JP3043974B2 - 紙製調理容器 - Google Patents
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Landscapes
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Description
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、紙製調理容器に関し、よ
り詳細には固形調理仕上品の取り出しが容易な紙製調理
容器に関する。
り詳細には固形調理仕上品の取り出しが容易な紙製調理
容器に関する。
【0002】
【従来の技術】チーズケーキ、チョコレートケーキ等の
各種ケーキ類或いはゼリーのような盛り付け時の見栄え
が重要な固形状の食品は、その外観を損なうことなく仕
上げることが必要である。しかしながら、かかる食品
は、液状、或いは半液状の原料を用いて、最終的に固化
成形させて調理完成するものであるため、調理時に原料
を充填するための調理容器が必須であり、そのために、
仕上がりまでに固形内容物が調理容器の内面に付着し
て、調理容器から固形調理仕上品をそのままの形態を損
なうことなく取り出すことが一般的に困難となる。特
に、チーズケーキ、チョコレートケーキ等のケーキ類を
加熱調理する場合には、固形内容物のこげつきが付着を
引起し、ゼリーのように調理時冷却固化させる場合に
は、固化する際に容器の内面との間に吸着を生じる。
各種ケーキ類或いはゼリーのような盛り付け時の見栄え
が重要な固形状の食品は、その外観を損なうことなく仕
上げることが必要である。しかしながら、かかる食品
は、液状、或いは半液状の原料を用いて、最終的に固化
成形させて調理完成するものであるため、調理時に原料
を充填するための調理容器が必須であり、そのために、
仕上がりまでに固形内容物が調理容器の内面に付着し
て、調理容器から固形調理仕上品をそのままの形態を損
なうことなく取り出すことが一般的に困難となる。特
に、チーズケーキ、チョコレートケーキ等のケーキ類を
加熱調理する場合には、固形内容物のこげつきが付着を
引起し、ゼリーのように調理時冷却固化させる場合に
は、固化する際に容器の内面との間に吸着を生じる。
【0003】かかる問題を解決すべく、折り込み式容器
が例えば、実開昭62-48929号公報に開示されている。こ
の折り込み式容器100 について図5を参照しながら簡単
に説明すれば、一枚の折り曲げ可能な円形板材からなる
容器で、円形板材に放射状の折り線102 と該折り線から
時計方向に所定角度傾斜した山折り線からなるひだ線10
4 とを適宜設けることによって、ひだを設けつつ円筒状
に折り畳み成形された側面部106 と、中間折線108 とひ
だ線110 とを同様に適宜設けて、折り畳み成形された蓋
部112 とを有する。この折り込み式容器100 によれば、
容器をばらして元通りに円形板材とすることにより、内
容物との付着を除去しつつ、内容物を取り出すことが可
能となる。しかしながら、容器自体に形作るためには折
り込み線自体を円形板材に複数設けることが強要され、
横断面を四角形、八角形と多角形から円形に近づけるほ
ど、折り込み線を多数設けることが必要となり、容器の
製造自体が複雑で、コスト高となる。又、本容器では、
上述のように内容物の取り出しは、容器の保形性が失わ
れることを意味するため、プリン、ゼリー等の半固体状
のものにあっては、取り出して移し代える前にこぼれ出
す恐れがある。
が例えば、実開昭62-48929号公報に開示されている。こ
の折り込み式容器100 について図5を参照しながら簡単
に説明すれば、一枚の折り曲げ可能な円形板材からなる
容器で、円形板材に放射状の折り線102 と該折り線から
時計方向に所定角度傾斜した山折り線からなるひだ線10
4 とを適宜設けることによって、ひだを設けつつ円筒状
に折り畳み成形された側面部106 と、中間折線108 とひ
だ線110 とを同様に適宜設けて、折り畳み成形された蓋
部112 とを有する。この折り込み式容器100 によれば、
容器をばらして元通りに円形板材とすることにより、内
容物との付着を除去しつつ、内容物を取り出すことが可
能となる。しかしながら、容器自体に形作るためには折
り込み線自体を円形板材に複数設けることが強要され、
横断面を四角形、八角形と多角形から円形に近づけるほ
ど、折り込み線を多数設けることが必要となり、容器の
製造自体が複雑で、コスト高となる。又、本容器では、
上述のように内容物の取り出しは、容器の保形性が失わ
れることを意味するため、プリン、ゼリー等の半固体状
のものにあっては、取り出して移し代える前にこぼれ出
す恐れがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、上記課題を解
決すべく、本願発明の第1の目的は、調理固形食品の種
類、形状に対応可能に、容易に製造でき且つ保形性を維
持しつつ調理固形食品を容易に取り出すことができる紙
製調理容器を提供することにある。又、本発明の第2の
目的は、調理固形食品の種類、形状に応じた上記紙製調
理容器によって、盛り付け時の見栄えの良い調理固形食
品を調理することができる固形食品調理セットを提供す
ることにある。
決すべく、本願発明の第1の目的は、調理固形食品の種
類、形状に対応可能に、容易に製造でき且つ保形性を維
持しつつ調理固形食品を容易に取り出すことができる紙
製調理容器を提供することにある。又、本発明の第2の
目的は、調理固形食品の種類、形状に応じた上記紙製調
理容器によって、盛り付け時の見栄えの良い調理固形食
品を調理することができる固形食品調理セットを提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の第1の発明の紙製調理容器にあっては、上
部開口を形成する周縁から、底部に向かって下方に延び
るしわを側部に有する紙容器において、該側部の内面に
は、該紙容器内に非保形性の材料を入れて調理して、固
化させた固形調理仕上品の外側面との付着部が形成さ
れ、前記しわによって形成されたたるみ部が、容器開口
の周方向に延伸可能であって、固形調理仕上品の前記上
部開口からの取り出し時に、該付着部における付着を除
去するための付着除去手段を形成する構成としてある。
又、前記固形調理仕上品は、前記非保形の材料を前記紙
製調理容器内で加熱調理したものからなり、前記付着部
は、固形調理仕上品の外側面に形成されるこげ目部であ
り、前記付着除去手段は、前記上部開口拡大手段を有す
るものでもよい。
に、本発明の第1の発明の紙製調理容器にあっては、上
部開口を形成する周縁から、底部に向かって下方に延び
るしわを側部に有する紙容器において、該側部の内面に
は、該紙容器内に非保形性の材料を入れて調理して、固
化させた固形調理仕上品の外側面との付着部が形成さ
れ、前記しわによって形成されたたるみ部が、容器開口
の周方向に延伸可能であって、固形調理仕上品の前記上
部開口からの取り出し時に、該付着部における付着を除
去するための付着除去手段を形成する構成としてある。
又、前記固形調理仕上品は、前記非保形の材料を前記紙
製調理容器内で加熱調理したものからなり、前記付着部
は、固形調理仕上品の外側面に形成されるこげ目部であ
り、前記付着除去手段は、前記上部開口拡大手段を有す
るものでもよい。
【0006】さらに、前記非保形材料は、液体からな
り、前記付着部は、前記非保形材料の固化時に、前記側
部の内面と前記固形調理仕上品の外側面との間に形成さ
れる空気導入部であり、前記付着除去手段は、固形調理
仕上品の外側面と前記側部の内面との間に空気を流入さ
せるための空気流入手段を有するものでもよい。加え
て、前記紙製調理容器は、紙ブランクを絞り成形して形
成されるのが好ましい。さらに又、前記紙ブランクに
は、その表面に予め圧印した予備しわが形成されるのが
よい。又、前記紙製調理容器は、回転対称な形状を有す
るのが好ましい。
り、前記付着部は、前記非保形材料の固化時に、前記側
部の内面と前記固形調理仕上品の外側面との間に形成さ
れる空気導入部であり、前記付着除去手段は、固形調理
仕上品の外側面と前記側部の内面との間に空気を流入さ
せるための空気流入手段を有するものでもよい。加え
て、前記紙製調理容器は、紙ブランクを絞り成形して形
成されるのが好ましい。さらに又、前記紙ブランクに
は、その表面に予め圧印した予備しわが形成されるのが
よい。又、前記紙製調理容器は、回転対称な形状を有す
るのが好ましい。
【0007】なお前記しわは、前記周縁の全体に亘って
分散しているのがよい。さらに、内面が、ポリメチルペ
ンテンによって被覆されているのがよい。加えて、該周
縁から外方に突出するフランジをさらに有するのがよ
い。上記目的を達成するために、本発明の第2の発明の
固形食品調理セットにあっては、上記の紙製調理容器
と、該紙製調理容器内で調理し、固化させて固形調理仕
上品にするための非保形性の材料と、を有する構成とし
てある。
分散しているのがよい。さらに、内面が、ポリメチルペ
ンテンによって被覆されているのがよい。加えて、該周
縁から外方に突出するフランジをさらに有するのがよ
い。上記目的を達成するために、本発明の第2の発明の
固形食品調理セットにあっては、上記の紙製調理容器
と、該紙製調理容器内で調理し、固化させて固形調理仕
上品にするための非保形性の材料と、を有する構成とし
てある。
【0008】
【作用】本願発明は、強度及び延性に富んでいない紙を
絞り成形により容器に形成する場合、開口を形成する周
縁から底部に向かって延びるしわが主に側部に生じるこ
とに着目し、かかるしわを利用して内容物の取り出しを
容易にすることに特徴を有する。以上の構成を有する本
発明の紙製調理容器によれば、紙製調理容器内で調理し
た固形調理仕上品を取り出す際、上部開口を形成する周
縁から底部に向かって延びるしわを容器に周方向に手で
伸ばすことにより、調理固形食品の外表面と容器の内面
との間に形成された付着部を解離させるとともに、側部
に形成されたたるみ部の消失によって上部開口を拡大す
ることが可能となり、以て調理固形食品に直接触れるこ
となく調理食品の容易な取り出しを可能にすることがで
きる。
絞り成形により容器に形成する場合、開口を形成する周
縁から底部に向かって延びるしわが主に側部に生じるこ
とに着目し、かかるしわを利用して内容物の取り出しを
容易にすることに特徴を有する。以上の構成を有する本
発明の紙製調理容器によれば、紙製調理容器内で調理し
た固形調理仕上品を取り出す際、上部開口を形成する周
縁から底部に向かって延びるしわを容器に周方向に手で
伸ばすことにより、調理固形食品の外表面と容器の内面
との間に形成された付着部を解離させるとともに、側部
に形成されたたるみ部の消失によって上部開口を拡大す
ることが可能となり、以て調理固形食品に直接触れるこ
となく調理食品の容易な取り出しを可能にすることがで
きる。
【0009】以上の構成を有する本発明の固形食品調理
セットによれば、特定の固形食品に適したしわの大き
さ、本数等を備え、且つ仕上がり時の固形食品の収まり
がよい紙製調理容器に原料を仕込んで、調理し、完成し
た固形食品を取り出すことによって、外観を維持しつつ
見た目のいい調理食品を提供することが可能になる。
セットによれば、特定の固形食品に適したしわの大き
さ、本数等を備え、且つ仕上がり時の固形食品の収まり
がよい紙製調理容器に原料を仕込んで、調理し、完成し
た固形食品を取り出すことによって、外観を維持しつつ
見た目のいい調理食品を提供することが可能になる。
【0010】
【発明の実施の形態】チーズケーキを調理する場合を例
に、本発明の実施例を添付図面を参照して以下に詳細に
説明する。図1において、紙製調理容器10は、円形の
底部12と、該底部12の周縁14から上部開口16を
形成する周縁18まで延びる側部20とを有し、底部内
面13と側部内面21とによって、調理完成したチーズ
ケーキを収容するための収容空間が容器10の内部に形
成されている。収容空間の大きさは、調理する内容物と
の関係で、例えば底部12の大きさ、側部12の高さ等
を適宜選択すればよい。周縁18には、周縁18から外
方に突出するフランジ22が形成され、さらにフランジ
22はエッジカール仕上げされている。このフランジ2
2を設けることにより、容器10、特に側部20の保形
性を高めるとともに、容器10の持ち運び時の便宜を図
ることができ、並びに内容物との関係で容器10に蓋を
する必要がある場合には、該蓋とのシール部を容易に形
成することができる。
に、本発明の実施例を添付図面を参照して以下に詳細に
説明する。図1において、紙製調理容器10は、円形の
底部12と、該底部12の周縁14から上部開口16を
形成する周縁18まで延びる側部20とを有し、底部内
面13と側部内面21とによって、調理完成したチーズ
ケーキを収容するための収容空間が容器10の内部に形
成されている。収容空間の大きさは、調理する内容物と
の関係で、例えば底部12の大きさ、側部12の高さ等
を適宜選択すればよい。周縁18には、周縁18から外
方に突出するフランジ22が形成され、さらにフランジ
22はエッジカール仕上げされている。このフランジ2
2を設けることにより、容器10、特に側部20の保形
性を高めるとともに、容器10の持ち運び時の便宜を図
ることができ、並びに内容物との関係で容器10に蓋を
する必要がある場合には、該蓋とのシール部を容易に形
成することができる。
【0011】紙製調理容器10の製造方法について説明
すれば、紙製調理容器10はダイ及びパンチ(いずれも
図示せず)を用いた一般的な絞り成形によって、容器1
0の内面を形成する面にポリメチルペンテンを予め被覆
した板状の紙ブランク(図示せず)から成形される。ポ
リメチルペンテン自体は、200 °C 前後まで耐熱性を有
し、ポリエチレンテレフタレートより耐付着性に優れ、
ポリプロピレンより耐油性に優れた周知の特性を有す
る。容器10を成形すべく、紙ブランクの周縁を所定の
圧縮力で保持しつつ、紙ブランクをパンチによってダイ
に押圧する際、側部20には周縁18から底部12に向
かって延びるしわ24が、生じる。特に、図1に示すよ
うに、容器10を回転対称形状とした場合には、上部開
口16は円形となり、しわ24が周縁18の略全体に亘
って分散した形態で形成される。従って、後に説明する
ように、内容物の特性、特に側部内面21との付着性が
強い場合には、容器10を回転対称形状にすると都合が
良い。又、内容物の特性との関連で、しわ24の所望本
数、所望分布及び所望長さ等を得るためには、紙ブラン
クに予め予備しわ24を周知の方法で圧印しておけばよ
い。これによって又、容器10自体の美観を向上させる
ことも可能となる。
すれば、紙製調理容器10はダイ及びパンチ(いずれも
図示せず)を用いた一般的な絞り成形によって、容器1
0の内面を形成する面にポリメチルペンテンを予め被覆
した板状の紙ブランク(図示せず)から成形される。ポ
リメチルペンテン自体は、200 °C 前後まで耐熱性を有
し、ポリエチレンテレフタレートより耐付着性に優れ、
ポリプロピレンより耐油性に優れた周知の特性を有す
る。容器10を成形すべく、紙ブランクの周縁を所定の
圧縮力で保持しつつ、紙ブランクをパンチによってダイ
に押圧する際、側部20には周縁18から底部12に向
かって延びるしわ24が、生じる。特に、図1に示すよ
うに、容器10を回転対称形状とした場合には、上部開
口16は円形となり、しわ24が周縁18の略全体に亘
って分散した形態で形成される。従って、後に説明する
ように、内容物の特性、特に側部内面21との付着性が
強い場合には、容器10を回転対称形状にすると都合が
良い。又、内容物の特性との関連で、しわ24の所望本
数、所望分布及び所望長さ等を得るためには、紙ブラン
クに予め予備しわ24を周知の方法で圧印しておけばよ
い。これによって又、容器10自体の美観を向上させる
ことも可能となる。
【0012】図2及び図3はそれぞれ、しわ24の伸ば
し前後の、側部20の一部の部分概略断面図である。図
2を参照すれば、各しわ24によって紙製調理容器10
は周方向にたるみ部26を有し、後に詳しく説明するよ
うに、内容物を取り出す際に、図3に示すように、しわ
24を周方向に伸ばして、たるみ部26を略消失させる
ことにより、内容物の外表面と紙製調理容器10の内面
との間の付着部を解離させることができるようになって
いる。又、1つのしわ24を容器10の周方向に伸ばせ
ば、容器10の側部内面21全体を内容物の外表面に対
して相対的に周方向に移動させることになるため、必ず
しも付着部近傍のしわ24を全て伸ばす必要はない。換
言すれば、周縁18に沿って複数存在するしわ24の一
部を伸ばせば、容器10内面全体に形成された付着部に
対して解離効果を及ぼすことが可能になる。
し前後の、側部20の一部の部分概略断面図である。図
2を参照すれば、各しわ24によって紙製調理容器10
は周方向にたるみ部26を有し、後に詳しく説明するよ
うに、内容物を取り出す際に、図3に示すように、しわ
24を周方向に伸ばして、たるみ部26を略消失させる
ことにより、内容物の外表面と紙製調理容器10の内面
との間の付着部を解離させることができるようになって
いる。又、1つのしわ24を容器10の周方向に伸ばせ
ば、容器10の側部内面21全体を内容物の外表面に対
して相対的に周方向に移動させることになるため、必ず
しも付着部近傍のしわ24を全て伸ばす必要はない。換
言すれば、周縁18に沿って複数存在するしわ24の一
部を伸ばせば、容器10内面全体に形成された付着部に
対して解離効果を及ぼすことが可能になる。
【0013】以上の構成を有する紙製調理容器10につ
いて、以下にその作用を説明する。チーズケーキの原料
は、クリームチーズ46.5g、チーズフレーバー0.
5g、グラニュー糖55.0g、ショートニング10.
0gを混練した後、合成樹脂製容器に密封収納されたペ
ースト状の原料と、小麦粉34.0g、粉末食物繊維
6.0g、ベーキングパウダー2.2gを合成樹脂製袋
に密封収納した粉体原料(いずれも図示せず)とからな
る。先ず、オーブンを170°Cに予熱して、上記原料
の他、牛乳(小さじ2杯分、約30cc)と卵2個を用
意する。紙製調理容器10にペースト原料、粉体原料を
この順に入れ、紙製調理容器10の中でペースト原料と
粉体原料とが均一に混合するようにスプーン等を用いて
攪拌する。次に、予め溶いておいた卵2個と牛乳30c
cとを均一攪拌した上述の原料中に添加し、ダマがなく
なり、生地全体が滑らかになるまでかき混ぜる。このと
き、焼き上がったチーズケーキの容器10との付着を避
けるべく、きめの細かいチーズケーキを焼くために、卵
を数回に別けて入れてダマを生じにくくするのが好まし
い。以上の工程で生成されたチーズケーキ生地を紙製調
理容器10に入れたまま、予熱待機のオーブンの中に紙
製調理容器10ごと入れて、30分乃至35分かけて焼
成する。このとき、紙製容器10の内面には、ポリメチ
ルペンテンが被覆されているので、耐熱性が確保され、
且つ加熱時に原料から出る油分が紙部分までしみ込むこ
とが防止される。焼成時、チーズケーキの外表面には、
こげ部が形成されて、容器10の内面との付着部28を
形成する。以上により、容器10の内面全体に亘って一
体に成形されたチーズケーキが完成する。
いて、以下にその作用を説明する。チーズケーキの原料
は、クリームチーズ46.5g、チーズフレーバー0.
5g、グラニュー糖55.0g、ショートニング10.
0gを混練した後、合成樹脂製容器に密封収納されたペ
ースト状の原料と、小麦粉34.0g、粉末食物繊維
6.0g、ベーキングパウダー2.2gを合成樹脂製袋
に密封収納した粉体原料(いずれも図示せず)とからな
る。先ず、オーブンを170°Cに予熱して、上記原料
の他、牛乳(小さじ2杯分、約30cc)と卵2個を用
意する。紙製調理容器10にペースト原料、粉体原料を
この順に入れ、紙製調理容器10の中でペースト原料と
粉体原料とが均一に混合するようにスプーン等を用いて
攪拌する。次に、予め溶いておいた卵2個と牛乳30c
cとを均一攪拌した上述の原料中に添加し、ダマがなく
なり、生地全体が滑らかになるまでかき混ぜる。このと
き、焼き上がったチーズケーキの容器10との付着を避
けるべく、きめの細かいチーズケーキを焼くために、卵
を数回に別けて入れてダマを生じにくくするのが好まし
い。以上の工程で生成されたチーズケーキ生地を紙製調
理容器10に入れたまま、予熱待機のオーブンの中に紙
製調理容器10ごと入れて、30分乃至35分かけて焼
成する。このとき、紙製容器10の内面には、ポリメチ
ルペンテンが被覆されているので、耐熱性が確保され、
且つ加熱時に原料から出る油分が紙部分までしみ込むこ
とが防止される。焼成時、チーズケーキの外表面には、
こげ部が形成されて、容器10の内面との付着部28を
形成する。以上により、容器10の内面全体に亘って一
体に成形されたチーズケーキが完成する。
【0014】焼成後、フランジ22を持って容器10を
オーブンから取り出し、チーズケーキを容器10から取
り出す。このとき、外周縁をエッジカール仕上げしたフ
ランジ22によって、容器10は内容物の重さによって
も保形性を失わず、取り出しに支障を生じることがな
い。容器10のしわ24の幾つかを周方向に伸ばすこと
により、側部20内面をチーズケーキに対して相対的に
周方向に移動させて、付着を解離することができる。特
に周縁18付近のしわ24を伸ばせば、上部開口16を
拡大させることができる。これによって、チーズケーキ
の外側面と紙製調理容器10の側内面21との間にスプ
ーン或いはフォーク等を突っ込むことなく、換言すれば
チーズケーキの外表面に直接触れることなくチーズケー
キを容器10の上部開口16から容易に取り出すことが
できる。チーズケーキの容器10への付着が強い場合に
は、側部20の周縁18付近だけでなく、底部12に向
かって延びるしわ24全体に亘って周方向に伸ばすこと
により、チーズケーキの外表面と容器10の内面との間
に間隙を確保することが可能になり、その分なお取り出
しを容易にすることができる。
オーブンから取り出し、チーズケーキを容器10から取
り出す。このとき、外周縁をエッジカール仕上げしたフ
ランジ22によって、容器10は内容物の重さによって
も保形性を失わず、取り出しに支障を生じることがな
い。容器10のしわ24の幾つかを周方向に伸ばすこと
により、側部20内面をチーズケーキに対して相対的に
周方向に移動させて、付着を解離することができる。特
に周縁18付近のしわ24を伸ばせば、上部開口16を
拡大させることができる。これによって、チーズケーキ
の外側面と紙製調理容器10の側内面21との間にスプ
ーン或いはフォーク等を突っ込むことなく、換言すれば
チーズケーキの外表面に直接触れることなくチーズケー
キを容器10の上部開口16から容易に取り出すことが
できる。チーズケーキの容器10への付着が強い場合に
は、側部20の周縁18付近だけでなく、底部12に向
かって延びるしわ24全体に亘って周方向に伸ばすこと
により、チーズケーキの外表面と容器10の内面との間
に間隙を確保することが可能になり、その分なお取り出
しを容易にすることができる。
【0015】次いで、上部開口16を下に向ければ、チ
ーズケーキは自重で落下し、容器10から取り出され
る。なお、付着部が容器10の底部12との間に形成さ
れることがあるが、かかる付着は、側部20における付
着とは異なり、自重で落下させる際に自然に解離され
る。又、容器10内面をポリメチルペンテンで被覆すれ
ば、内面に付着したこげつき等を洗い落としても容器1
0の劣化を防止することが可能となるので、チーズケー
キ等の取り出しの際、伸ばしたしわ24が少ない場合に
あっては、容器10の再使用が可能になり、なお再使用
時にも容易な取り出しを行うことができる。以上、チー
ズケーキを例として、本発明の好ましい実施例を説明し
たが、本発明の範囲又は精神に逸脱することなく、特許
請求の範囲に記載された技術的事項の範囲内において開
示した実施例に種々の変更をすることができる。例え
ば、調理品はチーズケーキに限定されることなく、各種
ケーキ類、蒸しパン、豆腐等の容器内で加熱調理するも
の、プリン、ゼリー等の容器内で冷却固化させるものな
ら全て適する。特に、プリン、ゼリー等の冷却固化食品
にあっては、側部20のしわ24を伸ばすことにより内
容物の外表面と側部内面21との間に形成された減圧部
に空気を流入させることにより、プリンの容器10への
吸着を解離させることができる。 又、紙製調理容器
は、円形開口のものに限定されず、図4に示すような略
矩形開口で、四隅に丸み部40を有する紙製調理容器3
0であってもよい。この場合、図4に示すように、絞り
成形時、しわ24は一般的に丸み部40に集中する傾向
にあるが、内容物との関係で周縁18全体に亘ってしわ
24を分散させたい場合には、内容物との関係におい
て、しわ24の長さ、本数等は適宜選択しつつ、上述の
予備しわ24を所望に設けて容器10を成形すればよ
い。
ーズケーキは自重で落下し、容器10から取り出され
る。なお、付着部が容器10の底部12との間に形成さ
れることがあるが、かかる付着は、側部20における付
着とは異なり、自重で落下させる際に自然に解離され
る。又、容器10内面をポリメチルペンテンで被覆すれ
ば、内面に付着したこげつき等を洗い落としても容器1
0の劣化を防止することが可能となるので、チーズケー
キ等の取り出しの際、伸ばしたしわ24が少ない場合に
あっては、容器10の再使用が可能になり、なお再使用
時にも容易な取り出しを行うことができる。以上、チー
ズケーキを例として、本発明の好ましい実施例を説明し
たが、本発明の範囲又は精神に逸脱することなく、特許
請求の範囲に記載された技術的事項の範囲内において開
示した実施例に種々の変更をすることができる。例え
ば、調理品はチーズケーキに限定されることなく、各種
ケーキ類、蒸しパン、豆腐等の容器内で加熱調理するも
の、プリン、ゼリー等の容器内で冷却固化させるものな
ら全て適する。特に、プリン、ゼリー等の冷却固化食品
にあっては、側部20のしわ24を伸ばすことにより内
容物の外表面と側部内面21との間に形成された減圧部
に空気を流入させることにより、プリンの容器10への
吸着を解離させることができる。 又、紙製調理容器
は、円形開口のものに限定されず、図4に示すような略
矩形開口で、四隅に丸み部40を有する紙製調理容器3
0であってもよい。この場合、図4に示すように、絞り
成形時、しわ24は一般的に丸み部40に集中する傾向
にあるが、内容物との関係で周縁18全体に亘ってしわ
24を分散させたい場合には、内容物との関係におい
て、しわ24の長さ、本数等は適宜選択しつつ、上述の
予備しわ24を所望に設けて容器10を成形すればよ
い。
【0016】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の紙製調理容器によれば、該容器で調理した固形食品に
直接触れることなく、容易に該容器から取り出すことが
できる。又、絞り成形時に側部に生じるしわを利用する
ことにより、製造が容易で、且つ内容物の取り出しが容
易な紙製調理容器を提供することができる。さらに、本
発明の固形食品調理セットによれば、原料を紙製調理容
器に充填して、調理し、該容器から取り出すことによ
り、該容器により形作られた外観そのままの、見た目の
きれいな固形食品を提供することができる。
の紙製調理容器によれば、該容器で調理した固形食品に
直接触れることなく、容易に該容器から取り出すことが
できる。又、絞り成形時に側部に生じるしわを利用する
ことにより、製造が容易で、且つ内容物の取り出しが容
易な紙製調理容器を提供することができる。さらに、本
発明の固形食品調理セットによれば、原料を紙製調理容
器に充填して、調理し、該容器から取り出すことによ
り、該容器により形作られた外観そのままの、見た目の
きれいな固形食品を提供することができる。
【図1】本発明の実施例に係る紙製調理容器の斜視図で
ある。
ある。
【図2】図1の紙製調理容器の側部の一部の、しわを伸
ばす前の部分概略断面図である。
ばす前の部分概略断面図である。
【図3】図1の紙製調理容器の側部の位置部の、しわを
伸ばした後の部分概略断面図である。
伸ばした後の部分概略断面図である。
【図4】本発明の変形例に係る紙製調理容器の斜視図で
ある。
ある。
【図5】従来の折り畳式容器の斜視図である。
A 固形調理仕上品 10 紙製調理容器 12 底部 16 上部開口 18 周縁 20 側部 22 フランジ 24 しわ 26 たるみ部 28 付着部 40 丸み部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 八木 理恵 大阪府東大阪市御厨栄町1丁目5番7号 ハウス食品株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−199337(JP,A) 実開 昭49−102085(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65D 81/34 B65D 1/26 B65D 85/50
Claims (10)
- 【請求項1】 上部開口を形成する周縁から、底部に向
かって下方に延びるしわを側部に有する紙容器におい
て、 該側部の内面には、該紙容器内に非保形性の材料を入れ
て調理して、固化させた固形調理仕上品の外側面との付
着部が形成され、 前記しわによって形成されたたるみ部が、容器開口の周
方向に延伸可能であって、固形調理仕上品の前記上部開
口からの取り出し時に、該付着部における付着を除去す
るための付着除去手段を形成することを特徴とする紙製
調理容器。 - 【請求項2】 前記固形調理仕上品は、前記非保形の材
料を前記紙製調理容器内で加熱調理したものからなり、 前記付着部は、固形調理仕上品の外側面に形成されるこ
げ目部であり、 前記付着除去手段は、前記上部開口拡大手段を有する請
求項1に記載の紙製調理容器。 - 【請求項3】 前記非保形材料は、液体からなり、 前記付着部は、前記非保形材料の固化時に、前記側部の
内面と前記固形調理仕上品の外側面との間に形成される
空気導入部であり、 前記付着除去手段は、固形調理仕上品の外側面と前記側
部の内面との間に空気を流入させるための空気流入手段
を有する請求項1に記載の紙製調理容器。 - 【請求項4】 前記紙製調理容器は、紙ブランクを絞り
成形して形成される請求項1乃至請求項3のいずれか1
項に記載の紙製調理容器。 - 【請求項5】 前記紙ブランクには、その表面に予め圧
印した予備しわが形成される請求項4に記載の紙製調理
容器。 - 【請求項6】 前記紙製調理容器は、回転対称な形状を
有する請求項4又は請求項5に記載の紙製調理容器。 - 【請求項7】 前記しわは、前記周縁の全体に亘って分
散している請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載
の紙製調理容器。 - 【請求項8】 内面が、ポリメチルペンテンによって被
覆されている請求項1又は請求項7のいずれか1項に記
載の紙製調理容器。 - 【請求項9】 該周縁から外方に突出するフランジをさ
らに有する請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載
の紙製調理容器。 - 【請求項10】 請求項1乃至請求項9のいずれか1項に
記載の紙製調理容器と、 該紙製調理容器内で調理し、固化させて固形調理仕上品
にするための非保形性の材料と、 を有する固形食品調理セット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18700495A JP3043974B2 (ja) | 1995-07-24 | 1995-07-24 | 紙製調理容器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18700495A JP3043974B2 (ja) | 1995-07-24 | 1995-07-24 | 紙製調理容器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0940035A JPH0940035A (ja) | 1997-02-10 |
JP3043974B2 true JP3043974B2 (ja) | 2000-05-22 |
Family
ID=16198527
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18700495A Expired - Fee Related JP3043974B2 (ja) | 1995-07-24 | 1995-07-24 | 紙製調理容器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3043974B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4390947B2 (ja) * | 1999-07-22 | 2009-12-24 | 大日本印刷株式会社 | 蓋体 |
JP5405997B2 (ja) * | 2009-12-07 | 2014-02-05 | 三菱アルミニウム株式会社 | 食品収容用小形容器 |
-
1995
- 1995-07-24 JP JP18700495A patent/JP3043974B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0940035A (ja) | 1997-02-10 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |