JP4400713B2 - 5−ヨード−2−メチル安息香酸の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、2−メチル安息香酸をヨウ素化する5−ヨード−2−メチル安息香酸の高選択的な工業的製造方法に関する。5−ヨード−2−メチル安息香酸は医薬、農薬の他、機能化学品の原料として有用な化合物である。
5−ヨード−2−メチル安息香酸の合成法としては、亜硝酸ナトリウムと発煙硫酸の共存下でヨウ素と2−メチル安息香酸を反応させる方法(例えば、非特許文献1参照)、或いはタリウム(III)トリフルオロ酢酸塩の共存下でヨウ化カリウムと2−メチル安息香酸を反応させる方法(例えば、非特許文献2参照)等が知られている。非特許文献1の方法では収率が18%と極めて低く、また反応試剤として、強力な酸化剤である亜硝酸ナトリウムと発煙硫酸の混合物を多量に扱うため、その安全な取扱いが問題となる。また、非特許文献2の方法では収率が33%と低い上に毒性の強いタリウム塩を使用するため、工業的な5−ヨード−2−メチル安息香酸の製造方法としては不適当なものである。
上記の他に、一般に芳香族化合物のヨウ素化技術として知られている、芳香族アミンを脱ジアゾ−ヨウ素化させる所謂ザンドマイヤー法(例えば、非特許文献3参照)、一旦塩素化又は臭素化した後にヨウ素交換反応を行うハロゲン交換法(例えば、非特許文献4参照)、一塩化ヨウ素を作用させる方法(例えば、非特許文献5参照)、酸触媒と共にヨウ素と過ヨウ素酸ナトリウムを作用させる方法(例えば、非特許文献6、特許文献1参照)等の適用が考えられる。
ザンドマイヤー法で5−ヨード−2−メチル安息香酸を合成する場合には、ニトロ化、還元、ジアゾ化、脱ジアゾ−ヨウ素化といった多段階の反応を必要とする上、ニトロ化やジアゾ化等の工程は安全面での問題もあるため、極めて複雑なプロセスとなる。またハロゲン交換法の場合も反応に2工程必要とするため精製工程なども含めるとプロセスが複雑となり、しかもヨウ素交換反応にヨウ化ナトリウムやヨウ化カリウム等を大過剰に使用する必要があるため、反応終了後これら大過剰分を多大な労力をかけて分離・回収しなければならず、コスト高な製法となる。
一方、一塩化ヨウ素を用いる方法は反応を一段階の簡便なプロセスで実施できる特徴を有するが、安息香酸類の様な電子吸引基のついた芳香族化合物との反応では、反応活性が低く、高い反応成績が得られていない。例えば、非特許文献5では安息香酸のヨウ素化反応を行っているが、生成物の3−ヨード−安息香酸の収率は43%程度にとどまっており、2−メチル安息香酸のヨウ素化に適用しても高収率は期待し難い。
また従来から、ヨウ素と、ヨウ素酸や過ヨウ素酸などの酸化剤を用いるヨウ素化法が知られている。例えば、酸触媒と共にヨウ素と過ヨウ素酸ナトリウムを作用させる方法についてみると(例えば、非特許文献6参照)、電子吸引基のついた芳香族化合物についても高い反応成績が得られているが、硫酸を多量に使用しているため反応終了後の廃酸処理の負荷が大きく、工業的製造方法としては現実的では無い。また、非特許文献6と同様の反応系であるが、特許文献1にはメチル安息香酸のモノヨード体を得る方法として、酸触媒と共にヨウ素と過ヨウ素酸を用いて2−メチル安息香酸と反応させる方法が開示されている。しかしながら、その実施例によれば収率は52〜65%程度にとどまっており、また、製品の純度も95%程度と低いため高純度品を得るには更なる精製工程が必要となりプロセスは複雑となる。また製品回収後の母液にも製品は多く溶解しているが、触媒である硫酸や高沸物等も共存しているため、その分離・回収は困難である。特許文献1で母液を反応系にリサイクルする方法が示されているが、実施例によると製品純度が90%に低下する結果となっており、適当な方法とは言えない。以上の様に特許文献1の方法は改良された面はあるものの、工業的に実施するには依然問題が多く、プロセスの経済性には疑問が残る。
5−ヨード−2−メチル安息香酸製造に際しては、異性体である3−ヨード−2−メチル安息香酸が副生し、5−ヨード−2−メチル安息香酸との分離・精製
が難しいため、製品純度及び単離収率を損なうという問題があるが、上記に示した従来技術の何れにおいても異性体の副生を低減する方法は示されていない。芳香族化合物を位置選択的にヨウ素化する技術としては、ゼオライト共存下に一塩化ヨウ素を作用させる方法(例えば、非特許文献7参照)やゼオライト共存下でオキシヨウ素化する方法等(例えば、特許文献2、3参照)が知られているが、何れも反応の選択性については必ずしも満足できる水準とは言えず、また、置換基が複数あり、しかも電子吸引基を有する2−メチル安息香酸の様な化合物についての反応例は殆ど知られていない。この様に従来の技術では高選択的に、かつヨウ素基準の収率の高い効果的な5−ヨード−2−メチル安息香酸の製造法は無かった。
Journal of the Indian Chemical Society,1930,pp503−504 Journal of the Chemical Society, Perkin Transactions I.,1974,pp2405−2409 Organic Syntheses,Collective Volume.II,1943,p351 Organic Syntheses,Collective Volume.V,1973,p478 Russian Journal of Organic Chemistry,34,7,1998,pp997−999 Bulletin of the Chemical Societyof Japan,vol.73,pp951−956(2000) Catalysis Letters,40,1996,p257 特開2003−12597号公報 特開昭59−219241号公報 特表平1−502819号公報
本発明の目的は、原料の2−メチル安息香酸をヨウ素化して5−ヨード−2−メチル安息香酸を製造するに当たり、製造プロセスが簡略で、高純度の製品を高い収率で製造でき、更に反応に使用したゼオライトを容易に再利用出来る、効率的に極めて優れた工業的手段を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、2−メチル安息香酸を原料として、ゼオライトと、ヨウ素、ヨウ素酸や過ヨウ素酸等の酸化剤、及び無水酢酸の共存下でヨウ素化反応を行うことにより反応が高選択的に進行し、従来の方法では不可能であった高純度の5−ヨード−2−メチル安息香酸を高収率かつ容易に得ることができること、また触媒となるゼオライトを反応生成液から分離・回収した後、洗浄、焼成等の簡単な処理を施すことで反応に再使用できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の方法によれば、ヨウ素化等の求電子置換反応に対して低活性な基質である2−メチル安息香酸を原料としているにも拘わらず高い転化率で反応が進行し、尚且つ目的とする5−ヨード−2−メチル安息香酸を高選択的に得ることができる。更に反応生成液から分離・回収したゼオライトを、簡単な処理操作で繰返し使用出来るため、触媒寿命が長く、効率的なプロセスとなる。
即ち、本発明は2−メチル安息香酸を、ゼオライト、無水酢酸、ヨウ素、及びヨウ素酸と過ヨウ素酸からなる酸化剤の少なくとも一方とが共に存在する反応条件下でヨウ素化して、5−ヨード−2−メチル安息香酸を製造するに際して、反応生成液からゼオライトを分離・回収し、反応系で再使用することを特徴とする、(1)から(8)に示す5−ヨード−2−メチル安息香酸の製造方法に関する。
(1)2−メチル安息香酸を、ゼオライト、無水酢酸、ヨウ素、及びヨウ素酸と過ヨウ素酸からなる酸化剤の少なくとも一方とが共に存在する反応条件下でヨウ素化して、5−ヨード−2−メチル安息香酸を製造するに際して、反応生成液からゼオライトを分離・回収し、反応系で再使用することを特徴とする5−ヨード−2−メチル安息香酸の製造方法。
(2)分離・回収したゼオライトを焼成した後、反応系で再使用する(1)に記載の5−ヨード−2−メチル安息香酸の製造方法。
(3)分離・回収したゼオライトを溶媒で洗浄し、更に焼成した後、反応系で再使用する(1)に記載の5−ヨード−2−メチル安息香酸の製造方法。
(4)分離・回収したゼオライトを洗浄する溶媒として酢酸を用いる、(3)に記載の5−ヨード−2−メチル安息香酸の製造方法。
(5)分離・回収したゼオライトを焼成する温度が400〜700℃の範囲である、(2)又は(3)に記載の5−ヨード−2−メチル安息香酸の製造方法。
(6)ゼオライトがSi/Alモル比20〜500のβ型ゼオライトである、(1)〜(5)の何れかに記載の5−ヨード−2−メチル安息香酸の製造方法。
(7)ゼオライトがSi/Alモル比20〜500のβ型ゼオライトであって、骨格の構成に預かるSi、Al、Oとは異なる種類の元素が、骨格内或いは骨格外に存在する、(6)に記載の5−ヨード−2−メチル安息香酸の製造方法。
(8)骨格の構成に預かるSi、Al、Oとは異なる種類の元素が、Na、K、Cs、Ca、Mg、Ti、Sn、Fe、Ni、Zn、Pd、Agから選ばれる一種以上である、(7)に記載の5−ヨード−2−メチル安息香酸の製造方法。
本発明により、医薬品等の機能化学品用途に於いて有用な5−ヨード−2−メチル安息香酸を、高純度、高収率、かつ容易に得ることができる。更に反応生成液から分離・回収したゼオライト触媒を、簡単な処理操作で繰返し使用出来るため、触媒寿命が長く、効率的なプロセスで生産が可能となり、工業的に実施する上でその意義は非常に大きい。
本発明に於いて、反応原料として使用する2−メチル安息香酸は工業的に入手可能なものであれば特に制限は無いが、最終製品の純度を高めるためには純度98%以上のものを使用するのが好ましい。
ヨウ素化反応を行う際には、ゼオライトの存在下、ヨウ素と共に、ヨウ素酸や過ヨウ素酸等の酸化剤を共存させて行う。ヨウ素のみでもヨウ素化反応は進行するが、2−メチル安息香酸の様な電子吸引基を持つ化合物は反応性が低いため、ヨウ素酸や過ヨウ素酸を共存させることで反応性を高める必要がある。ヨウ素、ヨウ素酸、過ヨウ素酸は何れも常温で固体であるが、反応に供する際には固体のままで良く、また適当な溶媒を用いてこれらを溶解或いは懸濁させて使用しても良い。
本発明ではヨウ素化反応の進行に伴い水が副生するが、脱水剤を加えて生成する水を取除くことで反応を促進し、高い転化率を得ることができる。脱水剤としては水のみに作用し、系中の他の成分とは反応しないものが好ましく、無水硫酸ナトリウム、無水硫酸マグネシウム、及び塩化カルシウム等の無機化合物、並びに無水酢酸、無水プロピオン酸、無水ピバル酸、及び無水フタル酸等のカルボン酸無水物等が挙げられるが、反応後の分離・精製の容易さを考えると無水酢酸の使用が特に好ましい。
反応時に共存させるゼオライトの具体例を挙げると、IUPACの構造コードで、8員環構造のABW、AEI、AFX、APC、ATN、ATT、ATV、AWW、CHA、DDR、EAB、ERI、GIS、JBW、KFI、LEV、LTA、MER、MON、PAU、PHI、RHO、RTE、RTH、VNI、9員環構造のCHI、LOV、RSN、VSV、10員環構造のDAC、EPI、FER、LAU、MEL、MFI、MFS、MTT、NES、TON、WEI、12員環構造のAFS、AFY、ATO、CAN、GME、MAZ、MEI、MTW、OFF、RON、VET等があり、より詳しくはChabazite、ゼオライトA、X、Y、L、ZSM−5、モルデナイト、β等がある他、広義にはFSM−16、KSW−1、KSW−2、MCM−41、MCM−48、MCM−50等のメソポーラスシリカ、メソポーラスアルミナ、メソポーラスチタニア、メソポーラス有機シリカハイブリッド等のメソポーラス化合物が挙げられる。本反応に用いるには細孔径0.5nm以上のものが好ましく、特にβを用いるのが好ましい。βは骨格を構成するAlに対するSiのモル比が20〜500のものが好ましい。また、骨格の構成に通常預かるSi、Al、O以外の他の元素、例えばNa、K、Cs、Ca、Mg、Ti、Sn、Fe、Ni、Zn、Pd、Ag等が、天然に或いは水熱合成やイオン交換・含浸等の人工的手段によって骨格内又は骨格外に存在するようになっているものであっても良い。ゼオライトは結晶粉末、圧密後粉砕したもの、押出し成型品、或いは打錠成型品の何れを用いても良い。
本発明を実施するに際しては、回分方式、半回分方式、完全混合流通方式等、種々の反応方式が採用できる。反応方式は製品の生産規模によって選択すれば良く、少量生産の場合には回分方式が適当であり、また、大量生産を行う場合には完全混合流通方式で反応を連続的に実施するのがより効率的な生産方法である。
本発明の方法における反応温度は、50〜200℃、好ましくは70〜150℃の範囲である。これより低い場合にも反応は進行するが充分な反応速度が得られず、これより温度が高い場合には高沸物の生成等の副反応が多くなり好ましくない。反応圧力は、絶対圧で0.005〜2MPa、好ましくは0.01〜1MPaの範囲である。
2−メチル安息香酸の融点は105℃であり、融点以上の温度で反応を行う場合には必ずしも反応溶媒を必要としないが、通常、ヨウ素化に不活性な有機溶媒を使用するのが好ましく、酢酸、トリフルオロ酢酸、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロベンゼン、クロロベンゼン等が用いられるが、特に酢酸の使用が好ましい。溶媒の使用量は2−メチル安息香酸1重量部に対して0.5〜100重量部での使用が好ましく、更に好ましくは1〜50重量部の範囲である。
ヨウ素の使用量には特に制限は無いが、2−メチル安息香酸の転化率を高めるためには、2−メチル安息香酸1重量部に対して0.1〜1.5重量部、好ましくは0.5〜1重量部用いるのが適当である。ヨウ素酸や過ヨウ素酸などの酸化剤の使用量は、ヨウ素1重量部に対して0.01〜1重量部での使用が好ましく、更に好ましくは0.05〜0.5重量部の範囲である。
無水酢酸の使用量は原料の2−メチル安息香酸1重量部に対して0.01〜2重量部、好ましくは0.1〜1.5重量部の範囲である。無水酢酸の使用量がこれより少ない場合には充分な反応促進効果が得られず、原料の2−メチル安息香酸やヨウ素の転化率を高めることができない。これより多く使用するのは不経済である上、精製過程での分離・回収の負荷が増大するため好ましくない。なお、ヨウ素、ヨウ素酸、過ヨウ素酸等を水に溶解或いは懸濁させて反応器に仕込んだ場合には、上記の使用量に加えて、その際に使用した水を除くのに必要な量の無水酢酸を加える必要がある。
ゼオライトの使用量は原料の2−メチル安息香酸1重量部に対して0.05重量部以上、好ましくは0.1重量部以上である。ゼオライトの使用量がこれより少ない場合には充分な反応活性が得られず、5−ヨード−2−メチル安息香酸を高選択的に得ることができない。
ゼオライトは反応液中に懸濁させて使用するが、反応後の生成液とゼオライトの分離は沈降、遠心分離、濾過等の一般的な方法で容易に行うことができる。回収したゼオライトはそのまま反応に再使用しても良いが、付着した生成液を適当な溶媒で洗浄して除いた後、反応に使用してもよい。洗浄に用いる溶媒は特に限定しないが、プロセスを簡便にするためには反応溶媒と同じ酢酸を用いるのが好ましい。また洗浄に使用する溶媒は回収したゼオライト1重量部に対して1〜10重量部の範囲が望ましい。
ゼオライトを反応に繰返して使用すると、高沸物等の付着が原因で活性低下が認められるが、以下の焼成処理を行うことで再活性化することができる。反応生成液から回収したゼオライトはそのまま焼成処理を施しても良いが、一旦、酢酸等の溶媒で洗浄した後に焼成処理を行うことが好ましい。ゼオライトを洗浄後に100〜150℃で好ましくは2時間以上加熱して充分乾燥させる。乾燥後のゼオライトを空気中で焼成処理を行うが、焼成温度としては400〜700℃、焼成時間は0.5〜10時間の範囲が好ましい。
本発明の方法を実施するに当っては、回分方式、半回分方式、完全混合流通方式等の反応方式が採用されるが、通常、回分方式、半回分方式での反応時間又は完全混合流通方式での滞留時間としては1〜20時間が採用される。
目的物である5−ヨード−2−メチル安息香酸は、ゼオライトを分離後の反応生成液を冷却する、または水等の貧溶媒を添加することで容易に得ることが出来る。
以下、実施例及び比較例によって本発明を更に詳細に説明する。但し、本発明はこれらの例によって制限されるものではない。
実施例1
冷却還流管を備えた10L反応容器に酢酸2678g、無水酢酸823g、2−メチル安息香酸700g、ヨウ素502g、70%ヨウ素酸水溶液299g、H−β型ゼオライト161gを仕込み、還流温度(122℃)で4時間反応させた。反応終了後、メンブレンフィルターを用いて吸引濾過によりH−β型ゼオライトを分離した。フィルター上のH−β型ゼオライトを酢酸350gで洗浄し、洗浄液と濾液を併せて室温まで冷却した。析出した結晶を濾過によって回収して生成物970g(乾燥後重量)を得た。回収結晶及び母液をHPLC(高速液体クロマトグラフ)により分析した結果、以下の反応成績が得られた。
2−メチル安息香酸転化率: 97.0%
5−ヨード−2−メチル安息香酸: 収率 94.3%、選択率 97.2%
3−ヨード−2−メチル安息香酸: 収率 0.7%、選択率 0.7%
結晶中5−ヨード−2−メチル安息香酸純度99.7%
実施例2
実施例1で濾過、洗浄後に回収したH−β型ゼオライト245gを使用したこと以外は実施例1と同様な方法で、反応及びH−β型ゼオライトの分離・回収、並びに母液よりの反応生成物の回収を繰り返した。表−1にその結果を示す。操作を繰返しても高い反応成績を示したが、反応6回目では2−メチル安息香酸転化率、5−ヨード−2−メチル安息香酸収率に共に低下が認められた。
表−1
-----------------------------------------------------------------------
反応回数 1 2 3 4 5 6
-----------------------------------------------------------------------
転化率1) 97.0 97.5 97.2 96.7 95.9 93.0
収率2) 94.3 94.5 94.5 93.8 92.9 90.2
選択率3) 97.2 96.9 97.2 97.0 96.9 97.0
結晶純度4)99.7 99.7 99.7 99.7 99.6 99.6
-----------------------------------------------------------------------
1)2−メチル安息香酸転化率(%)
2)5−ヨード−2−メチル安息香酸収率(%)
3)5−ヨード−2−メチル安息香酸選択率(%)
4)5−ヨード−2−メチル安息香酸結晶純度(%)
実施例3
反応生成液から濾過により分離したH−β型ゼオライトを酢酸洗浄せずに回収したこと以外は、実施例1と同様に操作した。分析の結果、以下の反応成績が得られた。
2−メチル安息香酸転化率 97.0%
5−ヨード−2−メチル安息香酸: 収率 94.1%、選択率 97.0%
3−ヨード−2−メチル安息香酸: 収率 0.7%、選択率 0.7%
結晶中5−ヨード−2−メチル安息香酸純度99.7%
実施例4
実施例3で分離した酢酸洗浄を行わなかったH−β型ゼオライト287gを使用した以外は、実施例3と同様な方法で、反応及びH−β型ゼオライトの分離・回収、並びに母液よりの反応生成物の回収を繰り返した。表−2にその結果を示す。操作を繰返しても高い反応成績を示したが、反応6回目では2−メチル安息香酸転化率、5−ヨード−2−メチル安息香酸収率ともに低下が認められた。
表−2
-----------------------------------------------------------------------
反応回数 1 2 3 4 5 6
-----------------------------------------------------------------------
転化率1) 97.0 97.2 97.2 96.8 96.0 94.2
収率2) 94.1 94.6 94.6 93.7 93.2 89.8
選択率3) 97.0 97.3 97.3 96.8 97.1 95.3
結晶純度4)99.7 99.7 99.7 99.7 99.6 99.6
-----------------------------------------------------------------------
1)2−メチル安息香酸転化率(%)
2)5−ヨード−2−メチル安息香酸収率(%)
3)5−ヨード−2−メチル安息香酸選択率(%)
4)5−ヨード−2−メチル安息香酸結晶純度(%)
実施例5
実施例2の酢酸洗浄を行う方法で6回反応させた後、H−β型ゼオライト238gを回収した。回収したH−β型ゼオライトをマッフル炉に入れ大気中150℃で2時間乾燥後、550℃で3時間焼成処理した。焼成後のH−β型ゼオライトの重量は150gであった。このH−β型ゼオライトを使用して実施例1,2と同様な方法で反応操作を繰返した。表−3に示すように7回目以降の反応で再び高い反応成績が得られた。
表−3
--------------------------------------------------
反応回数 7 8 9 10
--------------------------------------------------
転化率1) 97.0 97.5 97.2 96.7
収率2) 94.3 94.7 94.4 93.8
選択率3) 97.2 97.1 97.1 97.0
結晶純度4)99.7 99.7 99.7 99.7
---------------------------------------------------
1)2−メチル安息香酸転化率(%)
2)5−ヨード−2−メチル安息香酸収率(%)
3)5−ヨード−2−メチル安息香酸選択率(%)
4)5−ヨード−2−メチル安息香酸結晶純度(%)
比較例1
実施例2で6回反応させた後、更に繰返し同様の操作を行った。結果を表−4に示す。7回目以降も反応を繰返すことで活性が著しく低下した。
表−4
--------------------------------------------------
反応回数 7 8 9 10
--------------------------------------------------
転化率1) 88.2 80.2 68.5 50.2
収率2) 84.2 76.8 64.7 46.3
選択率3) 95.5 95.8 94.5 92.2
結晶純度4)99.6 99.5 99.5 99.1
---------------------------------------------------
1)2−メチル安息香酸転化率(%)
2)5−ヨード−2−メチル安息香酸収率(%)
3)5−ヨード−2−メチル安息香酸選択率(%)
4)5−ヨード−2−メチル安息香酸結晶純度(%)
比較例2
焼成温度を380℃とした以外は実施例5と同様な操作を行った。表−5に示すように活性の回復は認められたが、反応回数とともに明らかに低下した。
表−5
--------------------------------------------------
反応回数 7 8 9 10
--------------------------------------------------
転化率1) 95.2 90.2 82.5 70.2
収率2) 90.4 87.0 78.2 66.2
選択率3) 95.0 96.5 94.8 94.3
結晶純度4)99.7 99.6 99.5 99.5
---------------------------------------------------
1)2−メチル安息香酸転化率(%)
2)5−ヨード−2−メチル安息香酸収率(%)
3)5−ヨード−2−メチル安息香酸選択率(%)
4)5−ヨード−2−メチル安息香酸結晶純度(%)

Claims (5)

  1. 2−メチル安息香酸を、β型ゼオライト、無水酢酸、ヨウ素、及びヨウ素酸と過ヨウ素酸からなる酸化剤の少なくとも一方とが共に存在する反応条件下でヨウ素化して、5−ヨード−2−メチル安息香酸を製造するに際して、反応生成液からβ型ゼオライトを分離・回収し、400〜700℃の範囲で焼成した後に反応系で再使用することを特徴とする5−ヨード−2−メチル安息香酸の製造方法。
  2. 分離・回収したβ型ゼオライトを溶媒で洗浄した後に焼成する、請求項1に記載の5−ヨード−2−メチル安息香酸の製造方法。
  3. 前記溶媒が酢酸である、請求項に記載の5−ヨード−2−メチル安息香酸の製造方法。
  4. β型ゼオライトが、Si/Alモル比20〜500のβ型ゼオライトである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の5−ヨード−2−メチル安息香酸の製造方法。
  5. β型ゼオライトが、Na、K、Cs、Ca、Mg、Ti、Sn、Fe、Ni、Zn、Pd、Agから選ばれる一種以上の元素が骨格内或いは骨格外に存在するβ型ゼオライトである、請求項に記載の5−ヨード−2−メチル安息香酸の製造方法。
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