しかし、上述した工法には、以下に掲げる問題があった。すなわち、特許文献1に掲げる工法によれば、図8(a)に示すように、施工面S上に設置した型枠部材40の高さH1に沿ってコテなどの工具で樹脂モルタル41の表面を均し、平滑な塗り床面を形成するのであるが、型枠部材40の厚みに変化が生じるとそれに伴って樹脂モルタル41の表面高さも変化し、平滑な塗り床面を形成できないという問題があった。特に、施工面Sと非施工面S´との境界部には、樹脂モルタル40の飛散を防止する養生シート42などが貼着されていることが一般的であり、この養生シート42の厚みH2と型枠部材の高さH1とが重畳されるという実情があった。これにより、施工面Sと非施工面S´との境界部に位置する塗り床面の高さが高くなってしまい、塗り床面の意匠性が低下する可能性があった。また、施工面Sの端部には、排水溝などが配設される場合も多いが、前述のように境界部に位置する塗り床面の高さが高くなってしまうことで、排水溝に流れ込む水の流れを妨げ、排水性が低下する虞もあった。
ここで、図8(b)に示すように、型枠部材40と養生シート42とを重ね合わせないようにして、樹脂モルタル41の平滑性を確保する方法も考え得る。しかし、この方法によれば、型枠部材40と養生シート42との間に隙間43ができ易く、コテなどの工具で樹脂モルタル41の表面を均す際に、当該隙間43に樹脂モルタル41が入り込む虞があった。これにより、養生シート42を用いて被覆したにも関わらず非施工面S´を汚染することとなり、隙間43に入り込んだ余剰分の樹脂モルタル41を取り除く手間が生じて非効率であった。
そこで、本発明は、上記の実状に鑑み、比較的簡単な方法を用いて、高い平滑性を実現できる舗装方法の提供を課題とする。
本発明に係る舗装方法は、「メチルメタクリレートモノマーを主成分とする樹脂及び骨材を含有する樹脂モルタルからなる表層材を塗布することで舗装層を形成する舗装方法であって、平滑な下地層の表面に、目地部を構成する目地層を形成する目地層形成工程と、所定の厚みの第一部材と、該所定の厚みよりも薄い第二部材とを有し、前記目地部と略等しい形状を呈する目地型枠部材を、前記目地層の表面に配置する目地型枠配置工程と、前記表層材を塗布しない非塗布領域をシート状の養生部材で被覆する養生被覆工程と、前記養生部材によって被覆されていない領域に、前記第一部材の前記所定の厚みと略同じになるように、前記表層材を塗布する表層材塗布工程と、前記養生部材を除去する養生除去工程と、前記表層材が略硬化した状態で、前記目地型枠部材を除去する目地型枠除去工程とを具備し、前記第二部材は、前記第一部材の前記所定の厚みから前記養生部材の厚みを控除したものと略等しい厚みを呈し、前記目地型枠配置工程において、前記非塗布領域と前記表層材を塗布する塗布領域との境界部に配置され、前記養生被覆工程では、前記養生部材の終端部が前記第二部材の表面に配置されることを特徴とする」ものである。
ここで、「樹脂モルタル」とは、結合材である樹脂の中に、粒径が5mm以下の骨材を混合し、硬化剤を用いて硬化させるコンクリートの一種である。また、「平滑な」とは、施工面上に存在する比較的小さな凹凸を埋め合わせ、滑らかな表面形状を形成する状態を示す。さらに「下地層」とは、既設の舗装環境(例えば、駅のプラットホーム、コンコース、公園、広場、工場の床、店舗の床、廊下、階段、歩行通路、駐車場等)を形成する層であっても良いし、改修のためにそれら既設の層の表面を研削した層であっても良い。具体的には、剥き出しの土、コンクリート、アスファルトコンクリート、モルタル、及び樹脂モルタルなどで構成された層が例示でき、これらの上に、さらに別途の平滑な層を形成させたものであっても良い。また、「目地型枠部材」とは、形状及び材質は特に限定されるものではない。材質としては、例えば木、樹脂、金属、陶器などが挙げられる。形状としては、格子枠状、幾何学模様、棒状、その他所望の目地模様に沿った形状で、且つ均一な厚みを有するものが適用される。さらに、「表層材が略硬化した状態」とは、表層材が完全に硬化した状態のみならず、硬化途中の状態(所謂半硬化状態)も含むことを示している。
また、「養生部材」とは、傷や汚れを避けるために所定領域を被覆する部材を示し、例えば、シート状のビニルシートや布、テープ材等が挙げられる。また、「配置する」とは、目地層表面の所定位置に目地型枠部材を仮固定する状態を示し、接着物質を用いて、目地型枠部材を目地層上に貼着させたり、固定金具等を用いて設置位置に固定する状態等が挙げられる。また、「第一部材の前記所定の厚みから前記養生部材の厚みを控除したもの」とは、換言すれば、第二部材の厚みと養生部材の厚みとを重畳したものが、第一部材の所定厚みと略等しくなる状態を示す。さらに、「非塗布領域」とは、コンクリート、アスファルトコンクリート、モルタル、及び樹脂モルタルなどで構成された既設の舗装層であっても良いし、既設の構造物(例えば、駅のプラットフォームであれば、笠石や点字ブロック、ベンチ等)であっても良し、または、表層材塗布工程を数回に分けて行う場合に、既に塗布して硬化した後の表層材の表面であっても良い。
従って、本発明の舗装方法によれば、施工面上に存在する比較的小さな凹凸を埋め合わせ、滑らかな表面形状が形成された下地層の表面に、目地層を形成する。目地層を形成する方法としては、特に限定されるものでは無いが、例えば、メチルメタクリレートモノマーを主成分とする樹脂(以下、単に「MMA樹脂」と云う)を結合材とする樹脂モルタルを塗布し、乾燥させることで形成する。そして、第一部材と第二部材とを有して構成される目地型枠部材を目地層の表面に配置し、表層材を塗布しない非塗布領域を養生部材で被覆する。ここで、目地型枠部材の第二部材は、塗布領域と非塗布領域との境界部分に配設されており、養生部材の終端部は、第二部材の表面に配置され、固定される。なお、養生部材を第二部材に固定する方法は、テープなどを用いて貼着する、接着剤を用いて互いに接着させる、鋲やピンなどで貼り付ける等、特に限定されない。
そして、養生部材によって被覆されてない塗布領域に表層材を塗布し、目地型枠部材の厚みと略等しくなるよう均していく。なお、養生部材で非塗布領域を被覆する工程は、一度で行われても良いし、数回に分けて行われても良い。これに対応し、後述する養生除去工程を行う回数も、一度または数回に分けて行われるものとする。ここで、第二部材と養生部材との厚みを重畳したものは、第一部材の所定の厚みと略等しくなるよう構成されているため、表層材の厚みは、ほぼ所定の厚みと等しく平坦に形成される。また、施工面のうち、既設の舗装層や構造物などと隣接する周縁部は、目地型枠部材の厚みと異なる段差が生じることが予想されるが、本発明によれば、これら非塗布領域と塗布領域との間に第二部材と養生部材とが配設されているため、第一部材の所定の厚みと略等しくなるよう表層材を塗布することができる。そして、養生部材を非塗布領域から除去し(養生除去工程)、表層材が略硬化した後に、目地型枠部材を目地層上から除去する。こうして、目地型枠部材の形状と略等しい目地模様を有する表層材が形成される。そして、表層材の表面に適宜の保護層を形成することで、舗装層が完成する。
また、本発明の舗装方法において、「前記第一部材及び前記第二部材は、棒状の目地型枠部材であり、前記目地部によって前記舗装層に形成される目地模様は、碁盤目状を呈している」ものとすることができる。
ここで、「棒状」とは、適宜の厚みと幅を有し、且つ直線状を呈する帯状の目地型枠部材が例示でき、「碁盤目状」とは、縦方向と横方向とに配置される目地型枠部材の間隔が略等しく、略正方形状のマス目が整然と並んだ模様を示す。従って、本発明の舗装方法によれば、目地型枠配置工程において、棒状の目地型枠部材(第一部材及び第二部材)を用い、碁盤目状の目地模様を形成する。これにより、養生被覆工程において、養生部材による被覆領域(非塗布領域)と非被覆領域(塗布領域)との境界部を直線状に切り分けることができる。ここで、境界部が非直線状(ジグザグだったり、曲線を描いている)である場合は、養生部材を当該境界部の形状に沿って配置することが比較的面倒であり、くまなく被覆することが難しい(または面倒である)ことが予想されるが、本例のように、境界部を直線状に形成できることにより、例えばシート状の養生部材を直線的に沿わせるだけで、簡易に被覆させることが可能となる。従って、非塗布領域に傷や汚れ、余剰の表層材などが付着する虞が少なく、舗装層の完成度を向上させることが容易である。さらに、本発明によれば、直線状の第一部材及び第二部材を組み合わせるだけで、碁盤目状の目地模様を形成する目地型枠部材が作成できる。従って、予め碁盤目状に形成された目地型枠部材を適用する場合に比べて(施工面の形状や障害物の配置、碁盤目サイズの変更等)に対応しやすい目地型枠部材が提供できるばかりではなく、第二部材の配置変更が容易であることより、養生部材の被覆位置(境界部の配置位置)を自由に変更することが可能となる。これにより施工のしやすい目地型枠部材を提供できるため、より簡易に完成度の高い舗装層を提供することが可能となる。
また、本発明の舗装方法において、「前記養生被覆工程は、全施工領域を、複数の前記塗布領域と、複数の前記非塗布領域とに分割し、前記塗布領域と前記非塗布領域とを交互に配置した状態で前記養生部材を被覆する」ものとすることができる。
ここで、「交互に配置した」とは、全施工領域を所定の一方向(例えば縦方向等)に数エリアに分割し、所謂縞々模様状に塗布領域と非塗布領域とを配置した状態や、所定の二方向(縦及び横方向等)において分割し、所謂市松模様状に塗布領域と非塗布領域とを配置した状態などが挙げられる。要するに、塗布領域と非塗布領域とが交互に配設された状態であれば、如何なる配置パターンであっても良い。また、分割する面積は、塗布領域と非塗布領域とで等分割しても良いし、どちらか一方の面積の方が大きい状態で分割されていても良い。
従って、本発明の舗装方法によれば、塗布領域と非塗布領域とが交互に配設され、少なくとも養生被覆工程、表層材塗布工程、及び養生除去工程が、一つの施工領域において数回繰り返して行われる。これにより、施工領域が比較的小エリアに分割されるため、一度に全施工領域に対してこれらの工程(特に表層材塗布工程)を行う場合に比べて、表層材の塗布ムラが平均化されて見え難くなり、より見栄えの良い舗装層を提供できる。
また、これに伴って、目地型枠除去工程も数回に分けて行った場合は、塗布領域に侵入することなく、目地型枠部材を除去することができる。具体的に説明すると、施工領域が比較的広い時に、表層材塗布工程以下の工程を一度だけで(一気に)行った場合は、施工領域中央部に配設された目地型枠部材を除去することが難しい場合が想定される。すなわち、施工領域の中央部まで、作業者の腕や工具が届かないため、目地層上に固定した目地型枠部材を除去できない場合が発生する。このような場合は、塗布した表層材が完全に硬化した後に、施工領域の内部に侵入して目地型枠部材を剥離するか、施工領域の上側に作業用の足場を組み、表層材の表面に侵入せずに(足場の上から)目地型枠部材を除去するなどの方法が必要となる。しかし、表層材が完全に硬化した後に目地型枠部材を除去すると、表層材と目地型枠部材とが固着して、目地型枠部材を剥離するのに時間がかかったり、表層材の形状が変形したりする虞があった。一方、足場を組む方法では、前述の問題は解決できるものの、足場を組むのに時間やコストが嵩み、不経済であるという問題があった。
これに対し、本発明の舗装方法によれば、施工領域が比較的小エリアに分割されるため、施工領域の中央部まで作業者の腕や工具が届きやすく、目地型枠部材の除去作業を円滑に進めることができる。つまり、養生部材で被覆した非塗布領域に侵入して、塗布領域の目地型枠部材を剥離することにより、表層材が略硬化した状態で、且つ足場等を組むこともなく目地型枠部材を除去できる。これにより、意匠性が高く且つ経済的な舗装方法が提供できる。
このように、本発明の舗装方法によれば、第一部材と第二部材とを有する目地型枠部材を適用し、第二部材の厚みと養生部材の厚みとを重畳したものと、第一部材の厚みとが略等しいため、全体として平滑な舗装層が提供できる。従って、意匠性や歩行性が高いばかりではなく、排水性にも優れる舗装層を形成する舗装方法を提供できる。
以下、本発明の一実施形態である舗装方法について、図1乃至図7に基づき説明する。図1は本発明の舗装方法によって舗装された駅のプラットホームを示す斜視図であり、図2は舗装層の一部を拡大した断面図であり、図3は目地型枠部材を含む舗装層の一部を示した拡大断面図であり、図4は下地層形成工程から墨出し工程までを示す説明図であり、図5は目地型枠配置工程を示す説明図であり、図6及び図7は養生被覆工程を示す説明図である。
本実施形態の舗装方法によって舗装された駅のプラットホーム1(以下、単に「ホーム1」と云う)は、主に図1に示すように、基盤層2の表面上に区画形成された複数の舗装層3を具備して構成されている。舗装層3は、点字ブロック4や、列車乗降口に対する高さ基準点としての笠石5などが敷設されていない部分の床面を舗装するものであり、複数の横目地6と、横目地6に対して略垂直な方向に形成された縦目地7とで碁盤目状に区画されている。なお、説明の便宜上、ホーム1の長尺方向Xに平行な方向を横方向(横目地6)、これに垂直な方向Yを縦方向(縦目地7)としている。
本実施形態の舗装層3は、図2の断面図に示すように、下地層8と、目地層9と、表層材10と、保護層11とを備えている。下地層8は、基盤層2上の凹凸を埋め合わせて平滑にするものであり、アスファルトコンクリートやセメントコンクリート等公知のコンクリートが選択可能であるが、本実施形態においては、樹脂モルタルが適用されている。なお、コンクリートとは、結合材と骨材とを主に混合したものである。また、樹脂モルタルとは、結合材として合成樹脂を用い、且つ粒径が5mm以下の骨材のみを用いたコンクリートの一種であり、水及びセメントを結合材とする一般的なセメントコンクリートに比べて、機械的強度、耐水性、耐磨耗性、電気絶縁性、及び耐薬品性などに優れる。下地層8に用いられる樹脂モルタルの結合材としては、不飽和ポリエステル、エポキシ、フラン、ポリウレタン、及びメチルメタクリレートモノマー(以下、単に「MMA樹脂」と云う)等を主成分とする樹脂が例示できる。骨材としては、粒径が5mm以下であれば特に限定されるものではないが、例えば、粉末状のセルベン、珪岩、炭酸カルシウム、チタン、寒水石、パーライト、バーミキュライト、スチレン樹脂発泡体、クレー、カオリン、タルク、炭酸バリウム、及び雲母が例示できる。
目地層9は、横目地6及び縦目地7(以下、単に「目地部」と云う)の色を表現する層に該当し、本実施形態においては樹脂モルタルが適用されている。目地層9に配合されている骨材及び結合材としては、下地層8に例示したものが適用できるが、さらに、目地部の色を表現するための顔料が配合されている。
表層材10は、舗装層3を主に構成する層であり、本実施形態においては、下地層8及び目地層9と同様に樹脂モルタルが適用されている。なお、表層材10に配合されている結合材としては、特にMMA樹脂が適用されている。MMA樹脂とは、メチルメタクリレートモノマーを主成分とするアクリル系樹脂であり、速硬性・低温硬化性に優れ、硬化後の経時変化が少ない等の特長を有するものである。また、本実施形態の表層材10には、さらに、表層材10の表面に膜を形成することで大気中の酸素を遮断し、当該MMA樹脂の重合反応を阻害しないよう防護する機能を有するワックスが配合されている。ワックスとしては、特に限定されるものではないが、例えばパラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸等の高級脂肪酸が例示できる。また、表層材10には、MMA樹脂の硬化反応を触発させるための硬化剤(ベンゾイルパーオキサイド等)や、硬化促進剤(アミン系硬化促進剤等)がさらに添加されている。
本実施形態における表層材10に配合されている骨材としては、下地層8または目地層9と同様のものが例示できるが、本実施形態においては、粉末状のセルベンを特に配合している。セルベンとは、食器などの陶磁器廃材を細かく砕いて不純物を取り除いたものであり、焼成によって白色に着色された所謂カラーセラミックスの一種である。このように、白色系のセラミックスを骨材に適用することで、樹脂の黄変などが起き難く、且つ天然石の白色御影石によく似た高級感のある風合いを再現することができる。また、白色系セラミックスに加え、黒色系のセラミックスを添加することによって、表層材10の色味(グレースケール)を自由に変更することができる。
保護層11は、表層材10の表面及び目地部を被覆する層であり、下地層8、目地層9、及び表層材10と同様に、MMA樹脂を結合材とするMMA樹脂モルタルが適用されている。なお、本例の保護層11は透過性を有しており、表層材10の表面に、奥行きのある高級な質感を付与している。また、保護層11には、紫外線による表層材10の変質・劣化を低減するための紫外線吸収剤がさらに配合されている。紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、二酸化チタン、及び酸化亜鉛等が例示でき、紫外線を吸収(または遮蔽)する機能を有するものであれば、特に限定されるものではない。
一方、本発明の舗装方法では、目地部を形成する方法として、第一部材13及び第二部材14から構成される目地型枠部材12が用いられる。目地型枠部材12は、図3(a)及び(b)に示すように、剥離テープ15と、粘着層16と、発泡層17と、保護テープ18とを具備している。剥離テープ15は、ゴミなどが粘着層16に付着して粘着力が低下することを防止するものであり、切断・折り曲げ・剥離作業などを阻害しない程度の柔らかさを持つシート状物質であれば、材質は特に限定されるものではない。粘着層16は、発泡層17を目地層9に対して貼着させて固定するものであり、発泡層17の裏面側に形成されている。材質としては、ゴム系粘着剤や、アクリル酸エステル等のアクリル系粘着剤等、公知の粘着手段が適用される。
発泡層17は、内部に多数の空隙を有し、粘着層16を介して目地層9上に貼着され、表層材10を区画する部材である。材質としては、多数の空隙を有するものであれば如何なるものであっても良く、発泡性ポリウレタン系樹脂、発泡性ポリエチレン系樹脂、グラスウール等が例示できる。保護テープ18は、発泡層17の表層側(保護テープ18が貼着されている側)から表層材10などが空隙内へと浸透し、固着することを防止するものであり、発泡層17の表層側に形成されている。材質としては、例えばポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、またはポリエチレンテレフタレート(所謂PET)など、比較的薄手で透湿性の低いものが適用される。なお、剥離テープ15、粘着層16、発泡層17、及び保護テープ18はほぼ等しい表面形状を有している。
第一部材13は、図3(a)に示すように、厚みが約2mm、幅が約10mmの棒状の目地型枠部材12であり、適宜の長さ(例えば数十メートル程度)のものが環状に巻回された状態で施工現場へと搬送され、所定の長さに切断される。そして、目地層9上に貼着されることで機能するものである(詳細は後述する)。なお、第一部材13の厚みとしては、この数値に限定されるものでは無いが、舗装層3に必要とされる厚み(主に表層材10の厚み)と略等しくなるよう選定される。また、第一部材13の幅は、縦目地6または横目地7に必要とされる幅と略等しくなるよう選定される。
第二部材14は、図3(b)に示すように、厚みが約1.5mm、幅が約10mmの棒状の目地型枠部材12であり、第一部材13と同様に、適宜の長さのものが環状に巻回された状態で施工現場へと搬送され、所定の長さに切断される。そして、目地層9上に貼着されることで機能するものである。なお、第二部材14の厚みとしては、この数値に限定されるものでは無いが、少なくとも第一部材13よりは薄手に構成されている。具体的には、詳細は後述する養生部材19の厚み分だけ第一部材13の厚みから控除したもの(第一部材13:2.0mm、養生部材19:0.5mm)と略等しい1.5mm程度の厚みで構成されている。第二部材14の幅は、第一部材13と略等しく構成されている。
また、本発明の舗装方法では、図3(b)または図6に示すような、養生部材19が用いられている。養生部材19は、表層材塗布工程(後述する)において、表層材10を塗布しない非塗布領域を被覆して各種の汚染より保護する部材である。材質としては、特に限定されるものではなく、紙、布、または合成樹脂等から構成されるシート状の物質が好適に使用される。本例においては、合成樹脂より構成され、鋏など簡単な工具で切断が可能なシート状の物質であり、端部に予め粘着物質(または接着物質)が付与されている養生シート(所謂「養生マスカー」)が適用されている。
続いて、本発明の舗装方法について説明する。本発明の舗装方法は、六つの工程、すなわち、「目地層形成工程」、「目地型枠配置工程」、「養生被覆工程」、「表層材塗布工程」、「養生除去工程」、「目地型枠除去工程」に大別することができる。
まず、施工領域を特定し、養生を行う(下地養生工程)。具体的には、舗装する基盤層2を特定し、基盤層2上にある塵、ゴミ、埃などを、掃除機などで除去する。基盤層2としては、道路、広場、駅のコンコースまたはプラットフォーム等が挙げられるが、本例では特に駅のプラットホーム(ホーム1)を例示している。そして、基盤層2周辺にある既設の舗装層や配置物(ベンチ、自動販売機、ゴミ箱、電柱等)をビニールシートで覆って固定し、以下に続く下地研磨工程において発生する土埃などが配置物等に降りかからないようにする。続いて、下地研磨工程では、基盤層2表面を公知の研磨機を用いて削り、下地層8が密着しやすいように平坦にする。そして、平坦になった基盤層2表面を箒など掃き、削り出された細かい土埃などを基盤層2上より取り除く。そして、前述のビニールシートを取り除き、さらに残った細かい汚れ等を公知の集塵機で取り除いて、基盤層2を下地層8が塗布可能な状態へと仕上げる。
次に、図5に示すように、平坦になった基盤層2に対して、下地層8及び目地層9を形成する(下地層形成工程)。具体的には、まず、基盤層2の周囲(点字ブロック4及び笠石5を含む)をビニールシート等で覆い、テープで固定する(下地再養生工程:図略)。そして、MMA樹脂及び骨材を配合して樹脂モルタルを作成し、基盤層2上に塗布する。これにより、基盤層2上に残存する細かな凹凸が埋め合わされ、平滑な表面形状を有する下地層8が形成される。なお、樹脂モルタルを基盤層2上に塗布する方法としては、特に限定されるものではなく、例えばローラーや刷毛、鏝など適宜の工具を用いる。また、本例では、既設の舗装面(基盤層2)の表面を削り、樹脂モルタルで下地層8を形成する場合を例示したが、この方法に限定されるものではない。例えば、下地層8を形成しないものであっても良いし、下地層8の表面に、さらに別途の中間層を形成するものであっても良い。
続いて、「目地層形成工程」では、下地層8の表面に、目地層9を形成する。すなわち、MMA樹脂、顔料、及び骨材を配合して着色された樹脂モルタルを作成し、この樹脂モルタルを下地層8の表面に一様に塗布する。この際、公知の測量器やレーザー墨出し装置等を用いて、レベリング(施工する面の水平出し)をすると、より好ましい。目地層9は、後述する「目地型枠剥離工程」において目地型枠部材12が剥離された後に、舗装層3を俯瞰した状態で目地部から見える層であり、表層材10の色とは対照的な色(例えば、表層材10が白ベースであれば、黒色や茶色等)に着色することが望ましい。また、顔料を配合せず、自然な色合いをそのまま利用する構成とすることも当然可能である。
次に、目地層9の表面に、目地型枠部材12(図2等参照)を配置する位置だしラインを描画する(墨出し工程)。具体的には、まず、公知の測量器やレーザー墨出し装置を用いて、所定の目地模様を形成するための位置だしをする。そして、糸車に収められた細くて丈夫な糸を墨汁に浸し、前述の位置だしに沿って当該目地模様状に糸を配置する。この状態で、糸を爪先で弾くと、目地層9上に糸が衝突して付着していた墨が落ち、目地層9上に所望の目地模様の下書き20が出来上がる。
そして、目地型枠配置工程では、下書き20に沿って目地型枠部材12を配設する。詳細には図5に示すように、下書き20で示される碁盤目状の目地模様のうち、ホーム1の長尺方向X(図1参照)に垂直な方向Yに沿って、縦目地7(図1参照)を形成する目地型枠部材12を配置する。具体的には、粘着層16に貼着されている剥離テープ15を剥がし、粘着層16を下書き20に沿って押し付けて、目地層9上に貼着させていく(剥離テープ15、粘着層16、及び発泡層17に関しては図3参照。以下同じ)。続いて、後述する表層材塗布工程において、表層材10を塗布する塗布領域21の形状に沿った所定の長さ(例えば、塗布領域20の表面積が5m×1.2mであれば、約5m等)で切断する。この時、塗布領域21と非塗布領域22(表層材塗布工程において、表層材10を塗布しない領域)との境界部に位置する方向Yの下書き20上には、第二部材14を配置し、それ以外の方向Y上の下書き20上には、第一部材13を配置する。こうして、縦目地7を形成する目地型枠部材12(以下、単に「縦目地部材」と云う)が配置される。
そして、同様にして、ホーム1の長尺方向Xの下書き20上に、横目地6を形成する第一部材13を配置する。そして、施工領域20の形状に沿って、所定の長さ(前述の例では1.2m)で切断する。さらに、縦目地部材との重複部をカッターなどで切除し、目地層9上に隙間無く貼着させる。こうして、横目地6を形成する第一部材13(以下、単に「横目地部材」と云う)が配置される。ここで、横目地部材には、目地型枠部材12のうち第一部材13が適用されているため、横目地部材と、縦目地部材のうちの第二部材14との間には、一点鎖線円部に拡大して示すような段差部が形成されている。
次に、「第一養生被覆工程」では、図6に示すように、非塗布領域22を、養生部材19で被覆する。本例では、「養生被覆工程」と後の「表層材塗布工程」とを数回に分けて行い、塗布領域21を小エリアに分割する方法を採用している。具体的には、縦目地部材と横目地部材とで構成される碁盤目状の目地模様のうち、ホーム1の長尺方向Xを4マス毎に分割し(つまり、縦目地部材5本毎に分割し)、塗布領域21と非塗布領域22とを交互に形成している。なお、図6では一つの塗布領域21のみを図示しているが、非塗布領域22の隣にはさらに別の塗布領域21が形成されており、全施工面に渡って複数の塗布領域21と非塗布領域22とが交互に形成されている。また、本工程では、点字ブロック4上や笠石5と点字ブロック4との間など、表層材10が飛散しそうな範囲は(施工領域以外の領域も含めて)全て養生部材19で覆っている。なお、塗布領域21と非塗布領域22との境界部は、詳細には図2(b)に示すように、第二部材14の表面に養生部材19が貼着されている。ここで、第二部材14と養生部材19との厚みを重畳したものが、第一部材13の厚み2.0mmと略等しくなるよう構成されている。なお、「塗布領域21」は、本発明の「養生部材によって被覆されていない領域」に該当する。
次に、MMA樹脂、ワックス、骨材、及び硬化剤を配合し、MMA樹脂モルタルを作成する(表層材配合工程)。まず、小型の撹拌装置(公知のミキサー等)の中に、白色系カラーセラミックスを320kg、及び黒色系カラーセラミックスを80kg投入する。黒色系カラーセラミックスについては、より具体的には、黒色ベース骨材が71.5%、グレー補色骨材が23.75%、及びベージュ補色骨材が4.75%の配合比率に基づいて、黒色ベース骨材を57.2kg、グレー補色骨材を19kg、及びベージュ補色骨材を3.8kg投入する。そして、投入された各種骨材をまんべんなく撹拌し、本例における骨材400kgを作成する。
次に、バケツなどの容器内にMMA樹脂を5kg投入する。そして、当該MMA樹脂の中に、硬化剤75g(MMA樹脂の質量に対して1.5%)を投入する。ここで、投入する硬化剤の量は前述に限定されるものではなく、基盤層2の温度及びMMA樹脂の温度に応じて適宜変更可能である。そして、硬化剤の投入されたMMA樹脂の中に、前述で作成した骨材のうち11.2kgを投入し、撹拌する。撹拌時間は、おおよそ45秒〜55秒程度が望ましい。こうして、表層材10が作成される。なお、必要とされる表層材10がもっと多量である場合は、前述の配合にしたがって逐次追加分を作成していく。
そして、「第一表層材塗布工程」では、作成された表層材10を目地層9上に塗布していく。さらに、縦目地部材と横目地部材とで構成されるマス目内に充填された表層材10の表面を、鏝などの適宜の工具で撫でて平らにしていき、第一部材13の厚みと同じ高さになるように均す。また、塗布領域21と非塗布領域22との境界部には、第一部材13よりも厚みの薄い第二部材14が配設されているが、前述したように、第二部材14の表面に養生部材19が重ね合わされているため、これら部材の厚みが重畳されて、第一部材13の厚みと略等しくなっている。従って、第一部材13及び第二部材14の表面側を擦るように均していく事で、自然と第一部材13の厚みと略等しい、均一な表面高さを持つ表層材10が形成できる。
そして、表層材10の表面が乾燥するまで待機する。なお、施工時間を短縮するために、公知の乾燥手段、例えばドライヤーなどを用いて表面を乾燥させても良いが、本実施形態の表層材10には結合材としてMMA樹脂が適用され、さらにMMA樹脂の硬化を促進させる硬化促進剤が添加されている。また、前述のワックスの膜がMMA樹脂の硬化を促進することにより、特段の手段を用いずとも迅速に硬化反応が進行する。
表層材10の表面が乾燥した段階で、目地型枠部材12を目地層9上より剥離する(「第一目地型枠除去工程」)。より詳細には、目地部から目地型枠部材12を抉り出し、目地層9の表面から剥離していく。ここで、表層材10に配合されているワックスは、MMA樹脂より比重が軽いため表層材10の表面付近に集中的に膜を形成し、目地部には膜を形成し難い。また、発泡層17の空隙に含まれる酸素によって、発泡層17と接触している部位(すなわち目地部)の表層材10の重合反応が阻害され、比較的硬化し難い状態となっている。従って、目地部の表層材10と発泡層17とが固着し難く、目地型枠部材12を極めてスムーズに剥離することが可能である。なお、表層材10の表面のみが硬化し、目地部に位置する端面部は柔らかい前述した状態が、本発明の「略硬化した状態」に該当する。
次に、「第一養生除去工程」に移行する。第一養生除去工程では、第一表層材塗布工程の際に飛散した余剰分の樹脂モルタルや、埃やゴミなどの余剰物によって汚染された養生部材19を、非塗布領域22より除去する。
次に、図2(b)に示すように、表層材10の表面及び目地部に保護層11を塗布する(「第一保護層形成工程」)。詳細には、まず、非塗布領域22を再度養生する(第一保護層用養生被覆工程)。そして、保護層11を形成するための樹脂モルタルを、塗布領域21の表面積に応じて小分けする。例えば、塗布領域21の表面積が約100m2の場合は、保護層11の塗布領域を30m2毎に区分けし(30m2×3+10m2)、塗布領域21を被膜するのに十分な量の保護層11を其々小分けして作成する。保護層11を塗布する際、ローラー、刷毛、鏝、スプレーガンなど適宜の工具を利用するが、これら工具に付着した保護層11の量が変化することにより、一回の塗り初めから塗り終わりまでに、保護層11の膜厚が変化することが懸念される。これにより、表層材10の色の見え方が変化して色むらの原因になる恐れがあるが、本例のように、保護層11を小分けしてこまめに塗布していくことにより、一回の塗り初めから塗り終わりまでに生じる保護層11の膜厚変化を小さくすることができ、色むらの無い舗装層3が提供できる。そして、保護層11を乾燥させ、硬化させる。このようにして、施工領域21の舗装層3が完成する。
続いて、施工領域内のうち、「第一表層材塗布工程」によって表層材10を塗布しなかった領域(図6における非塗布領域22)を、図7に示すように養生部材19で被覆する(「第二養生被覆工程」)。つまり、図6における塗布領域21が、図7における非塗布領域22となる。点字ブロック4上などの施工領域外は、第一養生被覆工程と同様に被覆する。そして、前述と同様にMMA樹脂モルタルを作製し、塗布領域21内に塗布していく(「第二表層材塗布工程」)。さらに、第一目地型枠除去工程と同様の手順で、略硬化した表層材10より目地型枠部材12を除去していく(「第二目地型枠除去工程」)。こうして、碁盤目状に区画形成された表層材10が形成される。さらに、非塗布領域22上の養生部材19を除去し(「第二養生除去工程」)、保護層11を塗布するための再養生を行う(第二保護層用養生工程)。そして、塗布領域21に保護層11を塗布し、乾燥させて、塗布領域21の舗装層3を完成させる(第二保護層形成工程)。ここで、「第一養生被覆工程」及び「第二養生被覆工程」が本発明の「養生被覆工程」に、「第一表層材塗布工程」及び「第二表層材塗布工程」が「表層材塗布工程」に、「第一目地型枠除去工程」及び「第二目地型枠除去工程」が「目地型枠除去工程」に、「第一養生除去工程」及び「第二養生除去工程」が「養生除去工程」に、夫々該当する。
このように、本例の舗装方法によれば、塗布領域21と非塗布領域22との境界部に、第一部材13よりも厚みの薄い第二部材14を配設することにより、養生部材19の厚みによって生じ得る表層材10の平滑性の低減を防止し、高い平滑性を有する舗装層3を提供できる。また、舗装層3が平滑であることにより、舗装層3上に侵入した雨水等をスムーズに排水することができ、安全性の高い舗装層3を提供できる。
さらに、本例の舗装方法によれば、棒状の目地型枠部材12を適用し、直線状の(碁盤目状の)目地模様を作成することから、養生部材19によって塗布領域21と非塗布領域22とを分離しやすい。従って、不十分な養生による施工の失敗ややり直しが発生しにくい、経済的な舗装方法が提供できる。また、予め碁盤目状に形成された目地型枠部材を用いる場合に比べて、第一部材13及び第二部材14の配設位置を自由に変更できることから、現場での設計変更に臨機応変に対応しやすく、より簡易に完成度の高い舗装層3を提供できる。
ところで、表層材塗布工程において、一つのエリアを塗り始めてから塗り終わるまでに、多少の色むらが生じる場合がある。これは、表層材10に含まれている骨材が、時間と共に沈殿していくことで、表層材10中における分布や含有量が微妙に変化するためである。従って、広い施工領域を一気に塗布してしまうと、色むらが全体として顕著に浮かび上がる場合もあった。これに対し、本発明の舗装方法によれば、塗布領域21と非塗布領域22とが4マス毎(約1.2m)の小エリアに分割され、交互に配設されているため、骨材の分布変化による色むらが全体として平均化され、見え難くなるという優れた利点を有する。さらに、非塗布領域22に侵入して、塗布領域21の目地型枠部材12を除去することができるから、特段の足場を用意することもなく、表層材10が硬化を完了する前に迅速に除去することができる。従って、極めて経済的且つ意匠性の高い舗装方法を提供できる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
上記実施形態では、棒状の目地型枠部材12を用いて碁盤目状の目地模様を形成する場合を例示したが、この方法に限定されるものではない。すなわち、予め格子状に組み立てられた別途の型枠部材を用いても良いし、碁盤目状ではなく、他の幾何学模様を表現する目地型枠部材を用いても良い。但し、本例のように、碁盤目状の目地部を有する舗装層3とすると、目地部を伝って水が流れるため排水性が良く、駅のプラットホームや公園の広場などにも好適に使用され得る。さらに、棒状の目地型枠部材12を用いることによって、基盤層2の湾曲や傾斜の形状に応じて自由に目地模様を変更できるため、比較的簡易に意匠性の高い舗装層3を提供できる。
また、上記実施形態では、下地層8、目地層9、表層材10、及び保護層11にMMA樹脂モルタルを用いるものを例示したが、この構成に限定されるものではない。例えば、エポキシ性樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、及びビニルエステル系樹脂などを用いた樹脂モルタルであっても構わない。要するに平滑な舗装層3を形成するものであれば、如何なるものであっても良い。
また、上記実施形態では、塗布領域21と非塗布領域22とを交互に配置し、表層材塗布工程から目地型枠除去工程までの一連の工程を数回に分けて行う場合を例示したが、この方法に限定されるものではない。施工領域全面を塗布領域21とし、一度に表層材10を塗布していく方法であっても構わない。但し、本例のように、塗布領域21を小エリアに分割し、目地型枠配置工程から目地型枠除去工程までの一連の工程を数回繰り返して行うことにより、目地型枠部材12の除去がスムーズである、表層材10の色むらが見え難い、といった顕著な特長を発揮するため、より好ましい。
また、上記実施形態では、目地型枠配置工程の後に養生被覆工程を行う場合を例示したが、この方法に限定されるものではない。例えば、養生被覆工程によって非塗布領域22を被覆した後に、塗布領域21に目地型枠部材12を配置する(「目地型枠配置工程」)方法であっても構わない。また、目地型枠配置工程を複数回に分け、塗布領域21のみに目地型枠部材12を配置し、その後に養生被覆工程及び表層材塗布工程に移行する方法であっても良い。この場合は、「第一目地型枠除去工程」の後に、再度目地型枠配置工程〜第二目地型枠除去工程までを行う。要するに、塗布領域21と非塗布領域22とを交互に配設した状態で、表層材10を塗布できる方法であれば、如何なる方法であっても良い。