JP4969058B2 - 光学的立体造形装置 - Google Patents
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Description
複数の光源のうちの一部が故障したり、一部を消灯したことによって生ずる光束内でのエネルギー強度の斑を、斑の発生した光に補正を加えて低減したり無くすことは、光学的にかなり困難であり、複雑で高価な補正手段を要する。
更に、本発明の目的は、複数の光源を使用し光造形を行うに当たって、複数の光源のうちの一部に故障が生じた場合にも、また複数の光源のうちの一部を消灯して光造形を行った場合にも、エネルギー強度の分布が均一で、斑のない光を造形面に照射することができ、それによって寸法精度、外観、強度、均質性などに優れる高品質の立体造形物を円滑に製造することのできる光学的立体造形装置および光学的立体造形方法を提供することである。
特に、光合成手段として、同じ形状および寸法の1対の直角プリズムを、各直角プリズムの直角を挟む同じ面の間にハーフミラーを挟んで対称に密接配置したプリズム組合体を使用すると、このプリズム組立体は極めて簡単な構造でありながら、2つの光源から発射された光が互いに良好に混ざり合った一まとまりの光束になって該プリズム組立体から出射されること、しかもこのプリズム組立体による場合は、径の小さな光束を出射できるため、サイズの小さな面状描画マスクを使用して光造形を行う場合にも、光源からの光を無駄なく有効に該小サイズの面状描画マスクを介して造形面に照射できることを見出した。
さらに、本発明者は、光合成手段として、∧形状の全反射面を有する複数の凸型ミラーを該凸型ミラーの頂点を光の走行方向に対して順に前後にずらして横方向に並列させて配置したミラー組合体なども使用できることを見出した。
さらに、本発明者は、そのような光学的立体造形装置において、複数の光源のそれぞれと光合成手段の間の光路に集光手段、光平行化手段および全反射ミラーのうちの1つまたは2つ以上を更に配置すると、また光強度均一化手段と面状描画マスクの間に反射ミラーおよび/またはフレネルレンズを配置したり、面状描画マスクと光硬化性樹脂組成物よりなる造形面の間に投影レンズを配置すると、光造形造作がより円滑に行えることを見出した。また、本発明者は、光合成手段の種類などに応じて、光合成手段と光強度均一化手段とを接して設けるかまたは両者の間の光路に集光手段および/または光平行化手段を更に配置することにより、光エネルギー効率を高く維持しながら光造形を円滑に行うことができることを見出し、それらの種々の知見に基づいて本発明を完成した。
(1) (A) 載置台上または光硬化した樹脂層上に、1層分の光硬化性樹脂組成物を順次供給して光硬化性樹脂組成物よりなる造形面を順次形成するため手段、
・複数の光源、
・複数の光源から発射された光のそれぞれを、光束内で互いに混ざり合せて光束内全体に分布させながら互いに離れておらずに何らかの形状で1つにまとまった光束に合成するための光合成手段、
・光合成手段を経た光束内での光の強度分布を均一にするための光強度均一化手段、および、
・光強度均一化手段を経た光を光硬化性樹脂組成物よりなる造形面に所定の面形状パターンで照射するための面状描画マスク、
を備えた光学的立体造形装置であって;
(B) 前記光合成手段が、形状および寸法を同じくする1対の直角プリズムを、各直角プリズムにおける直角を挟む同じ面の間にハーフミラーを密接した状態で介在させて対称に対向配置したプリズム組合体であり;かつ、
(C) 複数の光源から発射された光が、前記プリズム組立体における2つの対称な斜面のそれぞれに照射されるように光源およびプリズム組立体が配置されている;
ことを特徴とする光学的立体造形装置である。
なお、本明細書でいう「ハーフミラー」とは、光の半分(50%またはほぼ50%)を反射し、光の残りの半分(50%またはほぼ50%)を透過させる機能を有する光学部材をいい、一般に、「ハーフミラー」および「ハーフビームスプリッター」と称されているもののいずれをも包含する。
(2) 複数の光源から発射された光のそれぞれを、前記プリズム組立体における2つの対称な斜面のそれぞれに導いて、プリズム組立体のそれぞれの斜面からプリズム組立体内に光を入射させるための光ファイバーまたは透明な中実ロッドを複数の光源とプリズム組立体の間に有する前記(1)の光学的立体造形装置である。
(3)(A) 載置台上または光硬化した樹脂層上に、1層分の光硬化性樹脂組成物を順次供給して光硬化性樹脂組成物よりなる造形面を順次形成するため手段、
・複数の光源、
・複数の光源から発射された光のそれぞれを、光束内で互いに混ざり合せて光束内全体に分布させながら互いに離れておらずに何らかの形状で1つにまとまった光束に合成するための光合成手段、
・光合成手段を経た光束内での光の強度分布を均一にするための光強度均一化手段、および、
・光強度均一化手段を経た光を光硬化性樹脂組成物よりなる造形面に所定の面形状パターンで照射するための面状描画マスク、
を備えた光学的立体造形装置であって;
(B) 前記光合成手段が、長手方向に沿って少なくとも1つの平坦な表面を有する、複数の同じ長さの透明な中実ロッド片を、各中実ロッド片の平坦な表面同士を長手方向に沿って密接させて配置した中実ロッド組立体であり;かつ、
(C) 複数の光源から発射された光のそれぞれを、前記中実ロッド組立体の長手方向の一方の端部から、中実ロッド組立体を形成している複数の中実ロッド片の全てに同時に入射させる手段を有する;
ことを特徴とする光学的立体造形装置である。
そして、本発明は、
(4) 複数の光源から発射された光のそれぞれを、前記中実ロッド組立体の長手方向の一方の端部から、中実ロッド組立体を形成している複数の中実ロッド片の全てに同時に入射させる手段が、複数の光源のそれぞれと、中実ロッド組立体との間に配置した光ファイバーまたは透明な中実ロッドである前記(3)の光学的立体造形装置である。
(5)(A) 載置台上または光硬化した樹脂層上に、1層分の光硬化性樹脂組成物を順次供給して光硬化性樹脂組成物よりなる造形面を順次形成するため手段、
・複数の光源、
・複数の光源から発射された光のそれぞれを、光束内で互いに混ざり合せて光束内全体に分布させながら互いに離れておらずに何らかの形状で1つにまとまった光束に合成するための光合成手段、
・光合成手段を経た光束内での光の強度分布を均一にするための光強度均一化手段、および、
・光強度均一化手段を経た光を光硬化性樹脂組成物よりなる造形面に所定の面形状パターンで照射するための面状描画マスク、
を備えた光学的立体造形装置であって;
(B) 前記光合成手段が、反射面を内側に向けて隔離させて傾斜状態で互いに平行に配置した2つの全反射ミラーと、該2つの全反射ミラーの間に傾斜状態で該2つの全反射ミラーと平行に配置した1つのハーフミラーとからなるミラー組合体であり;かつ、
(C) 複数の光源のうちの一部から発射された光が、一方の全反射ミラーによって反射された後にハーフミラーにより反射・透過され、次いでハーフミラーを透過した光がもう一方の全反射ミラーによって反射されて光強度均一化手段へと向い、残りの光源から発射された光が、ハーフミラーによって反射・透過された後に、ハーフミラーを透過した光が光強度均一化手段へと向い、ハーフミラーで反射された光が該もう一方の全反射ミラーによって反射されて光強度均一化手段へと向うように、複数の光源および各ミラーが配置されている;
ことを特徴とする光学的立体造形装置である。
(6)(A) 載置台上または光硬化した樹脂層上に、1層分の光硬化性樹脂組成物を順次供給して光硬化性樹脂組成物よりなる造形面を順次形成するため手段、
・複数の光源、
・複数の光源から発射された光のそれぞれを、光束内で互いに混ざり合せて光束内全体に分布させながら互いに離れておらずに何らかの形状で1つにまとまった光束に合成するための光合成手段、
・光合成手段を経た光束内での光の強度分布を均一にするための光強度均一化手段、および、
・光強度均一化手段を経た光を光硬化性樹脂組成物よりなる造形面に所定の面形状パターンで照射するための面状描画マスク、
を備えた光学的立体造形装置であって;
(B) 前記光合成手段が、複数の∧形状の全反射凸型ミラーを、該全反射凸型ミラーの頂点を光の走行方向に対して順に前後にずらして横方向に並列させて配置したミラー組合体であり;かつ、
(C) 複数の光源が前記ミラー組合体の横方向の両端位置にそれぞれ配置されている;
ことを特徴とする光学的立体造形装置である。
(7) 光強度均一化手段がロッドレンズである前記(1)〜(6)のいずれかの光学的立体造形装置;
(8) 複数の光源のそれぞれと光合成手段の間の光路に、集光手段、光平行化手段および全反射ミラーのうちの1つまたは2つ以上が更に配置されている前記(1)〜(7)のいずれかの光学的立体造形装置;
(9) 光合成手段と光強度均一化手段の間の光路に、集光手段および/または光平行化手段が更に配置されている前記(1)〜(8)のいずれかの光学的立体造形装置;及び、
(10) 光合成手段に対して光強度均一化手段を密接して配置した前記(1)〜(8)のいずれかの光学的立体造形装置;
である。
(11) 面状描画マスクが液晶シャッターまたはデジタルマイクロミラーシャッターを面状に配置した面状描画マスクである前記(1)〜(10)のいずれかの光学的立体造形装置;
(12) 光強度均一化手段と面状描画マスクの間の光路に反射ミラーおよびレンズの一方または両方が配置されている前記(1)〜(11)のいずれかの光学的立体造形装置;および、
(13) 面状描画マスクと光硬化性樹脂組成物よりなる造形面の間の光路に投影レンズが配置されている前記(1)〜(12)のいずれかの光学的立体造形装置;
である。
(14) 前記(1)〜(13)のいずれかの光学的立体造形装置を使用して光学的立体造形を行って立体造形物を製造する方法である。
そして、本発明による場合は、複数の光源のうちの一部に故障が生じた場合にも、また複数の光源のうちの一部を消灯して光造形を行った場合にも、エネルギー強度の分布が均一で、斑のない光を造形面に照射することができ、それによって寸法精度、外観、強度、均質性に優れる高品質の立体造形物を円滑に製造することができる。
さらに、本発明の光学的立体造形装置では、複数の光源として、紫外線レーザー装置のような高価な光源、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプなどのような安価な光源、紫外線LED(発光ダイオード)などのいずれもが使用でき、いずれの光源を用いた場合にも、エネルギー強度が高くて且つ光強度分布の均一化した光を面状描画マスクを介して造形面に照射することができる。特に、本発明による場合は、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプなどのような安価な光源や紫外線LED(発光ダイオード)を使用して、エネルギー強度が高くて且つ光強度分布の均一化した光を、面状描画マスクを介して造形面に照射して造形を行うことができるため、光学的立体造形装置の大幅なコストダウンを達成することができる。
本発明の光学的立体造形装置では、載置台上または光硬化した樹脂層上に、1層分の光硬化性樹脂組成物を順次供給して光硬化性樹脂組成物よりなる造形面を順次形成するための手段(以下「造形面形成用手段」ということがある)は特に制限されず、載置台(造形テーブル)上または光硬化した樹脂層上に1層分の光硬化性樹脂組成物を順次供給して光硬化性樹脂組成物よりなる厚さの均一な造形面を順次形成できる造形面形成用手段のいずれもが使用できる。
前記(i)〜(iv)の造形面形成用手段では、載置台(造形テーブルなど)の面または光硬化した樹脂層面に光硬化性樹脂組成物を施すための手段として、例えば、浸漬塗装手段、ブレード塗装手段、流延塗装手段、ローラー塗装手段、転写塗装手段、ハケ塗り手段、スプレー塗装手段などの適当な手段を採用することができる。
特に、本発明の光学的立体造形装置は、複数の光源として、レーザー光発射装置のような高価な光源を使用せずに、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプなどのような高輝度放電ランプ(HIDランプ)や、水銀灯、蛍光灯、ハロゲンランプ、白熱ランプなどのような安価な汎用の光源または紫外線LEDを使用する場合に有効であり、これらの安価な汎用の光源を使用して、エネルギー強度が高く且つ光強度分布の均一化された光を、面状描画マスクを介して光硬化性樹脂組成物よりなる造形面に照射することができる。
本発明の光学的立体造形装置が有する複数の光源は、互いに同じ光源であってもよいし、または種類、形状、寸法などが互いに異なっていてもよい。
そのうちでも、同じ光源を複数備えていることが好ましい。複数の光源から発射される光が同じである場合は、複数の光源から発射される光の一まとまりの光束への合成、合成により形成した光束の光強度分布の均一化などを容易に且つ円滑に行うことができる。
ここで、「一まとまりの光束」とは、複数の光源から発射された光が、互いに離れておらずに何らかの形状で1つにまとまった光束をいう。かかる点から、当該「一まとまりの光束」は、その断面形状(光束の進行方向を横切る方向)が、例えば、1つの円形形状、楕円形形状、方形形状、複数の円が互いに接した形状、複数輝点の集合体などのいずれであってもよい。
(i)形状および寸法を同じくする1対の直角プリズムを、各直角プリズムにおける直角を挟む同じ面の間にハーフミラーを密接した状態で介在させて対称に対向配置したプリズム組合体からなる光合成手段。
(ii)長手方向に沿って少なくとも1つの平坦な表面を有する、複数の同じ長さの透明な中実ロッド片を、各中実ロッド片の平坦な表面同士を長手方向に沿って密接させて配置した中実ロッド組立体からなる光合成手段。
(iii)反射面を内側に向けて隔離させて傾斜状態で互いに平行に配置した2つの全反射ミラーと、該2つの全反射ミラーの間に傾斜状態で該2つの全反射ミラーと平行に配置した1つのハーフミラーとからなるミラー組合体からなる光合成手段。
(iv)∧形状の全反射面を有する複数の凸型ミラーを、該凸型ミラーの頂点を光の走行方向に対して順に前後にずらして横方向に並列させて配置したミラー組合体からなる光合成手段。
(v)複数のプリズムが横方向に接して並列しているプリズムアレーからなる光合成手段。
また、上記(iii)のミラー組合体におけるハーフミラーとしては、上記(i)で用いるのと同様のハーフミラーやハーフビームスプリッターなどを使用することができる。
なお、直角プリズム(光合成手段)Aを形成している2つの直角プリズム2a,2bでは、前記したように、ハーフミラー3cの存在する面と斜面によって形成される頂角を30゜、底面と斜面とのなす角を60゜にすることが好ましい。
特に、光合成手段として、プリズム組立体または中実ロッド組立体を用いる上記した(i)または(ii)において、複数の光源から発射された光のそれぞれを適当な光学部材(例えば凸レンズなど)を用いて小径に集束した後、小径の透明な中実ロッドまたは光ファイバーを用いて、プリズム組立体の2つの斜面のそれぞれからプリズム組立内に入射させるか、または中実ロッド組立体の一方の端部から中実ロッド組立体に入射させるようにすると、光の散逸を防ぎながら、光源から発射された光を高効率でプリズム組立体または中実ロッド組立体に入射することができ、それによって光のエネルギー効率を高く維持することができる。
光強度分布が不均一な光を、面状描画マスクを介して光硬化性樹脂組成物よりなる造形面にそのまま照射した場合は、光硬化層において、硬化不足の箇所、硬化過度の箇所などの硬化斑が生じ、光硬化層全体で均一な硬化が行われなくなり、それに伴って最終的に得られる立体造形物の歪み、造形精度の低下、強度不足、外観不良、物性の不均一などの問題が発生し易くなる。
ここで、本明細書でいう「光強度分布」とは、光(光線、光束)の横断面(光の走行方向に対して直角な面)における光強度(エネルギー強度)の分布状態をいう。
かかる点から、光合成手段から出射した光(光束)が平行光である場合は、光合成手段から出射した光(光束)を光強度均一化手段にそのまま直接導入することができる。光合成手段から出射した光(光束)を光強度均一化手段にそのまま直接導入する場合は、光合成手段の後に光合成手段を密接して配置することが、光のエネルギー効率の向上、装置規模の縮小などを図ることができる。
但し、必要に応じて、光合成手段から出射した一まとまりの平行光からなる光束を集光手段によって一層小径に集束した後に平行光化手段によって再度平行光にしてから光強度均一化手段に導入してもよい。一方、光合成手段から出射した光(光束)が平行光でない場合は、平行光化手段によって平行光にしてから光強度均一化手段に導入する。
その際の平行光化手段として、例えば、凸レンズ、凹レンズ、ボールレンズ、偏角プリズム、直角プリズムなどを配置することができる。
(A)石英やその他の透明な材料からなる中実の透明ロッドとその下流位置における1個または複数のレンズ(光の横断面サイズの収縮または拡散用の凸レンズおよび/または凹レンズ)を組み合わせて形成したロッドレンズ(以下これを「ロッドレンズ4A」ということがある);
(B)内壁面をミラーやその他の反射面にした筒状体(筒状ロッド)と、その下流位置における1個または複数のレンズ(光の横断面サイズの収縮または拡散用の凸レンズおよび/または凹レンズ)を組み合わせて形成したロッドレンズ(以下これを「ロッドレンズ4B」ということがある);
などを挙げることができる。
また、ロッドレンズ4Aでは、透明ロッドおよびその下流位置に配置されているレンズは、1つの外筒内に収容して全体を一体にしてあってもよいし、または外筒体内に収容せずに、透明ロッドレンズとレンズを露出した状態で組み合わせてもよい。
本発明の光学的立体造形装置を使用して光造形を行うに当たっては、面状描画マスクを静止した状態で面状描画マスクを介して光硬化性樹脂組成物よりなる造形面に光を照射して1層分の光硬化樹脂層を形成してもよいし、1層分の光硬化樹脂層の形成途中に面状描画マスクのマスク画像を断続的に変えると共に面状描画マスクを次の位置に移動させて光硬化樹脂層を形成してもよいし、1層分の光硬化樹脂層の形成時に面状描画マスクのマスク画像をテレビジョン画像や映画のように動画的に連続して変化させるのと同期して面状描画マスクを連続的に移動させて1層分の光硬化樹脂層を形成してもよいし、または前記した方式の2つ以上を採用して光造形を行ってもいずれでもよい。
本発明において面状描画マスクとして好ましく用いられる液晶シャッターやデジタルマイクロミラーシャッターは、連続的(動画的)な画像形成が可能な手段として、他の分野(例えばテレビジョン、パソコン、プロジェクター、カーナビ、携帯電話など)において既に用いられているので、液晶シャッターやデシタルマイクロミラーシャッターを面状描画マスクとして使用した場合には、前記したように、面状描画マスクのマスク画像を光学装置系の連続移動と連動されてテレビジョンや映画などにおけるように動画的に連続的に変化させながら光造形を行うことができる。
また、デジタルマイクロミラーシャッターとしては、例えば、テキサスインスツルメンツ社製の「DLPテクノロジー」(登録商標)のDMD(登録商標)デバイスなどを使用することができる。
使用し得る光硬化性樹脂組成物としては、例えば、光造形において従来から用いられている、ウレタンアクリレートオリゴマー、エポキシアクリレートオリゴマー、エステルアクリレートオリゴマー、多官能エポキシ樹脂などの各種オリゴマー;イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルメタクリレート、ジシクロペンテニロキシエチルアクリレート、ジシクロペンテニロキシエチルメタクリレート、ジシクロペタニルアクリレート、ジシクロペタニルメタクリレート、ボルニルアクリレート、ボルニルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、モルホリンアクリルアミド、モルホリンメタクリルアミド、アクリルアミドなどのアクリル系化合物やN−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、酢酸ビニル、スチレンなどの各種の単官能性ビニル化合物;トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジシクロペンタニルジアクリレート、ポリエステルジアクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレートなど多官能性ビニル化合物;水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペートなどの各種エポキシ系化合物などを挙げることができ、これらの1種または2種以上と光重合開始剤および必要に応じて増感剤などを含有する光硬化性樹脂組成物を用いることができる。
さらに、光硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、固体微粒子やウィスカーなどの充填材を含有していてもよい。充填材を含有する光硬化性樹脂組成物を用いると、硬化時の体積収縮の低減による寸法精度の向上、機械的物性や耐熱性の向上などを図ることができる。
図2は、本発明の光学的立体造形装置の一例についてその全体を模式的に示した図である。図2の光学的立体造形装置では、光合成手段として、図1の(a)に示した2つの直角プリズム2a,2bとその間に挟持したハーフミラー3cよりなるプリズム組合体PAを用い、光強度均一化手段4として前記したロッドレンズ4Aを用いている。
図3は、図2の光学的立体造形装置において、2つの光源1a,1bから発射された光を図2とは別の方式で光合成手段(プリズム組立体PA)の各直角プリズム2a,2bに導いてプリズム組立体PAに入射させた後、プリズム組立体PAから出射した光束をプリズム組立体PAに接して設けたロッドレンズ4Aに入射するようにした本発明の光学的立体造形装置の一部(光強度均一化手段まで)を示した図である。
図4は、光合成手段として、長手方向に沿って少なくとも1つの平坦な表面を有する、2個の同じ長さの透明な中実ロッド片を、各中実ロッド片の平坦な表面同士を長手方向に沿って密接させて配置した中実ロッド組立体を用いた本発明の光学的立体造形装置の一部(光強度均一化手段まで)を示した図である。
図6は、光合成手段として、∧形状の全反射面を有する複数の凸型ミラーを横方向に前後にずらして配置した上記(iii)のミラー組合体を用いた本発明の光学的立体造形装置の一部(光強度均一化手段まで)を示した図である。
図7および図8は、本発明の光学的立体造形装置で用いる光強度均一化手段(ロッドレンズ)の具体例を示した図である。
図3に示した光学的立体造形装置で用いる中実ロッド7a,7bは、光透過率の高い透明な材料[例えば、「パイレックス」(登録商標)、硼珪酸クラウンガラス、合成石英ガラス、「ゼロデュア」(登録商標)、チタン珪酸ガラス、光学クラウンガラス、サファイアガラス、セレン亜鉛ガラスなどのガラスや、メタクリル樹脂など]から形成する。
図3の(b)は、中実ロッド7a,7bが方形の横断面を有する場合について、その横断面を例示した図である。
図4の(a)は、光学的立体造形装置の光源から光強度均一化手段までを示した図であり、図4の(b)〜(c)は、図4の光学的立体造形装置で光合成手段として用いている中実ロッド組立体の例を示す図(中実ロッド組立体の長さ方向に直角な断面図)を示したものである。図4の光学的立体造形装置では、図4の(b)〜(c)に示すように、各光源1a,1bからの光が、中実ロッド組立体R Lを構成している各中実ロッド片の全てに跨って入射するようにして中実ロッド組立体R Lを配置する。
図4の光学的立体造形装置に用いる中実ロッド7a,7bは、中実ロッド組立体R Lと同じような、上記で例示した光透過率の高い透明な材料から形成しておくのがよい。
その場合に、プリズム組合体PAにおける直角プリズム2a,2bのサイズは特に制限されず、各々の状況に応じて適当なものを採用することができる。そのうちでも、プリズム組合体PAに用いる直角プリズム2a,2bとしては、上記したように、直角プリズム2,2bの横断面において、直角以外の2つの頂点の角度が30°と60°で、直角を挟む短辺の長さが1〜50mm[直角を挟む長辺の長さ=(√3)×(短辺)(mm)]で、斜辺の長さ(直角プリズムの稜線の長さ)が2〜100mm程度のものが、2つの光源1a,1bから発射された光を径の小さなエネルギー強度の高い一まとまりの光束に合成できる点、混合後の光合成の点から好ましく用いられる。
図7において、(a)はロッドレンズ4Aをその中央部分で長さ方向に水平に切断したときの断面図であり、(b)はロッドレンズ4Aを長さ方向と直角に切断したときの横断面図である。
また、図8において、(a)はロッドレンズ4Bをその中央部分で長さ方向に水平に切断したときの断面図であり、(b)はロッドレンズ4Bをその外筒421の部分で長さ方向と直角に切断したときの横断面図である。
図2〜図4には光強度均一化手段4としてロッドレンズ4Aを用いた場合を例示した。
また、図5および図6には光強度均一化手段4としてロッドレンズ4Bを用いた場合を例示した。
ロッドレンズ4Aにおける中実ロッド411の一方の端部413から入射した平行光化された光(主光線が主に平行光にされ、主光線以外の光は完全には平行光化されていない光)は、中実ロッド411の周面での内部反射を繰り返しながら同時に光の横断面における光強度分布が均一化されつつ中実ロッド411のもう一方の端部414から出射する。中実ロッド411の端部414から出射した光強度分布の均一化された光は、中実ロッド411の下流位置に配置されている凸レンズ412によって所定距離で結像される状態で出射する。
ロッドレンズ4Bにおける筒状体(筒状ロッド)422の入口423から入射した平行光化された光は、筒状体(筒状ロッド)422の内壁面424を構成しているミラー(反射面)により内部反射を繰り返しながら同時に光の横断面における光強度分布が均一化されつつ筒状体(筒状ロッド)422の出口426から出射する。筒状体(筒状ロッド)422の出口426から出射した光強度分布の均一化された光は、筒状体(筒状ロッド)422の下流位置に配置されている3個の凸レンズ427a,427b,427cによって所定距離で結像される状態で、ロッドレンズ4Bの出口428から出射する。
その際に、液晶描画マスクなどの面状描画マスク12を介して造形面16に照射される所定の形状パターンを有する光は、2個の光源1a,1bから発射された光が合わさったものであるためエネルギー強度が高く、しかも光合成手段Aによって2個の光源1a,1bからのそれぞれの光が一まとまりに集光された光束内全体に分布すると共に、光束光強度均一化手段4によって光強度分布の一層の均一化がなされているため、造形面での露光強度にバラツキが生じず、硬化斑、硬化した樹脂層の厚み斑、強度斑などがなく、寸法精度、強度、外観などに優れる立体造形物を速い造形速度で円滑に製造することができる。
しかも、2つの光源1a,1bのうちの一方にトラブルが発生して一方のみが点灯した状態になった場合や、また一方の光源を積極的に消灯して1個の光源のみを用いて光造形を行う場合にも、光源からの光が2個の光源からの光を合成した場合と同じ横断面形状で全体に分布して集光、光強度の均一化が行われるために、2つの光源が点灯しているのと同じようにして、寸法精度、力学的強度、均質性などに優れる立体造形物を製造することができる。
図2〜図6には、2個の光源を用いる場合について例示したが、それに限定されるものではなく、2個よりも多い光源を用いることができる。
(1) 図2に示す光学的立体造形装置(但し平行光化手段9は設置せず)において、光源1a,1bから平行光化手段9までの光学系を図3のものに置き換えた光学的立体造形装置を使用して光造形を行った。この実施例1で使用した装置では、光源1a,1bとして岩崎電気株式会社製の超高圧水銀ランプ(出力120W)を、集光手段5a,5bとしてシグマ光機社製の凸レンズ(球面平凸レンズ)を用いた。また、光の入射端部に全反射ミラー6a,6bを有する透明な中実ロッド7a,7bとしては、方形の横断面(断面寸法=15mm×10mm)を有する長さ50mmの石英製の中実ロッド[(有)モノテック社製の石英ロッド標準研磨品]を用いた。
また、プリズム組立体PA(光合成手段)として、直角を挟む短辺の長さが10mm、長辺の長さが17.3mm、稜線(斜面)の長さが20mmの2個の直角プリズムの直角を挟む長辺のある面の間に該面と同じ形状および寸法のハーフミラー(エドモンド・オプティクス・ジャパン社製のボルガドットビームスプリッター)を近接挟持したものを使用した。
また、集光手段8としてシグマ光機社製の凸レンズ(球面平凸レンズ)を使用した。
光強度均一化手段4(ロッドレンズ4A)として、方形の断面形状(断面寸法=20mm×10mm)を有する長さ175mmの石英製の中実ロッド[(有)モノテック社製の石英ロッド標準研磨品]を使用し、該中実ロッドから6cm離れた下流に凸レンズ(シグマ光機社製の球面両凸レンズ)を配置したものを使用した。
また、反射ミラー10は光伸光学工業株式会社製「コールドミラー」、レンズ11は本特殊光学樹脂株式会社製のレンズ(フレネルレンズ)、面状描画マスク12はカシオ計算機社製の液晶描画マスク(VGA液晶640×480)、投影レンズ13は株式会社ニコン製「EL−Nikkor」を使用した。
この実施例1で得られた立体造形物は、硬化斑などがなく、寸法精度、強度、均質性および外観に優れていた。
(1) 光強度均一化手段4として、ロッドレンズ4B[外筒421(内径=55mm、長さ=200mm)内に断面長方形の筒状体(筒状ロッド)422(内壁面424はミラーからなる反射面、内壁面の断面サイズ=20mm×15mm、筒状体422の長さ=200mm)を挿入し、外筒421の下流側に連結した外筒425(内径=60mm、長さ=100mm)内に3個の凸レンズ427a,427b,427c(シグマ光機社製、直径50mm)を配置したもの]を使用し、また面状描画マスク12としてカシオ計算機株式会社製のVGA液晶を使用した以外は、実施例1の(2)と同様にして光造形を行って、硬化斑などがなく、寸法精度、強度、均質性および外観に優れる、縦×横×高さ=32mm×22mm×50mmの立体造形物を造形時間40分で製造した。
(2) 光源1bを消灯し、光源1aのみを点灯して、上記(1)と同様にして光造形を行った。光合成手段4(プリズム組立体)を使用したことによって光源1aからの光が光束内全体に分布し、且つ光合成手段4から出射する光束の断面形状を、光源1aおよび1bの両方を点灯して光造形した上記(1)とほぼ同じにすることができ[図1の(a)のDの断面形状]、硬化斑などがなく、寸法精度、強度、均質性および外観に優れる立体造形物を得ることができた。
光合成手段として、図1の(a)[図3]のプリズム組立体を使用する代りに、断面が正三角形の図1の(b)に示した1個の断面正三角形プリズム(シグマ光機社製の60°分散プリズム)を使用し、光源1bを消灯して、光源1aのみを点灯して、実施例1の(3)と同様にして光造形を行った。その結果、正三角形プリズム(光合成手段)から出射された光は、図1の(b)のD’に示す、円形の横断面をなしていたため、集光手段8、平行光化手段9、光強度均一化手段4(ロッドレンズ4A)、反射ミラー10、フレネルレンズ11を経た光は、面状描画マスク12の全体をカバーする光束になっておらず、面状描画マスク12を介して造形面16に光を均一に照射することができなかった。
本発明の光学的立体造形装置は、小型から大型に至る各種の立体造形物の製造に有効に使用することができる。
本発明の光学的立体造形装置を用いることにより、精密部品、電気・電子部品、家具、建築構造物、自動車用部品、各種容器類、鋳物、金型、母型などのためのモデルや加工用モデル、複雑な熱媒回路の設計用の部品、複雑な構造の熱媒挙動の解析企画用の部品、その他の複雑な形状や構造を有する各種の立体造形物、リソグラフなどの面状の光硬化した樹脂層を、高い造形速度および寸法精度で円滑に製造することができる。
RL 中実ロッド組立体
RLa 中実ロッド片
RLb 中実ロッド片
RLc 中実ロッド片
1a 光源
1b 光源
2a 直角プリズム
2b 直角プリズム
3a 全反射ミラー
3b 全反射ミラー
3c ハーフミラー
3d1 全反射凸型ミラー
3d2 全反射凸型ミラー
3d3 全反射凸型ミラー
3d4 全反射凸型ミラー
4 光強度均一化手段
4A ロッドレンズ(光強度均一化手段)
4B ロッドレンズ(光強度均一化手段)
5a 集光手段
5b 集光手段
6a 全反射ミラー
6b 全反射ミラー
7a 平行光化手段
7b 平行光化手段
8 集光手段
9 平行光化手段
10 全反射ミラー
11 レンズ
12 面状描画マスク
13 投影レンズ
14 造形浴
15 光硬化性樹脂組成物
16 造形面
17 載置台
18 立体造形物(造形途中)
Claims (14)
- (A) 載置台上または光硬化した樹脂層上に、1層分の光硬化性樹脂組成物を順次供給して光硬化性樹脂組成物よりなる造形面を順次形成するため手段、
・複数の光源、
・複数の光源から発射された光のそれぞれを、光束内で互いに混ざり合せて光束内全体に分布させながら互いに離れておらずに何らかの形状で1つにまとまった光束に合成するための光合成手段、
・光合成手段を経た光束内での光の強度分布を均一にするための光強度均一化手段、および、
・光強度均一化手段を経た光を光硬化性樹脂組成物よりなる造形面に所定の面形状パターンで照射するための面状描画マスク、
を備えた光学的立体造形装置であって;
(B) 前記光合成手段が、形状および寸法を同じくする1対の直角プリズムを、各直角プリズムにおける直角を挟む同じ面の間にハーフミラーを密接した状態で介在させて対称に対向配置したプリズム組合体であり;かつ、
(C) 複数の光源から発射された光が、前記プリズム組立体における2つの対称な斜面のそれぞれに照射されるように光源およびプリズム組立体が配置されている;
ことを特徴とする光学的立体造形装置。 - 複数の光源から発射された光のそれぞれを、前記プリズム組立体における2つの対称な斜面のそれぞれに導いて、プリズム組立体のそれぞれの斜面からプリズム組立体内に光を入射させるための光ファイバーまたは透明な中実ロッドを複数の光源とプリズム組立体の間に有する請求項1に記載の光学的立体造形装置。
- (A) 載置台上または光硬化した樹脂層上に、1層分の光硬化性樹脂組成物を順次供給して光硬化性樹脂組成物よりなる造形面を順次形成するため手段、
・複数の光源、
・複数の光源から発射された光のそれぞれを、光束内で互いに混ざり合せて光束内全体に分布させながら互いに離れておらずに何らかの形状で1つにまとまった光束に合成するための光合成手段、
・光合成手段を経た光束内での光の強度分布を均一にするための光強度均一化手段、および、
・光強度均一化手段を経た光を光硬化性樹脂組成物よりなる造形面に所定の面形状パターンで照射するための面状描画マスク、
を備えた光学的立体造形装置であって;
(B) 前記光合成手段が、長手方向に沿って少なくとも1つの平坦な表面を有する、複数の同じ長さの透明な中実ロッド片を、各中実ロッド片の平坦な表面同士を長手方向に沿って密接させて配置した中実ロッド組立体であり;かつ、
(C) 複数の光源から発射された光のそれぞれを、前記中実ロッド組立体の長手方向の一方の端部から、中実ロッド組立体を形成している複数の中実ロッド片の全てに同時に入射させる手段を有する;
ことを特徴とする光学的立体造形装置。 - 複数の光源から発射された光のそれぞれを、前記中実ロッド組立体の長手方向の一方の端部から、中実ロッド組立体を形成している複数の中実ロッド片の全てに同時に入射させる手段が、複数の光源のそれぞれと、中実ロッド組立体との間に配置した光ファイバーまたは透明な中実ロッドである請求項3に記載の光学的立体造形装置。
- (A) 載置台上または光硬化した樹脂層上に、1層分の光硬化性樹脂組成物を順次供給して光硬化性樹脂組成物よりなる造形面を順次形成するため手段、
・複数の光源、
・複数の光源から発射された光のそれぞれを、光束内で互いに混ざり合せて光束内全体に分布させながら互いに離れておらずに何らかの形状で1つにまとまった光束に合成するための光合成手段、
・光合成手段を経た光束内での光の強度分布を均一にするための光強度均一化手段、および、
・光強度均一化手段を経た光を光硬化性樹脂組成物よりなる造形面に所定の面形状パターンで照射するための面状描画マスク、
を備えた光学的立体造形装置であって;
(B) 前記光合成手段が、反射面を内側に向けて隔離させて傾斜状態で互いに平行に配置した2つの全反射ミラーと、該2つの全反射ミラーの間に傾斜状態で該2つの全反射ミラーと平行に配置した1つのハーフミラーとからなるミラー組合体であり;かつ、
(C) 複数の光源のうちの一部から発射された光が、一方の全反射ミラーによって反射された後にハーフミラーにより反射・透過され、次いでハーフミラーを透過した光がもう一方の全反射ミラーによって反射されて光強度均一化手段へと向い、残りの光源から発射された光が、ハーフミラーによって反射・透過された後に、ハーフミラーを透過した光が光強度均一化手段へと向い、ハーフミラーで反射された光が該もう一方の全反射ミラーによって反射されて光強度均一化手段へと向うように、複数の光源および各ミラーが配置されている;
ことを特徴とする光学的立体造形装置。 - (A) 載置台上または光硬化した樹脂層上に、1層分の光硬化性樹脂組成物を順次供給して光硬化性樹脂組成物よりなる造形面を順次形成するため手段、
・複数の光源、
・複数の光源から発射された光のそれぞれを、光束内で互いに混ざり合せて光束内全体に分布させながら互いに離れておらずに何らかの形状で1つにまとまった光束に合成するための光合成手段、
・光合成手段を経た光束内での光の強度分布を均一にするための光強度均一化手段、および、
・光強度均一化手段を経た光を光硬化性樹脂組成物よりなる造形面に所定の面形状パターンで照射するための面状描画マスク、
を備えた光学的立体造形装置であって;
(B) 前記光合成手段が、複数の∧形状の全反射凸型ミラーを、該全反射凸型ミラーの頂点を光の走行方向に対して順に前後にずらして横方向に並列させて配置したミラー組合体であり;かつ、
(C) 複数の光源が前記ミラー組合体の横方向の両端位置にそれぞれ配置されている;
ことを特徴とする光学的立体造形装置。 - 光強度均一化手段がロッドレンズである請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学的立体造形装置。
- 複数の光源のそれぞれと光合成手段の間の光路に、集光手段、光平行化手段および全反射ミラーのうちの1つまたは2つ以上が更に配置されている請求項1〜7のいずれか1項に記載の光学的立体造形装置。
- 光合成手段と光強度均一化手段の間の光路に、集光手段および/または光平行化手段が更に配置されている請求項1〜8のいずれか1項に記載の光学的立体造形装置。
- 光合成手段に対して光強度均一化手段を密接して配置した請求項1〜8のいずれか1項に記載の光学的立体造形装置。
- 面状描画マスクが液晶シャッターまたはデジタルマイクロミラーシャッターを面状に配置した面状描画マスクである請求項1〜10のいずれか1項に記載の光学的立体造形装置。
- 光強度均一化手段と面状描画マスクの間の光路に反射ミラーおよびレンズの一方または両方が配置されている請求項1〜11のいずれか1項に記載の光学的立体造形装置。
- 面状描画マスクと光硬化性樹脂組成物よりなる造形面の間の光路に投影レンズが配置されている請求項1〜12のいずれか1項に記載の光学的立体造形装置。
- 請求項1〜13のいずれか1項に記載の光学的立体造形装置を使用して光学的立体造形を行って立体造形物を製造する方法。
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