モータ25を回転させ
て作業台21を初期位置へ移動するとともに、フォーカ
シング光学系駆動手段9aおよび15aにより、それぞ
れ、フォーカシング光学系9および15を駆動し、第1
スポット光および第2スポット光のフォーカシング調整
を行う(ステップ101)。このステップ101では、
モジュレータ8および14は、それぞれ、遮光状態とな
っており、これにより第1スポット光51および第2ス
ポット光52は、いずれも照射されない。
【0064】次いで、データ入力部33からCAMによ
り作製された被造形物の断面形状データ(CAMデー
タ)が入力され、このCAMデータに基づいて被造形物
のZ軸方向の高さに応じた断面形状データ(被造形物の
仮想輪郭線および内部硬化断面データ)を作成する(ス
テップ102)。この場合、CAMデータにはない各層
間の断面形状データは、所定の補間処理により求める。
【0065】次いで、モジュレータ14を遮光状態にし
たまま、モジュレータ8を透過状態にするとともに、断
面形状データに基づいて、ガルバノミラー駆動手段10
aおよび11aによりそれぞれガルバノミラー10およ
び11を駆動し、図4に示すように第1スポット光51
を仮想輪郭線42に沿って1周(1回)走査し、これに
より第1スポット光51を仮想輪郭線42およびその近
傍全域に照射する(ステップ103)。このステップ1
03では、第1スポット光51を1周走査した時点で、
モジュレータ8を遮光状態とする。
【0066】次いで、第1スポット光51を仮想輪郭線
42に沿って1周走査する毎に、完了信号を出力し、第
1スポット光51の周回数をカウントする(ステップ1
04)。次いで、第1スポット光51の周回数が規定周
回数Nに達したか否かを判断する(ステップ105)。
【0067】ステップ105において、第1スポット光
51の周回数が規定周回数Nに達していないと判断した
場合には、モータ25を回転させて作業台21をZ軸方
向に1層分(1ステップ)移動させ(ステップ10
6)、この後、ステップ102に戻り、再度、ステップ
102以降を実行する。
【0068】また、ステップ105において、第1スポ
ット光51の周回数が規定周回数Nに達したと判断した
場合には、カウントした第1スポット光51の周回数を
クリアし、内部43の硬化処理、すなわち第2スポット
光52の内部43への照射が完了したか否かを判断する
(ステップ107)。
【0069】ステップ107において、内部43の硬化
処理が完了していないと判断した場合には、モジュレー
タ8を遮光状態にしたまま、モジュレータ14を透過状
態にするとともに、断面形状データに基づいて、ガルバ
ノミラー駆動手段16aおよび17aによりそれぞれガ
ルバノミラー16および17を駆動し、図4に示すよう
に第2スポット光52をライン44に沿って1回走査
し、これにより第2スポット光52を内部43全域に均
一に照射する(ステップ108)。このステップ108
では、第2スポット光52を1回走査した時点で、モジ
ュレータ14を遮光状態とする。
【0070】また、ステップ107において、内部43
の硬化処理が完了したと判断した場合には、Z軸スケー
ルユニット27からの信号(情報)に基づき、作業台2
1の移動が、造形物41のZ軸方向全長分完了したか否
かを判断する(ステップ109)。
【0071】ステップ109において、作業台21の移
動が、造形物41のZ軸方向全長分完了していないと判
断した場合には、モータ25を回転させて作業台21を
Z軸方向に1層分(1ステップ)移動させ(ステップ1
10)、この後、ステップ102に戻り、再度、ステッ
プ102以降を実行する。
【0072】また、ステップ109において、作業台2
1の移動が、造形物41のZ軸方向全長分完了したと判
断した場合には、造形作業を終了し、光源2の駆動を停
止(オフ)するとともに、表示部35により造形終了表
示等、造形作業終了時の所定の処理を行う(ステップ1
11)。以上でこのプログラムは終了する。
【0073】なお、このプログラムでは、前述したよう
に、1層毎に仮想輪郭線への第1スポット光51の照射
を行ない、それをN層繰り返した後、前記N層分をまと
めて、内部43へ第2スポット光52を照射するように
なっている。
【0074】このように、本実施例の光造形装置1は、
造形物の仮想輪郭線の走査専用の光学系および造形物の
内部の走査専用の光学系、すなわち、造形物の照射基準
面291上での仮想輪郭線に第1スポット光を照射する
輪郭用光学系5と、造形物の照射基準面291上での仮
想輪郭線で囲まれた領域(内部)に第2スポット光を照
射する内部用光学系6とを有しているので、第1スポッ
ト光を仮想輪郭線への照射に最適な条件に設定し、第2
スポット光を内部への照射に最適な条件に設定すること
ができる。
【0075】また、第1スポット光を、照射基準面(照
射位置)291におけるスポット光面積が極力小さく、
かつ、小パワー(光量が小)となるように調整し、第2
スポット光を、照射基準面291上でのスポット光面積
が比較的大きく、かつ、大パワー(光量が大)となるよ
うに調整した本実施例の光造形装置1によれば、造形物
の照射基準面291上での仮想輪郭線には、その仮想輪
郭線に沿って、正確にスポット光を線状に照射し得るの
で、輪郭精度(外形精度)が向上し、かつ、外形面の粗
度が小さくなり、よって、輪郭がシャープに成形された
外形品質の良い造形物を得ることができる。また、第2
スポット光のスポット光面積およびパワーは大きいの
で、造形物の照射基準面291上での内部には、スポッ
ト光を均一に照射でき、よって、内部を均一に硬化する
ことができる。しかも、硬化に必要な光量の紫外線を短
時間で照射できるので走査速度を速く設定でき、かつ、
内部の走査距離も短縮し得るので、造形作業の高速化を
図ることができる。
【0076】また、本実施例の光造形装置1によれば、
造形物の照射基準面291上での内部への第2スポット
光の照射を、複数層(複数ピッチ分)まとめて行うの
で、造形作業時間をさらに短縮することができる。
【0077】この場合、造形作業時間が短縮される分、
積層方向(Z軸方向)の送りピッチ、すなわち、1層の
厚さを薄くすることができるので、これにより外形表面
を滑らかにすることができ、造形物の外形品質が向上す
る。
【0078】なお、前述した光造形装置1では、モジュ
レータ8および14により、それぞれ、第1レーザビー
ムおよび第2レーザビームの透過/遮断の切り換えを行
うようになっているが、本発明では、例えば、反射ミラ
ー7を移動させる第1の移動手段と、光路分割素子4を
移動させる第2の移動手段とを設け、第1の移動手段に
より反射ミラー7を移動させて第1レーザビームのオン
/オフを切り換え、第2の移動手段により光路分割素子
4を移動させて第2レーザビームのオン/オフを切り換
えるように構成してもよい。
【0079】次に、本発明の光造形装置の第2実施例を
説明する。なお、前述した第1実施例との共通点につい
ては説明を省略し、相違点のみを説明する。図6は、本
発明の光造形装置の第2実施例を示す斜視図である。な
お、図6に示すように、リードスクリュー24の軸方向
をZ軸方向とするX−Y−Z座標系を想定する。
【0080】同図に示すように、光造形装置1Aは、第
1の光源(光源)2Aと、第2の光源(光源)3Aと、
造形物41の照射基準面291上での仮想輪郭線に第1
スポット光を照射する輪郭用光学系5Aと、造形物41
の照射基準面291上での仮想輪郭線で囲まれた領域
(内部)に第2スポット光を照射する内部用光学系6A
と、移動手段20と、樹脂槽28と、コントローラ31
とを有している。光源2Aおよび3Aとしては、それぞ
れ、例えば、Arレーザ、He−Cdレーザ等の紫外線
発光レーザが用いられる。
【0081】輪郭用光学系5Aは、光源2Aから出射し
た第1レーザビームの透過/遮断の切り換えを行う第1
スポット用モジュレータ(モジュレータ)8、第1スポ
ット用フォーカシング光学系(フォーカシング光学系)
9、第1スポットY軸方向走査用のガルバノミラー(ガ
ルバノミラー)10、第1スポットX軸方向走査用のガ
ルバノミラー(ガルバノミラー)11、反射ミラー12
およびハーフミラー13により構成されている。
【0082】内部用光学系6Aは、光源3Aから出射し
た第2レーザビームの透過/遮断の切り換えを行う第2
スポット用モジュレータ(モジュレータ)14、第2ス
ポット用フォーカシング光学系(フォーカシング光学
系)15、第2スポットY軸方向走査用のガルバノミラ
ー(ガルバノミラー)16、第2スポットX軸方向走査
用のガルバノミラー(ガルバノミラー)17およびハー
フミラー13により構成されている。なお、ハーフミラ
ー13は、輪郭用光学系5Aの光軸と内部用光学系6A
の光軸とを合わせるために設けられているが、本発明で
はこのハーフミラー13を省略し、ガルバノミラーで反
射したスポット光を直接造形物に照射するよう構成して
もよい。
【0083】次に、光造形装置1Aの造形時の動作につ
いて説明する。光造形装置1Aによる造形作業の概要を
説明すると、3次元CAD等で設計された立体像(被造
形物)をX−Y平面で輪切りにした各層毎の断面形状デ
ータに基づいて、第1スポット光および第2スポット光
をそれぞれ照射基準面291に照射し、紫外線硬化型樹
脂29を硬化させて第1層を得、この後、1層分沈め
て、第1スポット光および第2スポット光をそれぞれ照
射基準面291に照射し、紫外線硬化型樹脂29を硬化
させて第2層を得、以下、同様にして、各層毎に順次紫
外線硬化型樹脂29を硬化して積層すること(光造形
法)により造形物41を得る。
【0084】なお、制御手段32において、前記断面形
状データにより、被造形物の仮想輪郭線およびこの仮想
輪郭線で囲まれた内部硬化断面(内部硬化領域)が設定
される。
【0085】次に、造形時における光造形装置1Aの制
御手段32の制御動作について説明する。図7は、造形
時の制御手段32の制御動作を示すフローチャートであ
る。以下、このフローチャートに基づいて説明する。
【0086】図2、図6および図7に示すように、操作
部34から制御手段32に造形開始信号が入力される
と、光源2Aおよび3Aをそれぞれ駆動(オン)し、Z
軸スケールユニット27からの信号(情報)に基づき、
モータ25を回転させて作業台21を初期位置へ移動す
るとともに、フォーカシング光学系駆動手段9aおよび
15aにより、それぞれ、フォーカシング光学系9およ
び15を駆動し、第1スポット光および第2スポット光
のフォーカシング調整を行う(ステップ201)。この
ステップ201では、モジュレータ8および14は、そ
れぞれ、遮光状態となっており、これにより第1スポッ
ト光および第2スポット光は、いずれも照射されない。
【0087】次いで、データ入力部33からCAMによ
り作製された被造形物の断面形状データ(CAMデー
タ)が入力され、このCAMデータに基づいて被造形物
のZ軸方向の高さに応じた断面形状データ(被造形物の
仮想輪郭線および内部硬化断面データ)を作成する(ス
テップ202)。この場合、CAMデータにはない各層
間の断面形状データは、所定の補間処理により求める。
【0088】次いで、モジュレータ8および14をそれ
ぞれ透過状態にするとともに、断面形状データに基づい
て、ガルバノミラー駆動手段10aおよび11aにより
それぞれガルバノミラー10および11を駆動し、図4
に示すように第1スポット光51を仮想輪郭線42に沿
って1周(1回)走査し、これにより第1スポット光5
1を仮想輪郭線42およびその近傍全域に照射し、これ
と同時に、ガルバノミラー駆動手段16aおよび17a
によりそれぞれガルバノミラー16および17を駆動
し、図4に示すように第2スポット光52をライン44
に沿って1回走査し、これにより第2スポット光52を
内部43全域に均一に照射する(ステップ203)。
【0089】このステップ203では、第1スポット光
51を1周走査した時点でモジュレータ8を遮光状態と
し、第2スポット光52を1回走査した時点でモジュレ
ータ14を遮光状態とする。
【0090】なお、このステップ203では、第1スポ
ット光51の走査と、第2スポット光52の走査とが同
時に開始され、第1スポット光51の走査が第2スポッ
ト光52の走査より先に終了する。すなわち、第1スポ
ット光51の照射と、第2スポット光52の照射とが、
時間的に一部重複する。
【0091】次いで、Z軸スケールユニット27からの
信号(情報)に基づき、作業台21の移動が、造形物4
1のZ軸方向全長分完了したか否かを判断する(ステッ
プ204)。
【0092】ステップ204において、作業台21の移
動が、造形物41のZ軸方向全長分完了していないと判
断した場合には、モータ25を回転させて作業台21を
Z軸方向に1層分(1ステップ)移動させ(ステップ2
05)、この後、ステップ202に戻り、再度、ステッ
プ202以降を実行する。
【0093】また、ステップ204において、作業台2
1の移動が、造形物41のZ軸方向全長分完了したと判
断した場合には、造形作業を終了し、光源2Aおよび3
Aの駆動をそれぞれ停止(オフ)するとともに、表示部
35により造形終了表示等、造形作業終了時の所定の処
理を行う(ステップ206)。以上でこのプログラムは
終了する。
【0094】このように、本実施例の光造形装置1Aに
よれば、前述した光造形装置1と同様に、第1スポット
光を仮想輪郭線への照射に最適な条件に設定し、第2ス
ポット光を内部への照射に最適な条件に設定することが
できるので、輪郭精度(外形精度)が向上し、かつ、外
形面の粗度が小さくなり、よって、輪郭がシャープに成
形された外形品質の良い造形物を得ることができる。ま
た、内部を均一に硬化することができ、しかも、造形作
業の高速化を図ることができる。
【0095】また、本実施例の光造形装置1Aによれ
ば、専用の2つの光学系、すなわち、輪郭用光学系5お
よび内部用光学系6により、造形物41の照射基準面2
91上での仮想輪郭線および内部に、それぞれ、第1ス
ポット光および第2スポット光を、時間的に重複するよ
うに照射するので、1つの光学系を兼用して仮想輪郭線
および内部をそれぞれ照射する従来の装置に比べ、造形
作業時間を短縮することができ、これにより、さらに造
形作業の高速化を図ることができる。
【0096】この場合、造形作業時間が短縮される分、
積層方向(Z軸方向)の送りピッチ、すなわち、1層の
厚さを薄くすることができるので、これにより外形表面
を滑らかにすることができ、造形物の外形品質が向上す
る。
【0097】さらに、本実施例の光造形装置1Aでは、
光源が独立している(各スポット光の専用の光源が設け
られている)ので、第1スポット光および第2スポット
光の条件設定の自由度が大きい。
【0098】以上、本発明の光造形装置を、図示の各実
施例に基づいて説明したが、本発明はこれに限定される
ものではない。例えば、前述した各実施例では、光源
2、2Aおよび3Aは、それぞれ、紫外線発光レーザで
あるが、これに限定されず、本発明では、この他、例え
ば、紫外線発光光源等を用いてもよい。
【0099】また、前記第1実施例の光造形装置1にお
いて、前記第2実施例の光造形装置1Aと同様の制御を
行ってもよく、逆に、前記第2実施例の光造形装置1A
において、前記第1実施例の光造形装置1と同様の制御
を行ってもよい。
【0100】また、前記各実施例では、紫外線硬化型樹
脂を用いているが、これに限定されず、本発明では、従
来公知の各種光硬化型樹脂を用いてもよい。なお、前記
光硬化型樹脂とは、光を照射すると、光重合や光増感重
合を開始し、これにより硬化する樹脂やその組成物をい
う。
【0101】また、前記各実施例では、仮想輪郭線42
への第1スポット光の照射が完了した後、造形物41を
Z軸方向に移動させるよう構成されているが、これに限
定されず、本発明は、スポット光を照射しつつ、移動手
段20により、光硬化型樹脂29に対して相対的に造形
物41をZ軸方向に移動させるような構成であってもよ
い。
【0102】この場合、例えば、移動手段20により造
形物41をZ軸方向へ移動させつつ、仮想輪郭線42へ
第1スポット光を照射し、これにより連続的(例えば、
螺旋状)に一定の厚み分だけ仮想輪郭線42への照射を
行なって仮想輪郭線42およびその近傍を硬化させた
後、内部43へ第2スポット光を照射して、内部43を
硬化させる。そして、これを交互に繰り返して造形物4
1を得るように構成してもよい。
【0103】また、前記第2実施例では、輪郭用光学系
5Aによる造形物41の仮想輪郭線42への第1スポッ
ト光の照射と、内部用光学系6Aによる造形物41の内
部43への第2スポット光の照射とが、時間的に一部重
複するよう構成されているが、本発明は、この他、輪郭
用光学系5Aによる造形物41の仮想輪郭線42への第
1スポット光の照射と、内部用光学系6Aによる造形物
41の内部43への第2スポット光の照射とが、時間的
に全部重複するような構成であってもよい。
【0104】また、前記各実施例では、紫外線硬化型樹
脂29の液面が照射基準面291となっているが、これ
に限定されず、本発明では、照射基準面を樹脂槽28の
内側底面281とし、樹脂槽28の底部側から第1スポ
ット光および第2スポット光をそれぞれ照射するよう構
成してもよい。この場合、作業台21の移動方向は前記
各実施例とは逆に、造形物41の成形に従って作業台2
1を順次上昇させていく。
【0105】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光造形装
置によれば、造形物の照射基準面上での仮想輪郭線に第
1スポット光を導く輪郭用光学系と、造形物の照射基準
面上での仮想輪郭線で囲まれる領域(内部)に第2スポ
ット光を導く内部用光学系とを有しているので、仮想輪
郭線へ照射される第1スポット光および内部へ照射され
る第2スポット光のそれぞれを最適条件に設定すること
ができる。
【0106】また、仮想輪郭線へ照射される第1スポッ
ト光および内部へ照射される第2スポット光のそれぞれ
を最適条件に設定することにより、造形物の照射基準面
上での仮想輪郭線には、その仮想輪郭線に沿って、正確
にスポット光を線状に照射し得るので、輪郭精度(外形
精度)が向上し、シャープな輪郭を有する造形物を得る
ことができる。そして、造形物の照射基準面上での内部
には、スポット光を均一に照射し得るので、内部を均一
に硬化することができ、さらに造形物の照射基準面上で
の内部の照射時間や走査距離を短縮し得るので、造形作
業の高速化を図ることができる。
【0107】また、専用の2つの光学系、すなわち、輪
郭用光学系および内部用光学系により、造形物の照射基
準面上での仮想輪郭線および内部に、第1スポット光お
よび第2スポット光を照射するので、1つの光学系を兼
用して仮想輪郭線および内部をそれぞれ照射する従来の
装置に比べ、造形作業時間を短縮することができる。こ
の場合、造形作業時間が短縮される分、積層方向の送り
ピッチ、すなわち、1層の厚さを薄くすることができる
ので、これにより外形表面を滑らかにすることができ、
造形物の外形品質が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光造形装置の第1実施例を示す斜視図
である。
【図2】本発明の光造形装置の第1実施例を示すブロッ
ク図である。
【図3】本発明における作業台および樹脂槽を示す側面
図である。
【図4】本発明における第1スポット光および第2スポ
ット光の走査パターンを示す模式図である。
【図5】本発明の光造形装置の第1実施例における造形
時の制御手段の制御動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の光造形装置の第2実施例を示す斜視図
である。
【図7】本発明の光造形装置の第2実施例における造形
時の制御手段の制御動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1、1A 光造形装置 2 光源 2A 第1の光源 3A 第2の光源 3 反射ミラー 4 光路分割素子 5、5A 輪郭用光学系 6、6A 内部用光学系 7 反射ミラー 8 第1スポット用モジュレータ 9 第1スポット用フォーカシング光学系 9a 第1スポット用フォーカシング光学系駆動
手段 10 第1スポットY軸方向走査用のガルバノミ
ラー 10a 第1スポットY軸方向走査用のガルバノミ
ラー駆動手段 11 第1スポットX軸方向走査用のガルバノミ
ラー 11a 第1スポットX軸方向走査用のガルバノミ
ラー駆動手段 12 反射ミラー 13 ハーフミラー 14 第2スポット用モジュレータ 15 第2スポット用フォーカシング光学系 15a 第2スポット用フォーカシング光学系駆動
手段 16 第2スポットY軸方向走査用のガルバノミ
ラー 16a 第2スポットY軸方向走査用のガルバノミ
ラー駆動手段 17 第2スポットX軸方向走査用のガルバノミ
ラー 17a 第2スポットX軸方向走査用のガルバノミ
ラー駆動手段 20 移動手段 21 作業台 22 載置部 23 ナット 24 リードスクリュー 25 モータ 26 Z軸スケール 27 Z軸スケールユニット 28 樹脂槽 281 内側底面 29 紫外線硬化型樹脂 291 照射基準面 31 コントローラ 32 制御手段 33 データ入力部 34 操作部 35 表示部 41 造形物 42 仮想輪郭線 43 内部 44 ライン 51 第1スポット光 52 第2スポット光 53 第1レーザビーム 54 第2レーザビーム 101〜111 ステップ 201〜206 ステップ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光硬化型樹脂に、被造形物の形状情報に
    基づいてスポット光を照射し、前記光硬化型樹脂を硬化
    させて造形物を得る光造形装置であって、 少なくとも1つの光源と、照射基準面が設定されている
    未硬化の光硬化型樹脂に対して相対的に造形物を前記照
    射基準面の法線方向に移動させる移動手段と、前記光源
    からの光束を、第1スポット光として、前記被造形物の
    形状情報に基づいて設定される前記造形物の前記照射基
    準面上での仮想輪郭線に沿って照射する輪郭用光学系
    と、前記光源からの光束を前記仮想輪郭線で囲まれた領
    域に第2スポット光として照射する内部用光学系とを有
    し、 前記輪郭用光学系および内部用光学系により、前記第1
    スポット光および第2スポット光をそれぞれ照射すると
    ともに、前記移動手段により、前記光硬化型樹脂に対し
    て相対的に前記造形物を前記照射基準面の法線方向に移
    動して、前記被造形物の形状に前記光硬化型樹脂を硬化
    し、前記造形物を得るよう構成したことを特徴とする光
    造形装置。
  2. 【請求項2】 前記移動手段は、前記造形物を、前記光
    硬化型樹脂に対して相対的に、所定距離で段階的に移動
    させるよう構成され、 前記段階的に移動の1ピッチ毎に、前記輪郭用光学系に
    より前記第1スポット光の照射を行い、輪郭線が形成さ
    れた複数ピッチ分に対して、前記内部用光学系により前
    記第2スポット光の照射を行うよう作動する請求項1に
    記載の光造形装置。
  3. 【請求項3】 前記第1スポット光の照射と前記第2ス
    ポット光の照射とが、時間的に重複するよう構成した請
    求項1に記載の光造形装置。
  4. 【請求項4】 前記照射基準面上での前記第1スポット
    光の面積は、前記照射基準面上での前記第2スポット光
    の面積より小さくなるよう構成した請求項1ないし3の
    いずれかに記載の光造形装置。
  5. 【請求項5】 前記第1スポット光の光量は、前記第2
    スポット光の光量より少なくなるよう構成した請求項1
    ないし4のいずれかに記載の光造形装置。
  6. 【請求項6】 前記仮想輪郭線に沿って該仮想輪郭線か
    ら内側に所定の幅を前記第1スポット光により硬化さ
    せ、その硬化部分より内側の領域を前記第2スポット光
    により硬化させるよう構成した請求項1ないし5のいず
    れかに記載の光造形装置。
  7. 【請求項7】 前記内部用光学系の焦点が前記照射基準
    面より前記光束の入射側に位置するよう構成された請求
    項1ないし6のいずれかに記載の光造形装置。
  8. 【請求項8】 前記第1スポット光および第2スポット
    光のうちの少なくとも一方の面積および/または光量を
    調整可能とした請求項1ないし7のいずれかに記載の光
    造形装置。
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