JP4405940B2 - 舗装改修方法 - Google Patents

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Description

本発明は、舗装改修方法に関するものであり、特に、基盤層の表面が樹脂の混合物で舗装されている舗装層を改修する方法に関するものである。
従来より、セメントコンクリートなどで不陸処理された基盤層の表面に、タイルやレンガを敷設したり、着色したモルタルを塗布するなどして舗装層を作成する舗装方法が知られている。このような舗装方法は、歩道や広場、公園、または駅のコンコースやプラットフォームなど、景観を重視する道路環境において広く用いられている。
ところで、上述のような景観を重視する道路環境では、舗装層上を行き交う通行人の安全性を確保するため耐久性や耐候性に優れる強固な舗装層が要求されることはもとより、舗装層の一部が汚れたり傷ついたりした場合には、迅速に当該箇所を修復することが要求される。そこで、専用の装置を用いて舗装層及び基盤層(以下、単に「舗装層等」と云う)を地面等の施工面より剥離し、修復作業に要する時間を短縮することなどが行われている。より具体的には、特許文献1に示すように、舗装層等を破砕する破砕爪33と、破砕された舗装層等を施工面より剥離する剥離爪12とを具備するコンクリート剥離機を用いて、舗装層等を一緒に破砕して施工面上より剥離し、露出した施工面上に基盤層と舗装層とを再舗装する場合が例示できる。
特開平5−339908号公報
しかし、特許文献1では、舗装層を破砕する際に、舗装層の下地となっている基盤層(舗装路盤)も一緒に破砕され、施工面(道路の地盤)上より剥離される。従って、再舗装をするには、基盤層の施工から再度やり直す必要があり、このようなやり直しの手間は修復時間の短縮に関して足枷となっていた。
また、前述のコンクリート破砕機のような、所謂重機を操作するためには専門の技術が必要とされることに加え、当該破砕機は特殊な車輌であるため購入や維持に費用が嵩み、その結果、再舗装に要するコストが上昇するという問題があった。また、上述のような舗装の改修方法においては、舗装層の一部分のみ(改修が必要な部位のみ等)を破砕・剥離することが比較的難しく、大掛かりな改修作業にならざるを得ないため、このことも舗装の改修に要するコストを上昇させる一因となっていた。
そこで、本発明は、上記の実状に鑑み、比較的大掛かりな装置を用いることなく、迅速且つ経済的に舗装を改修することができる舗装改修方法を提供することを課題とする。
本発明に係る舗装改修方法は、「加熱によって変形しない難燃性の基盤層の表面に形成され、メチルメタクリレートモノマーを主成分とする熱可塑性の樹脂を含有する混合物からなる舗装層であって、目地部によって表面に碁盤目状の目地模様が形成されている舗装層を、バーナーで加熱する加熱工程と、前記目地部を改修部位及び非改修部位の境界とし、前記加熱工程によって加熱され軟化した前記舗装層を、前記基盤層の表面より剥離する剥離工程と、前記舗装層が剥離された前記基盤層の表面に、液状の混合物を塗布して硬化させることにより前記舗装層を再舗装する再舗装工程とを具備する」ものである。
ここで、「難燃性の」とは、比較的燃えにくい性質を有することを示し、例えば、5分間以上火熱が加えられても構造耐力上支障のある変形、溶融、破壊その他の損傷を生じないものが例示できる。また、「熱可塑性の樹脂」とは、加熱すると軟化し、外力を加えて変形させることが可能な樹脂を示し、例えば、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアクリル酸エステル、メチルメタクリレートモノマー重合体、及びポリ酢酸ビニルが挙げられる。さらに、「混合物」とは、熱可塑性の樹脂が配合されていれば如何なるものであっても良いが、例えば当該樹脂を結合材とする樹脂モルタル、または塗料などが挙げられる。また、「バーナー」とは、作業者が所定の位置へとノズルを移動させ、該ノズルの先端部より火炎を放射して対象物を加熱する装置を示し、ガスバーナーやガストーチ、火炎放射器等が例示できる。また、「剥離する」手段としては特に限定されるものではないが、本発明においては、比較的操作に特殊な技能が不要なもの、例えば鏝やスクレイパーなど公知の工具を用いて行う手段などを示す。
従って、本発明の舗装改修方法によれば、改修を加えたい箇所を有する所望の舗装層に対して、バーナーで熱を加える加熱工程が具備されている。ここで、舗装層は、熱可塑性の樹脂を含有する混合物から構成されているため、熱によって素早く軟化し、続く剥離工程において、大きな力を要することなく比較的簡単に剥離することができる。また、難燃性の基盤層、すなわち汎用のアスファルトコンクリートやセメントコンクリートなどの基盤層は、加熱工程によって変形等を起さないことにより。当該基盤層を剥離することなく、その表面に形成された舗装層のみを簡単に剥離することができる。つまり、舗装層のみを再舗装する(再舗装工程)ことで、舗装を改修することが可能となる。
また、本発明の舗装改修方法によれば、剥離工程において大掛かりな装置を必要としないことに加え、加熱工程でも、ガスバーナーなど比較的小規模な装置を適用可能である。従って、当該装置の操作・維持に特殊な専門技術が不要であり、より経済的な舗装の改修方法が実現できる。
また、本発明の舗装改修方法によれば、舗装層にメチルメタクリレートモノマーを主成分とする樹脂(以下、単に「MMA樹脂」と云う)を適用する。これにより、加熱工程において舗装層が迅速に軟化し、剥離工程で容易に剥離できるばかりではなく、再舗装工程において液状のMMA樹脂を舗装箇所に塗布した後は、当該樹脂が常温で素早く硬化するため、施工時間を短縮することができる。従って、加熱工程から再舗装工程を終了するまでの施工時間をより短縮し、一層迅速な舗装改修方法を提供できるという顕著な作用効果を奏するものである。
また、本発明の舗装改修方法によれば、舗装層の表面に各種の模様に応じた凹凸部が形成され、目地模様を構成している。これにより、舗装層の表面が目地模様の無い平坦な形状である場合に比べて表面積が大きくなっており、且つ、凹部に火熱が放射されることで舗装層の比較的内部に熱が素早く伝達されるため、極めて迅速に舗装層が軟化し、簡単に剥離することができ効果的である。
このように、本発明の舗装改修方法によれば、熱可塑性樹脂の混合物からなる舗装層に対して、バーナーなどによって加熱する加熱工程を具備していることから、比較的大掛かりな剥離装置を用いることなく、迅速且つ経済的に舗装層を改修することができる。また、本発明の剥離工程では、基盤層を破砕することなくその表面に形成された舗装層のみを剥離する。このため、既存の基盤層を再利用することができ経済的であるばかりではなく、基盤層の再施工に要する時間が削減されることで極めて施工時間の短い舗装改修方法を提供できる。
以下、本発明の一実施形態である舗装改修方法について、図1乃至図6に基づき説明する。図1は本発明の舗装改修方法によって再舗装された舗装層を示す斜視図であり、図2は舗装層の断面を模式的に表した断面模式図であり、図3は目地型枠部材の拡大断面図であり、図4は加熱工程を示す説明図であり、図5は剥離工程を示す説明図であり、図6は再舗装工程を示す説明図である。
本実施形態の舗装改修方法は、図1及び図2に示すように、地面などの施工面2上に形成された基盤層3の表面を舗装する舗装層1を改修するものであり、舗装層1は、具体的には図2に示すように、下地層4、目地層5、表層材6、及び保護膜7を具備している。ここで、基盤層3とは、舗装層1の基盤となる層を示し、公知のアスファルトコンクリートやセメントコンクリート等、難燃性の材質より構成されている。なお、後述の下地層4、目地層5、表層材6、及び保護層7を構成する「樹脂モルタル」が、本発明の「混合物」に該当する。
下地層4は、基盤層3上の凹凸を埋め合わせて表面を平滑にするものであり、樹脂を結合材とする樹脂モルタルが適用されている。より具体的には、メチルメタクリレートモノマーを主成分とする熱可塑性の樹脂(以下、単に「MMA樹脂」と云う)を結合材とし、粒径が5mm以下の骨材を主に配合して得られる樹脂モルタルを適用するものであり、水を結合材とする一般的なセメントモルタルに比べて、機械的強度、耐水性、耐磨耗性、電気絶縁性、及び耐薬品性などに優れる。なお、MMA樹脂とは、速硬性・低温硬化性に優れ、硬化後の経時変化が少ない等の特長を有するものである。ここで、下地層4に用いられる樹脂モルタルの結合材としては、熱可塑性の樹脂であれば上記に限られるものではなく、不飽和ポリエステル、エポキシ、フラン、ポリウレタン等が例示できる。骨材としては、粒径が5mm以下であれば特に限定されるものではないが、例えば、粉末状のセルベン、珪岩、炭酸カルシウム、チタン、寒水石、パーライト、バーミキュライト、スチレン樹脂発泡体、クレー、カオリン、タルク、炭酸バリウムが例示できる。
目地層5は、目地部8(後述する)の色を表現する層に該当し、下地層4と同様に、熱可塑性の樹脂を結合材とする樹脂モルタルが適用されている。目地層5に配合されている骨材及び結合材としては、下地層4に例示したものが適用可能であり、さらに、目地部8の色を表現するための顔料が配合されている。
表層材6は、舗装層1の表層部を主に構成する層であり、下地層4及び目地層5と同様の樹脂モルタルが適用されている。また本例において、表層材6は、目地部8によって複数のタイル模様部10が形成されており、より詳細には、複数の縦目地8aと、縦目地8aに対して略直交する方向に形成された横目地8bとで形成される目地部8が具備されており、複数のタイル模様部10によって碁盤目状の目地模様が形成されている。ここで、「碁盤目状の目地模様」が、本発明の「目地模様」に該当する。なお、本例の表層材6には、さらに、表層材6の表面に膜を形成することで大気中の酸素を遮断し、当該MMA樹脂の重合反応を阻害しないよう防護する機能を有するワックスが配合されている。ワックスとしては、特に限定されるものではないが、例えばパラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸等の高級脂肪酸が例示できる。また、表層材6には、MMA樹脂の硬化反応を触発させるための硬化剤(ベンゾイルパーオキサイド等)や、硬化促進剤(アミン系硬化促進剤等)がさらに添加されている。
保護膜7は、表層材6の表面H及び目地部8を被覆する層であり、例えばアクリル系樹脂エマルジョンを主成分とする公知のスキン系樹脂が例示できる。なお、本例においては透過性を有する保護膜7が特に適用されており、表層材6の表面に、奥行きのある高級な質感を付与している。
一方、本発明の舗装方法では、目地部8を形成する方法として、図3、及び図6に示すような目地型枠部材9が用いられる。目地型枠部材9は、縦目地8aを形成するための縦目地部材9aと、縦目地部材9aに対して略垂直に配置されて横目地8bを形成する横目地部材9bとから構成されている(図6参照)。目地型枠部材9は、具体的には図3に示すように、剥離テープ11と、粘着層12と、発泡層13と、保護テープ14とを具備している。剥離テープ11は、ゴミなどが粘着層12に付着して粘着力が低下することを防止するものであり、切断・折り曲げ・剥離作業などを阻害しない程度の柔らかさを持つシート状物質であれば、材質は特に限定されるものではない。粘着層12は、発泡層13を目地層5に対して貼着させて固定するものであり、発泡層13の裏面側に形成されている。材質としては、ゴム系粘着剤や、アクリル酸エステル等のアクリル系粘着剤等、公知の粘着手段が適用される。
発泡層13は、内部に多数の空隙Kを有し、粘着層12を介して目地層5上に貼着され、表層材6を区画する部材である。材質としては、多数の空隙Kを有するものであれば如何なるものであっても良く、発泡性ポリウレタン系樹脂、発泡性ポリエチレン系樹脂、グラスウール等が例示できる。保護テープ14は、発泡層13の表層側(保護テープ14が貼着されている側)から表層材6などが空隙K内へと浸透し、固着することを防止するものであり、発泡層13の表層側に形成されている。材質としては、例えばポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、またはポリエチレンテレフタレートなど、比較的薄手で透湿性の低いものが適用される。
なお、剥離テープ11、粘着層12、発泡層13、及び保護テープ14はほぼ等しい表面形状を有している。そして、目地型枠部材9は、厚みが約2mm、幅が約10mmの帯状の物体であり、適宜の長さ(例えば数十メートル程度)のものが環状に巻回された状態で施工現場へと搬送され、所定の長さに切断され、目地層5上に貼着されることで縦目地部材9a、及び横目地部材9bとして機能するものである(詳細は後述する)。
続いて、本発明の舗装改修方法について説明する。本発明の舗装改修方法は、三つの工程、すなわち、「加熱工程」、「剥離工程」、及び「再舗装工程」に大別することができる。
まず、「加熱工程」では、図4に示すように、傷や汚れKが付着したタイル模様部10に対して、バーナー15で火熱を加える。なお、本例では、一点鎖線部に示す改修部位Wを改修するものを例示している。より詳細には、改修部位Wの略中心部に対してバーナー15のノズルを向け、傷や汚れKの付着したタイル模様部10に対して火熱を放射する。この時、改修部位Wの外周付近に対しては、できるだけ火熱を加えないよう考慮すると、改修部位W以外のタイル模様部10が損傷や軟化する恐れが軽減し、改修部位を最小限に抑えることができ効果的である。バーナー15は、所定の位置に対して熱を加えることができるものであれば特に限定されるものではないが、例えばガスバーナー、ガストーチ、火炎放射器等が挙げられ、本例においてはガスバーナーを適用している。このようにして、改修部位Wの略中心部を加熱することにより、タイル模様部10を構成する舗装層1、すなわち下地層4、目地層5、表層材6、及び保護膜7に配合されるMMA樹脂が流動性を示し、軟化する(軟化部位N)。
次に、「剥離工程」では、図5(a)に示すように、スクレイパー16によって、軟化部位Nを基盤層3より剥がし取る。具体的には、スクレイパー16のコテ部16aを軟化部位Nに押し当てて、こそぎ取るようにして基盤層3より剥がし取る。スクレイパー16の構成としては、図5に例示するものに限られず、軟化部位Nを基盤層3より剥離可能な構成であれば如何なるものであってもよいが、本例のように、コテ状のスクレイパー16を用いると、装置を小型化・簡素化することができ、且つ、操作に専門的な知識や技量が不要であるため簡便である。さらに、本工程では、図5(b)に示すように、改修部位Wのうち軟化部位Nの周辺部に位置する表層材6(以下、単に「残留部17」と云う)を、スクレイパー16によって基盤層3より剥離する。より具体的には、改修部位Wの外周に位置する目地部8(縦目地8a、及び横目地8b)に沿って、コテ部16aの先端部を衝突させ、当該目地部8を構成する保護膜7、目地層5、及び下地層4にダメージを与える。そして、軟化部位Nを取り除いたタイル模様部10の端面部T側にコテ部16aをあてがい、残留部17を基盤層3上より剥がし取る。この時、残留部17は、軟化部位Nから伝達したバーナー15の火熱によって熱せられ、改修部位W以外のタイル模様部10に比べて、わずかに軟化している。また、スクレイパー16によって、目地部8に衝撃が加えられ、目地部8を構成する下地層4等に亀裂などのダメージが生じているため、残留部17は、当該目地部8を境界部として基盤層3上より剥がれ落ちる。従って、比較的大きな力を要することなく、簡単に改修部位Wを基盤層3上より剥離することができる。
次に、「再舗装工程」では、「剥離工程」によって剥離した改修部位Wの舗装層1を再舗装し、新たなタイル模様部10を作成する。具体的には、まず、改修部位Wの基盤層3上の塵やゴミ、埃などを除去し、塗料などの飛散を防止するために、改修部位Wの周囲をビニールシートで覆う(所謂「養生」をする)。そして、MMA樹脂と骨材とを配合して樹脂モルタルを作成し、改修部位Wの基盤層3上に塗布する。これにより、当該基盤層3上に存在する細かな凹凸が埋め合わされ、平滑な表面形状を有する下地層4が形成される。なお、樹脂モルタルを基盤層3上に塗布する方法としては、特に限定されるものではなく、例えばローラーや刷毛、鏝など公知の工具を用いる。
続いて、下地層4の表面に、目地層5を形成する。すなわち、結合材である樹脂、骨材、及び顔料を配合して、着色された樹脂モルタルを作成し、下地層4の表面に一様に塗布する。この際、公知の測量器やレーザー墨出し装置等を用いて、レベリング(施工する面の水平出し)をすると、より好ましい。目地層5は、舗装層1を俯瞰した状態で、複数のタイル模様部10の隙間から見える層であり、表層材6の色とは対照的な色を着色することが望ましい。また、顔料を配合せず、自然な色合いをそのまま利用する構成とすることも当然可能である。そして、目地層5の表面に、図6(a)に示すように、公知の測量器やレーザー墨出し装置を用いて、所定の目地模様を形成するための位置だしをする。詳細には、糸車に収められた細くて丈夫な糸を、墨汁に浸し、前述の位置だしに沿って当該目地模様の上に糸を配置する。この状態で、糸を爪先で弾くと、目地層5上に糸が衝突して付着していた墨が落ち、所定の目地模様の下書き18が出来上がる。
そして、下書き18に沿って、目地層5上に目地型枠部材9を配置する。具体的には、下書き18で示される碁盤目状の目地模様のうち、所定の一方向(以下、縦方向とする)に目地型枠部材9を配置し、当該目地型枠部材9を構成する発泡層13に貼着されている剥離テープ11を剥がして、粘着層12を下書き18上に押し付け、目地層5上に貼着させていく。そして、所定の長さ(例えば、改修部位Wの表面積が5m×3mであれば、約5m等)で切断する。こうして、縦目地部材9aが形成される。続いて、下書き18で示される碁盤目状の目地模様のうち、縦方向に直交する方向(以下、横方向とする)に目地型枠部材9を配置し、同様にして剥離テープ11を剥がし、粘着層12を目地層5上に貼着させて、所定の長さ(前述の例では、約3m)で切断する。こうして、横目地部材9bが形成される。この際、横目地部材9bは、カッター等を用いて縦目地部材9aと交差する部位を切除し、隣接する縦目地部材9aの所定の間隔(例えば、300mm角のタイル模様部3を作成する場合であれば、300mm)に切り出しておくと、縦目地部材9aと横目地部材9bとの交差部に隙間ができ難くなるため、より好適である。このようにして、目地層5上に、縦目地部材9aと横目地部材9bとで碁盤目状の目地模様の枠型が配置される。なお、目地型枠部材9から剥離テープ11を剥がす工程と、所定の長さに切断して縦目地部材9aまたは横目地部材9bを取り出す工程との順番は、これに限られるものではなく、逆であっても良いし、同時進行であっても良い。
続いて、MMA樹脂、ワックス、及び骨材を配合し、新たなタイル模様部10を構成する表層材6となるMMA樹脂モルタルを作成する。これらの構成材料の配合比率としては、特に限定されるものではないが、例えば、地面温度が10℃の時、MMA樹脂が5kg、骨材が約10kg等の配合比率を用いる場合が例示できる。
そして、作成されたMMA樹脂モルタルを、目地層5上に塗布していき、縦目地部材9a及び横目地部材9bで区切られた四角形状の領域内19(図6(a)参照)に充填させていく。さらに、充填されたMMA樹脂モルタルの表面を、鏝などで撫でて平らにしていき、縦目地部材9a及び横目地部材9bの厚みと同じ高さになるように均す。こうして、タイル模様部10を有する表層材6(図2参照。以下同じ)が形成される。ここで、表層材6にはワックスが配合されていることにより、当該樹脂に比べて比較的比重の軽いワックスが表層材6の表面付近に浮上し、膜を形成する。このため、表層材6の内部が大気の酸素から遮断され、MMA樹脂の重合反応が阻害されず、硬化が迅速に進行する。
そして、表層材6の表面H(図2参照。以下同じ)が乾燥するまで待機する。なお、施工時間を短縮するために、公知の乾燥手段、例えばドライヤーなどを用いて表面Hを乾燥させても良いが、本実施形態の表層材6には結合材としてMMA樹脂が配合され、さらにMMA樹脂の硬化を促進させる硬化促進剤が添加されている。さらに、前述のワックスの膜が形成されていることにより、特段の手段を用いずとも、比較的迅速に硬化反応が進行する。
表面Hが乾燥した段階で、縦目地部材9a及び横目地部材9bを目地層5上より剥離する。より詳細には、図6(b)に示すように、まず、複数の縦目地部材9aの端部を上方に引き上げ、目地層5上より剥離する。そして、同様の手順によって横目地部材9bを目地層5上より剥離していく。ここで、発泡層13の内部には、多数の空隙Kが存在している(図3参照)。また、表層材6に配合されているワックスは、比較的比重が軽いため主に表層材6の表面H付近へと集中的に浮上し、発泡層13と表層材6との接触部(目地部8)付近には膜を形成し難い。このため、空隙Kと表層材6とがワックスの膜を介することなく直接的に接触し、空隙K中の酸素によってMMA樹脂の重合反応が阻害され、目地部8に位置する表層材6が硬化し難い状態となっている。従って、表面Hが十分に硬化した状態でも、目地部8に位置する表面材6の端面部は比較的柔らかいため、縦目地部材9a及び横目地部材9bをスムーズに剥離することができる。
次に、表層材6の表面H及び目地部8(図2参照)に保護膜7が塗布される。保護膜7は、ローラー、刷毛、鏝、スプレーガンなど適宜の工具を用いて塗布される。こうして、図1に示すような複数のタイル模様部10を有する新たな舗装層1が再舗装され、舗装層1の改修が完了する。
以上のように、本例の舗装改修方法によれば、MMA樹脂が結合材として配合された舗装層1をバーナーで加熱する加熱工程を具備していることにより、大掛かりな装置を要することなく、比較的簡単且つ迅速に所望の舗装層1を剥離することができる。また、本例の加熱工程によれば、MMA樹脂は、火熱によって迅速に軟化する性質を有しているため、公知のセメントコンクリートやアスファルトコンクリートからなる基盤層3にダメージを与えることなく、基盤層3の上面に形成された舗装層1のみを剥離することができる。従って、舗装の改修に必要とされる施工時間を短縮することができるばかりではなく、既設の基盤層3を再利用することができるため材料費・施工に要する人件費等を低減することができ、経済的である。さらに、再舗装工程において、表層材6及び保護膜7にワックスが添加されたMMA樹脂モルタルを用い、且つ発泡層13を具備する目地型枠部材9が適用されていることにより、改修部位Wに塗布した表層材6及び保護膜7が極めて迅速に乾燥する。従って、さらなる施工時間の短縮に寄与するため好適である。
また、本例の舗装改修方法によれば、舗装層1に碁盤目状の目地模様が形成されていることにより、舗装層1の表面が目地模様の無い平坦な形状である場合に比べて表面積が大きい。また、目地部8を通して舗装層1の内部にバーナー15の熱が素早く伝達するため、極めて迅速に舗装層1が軟化し、基盤層3上より簡単に剥離することができる。さらに、本例によれば、棒状の目地型枠部材9を用いて改修部位Wを再舗装するため、工場等で予め作成された専用の型枠部材を適用する場合などに比べ、施工面2の形状または改修部位Wの増減など施工現場での設計変更に臨機応変に対応することができ、効果的である。また、本例によれば、舗装層1には、複数のタイル模様部10が整列した形状、つまり碁盤目状の目地模様が形成されているため、舗装層1の一部のみを改修する場合に、改修部位Wと非改修部位との境界部を目地部8に設定することが容易(すなわち、表面H上で改修部位Wと非改修部位とを区分けする必要がない)であり、当該境界部を目立たなくすることができるため好適である。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
上記実施形態では、表層材6にはMMA樹脂、ワックス、及び骨材を配合するものを例示したが、これに限定されるものではなく、ワックスを配合しない構成としても良い。また、上述の配合に加え、さらに公知の揺変剤を配合しても良い。この構成によれば、表層材6を塗布し、表面Hが乾燥後目地型枠部材9を剥離した状態において、表層材6が垂れ難く、比較的安定してタイル模様部10の形状を保持する。従って、迅速に保護膜を塗布する作業に移行することができ、好適である。
また、上記実施形態では、舗装層1として、下地層4、目地層5、表層材6、及び保護膜7を具備するものを例示したが、これに限定されるものではない。例えば、着色された下地層4を適用し、目地層5を具備しない構成としても良く、また、この構成において、着色しない下地層4を用いて、MMA樹脂モルタルの自然な風合いを目地部8に表現する構成としても良い。また、表層材6を下地表層材と表面表層材との二層構造とし、透湿性または柔軟性のある下地表層材をさらに具備する構成としても良い。さらに、保護膜7を具備しない構成とすることも当然可能であるが、少なくとも表層材6を具備する構成とすると、舗装層1に高い意匠性及び耐久性を付加することができ、好適である。
また、上記実施形態では、舗装層1は、碁盤目状のタイル模様部10を具備するものを例示したが、これに限定されるものではなく、イモ目地状の目地模様や幾何学模様など、適宜の目地模様を呈するものであっても良し、目地模様を具備しない、平滑な表面形状を呈する舗装層1であっても良い。さらに、表層材6に、雲母などの自然石や金属片、または顔料などを配合することにより、表層材6に多様な色彩や風合いを付加することも可能である。
また、上記実施形態では、舗装層1のうち、一部が区切られた改修部位Wのみを改修する構成を例示したが、舗装層1の全面を改修することも当然可能である。さらに、再舗装工程において、目地型枠部材9を用いるものを例示したが、要するに、液状の表層材6を改修部位Wに塗布し、当該表層材6を硬化させることで再舗装するものであれば、如何なるものであっても良い。
また、上記実施形態では、傷や汚れKが付着した舗装層1を改修する場合を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、舗装層1の意匠性を変化させるため、一部のタイル模様部10を剥離し、再舗装する場合などにも本発明を適用することができる。具体的には、表層材6に多様な顔料または骨材を配合し、隣接するタイル模様部10ごとに表層材6の色合いを変化させていくことで、市松模様やチェック模様、ストライブ、文字、または壁絵のような新たな模様を舗装層1上に表現させる場合などが考えられる。本例の舗装改修方法によれば、比較的簡単な方法で一部(または全部)の舗装層1を改修することができるため、かかる意匠変更にも迅速に対応することが可能である。
本発明の舗装改修方法によって再舗装された舗装層を示す斜視図である。 舗装層の断面を模式的に表した断面模式図である。 目地型枠部材の拡大断面図である。 加熱工程を示す説明図である。 剥離工程を示す説明図である。 再舗装工程を示す説明図である。
符号の説明
1 舗装層
3 基盤層
15 バーナー

Claims (1)

  1. 加熱によって変形しない難燃性の基盤層の表面に形成され、メチルメタクリレートモノマーを主成分とする熱可塑性の樹脂を含有する混合物からなる舗装層であって、目地部によって表面に碁盤目状の目地模様が形成されている舗装層を、バーナーで加熱する加熱工程と、
    前記目地部を改修部位及び非改修部位の境界とし、前記加熱工程によって加熱され軟化した前記舗装層を、前記基盤層の表面より剥離する剥離工程と、
    前記舗装層が剥離された前記基盤層の表面に、液状の混合物を塗布して硬化させることにより前記舗装層を再舗装する再舗装工程と
    を具備することを特徴とする舗装改修方法。
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