JP3444636B2 - 1,3−シクロヘキサジエンの製造法 - Google Patents

1,3−シクロヘキサジエンの製造法

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JP3444636B2 JP31026493A JP31026493A JP3444636B2 JP 3444636 B2 JP3444636 B2 JP 3444636B2 JP 31026493 A JP31026493 A JP 31026493A JP 31026493 A JP31026493 A JP 31026493A JP 3444636 B2 JP3444636 B2 JP 3444636B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本発明は高純度1,3−シクロヘ
キサジエンの製造法に関するものである。更に詳しくは
2ーシクロヘキセンー1ーオール、2ーシクロヘキセン
ー1ーオンを含む混合物からの1,3−シクロヘキサジ
エンの製造法に関するものである。1,3−シクロヘキ
サジエンは、高耐熱性及び高剛性ポリマーの原料や各種
有機中間体として有用な化合物である。
【従来の技術】1,3−シクロヘキサジエンの製造法と
しては、古くから3−ハロゲノシクロヘキセン及び1,
2−ジハロゲノシクロヘキサンの脱ハロゲン化水素、3
−アセトキシシクロヘキセンの脱酢酸、1,4−シクロ
ヘキサンジオールの脱水による方法が知られている。し
かしながら、これらの方法は選択率が極めて低く工業的
製法にはなり得なかった。一方、シクロヘキサン環叉は
シクロヘキセン環を有する含酸素化合物からの1,3−
シクロヘキサジエンの合成法としては、2−シクロヘキ
セン−1−オールをアルミナ触媒を用いて気相に於いて
脱水反応させる方法(Vestsi Akad.Nav
uk Belorussk.SSR,Ser.Khi
m.Navuk,(2)20−4(1965))及びア
ルミナーボリア系触媒を用いる同じく脱水反応させる方
法(Dokl.Akad.Nauk.Beloruss
k.SSR14(8),734−7(1970))等が
報告されている。これらの方法では、99%以上の極め
て高い選択率で1,3−シクロヘキサジエンが得られて
いる。 又、シクロヘキセンオキシドを150℃の気相
パルス反応方式でアルミナ、チタニア、ジルコニア等の
金属酸化物触媒と接触させる方法(Bull.Che
m.Soc.Jpn.,49(2),563−564
(1976))が報告されている。この方法では1,3
−シクロヘキサジエンの選択率が56%と低く、しかも
高沸物を除去した後の1,3−シクロヘキサジエンの純
度の記載がない。同じくシクロヘキセンオキシドを原料
とする方法としては、液相に於いてシリカ/チタニア叉
はシリカ/チタニア/マグネシア触媒を用いて脱水反応
させる方法(特開昭57ー26628号公報)が報告さ
れている。この方法では50%前後の低い選択率でしか
1,3−シクロヘキサジエンは得られていない。更に、
USSR SU1,133,253(1985)には、
シクロヘキセンを有機過酸化物を用いて酸化して得られ
るシクロヘキセン、2ーシクロヘキセンー1ーオール、
シクロヘキセンオキシド、2ーシクロヘキセンー1ーオ
ン、シクロヘキセニルハイドロパーオキシドの混合物を
そのまま気相において天然ゼオライトである斜プチロル
沸石上に270から300℃で通して1,3−シクロヘ
キサジエンを含む混合物とする方法が記載されている。
しかしながら、この方法で得られるシクロヘキサジエン
の純度は30%前後と極めて低く、純度を上げるため
に、得られた生成物から1,3−シクロヘキサジエンを
2量化して他の生成物と分離した後、2量化物を分解し
て1,3−シクロヘキサジエンに戻すと言う複雑な精製
法がとられている。
【発明が解決しようとする課題】上記2ーシクロヘキセ
ンー1ーオールからの気相脱水反応による方法は、高選
択率で且つ高純度1,3−シクロヘキサジエンが得られ
る点で優れた方法である。原料の2ーシクロヘキセンー
1ーオールの工業的製法としては、前述のごとくシクロ
ヘキセンを有機過酸化物で酸化して各種含酸素化合物の
混合物として得る方法、シクロヘキセンを空気酸化して
シクロヘキセニルハイドロパーオキシドとして、これと
シクロヘキセンを反応させて2ーシクロヘキセンー1ー
オール、シクロヘキセンオキシドの混合物を得る方法
(特公昭45ー40045号明細書参照)、シクロヘキ
セニルパーオキシドをアルカリ水溶液で分解して2ーシ
クロヘキセンー1ーオールを得る方法([有機化合物の
酸化と還元]南江堂(株)昭和38年発刊51頁)等が
知られている。この中でシクロヘキセニルパーオキシド
を経由する方法では、本発明者らの検討によれば副生物
として2ーシクロヘキセンー1ーオンが必ず副生する。
この様に2ーシクロヘキセンー1ーオールの合成法はす
べて各種含酸素化合物の混合物として得られるため、こ
れらの混合物から2ーシクロヘキセンー1ーオールを分
離する必要が生じる。ところが、2ーシクロヘキセンー
1ーオールと2ーシクロヘキセンー1ーオンの沸点は極
めて近いため、通常工業的に用いられる分離法である蒸
留法では実質的に分離する事は不可能である。従って、
工業的には2ーシクロヘキセンー1ーオールと2ーシク
ロヘキセンー1ーオンの混合物からの簡便な製造法が望
まれるところであった。一方、シクロヘキセンを有機過
酸化物で酸化した生成物を直接気相脱水反応に供する方
法は、製法としては簡便であるが、得られる1,3−シ
クロヘキサジエンがベンゼン、シクロヘキセン、メチル
シクロペンテンの混合物として得られるため分離が必要
になる。ところがこれらの化合物の沸点は極めて近く、
蒸留分離をする事は実質的に不可能である。よって、前
述のごとく複雑な分離法を必要とすると言う問題があっ
た。以上のごとく、2ーシクロヘキセンー1ーオールと
2ーシクロヘキセンー1ーオンを含む混合物からの高純
度1,3−シクロヘキサジエンの高選択率での簡便な製
造法は知られていなかった。
【問題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意、検討を重ねた結果、2ーシクロヘキ
センー1ーオール、2ーシクロヘキセンー1ーオンを含
む混合物を気相脱水反応に供する際に、原料中のシクロ
ヘキセンオキシドの濃度を5重量%以下で且つシクロヘ
キセニルハイドロパーオキシドの濃度を4重量%以下に
する事によって、高選択率で且つ高純度の1,3−シク
ロヘキサジエンが得られる事を見い出し、本発明を完成
するに至った。即ち、本発明は2ーシクロヘキセンー1
ーオール、2ーシクロヘキセンー1ーオンを含む混合物
から気相脱水反応により1,3−シクロヘキサジエンを
製造するにあたり、原料混合物中のシクロヘキセンオキ
シドの濃度が5重量%以下で且つシクロヘキセニルハイ
ドロパーオキシドの濃度が4重量%以下であることを特
徴とする1,3−シクロヘキサジエンの製造法である。
本発明によれば、気相脱水反応に於ける1,3−シクロ
ヘキサジエンの選択率は95%以上であり、好適には9
7%以上と言う極めて高い選択率も可能である。又、生
成物から高沸物を蒸留分離した後の1,3−シクロヘキ
サジエンの純度は97%以上であり、好適には99%以
上の極めて高純度のものも得る事が可能であり、複雑な
分離を何等必要としない。シクロヘキセンオキシドの濃
度を5%以下、且つシクロヘキセニルハイドロパーオキ
シドの濃度を4%以下の低濃度にすることによって、高
選択率で、且つ高純度の1,3−シクロヘキサジエンが
得られるのは、結果から判断するとシクロヘキセンオキ
シドの濃度が高いと高沸副生物であるホルミルシクロペ
ンタン及びシクロヘキサノンの生成が多く、且つ1,3
−シクロヘキサジエンと沸点が極めて近いベンゼン、シ
クロヘキセンの副生が多くなる事が原因だと考えられ
る。又、原料中のシクロヘキセニルハイドロパーオキシ
ドの濃度が高い場合は、主として1,3−シクロヘキサ
ジエン中のベンゼンの副生が多い事が判明した。次に本
発明を更に詳細に説明する。本発明の原料混合物は2ー
シクロヘキセンー1ーオール、2ーシクロヘキセンー1
ーオンを含む混合物である。この中で2ーシクロヘキセ
ンー1ーオールからは1,3−シクロヘキサジエンが生
成する事が知られているが、本発明者らの詳細な検討で
は2ーシクロヘキセンー1ーオンは反応条件下では高沸
化して、1,3−シクロヘキサジエンを与えない事が判
明した。又、2ーシクロヘキセンー1ーオンがあまり多
いと触媒の劣化等の悪影響を及ぼすため、原料混合物中
の2ーシクロヘキセンー1ーオンの量は0.1〜10重
量%の範囲、好ましくは0.1〜5重量%、更に好まし
くは0.1〜2重量%の範囲であることが望ましい。こ
の2ーシクロヘキセンー1ーオンが高沸化すると言うこ
とは、1,3−シクロヘキサジエンの収率の低下を意味
するが、プロセス的には有利な事である。なぜならば、
原料中の2ーシクロヘキセンー1ーオールと2ーシクロ
ヘキセンー1ーオンの沸点は極めて近く、蒸留分離が困
難であるが、反応に供する事によって2ーシクロヘキセ
ンー1ーオールは1,3−シクロヘキサジエンに、2ー
シクロヘキセンー1ーオンは高沸物となり、蒸留分離が
可能になるからである。本発明中の原料混合物中のシク
ロヘキセンオキシドの濃度は5重量%以下、好ましくは
3重量%以下、更に好ましくは1重量%以下に抑える必
要がある。この濃度が5%を越えると生成物中のホルミ
ルシクロペンタン、シクロヘキサノン副生が著しくな
り、更に1,3−シクロヘキサジエン中のベンゼン、シ
クロヘキセンの量も増加する。又、これら含酸素化合物
の増加は触媒の活性低下を助長する傾向も見られる。本
発明中のシクロヘキセンオキシドの濃度を5重量%以下
にする方法としては、2ーシクロヘキセンー1ーオー
ル、2ーシクロヘキセンー1ーオン、シクロヘキセンオ
キシドを含む混合物を蒸留してシクロヘキセンオキシド
を留去させる方法が好ましい。本発明中のシクロヘキセ
ニルハイドロパーオキシドの濃度は4重量%以下、好ま
しくは1重量%以下、更に好ましくは0.5重量%以下
に抑える必要がある。この濃度が4重量%を越える場合
は、生成物中のベンゼンの量が増加して1,3−シクロ
ヘキサジエンの純度が低下する。又、シクロヘキセニル
ハイドロパーオキシドの濃度が高いと触媒の活性低下も
はやいと言う問題も生じる。本発明中のシクロヘキセニ
ルハイドロパーオキシドの濃度を4重量%以下にする方
法としては、シクロヘキセニルハイドロパーオキシドを
含む原料から2ーシクロヘキセンー1ーオール、2ーシ
クロヘキセンー1ーオンを含む混合物を得る工程に於い
て、シクロヘキセニルハイドロパーオキシドの残存量を
上記濃度以下にする方法や還元剤を用いて処理してシク
ロヘキセニルハイドロパーオキシドを分解する方法が挙
げられる。2ーシクロヘキセンー1ーオール、2ーシク
ロヘキセンー1ーオンを含む混合物を得る方法として
は、シクロヘキセンを空気酸化してシクロヘキセニルハ
イドロパーオキシドとして、これとシクロヘキセンを反
応させて2ーシクロヘキセンー1ーオール、シクロヘキ
センオキシドの混合物を得て(特公昭45ー40045
号明細書参照)更に蒸留によってシクロヘキセンオキシ
ドを分離する方法、シクロヘキセニルハイドロパーオキ
シドをアルカリ水溶液で分解して2ーシクロヘキセンー
1ーオールを得る方法([有機化合物の酸化と還元]南
江堂(株)昭和38年発刊51頁)等が挙げられる。そ
の際、得られた混合物中のシクロヘキセニルハイドロパ
ーオキシドの濃度を4%以下にするために、原料中のシ
クロヘキセニルハイドロパーオキシドの濃度、触媒、反
応温度、反応時間等を適宜選択する必要がある。還元剤
を用いてシクロヘキセニルハイドロパーオキシドを分解
する方法に用いられる還元剤としては、トリフェニルフ
ォスフィン、ヒドラジン、水素等が挙げられるが、好ま
しいのはトリフェニルフォスフィンである。本発明に於
ける2ーシクロヘキセンー1ーオール、2ーシクロヘキ
センー1ーオンを含む混合物の合成法は種々考えられる
が、前述したシクロヘキセンを出発原料とする方法が好
ましい。この場合、得られる生成物中には出発原料であ
るシクロヘキセンが含まれる場合が多いが、本発明の原
料混合物を得る場合は、一般的に用いられる蒸留法や吸
着分離法等によって、シクロヘキセンをできるだけ分離
除去する事が好ましい。何故ならば、シクロヘキセンを
含んだまま気相脱水反応に供すると、生成物中に未反応
シクロヘキセン及びメチルシクロペンテン類が含まれ、
これらの化合物は1,3−シクロヘキサジエンと沸点が
極めて近く蒸留分離が不可能なため1,3−シクロヘキ
サジエンの純度を低下させるからである。その点で、本
発明に於ける原料混合物中のシクロヘキセンの濃度は、
通常5重量%以下、好ましくは3重量%以下、更に好ま
しくは1重量%以下である事が望ましい。本発明に於い
て気相脱水反応を行う際には、触媒が用いられる。触媒
としては、金属酸化物や金属硫酸塩等の一般的に酸・塩
基触媒と呼ばれるものが挙げられる。中でも、熱安定性
に優れた金属酸化物触媒が好ましく、さらに金属リン酸
塩、ゼオライト、γーアルミナが好ましく、特に好まし
いのは、金属リン酸塩である。気相脱水反応を行う際の
反応温度は、200〜400℃の範囲、好ましくは23
0〜350℃の範囲、さらに好ましくは250から32
0℃の範囲である。反応圧力は反応条件を気相に保てれ
ば特に制限はなく、常圧、加圧、減圧いずれでも良い。
本発明に於ける反応方式は、回分式叉は流通式が用いる
事ができるが、流通式が好ましい。流通式を用いた場合
の原料混合物の供給速度は、LHSV(液体原料の1時
間当たりの供給容積を触媒層の容積で割った値)表示で
0.05から20hr-1、好ましくは0.1から10h
-1、さらに好ましくは0.2から5hr-1の範囲であ
る。原料混合物は窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性
ガスと任意の割合で混合して触媒層に供給しても良い。
本発明に於ける気相脱水反応の生成物は、1,3−シク
ロヘキサジエンが主生成物であり、その選択率は95%
以上、好適には97%以上に達する。反応生成物中に
は、副生物であるホルミルシクロペンタン、シクロヘキ
サノン、水が含まれるが、2ーシクロヘキセンー1ーオ
ールや2ーシクロヘキセンー1ーオンは殆ど含まれてい
ない。生成物からの1,3−シクロヘキサジエンの回収
は、通常の蒸留操作で容易に行う事ができる。その場
合、含酸素化合物を除去し、更に水を共沸蒸留によって
除いた後の1,3−シクロヘキサジエンの純度は97%
以上、好適には99%以上に達する。
【実施例】以下実施例をもって、本発明をさらに詳しく
説明する。
【実施例1】2重量%のシクロヘキセニルハイドロパー
オキシドを含むシクロヘキセン1000gをチタン製オ
ートクレーブに仕込み、6%酸素を含む窒素で60気圧
まで加圧して、80℃で1時間撹拌下に反応させた。そ
の後、気相部を常圧までパージして、更に6%酸素を含
む窒素で60気圧まで加圧して1時間反応させた。同様
の操作を計3回(反応時間3時間)繰り返した後、室温
まで冷却して内容物をガスクロマトグラフィー及びヨウ
素滴定で分析した。その結果、この混合物(以下、混合
物Iと呼ぶ)の組成は以下の通りであった。 シクロヘキセン :84.1重量% シクロヘキセニルハイドロパーオキシド:15.3 〃 2ーシクロヘキセンー1ーオール : 0.1 〃 2ーシクロヘキセンー1ーオン : 0.4 〃 1000gの上記混合物Iにモリブデンジオキシアセチ
ルアセトナート1gを添加して、80℃で2時間撹拌下
にエポキシ化反応を行った。得られた混合物(以下、混
合物IIと呼ぶ)の触媒を除いた組成は以下の通りであ
った。 2ーシクロヘキセンー1ーオール :14.7重量% シクロヘキセンオキシド :12.2 〃 エポキシシクロヘキサノール : 0.3 〃 2ーシクロヘキセンー1ーオン : 0.6 〃 シクロヘキセン :72.2 〃 上記混合物IIを100mmHgの減圧下、蒸留にかけ
て、先ずシクロヘキセンを分離し、更にモリブデン触
媒、エポキシシクロヘキサノールを蒸留ボトムに残し
て、2ーシクロヘキセンー1ーオール、シクロヘキセン
オキシド、2ーシクロヘキセンー1ーオンの混合物を留
去させた。得られた混合物(以下、混合物IIIと呼
ぶ)の組成は以下の通りであった。 2ーシクロヘキセンー1ーオール :52.1重量% シクロヘキセンオキシド :45.6 〃 2ーシクロヘキセンー1ーオン : 2.3 〃 シクロヘキセニルハイドロパーオキシド: 0 〃 上記混合物IIIを更に100mmHgの圧力で減圧蒸
留にかけてシクロヘキセンオキシドの大部分を留去し
て、以下の組成の混合物(以下、混合物IVと呼ぶ)を
得た。 2ーシクロヘキセンー1ーオール :92.3重量% シクロヘキセンオキシド : 3.3 〃 2ーシクロヘキセンー1ーオン : 4.4 〃 シクロヘキセニルハイドロパーオキシド: 0 〃 上記混合物IVを原料に用いて気相脱水反応を以下の条
件で行った。 触媒:β型リン酸カルシウム(Ca3(PO42)9〜
20メッシュ粒径 反応温度:300℃ 圧力 :常圧 LHSV:1hr-1 希釈剤 :窒素で5倍に希釈して触媒層に供給した。 反応開始後、5時間と300時間の結果を表1に示す。
尚、生成液組成とは水を除いた有機物組成を表し、1,
3−シクロヘキサジエン純度とは共沸蒸留によって水を
除いた後の純度を言う。
【表1】 表1に示すように、1,3−シクロヘキサジエンの選択
率は95%以上であり、蒸留回収後の1,3−シクロヘ
キサジエンの純度も99%以上の極めて高純度のものが
得られた。
【実施例2】実施例1の混合物IVを原料に用いて、触
媒がγーアルミナである以外は実施例1と同じ条件で気
相脱水反応を行った。反応開始後5時間の反応成績を以
下に示す。 生成液組成 1,3−シクロヘキサジエン:88.7重量% 1,4−シクロヘキサジエン: 0.2 〃 ベンゼン : 0.4 〃 シクロヘキセン : 0.4 〃 メチルシクロペンテン類 : 0.3 〃 ホルミルシクロペンタン : 2.3 〃 シクロヘキサノン : 2.3 〃 その他高沸物 : 5.3 〃 転化率は、2ーシクロヘキセンー1ーオール、シクロヘ
キセンオキシド供に100%あった。又、1,3−シク
ロヘキサジエンの選択率は95.5%、含酸素化合物を
蒸留で除いた後の1,3−シクロヘキサジエンの純度
は、98.5%であった。
【実施例3】実施例1の混合物I(1000g)にMo
3 /SiO2 触媒5gを加えて50℃で3時間撹拌し
てエポキシ化反応を行った。触媒を濾過分離した後の生
成物(以下、混合物Vと呼ぶ)の組成は以下の通りであ
った。 2ーシクロヘキセンー1ーオール : 9.2重量% シクロヘキセンオキシド : 9.1 〃 2ーシクロヘキセンー1ーオン : 0.6 〃 シクロヘキセニルハイドロパーオキシド: 4.6 〃 シクロヘキセン :76.5 〃 上記混合物Vを更に100mmHgの圧力下で減圧蒸留
を行い、シクロヘキセンとシクロヘキセンオキシドを留
去すると同時に、シクロヘキセニルハイドロパーオキシ
ドの一部を分解した。得られた混合物の組成は以下の通
りであった。 2ーシクロヘキセンー1ーオール :87.0重量% シクロヘキセンオキシド : 0.7 〃 2ーシクロヘキセンー1ーオン : 9.0 〃 シクロヘキセニルハイドロパーオキシド: 3.3 〃 上記混合物を原料に用いて以下の条件で気相脱水反応を
行った。 触媒:実施例1と同じリン酸カルシウム触媒 反応温度:320℃ 圧力 :常圧 LHSV:0.6hr-1 希釈剤 :窒素を用いて3倍に希釈して触媒層に供給し
た。 反応開始後5時間後の反応成績を以下に示す。 生成液組成 1,3−シクロヘキサジエン:83.8重量% 1,4−シクロヘキサジエン: 0.2 〃 ベンゼン : 0.9 〃 シクロヘキセン : 0.6 〃 メチルシクロペンテン類 : 0.1 〃 ホルミルシクロペンタン : 1.1 〃 シクロヘキサノン : 2.2 〃 その他高沸物 :11.1 〃 転化率は2ーシクロヘキセンー1ーオール、シクロヘキ
センオキシド供に100%であった。又、1,3−シク
ロヘキサジエンの選択率は95.1%、含酸素化合物を
蒸留によって除いた後の1,3−シクロヘキサジエンの
純度は97.9重量%であった。
【比較例1】実施例3の混合物Vを50mmHgの圧力
下で減圧蒸留してシクロヘキセン、シクロヘキセンオキ
シドを留去すると同時に、シクロヘキセニルハイドロパ
ーオキシドの一部を分解した。得られた混合物の組成は
以下の通りであった。 2ーシクロヘキセンー1ーオール :84.9重量% シクロヘキセンオキシド : 0 〃 2ーシクロヘキセンー1ーオン : 8.5 〃 シクロヘキセニルハイドロパーオキシド: 6.6 〃 上記混合物を原料に用いて気相脱水反応を以下の条件で
行った。 触媒:実施例1と同じリン酸カルシウム 反応温度:320℃ 圧力 :常圧 LHSV:0.6hr-1 希釈剤 :窒素で3倍に希釈して触媒層に供給した。 反応開始後5時間の成績を以下に示す。 生成液組成 1,3−シクロヘキサジエン:76.9重量% 1,4−シクロヘキサジエン: 0.4 〃 ベンゼン : 4.1 〃 シクロヘキセン : 1.7 〃 メチルシクロペンテン類 : 0.4 〃 ホルミルシクロペンタン : 2.6 〃 シクロヘキサノン : 3.2 〃 その他高沸物 :10.7 〃 2ーシクロヘキセンー1ーオールの転化率は100%で
あった。又、1,3−シクロヘキサジエンの選択率は8
7.4%、含酸素化合物を蒸留で除いた後の1,3−シ
クロヘキサジエン純度は92.1重量%であった。
【比較例2】実施例1の混合物IIIを100mmHg
の圧力下で減圧蒸留にかけて以下の組成の混合物を得
た。 2ーシクロヘキセンー1ーオール :84.0重量% シクロヘキセンオキシド :12.0 〃 2ーシクロヘキセンー1ーオン : 4.0 〃 シクロヘキセニルハイドロパーオキシド: 0 〃 上記混合物を以下の条件で気相脱水反応にかけた。 触媒:実施例1と同じリン酸カルシウム 反応温度:330℃ 圧力 :常圧 LHSV:0.5hr-1 希釈剤 :窒素で4倍に希釈して触媒層に供給した。 反応開始後、5時間と300時間の結果を表2に示す。
【表2】
【発明の効果】本発明の方法によれば、95%以上の高
選択率で、且つ97%以上と言う極めて高純度の1,3
−シクロヘキサジエンを得る事ができる。これは、工業
的に実施する上で極めて有利となる。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2ーシクロヘキセンー1ーオール、2ー
    シクロヘキセンー1ーオンを含む混合物から気相脱水反
    応により1,3−シクロヘキサジエンを製造するにあた
    り、原料混合物中のシクロヘキセンオキシドの濃度が5
    重量%以下で且つシクロヘキセニルハイドロパーオキシ
    ドの濃度が4重量%以下であることを特徴とする1,3
    −シクロヘキサジエンの製造法。
  2. 【請求項2】 気相脱水反応を行う際に触媒としてリン
    酸塩を用いる事を特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 気相脱水反応の際の反応温度が200〜
    400℃の範囲である事を特徴とする請求項1記載の方
    法。
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