JP4390947B2 - 蓋体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、板紙とプラスチック層からなる積層体を成形することにより作製される容器に着脱しやすい蓋体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、板紙とプラスチック層からなる積層体を成形することにより作製される蓋に関しては、例えば、特開平8−26246号公報に記載されているような、、板紙の表面にポリプロピレン樹脂をラミネートし裏面にポリエチレン樹脂をラミネートした積層シートからなり、外周からその中心に向かって延びた直線状の溝を形成した円形状の原板を、溝に沿って絞り込んだ周壁を設け、周壁の下方部を内側に巻き込むように折り返して、天面部と天面部に連なる下方部が内側に折り返された周壁部とから構成した蓋体が知られている。
しかしながら、上記構成の蓋体の場合、ポリプロピレン/板紙/ポリエチレンからなる積層シートからなり、外周からその中心に向かって延びた直線状の溝を形成した円形状の原板を使用して作製されるものであり、溝に沿って絞り込んで周壁を設け次いで周壁の下方部を内側に巻き込むように折り返した際に、溝に沿って絞り込んだ際に生じるしわが周壁部と折返部において全長にわたって完全に重なった状態となり、重なった部分が浮いてしまい保形性がわるくなり、板紙内面のポリエチレン層により周壁部と折返部を熱接着して固定することが必須であった。
また、上記構成の積層シートの場合、ポリエチレン面の滑り角がポリプロピレン面の滑り角より大きくなるため、押罫が形成された周縁部を押罫に沿って絞り込んで円形状の天面板と円筒状の側面板を形成する第1段階の絞り成型時において雄型を抜き取る際に絞られた積層シートが雌型から抜け出すことがあり、絞り成型時の作業性が良くないという欠点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、板紙を基材とした積層体の金型によるプレス成形性および成型された蓋体の保形性が優れるとともに、容器本体への嵌合性、着脱性に優れた蓋体を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
プラスチック層と板紙層とが積層された円形板からなり、円形板の外周縁から中心に向かう方向と一定の角度をなす所定長さを有する複数本の押罫が、円形板の外周縁に沿って一定間隔で同一方向を向くように形成された構成からなるブランク板を、押罫が形成された周縁部を押罫に沿って絞り込んで円形の天面板と円筒状の側面板を形成し、側面板の先端部を内方に巻き込むように折り返して内側面板を形成した構成からなり、側面板と内側面板に垂直方向と一定の角度で傾斜する押罫に対応した絞りしわが形成された構成の蓋体とすることにより、蓋体の側面板と内側面板に形成される絞りしわのそれぞれが全長にわたって重なり合うことがないため、成形された蓋体の保形性が優れたものとなるとともに、内側面板の押罫と側面板の押罫が所定の角度となることにより支え合う構造となるので、側面板が外力に対して歪むことなく剛性の高い蓋体とすることができる。
【0005】
上記の蓋体において、前記押罫が規則的に配列される長さの異なる複数種類の押罫である構成とすることにより、押罫が形成された周縁部を、押罫に沿って絞り込んで円形状の天面板と円筒状の側面板を形成する際の絞り成型性が良好となる。
【0006】
上記の蓋体において、押罫の外端と円形板の中心を結ぶ中心線と中心線に隣接する押罫とが交差しないように形成された構成とすることにより、蓋体の側面板と内側面板に形成される絞りしわが重なることがないので、より優れた蓋体の保形性が得られる。
【0007】
上記の蓋体において、天面板に同心円状の段差が形成された構成とすることにより、段差がリブの働きをするので剛性のある蓋体とすることができる。
【0008】
上記の蓋体において、内側面板の上下方向の略中央部および下端部に全周にわたって内方への突出部が形成された構成とすることにより、筒状の容器の口部に取り付けた際の嵌合の強度が良好となる。
【0009】
上記の蓋体において、プラスチック層をプロピレンホモポリマー樹脂ないしはプロピレンコポリマー樹脂により形成することにより、これらのプロピレン樹脂は耐熱性、表面強度、透明性が良いので、蓋体を成形する際の加工性に優れるとともに外観、表面強度の優れた蓋体とすることができる。
【0010】
上記の蓋体において、プラスチック層をプロピレンホモポリマー樹脂ないしはプロピレンコポリマー樹脂を使用した熱溶融押出により積層した構成とすることにより、板紙層面に15〜30μ程度の厚さに薄く積層することができるので、ポリプロピレン樹脂のフィルムを積層した積層体と比較して低コストの蓋体とすることができる。
【0011】
上記の蓋体において、プラスチック層が紫外線硬化性樹脂により形成された構成とすることにより、板紙層の外面に印刷により絵柄層を形成する際に紫外線硬化性樹脂からなるインキにて印刷することによりプラスチック層を形成できるので、ポリプロピレン樹脂を熱溶融押出しして積層した構成と比較しても、プラスチック層を積層する工程の削減が可能となるので、さらに低コストの蓋体とすることができる。
【0012】
上記の蓋体において、板紙層のプラスチック層と反対側の面に樹脂液を印刷ないしはコーテイングすることより設けられた樹脂層が形成された構成とすることにより、内面側の樹脂層面の滑り角を外面側のプラスチック層面の滑り角よりも小さくして滑りやすくすることが容易となる。
【0013】
上記の蓋体において、樹脂層面の滑り角がプラスチック層面の滑り角より小さくされた構成とすることにより、第1段階の絞り成型時において雄型を抜き取る際に、第1段階の絞り成型が完了した蓋体が雌型から抜け出すことがなくなるので優れた成型時の作業性が得られる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を引用して本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の実施形態の表面側の斜視図、図2は本発明の実施形態の裏面側の斜視図、図3は本発明の実施形態の断面図、図4は本発明の実施形態のブランク板の平面図、図5は実施形態の蓋体の積層構成を示す図、図6は本発明の第2実施形態の裏面側の斜視図、図7は本発明の第2実施形態のブランク板の平面図であって、1, 1' は蓋体、2は天面板、3は側面板、4は内側面板、5, 5' は絞りしわ、6a, 6bは突出部、7a, 7bは段部、11はブランク板、12は天面板形成部、13は側面板形成部、14は内側面板形成部、15, 15', 15a, 15b は押罫、16a, 16bは折曲線、Lは中心線、21はプラスチック層、22は絵柄層、23は板紙層、24は樹脂層をそれぞれ表す。
【0015】
本発明の第1実施形態の蓋体1は、図5に示す外面から順にプラスチック層21と絵柄層22と板紙層23と樹脂層24が積層された構成からなる図4に示す形状のブランク板11を成形して作製される、図1〜図3に示す構成である。蓋体1の外形は図1、図2に示すように、円形状の天面板2と、天面板2の周縁から垂下する円筒状の側面板3と、側面板3の内側に巻き込むように折り返して形成された内側面板4とを有し、側面板3と内側面板4には天面板2に対する垂直方向と一定角度で傾斜する絞りしわ5が円周方向に同一方向に等間隔で形成されている。断面形状は図3に示すように、天面板2には同心円状の段部7aおよび段部7bが形成され、内側面板4には上下方向の略中央部および下端部に全周にわたって内方への突出部6aおよび突出部6bが形成されている。天面板2に形成された同心円状の段部7aおよび段部7bは天面板2に剛性を付与するためのものであり、側面板3の内面の上下方向の略中央部および下端部に全周にわたって形成された内方への突出部6aおよび突出部6bは、蓋体1を筒状の容器の口部に取り付ける際の嵌合強度を高めるためのものである。
【0016】
第1実施形態の蓋体を作製するためのブランク板11の形状は、図4に示すように、円形板であり、中央部は天面板形成部12とされ、周縁部には外周縁から内方に延びる、中心線に対して一定の角度をなす所定長さの押罫15が、円形板の外周縁に沿って等間隔で同一方向を向くように複数本形成された形状である。押罫15は、ブランク板が蓋体に成形された際に側面板3となる折曲線16a と折曲線16b とで囲まれた側面板形成部13および折曲線16b と円形板の外周縁とで囲まれた内側面板形成部14の内部に納まる長さに形成されており、押罫15の中心線Lに対して傾斜させる角度は、或る1つの押罫15a の外端を通る中心線Lに、押罫15a の内側に隣接する押罫15b の内端が接する角度に設定されている。したがって、外周縁における隣接する押罫15間の間隔が大きくなれば中心線Lに対して傾斜させる角度が大きくなり、間隔が小さくなれば傾斜させる角度が小さくなる。外周縁における隣接する押罫15の間隔としては3〜5mmとするのが適当である。外周縁における隣接する押罫15間の間隔を3mm以下にすると押罫15を形成するのが困難となり、逆に押罫15間の間隔を5mm以上にすると、絞り加工および折り返し加工により側面板3および内側面板4を形成した際に押罫以外の部分で絞られたりして見栄えが悪くなるので好ましくない。ブランク板11に形成する押罫15の巾は0.5〜1.0mm、深さは50〜200μ程度が適当であり、プラスチック層と板紙層が積層された積層体のプラスチック層面から形成される。
【0017】
本発明の第2実施形態の蓋体1'は、図5に示す外面から順にプラスチック層21と絵柄層22と板紙層23と樹脂層24が積層された構成からなる図7に示す形状のブランク板11' を成形して作製される、図6に示す構成である。第2実施形態の蓋体1'の内面は、図6に示すように、側面板3および内側面板4には天面板2に対する垂直方向と一定角度で傾斜する絞りしわ5および絞りしわ5, 5' が全周にわたって同一方向に等間隔で形成されている点を除けば、第1実施形態と同じ構成である。第2実施形態においては、内側面板4に形成される絞りしわ5, 5' の間隔が狭くなっている、絞り成形された蓋体1'の保形性が優れたものとなる。
【0018】
第2実施形態の蓋体を作製するためのブランク板11' の形状は、図7に示すように、折曲線16b と円形板の外周縁とで囲まれた内側面板形成部14において、隣接する押罫15の中央部に押罫15と同一角度で傾斜する短い押罫15' が全周にわたって形成されている点を除けば、第1実施形態のブランク板と同じ形状である。第2実施形態のブランク板11' では、周縁部に狭い間隔で押罫15および押罫15' が形成されているので、押罫15および押罫15' が形成された周縁部を押罫15,15'に沿って絞り込んで円形板の天面板と円筒状の側面板を形成する際の絞り成形性の優れたものとなる。ブランク板11' の外周縁に形成する押罫15と押罫15' の間隔としては2〜3mmが適当である。押罫15および押罫15' の巾、深さは第1実施形態と同じである。
【0019】
図4に示すブランク板11を使用して第1実施形態の蓋体1を作製するには、先ず、プラスチック層21と絵柄層22と板紙層23と樹脂層24からなる積層構成のブランク板11を、プラスチック層21が円筒状凹部を有する雌型側にくるようにして雌型の円筒状凹部とブランク板11の天面板形成部12が一致するように載置して、天面板形成部12を円筒状の雄型にてプレスして成型した後雄型を抜くことにより、ブランク板11の周縁部の押罫が形成された側面板形成部13と内側面板形成部14が絞られて、雌型の円筒状凹部に納まった状態の天面板の周縁から長い側面板が直立する円筒状の第1段階の成型品が得られる。次いで、長い側面板の端縁を内側に折り込むことにより、内側面板形成部14を折曲線16b の位置にて内方へ折り返して側面板形成部13により形成された側面板の内側に内側面板が形成される。最後に側面板と内側面板をプレスすることにより内側面板に突出部を形成することにより蓋体1が完成する。また、第2実施形態の蓋体1'についても、図7に示すブランク板11' を使用して第1実施形態と同様に作製できる。
【0020】
上記のように成形することにより、第1実施形態の蓋体1では、円形の天面板2と、天面板2の周縁から垂下する円筒状の側面板3と、その側面板3の内側に折り返されて形成された内側面板4を有する蓋体1が作製される。その際に、ブランク板の側面板形成部13と内側面板形成部14に、中心線Lに対して一定の角度で傾斜させて形成された押罫15に対応する絞りしわ5が、側面板3と内側面板4に天面板2に対する垂直方向と一定の角度で傾斜する斜め方向に形成されるものである。押罫15の傾斜する角度を上述のように設定しておくことにより、側面板3に成形された絞りしわ5と内側面板4に成形された絞りしわ5が重なることがないので、成形された蓋体1の保形性が優れたものとなるとともに、内側面板の押罫と側面板の押罫が所定の角度となることにより支え合う構造となるので、側面板が外力に対して歪むことなく剛性の高い蓋体とすることができる。また、第2実施形態の蓋体1'では、ブランク板11' の周縁部に狭い間隔で押罫15および押罫15' が形成されているので、絞り成形性の優れたものとなる。
【0021】
第1、第2実施形態の蓋体は、図5に示すように、外面から順にプラスチック層21と絵柄層22と板紙層23と樹脂層24が積層された構成からなる。外面のプラスチック層21を形成する樹脂としては、耐熱性および光沢に優れたプロピレンホモポリマー樹脂ないしはプロピレンコポリマー樹脂、紫外線硬化性樹脂等が使用できる。プラスチック層21に上記のプロピレン樹脂を使用する場合は、プロピレン樹脂のフィルムを板紙に積層してもよいし、プロピレン樹脂を熱溶融押出ラミネーションにて直接板紙面に積層してもよい。フィルムを積層した構成の場合にはプラスチック層が厚くなるのでコスト高になるが、熱溶融押出ラミネーションの場合には15〜30μの厚さに薄く積層することができるのでコストダウンを図ることが可能となる。蓋体を成形する際にはプラスチック層が外面になるように成形されるが、上記のプロピレン樹脂は耐熱性、表面強度が優れるので、成形された蓋体の保形性をよくするため加熱した金型を使用して、ブランク板を絞り加工、折り返し加工、圧着加工する場合の加工適性が良好となる。
【0022】
プロピレンホモポリマー樹脂として、主鎖に長鎖分岐構造をもつことにより従来のポリプロピレンの欠点であった溶融張力の低さを改良した高溶融張力ポリプロピレンが使用できる。上記の物性を備えたハイ・メルトストレングス・ポリプロピレン(HMS−PP)としては、例えば、Montell社HMS−PP(PF−611)が好適に使用できる。プロピレンコポリマー樹脂としては、プロピレン−エチレン共重合体ないしはプロピレンホモポリマー樹脂とポリエチレンのブレンド物からなり、エチレン成分が20〜30%含む組成のものが使用できる。上記のプロピレン樹脂を使用して熱溶融押出しすることにより、板紙面に15〜30μの厚さにプロピレン樹脂層を形成することができる。
【0023】
紫外線硬化性樹脂としては、ポリエステルアクリレート,ウレタンアクリレート,ポリエーテルアクリレート,エポキシアクリレート等のプレポリマー、単官能アクリレート,多官能アクリレート等のモノマー、ベンゾフェノン,アセトフェノン等の光重合開始剤、ワックス,非反応性ポリマー等の補助剤、酢酸エチル等の溶剤からなる公知の紫外線硬化性樹脂組成物が使用できる。上記の樹脂からなる紫外線硬化性樹脂からなるインキをグラビア印刷等により印刷して乾燥し紫外線を照射して硬化させることにより紫外線硬化性樹脂からなるプラスチック層を形成することができる。プラスチック層として紫外線硬化性樹脂を使用する場合は、板紙に絵柄層を印刷により形成する印刷工程にてプラスチック層を形成できるので製造工程が削減され低コスト化が可能となる。紫外線硬化性樹脂は耐熱性、表面強度が優れるので、ブランク板を絞り加工、折り返し加工、圧着加工する場合の加工適性が良好となる。
【0024】
樹脂層24を形成する樹脂としては、耐摩擦性、耐熱性、スリップ性の優れた、ニトロセルロース等のセルロース系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ゴム系樹脂、塩化ゴム・アクリル系樹脂、スチレン・アクリル系樹脂等が使用できるが、食品包装用容器の蓋体となる場合には、スチレン・アクリル系樹脂からなる水性エマルジョンタイプの樹脂が好適に使用できる。上記の樹脂からなる溶液ないしは水性エマルジョンをグラビア印刷版を使用して印刷することにより形成される。樹脂層24の厚さとしては1〜3g/m2 程度が適当であり、30〜40μm程度の版深を有するグラビア印刷版により形成することができる。樹脂層24の滑り角を小さくするために、上記の樹脂からなる溶液ないしは水性エマルジョンにスリップ剤等を添加してもよい。
【0025】
実施形態の蓋体の積層構成において、内側の樹脂層面の滑り角を外側のプラスチック層面の滑り角より小さくして滑りやすくされている。プラスチック層面の滑り角を8.5〜9.0度とし、樹脂層面とプラスチック層面の滑り角の差を1.5〜2.0度とするのが好ましい。プラスチック層面の滑り角が大きすぎると、第1段階の成型が完了した蓋体が雌型の凹部から抜けにくくなり、逆にプラスチック層面の滑り角が小さすぎると、第1段階の成型が完了した蓋体から雄型を抜く際に、雄型と一緒に第1段階の成型が完了した蓋体が雌型から抜け出してしまうという問題がでる。上記の滑り角の値は、水平台上に載置して固定した試料の上面に金属からなる錘を載せて水平台を傾斜させてゆき、試料面を錘が滑り始める角度により求めた値である。
【0026】
板紙としては、白ボール、マニラボール、カップ原紙、カード紙、アイボリー紙等の板紙が使用される。板紙を使用することによりプレス成形された容器を剛性の優れたものとすることができ、板紙の厚さとしては250〜400g/m2 の範囲のものが好ましい。板紙の外面側にグラビア印刷等により印刷層を設け、印刷層面に上記のプロピレン樹脂層を15〜30μの厚さに積層してブランク板用の積層体が作製される。板紙の内面側に樹脂層を形成しなくとも成形して作製された蓋体に保形性が得られるが、樹脂層を形成した方が成型された蓋体が湿気等の影響を受けにくくなるのでより保形性が優れたものとなる。なお、加熱により板紙の内面側に形成された樹脂層にて側面板と内側面板とを接着することも可能であり、この場合も側面板と内側面板の押罫に沿って形成された絞りしわが重なり合うことがないため、接着がより確実となり経時的に浮き上がることを防止することができる。
【0027】
【発明の効果】
プラスチック層と板紙層とが積層された円形板からなり、円形板の外周縁から中心に向かう方向と一定の角度をなす所定長さを有する複数本の押罫が、円形板の外周縁に沿って一定間隔で同一方向を向くように形成された構成からなるブランク板を、押罫が形成された周縁部を押罫に沿って絞り込んで円形の天面板と円筒状の側面板を形成し、側面板の先端部を内方に巻き込むように折り返して内側面板を形成した構成からなり、側面板と内側面板に垂直方向と一定の角度で傾斜する押罫に対応した絞りしわが形成された構成の蓋体とすることにより、蓋体の側面板と内側面板に形成される絞りしわのそれぞれが全長にわたって重なり合うことがないため、成形された蓋体の保形性が優れたものとなるとともに、内側面板の押罫と側面板の押罫が所定の角度となることにより支え合う構造となるので、側面板が外力に対して歪むことなく剛性の高い蓋体とすることができる。
上記の蓋体において、前記押罫が規則的に配列される長さの異なる複数種類の押罫である構成とすることにより、押罫が形成された周縁部を、押罫に沿って絞り込んで円形状の天面板と円筒状の側面板を形成する際の絞り成型性が良好となる。
上記の蓋体において、押罫の外端と円形板の中心を結ぶ中心線と中心線に隣接する押罫とが交差しないように形成された構成とすることにより、蓋体の側面板と内側面板に形成される絞りしわが重なることがないので、より優れた蓋体の保形性が得られる。
上記の蓋体において、天面板に同心円状の段差が形成された構成とすることにより、段差がリブの働きをするので剛性のある蓋体とすることができる。
上記の蓋体において、内側面板の上下方向の略中央部および下端部に全周にわたって内方への突出部が形成された構成とすることにより、筒状の容器の口部に取り付けた際の嵌合の強度が良好となる。
【0028】
上記の蓋体において、プラスチック層をプロピレンホモポリマー樹脂ないしはプロピレンコポリマー樹脂により形成することにより、これらのプロピレン樹脂は耐熱性、表面強度、透明性が良いので、蓋体を成形する際の加工性に優れるとともに外観、表面強度の優れた蓋体とすることができる。
上記の蓋体において、プラスチック層をプロピレンホモポリマー樹脂ないしはプロピレンコポリマー樹脂を使用した熱溶融押出により積層した構成とすることにより、板紙層面に15〜30μ程度の厚さに薄く積層することができるので、ポリプロピレン樹脂のフィルムを積層した積層体と比較して低コストの蓋体とすることができる。
上記の蓋体において、プラスチック層が紫外線硬化性樹脂により形成された構成とすることにより、板紙層の外面に印刷により絵柄層を形成する際に紫外線硬化性樹脂からなるインキにて印刷することによりプラスチック層を形成できるので、ポリプロピレン樹脂を熱溶融押出しして積層した構成と比較してもさらに低コストの蓋体とすることができる。
上記の蓋体において、板紙層のプラスチック層と反対側の面に樹脂液を印刷ないしはコーテイングすることにより設けられた樹脂層が形成された構成とすることにより、内面側の樹脂層面の滑り角を外面側のプラスチック層面の滑り角よも小さくして滑りやすくすることが容易となる。
上記の蓋体において、樹脂層面の滑り角がプラスチック層面の滑り角より小さくされた構成とすることにより、第1段階の絞り成型時において雄型を抜き取る際に絞られた積層シートが雌型から抜け出すことがなくなるので優れた成型性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の表面側の斜視図。
【図2】本発明の第1実施形態の裏面側の斜視図。
【図3】本発明の第1実施形態の断面図。
【図4】本発明の第1実施形態のブランク板の平面図。
【図5】実施形態の蓋体の積層構成を示す図。
【図6】本発明の第2実施形態の裏面側の斜視図。
【図7】本発明の第2実施形態のブランク板の平面図。
【符号の説明】
1,1' 蓋体 L 中心線
2 天面板 21 プラスチック層
3 側面板 22 絵柄層
4 内側面板 23 板紙層
5,5' 絞りしわ 24 樹脂層
6a, 6b 突出部
7a, 7b 段部
11, 11' ブランク板
12 天面板形成部
13 側面板形成部
14 内側面板形成部
15, 15a, 15b, 15' 押罫
16a, 16b 折曲線

Claims (10)

  1. プラスチック層と板紙層とが積層された円形板からなり、前記円形板の外周縁から中心に向かう方向と一定の角度をなす所定長さを有する複数本の押罫が、前記円形板の外周縁に沿って一定間隔で同一方向を向くように形成された構成からなるブランク板を、前記押罫が形成された周縁部を前記押罫に沿って絞り込んで円形の天面板と円筒状の側面板を形成し、前記側面板の先端部を内方に巻き込むように折り返して内側面板を形成した構成からなり、前記側面板と前記内側面板に垂直方向と一定の角度で傾斜する前記押罫に対応した絞りしわが形成された構成からなることを特徴とする蓋体。
  2. 前記押罫が規則的に配列される長さの異なる複数種類の押罫であることを特徴とする請求項1記載の蓋体。
  3. 前記押罫の外端と前記円形板の中心を結ぶ中心線と前記中心線に隣接する押罫とが交差しないように形成されていることを特徴とする請求項1記載の蓋体。
  4. 前記天面板に同心円状の段部が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の蓋体。
  5. 前記内側面板の上下方向の略中央部および下端部に全周にわたって内方への突出部が形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の蓋体。
  6. 前記プラスチック層がプロピレンホモポリマー樹脂ないしはプロピレンコポリマー樹脂により形成されたものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の蓋体。
  7. 前記プラスチック層がプロピレンホモポリマー樹脂ないしはプロピレンコポリマー樹脂を使用して熱溶融押出により積層されたものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の蓋体。
  8. 前記プラスチック層が紫外線硬化性樹脂により形成されたものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の蓋体。
  9. 前記板紙層の前記プラスチック層と反対側の面に樹脂液を印刷ないしはコーテイングすることより設けられた樹脂層が形成された構成からなることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の蓋体。
  10. 前記樹脂層面の滑り角が前記プラスチック層面の滑り角より小さくされた構成からなることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の蓋体。
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