JPS58144333A - グリセリンの精製法 - Google Patents

グリセリンの精製法

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JPS58144333A
JPS58144333A JP2642682A JP2642682A JPS58144333A JP S58144333 A JPS58144333 A JP S58144333A JP 2642682 A JP2642682 A JP 2642682A JP 2642682 A JP2642682 A JP 2642682A JP S58144333 A JPS58144333 A JP S58144333A
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glycerin
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glycerol
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胡間 俊男
Koichi Maeda
前田 皓一
Yukio Nagahashi
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 慢以上)を水で希釈することなく、イオン交換樹脂で処
理し、不純物として存在する脂肪酸グリセリド、脂肪酸
およびその他のイオン性物質を除去する天然グリセリン
の精製法に関するものである。
化粧品用、医薬用および合成樹脂用等として使用される
グリセリンは、異臭の原因となる脂肪酸グリセリyや脂
肪酸さらには変質の原因となるイオン性不純物の含有量
が極めて微量であることが必要である。
そのため、これら用途に用いられるグリセリンの品質と
しては、脂肪酸グリセリドおよび脂肪酸の含有量が0.
1ミリ当量/1009グリセリン以下、蒸留水により希
釈した含有率50重量%グリセリンの電気比抵抗が10
’Ω・c以上であることが必要である。       
 : 従来、天然油脂からのグリニリンの製造方法としては、
蒸留法と活性炭等による脱色法とが一般的に採用されて
いるが、ここで得られるグリセリンの品質は、脂肪酸グ
リセリドおよび脂肪酸の含有量が、比較的良質の原料を
用いた場合においても0.5〜1.0ミリ当量/100
yグリセリン、さらに電気比抵抗は10’Ω・1程度の
ものしか得られない。
したがい、上記用途のための精製グリセリンは、上記蒸
留グリセリン(グリセリン含有率98.5重量%以上)
などを、蒸留水またはイオン交換水で約70重量%に希
釈してイオン交換精製を行い、再濃縮することにより精
製グリセリンを得ていた。
しかし、この方法では、水希釈と再濃縮工程を行うこと
によるエネルギーコストの増加および再濃縮用に専用の
濃縮又は蒸留設備が必要という大きな経済的欠点がある
従来より、無希釈でのイオン交換精製も試みられたが、
高純度のグリセリンは、粘度が高いため、加温により粘
度を通液可能範囲まで下げる必要が′、 あり、この場合の温度(約50℃)でのイオン交換樹脂
の耐熱強度が不十分なため実施に至っていなかった。し
かし、近年、イオン交換樹脂自体の改良が進み、耐熱強
度が上がったため、加温通液が可能となって来た。
ところが、上記加温通液による無希釈でのイオン交換精
製を、前記希釈式のそれと同様の手法にて行なってみて
も、目標の品質には全(到達しえなかった。この発明者
らは、この現象の原因追求を鋭意行った結果、下記の事
実を発見した。
すなわち、第1図に示されるように、イオン交換樹脂(
強塩基性陰イオン交換樹脂)による脂肪酸グリセリドの
加水分解効率は、グリセリンの含水率により大きく左右
され、含水率10重量%以上では、加水分解率が90重
量係以上に達するが、含水率が10重量%未満となると
、加水分解率が急激に下降し、水で希釈しない99重量
%以上の蒸留グリセリンの場合は、わずか35重量悌し
か脂肪酸グリセリドが加水分解されない。従い、含水率
の低いときには、通常のイオン交換法によっては脂肪酸
グリセリドの除去は困難である。
そこで、この発明者らは、上記問題を解決するためにさ
らに検討を続けた結果、つぎのような事実を知得するに
至った。
(イ)含水率の低いグリセリンのイオン交換精製のため
には、脂肪酸グリセリドを、予めアルカリ金属水酸化物
と接触分解させ、アルカリ金属石けんとして精製を行う
ことが効果的である。
(麹 上記(イ)項で生成したアルカリ金属石けんを強
酸性陽イオン交換樹脂と接触させ、含水率の低いグリセ
リン中に、脂肪酸を存在させると、陽イオン交換樹脂の
酸性触媒作用により、脂肪酸がグリセリンと再エステル
化を起こす。
第2図は、上記現象により脂肪酸グリセリド(および脂
肪酸)が増加してくる様子を示したもので、これより前
記アルカリ金属石けんを強酸性陽イオン交換樹脂に直接
的に接触させることは適当でない。
ej  上記(ロ)項の事実から、アルカリ金属石けん
は、まず強塩基性陰イオン交換樹脂と接触させ、脂肪酸
を強酸性陽イオン交換樹脂と接触する前に完全に除去し
ておくか、もしくは混床塔として強塩基性陰イオン交換
樹脂と強酸性陽イオン交換樹脂を共存させることにより
、遊離した脂肪酸が、ただちに強塩基性陰イオン交換樹
脂に吸着させるようにし、エステル化する時間的余裕を
与えないことが重要である。
この発明は、以上の知見をもとにしてなされたものであ
り、その要旨とするところは、不純物として脂肪酸グリ
セリドおよび脂肪酸を含有するグリセリンに含水率10
重量%以下の状態でアルカリ金属水酸化物を加えてけん
化処理する第1の工程と、この工程で得られたけん化物
を含む処理グリセリンを強塩基性陰イオン交換樹脂およ
び強酸性陽イオン交換樹脂と接触させて精製する第2の
工程とを備え、かつ上記第2の工程において強塩基性陰
イオン交換樹脂と上記処理グリセリンとの接触が強酸性
陽イオン交換樹脂と上記処理グリセリンとの接触の前ま
たは実質的に同時となるような選択的接触手段を有する
ことを特徴とするグリセリンの精製法にある。
以下、この発明について詳細に説明する。
この発明に於ては、まず蒸留グリセリンの如き不純物と
して脂肪酸グリセリドおよび脂肪酸を含有するグリセリ
ンにアルカリ金属水酸化物を添加して、脂肪酸グリセリ
ドをけん化分解し、アルカリ金属石けんとする第1工程
を行う。この工程に於て蒸留グリセリンなどに添加する
アルカリ金属水酸化物の量は、第3図に示すように、蒸
留グリセリンなどの被処理グリセリン中に含有される脂
肪酸グリセリドおよび脂肪酸量の1.3〜3.0倍当量
が望ましい。1.3倍当量未満では、脂肪酸グリセリド
の分解が不十分となり、また、3.0倍当社を越えた場
合では過剰に添加したアルカリ金属イオンを除去するた
めのイオン交換樹脂の負担が大きくなりすぎる。
アルカリ金属水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、水酸化リチウムが良い。
このアルカリ金属水酸化物は、固体を添加しても目的を
達せられるが、:脂肪酸グリセリドおよび脂肪酸との反
応性および:取扱作業性を考慮すれば、液状のものが好
ましい。しかし、必要以上に希薄な水溶液を用いると、
精製グリセリンの含水率を結果的に増加させるため、烏
口的には飽和水/8液を用いて含水率が10重量%以下
となるように設定するのが良い。つぎの第1表に示す水
に対するアルカリ金属水酸化物の溶解度と、高濃度の飽
和水溶液を使用したいとする目的とからすれば、もつと
も好適には水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムの飽
和水溶液(約50重量%程度の水溶aが良い。
第1表 (文献二日本化学会発行「化学便覧」)アルカリ金属水
酸化物を添加した含水率10重量−以下の被処理グリセ
リンを、110〜130’cに加熱し、1〜4時間反応
させ、不純物としての脂肪酸グリセリドおよび脂肪酸を
アルカリ金属石けんつまり脂肪酸アルカリ金属塩とする
。第4図は、上記処理温度ないし処理時間と残存不純物
含量との関係を示した特性図である。このようにして得
られた上記けん化物を含む処理グリセリンをイオン交換
樹脂の通常の耐熱温度である約40〜609Cに冷却し
た後、第2工程のイオン交換精製を行う。
第2工程は、前述の理由により、第1工程で作ったアル
カリ金属石けんが再びエステルとなることを防止するた
め、強酸性陽イオン交換樹脂単独との接触はさける必要
がある。なi、混床塔の場合には、強酸性陽イオン交換
樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂が隣接して共存するた
め、処理グリセリンと各樹脂との接触は実質的に同時で
あるということができ、このため遊離した脂肪酸がエス
テル化する前に陰イオン交換樹脂に吸着され再工ステル
化は殆んど起こらない。
さらに、この第2工程では、最終製品である精製グリセ
リンの液性(pH)を中性に調整するために、強塩基性
陰イオン交換樹脂と強酸性陽イオン交換樹脂との両者を
併用する必要があり、このためには最終的に混床塔に通
液するという手段が一般的となる。
これら要件を満たすために採用できる処理グリセリンと
イオン交換樹脂との選択的接触手段として、下記3種の
方法がある。
四 強塩基性陰イオン交換樹脂塔、強酸性陽イオン交換
樹脂塔、さらに強塩基性陰イオン交換樹脂と強酸性陽イ
オン交換樹脂とよりなる混床塔の順に通液する方法。
■ 強塩基性陰イオン交換樹脂塔、さらに強塩基性陰イ
オン交換樹脂と強酸性陽イオン交換樹脂とよりなる混床
塔の順に通液す、、る方法。
(9強塩基性陰イオン交換樹脂と強酸性陽イオン交換樹
脂よりなる混床塔のみを通液する方法。
上記いずれの方法をもっても、初期の目的品質を得るこ
とは可能であるが、後記の実施例に示す様に、塔数の多
い場合(前記B、A)の方が精製効果は大きくなる。総
イオン量、目的精製度、さらには経済性を考慮していず
れかの方法が選択される。
第2工程に於ける精製の際の通液速度は、SV〔空間速
度〕1〜3v刊r* / *  樹脂が好ましい。
なお、第2工程で用いる各イオン交換樹脂の種類はとく
に限定されず、従来公知のものを広く適用できる。また
この発明の実施によりイオン交換能力の減退したイオン
交換樹脂の再生は、イオン交換樹脂表面に付着したグリ
セリンを水で洗浄した後、通常の方法で再生される。
以上説明したこの発明によれば、蒸留グリセリ    
  、ンの如き不純物含有のグリセリンを水で希釈する
ことなく精製を行うため、再濃縮設備が不要であり、ま
たエネルギー削減が可能となるなど工業的利点をこの発
明は有する。
以下、この発明の実施例および比較例について説明する
実施例1 天然油脂より通常の方法により製造された蒸留グリセリ
ン(第2表の品質参照)3,0OOp(脂肪酸および脂
肪酸グリセリド;1.θミリ当量ΔOOクグリセリン)
に、48重量%水酸化ナトリウム水溶液3.35’ (
Na1l(とじて39ミリ当量)を添加し、ガラス製4
ツロフラスコ中にて、窒素気流下に120′″Cで2時
間、撹拌加熱することにより、第1工程のけん化反応を
行った。反応後、処理グリセリンを、55°Cまで冷却
し第2工程に供した。
第2表に示す通り、処理グリセリン中の脂肪酸グリセリ
ド含量は0.06ミリ当量/xo(lグリセリンまで減
少した。
第1工程で得られた処理グリセリンを、強塩基性陰イオ
ン交換樹脂塔、強酸性陽イオン交換樹脂塔、さらに強塩
基性陰イオン交換樹脂および強酸性陽イオン交換樹脂を
含む混床塔の順に、加圧下(1,51’f/d?)で通
液することにより第2工程を行い、第2表に示す精製グ
リセリン(5)を得た。
樹脂塔は、各々内径14mm、高さ450mmのガラス
製カラム(保温のための外筒ジャケット付)を用い、使
用樹脂は三菱化成工業(東製の下記樹脂を用いた。
強塩基性陰イオン交換樹脂塔;ダイヤイオンpA30B
 、40rn1 強酸性陽イオン交換樹脂塔;ダイヤイオンPK216.
40i 混床塔;PK216*lOm/およびPA308゜3〇
− また、通液流速は、各塔載に空間速度117Rr、l。
樹脂で下向流にて通液した。さらに、混床塔より流出す
る精製グリセリンは、初期に各カラムに残留する水によ
り希釈されるため、400−の流出液を採取せず、それ
以後のものを精製グリセリン(ハ)とした。
第2表に示すとおり、従来法(比較例1〕に匹適する品
質を水希釈することなく得ることができた。
実施例2 実施例1と同様に、第1工程を行って得られた処理グリ
セリンを、強塩基性陰イオン交換樹脂塔(PA308,
1、ついで混床塔の順に、実施例1と同じ条件にて通液
し、第2表に示す精製グリセリン(ハ)を得た。実施例
1にはおよばないが、目標値を十分満足する品質を得た
実施例3 実施例1と同様に、第1工程を行って得られた処理グリ
セリンを、混床塔に実施例1と同じ条件で通液し、第2
表に示す精製グリセリン(qを得た。
実施例1にはおよばないが、目標値を十分満足する品質
を得た。
比較例1 従来法(希釈法用こよるイオン交換精製法の効果をみる
ために、第2表に示す蒸留グリセリン3.00 Ofに
、蒸留水を添加して70重量%に希釈し、従来どうり、
強酸性陽イオン交換樹脂塔、強塩基性陰イオン交換樹脂
塔、さらに混床塔の順に、通液した。使用設備及び通液
条件は、実施例1と同じであるが、通液速度は空間速度
2θ引r、/、樹脂とした。混床塔より流出する最初の
20眞は希薄グリセリン水として採取せず、それ以後の
ものを試料とした。得られた70重量%精製グリセリン
水を、ロータリーエバポレーターを用いて40篇Hgt
95’cまで濃縮し、さらに、ガラス蒸留機で4 tm
Hf 、 l 50’Cで脱水し、第2表に示す98.
4重量%精製グリセリン9を得た。
比較例2 実施例1と同様に、第1工程を行って得られた処理グリ
セリンを、比較例1に示す従来法と同じ順に、イオン交
換塔に通液した。通液条件は実施例1と同じである。こ
の様に、強酸性陽イオン交換樹脂と最初に接触すること
により精製グリセリン■を得た。第2表に示すごとく、
処理グリセリン中の脂肪酸グリセリド含量が0.06 
ミIJ当量、7100Fグリセリンまで減少しているに
もかかわらず、通液中にエステル化反応を起こし、0.
2ミ中、 り当量/10(lグリセリンと増加していることが判る
比較例3 第2表に示す蒸留グリセリンを、第1工程を実施するこ
となく、比較例2に示す方法および条件にて、イオン交
換精製することにより、精製グリセリン(P)を得た。
この精製グリセリンゆ)は、目標の品質を全く満足させ
ない。
【図面の簡単な説明】
第1図は従来法による被処理グリセリンの純度と精製グ
リセリン中に含まれる不純物との関係を示す特性図、第
2図はこの発明法の第1工程および第2工程を不純物含
有量との関係で説明した特性図、第3図はこの発明の第
1工程におけるアルカリ金属水酸化物の使用量を説明す
るための特性図、第4図はこの発明の第1工程における
処理温度および処理時間を説明するための特性図である
。 〔ヅ°”)e”J>/(7’)セ”):yt禰X 10
0(◆量/、)%埋温&(’c)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)不純物として脂肪酸グリセリドおよび脂肪酸を含
    有するグリセリンに含水率10重量%以下の状態でアル
    カリ金属水酸化物を加えてけん化処理する第1の工程と
    、この工程で得られたけん化物を含む処理グリセリンを
    強塩基性陰イオン交換樹脂および強酸性陽イオン交換樹
    脂と接触させて精製する第2の工程とを備え、かつ上記
    第2の工程において強塩基性陰イオン交換樹脂と上記処
    理グリセリンとの接触が強酸性陽イオン交換樹脂と上記
    処理グリセリンとの接触の前または実質的に同時となる
    ような選択的接触手段を有することを特徴とするグリセ
    ・リンの精製法。
  2. (2)  第1の工程で用いるアルカリ金属水酸化物が
    水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムからなり、これ
    をグリセリンに加えるに当たって上記水酸化物の飽和水
    溶液を用いるようにした特許請求の範囲第(1)項記載
    のグリセリンの精製法。
  3. (3)第2の工程における選択的接触手段として、けん
    化物を含む処理グリセリンを、強塩基性陰イオン交換樹
    脂塔、強酸性陽イオン交換樹脂塔および強塩基性陰イオ
    ン交換樹脂と強酸性陽イオン交換樹脂とよりなる混床塔
    の順に通液させるようにした特許請求の範囲第(1)項
    または第(2)項記載のグリセリンの精製法。
  4. (4)第2の工程における選択的接触手段として、けん
    化物を含む処理グリセリンを、強塩基性陰イオン交換樹
    脂塔および強塩基性陰イオン交換樹脂と強酸性陽イオン
    交換樹脂とより′なる混床塔の順に通液させるようにし
    た特許請求の範囲第(1)項または第(2)項記載のグ
    リセリンの精製法。
  5. (5)第2の工程における選択的接触手段として、強塩
    基性陰イオン交換樹脂と強酸性陽イオン交換樹脂とより
    なる混床塔に通液させるようにした特許請求の範囲第(
    1)項または第(2)項記載のグリセリンの精製法。
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