JP4412822B2 - プリンタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ロール紙をフレーム内に設けた用紙収納部に収納して印字を行うプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、携帯用のプリンタには、ロール紙をフレーム内に設けた用紙収納部に収納し、その巻き終り側から所定量ずつ繰り出してそこにプラテンとサーマルヘッドとにより印字を行ってそれをピールローラを介してフレームの外部に排出するようにしたものがある。
【0003】
このようなプリンタでは、ロール紙をフレーム内の用紙収納部に収納して印字が可能な状態にするためには、例えば図6に示すように、まず用紙収納部41の上部に開閉可能に設けられている収納部カバー42を開いて用紙収納部41にロール紙40をセットし、そのロール紙40の巻き終り側を若干引き出してプラテン44とサーマルヘッド45とにより印字可能な位置にセットした後、収納部カバー42を閉じる。
さらに、図6に実線で示すように左方側の退避位置に後退させておいたピールローラユニット43を、同図に仮想線で示す所定のセット位置までスライドさせる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のプリンタの場合には、用紙収納部41にロール紙40をセットして印字可能な状態にするためには、上述したように収納部カバー42を開けて用紙収納部41にロール紙40をセットした後の作業が、収納部カバー42を閉じ位置まで閉じる動作と、その後でピールローラユニット43を所定のセット位置までスライドさせる動作とが必要であったため、ロール紙のセットが面倒であった。
【0005】
この発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、収納部カバーを開けて用紙収納部にロール紙をセットした後の作業が、収納部カバーを閉じ位置まで閉じるワンタッチの動作だけで印字可能な状態になるプリンタを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記の目的を達成するため、フレーム内に設けた用紙収納部に収納したロール紙を、その巻き終り側から所定量ずつ繰り出してそこにプラテンとサーマルヘッドとにより印字を行ってそれをピールローラを介して排出するプリンタにおいて、
上記フレームに、ロール紙が排出される付近を開放可能にする収納部カバーと揺動カバーを共に回動可能に設け、その揺動カバーに上記収納部カバーを閉じ位置に回動させる過程でその収納部カバーの一部あるいはそれと一体の部品に係合して上記揺動カバーを閉じ位置まで上記収納部カバーの回動に連動して回動させるための係合部を設けたものである。
そして、そのプリンタは、上記揺動カバーあるいはその揺動カバーと一体の部品に、ピールローラとサーマルヘッドとを取り付けるとよい。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1はこの発明によるプリンタの主要な部分のみを簡略化して示す概略構成図、図2は同じくそのプリンタに設けられている収納部カバーを閉じる過程でプラテンの軸受部分が揺動カバーと一体の揺動板と係合する様子を示す概略図である。
【0008】
図1に示すプリンタは、携帯可能な小型のプリンタであり、フレーム1内に設けた用紙収納部2に収納したロール紙10を、その巻き終り側から所定量ずつ繰り出してそこにプラテン3とサーマルヘッド4とにより印字を行ってそれをピールローラ5を介して外部に排出するプリンタである。
【0009】
フレーム1には、ロール紙10がフレーム1の外に排出される排出口付近を開放可能にする収納部カバー7と、揺動カバー17とを共に回動可能に設けている。
そして、収納部カバー7を図1に仮想線で示す開放位置から実線図示の閉じ位置まで回動させる過程で、図2に示すように収納部カバー7に取り付けられているプラテン3の軸受部分3aに係合して揺動カバー17を閉じ位置(図1の実線図示位置)まで収納部カバー7に連動して回動させるための係合部14aを有する板金製の揺動板14を、揺動カバー17に一体に設けている。
【0010】
そして、その揺動カバー17と一体の揺動板14に、図1に示すようにピールローラ5とサーマルヘッド4とを取り付けている。
なお、揺動カバー17と揺動板14とを一体の1部品で形成する場合には、その部品にピールローラ5とサーマルヘッド4とを取り付ける。
【0011】
このプリンタは、フレーム1内の用紙収納部2に収納したロール紙10を、その巻き終り側から矢示A方向に回転するローラ状のプラテン3により矢示B方向に繰り出す。
そのプラテン3は、印字時にはロール紙10を介してサーマルヘッド4に圧接するようになっており、ロール紙10はそのサーマルヘッド4により所望の印字がなされる。
【0012】
このプリンタで使用するロール紙10は、例えば台紙(ライナ)11上にラベル片12をロール紙の繰り出し方向に所定の間隔を置いて糊により予め貼着したものをコア13に巻き付けてロール状にしたものである。
そして、そのロール紙10のロール部分をフレーム1の用紙収納部2にセットし、その巻き終り側を引き出して、プラテン3とそのプラテン3に圧接しながら同図の矢印方向に回転するピールローラ5とにより、台紙11の部分を矢示C方向に送り出す。
【0013】
プラテン3のロール紙搬送方向下流側には、そのプラテン3に近接させて収納部カバー7に取り付けられた剥離部材6を設けている。したがって、ロール紙10のラベル片12上に所望の印字を行った後に矢示B方向に送り出されるロール紙10は、剥離部材6により搬送方向が急激に変えられることによりラベル片12が自身の持つ腰の強さにより台紙11から剥離され、それが台紙11と分離されて矢示E方向に排出される。
【0014】
プラテン3は、収納部カバー7の一端に回転可能に支持されており、その収納部カバー7は用紙収納部2の上部に、その用紙収納部2にセットされたロール紙10の上部を覆うように、図1で右端部が軸8により開閉可能にフレーム1に取り付けられている。
【0015】
そして、そのプラテン3を支持する軸部の一端には、図示しないギヤが固定されていて、収納部カバー7を図1に実線で示したように閉じると、そのギヤがフレーム1側に設けられている図示しない駆動ギヤに噛み合って、それが回転可能な状態になる。
なお、収納部カバー7は、それが開放側に図示しないバネにより常に回動付勢されている。また、この実施の形態では、揺動カバー17を開放側にバネにより回動付勢すると、その付勢力により後述するロック機構30のロック解除レバー31の操作力が増してしまうため揺動カバー17は回動付勢させていないが、ロック解除の操作力に影響を与えない構成のロック機構を使用した場合には、揺動カバー17も開放側にバネにより回動付勢してよい。
さらに、収納部カバー7と揺動カバー17を共にバネにより開放側に回動付勢しないようにしても、操作性は落ちるがプリンタとしての使用は可能である。
【0016】
ピールローラ5は、フレーム1側に軸9により回動可能に取り付けられている揺動板14に回転可能に取り付けられており、その揺動板14は図2に示したように、収納部カバー7を閉じる過程でプラテン3の軸部を支持する軸受部分3aが横向きの略U字状に形成している前述した係合部14aに当接してそれを押し下げるため、図1に実線で示した位置まで回動する。
そして、この閉じ位置では、後述するロック機構30により揺動板14がロックされ、それにより収納部カバー7と揺動カバー17とが閉じた位置に保たれる。
【0017】
逆に、収納部カバー7を開けるときには、このプリンタの上面の略中央に設けている後述するロック解除レバー31(図4参照)を操作して揺動板14のロックを解除すると、その揺動板14が開くことにより、収納部カバー7が図示しないバネの付勢力により開く。
【0018】
それにより、プラテン3の軸受部分3aと揺動板14の係合部14aとの位置関係が、図2(収納部カバー7を閉じるときの説明に使用した図であるが、便宜上開くときの説明にも使用)に示すようになり、そのプラテン3の軸受部分3aが揺動板14の係合部14aから抜け出てそれらの係合が外れるため、ピールローラ5がプラテン3と干渉しない位置まで退避した状態で、収納部カバー7が図1に仮想線で示したように大きく回動し、用紙収納部2にロール紙10を挿入可能な状態になる。
【0019】
そこで、用紙収納部2にロール紙10を挿入して、その巻き終り側を図1でピールローラ5の右側上方まで引き出した状態で収納部カバー7を閉じれば、前述したようにその収納部カバー7を閉じる過程でプラテン3の軸部を支持する軸受部分3aが揺動板14に形成している係合部14aに当接してそれを押し下げる。
それにより、ピールローラ5とサーマルヘッド4を保持した揺動板14が収納部カバー7の閉じ動作に連動してワンタッチの動作だけで、図1に実線で示した閉じ位置まで回動して、その状態でロックされる。
【0020】
用紙収納部2は、図1で説明したように、台紙11上に多数のラベル片12を繰り出し方向に沿って所定の間隔を置いてそれぞれ糊により貼着したロール紙10を収納する。
そして、そのロール紙10を用紙収納部2の収納位置に収納した状態で、そのロール紙10が幅方向(図1で手前と奥方向)に位置ずれを生じて印字位置に幅方向のずれが生じないようにするため、その収納位置でロール紙10の繰り出し方向に対する両側面の位置を側面規制部材でそれぞれ規制する必要がある。
【0021】
そこで、このプリンタでは、その側面規制部材として、図3に示すようにロール紙10の一方の搬送基準側となる側面をフレーム1の内面1aで直接規制するようにしている。また、ロール紙10の他方の側面は、側面規制部材として機能するロール紙ガイド板15により規制するようにしている。
【0022】
そのロール紙ガイド板15は、フレーム1に対して抜き差し可能な板金製のガイド板であり、フレーム1の用紙収納部2の収納位置でロール紙を載置する収納部底面2aにロール紙10の幅方向に間隔を置いて複数形成した各ガイド板差込溝16に下端を差し込むことにより、ロール紙10の幅に適した位置に移動させることができるようになっている。
【0023】
次に、図4及び図5を参照してロック機構30について説明する。
ロック機構30は、図4に示すようにプリンタの上面の略中央に、矢示G方向にスライド可能に設けているロック解除レバー31を矢示G方向にスライドさせることによりロック位置に規制している揺動板14(図5)の位置規制を解除する。
【0024】
そのロック解除レバー31は、図5に示すように揺動カバー17に形成した開口21内に突出するようになっており、そのロック解除レバー31は両側に平面部を有していて、その平面部に互いに対称な形状のガイド孔33,34をそれぞれ略45度傾斜させた角度で形成している。
【0025】
そのガイド孔33には、先端に係合突起35aを形成したロック部材35の後端部上面に形成した円形凸部35bを嵌入させている。同様に、ガイド孔34にも、先端に係合突起36aを形成したロック部材36の後端部上面に形成した円形凸部36bを嵌入させている。
【0026】
そのロック部材35と揺動カバー17の内面に形成しているバネ受け37との間には圧縮コイルスプリング38を介装し、ロック部材36と同様に揺動カバー17の内面に形成しているバネ受け37と同様なバネ受け(図示を省略)との間にも圧縮コイルスプリング39を介装し、その各圧縮コイルスプリング38,39によりロック部材35,36をそれぞれ両側の各フレーム1,1側に突出付勢している。
【0027】
そして、図1に実線で示したように収納部カバー7を閉じたときに、それに連動して揺動カバー17が同図の実線図示位置まで回動したときに、図5に示したロック部材35,36の係合突起35a,36aが、両側のフレーム1,1にそれぞれ形成している各係合孔1b,1bに嵌入することにより、各揺動板14,14の位置が規制され、それにより揺動カバー17がロックされて、その回動が規制される。
【0028】
逆に、ロック解除レバー31を図5の矢示G方向にスライドさせると、図5に示したように斜めに傾いたガイド孔33,34により両側の円形凸部35b,36bが互いに接近する方向に圧縮コイルスプリング38,39の付勢力に抗して移動するため、両側の係合突起35a,36aが、両側のフレーム1,1の係合孔1b,1bから共に抜け出ることにより、フレーム1に対するロックがそれぞれ解除される。それにより、揺動板14の規制が解除される。
【0029】
なお、上述した実施の形態では、図2で説明したように収納部カバー7を閉じ位置に回動させる過程で、その収納部カバー7と一体のプラテン3の軸受部分3aが揺動カバー17と一体の係合部14aに係合して揺動カバー17が閉じ位置まで連動して回動するが、係合部14aに係合させるのを収納部カバー7の一部にしても、同様に収納部カバー7の回動に揺動カバー17の回動を連動させることができる。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明による請求項1のプリンタによれば、収納部カバーを開けて用紙収納部にロール紙をセットした後に収納部カバーを閉じれば、その収納部カバーを閉じ位置に回動させる過程でその収納部カバーの一部あるいはそれと一体の部品が揺動カバーに係合することにより、その揺動カバーが収納部カバーに連動して閉じ位置まで回動する。したがって、収納部カバーを閉じる1つの動作だけでプリンタを印字可能な状態にすることができる。
【0031】
請求項2のプリンタによれば、揺動カバーあるいはその揺動カバーと一体の部品に、ピールローラとサーマルヘッドとが取り付けられているので、ピールローラとサーマルヘッドとの間の部品精度を高めることができると共に、ピールローラとサーマルヘッドを揺動カバーの開く方向への回動動作に連動して同時に退避位置まで一緒に移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるプリンタの主要な部分のみを簡略化して示す概略構成図である。
【図2】同じくそのプリンタに設けられている収納部カバーを閉じる過程でプラテンの軸受部分が揺動カバーと一体の揺動板と係合する様子を示す概略図である。
【図3】用紙収納部に収納したロール紙の両方の側面を規制する構成を説明するために用紙収納部の中央で切断した縦断面図である。
【図4】ロック機構のロック解除レバーを説明するためにプリンタ全体を示す外観斜視図である。
【図5】同じくそのロック機構を説明するための斜視図である。
【図6】従来のプリンタの一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1:フレーム 2:用紙収納部
3:プラテン 4:サーマルヘッド
5:ピールローラ 7:収納部カバー
10:ロール紙 14:揺動板
14a:係合部 17:揺動カバー

Claims (2)

  1. フレーム内に設けた用紙収納部に収納したロール紙を、その巻き終り側から所定量ずつ繰り出してそこにプラテンとサーマルヘッドとにより印字を行ってそれをピールローラを介して排出するプリンタにおいて、
    前記フレームに、ロール紙が排出される付近を開放可能にする収納部カバーと揺動カバーを共に回動可能に設け、該揺動カバーに前記収納部カバーを閉じ位置に回動させる過程で該収納部カバーの一部あるいはそれと一体の部品に係合して前記揺動カバーを閉じ位置まで前記収納部カバーの回動に連動して回動させるための係合部を設けたことを特徴とするプリンタ。
  2. 前記揺動カバーあるいはその揺動カバーと一体の部品に、前記ピールローラと前記サーマルヘッドとが取り付けられていることを特徴とする請求項1記載のプリンタ。
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