JP4382112B2 - ゴルフボール及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリウレタンカバーを有するゴルフボール及びその製造方法に関するものであり、より詳細には、ゴルフボールのカバーの耐擦過傷性およびコントロール性の改良技術に関するものである。
ゴルフボールのカバーを構成する基材樹脂としては、アイオノマー樹脂やポリウレタン樹脂が使用されている。アイオノマー樹脂を使用したカバーは、反発性や耐久性、加工性などに優れることから広く使用されている。アイオノマー樹脂カバーは、高い剛性と硬度を有するために打球感が悪く、また、スピン性能も十分なものが得られず、コントロール性が劣るなどの問題が指摘されている。一方、アイオノマー樹脂に比べて打球感やスピン特性が向上することから、カバーを構成する基材樹脂として、ポリウレタン樹脂が使用されている。しかしながら、近年、ゴルフボールのカバーの厚みを薄くしたり(薄カバー化)、ゴルフクラブの進化(高反発化、低スピン化、フェースの溝形状の変化)にともなって、ゴルフボールのカバー性能を一層向上させることが求められ、従来のポリウレタン樹脂を使用したカバーの耐擦過傷性やスピン性能は満足できるレベルではなくなってきている。このような状況に鑑みて、例えば、特許文献1〜5には、カバーを構成する基材樹脂に有機短繊維、ガラス、金属、粘土鉱物などの充填剤を配合して、カバーの特性を改善することが提案されている。また、ポリウレタンの機械的特性を向上する技術として、例えば、特許文献6および特許文献7がある。
特開2002−136618号公報 特表2002−539905号公報 特表2003−511116号公報 特開2006−43447号公報 特表2004−504900号公報 特開平10−168305号公報 大韓民国特開2005−0112693号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、ポリウレタンカバーを有するゴルフボールについて、耐擦過傷性およびスピン性能を向上することを課題とする。
上記課題を解決することのできた本発明のゴルフボールは、コアと前記コアを被覆するカバーとを有するゴルフボールであって、前記カバーは、層状珪酸塩と分子鎖に2級または3級アミン構造を有するポリウレタン樹脂とを含有することを特徴とする。本発明において、カバーを構成する樹脂成分として使用するポリウレタン樹脂は、分子鎖に2級または3級アミン構造を有しているので、充填剤として使用する層状珪酸塩との相互作用が強く、充填剤による補強効果が一層高くなる。その結果、得られるカバーの耐擦過傷性とスピン性能が向上する。分子鎖に2級または3級アミン構造を有するポリウレタン樹脂と層状珪酸塩との相互作用としては、例えば、前記2級または3級アミン構造が、陽イオン化されて、静電相互作用によって前記層状珪酸塩と結合している態様を挙げることができる。
本発明のゴルフボールのカバーは、ポリイソシアネートとポリオールと2級または3級アミン構造を有するポリオールで処理されたポリオール複合化層状珪酸塩とを含有するカバー用組成物から形成されたものであることが好ましい。ここで、「2級または3級アミン構造を有するポリオールで処理されたポリオール複合化層状珪酸塩」とは、ポリオールが有する2級または3級アミン構造が陽イオン化されることによって、陽イオン化されたポリオールが、層状珪酸塩の層間に挿入し、静電相互作用によって、前記層状珪酸塩と結合している層状珪酸塩である。すなわち、上記好ましい態様は、層状珪酸塩の層間に挿入している比較的低分子量の陽イオン化ポリオールとポリイソシアネートとポリオールとを反応させて高分子量化するという態様であり、層状珪酸塩の層間に容易に陽イオン化ポリウレタン樹脂を挿入させることができる。
また、前記2級または3級アミン構造を有するポリオールで処理されたポリオール複合化層状珪酸塩として、2級または3級アミン構造を有するウレタンポリオールで処理されたウレタンポリオール複合化層状珪酸塩を使用することが好適である。分子量が比較的大きいウレタンポリオールで複合化することによって、層状珪酸塩の層間距離が大きくなる。その結果、層状珪酸塩の層間に存在するウレタンポリオールが、ポリイソシアネートと反応しやすくなるからである。
本発明には、分子内に2級または3級アミン構造を有するポリオールを陽イオン化する工程、層状珪酸塩を前記陽イオン化されたポリオールに分散して、ポリオール複合化層状珪酸塩を得る工程、前記ポリオール複合化層状珪酸塩とポリオールとポリイソシアネートを混合して、カバー用組成物を調製する工程、および、前記カバー用組成物を用いてカバーを成型する工程とを含むことを特徴とするゴルフボールの製造方法が含まれる。
本発明によれば、耐擦過傷性およびスピン性能が高いゴルフボールが得られる。
本発明のゴルフボールは、コアと前記コアを被覆するカバーとを有するゴルフボールであって、前記カバーは、層状珪酸塩と分子鎖に2級または3級アミン構造を有するポリウレタン樹脂とを含有することを特徴とする。
(1)層状珪酸塩と分子鎖中に2級または3級アミン構造を有するポリウレタン樹脂の相互作用について
本発明において、カバーを構成する樹脂成分として使用するポリウレタン樹脂は、分子鎖に2級アミンまたは3級アミン構造を有しているので、充填剤として使用する層状珪酸塩との相互作用が強く、得られるカバーの充填剤による補強効果が一層高くなる。層状珪酸塩の層間に存在する陽イオンは、一般に他の陽イオンによって交換可能である(陽イオン交換性)。この性質を利用して、層状珪酸塩の層間に他の陽イオン性物質を挿入することができる。図1は、層状珪酸塩と分子鎖に3級アミン構造を有するポリウレタン樹脂の相互作用を模式的に説明する説明図である。図1に示したように、分子鎖に3級アミン構造2を有するポリウレタン樹脂3は、その3級アミン構造2が陽イオン化され、層状珪酸塩1の層間に挿入し静電相互作用によって層状の珪酸塩と結合している。
本発明では、斯かる構成を採用することによって、カバーを構成する樹脂成分と充填剤との相互作用が一層強くなって、充填剤による補強効果が高くなる。その結果、得られるカバーの耐擦過傷性やスピン性能を向上させることができる。
(2)本発明で使用する層状珪酸塩について
本発明で使用する「層状珪酸塩」としては、層状の構造を有する珪酸塩であって、例えば、カオリナイト、デッカナイト、ハロイサイト、クリソタイル、リザーダイト、アメサイトなどのカオリナイト族の層状珪酸塩、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、鉄サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチブンサイトなどのスメクタイト族の層状珪酸塩、2八面体型バーミキュライト、3八面体方バーミキュライトなどのバーミキュライト族、白雲母、パラゴナイト、金雲母、黒雲母、レピドライトなどの雲母族の層状珪酸塩、マーガライト、クリントナイト、アナンダイトなどの脆雲母族の層状珪酸塩、クッケアイト、スドーアイト、クリノクロア、シャモサイト、ニマイトなどの緑泥石族の層状珪酸塩などを挙げることができ、好ましくは、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、鉄サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチブンサイトなどのスメクタイト族の層状珪酸塩、2八面体型バーミキュライト、3八面体方バーミキュライトなどのバーミキュライト族である。層間隔の拡大および/または層の剥離が可能で、層が電荷を持つからである。
なお、層状珪酸塩が含有する交換性を有する陽イオンの量を陽イオン交換容量(meq/g)と呼ぶ。陽イオン交換容量は、粘土の種類により、および、同一の粘土であっても産地間で異なり、例えばヘクトライトでは約0.9meq/g、モンモリロナイトでは約1.3meq/gである。
前記層状珪酸塩は、一次粒子の厚さが10nm以下のナノサイズの微粒子であることが好ましく、その長さと幅はそれぞれ、1μm以下の平板な形状を有することが好ましい。前記層状珪酸塩の大きさは、特に限定されないが、1μm以下が好ましく、700nm以下がより好ましく、500nm以下がさらに好ましい。これらの層状珪酸塩は、天然のものでも、合成のものでもいずれであっても良く、単独または2種以上の混合物として使用することができる。
(3)本発明で使用するポリウレタン樹脂について
本発明で使用するポリウレタン樹脂は、分子鎖に「2級または3級アミン構造」と複数のウレタン結合とを有する樹脂であれば、特に限定されず、例えば、ポリイソシアネートとポリオールと2級または3級アミン構造を導入する化合物とを反応させることにより得られるものである。また、本発明で使用する分子鎖に「2級アミンまたは3級アミン構造」を有するポリウレタン樹脂は、例えば、分子鎖に2級アミン構造を有するポリウレタン樹脂、分子鎖中に3級アミン構造を有するポリウレタン樹脂、分子鎖に2級および3級アミン構造を有するポリウレタン樹脂のいずれであっても良い。なお、本発明において、「2級または3級アミン構造」には、ポリウレタン樹脂のウレタン結合やウレア結合に由来する構造は含まれないものとする。
本発明で使用するポリウレタン樹脂を構成するポリイソシアネート成分としては、イソシアネート基を2以上有するものであれば特に限定されず、例えば、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフチレンジイソシアネート(NDI)、3,3’−ビトリレン−4,4’−ジイソシアネート(TODI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PPDI)等の芳香族ポリイソシアネート;4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、水素添加キシリレンジイソシアネート(HXDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ノルボルネンジイソシアネート(NBDI)等の脂環式ポリイソシアネート又は脂肪族ポリイソシアネート等のうちの1種、または、2種以上の混合物などである。
耐擦過傷性を向上するという観点からは、ポリウレタン樹脂のポリイソシアネート成分として、芳香族ポリイソシアネートを使用することが好ましい。芳香族ポリイソシアネートを使用することにより、得られるポリウレタンの機械的特性が向上し、耐擦過傷性に優れるカバーが得られる。また、耐候性を向上するという観点からは、ポリウレタンのポリイソシアネート成分として、非黄変性のポリイソシアネート(TMXDI、XDI、HDI、HXDI、IPDI、H12MDI、NBDIなど)を使用することが好ましく、さらに好ましくは4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)を使用する。4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)は剛直な構造を有しており、得られるポリウレタンの機械的特性が向上し、耐擦過傷性に優れるカバーが得られるからである。
前記ポリウレタン樹脂を構成するポリオール成分としては、ヒドロキシル基を複数有するものであれば特に限定されず、例えば、低分子量のポリオールや高分子量のポリオールなどを挙げることができる。低分子量のポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール等のジオール;グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオールなどのトリオールが挙げられる。高分子量のポリオールとしては、例えば、ポリオキシエチレングリコール(PEG)、ポリオキシプロピレングリコール(PPG)、ポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG)等のポリエーテルポリオール;ポリエチレンアジぺート(PEA)、ポリブチレンアジペート(PBA)、ポリヘキサメチレンアジペート(PHMA)などの縮合系ポリエステルポリオール;ポリ−ε−カプロラクトン(PCL)のようなラクトン系ポリエステルポリオール;ポリヘキサメチレンカーボネートなどのポリカーボネートポリオール;及びアクリルポリオールなどが挙げられ、上述したポリオールの少なくとも2種以上の混合物であってもよい。
高分子量のポリオールの平均分子量は、特に限定されるものではないが、例えば、400以上であることが好ましく、より好ましくは1000以上である。高分子量ポリオールの平均分子量が小さくなりすぎると、得られるポリウレタンが硬くなり、ゴルフボールの打球感が低下するからである。高分子量ポリオールの平均分子量の上限は、特に限定されるものではないが、10000以下、より好ましくは8000以下である。
ポリウレタン樹脂の骨格に2級または3級アミン構造を導入する化合物としては、例えば、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−イソブチルジエタノールアミン、N−アミノプロピルピペラジン、1,4−ビスアミノプロピルピペラジン、N−ヒドロキシエトキシエチルピペラジン、メチルイミノビスプロピルアミン、イミノビスプロピルアミン、N,N−ジベンジルエタノールアミン、N−ヒドロキシエトキシエチルピペラジン、N−ベンジル−N−メチルエタノールアミン、ジエタノールアミノプロピルアミン、N−アミノエチルピペラジン、N−アミノエチル−4−ピペコリン、N−アミノプロピルピペラジン、N−アミノプロピル−2−ピペコリン、N−アミノプロピル−4−ピペコリン、N−アミノエチルモルフォリン、N−アミノプロピルモルフォリン、2−ヒドロキシ−5−ピリジンメタノール、2−アミノ−5−アミノメチルピリジン、2−アミノ−5−ピリジンメタノールなどの化合物を挙げることができる。また、前記化合物は、2種以上の混合物として使用することもできる。これらの化合物は、ポリイソシアネートとの反応性を考慮しながら適宜使用することによって、得られるポリウレタン樹脂の分子鎖に2級アミン構造または3級アミン構造を導入することができる。
例えば、N−メチルジエタノールアミンおよびN−イソブチルジエタノールアミンなどの3級アミン構造を有するポリオールは、ポリイソシアネートと反応させることによって、得られるポリウレタン樹脂分子鎖中に3級アミン構造を容易に導入することができる。また、2級アミン構造の導入は、2級アミン(イミノ基)と1級アミン(アミノ基)とのイソシアネート基に対する反応性の差を利用して適宜導入することができる。例えば、イミノビスプロピルアミンは、2級アミン構造(イミノ基)と1級アミン構造(アミノ基)とを有するポリアミンであるが、1級アミン(アミノ基)の方が2級アミン(イミノ基)よりイソシアネート基に対する反応性が高いので、ポリイソシアネートのイソシアネート基と1級アミン(アミノ基)とのモル比を適宜制御することによって、1級アミン(アミノ基)とイソシアネート基とを選択的に反応させて、得られるポリウレタン樹脂分子鎖中に2級アミン構造(イミノ基)を導入することができる。また、例えば、ジエタノールアミンは、2級アミン構造(イミノ基)とヒドロキシル基とを有するが、2級アミン構造(イミノ基)を予め中和して陽イオン化しておけば、イソシアネート基とヒドロキシル基とを選択的に反応させることができる。ポリウレタン樹脂の分子鎖の末端に導入する場合には、例えば、N,N−ジベンジルエタノールアミン、N−ヒドロキシエトキシエチルピペラジン、N−ベンジル−N−メチルエタノールアミン、ジエタノールアミノプロピルアミン、N−アミノエチルピペラジン、N−アミノエチル−4−ピペコリン、N−アミノプロピルピペラジン、N−アミノプロピル−2−ピペコリン、N−アミノプロピル−4−ピペコリン、N−アミノエチルモルフォリン、N−アミノプロピルモルフォリンなどの化合物を用いれば良い。
本発明において、「陽イオン化」とは、2級または3級構造のアミンをアンモニウム塩(2級アンモニウム塩、3級アンモニウム塩、あるいは、4級アンモニウム塩)とすることであり、例えば、酢酸、塩酸、硫酸などの酸を用いて2級アミンまたは3級アミンを中和して、2級アンモニウム塩または3級アンモニウム塩を形成する方法、メチルクロライド、メチルブロマイド、メチルヨーダイド、エチルクロライド、エチルブロマイド、エチルヨーダイドなどのハロゲン化アルキル、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸などの4級化剤を用いて4級アンモニウム塩などを形成する方法などを挙げることができ、好ましくは、酢酸、塩酸、硫酸などの酸を用いて2級アンモニウム塩または3級アンモニウム塩とする方法である。
本発明で使用する分子鎖に2級または3級アミン構造を有するポリウレタン樹脂の構成態様としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリイソシアネート成分と2級または3級アミン構造を有する化合物成分とによって構成されている態様;ポリイソシアネート成分と高分子量ポリオール成分と2級または3級アミン構造を有する化合物成分にとよって構成されている態様;ポリイソシアネート成分と高分子量ポリオール成分と低分子量ポリオール成分と2級または3級アミン構造を有する化合物成分とによって構成されている態様;ポリイソシアネート成分と高分子量ポリオール成分と低分子量ポリオール成分とポリアミン成分と2級または3級アミン構造を有する化合物成分とによって構成されている態様;ポリイソシアネート成分と高分子量ポリオール成分とポリアミン成分と2級または3級アミン構造を有する化合物成分とによって構成されている態様などを挙げることができる。
(4)本発明では、カバーが、ポリイソシアネートと、ポリオールと、2級または3級アミン構造(好ましくは3級アミン構造)を有するポリオールで処理されたポリオール複合化層状珪酸塩とを含有するカバー用組成物から形成されたものであることが好ましい態様であり、ポリイソシアネートと、ポリオールと、2級または3級アミン構造(好ましくは3級アミン構造)を有するウレタンポリオールで処理されたウレタンポリオール複合化層状珪酸塩とを含有するカバー用組成物から形成されたものであることがさらに好ましい態様である。
(4−1)ここで、「2級または3級アミン構造を有するポリオールで処理されたポリオール複合化層状珪酸塩」とは、ポリオールが有する2級または3級アミン構造が陽イオン化されることによって、陽イオン化されたポリオールが、層状珪酸塩の層間に挿入し、静電相互作用によって、前記層状珪酸塩と結合している層状珪酸塩である。すなわち、カバーを、ポリイソシアネートと、ポリオールと、2級または3級アミン構造を有するポリオールで処理されたポリオール複合化層状珪酸塩とを含有するカバー用組成物から形成する態様は、陽イオン化されたポリオールが、層状珪酸塩の層間に挿入し静電相互作用によって前記層状珪酸塩と結合している層状珪酸塩を用いることによって、層状珪酸塩の層間に挿入している比較的低分子量の陽イオン化ポリオールとポリイソシアネートとポリオールとを反応させて高分子量化するという態様である。高分子量化されたポリウレタン樹脂を陽イオン化して層状珪酸塩の層間に直接挿入する方法に比べて、容易に層間に陽イオン化ポリウレタン樹脂を挿入することができる。
(4−2)まず、「2級または3級アミン構造を有するポリオール」について説明する。
前記「2級または3級アミン構造を有するポリオール」としては、分子内に2級または3級アミン構造と複数のヒドロキシル基とを有する化合物であり、例えば、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−イソブチルジエタノールアミン、2級または3級アミン構造を有するウレタンポリオールなどを挙げることができ、2級または3級アミン構造を有するウレタンポリオールを好適に使用することができる。
本態様で使用する「2級または3級アミン構造を有するウレタンポリオール」とは、分子内に2級または3級アミン構造とウレタン結合と複数のヒドロキシル基とを有する化合物であり、例えば、ポリイソシアネートと前記「2級または3級アミン構造を有するポリオール」とを、ポリオール成分のヒドロキシル基がポリイソシアネート成分のイソシアネート基に対して過剰となるような条件で反応させることにより合成される。ウレタンポリオールのポリオール成分として、前記2級または3級アミン構造を有するポリオールを使用することによって、得られるウレタンポリオール中に2級または3級アミン構造を導入できる。本発明では、3級アミン構造を有するウレタンポリオールを使用することがより好ましい態様である。
前記ウレタンポリオールの合成に使用するポリイソシアネートとしては、イソシアネート基を2以上有するものであれば特に限定されず、例えば、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフチレンジイソシアネート(NDI)、3,3’−ビトリレン−4,4’−ジイソシアネート(TODI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PPDI)等の芳香族ポリイソシアネート;4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、水素添加キシリレンジイソシアネート(HXDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ノルボルネンジイソシアネート(NBDI)等の脂環式ポリイソシアネート又は脂肪族ポリイソシアネート等のうちの1種または2種以上の混合物が挙げられる。これらのうち、耐候性の観点から、非黄変性のポリイソシアネート(TMXDI、XDI、HDI、HXDI、IPDI、H12MDI、NBDIなど)が好ましく使用される。
2級または3級アミン構造を有するウレタンポリオールの合成には、上記ポリイソシアネートと2級または3級アミン構造を有するポリオールに加えて、他のポリオールを使用することも好ましい態様である。他のポリオールとしては、水酸基を複数有するものであれば特に限定されず、例えば、低分子量のポリオールや高分子量のポリオールなどを挙げることができる。低分子量のポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール等のジオール;グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオールなどのトリオールが挙げられる。高分子量のポリオールとしては、ポリオキシエチレングリコール(PEG)、ポリオキシプロピレングリコール(PPG)、ポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG)等のポリエーテルポリオール;ポリエチレンアジぺート(PEA)、ポリブチレンアジペート(PBA)、ポリヘキサメチレンアジペート(PHMA)などの縮合系ポリエステルポリオール;ポリ−ε−カプロラクトン(PCL)のようなラクトン系ポリエステルポリオール;ポリヘキサメチレンカーボネートなどのポリカーボネートポリオール;及びアクリルポリオールなどが挙げられる。以上のようなポリオールのうち、重量平均分子量50〜2,000を有するもの、特に100〜1,000程度のポリオールが好ましく用いられる。尚、これらのポリオールは、1種または2種以上混合して用いてもよい。
3級アミン構造を有するウレタンポリオールは、例えば、ポリイソシアネートと3級アミン構造を有するポリオールと他のポリオールとを、ポリオールのヒドロキシル基がポリイソシアネートのイソシアネート基に対して過剰となるような条件で反応させることにより合成される。具体的には、3級アミン構造を有するポリオールとポリイソシアネートとを、ポリイソシアネート基が過剰な条件で反応させて、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを得、次いで、このイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーにポリオール成分のヒドロキシル基がイソシアネート基に対して過剰になるように他のポリオールを加えて反応させる2段階で合成する態様、および、ポリイソシアネートと3級アミン構造を有するポリオールと他のポリオールを加えて、一括で反応させる態様などを挙げることができる。3級アミン構造を有するウレタンポリオールを2段階で合成する態様では、必要に応じて、ポリオール成分やポリイソシアネート成分を滴下しながら加えても良い。
前記反応に際しては、溶剤やウレタン化反応に公知の触媒(ジブチル錫ジラウリレートなど)を使用することができる。また、前記反応の条件としては、通常のウレタン化反応に採用される条件を適宜選択すれば良く、例えば、乾燥窒素雰囲気下で20℃〜100℃の条件を挙げることができる。尚、ウレタン結合の比率は、原料となるポリオール成分の分子量、ポリオール成分とポリイソシアネートとの配合比率などを調整することにより行うことができる。
得られる2級または3級アミン構造を有するウレタンポリオールの重量平均分子量は、特に限定されるものではないが、50,000〜200,000程度が好ましい。
(4−3)次に、「ポリオール複合化層状珪酸塩」について説明する。
ポリオール複合化層状珪酸塩は、層状珪酸塩を上述した2級または3級アミン構造を有するポリオールで処理することにより得られ、具体的には、分子内に2級または3級アミン構造を有するポリオールを陽イオン化し、層状珪酸塩を前記陽イオン化されたポリオールに分散することにより行われる。
「2級または3級アミン構造の陽イオン化」は、上述したように、ポリオールが有する2級または3級構造のアミンをアンモニウム塩(2級アンモニウム塩、3級アンモニウム塩、あるいは、4級アンモニウム塩)とすることであり、例えば、酢酸、塩酸、硫酸などの酸を用いて2級または3級アミンを中和して、2級または3級アンモニウム塩を形成する方法、メチルクロライド、メチルブロマイド、メチルヨーダイド、エチルクロライド、エチルブロマイド、エチルヨーダイドなどのハロゲン化アルキル、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸などの4級化剤を用いて4級アンモニウム塩などを形成する方法などを挙げることができ、好ましくは、酢酸、塩酸、硫酸などの酸を用いて2級または3級アンモニウム塩とする方法である。
「陽イオン化」は、2級または3級アミン構造を有するポリオールを、水、アルコールなどの溶媒に分散させて、斯かる分散液に酢酸、塩酸、硫酸などの酸を添加して行うことが好ましい態様である。「陽イオン化」の程度は、特に限定されるものではないが、ポリオールが有する「2級または3級アミン構造」の70モル%以上、より好ましくは、85モル%以上、さらに好ましくは100モル%以上を陽イオン化することが好ましい。
次に、層状珪酸塩を陽イオン化されたポリールに分散して、陽イオン化されたポリオールと状珪酸塩とを複合化する。層状珪酸塩の陽イオン化ポリオールへの分散は、特に限定されるものではないが、例えば、5℃〜75℃の温度で24時間〜72時間撹拌することにより行われる。層状珪酸塩と陽イオン化ポリオールとの配合比率は、層状珪酸塩の陽イオン交換容量の1〜2倍当量に相当する陽イオン化ポリオールを配合することが好ましい。
分子内に2級または3級アミン構造を有するウレタンポリオールで層状珪酸塩を複合化する場合、ウレタンポリオールの合成に使用するポリオール成分を適宜選択することによって、得られる複合化層状珪酸塩の層間隔を制御することができる。ポリオール複合化層状珪酸塩の層間隔が大きくなると、陽イオン化ウレタンポリオールとポリイソシアネート成分との反応性が高くなり、層状珪酸塩の補強効果が一層高まる。例えば、ウレタンポリオールのポリオール成分として疎水性の高いポリオキシテトラメチレングリコールを使用すれば、得られるウレタンポリオール複合化層状珪酸塩の層間隔は大きくなり、親水性の高いポリオキシエチレングリコールを使用すれば、得られるウレタンポリオール複合化層状珪酸塩の層間隔は小さくなる。
層状珪酸塩と2級または3級アミン構造を有するポリオールとを複合化した後、分離、洗浄して、ポリオール複合化層状珪酸塩を精製する。すなわち、ポリオール複合化層状珪酸塩から、複合化されていない陽イオン化ポリオール、または、必要に応じて加えた溶媒などを除去する。分離の方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、遠心分離を挙げることができる。洗浄の方法は、特に限定されないが、分離されたポリオール複合化層状珪酸塩をイオン交換水に分散して洗浄する方法が挙げられる。分離、および、洗浄して得られたポリオール複合化層状珪酸塩を、凍結乾燥、粉砕、乾燥することも好ましい態様である。凍結乾燥は、2日間〜7日間行うことが好ましい。粉砕の方法は、特に限定されず、乳鉢ですりつぶすなどの方法で行うことができ、平均粒子径を0.1μm〜100μm程度にすることが好ましい態様である。
粉砕して得られたポリオール複合化層状珪酸塩は、必要に応じて、再度、乾燥される。水分が存在すると、ポリイソシアネートとの反応の際に、ポリイソシアネートと水分とが反応して発泡の原因となるからである。乾燥条件は、特に限定されるものではなく、例えば、80℃の真空オーブンで1日乾燥すれば良い。
前記ポリオール複合化層状珪酸塩は、層状珪酸塩の層間に陽イオン化されたポリオールが挿入しているので、層間距離が広くなっているか、あるいは、層状珪酸塩の層状構造が崩れて単葉状にバラバラになっている。従って、ポリオール複合化層状珪酸塩をX線回折で計測したときに、得られる層状珪酸塩の層間隔は、2.7nm以上、より好ましくは5nm以上、さらに好ましくは9.4nm以上であるか、若しくは、層状珪酸塩に由来するX線回折ピークが観察されないという特徴を有する。
また、前記ポリオール複合化層状珪酸塩は、粒子径(長径)が、0.1μm以上100μmの範囲にあることが好ましく、より好ましくは1μm以上20μm以下の範囲、さらに好ましくは5μm以上10μm以下の範囲にあるものが望ましい。前記粒子径は、ウレタンポリオール複合化層状珪酸塩のTEM観察写真に基づいて求めることができる。
本発明では、前記2級または3級アミン構造を有するポリオールで処理されたポリオール複合化層状珪酸塩として、2級または3級アミン構造を有するウレタンポリオールで処理されたウレタンポリオール複合化層状珪酸塩を使用することが好ましく、3級アミン構造を有するウレタンポリオールで処理されたウレタンポリオール複合化層状珪酸塩を使用することがより好ましい。
(4−4)本態様では、カバーが、ポリイソシアネートと、ポリオールと、上述した3級アミン構造を有するウレタンポリオールで処理されたウレタンポリオール複合化層状珪酸塩とを含有するカバー用組成物から形成されたものであることが好ましい態様である。
カバー用組成物に配合される前記ポリイソシアネートとしては、イソシアネート基を2以上有するものであれば特に限定されず、例えば、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフチレンジイソシアネート(NDI)、3,3’−ビトリレン−4,4’−ジイソシアネート(TODI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PPDI)等の芳香族ポリイソシアネート;4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、水素添加キシリレンジイソシアネート(HXDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ノルボルネンジイソシアネート(NBDI)等の脂環式ポリイソシアネート又は脂肪族ポリイソシアネート等のうちの1種、または、2種以上の混合物などである。
耐擦過傷性を向上するという観点からは、ポリウレタンのポリイソシアネート成分として、芳香族ポリイソシアネートを使用することが好ましい。芳香族ポリイソシアネートを使用することにより、得られるポリウレタンの機械的特性が向上し、耐擦過傷性に優れるカバーが得られる。また、耐候性を向上するという観点からは、ポリウレタンのポリイソシアネート成分として、非黄変性のポリイソシアネート(TMXDI、XDI、HDI、HXDI、IPDI、H12MDI、NBDIなど)を使用することが好ましく、さらに好ましくは4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)を使用する。4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)は剛直な構造を有しており、得られるポリウレタンの機械的特性が向上し、耐擦過傷性に優れるカバーが得られるからである。
カバー用組成物に配合される前記ポリオールとしては、水酸基を複数有するものであれば特に限定されず、例えば、低分子量のポリオールや高分子量のポリオールなどを挙げることができる。低分子量のポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール等のジオール;グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオールなどのトリオールが挙げられる。高分子量のポリオールとしては、ポリオキシエチレングリコール(PEG)、ポリオキシプロピレングリコール(PPG)、ポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG)等のポリエーテルポリオール;ポリエチレンアジぺート(PEA)、ポリブチレンアジペート(PBA)、ポリヘキサメチレンアジペート(PHMA)などの縮合系ポリエステルポリオール;ポリ−ε−カプロラクトン(PCL)のようなラクトン系ポリエステルポリオール;ポリヘキサメチレンカーボネートなどのポリカーボネートポリオール;及びアクリルポリオールなどが挙げられる。以上のようなポリオールのうち、重量平均分子量50〜2,000を有するもの、特に100〜1,000程度のポリオールが好ましく用いられる。尚、これらのポリオールは、1種または2種以上混合して用いてもよい。
前記カバー用組成物は、ポリイソシアネート、ポリオール、(ウレタン)ポリオール複合化層状珪酸塩のほか、酸化亜鉛、酸化チタン、青色顔料などの顔料成分、炭酸カルシウムや硫酸バリウムなどの比重調整剤、分散剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、蛍光材料または蛍光増白剤などを、カバーの性能を損なわない範囲で含有してもよい。
(5)カバーの成形方法
本発明のゴルフボールのカバーの成形方法は、特に限定されるものではないが、例えば、分子鎖に2級または3級アミン構造を有する熱可塑性ポリウレタン樹脂の2級または3級アミン構造を陽イオン化し、得られた陽イオン化熱可塑性ポリウレタン樹脂を溶融して、予め水に分散させて調製した層状珪酸塩のスラリーを注入し混練することで、分子鎖に2級または3級アミン構造を有するポリウレタン樹脂と層状珪酸塩とを含有するペレット状のカバー用組成物を調製し、これを用いて、圧縮成形または射出成形によりカバーを成形する方法(スラリー法);ポリイソシアネートと、ポリオールと、前記した2級または3級アミン構造を有する(ウレタン)ポリオールで処理された(ウレタン)ポリオール複合化層状珪酸塩とを含有するカバー用組成物を予め反応させて、層状珪酸塩と分子鎖に2級または3級アミン構造を有する高分子量のポリウレタン樹脂とを含有するペレット状のカバー用組成物に形成し、これを用いて、圧縮成形または射出成形によりカバーを成形する方法;および、ポリイソシアネートと、ポリオールと、前記した2級または3級アミン構造を有する(ウレタン)ポリオールで処理された(ウレタン)ポリオール複合化層状珪酸塩とを含有する未硬化のカバー用組成物でコアを直接被覆し、これを硬化させてカバーを成形する方法などを挙げることができる。
前記カバー用組成物を予め反応させて、層状珪酸塩と分子鎖に2級または3級アミン構造を有する高分子量のポリウレタン樹脂とを含有するペレット状のカバー用組成物を使用する態様では、例えば、カバー用組成物を予め半球殻状のハーフシェルに成形し、それを2枚用いてコアを包み、130〜170℃で1〜5分間加圧成形するか、または上記カバー用組成物を直接コア上に射出成形してコアを包み込む方法が用いられる。前記カバー用組成物を未硬化の態様で使用する態様では、例えば、前記組成物を注入した半球状の金型にコアを保持し、前記組成物を硬化させて半球状のカバーを作製し、次いで、これを反転させて、前記組成物が注入された別の半球状金型と合せて、前記組成物を硬化させてカバーを作製する。
また、カバーを成形する際には、通常、表面にディンプルと呼ばれるくぼみが形成される。さらに、ゴルフボール本体表面は、必要に応じて、マークや塗膜との密着性を向上するために、サンドブラスト処理のような研磨処理がなされてもよい。
(6)カバーについて
本発明のゴルフボールのカバーは、層状珪酸塩と分子鎖に2級または3級アミン構造を有するポリウレタン樹脂とを含有するものであれば、特に限定されない。
カバー中の前記層状珪酸塩の含有率は、0.05質量%以上、より好ましくは0.25質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上であって、7.5質量%以下、より好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは4質量%以下であることが望ましい。含有率を上記範囲とすることによって、耐擦過傷性およびスピン性能が良好となる。
本発明のゴルフボールのカバーを構成する樹脂成分として、上記2級または3級アミン構造を有するポリウレタン樹脂の他、本発明の効果を損なわない範囲で、他の樹脂を含有しても良い。本発明のゴルフボールのカバーを構成する樹脂成分中の2級または3級アミン構造を有するポリウレタン樹脂の含有率は、50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上とすることが望ましい。さらに、カバーを構成する樹脂成分が、実質上、前記2級または3級アミン構造を有するポリウレタン樹脂のみからなることも好ましい態様である。
本発明において、カバーを構成する樹脂成分として、分子鎖に2級または3級アミン構造を有するポリウレタン樹脂の他、さらに使用できる樹脂としては、熱可塑性樹脂、および、熱可塑性エラストマーを挙げることができる。前記熱可塑性樹脂としては、例えば、アイオノマー樹脂を挙げることができ、前記アイオノマー樹脂としては、例えば、エチレンと炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸の共重合体中のカルボキシル基の少なくとも一部を金属イオンで中和したもの、エチレンと炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸とα,β−不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体中のカルボキシル基の少なくとも一部を金属イオンで中和したもの、または、これらの混合物を挙げることができる。前記アイオノマー樹脂の具体例としては、三井デュポンポリケミカル(株)から市販されているハイミラン、デュポン(株)から市販されているサーリン、さらにエクソンモービル化学(株)から市販されているアイオテックなどを挙げることができる。
前記熱可塑性エラストマーの具体例としては、アルケマ(株)から商品名「ペバックス(例えば、「ペバックス2533」)」で市販されている熱可塑性ポリアミドエラストマー、東レ・デュポン(株)から商品名「ハイトレル(例えば、「ハイトレル3548」、「ハイトレル4047」)」で市販されている熱可塑性ポリエステルエラストマー、BASFジャパン(株)から商品名「エラストラン(例えば、「エラストランXNY97A」)」で市販されている熱可塑性ポリウレタンエラストマー、三菱化学(株)から商品名「ラバロン」で市販されている熱可塑性ポリスチレンエラストマー等が挙げられる。
前記カバーは、上述した2級または3級アミン構造を有するポリウレタン樹脂、層状珪酸塩のほか、酸化亜鉛、酸化チタン、青色顔料などの顔料成分、炭酸カルシウムや硫酸バリウムなどの比重調整剤、分散剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、蛍光材料または蛍光増白剤などを、カバーの性能を損なわない範囲で含有してもよい。
また、本発明のゴルフボールのカバーの厚みは、特に限定されるものではないが、0.3mm以上、より好ましくは0.4mm以上、さらに好ましくは0.5mm以上であって、2.0mm以下が好ましく、より好ましくは1.6mm以下、さらに好ましくは1.2mm以下である。カバーの厚みが0.3mmより小さいと薄くなり過ぎて耐久性が低下し、2.0mmより大きいと、厚くなりすぎて反発性が低下する場合がある。
(7)本発明のゴルフボールの構造
本発明のゴルフボールの構造は、コアとカバーとを有するものであれば特に限定されず、本発明のゴルフボールの具体例としては、コアと前記コアを被覆するカバーとを有するツーピースゴルフボール、センターと前記センターを被覆する中間層とからなるコアと、前記コアを被覆する最外層カバーとを有するスリーピースゴルフボール、センターと前記センターを被覆する複数または複層の中間層とからなるコアと、前記コアを被覆する最外層カバーとを有するマルチピースゴルフボール、糸巻きコアと前記糸巻きコアを被覆するカバーとを有する糸巻きゴルフボールなどを挙げることができる。なお、スリーピースゴルフボールやマルチピースゴルフボールにおいて、中間層をコアの一部と看做す場合には多層コアという場合があり、中間層をカバーの一部と看做す場合には多層カバーという場合がある。
本発明のゴルフボールのコアまたはセンターとしては、例えば、基材ゴム、架橋開始剤、共架橋剤、および、必要に応じて充填剤を含むゴム組成物(以下、単に「コア用ゴム組成物」と称する場合がある)を加熱プレスして成形したものであることが好ましい。
前記基材ゴムとしては、天然ゴムまたは合成ゴムを使用することができ、例えば、ポリブタジエンゴム、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレンポリブタジエンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)などを使用できる。これらの中でも、特に、反発に有利なシス結合が40%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは90%以上のハイシスポリブタジエンを用いることが好ましい。
前記架橋開始剤は、基材ゴム成分を架橋するために配合されるものである。前記架橋開始剤としては、有機過酸化物が好適である。具体的には、ジクミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t―ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド等の有機過酸化物が挙げられ、これらのうちジクミルパーオキサイドが好ましく用いられる。有機過酸化物の配合量は、基材ゴム100質量部に対して、0.2質量部以上が好ましく、より好ましくは0.3質量部以上であって、3質量部以下が好ましく、より好ましくは2質量部以下である。0.2質量部未満では、コアが柔らかくなりすぎて、反発性が低下する傾向があり、3質量部を超えると、適切な硬さにするために、共架橋剤の使用量を増加する必要があり、反発性が不足気味になる。
前記共架橋剤としては、基材ゴム分子鎖にグラフト重合することによって、ゴム分子を架橋する作用を有するものであれば特に限定されず、例えば、炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸又はその金属塩を使用することができ、好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸、又は、これらの金属塩を挙げることができる。前記金属塩を構成する金属としては、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、ナトリウムを挙げることができ、反発性が高くなるということから、亜鉛を使用することが好ましい。また、前記コアが、内層コアおよび外層コアから成る2層構造を有し、外層コアを薄くする場合、内層コアには高い反発性を付与するα,β−不飽和カルボン酸の亜鉛塩、特にアクリル酸亜鉛が好適であり、外層コアには金型離型性の良好なα,β−不飽和カルボン酸のマグネシウム塩、特にメタクリル酸マグネシウムが好適である。
共架橋剤の使用量は、基材ゴム100質量部に対して、10質量部以上、より好ましくは20質量部以上であって、50質量部以下、より好ましくは40質量部以下であることが望ましい。共架橋剤の使用量が10質量部未満では、適当な硬さとするために有機過酸化物の量を増加しなければならず、反発性が低下する傾向がある。一方、共架橋剤の使用量が50質量部を超えると、コアが硬くなりすぎて、打球感が低下する虞がある。
コア用ゴム組成物に含有される充填剤としては、主として最終製品として得られるゴルフボールの比重を1.0〜1.5の範囲に調整するための比重調整剤として配合されるものであり、必要に応じて配合すれば良い。前記充填剤としては、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、タングステン粉末、モリブデン粉末などの無機充填剤を挙げることができる。前記充填剤の配合量は、基材ゴム100質量部に対して、2質量部以上、より好ましくは3質量部以上であって、50質量部以下、より好ましくは35質量部以下であることが望ましい。充填剤の配合量が2質量部未満では、重量調整が難しくなり、50質量部を超えるとゴム成分の重量分率が小さくなり反発性が低下する傾向があるからである。
前記コア用ゴム組成物には、基材ゴム、架橋開始剤、共架橋剤、及び、充填剤に加えて、さらに、有機硫黄化合物、老化防止剤、又は、しゃく解剤等を適宜配合することができる。
前記有機硫黄化合物としては、ジフェニルジスルフィド類を好適に使用することができる。ジフェニルジスルフィド類の配合量は、基材ゴム100質量部に対して、0.1質量部以上が好ましく、より好ましくは0.3質量部以上であって、5.0質量部以下が好ましく、より好ましくは3.0質量部以下である。前記ジフェニルジスルフィド類としては、例えば、ジフェニルジスルフィド;ビス(4−クロロフェニル)ジスルフィド、ビス(3−クロロフェニル)ジスルフィド、ビス(4−ブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(3−ブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(4−フルオロフェニル)ジスルフィド、ビス(4−ヨードフェニル)ジスルフィド,ビス(4−シアノフェニル)ジスルフィド等のモノ置換体;ビス(2,5−ジクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(3,5−ジクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,6−ジクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,5−ジブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(3,5−ジブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(2−クロロ−5−ブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(2−シアノ−5−ブロモフェニル)ジスルフィド等のジ置換体;ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2−シアノ−4−クロロ−6−ブロモフェニル)ジスルフィド等のトリ置換体;ビス(2,3,5,6−テトラクロロフェニル)ジスルフィド等のテトラ置換体;ビス(2,3,4,5,6−ペンタクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,3,4,5,6−ペンタブロモフェニル)ジスルフィド等のペンタ置換体等が挙げられる。これらのジフェニルジスルフィド類はゴム加硫体の加硫状態に何らかの影響を与えて、反発性を高めることができる。これらの中でも、特に高反発性のゴルフボールが得られるという点から、ジフェニルジスルフィド、ビス(ペンタブロモフェニル)ジスルフィドを用いることが好ましい。
前記老化防止剤の配合量は、基材ゴム100質量部に対して、0.1質量部以上、1質量部以下であることが好ましい。また、しゃく解剤は、基材ゴム100質量部に対して、0.1質量部以上、5質量部以下であることが好ましい。
前記コア用ゴム組成物の加熱プレス成形条件は、ゴム組成に応じて適宜設定すればよいが、通常、130〜200℃で10〜60分間加熱するか、あるいは130〜150℃で20〜40分間加熱した後、160〜180℃で5〜15分間の2段階で加熱することが好ましい。
前記コアの構造としては、例えば、単層コア、センターとセンターを被覆する単層の中間層とからなるコア、センターと前記センターを被覆する複数もしくは複層の中間層とからなるコアなどを挙げることができる。また、コアの形状としては、球状であることが好ましい。コアの形状が球状でない場合には、カバーの厚みが不均一になる。その結果、部分的にカバー性能が低下する場合があるからである。一方、センターの形状としては、球状が一般的であるが、球状センターの表面を分割するように突条が設けられていても良く、例えば、球状センターの表面を均等に分割するように突条が設けられていても良い。前記突条を設ける態様としては、例えば、球状センターの表面にセンターと一体的に突条を設ける態様、あるいは、球状センターの表面に突条の中間層を設ける態様などを挙げることができる。
前記突条は、例えば、球状センターを地球とみなした場合に、赤道と球状センター表面を均等に分割する任意の子午線とに沿って設けられることが好ましい。例えば、球状センター表面を8分割する場合には、赤道と、任意の子午線(経度0度)、および、斯かる経度0度の子午線を基準として、東経90度、西経90度、東経(西経)180度の子午線に沿って設けるようにすれば良い。突条を設ける場合には、突条によって仕切られる凹部を、複数の中間層、あるいは、それぞれの凹部を被覆するような単層の中間層によって充填するようにして、コアの形状を球状とするようにすることが好ましい。前記突条の形状は、特に限定されることなく、例えば、円弧状、あるいは、略円弧状(例えば、互いに交差あるいは直行する部分において切欠部を設けた形状)などを挙げることができる。
本発明のゴルフボールに使用するセンターの直径は、30mm以上、より好ましくは32mm以上であって、41mm以下、より好ましくは40.5mm以下であることが望ましい。前記センターの直径が30mmよりも小さいと、中間層またはカバーを所望の厚さより厚くする必要があり、その結果反発性が低下する場合がある。一方、センターの直径が41mmを超える場合は、中間層またはカバーを所望の厚さより薄くする必要があり、中間層またはカバー層の機能が十分発揮されない。
本発明のゴルフボールに使用するコアは、直径39mm以上、好ましくは39.5mm以上、より好ましくは40.8mm以上で、42.2mm以下、好ましくは42mm以下、より好ましくは41.8mm以下とするのが好ましい。コアの直径が上記下限に満たない場合には、カバーが厚くなり過ぎて反発性が低下し、一方コアの直径が上記上限を超える場合には、カバーの厚さが厚くなりすぎるため、カバーの成形が困難になるからである。
前記コアとしては、表面硬度が中心硬度より大きいもの(コアが多層コアの場合は、最外層の表面硬度がセンターの中心硬度よりも大きいもの)を使用することも好ましい態様である。コアの表面硬度を中心硬度より大きくすることで、打出角が高くなり、スピン量が低くなって飛距離が向上する。この観点から本発明のゴルフボールに使用するコアの表面と中心との硬度差は、20以上が好ましく、25以上がより好ましく、40以下が好ましく、35以下がより好ましい。硬度差が前記下限に満たない場合は、高打出角化および低スピン量を達成し難いため飛距離が低下する傾向にある。また、打撃時の衝撃力が大きくなるためソフトで良好な打球感が得られ難い。一方、硬度差が上記上限を超える場合には耐久性が低下する傾向にある。
前記コアの中心硬度は、ショアD硬度で30D以上、好ましくは32D以上、より好ましくは35D以上であり、50D以下、好ましくは48D以下、より好ましくは45D以下であることが望ましい。中心硬度が上記下限より小さいと、柔らかくなり過ぎて反発性が低下する傾向があり、上記上限を超えると、硬くなりすぎて打球感の低下や、打出角の低下が発生し、またスピン量も大きくなって飛行性能が低下する。なお、本発明において、コアの中心硬度とは、コアを2等分に切断して、その切断面の中心点についてスプリング式硬度計ショアD型で測定した硬度を意味する。
前記コアの表面硬度は、ショアD硬度で45D以上、好ましくは50D以上、より好ましくは55D以上であり、65D以下、好ましくは62D以下、より好ましくは60D以下である。表面硬度が上記下限より小さいと、柔らかくなり過ぎて反発性の低下や打出角の低下が生じたり、スピン量が大きくなって飛行性能が低下する場合がある。表面硬度が上記上限より大きいと、硬くなりすぎて打球感が低下する場合がある。なお、本発明においてコアの表面硬度とは、得られた球状コアの表面においてスプリング式硬度計ショアD型で測定した硬度を意味する。また、コアが多層構造である場合は、コアの表面硬度とは、コアの最外層の表面の硬度を意味する。
本発明のゴルフボールが、スリーピース以上のマルチピースゴルフボールである場合には、中間層の材料としては、例えば、アイオノマー樹脂、ポリスチレン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー等の熱可塑性樹脂および熱可塑性エラストマーなどを挙げることができ、アイオノマー樹脂が好適である。また、中間層として、例えば、ゴム組成物の硬化物を使用することもできる。前記中間層には、さらに、硫酸バリウム、タングステン等の比重調整剤、老化防止剤、顔料などが配合されていてもよい。
中間層を形成する方法としては、特に限定されないが、例えば、中間層形成用材料を予め半球殻状のハーフシェルに形成し、それを2枚用いてコアを包み、加圧成形する方法、または、前記中間層用材料を直接コア上に射出成形してコアを包み込む方法などを採用できる。
本発明のゴルフボールが、糸巻きゴルフボールの場合、コアとして糸巻きコアを用いれば良い。斯かる場合、糸巻きコアとしては、例えば、上述したコア用ゴム組成物を硬化させてなるセンターとそのセンターの周囲に糸ゴムを延伸状態で巻き付けることによって形成した糸ゴム層とから成るものを使用すればよい。また、前記センター上に巻き付ける糸ゴムは、糸巻きゴルフボールの糸巻き層に従来から使用されているものと同様のものを使用することができ、例えば、天然ゴムまたは天然ゴムと合成ポリイソプレンに硫黄、加硫助剤、加硫促進剤、老化防止剤等を配合したゴム組成物を加硫することによって得られたものを用いてもよい。糸ゴムはセンター上に約10倍に引き伸ばして巻きつけて糸巻きコアを作製する。
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明は、下記実施例によって限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲の変更、実施の態様は、いずれも本発明の範囲内に含まれる。
[評価方法]
(1)耐擦過傷性
ゴルフラボラトリー社製のスイングロボットに市販のサンドウェッジを取り付け、ヘッドスピード36m/秒でボールの2箇所を各1回打撃し、打撃部を観察して、下記評価基準に基づいて、6段階で評価した。
評価基準
6点:全く傷が確認できない。
5点:傷がついていないか、ほとんど傷が目立たない。
4点:やや傷が見られるものの、ほとんど気にならない。
3点:表面がやや毛羽立っている。
2点:表面が毛羽立ったり、ディンプルが欠けたりしている。
1点:ディンプルが完全に削り取られてしまっている。
(2)スピン速度(rpm)
ゴルフラボラトリー社製スイングロボットにSRIスポーツ社製アプローチウエッジ(SRIXON I−302、シャフトS)を取付け、ヘッドスピード21m/秒でゴルフボールを打撃し、打撃されたゴルフボールを連続写真撮影することによって求めた。測定は、5回行い、その平均値で示した。
(3)カバーのスラブ硬度(ショアD硬度)
カバー用組成物を用いて、熱プレス成形により、厚み約2mmのシートを作製し、23℃で2週間保存した。このシートを、測定基板等の影響が出ないように、3枚以上重ねた状態で、ASTM−D2240に規定するスプリング式硬度計ショアD型を備えた高分子計器社製自動ゴム硬度計P1型を用いて測定した。
(4)球状コア(センター)硬度
ASTM−D2240に規定するスプリング式硬度計ショアD型を備えた高分子計器社製自動ゴム硬度計P1型を用いて、センター、および、球状コアの表面部において測定したショアD硬度をそれぞれ、センター、および、球状コアの表面硬度とし、センターを半球状に切断し、切断面の中心において測定したセンター(球状コア)の中心硬度とした。
(5)層状珪酸塩の含有率の測定方法(TGAおよび蛍光X線回折)
ティーエーインスツルメンツ社製TGA2950を用いて、カバー用組成物10mgを窒素雰囲気下、下記条件で昇温して25℃の重量に対する650℃1.5分放置後の重量変化を測定することにより、カバー用組成物中の無機成分の含有率を求めた。
昇温条件:25℃〜650℃(昇温速度:50℃/分、650℃にて1.5分放置)
同時に、カバー用組成物のX線回折ピークより、カバー用組成物中の無機成分に含まれる各元素(Ti、Si、Al、その他の無機元素)の重量比を求め、Tiを酸化チタン(TiO)、SiおよびAlをクレー成分、その他の無機元素をその他の無機成分として、カバー用組成物中の層状珪酸塩の含有率を求めた。
なお、X線回折の測定は、以下の条件で行った。
装置名:SEA1200VX
製造元:SII社
X線源(X線管球ターゲット):ロジウム(Rh)
管電圧:50kV、15kV
管電流:自動調整
管冷却方式:空冷式
検出器:Si半導体検出器
分析領域(コリメーター直径):8mm
試料温度:室温(23℃)
試料室雰囲気:真空
測定範囲:0Kev〜40keV(測定元素:11(Na)〜92(U))
測定時間:200秒
(6)X線回折によるウレタンポリオール複合化層状珪酸塩の層間隔
マックサイエンス社製X線回折装置MXP3を用いて、ウレタンポリオール複合化層状珪酸塩の層間隔(d)を求めた。
X線源:CuKα線(波長λ=1.5418Å)
印加電圧:40kV
印加電流:30mA
測定範囲:2θ=0.01°〜10°
取り込み幅:0.01°
計算式:2dsinθ=λ=1.5418Å(θ:ピークの角度(2θ)の半分の値)
(7)TEMによるウレタンポリオール複合化層状珪酸塩の粒子径の測定
装置:日立製作所製 透過型電子顕微鏡 H7100
観察条件:加速電圧100kV、倍率5000倍、視野20μm×20μm
測定サンプル作製条件:
装置:Leica社製クライオミクロトームEMUC6
切片切り出し温度:サンプル−130℃、ナイフ−140℃、雰囲気−140℃
切片切り出し速度:1mm/秒
切り出し切片設定厚み:40nm
[ウレタンポリオール複合化層状珪酸塩の合成]
(1)3級アミン構造を有するウレタンポリオールの合成
ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)53.6gを、30℃乾燥窒素気流下にて撹拌状態にしておき、そこに、3級アミン構造を有するポリオールとして、19.0gのN−メチルジエタノールアミン(MDEA)を20分間かけて滴下後、約2時間撹拌することにより、イソシアネート基末端MDEAを得た。なお、反応の終点は、反応物をJIS規定の滴定し、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)が理論量反応したか否かを確認することにより判断した。次いで、表1に示すようにポリオールとジブチル錫ジラウリレート(DBTDL)とを配合して、65℃、乾燥窒素気流下で撹拌しておき、ここに、上記イソシアネート基末端MDEAを30分かけて滴下し、その後、30分反応して、3級アミン構造を有するウレタンポリオールを合成した。尚、反応の終点は、IRにてイソシアネート基に由来するピーク(約2270cm−1)が存在しないことを確認することで行った。
3級アミン構造を有するウレタンポリオールの組成については、表1に示した。
Figure 0004382112
HDI:和光純薬製 ジイソシアン酸ヘキサメチレン
PEG400:アルドリッチ社製ポリエチレングリコール分子量400
PTMG1000:保土谷化学工業製ポリテトラメチレンエーテルグリコール分子量1000
PTMG2000:保土谷化学工業製ポリテトラメチレンエーテルグリコール分子量2000
(2)3級アミン構造を有するウレタンポリオールの陽イオン化
上記で得られた3級アミン構造を有するウレタンポリオール300gにイオン交換水とイソプロピルアルコールとの混合物1000g(イオン交換水:イソプロピルアルコール=3:7(体積比))を添加して、65℃にして分散液を作製した。このウレタンポリオール分散液に、6N−HClを、分散液のpHが3になるまで滴下し3級アミン構造を陽イオン化して、陽イオン化されたウレタンポリオールの分散液を得た。
(3)陽イオン化されたウレタンポリオールと層状珪酸塩の複合化
2.3Lのイオン交換水とイソプロピルアルコールとの混合物(イオン交換水:イソプロピルアルコール=4:6(体積比))に、層状珪酸塩として、クロイサイトNa(モンモリロナイト)35gを分散して、層状珪酸塩の分散液を得た。この層状珪酸塩の分散液を陽イオン化されたウレタンポリオールの分散液に加えて、65℃で2日間撹拌して、ウレタンポリオール複合化層状珪酸塩の分散液を得た(表2)。
その後、ウレタンポリオール複合化層状珪酸塩の分散液を、遠心分離、イオン交換水への分散を繰り返して、遊離の塩酸を系中から取り除いた。遊離の塩酸が系中から取り除けたかどうかの判断は、ウレタンポリオール複合化層状珪酸塩の分散液の上澄み液と硝酸銀とを反応させることにより確認した。塩化銀の析出が認められた場合には、ウレタンポリオール複合化層状珪酸塩の分散液に遊離の塩酸が存在するものと判断して、再度、遠心分離、イオン交換水への分散を繰り返した。得られたウレタンポリオール複合化層状珪酸塩を1日間凍結乾燥して、乾燥物を乳鉢にてすりつぶし、ふるいにて200μm以下のもののみを採取した。得られたウレタンポリオール複合化層状珪酸塩の性状を併せて表2に示した。
Figure 0004382112
クロイサイト(Cloisite)Na:サザンクレイ社製モンモリロナイト:陽イオン交換容量92.6meq/100g
(4)上記粉末状のウレタンポリオール複合化層状珪酸塩をPTMG1000に添加して、65℃にて1時間撹拌し、その後ソニックアンドマテリアルズ社製ビブラセルVC505にて1時間超音波処理することにより、ウレタンポリオール複合化層状珪酸塩をポリオールに分散させた。得られたポリオール分散液の組成を表3に示した。
Figure 0004382112
クロイサイト25A:サザンクレイ社製4級アンモニウム塩変性天然モンモリロナイト
PTMG1000:保土谷化学工業製ポリテトラメチレンエーテルグリコール分子量1000
(5)カバー用組成物の調製
ア)ポリイソシアネートとして4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを用いた場合
乾燥窒素気流下において、上記ウレタンポリオール複合化層状珪酸塩のポリオール分散液18gを65℃に昇温して、65℃に昇温した4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート19.0g添加し、65℃にて1分間撹拌した後、約40℃まで冷却した。その後、40℃のブタンジオールを4.9g投入し、45℃にて30秒間撹拌して、室温まで冷却し、室温にて30秒間減圧することにより、脱気処理を行った。得られた生成物をバットに延展後、窒素雰囲気下80℃にて1時間反応させて、その後、110℃で6時間保存することにより、ウレタン化反応を行った。ウレタン化反応終了後、得られた生成物をペレット状に粉砕して、層状珪酸塩がポリウレタン樹脂に複合分散されたポリウレタン樹脂組成物を得た。
イ)ポリイソシアネートとして4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートを用いた場合
乾燥窒素気流下において、フラスコに4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート19.6g、ジブチル錫ジラウリレート0.002gを投入し、60℃に昇温した。そこに、ポリオール18.0gを約45分かけて滴下ロートより滴下し、滴下終了後、60℃で2時間反応を行った。次いで、60℃のブタンジオール4.9gを添加して、約1分間撹拌して室温まで冷却し、室温にて30秒間減圧することにより、脱気処理を行った。得られた生成物をバットに延展後、窒素下80℃にて48時間保存することによりウレタン化反応を行った。ウレタン化反応終了後、得られた生成物をペレット状に粉砕して、層状珪酸塩がポリウレタン樹脂に複合分散されたポリウレタン樹脂組成物を得た。
[ゴルフボールの作製]
(1)センターの作製
表4に示す配合のセンター用ゴム組成物を混練し、半球状キャビティを有する上下金型内で170℃で15分間加熱プレスすることにより直径38.5mm、質量34.9gの球状のセンターを得た。
Figure 0004382112
ポリブタジエンゴム:JSR(株)製のBR730(ハイシスポリブタジエン)
アクリル酸亜鉛:日本蒸留製のZNDA−90S
酸化亜鉛:東邦亜鉛製の銀嶺R
ジクミルパーオキサイド:日本油脂製のパークミルD
ジフェニルジスルフィド:住友精化製
(2)中間層材料、カバー用組成物の配合
次に、表5および表6に示した配合の中間層材料およびカバー用組成物を、二軸混練型押出機によりミキシングして、ペレット状の中間層材料およびカバー用組成物を調製した。押出は、スクリュー径45mm、スクリュー回転数200rpm、スクリューL/D=35で行った。配合物は、押出機のダイの位置で150〜230℃に加熱された。
Figure 0004382112
「ハイミラン1605」:三井デュポンポリケミカル社製のナトリムイオン中和エチレン−メタクリル酸共重合体系アイオノマー樹脂
「ハイミランAM7329」:三井デュポンポリケミカル社製の亜鉛イオン中和エチレン−メタクリル酸共重合体系アイオノマー樹脂
得られた中間層用材料を上述のようにして得られたセンター上に射出成形して、センターと前記センターを被覆する中間層(厚み1.6mm)とを有するコアを作製した。
(3)ハーフシェルの成形
ハーフシェルの圧縮成形は、前述のようにして得たペレット状のカバー用組成物をハーフシェル成形用金型の下型の凹部ごとに1つづつ投入し、加圧してハーフシェルを成形した。圧縮成形は、成形圧力2.94MPa、MDI系ポリウレタン樹脂の場合180℃×5分、H12MDI系ポリウレタン樹脂の場合160℃×5分間の条件で行った。
(4)カバーの成形
(2)で得られたコアを(3)で得られた2枚のハーフシェルで同心円状に被覆して、圧縮成形によりカバー(厚み0.5mm)を成形した。圧縮成形は、成形温度150℃、成形時間2分、成形圧力9.8MPaで行った。
得られたゴルフボール本体の表面をサンドブラスト処理をして、マーキングを施した後、クリアーペイントを塗布し、40℃のオーブンで塗料を乾燥させ、直径42.7mm、質量45.3gのゴルフボールを得た。得られたゴルフボールの耐擦過傷性、及び、スピン性能について評価した結果を併せて表6に示した。
Figure 0004382112
エラストラン1195ATR:BASFジャパン社製MDI系熱可塑性ポリウレタン
表6から、コアと前記コアを被覆するカバーとを有するゴルフボールであって、前記カバーが、層状珪酸塩と分子鎖に3級アミン構造を有するポリウレタン樹脂とを含有し、カバーにおける層状珪酸塩の含有率が0.1から5質量%であるゴルフボールは、耐擦過傷性に優れ、アプローチショット時のスピン速度が大きいことが明らかである。
本発明は、耐擦過傷性に優れ、アプローチショット時のスピン速度が大きいゴルフボールとして有用である。
図1は、層状珪酸塩と分子鎖に3級アミン構造を有するポリウレタン樹脂の相互作用を模式的に説明する説明図である。
符号の説明
1:層状珪酸塩、2:陽イオン化された3級アミン構造、3:ポリウレタン樹脂分子鎖
4:ハードセグメント(ポリイソシアネート成分)

Claims (10)

  1. コアと前記コアを被覆するカバーとを有するゴルフボールであって、前記カバーは、層状珪酸塩と分子鎖に2級または3級アミン構造を有するポリウレタン樹脂とを含有し、
    前記ポリウレタン樹脂が有する2級または3級アミン構造が陽イオン化されて、静電相互作用によって前記層状珪酸塩と結合していることを特徴とするゴルフボール。
  2. 前記カバーにおける層状珪酸塩の含有率は、0.05質量%〜7.5質量%である請求項1に記載のゴルフボール。
  3. 前記カバーは、ポリイソシアネートとポリオールと2級または3級アミン構造を有するポリオールで処理されたポリオール複合化層状珪酸塩とを含有するカバー用組成物から形成されたものである請求項1または2に記載のゴルフボール。
  4. 前記ポリオール複合化層状珪酸塩は、2級または3級アミン構造を有するポリオールの2級または3級アミン構造が陽イオン化されて、静電相互作用によって層状珪酸塩と結合しているものである請求項に記載のゴルフボール。
  5. 前記ポリオール複合化層状珪酸塩は、X線回折で計測される前記層状珪酸塩の層間隔が5nm以上であるか、若しくは、層状珪酸塩に由来するX線回折ピークが観察されないものである請求項3または4に記載のゴルフボール。
  6. 前記2級または3級アミン構造を有するポリオールで処理されたポリオール複合化層状珪酸塩は、2級または3級アミン構造を有するウレタンポリオールで処理されたウレタンポリオール複合化層状珪酸塩である請求項3〜5のいずれか一項に記載のゴルフボール。
  7. 分子内に2級または3級アミン構造を有するポリオールを陽イオン化する工程、
    層状珪酸塩を前記陽イオン化されたポリオールに分散して、ポリオール複合化層状珪酸塩を得る工程、
    前記ポリオール複合化層状珪酸塩とポリオールとポリイソシアネートを混合して、カバー用組成物を調製する工程、および
    前記カバー用組成物を用いてカバーを成型する工程とを含むことを特徴とするゴルフボールの製造方法。
  8. 分子内に2級または3級アミン構造を有するポリオールを酸で中和して陽イオン化する請求項に記載のゴルフボールの製造方法。
  9. 前記ポリオール複合化層状珪酸塩を前記ポリオールに分散させて、超音波処理したのち、ポリイソシアネートを混合して、カバー用組成物を調製する請求項7または8に記載のゴルフボールの製造方法。
  10. 前記2級または3級アミン構造を有するポリオールで処理されたポリオール複合化層状珪酸塩として、2級または3級アミン構造を有するウレタンポリオールで処理されたウレタンポリオール複合化層状珪酸塩を用いる請求項7〜9のいずれか一項に記載のゴルフボールの製造方法。
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