JPS6343378B2 - - Google Patents

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JPS6343378B2
JPS6343378B2 JP51019514A JP1951476A JPS6343378B2 JP S6343378 B2 JPS6343378 B2 JP S6343378B2 JP 51019514 A JP51019514 A JP 51019514A JP 1951476 A JP1951476 A JP 1951476A JP S6343378 B2 JPS6343378 B2 JP S6343378B2
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acid
exchanger
alkali
epoxy
grape
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JP51019514A
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Puretsusheru Gyunteru
Shuraieru Geruto
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Degussa GmbH
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Publication of JPS6343378B2 publication Critical patent/JPS6343378B2/ja
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    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D303/00Compounds containing three-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom
    • C07D303/02Compounds containing oxirane rings
    • C07D303/48Compounds containing oxirane rings with hetero atoms or with carbon atoms having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, directly attached to ring carbon atoms, e.g. ester or nitrile radicals
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J23/00Catalysts comprising metals or metal oxides or hydroxides, not provided for in group B01J21/00
    • B01J23/90Regeneration or reactivation
    • B01J23/92Regeneration or reactivation of catalysts comprising metals, oxides or hydroxides provided for in groups B01J23/02 - B01J23/36
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    • C07C51/00Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides
    • C07C51/347Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides by reactions not involving formation of carboxyl groups
    • C07C51/367Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides by reactions not involving formation of carboxyl groups by introduction of functional groups containing oxygen only in singly bound form
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C07C51/00Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides
    • C07C51/42Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives
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    • C07C51/00Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides
    • C07C51/42Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives
    • C07C51/47Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives by solid-liquid treatment; by chemisorption
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C59/00Compounds having carboxyl groups bound to acyclic carbon atoms and containing any of the groups OH, O—metal, —CHO, keto, ether, groups, groups, or groups
    • C07C59/235Saturated compounds containing more than one carboxyl group
    • C07C59/245Saturated compounds containing more than one carboxyl group containing hydroxy or O-metal groups
    • C07C59/255Tartaric acid
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D301/00Preparation of oxiranes
    • C07D301/02Synthesis of the oxirane ring
    • C07D301/03Synthesis of the oxirane ring by oxidation of unsaturated compounds, or of mixtures of unsaturated and saturated compounds
    • C07D301/12Synthesis of the oxirane ring by oxidation of unsaturated compounds, or of mixtures of unsaturated and saturated compounds with hydrogen peroxide or inorganic peroxides or peracids
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
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    • Y02P20/584Recycling of catalysts

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  • Epoxy Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、アルカリ−タングステン酸塩の存在
下に高温のもとで水性媒体中においてマレイン酸
のアルカリ塩を過酸化水素でエポキシド化し、遊
離酸に変換し次で加水分解することによつてブド
ウ酸およびメソ酒石酸を製造する方法に関する。 マレイン酸を過酸化水素で接触的にヒドロキシ
ル化することによつてブドウ酸を製造することに
関して多くの合成方法が知られている。 例えば、遊離のマレイン酸をアルカリ−タング
ステン酸塩またはアルカリ−モリブデン酸塩の存
在下に水溶液状態で過酸化水素と反応させ、中間
的に生じるエポキシ−コハク酸を煮沸することに
よつて加水分解し、次で生じたブドウ酸を加水分
解溶液から結晶化分離している〔チヤーチ
(Church)とブルンベルグ(Blumberg)の
“Ind.Eng.Chem.43(8)、1780頁以後参照)。 ブドウ酸の結晶化での母液を再び反応段階に戻
す。 ブドウ酸の合成的製法を経済化する為には、結
晶化の後の母液を循環して戻すかあるいは後処理
することが非常に重要である。何故なら、この母
液は使用したタングステン酸塩−あるいはモリブ
デン酸塩触媒の他に、棄てることのできない多量
のマレイン酸を含有している。以上述べた方法
は、好のましくは使用したマレイン酸の約60%が
反応する(上記引用文献中)程度に運転すること
が知られている。 しかしながら生じる母液の循環には、製出する
べきブドウ酸の品質に影響を与える不純物が循環
導入の際に富化し得るという大きな欠点がある。 第二に、母液を循環して戻した場合酒石酸が充
満してしまうことに基ずいてエポキシド化速度が
非常に減少することが確認されている(ドイツ特
許出願公開第2016668号明細書参照)。母液と一諸
に戻される酒石酸は更にエポキシド化の際に過酸
化水素によつて蟻酸、炭酸および水の如き無価値
の分解生成物にまで不可逆的に酸化される(ドイ
ツ特許出願公開第2016668号明細書)。 確にドイツ特許出願公開第2016668号明細書の
方法によつて、上述の欠点の1部を、母液を戻す
前にその中に含有される酒石酸をカリウム−また
はカルシウム塩として沈殿させることによつて除
去することが試みられている。 しかしながら、酒石酸をカルシウム塩から困難
を押して幾分かしか回収できない事から、このカ
ルシウム塩を完全なタングステン酸塩不含状態で
回収し得ないことが判つた。タングステン酸塩触
媒も、多くの製造サイクルの後、その活性が減衰
する為に、カルシウム塩として沈殿されて、回収
されなければならない。 更に上記方法に従つて得られるブドウ酸は食料
品目的にとつて充分な純度でない。ブドウ酸を天
然の酒石酸の代りに食料品業界で用いるべき場合
には、マレイン酸含有量およびフマール酸含有量
に関して高い純度という要求が満足されなければ
ならないし、また重金属含有量についても−即
ち、この場合タングステン酸塩−あるいはモリブ
デン酸塩含有量について−瘍跡量であるという要
求が満されなければならない。 上記の方法においては過剰のマレイン酸にて1
部処理されるので(ChurchおよびBlumbergの上
記引用文献およびドイツ特許出願公開第2016668
号参照)、ブドウ酸はマレイン酸富化溶液から結
晶化しなければならないし、粘着性のマレイン酸
で汚染されておりしかも高収率で結晶化されれば
される程ますます汚染される。 更に反応条件のもとでマレイン酸は1部分フマ
ル酸に転化し得るし、このフマル酸はその難溶性
故にブドウ酸と一諸に結晶化され、ブドウ酸を汚
染しそして分離し難い。 加えて、公知の方法の場合生じるブドウ酸を、
未だ全触媒を含有している溶液から結晶化製出し
なければならない。その際、触媒の完全な分離
は、−タングステンの場合に特にそうなのである
が−結晶化ブドウ酸にタングステン酸が好んで付
着しそして該ブドウ酸が青色に着色するまで汚染
するので、不可能である。 ドイツ特許出願公開第1643891号明細書によれ
ば、上記の欠点の1部分を、酸性のマレイン酸カ
ルシウムと過酸化水素との接触的反応によつて酒
石酸カルシウムを製造することによつてて回避す
ることは公知である。しかるに、酒石酸カルシウ
ムから−例えば天然の酒石酸の場合の如く硫酸と
反応させることによつて−ブドウ酸を解放するこ
とは困難である。即ち、その際に生じるセツコウ
の溶解性生成物および酒石酸カルシウムの妄解性
生成物は充分に相異していない。その結果、セツ
コウの酒石酸塩含有量によつて損失が生じるかま
たは−過剰に硫酸を用いた場合−酒石酸を硫酸含
有溶液から取り出さなければならない。このこと
は追加的な困難を惹起す。 従来、メソ酒石酸をタングステン酸塩の存在下
でマレイン酸と過酸化水素とから得る−即ち、シ
ス−エポキシ−コハク酸を経て製造する−こと並
びにメソ酒石酸が、例えば、トランス−エポキシ
−コハク酸を加水分解した場合にのみ得られるこ
とは知られていなかつた〔クウンとエベル
(Kuhn und Ebel)の報告書、58B、919(1925)
参照〕。 本発明の目的は、高収率および高純度−殊に、
食料品純度−でブドウ酸を製造すること並びに触
媒の同時的回収下にメソ酒石酸を製造することで
ある。 本発明は、アルカリ−タングステン酸塩の存在
下にアルカリ−マレイン酸塩と水性過酸化水素と
を反応させて純粋なブドウ酸およびメソ−酒石酸
を製造するに当たつて、 (a) 過酸化水素のマレイン酸に対する使用モル比
を(1.01〜5):1としそして形成されたシス
−エポキシ−コハク酸のアルカリ塩がアルカリ
−タングステン酸塩と一緒に強酸性の陽イオン
交換体に通すことによつて遊離のシス−エポキ
シ−コハク酸および遊離のタングステン酸に転
化し、その上で遊離のタングステン酸の存在下
にブドウ酸およびメソ−酒石酸へ加水分解し、
遊離のタングステン酸は陰イオン交換体を用い
て除き、 未加水分解のシス−エポキシ−コハク酸およ
び未反応のマレイン酸は回収して反応系に戻
し、そして 前述の陰イオン交換体から公知の方法によつ
てアルカリ−タングステン酸塩を回収し、直接
的にエポキシ化段階に戻すか または (b) 過酸化水素のマレイン酸に対する使用モル比
を(0.01〜5):1としそして形成されたシス
−エポキシ−コハク酸のアルカリ塩がアルカリ
−タングステン酸塩と一緒に強酸性の陽イオン
交換体に通すことによつて遊離のシス−エポキ
シ−コハク酸および遊離のタングステン酸に転
化し、遊離のタングステン酸を陰イオン交換体
にて除き、その上で加水分解してブドウ酸を
得、 未加水分解のシス−エポキシ−コハク酸およ
び未反応のマレイン酸は回収して反応系に戻
し、そして 前述の陰イオン交換体から公知の方法によつ
てアルカリ−タングステン酸塩を回収し、直接
的にエポキシ化段階に戻す ことによつてメソ酒石酸の他にブドウ酸が連続的
にまたは不連続に操作する方法で高収率で且つ非
常に純粋な状態で得られ得ことを見出した。 本発明に従う方法によつて、dl−酒石酸は工業
的に初めて、実質的にタングステン酸を含まず且
つ−非常に僅かしか残つていない程度まで−マレ
イン酸を含まない溶液から結晶化されそしてそれ
故に該溶液から食料品純度で得られ得る。 更に、シス−エポキシ−コハク酸の加水分解の
際にメソ−酒石酸が生じることが初めて観察され
た。 個々の手段の本発明に従う組合せによつて−即
ちタングステン酸塩の存在下に過剰の過酸化水素
と反応させられるマレイン酸の塩から出発し、誘
離のシス−エポキシ−コハク酸および遊離のタン
グステン酸を陽イオン交換体にて製出し、並びに
上述の加水分解、および陰イオン交換体によるタ
ングステン酸の除去、分級的結晶化による溶液の
後処理によつて−高純度のdl−酒石酸を製造しそ
して生じるメソ−酒石酸を得るという本発明の目
的が達成される。 更に、タングステン酸塩触媒自体は非常に簡単
に且つほとんどの量が回収されそして追加的処理
なしに水溶液状態で直接的にエポキシ化段階に戻
される。 加えて本発明に従う方法は、酒石酸を結晶化す
るまでに水溶液で行ない、周知の如く困難である
固形物の取扱を完全に回避しているので、技術的
に合理的に実施できる。 アルカリ−マレイン酸塩あるいはアルカリ−タ
ングステン酸塩としては、相当するナトリウム、
−、カリウム−およびアンモニウム化合物、殊に
ナトリウム−化合物が概当する。使用すべきアル
カリ−マレイン酸塩の量は、反応が全反応期間の
間均一媒体中で行なわれる様に決めることができ
る。殊にナトリウムマレイン酸塩を用いる場合反
応溶液に10〜20重量%のマレイン酸が含まれてい
るべきである。 過酸化水素のマレイン酸に対する使用モル比は
1.01〜5:1、殊に1.1〜2:1であるべきであ
る。1.1〜1.3:1の割合が特に有利である。H2O2
水溶液の開始濃度は任意である。その際過酸化水
素の過剰量は、反応全期間の間過酸化水素が分解
消費されるのでマレイン酸に対して常に過剰の過
酸化水素が存在する様に決めるべきである。 反応は3〜5.5のPH−値、殊に4〜5のPH−値
の下で、70〜90℃の温度で行なう。たとえ水溶液
の沸騰点までの高温度および使用したマレイン酸
塩または反応によつて生じるエポキシ−コハク酸
塩の溶解点までの低い温度でも可能である。 触媒−即ちアルカリ−タングステン酸塩−は、
使用するマレイン酸に対して0.5〜5モル%、殊
に1〜2モル%の量で使用する。 その際マレイン酸のナトリウム塩と過酸化水素
とのナトリウムタングステン酸塩存在下でのシス
−エポキシ−コハク酸のナトリウム塩を得る反応
は自体公知である〔ジ−・ビー・パイン(G.B
Payne)、ピー・エチ・ウイリアムス(P・H・
Williams)の、J.Org.Chem.24(1959)、54頁参
照)。しかるに、酒石酸を製造する為の本発明に
従う方法の他の手段に相当する、上記反応の変更
は新規なものである。 アルカリ−マレイン酸塩は本発明に従う方法の
場合予め造られた状態でも使用できるしまた反応
器中で造つてそのまま使用でき且つ無水マレイン
酸の如きマレイン酸から出発することができる。 エポキシド化反応に続いて過酸化水素およびそ
の他の過酸化物化合物、例えば過タングステン酸
塩を場合によつては除去する。過酸化物化合物を
除く為に、公知の化学的反応並びに金属によるこ
れらの化合物の公知の接触的分解反応を用いるこ
とができる。溶液が汚染されることなく且つ白金
を固体の担体上に、例えば、90%以上がSiO2
り成る化学的に不活性な孔の少ない担体に対して
0.01〜5重量%、殊に0.05〜0.5重量%含有してい
る触媒を使用するように実施するのが有利であ
る。この触媒にて過酸化物化合物を、問題の溶液
中において20〜100℃、殊に60〜80℃の温度で常
圧下に分解することができる。更に本発明者は合
成酒石酸からマレイン酸を有効に分離する方法を
見出した。 酒石酸を製造する為の公知の方法によれば、タ
ングステン−またはモリブデン酸の如き触媒の存
在下に過酸化水素によつてマレイン酸を加水分解
しそして次で生じたブドウ酸を結晶化によつて製
出されることは前述の通りである(Ind.Eng.
Cham.43(8)、1788以後;ドイツ特許出願公開第
2016668号明細書参照)。この方法は用いたマレイ
ン酸の約60%だけが反応する程度で稼動され
(ChurchおよびBlumberg前述の文献)、その上で
形成された酒石酸を多量のマレイン酸成分を有す
る水溶液から結晶化分離しなければならない。 溶解比によつて酒石酸は結晶化され、そしてマ
レイン酸は大部分が溶液中に残留するが、マレイ
ン酸の分離が不充分であればある程−即ち、得ら
れる酒石酸が粘着性のマレイン酸によつて著しく
汚染されていればされている程−結晶化によつて
溶液から酒石酸を増々完全な状態で製出するべき
である。このことは反応開始前に過剰のマレイン
酸を用いた場合にも同様に当嵌まる。即ち、この
過剰度が多ければ多い程、酒石酸が汚染されるの
である。 この公知の方法の場合も、タングステン−また
はモリブデン酸の如き触媒を未だ含有している溶
液から酒石酸を結晶化している(上記引用文献参
照のこと)。しかしこの触媒は、酒石酸に付着し
そして多量の場合青色に着色するまで汚染するの
で結晶化によつて酒石酸から分離することは非常
に困難である。 マレイン酸の接触的水酸化によつて得られる酒
石酸は常に多かれ少なかれマレイン酸、触媒また
はこれら両方によつて著しく汚染されている。 天然の酒石酸は食料品分野において例えば酸性
化剤または調味改良剤として多量に用いられてい
る。その際、もし充分に純粋であれば−即ち、マ
レイン酸含有量および触媒含有量についての高い
純度要求が満足されるのなら−合成的に製造され
た酒石酸も用いることができる。 従つて、任意の製造での合成酒石酸からマレイ
ン酸をまたは、タングステン−またはモリブデン
酸の如き触媒と一緒にマレイン酸を分離すること
も重要である。 本発明者は、未だ用いた触媒をも含有しており
得る粗酒石酸の水溶液をヒドロキシル−または酒
石酸塩状態にある塩基性陰イオン交換体に通した
場合に、マレイン酸含有の合成酒石酸からマレイ
ン酸を分離されることを見出した。 酒石酸とはブドウ酸、d−、l−およびメソ−
酒石酸を意味する。 従来、業界では、有機酸の水溶液から金属触媒
だけが分離されるが〔ドクラデイ−ボルゲスコフ
(Doklady Bolgerskoj)の“Akad.Nauls.“17
(1964)、第909〜912頁;C.Z.1966、27〜538並び
にドイツ特許出願公告第2140055号〕、しかしマレ
イン酸を、形成された酒石酸結晶から洗滌除去し
なければならないという見解である。しかしなが
らその際著しい量の酒石酸が再び溶解しそしてこ
れに相応して収率が減少する。 しかしながら本発明者の見出した上述の方法に
よれば、前述の陰イオン交換体がマレイン酸を酒
石酸含有溶液から分離し得る状態にあることおよ
びマレイン酸を分離する際に、モリブデン酸また
はタングステン酸としてであろうとあるいは両者
の混合物としてであろうと全部の触媒をマレイン
酸と一緒に除去されることが伴つた。今や、ほと
んど純粋な溶液で結晶化分離ができるので、洗浄
費用は著しく減少される。 マレイン酸が陰イオン交換体によつてブドウ酸
から分離されることは予期し得なかつたことであ
る。何故ならば、周知の通りイオン交換体の選択
性は交換すべきイオンの種類−即ちその大きさ、
負荷量および交換すべき酸−陰イオンの塩基度−
に依存しているからである〔ケー・ドルフナー
(K.Dorfner)の“イオネンアウスタウシアー
(Ionenaustauscher)”、ウオルター・デ・グリイ
ター社(Walter de Gruyteru.Co)、ベルリン
(1970)〕。 この性質に関してマレイン酸と酒石酸は正に非
常に類似している。特に、なぜならば両方の酸の
解離定数が互に非常に近似しているからである。 しかし驚くべきことに、前記の陰イオン交換体
の結合能はたとえ周知のように酒石酸自体も水溶
液から陰イオン交換体に結合されたとしても、ブ
ドウ酸が大過剰である場合にマレイン酸を分離す
ることができる−実施例6参照のこと−程大きい
のである〔Ind.Eng.Chem.36、851(1944)参照の
こと〕。 陰イオン交換体としては市販の全ての種類のも
のを使用することができ、殊にマクロ孔質構造お
よび交換性の基としてのアミノ官能基を有するポ
リスチレンまたはポリスチレン/ジ−ビニルベン
ゼンを基体とする弱塩基性陰イオン交換体が好の
ましい。 イオン交換を行なう際の温度は樹脂の温度安定
性および溶液の沸騰温度によつてのみ制限されて
おり、20〜50℃に維持するのが好のましい。 水溶液の濃度は、溶解される成分の溶解性によ
つて特に酒石酸のそれによつて上方を限定されて
おり、約25℃の普通の処理温度では酒石酸につい
て10〜20重量%であるのが好のましい。 本発明に従う方法は、不純物が酒石酸に対して
5モル%までの濃度である場合に、マレイン酸を
特にマレイン酸から触媒酸と一緒に分離する為に
特に適している。この場合不純物が最も良好に分
離され、そして交換体を度々再生する必要がな
い。 しかしながら上記の濃度範囲は工業的濃度でも
最も重要である。 この能力を充分に用いる代りに、例えば、陰イ
オン交換器から流れ出る溶液中においてマレイン
酸−および触媒酸濃度が予め定められた値にされ
た場合、イオン交換を一層早く終了させることも
勿論可能である。この様にしても、不純物の含有
量を極端に少なくすることが可能である(実施例
6参照のこと)。 負荷されたイオン交換樹脂は公知の方法で、例
えば苛性アルカリで再成することができ、その際
結合していた酸はそのアルカリ塩の水溶液の状態
でほゞ定量的に回収される。その際得られる再成
物溶液は例えば前述の本発明に従うブドウ酸およ
びメソ−酒石酸の製造法で再び用いられる。 本発明に従うイオン交換法は並流−、向流−ま
たは連続的イオン交換の如き公知の方法で行なう
(K.Dorfnerの前述の文献参照のこと)。 本発明に従うブドウ酸およびメソ−酒石酸の製
造方法の特に好都合な実施形態を、第1図によつ
て過酸化物の分解まで説明する。 熱交換器を通つて一定の温度に維持されている
溶液を完全に撹拌混合しながら理想的な撹拌ガマ
として働らく連続的に稼動する循環式反応器中
に、過酸化水素およびマレイン酸の水溶液を導管
17を通して供給しそしてナトリウム−タングス
テン酸塩と苛性ソーダとの水溶液を導管18を通
して供給する。反応器1から溶液を、一定のPH−
値に調節する為に必要な場合には追加的な苛性ソ
ーダ水を導管20を通して供給することのできる
原則として同様に装備した反応器2中に流し込
む。過酸化水素の分解によつて場合によつては生
じる酸素を導管19および21を通して除く。 反応器2を離れる反応混合物は流れ管として構
成されている後反応区域3に導管22を通して供
給する。この区域から、反応した混合物は分解触
媒の充填された塔4中に導管23を介して下から
導入される。分解反応によつて生じた酸素は導管
24を通つて塔4を離れ、一方溶液は導管25を
通つて中間容器5中に流し、この溶器においては
溶解されている固形分の結晶化温度以上の温度に
溶液を維持しなければならない。 遊離のシス−エポキシ−コハク酸を得る為に、
強酸性の陽イオン交換体として市販のあらゆる種
類のもの、殊にポリスチレンあるいはポリスチレ
ン−ジ−ビニルベンゼンを基体とするもの特に遊
離のスルホン酸基を有したものを有利に用いるこ
とができる。 その際この方法を本質的に成功させる為に、公
知の並流法、向流法または連続的イオン交換法の
いずれを用いても同様に有利である。陽イオン交
換樹脂の再生を負荷する為の流れに対して反対流
で行なうことが有利である−本方法はこれによつ
て制限されない−。これによつて、アルカリのす
べり込み量(すべり込み量(Schlupf)=交換され
る溶液中のアルカリの残留含有量)が少ないこと
および再生剤の必要量が僅かでありそれ故に非常
に経済的であるという様な向流法の周知の長所は
充分に利用される。その際、イオン交換樹脂の再
生域内で生じる洗浄水によつて交換溶液が著しく
希釈され過ぎるのを避ける方法手段が特に有利で
ある。何故なら、希釈水は追加的に後の処理で留
去しなければならないからである。 イオン交換によつてシス−エポキシ−コハク酸
を得る為の特に有利な実施形態を同様に第1図に
よつて説明する: 容器5に中にある溶液を結晶化温度以上の温度
で導管26を通して、交換樹脂の充填された塔6
中に下方から導入しそしてそこから導管26aを
通して入念な浄化の為に稼動するまつたく同様な
塔7に導入され、エポキシ−コハク酸およびタン
グステン酸の水溶液はその頂部から導管27を通
つて流れ出る。その際塔6は有利にはアルカリが
流れ出し始めるまで稼動し、その上で導管26を
塔7に連結しそして新鮮に再生された塔8を入念
に浄化する為の手段として用いる。この実施の有
意義な継続によつて殆んど連続的な流れが達成さ
れ得る。 その際、樹脂が浮いたりまたは渦を巻いたりす
る−これらの事は樹脂を悪化する−程の流速より
低い流速で活動する様な規模の交換体床を用いる
のが有利であることが判つた。この処理方法の場
合、向流フイルターを稼動させる為の付加的な技
術的装置を必要としない〔このことについてはケ
ー・ドルフナー(K・Dorfner)の“イオネンア
ウスタウシヤー(Ionenaustauscher)”、ベルリ
ンのウオルター・デ・グリユイター(Walter de
Gruyter)社(1970)を参照されたし。〕。 上記方法手段は、反応器1,2,3および4で
の全ての反応が陽イオン交換体柱を通るイオン交
換すべき溶液の濃度および1時間当りの流量を決
めるので、その結果イオン交換体の乳遊現象を起
したりまたその能力を削減する高い流量(1時間
当りの)は必要とされないので、本発明に従う方
法と組合せて特に合理的に実施することができる
ことが判つた。 更に第1図で、使用し終つたイオン交換体柱の
洗浄およびその再生を塔8の例で説明する: その際この方法手段は、洗浄水を節約しそして
僅かな生成物の損失だけで生成物溶液の過ぎたる
希釈を回避することによつて特に好都合であるこ
とが判つた。例えば、この方法は次に来る溶液が
該柱中に存在する溶液を排除する様にして行なう
ことができる。あるいは該イオン交換柱を新しい
溶液の送入前に引き出してしまつてもよい。これ
は、浄化用酸が生成物の流れと混合しないことを
保証しなければならないだけである。 その際塔8の内容物は何よりも先ず導管28、
容器9および導管29を通つて容器5に戻され、
次で容器10および導管31からの予備濃縮され
た洗滌水で塔8を後洗滌する。該塔からの流出物
は導管28および容器9並びに導管29を通つて
同様に容器5に戻される。その上で導管32を通
つて来る蒸留水で後洗滌する。この流出物は導管
28、容器9および導管30を通つて容器10に
送られそして次の回に再度使用される。 後洗滌に後続する再生処理は、公知の方法で、
例えば製造元の指示に従つて導管33/34およ
び35を通して希塩酸で行なうことができる。そ
の際、最後の洗滌水を流し出し、不必要な生成物
希釈を避ける為に空の塔に充填するのが有利であ
る。 陽イオン交換によつて生じるエポキシ−コハク
酸およびタングステン酸の水溶液−このものは他
に僅かな量の未反応マレイン酸および僅かな量の
酒石酸を含有している−を、次で50〜200℃の温
度、殊に100〜150℃の温度のもとで反応させて酒
石酸を得る。 この場合、溶液を導管27を導して直接容器1
1中に入れ還流下に例えば5時間乾燥させる様に
一度行なつてもよい。しかしながら、約20〜95℃
の温度のもとで−この温度は陰イオン交換体の剛
度によつてのみ制限されている−導管27を通て
来る溶液を導管37を介して陰イオン交換器13
および14に導びき、その上で導管40を通つて
流れ出るタングステン酸不含のエポキシ−コハク
酸溶液を加水分解する様に行なうこともできる。
シス−エポキシ−コハク酸水溶液のこの加水分解
は自体公知である〔アール・クーン(R.Kuhn)
とエフ・エベル(F.EBel)の“Ber.”58B、919
(1925);ジ−・ウオデ(G.Wode)のスベンス
ク・ケミ・チイヅ(Svensk Kem.Tids)、40
221(1928)およびC.A.23(1929)、2344並びにド
イツ特許出願公開第2400767号明細書参照された
し)。 驚ろくべきことに、シス−エポキシ−コハク酸
の加水分解の際に期待に反して生じるメソ−酒石
酸の割合は、加水分解を陰イオン交換の前あるい
はその後でやるかどうかに依存していることが確
認された。このことは、R.Kuhn等(前述の文
献)およびドイツ特許出願公開第2400767号明細
書によれば、本発明に従う方法の場合には陰イオ
ン交換の後で生ずる如き溶液に相当するシス−エ
ポキシコハク酸水溶液を加水分解する場合にはdl
−酒石酸しか生じなかつたので、益々驚ろくべき
ことである。しかしながら本発明に従う方法によ
つて、加水分解をシス−エポキシ−コハク酸に対
して0.1〜5、殊に1〜2モル%の量のタングス
テン酸の存在下に行なつた場合−即ち陰イオン交
換前に;このことについては実施例4および5参
照のこと−発生するメソ−酒石酸の割合を著しく
減少させることができることを見出した。 本発明に従う方法によれば、選択によつてメソ
−酒石酸を多量にまたは僅かな量だけ生ぜしめる
様に条件を必要に応じて変えることができる。必
要に応じて多量のまたは僅かな量のdl−酒石酸を
得ることができるし、dl−酒石酸を全く用いるこ
とができないかまたは不充分にしか用いられない
場合にはメソ−酒石酸に替えるかまたはメソ−酒
石酸で補修することができる。 このことは、例えばdl−酒石酸の溶解性が一定
の用途目的のもとで充分でない場合に当嵌る。dl
−酒石酸はその本質的に悪い溶解性に為に天然酒
石酸と相違しており、一方メソ−酒石酸の溶解性
は天然の酒石酸に近似しているので、工業的用途
分野における、例えば建築材料の分野または電気
工業における、当面の目的にとつてdl−酒石酸の
溶解性が充分でない場合には、メソ−酒石酸の割
合の多い溶液をいつでも製造することができる。 タングステン酸含有化合物を−例えばクエン酸
の如き、多塩基性の錯塩形成性酸の存在下であつ
ても−除く為に陰イオン交換体を用いることは自
体公知である〔デー・シスコフ(D.Shishkov)、
イー・クールベ(E.Koleva)、ドクラデイー
(Doklady)の“Bolg.Akad.Nauk”17(10)、909
(1964)およびC.Z.(1966)27〜538参照のこと〕。
一般に合成ブドウ酸溶液の精製が陰イオン交換体
に通すことによつて達成できることは明らかであ
る。 陰イオン交換体としては市販のあらゆる種類の
ものを用いることができる。殊に交換活性基とし
てのアミノ官能基およびマクロ孔質構造を有する
ポリスチレン−またはポリエステル/ジビニルベ
ンゼンを基体とする弱塩基性の陰イオン交換体が
好のましい。 こゝに記載の本発明に従う方法の場合、陰イオ
ン交換を公知の並流法、向流法あるいは連続的イ
オン交換法のいずれに従つて行なつてもよい。こ
の交換法も第1図に記されている。即ち、塔6,
7および8においての陽イオン交換について記載
されているのと同様に塔12,13および14で
処理することができる。 その後に、再生処理と反対の流れ(向流)で下
から充填される3個の塔を用いる。その内の2個
の塔は互に前後して接続されている。一方三番目
の塔は再生処理状態にある。 その際最初のイオン交換柱はタングステンがも
れ出すまで稼動し、他方第2番目の−その都度新
鮮に再生されている−イオン交換柱は入念な浄化
の為の器として用いる。 その際陽イオン交換と相異し、普通の向流技術
の1つ例えば懸濁床法を用いなければならない
(K.Dorfnerの前述の文献参照のこと)。 使用し尽された交換塔の再生および洗滌は塔1
2を例にして第1図にて説明する。これは最も有
利な実施形態である: 最初、塔12の内容物の導管47からの蒸留水
で押出し、そして用いる為に導管39を通して陰
イオン交換器13あるいは14中に戻す。その
際、生成物を不必要に希釈しない為にできるだけ
僅かな量の水を用いる。一般に床容積の1〜5倍
の水で充分である。次で導管48/49を通され
る−製造者が推奨する様に−希釈した荷性ソーダ
溶液で再生しそして水でアルカリ不含有状態に洗
滌する。導管50を通つて流れ出る再生物は、僅
かな量の酒石酸、エポキシ−コハク酸およびマレ
イン酸あるいはそれらのナトリウム塩の他に、希
釈された水溶液状態にあり実質的に定量的に反応
段階に房すことができそして例えば導管18中で
混合物を調節する為に用いることのできるタング
ステン酸塩触媒を含有している。 塔12,13および14中に少なくとも以下の
程度で陰イオン交換樹脂を引き入れる。 その際、その引き入れ量の程度とは洗滌水よび
希釈された苛性ソーダ溶液にもたらされそして導
管50を通して戻される水の量が反応器1および
2に導管17,18および20を通つて配量され
る溶液を製造する際に用いることができる程度、
引込まれる樹脂の能力によつて陰イオン交換塔の
再生および洗滌をめつたに行なわないですむ程度
のことである。 導管50中の再生物は再び使用する前に活性炭
で処理するのが有利である。何故なら、この方法
が連続的に経過するにつれて黄褐色の不純物が陰
イオン交換樹脂に吸着されるからである。このも
のは樹脂を再生する際に導管50中の再生物中に
入りそして汚染する。 浄化の際、溶液に対して0.05〜1重量%、殊に
0.1〜0.4重量%の活性炭を好のましくは室温のも
とで撹拌混入して行なうことができる。5分〜5
時間の後に活性炭によつて過浄化され、再び全
く着色していない溶液を用いられる。室温の代り
により高い温度または低い温度でも行なうことが
でき、更に撹拌混入法の代りに他の方法、着色し
た溶液を活性炭塔を通して導びく柱法(Sa¨ulen
−verfahren)でもよい。 次で、全てのdl−酒石酸並びに相応する割合の
メソ−酒石酸および場合によつては未反応のエポ
キシ−コハク酸を含有している加水分解および陰
イオン交換の後に導管40中に存在する溶液−こ
の溶液は実質上タングステン酸を含有していない
−およびその他に僅かな量の未反応のマレイン酸
あるいは陰イオン交換器で分離除去されなかつた
マレイン酸または瘍跡量のフマル酸を後処理する
ことができる〔チア−チおよびブルムベルグ
(Church und Blumberg)の前述の文献参照の
こと〕: 場合によつては水を蒸発した後に溶液を冷却
し、ブドウ酸を別しそして冷水で後洗滌しそし
て次で乾燥する。その際メソ−酒石酸は、例えば
乾燥するまで蒸発させた後に、結晶化してないブ
ドウ酸および残留含有量のマレイン酸およびシス
−エポキシ−コハク酸との混合状態で得ることが
できる。 蒸発は40〜50℃の温度、殊に60〜110℃の温度
でそして結晶化は1〜25℃の温度で実施するのが
最もよい。 特に純粋なブドウ酸を製造する為には、溶液を
を分別結晶化させるのが最もよい。 更に本方法の最も有利な実施形態においては、
導管40−第1図参照−からの溶液が、減圧また
は加圧下に導管41を通して水の1部を留去する
回転蒸発器15に供給される。この水の量は、陰
イオン交換器から出るブドウ酸、メソ−酒石酸、
シス−エポキシ−コハク酸およびマレイン酸の溶
液の濃度に従つており、そして達成しようとする
ブドウ酸の純度に従つている。濃縮された溶液は
導管43を通して結晶化段階および過段階16
に送られ、一度結晶化したブドウ酸は導管45中
にそして水性の母液(以下母液と称する)は導
管46中に得られる。導管42および44は換気
あるいは所望の圧の維持にのみ使用する。 こうして得られた母液は、相応する方法で再
び蒸発させ、普通の成分の溶解性および濃度に相
当して僅かな純度を有し得る他のブドウ酸分別留
分に成すことができる。その際分別留分の数は任
意に選択できるが、2〜4より多く無い分別留分
で結晶化しそして最後の母液を乾燥する為に蒸発
させるのが有利である。 最後の母液を後処理する場合、シス−エポキシ
−コハク酸が結晶化し難く粘着性の傾向がありそ
してそれ故に後処理が困難であるので、できるだ
け僅かしかシス−エポキシ−コハク酸が含まれな
いようにするのが最もよいことが判つた。しかし
加水分解の間の高い転化率のもとでは母液中に98
〜99%のシス−エポキシ−コハク酸が明らかに濃
縮するので、容器11中での本来の加水分解の長
すぎる反応時間を回避する為にエポキシ−コハク
酸の加水分解を継続する条件のもとで(実施例2
参照)蒸発を行なうのが工業的に特に有利であ
る。例えば、母液を後ケン化に有利に委ねること
ができる(実施例3参照)。何故ならこの場合溶
液の全体量が容器11だけで加水分解した場合よ
りも明らかに少ないしそしてそれ故に小さな容器
しか必要としなくなるからである。 本発明に従う方法の技術的進歩性は、既に述べ
た様に、第一に、マレイン酸、フマル酸および触
媒による汚染物に対して非常に純粋であるブドウ
酸を得ることにある。 ドイチエン・アルツナイミツテルブツク
(Deutschen Arzneimittelbuch)7によれば天然
の酒石酸にとつて許容される最高の重金属含有量
(鉛として計算して)は20ppmである。本発明に
従う方法によつて得られるdl−酒石酸のタングス
テン含有量は5ppmより少ない。1966年のアメリ
カ食品化学規準によれば、食料品分野で用いられ
マレイン酸から製造されるdl−リンゴ酸は最高で
0.05重量%のマレイン酸および0.7重量%のフマ
ル酸しか含有してはならない。本発明に従う方法
によつて得られるdl−酒石酸は0.02重量%より少
ない量でしかマレイン酸およびフマル酸を含有し
ておらず、それ故に食料品純度を有している。 更に、本発明に従う方法は−前述の如く−、酒
石酸の結晶化まで水溶液でしか処理されないの
で、技術的に合理的に実施される。加えて、回収
された触媒は直ちに反応段階に再度戻すことがで
きる。 実施例 1 本方法は第1図に相当する装置において実施し
そして以下の記載は静止状態の達成に向つて連続
的実施することに関する。 2.27モル/時間のマレイン酸および2.76モル/
時間のH2O2の水溶液を導管17を通して820g/
時間で、3.6モル/時間のNaOHおよび0.0352モ
ル/時間のNa2WO4の水溶液830g/時間並びに
僅かな量の、導管50を介して戻された酸混合物
を導管18を通して反応器1に配量供給する。反
応器2には追加的に0.395モル/時間のNaOHの
水溶液80g/時間を導管20を通して加える。反
応器1,2および3は約80℃で運転する。反応器
1の稼動容量は1650mlで、反応器2のそれは1280
mlであり、後反応区域3は4mmのラシツヒ・リン
グの充填された5.40mの長さの管(φ38mm)より
構成されている。塔4は約80℃で運転され、1100
mlの触媒で満たされた管(φ38mm)で構成されて
いる。この触媒は、90重量%以上が二酸化珪素よ
り成つており粒度が3〜5mmである化学的に不活
性の貧孔質担体に0.1%の白金を含んでいるもの
である。 導管23における流量中のH2O2の残留含有量
は約0.6%である。分解触媒を離れた後導管25
の中では過酸化水素は実質的にほとんど分解され
てしまつている。ナトリウム塩の状態でシス−エ
ポキシ−コハク酸の他に約0.011モル/時間のマ
レイン酸および0.25モル/時間の酒石酸を含有し
ている約1720g/時間の水溶液を導管25を通し
て、40℃の温度に維持されている中間容器5に流
し込まれる。約40℃に加熱された導管26を通し
て陽イオン交換器6および7に供給する。交換器
柱の長径は10cmであり、遊離のスルホン酸基を有
するポリスチレンを基体とする約11の陽イオン
交換体および若干の不活性樹脂で満たされてい
る。その際イオン交換樹脂は2枚の篩板の自由空
間の約95%を膨潤した状態で満たしている。 塔6は負荷サイクルの初めには生成物で満たさ
れており、塔7は再生後空に成つている。容器5
から平均3500〜4000g/時間の一定流度で−これ
は導管25および29を通つて流れ込む量に相当
する−搬出される。塔6の頂部にナトリウム−イ
オンが現われるやいなや、流れ26は塔27に切
換えられ、そこから再生し終つている塔8は運ば
れる。 使い尽された塔の洗滌および再生を、塔8を例
に説明する。先ず第一に導管28を通して9へ導
びき塔8を空にする。そこから29を通して5に
戻す。次で容器10中にある予め濃縮された洗浄
水で後洗浄し、その流水を同様に容器9を通して
5に送る。 その後に塔8を完全に脱塩した水4.5Kgで後洗
滌し、その水は28,9および30を通して容器
10に戻どす。 次で塔8を、導管33,34を通した13.5Kgの
6.5重量%塩酸で再生しそして完全に脱塩した15
の水で後洗滌する。洗滌−および再生工程は平
均全部で4.5〜5時間繰返えさなければならない。 全部の酸に対して11モル%の酒石酸、痕跡量の
マレイン酸および全てのタングステン酸を含有し
ているシス−エポキシ−コハク酸の水溶液平均約
2700g/時間を、導管27を通して0.84モル/
1000gの二塩基酸濃度で容器11に流し込む。そ
の際陽イオン交換体の洗滌工程によつて、使用量
の約0.5%である損失のもとに、出発濃度の約64
%だけに希釈された。容器11中で溶液を約100
℃で還流下に5時間乾燥する。他の流れを連続的
に形成する為に二番目の容器を切換連結状態で平
行に稼動する(図示されていない)。 加水分解の終了後に室温に冷却した後導管3
7,38を通して水溶液2700g/時間を相互に連
結されている陰イオン交換塔13,14に下方か
ら導入する。即ち、水溶液に伴なつて2.03モル/
時間のブドウ酸、0.13モル/時間のメソ−酒石
酸、0.06モル/時間のシス−エポキシ−コハク酸
および0.01モル/時間のマレイン酸並びに全部の
タングステン触媒が供給される。 陰イオン交換器としては約43mmの内径を有する
3本の塔が必要である。ポリスチレンを基体とす
るマイクロ多孔質の単官能性の弱塩基性陰イオン
交換樹脂約1.3が充填されておりそして2枚の
篩板の間の空間の約60%を未負荷状態で占めてい
る。 イオン交換は乳遊床法によつて行なう。それぞ
れ24時間後タングステンが現われた際に塔を前述
(第 頁第 行目以後参照)の如く再生しそして
入念に浄化した塔として、切換点まで入念に浄化
した塔として稼動していた塔の後に連結する。 洗滌−および再成工程を塔12を例にして述べ
る。最初、塔内容物を完全に脱塩した水3.5Kgに
て導管47を通して押し出しそして導管39を通
して戻す。導管48/49を通して3.2Kgの4重
量%苛性ソーダで製造者の指示に従つて再生し、
次で5.2Kgの完全に脱塩された水でアルカリ不含
の状態に洗滌する。水面は生成物の希釈化を避け
る為に常に樹脂を僅かに超える程度に維持する。 水性の再生物を、黄変着色を回避する為に粉末
化された0.2%の活性炭で約30分間処理し、その
活性度を去しそして再び使用する為に導管50
を通して戻どす。 時間的平均で2.23モル/時間の二塩基性酸およ
び約2500g/時間の水を導管40を通して流し、
回転式蒸発器15に供給する。この蒸発器におい
て1時間当り約1400mlの水が約80℃の温度で減圧
状態で導管41を通して留去される。こうして濃
縮された溶液を撹拌式容器(図示してない)中に
おいて不連続的に約5℃に冷却する。結晶化した
ブドウ酸を去しそして固体物質に対して10重量
%の冷たい蒸留水で2度洗滌する。 1時間当りのグラムで計算して乾燥後に209
g/時間得られる。この量は、最高2〜3ppmの
タングステンおよび0.02%より少ないマレイン酸
およびフタル酸を含有している61.5%(使用した
マレイン酸に対して)のブドウ酸に相当する。 この最初の段階での1200g/時間の母液中に
は、未だ96gのブドウ酸、19.5gのメソ−酒石
酸、7.9gのシス−エポキシ−コハク酸および1.1
gのマレイン酸が含まれている。 約80℃で約800ml/時間の水を留去した後に初
めの結晶化の場合の如く約5℃での次の結晶化お
よび冷却水での後洗滌を行い、乾燥した後に、約
0.02〜0.03%のマレイン酸、0.02%より少ないフ
マル酸および5ppmより少ないタングステンを含
有する74g/時間のdl−酒石酸(用いたマレイン
酸に対して21.6%)が得られる。 用いたマレイン酸に対して15.1%のメソ−酒石
酸は、乾燥する為に蒸発することによつて得るこ
とができる。このものは38.5重量%のメソ−酒石
酸、43.5重量%のブドウ酸の他に15.6重量%のエ
ポキシ−コハク酸および2.4重量%のマレイン酸
を含有している。 この混合物は自体工業的に用いることができる
が、他の分別結晶化によつて純化し、ブドウ酸を
更に完全に分離することもできる。 導管50での陰イオン交換器の再生物からは、
24時間で、使用量の99.75%である247.7gのナト
リウム−タングステン酸塩および反応中に生じる
酸の僅かな量の塩を含有する8.9Kgの溶液が生ず
る。この溶液は−苛性ソーダ、水および非常に僅
かな量のナトリウム−タングステン酸塩で補足さ
れ−直接的に導管18を通して反応段階に送り込
まれる混合物をもたらす。 実施例 2 2500g/時間の水および平均2.23モル/時間の
二塩基性酸の流れを、実施例1で説明した様に、
導管40を通して排出し、次で1950mlの稼動内容
積を有する回転式蒸発器に供給し、該蒸発器中で
112℃の沸点温度で加圧下に約1400mlの水を留去
する。後処理は実施例1に記載した様に行なう。
最初の結晶化で、相応する純度の使用したマレイ
ン酸に対して62.5%のブドウ酸が得られる。実施
例1における如く行なう第2番目の蒸発および結
晶化の後に、実施例1に記載したのと同じ純度の
22%のブドウ酸が得られそして乾燥のための蒸留
の後にメソ−酒石酸(6%)、ブドウ酸(6%)、
マレイン酸(0.5%)およびエポキシ−コハク酸
(0.3%)−それぞれ使用したマレイン酸に対して
−の混合物が得られる。 15.6重量%のエポキシ−コハク酸を有するメソ
−酒石酸留分が得られる実施例1に対して、この
実施例の場合2.1%しか有さない留分が得られる。
この場合この相異量はブドウ酸およびメソ−酒石
酸に転化されている。更により僅かな量しか粘着
性の生成物が生じない。このことは後処理を容易
にしている。 実施例 3 エポキシ−コハク酸に関する反応を改善する為
に、以下の例から判る様に、第2番目の結晶化の
母液の後加水分解を行なう。 第2番目の結晶化の、実施例1によつて得られ
る母液1をガラス−フラスコ中で還流下に5時
間煮沸する。この溶液は、二塩基性の酸の混合物
1.01モル/1000gを含有している。この混合物は
15.5モル%のマレイン酸、35モル%のブドウ酸、
37モル%のメソ−酒石酸および12.5モル%のエポ
キシ−コハク酸より構成されている。5時間後加
水分解した後にはこの溶液は14.5モル%のマレイ
ン酸、42モル%のブドウ酸、39モル%のメソ−酒
石酸、1モル%のフマル酸および約3.5モル%の
エポキシ−コハク酸を含有している。 エポキシ−コハク酸に関する後加水分解中にお
ける転化率は72%であり、追加的にブドウ酸およ
びメソ−酒石酸が形成される。 実施例 4 実施例1に従つて導管27を通して得られる溶
液は加水分解されておらず、実施例1において一
般的に記載されている様に最初に陰イオン交換体
を通して導びかれる。 この溶液は二塩基性の酸の混合物0.97モル/
1000gを含有しており、しかも0.20モル/1000g
の酒石酸および0.75モル/1000gのエポキシ−コ
ハク酸を含有している。この溶液のタングステン
含有量は2ppm以下であつた(立証できない)。95
℃で加水分解した後に、エポキシ−コハク酸およ
び酒石酸の初めの含有量に対して、以下の生成物
分布が判つた。
【表】 実施例1で述べた方法手段によつて、エポキシ
−コハク酸の97%の転化率のもとで、生じた酒石
酸に対して6%のメソ−酒石酸の選択性が達成さ
れた。 実施例4で得られた分析データは原子核共鳴法
によつて得た。 実施例 5 1.31モル/1000gの二塩基性の酸を含有しそし
て実施例1において導管27を通して得られる生
成物に相応して製造した300gの溶液は、0.013モ
ル/1000gのタングステン酸含有率を有してい
る。この溶液をガラス−フラスコ中で還流下に5
時間煮沸する。 酸使用量に対して4.3モル%のエポキシコハク
酸、9.2モル%のメソ−酒石酸および86.4モル%
のdl−酒石酸を含有している。 同じ溶液を、交換活性のアミノ基を有している
ポリスチレンを基体とする弱塩基性でマクロ多孔
質の陰イオン交換に通す。イオン交換後には
2ppmより少ないタングステンを含有している。
酸濃度は1.335モルの二塩基性酸/1000gの溶液
である。この溶液300gを還流下に5時間煮沸す
る。後処理した後には酸使用量の64.1モル%のdl
−酒石酸、17.2モル%のメソ−酒石酸および18.3
モル%のエポキシ−コハク酸が得られる。メソ−
酒石酸の選択性は生じた酒石酸に対して21.2%で
ある。 実施例5の分析結果は分別物の蒸発および同定
の後に分別結晶化によつて得た。 実施例 6 この実験は第2図に簡略図的に示されている装
置で行なう。交換柱1は2cmの直径を有してお
り、弱塩基性陰イオン交換樹脂250mlで充填され
ている。この陰イオン交換樹脂は1.5の3重量
%苛性ソーダ溶液で上方から予め再生されそして
中性に洗滌されている。樹脂としては、ポリスチ
レン基体とするマクロ孔質の単官能性弱塩基性陰
イオン交換体を使用する。このものは懸濁床法に
よつて導管2を通して750ml/時間の速度で下方
から22℃のもとで充填されている。イオン交換し
た溶液は導管3を通つて取り出される。この樹脂
は負荷開始前に完全に脱塩した水で覆われてい
た。 用いた溶液1、2、3、は、1、2、3の順に
交換柱を通した。これらの溶液は水溶液状態で約
1モル/1000gのd,L−酒石酸およびマレイン
酸を含有していた。これらの含有量はポーラログ
ラフイで測定した。
【表】 導管3を通して分別して取り出しそして分析し
た。
【表】 次で交換柱を完全に脱塩した1000mlの水で洗滌
し、再生しそして前述の如く中和洗滌する。分別
区分4〜17および再生物並びに洗滌水中で、使用
した量の99.4%の酒石酸およびマレイン酸−ある
いはそれらの塩−が合計して回収された。 この実験の成果は以下の値である。 (A) 用いたd,L−酒石酸+マレイン酸:13.49
モル (B) 用いたマレイン酸:0.28モル―∧Aの2.076% (C) d,L−酒石酸+マレイン酸生成物流出量
(4〜17):12.58モル―∧用いたAの93.3% (d) 生成物流出量(4〜17)中のマレイン酸:
0.0957モル―∧Cの0.76% ―∧用いたBの34.2% 陰イオン交換の経過につれて使用量93.3%の酸
が回収される。残り−合せて使用量の99.4%−は
交換体の洗滌および再生の際に回収される。マレ
イン酸の割合は使用時の全ての酸に対して2.076
モル%から流出時に0.76%に減少している。これ
は出発時の値の36.6%である。マレイン酸に対す
るイオン交換体の能力は条件次第で1.4val/で
ある。 イオン交換体の分離作用は、負荷を交換体が完
全に使い尽されるまで行なわない場合には、更に
改善し利用できる。この場合の実例的成果は、使
用した溶液1および2だけをイオン交換体に通し
てもたらされることについて前記実験結果によつ
て示す。その際生成物として分別区分4〜13およ
び278gの分別区分14が得られる。 (A) 用いたd,L−酒石酸+マレイン酸:9.623
モル (B) 用いたマレイン酸:0.1843モル―∧(A)の1.92% (C) 生成物中のd,L−酒石酸+マレイン酸:
8.716モル―∧使用した(A)の90.6% (D) 生成物中のマレイン酸:0.0249モル―∧(C)の
0.286%―∧(B)の13.5% この条件のもとで−使用した酸の90.6%が生成
物中であり、追加的に8.8%が洗滌および再生の
際に回収される−マレイン酸の割合は1.92%−出
発溶液中の全部の酸含有量に対して−から0.286
%に減少し、これは出発値の14.9%である。この
条件のもとでの交換体の能力は1.18valマレイン
酸/1樹脂である。 製造者は、使用した樹脂が1.9val/の総体的
能力および1.5Val/の有用能力を有すると称し
ている。 実施例 7 この実験は実施例6と同様に行なう。導管2−
第2図参照−を通して以下の組成の水溶液をイ
オン交換体に導びく。
【表】 溶液 酸

No. (Mol/l) (Mol/l) (Mol〓) (ppm)
1.03 0.0187 1.82 710

導管3−第2図−を通して、希釈された前流出
物2を除いた後に分別区分3を取り出す。この分
別区分3中においてはマレイン酸の濃度は出発溶
液中の酸の内のその成分に対して約84%だけ減少
する。この際タングステンは完全に分離されてい
る。
【表】 :溶液1を製造する為にタングステン酸
として使用した。
実施例6に記載されている様に再生および洗滌
を行なつた後、生成物中に−即ち分別区分2およ
び3中におよび再生物中に−使用した酸の99.6%
−再生物中ではナトリウム塩の状態で−が回収さ
れる。生成物中には使用した酸の90.2%が存在す
る。分離されたマレイン酸およびタングステン酸
に対するイオン交換樹脂の能力は1.11Val/
(樹脂)である(実施例6参照)。 実施例 8 この実験は実施例6に記載の方法と同様に行な
つた。導管2−第2図−を通して次の組成の水溶
液1をイオン交換体に通す。
【表】 溶液 酸

No. (Mol/l) (Mol/l) (Mol〓) (ppm)
1 1.05 0.0132 1.26 1790

交換樹脂中に有する水を押出すことによつて生
じる水性の前流出物2を除いた後に、導管3を通
して、タングステンおよびマレイン酸の含有量が
徐々に増加する傾向を示す分別区分を受集める。
【表】 実施例6に記載の如く再生および洗滌した後に
生成物(2〜8)および再生物中で、使用した酸
の99.2%が回収される−再生物中では酸はナトリ
ウム塩の状態にある−。生成物(2〜8)では使
用した酸の90.5%が得られる。このマレイン酸成
分は平均0.359%である。従つてマレイン酸成分
はその出発時の値(1.26%)の28.5%に低下し、
その際タングステン酸の分離はやはり完全であつ
た。結合するマレイン酸およびタングステン酸に
対する交換樹脂の能力は1.11val/(樹脂)で
ある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に従う、ブドウ酸およびメソ−
酒石酸の製造方法の1実施形態を示したフローシ
ートであり、第2図はマレイン酸を分離する装置
の簡略図である。各図中の記号は以下の意味を有
する。 第1図について:1……反応器、2……反応
器、3……後反応区域、4……分解触媒塔、5…
…中間容器、6,7および8……陽イオン交換樹
脂塔、9……容器、10……容器、11……容
器、12,13および14……陰イオン交換塔、
15……回転式蒸発器、16……過手段、17
……過酸化水素およびマレイン酸の水溶液用導
管、18……触媒溶液用導管、19および21…
…酸素除去導管、20……追加的苛性ソーダ水用
導管、22〜25……導管、26,26.a……
導管、27〜31……導管、32……蒸留水導入
管、33/34,35……再生用導管、36〜4
1……導管、42および44……換気および圧維
持用導管、43……導管、44〜50……導管、
第2図について:1……イオン交換塔、2……流
入導管、3……流出導管。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 アルカリ−タングステン酸塩の存在下にアル
    カリ−マレイン酸塩と水性過酸化水素とを反応さ
    せて純粋なブドウ酸およびメソ−酒石酸を製造す
    るに当たつて、 過酸化水素のマレイン酸に対する使用モル比を
    (1.01〜5):1としそして形成されたシス−エポ
    キシ−コハク酸のアルカリ塩がアルカリ−タング
    ステン酸塩と一緒に強酸性の陽イオン交換体に通
    すことによつて遊離のシス−エポキシ−コハク酸
    および遊離のタングステン酸に転化し、その上で
    遊離のタングステン酸の存在下にブドウ酸および
    メソ−酒石酸へ加水分解し、 遊離のタングステン酸は陰イオン交換体を用い
    て除き、 未加水分解のシス−エポキシ−コハク酸および
    未反応のマレイン酸は回収して反応系に戻し、そ
    して 前述の陰イオン交換体から公知の方法によつて
    アルカリ−タングステン酸塩を回収し、直接的に
    エポキシ化段階に戻すことを特徴とする、上記純
    粋なブドウ酸のおよびメソ−酒石酸の製造方法。 2 形成されるシス−エポキシ−コハク酸アルカ
    リ塩とアルカリ−タングステン酸塩との混合物を
    強酸性の陽イオン交換体に通す際に、該混合物中
    に過剰に存在する過酸化水素を分解した後に該交
    換体に通す特許請求の範囲第1項記載の方法。 3 生じたタングステン酸塩溶液を再使用する前
    に活性炭で浄化する特許請求の範囲第1項または
    第2項に記載の方法。 4 生成されるブドウ酸をタングステン酸不含の
    加水分解混合物から水の蒸発により濃縮しそして
    温度降下によつて結晶化させる請求項第1〜3項
    に記載の方法。 5 生成したブドウ酸を結晶化によつて実質的に
    除いた母液から未反応のシス−エポキシ−コハク
    酸およびマレイン酸を結晶化または乾燥の為の蒸
    発によつて回収する特許請求の範囲第1〜4項に
    記載の方法。 6 タングステン酸の負荷した陰イオン交換体を
    希釈苛性ソーダで再生してそして生じたアルカリ
    −タングステン酸塩溶液を再び直接的にエポキシ
    化段階に戻す特許請求の範囲第1〜5項に記載の
    方法。 7 過酸化水素のマレイン酸に対する使用モル比
    が(1.1〜2):1、特に(1.1〜1.3):1である特
    許請求の範囲第1〜6項に記載の方法。 8 反応を循環式反応器で行う特許請求の範囲第
    1〜7項の何れか一つに記載の方法。 9 反応を2個以上の前後して連結された循環式
    反応器で行う特許請求の範囲第1〜8項の何れか
    一つに記載の方法。 10 反応を2個以上の前後して連結された循環
    式反応器および後に連結された流動管中で行う許
    請求の範囲第1〜9項の何れか一つに記載の方
    法。 11 過剰の過酸化物化合物を、0.01〜5重量%
    のPtを含有している、90重量%以上がSiO2より
    成る貧孔質の担体触媒に反応混合物を導くことに
    よつて20〜100℃のもとで分解する特許請求の範
    囲第1〜10項の何れか一つに記載の方法。 12 強酸性イオン交換体として遊離のスルホン
    酸基を有するポリスチレンまたはポリスチレン/
    ジビニルベンゼンを基体とするものを用いそして
    3個の陽イオン交換器を使用し、その内の2個は
    前後して連結されており、一方第3番目の交換器
    は再生状態にある特許請求の範囲第1〜11項の
    何れか一つに記載の方法。 13 陽イオン交換器を前の循環系の濃縮洗浄水
    で洗浄する特許請求の範囲第1〜12項の何れか
    一つに記載の方法。 14 陰イオン交換器の後に生じる溶液から分別
    結晶化によつてブドウ酸を得る特許請求の範囲第
    1〜13項の何れか一つに記載の方法。 15 陰イオン交換体として、交換活性のアミノ
    器を有するポリスチレンまたはポリスチレン/ジ
    ビニルベンゼンを基体とする弱塩基性のマクロ孔
    質樹脂を用いる特許請求の範囲第1〜14項の何
    れか一つに記載の方法。 16 3個の陰イオン交換器を用い、その内の2
    個は前後して連結されており、一方第3番目の交
    換器は再生状態にある特許請求の範囲第1〜15
    項の何れか一つに記載の方法。 17 最初の陽イオン交換器はナトリウムが漏れ
    出すまで、最初の陰イオン交換器はタングステン
    が漏れ出すまで運転し、一方新鮮に再生された交
    換器はそれぞれ第2番目の交換器として後に後に
    連結する特許請求の範囲第1〜16項の何れか一
    つに記載の方法。 18 ブドウ酸を結晶化した後に生じる母液は再
    ケン化に委ねる特許請求の範囲第1〜17項の何
    れか一つに記載の方法。 19 アルカリ−タングステン酸塩の存在下にア
    ルカリ−マレイン酸塩と水性過酸化水素とを反応
    させて純粋なブドウ酸を製造するに当たつて、過
    酸化水素のマレイン酸に対する使用モル比を
    (1.01〜5):1としそして形成されたシス−エポ
    キシ−コハク酸のアルカリ塩がアルカリ−タング
    ステン酸塩と一緒に強酸性の陽イオン交換体に通
    すことによつて遊離のシス−エポキシ−コハク酸
    および遊離のタングステン酸に転化し、遊離のタ
    ングステン酸を陰イオン交換体にて除き、その上
    で加水分解してブドウ酸を得、 未加水分解のシス−エポキシ−コハク酸および
    未反応のマレイン酸は回収して反応系に戻し、そ
    して 前述の陰イオン交換体から公知の方法によつて
    アルカリ−タングステン酸塩を回収し、直接的に
    エポキシ化段階に戻すことを特徴とする、上記純
    粋なブドウ酸の製造方法。 20 形成されるシス−エポキシ−コハク酸アル
    カリ塩とアルカリ−タングステン酸塩との混合物
    を強酸性の陽イオン交換体に通す際に、該混合物
    中に過剰に存在する過酸化水素を分解した後に該
    交換体に通す特許請求の範囲第19項記載の方
    法。 21 生じたタングステン酸塩溶液を再使用する
    前に活性炭で浄化する特許請求の範囲第19項ま
    たは第20項に記載の方法。 22 生成されるブドウ酸をタングステン酸不含
    の加水分解混合物から水の蒸発により濃縮しそし
    て温度降下によつて結晶化させる請求項第19〜
    21項に記載の方法。 23 生成したブドウ酸を結晶化によつて実質的
    に除いた母液から未反応のシス−エポキシ−コハ
    ク酸およびマレイン酸を結晶化または乾燥の為の
    蒸発によつて回収する特許請求の範囲項第19〜
    22項に記載の方法。 24 タングステン酸の負荷した陰イオン交換体
    を希釈苛性ソーダで再生してそして生じたアルカ
    リ−タングステン酸塩溶液を再び直接的にエポキ
    シ化段階に戻す特許請求の範囲第19〜23項に
    記載の方法。 25 過酸化水素のマレイン酸に対する使用モル
    比が(1.1〜2):1、特に(1.1〜1.3):1である
    特許請求の範囲第19〜24項に記載の方法。 26 反応を循環式反応器で行う特許請求の範囲
    第19〜25項の何れか一つに記載の方法。 27 反応を2個以上の前後して連結された循環
    式反応器で行う特許請求の範囲第19〜26項の
    何れか一つに記載の方法。 28 反応を2個以上の前後して連結された循環
    式反応器および後に連結された流動管中で行う特
    許請求の範囲第19〜27項の何れか一つに記載
    の方法。 29 過剰の過酸化物化合物を、0.01〜5重量%
    のptを含有している、90重量%以上がSiO2より
    成る貧孔質の担体触媒に反応混合物を導くことに
    よつて20〜100℃のもとで分解する特許請求の範
    囲第19〜28項の何れか一つに記載の方法。 30 強酸性イオン交換体として遊離のスルホン
    酸基を有するポリスチレンまたはポリスチレン/
    ジビニルベンゼンを基体とするものを用いそして
    3個の陽イオン交換器を使用し、その内の2個は
    前後して連結されており、一方第3番目の交換器
    は再生状態にある特許請求の範囲第19〜29項
    の何れかに一つに記載の方法。 31 陽イオン交換器を前の循環系の濃縮洗浄水
    で洗浄する特許請求の範囲第19〜30項の何れ
    か一つに記載の方法。 32 加水分解後に生じる溶液から分別結晶化に
    よつてブドウ酸を得る特許請求の範囲第19〜3
    1項の何れか一つに記載の方法。 33 陰イオン交換体として、交換活性のアミノ
    器を有するポリスチレンまたはポリスチレン/ジ
    ビニルベンゼンを基体とする弱塩基性のマクロ孔
    質樹脂を用いる特許請求の範囲第19〜32項の
    何れか一つに記載の方法。 34 3個の陰イオン交換器を用い、その内の2
    個は前後して連結されており、一方第3番目の交
    換器は再生状態にある特許請求の範囲第19〜3
    3項の何れか一つに記載の方法。 35 最初の陽イオン交換器はナトリウムが漏れ
    出すまで、最初の陰イオン交換器はタングステン
    が漏れ出すまで運転し、一方新鮮に再生された交
    換器はそれぞれ第2番目の交換器として後に後に
    連結する特許請求の範囲第19〜34項の何れか
    一つに記載の方法。 36 ブドウ酸を結晶化した後に生じる母液は再
    ケン化に委ねる特許請求の範囲第19〜35項の
    何れか一つに記載の方法。
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