JP2004086110A - 投影光学系、露光装置及び露光方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】広い露光領域および高い解像力を確保しつつ、像面の平坦性に優れ、良好な光学性能を有する投影光学系を提供することである。
【解決手段】マスクMの像をプレートP上にほぼ等倍の倍率で投影する投影光学系PLにおいて、マスクM側から順に、第1部分光学系G1と、投影光学系の瞳面に配置された開口絞りASと、第2部分光学系G2とを備え、第1部分光学系G1と第2部分光学系G2とは、投影光学系PLの瞳面に関して非対称に構成される。
【選択図】 図1
【解決手段】マスクMの像をプレートP上にほぼ等倍の倍率で投影する投影光学系PLにおいて、マスクM側から順に、第1部分光学系G1と、投影光学系の瞳面に配置された開口絞りASと、第2部分光学系G2とを備え、第1部分光学系G1と第2部分光学系G2とは、投影光学系PLの瞳面に関して非対称に構成される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロデバイス(半導体素子、液晶表示素子、薄膜磁気ヘッド等)をフォトリソグラフィ工程で製造する際に使用される投影露光装置に最適な投影光学系、この投影光学系を備えた露光装置、及びこの露光装置を用いた露光方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、パソコン、テレビ等に用いられる表示素子として、液晶表示パネルが多用されるようになっている。液晶表示パネルは、ガラス基板(プレート)上に透明薄膜電極をフォトリソグラフィの手法で所望の形状にパターンニングすることによって製造される。このフォトリソグラフィ工程のための装置として、マスク上に形成された原画パターンを屈折型の投影光学系を介してプレート上のフォトレジスト層に投影露光する投影露光装置が用いられている。特に、最近では、低温ポリ(多結晶)シリコンを用いた液晶表示パネルにより高精細化が要望されており、広い視野に亘って高い解像力を有する露光装置が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、高解像力を有する投影露光装置を実現するためには、搭載される投影光学系の開口数を大きく設定する必要がある。一方、投影光学系の焦点深度は、開口数の二乗に反比例する。このため、開口数が大きく設定された高解像度を有する投影光学系においては、焦点深度が狭くなる。従って、投影光学系においては、像面の平坦性を最大にすることが求められている。解決手段の一つとして、投影光学系の光学部材の反射面、屈折面に非球面を採用することが提案されている。例えば、特開2002−72080号公報には、非球面を用いた投影光学系を搭載した投影露光装置が開示されている。ここでは、等倍対称型の投影光学系に非球面が採用されているため、一つの非球面を導入すると、実質2面が非球面となる。非球面の製造に関わるコストは、球面の製造コストに比べて高く、延いては投影露光装置の高コスト化につながるという不都合がある。
【0004】
本発明の課題は、広い露光領域および高い解像力を確保しつつ、像面の平坦性に優れ、良好な光学性能を有する投影光学系を提供することである。また、この投影光学系を備えた露光装置及びこの露光装置を用いた露光方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の投影光学系は、第1物体の像を第2物体上にほぼ等倍の倍率で投影する投影光学系において、前記第1物体側から順に、第1部分光学系と、開口絞りと、第2部分光学系とを備え、前記第1部分光学系と前記第2部分光学系とは、前記投影光学系の瞳面に関して非対称に構成されることを特徴とする。
【0006】
また、請求項2記載の投影光学系は、前記開口絞りが、前記投影光学系の前記瞳面に配置されることを特徴とする。
【0007】
本請求項1、請求項2記載の投影光学系によれば、瞳面に配置された開口絞りに関して、第1部分光学系と第2部分光学系とを非対称に構成することにより、第1部分光学系と第2部分光学系とを対称に構成し、自動的に投影光学系の投影倍率を等倍とする場合に比較して、投影光学系の設計の自由度を増大させることができる。
【0008】
また、請求項3記載の投影光学系は、前記投影光学系の前記第1物体側の作動距離をWD1とし、前記投影光学系の前記第2物体側の作動距離をWD2とするとき、
WD1≠WD2
の条件を満足することを特徴とする。
【0009】
本請求項3記載の投影光学系によれば、WD1≠WD2の条件を満足するため、露光装置の仕様を考慮した設計を行うことができる。即ち、収差補正の観点からは、第1物体側及び第2物体側の作動距離を可能な限り小さくすることが求められるが、例えば、走査型の露光装置に本投影光学系を用いる場合には、マスクステージの機構が大きくなるので、第1物体側の作動距離を長くする必要がある。この場合には、WD1>WD2とすることが好ましい。一方、プレート交換を重視する場合には、プレートステージの機構が大きくなり、第2物体側の作動距離を長くする必要がある。この場合には、WD1<WD2とすることが好ましい。
【0010】
また、請求項4記載の投影光学系は、前記投影光学系が、前記第1物体側から順に、正屈折力を有する第1正レンズ群と、負屈折力を有する第1負レンズ群と、正屈折力を有する第2正レンズ群と、負屈折力を有する第2負レンズ群と、正屈折力を有する第3正レンズ群とを備え、前記第1正レンズ群の焦点距離をFPG1、前記第2正レンズ群の焦点距離をFPG2、前記第3正レンズ群の焦点距離をFPG3とするとき、
0.8 < FPG1/FPG2 < 1.8
0.8 < FPG3/FPG2 < 1.8
の条件を満足することを特徴とする。
【0011】
本請求項4記載の投影光学系によれば、上述の条件式を満足することにより、像面湾曲の量を小さく抑え、かつ球面収差の量も小さくすることが可能となる。上述の条件式の下限を超えると球面収差の補正が困難なり、上述の条件式の上限を超えると像面湾曲の補正が困難となる。
【0012】
また、請求項5記載の投影光学系は、前記第1正レンズ群に非球面が含まれる場合には、前記投影光学系の共役長をL、前記第1物体から前記非球面までの前記投影光学系の光軸に沿った距離をLASP1とするとき、
0.02<LASP1/L<0.15
の条件を満足し、前記第3正レンズ群に前記非球面が含まれる場合には、前記投影光学系の共役長をL、前記第2物体から前記非球面までの前記投影光学系の光軸に沿った距離をLASP2とするとき、
0.02<LASP2/L<0.15
の条件を満足することを特徴とする。
【0013】
本請求項5記載の投影光学系によれば、上述の条件式を満足することにより、コマ収差の補正を良好に行うことが可能となる。従って、本投影光学系では、広い投影視野および高い解像力を確保しつつ、像面の平坦性に優れた、良好な光学性能を達成することができる。
【0014】
また、請求項6記載の投影光学系は、前記第1正レンズ群に含まれる第1非球面と、前記第3正レンズ群に含まれる第2非球面を備え、前記投影光学系の共役長をL、前記第1物体から前記第1非球面までの前記投影光学系の光軸に沿った距離をLASP1、前記第2物体から前記第2非球面までの前記投影光学系の光軸に沿った距離をLASP2とするとき、
0.02<LASP1/L<0.15
0.02<LASP2/L<0.15
の条件を満足することを特徴とする。
【0015】
本請求項6記載の投影光学系によれば、上述の条件式を満足することにより、コマ収差の補正を良好に行うことが可能となる。従って、本投影光学系では、広い投影視野および高い解像力を確保しつつ、像面の平坦性に優れた、良好な光学性能を達成することができる。
【0016】
また、請求項7記載の投影光学系は、4面以下の非球面を有することを特徴とする。
【0017】
本請求項7記載の投影光学系によれば、投影光学系は、4面以下の非球面を有するため、広い投影視野を有し、瞳面に関して非対称に構成された投影光学系において、収差補正が困難となる収差、即ち、コマ収差、非点収差、像面湾曲、歪曲収差の4収差をそれぞれ独立に補正することができる。
【0018】
また、請求項8記載の投影光学系は、前記投影光学系が、前記第1物体側から順に、正屈折力を有する第1正レンズ群と、負屈折力を有する第1負レンズ群と、正屈折力を有する第2正レンズ群と、負屈折力を有する第2負レンズ群と、正屈折力を有する第3正レンズ群とを備え、前記4面以下の非球面は、前記第1正レンズ群、前記第1負レンズ群、前記第2負レンズ群、及び前記第3正レンズ群のうちの少なくとも何れか1つの群に設けられることを特徴とする。
【0019】
本請求項8記載の投影光学系によれば、4面以下の非球面は、第1正レンズ群、第1負レンズ群、第2負レンズ群、及び第3正レンズ群のうちの少なくとも何れか1つの群に設けられるため、容易に、コマ収差、非点収差、像面湾曲、歪曲収差の4収差をそれぞれ独立に補正することができる。
【0020】
また、請求項9記載の投影光学系は、前記投影光学系が、1以上の非球面を備え、前記投影光学系の共役長をL、前記第1物体及び前記第2物体から前記1以上の非球面までの光軸に沿った距離のうち短い方をLASPとするとき、
0.02<LASP/L<0.15
の条件を満足することを特徴とする。
【0021】
本請求項9記載の投影光学系によれば、上述の条件式を満足することにより、コマ収差の補正を良好に行うことが可能となる。従って、本投影光学系では、広い投影視野および高い解像力を確保しつつ、像面の平坦性に優れた、良好な光学性能を達成することができる。
【0022】
また、請求項10記載の露光装置は、請求項1乃至請求項9の何れか一項に記載の投影光学系と、前記第1物体面に設定されたマスクを照明するための照明光学系とを備え、前記投影光学系を介して前記マスク上に形成されたパターンを前記第2物体面に設定された感光性基板へ露光することを特徴とする。
【0023】
本請求項10記載の露光装置によれば、良好な光学性能を有する本発明の投影光学系を用いて、装置および材料の高コスト化を招くことなく、良好な露光を行うことができる。
【0024】
また、請求項11記載の露光方法は、所定のパターンが形成されたマスクを照明する照明工程と、請求項1乃至請求項9の何れか一項に記載の投影光学系を用いて、前記第1物体面に設定された前記マスクのパターンを前記第2物体面に設定された感光性基板へ露光する露光工程とを含むことを特徴とする。
【0025】
本請求項11記載の露光方法によれば、広い投影視野および高い解像力を確保しつつ、像面の平坦性に優れ、良好な光学性能を達成する投影光学系を備えた露光装置を用いるため、大面積で良好なマイクロデバイスを製造することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の実施の形態にかかる投影光学系を備えた露光装置の構成を概略的に示す図である。図1において、感光性基板であるプレート(ガラス基板)の法線方向に沿ってZ軸を、プレート面内において図1の紙面に平行な方向にY軸を、プレート面内において図1の紙面に垂直な方向にX軸をそれぞれ設定している。
図1に示す露光装置は、例えば、高圧水銀ランプからなる光源1を備えている。光源1は、回転楕円面からなる反射面を有する楕円鏡2の第1焦点位置に位置決めされている。したがって、光源1から射出された照明光束は、ミラー3を介して、楕円鏡2の第2焦点位置に光源像を形成する。楕円鏡2の第2焦点位置に形成された光源像からの光束は、コリメートレンズ4によりほぼ平行な光束に変換された後、所望の波長域の光束を選択的に透過させる波長選択フィルター5に入射する。本実施の形態の場合、波長選択フィルター5では、i線(λ=365nm)の光だけが選択的に透過する。
【0027】
波長選択フィルター5を介して選択された露光波長の光(i線の光)は、オプティカルインテグレータとしてのフライアイレンズ6に入射する。フライアイレンズ6は、正の屈折力を有する多数のレンズエレメントをその光軸が基準光軸AXと平行になるように縦横に且つ稠密に配列することによって構成されている。フライアイレンズ6を構成する各レンズエレメントは、マスク上において形成すべき照野の形状(ひいてはプレート上において形成すべき露光領域の形状)と相似な矩形状の断面を有する。また、フライアイレンズ6を構成する各レンズエレメントの入射側の面は入射側に凸面を向けた球面状に形成され、射出側の面は射出側に凸面を向けた球面状に形成されている。
【0028】
したがって、フライアイレンズ6に入射した光束は多数のレンズエレメントにより波面分割され、各レンズエレメントの後側焦点面には1つの光源像がそれぞれ形成される。すなわち、フライアイレンズ6の後側焦点面には、多数の光源像からなる実質的な面光源すなわち二次光源が形成される。フライアイレンズ6の後側焦点面に形成された二次光源からの光束は、その近傍に配置された開口絞り7に入射する。開口絞り7は、後述する投影光学系PLの入射瞳面と光学的にほぼ共役な位置に配置され、二次光源の照明に寄与する範囲を規定するための可変開口部を有する。開口絞り7は、可変開口部の開口径を変化させることにより、照明条件を決定するσ値(投影光学系の瞳面の開口径に対するその瞳面上での二次光源像の口径の比)を所望の値に設定する。
【0029】
開口絞り7を介した二次光源からの光は、コンデンサー光学系8の集光作用を受けた後、所定のパターンが形成されたマスク(第1物体)Mを重畳的に均一照明する。マスクMのパターンを透過した光束は、投影光学系PLを介して、感光性基板であるプレート(第2物体)P上にマスクパターンの像を形成する。こうして、投影光学系PLの光軸と直交する平面(XY平面)内においてプレートPを二次元的に駆動制御しながら一括露光またはスキャン露光を行うことにより、プレートPの各露光領域にはマスクMのパターンが逐次露光される。
【0030】
なお、一括露光では、いわゆるステップ・アンド・リピート方式にしたがって、プレートの各露光領域に対してマスクパターンを一括的に露光する。この場合、マスクM上での照明領域の形状は正方形に近い矩形状であり、フライアイレンズ6の各レンズエレメントの断面形状も正方形に近い矩形状となる。一方、スキャン露光では、いわゆるステップ・アンド・スキャン方式にしたがって、マスクおよびプレートを投影光学系に対して相対移動させながらプレートの各露光領域に対してマスクパターンをスキャン露光(走査露光)する。この場合、マスクM上での照明領域の形状は短辺と長辺との比がたとえば1:3の矩形状であり、フライアイレンズ6の各レンズエレメントの断面形状もこれと相似な矩形状となる。
【0031】
上述の投影光学系PLは、マスクMの像をプレートP上にほぼ等倍の倍率で投影する投影光学系であり、マスクM側から順に、第1部分光学系G1と、投影光学系の瞳面に配置される開口絞りASと、第2部分光学系G2とを備え、第1部分光学系G1と第2部分光学系G2とは、投影光学系の瞳面に関して非対称に構成されている。
【0032】
本実施の形態にかかる投影光学系によれば、瞳面に配置された開口絞りASに関して、第1部分光学系G1と第2部分光学系G2とが非対称に構成されているため、第1部分光学系と第2部分光学系とを対称に構成し、自動的に投影光学系の投影倍率を等倍とする場合に比較して、投影光学系の設計の自由度を増大させることができる。
【0033】
また、本実施の形態にかかる投影光学系は、投影光学系のマスクM側の作動距離(マスクMから投影光学系PLまでの光軸方向の距離)をWD1とし、投影光学系のプレートP側の作動距離(プレートPから投影光学系PLまでの光軸方向の距離)をWD2とするとき、WD1≠WD2の条件を満足する。この投影光学系によれば、WD1≠WD2の条件を満足するため、露光装置の仕様を考慮した設計を行うことができる。即ち、収差補正の観点からは、第1物体側及び第2物体側の作動距離を可能な限り小さくすることが求められるが、例えば、走査型の露光装置に本投影光学系を用いる場合には、マスクステージの機構が大きくなるので、第1物体側の作動距離を長くする必要がある。従って、この場合には、WD1>WD2とすることが好ましい。一方、プレート交換を重視する場合には、プレートステージの機構が大きくなり、第2物体側の作動距離を長くする必要がある。従って、この場合には、WD1<WD2とすることが好ましい。
【0034】
また、本実施の形態にかかる投影光学系は、図2及び図3に示すように正屈折力を有する第1正レンズ群PG1と、負屈折力を有する第1負レンズ群NG1と、正屈折力を有する第2正レンズ群PG2と、負屈折力を有する第2負レンズ群NG2と、正屈折力を有する第3正レンズ群PG3とを備え、第1正レンズ群PG1の焦点距離をFPG1、第2正レンズ群PG2の焦点距離をFPG2、第3正レンズ群PG3の焦点距離をFPG3とするとき、
0.8 < FPG1/FPG2 < 1.8
0.8 < FPG3/FPG2 < 1.8
の条件を満足する。
【0035】
本実施の形態にかかる投影光学系によれば、上述の条件式を満足するため像面湾曲の量を小さく抑え、かつ球面収差の量も小さくすることが可能となる。上述の条件式の下限を超えると球面収差の補正が困難なり、上述の条件式の上限を超えると像面湾曲の補正が困難となる。
【0036】
また、本実施の形態にかかる投影光学系は、第1正レンズ群PG1に含まれる第1非球面ASP1と、第3正レンズ群PG3に含まれる第2非球面ASP2を備え、投影光学系PLの共役長をL、マスクMから第1非球面ASP1までの投影光学系PLの光軸に沿った距離をLASP1、プレートPから第2非球面ASP2までの投影光学系PLの光軸に沿った距離をLASP2とするとき、
0.02<LASP1/L<0.15
0.02<LASP2/L<0.15
の条件を満足する。
【0037】
本実施の形態にかかる投影光学系によれば、コマ収差の補正を良好に行うことが可能となる。従って、本投影光学系では、広い投影視野および高い解像力を確保しつつ、像面の平坦性に優れた、良好な光学性能を達成することができる。
【0038】
また、本実施の形態にかかる投影光学系において、第1正レンズ群PG1又は第3正レンズ群PG3に非球面が含まれるようにしてもよい。第1正レンズ群PG1に非球面が含まれる場合には、投影光学系PLの共役長をL、マスクMから非球面までの投影光学系PLの光軸に沿った距離をLASP1とするとき、
0.02<LASP1/L<0.15
の条件を満足し、第3正レンズ群PG3に非球面が含まれる場合には、投影光学系PLの共役長をL、プレートPから非球面までの投影光学系PLの光軸に沿った距離をLASP2とするとき、
0.02<LASP2/L<0.15
の条件を満足する。本実施の形態にかかる投影光学系によれば、コマ収差の補正を良好に行うことが可能となる。従って、本投影光学系では、広い投影視野および高い解像力を確保しつつ、像面の平坦性に優れた、良好な光学性能を達成することができる。
【0039】
また、本実施の形態にかかる投影光学系は、4面以下の非球面を有する。本実施の形態にかかる投影光学系によれば、投影光学系は、4面以下の非球面、例えば4面の非球面を有する場合には、広い投影視野を有し、瞳面に関して非対称に構成された投影光学系において、収差補正が困難となる収差、即ち、コマ収差、非点収差、像面湾曲、歪曲収差の4収差をそれぞれ独立に補正することができる。
【0040】
また、本実施の形態にかかる投影光学系は、図2及び図3に示すように投影光学系PLが、マスクMから順に、正屈折力を有する第1正レンズ群PG1と、負屈折力を有する第1負レンズ群NG1と、正屈折力を有する第2正レンズ群PG2と、負屈折力を有する第2負レンズ群NG2と、正屈折力を有する第3正レンズ群PG3とを備え、4面以下の非球面は、第1正レンズ群PG1、第1負レンズ群NG1、第2負レンズ群NG2、及び第3正レンズ群PG3のうちの少なくとも何れか1つの群に設けに設けるようにしてもよい。この場合には、容易に、コマ収差、非点収差、像面湾曲、歪曲収差の4収差をそれぞれ独立に補正することができる。
【0041】
また、本実施の形態にかかる投影光学系は、投影光学系が、1以上の非球面を備え、投影光学系の共役長をL、マスクM及びプレートPから1以上の非球面までの光軸に沿った距離のうち短い方をLASPとするとき、
0.02<LASP/L<0.15
の条件を満足する。この場合には、コマ収差の補正を良好に行うことが可能となる。従って、本投影光学系では、広い投影視野および高い解像力を確保しつつ、像面の平坦性に優れた、良好な光学性能を達成することができる。
【0042】
〔第1実施例〕
図2は、第1実施例にかかる投影光学系のレンズ構成を示す図である。第1実施例にかかる投影光学系PL1は、物体側(すなわちマスクM側)から順に、第1部分光学系G1と、開口絞りASと、この開口絞りASに関して第1部分光学系G1と非対称的に構成された第2部分光学系G2とから構成されている。換言すると、第2部分光学系G2は、そのレンズ形状、そのレンズ間隔およびその光学材料において、投影光学系PL1の瞳面に配置された開口絞りASに関して第1部分光学系G1と非対称的に構成されている。この投影光学系PL1は、マスク(第1物体)Mの像をプレート(第2物体)P上にほぼ等倍の倍率で投影する。
【0043】
第1部分光学系G1は、物体側から順に、正屈折力を有する第1正レンズ群PG1と、負屈折力を有する第1負レンズ群NG1と、正屈折力を有する第2正レンズ群PG2の一部とから構成されている。
【0044】
ここで、第1正レンズ群PG1は、物体側(マスクM側)から順に、両凹レンズL1、両凹レンズL2、物体側に非球面状に形成された凹面を向けた正メニスカスレンズL3、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL4、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL5、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL6から構成されている。また、第1負レンズ群NG1は、物体側から順に、像側(プレートP側)に凹面を向けた負メニスカスレンズL7、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL8、両凹レンズL9、両凹レンズL10、両凹レンズL11から構成さている。また、第1部分光学系G1を構成する第2正レンズ群PG2の一部は、両凸レンズL12、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL13、両凸レンズL14、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL15、両凸レンズL16、両凸レンズL17、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL18から構成されている。
【0045】
また、第2部分光学系G2は、物体側から順に、正屈折力を有する第2正レンズ群PG2の一部、負屈折力を有する第2負レンズ群NG2と、正屈折力を有する第3正レンズ群PG3とから構成されている。
【0046】
ここで第2部分光学系G2を構成する第2正レンズ群PG2の一部は、両凸レンズL19、両凸レンズL20、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL21、両凸レンズL22から構成されている。また、第2負レンズ群NG2は、両凹レンズL23、両凹レンズL24、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL25、両凸レンズL26、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL27から構成されている。また、第3正レンズ群PG3は、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL28、両凸レンズL29、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL30、像側に非球面状に形成された凹面を向けた正メニスカスレンズL31、両凹レンズL32から構成されている。
【0047】
次の(表1)に、第1実施例の投影光学系の諸元の値を掲げる。(表1)の主要諸元において、NAは物体側での開口数(像側での開口数も同じ)を、Y0は最大像高をそれぞれ示している。また、(表1)の光学部材諸元において、第1カラムの面番号は物体側からの光線進行方向に沿った面の順序を、第2カラムのrは各面の曲率半径(mm)を、第3カラムのdは各面の軸上間隔すなわち面間隔(mm)を、第4カラムのnは露光光(λ=365nm)に対する屈折率をそれぞれ示している。
なお、第1実施例において、非球面は、光軸に垂直な方向の高さをyとし、非球面の頂点における接平面から高さyにおける非球面上の位置までの光軸に沿った距離(サグ量)をxとし、頂点曲率半径をrとし、円錐係数をκとし、n次の非球面係数をCnとしたとき、以下の(数式1)で表される。
【0048】
【数1】
(数式1)
x=(y2/r)/〔1+{1−(1+κ)・y2/r2}1/2〕+C4・y4+C6・y6+C8・y8+C10・y10+C12・y12
第1実施例において、非球面状に形成されたレンズ面には面番号の右側に*印を付している。
【0049】
【表1】
なお、(表1)において、像高Yは53.5mmであり、プレートP側での開口数は0.275である。また、第0番目の面はマスクMを示している。
【0050】
ここで、(表1)に掲げる第1実施例の各像高におけるベストフォーカス位置(ガウス像点からの差)と波面収差Wのrms値を露光波長λ=365nmを単位として、(表2)に掲げる。
【0051】
【表2】
(表2)から本発明における第1実施例では、大きな投影視野(有効径107mm)の全体に亘って、像面の平坦性が良好に確保され、良好な光学性能を有していることがわかる。
【0052】
〔第2実施例〕
図3は、第2実施例にかかる投影光学系のレンズ構成を示す図である。第2実施例では、第1実施例と同様に、投影光学系PL2が、物体側から順に、第1部分光学系G1と、開口絞りASと、この開口絞りASに関して第1部分光学系G1と非対称的に構成された第2部分光学系G2とから構成され、ほぼ等倍の投影倍率を有する。また、第1部分光学系G1も第1実施例と同様に、物体側から順に、正屈折力を有する第1正レンズ群PG1と、負屈折力を有する第1負レンズ群NG1と、正屈折力を有する第2正レンズ群PG2の一部から構成されている。また、第2部分光学系G2は、第1実施例と同様に、物体側から順に、正屈折力を有する第2正レンズ群PG2の一部、負屈折力を有する第2負レンズ群NG2と、正屈折力を有する第3正レンズ群PG3とから構成されている。
【0053】
ここで、第1正レンズ群PG1は、物体側から順に、像側の面が非球面により構成された両凹レンズL1、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL2、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL3、両凸レンズL4、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL5から構成されている。また、第1負レンズ群NG1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL6、両凸レンズL7、両凹レンズL8、両凹レンズL9、両凹レンズL10から構成さている。また、第1部分光学系G1を構成する第2正レンズ群PG2の一部は、両凸レンズL11、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL12、両凸レンズL13、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL14、両凸レンズL15、両凸レンズL16、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL17から構成されている。
【0054】
また、第2部分光学系G2は、物体側から順に、正屈折力を有する第2正レンズ群PG2の一部、負屈折力を有する第2負レンズ群NG2と、正屈折力を有する第3正レンズ群PG3とから構成されている。
【0055】
ここで第1部分光学系G1を構成する第2正レンズ群PG2の一部は、両凸レンズL18、両凸レンズL19、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL20、両凸レンズL21から構成されている。また、第2負レンズ群NG2は、両凹レンズL22、両凹レンズL23、両凹レンズL24、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL25、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL26から構成されている。また、第3正レンズ群PG3は、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL27、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL28、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL29、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL30、物体側の面が非球面状に形成された両凹レンズL31から構成されている。
【0056】
次の(表3)に、第2実施例の投影光学系の諸元の値を掲げる。(表3)の主要諸元において、NAは物体側での開口数(像側での開口数も同じ)を、Y0は最大像高をそれぞれ示している。また、(表3)の光学部材諸元において、第1カラムの面番号は物体側からの光線進行方向に沿った面の順序を、第2カラムのrは各面の曲率半径(非球面の場合には頂点曲率半径:mm)を、第3カラムのdは各面の軸上間隔すなわち面間隔(mm)を、第4カラムのnは露光光(λ=365nm)に対する屈折率をそれぞれ示している。
【0057】
なお、第2実施例において非球面は、上述の第1実施例において用いた(数式1)で表される。第2実施例において、非球面状に形成されたレンズ面には面番号の右側に*印を付している。
【0058】
【表3】
なお、(表3)において、像高Yは53.5mmであり、プレートP側での開口数は0.275である。また、第0番目の面はマスクMを示している。ここで、(表3)に掲げる第2実施例の各像高におけるベストフォーカス位置(ガウス像点からの差)と波面収差Wのrms値を露光波長λ=365nmを単位として、(表4)に掲げる。
【0059】
【表4】
(表4)から本発明における第2実施例では、大きな投影視野(有効径107mm)の全体に亘って、像面の平坦性が良好に確保され、良好な光学性能を有していることがわかる
なお、上述の実施の形態では、i線(365nm)の露光光を供給する超高圧水銀ランプを光源として用いた例を示したが、露光光の波長はi線には限られない。例えば、光源として超高圧水銀ランプを用い、g線(436nm)のみ、h線(405nm)のみ、g線とh線、h線とi線、またはg線とh線とi線とを露光光としても良い。
【0060】
また、光源として248nmの光を供給するKrFエキシマレーザ、193nmの光を供給するArFエキシマレーザ、157nmの光を供給するF2レーザなどを光源として用いても良い。ここで、KrFエキシマレーザを光源として用いる場合においては、露光光を狭帯化したときには投影光学系中の屈折性光学素子として石英ガラスを用い、露光光量を増すために露光光を狭帯化しないときには投影光学系中の屈折性光学素子として石英ガラスと蛍石とを用いる。また、ArFエキシマレーザを光源として用いる場合においては、投影光学系中の屈折性光学素子として石英ガラスと蛍石とを用いる。また、F2レーザを光源として用いる場合には、投影光学系中の屈折性光学素子として蛍石を用いる。
【0061】
また、上述の実施の形態では、液晶表示素子やプラズマディスプレイパネル(PDP)等の表示デバイスの製造のリソグラフィー工程で用いる投影露光装置について説明したが、本発明は表示デバイス製造用の投影露光装置には限定されず、例えば半導体デバイス製造用、フォトマスク製造用、磁気ヘッド製造用、プリント配線基板の製造用にも適用することが可能である。なお、半導体デバイス製造用の投影露光装置ではワークとしてウェハを用い、表示デバイス製造用の投影露光装置ではワークとしてガラス基板を用い、フォトマスク製造用の投影露光装置ではワークとしてガラス基板或いはシリコン基板を用い、磁気ヘッド製造用の投影露光装置では、ワークとしてローバーと呼ばれるバー形状の基板を用い、プリント配線基板製造用の投影露光装置では、ワークWとしてエポキシ樹脂等の樹脂基板を用いる。また、本発明は、基板及びワークの少なくとも一方として帯状のフィルムを用いる投影露光装置にも適用できる。このような投影露光装置は、例えばTAB(Tape Automated Bonding)方式の電子部品の実装に使用されるフィルム回路基板の製造に用いられるフィルム露光装置が知られている。
【0062】
また、上記の実施の形態では、基板上の所定のショット領域に対してレチクル(マスク)上のパターン像を一括転写する一括露光方式または、レチクル(マスク)上の所定形状の照明領域に対して相対的に所定の方向ヘレチクル及び基板を同期して走査することにより、基板上の1つのショット領域にレチクルのパターン像を逐次的に転写するステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置を採用したが、露光装置をスティッチング及びスリットスキャン型の露光装置としても良い。
【0063】
スティッチング及びスリットスキャン型の露光装置では、レチクル(マスク)上の所定形状の照明領域に対して相対的に所定の第1の方向にレチクル及び基板を同期して走査することにより、基板上の第1列目の領域への露光が行われる。その後、そのレチクルを交換するか、又はそのレチクルを上記照明領域の第1の方向と直交する第2の方向に沿って所定量だけ移動させて、基板を照明領域の第2の方向と共役な方向に横ずれさせる。そして、再びレチクル上の所定形状の照明領域に対して相対的に第1の方向にレチクル及び基板を同期して走査することにより、基板上の第2列目の領域への露光を行う。このようなスティッチング及びスリットスキャン型の露光装置では、投影光学系の露光フィールドよりも広い基板上の領域にレチクルのパターンを露光することができる。なお、このようなスティッチング及びスリットスキャン型の露光装置は、米国特許第5,477,304号公報、特開平8−330220号公報(及びこれに対応する米国特許第6,295,119号公報)、特開平10−284408号公報、特開2000−277408号公報、特開2000−321784号公報などに開示されている。
【0064】
また、上記の実施の形態の投影露光装置では、プレート(ガラス基板)上に所定の回路パターンを形成することによって、マイクロデバイスとしての液晶表示素子を得ることもできる。以下、図4のフローチャートを参照して説明する。図4において、パターン形成工程401では、本実施の形態の露光装置を用いてレチクル(マスク)のパターンを感光性基板(レジストが塗布されたガラス基板等)に転写露光する、所謂光リソグラフィー工程が実行される。即ち、所定のパターンが形成されたマスクを照明し(照明工程)、投影光学系を用いて、マスクのパターンをプレートへ露光する(露光工程)。この光リソグラフィー工程によって、感光性基板上には多数の電極等を含む所定パターンが形成される。その後、露光された基板は、現像工程、エッチング工程、レチクル剥離工程等の各工程を経ることによって、基板上に所定のパターンが形成され、次のカラーフィルター形成工程402へ移行する。
【0065】
次に、カラーフィルター形成工程402では、R(Red)、G(Green)、B(Blue)に対応した3つのドットの組がマトリックス状に多数配列されたカラーフィルターを形成する。そして、カラーフィルター形成工程402の後に、セル組み立て工程403が実行される。セル組み立て工程403では、パターン形成工程401にて得られた所定パターンを有する基板、およびカラーフィルター形成工程402にて得られたカラーフィルター等を用いて液晶パネル(液晶セル)を組み立てる。セル組み立て工程403では、例えば、パターン形成工程401にて得られた所定パターンを有する基板とカラーフィルター形成工程402にて得られたカラーフィルターとの間に液晶を注入して、液晶パネル(液晶セル)を製造する。
【0066】
その後、モジュール組み立て工程404にて、組み立てられた液晶パネル(液晶セル)の表示動作を行わせる電気回路、バックライト等の各部品を取り付けて液晶表示素子として完成させる。上述の液晶表示素子製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有する液晶表示素子を得ることができる。
【0067】
【発明の効果】
本発明の投影光学系によれば、収差を良好に補正でき、広い投影視野および高い解像力を確保しつつ、像面の平坦性に優れ、良好な光学性能を達成することができる。また、瞳面に配置された開口絞りに関して、第1部分光学系と第2部分光学系とを非対称に構成することにより、第1部分光学系と第2部分光学系とを対称に構成し、自動的に投影光学系の投影倍率を等倍とする場合に比較して、投影光学系の設計の自由度を増大させることができる。
【0068】
また、本発明の露光装置によれば、良好な光学性能を有する本発明の投影光学系を用いて、装置および材料の高コスト化を招くことなく、良好な露光を行うことができる。
【0069】
また、本発明の露光方法によれば、広い投影視野および高い解像力を確保しつつ、像面の平坦性に優れ、良好な光学性能を達成する投影光学系を備えた露光装置を用いるため、大面積で良好なマイクロデバイスを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる投影光学系を備えた露光装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の第1実施例にかかる投影光学系のレンズ構成を示す図である。
【図3】本発明の第2実施例にかかる投影光学系のレンズ構成を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態にかかるマイクロデバイスの製造方法を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
PL1・・・・投影光学系
PL2・・・・投影光学系
G1・・・・・・第1部分光学系
G2・・・・・・第2部分光学系
PG1・・・・第1正レンズ群
NG1・・・・第1負レンズ群
PG2・・・・第2正レンズ群
NG2・・・・第2負レンズ群
PG3・・・・第3正レンズ群
AS・・・・・・開口絞り
ASP1・・第1の非球面
ASP2・・第2の非球面
1・・・・・・・・光源
M・・・・・・・・マスク
P・・・・・・・・プレート
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロデバイス(半導体素子、液晶表示素子、薄膜磁気ヘッド等)をフォトリソグラフィ工程で製造する際に使用される投影露光装置に最適な投影光学系、この投影光学系を備えた露光装置、及びこの露光装置を用いた露光方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、パソコン、テレビ等に用いられる表示素子として、液晶表示パネルが多用されるようになっている。液晶表示パネルは、ガラス基板(プレート)上に透明薄膜電極をフォトリソグラフィの手法で所望の形状にパターンニングすることによって製造される。このフォトリソグラフィ工程のための装置として、マスク上に形成された原画パターンを屈折型の投影光学系を介してプレート上のフォトレジスト層に投影露光する投影露光装置が用いられている。特に、最近では、低温ポリ(多結晶)シリコンを用いた液晶表示パネルにより高精細化が要望されており、広い視野に亘って高い解像力を有する露光装置が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、高解像力を有する投影露光装置を実現するためには、搭載される投影光学系の開口数を大きく設定する必要がある。一方、投影光学系の焦点深度は、開口数の二乗に反比例する。このため、開口数が大きく設定された高解像度を有する投影光学系においては、焦点深度が狭くなる。従って、投影光学系においては、像面の平坦性を最大にすることが求められている。解決手段の一つとして、投影光学系の光学部材の反射面、屈折面に非球面を採用することが提案されている。例えば、特開2002−72080号公報には、非球面を用いた投影光学系を搭載した投影露光装置が開示されている。ここでは、等倍対称型の投影光学系に非球面が採用されているため、一つの非球面を導入すると、実質2面が非球面となる。非球面の製造に関わるコストは、球面の製造コストに比べて高く、延いては投影露光装置の高コスト化につながるという不都合がある。
【0004】
本発明の課題は、広い露光領域および高い解像力を確保しつつ、像面の平坦性に優れ、良好な光学性能を有する投影光学系を提供することである。また、この投影光学系を備えた露光装置及びこの露光装置を用いた露光方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の投影光学系は、第1物体の像を第2物体上にほぼ等倍の倍率で投影する投影光学系において、前記第1物体側から順に、第1部分光学系と、開口絞りと、第2部分光学系とを備え、前記第1部分光学系と前記第2部分光学系とは、前記投影光学系の瞳面に関して非対称に構成されることを特徴とする。
【0006】
また、請求項2記載の投影光学系は、前記開口絞りが、前記投影光学系の前記瞳面に配置されることを特徴とする。
【0007】
本請求項1、請求項2記載の投影光学系によれば、瞳面に配置された開口絞りに関して、第1部分光学系と第2部分光学系とを非対称に構成することにより、第1部分光学系と第2部分光学系とを対称に構成し、自動的に投影光学系の投影倍率を等倍とする場合に比較して、投影光学系の設計の自由度を増大させることができる。
【0008】
また、請求項3記載の投影光学系は、前記投影光学系の前記第1物体側の作動距離をWD1とし、前記投影光学系の前記第2物体側の作動距離をWD2とするとき、
WD1≠WD2
の条件を満足することを特徴とする。
【0009】
本請求項3記載の投影光学系によれば、WD1≠WD2の条件を満足するため、露光装置の仕様を考慮した設計を行うことができる。即ち、収差補正の観点からは、第1物体側及び第2物体側の作動距離を可能な限り小さくすることが求められるが、例えば、走査型の露光装置に本投影光学系を用いる場合には、マスクステージの機構が大きくなるので、第1物体側の作動距離を長くする必要がある。この場合には、WD1>WD2とすることが好ましい。一方、プレート交換を重視する場合には、プレートステージの機構が大きくなり、第2物体側の作動距離を長くする必要がある。この場合には、WD1<WD2とすることが好ましい。
【0010】
また、請求項4記載の投影光学系は、前記投影光学系が、前記第1物体側から順に、正屈折力を有する第1正レンズ群と、負屈折力を有する第1負レンズ群と、正屈折力を有する第2正レンズ群と、負屈折力を有する第2負レンズ群と、正屈折力を有する第3正レンズ群とを備え、前記第1正レンズ群の焦点距離をFPG1、前記第2正レンズ群の焦点距離をFPG2、前記第3正レンズ群の焦点距離をFPG3とするとき、
0.8 < FPG1/FPG2 < 1.8
0.8 < FPG3/FPG2 < 1.8
の条件を満足することを特徴とする。
【0011】
本請求項4記載の投影光学系によれば、上述の条件式を満足することにより、像面湾曲の量を小さく抑え、かつ球面収差の量も小さくすることが可能となる。上述の条件式の下限を超えると球面収差の補正が困難なり、上述の条件式の上限を超えると像面湾曲の補正が困難となる。
【0012】
また、請求項5記載の投影光学系は、前記第1正レンズ群に非球面が含まれる場合には、前記投影光学系の共役長をL、前記第1物体から前記非球面までの前記投影光学系の光軸に沿った距離をLASP1とするとき、
0.02<LASP1/L<0.15
の条件を満足し、前記第3正レンズ群に前記非球面が含まれる場合には、前記投影光学系の共役長をL、前記第2物体から前記非球面までの前記投影光学系の光軸に沿った距離をLASP2とするとき、
0.02<LASP2/L<0.15
の条件を満足することを特徴とする。
【0013】
本請求項5記載の投影光学系によれば、上述の条件式を満足することにより、コマ収差の補正を良好に行うことが可能となる。従って、本投影光学系では、広い投影視野および高い解像力を確保しつつ、像面の平坦性に優れた、良好な光学性能を達成することができる。
【0014】
また、請求項6記載の投影光学系は、前記第1正レンズ群に含まれる第1非球面と、前記第3正レンズ群に含まれる第2非球面を備え、前記投影光学系の共役長をL、前記第1物体から前記第1非球面までの前記投影光学系の光軸に沿った距離をLASP1、前記第2物体から前記第2非球面までの前記投影光学系の光軸に沿った距離をLASP2とするとき、
0.02<LASP1/L<0.15
0.02<LASP2/L<0.15
の条件を満足することを特徴とする。
【0015】
本請求項6記載の投影光学系によれば、上述の条件式を満足することにより、コマ収差の補正を良好に行うことが可能となる。従って、本投影光学系では、広い投影視野および高い解像力を確保しつつ、像面の平坦性に優れた、良好な光学性能を達成することができる。
【0016】
また、請求項7記載の投影光学系は、4面以下の非球面を有することを特徴とする。
【0017】
本請求項7記載の投影光学系によれば、投影光学系は、4面以下の非球面を有するため、広い投影視野を有し、瞳面に関して非対称に構成された投影光学系において、収差補正が困難となる収差、即ち、コマ収差、非点収差、像面湾曲、歪曲収差の4収差をそれぞれ独立に補正することができる。
【0018】
また、請求項8記載の投影光学系は、前記投影光学系が、前記第1物体側から順に、正屈折力を有する第1正レンズ群と、負屈折力を有する第1負レンズ群と、正屈折力を有する第2正レンズ群と、負屈折力を有する第2負レンズ群と、正屈折力を有する第3正レンズ群とを備え、前記4面以下の非球面は、前記第1正レンズ群、前記第1負レンズ群、前記第2負レンズ群、及び前記第3正レンズ群のうちの少なくとも何れか1つの群に設けられることを特徴とする。
【0019】
本請求項8記載の投影光学系によれば、4面以下の非球面は、第1正レンズ群、第1負レンズ群、第2負レンズ群、及び第3正レンズ群のうちの少なくとも何れか1つの群に設けられるため、容易に、コマ収差、非点収差、像面湾曲、歪曲収差の4収差をそれぞれ独立に補正することができる。
【0020】
また、請求項9記載の投影光学系は、前記投影光学系が、1以上の非球面を備え、前記投影光学系の共役長をL、前記第1物体及び前記第2物体から前記1以上の非球面までの光軸に沿った距離のうち短い方をLASPとするとき、
0.02<LASP/L<0.15
の条件を満足することを特徴とする。
【0021】
本請求項9記載の投影光学系によれば、上述の条件式を満足することにより、コマ収差の補正を良好に行うことが可能となる。従って、本投影光学系では、広い投影視野および高い解像力を確保しつつ、像面の平坦性に優れた、良好な光学性能を達成することができる。
【0022】
また、請求項10記載の露光装置は、請求項1乃至請求項9の何れか一項に記載の投影光学系と、前記第1物体面に設定されたマスクを照明するための照明光学系とを備え、前記投影光学系を介して前記マスク上に形成されたパターンを前記第2物体面に設定された感光性基板へ露光することを特徴とする。
【0023】
本請求項10記載の露光装置によれば、良好な光学性能を有する本発明の投影光学系を用いて、装置および材料の高コスト化を招くことなく、良好な露光を行うことができる。
【0024】
また、請求項11記載の露光方法は、所定のパターンが形成されたマスクを照明する照明工程と、請求項1乃至請求項9の何れか一項に記載の投影光学系を用いて、前記第1物体面に設定された前記マスクのパターンを前記第2物体面に設定された感光性基板へ露光する露光工程とを含むことを特徴とする。
【0025】
本請求項11記載の露光方法によれば、広い投影視野および高い解像力を確保しつつ、像面の平坦性に優れ、良好な光学性能を達成する投影光学系を備えた露光装置を用いるため、大面積で良好なマイクロデバイスを製造することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の実施の形態にかかる投影光学系を備えた露光装置の構成を概略的に示す図である。図1において、感光性基板であるプレート(ガラス基板)の法線方向に沿ってZ軸を、プレート面内において図1の紙面に平行な方向にY軸を、プレート面内において図1の紙面に垂直な方向にX軸をそれぞれ設定している。
図1に示す露光装置は、例えば、高圧水銀ランプからなる光源1を備えている。光源1は、回転楕円面からなる反射面を有する楕円鏡2の第1焦点位置に位置決めされている。したがって、光源1から射出された照明光束は、ミラー3を介して、楕円鏡2の第2焦点位置に光源像を形成する。楕円鏡2の第2焦点位置に形成された光源像からの光束は、コリメートレンズ4によりほぼ平行な光束に変換された後、所望の波長域の光束を選択的に透過させる波長選択フィルター5に入射する。本実施の形態の場合、波長選択フィルター5では、i線(λ=365nm)の光だけが選択的に透過する。
【0027】
波長選択フィルター5を介して選択された露光波長の光(i線の光)は、オプティカルインテグレータとしてのフライアイレンズ6に入射する。フライアイレンズ6は、正の屈折力を有する多数のレンズエレメントをその光軸が基準光軸AXと平行になるように縦横に且つ稠密に配列することによって構成されている。フライアイレンズ6を構成する各レンズエレメントは、マスク上において形成すべき照野の形状(ひいてはプレート上において形成すべき露光領域の形状)と相似な矩形状の断面を有する。また、フライアイレンズ6を構成する各レンズエレメントの入射側の面は入射側に凸面を向けた球面状に形成され、射出側の面は射出側に凸面を向けた球面状に形成されている。
【0028】
したがって、フライアイレンズ6に入射した光束は多数のレンズエレメントにより波面分割され、各レンズエレメントの後側焦点面には1つの光源像がそれぞれ形成される。すなわち、フライアイレンズ6の後側焦点面には、多数の光源像からなる実質的な面光源すなわち二次光源が形成される。フライアイレンズ6の後側焦点面に形成された二次光源からの光束は、その近傍に配置された開口絞り7に入射する。開口絞り7は、後述する投影光学系PLの入射瞳面と光学的にほぼ共役な位置に配置され、二次光源の照明に寄与する範囲を規定するための可変開口部を有する。開口絞り7は、可変開口部の開口径を変化させることにより、照明条件を決定するσ値(投影光学系の瞳面の開口径に対するその瞳面上での二次光源像の口径の比)を所望の値に設定する。
【0029】
開口絞り7を介した二次光源からの光は、コンデンサー光学系8の集光作用を受けた後、所定のパターンが形成されたマスク(第1物体)Mを重畳的に均一照明する。マスクMのパターンを透過した光束は、投影光学系PLを介して、感光性基板であるプレート(第2物体)P上にマスクパターンの像を形成する。こうして、投影光学系PLの光軸と直交する平面(XY平面)内においてプレートPを二次元的に駆動制御しながら一括露光またはスキャン露光を行うことにより、プレートPの各露光領域にはマスクMのパターンが逐次露光される。
【0030】
なお、一括露光では、いわゆるステップ・アンド・リピート方式にしたがって、プレートの各露光領域に対してマスクパターンを一括的に露光する。この場合、マスクM上での照明領域の形状は正方形に近い矩形状であり、フライアイレンズ6の各レンズエレメントの断面形状も正方形に近い矩形状となる。一方、スキャン露光では、いわゆるステップ・アンド・スキャン方式にしたがって、マスクおよびプレートを投影光学系に対して相対移動させながらプレートの各露光領域に対してマスクパターンをスキャン露光(走査露光)する。この場合、マスクM上での照明領域の形状は短辺と長辺との比がたとえば1:3の矩形状であり、フライアイレンズ6の各レンズエレメントの断面形状もこれと相似な矩形状となる。
【0031】
上述の投影光学系PLは、マスクMの像をプレートP上にほぼ等倍の倍率で投影する投影光学系であり、マスクM側から順に、第1部分光学系G1と、投影光学系の瞳面に配置される開口絞りASと、第2部分光学系G2とを備え、第1部分光学系G1と第2部分光学系G2とは、投影光学系の瞳面に関して非対称に構成されている。
【0032】
本実施の形態にかかる投影光学系によれば、瞳面に配置された開口絞りASに関して、第1部分光学系G1と第2部分光学系G2とが非対称に構成されているため、第1部分光学系と第2部分光学系とを対称に構成し、自動的に投影光学系の投影倍率を等倍とする場合に比較して、投影光学系の設計の自由度を増大させることができる。
【0033】
また、本実施の形態にかかる投影光学系は、投影光学系のマスクM側の作動距離(マスクMから投影光学系PLまでの光軸方向の距離)をWD1とし、投影光学系のプレートP側の作動距離(プレートPから投影光学系PLまでの光軸方向の距離)をWD2とするとき、WD1≠WD2の条件を満足する。この投影光学系によれば、WD1≠WD2の条件を満足するため、露光装置の仕様を考慮した設計を行うことができる。即ち、収差補正の観点からは、第1物体側及び第2物体側の作動距離を可能な限り小さくすることが求められるが、例えば、走査型の露光装置に本投影光学系を用いる場合には、マスクステージの機構が大きくなるので、第1物体側の作動距離を長くする必要がある。従って、この場合には、WD1>WD2とすることが好ましい。一方、プレート交換を重視する場合には、プレートステージの機構が大きくなり、第2物体側の作動距離を長くする必要がある。従って、この場合には、WD1<WD2とすることが好ましい。
【0034】
また、本実施の形態にかかる投影光学系は、図2及び図3に示すように正屈折力を有する第1正レンズ群PG1と、負屈折力を有する第1負レンズ群NG1と、正屈折力を有する第2正レンズ群PG2と、負屈折力を有する第2負レンズ群NG2と、正屈折力を有する第3正レンズ群PG3とを備え、第1正レンズ群PG1の焦点距離をFPG1、第2正レンズ群PG2の焦点距離をFPG2、第3正レンズ群PG3の焦点距離をFPG3とするとき、
0.8 < FPG1/FPG2 < 1.8
0.8 < FPG3/FPG2 < 1.8
の条件を満足する。
【0035】
本実施の形態にかかる投影光学系によれば、上述の条件式を満足するため像面湾曲の量を小さく抑え、かつ球面収差の量も小さくすることが可能となる。上述の条件式の下限を超えると球面収差の補正が困難なり、上述の条件式の上限を超えると像面湾曲の補正が困難となる。
【0036】
また、本実施の形態にかかる投影光学系は、第1正レンズ群PG1に含まれる第1非球面ASP1と、第3正レンズ群PG3に含まれる第2非球面ASP2を備え、投影光学系PLの共役長をL、マスクMから第1非球面ASP1までの投影光学系PLの光軸に沿った距離をLASP1、プレートPから第2非球面ASP2までの投影光学系PLの光軸に沿った距離をLASP2とするとき、
0.02<LASP1/L<0.15
0.02<LASP2/L<0.15
の条件を満足する。
【0037】
本実施の形態にかかる投影光学系によれば、コマ収差の補正を良好に行うことが可能となる。従って、本投影光学系では、広い投影視野および高い解像力を確保しつつ、像面の平坦性に優れた、良好な光学性能を達成することができる。
【0038】
また、本実施の形態にかかる投影光学系において、第1正レンズ群PG1又は第3正レンズ群PG3に非球面が含まれるようにしてもよい。第1正レンズ群PG1に非球面が含まれる場合には、投影光学系PLの共役長をL、マスクMから非球面までの投影光学系PLの光軸に沿った距離をLASP1とするとき、
0.02<LASP1/L<0.15
の条件を満足し、第3正レンズ群PG3に非球面が含まれる場合には、投影光学系PLの共役長をL、プレートPから非球面までの投影光学系PLの光軸に沿った距離をLASP2とするとき、
0.02<LASP2/L<0.15
の条件を満足する。本実施の形態にかかる投影光学系によれば、コマ収差の補正を良好に行うことが可能となる。従って、本投影光学系では、広い投影視野および高い解像力を確保しつつ、像面の平坦性に優れた、良好な光学性能を達成することができる。
【0039】
また、本実施の形態にかかる投影光学系は、4面以下の非球面を有する。本実施の形態にかかる投影光学系によれば、投影光学系は、4面以下の非球面、例えば4面の非球面を有する場合には、広い投影視野を有し、瞳面に関して非対称に構成された投影光学系において、収差補正が困難となる収差、即ち、コマ収差、非点収差、像面湾曲、歪曲収差の4収差をそれぞれ独立に補正することができる。
【0040】
また、本実施の形態にかかる投影光学系は、図2及び図3に示すように投影光学系PLが、マスクMから順に、正屈折力を有する第1正レンズ群PG1と、負屈折力を有する第1負レンズ群NG1と、正屈折力を有する第2正レンズ群PG2と、負屈折力を有する第2負レンズ群NG2と、正屈折力を有する第3正レンズ群PG3とを備え、4面以下の非球面は、第1正レンズ群PG1、第1負レンズ群NG1、第2負レンズ群NG2、及び第3正レンズ群PG3のうちの少なくとも何れか1つの群に設けに設けるようにしてもよい。この場合には、容易に、コマ収差、非点収差、像面湾曲、歪曲収差の4収差をそれぞれ独立に補正することができる。
【0041】
また、本実施の形態にかかる投影光学系は、投影光学系が、1以上の非球面を備え、投影光学系の共役長をL、マスクM及びプレートPから1以上の非球面までの光軸に沿った距離のうち短い方をLASPとするとき、
0.02<LASP/L<0.15
の条件を満足する。この場合には、コマ収差の補正を良好に行うことが可能となる。従って、本投影光学系では、広い投影視野および高い解像力を確保しつつ、像面の平坦性に優れた、良好な光学性能を達成することができる。
【0042】
〔第1実施例〕
図2は、第1実施例にかかる投影光学系のレンズ構成を示す図である。第1実施例にかかる投影光学系PL1は、物体側(すなわちマスクM側)から順に、第1部分光学系G1と、開口絞りASと、この開口絞りASに関して第1部分光学系G1と非対称的に構成された第2部分光学系G2とから構成されている。換言すると、第2部分光学系G2は、そのレンズ形状、そのレンズ間隔およびその光学材料において、投影光学系PL1の瞳面に配置された開口絞りASに関して第1部分光学系G1と非対称的に構成されている。この投影光学系PL1は、マスク(第1物体)Mの像をプレート(第2物体)P上にほぼ等倍の倍率で投影する。
【0043】
第1部分光学系G1は、物体側から順に、正屈折力を有する第1正レンズ群PG1と、負屈折力を有する第1負レンズ群NG1と、正屈折力を有する第2正レンズ群PG2の一部とから構成されている。
【0044】
ここで、第1正レンズ群PG1は、物体側(マスクM側)から順に、両凹レンズL1、両凹レンズL2、物体側に非球面状に形成された凹面を向けた正メニスカスレンズL3、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL4、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL5、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL6から構成されている。また、第1負レンズ群NG1は、物体側から順に、像側(プレートP側)に凹面を向けた負メニスカスレンズL7、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL8、両凹レンズL9、両凹レンズL10、両凹レンズL11から構成さている。また、第1部分光学系G1を構成する第2正レンズ群PG2の一部は、両凸レンズL12、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL13、両凸レンズL14、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL15、両凸レンズL16、両凸レンズL17、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL18から構成されている。
【0045】
また、第2部分光学系G2は、物体側から順に、正屈折力を有する第2正レンズ群PG2の一部、負屈折力を有する第2負レンズ群NG2と、正屈折力を有する第3正レンズ群PG3とから構成されている。
【0046】
ここで第2部分光学系G2を構成する第2正レンズ群PG2の一部は、両凸レンズL19、両凸レンズL20、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL21、両凸レンズL22から構成されている。また、第2負レンズ群NG2は、両凹レンズL23、両凹レンズL24、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL25、両凸レンズL26、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL27から構成されている。また、第3正レンズ群PG3は、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL28、両凸レンズL29、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL30、像側に非球面状に形成された凹面を向けた正メニスカスレンズL31、両凹レンズL32から構成されている。
【0047】
次の(表1)に、第1実施例の投影光学系の諸元の値を掲げる。(表1)の主要諸元において、NAは物体側での開口数(像側での開口数も同じ)を、Y0は最大像高をそれぞれ示している。また、(表1)の光学部材諸元において、第1カラムの面番号は物体側からの光線進行方向に沿った面の順序を、第2カラムのrは各面の曲率半径(mm)を、第3カラムのdは各面の軸上間隔すなわち面間隔(mm)を、第4カラムのnは露光光(λ=365nm)に対する屈折率をそれぞれ示している。
なお、第1実施例において、非球面は、光軸に垂直な方向の高さをyとし、非球面の頂点における接平面から高さyにおける非球面上の位置までの光軸に沿った距離(サグ量)をxとし、頂点曲率半径をrとし、円錐係数をκとし、n次の非球面係数をCnとしたとき、以下の(数式1)で表される。
【0048】
【数1】
(数式1)
x=(y2/r)/〔1+{1−(1+κ)・y2/r2}1/2〕+C4・y4+C6・y6+C8・y8+C10・y10+C12・y12
第1実施例において、非球面状に形成されたレンズ面には面番号の右側に*印を付している。
【0049】
【表1】
なお、(表1)において、像高Yは53.5mmであり、プレートP側での開口数は0.275である。また、第0番目の面はマスクMを示している。
【0050】
ここで、(表1)に掲げる第1実施例の各像高におけるベストフォーカス位置(ガウス像点からの差)と波面収差Wのrms値を露光波長λ=365nmを単位として、(表2)に掲げる。
【0051】
【表2】
(表2)から本発明における第1実施例では、大きな投影視野(有効径107mm)の全体に亘って、像面の平坦性が良好に確保され、良好な光学性能を有していることがわかる。
【0052】
〔第2実施例〕
図3は、第2実施例にかかる投影光学系のレンズ構成を示す図である。第2実施例では、第1実施例と同様に、投影光学系PL2が、物体側から順に、第1部分光学系G1と、開口絞りASと、この開口絞りASに関して第1部分光学系G1と非対称的に構成された第2部分光学系G2とから構成され、ほぼ等倍の投影倍率を有する。また、第1部分光学系G1も第1実施例と同様に、物体側から順に、正屈折力を有する第1正レンズ群PG1と、負屈折力を有する第1負レンズ群NG1と、正屈折力を有する第2正レンズ群PG2の一部から構成されている。また、第2部分光学系G2は、第1実施例と同様に、物体側から順に、正屈折力を有する第2正レンズ群PG2の一部、負屈折力を有する第2負レンズ群NG2と、正屈折力を有する第3正レンズ群PG3とから構成されている。
【0053】
ここで、第1正レンズ群PG1は、物体側から順に、像側の面が非球面により構成された両凹レンズL1、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL2、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL3、両凸レンズL4、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL5から構成されている。また、第1負レンズ群NG1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL6、両凸レンズL7、両凹レンズL8、両凹レンズL9、両凹レンズL10から構成さている。また、第1部分光学系G1を構成する第2正レンズ群PG2の一部は、両凸レンズL11、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL12、両凸レンズL13、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL14、両凸レンズL15、両凸レンズL16、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL17から構成されている。
【0054】
また、第2部分光学系G2は、物体側から順に、正屈折力を有する第2正レンズ群PG2の一部、負屈折力を有する第2負レンズ群NG2と、正屈折力を有する第3正レンズ群PG3とから構成されている。
【0055】
ここで第1部分光学系G1を構成する第2正レンズ群PG2の一部は、両凸レンズL18、両凸レンズL19、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL20、両凸レンズL21から構成されている。また、第2負レンズ群NG2は、両凹レンズL22、両凹レンズL23、両凹レンズL24、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL25、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL26から構成されている。また、第3正レンズ群PG3は、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL27、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL28、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL29、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL30、物体側の面が非球面状に形成された両凹レンズL31から構成されている。
【0056】
次の(表3)に、第2実施例の投影光学系の諸元の値を掲げる。(表3)の主要諸元において、NAは物体側での開口数(像側での開口数も同じ)を、Y0は最大像高をそれぞれ示している。また、(表3)の光学部材諸元において、第1カラムの面番号は物体側からの光線進行方向に沿った面の順序を、第2カラムのrは各面の曲率半径(非球面の場合には頂点曲率半径:mm)を、第3カラムのdは各面の軸上間隔すなわち面間隔(mm)を、第4カラムのnは露光光(λ=365nm)に対する屈折率をそれぞれ示している。
【0057】
なお、第2実施例において非球面は、上述の第1実施例において用いた(数式1)で表される。第2実施例において、非球面状に形成されたレンズ面には面番号の右側に*印を付している。
【0058】
【表3】
なお、(表3)において、像高Yは53.5mmであり、プレートP側での開口数は0.275である。また、第0番目の面はマスクMを示している。ここで、(表3)に掲げる第2実施例の各像高におけるベストフォーカス位置(ガウス像点からの差)と波面収差Wのrms値を露光波長λ=365nmを単位として、(表4)に掲げる。
【0059】
【表4】
(表4)から本発明における第2実施例では、大きな投影視野(有効径107mm)の全体に亘って、像面の平坦性が良好に確保され、良好な光学性能を有していることがわかる
なお、上述の実施の形態では、i線(365nm)の露光光を供給する超高圧水銀ランプを光源として用いた例を示したが、露光光の波長はi線には限られない。例えば、光源として超高圧水銀ランプを用い、g線(436nm)のみ、h線(405nm)のみ、g線とh線、h線とi線、またはg線とh線とi線とを露光光としても良い。
【0060】
また、光源として248nmの光を供給するKrFエキシマレーザ、193nmの光を供給するArFエキシマレーザ、157nmの光を供給するF2レーザなどを光源として用いても良い。ここで、KrFエキシマレーザを光源として用いる場合においては、露光光を狭帯化したときには投影光学系中の屈折性光学素子として石英ガラスを用い、露光光量を増すために露光光を狭帯化しないときには投影光学系中の屈折性光学素子として石英ガラスと蛍石とを用いる。また、ArFエキシマレーザを光源として用いる場合においては、投影光学系中の屈折性光学素子として石英ガラスと蛍石とを用いる。また、F2レーザを光源として用いる場合には、投影光学系中の屈折性光学素子として蛍石を用いる。
【0061】
また、上述の実施の形態では、液晶表示素子やプラズマディスプレイパネル(PDP)等の表示デバイスの製造のリソグラフィー工程で用いる投影露光装置について説明したが、本発明は表示デバイス製造用の投影露光装置には限定されず、例えば半導体デバイス製造用、フォトマスク製造用、磁気ヘッド製造用、プリント配線基板の製造用にも適用することが可能である。なお、半導体デバイス製造用の投影露光装置ではワークとしてウェハを用い、表示デバイス製造用の投影露光装置ではワークとしてガラス基板を用い、フォトマスク製造用の投影露光装置ではワークとしてガラス基板或いはシリコン基板を用い、磁気ヘッド製造用の投影露光装置では、ワークとしてローバーと呼ばれるバー形状の基板を用い、プリント配線基板製造用の投影露光装置では、ワークWとしてエポキシ樹脂等の樹脂基板を用いる。また、本発明は、基板及びワークの少なくとも一方として帯状のフィルムを用いる投影露光装置にも適用できる。このような投影露光装置は、例えばTAB(Tape Automated Bonding)方式の電子部品の実装に使用されるフィルム回路基板の製造に用いられるフィルム露光装置が知られている。
【0062】
また、上記の実施の形態では、基板上の所定のショット領域に対してレチクル(マスク)上のパターン像を一括転写する一括露光方式または、レチクル(マスク)上の所定形状の照明領域に対して相対的に所定の方向ヘレチクル及び基板を同期して走査することにより、基板上の1つのショット領域にレチクルのパターン像を逐次的に転写するステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置を採用したが、露光装置をスティッチング及びスリットスキャン型の露光装置としても良い。
【0063】
スティッチング及びスリットスキャン型の露光装置では、レチクル(マスク)上の所定形状の照明領域に対して相対的に所定の第1の方向にレチクル及び基板を同期して走査することにより、基板上の第1列目の領域への露光が行われる。その後、そのレチクルを交換するか、又はそのレチクルを上記照明領域の第1の方向と直交する第2の方向に沿って所定量だけ移動させて、基板を照明領域の第2の方向と共役な方向に横ずれさせる。そして、再びレチクル上の所定形状の照明領域に対して相対的に第1の方向にレチクル及び基板を同期して走査することにより、基板上の第2列目の領域への露光を行う。このようなスティッチング及びスリットスキャン型の露光装置では、投影光学系の露光フィールドよりも広い基板上の領域にレチクルのパターンを露光することができる。なお、このようなスティッチング及びスリットスキャン型の露光装置は、米国特許第5,477,304号公報、特開平8−330220号公報(及びこれに対応する米国特許第6,295,119号公報)、特開平10−284408号公報、特開2000−277408号公報、特開2000−321784号公報などに開示されている。
【0064】
また、上記の実施の形態の投影露光装置では、プレート(ガラス基板)上に所定の回路パターンを形成することによって、マイクロデバイスとしての液晶表示素子を得ることもできる。以下、図4のフローチャートを参照して説明する。図4において、パターン形成工程401では、本実施の形態の露光装置を用いてレチクル(マスク)のパターンを感光性基板(レジストが塗布されたガラス基板等)に転写露光する、所謂光リソグラフィー工程が実行される。即ち、所定のパターンが形成されたマスクを照明し(照明工程)、投影光学系を用いて、マスクのパターンをプレートへ露光する(露光工程)。この光リソグラフィー工程によって、感光性基板上には多数の電極等を含む所定パターンが形成される。その後、露光された基板は、現像工程、エッチング工程、レチクル剥離工程等の各工程を経ることによって、基板上に所定のパターンが形成され、次のカラーフィルター形成工程402へ移行する。
【0065】
次に、カラーフィルター形成工程402では、R(Red)、G(Green)、B(Blue)に対応した3つのドットの組がマトリックス状に多数配列されたカラーフィルターを形成する。そして、カラーフィルター形成工程402の後に、セル組み立て工程403が実行される。セル組み立て工程403では、パターン形成工程401にて得られた所定パターンを有する基板、およびカラーフィルター形成工程402にて得られたカラーフィルター等を用いて液晶パネル(液晶セル)を組み立てる。セル組み立て工程403では、例えば、パターン形成工程401にて得られた所定パターンを有する基板とカラーフィルター形成工程402にて得られたカラーフィルターとの間に液晶を注入して、液晶パネル(液晶セル)を製造する。
【0066】
その後、モジュール組み立て工程404にて、組み立てられた液晶パネル(液晶セル)の表示動作を行わせる電気回路、バックライト等の各部品を取り付けて液晶表示素子として完成させる。上述の液晶表示素子製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有する液晶表示素子を得ることができる。
【0067】
【発明の効果】
本発明の投影光学系によれば、収差を良好に補正でき、広い投影視野および高い解像力を確保しつつ、像面の平坦性に優れ、良好な光学性能を達成することができる。また、瞳面に配置された開口絞りに関して、第1部分光学系と第2部分光学系とを非対称に構成することにより、第1部分光学系と第2部分光学系とを対称に構成し、自動的に投影光学系の投影倍率を等倍とする場合に比較して、投影光学系の設計の自由度を増大させることができる。
【0068】
また、本発明の露光装置によれば、良好な光学性能を有する本発明の投影光学系を用いて、装置および材料の高コスト化を招くことなく、良好な露光を行うことができる。
【0069】
また、本発明の露光方法によれば、広い投影視野および高い解像力を確保しつつ、像面の平坦性に優れ、良好な光学性能を達成する投影光学系を備えた露光装置を用いるため、大面積で良好なマイクロデバイスを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる投影光学系を備えた露光装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の第1実施例にかかる投影光学系のレンズ構成を示す図である。
【図3】本発明の第2実施例にかかる投影光学系のレンズ構成を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態にかかるマイクロデバイスの製造方法を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
PL1・・・・投影光学系
PL2・・・・投影光学系
G1・・・・・・第1部分光学系
G2・・・・・・第2部分光学系
PG1・・・・第1正レンズ群
NG1・・・・第1負レンズ群
PG2・・・・第2正レンズ群
NG2・・・・第2負レンズ群
PG3・・・・第3正レンズ群
AS・・・・・・開口絞り
ASP1・・第1の非球面
ASP2・・第2の非球面
1・・・・・・・・光源
M・・・・・・・・マスク
P・・・・・・・・プレート
Claims (11)
- 第1物体の像を第2物体上にほぼ等倍の倍率で投影する投影光学系において、
前記第1物体側から順に、第1部分光学系と、開口絞りと、第2部分光学系とを備え、
前記第1部分光学系と前記第2部分光学系とは、前記投影光学系の瞳面に関して非対称に構成されることを特徴とする投影光学系。 - 前記開口絞りは、前記投影光学系の前記瞳面に配置されることを特徴とする請求項1記載の投影光学系。
- 前記投影光学系の前記第1物体側の作動距離をWD1とし、前記投影光学系の前記第2物体側の作動距離をWD2とするとき、以下の条件を満足することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の投影光学系。
WD1≠WD2 - 前記投影光学系は、前記第1物体側から順に、正屈折力を有する第1正レンズ群と、負屈折力を有する第1負レンズ群と、正屈折力を有する第2正レンズ群と、負屈折力を有する第2負レンズ群と、正屈折力を有する第3正レンズ群とを備え、
前記第1正レンズ群の焦点距離をFPG1、前記第2正レンズ群の焦点距離をFPG2、前記第3正レンズ群の焦点距離をFPG3とするとき、以下の条件を満足することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の投影光学系。
0.8 < FPG1/FPG2 < 1.8
0.8 < FPG3/FPG2 < 1.8 - 前記第1正レンズ群に非球面が含まれる場合には、
前記投影光学系の共役長をL、前記第1物体から前記非球面までの前記投影光学系の光軸に沿った距離をLASP1とするとき、次の条件を満足し、
0.02<LASP1/L<0.15
前記第3正レンズ群に前記非球面が含まれる場合には、前記投影光学系の共役長をL、前記第2物体から前記非球面までの前記投影光学系の光軸に沿った距離をLASP2とするとき、次の条件を満足することを特徴とする請求項4記載の投影光学系。
0.02<LASP2/L<0.15 - 前記第1正レンズ群に含まれる第1非球面と、前記第3正レンズ群に含まれる第2非球面を備え、
前記投影光学系の共役長をL、前記第1物体から前記第1非球面までの前記投影光学系の光軸に沿った距離をLASP1、前記第2物体から前記第2非球面までの前記投影光学系の光軸に沿った距離をLASP2とするとき、以下の条件を満足することを特徴とする請求項4記載の投影光学系。
0.02<LASP1/L<0.15
0.02<LASP2/L<0.15 - 4面以下の非球面を有することを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の投影光学系。
- 前記投影光学系は、前記第1物体側から順に、正屈折力を有する第1正レンズ群と、負屈折力を有する第1負レンズ群と、正屈折力を有する第2正レンズ群と、負屈折力を有する第2負レンズ群と、正屈折力を有する第3正レンズ群とを備え、
前記4面以下の非球面は、前記第1正レンズ群、前記第1負レンズ群、前記第2負レンズ群、及び前記第3正レンズ群のうちの少なくとも何れか1つの群に設けられることを特徴とする請求項7記載の投影光学系。 - 前記投影光学系は、1以上の非球面を備え、
前記投影光学系の共役長をL、前記第1物体及び前記第2物体から前記1以上の非球面までの光軸に沿った距離のうち短い方をLASPとするとき、次の条件を満足することを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載の投影光学系。
0.02<LASP/L<0.15 - 請求項1乃至請求項9の何れか一項に記載の投影光学系と、
前記第1物体面に設定されたマスクを照明するための照明光学系とを備え、
前記投影光学系を介して前記マスク上に形成されたパターンを前記第2物体面に設定された感光性基板へ露光することを特徴とする露光装置。 - 所定のパターンが形成されたマスクを照明する照明工程と、
請求項1乃至請求項9の何れか一項に記載の投影光学系を用いて、前記第1物体面に設定された前記マスクのパターンを前記第2物体面に設定された感光性基板へ露光する露光工程と
を含むことを特徴とする露光方法。
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JP2002274629A Pending JP2004086110A (ja) | 2002-07-05 | 2002-09-20 | 投影光学系、露光装置及び露光方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004086110A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006267383A (ja) * | 2005-03-23 | 2006-10-05 | Nikon Corp | 投影光学系、露光装置、および露光方法 |
US7359036B2 (en) | 2005-05-27 | 2008-04-15 | Carl Zeiss Smt Ag | Imaging system, in particular for a microlithographic projection exposure apparatus |
WO2010032585A1 (ja) * | 2008-09-17 | 2010-03-25 | 株式会社ニコン | 照明光学系、露光装置、およびデバイス製造方法 |
-
2002
- 2002-09-20 JP JP2002274629A patent/JP2004086110A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006267383A (ja) * | 2005-03-23 | 2006-10-05 | Nikon Corp | 投影光学系、露光装置、および露光方法 |
US7359036B2 (en) | 2005-05-27 | 2008-04-15 | Carl Zeiss Smt Ag | Imaging system, in particular for a microlithographic projection exposure apparatus |
WO2010032585A1 (ja) * | 2008-09-17 | 2010-03-25 | 株式会社ニコン | 照明光学系、露光装置、およびデバイス製造方法 |
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