JP4510529B2 - 光造形方法および装置 - Google Patents

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本発明は光硬化性樹脂組成物を紫外線によって光硬化させて造形を行う光造形方法およびそのための装置に関する。より詳細には、本発明は、描画マスクとして用いる液晶描画マスクの紫外線または紫外線と赤外線による劣化を抑制して液晶描画マスクの長寿命化を達成しながら、更には液晶描画マスクを介して造形面に照射される光の強度分布を均一にしながら、外観および寸法精度に優れる高品質の光造形物を、高い造形精度で且つ速い造形速度で、生産性良く製造するための光造形方法および装置に関する。
近年、三次元CADに入力されたデータに基づいて光硬化性樹脂を硬化させて立体造形物を製造する光学造形方法および装置が実用化されている。この光造形技術は、設計の途中で外観デザインを検証するためのモデル、部品の機能性をチェックするためのモデル、鋳型を製作するための樹脂型、金型を製作するためのベースモデルなどのような複雑な三次元物体を容易に造形できることから注目を集めている。
光学造形方法によって造形物を製造するに当たっては、造形浴を用いる方法が汎用されており、その手順としては、造形浴に液状の光硬化性樹脂を入れ、液面に所望のパターンが得られるようにコンピューターで制御されたスポット状の紫外線レーザー光を選択的に照射して所定の厚みに光硬化させて硬化樹脂層を形成し、その硬化樹脂層を造形浴内で下方に移動させて造形浴内の光硬化性樹脂液を該硬化樹脂層上に流動させて光硬化性樹脂液の層を形成させ、その光硬化性樹脂液層にスポット状の紫外線レーザー光を照射して硬化樹脂層を形成し、前記の工程を所定の形状および寸法の立体造形物が得られるまで繰り返して行う方法が広く採用されている。
しかしながら、スポット状の紫外線レーザー光を用いる上記した従来法による場合は、1個のスポット状レーザー光を光硬化性樹脂の表面に照射しながら移動させて面状の光硬化したパターンを形成するいわゆる点描方式であるため、造形に長い時間を要し、生産性が低いという問題がある。しかも、光源として用いられる紫外線レーザー装置は極めて高価であるため、この種の光学的立体造形装置を高価格なものにしている。
スポット状レーザー光を用いる上記した従来技術の問題点を解消するために、スポット状レーザー光照射装置よりも安価な光源、例えば、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプなどの高輝度放電ランプ[High Intensity Dis-charge Lamp)(HIDランプ)]などの光源を使用して、光源の下流に描画マスクを配置し、描画マスクを介して造形しようとする断面形状パターンに応じた光を光硬化性樹脂組成物よりなる造形面に照射して、描画マスクのマスク画像に対応する所定の断面形状パターンを有する硬化樹脂層を形成させる工程を繰り返えして立体造形物を製造する光造形技術が開発されている。そしてその際に、描画マスクとして、微小ドットエリアでの遮光および透光が可能な複数の微小液晶シャッターを線状または面状に配置した液晶描画マスクを用いて光造形を行う方法が知られている(例えば特許文献1〜4を参照)。
光学的立体造形においては、スポット状レーザー光を用いて点描方式で立体造形物を製造する上記した従来技術、および高輝度放電ランプなどの比較的安価な光源を使用し液晶描画マスクを介して光硬化性樹脂組成物よりなる造形面に光を照射して光硬化した樹脂層を形成する上記した従来の造形技術のいずれにおいても、光硬化性樹脂組成物として紫外線硬化性の樹脂組成物を用いて、紫外線レーザー光または光源からの光に含まれる紫外線によって光硬化した樹脂層を形成することが一般に広く行われている。その理由としては、(1)紫外線は波長が短く造形面に深く侵入しないことにより、造形面への光線の侵入深度の調節が容易で、薄くて厚さの均一な光硬化した樹脂層を順次形成することが可能で、寸法精度に優れる造形物を製造できること;(2)一方、可視光線および赤外線は波長が長く造形面に深く侵入するため、造形面への光線の侵入深度の調節が困難で、所定の厚さを有し且つ厚さの均一な光硬化した樹脂層を形成しにくく、それに伴って寸法精度に優れる立体造形物の製造が困難であること;(3)紫外線で硬化し且つ可視光線や赤外線で硬化しない紫外線硬化性樹脂組成物を用いると明るい場所でも光造形作業を行うことができるのに対して、可視光線で硬化する光硬化性樹脂組成物を用いると、光照射していない部分も雰囲気中の可視光線によって硬化してしまい、所定の形状パターンに光硬化することができず造形作業を暗室で行う必要があり、光硬化性樹脂組成物の取り扱い性および造形時の作業性に極めて劣ること;(4)赤外線で硬化する光硬化性樹脂組成物を用いると所定の鮮明な輪郭を有する光硬化した形状パターンの形成が困難で、寸法精度に優れる造形物が得られにくいことなどが挙げられる。
光硬化性樹脂組成物として紫外線硬化性樹脂組成物を用いて紫外線によって光硬化した樹脂層を形成する上記した造形技術のうち、液晶描画マスクを介して造形面に光を照射して光硬化した樹脂層を形成させる技術は、上記したように、スポット状紫外線レーザー光を造形面に照射して点描方式で照射して光硬化した樹脂層を形成する技術に比べて、一度に硬化できる面積が大きいために造形速度が速く、しかもレーザー発射装置に比べて安価な光源を使用できるなどの点で優れている。しかしながら、本発明者が液晶描画マスクを用いて紫外線によって光硬化した樹脂層を形成する光造形技術について研究を重ねたところ、光源からの光に含まれる紫外線によって液晶描画マスクが早期に劣化し、短期間のうちにそのマスク機能(すなわち微小ドットエリアでの遮光および透光機能)が失われ易いという欠点があり、液晶描画マスクを用いる光造形技術を実用上有効なものにするためには液晶描画マスクの紫外線による早期劣化を防止して、その寿命の長期化を図る必要があることが判明した。
液晶自体は、液晶ディスプレーとしてパーソナルコンピューター、携帯電話、大型テレビジョンなどで近年汎用されており、また液晶プロジェクターなどの分野でも使用されている。これらの用途では、液晶による表示のために、通常、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプなどのような、紫外線を含む光を放射する光源が用いられている。そのため、これらの分野では紫外線による液晶の劣化防止が検討されているが、これらの分野で液晶による表示に利用されている光線は主に可視光線であって紫外線は殆ど利用されないため、すべての紫外線をカットするか、またはすべての紫外線と紫外線に近い短波長の可視光線をカットして液晶の寿命を延ばすことが専ら試みられている。そのような従来技術としては、例えば、波長430nm以下の光線をカット(波長が400nm以下である紫外線のすべてと波長が400〜430nmの短波長の可視光線をカット)する、液晶プロジェクターなどに用いるための紫外線吸フィルターガラスが知られている(特許文献5を参照)。
しかしながら、液晶描画マスクを用いる光造形技術においては、上記したように、光造形時の光硬化性樹脂組成物の取り扱い性や作業性、得られる光造形物の寸法精度などの点から、光硬化性樹脂組成物として紫外線硬化性樹脂組成物を用いて、光源からの光に含まれる紫外線によって造形面に所定の形状パターンを有する光硬化した樹脂層を形成する必要があるため、光源からの光に含まれるすべての紫外線をカットすると光造形自体が実施できなくなる。したがって、パーソナルコンピューター、携帯電話、大型テレビジョンなどの液晶ディスプレーや液晶プロジェクターなどを対象とする、前記特許文献5に記載されているような従来技術(液晶の紫外線による劣化を抑制するために全ての紫外線をカットする従来技術)は光造形技術では採用できず、液晶描画マスクを用いる光造形技術に特有の、紫外線に対する耐久性の向上技術の開発が必要である。そのことは、液晶描画マスクを用いて紫外線を利用して三次元の立体造形物を製造する光造形技術および二次元の造形物(造形パターン)を製造する光造形技術(例えば液晶描画マスクを用いるレジスト技術など)の両方に共通している。
液晶描画マスクを介して紫外線を照射して光造形を行うに当って、紫外線による液晶描画マスクの劣化を抑制する観点から、光硬化性樹脂組成物の硬化に利用する所定波長の紫外線を透過させ、その一方で光硬化性樹脂組成物の硬化に利用しない前記所定波長以外の波長の紫外線を吸収および/または反射するフィルターを使用すること方法が考えられる。しかしながら、それを実施しようとして所定波長の紫外線のみを透過する紫外線フィルターの利用を試みたところ、従来知られている紫外線フィルターでは、光硬化性樹脂組成物の硬化に利用する所定波長の紫外線のフィルターの透過率は高くても85%程度であって、該所定波長の紫外線の15%またはそれ以上がフィルターで吸収および/または反射されて失われてしまい、光源からの光に含まれる該所定波長の紫外線を効率良く有効に利用することが困難であることが判明した。所定波長の紫外線の利用率が低下すると、鮮明な硬化画像の形成が困難になったり、エネルギー強度のより高い高価な光源を使用する必要を生ずるなどの点で問題がある。
また、液晶描画マスクは、紫外線ほどではないが、加熱作用の大きな赤外線によっても劣化する傾向があり、かかる点から、液晶描画マスクを用いる光造形技術では、液晶描画マスクの紫外線による劣化の抑制と共に赤外線による劣化をも防止または抑制して、液晶描画マスクの寿命を一層延ばすことのできる技術の開発が求められている。
さらに、液晶描画マスクを用いて光造形を行うに当っては、紫外線による液晶描画マスクの劣化防止と併せて、外観、寸法精度、強度の均一性などに優れる高品質の光造形物を高い造形精度で製造するために液晶描画マスクを介して造形面に照射される光の強度分布が均一であることが求められているが、紫外線による液晶描画マスクの劣化防止と造形面に照射される紫外線の強度分布の均一化を同時に達成できる従来技術が知られていないのが現状である。
特開昭62−288844号公報 特開平3−227222号公報 特開平7−2905789号公報 特開平8−112863号公報 特開2003−48749号公報
本発明の目的は、紫外線硬化性樹脂組成物を用い、液晶描画マスクを使用して、光源からの光に含まれる紫外線によって光硬化した樹脂層を形成する光造形技術において、液晶描画マスクの紫外線による劣化または紫外線と赤外線による劣化を抑制して、液晶描画マスクの耐久寿命を延長させること、それと同時に光源からの光に含まれる所定波長の紫外線を高い効率で無駄なく有効に利用しながら、目的とする光硬化した造形物を、高い造形精度で且つ硬化ムラや強度ムラの発生を防ぎつつ、速い造形速度で、生産性良く且つ低コストで製造することのできる光造形方法および装置を提供することである。
さらに、本発明の目的は、紫外線や赤外線による液晶描画マスクの劣化の抑制、所定波長の紫外線の高効率での有効利用と併せて、液晶描画マスクを介して造形面に照射される光の強度分布を均一にして、造形精度に一層優れ、しかも硬化ムラや強度ムラの一層低減された光造形物を製造することのできる光造形方法および装置を提供することである。
特に、本発明の目的は、高価な紫外線レーザー装置を用いずに、例えば、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプなどのような安価な光源を用いて、紫外線、または紫外線と赤外線による液晶描画マスクの劣化を抑制して液晶描画マスクの長寿命化を実現しながら、同時に前記した安価な光源からの光に含まれる所定波長の紫外線を高い効率で有効利用しながら、また光の強度分布の均一化を図りながら、高い造形精度を有し且つ硬化ムラや強度ムラのない高品質の造形物を、速い造形速度で且つ経済的に製造することのできる実用化技術を提供することである。
上記の目的を達成すべく本発明者は鋭意検討を重ねてきた。その結果、液晶描画マスクを介して紫外線硬化性樹脂組成物よりなる造形面に光を照射し、光に含まれる紫外線によって所定の形状パターンを有する光硬化した樹脂層を形成する工程を経て光造形物を製造するに当たって、光源からの光に含まれる紫外線のすべてをそのまま光硬化した樹脂層の形成に用いるのではなく、所定波長の紫外線のみを用いて光硬化した樹脂層を形成し、所定波長の紫外線とは異なる波長の紫外線による液晶描画マスクの曝露を防止するとよいということに想到した。そして、更に検討を重ねた結果、その際に所定波長の紫外線と該所定波長の紫外線とは波長の異なる紫外線の選別(分離)を、所定波長の紫外線のみを透過させそれ以外の紫外線を吸収および/または反射する前記した紫外線フィルターを用いて行うのではなく、光硬化に利用する所定波長の紫外線を反射させ且つ該所定波長の紫外線とは波長の異なる紫外線を透過させて分離・除去する紫外線選別装置を用いると、光硬化に利用する所定波長の紫外線の殆ど全量を、エネルギー強度の低減を生ずることなく光硬化性樹脂組成物の硬化に有効に利用できることを見出した。
本発明者は、上記の紫外線選別装置として、中空の透明な筒状体の内壁面に、光硬化性樹脂組成物の硬化に利用する所定波長の紫外線を反射し且つ該所定波長の紫外線とは波長の異なる紫外線を透過して分離する紫外線選別膜層を設けた筒状体を作製して使用することを試みた。その結果、前記筒状体の入口側の開口部から光を導入したときに、光硬化に利用する前記所定波長の紫外線が筒状体によって吸収されずに、筒状体の内壁面に設けた紫外線選別膜層によって100%に近い反射率で順次反射されながら元の光強度を維持しつつ筒状体の出口側の開口部から導出されること、しかもその際に筒状体の出口側の開口部から導出される前記所定波長の紫外線の強度分布が均一化していること、その一方で前記所定波長の紫外線とは波長の異なる紫外線は筒状体の側壁から筒状体外に透過して系外に効率よく分離でき、したがって前記筒状体をベースとする前記紫外線選別装置が、液晶描画マスクを用いて光造形を行う際に極めて有効であることを見出した。
また、本発明者は、前記した紫外線選別装置では、前記所定波長の紫外線と異なる波長を有する紫外線の透過と併せて赤外線の透過を行えるように設計することが可能で、その場合には前記所定波長の紫外線とは異なる波長の紫外線および赤外線の両方による液晶描画マスクの曝露を防止することができ、それによって液晶描画マスクの使用可能寿命を一層長くできることを見出した。
そして、本発明者は、光源として超高圧水銀ランプまたは高圧水銀ランプを使用し、超高圧水銀ランプまたは高圧水銀ランプから放射される光に含まれる波長365nmの紫外線(通称「i線」)によって光硬化した樹脂層を形成すると共に、波長340nm以下の紫外線を液晶描画マスクの上流に配置した前記紫外線選別装置によって分離除去すると、速い光硬化速度を保ちながら、紫外線による液晶描画マスクの劣化をより効果的に抑制することができ、実用性などの点で優れる光造形技術を提供できることを見出し、それらの種々の知見に基づいて本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
(1) 光硬化性樹脂組成物よりなる造形面に、微小ドットエリアでの遮光および透光が可能な複数の微小液晶シャッターを線状または面状に配置した液晶描画マスクを介して制御下に光を照射して所定の形状パターンを有する光硬化した樹脂層を形成した後、該光硬化した樹脂層の上に1層分の光硬化性樹脂組成物を施して造形面を形成し、該光硬化性樹脂組成物よりなる造形面に液晶描画マスクを介して制御下に光を照射して所定の形状パターンを有する光硬化した樹脂層を更に形成する工程を、目的とする立体造形物が形成されるまで繰り返す光造形方法であって、光硬化性樹脂組成物として紫外線硬化性樹脂組成物を使用し、光発射手段と液晶描画マスクとの間の位置に、光硬化性樹脂組成物の光硬化に利用する所定波長の紫外線を反射すると共に、該所定波長の紫外線とは波長の異なる紫外線を透過させて分離・除去する紫外線選別装置を配置し、該紫外線選別装置によって、光源からの光に含まれる紫外線のうち光硬化性樹脂組成物の光硬化に利用する所定波長の紫外線を反射させて該反射された所定波長の紫外線を液晶描画マスクの方向へと導くと同時に、該所定波長の紫外線とは波長の異なる紫外線を紫外線選別装置を透過させて不要光として分離・除去して、前記所定波長の紫外線とは波長の異なる紫外線による液晶描画マスクの曝露を防止しながら、紫外線選別装置によって反射された前記所定波長の紫外線を液晶描画マスクを介して造形面に照射して所定の形状パターンを有する光硬化した樹脂層を形成することを特徴とする光造形方法である。
そして、本発明は、
(2) 光硬化性樹脂組成物よりなる造形面に、微小ドットエリアでの遮光および透光が可能な複数の微小液晶シャッターを線状または面状に配置した液晶描画マスクを介して制御下に光を照射して所定の形状パターンを有する光硬化した樹脂層を形成する工程を有する光造形方法であって、光硬化性樹脂組成物として紫外線硬化性樹脂組成物を使用し、光発射手段と液晶描画マスクとの間の位置に、光硬化性樹脂組成物の光硬化に利用する所定波長の紫外線を反射すると共に、該所定波長の紫外線とは波長の異なる紫外線を透過させて分離・除去する紫外線選別装置を配置し、該紫外線選別装置によって、光源からの光に含まれる紫外線のうち光硬化性樹脂組成物の光硬化に利用する所定波長の紫外線を反射させて該反射された所定波長の紫外線を液晶描画マスクの方向へと導くと同時に、該所定波長の紫外線とは波長の異なる紫外線を紫外線選別装置を透過させて不要光として分離・除去して、前記所定波長の紫外線とは波長の異なる紫外線による液晶描画マスクの曝露を防止しながら、紫外線選別装置によって反射された前記所定波長の紫外線を液晶描画マスクを介して造形面に照射して所定の形状パターンを有する光硬化した樹脂層を形成することを特徴とする光造形方法である。
さらに、本発明は、
(3) 前記紫外線選別装置が、液晶描画マスクを介して造形面に照射される前記所定波長の紫外線を含む光の強度分布を均一化する機能を更に有する前記(1)または(2)の光造形方法;および、
(4) 前記紫外線選別装置が、光硬化した樹脂層の形成に用いる前記所定波長の紫外線の95%以上を反射し且つ該所定波長の紫外線よりも短波長の紫外線の85%以上を透過して不要光として分離・除去する紫外線選別装置である前記(1)〜(3)のいずれかの光造形方法;
である。
そして、本発明は、
(5) 紫外線選別装置が、両端の開口した中空の透明な筒状体の内壁面に、前記所定波長の紫外線を反射し且つ該所定波長の紫外線とは波長の異なる紫外線を透過する紫外線選別膜層を形成した紫外線選別装置からなり、該紫外線選別装置の筒状体の入口側の開口部から光を導入して、光硬化性樹脂の硬化に利用する前記所定波長の紫外線を、筒状体の内壁面に形成した紫外線選別膜層により筒状体内で順次反射させながら光の強度分布を均一化しつつ筒状体の出口側の開口部から導出すると共に、前記所定波長の紫外線とは波長の異なる紫外線を前記筒状体の側壁から筒状体外に透過させて分離・除去する前記した(1)〜(4)のいずれかの光造形方法;および、
(6) 紫外線選別装置の筒状体の内壁面に形成した紫外線選別膜層が、屈折率の高い非吸収性の誘電体物質と屈折率の低い非吸収性の誘電体物質を交互に膜状に多層コーティングした誘電体多層膜コーティングよりなる前記(5)の光造形方法;
である。
さらに、本発明は、
(7) 前記紫外線選別装置が、更に波長780nm以上の光線の85%以上を透過して不要光として分離・除去する機能を有し、それによって波長780nm以上の光線による液晶描画マスクの曝露を更に防止または抑制する前記(1)〜(6)のいずれかの光造形方法;
) 光硬化した樹脂層を形成するための前記所定波長の紫外線が、300〜390nmの範囲内の波長を有する紫外線である前記(1)〜()のいずれかの光造形方法;および、
) 光源として高輝度放電ランプを使用する前記(1)〜()のいずれかの光造形方法;
である。
そして、本発明は、
10) 光硬化性樹脂組成物として、波長365nmまたはその近傍の紫外線によって少なくとも硬化するが波長400nm以上の可視光線および赤外線では硬化しない紫外線硬化性樹脂組成物を用い、光源として超高圧水銀ランプまたは高圧水銀ランプを使用し、紫外線選別装置として、超高圧水銀ランプまたは高圧水銀ランプから放射される光に含まれる波長365nmまたはその近傍の紫外線の95%以上を反射し且つ波長340nm以下の紫外線の85%以上を透過する紫外線選別装置を液晶描画マスクの上流側に配置して、液晶描画マスクの波長340nm以下の紫外線による曝露を防止または抑制しながら、光硬化した樹脂層を波長365nmまたはその近傍の紫外線によって形成する前記(1)〜()のいずれかの光造形方法である。
さらに、本発明は、
11) 光硬化性樹脂組成物よりなる造形面を形成する手段;
光硬化性樹脂組成物を硬化させる所定波長の紫外線とそれ以外の波長の紫外線を含む光を放射する光発射手段;
微小ドットエリアでの遮光および透光が可能な複数の微小光シャッターを線状または面状に配置した液晶描画マスク;および、
光硬化性樹脂組成物を硬化させる前記所定波長の紫外線を反射させるが、該所定波長以外の波長の紫外線を透過・分離する、光発射手段と液晶描画マスクとの間に配置した紫外線選別装置;
を備えていることを特徴とする光造形装置である。
そして、本発明は、
12) 紫外線選別装置が、両端で開口した中空の透明な筒状体の内壁面に、前記所定波長の紫外線を反射し且つ該所定波長の紫外線とは波長の異なる紫外線を透過・分離する紫外線選別膜層を形成した紫外線選別装置からなる前記(11)の光造形装置;
13) 紫外線選別装置の筒状体の内壁面に形成した紫外線選別膜層が、屈折率の高い誘電体物質と屈折率の低い誘電体物質を交互に多層にコーティングした誘電体多層コーティング膜層である前記(12)の光造形装置;
14) 前記紫外線選別装置が、更に波長780nm以上の光線の85%以上を透過して不要光として分離する機能を有する前記(11)〜(13)のいずれかの光造形装置;および、
15) 光源が、高輝度放電ランプである前記(11)〜(14)のいずれかの光造形装置;
である。
本発明による場合は、液晶描画マスクの紫外線による劣化または紫外線と赤外線による劣化を抑制して、液晶描画マスクの耐久寿命を延長させながら、目的とする光硬化した造形物や光硬化した造形パターンなどを、高い造形精度で且つ硬化ムラや強度ムラの発生を防ぎつつ、速い造形速度で、生産性良く、且つ低コストで製造することができる。
さらに、本発明による場合は、光源などの光発射手段から放出される光に含まれる紫外線のうち、光造形に利用する所定波長の紫外線を、そのエネルギー強度の低下を生ずることなく、100%に近い率で維持しながら光造形に有効に利用することができるため、造形精度に優れる鮮明な光硬化物を効率よく形成することができる。
また、本発明において、紫外線選別装置として、両端の開口した中空の透明な筒状体の内壁面に光硬化性樹脂組成物の光硬化に利用する所定波長の紫外線を反射すると共に該所定波長の紫外線とは波長の異なる紫外線を透過する紫外線選別膜層を形成した紫外線選別装置を使用した場合には、光造形に利用する前記所定波長の紫外線の強度分布の均一化を同時に達成することができ、それによって光造形物における硬化ムラ、強度ムラなどの発生を防止して、造形精度および寸法精度などに優れる光造形物を同時に形成することができる。
本発明による場合は、光源として高価な紫外線レーザー装置を用いなくても、例えば、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプなどのような安価な光源を使用し、それらの光源から発射される光に含まれる紫外線のうちの所定波長の紫外線を高率で利用して、紫外線、または紫外線と赤外線による液晶描画マスクの劣化を抑制しながら、前記した高品質の造形物や光硬化した形状パターンなどを、速い造形速度で且つ経済的に製造することができる。
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明では、
(1) 紫外線硬化性樹脂組成物よりなる造形面に、微小ドットエリアでの遮光および透光が可能な複数の微小液晶シャッターを線状または面状に配置した液晶描画マスクを介して制御下に光を照射して所定の形状パターンを有する光硬化した樹脂層を形成した後、該光硬化した樹脂層の上に1層分の紫外線硬化性樹脂組成物を施して造形面を形成し、該紫外線硬化性樹脂組成物よりなる造形面に液晶描画マスクを介して制御下に光を照射して所定の形状パターンを有する光硬化した樹脂層を更に形成する工程を、目的とする立体造形物が形成されるまで繰り返して立体造形物を製造するか;或いは、
(2) 紫外線硬化性樹脂組成物よりなる造形面に、前記した液晶描画マスクを介して制御下に光を照射して、所定の形状パターンを有する光硬化した樹脂層を有する製品(例えばレジストなどのような製品)を製造する。
立体造形物の製造に係る前記した(1)の造形技術は、一般に、液状の紫外線硬化性樹脂組成物を充填した造形浴中に造形テーブルを配置し、造形テーブルを下降させることによって造形テーブル面に1層分の液状の紫外線硬化性樹脂組成物層を形成させ、液晶描画マスクを介して制御下に光を照射して所定のパターンおよび厚みを有する光硬化した樹脂層(以下「光硬化層」ということがある)を形成した後、造形テーブルを更に下降させて該光硬化層面に1層分の液状の紫外線硬化性樹脂組成物層を形成させて液晶描画マスクを介して制御下に光を照射して所定のパターンおよび厚みを有する光硬化層を一体に積層形成する工程を繰り返して行う、造形浴法を採用して行うことができる。
また、立体造形物の製造に係る前記した(1)の造形技術は、例えば、気体雰囲気中に造形テーブルを配置し、その造形テーブル面に1層分の液状、ペースト状、粉末状または薄膜状の紫外線硬化性樹脂組成物を施して液晶描画マスクを介して制御下に光を照射して所定のパターンおよび厚みを有する光硬化層を形成した後、該光硬化層面に1層分の液状、ペースト状、粉末状または薄膜状の紫外線硬化性樹脂組成物を施して液晶描画マスクを介して制御下に光を照射して所定のパターンおよび厚みを有する光硬化層を一体に積層形成する工程を繰り返して行う方法を採用して行うこともできる。この方法による場合は、造形テーブルまたは光硬化層を上向きにしておき、その上面に紫外線硬化性樹脂組成物を施し、液晶描画マスクを介して光照射して光硬化層を順次積層形成してゆく方式を採用してもよいし、造形テーブルまたは光硬化層を垂直または斜めに配置しておいて造形テーブル面または光硬化層面上に紫外線硬化性樹脂層を施し液晶描画マスクを介して光照射して光硬化層を順次積層形成してゆく方式を採用してもよいし、或いは造形テーブルまたは光硬化層を下向きに配置しておいて造形テーブル面または光硬化層面に紫外線硬化性樹脂層組成物を施し液晶描画マスクを介して光照射して順次下方に光硬化層を積層形成してゆく方式を採用してもよい。造形テーブル面または光硬化層面に紫外線硬化性樹脂組成物を施すに当たっては、例えば、ブレード塗装、流延塗装、ローラー塗装、転写塗装、ハケ塗り、スプレー塗装などの適当な方法を採用することができる。
また、上記(2)の造形技術は、例えば、適当な基材(金属、プラスチック、布帛、紙、セラミック、ガラス、木材、それらの2つ以上の複合体など)の上に紫外線硬化性樹脂組成物の層を形成し、そこに微小ドットエリアでの遮光および透光が可能な複数の微小液晶シャッターを線状または面状に配置した液晶描画マスクを介して制御下に光を照射して、所定の形状パターンを有する光硬化した樹脂層にするのに用いることができる。そのため上記(2)の造形技術は、基材上に所定の形状パターンを有する光硬化した樹脂層を有する例えば、レジストやその他の製品の製造に利用することができる。
そのうちでも、本願発明は、上記(1)の立体造形物の製造技術に特に有効に使用することができる。
本発明で用いる液晶描画マスクは、微小ドットエリアでの遮光および透光が可能な複数の微小液晶シャッターを線状(例えばX方向、またはY方向)に配列した線状液晶描画マスク、或いは面状(X−Y方向)に並列配置した正方形状または長方形状の面状液晶描画マスクのいずれでもよく、そのうちでも面状の液晶描画マスクを用いることが造形速度(造形効率)などの点から好ましい。線状液晶描画マスクまたは面状液晶描画マスクに配置する微小液晶シャッター(画素子)の数は特に制限されず、従来から知られているものなどを使用することができる。液晶シャッター(液晶表示素子)としては、例えば、QVGA(画素数=320ドット×240ドット)、VGA(画素数=640×480ドット)、SVGA(画素数=800×600ドット)、UXGA(画素数=1024×768ドット)、QSXGA(画素数=2560×2648ドット)などを用いることができ、これらの液晶シャッターは従来から広く販売されている。
液晶描画マスクを構成する液晶の種類、液晶描画マスクを構成する他の部分の材質、液晶描画マスクの構造などの違いによって、液晶描画マスクの紫外線による劣化し易さにはある程度の差はあるが、本発明による場合は、いずれの液晶描画マスクに対してもその劣化を抑制して、使用可能寿命を長くすることができる。
本発明の光造形を行うに当たっては、液晶描画マスクを静止した状態で液晶描画マスクを介して紫外線硬化性樹脂組成物よりなる造形面に光を照射して1層分の光硬化した樹脂層を形成してもよいし、1層分の光硬化した樹脂層の形成途中に液晶描画マスクのマスク画像を断続的に変えると共に液晶描画マスクを次の位置に移動させて光硬化した樹脂層を形成してもよいし、1層分の光硬化した樹脂層の形成時に液晶描画マスクのマスク画像をテレビジョン画像や映画のように動画的に連続して変化させるのと同期して液晶描画マスクを連続的に移動させて1層分の光硬化した樹脂層を形成してもよいし、または前記した方式の2つ以上を採用して光造形を行ってもいずれでもよい。
本発明では、光源として、紫外線レーザー発射装置(例えばArレーザー発射装置、He−Cdレーザー発射装置、LDレーザー発射装置など)を用いることもできるが、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプなどのような高輝度放電ランプ(HIDランプ)やハロゲンランプが好ましく使用される。そのうちでも、後記するように、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプが、光硬化した樹脂層を短時間に形成し得る光強度を有する波長の紫外線を含むこと、光硬化した樹脂層の形成に利用しない他の波長の紫外線の分離・除去が容易であることなどの点から好ましく用いられ、特に超高圧水銀ランプがより好ましく用いられる。
光源の形状、大きさ、数は特に制限されず、液晶描画マスクの形状や寸法は、形成しようとする光硬化した樹脂層の形状パターンの形状やサイズなどに応じて適宜選択することができ、光源は、例えば、点状、球状、棒状、面状であってもよい。
紫外線選別装置として、下記で具体的に説明する両端で開口した中空の透明な筒状体の内壁面に、光硬化性樹脂組成物の光硬化に利用する所定波長の紫外線(以下これを単に「所定波長の紫外線」ということがある)を反射し且つ該所定波長の紫外線とは波長の異なる紫外線(以下これを「所定波長以外の紫外線」ということがある)を透過する紫外線選別膜層を形成した紫外線選別装置を使用する場合は、光源などの光発射手段からの光が紫外線選別装置の筒状体の入口側開口部から筒状体に良好に導入され得るような形状およびサイズの光源などの光発射手段を使用するとよい。
光源は、紫外線選別装置の背部側に液晶描画マスクなどと共に移動可能に設けてもよいし、または造形精度の向上、造形速度の向上、装置の軽量化、保守性の向上などの目的で、光源を固定位置に動かないように設ける共に光源からの光を光ファイバー、ライトガイドやその他の光伝達手段を通して紫外線選別装置の背部に導き、光ファイバーやライトガイドやその他の光伝達手段から光を発射させ、その光に含まれる紫外線を紫外線選別装置によって選別して、所定波長以外の紫外線を系外に分離して除き、所定波長の紫外線を液晶描画マスクを介して、造形面に光を照射するようにしてもよい。
また、造形速度の向上のために複数の光源を用いて集光し光エネルギーを高くさせる方式を採ってもよい。特に光ファイバーやライトガイドなどを使用する場合は複数光源を集光させ易いというメリットがある。
本発明では、光源などの光発射手段から発射される光に含まれる紫外線をそのまま光硬化した樹脂層の形成に用いずに、光発射手段と液晶描画マスクの間に、所定波長の紫外線を反射すると共に所定波長以外の紫外線を透過させる紫外線選別装置を配置し、該紫外線選別装置によって、光源からの光に含まれる紫外線のうち、所定波長の紫外線を反射させて該反射された所定波長の紫外線を液晶描画マスクの方向へと導くと同時に所定波長以外の紫外線を透過させて不要光として分離・除去して、所定波長以外の紫外線による液晶描画マスクの曝露を防止しながら所定波長の紫外線を液晶描画マスクを介して造形面に照射して所定の形状パターンを有する光硬化した樹脂層を形成する。
光源などの光発射手段から発射される光に、光硬化した樹脂層の形成に用いる所定波長の紫外線を間に挟んで、所定波長の紫外線よりも波長の長い紫外線と、所定波長の紫外線よりも波長の短い紫外線が含まれている場合は、該波長の長い紫外線と該波長の短い紫外線の両方を紫外線選別装置を透過させて分離除去して両者による液晶描画マスクの曝露を防止または抑制することが液晶描画マスクの劣化抑制の点からより好ましいが、場合によっては、前記した波長の長い紫外線および波長の短い紫外線のそれぞれのエネルギー強度などに応じて、所定波長以外の紫外線による液晶描画マスクのより効率的な劣化防止のために、エネルギー強度の高い一方の紫外線のみを紫外線選別装置を透過させて分離するようにしてもよい。
紫外線選別装置としては、所定波長の紫外線を高率で反射、好ましくは95%以上の割合で反射して液晶描画マスクの方向に導くと共に、所定波長以外の紫外線を高率で透過、好ましくは85%以上の割合で透過して不要光として分離・除去できる装置であればいずれも採用することができる。そのうちでも、紫外線選別装置としては、両端で開口した中空の透明な筒状体を有し、該筒状体の内壁面に所定波長の紫外線を反射すると同時に所定波長以外の紫外線を透過する紫外線選別膜層を形成した紫外線選別装置が好ましく使用される。この紫外線選別装置を使用した場合は、筒状体の入口側の開口部から入射した光のうち、所定波長の紫外線が筒状体の内壁面に形成した紫外線選別膜層によって筒状体内で入口側から出口側へと次々に反射されて最後に筒状体の出口側の開口部から導出され、それと同時に所定波長以外の紫外線は筒状体の壁部を透過して筒状体外へと分離・除去されて、光源などの光発射手段から発射された光に含まれていた紫外線のうち、所定波長の紫外線が該所定波長の紫外線の当初のエネルギー強度に近いエネルギー強度(一般に95%以上のエネルギー強度)を保ちながら筒状体の出口側の開口部から導出される。
その結果、紫外線選別装置の筒状体の出口側の開口部から導出された所定波長の紫外線を液晶描画マスクを介して造形面に照射する際に、所定波長以外の紫外線による液晶描画マスクの曝露がなくなり、液晶描画マスクの劣化が大幅に低減できると共に、光源などの光発射手段から発射される光に含まれている所定波長の紫外線を高い効率で有効に利用することができる。
しかも、筒状体内に入射した光に含まれる所定波長の紫外線が筒状体の内壁面に形成した紫外線選別膜層によって次々と反射しながら筒状体の出口側の開口部へと向う間にその光強度分布が均一化されて、光強度ムラのない所定波長の紫外線が液晶描画マスクを介して造形面に照射されるので、強度ムラや硬化ムラなどのない均一の光硬化層を造形面に形成することができる。
上記した紫外線選別装置における筒状体は、透明で光透過率の高い材料、例えばガラス、メタクリル樹脂などから形成することができ、そのうちでもガラスから製造されていることが耐熱性などの点から好ましい。筒状体を形成するガラスとしては、例えば、「パイレックス」(登録商標)、硼珪酸クラウンガラス、合成石英ガラス、「ゼロデュア」(登録商標)、チタン珪酸ガラス、光学クラウンガラス、サファイアガラス、セレン亜鉛ガラスなどを挙げることができる。
また、筒状体の内壁面に形成する紫外線選別膜層としては、所定波長の紫外線を高率で反射し且つ所定波長以外の紫外線を高率で透過できる材料よりなる膜であればよく、また紫外線選別膜層は単層膜層であってもまたは複層膜層であってもよい。そのうちでも、紫外線選別膜層としては、屈折率の高い非吸収性の誘電体物質(例えばAl23、HfO2、ZrO2など)と屈折率の低い非吸収性の誘電体物質(例えばMgF2、SiO2など)を交互に膜状に多層にコーティングした誘電体多層膜コーティングが好ましい。かかる誘電体多層膜コーティングによる場合は、光の干渉作用により、所定波長の紫外線が筒状体の内壁面で次々と反射されて筒状体の出口側開口部へと進み、一方所定波長以外の紫外線が筒状体の壁部を透過して筒状体の外部に分離・除去される。前記した誘電体多層膜コーティングとしては、光伸光工業社製の「コールドミラー」に使用されている紫外線餞別膜層などを挙げることができる。
透明なガラス製の筒状体の内壁面に前記誘電体多層膜コーティングを形成した筒状体を備えた紫外線選別装置を使用した場合には、波長365nmおよびその近傍の紫外線(所定波長の紫外線)のほぼ全量が筒状体内で次々と反射されて筒状体の出口側の開口部から95%以上の効率で導出され、一方所定波長以外の紫外線(特に波長340nm以下の紫外線)の90%以上が筒状体の壁面を透過して筒状体の外側に分離・除去される。
なお、本明細書でいう、光硬化した樹脂層の形成に利用する所定波長の紫外線の効率(%)とは、光源などの光発射手段から発射されて紫外線選別装置に入射した光に含まれる所定波長の紫外線の合計エネルギー(合計光強度)に対する紫外線選別装置で反射されて紫外線選別装置から導出された所定波長の紫外線の合計エネルギー(合計光強度)の%をいう。また、所定波長以外の紫外線の透過率(%)とは、光源などの光発射手段から発射されて紫外線選別装置に入射した光に含まれる所定波長以外の紫外線の合計エネルギー(合計光強度)に対する紫外線選別装置を透過して紫外線選別装置の外部に放出される所定波長以外の紫外線の合計エネルギー(合計光強度)の%をいう。
本発明で紫外線選別装置として好ましく使用される、中空で透明な筒状体をベースとする上記した紫外線選別装置においては、筒状体の形状は特に制限されず、例えば、長方形の筒状体、正方形の筒状体、円筒体、楕円形の筒状体、多角形の筒状体、三角形の筒状体などのいずれでもよい。そのうちでも、長方形または正方形の筒状体を採用した場合には、筒状体内に入射した光源などからの光のうち、光硬化性樹脂組成物の硬化に用いる所定波長の紫外線が筒状体の内壁面に形成した紫外線選別膜層によって次々と反射されながら筒状体の出口側の開口部から導出される際に、該所定波長の紫外線の導出時の横断面形状が、筒状体の横断面形状と相似した長方形または正方形になって、一般に長方形または正方形をなす液晶描画マスクの形状と一致するため、液晶描画マスクを介して所定波長の紫外線を造形面に無駄なく円滑に照射することができる。
前記した紫外線選別装置における筒状体の長さ、筒状体の中空部の寸法(断面寸法)、壁厚などは制限されず、使用する光源などの光発射手段の種類、形状、寸法などに応じて決めることができる。一般的には、筒状体としては、入口側の開口部から出口側の開口部までの長さが1cm〜5m、中空部の内径(中空部が方形の場合は対角線の長さ)が10μm〜30cm、壁厚が10μm〜50mmのものが、装置の取り扱い性、所定波長の紫外線の反射効率、所定波長以外の紫外線の吸収効率、反射回数などの点から好ましく採用される。
光硬化した樹脂層の形成に用いる所定波長の紫外線としては、紫外線硬化性樹脂組成物の硬化波長(特に紫外線硬化性樹脂組成物中に含まれる光重合開始剤や光増感剤の種類、光重合開始剤や光増感剤の吸収波長、そのうちでも最適吸収波長)、紫外線硬化性樹脂組成物を構成する樹脂成分、モノマー成分、その他の成分の紫外線硬化特性(特に光硬化を生ずる光波長との関係)、光源の種類、光源に含まれる紫外線の種類、分光分布、その強度などの各々の状況に応じて、それらを総合的に勘案して決めることが好ましい。特に、光硬化した樹脂層を形成する前記所定波長の紫外線としては、光源からの光に含まれる紫外線のうちで、紫外線硬化性樹脂組成物を速やかに硬化することのできる光強度(光エネルギー)を有し且つ液晶描画マスクに対する劣化作用が比較的小さな紫外線を利用することが好ましい。
一般に、紫外線の波長が短くなるに従って、液晶描画マスクに対する劣化作用が大きくなり、使用可能な光硬化性樹脂組成物の種類が少なくなり、しかも安価で且つ良好に使用できる光学部品や材料が少なくなるので、光硬化した樹脂層の形成に利用する紫外線としては、その波長が300〜390nmの範囲にあるものが好ましく、330〜390nmの範囲にあるものがより好ましく、350〜390nmの範囲にあるものが更に好ましい。そのため、光源としては、前記した300〜390nm、そのうちでも330〜390nm、特に350〜390nmの波長範囲内に紫外線硬化性樹脂組成物を良好に硬化することのできる光強度を有する紫外線を含み、前記した波長範囲の紫外線と、300nm未満の紫外線(そのうちでも330nm未満、特に350nm未満の紫外線)とを、紫外線選別装置で選別できる分光分布を有する光源が好ましく用いられる。そのような光源の具体例としては、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプなどの高輝度放電ランプ(HIDランプ)やハロゲンランプなどを挙げることができ、これらのうちでも超高圧水銀ランプまたは高圧水銀ランプが好ましく用いられる。
本発明において、光源として好ましく用いられる超高圧水銀ランプは、図1に示すような互いに明確に分離した複数のピークよりなる分光分布を有しており、また高圧水銀ランプも図2に示すような互いに明確に分離した複数のピークよりなる分光分布を有している。図1および図2に見るように、超高圧水銀ランプおよび高圧水銀ランプから放射される光は、波長365nmおよびその近傍に光硬化性樹脂組成物の硬化に適する強度の高い紫外線ピークを独立して有し、365nmと400nmとの間には他の紫外線ピークが存在せず、365nm以外の紫外線の大半が0〜340nmの波長範囲に分布している。
したがって、波長365nmまたはその近傍の紫外線によって少なくとも硬化し且つ波長400nm以上の可視光線および赤外線によっては硬化しない紫外線硬化性樹脂組成物を用い、光源として超高圧水銀ランプまたは高圧水銀ランプを使用して、これらの水銀ランプから放射される光のうち、波長365nmまたはその近傍の紫外線およびそれよりも長波長の光線を反射させ、波長340nm以下の紫外線を透過して系外に分離・除去する紫外線選別手段を液晶描画マスクの上流側(光源などの光発射手段と液晶描画マスクの間)に配置することによって、該365nmまたはその近傍の紫外線を液晶描画マスクを介して通過させて光硬化した樹脂層を速やかに且つ円滑に形成できると同時に、それよりも波長が短くて液晶描画マスクに対する劣化作用の大きな紫外線の大半を液晶描画マスクに到達する前に分離・除去して、紫外線による液晶描画マスクの劣化をより効果的に抑制することができる。
超高圧水銀ランプと高圧水銀ランプを比較した場合には、超高圧水銀ランプの方が高圧水銀ランプに比べてアークの長さが短く、ランプ自体が小型化されているために、光造形装置に取り付けた時に場所をとらず取り付けが容易であるなどの利点があり、またそれ以外にも放射エネルギーが大きいという利点があり、そのため、超高圧水銀ランプがより好ましく用いられる。
本発明では、造形精度の向上、造形速度の向上、装置の軽量化、保守性の向上、装置コストのダウンなどの目的で、液晶描画マスクの上流側(背部側)に配置する光源の種類、形状、数、液晶描画マスクの形状やサイズなどに応じて、光源からの光を液晶描画マスクに良好に導くための手段(例えば集光レンズ、フレネルレンズなど)、また液晶描画マスクによって形成されたマスク画像(液晶描画マスクを通った光画像)を紫外線硬化性樹脂組成物よりなる造形面の所定位置に高造形精度で照射させるための手段(例えば投影ンズ、プロジェクタレンズなど)を配置することが好ましい。
本発明では、光硬化性樹脂組成物として、紫外線により硬化し、可視光線および赤外線では硬化しない紫外線硬化性樹脂組成物を用いるのがよい。紫外線硬化性樹脂組成物は、液状、ペースト、粉末状、薄膜状などのいずでの形態であってもよく、特に液状であることが光造形時の取扱性などの点から好ましい。
本発明では、紫外線硬化性樹脂組成物として、紫外線によって硬化を行う光造形において従来から用いられている、例えば、ウレタンアクリレートオリゴマー、エポキシアクリレートオリゴマー、エステルアクリレートオリゴマー、多官能エポキシ樹脂などの各種オリゴマー;イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルメタクリレート、ジシクロペンテニロキシエチルアクリレート、ジシクロペンテニロキシエチルメタクリレート、ジシクロペタニルアクリレート、ジシクロペタニルメタクリレート、ボルニルアクリレート、ボルニルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、モルホリンアクリルアミド、モルホリンメタクリルアミド、アクリルアミドなどのアクリル系化合物やN−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、酢酸ビニル、スチレンなどの各種の単官能性ビニル化合物;トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジシクロペンタニルジアクリレート、ポリエステルジアクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレートなど多官能性ビニル化合物;水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペートなどの各種エポキシ系化合物などの1種または2種以上と、紫外線の波長領域で光重合開始作用を有する光重合開始剤および必要に応じて増感剤などを含有する紫外線硬化性樹脂組成物を用いることができる。
使用する光源の種類(特に光源から放射される光の紫外線波長領域での分光分布)、光硬化した樹脂層の形成に用いる紫外線の波長(所定波長)、光硬化した樹脂層の形成に使用しない分離・除去すべき紫外線の波長などに応じて、紫外線硬化性樹脂組成物の紫外線による硬化波長を調整することが好ましい。紫外線硬化性樹脂組成物の紫外線による硬化波長の調整は、例えば、紫外線硬化性樹脂組成物中に配合する光重合開始剤の種類(特に最適紫外線吸収波長)、紫外線硬化性樹脂組成物を構成するポリマーやモノマーの種類や組成、増感剤の種類、他の成分の種類や配合組成などを選ぶことにより行うことができる。
何ら限定されるものではないが、本発明で用いる紫外線硬化性樹脂組成物で用い得る光重合開始剤としては、例えば、イソブチルベンゾインエーテル(最適UV吸収240〜270nm)、イソプロピルベンゾインエーテル(同240〜270nm)、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインメチルエーテル(同300〜380nm)などのベンゾインエーテル系光重合開始剤;1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム(同250〜400nm)などのα−アシロキシムエステル系光重合開始剤;2,2−メトキシ−2−フェニルアセトフェノン(同250〜350nm)、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(同250〜319nm)などのベンジルケタール系光重合開始剤;ジエトキシアセトフェノン(同240〜350nm)、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(同310〜390nm)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(同200〜300nm)などのアセトフェノン誘導体系光重合開始剤;ベンゾフェニン(同240〜350nm)、クロロチオキサントン(同275〜400nm)、2−クロロチオキサントン(同200〜400nm)、イソプロピルチオキサントン(同250〜400nm)、2−メチルチオキサントン(同250〜400nm)、ハロゲン置換アルキル−アリールケトン(同240〜360nm)などのベンゾイル系光重合開始剤などを挙げることができる。
光造形に使用する光源の種類(光源から放射される光における紫外線領域での分光分布)、光硬化した樹脂層の形成に用いる紫外線の波長、光硬化した樹脂層の形成に用いずに分離・除去する紫外線の波長などに応じて、より適した光重合開始剤を選択して、紫外線硬化性樹脂組成物中に配合するとよい。光源として超高圧水銀ランプまたは高圧水銀ランプを用いて、365nmまたはその近傍の波長を有する紫外線によって光硬化した樹脂層を形成し、波長340nm以下の紫外線を分離・除去する上記した方法によって光造形を行う場合には、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン[例えばチバスペシャリティーケミカル社製「イルガキュア(登録商標)651」など]、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン[例えばチバスペシャリティーケミカル社製「ダロキュア(登録商標)1173」など]などの光重合開始剤を含有する紫外線硬化性樹脂組成物を用いることが好ましい。
本発明で使用する紫外線硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、さらに、レベリング剤、リン酸エステル塩系界面活性剤以外の界面活性剤、有機高分子改質剤、有機可塑剤、固体微粒子(例えば、カーボンブラック微粒子などの無機微粒子、ポリスチレン微粒子、ポリエチレン微粒子、ポリプロピレン微粒子、アクリル樹脂微粒子、合成ゴム微粒子などの有機重合体微粒子など)やウィスカーなどの充填材の1種または2種以上を含有していてもよい。充填材を含有させておくと、硬化時の体積収縮の低減による寸法精度の向上、機械的物性や耐熱性の向上などを図ることができる。
以下に図3および図4を参照して、本発明について具体的に説明するが、本発明は図3および図4に示したものに何ら限定されるものではない。
図3は本発明の光造形に使用する光造形装置全体を模式的に示した具体例であり、図4は本発明の光造形に使用する光造形装置の要部(光源と紫外線選別装置の部分)の具体例を示したものである。図4において、(a)は長手方向の断面図、図4の(b)〜(d)は図4の(a)におけるX−X部分での横断面図(紫外線選別装置の横断面図)である。
図3および図4において、1は超高圧水銀ランプなどの光源、2は紫外線選別装置、3は凸レンズ(フレネルレンズへの集光用)、4は反射ミラー、5はフレネルレンズ、6は液晶描画マスク、7は投影レンズおよび8は紫外線硬化性樹脂組成物よりなる造形面を示す。
さらに、図3および図4において、紫外線選別装置2は、図4に示すように、両端で開口した中空の透明な筒状体2aと筒状体2aの内壁面2bに形成した所定波長の紫外線を反射し且つ該所定波長の紫外線とは波長の異なる紫外線を透過する紫外線選別膜層2cから構成されている。
図3に示すように、光源1からの光は紫外線選別装置2にその入口側の開口部から入射し、光源からの光に含まれる光線のうち、光硬化した樹脂層の形成に利用する所定波長の紫外線は紫外線選別装置2の筒状体2aの内壁面2bに形成した紫外線選別膜層2cによって反射されて紫外線選別装置2内をその出口側の開口部に向って順次反射されて出口側の開口部から導出される。その際に、所定波長の紫外線は、紫外線選別装置2の筒状体2aを順次反射されて出口側の開口部に向って進む間に、その強度分布が均一化されるため、筒状体2aの出口側の開口部から導出された所定波長の紫外線においては、例えば光線の中央と周辺部とで光強度がほぼ等しくなっている。一方、光源からの光に含まれる光線のうち、光硬化した樹脂層の形成に利用されない所定波長以外の紫外線は、紫外線選別装置2の筒状体2aの側壁部を透過して外部に分離・除去される。
次いで、紫外線選別装置2の筒状体2a内を反射しながらその出口側の開口部から導出された所定波長の紫外線は反射ミラー4によって向きを変え、フレネルレンズ5を経て液晶描画マスク6の背部へと導かれる。この段階では、光源1からの光に含まれていた所定波長以外の紫外線は完全に分離・除去されているか又はその量が大幅に低減しているので、所定波長以外の紫外線による液晶描画マスク6の劣化が防止または抑制される。液晶描画マスク6の背部に導かれた所定波長の紫外線は、液晶描画マスク6のマスク画像に対応した所定のパターンで液晶描画マスク6を通過し、投影レンズ7を経て紫外線硬化性樹脂組成物よりなる造形面8に照射されて、液晶描画マスク6のマスク画像に対応する所定の形状パターンを有する光硬化した樹脂層が造形面8に形成される。
上記の装置において、紫外線選別装置2の筒状体2aの横断面形状は、例えば、図4の(b)に示すような長方形、(c)に示すような正方形、(d)に示すような円形、また図示はしないが楕円形、多角形などのいずれでもよい。そのうちでも、液晶描画マスク6は一般に長方形または正方形であることが多いので、筒状体2aの横断面形状を(b)に示すような長方形、または(c)に示すような正方形にすると、筒状体2aの出口側の開口部から導出される所定波長の紫外線の横断面形状が長方形または正方向となって、液晶描画マスク6の形状と一致するため、液晶描画マスク6を介して造形面8に紫外線を無駄なく、均一に照射することができる。
上記において、紫外線選別装置2の筒状体2aの内壁面2bに形成する紫外線選別膜層2cとして、所定波長の紫外線を反射し且つ所定波長以外の紫外線と赤外線を透過するものを採用した場合には、所定波長以外の紫外線だけではなく、赤外線も筒状体2aの側壁部を透過して分離・除去されるので、所定波長以外の紫外線および赤外線による液晶描画マスク6の曝露がなくなり、液晶描画マスク6の劣化が一層防止されて、耐久寿命を一層長くすることができる。
上記の図3の光造形装置においては、液晶描画マスク6のマスク画像は、製造を目的とする光造形物の形状パターン、構造、サイズなどに対応してコンピューターに予め記憶させておいた情報に応じて、液晶描画マスク6に配置された複数の微小な液晶シャッターのうち、光を通過させるべき箇所に位置する液晶シャッターは光を通過させるように開き、一方光を遮蔽させるべき箇所に位置する液晶シャッターは閉じて光の通過を阻止し、そのような操作を、所定の断面形状を有する光硬化した樹脂層が形成されるまで繰り返すように設計されている(立体造形物を製造する場合)。
図3および図4に例示した本発明の光造形装置を使用する場合は、所定波長以外の紫外線を吸収するだけでなく、光造形に用いる所定波長の紫外線をも多少なりと吸収して(通常15%程度吸収)所定波長の紫外線の強度を低下させる紫外線フィルターを使用する場合とは異なり、光源1からの光を上記した紫外線選別装置2に直接入射して、光源1からの光に含まれる所定波長以外の紫外線、または所定波長以外の紫外線と赤外線を筒状体2aの壁部を透過させて分離・除去しながら、光源1からの光に含まれる所定波長の紫外線の全量またはそれに近い量(一般に95%以上)が紫外線選別装置2の筒状体2aの出口側の開口部から導出される。その結果、光源1からの光に含まれる所定波長の紫外線を高効率で有効に利用しながら、光造形を行うことができる。
図3に示した光造形装置では、光源1からの光を紫外線選別装置2、凸レンズ3、反射ミラー4、フレネルレンズ5を経て液晶描画マスク6に導いているが、光源1からの光を紫外線選別装置2を通過させた後に、そのまま直接フレネルレンズ5を経て液晶描画マスク6に導くようにしてもよい。
液晶描画マスク6は特に制限されず、製造しようとする光造形物の形状や寸法(特に断面形状やその寸法)などに応じて適当な形状のものを採用することができる。液晶描画マスク6は、例えば正方形であってもよいし、長方形であってもよいし、またはその他の形状であってもよい。
《試験例1》[液晶描画マスクの紫外線に対する耐久試験]
(1) 液晶描画マスクの紫外線に対する耐久試験を行うために、図5に示す装置を使用した。図5の装置において、1は光源[(有)ワイエルティー製の超高圧水銀ランプ「YLT−MX200」;出力200W]、2は紫外線選別装置、6は液晶描画マスク(カシオ計算機株式会社製のVGA液晶)、9は光源1からの光を導くための石英ファイバー[(有)ワイエルティー製、直径5mm]を示す。図5の装置では、紫外線選別装置2として、長方形の横断面形状を有する中空のガラス[「パイレックス」(登録商標)]製の筒状体(中空部の内側寸法=2cm×15cm、筒状体の長さ=18.5cm)の内壁面に、屈折率の高い非吸収性の誘電体物質(Al23)と屈折率の低い非吸収性の誘電体物質(MgF2)を交互に膜状に30層にコーティングした誘電体多層膜コーティングした装置を使用した。この紫外線選別装置2は、波長365nmの紫外線(i線)およびその近傍の紫外線のを、筒状体の内壁面で順次反射しながら筒状体の出口側の開口部から97%以上の効率で導出し、一方波長340nm以下の紫外線および赤外線を85%以上の効率で紫外線選別装置2の筒状体の側壁部を透過させて分離・除去する機能を有する。
(2) 図5に示す装置を使用して、光硬化した樹脂層の形成に利用する波長365nmの紫外線の照射照度が平均で1900mJ/secになる条件を採用して、図1に示した分光分布を有する光源1(超高圧水銀ランプ)からの光を石英ファイバー9、紫外線選別装置2を経て液晶描画マスク6に連続照射したところ、波長365nmの紫外線の累積照射照度が9400J/cm2に達した時点でも、液晶描画マスク6では微小ドットエリアでの遮光と透光の駆動(オン−オフ駆動)が正常どおりに実行可能であり、波長365nmの紫外線の累積照射照度が12000J/cm2に達した時点で、ようやく、微小ドットエリアでの遮光と透光の駆動(オン−オフ駆動)が不可能な欠陥箇所(面積約7mm2)が液晶描画マスク面に発生した。
(3) 図5に示す装置において、紫外線選別装置2を装置から取り外し(使用せずに)、代わりに赤外線吸収フィルター[メレスグリオ社製「KG 1」;波長365nmの紫外線(i線)およびその近傍の紫外線の透過率90%以上、波長800nmの光線の遮蔽率(吸収率)約50%、波長1000nm以上の赤外線の遮蔽率(吸収率)ほぼ100%]を配置し、それ以外は上記(2)と同じ条件を採用して、液晶描画マスク6の紫外線による劣化試験を行ったところ、波長365nmの紫外線の累積照射照度が2300J/cm2に達した時点で、微小ドットエリアでの遮光と透光の駆動(オン−オフ駆動)が不可能な欠陥箇所(面積約25mm2)が液晶描画マスク面に発生し、そのまま試験を継続したところ、該欠陥箇所の面積は、累積照射照度が7000J/cm2に達した時点で75mm2に拡大し、累積照射照度が12000J/cm2に達した時点では125mm2にまで大幅に拡大した。
(4) 上記(2)と(3)の結果の対比から明らかなように、上記(2)では紫外線選別装置2を使用して、光硬化した樹脂層の形成に利用する紫外線(波長365nmおよびその近傍の紫外線)を液晶描画マスク6に導くと共に、それ以外の波長の紫外線(365nmよりも短波長の紫外線)をカットして365nmよりも短波長の紫外線による液晶描画マスク6の曝露を防止しながら光照射を行ったことにより、紫外線選別装置2を使用しないで波長365nmおよびその近傍の紫外線並びにそれよりも短波長の紫外線に液晶描画マスク7を曝露しながら光照射を行った上記(3)に比べて、液晶描画マスク6の寿命が大幅に延長された。
《実施例1》
(1) 図3に示す光造形装置を使用して光学的立体造形を製造した。
図3の光造形装置では、光源1、紫外線選別装置2および液晶描画マスク6として、上記の試験例1で使用したのと同じものを使用した。また、反射ミラー4は光伸光学工業株式会社製「コールドミラー」、フレネルレンズ5は本特殊光学樹脂株式会社製のフレネルレンズ、投影レンズ7は株式会社ニコン製「EL−Nikkor」を使用した。紫外線硬化性樹脂組成物は、シーメット株式会社製「CPX−1000」[硬化感度2.5mJ;紫外線硬化波長365nm;光重合開始剤としてイルガキュア(登録商標)651を含有]を使用した。
(2) 上記(1)に示した図3の光造形装置を使用して、紫外線硬化性樹脂組成物よりなる造形面8への投影サイズ=40mm×30mm、造形面8での光エネルギー強度2.5mW/cm2の条件下に、照射時間1sec、照射深度0.1mmの条件下で造形面に光照射して光硬化した樹脂層を形成する操作を繰り返して、縦×横×高さ=22mm×32mm×25mmの立体造形物を製造した(光造形時間1時間)。
(3) 上記(2)により得られた立体造形物は、外観が良好で、しかも寸法精度に優れていた。
本発明の光造形方法および装置は、液晶描画マスクの紫外線による劣化、または紫外線と赤外線による劣化を防止または抑制して、高価な液晶描画マスクの使用可能寿命を大幅に延長しながら、外観、寸法精度、力学的特性などに優れる高品質の光造形物を、高い造形速度で、生産性良く、しかも従来よりも低コストで、経済的に製造するのに有効である。
本発明の光造形方法および装置は、光源などの光発射手段からの光に含まれる、光硬化性樹脂組成物の硬化に利用する所定波長の紫外線のほぼ全量をその光強度の低下を生ずることなく光造形に有効に利用することができ、しかも該所定波長の紫外線の強度分布を紫外線選別装置によって均一化して光硬化物における硬化ムラや強度ムラの発生を防止ながら光造形を行うことができる。
本発明の光造形方法および装置は、小型から大型に至る各種の立体造形物の製造に有効に使用することができる。
本発明の方法および装置による場合は、精密部品、電気・電子部品、家具、建築構造物、自動車用部品、各種容器類、鋳物、金型、母型などのためのモデルや加工用モデル、複雑な熱媒回路の設計用の部品、複雑な構造の熱媒挙動の解析企画用の部品、その他の複雑な形状や構造を有する各種の立体造形物、リソグラフなどの面状の光硬化した樹脂層を、高い造形速度および寸法精度で円滑に製造することができる。
超高圧水銀ランプから放射される光の分光分布を示す図である。 高圧水銀ランプから放射される光の分光分布を示す図である。 本発明の光造形装置の一例を示す図である。 本発明の光造形装置の要部の一例を示す図である。 試験例1(液晶描画マスクの紫外線による劣化試験)で使用した試験装置を示す図である。
符号の説明
1 光源
2 所定波長の紫外線を反射し且つ所定波長以外の紫外線を透過して分離・除去するための紫外線選別装置
3 凸レンズ
4 反射ミラー
5 フレネルレンズ
6 液晶描画マスク
7 投影レンズ
8 紫外線硬化性樹脂組成物よりなる造形面
9 石英ファイバー

Claims (15)

  1. 光硬化性樹脂組成物よりなる造形面に、微小ドットエリアでの遮光および透光が可能な複数の微小液晶シャッターを線状または面状に配置した液晶描画マスクを介して制御下に光を照射して所定の形状パターンを有する光硬化した樹脂層を形成した後、該光硬化した樹脂層の上に1層分の光硬化性樹脂組成物を施して造形面を形成し、該光硬化性樹脂組成物よりなる造形面に液晶描画マスクを介して制御下に光を照射して所定の形状パターンを有する光硬化した樹脂層を更に形成する工程を、目的とする立体造形物が形成されるまで繰り返す光造形方法であって、光硬化性樹脂組成物として紫外線硬化性樹脂組成物を使用し、光発射手段と液晶描画マスクとの間の位置に、光硬化性樹脂組成物の光硬化に利用する所定波長の紫外線を反射すると共に、該所定波長の紫外線とは波長の異なる紫外線を透過させて分離・除去する紫外線選別装置を配置し、該紫外線選別装置によって、光源からの光に含まれる紫外線のうち光硬化性樹脂組成物の光硬化に利用する所定波長の紫外線を反射させて該反射された所定波長の紫外線を液晶描画マスクの方向へと導くと同時に、該所定波長の紫外線とは波長の異なる紫外線を紫外線選別装置を透過させて不要光として分離・除去して、前記所定波長の紫外線とは波長の異なる紫外線による液晶描画マスクの曝露を防止しながら、紫外線選別装置によって反射された前記所定波長の紫外線を液晶描画マスクを介して造形面に照射して所定の形状パターンを有する光硬化した樹脂層を形成することを特徴とする光造形方法。
  2. 光硬化性樹脂組成物よりなる造形面に、微小ドットエリアでの遮光および透光が可能な複数の微小液晶シャッターを線状または面状に配置した液晶描画マスクを介して制御下に光を照射して所定の形状パターンを有する光硬化した樹脂層を形成する工程を有する光造形方法であって、光硬化性樹脂組成物として紫外線硬化性樹脂組成物を使用し、光発射手段と液晶描画マスクとの間の位置に、光硬化性樹脂組成物の光硬化に利用する所定波長の紫外線を反射すると共に、該所定波長の紫外線とは波長の異なる紫外線を透過させて分離・除去する紫外線選別装置を配置し、該紫外線選別装置によって、光源からの光に含まれる紫外線のうち光硬化性樹脂組成物の光硬化に利用する所定波長の紫外線を反射させて該反射された所定波長の紫外線を液晶描画マスクの方向へと導くと同時に、該所定波長の紫外線とは波長の異なる紫外線を紫外線選別装置を透過させて不要光として分離・除去して、前記所定波長の紫外線とは波長の異なる紫外線による液晶描画マスクの曝露を防止しながら、紫外線選別装置によって反射された前記所定波長の紫外線を液晶描画マスクを介して造形面に照射して所定の形状パターンを有する光硬化した樹脂層を形成することを特徴とする光造形方法。
  3. 前記紫外線選別装置が、液晶描画マスクを介して造形面に照射される前記所定波長の紫外線を含む光の強度分布を均一化する機能を更に有する請求項1または2に記載の光造形方法。
  4. 前記紫外線選別装置が、光硬化した樹脂層の形成に用いる前記所定波長の紫外線の95%以上を反射し且つ該所定波長の紫外線よりも短波長の紫外線の85%以上を透過して不要光として分離・除去する紫外線選別装置である請求項1〜3のいずれか1項に記載の光造形方法。
  5. 紫外線選別装置が、両端の開口した中空の透明な筒状体の内壁面に、前記所定波長の紫外線を反射し且つ該所定波長の紫外線とは波長の異なる紫外線を透過する紫外線選別膜層を形成した紫外線選別装置からなり、該紫外線選別装置の筒状体の入口側の開口部から光を導入して、光硬化性樹脂の硬化に利用する前記所定波長の紫外線を、筒状体の内壁面に形成した紫外線選別膜層により筒状体内で順次反射させながら光の強度分布を均一化しつつ筒状体の出口側の開口部から導出すると共に、前記所定波長の紫外線とは波長の異なる紫外線を前記筒状体の側壁から筒状体外に透過させて分離・除去する請求項1〜4のいずれか1項に記載の光造形方法。
  6. 紫外線選別装置の筒状体の内壁面に形成した紫外線選別膜層が、屈折率の高い非吸収性の誘電体物質と屈折率の低い非吸収性の誘電体物質を交互に膜状に多層コーティングした誘電体多層膜コーティングよりなる請求項5に記載の光造形方法。
  7. 前記紫外線選別装置が、更に波長780nm以上の光線の85%以上を透過して不要光として分離・除去する機能を有し、それによって波長780nm以上の光線による液晶描画マスクの曝露を更に防止または抑制する請求項1〜6のいずれか1項に記載の光造形方法。
  8. 光硬化した樹脂層を形成するための前記所定波長の紫外線が、300〜390nmの範囲内の波長を有する紫外線である請求項1〜のいずれか1項に記載の光造形方法。
  9. 光源として高輝度放電ランプを使用する請求項1〜のいずれか1項に記載の光造形方法。
  10. 光硬化性樹脂組成物として、波長365nmまたはその近傍の紫外線によって少なくとも硬化するが波長400nm以上の可視光線および赤外線では硬化しない紫外線硬化性樹脂組成物を用い、光源として超高圧水銀ランプまたは高圧水銀ランプを使用し、紫外線選別装置として、超高圧水銀ランプまたは高圧水銀ランプから放射される光に含まれる波長365nmまたはその近傍の紫外線の95%以上を反射し且つ波長340nm以下の紫外線の85%以上を透過する紫外線選別装置を液晶描画マスクの上流側に配置して、液晶描画マスクの波長340nm以下の紫外線による曝露を防止または抑制しながら、光硬化した樹脂層を波長365nmまたはその近傍の紫外線によって形成する請求項1〜のいずれか1項に記載の光造形方法。
  11. 光硬化性樹脂組成物よりなる造形面を形成する手段;
    光硬化性樹脂組成物を硬化させる所定波長の紫外線とそれ以外の波長の紫外線を含む光を放射する光発射手段;
    微小ドットエリアでの遮光および透光が可能な複数の微小光シャッターを線状または面状に配置した液晶描画マスク;および、
    光硬化性樹脂組成物を硬化させる前記所定波長の紫外線を反射させるが、該所定波長以外の波長の紫外線を透過・分離する、光発射手段と液晶描画マスクとの間に配置した紫外線選別装置;
    を備えていることを特徴とする光造形装置。
  12. 紫外線選別装置が、両端で開口した中空の透明な筒状体の内壁面に、前記所定波長の紫外線を反射し且つ該所定波長の紫外線とは波長の異なる紫外線を透過・分離する紫外線選別膜層を形成した紫外線選別装置からなる請求項11に記載の光造形装置。
  13. 紫外線選別装置の筒状体の内壁面に形成した紫外線選別膜層が、屈折率の高い誘電体物質と屈折率の低い誘電体物質を交互に多層にコーティングした誘電体多層コーティング膜層である請求項12に記載の光造形装置。
  14. 前記紫外線選別装置が、更に波長780nm以上の光線の85%以上を透過して不要光として分離する機能を有する請求項1113のいずれか1項に記載の光造形装置。
  15. 光源が高輝度放電ランプである請求項1114のいずれか1項に記載の光造形装置。
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