JP2003342204A - 4−クロロオルトキシレンの製造方法 - Google Patents

4−クロロオルトキシレンの製造方法

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JP2003342204A
JP2003342204A JP2002150205A JP2002150205A JP2003342204A JP 2003342204 A JP2003342204 A JP 2003342204A JP 2002150205 A JP2002150205 A JP 2002150205A JP 2002150205 A JP2002150205 A JP 2002150205A JP 2003342204 A JP2003342204 A JP 2003342204A
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Japan
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chloroorthoxylene
zeolite
solvent
xylene
chloro
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JP2002150205A
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English (en)
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Hidekazu Minomiya
英一 蓑宮
Masato Yoshikawa
正人 吉川
Hajime Kato
元 加藤
Naoyuki Uchiyama
直行 内山
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】3−クロロオルトキシレンより4−クロロオル
トキシレンを選択的かつ高活性に製造し、反応時間を少
なくできかつ純度の高い4−クロロオルトキシレンを製
造する。 【解決手段】ゼオライトを触媒として溶媒の共存下オル
トキシレンを塩素化して4−クロロオルトキシレンを得
る方法において、反応温度を溶媒の沸点±2℃とする。
ゼオライトは、L型ゼオライトが好ましく、溶媒はクロ
ロ含有化合物、たとえば、ジクロロエタン又はジクロロ
プロパンが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬及び農薬をは
じめとする各種有機合成化学物質やポリマー原料として
利用されうる4−クロロオルトキシレンの製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】4−クロロオルトキシレンは、ルイス酸
の存在下、オルトキシレンを塩素化する事により得られ
るが、この際、4−クロロオルトキシレンと沸点差が小
さい3−クロロオルトキシレンやα-クロロキシレンが
副生する。
【0003】必要な4−クロロオルトキシレンを選択的
に得る方法として、特開平3−81234にL型ゼオラ
イトを触媒として用いるオルトキシレンの塩素化による
4−クロロオルトキシレンの製造方法が開示されてい
る。ニトロ基含有化合物を添加剤として加えると、4−
クロロオルトキシレン/3−クロロオルトキシレンの生
成比が高くなることも開示されている。また、スジット
・ビー・クマールらは、溶媒として1,2−ジクロロエ
タンを利用することにより4−クロロオルトキシレン/
3−クロロオルトキシレンの生成比が高くなることを開
示している(ジャーナル オブ キャタリシス、150
巻、p430−433(1994))。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来公
知の方法においても未だ4−クロロオルトキシレンの選
択率、活性共に充分ではなく、高い活性でしかも沸点差
の少ない3−クロロオルトキシレンの生成を抑え、4−
クロロオルトキシレンを選択的に合成する方法が求めら
れる。反応活性が向上すれば、固定費の削減につなが
り、選択性を上げれば、精製工程が簡略化され精製工程
の固定費が下がる。
【0005】従って、3−クロロオルトキシレンの生成
を抑え、4−クロロオルトキシレンを選択的かつ高活性
に合成する手法を得ることが課題である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、課題を解
決するために、鋭意検討を重ねた結果、ゼオライトを触
媒として溶媒の共存下オルトキシレンを塩素化して4−
クロロオルソキシレンを得る方法において、反応温度を
溶媒の沸点±2℃とすることによって高活性、高選択率
を達成できることを見出し、本発明に至った。
【0007】本発明は、上記課題を解決するために主と
して次の構成を有する。すなわち、ゼオライトを触媒と
して溶媒の共存下オルトキシレンを塩素化して4−クロ
ロオルソキシレンを得る方法において、反応温度を溶媒
の沸点±2℃とすることを特徴とする4−クロロオルト
キシレンの製造方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に記述する。
本発明の4−クロロオルトキシレンの製造方法は、ゼオ
ライトを触媒として溶媒の共存下オルトキシレンを塩素
化して4−クロロオルソキシレンを得る方法において、
反応温度を溶媒の沸点±2℃とすることを特徴とする。
【0009】本発明の方法は、原料としてオルトキシレ
ンを使用する。オルトキシレンは、特に純度など限定さ
れることなく、工業的に入手できるオルトキシレンを使
用できる。純度は、高いほど好ましいが、パラキシレ
ン、メタキシレン、エチルベンゼン、C9化合物などの
不純物が若干量含まれているのが通常であり、これらが
含まれていても構わない。
【0010】本発明の方法は、塩素化反応である。塩素
化剤は、特に限定されず、塩素ガス、スルフリルクロラ
イド等塩素化剤であればいずれのものも使用できるが、
価格や扱い易さ、吹き込みのコントロールのしやすさ、
反応圧力制御のし易さから塩素ガスを使用するのが最も
好ましい。
【0011】本発明方法の塩素化反応は、溶媒を加えて
液相で行う。すなわち、オルトキシレンの液と塩素化剤
を接触させることによって、塩素化は達成させる。最も
好ましくは、液状オルトキシレンと溶媒の混合液に塩素
ガスを吹き込む形で接触させる。吹き込みに際しては、
攪拌しながら吹き込む方が好ましい。また、塩素を効率
よく利用するために、充分な深さで塩素を吹き込む方が
好ましい。反応は、加圧でも、常圧でも、減圧でも構わ
ないが、設備投資を低くする観点から、常圧の方が好ま
しい。
【0012】本発明方法に用いる反応装置は、連続式、
回分式、半回分式のいずれでも良い。
【0013】本発明方法の塩素化反応は、触媒としてゼ
オライトを使用する。本発明においてゼオライトとは、
結晶性マイクロポーラス物質のことで、分子サイズの均
一な細孔径を有する結晶性アルミノシリケート、結晶性
メタロシリケート、結晶性メタロアルミノシリケート、
結晶性アルミノフォスフェート、結晶性メタロアルミノ
フォスフェート、結晶性シリコアルミノフォスフェート
のことである。ここでいうメタロシリケート、メタロア
ルミノシリケートとは、アルミノシリケートのアルミニ
ウムの一部又は全部がガリウム、鉄、チタン、ボロン、
コバルト、クロム等のアルミニウム以外の金属で置換さ
れたものである。メタロアルミノフォスフェートも同様
にアルミノフォスフェートのアルミニウム又はリンに対
してその一部がそれ以外の金属で置換されたものをい
う。
【0014】本発明でゼオライトとは、アトラス オブ
ゼオライト ストラクチャー タイプス(Atlas of Z
eolite Structure types)(ダブリュー.エム.マイヤ
ー,デイー.エイチ.オルソン、シーエイチ.ベロチャ
ー,ゼオライツ(W. M. Meier, D. H. Olson, Ch. Baerl
ocher, Zeolites,) 17(1/2), 1996)(文献1)に掲載
されているすべてのゼオライト構造を意味する。上記の
文献に掲載されていない構造の新種のゼオライトも本発
明のゼオライトに含まれる。しかし、好ましくは簡単に
入手できるL型ゼオライト、フォージャサイト型ゼオラ
イト、A型ゼオライト、MFI型ゼオライト、モルデナ
イト型ゼオライト、β型ゼオライト、Ω型ゼオライト、
AFI型ゼオライト、AEL型ゼオライト、ATO型ゼ
オライトが好ましい。好ましくは、陽イオンとしてアル
カリ金属を有しているゼオライトである。その理由は、
アルカリ金属が塩素を活性化する活性点と推定できるか
らである。特に好ましくは、4−クロロオルトキシレン
の選択性の点でL型ゼオライトが特に好ましい。L型ゼ
オライトを利用したときに、4−クロロオルトキシレン
の選択性が高くなる理由は、現時点では明らかでない。
【0015】L型ゼオライトは、陽イオンとして一般に
Kイオンを含有しているが、これ以外のものが含まれて
いても構わない。ゼオライトの使用量は、オルトキシレ
ン1モルに対して通常0.5〜60gである。
【0016】本発明では、塩素化反応時に溶媒を加え、
該溶媒の反応圧力での沸点±2℃の反応温度で反応を行
うことが重要である。従来公知の方法で、溶媒としてジ
クロロエタンを、触媒としてK−L型ゼオライトを使用
することによって、4−クロロオルトキシレン/3−ク
ロロオルトキシレン生成比が向上することが知られてい
る。本発明者らは、更に溶媒の沸点±2℃の反応温度で
反応を行うことによって予想以上に活性が向上し、選択
性も向上することを見出し本発明に至った。その理由は
明らかではないが、以下のように推定できる。ゼオライ
トを触媒として塩素化反応を行う場合、ゼオライト構造
中の1nmより小さい細孔内で反応が進むと考えられる。
ゼオライト細孔内での塩素化反応では、最小分子径が小
さい4−クロロオルトキシレンが3−クロロオルトキシ
レンより選択的に生成すると考えられる。しかし、塩素
化反応は、触媒が無くても進行し、触媒なしで進行する
塩素化反応は選択性がない。従って、ゼオライト細孔内
でのオルトキシレンや生成した4−クロロオルトキシレ
ンの拡散が早い方がゼオライト細孔内での反応率が高く
なり、選択性、活性ともに向上する。溶媒は、ゼオライ
ト細孔内でのオルトキシレンや生成した4−クロロオル
トキシレンの拡散を促進する役割があると推定でき、そ
の効果は溶媒が気化する温度(沸点)で最大となると推
定できる。
【0017】溶媒は蒸留などで回収して再利用すること
が好ましい。従って、生成物と沸点差が十分あり、しか
も低い温度が好ましく、沸点160℃以下の化合物が好
ましい。溶媒の種類は、特に限定されないが、従来公知
のクロロ含有化合物、ニトロ含有化合物が好ましく使用
される。クロロ含有化合物の方が、ニトロ含有化合物よ
り活性が高くなるので好ましい。クロロ含有化合物は、
芳香族でも脂肪族でも構わない。例えば、クロロベンゼ
ン、o-,m-,p-ジクロロベンゼン、クロロホルム、四塩化
炭素、クロロエタン、ジクロロエタン、トリクロロエタ
ン、クロロプロパン、ジクロロプロパン等である。後の
工程やリサイクル性の点から沸点160℃以下の化合物
が好ましい。特に、1,2−ジクロロエタン等のジクロ
ロエタンや1,2−ジクロロプロパン、1,3−ジクロ
ロプロパン等ジクロロプロパンが、活性、選択性ともに
高くなるので好ましい。
【0018】
【実施例】以下に、本発明を実施例をもって説明する。
【0019】以下の実施例でのオルトキシレンの転化
率、4−クロロオルトキシレン/3−クロロオルトキシ
レン生成比などは、原料や生成液のガスクロマトグラフ
ィー分析により求めた。
【0020】(実施例1)100mlの4つ口フラスコ
にリフラックス管、温度計、塩素吹き込み口、サンプリ
ング口を設置した。廃塩素ガスは、リフラックス管の上
部から排気し、水酸化ナトリウム溶液でトラップするよ
うにした。加熱は、オイルバスで行った。
【0021】上記フラスコに、オルトキシレン(シグマ
アルドリッチジャパン(株)製、試薬1級)16.96
gに1,2−ジクロロプロパン(東京化成工業(株)
製、EP:沸点96℃)60ml、400℃で1時間焼
成しデシケーター中で冷却したK−L型ゼオライト(東
ソー製)3.39gを添加し、窒素ガスを塩素ガス吹き
込み口から吹き込みながら96℃に加熱した。96℃の
加熱後、窒素ガスを塩素ガスに切り替え反応を開始し
た。塩素ガス吹き込み速度は、0.08mol/時間に調製
した。
【0022】3時間後オルトキシレン転化率は、84%
で4−クロロオルトキシレン/3−クロロオルトキシレ
ン生成比は5.7であった。 (比較例)反応温度を90℃にした以外は、全て実施例
1と同様に反応を行った。
【0023】3時間後、オルトキシレン転化率は44%
で、4−クロロオルトキシレン/3−クロロオルトキシ
レン生成比は4.8であったわずか6℃の反応温度の差
で活性は倍に向上し選択性も約20%向上した。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、3−クロロオルトキシ
レンより4−クロロオルトキシレンを選択的かつ高活性
に製造することができ、反応時間を少なくできかつ純度
の高い4−クロロオルトキシレンを製造できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内山 直行 愛知県名古屋市港区大江町9番地の1 東 レ株式会社名古屋事業場内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC30 BA71 BB12 BC10 BE53 4H039 CA52 CD10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ゼオライトを触媒として溶媒の共存下オル
    トキシレンを塩素化して4−クロロオルトキシレンを得
    る方法において、反応温度を溶媒の沸点±2℃とするこ
    とを特徴とする4−クロロオルトキシレンの製造方法。
  2. 【請求項2】ゼオライトがL型ゼオライトであることを
    特徴とする請求項1記載の4−クロロオルトキシレンの
    製造方法。
  3. 【請求項3】溶媒がクロロ含有化合物である特徴とする
    請求項1または2記載の4−クロロオルトキシレンの製
    造方法。
  4. 【請求項4】クロロ含有化合物がジクロロエタン又はジ
    クロロプロパンであることを特徴とする請求項1〜3の
    いずれか1項記載の4−クロロオルトキシレンの製造方
    法。
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