JP2002250865A - 投影光学系、露光装置、およびそれらの製造方法 - Google Patents

投影光学系、露光装置、およびそれらの製造方法

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JP2002250865A
JP2002250865A JP2001169406A JP2001169406A JP2002250865A JP 2002250865 A JP2002250865 A JP 2002250865A JP 2001169406 A JP2001169406 A JP 2001169406A JP 2001169406 A JP2001169406 A JP 2001169406A JP 2002250865 A JP2002250865 A JP 2002250865A
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Kentaro Murakami
研太郎 村上
Hitoshi Hatada
仁志 畑田
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Nikon Corp
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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70216Mask projection systems
    • G03F7/70308Optical correction elements, filters or phase plates for manipulating imaging light, e.g. intensity, wavelength, polarisation, phase or image shift

Abstract

(57)【要約】 【課題】 他の収差を実質的に発生させることなく、平
行平面状の補正部材の比較的少ない加工量で残存収差を
良好に補正することのできる投影光学系。 【解決手段】 第1面(M)の像を第2面(W)に投影
する投影光学系(PL)。第1面と第2面との間の光路
中に設定された第1補正部材(C1)と、第1補正部材
と第2面との間の光路中に設定された第2補正部材(C
2)とを備えている。第1補正部材の少なくとも一方の
面および第2補正部材の少なくとも一方の面は、投影光
学系に残存する少なくとも1つの種類の残存収差を分担
しながら補正するために、所要の形状にそれぞれ加工さ
れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、投影光学系、露光
装置、およびそれらの製造方法に関する。特に本発明
は、マスクのパターンを感光性基板に投影露光する露光
装置に搭載される投影光学系の残存収差の補正(調整)
に関する。
【0002】
【従来の技術】マイクロデバイス(半導体素子、液晶表
示素子、薄膜磁気ヘッド等)をフォトリソグラフィ工程
で製造する際に、マスク(またはレチクルなど)のパタ
ーンを感光性基板(ウェハ、ガラス基板、プレートな
ど)に投影露光する露光装置が使用されている。この種
の露光装置では、マスクパターン像を感光性基板に高い
解像力をもって忠実に投影するために、諸収差が充分に
抑制された良好な光学性能を有する投影光学系を設計し
ている。
【0003】しかしながら、実際に製造された露光装置
の投影光学系では、設計上の光学性能とは異なり、様々
な要因に起因する諸収差が残存している。そこで、例え
ば特開平8−203805号公報には、所定の形状に加
工された平行平面状の補正部材を用いて、歪曲収差、非
点収差、像面湾曲などの残存収差を補正する技術が開示
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
8−203805号公報に開示された補正部材を用い
て、たとえば投影光学系に残存している歪曲収差を補正
すると、歪曲収差の補正に伴って像面湾曲が発生してし
まうという不都合があった。この場合、発生した像面湾
曲を補正するために、残存歪曲収差の補正のための第1
補正部材から間隔を隔てて、所定の形状に加工された平
行平面状の第2補正部材を付設する方法が考えられる。
【0005】確かに、補正部材の設定位置により歪曲収
差を補正する効果と像面湾曲を補正する効果とが多少異
なるため、第2補正部材を付設する方法により歪曲収差
と像面湾曲とをそれぞれ補正することは可能である。し
かしながら、1つの補正部材で1つの残存収差を補正す
る方法では、補正すべき収差量に対して補正部材の所要
加工量が比較的大きくなり、その比較的大きな加工量に
伴ってさらに他の収差(非点収差、球面収差、コマ収差
など)が発生することが考えられる。
【0006】また、物体面側(マスク側)あるいは像面
側(感光性基板側)に2枚の平行平面状の補正部材を間
隔を隔てて配置するには、投影光学系のワーキングディ
スタンス(この場合、最も物体側のレンズ面とマスクと
の間の距離、あるいは最も像側のレンズ面と感光性基板
との間の距離)を大きく確保した設計が必要になり、投
影光学系の設計上の大きな制約になることが考えられ
る。
【0007】本発明は、前述の課題に鑑みてなされたも
のであり、他の収差を実質的に発生させることなく、平
行平面状の補正部材の比較的少ない加工量で残存収差を
良好に補正することのできる、投影光学系およびその製
造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、
残存収差が良好に補正されて高い光学性能を有する投影
光学系を備えた露光装置の製造方法を提供することを目
的とする。さらに、本発明は、高い光学性能を有する投
影光学系を備えた露光装置を用いた良好な露光により良
好なマイクロデバイスを製造することのできるマイクロ
デバイス製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、第1発明では、第1面の像を第2面に投影する投影
光学系において、前記第1面と前記第2面との間の光路
中に設定された第1補正部材と、前記第1補正部材と前
記第2面との間の光路中に設定された第2補正部材とを
備え、前記第1補正部材の少なくとも一方の面および前
記第2補正部材の少なくとも一方の面は、前記投影光学
系に残存する少なくとも1つの種類の残存収差を分担し
ながら補正するために、所要の形状にそれぞれ加工され
ていることを特徴とする投影光学系を提供する。
【0009】第1発明の好ましい態様によれば、前記第
1補正部材は前記第1面と前記投影光学系の最も第1面
側に配置されたレンズ成分との間の光路中に設定され、
前記第2補正部材は前記投影光学系の最も第2面側に配
置されたレンズ成分と前記第2面との間の光路中に設定
されている。あるいは、前記第1補正部材は前記第1面
と前記投影光学系の瞳面との間の光路中に設定され、前
記第2補正部材は前記投影光学系の瞳面と前記第2面と
の間の光路中に設定されていることが好ましい。
【0010】また、第1発明の好ましい態様によれば、
前記第1補正部材の一方の面および前記第2補正部材の
一方の面は、第1の収差を補正するための所要の形状に
加工され、前記第1補正部材の他方の面および前記第2
補正部材の他方の面は、前記第1の収差とは異なる第2
の収差を補正するための所要の形状に加工されている。
この場合、前記第1補正部材の前記一方の面は前記第1
面に対向し、且つ前記第2補正部材の前記一方の面は前
記第2面に対向し、前記第1補正部材の前記他方の面と
前記第2補正部材の前記他方の面とは互いに対向してい
ることが好ましい。
【0011】あるいは、前記第1補正部材の一方の面お
よび前記第2補正部材の一方の面は、互いに異なる2つ
の収差を分担しながら補正するために、所要の形状にそ
れぞれ加工されていることが好ましい。この場合、前記
第1補正部材の前記一方の面と前記第2補正部材の前記
一方の面または前記第1補正部材の他方面と前記第2補
正部材の他方の面とは、互いに対向していることが好ま
しい。
【0012】さらに、第1発明の好ましい態様によれ
ば、前記第1補正部材および前記第2補正部材は、主光
線が前記第1補正部材を通過する時の前記第1補正部材
での第1光学的光路長と前記主光線が前記第2補正部材
を通過する時の前記第2光学部材での第2光学的光路長
との和が任意の主光線においてほぼ等しくなるように設
定されている。あるいは、前記第1補正部材および前記
第2補正部材は、主光線が前記第1補正部材を通過する
時の前記第1補正部材での第1光学的光路長と前記主光
線が前記第2補正部材を通過する時の前記第2光学部材
での第2光学的光路長との差が任意の主光線においてほ
ぼ等しくなるように設定されていることが好ましい。
【0013】また、第1発明の好ましい態様によれば、
前記投影光学系は、前記第1面の像を前記第2面にほぼ
等倍の倍率で形成する。この場合、前記第1補正部材と
前記第1面との間の距離は、前記第2補正部材と前記第
2面との間の距離にほぼ等しく設定されていることが好
ましい。さらに、前記投影光学系の前記第1面側の開口
数および前記第2面側の開口数がともに0.2以下であ
ることが好ましい。
【0014】本発明の第2発明では、第1発明の投影光
学系と、前記第1面に設定されたマスクを照明するため
の照明光学系とを備え、前記投影光学系を介して前記マ
スクに形成されたパターンを前記第2面に設定された感
光性基板へ投影露光することを特徴とする露光装置を提
供する。
【0015】本発明の第3発明では、第1面の像を第2
面に投影する投影光学系の製造方法において、前記投影
光学系に残存する少なくも1つの種類の残存収差を計測
する収差計測工程と、前記収差計測工程にて得られた残
存収差の補正を分担するように、前記第1面と前記第2
面との間の光路中の第1の位置に設定されるべき第1補
正部材の第1補正面の形状および前記第1補正部材と前
記第2面との間の光路中の第2の位置に設定されるべき
第2補正部材の第2補正面の形状をそれぞれ算出する算
出工程と、前記算出工程による算出結果に基づいて前記
第1補正部材および前記第2補正部材を加工する加工工
程と、前記加工工程にて加工された前記第1補正部材を
前記第1の位置に設定すると共に前記加工工程にて加工
された前記第2補正部材を前記第2の位置に設定する設
定工程とを含むことを特徴とする投影光学系の製造方法
を提供する。この本発明の第3発明において、前記算出
工程は、前記収差計測工程にて得られた残存収差の補正
を分担するように、前記第1面と前記第2面との間の光
路中の第1の位置に設定されるべき第1補正部材の第1
補正面の形状および前記第1補正部材と前記第2面との
間の光路中の第2の位置に設定されるべき第2補正部材
の第2補正面の形状をそれぞれ算出することによって、
前記残存収差を補正するとともに前記残存収差の補正に
より引き起こされる前記投影光学系の光学特性の悪化
(副作用)を抑える機能を各補正部材に付与することが
できる。
【0016】第3発明の好ましい態様によれば、前記第
1の位置は前記第1面と前記投影光学系との間の光路中
にあり、前記第2の位置は前記投影光学系と前記第2面
との間の光路中にある。あるいは、前記第1の位置は前
記第1面と前記投影光学系の瞳面との間の光路中にあ
り、前記第2面の位置は前記投影光学系の瞳面と前記第
2面との間の光路中にあることが好ましい。
【0017】また、第3発明の好ましい態様によれば、
前記収差計測工程は、加工前の前記第1補正部材と同じ
光学特性を有する第1計測用部材を前記第1の位置に設
定すると共に、加工前の前記第2補正部材と同じ光学特
性を有する第2計測用部材を前記第2の位置に設定した
上で、前記投影光字系に残存する残存収差を計測する。
あるいは、前記収差計測工程は、加工前の前記第1補正
部材を前記第1の位置に設定すると共に、加工前の前記
第2補正部材を前記第2の位置に設定した上で、前記投
影光学系に残存する残存収差を計測することが好まし
い。
【0018】さらに、第3発明の好ましい態様によれ
ば、前記設定工程における前記第1補正部材の前記第1
の位置への設定および前記第2補正部材の前記第2の位
置への設定に応じて悪化する前記投影光学系の光学特性
を調整する調整工程をさらに含む。この場合、前記調整
工程は、前記第1面と前記第2面との間の物像間距離を
調整する物像間距離調整工程を含むことが好ましい。さ
らにこの場合、前記調整工程は、前記物像間距離調整工
程にて調整できない光学特性の悪化を補正するために前
記投影光学系を構成する各光学部材の少なくとも1つを
調整する部材調整工程をさらに含むことが好ましい。
【0019】また、第3発明の好ましい態様によれば、
前記投影光学系を構成する各光学部材の光学面の面形状
を計測する面形状計測工程をさらに含み、前記算出工程
は、前記面形状計測工程および前記収差計測工程の各計
測結果に基づいて、前記第1補正部材の第1補正面およ
び前記第2補正都材の第2補正面の形状を算出する。こ
の場合、前記投影光学系を構成する各光学部材の光学特
性分布を計測する光学特性計測工程をさらに含み、前記
算出工程は、前記面形状計測工程、前記光学特性計測工
程および前記収差計測工程の各計測結果に基づいて、前
記第1補正部材の第1補正面および前記第2補正都材の
第2補正面の形状を算出することが好ましい。
【0020】さらに、第3発明の好ましい態様によれ
ば、前記算出工程は、主光線が前記第1補正部材を通過
する時の前記第1補正部材での第1光学的光路長と前記
主光線が前記第2補正部材を通過する時の前記第2光学
部材での第2光学的光路長との和が任意の主光線におい
てほぼ等しくなるように、前記第1面および前記第2面
の各形状を算出する。あるいは、前記算出工程は、主光
線が前記第1補正部材を通過する時の前記第1補正部材
での第1光学的光路長と前記主光線が前記第2補正部材
を通過する時の前記第2光学部材での第2光学的光路長
との差が任意の主光線においてほぼ等しくなるように、
前記第1面および前記第2面の各形状を算出することが
好ましい。
【0021】また、第3発明の好ましい態様によれば、
前記設定工程に先立って、前記加工工程にて加工された
前記第1補正部材および前記第2補正部材の加工面を検
査する検査工程をさらに含む。この場合、前記検査工程
は、前記加工工程にて加工された前記第1補正部材およ
び前記第2補正部材の加工面の面形状並びに前記投影光
学系を構成する他の各光学部材の光学面の面形状を計測
する面形状計測工程を含み、前記面形状計測工程の計測
結果に基づいて前記第1補正部材の前記第1の位置への
設定および前記第2補正部材の前記第2の位置への設定
によって発生する収差を算出することが好ましい。さら
にこの場合、前記検査工程は、前記第1補正部材、前記
第2補正部材および前記投影光学系を構成する他の各光
学部材の光学特性分布を計測する光学特性計測工程をさ
らに含み、前記面形状計測工程および前記光学特性計測
工程の各計測結果に基づいて前記第1補正部材の前記第
1の位置への設定および前記第2補正部材の前記第2の
位置への設定によって発生する収差を算出することが好
ましい。
【0022】本発明の第4発明では、前記第1面にマス
クを設定するマスクステージを露光装置本体に設置する
第1設置工程と、前記第2面に感光性基板を設定する基
板ステージを露光装置本体に設置する第2設置工程と、
前記第1面に設定される前記マスクのパターン像を前記
第2面に設定される前記感光性基板に投影するために、
第3発明の投影光学系を露光装置本体に設置する第3設
置工程と、前記第1面に設定される前記マスクを照明す
る照明光学系を露光装置本体に設置する第4設置工程と
を含むことを特徴とする露光装置の製造方法を提供す
る。
【0023】本発明の第5発明では、第4発明の露光装
置を用いて前記マスクのパターン像を前記感光性基板に
露光する露光工程と、前記露光工程を経て露光された前
記感光性基板を現像する現像工程とを含むことを特徴と
するマイクロデバイスの製造方法を提供する。
【0024】
【発明の実施の形態】図1〜図5は、本発明の基本的な
原理を説明する図である。以下、図1〜図5を参照し
て、本発明の典型的な形態における補正部材の具体的な
作用について説明する。なお、説明を簡単にするため
に、投影光学系が等倍の投影倍率を有し且つ両側にテレ
セントリックであるものと想定する。
【0025】本発明の典型的な形態では、図1に示すよ
うに、マスクMの像を感光性基板Wに投影する投影光学
系PLが、一対の平行平面状の補正部材、すなわち第1
補正部材C1と第2補正部材C2とを備えている。ここ
で、第1補正部材C1は最もマスク側に配置されたレン
ズ成分とマスクMとの間の光路中に配置され、第2補正
部材C2は最も基板側に配置されたレンズ成分と感光性
基板Wとの間の光路中に配置されている。そして、第1
補正部材C1の少なくとも一方の面および第2補正部材
C2の少なくとも一方の面は、投影光学系PLに残存す
る少なくとも1つの種類の残存収差を補正するための所
要の形状にそれぞれ加工されている。
【0026】換言すると、本発明の典型的な形態では、
投影光学系PLは、一対の平行平面状の補正部材C1お
よびC2の設定を前提として設計されている。なお、等
倍の投影倍率を有する投影光学系PLの対称性を損なう
ことがないように、第1補正部材C1とマスクMとの間
の距離D1と第2補正部材C2と感光性基板Wとの間の
距離D2とが等しくなるように設定されている。そし
て、実際に製造された投影光学系PLの残存収差を、第
1補正部材C1および第2補正部材C2を加工すること
によって補正する。
【0027】ここで、本発明の典型的な形態における残
存収差の具体的な補正動作を説明する前に、図2および
図3を参照して、従来技術にしたがう比較例における不
都合を説明する。特開平8−203805号公報に開示
された従来技術では、図2(a)に示すように、投影光
学系PLのマスク側だけに、その構成要素の一部として
平行平面状の補正部材C3を配置している。そして、図
3(a)に示すように、補正部材C3を加工することに
よって、実際に製造された投影光学系PLの残存収差を
補正する。
【0028】このとき、投影光学系PLには、補正部材
C3の加工に伴って、たとえば図3(b)に示すような
歪曲収差および像面湾曲が発生する。換言すると、補正
部材C3の加工により、図3(b)に示す歪曲収差と逆
の性状を有する残存歪曲収差が良好に補正される。その
一方で、実際に製造された投影光学系PLに像面湾曲が
ほとんど残存していない場合、補正部材C3の加工によ
り図3(b)に示す像面湾曲が新たに発生することにな
る。
【0029】そこで、図2(b)に示すように、新たに
発生した像面湾曲を補正するために、残存歪曲収差の補
正のための補正部材C3から間隔を隔てて、所定の形状
に加工された平行平面状の補正部材C4を付設する方法
が考えられる。なお、補正部材C4を付設する方法は、
従来技術に属するものではない。この場合、歪曲収差お
よび像面湾曲をそれぞれ補正することは可能であるが、
補正すべき収差量に対して補正部材C3およびC4の所
要加工量が比較的大きくなり、その比較的大きな加工量
に伴ってさらに他の収差(非点収差、球面収差、コマ収
差など)が発生することが考えられる。
【0030】また、マスク側に2枚の平行平面状の補正
部材C3およびC4を間隔を隔てて配置するには、投影
光学系PLのワーキングディスタンスWD(この場合、
最もマスク側のレンズ面とマスクMとの間の距離)を大
きく確保した設計が必要になり、投影光学系PLの設計
上の大きな制約になることが考えられる。
【0031】これに対し、本発明の典型的な形態では、
投影光学系PLに残存する歪曲収差を一対の補正部材C
1およびC2にて分担しながら補正するために、一対の
補正部材C1およびC2を図4(a)に示すように加工
することによって、図4(b)に示すように像面湾曲を
ほとんど発生させることなく補正し得る歪曲収差を意図
的に発生させることができる。すなわち、図4(a)で
は、主光線が第1補正部材C1を通過する時の第1補正
部材C1での第1光学的光路長と上記主光線が第2補正
部材C2を通過する時の第2光学部材C2での第2光学
的光路長との和が任意の主光線において等しくなるよう
に設定されている。
【0032】換言すると、図4(a)では、投影光学系
PLの光軸AXに沿った主光線が第1補正部材C1を通
過する時の第1補正部材C1での第1光学的光路長OL
10と任意の主光線が第1補正部材C1を通過する時の
第1補正部材C1での第1光学的光路長OL11との差
と、光軸AXに沿った主光線が第2補正部材C2を通過
する時の第2補正部材C2での第2光学的光路長OL2
0と上記任意の主光線が第2補正部材C2を通過する時
の第2補正部材C2での第2光学的光路長OL21との
差とが、符号が逆で且つその絶対値が等しくなるように
設定されている。
【0033】さらに別の表現をすれば、図4(a)で
は、第1補正部材C1および第2補正部材C2は、それ
ぞれ単独に波面測定すると、位相変化が互いに反対の透
過波面を有する形状に加工されている。こうして、図4
に示す例では、一対の補正部材C1およびC2の双方を
加工することにより、一方の補正部材C1またはC2だ
けを加工することによって発生する歪曲収差の2倍の量
の歪曲収差が発生する。
【0034】一方、本発明の典型的な形態において、投
影光学系PLに残存する像面湾曲を一対の補正部材C1
およびC2にて分担しながら補正するために、一対の補
正部材C1およびC2を図5(a)に示すように加工す
ることによって、図5(b)に示すように歪曲収差をほ
とんど発生させることなく補正し得る像面湾曲を意図的
に発生させることもできる。すなわち、図5(a)で
は、主光線が第1補正部材C1を通過する時の第1補正
部材C1での第1光学的光路長と上記主光線が第2補正
部材C2を通過する時の第2光学部材C2での第2光学
的光路長との差が任意の主光線において等しくなるよう
に設定されている。
【0035】換言すると、図5(a)では、投影光学系
PLの光軸AXに沿った主光線が第1補正部材C1を通
過する時の第1補正部材C1での第1光学的光路長OL
10と任意の主光線が第1補正部材C1を通過する時の
第1補正部材C1での第1光学的光路長OL11との差
と、光軸AXに沿った主光線が第2補正部材C2を通過
する時の第2補正部材C2での第2光学的光路長OL2
0と上記任意の主光線が第2補正部材C2を通過する時
の第2補正部材C2での第2光学的光路長OL21との
差とが等しくなるように設定されている。
【0036】さらに別の表現をすれば、図5(a)で
は、第1補正部材C1および第2補正部材C2は、それ
ぞれ単独に波面測定すると、位相変化が互いに同じ透過
波面を有する形状に加工されている。こうして、図5に
示す例では、一対の補正部材C1およびC2の双方を加
工することにより、一方の補正部材C1またはC2だけ
を加工することによって発生する像面湾曲の2倍の量の
像面湾曲が発生する。
【0037】したがって、本発明の典型的な形態では、
たとえば実際に製造した露光装置の投影光学系PLにお
いて主として歪曲収差が残存しているような場合、この
残存歪曲収差の半分の量の歪曲収差を補正するのに必要
な面形状を算出し、算出した面形状にしたがって第1補
正部材C1を加工する。また、第1補正部材C1の加工
面と第2補正部材C2の加工面とが図4(a)に示すよ
うな光路長関係を満たすように、第2補正部材C2を加
工する。
【0038】この場合、図4(a)に示すように第1補
正部材C1の加工面と第2補正部材C2の加工面とを互
いに対向させるか、あるいは第1補正部材C1の非加工
面と第2補正部材C2の非加工面とを互いに対向させる
ことにより、等倍の投影倍率を有する投影光学系PLの
対称性を維持することが好ましい。こうして、像面湾曲
を実質的に発生させることなく、投影光学系PLの残存
歪曲収差を良好に補正することができる。
【0039】また、たとえば実際に製造した露光装置の
投影光学系PLにおいて主として像面湾曲が残存してい
るような場合、この残存像面湾曲の半分の量の像面湾曲
を補正するのに必要な面形状を算出し、算出した面形状
にしたがって第1補正部材C1を加工する。また、第1
補正部材C1の加工面と第2補正部材C2の加工面とが
図5(a)に示すような光路長関係を満たすように、第
2補正部材C2を加工する。
【0040】この場合も、図5(a)に示すように第1
補正部材C1の加工面と第2補正部材C2の加工面とを
互いに対向させるか、あるいは第1補正部材C1の非加
工面と第2補正部材C2の非加工面とを互いに対向させ
ることにより、等倍の投影倍率を有する投影光学系PL
の対称性を維持することが好ましい。こうして、歪曲収
差を実質的に発生させることなく、投影光学系PLの残
存像面湾曲を良好に補正することができる。
【0041】さらに、たとえば実際に製造した露光装置
の投影光学系PLにおいて主として歪曲収差と像面湾曲
とが残存しているような場合、残存歪曲収差の半分の量
の歪曲収差を補正するのに必要な面形状を算出し、算出
した面形状にしたがって第1補正部材C1の一方の面を
加工する。そして、第1補正部材C1の一方の加工面と
第2補正部材C2の一方の加工面とが図4(a)に示す
ような光路長関係を満たすように、第2補正部材C2の
一方の面を加工する。
【0042】加えて、残存像面湾曲の半分の量の像面湾
曲を補正するのに必要な面形状を算出し、算出した面形
状にしたがって第1補正部材C1の他方の面を加工す
る。そして、第1補正部材C1の他方の加工面と第2補
正部材C2の他方の加工面とが図5(a)に示すような
光路長関係を満たすように、第2補正部材C2の他方の
面を加工する。
【0043】この場合も、第1補正部材C1の一方の加
工面と第2補正部材C2の一方の加工面とを互いに対向
させるか、あるいは第1補正部材C1の他方の加工面と
第2補正部材C2の他方の加工面とを互いに対向させる
ことにより、等倍の投影倍率を有する投影光学系PLの
対称性を維持することが好ましい。こうして、投影光学
系PLの残存歪曲収差と残存像面湾曲とをそれぞれ良好
に補正することができる。
【0044】あるいは、実際に製造した露光装置の投影
光学系PLにおいて主として歪曲収差と像面湾曲とが残
存しているような場合、残存歪曲収差の半分の量の歪曲
収差を補正するのに必要な面形状と残存像面湾曲の半分
の量の歪曲収差を補正するのに必要な面形状とを算出
し、算出した2つの面形状の合成面形状にしたがって第
1補正部材C1の一方の面だけを加工する。また、第1
補正部材C1の加工面と第2補正部材C2の加工面とが
所定の光路長関係を満たすように、第2補正部材C2の
一方の面だけを加工する。
【0045】この場合も、第1補正部材C1の加工面と
第2補正部材C2の加工面とを互いに対向させるか、あ
るいは第1補正部材C1の非加工面と第2補正部材C2
の非加工面とを互いに対向させることにより、等倍の投
影倍率を有する投影光学系PLの対称性を維持すること
が好ましい。こうして、投影光学系PLの残存歪曲収差
と残存像面湾曲とをそれぞれ良好に補正することができ
る。以上のように、本発明では、投影光学系PLに残存
する少なくとも1種以上の収差(ザイデル収差や波面収
差等)を第1補正部材C1及び第2補正部材C2にて分
担補正するように、各補正部材(C1、C2)の補正面
形状をそれぞれ決定した後、各補正部材(C1、C2)
の補正面形状をそれぞれ所定量だけ加工する。これによ
って、投影光学系PLに残存する少なくとも1種以上の
収差(ザイデル収差や波面収差等)を良好に補正するこ
とができる。なお、本発明は、投影光学系PLに残存す
る少なくとも1種以上の収差(ザイデル収差や波面収差
等)を2枚の補正部材にて分担補正することに限らず、
3枚以上の補正部材にて投影光学系PLに残存する少な
くとも1種以上の収差(ザイデル収差や波面収差等)を
分担補正しても良いことは言うまでもない。さらに、本
発明は、投影光学系PLに残存する少なくとも1種以上
の収差(ザイデル収差や波面収差等)の補正を補正専用
の補正部材にて行うことに限ることなく、投影光学系P
L内の結像に寄与する光学部材(レンズ、凹面ミラー、
凸面ミラー等)、あるいは投影光学系PLの物体面と像
面との間の光路中の配置される偏向部材等において投影
光学系PLに残存する少なくとも1種以上の収差(ザイ
デル収差や波面収差等)を補正するための補正面を形成
して、これらを本発明の補正部材として機能させても良
いことは言うまでもない。
【0046】以上のように、本発明の典型的な形態で
は、一対の補正部材C1およびC2の双方を加工するこ
とにより、一方の補正部材C1またはC2だけを加工す
ることによって発生する収差の2倍の量の収差が発生す
る。したがって、補正すべき収差量に対して補正部材の
所要加工量が比較的小さくなり、その比較的小さな加工
量の他の収差(非点収差、球面収差、コマ収差など)に
対する影響を良好に抑制することができる。
【0047】また、等倍の投影倍率を有し且つ両側にテ
レセントリックな投影光学系PLでは、一対の補正部材
C1およびC2を同じ光学材料で形成すると、主光線の
補正部材での光路長の変化(位相変化)が平行平面状の
補正部材の厚さの変化に依存するため、各補正部材の平
面からの加工量を求めるのが単純になる。また、図4お
よび図5の場合、第1補正部材C1の加工面と第2補正
部材C2の加工面とは互いに相補的な面形状または同じ
面形状を有することになり、第1補正部材C1の平面か
らの加工量および第2補正部材C2の平面からの加工量
を求めることが容易である。
【0048】さらに、物体側の開口数および像面側の開
口数をともに0.2以下に設定すると、投影光学系PL
のワーキングディスタンスWD(この場合、最もマスク
側のレンズ面とマスクMとの間の距離、および最も基板
側のレンズ面と感光性基板Wとの間の距離)を大きく確
保し易くなる。その結果、一対の補正部材の設定を前提
とした投影光学系PLの設計が容易になる。特に、投影
倍率が等倍の投影光学系PLでは、物体側の開口数およ
び像面側の開口数をともに0.2以下に設定するが容易
である。また、以上においては、説明を簡単にするため
に、投影光学系PLの投影倍率が等倍の場合について説
明したが、本発明では投影光学系PLの投影倍率が縮小
または拡大であっても良い。この場合、投影光学系PL
の投影倍率に応じて複数の補正部材(C1、C2)の加
工量が変化し、さらに、複数の補正部材(C1、C2)
の設定位置に応じても複数の補正部材(C1、C2)の
加工量が変化する。このため、投影光学系PLの投影倍
率及び設定位置に応じて、複数の補正部材(C1、C
2)の加工量を決定することが好ましい。
【0049】ところで、上述の説明では、投影光学系P
Lに残存する歪曲収差および像面湾曲の補正に本発明を
適用しているが、これに限定されることなく、球面収差
や非点収差やコマ収差などを含む一般的な回転対称収差
および回転非対称収差の補正に本発明を適用することも
できる。たとえば、球面収差の場合、補正部材の一方の
面を等分に削ったり厚さの薄い平行平面板を付設するこ
とによって、補正可能である。また、非点収差の場合、
像面湾曲と同様の方法で補正可能である。さらにコマ収
差の場合、コマ収差な補正に有効な位置に設定した補正
部材を所定の形状に加工することによって補正可能であ
る。
【0050】さらに、上述の説明では、最もマスク側に
配置されたレンズ成分とマスクMとの間の光路中に第1
補正部材C1を配置し、最も基板側に配置されたレンズ
成分と感光性基板Wとの間の光路中に第2補正部材C2
を配置しているが、これに限定されることなく、投影光
学系PLの瞳面とマスクMとの間の光路中に第1補正部
材C1を配置し、投影光学系PLの瞳面と感光性基板W
との間の光路中に第2補正部材C2を配置することもで
きる。さらに、マスクMと感光性基板Wとの間の光路中
に第1補正部材C1を配置し、第1補正部材C1と感光
性基板Wとの間の光路中に第2補正部材C2を配置する
こともできる。
【0051】また、上述の説明では、等倍の投影倍率を
有する投影光学系に本発明を適用しているが、これに限
定されることなく、たとえば拡大型あるいは縮小型の投
影光学系にも同様に本発明を適用することができる。こ
の場合、マスクMと第1補正部材C1との間の距離と感
光性基板Wと第2補正部材C2との間の距離とは等しく
なく、たとえば投影倍率に応じて設定される。また、第
1補正部材C1および第2補正部材C2の位置は、たと
えば補正すべき残存収差の種類に応じて設定される。さ
らに、第1補正部材C1の加工面と第2補正部材C2の
加工面との関係も、たとえば投影倍率や補正すべき残存
収差の種類に応じて設定される。
【0052】以上のように、本発明の投影光学系および
その製造方法では、他の収差を実質的に発生させること
なく、平行平面状の補正部材の比較的少ない加工量で残
存収差を良好に補正することができる。したがって、本
発明では、残存収差が良好に補正されて高い光学性能を
有する投影光学系を備えた高性能の露光装置を製造する
ことができる。また、本発明では、高い光学性能を有す
る投影光学系を備えた露光装置を用いた良好な露光によ
り、良好なマイクロデバイスを製造することができる。
【0053】本発明の実施形態を、添付図面に基づいて
説明する。図6は、本発明の実施形態にかかる投影光学
系を備えた露光装置の構成を概略的に示す図である。図
6において、感光性基板であるウェハWの法線方向に沿
ってZ軸を、ウェハ面内において図6の紙面に平行な方
向にY軸を、ウェハ面内において図6の紙面に垂直な方
向にX軸をそれぞれ設定している。
【0054】図6に示す露光装置は、たとえば高圧水銀
ランプからなる光源1を備えている。光源1は、回転楕
円面からなる反射面を有する楕円鏡2の第1焦点位置に
位置決めされている。したがって、光源1から射出され
た照明光束は、ミラー3を介して、楕円鏡2の第2焦点
位置に光源像を形成する。楕円鏡2の第2焦点位置に形
成された光源像からの光束は、コリメートレンズ4によ
りほぼ平行な光束に変換された後、所望の波長域の光束
を選択的に透過させる波長選択フィルター5に入射す
る。本実施形態の場合、波長選択フィルター5では、i
線(λ=365nm)の光だけが選択的に透過する。
【0055】波長選択フィルター5を介して選択された
露光波長の光(i線の光)は、オプティカルインテグレ
ータとしてのフライアイレンズ6に入射する。フライア
イレンズ6は、正の屈折力を有する多数のレンズエレメ
ントをその光軸が基準光軸AXと平行になるように縦横
に且つ稠密に配列することによって構成されている。フ
ライアイレンズ6を構成する各レンズエレメントは、マ
スク上において形成すべき照野の形状(ひいてはウェハ
上において形成すべき露光領域の形状)と相似な矩形状
の断面を有する。また、フライアイレンズ6を構成する
各レンズエレメントの入射側の面は入射側に凸面を向け
た球面状に形成され、射出側の面は射出側に凸面を向け
た球面状に形成されている。
【0056】したがって、フライアイレンズ6に入射し
た光束は多数のレンズエレメントにより波面分割され、
各レンズエレメントの後側焦点面には1つの光源像がそ
れぞれ形成される。すなわち、フライアイレンズ6の後
側焦点面には、多数の光源像からなる実質的な面光源す
なわち二次光源が形成される。フライアイレンズ6の後
側焦点面に形成された二次光源からの光束は、その近傍
に配置された開口絞り7に入射する。開口絞り7は、後
述する投影光学系PLの入射瞳面と光学的にほぼ共役な
位置に配置され、二次光源の照明に寄与する範囲を規定
するための可変開口部を有する。開口絞り7は、可変開
口部の開口径を変化させることにより、照明条件を決定
するσ値(投影光学系の瞳面の開口径に対するその瞳面
上での二次光源像の口径の比)を所望の値に設定する。
【0057】開口絞り7を介した二次光源からの光は、
コンデンサー光学系8の集光作用を受けた後、所定のパ
ターンが形成されたマスクMを重畳的に均一照明する。
マスクMは、マスクホルダ(不図示)を介して、マスク
ステージMS上においてXY平面に平行に保持されてい
る。マスクステージMSは、図示を省略した駆動系の作
用により、マスク面(すなわちXY平面)に沿って二次
元的に移動可能であり、その位置座標はマスク干渉計
(不図示)によって計測され且つ位置制御されるように
構成されている。
【0058】マスクMのパターンを透過した光束は、投
影光学系PLを介して、感光性基板であるウェハW上に
マスクパターンの像を形成する。ウェハWは、ウェハホ
ルダ(不図示)を介して、ウェハステージWS上におい
てXY平面に平行に保持されている。ウェハステージW
Sは、図示を省略した駆動系の作用によりウェハ面(す
なわちXY平面)に沿って二次元的に移動可能であり、
その位置座標はウェハ干渉計(不図示)によって計測さ
れ且つ位置制御されるように構成されている。こうし
て、投影光学系PLの光軸と直交する平面(XY平面)
内においてウェハWを二次元的に駆動制御しながら一括
露光またはスキャン露光を行うことにより、ウェハWの
各露光領域にはマスクMのパターンが逐次露光される。
【0059】なお、一括露光では、いわゆるステップ・
アンド・リピート方式にしたがって、ウェハの各露光領
域に対してマスクパターンを一括的に露光する。この場
合、マスクM上での照明領域の形状は正方形に近い矩形
状であり、フライアイレンズ6の各レンズエレメントの
断面形状も正方形に近い矩形状となる。一方、スキャン
露光では、いわゆるステップ・アンド・スキャン方式に
したがって、マスクおよびウェハを投影光学系に対して
相対移動させながらウェハの各露光領域に対してマスク
パターンをスキャン露光(走査露光)する。この場合、
マスクM上での照明領域の形状は短辺と長辺との比がた
とえば1:3の矩形状であり、フライアイレンズ6の各
レンズエレメントの断面形状もこれと相似な矩形状とな
る。ここで、オプティカルインテグレータとしてのフラ
イアイレンズ6の代わりに、マイクロレンズアレイ、内
面反射型のインテグレータ(ガラスロッドや内面反射型
の中空部材等)あるいは回折光学素子を用いることも可
能である。さらには、フライアイレンズ6等のオプティ
カルインテグレータの上流の照明光路内に照明条件を変
更する手段(照明系の瞳での光強度分布を変更する手
段)を配置することが好ましい。この場合、照明条件を
変更する手段として、輪帯照明のために少なくとも一方
が可動な2つの円錐アキシコン(一方は凹型円錐アキシ
コン、他方は凸型円錐アキシコン)、多極照明のために
少なくとも一方が可動な2つの角錐アキシコン(一方は
凹型V溝アキシコンを含む凹型角錐アキシコン、他方は
凸型V溝アキシコンを含む凸型角錐アキシコン)、入射
光を輪帯光束に変換する輪帯照明用の回折光学素子、あ
るいは多極光束に変換する回折光学素子を配置すると共
に、σ値を変更するための変倍光学系を配置することが
好ましい。
【0060】図7は、本実施形態の投影光学系のレンズ
構成を示す図である。本実施形態にかかる投影光学系P
Lは、物体側(すなわちマスクM側)から順に、平行平
面状に形成された第1補正部材C1と、第1部分光学系
G1と、開口絞りASと、この開口絞りASに関して第
1部分光学系G1と対称的に構成された第2部分光学系
G2と、開口絞りASに関して第1補正部材C1と対称
的に構成された第2補正部材C2とから構成されてい
る。
【0061】換言すると、第2部分光学系G2は、その
レンズ形状、そのレンズ間隔およびその光学材料におい
て、投影光学系PLの瞳面に配置された開口絞りASに
関して第1部分光学系G1と対称的に構成されている。
また、第2補正部材C2は、その形状、その位置および
その光学材料において、開口絞りASに関して第1補正
部材C1と対称的に構成されている。したがって、本実
施形態にかかる投影光学系PLは、等倍の投影倍率を有
し、両側にテレセントリックである。
【0062】第1部分光学系G1は、物体側から順に、
正の屈折力を有する第1正レンズ群G1Pと、負の屈折力
を有する第1負レンズ群G1Nと、正の屈折力を有する第
2正レンズ群G2Pとから構成されている。そして、第1
正レンズ群G1Pは、物体側から順に、両凹レンズ、両凸
レンズ、両凸レンズ、両凸レンズ、および物体側に凸面
を向けた正メニスカスレンズから構成されている。
【0063】また、第1負レンズ群G1Nは、物体側から
順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズレン
ズ、両凹レンズ、物体側に凹面を向けた負メニスカスレ
ンズ、および両凹レンズから構成されている。さらに、
第2正レンズ群G2Pは、物体側から順に、物体側に凹面
を向けた正メニスカスレンズ、両凸レンズ、両凸レン
ズ、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズ、両凸レ
ンズ、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズ、およ
び両凹レンズから構成されている。
【0064】一方、第2部分光学系G2は、物体側から
順に、正の屈折力を有する第3正レンズ群G3Pと、負の
屈折力を有する第2負レンズ群G2Nと、正の屈折力を有
する第4正レンズ群G4Pとから構成されている。上述し
たように、第2部分光学系G2は、開口絞りASに関し
て第1部分光学系G1と対称的に構成されている。すな
わち、第3正レンズ群G3Pは開口絞りASに関して第2
正レンズ群G2Pと対称的に構成され、第2負レンズ群G
2Nは開口絞りASに関して第1負レンズ群G1Nと対称的
に構成され、第4正レンズ群G4Pは開口絞りASに関し
て第1正レンズ群G1Pと対称的に構成されている。
【0065】したがって、第3正レンズ群G3Pは、像側
(ウェハW側)から順に、像側に凹面を向けた正メニス
カスレンズ、両凸レンズ、両凸レンズ、像側に凹面を向
けた負メニスカスレンズ、両凸レンズ、像側に凸面を向
けた正メニスカスレンズ、および両凹レンズから構成さ
れている。また、第2負レンズ群G2Nは、像側から順
に、像側に凸面を向けた負メニスカスレンズレンズ、両
凹レンズ、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズ、お
よび両凹レンズから構成されている。さらに、第4正レ
ンズ群G4Pは、像側から順に、両凹レンズ、両凸レン
ズ、両凸レンズ、両凸レンズ、および像側に凸面を向け
た正メニスカスレンズから構成されている。
【0066】上述のように、本実施形態の投影光学系P
Lでは、第1補正部材C1および第2補正部材C2の設
定を前提として設計が行われており、加工前の第1補正
部材C1および第2補正部材C2が設定された状態にお
いて諸収差が良好に抑えられ、優れた結像性能を確保す
ることができるように設計されている。しかしながら、
前述したように、実際に製造された露光装置の投影光学
系には、様々な要因に起因して調整すべき収差が残存す
ることがある。その場合、本実施形態では、第1補正部
材C1および第2補正部材C2を加工して、投影光学系
の残存収差の補正を行う。以下、本実施形態にかかる投
影光学系の製造方法を説明する。
【0067】図8は、本実施形態にかかる投影光学系の
製造方法における製造フローを示すフローチャートであ
る。図8に示すように、本実施形態にかかる投影光学系
の製造方法では、実際に製造された投影光学系PLに残
存する収差を計測する(S11)。具体的には、たとえ
ばテスト露光(試し焼き)の手法により投影光学系PL
の残存収差を計測する。テスト露光の手法では、テスト
マスク上の理想格子点に形成されたテストマークを、投
影光学系PLを介して、フラットネスが特別に管理され
たウェハW上に静止露光する。そして、露光されたウェ
ハWを現像してから、露光装置とは異なる計測装置に搬
送し、転写されたテストマークの座標位置や位置ずれ量
を計測することによって、投影光学系PLの残存収差を
計測する。
【0068】このとき、加工前の第1補正部材C1およ
び第2補正部材C2を投影光学系PL中の所定位置(設
計上の設置位置)に設置した状態で、テスト露光を行
う。あるいは、第1補正部材C1および第2補正部材C
2に代えて、加工前の第1補正部材C1および第2補正
部材C2と同じ光学特性(形状、材料など)を有する第
1計測用部材および第2計測用部材を所定位置に設定し
た状態で、テスト露光を行っても良い。
【0069】なお、テスト露光の手法に限定されること
なく、たとえばフィゾー干渉計を用いて投影光学系PL
の波面収差を計測し、計測した波面収差を解析すること
により、投影光学系PLに残存する各収差成分を求める
こともできる。図9は、本実施形態にかかる投影光学系
の波面収差の計測に好適なフィゾー干渉計の構成を概略
的に示す図である。図9に示すフィゾー干渉計では、レ
ーザー光源91からの光(露光光と同じ波長を有する
光)が、コリメータレンズ92を介して平行光に変換さ
れた後、ビームスプリッター93に入射する。
【0070】ビームスプリッター93を透過した光は、
集光レンズ94を介して、ピンホール部材95に形成さ
れたピンホール上に集光する。このピンホールは、被検
光学系としての投影光学系PLの物体面に設置されてい
る。ピンホールを通過した光は、投影光学系PLを介し
て一旦集光した後、参照面としての凹面反射面を有する
凹面反射鏡96に入射する。凹面反射鏡96で反射され
た光は、投影光学系PL、ピンホール部材95および集
光レンズ94を介して、ビームスプリッター93に入射
する。ビームスプリッター93で反射された光は、ビー
ムエクスパンダー(不図示)を介してビーム径が変換さ
れた後に、CCDのような二次元撮像素子97に達す
る。こうして、二次元撮像素子97、ピンホール部材9
5などを投影光学系PLに対して二次元的に相対移動さ
せながら、二次元撮像素子97の出力に基づいて投影光
学系PLの波面収差を計測し、ひいては投影光学系PL
に残存する各収差成分を計測する。
【0071】さらに、たとえばウェハテーブルWS上に
固定された空間像検出器(不図示)を用いて投影光学系
PLの残存収差を計測することができる。空間像検出器
を用いる手法では、テストマスク上の各理想格子点の各
々に形成されたテストマークの像を露光用照明光で投影
しつつ、その像を空間像検出器のナイフエッジで走査す
るようにウェハステージWSをX方向およびY方向に二
次元的に移動させ、その際に空間像検出器から出力され
る光電信号の波形を解析することによって、投影光学系
PLの残存収差を計測する。
【0072】以下、説明を単純化するために、本実施形
態では、たとえばテスト露光により投影光学系PLの残
存収差を計測した結果、主として歪曲収差が補正すべき
残存収差として計測されたものと想定する。そこで、投
影光学系PLの残存収差の計測工程S11により求めた
残存歪曲収差の計測データに基づいて、たとえばコンピ
ュータを用いたシミュレーションにより、一対の補正部
材C1およびC2に付与すべき加工面の面形状を算出す
る(S12)。なお、面形状の算出に際して、投影光学
系PLを構成する各光学部材の実測データに基づくシミ
ュレーションを行うことが好ましい。
【0073】すなわち、投影光学系PLを構成する各光
学部材の光学面の面形状、中心厚、軸上空気間隔などの
実測データを用いたシミュレーションにより面形状を算
出することが好ましい。また、必要に応じて、投影光学
系PLを構成する各光学部材の屈折率分布のような光学
特性分布の実測データを用いたシミュレーションにより
面形状を算出することが好ましい。ここで、たとえばレ
ンズ成分のような各光学部材の面形状は、図10に示す
ようなフィゾー干渉計を用いて計測することができる。
【0074】図10に示すフィゾー干渉計では、たとえ
ばHe−Neレーザ装置のような光源101からの光
が、コリメータレンズ102を介して平行光に変換され
た後、ビームスプリッター103に入射する。ビームス
プリッター103で反射された光は、フィゾーレンズ1
04に入射する。フィゾーレンズ104を透過した光
は、被検光学部材105の被検面105aに入射する。
ここで、フィゾーレンズ104の最も被検面側の面10
4aがフィゾー面(参照面)を構成している。したがっ
て、フィゾーレンズ104に入射し、そのフィゾー面1
04aで反射された光が、参照光としてビームスプリッ
ター103へ戻る。
【0075】一方、フィゾーレンズ104を透過し、被
検光学部材105の被検面105aで反射された光が、
測定光としてビームスプリッター103へ戻る。ビーム
スプリッター103を透過した参照光と測定光とは、ビ
ームエクスパンダー(不図示)を介してビーム径が変換
された後に、CCDのような二次元撮像素子106に入
射する。二次元撮像素子106では、参照光と測定光と
の干渉により形成された干渉縞が検出される。こうし
て、二次元撮像素子106の出力に基づいて、被検光学
部材105の被検面105aの面形状が、ひいては投影
光学系PLを構成する各光学部材の光学面の面形状がそ
れぞれ計測される。
【0076】また、各光学部材の中心厚は、たとえば周
知の適当な光学的計測手法にしたがって求めることがで
きる。さらに、各光学部材の軸上空気間隔は、たとえば
各光学部材を保持する保持部材などを計測することによ
って求めることができる。また、各光学部材の屈折率分
布は、インゴットから切り出された加工前の平行平面板
(ディスク板)において透過波面を、たとえばフィゾー
干渉計で計測することによって求めることができる。こ
こで、計測される屈折率分布は、通常、加工前の平行平
面板の厚さ方向に沿った分布ではなく、その平行平面方
向に沿った二次元的な分布である。
【0077】なお、一対の補正部材C1およびC2に付
与すべき加工面の面形状の算出に際しては、前述したよ
うに、計測された残存歪曲収差の半分の量の歪曲収差を
補正するのに必要な面形状を、第1補正部材C1に付与
すべき面形状として算出する。そして、第1補正部材C
1の加工面と第2補正部材C2の加工面とが図4(a)
に示すような光路長関係を満たすように、第2補正部材
C2に付与すべき面形状を算出する。
【0078】次いで、投影光学系PLに設置されていた
加工前の第1補正部材C1および第2補正部材C2を取
り外し、たとえば専用の研磨加工機を用いて、面形状算
出工程S12での算出結果に基づいて、第1補正部材C
1の一方の面および第2補正部材C2の一方の面をそれ
ぞれ所要の面形状に研磨加工する(S13)。なお、ダ
ミーの計測用部材を用いて投影光学系PLの残存収差を
計測した場合には、投影光学系PLから第1補正部材C
1および第2補正部材C2を取り外す必要はなく、予め
用意された加工前の第1補正部材C1および第2補正部
材C2をそれぞれ所要の面形状に研磨加工する。また、
研磨加工された第1補正部材C1および第2補正部材C
2の加工面には、必要に応じて、所要のコート(反射防
止膜など)が施される。
【0079】次いで、研磨加工した第1補正部材C1お
よび第2補正部材C2の加工面の検査を行う(S1
4)。加工面の検査工程S14では、たとえばフィゾー
干渉計を用いて第1補正部材C1および第2補正部材C
2の透過波面を計測し、計測した透過波面に基づいて第
1補正部材C1および第2補正部材C2の加工面の面形
状を計測する。そして、第1補正部材C1および第2補
正部材C2を含む投影光学系PLの各光学部材の光学面
の面形状、中心厚、軸上空気間隔、屈折率分布などの実
測データを用いたシミュレーションにより、加工された
第1補正部材C1および第2補正部材C2の設定により
投影光学系PLにおいて発生するであろう収差を算出す
る。
【0080】上述の実測データを用いたシミュレーショ
ンにより算出された収差が、補正すべき残存歪曲収差を
充分に相殺可能であること、および他の収差を実質的に
新たに発生させないことを確認した上で、研磨加工され
た第1補正部材C1および第2補正部材C2を投影光学
系PLの所定位置にそれぞれ設定する(S15)。すな
わち、研磨加工された第1補正部材C1および第2補正
部材C2を、研磨加工前の第1補正部材C1および第2
補正部材C2が設置されていた位置にそれぞれ戻す。
【0081】なお、ダミーの計測用部材を用いて投影光
学系PLの残存収差を計測した場合には、投影光学系P
Lから第1計測用部材および第2計測用部材を取り外し
た後に、研磨加工された第1補正部材C1および第2補
正部材C2を投影光学系PL中に挿入して設定する。す
なわち、研磨加工された第1補正部材C1および第2補
正部材C2を、ダミーの第1計測用部材および第2計測
用部材が設置されていた位置にそれぞれ設定する。
【0082】一方、上述の実測データを用いたシミュレ
ーションにより算出された収差が、補正すべき残存歪曲
収差を充分に相殺可能でないこと、あるいは他の収差を
実質的に発生させることを確認した場合には、必要に応
じて、加工面の面形状算出工程S12、補正部材の研磨
加工工程S13、および加工面の検査工程S14を繰り
返すことになる。
【0083】最後に、研磨加工された第1補正部材C1
および第2補正部材C2を投影光学系PL中の所定位置
に設定した状態で、たとえばテスト露光により投影光学
系PLの残存収差を再び計測し、補正すべき残存収差が
良好に補正されているか否かを確認する(S16)。補
正すべき残存収差が良好に補正されていないことが確認
された場合には、必要に応じて、加工面の面形状算出工
程S12、補正部材の研磨加工工程S13、加工面の検
査工程S14、および補正部材の設定工程S15を繰り
返すことになる。補正すべき残存収差が良好に補正され
ていることが確認された場合には、本実施形態の製造方
法に関する一連の製造工程が終了する。
【0084】なお、上述の製造方法において、加工面の
検査工程S14は本実施形態において必須の工程ではな
く、必要に応じて加工面の検査工程S14を省略するこ
ともできる。また、加工面の面形状算出工程S12にお
いて各光学部材の実測データを用いることは本実施形態
において必須ではなく、たとえば各光学部材の設計デー
タを用いて加工面の面形状を算出することもできる。さ
らに、上述の製造方法では、残存歪曲収差を補正する例
を示しているが、前述したように、歪曲収差以外の他の
1つまたは複数の収差に対しても上述の製造方法を適用
することは可能である。
【0085】図11は、本実施形態の変形例にかかる投
影光学系の製造方法における製造フローを示すフローチ
ャートである。図11に示す変形例にかかる製造方法
は、図8に示す実施形態の製造方法と類似している。し
かしながら、上述の実施形態では投影光学系PLが第1
補正部材C1および第2補正部材C2の設定を前提とし
て設計されているのに対し、変形例では投影光学系PL
が第1補正部材C1および第2補正部材C2の設定を前
提として設計されていない点が基本的に相違している。
以下、上述の実施形態の製造方法との相違点に着目し
て、変形例の製造方法を説明する。
【0086】上述したように、変形例にかかる製造方法
では、投影光学系PLが第1補正部材C1および第2補
正部材C2の設定を前提として設計されていない。した
がって、投影光学系PLの残存収差を補正するために第
1補正部材C1および第2補正部材C2を挿入すると、
投影光学系PLの物体面と像面との間の距離すなわち物
像間距離が変化し、球面収差などの諸収差が変動し、ひ
いては光学特性が悪化する。
【0087】そこで、変形例にかかる製造方法では、図
11に示すように、投影光学系PL中に第1補正部材C
1および第2補正部材C2を挿入することにより発生す
る物像間距離の変化を調整するために必要なマスクおよ
びウェハの所要シフト量を算出する(S21)。具体的
には、マスクおよびウェハの所要シフト量を、投影光学
系PLの物像間距離の変化量ととらえ、挿入する第1補
正部材C1および第2補正部材C2の厚さおよびその屈
折率に基づいて算出する。
【0088】次いで、加工前の第1補正部材C1および
第2補正部材C2、または挿入すべき第1補正部材C1
および第2補正部材C2と同じ光学特性(光学的厚さ)
を有する第1計測用部材および第2計測用部材(すなわ
ち同じ厚さを有する一対のダミーの平行平面板)を、投
影光学系PL中の所定位置にそれぞれ挿入して位置決め
する(S22)。以下、計測用部材ではなく、加工前の
第1補正部材C1および第2補正部材C2を投影光学系
PL中の所定位置にそれぞれ位置決めするものとして説
明する。
【0089】このとき、加工前の第1補正部材C1およ
び第2補正部材C2を投影光学系PL中の所定位置に設
定する工程に先立って、加工前の第1補正部材C1およ
び第2補正部材C2を所定位置に保持するための保持部
材を予め配置する。そして、第1補正部材C1および第
2補正部材C2の挿入に伴って発生する物像間距離の変
化を調整するために、算出工程S21で算出した所要シ
フト量だけ、マスクステージMSおよびウェハステージ
WSを、ひいてはマスクMおよびウェハWをそれぞれ移
動させる(S23)。なお、加工前の第1補正部材C1
および第2補正部材C2を挿入する工程S22とマスク
MおよびウェハWを移動させる工程S23とは順不同で
あり、第1補正部材C1および第2補正部材C2の挿入
工程S22に先立ってマスクMおよびウェハWの移動工
程S23を実行することもできる。
【0090】以下、変形例にかかる製造方法において
も、上述の実施形態にかかる製造方法と同様に、残存収
差の計測工程S24(上述の実施形態ではS11)、加
工面の面形状算出工程S25(上述の実施形態ではS1
2)、補正部材の研磨加工工程S26(上述の実施形態
ではS13)、加工面の検査工程S27(上述の実施形
態ではS14)、補正部材の設定工程S28(上述の実
施形態ではS15)、および残存収差の確認工程S29
(上述の実施形態ではS16)が、必要に応じて順次実
行される。
【0091】なお、上述の変形例にかかる製造方法で
は、第1補正部材C1および第2補正部材C2の挿入工
程に際してマスクMおよびウェハWを移動させている。
しかしながら、マスクMおよびウェハWの移動による物
像間距離調整では調整できない光学特性の悪化が発生す
る場合には、その光学特性の悪化を補正するために、投
影光学系PLを構成する各光学部材のうち少なくとも1
つの光学部材(調整光学部材)を調整することが好まし
い。すなわち、マスクMおよびウェハWの所要シフト量
の算出に加えて、各調整光学部材の所要調整量を算出
し、マスクMおよびウェハWを移動させるとともに、各
調整光学部材をそれぞれ所要調整量だけ微動させること
が好ましい。
【0092】また、上述の変形例にかかる製造方法で
は、加工前の第1補正部材C1および第2補正部材C2
を投影光学系PLに挿入した状態で、投影光学系PLの
残存収差を計測している。しかしながら、第1補正部材
C1および第2補正部材C2を挿入しない状態で投影光
学系PLの残存収差を計測する第2変形例も可能であ
る。この第2変形例では、第1補正部材C1および第2
補正部材C2を挿入しない状態で計測した投影光学系P
Lの残存収差データに基づいて、第1補正部材C1およ
び第2補正部材C2の加工面の面形状を算出し、算出し
た面形状にしたがって第1補正部材C1および第2補正
部材C2を研磨加工する。
【0093】そして、研磨加工された第1補正部材C1
および第2補正部材C2を投影光学系PL中の所定位置
に挿入してそれぞれ位置決めする。第1補正部材C1お
よび第2補正部材C2を位置決めした後、あるいは第1
補正部材C1および第2補正部材C2の位置決めに先立
って、研磨加工された第1補正部材C1および第2補正
部材C2の挿入に伴って発生する物像間距離の変化を調
整するために、予め算出しておいた所要シフト量だけマ
スクMおよびウェハWをそれぞれ移動させる。
【0094】なお、第2変形例においても、マスクMお
よびウェハWの移動による物像間距離調整では調整でき
ない光学特性の悪化が発生する場合には、その光学特性
の悪化を補正するために、投影光学系PLを構成する各
光学部材のうち少なくとも1つの光学部材を調整するこ
とが好ましい。すなわち、マスクMおよびウェハWの所
要シフト量の算出に加えて、各調整光学部材の所要調整
量を予め算出しておき、マスクMおよびウェハWを移動
させるとともに、各調整光学部材をそれぞれ所要調整量
だけ微動させることが好ましい。
【0095】以下、本実施形態の変形例にかかる投影光
学系の製造方法における一対の補正部材の具体的な作用
について、数値実施例を参照して検討する。図12は、
本実施形態の変形例にかかる投影光学系のレンズ構成を
示す図であって、(a)は一対の補正部材が設定される
前の状態を示し、(b)は一対の補正部材が設定された
後の状態を示している。図12の変形例にかかる投影光
学系は、図7の実施形態にかかる投影光学系と基本的に
同じ構成を有する。しかしながら、図7の実施形態にか
かる投影光学系では一対の補正部材の設定を前提として
設計されているのに対し、図12の変形例にかかる投影
光学系では一対の補正部材の設定を前提として設計され
ていない。
【0096】本実施形態の変形例にかかる投影光学系P
Lは、図12(a)に示すように、物体側(すなわちマ
スク側)から順に、第1部分光学系G1と、開口絞りA
Sと、この開口絞りASに関して第1部分光学系G1と
対称的に構成された第2部分光学系G2とから構成され
ている。換言すると、第2部分光学系G2は、そのレン
ズ形状、そのレンズ間隔およびその光学材料において、
投影光学系PLの瞳面に配置された開口絞りASに関し
て第1部分光学系G1と対称的に構成されている。した
がって、本実施形態の変形例にかかる投影光学系PL
は、等倍の投影倍率を有し、両側にテレセントリックで
ある。
【0097】第1部分光学系G1は、物体側から順に、
正の屈折力を有する第1正レンズ群G1Pと、負の屈折力
を有する第1負レンズ群G1Nと、正の屈折力を有する第
2正レンズ群G2Pとから構成されている。そして、第1
正レンズ群G1Pは、物体側から順に、両凹レンズ
1P1、両凸レンズL1P2、両凸レンズL1P3、両凸レン
ズL1 P4、および物体側に凸面を向けた正メニスカスレ
ンズL1P5から構成されている。
【0098】また、第1負レンズ群G1Nは、物体側から
順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズレンズ
1N1、両凹レンズL1N2、物体側に凹面を向けた負メニ
スカスレンズL1N3、および両凹レンズL1N4から構成さ
れている。さらに、第2正レンズ群G2Pは、物体側から
順に、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズ
2P 1、両凸レンズL2P2、両凸レンズL2P3、物体側に
凹面を向けた負メニスカスレンズL2P4、両凸レンズL
2P5、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL2P6
および両凹レンズL2P7から構成されている。
【0099】一方、第2部分光学系G2は、物体側から
順に、正の屈折力を有する第3正レンズ群G3Pと、負の
屈折力を有する第2負レンズ群G2Nと、正の屈折力を有
する第4正レンズ群G4Pとから構成されている。上述し
たように、第2部分光学系G2は、開口絞りASに関し
て第1部分光学系G1と対称的に構成されている。すな
わち、第3正レンズ群G3Pは開口絞りASに関して第2
正レンズ群G2Pと対称的に構成され、第2負レンズ群G
2Nは開口絞りASに関して第1負レンズ群G1Nと対称的
に構成され、第4正レンズ群G4Pは開口絞りASに関し
て第1正レンズ群G1Pと対称的に構成されている。
【0100】したがって、第3正レンズ群G3Pは、像側
(ウェハW側)から順に、像側に凹面を向けた正メニス
カスレンズL3P1、両凸レンズL3P2、両凸レンズ
3P3、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズL3P4
両凸レンズL3P5、像側に凸面を向けた正メニスカスレ
ンズL3P6、および両凹レンズL3P7から構成されてい
る。また、第2負レンズ群G2Nは、像側から順に、像側
に凸面を向けた負メニスカスレンズレンズL2N1、両凹
レンズL2N2、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズ
2N3、および両凹レンズL2N4から構成されている。さ
らに、第4正レンズ群G4Pは、像側から順に、両凹レン
ズL4P1、両凸レンズL4P2、両凸レンズL4P3、両凸レ
ンズL4P4、および像側に凸面を向けた正メニスカスレ
ンズL4P5から構成されている。
【0101】次の表(1)に、変形例において一対の補
正部材が設定される前の投影光学系PLの諸元の値を掲
げる。表(1)の主要諸元において、NAは物体側での
開口数(像側での開口数も同じ)を、Y0は最大像高を
それぞれ示している。また、表(1)の光学部材諸元に
おいて、第1カラムの面番号は物体側からの光線進行方
向に沿った面の順序を、第2カラムのrは各面の曲率半
径(mm)を、第3カラムのdは各面の軸上間隔すなわ
ち面間隔(mm)を、第4カラムのφは有効径(直径:
mm)を、第5カラムのnは露光光(λ=365nm)
に対する屈折率をそれぞれ示している。
【0102】
【表1】 (主要諸元) NA=0.145 Y0=71mm (光学部材諸元) 面番号 r d φ n 光学部材 (マスク面) 107.973 1 -408.3940 20.000 170.99 1.46393 L1P1 2 582.7112 18.858 183.17 3 6326.7101 24.821 191.55 1.61301 L1P2 4 -417.1744 1.000 196.42 5 1144.9841 26.600 202.25 1.61301 L1P3 6 -501.8754 1.000 203.88 7 745.5130 27.300 203.34 1.61301 L1P4 8 -615.3866 1.000 201.88 9 357.1055 24.700 192.51 1.61301 L1P5 10 35003.3120 1.000 187.06 11 236.3020 18.500 173.36 1.46393 L1N1 12 125.5355 38.823 151.65 13 -807.7559 16.000 146.69 1.46393 L1N2 14 249.4797 40.125 138.76 15 -409.4722 16.633 135.50 1.46393 L1N3 16 -2189.5430 57.464 135.86 17 -171.5687 16.000 135.66 1.61301 L1N4 18 3299.8032 31.571 145.44 19 -561.4390 26.200 159.34 1.46393 L2P1 20 -242.9847 1.000 167.30 21 930.9894 30.348 174.25 1.46393 L2P2 22 -279.9768 1.000 176.35 23 620.0982 35.942 175.27 1.46393 L2P3 24 -227.7009 2.393 173.72 25 -224.4758 16.500 172.18 1.61301 L2P4 26 -396.0867 1.000 171.52 27 462.5718 23.012 166.05 1.46393 L2P5 28 -735.5453 1.000 162.48 29 210.9895 22.100 151.23 1.47455 L2P6 30 241.4826 19.733 140.01 31 -811.1572 14.000 136.05 1.46393 L2P7 32 224.5956 16.403 127.42 33 ∞ 16.403 126.02 AS 34 -224.5956 14.000 124.75 1.46393 L3P7 35 811.1572 19.733 132.00 36 -241.4826 22.100 137.07 1.47455 L3P6 37 -210.9895 1.000 149.44 38 735.5453 23.012 161.57 1.46393 L3P5 39 -462.5718 1.000 165.40 40 396.0867 16.500 171.38 1.61301 L3P4 41 224.4758 2.393 172.18 42 227.7009 35.942 173.72 1.46393 L3P3 43 -620.0982 1.000 175.27 44 279.9768 30.348 176.35 1.46393 L3P2 45 -930.9894 1.000 174.25 46 242.9847 26.200 167.30 1.46393 L3P1 47 561.4390 31.571 159.34 48 -3299.8030 16.000 145.44 1.61301 L2N4 49 171.5687 57.464 135.66 50 2189.5433 16.633 135.86 1.46393 L2N3 51 409.4722 40.125 135.50 52 -249.4797 16.000 138.76 1.46393 L2N2 53 807.7559 38.823 146.69 54 -125.5355 18.500 151.65 1.46393 L2N1 55 -236.3020 1.000 173.36 56 -35003.3120 24.700 187.05 1.61301 L4P5 57 -357.1055 1.000 192.51 58 615.3866 27.300 201.87 1.61301 L4P4 59 -745.5130 1.000 203.34 60 501.8754 26.600 203.88 1.61301 L4P3 61 -1144.9840 1.000 202.25 62 417.1744 24.821 196.42 1.61301 L4P2 63 -6326.7100 18.858 191.55 64 -582.7112 20.000 183.17 1.46393 L4P1 65 408.3940 107.973 (ウェハ面)
【0103】図13は、変形例において一対の補正部材
が設定される前の投影光学系の非点収差および歪曲収差
を示す図である。各収差図において、横軸は像高比を示
している。また、非点収差を示す収差図において、実線
はサジタル像面を示し、破線はメリディオナル像面を示
している。なお、収差図の表記は、他の関連する図面
(図14、図16〜図18)においても同様である。図
13の各収差図から明らかなように、変形例にかかる投
影光学系PLでは、一対の補正部材の設定を前提として
いない設計状態において、非点収差(像面湾曲)および
歪曲収差が良好に補正されていることがわかる。
【0104】しかしながら、前述したように、実際に製
造された露光装置の投影光学系には、様々な要因に起因
して調整すべき収差、たとえば非点収差および歪曲収差
が残存することがある。その場合、変形例では、投影光
学系PLの残存収差を補正するために、第1補正部材C
1および第2補正部材C2を挿入する。このとき、一対
の補正部材C1およびC2の挿入により、投影光学系P
Lの物像間距離が変化し、光学特性が悪化する。そこ
で、投影光学系PLの物像間距離の変化を調整するとと
もに悪化した光学特性を補正するために、各光学部材の
間隔を調整する。
【0105】次の表(2)に、変形例において一対の補
正部材が設定され且つ各光学部材の間隔が調整された後
の投影光学系PLの諸元の値を掲げる。表(2)の主要
諸元において、NAは物体側での開口数(像側での開口
数も同じ)を、Y0は最大像高をそれぞれ示している。
また、表(2)の光学部材諸元において、第1カラムの
面番号は物体側からの光線進行方向に沿った面の順序
を、第2カラムのrは各面の曲率半径(mm)を、第3
カラムのdは各面の軸上間隔すなわち面間隔(mm)
を、第4カラムのφは有効径(直径:mm)を、第5カ
ラムのnは露光光(λ=365nm)に対する屈折率を
それぞれ示している。
【0106】
【表2】 (光学部材諸元) 面番号 r d φ n 光学部材 (マスク面) 90.000 ∞ 2.000 144.93 1.47455 C1 ∞ 16.411 144.93 1 -408.3940 20.000 170.99 1.46393 L1P1 2 582.7112 19.044 183.17 3 6326.7101 24.821 191.55 1.61301 L1P2 4 -417.1744 1.000 196.42 5 1144.9841 26.600 202.25 1.61301 L1P3 6 -501.8754 1.000 203.88 7 745.5130 27.300 203.34 1.61301 L1P4 8 -615.3866 1.000 201.88 9 357.1055 24.700 192.51 1.61301 L1P5 10 35003.3120 1.000 187.06 11 236.3020 18.500 173.36 1.46393 L1N1 12 125.5355 39.306 151.65 13 -807.7559 16.000 146.69 1.46393 L1N2 14 249.4797 38.472 138.76 15 -409.4722 16.633 135.50 1.46393 L1N3 16 -2189.5430 60.080 135.86 17 -171.5687 16.000 135.66 1.61301 L1N4 18 3299.8032 31.141 145.44 19 -561.4390 26.200 159.34 1.46393 L2P1 20 -242.9847 1.000 167.30 21 930.9894 30.348 174.25 1.46393 L2P2 22 -279.9768 1.000 176.35 23 620.0982 35.942 175.27 1.46393 L2P3 24 -227.7009 2.393 173.72 25 -224.4758 16.500 172.18 1.61301 L2P4 26 -396.0867 1.000 171.52 27 462.5718 23.012 166.05 1.46393 L2P5 28 -735.5453 1.000 162.48 29 210.9895 22.100 151.23 1.47455 L2P6 30 241.4826 19.964 140.01 31 -811.1572 14.000 136.05 1.46393 L2P7 32 224.5956 14.534 127.42 33 ∞ 14.534 126.02 AS 34 -224.5956 14.000 124.75 1.46393 L3P7 35 811.1572 19.964 132.00 36 -241.4826 22.100 137.07 1.47455 L3P6 37 -210.9895 1.000 149.44 38 735.5453 23.012 161.57 1.46393 L3P5 39 -462.5718 1.000 165.40 40 396.0867 16.500 171.38 1.61301 L3P4 41 224.4758 2.393 172.18 42 227.7009 35.942 173.72 1.46393 L3P3 43 -620.0982 1.000 175.27 44 279.9768 30.348 176.35 1.46393 L3P2 45 -930.9894 1.000 174.25 46 242.9847 26.200 167.30 1.46393 L3P1 47 561.4390 31.141 159.34 48 -3299.8030 16.000 145.44 1.61301 L2N4 49 171.5687 60.080 135.66 50 2189.5433 16.633 135.86 1.46393 L2N3 51 409.4722 38.472 135.50 52 -249.4797 16.000 138.76 1.46393 L2N2 53 807.7559 39.306 146.69 54 -125.5355 18.500 151.65 1.46393 L2N1 55 -236.3020 1.000 173.36 56 -35003.3120 24.700 187.05 1.61301 L4P5 57 -357.1055 1.000 192.51 58 615.3866 27.300 201.87 1.61301 L4P4 59 -745.5130 1.000 203.34 60 501.8754 26.600 203.88 1.61301 L4P3 61 -1144.9840 1.000 202.25 62 417.1744 24.821 196.42 1.61301 L4P2 63 -6326.7100 19.044 191.55 64 -582.7112 20.000 183.17 1.46393 L4P1 65 408.3940 16.411 170.99 ∞ 2.000 144.93 1.47455 C2 ∞ 90.000 144.93 (ウェハ面)
【0107】変形例では、表(2)に示すように、厚さ
が2mmの平行平面状の第1補正部材C1をマスクMと
の間に90mmの間隔を隔てて配置するとともに、厚さ
が2mmの平行平面状の第2補正部材C2をウェハWと
の間に90mmの間隔を隔てて配置している。また、図
12(b)に示すように、マスクMとレンズL1P1との
間隔が0.438mmだけ増大し、レンズL1P1とレン
ズL1P2との間隔が0.186mmだけ増大し、レンズ
1N1とレンズL1N2との間隔が0.482mmだけ増大
し、レンズL1N2とレンズL1N3との間隔が1.654m
mだけ減少し、レンズL1N3とレンズL1N4との間隔が
2.616mmだけ増大し、レンズL1N4とレンズL2P1
との間隔が0.431mmだけ減少し、レンズL2P6
レンズL2P7との間隔が0.230mmだけ増大し、レ
ンズL2P7とレンズL3P7との間隔が3.738mmだけ
減少し(すなわちレンズL2P7と開口絞りASとの間隔
および開口絞りASとレンズL3P7との間隔がともに
1.869mmだけ減少し)、レンズL3P7とレンズL
3P6との間隔が0.230mmだけ増大し、レンズL3P1
とレンズL2N4との間隔が0.431mmだけ減少し、
レンズL2N4とレンズL2N3との間隔が2.616mmだ
け増大し、レンズL2N3とレンズL2N2との間隔が1.6
54mmだけ減少し、レンズL2N2とレンズL2N1との間
隔が0.482mmだけ増大し、レンズL4P2とレンズ
4P1との間隔が0.186mmだけ増大し、レンズL
4P1とウェハWとの間隔が0.438mmだけ増大する
ように、各光学部材の間隔を調整している。
【0108】図14は、変形例において一対の補正部材
が設定され且つ各光学部材の間隔が調整された後の投影
光学系の非点収差および歪曲収差を示す図である。図1
4の各収差図から明らかなように、変形例にかかる投影
光学系PLでは、一対の補正部材の設定を前提として設
計されていないが、残存収差を補正するための一対の補
正部材を設定しても各光学部材の間隔を調整することに
よって、設計状態とほぼ同等の良好な収差状態を得るこ
とができることがわかる。
【0109】次いで、第1補正部材C1の一方の面(た
とえば像側の面)を、図15に示すように、光軸を中心
とした回転対称形状に加工する。ここで、第1補正部材
C1の加工面の中心(光軸と加工面との交点)を原点と
し、その半径方向に座標φを設定し、加工面のサグ量す
なわち原点と加工面上の任意の点との間の光軸方向に沿
った距離をSとすると、加工面は次の式(1)で表され
ている。
【0110】 S=C2×φ2+C4×φ4+C6×φ6+C8×φ8 (1) 具体的には、各係数C2〜C8の値は次の通りである。 C2=3.529123×10-74=−2.300851×10-106=4.744997×10-148=−3.035777×10-18
【0111】図16は、変形例において第1補正部材の
一方の面を回転対称形状に加工したときの投影光学系の
非点収差および歪曲収差を示す図である。図16の各収
差図から明らかなように、一対の補正部材C1およびC
2のうち一方の補正部材C1の補正面だけを加工する
と、非点収差および歪曲収差がともに発生することがわ
かる。これは、図3を参照して前述した比較例の不都合
の説明に合致している。
【0112】そこで、本発明にしたがって、一対の補正
部材C1およびC2の双方を加工する。具体的な一例と
して、第1補正部材C1の像側の面を図15に示す面形
状に加工するとともに、第2補正部材C2の物体側の面
を第1補正部材C1の加工面と相補的な面形状に加工す
る。この場合、主光線が第1補正部材C1を通過する時
の第1補正部材C1での第1光学的光路長と上記主光線
が第2補正部材C2を通過する時の第2光学部材C2で
の第2光学的光路長との和が任意の主光線において等し
くなるように設定されている。
【0113】図17は、変形例において第1補正部材お
よび第2補正部材の双方を互いに相補的な面形状に加工
したときの投影光学系の非点収差および歪曲収差を示す
図である。図17の各収差図から明らかなように、一対
の補正部材C1およびC2を互いに相補的な面形状に加
工すると、非点収差(像面湾曲)がほとんど発生するこ
となく、一対の補正部材C1およびC2のうち一方の補
正部材C1の補正面だけを加工することによって発生す
る歪曲収差の2倍の量の歪曲収差だけが発生することが
わかる。これは、図4を参照して前述した本発明の作用
の説明に合致している。
【0114】また、別の具体的な一例として、第1補正
部材C1の像側の面を図15に示す面形状に加工すると
ともに、第2補正部材C2の物体側の面も第1補正部材
C1の加工面と同じ面形状に加工する。この場合、主光
線が第1補正部材C1を通過する時の第1補正部材C1
での第1光学的光路長と上記主光線が第2補正部材C2
を通過する時の第2光学部材C2での第2光学的光路長
との差が任意の主光線において等しくなるように設定さ
れている。
【0115】図18は、変形例において第1補正部材お
よび第2補正部材の双方を互いに同じ面形状に加工した
ときの投影光学系の非点収差および歪曲収差を示す図で
ある。図18の各収差図から明らかなように、一対の補
正部材C1およびC2を互いに同じ面形状に加工する
と、歪曲収差がほとんど発生することなく、一対の補正
部材C1およびC2のうち一方の補正部材C1の補正面
だけを加工することによって発生する非点収差(像面湾
曲)の2倍の量の非点収差(像面湾曲)だけが発生する
ことがわかる。これは、図5を参照して前述した本発明
の作用の説明に合致している。
【0116】以上の数値実施例において、一対の補正部
材C1およびC2の加工量に対応して、発生する像面湾
曲の発生量および歪曲収差の発生量が一義的に決まる。
したがって、投影光学系PLにおいて主として歪曲収差
が残存しているような場合、像面湾曲を実質的に発生さ
せることなく、投影光学系PLの残存歪曲収差を良好に
補正することができる。また、投影光学系PLにおいて
主として像面湾曲が残存しているような場合、歪曲収差
を実質的に発生させることなく、投影光学系PLの残存
像面湾曲を良好に補正することができる。なお、上述の
数値実施例では、説明を簡単にするために補正面を回転
対称形状に加工しているが、残存収差に応じて回転非対
称形状に加工することもできることはいうまでもない。
【0117】なお、図6に示す実施形態における各光学
部材および各ステージ等を前述したような機能を達成す
るように、電気的、機械的または光学的に連結すること
で、本実施形態にかかる露光装置を組み上げることがで
きる。次に、図6に示す実施形態にかかる露光装置を用
いて感光性基板としてのウェハ等に所定の回路パターン
を形成することによって、マイクロデバイスとしての半
導体デバイスを得る際の手法の一例につき図19のフロ
ーチャートを参照して説明する。
【0118】先ず、図19のステップ301において、
1ロットのウェハ上に金属膜が蒸着される。次のステッ
プ302において、その1ロットのウェハ上の金属膜上
にフォトレジストが塗布される。その後、ステップ30
3において、図6に示す露光装置を用いて、マスク(レ
チクル)上のパターンの像がその投影光学系(投影光学
ユニット)PLを介して、その1ロットのウェハ上の各
ショット領域に順次露光転写される。その後、ステップ
304において、その1ロットのウェハ上のフォトレジ
ストの現像が行われた後、ステップ305において、そ
の1ロットのウェハ上でレジストパターンをマスクとし
てエッチングを行うことによって、マスク上のパターン
に対応する回路パターンが、各ウェハ上の各ショット領
域に形成される。その後、更に上のレイヤの回路パター
ンの形成等を行うことによって、半導体素子等のデバイ
スが製造される。上述の半導体デバイス製造方法によれ
ば、極めて微細な回路パターンを有する半導体デバイス
をスループット良く得ることができる。
【0119】また、図6に示す露光装置では、プレート
(ガラス基板)上に所定のパターン(回路パターン、電
極パターン等)を形成することによって、マイクロデバ
イスとしての液晶表示素子を得ることもできる。以下、
図20のフローチャートを参照して、このときの手法の
一例につき説明する。
【0120】図20において、パターン形成工程401
では、本実施形態の露光装置を用いてマスク(レチク
ル)のパターンを感光性基板(レジストが塗布されたガ
ラス基板等)に転写露光する、所謂光リソグラフィー工
程が実行される。この光リソグラフィー工程によって、
感光性基板上には多数の電極等を含む所定パターンが形
成される。その後、露光された基板は、現像工程、エッ
チング工程、レチクル剥離工程等の各工程を経ることに
よって、基板上に所定のパターンが形成され、次のカラ
ーフィルター形成工程402へ移行する。
【0121】次に、カラーフィルター形成工程402で
は、R(Red)、G(Green)、B(Blue)に対応した3
つのドットの組がマトリックス状に多数配列されたり、
またはR、G、Bの3本のストライプのフィルターの組
を複数水平走査線方向に配列したカラーフィルターを形
成する。そして、カラーフィルター形成工程402の後
に、セル組み立て工程403が実行される。
【0122】セル組み立て工程403では、パターン形
成工程401にて得られた所定パターンを有する基板、
およびカラーフィルター形成工程402にて得られたカ
ラーフィルター等を用いて液晶パネル(液晶セル)を組
み立てる。セル組み立て工程403では、例えば、パタ
ーン形成工程401にて得られた所定パターンを有する
基板とカラーフィルター形成工程402にて得られたカ
ラーフィルターとの間に液晶を注入して、液晶パネル
(液晶セル)を製造する。
【0123】その後、モジュール組み立て工程404に
て、組み立てられた液晶パネル(液晶セル)の表示動作
を行わせる電気回路、バックライト等の各部品を取り付
けて液晶表示素子として完成させる。上述の液晶表示素
子の製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有
する液晶表示素子をスループット良く得ることができ
る。
【0124】なお、上述の実施形態では、i線(365
nm)の露光光を供給する超高圧水銀ランプを光源とし
て用いた例を示したが、露光光の波長はi線には限られ
ない。例えば、光源として超高圧水銀ランプを用い、g
線(436nm)のみ、h線(405nm)のみ、g線
とh線、h線とi線、あるいはg線とh線とi線とを露
光光として用いることもできる。
【0125】また、光源として248nmの光を供給す
るKrFエキシマレーザ、193nmの光を供給するA
rFエキシマレーザ、157nmの光を供給するF2
ーザなどを光源として用いても良い。ここで、KrFエ
キシマレーザを光源として用いる場合においては、露光
光を狭帯化したときには投影光学系中の屈折性光学素子
として石英ガラスを用い、露光光量を増すために露光光
を狭帯化しないときには投影光学系中の屈折性光学素子
として石英ガラスと蛍石とを用いる。また、ArFエキ
シマレーザを光源として用いる場合においては、投影光
学系中の屈折性光学素子として石英ガラスと蛍石とを用
いる。また、F2レーザを光源として用いる場合には、
投影光学系中の屈折性光学素子として蛍石を用いる。
【0126】また、上述の実施形態および変形例では、
たとえば特願平11−345551号明細書および図面
において提案したように、補正部材の設定を前提に設計
された投影光学系および露光装置の製造における初期調
整、および補正部材の設定を前提に設計されていない投
影光学系および露光装置の製造における初期調整(レト
ロフィット対応)について説明している。しかしなが
ら、投影光学系の残存収差は、その使用に伴って経時的
に変化(変動)することが考えられる。したがって、補
正部材の設定を前提に設計されているといないとを問わ
ず、投影光学系の残存収差を随時計測し、必要に応じ
て、本発明にしたがう残存収差の補正(調整)を行うこ
とができる。
【0127】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の投影光学
系およびその製造方法では、他の収差を実質的に発生さ
せることなく、平行平面状の補正部材の比較的少ない加
工量で残存収差を良好に補正することができる。したが
って、本発明では、残存収差が良好に補正されて高い光
学性能を有する投影光学系を備えた高性能の露光装置を
製造することができる。また、本発明では、高い光学性
能を有する投影光学系を備えた露光装置を用いた良好な
露光により、良好なマイクロデバイスを製造することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本的な原理を説明する図であって、
その全体の構成を概略的に示す図である。
【図2】従来技術にしたがう比較例における不都合を説
明する図である。
【図3】従来技術にしたがう比較例における不都合を説
明する図である。
【図4】本発明の典型的な形態における残存歪曲収差の
補正を説明する図である。
【図5】本発明の典型的な形態における残存像面湾曲の
補正を説明する図である。
【図6】本発明の実施形態にかかる投影光学系を備えた
露光装置の構成を概略的に示す図である。
【図7】本実施形態の投影光学系のレンズ構成を示す図
である。
【図8】本実施形態にかかる投影光学系の製造方法にお
ける製造フローを示すフローチャートである。
【図9】本実施形態にかかる投影光学系の波面収差の計
測に好適なフィゾー干渉計の構成を概略的に示す図であ
る。
【図10】本実施形態にかかる投影光学系を構成する各
光学部材の面形状の計測に好適なフィゾー干渉計の構成
を概略的に示す図である。
【図11】本実施形態の変形例にかかる投影光学系の製
造方法における製造フローを示すフローチャートであ
る。
【図12】本実施形態の変形例にかかる投影光学系のレ
ンズ構成を示す図であって、(a)は一対の補正部材が
設定される前の状態を示し、(b)は一対の補正部材が
設定された後の状態を示している。
【図13】変形例において一対の補正部材が設定される
前の投影光学系の非点収差および歪曲収差を示す図であ
る。
【図14】変形例において一対の補正部材が設定され且
つ各光学部材の間隔が調整された後の投影光学系の非点
収差および歪曲収差を示す図である。
【図15】変形例において補正部材に付与する加工面の
形状を示す図である。
【図16】変形例において第1補正部材の一方の面を回
転対称形状に加工したときの投影光学系の非点収差およ
び歪曲収差を示す図である。
【図17】変形例において第1補正部材および第2補正
部材の双方を互いに相補的な面形状に加工したときの投
影光学系の非点収差および歪曲収差を示す図である。
【図18】変形例において第1補正部材および第2補正
部材の双方を互いに同じ面形状に加工したときの投影光
学系の非点収差および歪曲収差を示す図である。
【図19】マイクロデバイスとしての半導体デバイスを
得る際の手法の一例について、そのフローチャートを示
す図である。
【図20】マイクロデバイスとしての液晶表示素子を得
る際の手法の一例について、そのフローチャートを示す
図である。
【符号の説明】
1 光源 2 楕円鏡 4 コリメートレンズ 5 波長選択フィルタ 6 フライアイレンズ 7 開口絞り 8 コンデンサー光学系 M マスク MS マスクステージ PL 投影光学系 W ウェハ WS ウェハステージ C1 第1補正部材 C2 第2補正部材 G1 第1部分光学系 G2 第2部分光学系 AS 開口絞り
フロントページの続き Fターム(参考) 2H087 KA21 LA01 NA01 NA09 PA15 PA17 PB20 QA03 QA06 QA19 QA21 QA25 QA39 QA41 QA45 RA05 RA11 RA32 RA42 5F046 CB19 CB25 DA13 DB05

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1面の像を第2面に投影する投影光学
    系において、 前記第1面と前記第2面との間の光路中に設定された第
    1補正部材と、前記第1補正部材と前記第2面との間の
    光路中に設定された第2補正部材とを備え、 前記第1補正部材の少なくとも一方の面および前記第2
    補正部材の少なくとも一方の面は、前記投影光学系に残
    存する少なくとも1つの種類の残存収差を分担しながら
    補正するために、所要の形状にそれぞれ加工されている
    ことを特徴とする投影光学系。
  2. 【請求項2】 前記第1補正部材は前記第1面と前記投
    影光学系の最も第1面側に配置されたレンズ成分との間
    の光路中に設定され、前記第2補正部材は前記投影光学
    系の最も第2面側に配置されたレンズ成分と前記第2面
    との間の光路中に設定されていることを特徴とする請求
    項1に記載の投影光学系。
  3. 【請求項3】 前記第1補正部材は前記第1面と前記投
    影光学系の瞳面との間の光路中に設定され、前記第2補
    正部材は前記投影光学系の瞳面と前記第2面との間の光
    路中に設定されていることを特徴とする請求項1に記載
    の投影光学系。
  4. 【請求項4】 前記第1補正部材の一方の面および前記
    第2補正部材の一方の面は、第1の収差を補正するため
    の所要の形状に加工され、 前記第1補正部材の他方の面および前記第2補正部材の
    他方の面は、前記第1の収差とは異なる第2の収差を補
    正するための所要の形状に加工されていることを特徴と
    する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の投影光学
    系。
  5. 【請求項5】 前記第1補正部材の前記一方の面は前記
    第1面に対向し、且つ前記第2補正部材の前記一方の面
    は前記第2面に対向し、 前記第1補正部材の前記他方の面と前記第2補正部材の
    前記他方の面とは互いに対向していることを特徴とする
    請求項4に記載の投影光学系。
  6. 【請求項6】 前記第1補正部材の一方の面および前記
    第2補正部材の一方の面は、互いに異なる2つの収差を
    分担しながら補正するために、所要の形状にそれぞれ加
    工されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれ
    か1項に記載の投影光学系。
  7. 【請求項7】 前記第1補正部材の前記一方の面と前記
    第2補正部材の前記一方の面または前記第1補正部材の
    他方面と前記第2補正部材の他方の面とは、互いに対向
    していることを特徴とする請求項6に記載の投影光学
    系。
  8. 【請求項8】 前記第1補正部材および前記第2補正部
    材は、主光線が前記第1補正部材を通過する時の前記第
    1補正部材での第1光学的光路長と前記主光線が前記第
    2補正部材を通過する時の前記第2光学部材での第2光
    学的光路長との和が任意の主光線においてほぼ等しくな
    るように設定されていることを特徴とする請求項1乃至
    7のいずれか1項に記載の投影光学系。
  9. 【請求項9】 前記第1補正部材および前記第2補正部
    材は、主光線が前記第1補正部材を通過する時の前記第
    1補正部材での第1光学的光路長と前記主光線が前記第
    2補正部材を通過する時の前記第2光学部材での第2光
    学的光路長との差が任意の主光線においてほぼ等しくな
    るように設定されていることを特徴とする請求項1乃至
    7のいずれか1項に記載の投影光学系。
  10. 【請求項10】 前記投影光学系は、前記第1面の像を
    前記第2面にほぼ等倍の倍率で形成することを特徴とす
    る請求項1乃至9のいずれか1項に記載の投影光学系。
  11. 【請求項11】 前記第1補正部材と前記第1面との間
    の距離は、前記第2補正部材と前記第2面との間の距離
    にほぼ等しく設定されていることを特徴とする請求項1
    0に記載の投影光学系。
  12. 【請求項12】 前記投影光学系の前記第1面側の開口
    数および前記第2面側の開口数がともに0.2以下であ
    ることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に
    記載の投影光学系。
  13. 【請求項13】 請求項1乃至12のいずれか1項に記
    載の投影光学系と、前記第1面に設定されたマスクを照
    明するための照明光学系とを備え、前記投影光学系を介
    して前記マスクに形成されたパターンを前記第2面に設
    定された感光性基板へ投影露光することを特徴とする露
    光装置。
  14. 【請求項14】 第1面の像を第2面に投影する投影光
    学系の製造方法において、 前記投影光学系に残存する少なくも1つの種類の残存収
    差を計測する収差計測工程と、 前記収差計測工程にて得られた残存収差の補正を分担す
    るように、前記第1面と前記第2面との間の光路中の第
    1の位置に設定されるべき第1補正部材の第1補正面の
    形状および前記第1補正部材と前記第2面との間の光路
    中の第2の位置に設定されるべき第2補正部材の第2補
    正面の形状をそれぞれ算出する算出工程と、 前記算出工程による算出結果に基づいて前記第1補正部
    材および前記第2補正部材を加工する加工工程と、 前記加工工程にて加工された前記第1補正部材を前記第
    1の位置に設定すると共に前記加工工程にて加工された
    前記第2補正部材を前記第2の位置に設定する設定工程
    とを含むことを特徴とする投影光学系の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記第1の位置は前記第1面と前記投
    影光学系との間の光路中にあり、前記第2の位置は前記
    投影光学系と前記第2面との間の光路中にあることを特
    徴とする請求項14に記載の投影光学系の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記第1の位置は前記第1面と前記投
    影光学系の瞳面との間の光路中にあり、前記第2面の位
    置は前記投影光学系の瞳面と前記第2面との間の光路中
    にあることを特徴とする請求項14に記載の投影光学系
    の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記収差計測工程は、加工前の前記第
    1補正部材と同じ光学特性を有する第1計測用部材を前
    記第1の位置に設定すると共に、加工前の前記第2補正
    部材と同じ光学特性を有する第2計測用部材を前記第2
    の位置に設定した上で、前記投影光字系に残存する残存
    収差を計測することを特徴とする請求項14乃至16の
    いずれか1項に記載の投影光学系の製造方法。
  18. 【請求項18】 前記収差計測工程は、加工前の前記第
    1補正部材を前記第1の位置に設定すると共に、加工前
    の前記第2補正部材を前記第2の位置に設定した上で、
    前記投影光学系に残存する残存収差を計測することを特
    徴とする請求項14乃至16のいずれか1項に記載の投
    影光学系の製造方法。
  19. 【請求項19】 前記設定工程における前記第1補正部
    材の前記第1の位置への設定および前記第2補正部材の
    前記第2の位置への設定に応じて悪化する前記投影光学
    系の光学特性を調整する調整工程をさらに含むことを特
    徴とする請求項14乃至18のいずれか1項に記載の投
    影光学系の製造方法。
  20. 【請求項20】 前記調整工程は、前記第1面と前記第
    2面との間の物像間距離を調整する物像間距離調整工程
    を含むことを特徴とする請求項19に記載の投影光学系
    の製造方法。
  21. 【請求項21】 前記調整工程は、前記物像間距離調整
    工程にて調整できない光学特性の悪化を補正するために
    前記投影光学系を構成する各光学部材の少なくとも1つ
    を調整する部材調整工程をさらに含むことを特徴とする
    請求項20に記載の投影光学系の製造方法。
  22. 【請求項22】 前記投影光学系を構成する各光学部材
    の光学面の面形状を計測する面形状計測工程をさらに含
    み、 前記算出工程は、前記面形状計測工程および前記収差計
    測工程の各計測結果に基づいて、前記第1補正部材の第
    1補正面および前記第2補正都材の第2補正面の形状を
    算出することを特徴とする請求項14乃至21のいずれ
    か1項に記載の投影光学系の製造方法。
  23. 【請求項23】 前記投影光学系を構成する各光学部材
    の光学特性分布を計測する光学特性計測工程をさらに含
    み、 前記算出工程は、前記面形状計測工程、前記光学特性計
    測工程および前記収差計測工程の各計測結果に基づい
    て、前記第1補正部材の第1補正面および前記第2補正
    都材の第2補正面の形状を算出することを特徴とする請
    求項22に記載の投影光学系の製造方法。
  24. 【請求項24】 前記算出工程は、主光線が前記第1補
    正部材を通過する時の前記第1補正部材での第1光学的
    光路長と前記主光線が前記第2補正部材を通過する時の
    前記第2光学部材での第2光学的光路長との和が任意の
    主光線においてほぼ等しくなるように、前記第1面およ
    び前記第2面の各形状を算出することを特徴とする請求
    項14乃至23のいずれか1項に記載の投影光学系の製
    造方法。
  25. 【請求項25】 前記算出工程は、主光線が前記第1補
    正部材を通過する時の前記第1補正部材での第1光学的
    光路長と前記主光線が前記第2補正部材を通過する時の
    前記第2光学部材での第2光学的光路長との差が任意の
    主光線においてほぼ等しくなるように、前記第1面およ
    び前記第2面の各形状を算出することを特徴とする請求
    項14乃至23のいずれか1項に記載の投影光学系の製
    造方法。
  26. 【請求項26】 前記設定工程に先立って、前記加工工
    程にて加工された前記第1補正部材および前記第2補正
    部材の加工面を検査する検査工程をさらに含むことを特
    徴とする請求項14乃至25のいずれか1項に記載の投
    影光学系の製造方法。
  27. 【請求項27】 前記検査工程は、前記加工工程にて加
    工された前記第1補正部材および前記第2補正部材の加
    工面の面形状並びに前記投影光学系を構成する他の各光
    学部材の光学面の面形状を計測する面形状計測工程を含
    み、前記面形状計測工程の計測結果に基づいて前記第1
    補正部材の前記第1の位置への設定および前記第2補正
    部材の前記第2の位置への設定によって発生する収差を
    算出することを特徴とする請求項26に記載の投影光学
    系の製造方法。
  28. 【請求項28】 前記検査工程は、前記第1補正部材、
    前記第2補正部材および前記投影光学系を構成する他の
    各光学部材の光学特性分布を計測する光学特性計測工程
    をさらに含み、前記面形状計測工程および前記光学特性
    計測工程の各計測結果に基づいて前記第1補正部材の前
    記第1の位置への設定および前記第2補正部材の前記第
    2の位置への設定によって発生する収差を算出すること
    を特徴とする請求項27に記載の投影光学系の製造方
    法。
  29. 【請求項29】 前記第1面にマスクを設定するマスク
    ステージを露光装置本体に設置する第1設置工程と、 前記第2面に感光性基板を設定する基板ステージを露光
    装置本体に設置する第2設置工程と、 前記第1面に設定される前記マスクのパターン像を前記
    第2面に設定される前記感光性基板に投影するために、
    請求項14乃至28のいずれか1項に記載の投影光学系
    を露光装置本体に設置する第3設置工程と、 前記第1面に設定される前記マスクを照明する照明光学
    系を露光装置本体に設置する第4設置工程とを含むこと
    を特徴とする露光装置の製造方法。
  30. 【請求項30】 請求項29に記載の露光装置を用いて
    前記マスクのパターン像を前記感光性基板に露光する露
    光工程と、 前記露光工程を経て露光された前記感光性基板を現像す
    る現像工程とを含むことを特徴とするマイクロデバイス
    の製造方法。
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