JPH07116096B2 - 高純度0−トルイル酸の製造方法 - Google Patents

高純度0−トルイル酸の製造方法

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JPH07116096B2
JPH07116096B2 JP61287715A JP28771586A JPH07116096B2 JP H07116096 B2 JPH07116096 B2 JP H07116096B2 JP 61287715 A JP61287715 A JP 61287715A JP 28771586 A JP28771586 A JP 28771586A JP H07116096 B2 JPH07116096 B2 JP H07116096B2
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toluic acid
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acid
xylene
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信之 戸倉
隆雄 藤丸
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は0−キシレンより高純度0−トルイル酸を製造
する方法に関する。
0−トルイル酸は農薬、医薬および重合開始剤等の原料
として広く利用され、その用途によっては99wt%以上の
高純度が要求される。
(従来技術) 0−トルイル酸は0−キシレンを酸化することにより製
造される。通常は溶媒の不存在下で、ナフテン酸コバル
ト、トルイル酸コバルト、またはトルイル酸マンガンな
どの重金属の有機酸塩を触媒として、分子状酸素含有ガ
スにより液相酸化する方法が用いられ、米国特許265316
5号、2712549号、2712551号などに記載されている。
またこの液相酸化反応において、副反応を抑制する方法
が特公昭52-46217号、特開昭53-112831号に、反応精製
物を再結晶し、精製する方法が特開昭56-55341号に記載
されている。
(発明が解決しようとする問題点) 0−キシレンを酸化して得た反応生成物には、0−トル
イル酸および水の他に、安息香酸、フタリド、0−フタ
ル酸、0−メチルベンジルアルコールなどの副生物が含
まれ、溶媒抽出、晶析、蒸溜等の方法によって0−トル
イル酸を精製する必要がある。
これらの精製法の中で、工業的に最も操作が簡単で容易
に実施できるのは蒸溜法であるが、沸点および共沸物生
成の関係から、蒸溜では0−フタル酸およびフタリドと
0−トルイル酸の分離が難しく、蒸溜法により99wt%以
上の高純度0−トルイル酸を得ることが工業的に困難で
ある。
このため高純度0−トルイル酸を得る方法としては、一
般に晶析法が用いられる。晶析法では大量の熱水中に粗
0−トルイル酸を溶解させ、冷却により晶析させること
により高純度0−トルイル酸が得られるが、この方法で
は排水中に副生物と共に、一部の0−トルイル酸が溶解
することから、収率が低く、また活性汚泥処理を必要と
する大量の排水を生成し、その処理に多くの費用と労力
が必要である。
(問題点を解決するための手段) 発明者は、0−キシレンの酸化反応生成物より高純度0
−トルイル酸を得るに際しての以上の如き問題点に関し
て鋭意検討した結果、0−キシレンの酸化反応生成物を
アンモニアで処理することにより、0−フタル酸をフタ
ルイミドとし、これを蒸溜すれば高純度0−トルイル酸
が得られることを見出し、本発明を完成した。
即ち本発明は、0−キシレンを酸化して得た反応液を、
該反応液中に含まれる0−フタル酸に対して1〜2倍モ
ルのアンモニアを含有するガスまたは水溶液を添加し10
0〜240℃で処理した後、蒸留することを特徴とする高純
度0−トルイル酸の製造方法 0−キシレンの酸化は、従来の方法により行われる。即
ち溶媒の不存在下で、ナフテン酸コバルト、トルイル酸
コバルト、またはトルイル酸マンガンなどの重金属の有
機酸塩を触媒として、分子状酸素含有ガスにより液相酸
化する。反応温度は通常100〜260℃であり、好ましくは
100〜220℃である。反応圧力は反応温度が高くなるに従
って高くなるが、通常0〜30kg/cm2Gであり、好ましく
は0〜25kg/cm2Gである。反応時間は0.5〜5hr、好まし
くは1〜3hrである。
反応生成物の蒸溜は、未反応0−キシレンの回収と0−
トルイル酸の精製の二段の蒸溜が通常行われる。アンモ
ニアによる処理は、どちらの蒸溜の前に行っても良い
が、第一段の蒸溜による未反応0−キシレンを回収した
後の組成物を処理する方が、アンモニアの損失が少なく
工業的に有利である。
未反応0−キシレンを回収するための蒸溜は、3〜5段
相当の段塔または充填塔を用い、圧力30〜60Torr、温度
150〜200℃で行う。
アンモニアによる処理は、アンモニアガス、アンモニア
水溶液ないし炭安水などのアンモニアを含有するガスま
たは水溶液を用い、通常、常圧ないし加圧下、温度100
〜240℃、好ましくは180〜220℃で、0−キシレンの酸
化反応液を攪拌しながら行う。
なおアンモニアの添加量は、アンモニアガス使用時は0
−フタル酸のモル数の1〜2倍、好ましくは1〜1.5倍
とする。また常圧下でアンモニア水溶液を使用する場合
のアンモニア添加量は、0−フタル酸のモル数の1〜5
倍、好ましくは1〜2倍とする。常圧下でアンモニア水
溶液を使用する場合は、沸点との関係から温度を上げる
ことができないため、フタルイミドの生成が遅く、アン
モニア添加量が多くなる。
アンモニア処理後の0−トルイル酸の精留は、10〜30段
相当の段塔または充填塔を用い、100〜300Torr、好まし
くは150〜250Torrの圧力で、3〜20程度の還流比で蒸溜
する。
圧力が100Torrより低い場合には、0−トルイル酸とフ
タリドとの間で共沸物を生成するため、高純度0−トル
イル酸が得られず、また圧力が高すぎる場合は、塔底の
温度が高くなり、0−トルイル酸の分解および重合物の
生成の可能性があるので好ましく無い。このため精留塔
の塔底の温度は250℃以下とする。
(作用および効果) 0−キシレンの酸化反応生成液中の0−フタル酸はアン
モニア処理することにより、フタルイミドとなるので蒸
溜により容易に系外に除去されるようになり、高純度0
−トルイル酸が得られる。
アンモニア以外の処理法では苛性ソーダで0−フタル酸
をフタル酸ジソーダ塩にする方法があるが、生成したフ
タル酸ジソーダ塩は蒸溜時160℃以上になると0−トル
イル酸とNa交換をし、再びフタル酸となる。従って苛性
ソーダで処理する方法では、アルカリ処理後水洗を行っ
てフタル酸ジソーダ塩を系外に除去した後蒸溜を行う必
要がある。
本発明の方法によれば、晶析法と異なり、0−トルイル
酸の損失が非常に少なく、高純度0−トルイル酸が容易
に製造される。また副生物は高濃度で得られるから、焼
却処理を行うことができ、活性汚泥処理が不要である。
更に本発明は、蒸溜操作で連続的に行えるから、操作が
容易で、省力化され、0−トルイル酸精製の費用が非常
に削減される。
以上による本発明の工業的意味が大きい。
(実施例) 以下実施例により本発明を具体的に説明する。勿論本発
明はこれらの実施例により限定されるものではない。な
お第1表および第2表における略号は次の分析値(%)
を示す。
OTA:0−トルイル酸 PL:フタリド PA:0−フタル酸 0thers:その他の成分(安息香酸およびフタルイミドを
含む) 実施例1 触媒としてナフテン酸コバルトを使用し、圧力5kg/cm2
G、温度160℃で反応させた反応生成物を蒸溜し、未反
応0−キシレンを除去した粗0−トルイル酸を得た。次
に粗0−トルイル酸中の0−フタル酸含量のモル数に対
して2.15倍モルのアンモニア量に相当するアンモニア水
(濃度2%)を加え、100℃で約10分間加熱攪拌を行
い、0−フタル酸のイミド化処理を行った。
アンモニア処理後、ディクソンパッキンを高さ1m充填し
た充填塔で、還流比約10、圧力220Torrで蒸溜した。こ
の結果、純度99.43wt%の0−トルイル酸が得られ、粗
0−トルイル酸よりの0−トルイル酸の回収率は90%で
あった。
比較例1 実施例1において、アンモニア処理をせずに同一の条件
で蒸溜した。この結果、0−トルイル酸の純度は95.5wt
%であり、0−トルイル酸の回収率は91%であった。
実施例1および比較例1における各処理液のガスクロ分
析値を第1表に示す。
実施例2 実施例1と同様にして得た粗0−トルイル酸を用い、ア
ンモニアガスを0−フタル酸含有量に対して等モル(1.
0倍)加え、200℃にて処理した後、実施例1と同じ充填
塔で還流比10、圧力200Torrで蒸溜した。この結果、純
度99.60wt%の0−トルイル酸が得られ、回収率は90%
であった。
比較例2 実施例2において、アンモニア処理せずに同一の条件で
蒸溜した。この結果、純度97.46wt%の0−トルイル酸
が得られ、回収率は91%であった。
実施例1および比較例2におけるガスクロ分析値を第2
表に示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】0−キシレンを酸化して得た反応液を、該
    反応液中に含まれる0−フタル酸に対して1〜2倍モル
    のアンモニアを含有するガスまたは水溶液を添加し100
    〜240℃で処理した後、蒸留することを特徴とする高純
    度0−トルイル酸の製造方法
JP61287715A 1986-12-04 1986-12-04 高純度0−トルイル酸の製造方法 Expired - Lifetime JPH07116096B2 (ja)

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