JP4969058B2 - 光学的立体造形装置 - Google Patents

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本発明は光硬化性樹脂組成物を用いて立体造形物を光造形するのに使用する光学的立体造形装置および該装置を用いて光造形を行う方法に関する。より詳細には、本発明は、複数の光源を用いて、光硬化性樹脂組成物よりなる造形面にエネルギー強度の高い光を均一な照射密度および照射強度で照射しながら、高い造形精度および造形速度で、寸法精度、外観、強度、均質性に優れる高品質の立体造形物を生産性良く製造するための光学的立体造形装置および方法に関するものである。本発明の光学的立体造形装置および方法による場合は、複数の光源のうちの一部が消灯状態にあっても、斑のない、エネルギー強度の均一な光を、面状描画マスクを介して造形面に照射することができ、それによって硬化斑、強度斑がなく、寸法精度、強度、均質性、外観に優れる高品質の立体造形物を製造することができる。
近年、三次元CADに入力されたデータに基づいて光硬化性樹脂を硬化させて立体造形物を製造する光学造形方法および装置が実用化されている。この光造形技術は、設計の途中で外観デザインを検証するためのモデル、部品の機能性をチェックするためのモデル、鋳型を製作するための樹脂型、金型を製作するためのベースモデルなどのような複雑な三次元物体を容易に造形できることから注目を集めている。
光造形技術によって造形物を製造するに当たっては、造形浴を用いる方法が汎用されており、その手順としては、造形浴に液状の光硬化性樹脂を入れ、液面に所望のパターンが得られるようにコンピューターで制御されたスポット状の紫外線レーザー光を選択的に照射して所定の厚みに光硬化させて硬化樹脂層を形成し、その硬化樹脂層を造形浴内で下方に移動させて造形浴内の光硬化性樹脂液を該硬化樹脂層上に流動させて光硬化性樹脂液の層を形成させ、その光硬化性樹脂液層にスポット状の紫外線レーザー光を照射して硬化樹脂層を形成し、前記の工程を所定の形状および寸法の立体造形物が得られるまで繰り返して行う方法が広く採用されている。
しかしながら、スポット状の紫外線レーザー光を造形面に照射する上記した従来技術による場合は、1個のスポット状レーザー光を光硬化性樹脂の表面に照射しながら移動させて面状の光硬化したパターンを形成するいわゆる点描方式であるため、造形に長い時間を要し、生産性が低いという問題がある。
スポット状レーザー光を用いて点描方式で光造形を行う上記した従来技術の問題点を解消するために、光源の下流に描画マスクを配置し、描画マスクを介して造形しようとする断面形状パターンに応じた光を光硬化性樹脂組成物よりなる造形面に線状または面状で照射して、描画マスクのマスク画像に対応する所定の断面形状パターンを有する硬化樹脂層を形成させる工程を繰り返して立体造形物を製造する光造形技術が開発されている(例えば特許文献1〜5を参照)。
描画マスク、特に面状描画マスクを介して造形面に光を照射する面露光方式による場合は、一度に面状で光硬化が行われるために、スポット状レーザー光を用いる点描方式に比べて光造形速度が向上し、短時間で立体造形物を製造できるという長所がある。しかしながら、面露光方式による場合は、スポット状レーザー光のように光が収束されておらず、光源からの光が面状描画マスクの面積とほぼ同じ面積に拡張した状態で面状描画マスクを介して造形面に照射されるために、光のエネルギー強度が不足し易く、それに伴って造形面での光硬化性樹脂の硬化不良が生じたり、光硬化に長い時間を要するなどの問題が発生し易い。また、面状描画マスクを介して造形面に光を照射する際に、例えば面状描画マスクの中央部を通過する光の強度と面状描画マスクの周縁部を通過する光の強度に差があり、光強度分布の不均一が生じ易く、それによって造形面での露光状態(硬化状態)にバラツキが発生し、硬化斑、硬化した樹脂層の厚み斑、強度斑などを生じ、場合によっては得られる立体造形物に変形や歪みが生ずるという問題がある。
面状描画マスクを介して造形面に照射される光のエネルギー強度を高くすると共に均一化を図るために、面状描画マスクの背面側に複数の光源を並列に配置し、並列状態にある複数の光源から発射された光をそのまま面状描画マスクを介して造形面に照射することが提案されている(例えば特許文献2)。しかしながら、この場合にも、造形面に照射される光の強度分布の均一化は不十分であり、未だ満足のゆくものではない。
複数の光源を使用する場合に、該複数の光源からの光を集束させて一まとまりの光束にして光のエネルギー強度を大きくすることが考えられる。しかしながら、その場合に、複数の光源からの光を一まとまりの光束に集束しただけでは、複数の光源から発射された光は光束内で互いに混ざり合っておらず、各光源からの光ごとに分かれた状態で集束されている。そのため、複数の光源の一部に故障が生じて光を発射しなくなったり光の強度が弱くなった場合には、光束内における故障した光源に由来する光部分のエネルギー強度が局部的に弱くなったり、その部分に光がなくなり、光束内での光のエネルギー強度に大きな斑が生ずる。エネルギー強度に大きな斑の生じたそのような光(光束)を用いた場合は、面状描画マスクを介して光硬化性樹脂組成物よりなる造形面に照射される光のエネルギー強度に斑が生じているため、光硬化性樹脂組成物の硬化が均一に行われなくなり、硬化斑、強度斑などが生じて、寸法精度、強度、均質性、外観に優れる光造形物を得ることができなくなる。
また、製造しようとする立体造形物の大きさや種類などによっては、複数の光源のうちの一部のみを点灯し、残りの光源を消灯して光造形を行った方が、エネルギーコストの抑制、光学部材の劣化防止などの点から有利な場合がある。しかしながら、その場合にも、複数の光源のうちの一部を消灯すると、光束内における消灯した光源に由来する部分では光が無くなったり、弱くなって、光束内での光のエネルギー強度に大きな斑が生じて、造形面にエネルギー強度の均一な光を照射できなくなり、硬化斑、強度斑などが生じて、寸法精度、強度、均質性、外観などに優れる光造形物が得られなくなる。
複数の光源のうちの一部が故障したり、一部を消灯したことによって生ずる光束内でのエネルギー強度の斑を、斑の発生した光に補正を加えて低減したり無くすことは、光学的にかなり困難であり、複雑で高価な補正手段を要する。
特開昭62−288844号公報 特開平1−263031号公報 特開平3−227222号公報 特開平7−2905789号公報 特開平8−112863号公報
本発明の目的は、複数の光源を使用して、光硬化性樹脂組成物よりなる造形面に面状描画マスクを介して光を照射して所定の断面形状パターンを有する光硬化した樹脂層を形成する操作を繰り返して立体造形物を製造するに当たって、エネルギー強度が高く、しかもエネルギー強度分布が均一で斑のない光を、面状描画マスクを介して光硬化性樹脂組成物よりなる造形面に照射することができ、それによって寸法精度、外観、強度、均質性などに優れる高品質の立体造形物を、高い造形精度および造形速度で生産性良く製造できる光学的立体造形装置および光学的立体造形方法を提供することである。
更に、本発明の目的は、複数の光源を使用し光造形を行うに当たって、複数の光源のうちの一部に故障が生じた場合にも、また複数の光源のうちの一部を消灯して光造形を行った場合にも、エネルギー強度の分布が均一で、斑のない光を造形面に照射することができ、それによって寸法精度、外観、強度、均質性などに優れる高品質の立体造形物を円滑に製造することのできる光学的立体造形装置および光学的立体造形方法を提供することである。
上記の目的を達成すべく本発明者は鋭意検討を重ねてきた。その結果、背面側に複数の光源を並列に配置し、並列状態にある複数の光源から発射された光をそのまま面状描画マスクを介して造形面に照射する前記した特許文献2などに記載されている従来の方式を採用する代わりに、複数の光源から発射された光を光合成手段によって一まとまりの光束に合成し、その際に該光合成手段によって複数の光源から発射されたそれぞれの光を光束内で混ざり合わせるなどして光束内全体に分布させるようにすればよいこと、更にそのような光合成手段と共に該光合成手段によって合成された光束を更に光強度均一化手段を用いて一層均一化してから、面状描画マスクを介して造形面に所定の面形状パターンで照射すればよいことに想到した。そして、複数の光源を有し、且つ前記した光合成手段および光強度均一化手段を有する光学的立体造形装置を作製して実験を行ったところ、エネルギー強度が高く、且つエネルギー強度の均一性に極めて優れる光を、面状描画マスクを介して造形面に照射することが可能になり、それによって、硬化斑、生成した光硬化した樹脂層の厚み斑などが生じず、寸法精度、強度、均質性、外観などに優れる立体造形物を速い造形速度で生産性良く製造することができた。しかも、その光学的立体造形装置では、複数の光源のうちの一部が故障したり、一部のみを点灯して造形を行った場合にも、前記した光合成手段を使用したことによって、複数の光源を点灯した場合と同じような断面形状を有する、エネルギー強度に大きな斑のない一まとまりの光束が形成されること、そしてその光束が光強度均一化手段によって更に均一化されるために、エネルギー強度分布の均一な光を、面状描画マスクの全体をカバーしながら面状描画マスクを介して造形面に照射することができ、造形精度、寸法精度、強度、均質性、外観などに優れる立体造形物を円滑に製造できることを見出した。
そして、本発明者は、上記した光学的立体造形装置において、光合成手段としては、複数の光源から発射された光のそれぞれを光束内で互いに混ざり合せて光束内全体に分布させながら一まとまりの光束に合成する光合成手段が好適であることを見出した。
特に、光合成手段として、同じ形状および寸法の1対の直角プリズムを、各直角プリズムの直角を挟む同じ面の間にハーフミラーを挟んで対称に密接配置したプリズム組合体を使用すると、このプリズム組立体は極めて簡単な構造でありながら、2つの光源から発射された光が互いに良好に混ざり合った一まとまりの光束になって該プリズム組立体から出射されること、しかもこのプリズム組立体による場合は、径の小さな光束を出射できるため、サイズの小さな面状描画マスクを使用して光造形を行う場合にも、光源からの光を無駄なく有効に該小サイズの面状描画マスクを介して造形面に照射できることを見出した。
さらに、本発明者は、光合成手段として前記したプリズム組立体を使用するに当たって、2つの光源とプリズム組立体の間に光ファイバーまたは透明な中実ロッドを配置して、2つの光源から発射された光のそれぞれを、前記プリズム組立体における2つの対称な斜面体からプリズム組立体内に入射させるようにすると、複数の光源から発射された光を他所に散逸させることなく円滑にプリズム組立体に入射させることができるようになり、光のエネルギー効率が極めて高くなることを見出した。
また、本発明者は、長手方向に沿って少なくとも1つの平坦な表面を有する、長さの同じ透明な中実ロッド片の2個または3個以上を、各中実ロッド片の平坦な表面同士を長手方向に沿って密接させて配置して中実ロッド組立体を形成し、この中実ロッド組立体を光合成手段として用いて、複数の光源から発射された光のそれぞれを、該中実ロッド組立体の長手方向の一方の端部から、中実ロッド組立体を形成している複数の中実ロッド片の全てに同時に入射させるようにした場合にも、複数の光源から発射された光が互いに良好に混ざり合った光束になって該中実ロッド組立体から出射されること、しかもこの中実ロッド組立体による場合も径の小さな光束を出射できるため、サイズの小さな面状描画マスクを使用して光造形を行う場合にも、光源からの光を無駄なく有効に該小サイズの面状描画マスクを介して造形面に照射できることを見出した。
そして、本発明者は、光合成手段として前記した中実ロッド組立体を使用する際に、複数の光源から発射された光のそれぞれを中実ロッド組立体の長手方向の一方の端部から中実ロッド組立体を形成している複数の中実ロッド片の全てに同時に入射させる手段として、複数の光源のそれぞれと中実ロッド組立体との間に、光ファイバーまたは透明な中実ロッドを配置すると、複数の光源から発射された光を他所に散逸させることなく円滑に中実ロッド組立体に入射させることができるようになり、光のエネルギー効率が極めて高くなることを見出した。
また、本発明者は、光合成手段として、互いに傾斜させて平行に対向配置した2つの全反射ミラーと、それらの間にやはり平行に配置したハーフミラーとからなるミラー組合体を使用した場合にも、このミラー組合体は簡単な構造でありながら、2つの光源から発射された光が互いに良好に混ざり合った一まとまりの光束になって該プリズム組立体から出射されること、またこのミラー組合体では、ハーフミラーと出射側の全反射ミラーの距離を調整することによって径の小さな光束を出射できるため、サイズの小さな面状描画マスクを使用する光造形にも適用できることを見出した。
さらに、本発明者は、光合成手段として、∧形状の全反射面を有する複数の凸型ミラーを該凸型ミラーの頂点を光の走行方向に対して順に前後にずらして横方向に並列させて配置したミラー組合体なども使用できることを見出した。
また、本発明者は、光合成手段の下流側に配置する上記光強度均一化手段としてはロッドレンズが好適であること、面状描画マスクとしては液晶シャッターまたはデジタルマイクロミラーシャッターを面状に配置した面状描画マスクが好適であることを見出した。
さらに、本発明者は、そのような光学的立体造形装置において、複数の光源のそれぞれと光合成手段の間の光路に集光手段、光平行化手段および全反射ミラーのうちの1つまたは2つ以上を更に配置すると、また光強度均一化手段と面状描画マスクの間に反射ミラーおよび/またはフレネルレンズを配置したり、面状描画マスクと光硬化性樹脂組成物よりなる造形面の間に投影レンズを配置すると、光造形造作がより円滑に行えることを見出した。また、本発明者は、光合成手段の種類などに応じて、光合成手段と光強度均一化手段とを接して設けるかまたは両者の間の光路に集光手段および/または光平行化手段を更に配置することにより、光エネルギー効率を高く維持しながら光造形を円滑に行うことができることを見出し、それらの種々の知見に基づいて本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
(1) (A) 載置台上または光硬化した樹脂層上に、1層分の光硬化性樹脂組成物を順次供給して光硬化性樹脂組成物よりなる造形面を順次形成するため手段、
・複数の光源、
・複数の光源から発射された光のそれぞれを、光束内で互いに混ざり合せて光束内全体に分布させながら互いに離れておらずに何らかの形状で1つにまとまった光束に合成するための光合成手段、
・光合成手段を経た光束内での光の強度分布を均一にするための光強度均一化手段、および、
・光強度均一化手段を経た光を光硬化性樹脂組成物よりなる造形面に所定の面形状パターンで照射するための面状描画マスク、
を備えた光学的立体造形装置であって;
(B) 前記光合成手段が、形状および寸法を同じくする1対の直角プリズムを、各直角プリズムにおける直角を挟む同じ面の間にハーフミラーを密接した状態で介在させて対称に対向配置したプリズム組合体であり;かつ、
(C) 複数の光源から発射された光が、前記プリズム組立体における2つの対称な斜面のそれぞれに照射されるように光源およびプリズム組立体が配置されている;
ことを特徴とする光学的立体造形装置である。
なお、本明細書でいう「ハーフミラー」とは、光の半分(50%またはほぼ50%)を反射し、光の残りの半分(50%またはほぼ50%)を透過させる機能を有する光学部材をいい、一般に、「ハーフミラー」および「ハーフビームスプリッター」と称されているもののいずれをも包含する。
そして、本発明は、
(2) 複数の光源から発射された光のそれぞれを、前記プリズム組立体における2つの対称な斜面のそれぞれに導いて、プリズム組立体のそれぞれの斜面からプリズム組立体内に光を入射させるための光ファイバーまたは透明な中実ロッドを複数の光源とプリズム組立体の間に有する前記(1)の光学的立体造形装置である。
また、本発明は、
(3)(A) 載置台上または光硬化した樹脂層上に、1層分の光硬化性樹脂組成物を順次供給して光硬化性樹脂組成物よりなる造形面を順次形成するため手段、
・複数の光源、
・複数の光源から発射された光のそれぞれを、光束内で互いに混ざり合せて光束内全体に分布させながら互いに離れておらずに何らかの形状で1つにまとまった光束に合成するための光合成手段、
・光合成手段を経た光束内での光の強度分布を均一にするための光強度均一化手段、および、
・光強度均一化手段を経た光を光硬化性樹脂組成物よりなる造形面に所定の面形状パターンで照射するための面状描画マスク、
を備えた光学的立体造形装置であって;
(B) 前記光合成手段が、長手方向に沿って少なくとも1つの平坦な表面を有する、複数の同じ長さの透明な中実ロッド片を、各中実ロッド片の平坦な表面同士を長手方向に沿って密接させて配置した中実ロッド組立体であり;かつ、
(C) 複数の光源から発射された光のそれぞれを、前記中実ロッド組立体の長手方向の一方の端部から、中実ロッド組立体を形成している複数の中実ロッド片の全てに同時に入射させる手段を有する;
ことを特徴とする光学的立体造形装置である
そして、本発明は、
(4) 複数の光源から発射された光のそれぞれを、前記中実ロッド組立体の長手方向の一方の端部から、中実ロッド組立体を形成している複数の中実ロッド片の全てに同時に入射させる手段が、複数の光源のそれぞれと、中実ロッド組立体との間に配置した光ファイバーまたは透明な中実ロッドである前記(3)の光学的立体造形装置である。
さらに、本発明は、
(5)(A) 載置台上または光硬化した樹脂層上に、1層分の光硬化性樹脂組成物を順次供給して光硬化性樹脂組成物よりなる造形面を順次形成するため手段、
・複数の光源、
・複数の光源から発射された光のそれぞれを、光束内で互いに混ざり合せて光束内全体に分布させながら互いに離れておらずに何らかの形状で1つにまとまった光束に合成するための光合成手段、
・光合成手段を経た光束内での光の強度分布を均一にするための光強度均一化手段、および、
・光強度均一化手段を経た光を光硬化性樹脂組成物よりなる造形面に所定の面形状パターンで照射するための面状描画マスク、
を備えた光学的立体造形装置であって;
(B) 前記光合成手段が、反射面を内側に向けて隔離させて傾斜状態で互いに平行に配置した2つの全反射ミラーと、該2つの全反射ミラーの間に傾斜状態で該2つの全反射ミラーと平行に配置した1つのハーフミラーとからなるミラー組合体であり;かつ、
(C) 複数の光源のうちの一部から発射された光が、一方の全反射ミラーによって反射された後にハーフミラーにより反射・透過され、次いでハーフミラーを透過した光がもう一方の全反射ミラーによって反射されて光強度均一化手段へと向い、残りの光源から発射された光が、ハーフミラーによって反射・透過された後に、ハーフミラーを透過した光が光強度均一化手段へと向い、ハーフミラーで反射された光が該もう一方の全反射ミラーによって反射されて光強度均一化手段へと向うように、複数の光源および各ミラーが配置されている;
ことを特徴とする光学的立体造形装置である。
さらに、本発明は、
(6)(A) 載置台上または光硬化した樹脂層上に、1層分の光硬化性樹脂組成物を順次供給して光硬化性樹脂組成物よりなる造形面を順次形成するため手段、
・複数の光源、
・複数の光源から発射された光のそれぞれを、光束内で互いに混ざり合せて光束内全体に分布させながら互いに離れておらずに何らかの形状で1つにまとまった光束に合成するための光合成手段、
・光合成手段を経た光束内での光の強度分布を均一にするための光強度均一化手段、および、
・光強度均一化手段を経た光を光硬化性樹脂組成物よりなる造形面に所定の面形状パターンで照射するための面状描画マスク、
を備えた光学的立体造形装置であって;
(B) 前記光合成手段が、複数の∧形状の全反射凸型ミラーを、該全反射凸型ミラーの頂点を光の走行方向に対して順に前後にずらして横方向に並列させて配置したミラー組合体であり;かつ、
(C) 複数の光源が前記ミラー組合体の横方向の両端位置にそれぞれ配置されている;
ことを特徴とする光学的立体造形装置である。
そして、本発明は、
) 光強度均一化手段がロッドレンズである前記(1)〜()のいずれかの光学的立体造形装置;
) 複数の光源のそれぞれと光合成手段の間の光路に、集光手段、光平行化手段および全反射ミラーのうちの1つまたは2つ以上更に配置されている前記(1)〜()のいずれかの光学的立体造形装置;
) 光合成手段と光強度均一化手段の間の光路に、集光手段および/または光平行化手段更に配置されている前記(1)〜()のいずれかの光学的立体造形装置;及び
10) 光合成手段に対して光強度均一化手段を密接して配置した前記(1)〜()のいずれかの光学的立体造形装置;
である。
さらに、本発明は、
11) 面状描画マスクが液晶シャッターまたはデジタルマイクロミラーシャッターを面状に配置した面状描画マスクである前記(1)〜(10)のいずれかの光学的立体造形装置;
12) 光強度均一化手段と面状描画マスクの間の光路に反射ミラーおよびレンズの一方または両方配置されている前記(1)〜(11)のいずれかの光学的立体造形装置;および、
13) 面状描画マスクと光硬化性樹脂組成物よりなる造形面の間の光路に投影レンズ配置されている前記(1)〜(12)のいずれかの光学的立体造形装置;
である。
そして、本発明は、
14) 前記(1)〜(13)のいずれかの光学的立体造形装置を使用して光学的立体造形を行って立体造形物を製造する方法である。
本発明による場合は、複数の光源を使用して、エネルギー強度が高く、しかもエネルギー強度分布が均一で、斑のない光を、面状描画マスクを介して光硬化性樹脂組成物よりなる造形面に照射することができ、それによって硬化斑や強度斑などを生ずることなく、寸法精度、外観、強度、均質性などに優れる高品質の立体造形物を、高い造形精度および造形速度で生産性良く製造することができる。
そして、本発明による場合は、複数の光源のうちの一部に故障が生じた場合にも、また複数の光源のうちの一部を消灯して光造形を行った場合にも、エネルギー強度の分布が均一で、斑のない光を造形面に照射することができ、それによって寸法精度、外観、強度、均質性に優れる高品質の立体造形物を円滑に製造することができる。
本発明による場合は、光合成手段によって、複数の光源からの光を、強度斑のない径の小さな光束に集束した後、それを光強度均一化手段で一層均一にすることができるため、面状描画マスクとして、一般にサイズの小さな市販の液晶描画マスクやデジタルマイクロミラーシャッターマスクを用いた場合にも、寸法精度、強度、均質性、外観などに優れる立体造形物を生産性良く製造することができる。
さらに、本発明の光学的立体造形装置では、複数の光源として、紫外線レーザー装置のような高価な光源、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプなどのような安価な光源、紫外線LED(発光ダイオード)などのいずれもが使用でき、いずれの光源を用いた場合にも、エネルギー強度が高くて且つ光強度分布の均一化した光を面状描画マスクを介して造形面に照射することができる。特に、本発明による場合は、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプなどのような安価な光源や紫外線LED(発光ダイオード)を使用して、エネルギー強度が高くて且つ光強度分布の均一化した光を、面状描画マスクを介して造形面に照射して造形を行うことができるため、光学的立体造形装置の大幅なコストダウンを達成することができる。
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明の光学的立体造形装置では、載置台上または光硬化した樹脂層上に、1層分の光硬化性樹脂組成物を順次供給して光硬化性樹脂組成物よりなる造形面を順次形成するための手段(以下「造形面形成用手段」ということがある)は特に制限されず、載置台(造形テーブル)上または光硬化した樹脂層上に1層分の光硬化性樹脂組成物を順次供給して光硬化性樹脂組成物よりなる厚さの均一な造形面を順次形成できる造形面形成用手段のいずれもが使用できる。
本発明で採用し得る造形面形成用手段の代表例としては、(i)液状の光硬化性樹脂組成物を充填した造形浴中に上下動可能な載置台(造形テーブルなど)を配置し、載置台を下降させることによって載置台面または造形途中の造形物の表面(光硬化した樹脂層面)に1層分の液状の光硬化性樹脂組成物層(造形面)を形成させる操作を順次繰り返すようにした設備を挙げることができる。
本発明で採用し得る造形面形成用手段の別の例としては、(ii)気体雰囲気中に載置台(造形テーブルなど)を配置し、その載置台面または造形途中物面(光硬化した樹脂層面)に1層分の液状、ペースト状、粉末状または薄膜状の光硬化性樹脂組成物を施して造形面を形成させる操作を順次繰り返すようにした設備;(iii)載置台(造形テーブルなど)を垂直または斜めに配置しておいて、載置台面またはその上に形成された造形途中物面(光硬化した樹脂層面)に1層分の光硬化性樹脂組成物を施して造形面を形成させる操作を順次繰り返すようにした設備;(iv)載置台(造形テーブルなど)を下向きに配置しておいて、載置台を順次上方に移動させて、載置台面またはそこで形成された造形途中物面(光硬化した樹脂層面)に1層分の光硬化性樹脂組成物を施して造形面を順次下方へと形成させる操作を順次繰り返すようにした設備などを挙げることができる。
前記(i)〜(iv)の造形面形成用手段では、載置台(造形テーブルなど)の面または光硬化した樹脂層面に光硬化性樹脂組成物を施すための手段として、例えば、浸漬塗装手段、ブレード塗装手段、流延塗装手段、ローラー塗装手段、転写塗装手段、ハケ塗り手段、スプレー塗装手段などの適当な手段を採用することができる。
本発明の光学的立体造形装置は複数の光源を備えている。光源の数は2個以上であればいずれでもよく、そのうちでも2〜8個、更には2〜4個、特に2個であることが、複数の光源から発射される光の集光、集光した光の合成および合成した光(光束)の強度分布の均一化を容易に且つ円滑に行うことができる点、光学的立体造形装置の設計が容易である点などの点から好ましい。
複数の光源の配置形態は、光源の数、種類、大きさ、形状、光合成手段の種類や形状などに応じて適当な配置形態を採用できるが、光源間の距離をできるだけ小さくしてコンパクトに配置すると共に、複数の光源における光発射面が空間的に同じ面かまたはほぼ同じ面に位置するように配置することが好ましい。それによって、複数の光源から発射される光の光合成手段による合成、光強度分布の均一化などを円滑に行うことができると共に、光学的立体造形装置における光源部分の占める容積を小さくでき、しかも装置を効率的に冷却することができる。
光源の種類は特に制限されず、光学的立体造形で使用し得る光源であればいずれでもよい。本発明の光学的立体造形装置で用い得る光源としては、例えば、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプなどのような高輝度放電ランプ(HIDランプ)、水銀灯、蛍光灯、ハロゲンランプ、白熱ランプ、Arレーザー、He−Cdレーザー、LDレーザー(半導体励起固体レーザー)、紫外線LEDなどを挙げることができる。
特に、本発明の光学的立体造形装置は、複数の光源として、レーザー光発射装置のような高価な光源を使用せずに、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプなどのような高輝度放電ランプ(HIDランプ)や、水銀灯、蛍光灯、ハロゲンランプ、白熱ランプなどのような安価な汎用の光源または紫外線LEDを使用する場合に有効であり、これらの安価な汎用の光源を使用して、エネルギー強度が高く且つ光強度分布の均一化された光を、面状描画マスクを介して光硬化性樹脂組成物よりなる造形面に照射することができる。
光源の形状や寸法は特に制限されず、複数の光源から発射された光が光源の下流位置に配置した光合成手段によって一まとまりの光束に円滑に合成できる限りはいずれでもよく、例えば、点状、球状、面状、方形状、棒状の光源などを挙げることができる。そのうちでも、光源の形状は点状または球状であることが好ましい。
本発明の光学的立体造形装置が有する複数の光源は、互いに同じ光源であってもよいし、または種類、形状、寸法などが互いに異なっていてもよい。
そのうちでも、同じ光源を複数備えていることが好ましい。複数の光源から発射される光が同じである場合は、複数の光源から発射される光の一まとまりの光束への合成、合成により形成した光束の光強度分布の均一化などを容易に且つ円滑に行うことができる。
本発明の光学的立体造形装置は、複数の光源の下流位置(光の進行方向位置)に、複数の光源から発射した光を一まとまりの光束に合成するための光合成手段を有する。
ここで、「一まとまりの光束」とは、複数の光源から発射された光が、互いに離れておらずに何らかの形状で1つにまとまった光束をいう。かかる点から、当該「一まとまりの光束」は、その断面形状(光束の進行方向を横切る方向)が、例えば、1つの円形形状、楕円形形状、方形形状、複数の円が互いに接した形状、複数輝点の集合体などのいずれであってもよい。
光合成手段としては、複数の光源から発射された光のそれぞれを、単に一まとまりの光束に集束するだけでなく、互いに混ざり合わせ、それぞれの光源からの光を前記一まとまりの光束内全体に分布させながら該一まとまりの光束に合成することのできる下記(i)〜(v)の光合成手段のいずれもが使用できる。
(i)形状および寸法を同じくする1対の直角プリズムを、各直角プリズムにおける直角を挟む同じ面の間にハーフミラーを密接した状態で介在させて対称に対向配置したプリズム組合体からなる光合成手段。
(ii)長手方向に沿って少なくとも1つの平坦な表面を有する、複数の同じ長さの透明な中実ロッド片を、各中実ロッド片の平坦な表面同士を長手方向に沿って密接させて配置した中実ロッド組立体からなる光合成手段。
(iii)反射面を内側に向けて隔離させて傾斜状態で互いに平行に配置した2つの全反射ミラーと、該2つの全反射ミラーの間に傾斜状態で該2つの全反射ミラーと平行に配置した1つのハーフミラーとからなるミラー組合体からなる光合成手段。
(iv)∧形状の全反射面を有する複数の凸型ミラーを、該凸型ミラーの頂点を光の走行方向に対して順に前後にずらして横方向に並列させて配置したミラー組合体からなる光合成手段。
(v)複数のプリズムが横方向に接して並列しているプリズムアレーからなる光合成手段。
上記した(i)のプリズム組合体よりなる光合成手段では、2つの直角プリズムとして、直角以外の2つの頂角の角度がそれぞれ60°および30°である直角プリズムが好ましく用いられる。そして、該2つの直角プリズムにおける直角と30°の頂角との間の面の間にハーフミラーを密接した状態で介在させて該2つの直角プリズムを対称に対向配置してプリズム組合体(すなわち、断面が正三角形のプリズムの1つの頂角を2等分する面にハーフミラーを配置したもの)とするのがよい。その際のハーフミラーとしては、ハーフミラーに衝突した光線の50%を反射し、50%を透過するミラーが用いられ、例えば、シグマ社製のプレートハーフミラーやプレートハーフビームスプリッター、TECH SPEC社製のハイブリッドビームスプリッターなどを用いることができる。
また、上記(ii)の中実ロッド組立体としては、光透過率の高い透明な材料[例えば、「パイレックス」(登録商標)、硼珪酸クラウンガラス、合成石英ガラス、「ゼロデュア」(登録商標)、チタン珪酸ガラス、光学クラウンガラス、サファイアガラス、セレン亜鉛ガラスなどのガラスや、メタクリル樹脂など]からなる、同じ寸法の方形の横断面を有する、同じ長さの2個、3個または4個の中実ロッド片を各中実ロッド片の同じ寸法の表面同士を長手方向に沿って密接させて配置して1つにまとまった中実ロッド体にした中実ロッド組立体、同じ寸法の半円形の横断面を有する同じ長さの2個の中実ロッド片を各中実ロッド片の平坦面同士を長手方向に沿って密接させて配置した中実ロッド組立体などが好ましく用いられる。
また、上記(iii)のミラー組合体におけるハーフミラーとしては、上記(i)で用いるのと同様のハーフミラーやハーフビームスプリッターなどを使用することができる。
上記した(i)〜(v)の光合成手段のうちでも、上記した(i)のプリズム組合体、(ii)の中実ロッド組立体および(iii)のミラー組合体、そのうちでも(i)のプリズム組合体および(ii)の中実ロッド組立体、特に(i)のプリズム組立体は、構造が簡単で、スペースをとらず、しかも複数の光源(特に2つの光源)から発射された光を互いに混ざり合わせて光束内全体に分布させながら、径の絞られた一まとまりの光束に円滑に合成できることから好ましく採用される。
本発明で用いる光合成手段は、複数の光源からの光を一まとまりの光束に集光すると共に、複数の光源からの光のそれぞれを互いに混ざり合わせるなどして一まとまりの光束内全体に分布させる機能を有している。そのことを、図1の(a)の模式図を用いて、光合成手段としてプリズム組立体を用いた場合を例に挙げて説明すると、2つの光源1a,1bから発射された光は、プリズム組立体(光合成手段)PAで一まとまりの光束Cに集光されると共に互いに混ざり合って、プリズム組立体(光合成手段)PAから出射した光束C内では、光源1aから発射された光a(黒丸で示した光)と、光源1bから発射された光b(白丸で示した光)が互いに混ざり合って、それぞれが光束C全体に分布している。
より具体的には、光源1aから発射された光は、プリズム組立体(光合成手段)PAにおける一方の直角プリズム2aに入射して進行し、ハーフミラー3cに到達すると、入射した光の50%がハーフミラー3cで反射された後、直角プリズム2aの斜面で反射された直角プリズム2aの底部から、図示されていない光強度均一化手段の方向へと出射される。また、ハーフミラー3cに到達した光源1aからの光の50%は、ハーフミラー3cを透過した後、直角プリズム2bの斜面で反射されて直角プリズム2bの底部から、図示されていない光強度均一化手段の方向へと出射される。一方、光源1bから発射された光は、プリズム組立体(光合成手段)PAのもう一方の直角プリズム2bに入射して進行し、ハーフミラー3cに到達すると、入射した光の50%がハーフミラー3cで反射された後、直角プリズム2bの斜面で反射されて直角プリズム2bの底部から、図示されていない光強度均一化手段の方向へと出射される。また、ハーフミラー3cに到達した光源1bからの光の50%は、ハーフミラー3cを透過した後、直角プリズム2aの斜面で反射されて直角プリズム2aの底部から、図示されていない光強度均一化手段の方向へと出射される。それによって、光源1aから出射された光と光源1bから出射された光がプリズム組立体(光合成手段)PAで互いに混ざり合いながら一まとまりの光束に集光されて、プリズム組立体(光合成手段)PAの底部から出射する。
なお、直角プリズム(光合成手段)Aを形成している2つの直角プリズム2a,2bでは、前記したように、ハーフミラー3cの存在する面と斜面によって形成される頂角を30゜、底面と斜面とのなす角を60゜にすることが好ましい。
上記の点から、プリズム組立体(光合成手段)PAを備えていることにより、例えば、光源1bが故障して点灯せず、光源1aのみが点灯した状態のときにも、光束Cでは、光線bに相当する部分が消えても、光線aの部分(黒丸で示した光)が、光束C全体に分布し、光源1bの故障がないときの光束Cと同じか又はほぼ同じ断面形状の光束D(2つの円が互いに接して配置された光束)がプリズム組立体(光合成手段)PAから出射される。
それに対して、光合成手段として、複数の光源からの光のそれぞれを互いに混ざり合わせるなどして一まとまりの光束内全体に分布させる機能を有しておらず、複数の光源からの光を単に一まとまりの光束に集光する機能しか有していない光合成手段PB(ハーフミラーが配置されていない正三角形の断面を有するプリズムなど))を用いた場合は、図1の(b)の模式図で例示するように、2つの光源1a,1bから発射された光は、光合成手段PBで一まとまりの光束C’に集光されるものの、該光束C’では、光源1aから発射された光a(黒丸で示した光)と、光源1bから発射された光b(白丸で示した光)が互いに区分された状態で集光されている。そのため、例えば、光源1bが故障して点灯せず、光源1aのみが点灯している状態のときには、光束C’では、光線bに相当する部分の光(白丸で示した光)が消滅し、光線aの部分の光(黒丸で示した光)だけが光合成手段PBから出射され、光合成手段PBから出射される光束はD’のような断面形状となり、本来の断面形状を有する光束を出射できない。
本発明では、複数の光源から発射された光を光合成手段に導くに当たっては、複数の光源から出射されたそれぞれの光を光合成手段にそのまま直接導いてもよいが、光合成手段での一まとまりの光束への集光および光の混ざり合いを良好に行わせるために、複数の光源から出射された光をそれぞれ平行光にしてから光合成手段に導くことが好ましい。かかる点から、複数の光源のそれぞれと光合成手段との間の光路に、各々の光源に対応させて複数の適当な平行光化手段、例えば、凸レンズ、凹レンズ、ボールレンズ、偏角プリズム、直角プリズムなどを配置することが好ましい。
また、複数の光源から発射された光のそれぞれを小径に集束して前記光合成手段に導入するか、または小径に集束してから平行光化して前記光合成手段に導入するようにすると、小径に集束したエネルギー強度の高い一まとまりの光束を光合成手段から出射させることができるので、複数の光源と光合成手段との間、または光源と前記平行光化手段との間に適当な集光手段、例えば、凸レンズ、棒状レンズ、ボールレンズ、光ファイバー、径の小さな透明な中実ロッドなどを配置することが好ましい。
特に、光合成手段として、プリズム組立体または中実ロッド組立体を用いる上記した(i)または(ii)において、複数の光源から発射された光のそれぞれを適当な光学部材(例えば凸レンズなど)を用いて小径に集束した後、小径の透明な中実ロッドまたは光ファイバーを用いて、プリズム組立体の2つの斜面のそれぞれからプリズム組立内に入射させるか、または中実ロッド組立体の一方の端部から中実ロッド組立体に入射させるようにすると、光の散逸を防ぎながら、光源から発射された光を高効率でプリズム組立体または中実ロッド組立体に入射することができ、それによって光のエネルギー効率を高く維持することができる。
さらに、光学的立体造形装置における光学系が占める容積を小さくして装置の小型化を図るために、複数の光源から発射された光の光路を変更させる手段(例えばミラー、偏角プリズムなど)を複数の光源と光合成手段の間の光路に配置してもよい。
1つの光源から発射された光は、その横断面でみたときに、一般に、中央部(中心部)のエネルギー強度が高く、周縁部になるに従ってエネルギー強度が低くなっていて、光強度分布が不均一になっている。そのため、前記した光合成手段によって合成された一まとまりの光束では、複数の光源からのそれぞれの光が混ざり合うなどして、一まとまりの光束内全体に分布してはいるが、光束の横断面において、それぞれの光の元の中央部(中心部)に相当する位置と周縁部に相当する位置では、未だエネルギー強度に違いがあることが多く、光束の横断面全体でエネルギー強度が完全には均一化されていないことが多い。例えば、図1の(a)における光束Dでは、2つの円のそれぞれの中心部のエネルギー強度は2つの円の周縁部のエネルギー強度よりも一般に高くなっている。
光強度分布が不均一な光を、面状描画マスクを介して光硬化性樹脂組成物よりなる造形面にそのまま照射した場合は、光硬化層において、硬化不足の箇所、硬化過度の箇所などの硬化斑が生じ、光硬化層全体で均一な硬化が行われなくなり、それに伴って最終的に得られる立体造形物の歪み、造形精度の低下、強度不足、外観不良、物性の不均一などの問題が発生し易くなる。
上記の点から、本発明の光学的立体造形装置では、上記した光合成手段の下流に光強度均一化手段を配置し、光合成手段から出射された一まとまりの光束における光強度分布を、該光強度均一化手段によって光束の横断面全体で一層均一にする。光強度均一化手段で光(光束)の横断面全体での光強度分布が均一化した光は、面状描画マスクを介して光硬化性樹脂組成物よりなる造形面に照射したときに、硬化不足や硬化過度などを生ずることなく造形面全体にわたって均一に硬化された所定の形状パターンを有する1層毎の光硬化層を形成し、最終的に得られる立体造形物の寸法精度、強度、外観、物性などが良好になる。
ここで、本明細書でいう「光強度分布」とは、光(光線、光束)の横断面(光の走行方向に対して直角な面)における光強度(エネルギー強度)の分布状態をいう。
平行光でない光を光強度均一化手段に導入した場合には、光強度均一化手段によって光強度の均一化はなされるものの、光のエネルギー強度が大幅に低下し、複数の光源を用いたことによる効果が低減するので、光強度均一化手段に導入される光は、主光線が平行光であることが極めて望ましい。
かかる点から、光合成手段から出射した光(光束)が平行光である場合は、光合成手段から出射した光(光束)を光強度均一化手段にそのまま直接導入することができる。光合成手段から出射した光(光束)を光強度均一化手段にそのまま直接導入する場合は、光合成手段の後に光合成手段を密接して配置することが、光のエネルギー効率の向上、装置規模の縮小などを図ることができる。
但し、必要に応じて、光合成手段から出射した一まとまりの平行光からなる光束を集光手段によって一層小径に集束した後に平行光化手段によって再度平行光にしてから光強度均一化手段に導入してもよい。一方、光合成手段から出射した光(光束)が平行光でない場合は、平行光化手段によって平行光にしてから光強度均一化手段に導入する。
その際の平行光化手段として、例えば、凸レンズ、凹レンズ、ボールレンズ、偏角プリズム、直角プリズムなどを配置することができる。
本発明の光学的立体造形装置における光強度均一化手段としては、光合成手段を経た跡の平行化した光の光強度分布を、光エネルギー強度の低下を防止または抑制しながら、均一化できる手段であればいずれも使用できる。そのうちでも、本発明では、光強度均一化手段として、ロッドレンズが好ましく用いられる。
本発明で光強度均一化手段として好適に使用されるロッドレンズとしては、例えば、
(A)石英やその他の透明な材料からなる中実の透明ロッドとその下流位置における1個または複数のレンズ(光の横断面サイズの収縮または拡散用の凸レンズおよび/または凹レンズ)を組み合わせて形成したロッドレンズ(以下これを「ロッドレンズ4A」ということがある);
(B)内壁面をミラーやその他の反射面にした筒状体(筒状ロッド)と、その下流位置における1個または複数のレンズ(光の横断面サイズの収縮または拡散用の凸レンズおよび/または凹レンズ)を組み合わせて形成したロッドレンズ(以下これを「ロッドレンズ4B」ということがある);
などを挙げることができる。
上記のロッドレンズ4Aでは、中実の透明ロッドの一端から入射した平行光(一般的には主光線が平行で、主光線以外の光は完全には平行になっていない)が、透明ロッドの周面を反射面として透明ロッド内で内部反射を繰り返しながら光の横断面における光強度分布が均一化された状態になって透明ロッドのもう一方の端部から出射する。透明ロッドから出射した光強度分布の均一化された光は、透明ロッドの下流位置に配置されたレンズによって所定の横断面サイズに収縮または拡大されて、ロッドレンズ4Aから出射する。
ロッドレンズ4Aでは、透明ロッドの横断面形状は、面状描画マスクと相似形であることが、光エネルギーの効率などの点から好ましい。透明ロッドの直径(横断面形状が方形の場合は対角線の長さ)は10μm〜30cm、長さは1〜500cmであることが、取り扱い性、光の反射効率などの点から好ましい。ロッドレンズ4Aで好適に用いる透明ロッドとしては、例えば、シグマ光機株式会社製のロッドホモジナイザー、有限会社ワイエルテシ製のロッドレンズなどを挙げることができる。
また、ロッドレンズ4Aでは、透明ロッドおよびその下流位置に配置されているレンズは、1つの外筒内に収容して全体を一体にしてあってもよいし、または外筒体内に収容せずに、透明ロッドレンズとレンズを露出した状態で組み合わせてもよい。
また、ロッドレンズ4Bでは、筒状体(筒状ロッド)の一端から入射した平行光(一般的には主光線が平行で、主光線以外の光は完全には平行になっていない)が、筒状体の内壁面(反射面)で内部反射を繰り返しながら光の横断面における光強度分布が均一化された状態になって筒状体(筒状ロッド)のもう一方の端部から出射する。筒状体から出射した光強度分布の均一化された光は、筒状体(筒状ロッド)の下流位置に配置されているレンズによって所定の横断面サイズに収縮または拡大されて、ロッドレンズ4Bから出射する。
ロッドレンズ4Bにおいて、その筒状体(筒状ロッド)の形状は特に制限されず、例えば、長方形の筒状体、正方形の筒状体、円筒、楕円形の筒状体、多角形の筒状体、三角形の筒状体などのいずれでもよい。筒状体(筒状ロッド)の横断面形状が長方形または正方形である場合は、ロッドレンズ4Bから出射される光の横断面形状が方形をなし、一般に方形をなす面状描画マスクの形状と一致するため、面状描画マスクを介して所定の形状パターンの光を造形面に無駄なく円滑に照射することができる。
また、ロッドレンズ4Bにおける筒状体(筒状ロッド)の長さ、中空部の寸法(断面寸法)、壁厚などは制限されず、使用する光源の数、種類、形状、寸法などに応じて決めることができる。一般的には、筒状体(筒状ロッド)の長さ(筒状体の入口側の開口部から出口側の開口部までの長さ)は1cm〜5m、中空部の内径(中空部が方形の場合は対角線の長さ)が10μm〜30cm、壁厚が10μm〜50mmであることが、取り扱い性、光の反射効率などの点から好ましい。
ロッドレンズ4Bにおいて、筒状体(筒状ロッド)を光透過率の高い透明な材料[例えば、「パイレックス」(登録商標)、硼珪酸クラウンガラス、合成石英ガラス、「ゼロデュア」(登録商標)、チタン珪酸ガラス、光学クラウンガラス、サファイアガラス、セレン亜鉛ガラスなどのガラスや、メタクリル樹脂など]から形成し、その内壁面に、屈折率の高い非吸収性の誘電体物質(例えばAl23、HfO2、ZrO2など)と屈折率の低い非吸収性の誘電体物質(例えばMgF2、SiO2など)を交互に膜状に多層にコーティングした誘電体多層膜コーティング(例えば光伸光工業社製の「コールドミラー」に使用されている紫外線選別膜層)よりなる反射面を形成したものは、該誘電体多層膜コーティングよりなる反射面が、光硬化性樹脂組成物よりなる造形面の硬化に一般に有効に利用される波長365nmまたはその近傍の光(紫外線)のほぼ全量(90%以上)を該反射面で次々と反射させながら同時に光の横断面での光強度分布を均一化すると共に、その一方で波長365nmまたはその近傍以外の波長の紫外線(特に波長320nm以下の紫外線)を筒状体の壁部を通して筒状体の外部に分離・除去するという機能を有する。そのため、ロッドレンズ4Bにおける筒状体として、透明な筒状体の内壁に前記した誘電体多層膜コーティングよりなる反射面を形成した場合には、光造形に有効な波長365nmまたはその近傍の光(紫外線)の光強度分布の均一化と同時に、それ以外の不要な紫外線の分離・除去が可能なため、面状描画マスクとして液晶描画マスクを使用した際に、液晶描画マスクの劣化を引き起こす不要な紫外線(特に波長320nm以下の紫外線)が除かれた液晶描画マスクの長寿命化(耐久性の向上)を同時に達成することができる。
ロッドレンズ4Bにおいて、筒状体(筒状ロッド)の下流位置に配置されているレンズを外筒内に収容し、その外筒を筒状体(筒状ロッド)に連結して全体を一体にしておくと、取り扱い性などが向上する。
前記した光強度均一化手段によって光強度分布を均一にした光を、必要に応じて他の光学手段を経てから、最終的に面状描画マスクを介して光硬化性樹脂組成物よりなる造形面に所定の形状パターンで照射して面露光を行って、所定の断面形状パターンを有する光硬化層を形成する。
本発明の光学的立体造形装置を使用して光造形を行うに当たっては、面状描画マスクを静止した状態で面状描画マスクを介して光硬化性樹脂組成物よりなる造形面に光を照射して1層分の光硬化樹脂層を形成してもよいし、1層分の光硬化樹脂層の形成途中に面状描画マスクのマスク画像を断続的に変えると共に面状描画マスクを次の位置に移動させて光硬化樹脂層を形成してもよいし、1層分の光硬化樹脂層の形成時に面状描画マスクのマスク画像をテレビジョン画像や映画のように動画的に連続して変化させるのと同期して面状描画マスクを連続的に移動させて1層分の光硬化樹脂層を形成してもよいし、または前記した方式の2つ以上を採用して光造形を行ってもいずれでもよい。
本発明の光学的立体造形装置では、面状描画マスクとして、微小ドットエリアでの遮光および透光が可能な複数の微小光シャッターを面状に配置した面状描画マスクが好ましく用いられ、そのような面状描画マスクの具体例としては、液晶シャッターまたはデジタルマイクロミラーシャッターを挙げることができる。
本発明において面状描画マスクとして好ましく用いられる液晶シャッターやデジタルマイクロミラーシャッターは、連続的(動画的)な画像形成が可能な手段として、他の分野(例えばテレビジョン、パソコン、プロジェクター、カーナビ、携帯電話など)において既に用いられているので、液晶シャッターやデシタルマイクロミラーシャッターを面状描画マスクとして使用した場合には、前記したように、面状描画マスクのマスク画像を光学装置系の連続移動と連動されてテレビジョンや映画などにおけるように動画的に連続的に変化させながら光造形を行うことができる。
面状描画マスクの形状や寸法は特に制限されず、製造しようとする光造形物の形状や寸法(特に断面形状やその寸法)などに応じて適当な形状や寸法のものを採用することができる。本発明の光学的立体造形装置で好ましく用いられる上記した液晶シャッターやデシタルマイクロミラーシャッターなどからなる面状描画マスクは、微小ドットエリアでの遮光および透光が可能な複数の微小光シャッターを面状(X−Y方向)に並列配置した方形形状(正方形または長方形)で一般に製作・販売されているので、本発明では方形(正方形または長方形)の面状描画マスクが好ましく採用される。面状描画マスクに配置されている微小光シャッター(画素子)の数は特に制限されず、従来から知られているものなどを使用することができる。液晶シャッター(液晶表示素子)としては、例えば、QVGA(画素数=320ドット×240ドット)、VGA(画素数=640×480ドット)、SVGA(画素数=800×600ドット)、UXGA(画素数=1024×768ドット)、QSXGA(画素数=2560×2648ドット)などを用いることができ、これらの液晶シャッターは従来から広く販売されている。
また、デジタルマイクロミラーシャッターとしては、例えば、テキサスインスツルメンツ社製の「DLPテクノロジー」(登録商標)のDMD(登録商標)デバイスなどを使用することができる。
本発明の光学的立体造形装置では、造形精度の向上、造形速度の向上、装置の軽量化、保守性の向上、装置コストのダウンなどの目的で、光強度均一化手段から出射した光を面状描画マスクに良好に導くための手段(例えばレンズ、反射ミラーなど)を光強度均一化手段と面状描画マスクの間に配置してもよいし、また面状描画マスクによって形成されたマスク画像(面状描画マスクを通った光画像)を光硬化性樹脂組成物よりなる造形面の所定位置に高造形精度で照射させるための手段(例えば投影レンズ、プロジェクタレンズなど)を面状描画マスクと造形面との間に配置してもよい。
本発明の光学的立体造形装置を用いて光造形を行うに当たっては、光学的立体造形において従来から用いられている光硬化性樹脂組成物のいずれもが使用できる。また、光硬化性樹脂組成物の形態は、液状、ペースト、粉末状、薄膜状などのいずれのあってもよく、特に液状であることが光造形時の取扱性などの点から好ましい。
本発明の光学的立体造形装置を使用して光造形を行う際に用いる光硬化性樹脂組成物の種類は特に制限されず、光造形に用い得る液状、ペースト、粉末状、薄膜状などの光硬化性樹脂組成物のいずれもが使用できる。
使用し得る光硬化性樹脂組成物としては、例えば、光造形において従来から用いられている、ウレタンアクリレートオリゴマー、エポキシアクリレートオリゴマー、エステルアクリレートオリゴマー、多官能エポキシ樹脂などの各種オリゴマー;イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルメタクリレート、ジシクロペンテニロキシエチルアクリレート、ジシクロペンテニロキシエチルメタクリレート、ジシクロペタニルアクリレート、ジシクロペタニルメタクリレート、ボルニルアクリレート、ボルニルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、モルホリンアクリルアミド、モルホリンメタクリルアミド、アクリルアミドなどのアクリル系化合物やN−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、酢酸ビニル、スチレンなどの各種の単官能性ビニル化合物;トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジシクロペンタニルジアクリレート、ポリエステルジアクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレートなど多官能性ビニル化合物;水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペートなどの各種エポキシ系化合物などを挙げることができ、これらの1種または2種以上と光重合開始剤および必要に応じて増感剤などを含有する光硬化性樹脂組成物を用いることができる。
また、光硬化性樹脂組成物は、上記した成分以外にも、必要に応じて、レベリング剤、リン酸エステル塩系界面活性剤以外の界面活性剤、有機高分子改質剤、有機可塑剤などを含有していてもよい。
さらに、光硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、固体微粒子やウィスカーなどの充填材を含有していてもよい。充填材を含有する光硬化性樹脂組成物を用いると、硬化時の体積収縮の低減による寸法精度の向上、機械的物性や耐熱性の向上などを図ることができる。
充填材として用いる固体微粒子としては、例えば、カーボンブラック微粒子などの無機微粒子、ポリスチレン微粒子、ポリエチレン微粒子、ポリプロピレン微粒子、アクリル樹脂微粒子、合成ゴム微粒子などの有機重合体微粒子などを挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができる。固体微粒子の粒径は特に制限されないが、一般的には平均粒径が200μm以下、特に100μm以下のものが好ましく用いられる。
また、ウィスカーとしては、径が0.3〜1μm、特に0.3〜0.7μm、長さが10〜70μm、特に20〜50μmおよびアスペクト比が10〜100、特に20〜70μmのものが好ましく用いられる。なお、ここで言うウイスカーの寸法およびアスペクト比は、レーザー回析/散乱式粒度分布測定装置を用いて測定した寸法およびアスペクト比である。ウイスカーの種類は特に制限されず、例えば、ホウ酸アルミニウム系ウイスカー、酸化アルミニウム系ウイスカー、窒化アルミニウム系ウイスカー水、酸化硫酸マグネシウム系ウイスカー、酸化チタン系ウイスカーなどを挙げることができ、前記したウイスカーの1種または2種以上を用いることができる。
固体微粒子および/またはウィスカーは、シランカップリング剤で表面処理されていても表面処理されていなくてもよいが、表面処理されていることが好ましい。固体微粒子および/またはウイスカーがシランカップリング剤で表面処理されている場合には、熱変形温度、曲げ弾性率、機械的強度の一層高い光硬化物を得ることができる。その場合のシランカップリング剤としては、充填剤の表面処理などに従来から用いられているシランカップリング剤のいずれもが使用でき、好ましいシランカップリング剤としては、アミノシラン、エポキシシラン、ビニルシランおよび(メタ)アクリルシランを挙げることができる。
以下に図を参照して、本発明について具体的に説明するが、本発明は図に示したものに何ら限定されるものではない。
図2は、本発明の光学的立体造形装置の一例についてその全体を模式的に示した図である。図2の光学的立体造形装置では、光合成手段として、図1の(a)に示した2つの直角プリズム2a,2bとその間に挟持したハーフミラー3cよりなるプリズム組合体PAを用い、光強度均一化手段4として前記したロッドレンズ4Aを用いている。
図3は、図2の光学的立体造形装置において、2つの光源1a,1bから発射された光を図2とは別の方式で光合成手段(プリズム組立体PA)の各直角プリズム2a,2bに導いてプリズム組立体PAに入射させた後、プリズム組立体PAから出射した光束をプリズム組立体PAに接して設けたロッドレンズ4Aに入射するようにした本発明の光学的立体造形装置の一部(光強度均一化手段まで)を示した図である。
図4は、光合成手段として、長手方向に沿って少なくとも1つの平坦な表面を有する、2個の同じ長さの透明な中実ロッド片を、各中実ロッド片の平坦な表面同士を長手方向に沿って密接させて配置した中実ロッド組立体を用いた本発明の光学的立体造形装置の一部(光強度均一化手段まで)を示した図である。
図5は、光合成手段として、2つの全反射ミラーと1つのハーフミラーからなる上記した(ii)のミラー組合体を用いた本発明の光学的立体造形装置の一部(光強度均一化手段まで)を示した図である。
図6は、光合成手段として、∧形状の全反射面を有する複数の凸型ミラーを横方向に前後にずらして配置した上記(iii)のミラー組合体を用いた本発明の光学的立体造形装置の一部(光強度均一化手段まで)を示した図である。
図7および図8は、本発明の光学的立体造形装置で用いる光強度均一化手段(ロッドレンズ)の具体例を示した図である。
図2〜図8において、PAはプリズム組立体(光合成手段)、RLは中実ロッド組立体、RLa,RLb,RLcは中実ロッド片、1aおよび1bは光源、2aおよび2bは直角プリズム、3a,3bは全反射ミラー、3cはハーフミラー、3d1,3d2,3d3,3d4は∧形状の全反射凸型ミラー、4は光強度均一化手段、4Aおよび4Bはロッドレンズ(光強度均一化手段)、5a,5bは集光手段(凸レンズなど)、6a,6bは全反射ミラー、7a,7bは透明な中実ロッド、8は集光手段(凸レンズなど)、9は平行光化手段(凹レンズなど)、10は全反射ミラー、11はレンズ、12は面状描画マスク(液晶描画マスク、デジタルマイクロミラーシャッターマスクなど)、13は投影レンズ、14は造形浴(光硬化性樹脂組成物を収容する容器)、15は光硬化性樹脂組成物、16は造形面、17は載置台(造形テーブルなど)及び18は造形途中の立体造形物を示す。
図2に示す光学的立体造形装置では、液状の光硬化性樹脂組成物15が容器(造形浴)14内に収容されると共に、造形浴14内に上下動可能な載置台(造形テーブルなど)17が配置されている。造形浴14内の載置台(造形テーブル)17上に載置されている造形途中の造形物18の表面には1層分の光硬化性樹脂組成物が存在し造形面16を形成している。その状態で、2つの光源1a,1bから発射された光を集光手段5a,5bによって集光し、全反射ミラー6a,6bで反射させて向きを変えた後、プリズム組立体PA(光合成手段)の各直角プリズム2a,2bに入射させて集光して一まとまりの光束にすると共に該光束内でそれぞれの光源から発射された光を互いに混ざり合わせた状態でプリズム組立体PAから平行光として出射する。次いで、プリズム組立体PA(光合成手段)から出射された光を、集光手段8で集光し、平行光化手段9で再度平行光にした後、光強度均一化手段4(ロッドレンズ4A)に導入して光強度分布を均一にする。光強度均一化手段4(ロッドレンズ4A)から導出した光は全反射ミラー10によって向きを変え、レンズ11を経て面状描画マスク12に導かれ、面状描画マスク7のマスク画像に対応した所定の形状パターンの光となる。面状描画マスク12によって所定の形状パターンとなって光は投影レンズ13を経て造形面16に照射されて、所定の断面形状パターンを有する光硬化した樹脂層を形成する。かかる造形工程を繰り返すことによって、目的とする立体造形物が形成される。図2に示す光学的立体造形装置では、平行光化手段9を省略して、集光手段8で集光した光を光強度均一化手段4に直接導入するようにしてもよい。
図2に例示した光学的立体造形装置では、2個の光源1a,1bから発射され、プリズム組立体PAに入射した光は、図1の(a)に示したように、2個の直角プリズム2a,2bとそれらの間に密接状態で挟持されたハーフミラー3cによって一まとまりの光束に集光されると共に、該光束内で2個の光源1a,1bから発射された光がそれぞれ混ざり合って光束内全体に分布する。
図3に示した光学的立体造形装置では、図3の(a)に示すように、2つの光源1a,1bから発射された光を集光手段5a,5bによって集光した後、透明な中実ロッド7a,7bの光入射部に配置した全反射ミラー6a,6bで反射させて向きを変えて中実ロッド7a,7b内を進行させ、中実ロッド7a,7b内を進行したそれぞれの光を、中実ロッド7a,7bの出射端部に近接して配置したプリズム組立体PA(光合成手段)の各直角プリズム2a,2bに入射させて集光して一まとまりの光束にすると共に該光束内でそれぞれの光源から発射された光を互いに混ざり合わせた状態にし、次いでプリズム組立体PA(光合成手段)に接して配置した光強度均一化手段4(ロッドレンズ4A)に入射させて光強度分布を均一にする。光強度均一化手段4(ロッドレンズ4A)から導出した光は、図2の場合と同様にして、図示していない全反射ミラー10、レンズ11、面状描画マスク12を経て造形面16に照射されて、所定の断面形状パターンを有する光硬化した樹脂層を形成する。かかる造形工程を繰り返すことによって、目的とする立体造形物が形成される。
図3に示した光学的立体造形装置で用いる中実ロッド7a,7bは、光透過率の高い透明な材料[例えば、「パイレックス」(登録商標)、硼珪酸クラウンガラス、合成石英ガラス、「ゼロデュア」(登録商標)、チタン珪酸ガラス、光学クラウンガラス、サファイアガラス、セレン亜鉛ガラスなどのガラスや、メタクリル樹脂など]から形成する。
図3の(b)は、中実ロッド7a,7bが方形の横断面を有する場合について、その横断面を例示した図である。
図4は、光合成手段として中実ロッド組立体を用いた場合の例を示した図である。
図4の(a)は、光学的立体造形装置の光源から光強度均一化手段までを示した図であり、図4の(b)〜()は、図4の光学的立体造形装置で光合成手段として用いている中実ロッド組立体の例を示す図(中実ロッド組立体の長さ方向に直角な断面図)を示したものである。図4の光学的立体造形装置では、図4の(b)〜()に示すように、各光源1a,1bからの光が、中実ロッド組立体 Lを構成している各中実ロッド片の全てに跨って入射するようにして中実ロッド組立体 Lを配置する。
図4の光学的立体造形装置では、光源1aから発射された光を集光手段5aによって集光した後、透明な中実ロッド7aの光入射部に配置した全反射ミラー6aで反射させて向きを変えて中実ロッド7a内を進行させ、中実ロッド7aを進行した光を中実ロッド7aの出口側端部に接して配置した中実ロッド組立体 L(光合成手段)の一方の端部から中実ロッド組立体 Lを形成している中実ロッド片 Laおよび Lbの両方に入射させるか[中実ロッド組立体 Lが2つの中実ロッド片 Laおよび Lbで形成されている場合;図4の(b)の場合]、または中実ロッド組立体 Lを形成している中実ロッド片 La Lbおよび Lcの全てに入射させる[中実ロッド組立体 Lが3つの中実ロッド片 La Lbおよび Lc形成されている場合;図4の(c)の場合]。また、もう一方の光源1bから発射された光を集光手段5bによって集光した後、透明な中実ロッド7bに入射させて中実ロッド7b内を進行させ、中実ロッド7a内を進行した光を中実ロッド7aの出口側端部に設けた全反射ミラー6bで反射させて向きを変え、中実ロッド組立体 L(光合成手段)の一方の端部から中実ロッド組立体 Lを形成している中実ロッド片 Laおよび Lbの両方に入射させるか[中実ロッド組立体 Lが2つの中実ロッド片 Laおよび Lbで形成されている場合;図4の(b)]、中実ロッド組立体 Lを形成している中実ロッド片 La Lbおよび Lcの全てに入射させる[中実ロッド組立体 Lが3つの中実ロッド片 La Lbおよび Lc形成されている場合;図4の(c)]。中実ロッド組立体 Lでは、各中実ロッド片( La Lb、又は La Lb Lc)に入射した光源1a,1bからの光をそれぞれ1つの光束にまとめると共に該光束内でそれぞれの光源から発射された光を互いに混ざり合わせた状態にし、次いで中実ロッド L(光合成手段)に接して配置した光強度均一化手段4(ロッドレンズ4A)に入射させて光強度分布を均一にする。光強度均一化手段4(ロッドレンズ4A)から導出した光は、図2の場合と同様にして、図示していない全反射ミラー10、レンズ11、面状描画マスク12を経て造形面16に照射されて、所定の断面形状パターンを有する光硬化した樹脂層を形成する。かかる造形工程を繰り返すことによって、目的とする立体造形物が形成される。
図4には、中実ロッド組立体 Lが2個の中実ロッド片からなる場合[図4の(b)]および3個の中実ロッド片からなる場合[図4の(c)]について例示したが、中実ロッド組立体 Lはそれに限定されず、4個以上の中実ロッド片から形成されていてもよい。また、中実ロッド組立体 Lを構成する各中実ロッド片の形状も、図4の(b)および(c)に例示した長方形断面のものに限定されず、互いに面状で密接し得る平坦面を1つ以上有している限りは、その断面は例えば正方形、半楕円形、六角形などであってもよい。そのうちでも、中実ロッド片は方形または正方形の横断面形状を有していることが、面状描画マスクに相似した光束を形成し得る点から好ましい。
図4の光学的立体造形装置に用いる中実ロッド7a,7bは、中実ロッド組立体 Lと同じような、上記で例示した光透過率の高い透明な材料から形成しておくのがよい。
また、図5に例示した光学的立体造形装置では、光源1aから発射された光は、全反射ミラー3aで全反射されてハーフミラー3cに到達し、ハーフミラー3cに到達した光の50%はハーフミラー3cで反射されて集光手段8へと進行し、残りの50%の光はハーフミラー3cを透過した後に全反射ミラー3bで全反射されて集光手段8へと進行する。一方、光源1bから発射された光は、ハーフミラー3cに到達し、ハーフミラー3cに到達した光の50%はハーフミラー3cを透過して集光手段8へと進行し、残りの50%の光はハーフミラー3cで反射された後に全反射ミラー3bに到達し、全反射ミラー3bで全反射されて集光手段8へと進行する。そして、前記した全反射ミラー3a,3bおよびハーフミラー3cによる光の反射および透過作用によって、光源1aから発射された光と光源1bから発射された光は互いに混ざり合いながら一まとまりの光束に合成されて集光手段8に到達し、平行光化手段9で再度平行光にされた後、光強度均一化手段4(ロッドレンズ4B)に導入して光強度分布が均一化される。光強度均一化手段4から導出した光は、図2の光学的立体造形装置と同様にして、全反射ミラー10、レンズ11、面状描画マスク12、投影レンズ13を経て、造形面16に照射されて、所定の断面形状パターンを有する光硬化した樹脂層が形成される。
図6に例示した光学的立体造形装置では、複数の∧形状の全反射凸型ミラー3d1,3d2,3d3,3d4を、前後をずらして横方向に並列して配置すると共に、2つの光源1a,1bを該並列に配置した全反射凸型ミラーの両端位置にそれぞれ配置してある。光源1aから発射された光は、前後をずらして横方向に並列した複数の∧形状の全反射凸型ミラー3d1,3d2,3d3,3d4の片側の反射面(傾斜した反射面)で全反射されて集光手段8へと進行し、もう一方の光源1bから発射された光は、前記した複数の∧形状の全反射凸型ミラー3d1,3d2,3d3,3d4の前記とは反対側の反射面(傾斜した反射面)で全反射されて集光手段8へと進行する。そして、複数の∧形状の全反射凸型ミラー3d1,3d2,3d3,3d4による前記した反射作用時に、光源1aから発射された光と光源1bから発射された光は、一まとまりになった光束内全体に互いに分散した状態に合成されて集光手段8に到達し、平行光化手段9で再度平行光にされた後、光強度均一化手段4に導入して光強度分布が均一化される。光強度均一化手段4から導出した光は、図2の光学的立体造形装置と同様にして、全反射ミラー10、フレネルレンズ11、面状描画マスク12、投影レンズ13を経て、造形面16に照射されて、所定の断面形状パターンを有する光硬化した樹脂層が形成される。
特に図2および図3に示した光学的立体造形装置で用いているプリズム組合体PAよりなる光合成手段、図4に示した中実ロッド組立体PLよりなる光合成手段、および図5に示した光学的立体造形装置で用いているミラー組合体よりなる光合成手段は、いずれも、構造が簡単で、スペースをとらず、しかも2つの光源から発射された光を互いに混ざり合わせて光束内全体に分布させながら、径の絞られた一まとまりの光束に円滑に合成することができる。
その場合に、プリズム組合体PAにおける直角プリズム2a,2bのサイズは特に制限されず、各々の状況に応じて適当なものを採用することができる。そのうちでも、プリズム組合体PAに用いる直角プリズム2a,2bとしては、上記したように、直角プリズム2,2bの横断面において、直角以外の2つの頂点の角度が30°と60°で、直角を挟む短辺の長さが1〜50mm[直角を挟む長辺の長さ=(√3)×(短辺)(mm)]で、斜辺の長さ(直角プリズムの稜線の長さ)が2〜100mm程度のものが、2つの光源1a,1bから発射された光を径の小さなエネルギー強度の高い一まとまりの光束に合成できる点、混合後の光合成の点から好ましく用いられる。
また、図4に示した光学的立体造形装置で光合成手段として用いている中実ロッド組立体PL、ひいてはそれを構成している各中実ロッド片の横断面のサイズ、や長さは特に制限されず、各々の状況に応じて適当なものを採用することができる。そのうちでも、中実ロッド組立体PLは、辺の長さが1〜50mmの範囲にある長方形または正方形の横断面を有し、長さが20mm〜1000mmの範囲にある同サイズおよび同形の2個または3個の中実ロッド片を、図4の(b)および(d)のように組み合わせて形成されていることが好ましい。
また、図5に示した光学的立体造形装置で光合成手段として用いているミラー組合体では、各ミラーの傾斜角度はミラーに向かう光の光路に対して45°であることが、複数の光源から発射された光を無駄なく効率よく一まとまりの光束に集光できる点から好ましい。また、各ミラーのサイズは、光源の種類やサイズ、光源からのミラーの距離、光学的立体造形装置全体の規模などの各々の状況に応じて決めることができるが、一般的には、1辺の長さが10〜100mm、特に30〜70mmの正方形の全反射ミラーおよびハーフミラーが好ましく用いられる。さらに、全反射ミラー3aとハーフミラー3cの間の距離およびハーフミラー3cと全反射ミラー3bの間の距離も適宜調節することができるが、光源1a、1bから発射された光のすべてが集光手段8へと向かうようにしながら、ハーフミラー3cと全反射ミラー1bとの間の距離をできるだけ狭くすると、ミラー組合体によって合成される一まとまりの光束の径を小さくして、光束のエネルギー強度を高くすることができ、集光手段8のサイズを小さくすることができる。
図2〜図6の光学的立体造形装置において、平行光化手段9を設ける場合は、平行光化手段9は光強度均一化手段4(4A,4B)の入口側(光入射部分)の近傍に光強度均一化手段4から多少離して設けてもよいし、または光強度均一化手段4の入口に直接設けてもよい。
図2〜図6の光学的立体造形装置で用いる光強度均一化手段4としては、例えば、図7に示すロッドレンズ4Aまたは図8に示すロッドレンズ4Bが好ましく用いられる。
図7において、(a)はロッドレンズ4Aをその中央部分で長さ方向に水平に切断したときの断面図であり、(b)はロッドレンズ4Aを長さ方向と直角に切断したときの横断面図である。
また、図8において、(a)はロッドレンズ4Bをその中央部分で長さ方向に水平に切断したときの断面図であり、(b)はロッドレンズ4Bをその外筒421の部分で長さ方向と直角に切断したときの横断面図である。
図2〜図4には光強度均一化手段4としてロッドレンズ4Aを用いた場合を例示した。
また、図5および図6には光強度均一化手段4としてロッドレンズ4Bを用いた場合を例示した。
図2〜図4の光学的立体造形装置で用いている、図7に例示したロッドレンズ4Aは、横断面形状が正方形、長方形、円形、楕円形、多角形、三角形などの透明な中実ロッド411(石英やその他の透明材料から形成された中実ロッド(図7では横断面形状が正方形の中実ロッド)と、その下流に配置した凸レンズ412が配置されている。
ロッドレンズ4Aにおける中実ロッド411の一方の端部413から入射した平行光化された光(主光線が主に平行光にされ、主光線以外の光は完全には平行光化されていない光)は、中実ロッド411の周面での内部反射を繰り返しながら同時に光の横断面における光強度分布が均一化されつつ中実ロッド411のもう一方の端部414から出射する。中実ロッド411の端部414から出射した光強度分布の均一化された光は、中実ロッド411の下流位置に配置されている凸レンズ412によって所定距離で結像される状態で出射する。
ロッドレンズ4Aでは、透明な中実ロッド411の横断面形状は、面状描画マスクと相似形であることが、光エネルギーの効率の点から好ましい。中実ロッド411の直径(横断面形状が方形の場合は対角線の長さ)は10μm〜30cm、長さは1〜500cmであることが、取り扱い性、光の反射効率などの点から好ましい。ロッドレンズ4Aで好適に用いる中実ロッド411としては、例えば、シグマ光機株式会社製のロッドホモジナイザー、有限会社ワイエルティー製のロッドレンズなどを挙げることができ、また本発明の光学的立体造形装置用にロッドレンズ用素材として合成石英などを用いて自ら作製してもよい。
図2〜図4および図7には、中実ロッド411の下流位置に1個の凸レンズ412を配置したロッドレンズ4Aを記載しているが、中実ロッド411の下流位置に配置するレンズは必ずしも凸レンズである必要はなく、凹レンズであってもよいし、凸レンズと凹レンズの組み合わせであってもよい。また、レンズの数も1個に限られるものではなく、2個、3個、4個以上などのいずれでもよい。中実ロッド411の端部414から出射した光の横断面積を拡大するか又は縮小するかなどの各々の要求状況に応じて、適当なレンズを適当な数で配置すればよい。
また、図5および図6に記載したロッドレンズ4Bは、図8に示すように、断面円形の外筒421の内側に、断面形状が長方形の筒状体(筒状ロッド)422が挿入されており、筒状体422の内壁面424はミラーから構成され反射面になっている。ロッドレンズ4Bの外筒421の下流側には別の外筒425が連結されており、外筒425内には3個の凸レンズ427a,427b,427cが配置されている。
ロッドレンズ4Bにおける筒状体(筒状ロッド)422の入口423から入射した平行光化された光は、筒状体(筒状ロッド)422の内壁面424を構成しているミラー(反射面)により内部反射を繰り返しながら同時に光の横断面における光強度分布が均一化されつつ筒状体(筒状ロッド)422の出口426から出射する。筒状体(筒状ロッド)422の出口426から出射した光強度分布の均一化された光は、筒状体(筒状ロッド)422の下流位置に配置されている3個の凸レンズ427a,427b,427cによって所定距離で結像される状態で、ロッドレンズ4Bの出口428から出射する。
ロッドレンズ4Bにおいて、その筒状体(筒状ロッド)422の横断面形状は長方形に必ずしも限定されず、長方形以外に、例えば、正方形、円形、楕円形、多角形、三角形のなどのいずれでもよい。筒状体(筒状ロッド)422の横断面形状は面状描画マスクの形状と相似形であることが光の効率の点から好ましい。筒状体(筒状ロッド)422の横断面形状が方形(長方形または正方形)である場合、特に面状描画マスクと相似形をなす方形である場合には、ロッドレンズ4Bから出射される光の横断面形状が方形をなし、一般に方形の形状をなしている面状描画マスクの形状と一致するため、面状描画マスクを介して所定の形状パターンの光を造形面に無駄なく円滑に照射することができる。
また、ロッドレンズ4Bにおける筒状体(筒状ロッド)422の長さ、中空部の寸法(断面寸法)、壁厚などは制限されず、使用する光源の数、種類、形状、寸法などに応じて決めることができる。一般的には、筒状体(筒状ロッド)422の長さ(筒状体422の入口423から出口426までの長さ)は1〜500cm、中空部の内径(中空部が方形の場合は対角線の長さ)が10μm〜30cm、壁厚が10μm〜50mmであることが、取り扱い性、光の反射効率などの点から好ましい。
ロッドレンズ4Bにおいて、筒状体(筒状ロッド)422を光透過率の高い透明な材料[例えば、「パイレックス」(登録商標)、硼珪酸クラウンガラス、合成石英ガラス、「ゼロデュア」(登録商標)、チタン珪酸ガラス、光学クラウンガラス、サファイアガラス、セレン亜鉛ガラスなどのガラスや、メタクリル樹脂など]から形成し、その内壁面に反射面として、屈折率の高い非吸収性の誘電体物質(例えばAl23、HfO2、ZrO2など)と屈折率の低い非吸収性の誘電体物質(例えばMgF2、SiO2など)を交互に膜状に多層にコーティングした誘電体多層膜コーティング層(例えば光伸光工業社製の「コールドミラー」に使用されている紫外線選別膜層)を設けたものは、該誘電体多層膜コーティング層よりなる反射面が、光硬化性樹脂組成物よりなる造形面の硬化に一般に有効に利用される波長365nmまたはその近傍の光(紫外線)のほぼ全量(90%以上)を該反射膜で次々と反射させながら同時に光の横断面での光強度分布を均一化すると共に、その一方で波長365nmまたはその近傍以外の波長の紫外線(特に波長が320nm以下の紫外線)を筒状体(筒状ロッド)422の壁部を通して筒状体(筒状ロッド)422の外部に分離・除去するという機能を有する。そのため、ロッドレンズ4Bにおける筒状体(筒状ロッド)422として、透明な筒状体の内壁に前記した誘電体多層膜コーティング層よりなる反射面を形成した場合には、光造形に有効な波長365nmまたはその近傍の光(紫外線)の光強度分布の均一化と同時に、それ以外の不要な紫外線の分離・除去が可能なため、面状描画マスクとして液晶描画マスクを使用した際に、液晶描画マスクの劣化を引き起こす不要な紫外線(特に波長320nm以下の紫外線)を除去して、液晶描画マスクの長寿命化(耐久性の向上)を同時に達成することができる。
図8の(a)には、筒状体(筒状ロッド)422の下流位置に3個の凸レンズ427a,427b,427cを配置したロッドレンズ4Bを記載しているが、筒状体(筒状ロッド)422の下流位置に配置するレンズは必ずしも凸レンズである必要はなく、凹レンズであってもよいし、凸レンズと凹レンズの組み合わせであってもよい。また、レンズの数も3個に限られるものではなく、1個、2個、4個以上などのいずれでもよい。筒状体(筒状ロッド)422の出口426から出射した光の横断面積を拡大するか又は縮小するかなどの各々の要求状況に応じて、適当なレンズを適当な数で配置すればよい。
図2〜図4には光強度均一化手段4としてロッドレンズ4Aを用いた場合を示し、図5および図6には光強度均一化手段4としてロッドレンズ4Bを用いた場合について記載したが、何らそれに限定されるものではなく、図2〜図4のものにロッドレンズ4Bを使用し、図5および/または図6のものにロッドレンズ4Aを使用しても何ら構わない。
光強度均一化手段4をなすロッドレンズ4Aまたはロッドレンズ4Bから出射した光は、例えば図2に示すように、必要に応じて、反射ミラー10、レンズ11(フレネルレンズやその他のレンズ)を経て、液晶描画マスクなどの面状描画マスク12によって所定の形状パターンの光となり、投影レンズ13などを経て造形面16に所定の形状パターンで照射されて、所定の形状パターンを有する光硬化した樹脂層を形成する。
その際に、液晶描画マスクなどの面状描画マスク12を介して造形面16に照射される所定の形状パターンを有する光は、2個の光源1a,1bから発射された光が合わさったものであるためエネルギー強度が高く、しかも光合成手段Aによって2個の光源1a,1bからのそれぞれの光が一まとまりに集光された光束内全体に分布すると共に、光束光強度均一化手段4によって光強度分布の一層の均一化がなされているため、造形面での露光強度にバラツキが生じず、硬化斑、硬化した樹脂層の厚み斑、強度斑などがなく、寸法精度、強度、外観などに優れる立体造形物を速い造形速度で円滑に製造することができる。
しかも、2つの光源1a,1bのうちの一方にトラブルが発生して一方のみが点灯した状態になった場合や、また一方の光源を積極的に消灯して1個の光源のみを用いて光造形を行う場合にも、光源からの光が2個の光源からの光を合成した場合と同じ横断面形状で全体に分布して集光、光強度の均一化が行われるために、2つの光源が点灯しているのと同じようにして、寸法精度、力学的強度、均質性などに優れる立体造形物を製造することができる。
図2〜図6には、2個の光源を用いる場合について例示したが、それに限定されるものではなく、2個よりも多い光源を用いることができる。
《実施例1》
(1) 図2に示す光学的立体造形装置(但し平行光化手段9は設置せず)において、光源1a,1bから平行光化手段9までの光学系を図3のものに置き換えた光学的立体造形装置を使用して光造形を行った。この実施例1で使用した装置では、光源1a,1bとして岩崎電気株式会社製の超高圧水銀ランプ(出力120W)を、集光手段5a,5bとしてシグマ光機社製の凸レンズ(球面平凸レンズ)を用いた。また、光の入射端部に全反射ミラー6a,6bを有する透明な中実ロッド7a,7bとしては、方形の横断面(断面寸法=15mm×10mm)を有する長さ50mmの石英製の中実ロッド[(有)モノテック社製の石英ロッド標準研磨品]を用いた。
また、プリズム組立体PA(光合成手段)として、直角を挟む短辺の長さが10mm、長辺の長さが17.3mm、稜線(斜面)の長さが20mmの2個の直角プリズムの直角を挟む長辺のある面の間に該面と同じ形状および寸法のハーフミラー(エドモンド・オプティクス・ジャパン社製のボルガドットビームスプリッター)を近接挟持したものを使用した。
また、集光手段8としてシグマ光機社製の凸レンズ(球面平凸レンズ)を使用した。
光強度均一化手段4(ロッドレンズ4A)として、方形の断面形状(断面寸法=20mm×10mm)を有する長さ175mmの石英製の中実ロッド[(有)モノテック社製の石英ロッド標準研磨品]を使用し、該中実ロッドから6cm離れた下流に凸レンズ(シグマ光機社製の球面両凸レンズ)を配置したものを使用した。
また、反射ミラー10は光伸光学工業株式会社製「コールドミラー」、レンズ11は本特殊光学樹脂株式会社製のレンズ(フレネルレンズ)、面状描画マスク12はカシオ計算機社製の液晶描画マスク(VGA液晶640×480)、投影レンズ13は株式会社ニコン製「EL−Nikkor」を使用した。
(2) 上記(1)の光学的立体造形装置を使用し、光硬化性樹脂組成物としてシーメット株式会社製「CPX−1000」(硬化感度2.5mJ;紫外線硬化波長365nm)を使用し、光硬化性樹脂組成物よりなる造形面16への投影サイズ=40mm×30mm、照射深度0.1mmの条件下で造形面に光照射して光硬化した樹脂層を形成する操作を繰り返して、縦×横×高さ=32mm×22mm×50mmの立体造形物を製造した(光造形時間38分)。その際に、造形面16での光エネルギー強度を6.2mW/cm2にすることできたため、照射時間を0.45秒にすることができた。
この実施例1で得られた立体造形物は、硬化斑などがなく、寸法精度、強度、均質性および外観に優れていた。
(3) 上記(1)の光学的立体造形装置を使用し、光源1bを消灯し、光源1aのみを点灯して、上記(2)と同様にして光造形を行った。ここでは、1個の光源1aのみで光造形を行ったため、造形面16での光エネルギー強度は、光源1aおよび1bの両方を点灯して光造形を行った上記(2)の場合の1/2(3.1mW/cm2)であり、造形にほぼ2倍の時間を要したが、プリズム組立体PA(光合成手段)を使用したことによって光源1aからの光が、2つの円が接した所定の断面形状を有する光束内全体に分布して、光源1aおよび1bの両方を点灯した上記(2)とほぼ同じにすることができた[図1の(a)のDの断面形状]。それによって、面状描画マスク12の全体をカバーする光束にすることができて面状描画マスク12を介して造形面16に光を均一に照射することができ、硬化斑などがなく、寸法精度、強度、均質性および外観に優れる立体造形物を得ることができた。
《実施例2》
(1) 光強度均一化手段4として、ロッドレンズ4B[外筒421(内径=55mm、長さ=200mm)内に断面長方形の筒状体(筒状ロッド)422(内壁面424はミラーからなる反射面、内壁面の断面サイズ=20mm×15mm、筒状体422の長さ=200mm)を挿入し、外筒421の下流側に連結した外筒425(内径=60mm、長さ=100mm)内に3個の凸レンズ427a,427b,427c(シグマ光機社製、直径50mm)を配置したもの]を使用し、また面状描画マスク12としてカシオ計算機株式会社製のVGA液晶を使用した以外は、実施例1の(2)と同様にして光造形を行って、硬化斑などがなく、寸法精度、強度、均質性および外観に優れる、縦×横×高さ=32mm×22mm×50mmの立体造形物を造形時間40分で製造した。
(2) 光源1bを消灯し、光源1aのみを点灯して、上記(1)と同様にして光造形を行った。光合成手段4(プリズム組立体)を使用したことによって光源1aからの光が光束内全体に分布し、且つ光合成手段4から出射する光束の断面形状を、光源1aおよび1bの両方を点灯して光造形した上記(1)とほぼ同じにすることができ[図1の(a)のDの断面形状]、硬化斑などがなく、寸法精度、強度、均質性および外観に優れる立体造形物を得ることができた。
《比較例1》
光合成手段として、図1の(a)[図3]のプリズム組立体を使用する代りに、断面が正三角形の図1の(b)に示した1個の断面正三角形プリズム(シグマ光機社製の60°分散プリズム)を使用し、光源1bを消灯して、光源1aのみを点灯して、実施例1の(3)と同様にして光造形を行った。その結果、正三角形プリズム(光合成手段)から出射された光は、図1の(b)のD’に示す、円形の横断面をなしていたため、集光手段8、平行光化手段9、光強度均一化手段4(ロッドレンズ4A)、反射ミラー10、フレネルレンズ11を経た光は、面状描画マスク12の全体をカバーする光束になっておらず、面状描画マスク12を介して造形面16に光を均一に照射することができなかった。
本発明の光学的立体造形装置を使用して光造形を行うことにより、面状描画マスクを介して、エネルギー強度が高く且つエネルギー強度分布が均一で斑のない光を光硬化性樹脂組成物よりなる造形面に照射することができ、それによって硬化斑、強度斑などがなく、寸法精度、外観、力学的特性、均質性などに優れる高品質の光造形物を、高い造形速度で、生産性良く、経済的に製造することができる。しかも、本発明の光学的立体造形装置を使用すると、複数の光源の一部に故障が生じた場合や、一部を消灯し、残りの光源のみを点灯して造形を行った場合にも、硬化斑、強度斑などがなく、寸法精度、外観、力学的特性、均質性などに優れる高品質の光造形物を製造することができる。
本発明の光学的立体造形装置は、小型から大型に至る各種の立体造形物の製造に有効に使用することができる。
本発明の光学的立体造形装置を用いることにより、精密部品、電気・電子部品、家具、建築構造物、自動車用部品、各種容器類、鋳物、金型、母型などのためのモデルや加工用モデル、複雑な熱媒回路の設計用の部品、複雑な構造の熱媒挙動の解析企画用の部品、その他の複雑な形状や構造を有する各種の立体造形物、リソグラフなどの面状の光硬化した樹脂層を、高い造形速度および寸法精度で円滑に製造することができる。
本発明で好適に用いられる光合成手段による光合成状態と、本発明以外の光合成手段を用いた場合の光合成状態のそれぞれを示すための説明図である。 本発明の光学的立体造形装置の一例を示す図である。 本発明の光学的立体造形装置の他の例を示す図である。 本発明の光学的立体造形装置の更に別の例を示す図である。 本発明の光学的立体造形装置の更に別の例を示す図である。 本発明の光学的立体造形装置の更に別の例を示す図である。 本発明の光学的立体造形装置で好適に使用し得る光強度均一化手段4(ロッドレンズ4A)の一例を示す図である。 本発明の光学的立体造形装置で好適に使用し得る光強度均一化手段4(ロッドレンズ4B)の一例を示す図である。
符号の説明
A プリズム組立体
L 中実ロッド組立体
La 中実ロッド片
Lb 中実ロッド片
Lc 中実ロッド片
1a 光源
1b 光源
2a 直角プリズム
2b 直角プリズム
3a 全反射ミラー
3b 全反射ミラー
3c ハーフミラー
3d1 全反射凸型ミラー
3d2 全反射凸型ミラー
3d3 全反射凸型ミラー
3d4 全反射凸型ミラー
4 光強度均一化手段
4A ロッドレンズ(光強度均一化手段)
4B ロッドレンズ(光強度均一化手段)
5a 集光手段
5b 集光手段
6a 全反射ミラー
6b 全反射ミラー
7a 平行光化手段
7b 平行光化手段
8 集光手段
9 平行光化手段
10 全反射ミラー
11 レンズ
12 面状描画マスク
13 投影レンズ
14 造形浴
15 光硬化性樹脂組成物
16 造形面
17 載置台
18 立体造形物(造形途中)

Claims (14)

  1. (A) 載置台上または光硬化した樹脂層上に、1層分の光硬化性樹脂組成物を順次供給して光硬化性樹脂組成物よりなる造形面を順次形成するため手段、
    ・複数の光源、
    ・複数の光源から発射された光のそれぞれを、光束内で互いに混ざり合せて光束内全体に分布させながら互いに離れておらずに何らかの形状で1つにまとまった光束に合成するための光合成手段、
    ・光合成手段を経た光束内での光の強度分布を均一にするための光強度均一化手段、および、
    ・光強度均一化手段を経た光を光硬化性樹脂組成物よりなる造形面に所定の面形状パターンで照射するための面状描画マスク、
    を備えた光学的立体造形装置であって;
    (B) 前記光合成手段が、形状および寸法を同じくする1対の直角プリズムを、各直角プリズムにおける直角を挟む同じ面の間にハーフミラーを密接した状態で介在させて対称に対向配置したプリズム組合体であり;かつ、
    (C) 複数の光源から発射された光が、前記プリズム組立体における2つの対称な斜面のそれぞれに照射されるように光源およびプリズム組立体が配置されている;
    ことを特徴とする光学的立体造形装置。
  2. 複数の光源から発射された光のそれぞれを、前記プリズム組立体における2つの対称な斜面のそれぞれに導いて、プリズム組立体のそれぞれの斜面からプリズム組立体内に光を入射させるための光ファイバーまたは透明な中実ロッドを複数の光源とプリズム組立体の間に有する請求項1に記載の光学的立体造形装置。
  3. (A) 載置台上または光硬化した樹脂層上に、1層分の光硬化性樹脂組成物を順次供給して光硬化性樹脂組成物よりなる造形面を順次形成するため手段、
    ・複数の光源、
    ・複数の光源から発射された光のそれぞれを、光束内で互いに混ざり合せて光束内全体に分布させながら互いに離れておらずに何らかの形状で1つにまとまった光束に合成するための光合成手段、
    ・光合成手段を経た光束内での光の強度分布を均一にするための光強度均一化手段、および、
    ・光強度均一化手段を経た光を光硬化性樹脂組成物よりなる造形面に所定の面形状パターンで照射するための面状描画マスク、
    を備えた光学的立体造形装置であって;
    (B) 前記光合成手段が、長手方向に沿って少なくとも1つの平坦な表面を有する、複数の同じ長さの透明な中実ロッド片を、各中実ロッド片の平坦な表面同士を長手方向に沿って密接させて配置した中実ロッド組立体であり;かつ、
    (C) 複数の光源から発射された光のそれぞれを、前記中実ロッド組立体の長手方向の一方の端部から、中実ロッド組立体を形成している複数の中実ロッド片の全てに同時に入射させる手段を有する;
    ことを特徴とする光学的立体造形装置。
  4. 複数の光源から発射された光のそれぞれを、前記中実ロッド組立体の長手方向の一方の端部から、中実ロッド組立体を形成している複数の中実ロッド片の全てに同時に入射させる手段が、複数の光源のそれぞれと、中実ロッド組立体との間に配置した光ファイバーまたは透明な中実ロッドである請求項3に記載の光学的立体造形装置。
  5. (A) 載置台上または光硬化した樹脂層上に、1層分の光硬化性樹脂組成物を順次供給して光硬化性樹脂組成物よりなる造形面を順次形成するため手段、
    ・複数の光源、
    ・複数の光源から発射された光のそれぞれを、光束内で互いに混ざり合せて光束内全体に分布させながら互いに離れておらずに何らかの形状で1つにまとまった光束に合成するための光合成手段、
    ・光合成手段を経た光束内での光の強度分布を均一にするための光強度均一化手段、および、
    ・光強度均一化手段を経た光を光硬化性樹脂組成物よりなる造形面に所定の面形状パターンで照射するための面状描画マスク、
    を備えた光学的立体造形装置であって;
    (B) 前記光合成手段が、反射面を内側に向けて隔離させて傾斜状態で互いに平行に配置した2つの全反射ミラーと、該2つの全反射ミラーの間に傾斜状態で該2つの全反射ミラーと平行に配置した1つのハーフミラーとからなるミラー組合体であり;かつ、
    (C) 複数の光源のうちの一部から発射された光が、一方の全反射ミラーによって反射された後にハーフミラーにより反射・透過され、次いでハーフミラーを透過した光がもう一方の全反射ミラーによって反射されて光強度均一化手段へと向い、残りの光源から発射された光が、ハーフミラーによって反射・透過された後に、ハーフミラーを透過した光が光強度均一化手段へと向い、ハーフミラーで反射された光が該もう一方の全反射ミラーによって反射されて光強度均一化手段へと向うように、複数の光源および各ミラーが配置されている;
    ことを特徴とする光学的立体造形装置。
  6. (A) 載置台上または光硬化した樹脂層上に、1層分の光硬化性樹脂組成物を順次供給して光硬化性樹脂組成物よりなる造形面を順次形成するため手段、
    ・複数の光源、
    ・複数の光源から発射された光のそれぞれを、光束内で互いに混ざり合せて光束内全体に分布させながら互いに離れておらずに何らかの形状で1つにまとまった光束に合成するための光合成手段、
    ・光合成手段を経た光束内での光の強度分布を均一にするための光強度均一化手段、および、
    ・光強度均一化手段を経た光を光硬化性樹脂組成物よりなる造形面に所定の面形状パターンで照射するための面状描画マスク、
    を備えた光学的立体造形装置であって;
    (B) 前記光合成手段が、複数の∧形状の全反射凸型ミラーを、該全反射凸型ミラーの頂点を光の走行方向に対して順に前後にずらして横方向に並列させて配置したミラー組合体であり;かつ、
    (C) 複数の光源が前記ミラー組合体の横方向の両端位置にそれぞれ配置されている;
    ことを特徴とする光学的立体造形装置。
  7. 光強度均一化手段がロッドレンズである請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学的立体造形装置。
  8. 複数の光源のそれぞれと光合成手段の間の光路に、集光手段、光平行化手段および全反射ミラーのうちの1つまたは2つ以上が更に配置されている請求項1〜7のいずれか1項に記載の光学的立体造形装置。
  9. 光合成手段と光強度均一化手段の間の光路に、集光手段および/または光平行化手段が更に配置されている請求項1〜8のいずれか1項に記載の光学的立体造形装置。
  10. 光合成手段に対して光強度均一化手段を密接して配置した請求項1〜8のいずれか1項に記載の光学的立体造形装置。
  11. 面状描画マスクが液晶シャッターまたはデジタルマイクロミラーシャッターを面状に配置した面状描画マスクである請求項1〜10のいずれか1項に記載の光学的立体造形装置。
  12. 光強度均一化手段と面状描画マスクの間の光路に反射ミラーおよびレンズの一方または両方が配置されている請求項1〜11のいずれか1項に記載の光学的立体造形装置。
  13. 面状描画マスクと光硬化性樹脂組成物よりなる造形面の間の光路に投影レンズが配置されている請求項1〜12のいずれか1項に記載の光学的立体造形装置。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の光学的立体造形装置を使用して光学的立体造形を行って立体造形物を製造する方法。
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