JPH06211821A - オレフィン化合物のエポキシ化方法 - Google Patents

オレフィン化合物のエポキシ化方法

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JPH06211821A
JPH06211821A JP5020582A JP2058293A JPH06211821A JP H06211821 A JPH06211821 A JP H06211821A JP 5020582 A JP5020582 A JP 5020582A JP 2058293 A JP2058293 A JP 2058293A JP H06211821 A JPH06211821 A JP H06211821A
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titanium oxide
hydrogen peroxide
silicon oxide
epoxidation
reaction
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JP5020582A
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Eiji Takahashi
英二 高橋
Hideki Omori
秀樹 大森
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Maruzen Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 2級アルコールを分子状酸素で酸化して得ら
れる未精製の過酸化水素により、酸化珪素−酸化チタン
系合成ゼオライトの存在下にオレフィン化合物をエポキ
シ化する方法において、酸化珪素−酸化チタン系合成ゼ
オライト中の酸化珪素と酸化チタンの合計に対する酸化
チタンの割合が6ないし10モル%であることを特徴と
するオレフィン化合物のエポキシ化方法。 【効果】 2級アルコールを分子状酸素で酸化して得ら
れる未精製の過酸化水素を用いて、オレフィン化合物の
エポキシ化を工業的に有利に実施することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、過酸化水素でオレフィ
ン化合物をエポキシ化する方法に係わり、特に、2級ア
ルコールを分子状酸素で酸化して得られる未精製の過酸
化水素を用いてオレフィン化合物をエポキシ化する方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】古くから、2級アルコールを分子状酸素
で酸化すると対応するケトンとともに過酸化水素が生成
することはよく知られている。しかし、過酸化水素の蓄
積による危険を避ける目的で通常は2級アルコールの酸
化の度合いを30%以下に抑えるため、酸化反応物中に
は多量の未反応2級アルコールが残っており、これが過
酸化水素によるオレフィン化合物のエポキシ化反応を著
しく妨害するので、従来は精製しない酸化反応物(以降
は未精製の過酸化水素と記載する)をエポキシ化反応に
供することは困難であった。近年、アルコールなどの溶
媒の存在下に過酸化水素でエポキシ化する方法として、
NOTARIら(特公平1-42889)が発明した酸化珪素−酸化
チタン系合成ゼオライトを触媒に用いる方法が提案され
ている。NOTARI(Studies in Surface Science and Cat
alysis, vol. 37, Elsevier, p. 413(1988))は、該
ゼオライト中の複数のチタン原子が互いに近い位置に存
在していると過酸化水素の分解反応が起こるので個々の
チタン原子が酸化珪素の長い鎖によって隔てられていな
ければならないこと、すなわち酸化チタンの含有率が低
いことが酸化触媒として重要な条件であると述べてい
る。そのため、これを触媒とするオレフィン化合物のエ
ポキシ化方法(特公平4-5028号、特開昭62-185081号お
よび特開昭61-183275号)においては、酸化珪素−酸化
チタン系合成ゼオライト中の酸化珪素と酸化チタンの合
計に対する酸化チタンの割合を0.01ないし4モル%
に限定し、さらに、好ましい範囲として1ないし2.5
モル%を提示している。
【0003】前記のエポキシ化に関する特公平4-5028号
の明細書には、メタノール、3級ブタノール、アセトン
などの溶媒と精製過酸化水素との混合物をオレフィン化
合物のエポキシ化に供する方法のほか、2級アルコール
の酸化によって得られる未精製の過酸化水素もエポキシ
化に供し得ることが記載されている。しかし、前記の特
開昭62-185081号および特開昭61-183275号の発明者ら
は、JOURNAL OF CATALYSIS 129, 159-167 (1991)にお
いて、溶媒としてはメタノールが特別に優れ、アルコー
ル溶媒の炭素数が増加するに伴ってエポキシ化の反応速
度が顕著に低下すること、アルコール溶媒の種類によっ
ては酸化珪素−酸化チタン系合成ゼオライトの触媒作用
によってアルコール溶媒自体が過酸化水素で酸化される
ことを明らかにしている。また、特開昭59-42336号に
は、酸化珪素−酸化チタン系合成ゼオライトを触媒とし
てアルコールを過酸化水素で酸化する方法が提案されて
おり、その明細書実施例には、メタノールは過酸化水素
によって酸化され難いが、イソプロパノール、シクロへ
キサノールなどの2級アルコールは容易に過酸化水素と
反応して対応するケトンを生ずることが示されている。
これらのことから、未反応2級アルコールなどが多量混
在する未精製の過酸化水素でのエポキシ化は、未反応2
級アルコールのケトンへの酸化にも過酸化水素が消費さ
れたり、また未反応2級アルコールを含む反応系では、
メタノール中での反応より、反応の進行が遅かったりし
て効率的でないことが予想できる。
【0004】そこで本発明者らは、前記の特公平4-5028
号、特開昭62-185081号および特開昭61-183275号の明細
書に記載されている触媒を調整してオレフィン化合物の
エポキシ化を試みた結果、メタノール溶媒中では良好な
成績が得られるものの、2級アルコールの酸化によって
生成させた未精製の過酸化水素を用いる場合は、混在す
る未反応2級アルコールが酸化されて多量のケトンが副
生すること、またグリコールおよびグリコールのモノ2
級アルキルエーテルといった目的エポキシドの開環副生
物も多量に副生すること、およびこれらの副生により結
局目的エポキシドの選択率が低いことが確認された。ま
た、メタノール溶媒中での反応より、反応の進行が遅い
ことも確認された。なお、本発明者らは、これらの副生
物のうちエポキシド開環生成物は触媒使用量を少なくす
ることによって低減できることを知ったが、このときケ
トンの副生率が高くなるためエポキシドの選択率を向上
させる手段とはなり得なかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】2級アルコールを分子
状酸素で酸化して得られる未精製の過酸化水素を用いる
ことは、過酸化水素を製造する工程の中間製品を用いる
ことと等しいうえ、共存している未反応2級アルコール
などをエポキシ化反応の溶媒として利用できるので、高
価な過酸化水素をメタノールなどの溶媒と混合して使用
するのと比べて経済的である。
【0006】しかし、酸化珪素−酸化チタン系合成ゼオ
ライトを触媒とする従来の方法は、前述したように未精
製の過酸化水素を用いてエポキシ化を行う場合に、エポ
キシ化反応の選択性が低いという難点があり、まだ満足
できる方法とは言えなかった。
【0007】本発明は、未精製の過酸化水素を用いる際
に従来の方法がもつ上述の難点を取り除いた、オレフィ
ン化合物のエポキシ化方法を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成させるた
めに、本発明者らは、2級アルコールの酸化によって生
成させた未精製の過酸化水素でオレフィン化合物をエポ
キシ化する方法、特にエポキシ化に用いる触媒に関して
鋭意研究した。その結果、従来は適当とされていなかっ
た酸化チタンの割合が6ないし10モル%と高い酸化珪
素−酸化チタン系合成ゼオライトが高いエポキシ化活性
を有すること、該ゼオライトは酸化チタンの含有割合が
高いにもかかわらず未反応2級アルコールを多量に含む
溶媒中でエポキシ化を行う場合はメタノール溶媒を使用
した際に見られるような過酸化水素の分解反応が起こり
難いこと、該ゼオライトは少量の使用でエポキシ化反応
を十分進行させることができ、グリコールなどのエポキ
シド開環物とケトンの副生とを同時に低減できるため高
い選択率でエポキシドが合成できることを見いだし、本
発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明の要旨は、2級アルコー
ルを分子状酸素で酸化して得られる未精製の過酸化水素
により、酸化珪素−酸化チタン系合成ゼオライトの存在
下にオレフィン化合物をエポキシ化する方法において、
酸化珪素−酸化チタン系合成ゼオライト中の酸化珪素と
酸化チタンの合計に対する酸化チタンの割合が6ないし
10モル%であることを特徴とするオレフィン化合物の
エポキシ化方法に存する。
【0010】本発明においては、分子状酸素で酸化され
て過酸化水素を生成し得る2級アルコールの酸化反応生
成物を用いてエポキシ化を行う。このような2級アルコ
ールとしては、例えばイソプロパノール、2級ブタノー
ル、シクロヘキサノールなどがあり、特にイソプロパノ
ールが好ましい。酸化反応に供給する2級アルコール
は、共沸混合物としての量、またはそれより多い、ある
いは少ない量の水を含んでいてもよい。例えば2級アル
コールとしてイソプロパノールを用いるとき、通常水の
量はイソプロパノールの7ないし15重量%、好ましく
は9ないし13重量%である。また、過酸化水素の収率
を向上せしめるために、過酸化水素の安定剤として周知
の物質、例えば、燐酸または燐酸塩、ピロ燐酸塩、スズ
酸ナトリウム、アミン類、ニトリル類などを2級アルコ
ールに添加することもできる。一般に、2級アルコール
は分子状酸素または空気のような分子状酸素を含むガス
で、70ないし160℃の温度で、2級アルコールを液
相に保つ圧力条件で酸化する。さらに、2級アルコール
の酸化を迅速に行うために、反応開始剤として周知の物
質、例えばエーテル、過酸化物などを加えて酸化を実施
することができる。好ましい反応開始剤は過酸化水素で
あり、その添加率は2級アルコールに対して通常0.1
ないし2.0%、好ましくは0.2ないし1.0%であ
る。必要ならば多段酸化方式を用いることもできる。2
級アルコールの酸化の度合いは、反応生成物中の過酸化
水素濃度として1ないし15重量%、好ましくは4ない
し12重量%である。
【0011】2級アルコールの酸化によって得られる反
応生成物は、過酸化水素のほかに未反応2級アルコール
およびこれに対応するケトンを含み、また、水や安定剤
を含み得る。本発明では、この反応生成物から過酸化水
素または過酸化水素水を単離することなく、オレフィン
化合物のエポキシ化に使用する。通常は反応生成物をそ
のままエポキシ化に用いるが、必要ならば蒸留などによ
って反応生成物中の成分の一部を除いたのちエポキシ化
に供することもできる。
【0012】未精製の過酸化水素を用いる本発明の方法
では、上記酸化反応生成物中の未反応2級アルコールな
どがエポキシ化の反応溶媒として作用し得るので、エポ
キシ化のための反応溶媒を外部から添加する必要はな
い。しかし、過酸化水素の濃度を調節するなどの目的で
溶媒を追加することは可能である。追加する溶媒として
は、一般にアルコール、ケトンなどの極性溶媒が適して
おり、特に2級アルコールの酸化反応生成物中にすでに
含まれている未反応2級アルコールや対応するケトンと
同一の化合物またはそれらの混合物が好ましい。
【0013】本発明においてエポキシ化の触媒として用
いる酸化珪素−酸化チタン系合成ゼオライトは、酸化珪
素−酸化チタン系合成ゼオライト中の酸化珪素と酸化チ
タンの合計に対する酸化チタンの割合(TiO2×10
0/(TiO2+SiO2))が6ないし10モル%であ
る組成を有する。このような組成範囲を含む酸化珪素−
酸化チタン系合成ゼオライトは、A. Thangarajら(JOUR
NAL OF CATALYSIS 130, 1-8(1991))が、酸化珪素源
としてのテトラエトキシシランと酸化チタン源としての
テトラブトキシチタンを水酸化テトラプロピルアンモニ
ウム、イソプロパノールおよび水の存在下で加水分解し
たのち水熱合成する方法で調製している。本発明におい
ては酸化チタンの割合が上記の範囲に入る酸化珪素−酸
化チタン系合成ゼオライトであれば出発原料、製造方法
によらず触媒として使用できるが、上記のA. Thangaraj
らの調製法またはそれに準ずる調製法が通常用いられ
る。すなわち、調製は一般に、酸化珪素源としてのテ
トラアルコキシシラン、好ましくはテトラエトキシシラ
ン、酸化チタン源として酸化珪素源1モルに対して約
0.07ないし0.13モルのテトラアルコキシチタ
ン、好ましくはテトラブトキシチタン、酸化珪素源と
酸化チタン源の合計量1モルに対して約0.3ないし
0.7モルの水酸化テトラアルキルアンモミウム、好ま
しくは水酸化テトラプロピルアンモニウム、アルコー
ル、好ましくはイソプロパノールおよび水からなる反
応混合物を、オートクレーブ中、温度130℃ないし2
00℃、自己発生圧力、1ないし30日間の条件で水熱
処理し、得られた結晶を洗浄したのち、空気中400な
いし700℃で1ないし72時間焼成することによって
行われる。
【0014】本発明によってエポキシ化されるオレフィ
ン化合物は、少なくとも1個のエチレン性二重結合を持
っている非環式および環式有機化合物である。これらの
オレフィン化合物には、炭化水素、エステル、アルコー
ル、エーテル、ハロゲン置換炭化水素などが含まれる。
好ましいオレフィン化合物は、2ないし約20の炭素原
子を含むものである。オレフィン化合物の例としては、
エチレン、プロピレン、2−ブテン、イソブテン、1−
オクテン、シクロヘキセン、アリルアルコール、オレイ
ン酸メチル、ジアリルエーテル、塩化アリルを挙げるこ
とができる。なかでもプロピレンは、工業的に大規模に
製造されている酸化プロピレンの原料物質として、特に
重要である。
【0015】本発明において、エポキシ化は大気圧下で
実施できるが、オレフィン化合物が反応温度でガス状で
ある場合は、それを液相中に溶解させるのに十分な圧力
に保つことが好ましい。反応温度は、0ないし100
℃、好ましくは20ないし80℃である。反応の形態
は、バッチ式または連続式、また、懸濁床または固定床
のいずれでも実施できる。触媒である酸化珪素−酸化チ
タン系合成ゼオライトの使用量は、懸濁床バッチ式反応
の場合を例として示すと、反応液全量に対して0.1〜
5重量%の範囲が適当である。反応に要する時間は、バ
ッチ式反応の場合を例として示すと、0.2〜4時間で
ある。
【0016】
【実施例】以下に本発明を実施例によって具体的に説明
するが、本発明の内容はこれらによって限定されるもの
ではない。
【0017】参考例1 酸化珪素−酸化チタン系合成
ゼオライト触媒の調製 パイレックス製フラスコにテトラエトキシシラン22.
6g、テトラブトキシチタン3.54gおよびイソプロ
パノール30mlをとり、撹拌しながら水酸化テトラプ
ロピルアンモニウムの25%水溶液10gを30分かけ
て滴下し、室温で1時間撹拌したのち水酸化テトラプロ
ピルアンモニウムの25%水溶液30gと水10gを撹
拌しながら順次加えた。ついで、この反応混合物を撹拌
しながら50℃で2時間、80℃で2時間加熱した。得
られた無色透明の溶液をステンレス製オートクレーブに
移し、170℃で7日間加熱して結晶を形成させた。こ
の結晶を遠心分離により母液から分離し、洗液が中性に
なるまで蒸留水による洗浄を繰り返したのち、110℃
で4時間乾燥し、空気中550℃で6時間焼成した。得
られた酸化珪素−酸化チタン系合成ゼオライトの化学組
成を蛍光X線分析法(ガラスビード法)および原子吸光
分析法で測定したところ、酸化珪素と酸化チタンの合計
に対する酸化チタンの割合が7.9モル%であった。
【0018】酸化チタンの割合が異なる酸化珪素−酸化
チタン系合成ゼオライトを、テトラエトキシシランとテ
トラブトキシチタンの仕込み比を変えて合成した。
【0019】参考例2 未精製過酸化水素の調製
(1):イソプロパノールの酸化 ステンレス製オートクレーブにイソプロパノール400
g,水44g、ピロ燐酸二水素二ナトリウム0.01g
および30%過酸化水素水4gを仕込み、130℃の浴
に浸して30気圧の空気で加圧した。激しく撹拌し、吸
収された量に相当する酸素を補給しながら、約1.3モ
ルの酸素が吸収されるまで酸化を続けた。オートクレー
ブを冷却して反応生成物を取り出し、組成を分析したと
ころ、イソプロパノール64.5重量%、アセトン1
6.4重量%、過酸化物(過酸化水素として計算)8.
7重量%、水10.2重量%であった。
【0020】参考例3 未精製過酸化水素の調製
(2):イソプロパノールの酸化 ピロ燐酸二水素二ナトリウムを用いなかった以外は参考
例2と同様にイソプロパノールの酸化を行い、未反応イ
ソプロパノール64.9重量%、アセトン16.5重量
%、過酸化物(過酸化水素として計算)7.6重量%、
水10.9重量%の組成の未精製過酸化水素を得た。
【0021】参考例4 未精製過酸化水素の調製
(3):2級ブタノールの酸化 ステンレス製オートクレーブに2級ブタノール400
g,水44g、ピロ燐酸二水素二ナトリウム0.01g
および30%過酸化水素水4gを仕込み、120℃の浴
に浸して30気圧の空気で加圧した。激しく撹拌し、吸
収された量に相当する酸素を補給しながら、約0.7モ
ルの酸素が吸収されるまで酸化を続けた。オートクレー
ブを冷却して反応生成物を取り出し、組成を分析したと
ころ、2級ブタノール72.3重量%、メチルエチルケ
トン11.8重量%、過酸化物(過酸化水素として計
算)4.4重量%、水10.9重量%であった。
【0022】実施例1〜2、比較例1〜3 参考例1記載の方法により、表1に示す5種の酸化チタ
ンの割合が異なる酸化珪素−酸化チタン系合成ゼオライ
トを調製した。これらの酸化珪素−酸化チタン系合成ゼ
オライトのそれぞれについて次のようなプロピレンのエ
ポキシ化実験を行った。すなわち、オートクレーブに酸
化珪素−酸化チタン系合成ゼオライト0.2gおよび参
考例2で調製したイソプロパノールの酸化反応生成物
(未精製過酸化水素)50gを入れたのちプロピレンで
6気圧に加圧し、撹拌しながら60℃に加熱した。1時
間後に反応液を冷却して取り出し、ガスクロマトグラフ
ィーおよびヨードメトリー滴定により分析した。
【0023】上記プロピレンのエポキシ化実験における
過酸化物の転化率および転化した過酸化物を基準とする
各生成物の選択率を表1に示した。
【0024】各実験共、目的とするエポキシド(酸化プ
ロピレン)のほか、副生物としてプロピレングリコー
ル、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテルお
よびアセトンが生成するが、本発明の方法に係わる酸化
珪素−酸化チタン系合成ゼオライトを触媒に用いるとき
(実施例1〜2)は、従来法提示の触媒を用いる場合
(比較例1〜3)に比べてイソプロパノールからアセト
ンへの酸化に消費される過酸化物が少ないため、酸化プ
ロピレンの選択率が高い。また、本発明の方法に係わる
酸化珪素−酸化チタン系合成ゼオライトを触媒に用いた
ときに過酸化物転化率が高いことから、該触媒は高活性
であることがわかる。
【0025】
【表1】
【0026】実施例3、比較例4 表2に示す酸化チタンの割合の酸化珪素−酸化チタン系
合成ゼオライトのそれぞれについて次のような実験を行
った。すなわち、オートクレーブに酸化珪素−酸化チタ
ン系合成ゼオライト0.2gおよび参考例3で調製した
イソプロパノールの酸化反応生成物50gを入れたのち
プロピレンで6気圧に加圧し、撹拌しながら60℃に加
熱して40分間反応させた。結果を表2に示す。
【0027】表2の結果から、本発明の方法に係わる酸
化珪素−酸化チタン系合成ゼオライトは酸化チタン含有
割合の低い従来法の触媒に比べ、高活性であることおよ
び酸化プロピレンの選択率が高いことがわかる。
【0028】
【表2】
【0029】比較例5 酸化珪素−酸化チタン系合成ゼオライトを1.0g用
い、反応温度を20℃としたほかは比較例4と同様にし
てプロピレンのエポキシ化を40分間行った。結果を表
3に示した。
【0030】従来法によると、比較例4(表2)のよう
に触媒量が少ない場合は反応の進行が遅いため十分な転
化率が得られないうえイソプロパノールからアセトンへ
の酸化による過酸化物の消費が多いこと、本比較例5の
ように触媒量を増やすと転化率は向上するものの開環生
成物の副生が増加すること、従っていずれの場合も本発
明の方法に係わる実施例3(表2)に比べてプロピレン
への選択率がかなり低いことがわかる。
【0031】
【表3】
【0032】実施例4、比較例6 プロピレンのエポ
キシ化 酸化チタンの割合が7.9モル%の酸化珪素−酸化チタ
ン系合成ゼオライト0.2gおよび参考例2で調製した
イソプロパノールの酸化反応生成物50gをオートクレ
ーブに入れ、オートクレーブをプロピレンで6気圧に加
圧し、撹拌しながら60℃に加熱した。定期的に反応液
の一部を取り出して、残留過酸化物濃度を調べ、過酸化
物の転化率が約95%になるに要する時間とその時点の
反応液組成を求めた。また、酸化チタンの割合が2.4
モル%の酸化珪素−酸化チタン系合成ゼオライトについ
ても同様の実験を行った。表4に示したように、本発明
の方法に係わる触媒は活性が高いので短時間で過酸化物
の転化率が95%に達すること、イソプロパノールから
アセトンへの酸化に使用される過酸化物が少ないため酸
化プロピレンの選択率が高いことがわかる。
【0033】
【表4】
【0034】実施例5 酸化チタンの割合が7.9モル%である酸化珪素−酸化
チタン系合成ゼオライト0.2gおよび参考例4で調製
した2級ブタノールの酸化反応生成物50gをオートク
レーブに入れ、オートクレーブをプロピレンで6気圧に
加圧し、撹拌しながら60℃に加熱して2時間反応させ
た。結果を表5に示した。
【0035】
【表5】
【0036】実施例6〜7 酸化珪素−酸化チタン系合成ゼオライト(酸化チタンの
割合が7.9モル%)0.2g、参考例2で調製したイ
ソプロパノールの酸化反応生成物50gおよび表6に示
すオレフィン化合物10gをオートクレーブに入れ、撹
拌しながら60℃に加熱した。2時間の反応結果を表6
に示した。
【0037】
【表6】
【0038】
【発明の効果】本発明の方法に係わる酸化珪素−酸化チ
タン系合成ゼオライトは、種々の溶媒中でのエポキシ化
反応に高い触媒活性を示す。しかし、メタノールを溶媒
とする場合には、酸化チタン含有割合の低い酸化珪素−
酸化チタン系合成ゼオライトを使用する従来法で高速か
つ選択的にエポキシ化を行うことができるので、本発明
の方法は従来法に比べて必ずしも有利とは言えない。一
方、2級アルコールの酸化により生成させた未精製の過
酸化水素でエポキシ化を行うときは、従来法ではグリコ
ールなどのエポキシド開環副生物を減らそうとして触媒
添加率を下げると共存する未反応2級アルコールの過酸
化水素酸化によるケトンの副生が増加するという難点が
あったのに対し、本発明の方法に係わる酸化珪素−酸化
チタン系合成ゼオライトはエポキシド開環副生物の生成
が少ない低触媒添加率であってもエポキシ化反応が迅速
に進行するためケトン副生量が増えないという特徴を有
しており、そのため本発明の方法はエポキシドの選択率
が高いという利点がある。
【0039】したがって、本発明の方法によると、2級
アルコールを分子状酸素で酸化して得られる未精製の過
酸化水素を用いて、オレフィン化合物のエポキシ化を工
業的に有利に実施することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2級アルコールを分子状酸素で酸化して
    得られる未精製の過酸化水素により、酸化珪素−酸化チ
    タン系合成ゼオライトの存在下にオレフィン化合物をエ
    ポキシ化する方法において、酸化珪素−酸化チタン系合
    成ゼオライト中の酸化珪素と酸化チタンの合計に対する
    酸化チタンの割合が6ないし10モル%であることを特
    徴とするオレフィン化合物のエポキシ化方法。
  2. 【請求項2】 2級アルコールがイソプロパノールであ
    る請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 オレフィン化合物がプロピレンである請
    求項1記載の方法。
JP5020582A 1993-01-13 1993-01-13 オレフィン化合物のエポキシ化方法 Pending JPH06211821A (ja)

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