JPH0316937B2 - - Google Patents

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JPH0316937B2
JPH0316937B2 JP15772282A JP15772282A JPH0316937B2 JP H0316937 B2 JPH0316937 B2 JP H0316937B2 JP 15772282 A JP15772282 A JP 15772282A JP 15772282 A JP15772282 A JP 15772282A JP H0316937 B2 JPH0316937 B2 JP H0316937B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
trichlorethylene
reaction
dichloroacetyl chloride
oxidation
tertiary amine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP15772282A
Other languages
English (en)
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JPS5948435A (ja
Inventor
Tetsuzo Myazaki
Fuminori Nishiwaki
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Publication date
Application filed by Daicel Chemical Industries Ltd filed Critical Daicel Chemical Industries Ltd
Priority to JP15772282A priority Critical patent/JPS5948435A/ja
Publication of JPS5948435A publication Critical patent/JPS5948435A/ja
Publication of JPH0316937B2 publication Critical patent/JPH0316937B2/ja
Granted legal-status Critical Current

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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、トリクロルエチレンの(液相)酸化
によるジクロルアセチルクロライドの改良された
製造に関するものである。 ジクロルアセチルクロライドは殺虫剤及び除草
剤等の合成中間体として用いられる有用な物質で
ある。トリクロルエチレンは酸素、若しくは酸素
を含有するガスで酸化化させることによりジクロ
ルアセチルクロライドを製造することは公知であ
る。 さらに、この反応過程が下記式の如くトリクロ
ルエチレンオキサイドを経由する酸化段皆及び転
位段階の2段皆で進行することも良く知られてい
る。 例えば、特公昭45−10485には酸化は一定の時
間後に中止され、次いで窒素塩基の添加により形
成されたトリクロルエチレンのジクロルアセチル
クロライドへの転位を行わせることが記載されて
いる。 ここで、最初の酸化段階ではトリクロルエチレ
ンが酸化防止能を持つ窒素塩基から遊離していな
ければならないことを教示している。しかも、転
位段階では途中時、窒素塩基の添加が大きな発熱
を伴うため、これを制御するのが仲々困難であり
更にこの時の発熱が品質(特に着色)の悪化を招
く。又、特公昭46−4563及び特開昭47−8513には
第三成分の触媒を追(添)加することによりトリ
クロルエチレンの酸化を容易にすることが記載さ
れている。 ところで、窒素塩基が酸化に対してトリクロル
エチレンのような塩素化炭化水素を安定化するこ
とは公知であり(特公昭42−25053及び特公昭46
−3763等)、実際市販されている工業用トリクロ
ルエチレンの中には微量のアミン類等が添加され
ている。 このトリクロルエチレンの酸化に際し、同反応
がある時間開始されない、いわゆる“誘導期”が
あることは特開昭47−8513(=比較例)に記載さ
れているが、我々の実験結果でも、この事実を確
認した。この誘導期の問題は、)反応時間が長
くなり、トリクロルエチレンの損失が増大し、収
率が悪くなる。)装置効率が低下する。)安
全面に多大な影響を与える等、工業化技術におい
て非常にやつかいな現象であることは当該技術者
の周く認めるところである。 本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、上記ら
問題点を解決し、トリクロルエチレンの酸化によ
るジクロルアセチルクロライドの製造において改
良プロセスを見い出した。即ち、本発明は1)短
波長光線の照射下で、トリクロルエチレンを液相
酸化してジクロルアセチルクロライドを製造する
に際し、第三アミン及びジクロルアセチルクロラ
イドを共存させて、反応を開始することを特徴と
するジクロルアセチルクロライドの製造方法。 2)第三級アミンがトリエチルアミンであるこ
とを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の方
法。である。 ここで、第三級アミンはトリクロルエチレンオ
キサイドのジクロルアセチルクロライドへの転位
段階の触媒であることは既述の通りであり、最終
反応生成物中にはトリクロルエチレンオキサイド
が全く残留しない。一方、ジクロルアセチルクロ
ライドはトリクロルエチレンを酸化し、トリクロ
ルエチレンオキサイド(及びジクロルアセチルク
ロライド)へ導く能力を有し、第三級アミンの併
わせ持つ酸化防止能を押えることができ、実際誘
導期がなくなる。又、第三級アミンの使用度は微
量であり、ジクロルアセチルクロライドは第三成
分と違い、目的物自身である故、それ等との分離
といつた特別な操作を全く要しない。 本発明の方法における第三級アミンとジクロル
アセチルクロライドとを結合(又は共存)が当初
からトリクロルエチレンの酸化段階と転位段階と
を円滑に同時進行させ、実質的な純粋なジクロル
アセチルクロライドをもたらすことは予想外なこ
のである。 さらに、窒素塩基の添加のための酸化の中断及
びそれからの悪影響が全くないことは言うまでも
ない。 本発明の方法に使用される第三級アミンとして
は、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、トリブチルアミン等が挙げられるが、特にト
リエチルアミンが好適である。その使用量は仕込
トリクロルエチレンに対し10〜100ppm程度で充
分である。ジクロルアセチルクロライドとして
は、製品及び反応生成物のいずれでも使用でき、
その使用量は仕込トリクロルエチレンに対し、約
2〜10重量%が適当である。 本発明の方法における出発原料としては純粋な
及び工業的なトリクロルエチレンを使用すること
ができる。工業的なトリクロルエチレンとは、微
量の脂肪族ケトン、脂肪族アミン、エポキシド等
の安定剤を含有した状態で市販されているものを
意味するが、該反応前に何ら処理する必要はな
い。 酸化剤としては純粋な酸素、若しくは酸素を含
有するガス、例えば空気が適当である。化学量論
的にはトリクロルエチレン1Kgに対して、酸素
0.12Kg(=0.084Nm3)が必要であるが、工業的に
行なえる反応速度を満足するためには過剰の酸素
を使用するのが好ましい。又、通常照射は反応促
進に光源、例えば紫外線が使用され、反応温度は
50〜100℃、圧力は常圧、若しくは加圧下で実施
される。 得られた反応生成物は殆んど無色であり、且つ
未反応のトリクロルエチレン及び副生成物らが痕
跡程度と高い純度を有するので、蒸留等の精製を
せずに直接商品化することができる。 斯様にして本発明の方法を実施すれば、)酸
化段階ではやつかいな誘導期がなく、)発熱を
伴う転位段階での面倒な操作(添加、制御ら)を
行わず、且つ)1段階で高収率で純粋なジクロ
ルアセチルクロライドが得られる。 以下、本発明による方法を実施例によつて、よ
り具体的に説明する。 実施例 1 撹拌機、ガス吹込管、高圧水銀ランプ及び凝縮
器を付備した容量200のグラスライニング反応
器に工業用トリクロルエチレン290Kgを仕込み、
(市販のトリクロルエチレンはジイソプロピルア
ミン100ppm及びクロルヒドリン1000ppmを含有
していた)さらに、ジクロルアセチルクロライド
(製品)を仕込トリクロルエチレンに対し3重量
%及びトリエチルアミンを同様にして20ppm添加
した。 次いで、1気圧、70℃、紫外線照射、強力撹拌
という条件下で空気4Nm2/Hrを反応器内に吹込
んだ。30分後に反応液をガスクロマトグラフイ分
析したところ、ジクロルアセチルクロライドは
5.2%生成していた(誘導期0〜0.5Hrs)。90時間
後反応を停止し、反応液をガスクロマトグラフイ
分析した結果は第1表に示すが、これは高い純度
を有し、着色も見受けられず蒸留することなしに
充分商品化できるものであつた。 尚、ジクロルアセチルクロライドの収率は仕込
トリクロルエチレンに対して89.5%である。
【表】 比較例 1 ジクロルアセチルクロライド及びトリエチルア
ミンを全く添加せずに実施例1と同じ装置及び方
法で反応を行つた。20時間後に分析したが、トリ
クロルエチレンの酸化反応は進行していなかつ
た。さらに2時間後に分析したところトリクロル
エチレンオキサイド+ジクロルアセチルクロライ
ドが2.5%生成していた。(誘導期20〜22Hrs)反
応液の重量損失はこの段階で仕込トリクロルエチ
レンに対し2.7%であつた。 比較例 2 トリエチルアミンのみを添加せずに、実施例1
と同じ装置及び方法で反応を行つた。誘導期なし
で反応は開始された。110時間後に反応液を分析
した結果は第2表に示すが、トリクロルエチレン
オキサイドからジクロルアセチルクロライドへの
転位反応が完全に進まず、これには未だ前者が
9.5%も残留していた。 次いで、上記反応液にトリエチルアミンを
20ppm添加すると大きな発熱を伴い、温度が85〜
90℃まで上昇し、急激な上記転位反応が認められ
た。1時間後に反応液を分析した結果は第2表に
示すが、これは色相が悪く商品化するには蒸留
(脱色)が必要であつた。
【表】 実施例2及び実施例3 ジクロルアセチルクロライド(製品)に変えて
実施例1で得られた最終反応液を仕込トリクロル
エチレンに対して、3重量%(実施例2)そして
6重量%(実施例3)を添加し、実施例1と同じ
装置及び方法で反応を行つた。誘導期なしで反応
は開始された。80〜90時間後に反応液を分析した
結果は第3表に示すが、これはそのまゝ蒸留なし
で商品化できるものであつた。
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 短波長光線の照射下で、トリクロルエチレン
    を液相酸化してジクロルアセチルクロライドを製
    造するに際し、第三級アミン及びジクロルアセチ
    ルクロライドを共存させて反応を開始することを
    特徴とするジクロルアセチルクロライドの製造方
    法。 2 第三級アミンがトリエチルアミンであること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の方
    法。
JP15772282A 1982-09-10 1982-09-10 ジクロルアセチルクロライドの製造方法 Granted JPS5948435A (ja)

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JP15772282A JPS5948435A (ja) 1982-09-10 1982-09-10 ジクロルアセチルクロライドの製造方法

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JPS5948435A JPS5948435A (ja) 1984-03-19
JPH0316937B2 true JPH0316937B2 (ja) 1991-03-06

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DK0623578T3 (da) * 1993-05-01 1998-03-09 Hoechst Ag Fremgangsmåde til fremstilling af dichloracetylchlorid
WO2011122341A1 (ja) * 2010-03-29 2011-10-06 セントラル硝子株式会社 ジフルオロ酢酸クロライドの製造方法

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