JP2002139844A - 露光装置、露光方法、及びデバイス製造方法 - Google Patents

露光装置、露光方法、及びデバイス製造方法

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JP2002139844A
JP2002139844A JP2000331528A JP2000331528A JP2002139844A JP 2002139844 A JP2002139844 A JP 2002139844A JP 2000331528 A JP2000331528 A JP 2000331528A JP 2000331528 A JP2000331528 A JP 2000331528A JP 2002139844 A JP2002139844 A JP 2002139844A
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wavelength
illumination light
optical system
exposure apparatus
light
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JP2000331528A
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Tetsuo Kikuchi
哲男 菊池
Motoo Koyama
元夫 小山
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Original Assignee
Nikon Corp
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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70058Mask illumination systems

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂系レジストにも対応することができ、更
に大面積の露光に要する時間の短縮を図り、もって製造
効率を向上することができる露光装置、露光方法、及び
デバイス製造方法を提供する。 【解決手段】 照明光学系10から射出される照明光I
LをマスクMに照射してマスクMに形成されたデバイス
パターンDPの像を、投影光学系PLを介してプレート
P上に転写する露光装置であって、照明光学系10は、
照明光ILの波長スペクトルにおける中心波長及び波長
幅をそれぞれλ及びΔλとするとき、 300nm<λ<400nm 0.027<Δλ/λ<0.082 を満足する照明光を射出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、露光装置、露光方
法、及びデバイス製造方法に係り、特に大面積の被露光
領域に所定形状のパターンの像を転写する露光装置、露
光方法、及びデバイス製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体素子、撮像素子、液晶表示素子、
又は薄膜磁気ヘッド等のマイクロデバイスの製造におい
ては、マスクやレチクル(以下、マスクと称する)に形
成されたパターンの像をウェハやガラスプレート等(以
下、これらを総称する場合は、基板と称する)に転写す
る露光装置が用いられる。例えば、液晶表示素子(LC
D)を製造する際には、所謂ステップ・アンド・リピー
ト方式の露光装置(以下、ステッパと称する)が用いら
れることが多い。このステッパは、マスク上に形成され
たLCDのパターンを基板としてのガラスプレート(以
下、プレートと称する)の所定の領域に露光した後、プ
レートが載置されているプレートステージを一定距離だ
けステッピング移動させて、プレートの別の領域に再び
露光を行い、かかる動作をプレートに設定された全ての
領域に対して繰り返し行うことにより、マスクに形成さ
れたパターンの像をプレート全体に転写する装置であ
る。
【0003】ステッパ等の露光装置は、液晶表示素子を
製造する際に用いられるだけではなく、半導体素子を製
造する場合にも用いられる。半導体素子は高密度化が重
要視され、単位面積内により多くの素子が形成されるた
め、半導体素子の製造に用いられる露光装置は高解像度
化が図られてきた。このため、照明光の波長の短波長化
が図られ、露光装置が備える投影光学系の開口数は例え
ば0.5以上に高く設定される。投影光学系の開口数を
高く設定するときには、発生する球面収差や非点収差を
極力抑える必要があるが、更に色収差も減少させる必要
がある。色収差の発生による解像度の低下を防止するた
めに、半導体素子の製造に用いられる従来の露光装置
は、例えば5〜6nm程度の波長幅を有する高圧水銀ラ
ンプのi線(波長:365nm)を光源として用いてい
る。
【0004】図15は、半導体素子の製造に用いられる
従来の露光装置に備えられる光源の波長幅と投影光学系
の結像面に対するデフォーカス量との関係を定性的に示
す図である。図15において、デフォーカス量が0の位
置は投影光学系の結像位置を示しており、図中符号ΔD
F1を付した領域は、投影光学系の理論上の焦点深度
(λ/(N.A.)2)の深さを示している。ここで、
λは照明光の波長であり、(N.A.)は投影光学系の
開口数である。また、図中Δw1は照明光の波長幅を示
している。図15に示したように、従来の露光装置は使
用する照明光の波長幅Δw1内における投影光学系の色
収差が投影光学系の理論上の焦点深度の深さΔDF1内
に収まり、且つ理論上の焦点深度の深さΔDF1と同程
度に設定されている。図15中において、符号ΔDF2
を付した範囲が照明光の波長幅内において生ずる色収差
の大きさを示している。ここで、使用する照明光の波長
幅内において、色収差の大きさΔDF2を投影光学系P
Lの理論上の回折限界の深さΔDF1内に収め、且つ理
論上の焦点深度の深さΔDF1と同程度に設定している
理由は、投影光学系の回折限界で定める理論上の限界解
像力に近い線幅のパターンを形成するためである。
【0005】一方、液晶表示素子は、半導体素子を製造
する場合に比べて微細化の要求は高くないが、大面積の
被露光領域を高速に露光することが要求される。また、
大面積のプレートは、基板の表面と裏面とが平行ではな
い(テーパーが生じている)場合や基板表面にうねりが
生じている場合があるため、これらにも対応できるよう
に投影光学系の開口数は、例えば0.25以下に低く設
定される。液晶表示素子を製造する際に用いられる露光
装置は、主として単位時間あたりの露光面積を広くする
理由から、光源として超高水銀ランプから射出されるg
線(波長:436nm)及びh線(波長:405nm)
を用いて光量を増大させている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、液晶
表示素子の製造においても、微細なパターンの形成が要
求されており、そのために液晶表示素子の製造で用いら
れる露光装置も高解像度化の必要性が高まってきた。高
解像度化するためには照明光の波長を短波長化するとと
もに、投影光学系の開口数を高く設定するのが一般的に
行われる手法である。しかしながら、投影光学系の開口
数を余り高く設定すると、投影光学系の焦点深度が浅く
なるため、うねりやテーパーが生じているプレートに対
応することができない。そこで、照明光を短波長化する
ことによる高解像度化が考えられる。上述したように、
半導体素子の製造に用いられる露光装置の照明光は、液
晶表示素子の製造に用いられる露光装置の照明光よりも
短い波長(i線:365nm)である。従って、半導体
素子の製造に用いられる露光装置が備える光源をそのま
ま液晶表示素子の製造に用いられる露光装置に転用する
ことができれば、高解像度化を図ることができると考え
られる。
【0007】しかしながら、半導体素子の製造に用いら
れる露光装置では、高解像度化が極めて重要視されたた
め、投影光学系の開口数を高く設定する必要性があっ
た。そのため、投影光学系で生ずる色収差を補正するこ
とができる程度の波長幅の狭い照明光を用いていた。前
述したように、液晶表示素子の製造では、大面積の被露
光領域を高速に露光することが要求されるため、半導体
素子の製造用に用いられる露光装置の光源を液晶表示素
子の製造用の露光装置にそのまま用いたのでは、光源か
ら単位時間に射出される照明光の光量が不足するため、
大面積を高速で露光することが困難になる。また、近年
の液晶表示素子の製造においては、プレート上に塗布さ
れるフォトレジストとして樹脂系レジストが用いられつ
つあるが、従来液晶表示素子の製造用に用いられる露光
装置で光源として用いられていたg線やh線では、樹脂
系レジストに対応することができないという問題があ
る。以上説明した問題点は、液晶表示素子を製造する場
合のみならず、例えばプリント基板を製造する場合等の
大面積の領域を露光する場合一般に生ずる問題である。
【0008】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、樹脂系レジストにも対応することができ、更に
大面積の露光に要する時間の短縮を図り、もって製造効
率を向上することができる露光装置、露光方法、及びデ
バイス製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の露光装置は、照明光学系(10)から射出
される照明光(IL)をマスク(M)に照射して該マス
ク(M)に形成されたパターン(DP)の像を、投影光
学系(PL)を介して基板(P)上に転写する露光装置
であって、前記照明光学系(10)は、前記照明光(I
L)の波長スペクトルにおける中心波長及び波長幅をそ
れぞれλ及びΔλとするとき、 300nm<λ<400nm 0.027<Δλ/λ<0.082 を満足する照明光(IL)を射出することを特徴として
いる。この発明によれば、波長スペクトルの中心波長が
300nmから400nmの波長に設定された照明光を
用いている。照明光の波長スペクトルにおける中心波長
が300nmより短くなると、投影光学系内に屈折光学
素子がある場合に発生する色収差が顕著になり、また3
00nmよりも短い波長に適した屈折光学素子が無い
か、仮にあったとしても極めて高価になるため好ましく
ない。また、基板上に形成することができる最小線幅
は、以下の〔1〕式によって与えられる。 最小線幅=k1×(λ/(N.A.)) ……〔1〕 但し、k1は0.6〜0,8程度の値を取る定数であ
り、(N.A.)は投影光学系の開口数である。上記
〔1〕式から分かるように、照明光の波長が長くなるに
つれて基板に形成することができる最小線幅が太くな
り、その結果解像度の低下を引き起こす。かかる状況
は、近年の微細化要求に反することとなるため、波長ス
ペクトルの中心波長が400nmよりも長い照明光を用
いることは好ましくない。更に、上記発明によれば、照
明光の波長スペクトルにおける波長幅Δλを波長スペク
トルにおける中心波長λで除算した値が0.027より
も大であって、0.082よりも小となる照明光を用い
ている。上述したように、本発明は大面積の露光に要す
る時間の短縮を図り、もって製造効率を向上することを
目的としており、この目的を達成するためには照明光学
系から単位時間当たりに射出される光量をある程度確保
しなければならない。照明光の波長スペクトルにおける
波長幅Δλを波長スペクトルにおける中心波長λで除算
した値が0.027以下である場合には、照明光の光量
が不足するため好ましくない。また、照明光の波長スペ
クトルにおける波長幅Δλを波長スペクトルにおける中
心波長λで除算した値が0.082よりも大になると、
照明光の波長幅が広くなりすぎて投影光学系における色
収差の発生が甚大となり、色収差補正量が増大し過ぎて
所要の結像特性が得られない虞があるため好ましくな
い。尚、大面積の露光範囲に対する投影光学系の結像特
性を維持するために、照明光の波長スペクトルにおける
波長幅Δλを波長スペクトルにおける中心波長λで除算
した値を0.055以下に設定することが好ましい。以
上のように本発明では、前記照明光の波長スペクトルに
おける中心波長及び波長幅をそれぞれλ及びΔλとする
とき、 300nm<λ<400nm 0.027<Δλ/λ<0.082 を満足する照明光を射出する照明光学系を備えているた
め、大面積の露光に要する時間の短縮を図り、もって製
造効率を向上することができる。更に、樹脂系レジスト
にも対応することができる。ここで、本明細書で用いて
いる用語「照明光の波長スペクトルにおける中心波長」
及び「波長幅」について定義する。図14は、用語「波
長スペクトルにおける中心波長」及び「波長幅」の定義
を説明するための図である。いま、図14に示した、あ
る分布の波長スペクトルSPを考える。この波長スペク
トルの強度の極大値の値を1.0に設定したときに、登
りのスロープ及び下りのスロープにおいて、強度が0.
5となる波長を設定する。図14に示した例では登りの
スロープにおいて強度が0.5となる波長がλ1であ
り、下りのスロープにおいて強度が0.5となる波長が
λ2である。ここで、波長λ1と波長λ2との差分の絶対
値が「波長幅」であり、波長λ1と波長λ2との中点の波
長、つまり、波長λ1と波長λ2との和を2で除算して得
られる波長が「照明光の波長スペクトルにおける中心波
長」である。尚、ここでいう照明光は、照明光学系から
射出された照明光であり、この照明光によってマスクが
照射される。また、本発明の露光装置は、前記照明光学
系(10)が、水銀ランプ(2)を備えることを特徴と
している。露光装置が備える光源として良く知られてい
る光源は、例えば水銀ランプ、キセノンランプ、メタル
ハライド等であるが、照明光の波長スペクトルにおける
中心波長及び波長幅に課される上記の条件を満たす照明
光を射出し、且つ供給される電力に対する発光効率の観
点及び入手容易性の観点を考慮すると光源として水銀ラ
ンプを用いることが好適である。ここで、本発明の露光
装置は、前記水銀ランプ(2)が、作動状態における水
銀蒸気圧が10000hpa以上である超高圧水銀ラン
プであり、前記照明光(IL)の波長スペクトルにおけ
る中心波長は、前記超高圧水銀ランプ(2)の波長スペ
クトル分布に応じて設定されることを特徴としている。
水銀ランプを光源として備える従来の露光装置では、水
銀蒸気圧が低く設定された水銀ランプを用いていたた
め、水銀ランプ固有のg線、h線、i線等の線スペクト
ルとみなすことのできる輝線を照明光として用いてい
た。水銀ランプから射出されるこれらの輝線は、波長ス
ペクトルにおける波長幅が狭いため、輝線のみでは露光
量を増大させることは困難となる。本発明は、水銀ラン
プ内の水銀圧力を高く設定すると線スペクトルの幅が増
大して連続スペクトルになることに着目し、作動状態
(点灯状態)における水銀蒸気圧を10000hpa以
上としている。水銀蒸気圧をかかる超高圧にすること
で、線スペクトルとみなせる輝線の波長スペクトルの幅
を増大させることができ、更に輝線が現れる波長の近傍
の波長の光も発光するようにして波長スペクトルを連続
スペクトルとすることができる。この結果、照明光の波
長スペクトルにおける中心波長及び波長幅に課される上
記の条件を満たし、且つ大面積の露光に要する時間の短
縮を図るための十分な光量の照明光を得ることができ
る。更に、本発明の露光装置は、前記照明光(IL)の
波長スペクトルにおける中心波長が、前記超高圧水銀ラ
ンプ(2)の波長スペクトル分布のi線若しくはj線又
はその近傍に設定されることを特徴としている。水銀ラ
ンプの水銀蒸気圧を高めると、前述したように波長スペ
クトル幅が増加するが、i線(波長:365nm)及び
j線(波長:334nm)又はその近傍の波長域は照明
光の波長スペクトルにおける中心波長及び波長幅に課さ
れる上記の条件を満たしている状態で波長スペクトル幅
の増大分が大である。従って、照明光の波長スペクトル
における中心波長をi線若しくはj線又はその近傍の波
長に設定することで、水銀蒸気圧を10000hpa以
上の超高圧としたときに効率よく光量を増加させること
ができる。また、本発明の露光装置は、前記照明光学系
(10)が、 0.027<ΔΛ/Λ<0.082 を満足する通過特性を有するバンドパスフィルタ(5)
を備えることを特徴としている。但し、 ΔΛ:前記バンドパスフィルタ(5)を通過する照明光
の波長スペクトルにおける波長幅、 Λ:前記バンドパスフィルタ(5)を通過する照明光の
波長スペクトルにおける中心波長、である。この発明に
よれば、大面積の露光に要する時間の短縮を図り、もっ
て製造効率を向上させる本発明の目的を達成するために
照明光学系から射出される照明光に課される条件を、バ
ンドパスフィルタの通過特性を設定することにより実現
している。従って、例えば300nmから400nmの
波長領域の光を射出する発光ダイオードを光源として多
数用いて更なる光量の増大を図る場合やキセノンランプ
を用いる場合においても、これらの光源から射出された
光束を、バンドパスフィルタを通過させるだけで波長ス
ペクトルにおける中心波長及び波長幅に課される条件を
満たした照明光を得ることができる。また、本発明の露
光装置は、前記投影光学系(PL)は、屈折光学素子を
備え、該屈折光学素子は、前記照明光(IL)の波長域
における色収差が焦点深度内となるように設定されてい
ることを特徴としている。この発明によれば、照明光の
波長スペクトルにおける中心波長及び波長幅に課される
条件を満たした上で、かかる照明光を、投影光学系を介
したときに生ずる色収差が焦点深度内となるように投影
光学系が設定されているので、大面積の露光に要する時
間を短縮するとともに、微細なパターンを基板上に形成
する上で極めて好適である。また、本発明の露光方法
は、マスク(M)に形成されたパターン(DP)の像
を、投影光学系(PL)を介して基板(P)上に転写す
る露光方法であって、 300nm<λ<400nm 0.027<Δλ/λ<0.082 を満足する照明光(IL)を用いて前記マスク(M)を
照明することを特徴としている。但し、 Δλ:前記照明光(IL)の波長スペクトルにおける波
長幅、 λ:前記照明光(IL)の波長スペクトルにおける中心
波長、である。この発明によれば、上記の露光装置と同
様に、大面積の露光に要する時間の短縮を図り、もって
製造効率を向上することができる。更に、樹脂系レジス
トにも対応することができる。本発明のデバイス製造方
法は、上記照明光(IL)を用いてマスク(M)を照射
する照射工程と、前記投影光学系(PL)を介して前記
マスク(M)に形成されたパターン(DP)の像を基板
(P)上に転写する転写工程と、前記パターン(DP)
が転写された前記基板(P)を現像する現像工程とを含
むことを特徴としている。この発明によれば、マスクに
形成されたパターンの像を基板に転写するのに要する時
間を短縮することができるため、製造効率を向上させる
ことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態による露光装置、露光方法、及びデバイス製造方
法について詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形
態による露光装置の構成の概略を示す図である。本実施
形態においては、マスクMとして液晶表示素子のパター
ンがデバイスパターンDPとして形成されたものを用
い、ステップ・アンド・リピート方式の露光装置によ
り、上記デバイスパターンDPの像をプレートPに転写
する場合を例に挙げて説明する。尚、以下の説明におい
ては、図1中に示されたXYZ直交座標系を設定し、こ
のXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係につ
いて説明する。XYZ直交座標系は、X軸及びY軸がス
テージPSに対して平行となるよう設定され、Z軸がス
テージPSに対して直交する方向(投影光学系PLの光
軸に平行な方向)に設定されている。図中のXYZ座標
系は、実際にはXY平面が水平面に平行な面に設定さ
れ、Z軸が鉛直上方向に設定される。
【0011】まず、図1を参照して本発明の一実施形態
の露光装置の全体構成及び動作の概略を簡単に説明す
る。図1において、1は楕円鏡であり、超高圧水銀ラン
プ2から射出される光束を集光する。超高圧水銀ランプ
2は、楕円鏡1の第1焦点位置に配置され、例えばi線
(波長:365nm)及びj線(波長:334nm)を
射出する。この超高圧水銀ランプ2は、作動状態におけ
る水銀蒸気圧が10000hpa以上である。尚、水銀
蒸気圧を10000hpa以上に設定することで、超高
圧水銀ランプ2から単に線スペクトルとしてi線又はj
線が射出される訳ではなく、i線若しくはj線又はその
近傍の波長を中心波長とした波長幅の広い波長スペクト
ルの光が得られる。図2は、本発明の一実施形態による
露光装置が備える超高圧水銀ランプ2から射出される光
の波長スペクトルを示す図である。図2において、符号
S1を付した波長スペクトルが超高圧水銀ランプ2から
射出されるi線近傍の波長スペクトルを示しており、符
号S2を付した波長スペクトルが従来の露光装置に備え
られていた水銀ランプから射出されるi線近傍の波長ス
ペクトルを示している。図2に示したように、超高圧水
銀ランプ2から射出されるi線近傍の波長スペクトル
は、従来の水銀ランプから射出されるi線近傍の波長ス
ペクトルよりも波長幅が広がっていることが分かる。
尚、超高圧水銀ランプ2の詳細については後述する。
【0012】超高圧水銀ランプ2から射出され、楕円鏡
1によって集光された光束は、ダイクロイックミラー3
で反射された後、楕円鏡1の第2焦点位置に収斂され
る。その後、再び発散して、コリメートレンズ4に入射
して平行光束に変換される。尚、ダイクロイックミラー
3とコリメートレンズ4との間には光路に対して進退自
在に図示せぬ減光フィルタが配置される。この減光フィ
ルタは、ダイクロイックミラー3で反射された光量を抑
制するものである。楕円鏡2の第2焦点位置に形成され
た光源像からの光束は、コリメートレンズ4によりほぼ
平行な光束に変換された後、所望の波長域の光束を選択
的に透過させるバンドパスフィルターとしての干渉フィ
ルタ5に入射する。この干渉フィルタ5は、本発明の目
的を達成するために必要な波長の光のみを透過させるよ
う設定される。尚、干渉フィルタ5の波長通過特性の詳
細については、上記超高圧水銀ランプ2の説明と合わせ
て後述する。
【0013】干渉フィルタ5を通過した光は、オプティ
カルインテグレータとしてのフライアイレンズ6に入射
する。フライアイレンズ6は、正の屈折力を有する多数
のレンズエレメントをその光軸が光軸AXと平行になる
ように縦横に且つ稠密に配列することによって構成され
ている。フライアイレンズ6を構成する各レンズエレメ
ントは、マスクM上において形成すべき照野の形状(ひ
いてはプレート上において形成すべき露光領域の形状)
と相似な矩形状の断面を有する。また、フライアイレン
ズ6を構成する各レンズエレメントの入射側の面は入射
側に凸面を向けた球面状に形成され、射出側の面は射出
側に凸面を向けた球面状に形成されている。
【0014】従って、フライアイレンズ6に入射した光
束は多数のレンズエレメントにより波面分割され、各レ
ンズエレメントの後側焦点面には1つの光源像がそれぞ
れ形成される。即ち、フライアイレンズ6の後側焦点面
には、多数の光源像からなる実質的な面光源即ち二次光
源が形成される。フライアイレンズ6の後側焦点面に形
成された二次光源からの光束は、その近傍に配置された
開口絞り7に入射する。開口絞り7は、後述する投影光
学系PLの瞳面ASと光学的にほぼ共役な位置に配置さ
れ、二次光源の照明に寄与する範囲を規定するための可
変開口部を有する。開口絞り7は、可変開口部の開口径
を変化させることにより、照明条件を決定するσ値(投
影光学系PLの瞳面の開口径に対するその瞳面上での二
次光源像の口径の比)を所望の値に設定する。
【0015】開口絞り7を介した二次光源からの光は、
折り曲げミラー8で反射され、コンデンサレンズ9で集
光された後、照明光ILとして照明光学系10から射出
され、所定のデバイスパターンDPが形成されたマスク
Mを重畳的に均一照明する。照明光学系10は、照明光
ILの波長スペクトルにおける中心波長及び波長幅をそ
れぞれλ及びΔλとするとき、 300nm<λ<400nm ……〔2〕 0.027<Δλ/λ<0.082 ……〔3〕 を満足する照明光ILを射出する。
【0016】ここで、照明光ILに課される上記
〔2〕、〔3〕の条件について説明する。照明光ILの
波長スペクトルにおける中心波長が300nmより短く
なると、投影光学系PL内に屈折光学素子がある場合に
発生する色収差が顕著になり、また300nmよりも短
い波長に適した屈折光学素子が無いか、仮にあったとし
ても極めて高価になるため上記〔2〕の下限の条件が設
定される。また、基板上に形成することができる最小線
幅は、以下の〔4〕式によって与えられる。最小線幅=
k1×(λ/(N.A.)) ……〔4〕但し、k1は
0.6〜0.8程度の値を取る定数であり、(N.
A.)は投影光学系の開口数である。上記〔4〕式から
分かるように、照明光ILの波長が長くなるにつれて基
板に形成することができる最小線幅が太くなり、その結
果解像度の低下を引き起こす。かかる状況は、近年の微
細化要求に反することとなり、波長スペクトルの中心波
長が400nmよりも長い照明光ILを用いることは好
ましくないため、上記〔2〕の上限の条件が設定され
る。
【0017】本実施形態では大面積の露光に要する時間
の短縮を図り、もって製造効率を向上することを目的と
しており、この目的を達成するためには照明光学系10
から単位時間当たりに射出される光量をある程度確保し
なければならない。照明光ILの波長スペクトルにおけ
る波長幅Δλを波長スペクトルにおける中心波長λで除
算した値が0.027以下である場合には、照明光IL
の光量が不足して好ましくないため、上記〔3〕の下限
の条件が設定される。また、照明光ILの波長スペクト
ルにおける波長幅Δλを波長スペクトルにおける中心波
長λで除算した値が0.082よりも大になると、照明
光の波長幅が広くなりすぎて投影光学系における色収差
の発生が甚大となり、色収差補正量が増大し過ぎて所要
の結像特性が得られない虞があるため、上記〔3〕の上
限の条件が設定される。尚、大面積の露光範囲に対する
投影光学系の結像特性を維持するために、上記〔3〕の
上限を0.055以下に設定することが好ましい。
【0018】照明光ILの中心波長は、超高圧水銀ラン
プ2の波長スペクトル分布に応じて設定され、例えばi
線若しくはj線又はその近傍の波長に設定される。水銀
ランプの水銀蒸気圧を高めると、波長スペクトル幅が増
加するが、i線及びj線又はその近傍の波長域は照明光
の波長スペクトルにおける中心波長及び波長幅に課され
る上記の条件を満たしている状態で波長スペクトル幅の
増大分が大である。従って、照明光の波長スペクトルに
おける中心波長をi線若しくはj線又はその近傍の波長
に設定することで、水銀蒸気圧を10000hpa以上
の超高圧としたときに効率よく光量を増加させることが
できる。
【0019】尚、照明光ILの波長スペクトルにおける
中心波長λがi線(365nm)に設定されている場
合、上記〔3〕式の下限値は、照明光ILの波長スペク
トルの波長幅Δλがほぼ10nmであるときの数値であ
る。また、〔3〕式の上限値は、照明光ILの波長スペ
クトルの波長幅Δλがほぼ30nmであるときの数値で
ある。更に、〔3〕の上限が0.055以下に設定され
る場合には、照明光ILの波長スペクトルの波長幅Δλ
がほぼ20nm以下に設定される。
【0020】また、本実施形態では、照明光ILについ
て上記〔2〕、〔3〕の条件が課されるが、照明光IL
の波長幅が従来の半導体素子の製造に用いられる露光装
置で用いられる照明光の波長幅よりも広く設定される。
よって、投影光学系PLもかかる波長幅で色収差を補正
するように設計される。図3は、本発明の一実施形態に
よる露光装置で用いられる照明光ILの波長幅と投影光
学系PLの結像面に対するデフォーカス量との関係を定
性的に示す図である。図3において、デフォーカス量が
0の位置は投影光学系PLの結像位置を示しており、図
中符号ΔDF11を付した領域は、光学系の理論上の焦
点深度(λ/(N.A.)2)の深さを示している。こ
こで、λは照明光ILの中心波長であり、(N.A.)
は投影光学系の開口数である。また、図中Δλは照明光
学系10から射出される照明光ILの波長幅を示してお
り、例えば14nm程度である。
【0021】図3において符号t1を付して示したよう
に、本実施形態の露光装置は、使用する照明光ILの波
長幅Δλ内における投影光学系PLの色収差が投影光学
系PLの理論上の焦点深度の深さΔDF11内に収ま
り、且つ理論上の焦点深度の深さΔDF11と同程度に
設定されている。図3中において、符号ΔDF12を付
した範囲が照明光ILの波長幅内において生ずる色収差
の大きさを示している。尚、比較のために、従来の半導
体製造用の露光装置で用いられる照明光の波長幅とデフ
ォーカス量との関係に図中符号t2を付して示す。従来
の半導体製造用の露光装置では、使用している照明光の
波長幅Δw1は例えば6nm程度である。図3に示した
ように、本実施形態では、照明光ILの波長スペクトル
における中心波長及び波長幅に課される上記〔2〕
〔3〕の条件を満たした上で、かかる照明光ILを、投
影光学系PLを介したときに生ずる色収差が焦点深度内
となるように投影光学系PLが設定されているので、大
面積の露光に要する時間を短縮するとともに、微細なパ
ターンを基板上に形成する上で極めて好適である。
【0022】図1に戻りマスクMのデバイスパターンD
Pを透過した照明光ILは、投影光学系PLを介して、
感光性基板であるプレートP上にデバイスパターンDP
の像を形成する。プレートPの上面には感光剤が塗布さ
れているが、上述した〔2〕の条件を満たす照明光IL
を照明光学系10から射出することにより、樹脂系レジ
ストにも対応することができる。投影光学系PLは、第
1部分光学系G1と、開口絞りASと、開口絞りASに
関して第1部分光学系G1と対称的に構成された第2部
分光学系G2とから構成されている。投影光学系PLは
照明光学系10から射出される照明光ILの波長領域内
において、球面収差、非点収差、その他の収差が最適化
されているとともに、色収差が投影光学系PLの理論上
の焦点深度の深さに収まるよう設計されている。こうし
て、投影光学系PLの光軸と直交する平面(XY平面)
内においてプレートPを二次元的に駆動制御しながら一
括露光又はスキャン露光を行うことにより、プレートP
の各露光領域にマスクMに形成されたデバイスパターン
DPの像が逐次転写される。
【0023】尚、一括露光では、所謂ステップ・アンド
・リピート方式に従って、プレートPの各露光領域に対
してデバイスパターンDPを一括的に露光する。この場
合、マスクM上での照明領域の形状は正方形に近い矩形
状であり、フライアイレンズ6の各レンズエレメントの
断面形状も正方形に近い矩形状に設定される。一方、ス
キャン露光では、所謂ステップ・アンド・スキャン方式
に従って、マスクM及びプレートPを投影光学系PLに
対して相対移動させながらプレートPの各露光領域に対
してマスクMに形成されたデバイスパターンDPをスキ
ャン露光(走査露光)する。この場合、マスクM上での
照明領域の形状は短辺と長辺との比が例えば1:3の矩
形状に設定され、フライアイレンズ6の各レンズエレメ
ントの断面形状もこれと相似な矩形状に設定される。
【0024】以上、本発明の一実施形態による露光装置
の全体構成及び動作の概略について説明したが、次に、
本発明の一実施形態による露光装置が備える超高圧水銀
ランプ2について詳細に説明する。本発明の一実施形態
による露光装置は、水銀蒸気圧が10000hpa以上
に設定された超高圧水銀ランプ2を備えている。以下、
超高圧水銀ランプ2の水銀蒸気圧を10000hpa以
上に設定する理由について説明する。一般的に露光装置
に使用される水銀ランプは、一定の体積を有するバルブ
内にキセノン又はアルゴン等の不活性ガスと水銀とを封
入している。水銀蒸気圧は、バルブ内に封入する不活性
ガスに対する水銀の量によって設定されるため、不活性
ガスに比べて水銀の量を増大させれば超高圧水銀ランプ
を実現することができる。
【0025】一般的に、原子が励起されると原子が励起
状態から基底状態に遷移することにより、励起準位と基
底準位とのエネルギー準位の差分のエネルギーに応じた
光を放出する。水銀原子の場合には、例えばi線(波
長:365nm)やj線(波長:334nm)等の線ス
ペクトルの光を放出する。一般的に露光装置が備える照
明光学系は、水銀ランプから射出される種々の波長の光
を干渉フィルタ等で制限し、所定の波長の光のみを通過
させることによって照明光の波長域を規定している。図
4は、水銀ランプから放出される光の分光分布を示す図
であり、(a)は水銀ランプに封入されるガスの圧力が
1.33paの場合に得られる分光分布、(b)は水銀
ランプに封入されるガスの圧力が1000hpaの場合
に得られる分光分布、(c)は水銀ランプに封入される
ガスの圧力が30000hpaの場合に得られる分光分
布である。尚、図4(a)〜図4(c)の縦軸は、図4
(a)〜図4(c)毎の相対強度である。つまり、図4
(a)の縦軸は、260nm付近の波長に現れる線スペ
クトルの強度を100としたときの相対強度であり、図
4(b)の縦軸は、360nm付近の波長に現れる線ス
ペクトルの強度を100としたときの相対強度であり、
図4(c)の縦軸は、530nm付近の波長に現れるス
ペクトル分布の極大値を100としたときの相対強度で
ある。
【0026】図4(a)に示すように、水銀ランプから
は種々の波長の光が射出されるが、水銀ランプに封入さ
れるガスの圧力が1.33pa程度であると、光は線ス
ペクトルの輝線として射出される。図4(a)では、2
60nm付近の波長に現れる線スペクトルの強度が最も
高く、300nm〜600nmの波長域で離散的に線ス
ペクトルが現れている。図4(b)に示すように、水銀
ランプに封入されるガスの圧力が1000hpa程度の
高圧になると、200nm〜300nmの波長域に現れ
る線スペクトルの数が増加するとともに、300nm〜
600nmの波長域における線スペクトルの相対強度が
高くなる。また、図4(c)に示したように、水銀ラン
プに封入されるガスの圧力が30000hpa程度の超
高圧になると、図4(a)や図4(b)に示した線スペ
クトルが現れていない波長領域においても光が射出さ
れ、270nm〜1000nmの波長域に亘ってスペク
トル分布が連続したものとなる。このように、水銀ラン
プに封入されるガスの圧力が高くなるにつれ、連続した
波長スペクトルになる特性を有する。
【0027】ここで、水銀ランプに封入されるガスの圧
力を変化させたときのi線(波長:365nm)付近の
波長スペクトルの変化について説明する。一般的に、分
光学の歴史的な理由から、水銀ランプから射出される光
の内、365nmの波長付近に現れる輝線を指し示すと
きにi線という言葉が用いられる。しかしながら、i線
は波長が365nm付近の4本の輝線i1〜i4からな
る。以下にi線をなす4本の輝線の波長を示す。 i4=365.015nm i3=365.483nm i2=366.288nm i1=366.328nm
【0028】水銀ランプ内に封入された水銀から射出さ
れるi線の光の半値幅は、ドップラー効果、圧力効果、
及びシュタルク効果の3つの効果を受けるため、孤立状
態にある理想的な水銀原子から射出されるi線の光の半
値幅よりも広がることが知られている。図5は、水銀ラ
ンプ内に封入されるガスの圧力変化により、i線の半値
幅が広がる様子を示す図である。尚、図5においては、
水銀ランプ内に封入された水銀原子(水銀ランプの発光
点にある水銀原子)から放出された光が封入されている
ガスに吸収される効果(自己吸収)は無視している。つ
まり、図5は、水銀ランプの発光点から射出されるi線
の半値幅の変化を示す図である。図5において、P1を
付した箇所は水銀ランプに封入されたガスの圧力が0.
1hpaの場合であり、P2を付した箇所は水銀ランプ
に封入されたガスの圧力が数万hpaの場合である
【0029】図5において、符号Pr1を付した気圧範
囲(ガスの圧力が低い範囲)では、水銀原子間の相互作
用が弱いため、i線の半値幅は事実上ドップラー効果の
みの影響を受け、0.1nm以下の狭スペクトルとな
る。このとき、i線をなす輝線の内、輝線i4の強度が
高くなる。水銀ランプ内に封入されたガスの圧力が高く
なり、符号Pr2を付した気圧範囲(0.1hpa〜数
万hpa程度)になると水銀原子間の相互作用が強くな
って圧力効果の影響を受け、波長スペクトルの半値幅が
広くなる。図5から分かるように気圧範囲Pr2では、
ガスの圧力の上昇に伴って波長スペクトルの半値幅はほ
ぼ比例的に広くなる。また、符号Pr3を付した気圧範
囲(数万hpa程度以上)になると、シュタルク効果の
影響を受けるようになる。従って、図5を参照すると、
水銀ランプに封入されたガスの圧力が高ければ高いほど
i線の半値幅が広くなり、大面積のプレートPの露光時
間を短縮するための十分な光量が得られると考えられ
る。
【0030】ところで、水銀ランプの発光部から射出さ
れた光は、水銀ランプ内を伝播して水銀ランプ外へ射出
される訳であるが、水銀ランプ内を伝播する際に封入さ
れたガスによって一部吸収される現象、所謂自己吸収が
生ずる。図6は、自己吸収の影響を定性的に示す図であ
る。いま、水銀ランプの発光部から射出された光が全く
自己吸収を受けないとすると、水銀ランプから射出され
る光の波長スペクトルは、例えば図6中の符号SP2を
付した波長スペクトルとなる。しかしながら、実際の水
銀ランプから射出される光は自己吸収の影響を受けるた
め、図6中符号SP3を付した波長スペクトルとなる。
つまり、図6中において斜線を付した部分が水銀ランプ
内を伝播する際に自己吸収されたことになる。水銀ラン
プは、発光部における温度と非発光部における温度との
差が大きく、いわばアーク発光型のランプである。この
アーク発光型のランプは、特に自己吸収の影響が大き
い。
【0031】ことさら水銀ランプにおいてはi線の自己
吸収の影響が顕著であり、これにより半値幅も影響を受
ける。図7は、水銀ランプから射出されるi線近傍の波
長スペクトルを示す図である。尚、図7において付した
符号i1〜i4は、前述したi線をなす4本の輝線を示
している。図7において、符号SP4を付した波長スペ
クトルは、水銀ランプの発光部から射出されたi線の波
長スペクトルであり、符号SP5を付した波長スペクト
ルは、実際に水銀ランプから射出されるi線の波長スペ
クトルである。図7から分かるように、輝線i3と輝線
i4とが自己吸収を受ける。特に、輝線i4は、自己吸
収の影響が極めて大である。自己吸収は発光部から射出
された光が水銀ランプ内の非発光部を伝播する際に起こ
るため、水銀ランプに封入されたガスの圧力が高くなる
ほどその影響も大となる。因みに、アーク発光型の水銀
ランプでは、封入するガスの圧力を如何に低くしても、
自己吸収の影響を無視することができず、i線の半値幅
を輝線i4と輝線i1との波長差である1.3nm以下
にすることはできない。
【0032】以上のように、使用する波長幅をある程度
の狭い幅に限定した場合には、露光装置で必要となる照
明光ILの光量を増大させるために、封入されるガスの
圧力が高く設定された超高圧水銀ランプ2を用いて、ガ
スの圧力を高くして例えばi線の半値幅を広げたとして
も、自己吸収の影響により照明光ILの光量は増加しな
い。換言すると、水銀ランプに封入されるガスの圧力く
すると波長スペクトルの波長幅が広くなり、その結果と
して照明光の光量が増加することにはならない。また、
照明光ILの波長幅を広げすぎても投影光学系PLにお
ける色収差の補正が困難となる。
【0033】ここで、水銀ランプから射出される光の波
長スペクトルに対して、照明光学系10から射出される
照明光ILの波長幅をある値に設定したときに得られる
光量(エネルギー)と水銀蒸気圧との関係について説明
する。図8は、水銀ランプから射出される光の波長スペ
クトルに対して、照明光ILの波長幅をある値に設定し
たときに得られる光量(エネルギー)と水銀蒸気圧との
関係を示す図であり、(a)は照明光ILの波長幅を狭
く設定した場合であり、(b)は照明光ILの波長幅を
広く設定した場合である。図8(a)に示したように、
水銀ランプから射出される光の波長スペクトルに対して
照明光ILの波長幅を狭く設定した場合(例えば、i線
を中心波長とし、波長幅が6nm程度の場合)、水銀蒸
気圧を変化させると、照明光学系10から射出される照
明光ILの光量(エネルギー)は、ある水銀蒸気圧で極
大となる。
【0034】一方、図8(b)に示したように、水銀ラ
ンプから射出される光の波長スペクトルに対して照明光
ILの波長幅を広く設定した場合(例えば、i線を中心
波長とし、波長幅が14nm程度の場合)、水銀蒸気圧
を変化させると、照明光学系10から射出される照明光
ILの光量(エネルギー)は、水銀蒸気圧を高くするに
つれて増大する。これは、水銀蒸気圧を10000hp
a以上とすると、自己吸収の影響により波長スペクトル
がピークを有しない連続光とほぼみなすことができるよ
うになるためである。従って、本実施形態では、超高圧
水銀ランプ2の水銀蒸気圧を10000hpa以上に設
定することが好ましい。以上、理解の容易のために、水
銀蒸気圧の変化に伴ってi線近傍の波長スペクトルが変
化する様子を例に挙げて説明したが、j線を含む300
nm〜400nmの波長領域においては水銀蒸気圧を変
化させると上述した現象と同様の現象が生ずる。従っ
て、中心波長をj線又はj線の近傍に設定した場合も同
様である。
【0035】超高圧水銀ランプ2からは、種々の波長の
光が射出されているため、照明光ILに課される前述し
た〔2〕、〔3〕の条件を満足するために、干渉フィル
タ5の通過特性は、通過する光の波長スペクトルにおけ
る波長幅をΔΛ、通過する光の波長スペクトルにおける
中心波長をΛとするとき、 0.027<ΔΛ/Λ<0.082 ……〔5〕 を満足する通過特性に設定される。干渉フィルタ5の通
過特性を上記〔5〕の条件を満たす通過特性とすること
で、不要な波長域を遮断しつつ必要な波長幅の照明光I
Lを得ることができる。尚、上記〔5〕式の上限値及び
下限値は、前述した〔3〕式の上限値及び下限値と同様
の理由により設定される。尚、干渉フィルタ5を通過す
る波長域の中心波長は、超高圧水銀ランプ2の波長スペ
クトル分布に応じて設定された中心波長と同じに設定さ
れる。例えば、i線若しくはj線又はその近傍の波長に
設定される。
【0036】尚、露光装置が備える光源として良く知ら
れている光源は、例えば水銀ランプ、キセノンランプ、
メタルハライド等であるが、上述した照明光の波長スペ
クトルにおける中心波長及び波長幅に課される条件を満
たす照明光ILを射出し、且つ供給される電力に対する
発光効率の観点及び入手容易性の観点を考慮すると光源
として水銀ランプを用いることが好適である。但し、水
銀ランプ以外を用いることができないという訳ではな
く、他の光源を用いることもできる。次に、光源として
キセノンランプを用いる場合について説明する。図9
は、キセノンランプの分光分布を示す図である。尚、図
9における縦軸は、850nm程度の波長を有する光の
強度を1として正規化している。図9に示すようにキセ
ノンランプは280nm程度の波長から900nm以上
の波長まで連続したスペクトル分布である。図9に示し
た連続スペクトルを射出するキセノンランプを光源とし
て用いる場合には、不要な光を遮断するために干渉フィ
ルタ5が用いられる。この場合、前述した〔2〕の条件
を満足するために、干渉フィルタ5を通過する波長域の
中心波長は、300nm〜400nmの任意の波長に設
定され、その通過特性は、上記〔5〕式を満たす特性に
設定される。更に、干渉フィルタ5の通過特性を上記の
ように設定することで、例えば300nmから400n
mの波長領域の光を射出する発光ダイオードを光源とし
て多数用いることもできる。
【0037】次に、本発明の一実施形態による露光装置
が備える投影光学系PLの実施例について説明する。図
10は、本発明の一実施形態による露光装置が備える投
影光学系PLのレンズ構成の実施例を示す図である。こ
の投影光学系PLは、物体側(即ちマスクM側)から順
に、第1部分光学系G1と、開口絞りASと、開口絞り
ASに関して第1部分光学系G1と対称的に構成された
第2部分光学系G2とから構成されている。換言する
と、第2部分光学系G2は、そのレンズ形状、そのレン
ズ間隔及びその光学材料において、投影光学系PLの瞳
面に配置された開口絞りASに関して第1部分光学系G
1と対称的に構成されている。従って、本実施例による
投影光学系PLは、等倍の投影倍率を有する。
【0038】第1部分光学系G1は、物体側から順に、
正の屈折力を有する第1正レンズ群G11と、負の屈折
力を有する第1負レンズ群G12と、正の屈折力を有す
る第2正レンズ群G13とから構成されている。そし
て、第1正レンズ群G11は、物体側から順に、両凹レ
ンズL11、両凸レンズL12、両凸レンズL13、両
凸レンズL14、及び物体側に凸面を向けた正メニスカ
スレンズL15から構成されている。
【0039】また、第1負レンズ群G12は、物体側か
ら順に、像側(プレートP側)に凹面を向けた屈折面r
11を有する負メニスカスレンズレンズL21、像側に
凹面を向けた屈折面r12を有する両凹レンズL22、
物体側に凹面を向けた屈折面r13を有する負メニスカ
スレンズL23、及び物体側に凹面を向けた屈折面r1
4を有する両凹レンズL24から構成されている。即
ち、屈折面r11及び屈折面r14は、互いに対向する
ように配置された第1組の一対の凹面形状の屈折面を構
成している。また、屈折面r12及び屈折面r13は、
第1組の一対の凹面形状の屈折面の間の光路中において
互いに対向するように配置された第2組の一対の凹面形
状の屈折面を構成している。
【0040】更に、第2正レンズ群G13は、物体側か
ら順に、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL3
1、両凸レンズL32、両凸レンズL33、物体側に凹
面を向けた負メニスカスレンズL34、両凸レンズL3
5、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL36、
及び両凹レンズL37から構成されている。ここで、正
メニスカスレンズL31、両凸レンズL32、両凸レン
ズL33、両凸レンズL35は、異常分散性のガラス材
料によって形成され、雰囲気温度Tの変化に対する屈折
率nの変化率dn/dTは負の値を有する。この異常分
散性のガラス材料としては、例えば、(株)オハラ製の
S−FPL51Y(商標)やFPL51Y(商標)、シ
ョット(SCHOTT)製のFK51、これらの相当品
を用いることができる。また、両凹レンズL37は、雰
囲気温度Tの変化に対する屈折率nの変化率dnL37
dT<0の条件を満足する負レンズを構成している。更
に、正メニスカスレンズL36は、雰囲気温度Tの変化
に対する屈折率nの変化率dnL36/dT>0の条件を
満足する正レンズを構成している。
【0041】一方、第2部分光学系G2は、物体側から
順に、正の屈折力を有する第3正レンズ群G21と、負
の屈折力を有する第2負レンズ群G22と、正の屈折力
を有する第4正レンズ群G23とから構成されている。
上述したように、第2部分光学系G2は、開口絞りAS
に関して第1部分光学系G1と対称的に構成されてい
る。即ち、第3正レンズ群G21は開口絞りASに関し
て第2正レンズ群G13と対称的に構成され、第2負レ
ンズ群G22は開口絞りASに関して第1負レンズ群G
12と対称的に構成され、第4正レンズ群G23は開口
絞りASに関して第1正レンズ群G11と対称的に構成
されている。
【0042】従って、第3正レンズ群G21は、像側か
ら順に、像側に凹面を向けた正メニスカスレンズL4
1、両凸レンズL42、両凸レンズL43、像側に凹面
を向けた負メニスカスレンズL44、両凸レンズL4
5、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL46、及
び両凹レンズL47から構成されている。ここで、正メ
ニスカスレンズL41、両凸レンズL42、両凸レンズ
L43、両凸レンズL45は、上記の異常分散性のガラ
ス材料によって形成され、雰囲気温度Tの変化に対する
屈折率nの変化率dn/dTは負の値を有する。また、
両凹レンズL47は、雰囲気温度Tの変化に対する屈折
率nの変化率dnL47/dT<0の条件を満足する負レ
ンズを構成している。更に、正メニスカスレンズL46
は、雰囲気温度Tの変化に対する屈折率nの変化率dn
L46/dT>0の条件を満足する正レンズを構成してい
る。
【0043】また、第2負レンズ群G22は、像側から
順に、物体側に凹面を向けた屈折面r21を有する負メ
ニスカスレンズレンズL51、物体側に凹面を向けた屈
折面r22を有する両凹レンズL52、像側に凹面を向
けた屈折面r23を有する負メニスカスレンズL53、
及び像側に凹面を向けた屈折面r24を有する両凹レン
ズL54から構成されている。即ち、屈折面r21及び
屈折面r24は、互いに対向するように配置された第1
組の一対の凹面形状の屈折面を構成している。また、屈
折面r22及び屈折面r23は、第1組の一対の凹面形
状の屈折面の間の光路中において互いに対向するように
配置された第2組の一対の凹面形状の屈折面を構成して
いる。
【0044】更に、第4正レンズ群G23は、像側から
順に、両凹レンズL61、両凸レンズL62、両凸レン
ズL63、両凸レンズL64、及び像側に凸面を向けた
正メニスカスレンズL65から構成されている。次の表
1に、投影光学系PLの実施例の投影光学系PLの諸元
の値を掲げる。表1の主要諸元において、NAは物体側
での開口数(像側での開口数も同じ)を、Y0は最大像
高をそれぞれ示している。又、表1の光学部材諸元にお
いて、第1カラムの面番号は物体側からの光線進行方向
に沿った面の順序を、第2カラムのrは各面の曲率半径
(mm)を、第3カラムのdは各面の軸上間隔即ち面間
隔(mm)を、第4カラムのnは照明光ILの中心波長
がi線(λ=365nm)に設定されている場合の屈折
率をそれぞれ示している。
【0045】
【0046】ここで、FG1は第1部分光学系G1の焦点
距離であり、FG2は第2部分光学系G2の焦点距離であ
る。また、fG12は第1負レンズ群G12の焦点距離で
あり、fG22は第2負レンズ群G22の焦点距離であ
る。また、ΔFD/dTは、雰囲気温度の変化dTによ
り発生する投影光学系PLの焦点位置の変動率である。
更に、dnL37/dTは、雰囲気温度Tの変化に対する
両凹レンズL37の屈折率nの変化率であり、dnL47
dTは、雰囲気温度Tの変化に対する両凹レンズL4 7
屈折率nの変化率であり、dnL36/dTは、雰囲気温
度Tの変化に対する正メニスカスレンズL36の屈折率n
の変化率dnであり、dnL46/dTは、雰囲気温度T
の変化に対する正メニスカスレンズL46の屈折率nの変
化率dnである。
【0047】図11は、実施例における投影光学系PL
の球面収差、非点収差、及び歪曲収差を示す図である。
また、図12は、実施例における投影光学系PLのコマ
収差を示す図である。各収差図において、NAは物体側
での開口数を、Yは像高をそれぞれ示している。また、
非点収差を示す収差図において、実線はサジタル像面を
示し、破線はタンジェンシャル像面を示している。各収
差図から明らかなように、実施例の投影光学系PLで
は、大きな投影視野(有効径142mm)の全体に亘っ
て諸収差が良好に補正され、良好な光学性能が確保され
ていること、特に非点収差図を参照すると像面の平坦性
が良好に確保されていることがわかる。また、表1の条
件式対応値における焦点位置の変動率ΔFD/dTの値
を参照すると、実施例の投影光学系PLでは、雰囲気温
度の変化による焦点位置の変動が比較的小さく抑えられ
ていることが分かる。
【0048】以上、本発明の一実施形態について説明し
たが、本発明は上記実施形態に制限されず、本発明の範
囲内で自由に変更が可能である。例えば、前述した実施
形態においては、液晶表示素子を製造する場合を例に挙
げて説明したが、もちろん、液晶表示素子の製造に用い
られる露光装置だけではなく、例えば大面積のプリント
基板を製造するために用いられる露光装置にも本発明を
適用することができる。更に、必要であれば半導体素子
等を含むディスプレイの製造に用いられてデバイスパタ
ーンを半導体基板上へ転写する露光装置、薄膜磁気ヘッ
ドの製造に用いられてデバイスパターンをセラミックウ
ェハ上へ転写する露光装置、及びCCD等の撮像素子の
製造に用いられる露光装置等にも本発明を適用すること
ができる。
【0049】次に本発明の一実施形態による露光装置を
リソグラフィ工程で使用したマイクロデバイスの製造方
法の実施形態について説明する。図13は、マイクロデ
バイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、
CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造例
のフローチャートを示す図である。図13に示すよう
に、まず、ステップS10(設計ステップ)において、
マイクロデバイスの機能・性能設計(例えば、半導体デ
バイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するため
のパターン設計を行う。引き続き、ステップS11(マ
スク製作ステップ)において、設計した回路パターンを
形成したマスク(レチクル)を製作する。一方、ステッ
プS12(ウェハ製造ステップ)において、シリコン等
の材料を用いてウェハを製造する。
【0050】次に、ステップS13(ウェハ処理ステッ
プ)において、ステップS10〜ステップS12で用意
したマスクとウェハを使用して、後述するように、リソ
グラフィ技術等によってウェハ上に実際の回路等を形成
する。次いで、ステップS14(デバイス組立ステッ
プ)において、ステップS13で処理されたウェハを用
いてデバイス組立を行う。このステップS14には、ダ
イシング工程、ボンティング工程、及びパッケージング
工程(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれる。
最後に、ステップS15(検査ステップ)において、ス
テップS14で作製されたマイクロデバイスの動作確認
テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を
経た後にマイクロデバイスが完成し、これが出荷され
る。
【0051】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれ
ば、前記照明光の波長スペクトルにおける中心波長及び
波長幅をそれぞれλ及びΔλとするとき、 300nm<λ<400nm 0.027<Δλ/λ<0.082 を満足する照明光を射出する照明光学系を備えているた
め、大面積の露光に要する時間の短縮を図り、もって製
造効率を向上することができる。更に、樹脂系レジスト
にも対応することができるという効果があるまた、本発
明によれば、照明光の波長スペクトルにおける中心波長
及び波長幅に課される上記の条件を満たす照明光を射出
し、且つ供給される電力に対する発光効率の観点及び入
手容易性の観点を考慮すると光源として水銀ランプを用
いることが好適である。また、本発明によれば、水銀蒸
気圧をかかる超高圧にすることで、線スペクトルとみな
せる輝線の波長スペクトルの幅を増大させることがで
き、更に輝線が現れる波長の近傍の波長の光も発光する
ようにして波長スペクトルを連続スペクトルとすること
ができる。この結果、照明光の波長スペクトルにおける
中心波長及び波長幅に課される上記の条件を満たし、且
つ大面積の露光に要する時間の短縮を図るための十分な
光量の照明光を得ることができるという効果がある。ま
た、本発明によれば、照明光の波長スペクトルにおける
中心波長をi線若しくはj線又はその近傍の波長に設定
することで、水銀蒸気圧を10000hpa以上の超高
圧としたときに効率よく光量を増加させることができる
という効果がある。また、本発明によれば、照明光学系
から射出される照明光に課される条件を、バンドパスフ
ィルタの通過特性を設定することにより実現している。
従って、例えば300nmから400nmの波長領域の
光を射出する発光ダイオードを光源として多数用いて更
なる光量の増大を図る場合やキセノンランプを用いる場
合においても、これらの光源から射出された光束を、バ
ンドパスフィルタを通過させるだけで波長スペクトルに
おける中心波長及び波長幅に課される条件を満たした照
明光を得ることができるという効果がある。また、本発
明によれば、照明光の波長スペクトルにおける中心波長
及び波長幅に課される条件を満たした上で、かかる照明
光を、投影光学系を介したときに生ずる色収差が焦点深
度内となるように投影光学系が設定されているので、大
面積の露光に要する時間を短縮するとともに、微細なパ
ターンを基板上に形成する上で極めて好適であるという
効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態による露光装置の構成の
概略を示す図である。
【図2】 本発明の一実施形態による露光装置が備える
超高圧水銀ランプ2から射出される光の波長スペクトル
を示す図である。
【図3】 本発明の一実施形態による露光装置で用いら
れる照明光ILの波長幅と投影光学系PLの結像面に対
するデフォーカス量との関係を定性的に示す図である。
【図4】 水銀ランプから放出される光の分光分布を示
す図であり、(a)は水銀ランプに封入されるガスの圧
力が1.33paの場合に得られる分光分布、(b)は
水銀ランプに封入されるガスの圧力が1000hpaの
場合に得られる分光分布、(c)は水銀ランプに封入さ
れるガスの圧力が30000hpaの場合に得られる分
光分布である。
【図5】 水銀ランプ内に封入されるガスの圧力変化に
より、i線の半値幅が広がる様子を示す図である。
【図6】 自己吸収の影響を定性的に示す図である。
【図7】 水銀ランプから射出されるi線近傍の波長ス
ペクトルを示す図である。
【図8】 水銀ランプから射出される光の波長スペクト
ルに対して、照明光ILの波長幅をある値に設定したと
きに得られる光量(エネルギー)と水銀蒸気圧との関係
を示す図であり、(a)は照明光ILの波長幅を狭く設
定した場合であり、(b)は照明光ILの波長幅を広く
設定した場合である。
【図9】 キセノンランプの分光分布を示す図である。
【図10】 本発明の一実施形態による露光装置が備え
る投影光学系PLのレンズ構成の実施例を示す図であ
る。
【図11】 実施例における投影光学系PLの球面収
差、非点収差、及び歪曲収差を示す図である。
【図12】 実施例における投影光学系PLのコマ収差
を示す図である。
【図13】 マイクロデバイスを製造する際の工程を示
すフローチャートを示す図である。
【図14】 用語「波長スペクトルにおける中心波長」
及び「波長幅」の定義を説明するための図である。
【図15】 半導体素子の製造に用いられる従来の露光
装置に備えられる光源の波長幅と投影光学系の結像面に
対するデフォーカス量との関係を定性的に示す図であ
る。
【符号の説明】
2 超高圧水銀ランプ 5 干渉フィルタ(バンドパスフィルタ) 10 照明光学系 DP デバイスパターン(パターン) IL 照明光 M マスク P プレート(基板) PL 投影光学系
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H097 AB09 BA10 CA12 EA01 EA03 GB00 LA10 LA12 5F046 BA03 CA02 CA07 CB05 CB08 CB12 CB13 CB23 DA01 DA02 DA13 DA14

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 照明光学系から射出される照明光をマス
    クに照射して該マスクに形成されたパターンの像を、投
    影光学系を介して基板上に転写する露光装置であって、 前記照明光学系は、前記照明光の波長スペクトルにおけ
    る中心波長及び波長幅をそれぞれλ及びΔλとすると
    き、 300nm<λ<400nm 0.027<Δλ/λ<0.082 を満足する照明光を射出することを特徴とする露光装
    置。
  2. 【請求項2】 前記照明光学系は、水銀ランプを備える
    ことを特徴とする請求項1記載の露光装置。
  3. 【請求項3】 前記水銀ランプは、作動状態における水
    銀蒸気圧が10000hpa以上である超高圧水銀ラン
    プであり、 前記照明光の波長スペクトルにおける中心波長は、前記
    超高圧水銀ランプの波長スペクトル分布に応じて設定さ
    れることを特徴とする請求項2記載の露光装置。
  4. 【請求項4】 前記照明光の波長スペクトルにおける中
    心波長は、前記超高圧水銀ランプの波長スペクトル分布
    のi線若しくはj線又はその近傍に設定されることを特
    徴とする請求項3記載の露光装置。
  5. 【請求項5】 前記照明光学系は、 0.027<ΔΛ/Λ<0.082 を満足する通過特性を有するバンドパスフィルタを備え
    ることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項
    に記載の露光装置。但し、 ΔΛ:前記バンドパスフィルタを通過する照明光の波長
    スペクトルにおける波長幅、 Λ:前記バンドパスフィルタを通過する照明光の波長ス
    ペクトルにおける中心波長、である。
  6. 【請求項6】 前記投影光学系は、屈折光学素子を備
    え、 該屈折光学素子は、前記照明光の波長域における色収差
    が焦点深度内となるように設定されていることを特徴と
    する請求項1から請求項5の何れか一項に記載の露光装
    置。
  7. 【請求項7】 マスクに形成されたパターンの像を、投
    影光学系を介して基板上に転写する露光方法であって、 300nm<λ<400nm 0.027<Δλ/λ<0.082 を満足する照明光を用いて前記マスクを照明することを
    特徴とする露光方法。但し、 Δλ:前記照明光の波長スペクトルにおける波長幅、 λ:前記照明光の波長スペクトルにおける中心波長、で
    ある。
  8. 【請求項8】 請求項7に規定される照明光を用いてマ
    スクを照射する照射工程と、 前記投影光学系を介して前記マスクに形成されたパター
    ンの像を基板上に転写する転写工程と、 前記パターンが転写された前記基板を現像する現像工程
    とを含むことを特徴とするデバイス製造方法。
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