JPWO2004084281A1 - 投影光学系、露光装置、および露光方法 - Google Patents
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Abstract
たとえばArFエキシマレーザ光を用い、蛍石の高周波成分を含む屈折率のばらつきや固有複屈折の影響を回避しつつ、良好な結像性能を長期に亘って確保することのできる投影光学系。第1面(R)の縮小像を第2面(W)上に形成する投影光学系。最も第2面側に配置されたほぼ無屈折力の第1光透過部材(L23)を備えている。第1光透過部材と第2面との距離をWDとし、第2面側開口数をNAとし、使用光の中心波長をL×10−6とするとき、0.06<WD・NA/L<0.23の条件を満足する。あるいは、最も第2面側に配置されたほぼ無屈折力の第1光透過部材と、その第1面側に隣接して配置された第2光透過部材(L22)とを備えている。第2光透過部材から第2面までの空気換算長をODとするとき、0.1<OD・NA/L<0.4の条件を満足する。
Description
本発明は、投影光学系、露光装置、および露光方法に関し、特に半導体素子などのマイクロデバイスをフォトリソグラフィ工程で製造する際に使用される露光装置に好適な投影光学系に関するものである。
近年、半導体素子の製造や半導体チップ実装基板の製造では、微細化がますます進んでおり、マスクのパターンを感光性基板としてのウェハに焼き付ける露光装置では、より解像力の高い投影光学系が要求されている。この高解像の要求を満足するには、露光光を短波長化し且つNA(投影光学系の像側開口数)を大きくしなければならない。
しかしながら、露光光の波長が短くなると、光の吸収のため実用に耐える光学材料の種類が限られてくる。たとえば波長が200nm以下の紫外域の光、特にArFエキシマレーザ光(波長193nm)を露光光として用いる露光装置では、投影光学系中の光透過部材(レンズなど)を石英と蛍石(フッ化カルシウム:CaF2)とにより形成する設計が一般的である。
ところで、ArFエキシマレーザ光を用いる投影光学系においてフルエンス(=単位面積・単位パルス当りのエネルギー量)の高い位置に石英光学成分を配置すると、レーザ光の照射を受けて、体積収縮による局所的屈折率変化すなわちコンパクションが起こり易く、ひいては石英光学成分の体積変化により投影光学系の結像性能が低下する可能性がある。
露光装置の場合、投影光学系において感光性基板の近傍に配置される光透過部材では、その有効半径が小さくなり、ひいてはフルエンスが高くなる傾向がある。したがって、感光性基板の近傍に配置される光透過部材を石英により形成すると、この石英透過部材にコンパクションが起こり易い。その結果、投影光学系の耐久性が、感光性基板の近傍に配置されてコンパクションの起こり易い石英透過部材に依存することになる。そこで、感光性基板の近傍に配置される光透過部材を、コンパクションの起きない光学材料である蛍石により形成する技術が知られている。
一方、蛍石は結晶材料であるため、固有複屈折を有する。特に、たとえば200nm以下の波長を有する光が蛍石を透過する場合には固有複屈折の影響が大きく、結晶軸方位の異なる一対の蛍石透過部材を組み合わせて、固有複屈折による結像性能の低下を抑える必要がある。ただし、このように結晶軸方位の異なる一対の蛍石透過部材を組み合わせても、固有複屈折による結像性能の低下を完全に抑えることはできない。さらに、蛍石では内部の屈折率分布が高周波成分を有することが知られており、この高周波成分を含む屈折率のばらつきがフレアの発生を招いて投影光学系の結像性能を低下させ易い。
また、たとえばArFエキシマレーザ光を露光光として用いる露光装置の場合、フォトレジストからの露光による脱ガス(アウトガス)は避けられない状況にある。したがって、従来から提案されている比較的大きな開口数を有する投影光学系では、特段の策を講じない限り脱ガスによるレンズの汚染を回避することができない。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたものであり、たとえばArFエキシマレーザ光を用い、蛍石の高周波成分を含む屈折率のばらつきや固有複屈折の影響を回避しつつ、良好な結像性能を長期に亘って確保することのできる投影光学系を提供することを目的とする。また、たとえばArFエキシマレーザ光に対して良好な結像性能を長期に亘って確保することのできる投影光学系を用いて、高い解像力で良好な投影露光を行うことのできる露光装置および露光方法を提供することを目的とする。
しかしながら、露光光の波長が短くなると、光の吸収のため実用に耐える光学材料の種類が限られてくる。たとえば波長が200nm以下の紫外域の光、特にArFエキシマレーザ光(波長193nm)を露光光として用いる露光装置では、投影光学系中の光透過部材(レンズなど)を石英と蛍石(フッ化カルシウム:CaF2)とにより形成する設計が一般的である。
ところで、ArFエキシマレーザ光を用いる投影光学系においてフルエンス(=単位面積・単位パルス当りのエネルギー量)の高い位置に石英光学成分を配置すると、レーザ光の照射を受けて、体積収縮による局所的屈折率変化すなわちコンパクションが起こり易く、ひいては石英光学成分の体積変化により投影光学系の結像性能が低下する可能性がある。
露光装置の場合、投影光学系において感光性基板の近傍に配置される光透過部材では、その有効半径が小さくなり、ひいてはフルエンスが高くなる傾向がある。したがって、感光性基板の近傍に配置される光透過部材を石英により形成すると、この石英透過部材にコンパクションが起こり易い。その結果、投影光学系の耐久性が、感光性基板の近傍に配置されてコンパクションの起こり易い石英透過部材に依存することになる。そこで、感光性基板の近傍に配置される光透過部材を、コンパクションの起きない光学材料である蛍石により形成する技術が知られている。
一方、蛍石は結晶材料であるため、固有複屈折を有する。特に、たとえば200nm以下の波長を有する光が蛍石を透過する場合には固有複屈折の影響が大きく、結晶軸方位の異なる一対の蛍石透過部材を組み合わせて、固有複屈折による結像性能の低下を抑える必要がある。ただし、このように結晶軸方位の異なる一対の蛍石透過部材を組み合わせても、固有複屈折による結像性能の低下を完全に抑えることはできない。さらに、蛍石では内部の屈折率分布が高周波成分を有することが知られており、この高周波成分を含む屈折率のばらつきがフレアの発生を招いて投影光学系の結像性能を低下させ易い。
また、たとえばArFエキシマレーザ光を露光光として用いる露光装置の場合、フォトレジストからの露光による脱ガス(アウトガス)は避けられない状況にある。したがって、従来から提案されている比較的大きな開口数を有する投影光学系では、特段の策を講じない限り脱ガスによるレンズの汚染を回避することができない。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたものであり、たとえばArFエキシマレーザ光を用い、蛍石の高周波成分を含む屈折率のばらつきや固有複屈折の影響を回避しつつ、良好な結像性能を長期に亘って確保することのできる投影光学系を提供することを目的とする。また、たとえばArFエキシマレーザ光に対して良好な結像性能を長期に亘って確保することのできる投影光学系を用いて、高い解像力で良好な投影露光を行うことのできる露光装置および露光方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の第1形態では、第1面の縮小像を第2面上に形成する投影光学系において、
最も第2面側に配置されたほぼ無屈折力の第1光透過部材を備え、
前記第1光透過部材と前記第2面との間の光軸に沿った距離をWDとし、第2面側開口数をNAとし、使用光の中心波長をL×10−6とするとき、
0.06<WD・NA/L<0.23
の条件を満足することを特徴とする投影光学系を提供する。
本発明の第2形態では、第1面の縮小像を第2面上に形成する投影光学系において、
最も第2面側に配置されたほぼ無屈折力の第1光透過部材と、該第1光透過部材の第1面側に隣接して配置された第2光透過部材とを備え、
前記第2光透過部材から前記第2面までの光軸に沿った空気換算長をODとし、第2面側開口数をNAとし、使用光の中心波長をL×10−6とするとき、
0.1<OD・NA/L<0.4
の条件を満足することを特徴とする投影光学系を提供する。
本発明の第3形態では、前記第1面に設定されたマスクを照明するための照明系と、前記マスクに形成されたパターンの像を前記第2面に設定された感光性基板上に形成するための第1形態または第2形態の投影光学系とを備えていることを特徴とする露光装置を提供する。
本発明の第4形態では、前記第1面に設定されたマスクを照明する照明工程と、第1形態または第2形態の投影光学系を用いて前記マスクに形成されたパターンを前記第2面に設定された感光性基板上に投影露光する露光工程とを含むことを特徴とする露光方法を提供する。
本発明の第5形態では、マイクロデバイスの製造方法において、
感光性材料が塗布された基板を準備する基板準備工程と、
所定の回路パターンが形成されたマスクを準備するマスク準備工程と、
前記マスクを前記第1面に設定して照明する照明工程と、
第1形態または第2形態の投影光学系を用いて前記マスクに形成された前記パターンを前記第2面に設定された感光性基板上に投影露光する露光工程と、
前記基板上の前記感光性材料を現像する現像工程と、
現像後の前記感光性材料をマスクとして前記基板上に所定の回路パターンを形成するパターン形成工程とを含むことを特徴とするマイクロデバイスの製造方法を提供する。
最も第2面側に配置されたほぼ無屈折力の第1光透過部材を備え、
前記第1光透過部材と前記第2面との間の光軸に沿った距離をWDとし、第2面側開口数をNAとし、使用光の中心波長をL×10−6とするとき、
0.06<WD・NA/L<0.23
の条件を満足することを特徴とする投影光学系を提供する。
本発明の第2形態では、第1面の縮小像を第2面上に形成する投影光学系において、
最も第2面側に配置されたほぼ無屈折力の第1光透過部材と、該第1光透過部材の第1面側に隣接して配置された第2光透過部材とを備え、
前記第2光透過部材から前記第2面までの光軸に沿った空気換算長をODとし、第2面側開口数をNAとし、使用光の中心波長をL×10−6とするとき、
0.1<OD・NA/L<0.4
の条件を満足することを特徴とする投影光学系を提供する。
本発明の第3形態では、前記第1面に設定されたマスクを照明するための照明系と、前記マスクに形成されたパターンの像を前記第2面に設定された感光性基板上に形成するための第1形態または第2形態の投影光学系とを備えていることを特徴とする露光装置を提供する。
本発明の第4形態では、前記第1面に設定されたマスクを照明する照明工程と、第1形態または第2形態の投影光学系を用いて前記マスクに形成されたパターンを前記第2面に設定された感光性基板上に投影露光する露光工程とを含むことを特徴とする露光方法を提供する。
本発明の第5形態では、マイクロデバイスの製造方法において、
感光性材料が塗布された基板を準備する基板準備工程と、
所定の回路パターンが形成されたマスクを準備するマスク準備工程と、
前記マスクを前記第1面に設定して照明する照明工程と、
第1形態または第2形態の投影光学系を用いて前記マスクに形成された前記パターンを前記第2面に設定された感光性基板上に投影露光する露光工程と、
前記基板上の前記感光性材料を現像する現像工程と、
現像後の前記感光性材料をマスクとして前記基板上に所定の回路パターンを形成するパターン形成工程とを含むことを特徴とするマイクロデバイスの製造方法を提供する。
第1図は、本発明の実施形態にかかる投影光学系を備えた露光装置の構成を概略的に示す図である。
第2図は、第1実施例にかかる投影光学系のレンズ構成を示す図である。
第3図は、第1実施例における横収差を示す図である。
第4図は、第2実施例にかかる投影光学系のレンズ構成を示す図である。
第5図は、第2実施例における横収差を示す図である。
第6図は、マイクロデバイスとしての半導体デバイスを得る際の手法のフローチャートである。
第7図は、マイクロデバイスとしての液晶表示素子を得る際の手法のフローチャートである。
第2図は、第1実施例にかかる投影光学系のレンズ構成を示す図である。
第3図は、第1実施例における横収差を示す図である。
第4図は、第2実施例にかかる投影光学系のレンズ構成を示す図である。
第5図は、第2実施例における横収差を示す図である。
第6図は、マイクロデバイスとしての半導体デバイスを得る際の手法のフローチャートである。
第7図は、マイクロデバイスとしての液晶表示素子を得る際の手法のフローチャートである。
本発明の投影光学系では、最も像側(第2面側)に配置されたほぼ無屈折力の第1光透過部材を有し、以下の条件式(1)を満足する。条件式(1)において、WDは第1光透過部材と像面との間の光軸に沿った距離(すなわち作動距離)であり、NAは投影光学系の像側開口数である。また、L×10−6は、使用光の中心波長である。
0.06<WD・NA/L<0.23 (1)
本発明では、投影光学系中において最も像側に配置される第1光透過部材を、たとえば平行平面板のようにほぼ無屈折力の光透過部材として構成している。したがって、石英で形成した第1光透過部材のコンパクションに起因する体積変化(形状変化)により第1光透過部材の交換が必要になっても、脱ガスに起因する汚染により第1光透過部材の交換が必要になっても、第1光透過部材の交換に際して位置誤差や姿勢誤差(たとえば偏心誤差など)の影響を受けにくく且つ面精度誤差も生じにくく、ひいては第1光透過部材の交換が結像性能へ及ぼす影響を少なく抑えることができる。
また、条件式(1)の下限値を下回ると、作動距離WDが小さくなりすぎて、第1光透過部材のフルエンスが高くなり、石英により形成した第1光透過部材へのコンパクションの影響が大きくなるため、第1光透過部材の交換の頻度が増大してしまう。また、作動距離WDが小さくなりすぎて、第1光透過部材が脱ガスに起因する汚染を受け易くなるため、第1光透過部材の交換の頻度が増大してしまう。
一方、条件式(1)の上限値を上回ると、作動距離WDが大きくなりすぎて、色収差や球面収差を良好に補正することが困難になってしまう。なお、第1光透過部材の交換の頻度をさらに抑え、色収差や球面収差をさらに良好に補正するには、条件式(1)の上限値を0.18に設定し、その下限値を0.08に設定することが好ましい。
また、本発明では、最も像側に配置されたほぼ無屈折力の第1光透過部材と、この第1光透過部材の物体側(第1面側)に隣接して配置された第2光透過部材とを有し、以下の条件式(2)を満足する。条件式(2)において、ODは第2光透過部材から像面までの光軸に沿った空気換算長である。なお、空気換算長ODは、次の式(2a)で表わされる。
0.1<OD・NA/L<0.4 (2)
OD=WD+(第1光透過部材の中心厚)/(第1光透過部材の屈折率)
+(第1光透過部材と第2光透過部材との軸上間隔) (2a)
条件式(2)の下限値を下回ると、空気換算長ODが小さくなりすぎて、第1光透過部材のフルエンスだけでなく第2光透過部材のフルエンスも高くなり、第2光透過部材の交換も必要になってしまう。一方、条件式(2)の上限値を上回ると、空気換算長ODが大きくなりすぎて、色収差や球面収差を良好に補正することが困難になってしまう。なお、第2光透過部材の交換の必要性をさらに確実に抑え、色収差や球面収差をさらに良好に補正するには、条件式(2)の上限値を0.35に設定し、その下限値を0.12に設定することが好ましい。
また、本発明では、露光装置に適用した場合にパターン微細化のトレンドに鑑み、200nm以下の波長を有する露光光を用い、焦点深度をできるだけ大きく確保することが望ましい。この場合、光透過部材に使用可能な光学材料は石英と蛍石とに限定されるが、投影光学系を構成するすべての光透過部材を石英で形成することにより、蛍石を用いた場合の固有複屈折や高周波成分を含む屈折率のばらつきによる結像性能の低下を避けることができる。特に、像側開口数NAが0.75よりも大きく、ひいては光透過部材内の光線の角度ばらつきが大きくなる投影光学系では、蛍石を用いた場合に固有複屈折の影響が大きくなり易いため、すべての光透過部材が石英で形成される投影光学系が非常に有利になる。
また、200nm以下の波長を有する露光光を用いる場合、蛍石の屈折率が石英のそれよりも低くなるため、同じ焦点距離であれば、蛍石で形成される光透過部材(典型的にはレンズ)の曲率が石英で形成される光透過部材の曲率よりもきつくなり、当該光透過部材上に均一に薄膜を設けることが困難となりやすい。この理由によっても、すべての光透過部材が石英で形成される投影光学系が非常に有利となる。
また、本発明では、次の条件式(3)を満足することが好ましい。条件式(3)において、Tは第1光透過部材の中心厚である。
0.04<T/L<0.16 (3)
条件式(3)の下限値を下回ると、第1光透過部材の中心厚Tが小さくなりすぎて、第1光透過部材のフルエンスだけでなく第2光透過部材のフルエンスも高くなり易く、第2光透過部材の交換も必要になるので好ましくない。この場合、第2光透過部材のフルエンスを小さくするために作動距離WDを大きくすると、色収差や球面収差を良好に補正することが困難になってしまう。
一方、条件式(3)の上限値を上回ると、第1光透過部材の中心厚Tが大きくなりすぎて、第1光透過部材の交換に際して内部屈折率の均質性の違いおよび交換前後の姿勢差の影響を受け易く、ひいては結像性能の低下を招き易くなるので好ましくない。なお、色収差や球面収差を良好に補正しつつ第2光透過部材の交換の必要性をさらに確実に抑え、内部屈折率の均質性の違いおよび交換前後の姿勢差の影響による結像性能の低下をさらに良好に抑えるには、条件式(3)の上限値を0.13に設定し、その下限値を0.045に設定することが好ましい。
また、本発明では、次の条件式(4)を満足することが好ましい。条件式(4)において、EDは第2光透過部材の像側有効半径であり、MDは投影光学系を構成するすべての光透過部材における有効半径の最大値である。
0.28<ED・NA/MD<0.6 (4)
条件式(4)の下限値を下回ると、第2光透過部材の像側有効半径EDが小さくなりすぎて、第1光透過部材のフルエンスだけでなく第2光透過部材のフルエンスも高くなり易く、第2光透過部材の交換も必要になるので好ましくない。一方、条件式(4)の上限値を上回ると、第2光透過部材の像側有効半径EDが大きくなりすぎて、色収差や球面収差を良好に補正することが困難になるので好ましくない。なお、第2光透過部材の交換の必要性をさらに確実に抑え、色収差や球面収差をさらに良好に補正するには、条件式(4)の上限値を0.55に設定し、その下限値を0.30に設定することが好ましい。
また、本発明では、投影光学系中において最も像側に配置されたほぼ無屈折力の第1光透過部材を交換可能に構成することにより、第1光透過部材がコンパクションにより形状変化しても、第1光透過部材が脱ガスに起因する汚染の影響を受けても、投影光学系も全体を交換する必要がなく、第1光透過部材を交換するだけで良好な結像性能を長期に亘って提供することができる。
以上のように、本発明の投影光学系では、たとえばArFエキシマレーザ光を用い、蛍石の高周波成分を含む屈折率のばらつきや固有複屈折の影響を回避しつつ、良好な結像性能を長期に亘って確保することができる。したがって、本発明の投影光学系を用いる露光装置および露光方法では、たとえばArFエキシマレーザ光に対して良好な結像性能を長期に亘って確保することのできる投影光学系を介して、高い解像力で良好な投影露光を行うことができる。
本発明の実施形態を、添付図面に基づいて説明する。
第1図は、本発明の実施形態にかかる投影光学系を備えた露光装置の構成を概略的に示す図である。なお、第1図において、投影光学系PLの光軸AXに平行にZ軸を、光軸AXに垂直な面内において第1図の紙面に平行にY軸を、光軸AXに垂直な面内において第1図の紙面に垂直にX軸を設定している。
第1図に示す露光装置は、照明光を供給するための光源LSとして、ArFエキシマレーザ光源(波長193.306nm)を備えている。光源LSから射出された光は、照明光学系ILを介して、所定のパターンが形成された投影原版としてのレチクル(マスク)Rを照明する。照明光学系ILは、露光光の照度分布を均一化するためのフライアイレンズ、照明開口絞り、可変視野絞り(レチクルブラインド)、コンデンサレンズ系等から構成されている。
レチクルRは、レチクルホルダRHを介して、レチクルステージRS上においてXY平面に平行に保持されている。レチクルステージRSは、図示を省略した駆動系の作用により、レチクル面(すなわちXY平面)に沿って二次元的に移動可能であり、その位置座標はレチクル移動鏡RMを用いた干渉計RIFによって計測され且つ位置制御されるように構成されている。レチクルRに形成されたパターンからの光は、投影光学系PLを介して、フォトレジストの塗布されたウェハW(感光性基板)上にレチクルパターン像を形成する。
このとき、投影光学系PLの瞳位置には照明光学系ILの照明瞳面における二次光源の像が形成され、投影光学系PLを介した光によってウェハWがケーラー照明される。ウェハWは、ウェハテーブル(ウェハホルダ)WTを介して、ウェハステージWS上においてXY平面に平行に保持されている。ウェハステージWSは、図示を省略した駆動系の作用によりウェハ面(すなわちXY平面)に沿って二次元的に移動可能であり、その位置座標はウェハ移動鏡WMを用いた干渉計WIFによって計測され且つ位置制御されるように構成されている。
こうして、本実施形態では、投影光学系PLの光軸AXと直交する平面(XY平面)内においてウェハWを二次元的に駆動制御しながら一括露光を行うことにより、いわゆるステップ・アンド・リピート方式にしたがって、ウェハWの各露光領域にはレチクルRのパターンが逐次露光される。以下、具体的な数値例に基づいて、本実施形態の投影光学系PLの各実施例を説明する。
各実施例において、投影光学系PLを構成するすべての光透過部材(レンズ、平行平面板など)は石英により形成されている。また、露光光であるArFエキシマレーザ光の発振中心波長は193.306nmであり、193.306nm付近において石英の屈折率は、+1pmの波長変化あたり−1.591×10− 6の割合で変化し、−1pmの波長変化あたり+1.591×10−6の割合で変化する。換言すると、193.306nm付近において、石英の屈折率の分散(dn/dλ)は、−1.591×10−6/pmである。
したがって、各実施例において、中心波長193.306nmに対する石英の屈折率は1.5603261であり、193.306nm+0.125pm=193.306125nmに対する石英の屈折率は1.560325901であり、193.306nm−0.125pm=193.305875nmに対する石英の屈折率は1.560326299である。
また、各実施例において、非球面は、光軸に垂直な方向の高さをyとし、非球面の頂点における接平面から高さyにおける非球面上の位置までの光軸に沿った距離(サグ量)をzとし、頂点曲率半径をrとし、円錐係数をκとし、n次の非球面係数をCnとしたとき、以下の数式(a)で表される。各実施例において、非球面形状に形成されたレンズ面には面番号の右側に*印を付している。
z=(y2/r)/[1+{1−(1+κ)・y2/r2}1/2]
+C4・y4+C6・y6+C8・y8+C10・y10
+C12・y12+C14・y14 (a)
[第1実施例]
第2図は、第1実施例にかかる投影光学系のレンズ構成を示す図である。第2図を参照すると、第1実施例の投影光学系PLは、レチクル側から順に、ウェハ側に非球面形状の凹面を向けた両凹レンズL1と、レチクル側に凹面を向けた負メニスカスレンズL2と、レチクル側に非球面形状の凹面を向けた正メニスカスレンズL3と、両凸レンズL4と、レチクル側に凸面を向けた正メニスカスレンズL5と、レチクル側に凸面を向けた正メニスカスレンズL6と、ウェハ側に非球面形状の凹面を向けた正メニスカスレンズL7と、レチクル側に凸面を向けた負メニスカスレンズL8と、両凹レンズL9と、レチクル側に非球面形状の凹面を向けた負メニスカスレンズL10と、ウェハ側に非球面形状の凹面を向けた両凹レンズL11と、レチクル側に凹面を向けた正メニスカスレンズL12と、レチクル側に非球面形状の凹面を向けた正メニスカスレンズL13と、レチクル側に凸面を向けた正メニスカスレンズL14と、レチクル側に凸面を向けた正メニスカスレンズL15と、開口絞りASと、レチクル側に凸面を向けた負メニスカスレンズL16と、両凸レンズL17と、レチクル側に凸面を向けた正メニスカスレンズL18と、ウェハ側に非球面形状の凹面を向けた正メニスカスレンズL19と、ウェハ側に非球面形状の凹面を向けた正メニスカスレンズL20と、両凹レンズL21と、レチクル側に凸面を向けた正メニスカスレンズL22と、平行平面板L23とにより構成されている。
第1実施例では、平行平面板L23が、投影光学系PL中において最も像側に配置されたほぼ無屈折力の第1光透過部材を構成している。また、正メニスカスレンズL22が、第1光透過部材としての平行平面板L23の物体側に隣接して配置された第2光透過部材を構成している。
次の表(1)に、第1実施例にかかる投影光学系PLの諸元の値を掲げる。表(1)の主要諸元において、λは露光光の中心波長を、βは投影倍率を、NAは像側(ウェハ側)開口数を、Y0は最大像高をそれぞれ表している。また、表(1)の光学部材諸元において、面番号はレチクル側からの光学面の順序を、rは各光学面の曲率半径(非球面の場合には頂点曲率半径:mm)を、dは各光学面の軸上間隔すなわち面間隔(mm)を、φは各光学面の有効半径(mm)を、nは露光光の中心波長に対する屈折率をそれぞれ示している。上述の表記は、以降の表(2)においても同様である。
第3図は、第1実施例における横収差を示す図である。収差図において、Yは像高を、実線は中心波長193.306nmを、破線は193.306nm+0.125pm=193.306125nmを、一点鎖線は193.306nm−0.125pm=193.305875nmをそれぞれ示している。上述の表記は、以降の第5図においても同様である。収差図から明らかなように、第1実施例では、波長幅が193.306nm±0.125pmの露光光に対して色収差が良好に補正されていることがわかる。
[第2実施例]
第4図は、第2実施例にかかる投影光学系のレンズ構成を示す図である。第4図を参照すると、第2実施例の投影光学系PLは、レチクル側から順に、ウェハ側に非球面形状の凹面を向けた両凹レンズL1と、レチクル側に凹面を向けた負メニスカスレンズL2と、レチクル側に非球面形状の凹面を向けた正メニスカスレンズL3と、両凸レンズL4と、レチクル側に凸面を向けた正メニスカスレンズL5と、レチクル側に凸面を向けた正メニスカスレンズL6と、ウェハ側に非球面形状の凹面を向けた正メニスカスレンズL7と、レチクル側に凸面を向けた負メニスカスレンズL8と、両凹レンズL9と、レチクル側に非球面形状の凹面を向けた負メニスカスレンズL10と、ウェハ側に非球面形状の凹面を向けた両凹レンズL11と、レチクル側に凹面を向けた正メニスカスレンズL12と、レチクル側に非球面形状の凹面を向けた正メニスカスレンズL13と、レチクル側に凸面を向けた正メニスカスレンズL14と、レチクル側に凸面を向けた負メニスカスレンズL15と、開口絞りASと、レチクル側に凸面を向けた負メニスカスレンズL16と、両凸レンズL17と、レチクル側に凸面を向けた正メニスカスレンズL18と、ウェハ側に非球面形状の凹面を向けた正メニスカスレンズL19と、ウェハ側に非球面形状の凹面を向けた正メニスカスレンズL20と、両凹レンズL21と、レチクル側に凸面を向けた正メニスカスレンズL22と、平行平面板L23とにより構成されている。
第2実施例においても、平行平面板L23が投影光学系PL中において最も像側に配置されたほぼ無屈折力の第1光透過部材を構成し、正メニスカスレンズL22が第1光透過部材としての平行平面板L23の物体側に隣接して配置された第2光透過部材を構成している。次の表(2)に、第2実施例にかかる投影光学系PLの諸元の値を掲げる。
第5図は、第2実施例における横収差を示す図である。収差図から明らかなように、第2実施例においても第1実施例と同様に、波長幅が193.306nm±0.125pmの露光光に対して色収差が良好に補正されていることがわかる。
本実施形態の各実施例では、最も像側に配置された平行平面板(第1光透過部材)L23がコンパクションにより形状変化したり、平行平面板L23がウェハWからの脱ガスに起因する汚染の影響を受けたりして、投影光学系PLの結像性能が低下した場合、平行平面板L23を交換用平行平面板(交換用光透過部材)と交換することにより、投影光学系PLの結像性能を長期に亘って良好に確保することができる。
上述の実施形態の露光装置では、照明系によってレチクル(マスク)を照明し(照明工程)、投影光学系を用いてマスクに形成された転写用のパターンを感光性基板に露光する(露光工程)ことにより、マイクロデバイス(半導体素子、撮像素子、液晶表示素子、薄膜磁気ヘッド等)を製造することができる。以下、本実施形態の露光装置を用いて感光性基板としてのウェハ等に所定の回路パターンを形成することによって、マイクロデバイスとしての半導体デバイスを得る際の手法の一例につき第6図のフローチャートを参照して説明する。
先ず、第6図のステップ301において、1ロットのウェハ上に金属膜が蒸着される。次のステップ302において、その1ロットのウェハ上の金属膜上にフォトレジストが塗布される。その後、ステップ303において、本実施形態の露光装置を用いて、マスク上のパターンの像がその投影光学系を介して、その1ロットのウェハ上の各ショット領域に順次露光転写される。その後、ステップ304において、その1ロットのウェハ上のフォトレジストの現像が行われた後、ステップ305において、その1ロットのウェハ上でレジストパターンをマスクとしてエッチングを行うことによって、マスク上のパターンに対応する回路パターンが、各ウェハ上の各ショット領域に形成される。
その後、更に上のレイヤの回路パターンの形成等を行うことによって、半導体素子等のデバイスが製造される。上述の半導体デバイス製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有する半導体デバイスをスループット良く得ることができる。なお、ステップ301〜ステップ305では、ウェハ上に金属を蒸着し、その金属膜上にレジストを塗布、そして露光、現像、エッチングの各工程を行っているが、これらの工程に先立って、ウェハ上にシリコンの酸化膜を形成後、そのシリコンの酸化膜上にレジストを塗布、そして露光、現像、エッチング等の各工程を行っても良いことはいうまでもない。
また、本実施形態の露光装置では、プレート(ガラス基板)上に所定のパターン(回路パターン、電極パターン等)を形成することによって、マイクロデバイスとしての液晶表示素子を得ることもできる。以下、第7図のフローチャートを参照して、このときの手法の一例につき説明する。第7図において、パターン形成工程401では、本実施形態の露光装置を用いてマスクのパターンを感光性基板(レジストが塗布されたガラス基板等)に転写露光する、所謂光リソグラフィ工程が実行される。この光リソグラフィー工程によって、感光性基板上には多数の電極等を含む所定パターンが形成される。その後、露光された基板は、現像工程、エッチング工程、レジスト剥離工程等の各工程を経ることによって、基板上に所定のパターンが形成され、次のカラーフィルター形成工程402へ移行する。
次に、カラーフィルター形成工程402では、R(Red)、G(Green)、B(Blue)に対応した3つのドットの組がマトリックス状に多数配列されたり、またはR、G、Bの3本のストライプのフィルターの組を複数水平走査線方向に配列されたりしたカラーフィルターを形成する。そして、カラーフィルター形成工程402の後に、セル組み立て工程403が実行される。セル組み立て工程403では、パターン形成工程401にて得られた所定パターンを有する基板、およびカラーフィルター形成工程402にて得られたカラーフィルター等を用いて液晶パネル(液晶セル)を組み立てる。セル組み立て工程403では、例えば、パターン形成工程401にて得られた所定パターンを有する基板とカラーフィルター形成工程402にて得られたカラーフィルターとの間に液晶を注入して、液晶パネル(液晶セル)を製造する。
その後、モジュール組み立て工程404にて、組み立てられた液晶パネル(液晶セル)の表示動作を行わせる電気回路、バックライト等の各部品を取り付けて液晶表示素子として完成させる。上述の液晶表示素子の製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有する液晶表示素子をスループット良く得ることができる。
なお、上述の実施形態では、ウェハWの各露光領域に対してレチクルRのパターンを一括的に露光するステップ・アンド・リピート方式の露光装置に本発明を適用している。しかしながら、これに限定されることなく、ウェハWとレチクルRとを投影光学系PLに対して相対移動させつつウェハWの各露光領域に対してレチクルRのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の露光装置に本発明を適用することもできる。
また、上述の実施形態では、193nmの波長光を供給するArFエキシマレーザ光源を用いているが、これに限定されることなく、たとえば200nm以下の波長光を供給する他の適当な光源に対して本発明を適用することもできる。
さらに、上述の実施形態では、露光装置に搭載される投影光学系に対して本発明を適用しているが、これに限定されることなく、他の一般的な投影光学系に対して本発明を適用することもできる。
0.06<WD・NA/L<0.23 (1)
本発明では、投影光学系中において最も像側に配置される第1光透過部材を、たとえば平行平面板のようにほぼ無屈折力の光透過部材として構成している。したがって、石英で形成した第1光透過部材のコンパクションに起因する体積変化(形状変化)により第1光透過部材の交換が必要になっても、脱ガスに起因する汚染により第1光透過部材の交換が必要になっても、第1光透過部材の交換に際して位置誤差や姿勢誤差(たとえば偏心誤差など)の影響を受けにくく且つ面精度誤差も生じにくく、ひいては第1光透過部材の交換が結像性能へ及ぼす影響を少なく抑えることができる。
また、条件式(1)の下限値を下回ると、作動距離WDが小さくなりすぎて、第1光透過部材のフルエンスが高くなり、石英により形成した第1光透過部材へのコンパクションの影響が大きくなるため、第1光透過部材の交換の頻度が増大してしまう。また、作動距離WDが小さくなりすぎて、第1光透過部材が脱ガスに起因する汚染を受け易くなるため、第1光透過部材の交換の頻度が増大してしまう。
一方、条件式(1)の上限値を上回ると、作動距離WDが大きくなりすぎて、色収差や球面収差を良好に補正することが困難になってしまう。なお、第1光透過部材の交換の頻度をさらに抑え、色収差や球面収差をさらに良好に補正するには、条件式(1)の上限値を0.18に設定し、その下限値を0.08に設定することが好ましい。
また、本発明では、最も像側に配置されたほぼ無屈折力の第1光透過部材と、この第1光透過部材の物体側(第1面側)に隣接して配置された第2光透過部材とを有し、以下の条件式(2)を満足する。条件式(2)において、ODは第2光透過部材から像面までの光軸に沿った空気換算長である。なお、空気換算長ODは、次の式(2a)で表わされる。
0.1<OD・NA/L<0.4 (2)
OD=WD+(第1光透過部材の中心厚)/(第1光透過部材の屈折率)
+(第1光透過部材と第2光透過部材との軸上間隔) (2a)
条件式(2)の下限値を下回ると、空気換算長ODが小さくなりすぎて、第1光透過部材のフルエンスだけでなく第2光透過部材のフルエンスも高くなり、第2光透過部材の交換も必要になってしまう。一方、条件式(2)の上限値を上回ると、空気換算長ODが大きくなりすぎて、色収差や球面収差を良好に補正することが困難になってしまう。なお、第2光透過部材の交換の必要性をさらに確実に抑え、色収差や球面収差をさらに良好に補正するには、条件式(2)の上限値を0.35に設定し、その下限値を0.12に設定することが好ましい。
また、本発明では、露光装置に適用した場合にパターン微細化のトレンドに鑑み、200nm以下の波長を有する露光光を用い、焦点深度をできるだけ大きく確保することが望ましい。この場合、光透過部材に使用可能な光学材料は石英と蛍石とに限定されるが、投影光学系を構成するすべての光透過部材を石英で形成することにより、蛍石を用いた場合の固有複屈折や高周波成分を含む屈折率のばらつきによる結像性能の低下を避けることができる。特に、像側開口数NAが0.75よりも大きく、ひいては光透過部材内の光線の角度ばらつきが大きくなる投影光学系では、蛍石を用いた場合に固有複屈折の影響が大きくなり易いため、すべての光透過部材が石英で形成される投影光学系が非常に有利になる。
また、200nm以下の波長を有する露光光を用いる場合、蛍石の屈折率が石英のそれよりも低くなるため、同じ焦点距離であれば、蛍石で形成される光透過部材(典型的にはレンズ)の曲率が石英で形成される光透過部材の曲率よりもきつくなり、当該光透過部材上に均一に薄膜を設けることが困難となりやすい。この理由によっても、すべての光透過部材が石英で形成される投影光学系が非常に有利となる。
また、本発明では、次の条件式(3)を満足することが好ましい。条件式(3)において、Tは第1光透過部材の中心厚である。
0.04<T/L<0.16 (3)
条件式(3)の下限値を下回ると、第1光透過部材の中心厚Tが小さくなりすぎて、第1光透過部材のフルエンスだけでなく第2光透過部材のフルエンスも高くなり易く、第2光透過部材の交換も必要になるので好ましくない。この場合、第2光透過部材のフルエンスを小さくするために作動距離WDを大きくすると、色収差や球面収差を良好に補正することが困難になってしまう。
一方、条件式(3)の上限値を上回ると、第1光透過部材の中心厚Tが大きくなりすぎて、第1光透過部材の交換に際して内部屈折率の均質性の違いおよび交換前後の姿勢差の影響を受け易く、ひいては結像性能の低下を招き易くなるので好ましくない。なお、色収差や球面収差を良好に補正しつつ第2光透過部材の交換の必要性をさらに確実に抑え、内部屈折率の均質性の違いおよび交換前後の姿勢差の影響による結像性能の低下をさらに良好に抑えるには、条件式(3)の上限値を0.13に設定し、その下限値を0.045に設定することが好ましい。
また、本発明では、次の条件式(4)を満足することが好ましい。条件式(4)において、EDは第2光透過部材の像側有効半径であり、MDは投影光学系を構成するすべての光透過部材における有効半径の最大値である。
0.28<ED・NA/MD<0.6 (4)
条件式(4)の下限値を下回ると、第2光透過部材の像側有効半径EDが小さくなりすぎて、第1光透過部材のフルエンスだけでなく第2光透過部材のフルエンスも高くなり易く、第2光透過部材の交換も必要になるので好ましくない。一方、条件式(4)の上限値を上回ると、第2光透過部材の像側有効半径EDが大きくなりすぎて、色収差や球面収差を良好に補正することが困難になるので好ましくない。なお、第2光透過部材の交換の必要性をさらに確実に抑え、色収差や球面収差をさらに良好に補正するには、条件式(4)の上限値を0.55に設定し、その下限値を0.30に設定することが好ましい。
また、本発明では、投影光学系中において最も像側に配置されたほぼ無屈折力の第1光透過部材を交換可能に構成することにより、第1光透過部材がコンパクションにより形状変化しても、第1光透過部材が脱ガスに起因する汚染の影響を受けても、投影光学系も全体を交換する必要がなく、第1光透過部材を交換するだけで良好な結像性能を長期に亘って提供することができる。
以上のように、本発明の投影光学系では、たとえばArFエキシマレーザ光を用い、蛍石の高周波成分を含む屈折率のばらつきや固有複屈折の影響を回避しつつ、良好な結像性能を長期に亘って確保することができる。したがって、本発明の投影光学系を用いる露光装置および露光方法では、たとえばArFエキシマレーザ光に対して良好な結像性能を長期に亘って確保することのできる投影光学系を介して、高い解像力で良好な投影露光を行うことができる。
本発明の実施形態を、添付図面に基づいて説明する。
第1図は、本発明の実施形態にかかる投影光学系を備えた露光装置の構成を概略的に示す図である。なお、第1図において、投影光学系PLの光軸AXに平行にZ軸を、光軸AXに垂直な面内において第1図の紙面に平行にY軸を、光軸AXに垂直な面内において第1図の紙面に垂直にX軸を設定している。
第1図に示す露光装置は、照明光を供給するための光源LSとして、ArFエキシマレーザ光源(波長193.306nm)を備えている。光源LSから射出された光は、照明光学系ILを介して、所定のパターンが形成された投影原版としてのレチクル(マスク)Rを照明する。照明光学系ILは、露光光の照度分布を均一化するためのフライアイレンズ、照明開口絞り、可変視野絞り(レチクルブラインド)、コンデンサレンズ系等から構成されている。
レチクルRは、レチクルホルダRHを介して、レチクルステージRS上においてXY平面に平行に保持されている。レチクルステージRSは、図示を省略した駆動系の作用により、レチクル面(すなわちXY平面)に沿って二次元的に移動可能であり、その位置座標はレチクル移動鏡RMを用いた干渉計RIFによって計測され且つ位置制御されるように構成されている。レチクルRに形成されたパターンからの光は、投影光学系PLを介して、フォトレジストの塗布されたウェハW(感光性基板)上にレチクルパターン像を形成する。
このとき、投影光学系PLの瞳位置には照明光学系ILの照明瞳面における二次光源の像が形成され、投影光学系PLを介した光によってウェハWがケーラー照明される。ウェハWは、ウェハテーブル(ウェハホルダ)WTを介して、ウェハステージWS上においてXY平面に平行に保持されている。ウェハステージWSは、図示を省略した駆動系の作用によりウェハ面(すなわちXY平面)に沿って二次元的に移動可能であり、その位置座標はウェハ移動鏡WMを用いた干渉計WIFによって計測され且つ位置制御されるように構成されている。
こうして、本実施形態では、投影光学系PLの光軸AXと直交する平面(XY平面)内においてウェハWを二次元的に駆動制御しながら一括露光を行うことにより、いわゆるステップ・アンド・リピート方式にしたがって、ウェハWの各露光領域にはレチクルRのパターンが逐次露光される。以下、具体的な数値例に基づいて、本実施形態の投影光学系PLの各実施例を説明する。
各実施例において、投影光学系PLを構成するすべての光透過部材(レンズ、平行平面板など)は石英により形成されている。また、露光光であるArFエキシマレーザ光の発振中心波長は193.306nmであり、193.306nm付近において石英の屈折率は、+1pmの波長変化あたり−1.591×10− 6の割合で変化し、−1pmの波長変化あたり+1.591×10−6の割合で変化する。換言すると、193.306nm付近において、石英の屈折率の分散(dn/dλ)は、−1.591×10−6/pmである。
したがって、各実施例において、中心波長193.306nmに対する石英の屈折率は1.5603261であり、193.306nm+0.125pm=193.306125nmに対する石英の屈折率は1.560325901であり、193.306nm−0.125pm=193.305875nmに対する石英の屈折率は1.560326299である。
また、各実施例において、非球面は、光軸に垂直な方向の高さをyとし、非球面の頂点における接平面から高さyにおける非球面上の位置までの光軸に沿った距離(サグ量)をzとし、頂点曲率半径をrとし、円錐係数をκとし、n次の非球面係数をCnとしたとき、以下の数式(a)で表される。各実施例において、非球面形状に形成されたレンズ面には面番号の右側に*印を付している。
z=(y2/r)/[1+{1−(1+κ)・y2/r2}1/2]
+C4・y4+C6・y6+C8・y8+C10・y10
+C12・y12+C14・y14 (a)
[第1実施例]
第2図は、第1実施例にかかる投影光学系のレンズ構成を示す図である。第2図を参照すると、第1実施例の投影光学系PLは、レチクル側から順に、ウェハ側に非球面形状の凹面を向けた両凹レンズL1と、レチクル側に凹面を向けた負メニスカスレンズL2と、レチクル側に非球面形状の凹面を向けた正メニスカスレンズL3と、両凸レンズL4と、レチクル側に凸面を向けた正メニスカスレンズL5と、レチクル側に凸面を向けた正メニスカスレンズL6と、ウェハ側に非球面形状の凹面を向けた正メニスカスレンズL7と、レチクル側に凸面を向けた負メニスカスレンズL8と、両凹レンズL9と、レチクル側に非球面形状の凹面を向けた負メニスカスレンズL10と、ウェハ側に非球面形状の凹面を向けた両凹レンズL11と、レチクル側に凹面を向けた正メニスカスレンズL12と、レチクル側に非球面形状の凹面を向けた正メニスカスレンズL13と、レチクル側に凸面を向けた正メニスカスレンズL14と、レチクル側に凸面を向けた正メニスカスレンズL15と、開口絞りASと、レチクル側に凸面を向けた負メニスカスレンズL16と、両凸レンズL17と、レチクル側に凸面を向けた正メニスカスレンズL18と、ウェハ側に非球面形状の凹面を向けた正メニスカスレンズL19と、ウェハ側に非球面形状の凹面を向けた正メニスカスレンズL20と、両凹レンズL21と、レチクル側に凸面を向けた正メニスカスレンズL22と、平行平面板L23とにより構成されている。
第1実施例では、平行平面板L23が、投影光学系PL中において最も像側に配置されたほぼ無屈折力の第1光透過部材を構成している。また、正メニスカスレンズL22が、第1光透過部材としての平行平面板L23の物体側に隣接して配置された第2光透過部材を構成している。
次の表(1)に、第1実施例にかかる投影光学系PLの諸元の値を掲げる。表(1)の主要諸元において、λは露光光の中心波長を、βは投影倍率を、NAは像側(ウェハ側)開口数を、Y0は最大像高をそれぞれ表している。また、表(1)の光学部材諸元において、面番号はレチクル側からの光学面の順序を、rは各光学面の曲率半径(非球面の場合には頂点曲率半径:mm)を、dは各光学面の軸上間隔すなわち面間隔(mm)を、φは各光学面の有効半径(mm)を、nは露光光の中心波長に対する屈折率をそれぞれ示している。上述の表記は、以降の表(2)においても同様である。
第3図は、第1実施例における横収差を示す図である。収差図において、Yは像高を、実線は中心波長193.306nmを、破線は193.306nm+0.125pm=193.306125nmを、一点鎖線は193.306nm−0.125pm=193.305875nmをそれぞれ示している。上述の表記は、以降の第5図においても同様である。収差図から明らかなように、第1実施例では、波長幅が193.306nm±0.125pmの露光光に対して色収差が良好に補正されていることがわかる。
[第2実施例]
第4図は、第2実施例にかかる投影光学系のレンズ構成を示す図である。第4図を参照すると、第2実施例の投影光学系PLは、レチクル側から順に、ウェハ側に非球面形状の凹面を向けた両凹レンズL1と、レチクル側に凹面を向けた負メニスカスレンズL2と、レチクル側に非球面形状の凹面を向けた正メニスカスレンズL3と、両凸レンズL4と、レチクル側に凸面を向けた正メニスカスレンズL5と、レチクル側に凸面を向けた正メニスカスレンズL6と、ウェハ側に非球面形状の凹面を向けた正メニスカスレンズL7と、レチクル側に凸面を向けた負メニスカスレンズL8と、両凹レンズL9と、レチクル側に非球面形状の凹面を向けた負メニスカスレンズL10と、ウェハ側に非球面形状の凹面を向けた両凹レンズL11と、レチクル側に凹面を向けた正メニスカスレンズL12と、レチクル側に非球面形状の凹面を向けた正メニスカスレンズL13と、レチクル側に凸面を向けた正メニスカスレンズL14と、レチクル側に凸面を向けた負メニスカスレンズL15と、開口絞りASと、レチクル側に凸面を向けた負メニスカスレンズL16と、両凸レンズL17と、レチクル側に凸面を向けた正メニスカスレンズL18と、ウェハ側に非球面形状の凹面を向けた正メニスカスレンズL19と、ウェハ側に非球面形状の凹面を向けた正メニスカスレンズL20と、両凹レンズL21と、レチクル側に凸面を向けた正メニスカスレンズL22と、平行平面板L23とにより構成されている。
第2実施例においても、平行平面板L23が投影光学系PL中において最も像側に配置されたほぼ無屈折力の第1光透過部材を構成し、正メニスカスレンズL22が第1光透過部材としての平行平面板L23の物体側に隣接して配置された第2光透過部材を構成している。次の表(2)に、第2実施例にかかる投影光学系PLの諸元の値を掲げる。
第5図は、第2実施例における横収差を示す図である。収差図から明らかなように、第2実施例においても第1実施例と同様に、波長幅が193.306nm±0.125pmの露光光に対して色収差が良好に補正されていることがわかる。
本実施形態の各実施例では、最も像側に配置された平行平面板(第1光透過部材)L23がコンパクションにより形状変化したり、平行平面板L23がウェハWからの脱ガスに起因する汚染の影響を受けたりして、投影光学系PLの結像性能が低下した場合、平行平面板L23を交換用平行平面板(交換用光透過部材)と交換することにより、投影光学系PLの結像性能を長期に亘って良好に確保することができる。
上述の実施形態の露光装置では、照明系によってレチクル(マスク)を照明し(照明工程)、投影光学系を用いてマスクに形成された転写用のパターンを感光性基板に露光する(露光工程)ことにより、マイクロデバイス(半導体素子、撮像素子、液晶表示素子、薄膜磁気ヘッド等)を製造することができる。以下、本実施形態の露光装置を用いて感光性基板としてのウェハ等に所定の回路パターンを形成することによって、マイクロデバイスとしての半導体デバイスを得る際の手法の一例につき第6図のフローチャートを参照して説明する。
先ず、第6図のステップ301において、1ロットのウェハ上に金属膜が蒸着される。次のステップ302において、その1ロットのウェハ上の金属膜上にフォトレジストが塗布される。その後、ステップ303において、本実施形態の露光装置を用いて、マスク上のパターンの像がその投影光学系を介して、その1ロットのウェハ上の各ショット領域に順次露光転写される。その後、ステップ304において、その1ロットのウェハ上のフォトレジストの現像が行われた後、ステップ305において、その1ロットのウェハ上でレジストパターンをマスクとしてエッチングを行うことによって、マスク上のパターンに対応する回路パターンが、各ウェハ上の各ショット領域に形成される。
その後、更に上のレイヤの回路パターンの形成等を行うことによって、半導体素子等のデバイスが製造される。上述の半導体デバイス製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有する半導体デバイスをスループット良く得ることができる。なお、ステップ301〜ステップ305では、ウェハ上に金属を蒸着し、その金属膜上にレジストを塗布、そして露光、現像、エッチングの各工程を行っているが、これらの工程に先立って、ウェハ上にシリコンの酸化膜を形成後、そのシリコンの酸化膜上にレジストを塗布、そして露光、現像、エッチング等の各工程を行っても良いことはいうまでもない。
また、本実施形態の露光装置では、プレート(ガラス基板)上に所定のパターン(回路パターン、電極パターン等)を形成することによって、マイクロデバイスとしての液晶表示素子を得ることもできる。以下、第7図のフローチャートを参照して、このときの手法の一例につき説明する。第7図において、パターン形成工程401では、本実施形態の露光装置を用いてマスクのパターンを感光性基板(レジストが塗布されたガラス基板等)に転写露光する、所謂光リソグラフィ工程が実行される。この光リソグラフィー工程によって、感光性基板上には多数の電極等を含む所定パターンが形成される。その後、露光された基板は、現像工程、エッチング工程、レジスト剥離工程等の各工程を経ることによって、基板上に所定のパターンが形成され、次のカラーフィルター形成工程402へ移行する。
次に、カラーフィルター形成工程402では、R(Red)、G(Green)、B(Blue)に対応した3つのドットの組がマトリックス状に多数配列されたり、またはR、G、Bの3本のストライプのフィルターの組を複数水平走査線方向に配列されたりしたカラーフィルターを形成する。そして、カラーフィルター形成工程402の後に、セル組み立て工程403が実行される。セル組み立て工程403では、パターン形成工程401にて得られた所定パターンを有する基板、およびカラーフィルター形成工程402にて得られたカラーフィルター等を用いて液晶パネル(液晶セル)を組み立てる。セル組み立て工程403では、例えば、パターン形成工程401にて得られた所定パターンを有する基板とカラーフィルター形成工程402にて得られたカラーフィルターとの間に液晶を注入して、液晶パネル(液晶セル)を製造する。
その後、モジュール組み立て工程404にて、組み立てられた液晶パネル(液晶セル)の表示動作を行わせる電気回路、バックライト等の各部品を取り付けて液晶表示素子として完成させる。上述の液晶表示素子の製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有する液晶表示素子をスループット良く得ることができる。
なお、上述の実施形態では、ウェハWの各露光領域に対してレチクルRのパターンを一括的に露光するステップ・アンド・リピート方式の露光装置に本発明を適用している。しかしながら、これに限定されることなく、ウェハWとレチクルRとを投影光学系PLに対して相対移動させつつウェハWの各露光領域に対してレチクルRのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の露光装置に本発明を適用することもできる。
また、上述の実施形態では、193nmの波長光を供給するArFエキシマレーザ光源を用いているが、これに限定されることなく、たとえば200nm以下の波長光を供給する他の適当な光源に対して本発明を適用することもできる。
さらに、上述の実施形態では、露光装置に搭載される投影光学系に対して本発明を適用しているが、これに限定されることなく、他の一般的な投影光学系に対して本発明を適用することもできる。
以上説明したように、本発明の投影光学系では、たとえばArFエキシマレーザ光を用い、蛍石の高周波成分を含む屈折率のばらつきや固有複屈折の影響を回避しつつ、良好な結像性能を長期に亘って確保することができる。したがって、本発明の投影光学系を用いる露光装置および露光方法では、たとえばArFエキシマレーザ光に対して良好な結像性能を長期に亘って確保することのできる投影光学系を介して、高い解像力で良好な投影露光を行うことができ、ひいては高い解像力で良好なマイクロデバイスを製造することができる。
Claims (17)
- 第1面の縮小像を第2面上に形成する投影光学系において、
最も第2面側に配置されたほぼ無屈折力の第1光透過部材を備え、
前記第1光透過部材と前記第2面との間の光軸に沿った距離をWDとし、第2面側開口数をNAとし、使用光の中心波長をL×10−6とするとき、
0.06<WD・NA/L<0.23
の条件を満足することを特徴とする投影光学系。 - 請求の範囲第1項に記載の投影光学系において、
0.08<WD・NA/L<0.18
の条件を満足することを特徴とする投影光学系。 - 請求の範囲第1項または第2項に記載の投影光学系において、
前記第1光透過部材の第1面側に隣接して配置された第2光透過部材をさらに備え、
前記第2光透過部材から前記第2面までの光軸に沿った空気換算長をODとし、第2面側開口数をNAとし、使用光の中心波長をL×10−6とするとき、
0.1<OD・NA/L<0.4
の条件を満足することを特徴とする投影光学系。 - 第1面の縮小像を第2面上に形成する投影光学系において、
最も第2面側に配置されたほぼ無屈折力の第1光透過部材と、該第1光透過部材の第1面側に隣接して配置された第2光透過部材とを備え、
前記第2光透過部材から前記第2面までの光軸に沿った空気換算長をODとし、第2面側開口数をNAとし、使用光の中心波長をL×10−6とするとき、
0.1<OD・NA/L<0.4
の条件を満足することを特徴とする投影光学系。 - 請求の範囲第3項または第4項に記載の投影光学系において、
0.12<OD・NA/L<0.35
の条件を満足することを特徴とする投影光学系。 - 請求の範囲第1項乃至第5項のいずれか1項に記載の投影光学系において、
前記投影光学系を構成するすべての光透過部材は石英により形成され、前記使用光の中心波長は200nm以下であることを特徴とする投影光学系。 - 請求の範囲第1項乃至第6項のいずれか1項に記載の投影光学系において、
前記第2面側開口数NAは0.75よりも大きいことを特徴とする投影光学系。 - 請求の範囲第1項乃至第7項のいずれか1項に記載の投影光学系において、
前記第1光透過部材の中心厚をTとし、使用光の中心波長をL×10−6とするとき、
0.04<T/L<0.16
の条件を満足することを特徴とする投影光学系。 - 請求の範囲第8項に記載の投影光学系において、
0.045<T/L<0.13
の条件を満足することを特徴とする投影光学系。 - 請求の範囲第3項乃至第9項のいずれか1項に記載の投影光学系において、
前記第2光透過部材の第2面側有効半径をEDとし、第2面側開口数をNAとし、前記投影光学系を構成するすべての光透過部材における有効半径の最大値をMDとするとき、
0.28<ED・NA/MD<0.6
の条件を満足することを特徴とする投影光学系。 - 請求の範囲第10項に記載の投影光学系において、
0.30<ED・NA/MD<0.55
の条件を満足することを特徴とする投影光学系。 - 請求の範囲第1項乃至第11項のいずれか1項に記載の投影光学系において、
前記第1光透過部材は交換可能に構成されていることを特徴とする投影光学系。 - 前記第1面に設定されたマスクを照明するための照明系と、前記マスクに形成されたパターンの像を前記第2面に設定された感光性基板上に形成するための請求の範囲第1項乃至第12項のいずれか1項に記載の投影光学系とを備えていることを特徴とする露光装置。
- 前記第1面に設定されたマスクを照明する照明工程と、請求の範囲第1項乃至第12項のいずれか1項に記載の投影光学系を用いて前記マスクに形成されたパターンを前記第2面に設定された感光性基板上に投影露光する露光工程とを含むことを特徴とする露光方法。
- 請求の範囲第14項に記載の露光方法において、
前記投影光学系中の前記第1光透過部材と交換すべき交換用光透過部材を準備する準備工程と、
準備した前記交換用光透過部材を前記第1光透過部材と交換する交換工程とをさらに含むことを特徴とする露光方法。 - マイクロデバイスの製造方法において、
感光性材料が塗布された基板を準備する基板準備工程と、
所定の回路パターンが形成されたマスクを準備するマスク準備工程と、
前記マスクを前記第1面に設定して照明する照明工程と、
請求の範囲第1項乃至第12項のいずれか1項に記載の投影光学系を用いて前記マスクに形成された前記パターンを前記第2面に設定された感光性基板上に投影露光する露光工程と、
前記基板上の前記感光性材料を現像する現像工程と、
現像後の前記感光性材料をマスクとして前記基板上に所定の回路パターンを形成するパターン形成工程とを含むことを特徴とするマイクロデバイスの製造方法。 - 請求の範囲第16項に記載のマイクロデバイスの製造方法において、
前記投影光学系中の前記第1光透過部材と交換すべき交換用光透過部材を準備する準備工程と、
準備した前記交換用光透過部材を前記第1光透過部材と交換する交換工程とをさらに含むことを特徴とするマイクロデバイスの製造方法。
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