JP4030987B2 - 多層ゴルフボール及び組成物 - Google Patents
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Description
本特許出願は、現在継続中の、2001年1月10日付けで出願された、米国特許出願09/756,761の一部継続出願であり、該米国特許出願は、現在米国特許第6,210,294号となっている、1999年5月14日付けで出願された、米国特許出願09/311,591の一部継続出願であり、また現在継続中の、2002年1月22日付けで出願された、米国特許出願10/051,121の一部継続出願でもあり、この米国特許出願10/051,121は、現在米国特許第6,355,715号となっている、1999年9月27日付けで出願された、米国特許出願09/404,146の一部継続出願であり、この米国特許出願09/404,146は、現在米国特許第6,124,389号となっている、1997年12月23日付けで出願された、米国特許出願08/996,718の一部継続出願であり、この米国特許出願08/996,718は、現在米国特許第5,759,676号となっている、1996年2月16日付けで出願された、米国特許出願08/603,057の一部継続出願であり、この米国特許出願08/603,057は、現在米国特許第5,688,191号となっている、1995年6月7日付けで出願された、米国特許出願08/482,522の一部継続出願である。これら特許出願の全開示事項を本明細書における参考とする。
中実構造を持つボールは、これらが極めて高い耐久性をもち、かつ最大の飛距離を与えることから、一般的に、平均的な娯楽的ゴルファーにとって最も人気がある。中実ボールは、カバー材料で包まれている、通常架橋ゴムで作られた、中実コアを用いて作られる。典型的に、この中実コアは、亜鉛ジアクリレート及び/又は同様な架橋剤で化学的に架橋された、ポリブタジエンから作られ、また強靭な、耐切断性のブレンドカバーによって覆われている。このカバーは、一般にサーリン(SURLYN) (ウイルミントン、DEのデュポン社により製造されたイオノマー樹脂に関する商標である)等の材料から製造される。このコアとカバー材料との組み合わせは、見かけ上ゴルファーによって破壊できないボールを与える。さらに、このような組み合わせは、該ボールに高い初期速度を与え、これは改善された飛距離をもたらす。該ボールが作られている材料は、極めて高剛性であるので、中実ボールは、一般にクラブでヒットした場合に、硬い「感触」を与える。同様に、その硬さのために、これらのボールは、比較的低いスピン速度を持ち、これはより長い飛距離をもたらす。
典型的な単一コア、単一カバー構造の変更を通して、従来の中実ボールの諸特性を改善するための、多くの特許が発行されている。この変更は、二重カバー層、二重コア層を持つ多層ボール及び/又は該カバーと該コアとの間に設けられたマントル層を持つボールを与える。従来の特許に記載されたこれら発明は、「プレー中」の特性決定に役立つ様々なゴルフボールの物性の改善を志向している。
米国特許第4,625,964号は、32mmを越えない径を持つポリブタジエンゴム製のコア、該コア材料よりも低い比重を持つ、ポリブタジエンゴム製の中間層及びカバーを含む、中実ゴルフボールに関連する。米国特許第4,650,193号は、中心部分と、一体式の外側層とを含むコアを有する、中実ゴルフボールを意図しており、ここで該コアは、硬化性のエラストマー、例えばポリブタジエンであり、これを硬化剤(cure altering agent)で処理して、該コアの外側層を柔軟にし、75を越える硬さ(ショアC)を持つ中心層及び80未満の硬さ(ショアA)を持つ外側層を生成する。
公知技術は、中間層として使用するために、ポリブタジエン以外の、様々な材料を開示している。例えば、米国特許第5,253,871号は、エラストマーコア、好ましくはイオノマーとブレンドされた、少なくとも10%のエーテルアミドブロックコポリマーを含む熱可塑性材料製の中間層、及び熱可塑性カバーを含む、スリーピース構造を持つゴルフボールに関する。米国特許第5,681,898号は、多層ゴルフボールを意図しており、これは公知のポリブタジエンコア、イオノマーカバー及びエチレン-メタクリル酸コポリマーと、ポリブタジエン及び過酸硬化剤から生成された加硫ゴムとのブレンドから製造された中間層を含む。
さらに、また多層カバー層を含むゴルフボールを目的とする、幾つかの特許もある。例えば、米国特許第4,431,193号は、多層カバー層を含むゴルフボールに関連し、ここでその内側層は、硬く、高い曲げ弾性率を持つイオノマー樹脂製であり、またその外側層は柔軟で、曲げ弾性率の低いイオノマー樹脂製であり、またこれら層の何れか(又は両者)は、発泡イオノマー樹脂を含むことができる。米国特許第5,314,187号も、多層カバー層を含むゴルフボールに関連し、ここでその外側層は、その内側層上に成型され、またバラタとエラストマーとのブレンドを含み、該内側層はイオノマー樹脂製である。米国特許第4,919,434号は、内側層及び外側層を含むカバーを有する、ゴルフボールを意図しており、これら層各々は、熱可塑性樹脂を含む。好ましくは、これら層は、例えば熱あるいは当業者には公知の他の手段によって、相互に結合できる材料を含む。
さらに別の態様において、該少なくとも1種のヒドロキシ末端を持つ硬化剤は、ポリ(フタレートカーボネート)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)グリコール、ポリカーボネートポリオール含有ビスフェノールA、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
本発明のこの局面において、該ゴルフボールは、さらに中間層を含むことができる。一態様において、該中間層は、イオノマー樹脂、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアミド、高度に中和されたポリマー、メタロセン触媒ポリマー、又はこれらの混合物の少なくとも1種を含む。
もう一つの態様において、該少なくとも1つのカバー層は、内側カバー層である。該ゴルフボールはさらに、該内側カバー層の周りに配置された外側カバー層を含み、かつ該外側カバー層が、少なくとも1種の熱硬化性材料又は少なくとも1種の熱可塑性材料を含む。また、該内側カバー層は、少なくとも2層を含むことができる。
該熱可塑性組成物は、ウレタン結合、ウレア結合、又はこれらの組み合わせを含むことができ、好ましくは約40ショアDなる硬さ、より好ましくは約45ショアD〜約70ショアDなる範囲の硬さを持つ。
一態様において、該熱可塑性組成物は、p-フェニレンジイソシアネ−トと少なくとも1種のヒドロキシ末端を持つ硬化剤との反応生成物を含む。例えば、該ヒドロキシ末端を持つ硬化剤は、以下の一般式:
もう一つの態様では、該熱可塑性組成物は、p-フェニレンジイソシアネ−トモノマーと少なくとも1種のアミノ末端を持つ硬化剤との反応生成物を含む。この少なくとも1種のアミノ末端を持つ硬化剤は、本質的に第二アミノ末端を持つ化合物からなる。
一態様において、該熱可塑性組成物は、さらに以下の一般式:
本発明は、またコアと;約30ショアD又はそれ以上の硬さ、約6.89〜551MPa(約1,000〜80,000psi)なる範囲の曲げ弾性率、及び約0.254〜2.54mm(約0.01〜0.100in)なる範囲の厚みを持つ、該コアの周りに配置された層と、ここで該中間層は熱硬化性材料から製造され;約20ショアD又はそれ以上の硬さ、約6.89〜207MPa(約1,000〜30,000psi)なる範囲の曲げ弾性率、及び約0.254〜1.27mm(約0.01〜0.05in)なる範囲の厚みを持つ、カバーとを含み、該カバーはp-フェニレンジイソシアネートを含む熱可塑性組成物から製造されたことを特徴とする、ゴルフボールにも関連する。
一態様において、該コアは中心部と、外側コア層とを含み、かつ該中心部は約1.27〜3.30cm(約0.5〜1.3in)なる範囲の径を持つ。もう一つの態様において、該熱可塑性組成物は、さらに少なくとも1種の密度調節用フィラーをも含む。
もう一つの態様において、該ポリウレタン組成物は、さらに少なくとも1種のジオール硬化剤を含み、該硬化剤はエチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,6-ヘキサンジオール、及び2000未満の分子量を持つポリテトラメチレンエーテルグリコールからなる群から選択される。さらに別の態様では、該熱可塑性ポリウレタン組成物は、少なくとも2種の硬化剤を含む。さらに、該ジオール硬化剤の分子量は、好ましくは約50以上である。
該熱可塑性ポリウレタン組成物は、また少なくとも1種の第二ジアミン硬化剤をも含むことができる。該第二ジアミン硬化剤は4,4'-ビス-(sec-ブチルアミノ)-ジフェニルメタン、1,4-ビス-(sec-ブチルアミノ)-ベンゼン、1,2-ビス-(sec-ブチルアミノ)-ベンゼン、4,4'-ビス-(sec-ブチルアミノ)-ジフェニルメタンの誘導体、N,N'-ジイソプロピルイソホロンジアミン、1,4-ビス-(sec-ブチルアミノ)-シクロヘキサン、1,2-ビス-(sec-ブチルアミノ)-シクロヘキサン、4,4'-ビス-(sec-ブチルアミノ)-ジシクロヘキシルメタン、4,4'-ビス-(sec-ブチルアミノ)-ジシクロヘキシルメタンの誘導体、及びこれらの混合物からなる群から選択できる。
本発明は、また中心、カバー及び場合によりこれら中心とカバーとの間に設けられた、少なくとも1層の中間層を含むゴルフボールをも目的とし、ここで少なくとも1層の該カバー及び該少なくとも1層の中間層は、少なくとも1種のポリオールと少なくとも1種のジイソシアネートとの反応生成物及び第二ジアミンからなる硬化剤を含む熱可塑性ポリウレタン組成物で作られる。一態様において、該熱可塑性ポリウレタン組成物は、少なくとも2種の硬化剤を含むことができる。
本発明のこの局面において、該ジイソシアネートは2,2'-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリマー状の4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、液状の4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、3,3'-ジメチル-4,4'-ビフェニレンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、p-テトラメチルキシレンジイソシアネート、m-テトラメチルキシレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、4,4'-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、m-フェニレンジイソシアネート、低級遊離イソシアネートモノマー、及びこれらの混合物からなる群から選択できる。
一態様において、該ポリオールは、該プレポリマーの質量基準で、約70〜98質量%なる範囲の量で存在し、該ジイソシアネートは、該プレポリマーの質量基準で、約2〜30質量%なる範囲の量で存在し、また該第二ジアミン硬化剤は、該プレポリマーの質量基準で、約10〜110質量%なる範囲の量で存在する。他の態様では、該ジイソシアネートは、該プレポリマーの質量基準で、約2.5〜12質量%なる範囲の量で存在する。
一態様において、該熱可塑性ポリウレタン組成物は、4,4'-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ポリテトラメチレンエーテルグリコールとポリカプロラクトンとのコポリマー、及び4,4'-ビス-(sec-ブチルアミノ)-ジシクロヘキシルメタンの反応生成物を含む。さらに別の態様では、該カバーは、該熱可塑性ポリウレタン組成物を含む。
本発明の別の局面は、改良された多層ゴルフボールを目的としており、このボールはコアと少なくとも1層のカバーとを含み、該コアは約90以下の圧縮率を持ち、また該カバーは、約45を越える、好ましくは約60を越える%反発レジリエンスを持つ、ポリエーテル型の熱可塑性ポリウレタンを含むブレンドから製造され、かつ該ゴルフボールは約0.76を越える復元係数を持つ。
一態様において、該カバー用のブレンドは、さらに第二の成分を含み、この第二の成分は、熱可塑性材料である。該第二成分は、ポリエーテルエステルブロックコポリマー、ポリエステルエステルブロックコポリマー、ポリエーテルアミドブロックコポリマー、機械的に発泡させた熱可塑性エラストマー、スチレン-ブタジエンエラストマー、他の熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性ポリエステル、メタロセン触媒を用いて製造したポリマー、及びこれらのブレンドからなる群から選択できる。一態様において、該第二成分はポリエーテルエステルブロックコポリマーである。
一態様において、本発明のこの局面によるゴルフボールは、コア、カバー及びこれらの間に設けられた中間層を含む。この中間層は、約45%を越える、好ましくは約60%を越える反発レジリエンスを持つポリエーテル型のポリウレタンと、他の熱可塑性材料とのブレンドを含むことができる。例えば、このブレンドは、約20〜約90質量%のポリエーテル型の熱可塑性ポリウレタン、約5〜50質量%の第二の熱可塑性成分、及び約5〜約40質量%の密度調節フィラーを含むことができる。一態様において、このブレンドは、約30〜60質量%の、60%を越える反発レジリエンスを持つポリエーテル型の熱可塑性ポリウレタンと、約20〜40質量%の第二の熱可塑性成分、及び約15〜約30質量%の密度調節フィラーを含む。
該中間層は、約25〜80ショアD、好ましくは約25〜80ショアDなる範囲の硬さ、及び6.89MPa〜55.1MPa(約1,000〜8,000psi)なる範囲の曲げ弾性率を持つことができる。一態様において、該中間層を形成している組成物100部当たり約50部を越える量が、ポリエーテル型の熱可塑性ポリウレタンである。
本発明は、またポリブタジエンを含むコアと、約54〜72なる範囲のショアD硬さを持つカバー層と、該コアとカバーとの間に設けられた少なくとも1層の中間層とを含むゴルフボールをも目的とし、ここで該少なくとも1層の中間層は、約40〜60質量%の、60%を越える反発レジリエンスを持つポリエーテル型の熱可塑性ポリウレタンと、約15〜30質量%の、密度増加又は低下フィラー、例えば酸化亜鉛又は硫酸バリウム又は発泡剤もしくは微小球と、約20〜約40質量%の、ポリエーテルエステル又はポリエステルエステルブロックコポリマーとを含むブレンドから製造され、また該ゴルフボールは約0.78を越える復元係数を持つ。
一態様において、該中間層は、約45〜50質量%のポリエーテル型の熱可塑性ポリウレタンと、約18〜22質量%の酸化亜鉛と、約30〜35質量%のポリエーテルエステル又はポリエステルエステルブロックコポリマーとを含むブレンドから製造される。他の態様において、該中間層は約40未満のショアD硬さ及び約68.9MPa(約10,000psi)未満の曲げ弾性率を持つ。
該ポリエーテル型のポリウレタンは、ホモ-及びコ-ポリエステル、ホモ-及びコ-ポリアミド、ポリエーテルエステルブロックコポリマー、ポリエステルエステルブロックコポリマー、ポリエーテルアミドブロックコポリマー、ポリエステルアミドブロックコポリマー、及び他のポリウレタンからなる群から選択される熱可塑性材料とブレンドすることができる。内側カバー層として使用する場合、得られる材料は、好ましくは約138MPa(20,000psi)未満の曲げ弾性率を持つ。
本発明は、また熱硬化性ポリブタジエンゴムを主成分とするコア及び内側層及び外側層を含むカバーを含む、ゴルフボールをも目的とする。本発明のこの局面において、該内側カバー層は、好ましくは65%を越える反発レジリエンス及び約68.9MPa(約10,000psi)未満の曲げ弾性率を持つ射出成型可能なポリウレタンを含む。この得られるボールは、この低い曲げ弾性率に起因する、ソフトな感触及び該高い復元係数に起因する、良好な初期速度を持つ。
一態様では、該内側カバー層は、第一の硬さを持ち、該外側層は、該第一の硬さよりも大きな第二の硬さを持つ。該カバーの硬さが該内側カバー層の硬さよりも大きく、かつ約413MPa(約60,000psi)を越える曲げ弾性率を持つ場合、該ボールは、ドライバーの低スピンオフ(spin off)をもたらし、優れた飛距離を与えるであろう。別の態様では、該コアは、該内側カバー層の硬さの約10ショアD以内で、かつ該外側カバー層の硬さ未満の第三の硬さを持つ。このより柔軟なコア及び内側カバー層は、得られるソフトな感触及び低ドライバースピンに寄与する。さらに別の態様では、該内側カバー層は、高い慣性モーメントを持つために、約1.2を越える比重を持つ。
本発明の組成物は、ポリウレタンを主成分とする、即ち少なくとも1種のジイソシアネート、ポリオール、及び硬化剤の反応生成物であり得る。さらに、本発明の組成物は、ポリウレアを主成分とする、即ち少なくとも1種のアミノ末端を持つ成分、ジイソシアネート、及び硬化剤の反応生成物であっても良い。
イソシアネート成分
該ポリウレタンプレポリマーと共に使用するイソシアネートは、イソシアネートの脂肪族、脂環式、芳香脂肪族(araliphatic)誘導体、及び1分子当たり2個又はそれ以上のイソシアネート(NCO)基を持つこれら化合物の組み合わせを包含する。該イソシアネートは有機、変性有機、有機ポリイソシアネート末端を持つプレポリマー、及びこれらの混合物であり得る。該イソシアネート含有反応性成分は、また任意のイソシアネート官能性モノマー、ダイマー、トライマー、又はイソシアネートのマルチマー付加生成物、プレポリマー、低級遊離イソシアネートプレポリマー、擬似-プレポリマー、又はこれらの混合物を含むことができる。イソシアネート官能性化合物は、2個又はそれ以上の任意のイソシアネート官能基を含む、モノイソシアネート又はポリイソシアネートを含むことができる。
不飽和ジイソシアネート、即ち芳香族化合物も、本発明と共に使用できるが、該プレポリマーにおける不飽和化合物の使用は、以下において論じるように、光安定剤又は顔料の使用と組み合わせることが好ましい。不飽和ジイソシアネートの例は、2,2'-、2,4'-、及び4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、3,3'-ジメチル-4,4'-ビフェニルジイソシアネート(TODI)、トルエンジイソシアネート(TDI)、ポリマー状のMDI、カルボジイミド-変性液状4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート(PPDI)、m-フェニレンジイソシアネート(MPDI)、トリフェニルメタン-4,4'-及びトリフェニルメタン-4,4”-トリイソシアネート、ナフタレン-1,5-ジイソシアネート(NDI)、2,4'-、4,4'-及び2,2-ビフェニルジイソシアネート、ポリフェニルポリメチレンポリイソシアネート(PMDI)及びこれらの組み合わせを含む、置換及び異性混合物を含むが、これらに限定されない。
本発明の組成物が熱可塑性材料である場合、本発明で使用するのに適したジイソシアネートは、2,2'-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI);ポリマー状のMDI;液状MDI;トルエンジイソシアネート(TDI);3,3'-ジメチル-4,4'-ビフェニルジイソシアネート(TODI);p-フェニレンジイソシアネート(PPDI);イソホロンジイソシアネート(IPDI);4,4'-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI);1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI);p-テトラメチルキシレンジイソシアネート(p-TMXDI);m-テトラメチルキシレンジイソシアネート(m-TMXDI);ナフタレン-1,5-ジイソシアネート(NDI);m-フェニレンジイソシアネート(MPDI);及びこれらの混合物を含む。
該ジイソシアネートは、好ましくは該プレポリマーの約2.5〜約15質量%、及びより好ましくは該プレポリマーの約2.5〜約14質量%なる範囲の量で存在する。一態様において、該ジイソシアネートは、該プレポリマーの約5〜約12質量%なる範囲の量で存在する。他の態様において、該ジイソシアネートは、約5〜約10質量%なる範囲のジイソシアネートを含む。
当業者が入手できる如何なるポリオールも、該ポリウレタンプレポリマーにおいて使用するのに適している。適当なポリオールはポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、炭化水素ポリオール、及びこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
適当なポリエーテルポリオールの例は、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)、ポリテトラメチレンエーテルグリコールと2-メチル-1,4-ブタンジオールとのコポリマー(PTG-L)、ポリ(オキシエチレン) グリコール、ポリ(オキシプロピレン) グリコール、ポリ(オキシエチレンオキシプロピレン) グリコール、エチレンオキシドでキャップしたポリ(オキシプロピレン) グリコール、及びこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。市販品として入手可能なポリエーテル型のポリウレタンは、エスタン(ESTANE) 5740X820及び5740X955なる名称の下でB.F.グッドリッチ(Goodrich)から入手できる。これら両材料は、30未満のショアD硬さ、約34.5MPa(5,000psi)未満の曲げ弾性率及び約45%を越える%反発レジリエンスをもつ。
適当なポリカプロラクトンポリオールは、エチレングリコール-開始ポリカプロラクトン、ジエチレングリコール-開始ポリカプロラクトン、プロピレングリコール-開始ポリカプロラクトン、ジプロピレングリコール-開始ポリカプロラクトン、トリメチロールプロパン-開始ポリカプロラクトン、ネオペンチルグリコール-開始ポリカプロラクトン、1,4-ブタンジオール-開始ポリカプロラクトン、1,6-ヘキサンジオール-開始ポリカプロラクトン、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)-開始ポリカプロラクトン、これらのコポリマー、及びこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。ここで使用する用語「コポリマー」とは、2種以上のモノマーから製造されるポリマーであり、ここで該モノマーは同一ではない。
適当な耐湿性ポリオールは、飽和及び不飽和炭化水素ポリオール、ヒドロキシ末端を持つ液状イソプレンゴム、ヒドロキシ末端を持つポリブタジエンポリオール、これらのコポリマー及び混合物を含むが、これらに限定されない。
さらに別の態様において、該ポリオールは、炭素原子数2〜6のアルキレンオキシド繰返し単位を持ち、かつ約1,400〜約10,000なる範囲、好ましくは約2,500〜約10,000なる範囲の平均分子量を持つ、ヒドロキシ末端を持つポリエーテルである。1以上の数又は数値範囲と関連してここで使用する用語「約」とは、ある範囲内のあらゆる数値を含む、全てのこのような数を意味するものとする。本発明のこの局面において、代表的な炭素原子数2〜6のアルキレンオキシド繰返し単位は、炭素原子数4のエチレンオキシド又はプロピレンオキシドを含むが、これらに限定されない。一態様において、テトラメチレン、ブチレンオキシド、及びこれらの混合物を、該アルキレンオキシド繰返し単位として選択する。市販品として入手できるヒドロキシ末端を持つポリエーテルの例は、リオンデルケミカル社(Lyondell Chemical Co.)から入手できるポリメグ(Polymeg) 2000及びデュポン社から入手できるテレタン(Terethane) 2900を包含する。
好ましくは、該ポリオールは、該ジイソシアネート及びポリオールを基準として、約70〜98質量%なる範囲の量で存在し、該ジイソシアネートは、該ジイソシアネート及びポリオールを基準として、約2〜30質量%なる範囲の量で存在し、また該ジオール及び/又は第二ジアミン硬化剤は、該ジイソシアネート及びポリオールを基準として、約10〜110質量%なる範囲の量で存在する。
当業者が入手可能なあらゆるアミノ末端を持つ成分が、本発明のポリウレアプレポリマーの製造において使用するのに適している。該アミノ末端を持つ成分は、アミノ末端を持つ炭化水素、アミノ末端を持つポリエーテル、アミノ末端を持つポリエステル、アミノ末端を持つカーボネート、アミノ末端を持つカプロラクトン、及びこれらの混合物を含むことができ、これらは「ゴルフ用品用のポリウレア及びポリウレタン組成物(Polyurea and Polyurethane Compositions for Golf Equipments)」と題する、2003年4月9日付けで出願された、継続中の米国特許出願No. 10/409,144及び「光安定性材料を含むゴルフボール及びその製法(Golf Balls Comprising Light Stable Materials and Methods of Making Same)」と題する、2002年8月27日付けで出願された、米国特許No. 10/228,311(これらの内容全体を、本発明の参考とする)において詳細に説明されている。該アミノ末端を持つセグメントは、第一アミン(NH2)又は第二アミン(NHR)の形状であり得る。ポリオールの代わりにアミノ末端を持つ成分を使用することにより、ウレア結合のみを含むポリウレアプレポリマーが生成することを述べておくことは重要である。しかし、該プレポリマーが低級遊離イソシアネートモノマーを含み、かつヒドロキシ末端を持つ化合物、例えば上に列挙したポリオールを、該プレポリマーとブレンドする場合、得られるプレポリマーは、ウレタン結合を含むであろう。従って、純粋なポリウレア組成物を得る唯一の方法は、該組成物中にウレタン結合が全く存在しないことを、確認することである。
本発明で使用する硬化剤は、ヒドロキシ末端を持つ硬化剤、アミノ末端を持つ硬化剤及びこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。使用する硬化剤の型に依存して、該ポリウレタン組成物は、事実上熱可塑性又は熱硬化性であり得る。例えば、1:1の化学量論量のジオール又は第二ジアミンで硬化したポリウレタンプレポリマーは、一般にまったく熱可塑性である。他方、熱硬化性ポリウレタンは、第一ジアミン又は多官能性グリコールで硬化したプレポリマーから作られる。
一態様において、本発明の組成物は単一の硬化剤を含む。別の態様では、本発明の組成物は硬化剤混合物を含む。さらに別の態様では、該ポリウレタン組成物は、単一のジオール硬化剤を含む。
さらに、使用する硬化剤の型は、該ポリウレタン組成物が、ポリウレタン-ウレタン、ポリウレア-ウレア、又はポリウレア-ウレタンの何れであるかを決定する。例えば、ヒドロキシ末端を持つ硬化剤で硬化したポリウレタンプレポリマーは、ポリウレタン-ウレタンである。というのは、あらゆる過剰なイソシアネート基が該硬化剤のヒドロキシル基と反応して、より多くのウレタン結合を生成するからである。対照的に、アミノ末端を持つ硬化剤を、該ポリウレタンプレポリマーと共に使用した場合、その過剰量のイソシアネート基が、該アミノ末端を持つ硬化剤のアミノ基と反応して、ウレア結合を生成する。
一態様において、該硬化剤は、以下に列挙する化学的構造及びその組み合わせの一つを持つ:
適当なヒドロキシ末端を持つ硬化剤はエチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,4-ブタンジオール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エタンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、2,3-メチル-2,3-ブタンジオール、トリメチロールプロパン、トリイソプロパノールアミン、ジエチレングリコールジ-(アミノプロピル)エーテル、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、グリセロール、1,3-ビス-(2-ヒドロキシエトキシ)シクロヘキサン、1,3-[ビス-(2-ヒドロキシエトキシ)]-ジエトキシベンゼン、1,4-シクロヘキシルジメチルオール、1,3-ビス-[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ]シクロヘキサン、1,3-ビス-{2-[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エトキシ}シクロヘキサン、約250〜約3900、好ましくは約250〜約1000なる範囲の分子量を持つポリテトラメチレンエーテルグリコール、及びこれらの混合物を含むが、これらに制限されない。1,3-[ビス-(2-ヒドロキシエトキシ)]-ジエトキシベンゼンが、2,2'-[1,3-フェニレンビスオキシ-2,1-エタンジイルオキシ]ビス-エタノールとも呼ばれていることは、当分野において周知である。
該ヒドロキシ末端を持つ硬化剤は、好ましくは少なくとも約50の分子量を持つ。一態様において、該ヒドロキシ末端を持つ硬化剤の分子量は、約2000以下である。さらに別の態様では、該ヒドロキシ末端を持つ硬化剤は、約250〜約3900なる範囲の分子量を持つ。ここで使用する分子量とは、絶対重量平均分子量であるものと理解されるべきであり、当業者にはその通り理解されるであろう。
該硬化剤が、グリコール鎖伸長剤、即ちグリコール、エチレングリコール、プロパングリコール、ブタングリコール、ペンタングリコール、ヘキサングリコール、ベンゼングリコール及びキシレングリコールである場合、これらは好ましくは直鎖状のものである。全連鎖伸長剤の全質量を基準とする、該連鎖伸長剤の任意の分岐の全質量は、好ましくは約15質量%未満である。この硬化剤は脂肪族、芳香族、又はこれらの組み合わせであり得る。
別の態様において、該硬化剤は、以下に示す構造を持つポリエステルポリオール又はヒドロキシ末端を持つ硬化剤である:
さらに別の態様において、該硬化剤は、以下の構造を持つポリカプロラクトンポリオール又はヒドロキシ末端を持つ硬化剤である:
さらに別の態様において、該硬化剤は、以下の構造を持つポリカーボネートポリオール又はヒドロキシ末端を持つ硬化剤、又はこれらの混合物である:
別の態様において、該硬化剤は以下の一般的な化学的構造:
HOH2CH2C(OH2CH2C)nO-X-O(CH2CH2O)mCH2CH2OH
ここで、n及びmは夫々別々に、0、1、2又は3を表し、Xはo-フェニレン、m-フェニレン、p-フェニレン、1,2-シクロヘキシル、1,3-シクロヘキシル、又は1,4-シクロヘキシルである。n及びmの値は、好ましくは1又は2である。種々のフェニレン構造を以下に列挙する:
該アミノ末端を持つ硬化剤は、また該プレポリマーに関連して上に列挙した任意のアミノ末端を持つ成分から選択できる。例えば、該アミノ末端を持つ硬化剤は、アミノ末端を持つポリエーテル、アミノ末端を持つポリエステル、アミノ末端を持つポリカーボネート、アミノ末端を持つポリカプロラクトン、及びこれらの混合物を含むことができる。一態様において、該アミノ末端を持つ硬化剤は、例えば2個のNH2基を含む、第一アミンである。他の態様において、該アミノ末端を持つ硬化剤は、例えば少なくとも1つのNHR基を含む第二アミン又はヒンダードアミンである。
本発明の該ポリウレタン及びポリウレアエラストマーを加工するのに利用される、2つの基本的な技術があり、これらはワンショット法及びプレポリマー法である。該ワンショット法は、該組成物材料を一段階で反応し、一方該プレポリマー法は、ポリウレタンプレポリマーを製造するための、ポリオールとジイソシアネートとの間の第一反応、又はポリウレアプレポリマーを製造するための、アミノ末端を持つ化合物とジイソシアネートとの間の第一反応、及びその後の該プレポリマーと硬化剤との反応を必要とする。何れかの方法を用いて本発明のポリウレタン組成物を製造できるが、該プレポリマー法は、化学反応の良好な制御が可能であり、結果的に該エラストマーに関してより均一な特性を得ることができる。
一態様において、本発明の組成物は、ワンショット法で作られ、即ち該ジイソシアネートモノマーを、次いで少なくとも1種の硬化剤を押出機に供給して、本発明のゴルフボールで使用するための、熱可塑性組成物を生成する。例えば、溶融されたPPDI及び硬化剤、例えばPTMEG、ポリカプロラクトン等を、押出機内に供給して、熱可塑性のPPDIを主成分とするポリウレタンを製造する。
本発明の組成物を、他の材料とブレンドすることができる。例えば、本発明の組成物を、追加の熱可塑性成分とブレンドすることができる。適当な熱可塑性材料は、コポリエステル、ポリアミド、ポリエーテルエステルブロックコポリマー、ポリエステルエステルブロックコポリマー、ポリエーテルアミドブロックコポリマー、ポリエステルアミドブロックコポリマー、イオノマー樹脂、力学的に発泡させた熱可塑性エラストマー、結合された無水マレイン酸又はスルホン酸等の官能基を持つ、水添スチレン-ブタジエンエラストマー、熱可塑性ポリエステル、メタロセン触媒を用いて製造したポリマー(メタロセンポリマー)及びこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
追加の材料を、該ポリウレタン及びポリウレアプレポリマー、即ちジイソシアネートとポリオール又はアミノ末端を持つ化合物との反応生成物、又は本発明の完成されたポリウレタン組成物に添加することができる。これら追加の材料は、触媒、湿潤剤、着色剤、蛍光増白剤、架橋剤、白色体質顔料、例えばTiO2及びZnO、UV吸収剤、ヒンダードアミン光安定剤、消泡剤、加工助剤、界面活性剤、及びその他の公知の添加物を含むが、これらに制限されない。例えば、湿潤添加剤を、本発明の変性した硬化剤ブレンドに添加して、該顔料をより効果的に分散することができる。適当な湿潤剤は、特にバイクケムル(Byk-Chemle)及びクロンプトン社(Crompton Corporation)から入手できる。
酸化防止剤、安定化剤、柔軟剤、内部及び外部可塑剤を含む可塑剤、耐衝撃性改良剤、発泡剤、密度調節フィラー、強化材料、相溶化剤、触媒、香味成分、及びこれらの混合物を、本発明の任意の組成物に添加できる。当業者は、これら添加剤を使用する目的及びこれら目的を満たすのに使用すべきその量を承知している。例えば、フィラー成分は、前に記載した成分のブレンドに、追加の密度を与えるように選択できる。このようなフィラーの選択は、所定のゴルフボールの型、即ちワンピース、ツーピース、多成分、又は糸巻きボールであるかに依存する。有用なフィラーの例は、酸化亜鉛、硫酸バリウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、及びシリカ並びにこれらの、他の周知の対応する塩及び酸化物を含む。追加のフィラー、例えば発泡剤、ガラス球、及び金属を、その周知の目的で、必要とされる量で、本発明のポリウレタン組成物に添加できる。
この触媒の量を非因襲的に高いレベルまで高めることにより、匹敵する硬化段階を維持しつつ、加工温度の低下を可能とする。より高いレベルでの触媒の使用は、また混合速度の低下を可能とする。従って、一態様では、該錫触媒は、該組成物を基準として、約0.01〜約0.55質量%なる範囲の量で存在する。他の態様では、約0.05〜約0.4質量%なる範囲の量の錫触媒が、存在する。さらに別の態様では、該錫触媒は、約0.1〜約0.25質量%なる範囲の量で存在する。
有用な発泡剤は、有機発泡剤、例えばアゾビスホルムアミド、アゾビスイソブチロニトリル、ジアゾアミノベンゼン、N,N-ジメチル-N,N-ジニトロソテレフタルアミド、N,N-ジニトロソペンタメチレンテトラミン、ベンゼンスルホニルヒドラジン、ベンゼン-1,3-ジスルホニルヒドラジン、ジフェニルスルホン-3,3、ジスルホニルヒドラジン、4,4'-オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジン、p-トルエンスルホニルセミカルバジド、バリウムアゾジカルボキシレート、ブチルアミンにトリル、ニトロウレア、トリヒドラジノトリアジン、フェニルメチルウランタン(uranthan)、p-スルホンヒドラジド、過酸、及び無機発泡剤、例えば重炭酸アンモニウム及び重炭酸ナトリウムを含むが、これらに制限されない。空気、窒素、二酸化炭素等のガスを、射出成型工程中に、該組成物に吹込むこともできる。
さらに、本発明の発泡させた組成物は、該成型工程中に、あるいはその前に、該組成物と微小球とをブレンドすることにより製造できる。ポリマー、セラミック、金属及びガラス微小球が、本発明において有用であり、また中実、中空及び充填された、又は充填されていないものであり得る。特に、約1000μmまでの径を持つ微小球が有用である。
本発明は、また本発明のポリウレタン及びポリウレア組成物を、酸官能化して、「新規な酸官能性ポリウレタン、ポリウレア、又はそのコポリマーを含むゴルフボール組成物(Golf Ball Compositions Comprising a Novel Acid Functional Polyurethane, Polyurea, or Copolymer Thereof)」と題する、2002年2月5日付けで出願された、米国特許出願No. 10/072,395に記載されているような、接着性を高めることをも意図する。該米国特許出願の内容全体を、本発明の参考とする。該酸官能基は、好ましくはスルホン酸基(HSO3)、カルボキシル基(HCO2)、燐酸基(H2PO3)又はこれらの組み合わせに基づくものである。
一態様において、該酸官能性ポリウレタン又はポリウレアは、酸官能性部分を持つプレポリマーから製造する。該酸性基をポリウレタン組成物を製造する際に、該イソシアネート部分又はポリオール成分に組み込むことができる。本発明のポリウレア組成物を製造する際には、該酸性基を該イソシアネート又はポリエーテルアミン成分に組み込むことができる。
該酸基は、また後-重合反応中に組み込むことができ、ここで該酸官能基は該ポリウレア又はポリウレタンに導入又は結合される。さらに、上記のような共重合によって作られた、該酸官能性ポリウレア又はポリウレタンは、さらにこのような後-重合反応を通して、追加の酸官能基を組み込むことができる。該ポリウレア又はポリウレタンに酸官能基を組み込むための適当な試薬及びその製法は、米国特許第6,207,784号に記載されている。この特許の内容全体を、本発明の参考とする。
当業者は、該酸官能性ポリウレア又はポリウレタンを製造する他の方法を認識しているであろう。例えば、米国特許第5,661,207号に記載されているように、上記態様の組み合わせを利用することができる。この特許の内容全体を、本発明の参考とする。
部分的又は完全な中和のために使用する適当な金属塩基は、化合物、例えば金属酸化物、金属水酸化物、金属炭酸塩、金属重炭酸塩及び金属の酢酸塩を含むことができる。該金属イオンは、第IA、IB、IIA、IIB、IIIA、IIIB、IVA、IVB、VA、VB、VIA、VIB、VIIB及びVIIIB族金属イオンを含むが、これらに制限されない。このような塩基の好ましい金属イオンは、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、亜鉛、カルシウム、マンガン、アルミニウム、タングステン、ジルコニウム、チタン及びハフニウムを含む。該アミンは、好ましくはヒンダード有機三級アミン、例えばトリブチルアミン、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ジメチルセチルアミン及び同様な化合物である。一級又は二級アミンは、好ましくは該中和段階が該ポリマーの生成後に行われる場合にのみ利用できる。というのは、該アミンの水素が、該イソシアネート基と容易に反応して、該ポリウレア又はポリウレタンの重合を妨害するからである。当業者は追加の適当な中和用の化学試薬を認識している。
本発明の組成物は、任意の型のボール構造について使用できる。例えば、本発明に従って製造したゴルフボールは、完全に本発明の組成物からなる、均一な質量を持つように作られたワンピース構造を持つことができる。このようなボールは、さらに所望によって、公知の材料のブレンド、例えばここで議論したようなものを含むことができる。本発明の組成物を用いて製造したワンピースボールは、極めて耐久性が高いが、比較的高いスピン及び低い速度のために、大きな飛距離を与えない。
そこで、本発明の他の局面は、ツーピース及びスリーピース仕様のボール、並びに二重コア、二重カバー、中間層、多層コア、及び/又は多層カバーを持つゴルフボールに関する。ここで使用する用語「多層」とは、少なくとも2層を意味する。例えば、本発明の組成物を、ゴルフボールのコア、中間層及び/又はカバーにおいて使用でき、その各々は単一層又は多重層を持つことができる。図1に示したように、本発明のゴルフボールは、コア2、カバー3、及びこれらコア2とカバー3との間に設けられた少なくとも1層の中間層4を含むことができる。当業者には理解されるであろうように、該ゴルフボールの構造は、該ボールに望まれる性能の型に依存する。
本発明で使用するコアは、ワンピースコア又は多層コアであり得、その何れも中実、半-中実、ゲル、中空、流体-充填又は粉末-充填状態であり得る。多層コアは、最も内側の成分を含み、これはその上に付随的なコア層又は付随的な複数のコア層を持つものである。ここで使用する用語「ゴルフボールコア」とは、該カバー内に含まれる、ゴルフボールの任意の位置を表すのに使用できる。例えば、図2は、コア6及びカバー7を持つゴルフボール5を示す。3層以上の層を持つゴルフボールの場合には、該用語「ゴルフボールコア」とは、少なくとも1層の内側層を含むことができ、また典型的には中心部及び該カバーの下方に設けられた少なくとも1層の他の層を意味する。かかるボールは、「二重コア」ゴルフボールとして知られている。用語「内側コア」は、「中心」又は「ゴルフボール中心」なる用語と互換的に使用でき、また用語「外側コア」は、「中間層」又は「少なくとも1層の中間層」なる用語と、互換的に使用できる。
ポリマー、シス-トランス触媒、フィラー、架橋剤、及びフリーラジカル源の様々な組み合わせ、例えば継続中の、又は同一の出願人に譲渡された、「ゴムのコアを含む低圧縮率の弾性ゴルフボール(Low Compression, Resilient Golf Ball With Rubber Core)」と題する、2002年7月9日付けで出願された、米国特許出願No. 10/190,705(この特許出願の全開示事項を、本発明の参考とする)に記載されているものを用いて、該コアで使用するのに適した、ポリブタジエン反応生成物を製造することができる。また、このポリブタジエン反応生成物は、コア組成物に関する章において論じたが、本発明は、このポリブタジエン反応生成物を使用して、ゴルフボールの任意の成分の少なくとも一部を製造することをも意図する。
該ポリブタジエンを当分野において公知の他のエラストマー、例えば天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、及び/又はイソプレンゴムと混合して、該コアの特性をさらに改善することができる。本発明のこの局面では、該コア組成物における他の成分の量は、通常該全エラストマー混合物100重量部を基準とする。
本発明で使用するコアにおいて用いるのに適した、金属塩ジアクリレート、ジメタクリレート、及びモノメタクリレートは、該金属がマグネシウム、カルシウム、亜鉛、アルミニウム、ナトリウム、リチウム又はニッケルであるようなものを含む。亜鉛ジアクリレートが好ましい。というのは、このものが、USGAテストにおいて高い初期速度を持つゴルフボールを与えるからである。この亜鉛ジアクリレートは、様々な純度のものであり得る。本発明の目的にとって、該亜鉛ジアクリレート中に存在するステアリン酸亜鉛の量が少ない程、該亜鉛ジアクリレートの純度が高い。一態様において、約10%未満のステアリン酸亜鉛を含む亜鉛ジアクリレートを使用する。別の態様では、約4-8%のステアリン酸亜鉛を含む亜鉛ジアクリレートを使用する。適当な市販品として入手できる亜鉛ジアクリレートの一例は、サルトマー(Sartomer)から入手できるものである。
適当なシス-トランス触媒は、「ゴム製コアを含む低圧縮率の弾性ゴルフボール(Low Compression, Resilient Golf Ball With Rubber Core)」と題する、2002年7月9日付けで出願された、米国特許出願No. 10/190,705(この特許出願の全開示事項を、本発明の参考とする)に記載されているものを含むが、これらに制限されない。例えば、該シス-トランス触媒成分は、1種以上のシス-トランス触媒を含むことができるが、典型的には少なくとも1種の有機硫黄成分、第VIA族成分、無機スルフィド、又はこれらの組み合わせを含む。一態様において、該シス-トランス触媒は、少なくとも1種の有機硫黄成分を含み、ここで該有機硫黄成分はハロゲン化有機硫黄化合物である。ハロゲン化有機硫黄化合物は、以下の一般式で示される化合物を含むが、これらに限定されない:
典型的な公知技術のゴルフボールコアは、該コアの成型工程中に、ポリブタジエンを架橋する、亜鉛ジアクリレート-パーオキシド硬化系内に、約5〜約50pphなる範囲の酸化亜鉛又は酸化カルシウムを配合する。本発明の一態様では、該コア組成物中の該酸化亜鉛(ZnO)又は酸化カルシウム(CaO)を、コアの圧縮率を約60未満に維持するのに十分な量で使用する。例えば、該酸化亜鉛又は酸化カルシウムは、該コア形成組成物中に、ポリブタジエン又はポリブタジエン-エラストマー混合物100部を基準として、約0.1〜約15pph、好ましくは約1〜約10pph、最も好ましくは約1.25〜約5pphなる範囲の量で添加できる。
他の成分、例えばテトラメチルチウラム等の促進剤、加工助剤、プロセス油、可塑剤、染料及び顔料、酸化防止剤、並びに当業者には周知の他の添加物を、これらが典型的に使用される目的を達成するのに十分な量で、本発明において使用できる。
当分野において、中間層は、しばしば、従って本発明においても、内側カバー層、外側カバー層、又はマントル層と呼ばれる。該コアと同様に、該中間層も、複数の層を含むことができる。また、中間層を、例えば単一層又は多層カバー、単一層又は多層コア、単一層カバー及び単一層コア両者、又は多層カバー及び多層コア両者を含むボール内に含むことができる。
本発明のゴルフボールが、中間層、即ちゴルフボールの内側コアと外側カバーとの間に設けられた任意の層を含む場合、この層は、熱可塑成及び熱硬化性材料を含む当業者には公知の任意の材料を含むことができる。
図3は、多層ボール8を例示しており、これはカバー11、少なくとも1層の中間層10、及びコア9を含む。一態様において、図3の該ゴルフボール8は、ポリブタジエン反応材料製のコア9、中間層10、及び本発明の組成物で作られたカバー11を含むことができ、ここで該ポリウレタン又はポリウレア組成物は、好ましくはPPDIモノマーを含む。該中間層は、ポリウレタン、ポリウレア、及び上で議論したポリブタジエン材料の何れかで作ることができる。該中間層も、同様に1種以上のホモポリマー又はコポリマー材料を含むことができ、該ホモポリマー又はコポリマー材料は以下に列挙するものを含む:
2) ポリオレフィン、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン及びコポリマー、例えばエチレン-メタクリレートコポリマー、エチレン-エチルアクリレートコポリマー、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、エチレン-メタクリル酸又はエチレン-アクリル酸又はプロピレン-アクリル酸コポリマー、及び単一サイト触媒又はメタロセン触媒を使用して製造したコポリマー及びホモポリマー;
3) ポリウレタン、例えばポリオールとジイソシアネート又はポリイソシアネートとから調製されるもの、及び米国特許第5,334,673号に記載されているもの;
4) ポリウレア、例えば米国特許第5,484,870号に記載されているもの;
5) ポリアミド、例えばポリ(ヘキサメチレンアジパミド)及びジアミンと二塩基酸とから調製されるその他のもの、並びにアミノ酸から製造されるもの、例えばポリ(カプロラクタム)、及びポリアミドとサーリン、ポリエチレン、エチレンコポリマー、エチルプロピレン/非共役ジエンターポリマーとのブレンド等;
7) 熱可塑性樹脂、例えばウレタン樹脂、オレフィン系熱可塑性ゴム、例えばポリオレフィンと、エチレン/プロピレン/非共役ジエンターポリマーとのブレンド、スチレンと、ブタジエン、イソプレン又はエチレン-ブチレンゴムとのブロックコポリマー、又はコポリ (エーテルアミド)、例えばPA、フィラデルフィアのアトフィナケミカルズ社(Atofina Chemicals, Inc.)により市販されているペバックス(PEBAX);
8) ポリフェニレンオキシド樹脂、又はポリフェニレンオキシドと、高耐衝撃性のポリスチレンとのブレンドであって、MA、ピッツフィールドのジェネラルエレクトリック社(General Electric Company)により、ノリル(NORYLTM)の下で市販されているもの;
9) 熱可塑性ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/グリコール変性及びエラストマー、例えばDE、ウイルミントンのE.I.デュポンドゥネモアーズ社(DuPont de Nemours & Co.)により、ハイトレル(HYTRELTM)の下で、及びMA、ピッツフィールドのジェネラルエレクトリック社により、ロモド(LOMODTM) の下で市販されているもの;
10) ポリカーボネートと、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、スチレン無水マレイン酸、ポリエチレン、エラストマー等を含む、及びポリ塩化ビニルと、アクリロニトリルブタジエンスチレン又はエチレン酢酸ビニル又は他のエラストマーとを含む、ポリマーブレンド及びポリマーアロイ;及び
11) 熱可塑性ゴムと、ポリエチレン、プロピレン、ポリアセタール、ナイロン、ポリエステル、セルロースエステル等とのブレンド。
一態様において、該中間層は、ポリマー、例えばエチレン、プロピレン、ブテン-1又はヘキセン-1を主成分とするホモポリマー又は官能性モノマー、例えばアクリル酸及びメタクリル酸を含むコポリマー及び完全に又は部分的に中和されたイオノマー樹脂及びそのブレンド、メチルアクリレート、メチルメタクリレートホモポリマー及びコポリマー、イミド化アミノ基含有ポリマー、ポリカーボネート、強化ポリアミド、ポリフェニレンオキシド、高耐衝撃性ポリスチレン、ポリエーテルケトン、ポリスルホン、ポリ(フェニレンスルフィド)、アクリロニトリルブタジエン、アクリル酸/スチレン/アクリロニトリル、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリ(エチレンビニルアルコール)、ポリ(テトラフルオロエチレン)及び官能性コモノマーを含むこれらのコポリマー、及びこれらのブレンドを含む。
上で簡単に述べたように、イオノマー樹脂、例えばエチレンと不飽和モノカルボン酸とのイオン性コポリマーは、DE、ウイルミントンのE.I.デュポンドゥネモアーズ社から、サーリン(商標)の下で、あるいはエクソン社からイオテック(IOTEKTM)又はエスコール(ESCORTM) の下で入手できる。イオノマー材料の製造方法は、当分野において周知であり、米国特許第3,262,272号に記載されている。この特許請求の範囲の内容全体を、本発明の参考とする。
一態様において、該カルボン酸基は約10〜約100%中和される。別の態様では、該酸基は約1〜約90%、好ましくは約40%又はそれ以上、及びより好ましくは約60%又はそれ以上中和されている。該カルボン酸基は、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマール酸又はイタコン酸を含むこともできる。該塩は、炭素原子数2〜10のオレフィンと、炭素原子数3〜8の不飽和モノカルボン酸との反応生成物である。
イオノマーも、E/X/Yコポリマー又はターポリマーを含むことができ、ここでEはエチレンである、Xは柔軟化コモノマー、例えば該ポリマーを基準として、0-50(好ましくは0-25)質量%なる範囲の量で存在する、アクリレート又はメタクリレートであり、Yは該ポリマーを基準として、約5〜約35質量%なる範囲の量で存在する、メタクリル酸又はアクリル酸である。さらに別の態様では、Yは該ポリマーを基準として、約10〜約35質量%なる範囲の量で存在する。さらに別の態様では、Yは該ポリマーを基準として、約15〜約20質量%なる範囲の量で存在する。別の態様では、Yは該ポリマーを基準として、約8〜約35質量%、好ましくは約8〜約25質量%、及びより好ましくは約8〜約20質量%なる範囲の量で存在する。
低級酸イオノマーは、高いスピンを付与するものと考えられている。従って、一態様において、該中間層は、該酸が約10〜15質量%で存在し、かつ場合により柔軟化コモノマー、例えばイソ-又はn-ブチルアクリレートを含み、より柔軟なターポリマーを生成する、低級酸イオノマーを含む。該柔軟化コモノマーは、2〜10個の炭素原子を持つ脂肪族カルボン酸のビニルエステル、アルキル基が1〜10個の炭素原子を持つビニルエーテル、及びアルキル基が1〜10個の炭素原子を持つアルキルアクリレート又はメタクリレートからなる群から選択できる。適当な柔軟化コモノマーは酢酸ビニル、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート等を含む。
さらに別の態様では、該中間層は、少なくとも1種の主に又は十分に非-イオノマー性の熱可塑性材料を含む。適当な非-イオノマー性材料は、ポリアミド及びポリアミドブレンド、グラフト化又は非-グラフト化メタロセン-触媒ポリオレフィン又はポリアミド、ポリアミド/イオノマーブレンド、ポリアミド/非-イオノマーブレンド、ポリフェニレンエーテル/イオノマーブレンド、及びこれらの混合物を含む。グラフト化又は非-グラフト化メタロセン-触媒ポリオレフィン又はポリアミド、ポリアミド/イオノマーブレンド、ポリアミド/非-イオノマーブレンドの例は、継続中の、「グラフト化メタロセン-触媒ポリマーブレンドを配合したゴルフボール(Golf Ball Incorporating Grafted Metallocene Catalyzed Polymer Blends)」と題する、2002年5月6日付けで出願された、米国特許出願No. 10/138,304に記載されている。この特許出願の全開示を、本発明の参考とする。該中間層は、また米国特許第5,688,191号に記載されているような組成物から作ることもできる。この特許の全開示を、本発明の参考とする。
該中間層は、また中実、半-中実、中空、流体-充填、又は粉末-充填中心の周りに巻付けた、張力印加エラストマー材料であっても良い。糸巻層は、本発明の目的にとって、コア層又は中間層として記載することもできる。一例として、図3のゴルフボールは、コア層9、そこに巻き付けられた張力印加エラストマー層10、及びカバー層11を含むことができる。特に、図3のゴルフボール8は、ポリブタジエン反応生成物で作られたコア9、張力印加エラストマー材料を含む中間層10及び本発明の組成物を含むカバー11を含むことができる。該張力印加エラストマー材料は、当業者には公知の任意の適当な材料から作ることができる。さらに別の態様では、図3のゴルフボール8は、液体で満たされた中空球状コアシェルを含む、糸巻液状中心9、張力印加エラストマー材料10を含むゴム糸層及び本発明の組成物で作られたカバー11を含むことができる。
一態様において、該張力印加エラストマー層は、「フープ応力層を持つ完全ゴム製ゴルフボール(All Rubber Golf Ball with Hoop-Stress Layer)」と題する、2001年4月27日付けで出願された、継続中の米国特許出願No. 09/842,829(この特許出願の開示全体を、本発明の参考とする)に記載されているような、約10,000kpsi以上の引張弾性率を持つ高張力フィラメントである。他の態様では、該張力印加エラストマー層は、結合材料で被覆され、該材料は活性化された場合に、該コア及びそれ自体に接着し、該張力印加エラストマー層のストランドの膨潤を生じ、かつ少なくとも約5%だけ、該層の断面積を増大する。このようなゴルフボール構造の例は、継続中の米国特許出願No. 09/841,910(この特許出願の開示全体を、本発明の参考とする)に記載されている。
該カバー層を形成する前に、該内側ボール、即ちそのコア及び該コア上の任意の中間層を表面処理して、該内側ボールの外部表面と該カバーとの間の接着性を高めることができる。かかる表面処理の例は、該副集成部分(subassembly)の外側表面を、機械的に又は化学的に研磨することを含む。該内側ボールを、その回りに該カバーを形成する前に、コロナ放電処理又はプラズマ照射処理に付すことができる。該ボールの他の層、例えば該コアも、表面処理することができる。これら及び他の表面処理技術の例は、米国特許第6,315,915号(この特許の開示全体を、本発明の参考とする)に記載されている。
ゴルフボールカバーは、該ボールとクラブとの間に接触面を与える。このカバーにとって望ましい特性は、特に、良好な成型適正、良好な耐衝撃性、高い耐磨耗性、高い引裂き強さ、高いレジリエンス、及び良好な離型性である。即ち、望ましい特性に応じて、該カバーは、単一層を含むものとして形成でき、あるいは複数の層、例えばゴルフボール中心の周りに設けられた内側カバー層及びその上に形成された外側カバー層を含むことができる。例えば、図3は、コア9と、薄い内側カバー層10と、その上に形成された外側カバー層11とを含むゴルフボール8を表すものであり得る。特に、コア9は、ポリブタジエン反応物質で作ることができ、該内側カバー層10は、イオノマーブレンドで作ることができ、また該外側カバー層11は、本発明のポリウレタン又はポリウレア組成物から製造できる。
一態様において、少なくとも1層のカバー層は、約1〜100%の本発明による組成物を含む。別の態様では、少なくとも1層のカバー層は、上で論じた組成物ブレンドで形成される。例えば、一態様において、少なくとも1層のカバー層は、約10〜約90%のポリウレタン又はポリウレアと、約90〜約10%の他のポリマー及び/又は他の材料とのブレンドで、作られる。他の態様では、該カバー組成物は、約10〜約75%のポリウレタン又はポリウレアと、約90〜約25%の他のポリマー及び/又は他の材料とを含む。
このような一態様において、両カバー層は、同一の材料で作ることができ、また本質的に同一の硬さを持つことができるが、これらの層は、異なる摩擦係数値を持つように設計される。他の態様では、本発明の組成物は、本質的に同一の硬さを持つが、高い変形度の下で異なるレオロジー特性を示す、多数のカバー層を含むゴルフボールにおいて用いられる。この態様の別の局面は、本質的に同一の硬さを持つが、硬質の内側カバーを持つボールよりも軟質の外側カバーをシミュレートするために、異なる厚みを持つ、多数のカバー層を含むゴルフボールに関する。
この概念のさらに別の局面は、本質的に同一の硬さを持つが、乾燥状態に比して、湿潤状態で異なる特性を持つ、多数のカバー層を含むゴルフボールに関連する。ゴルフボール層の湿潤性は、特に粗面化度、化学的な不均質性、分子配向、膨潤、及び界面張力によって影響される可能性がある。従って、ゴルフボール層の非-破壊的な表面処理は、層の親水性を高めるのに役立ち、一方ゴルフボール層表面の高度な研磨又は平滑化は、湿潤性を低下する恐れがある。米国特許第5,403,453号及び同第5,456,972号(これら特許の開示全体を、本発明の参考とする)は、この湿潤性に影響を与える、ポリマー材料の表面処理法を開示している。さらに、プラズマエッチング、コロナ放電処理及び火炎処理は、該湿潤性を所定の状態に変えるのに有用な表面処理であり得る。湿潤剤を該ゴルフボール層組成物に添加して、該層の表面張力を変更することができる。
該カバー組成物は、また完全に、1種以上のホモポリマー又はコポリマー材料と、ここで議論する他の材料(例えば、以下に列挙するもの)とのブレンドから製造でき、あるいはこれらを含むものであり得る:
2) ポリオレフィン、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン及びコポリマー、例えばエチレン-メタクリレートコポリマー、エチレン-エチルアクリレートコポリマー、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、エチレン-メタクリル酸又はエチレン-アクリル酸又はプロピレン-アクリル酸コポリマー、及び単一サイト触媒を使用して製造したコポリマー及びホモポリマー;
3)熱可塑性又は熱硬化性、飽和又は不飽和、脂肪族又は芳香族、酸官能化されたポリウレタン、例えばポリオール又はアミンとジイソシアネート又はポリイソシアネートとから調製されるもの、及び米国特許第5,334,673号及び米国特許出願No. 10/072,395に記載されているもの;
4) 熱可塑性又は熱硬化性、飽和又は不飽和、脂肪族又は芳香族、酸官能化されたポリウレア、例えば米国特許第5,484,870号及び米国特許出願No. 10/072,395に記載されているもの;
5) ポリアミド、例えばポリ(ヘキサメチレンアジパミド)及びジアミンと二塩基酸とから調製されるその他のもの、並びにアミノ酸から製造されるもの、例えばポリ(カプロラクタム)、強化ポリアミド、及びポリアミドとイオノマー、ポリエチレン、エチレンコポリマー、エチル-プロピレン/非共役ジエンターポリマーとのブレンド等;
7) 熱可塑性樹脂、例えばウレタン樹脂、オレフィン系熱可塑性ゴム、例えばポリオレフィンと、エチレン/プロピレン/非共役ジエンターポリマーとのブレンド、スチレンと、ブタジエン、イソプレン又はエチレン-ブチレンゴムとのブロックコポリマー、又はコポリ (エーテルアミド)、例えばPA、フィラデルフィアのアトフィナケミカルズ社により市販されているペバックス(PEBAX);
8) ポリフェニレンオキシド樹脂、又はポリフェニレンオキシドと、高耐衝撃性のポリスチレンとのブレンドであって、MA、ピッツフィールドのジェネラルエレクトリック社により、ノリル(NORYLTM)の下で市販されているもの;
9) 熱可塑性ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/グリコール変性及びエラストマー、例えばDE、ウイルミントンのE.I.デュポンドゥネモアーズ社により、ハイトレル(HYTRELTM)の下で、及びMA、ピッツフィールドのジェネラルエレクトリック社により、ロモド(LOMODTM) の下で市販されているもの;
10) 官能性モノマー、例えばアクリル酸又はメタクリル酸を含む、エチレン、プロピレン、1-ブテン又は1-ヘキセンを主成分とするホモポリマー又はコポリマー、あるいは完全に又は部分的に中和されたイオノマー樹脂、及びそのブレンド、メチルアクリレート、メチルメタクリレートホモポリマー又はコポリマー、低級酸イオノマー、高級酸イオノマー、及びこれらのブレンド;
11) ポリカーボネートと、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、スチレン無水マレイン酸、ポリエチレン、エラストマー等を含む、及びポリ塩化ビニルと、アクリロニトリルブタジエンスチレン又はエチレン酢酸ビニル又は他のエラストマーとを含む、ポリマーブレンド及びポリマーアロイ;及び
12) 熱可塑性ゴムと、ポリエチレン、プロピレン、ポリアセタール、ナイロン、ポリエステル、セルロースエステル等とのブレンド。
本発明のゴルフボールは、また熱可塑性中間層及び熱硬化性外側カバー層を持つように製造できる。例えば、一態様において、該中間層は、熱可塑性PPDIを主成分とするポリウレタン又はポリウレア組成物から製造し、かつ該カバー層を熱硬化性組成物から形成し得る。該熱硬化性カバー組成物も、PPDIを主成分とするポリウレタン又はポリウレアであり得る。
本発明で利用できる適当な型のボール構造の、非限定的な例は、米国特許第6,056,842号、同第5,688,191号、同第5,713,801号、同第5,803,831号、同第5,885,172号、同第5,919,100号、同第5,965,669号、同第5,981,654号、同第5,981,658号及び同第6,149,535号、並びに公開特許US2001/0009310 A1、US2002/0025862、及びUS2002/0028885に記載されているものを含む。これら特許及び公開特許出願の全開示を本発明の参考とする。
製造法
本発明のゴルフボールは、様々な応用技術、例えば圧縮成型、フリップ成型(flip molding)、射出成型、格納式ピン(retractable pin)射出成型、反応射出成型(RIM)、液体射出成型(LIM)、注入成型、真空成型、粉末被覆、流し塗り、回転塗り、浸漬、噴霧等を利用して製造できる。
例えば、該ポリブタジエン弾性ポリマー製コア成分のシス-異性体を、成型サイクル中にそのトランス-異性体に転化する方法は、当業者には公知である。適当な方法は、一回パス(single pass)混合(成分を順次周期的に添加する)、多数回パス混合等を含む。架橋剤、及びゴルフボールの中心又は追加の層の特性を改善するのに使用する、他の任意の、随意の添加物は、同様に任意の型の混合によって、併合される。適当な混合装置は、当業者には周知であり、またこのような装置は、バンバリーミキサ、二本ロールミル、又は二軸スクリュー押出機を含むことができる。適当な混合速度及び温度は、当業者には周知であり、あるいは不当に実験を行うことなく、容易に決定できる。
さらに、米国特許第6,180,040号及び同第6,180,722号は、二重コアを持つゴルフボールの製法を開示している。これら特許の開示事項全体を、本発明の参考とする。
本発明の組成物は、様々な適用技術、例えば当分野において周知の噴霧、圧縮成型、射出成型、RIM、LIM、流し込み成型、浸漬、回転塗り又は流し塗り法を利用して、内側ボール上に適用できる。一態様においては、本発明の組成物を、注入成型及び圧縮成型の組み合わせを利用して、該コア上にカバーを形成するのに利用する。
米国特許第5,733,428号及び同第5,888,437号(これら特許の開示事項全体を、本発明の参考とする)両者は、ゴルフボールコア上にポリウレタンカバーを形成するための有用な方法を開示している。これらの方法は、該ゴルフボールカバーとして、熱硬化性及び熱可塑性材料の流し込み成型法の利用に関連するので、本発明のポリウレア組成物を、米国特許第5,733,428号及び同第5,888,437号に記載されている方法で、内側ボールの周りに、成型できる。
熱硬化性組成物を用いた態様において、該カバーの形成を開始するために、秤量した該プレポリマー及び硬化剤を、ラインを介して供給することにより、これらのプレポリマーと硬化剤との混合を、自動式ミキサ内部の混合ヘッドにおいて行う。上部を予備加熱した金型部分を満たし、各金型内で開口内を移動する芯出しピンを用いて、固定装置内に配置する。後に、下方の金型部分のキャビティー又は一連の下方の金型部分のキャビティーを、該上部金型部分について使用したものと同様な量の混合物で満たす。これらの反応物質を、約40〜約100秒、好ましくは約60〜約80秒及びより好ましくは約70〜約80秒間、該上部金型部分に維持した後、コアを制御された速度にて、該ゲル化反応混合物中を下降させる。
同様に、米国特許第5,006,297号及び同第5,334,673号両者も、本発明で使用する注入成型可能な反応性液体を適用するのに利用できる、適当な成型技術を開示している。しかし、本発明の方法はこれら技術の利用に限定されず、当業者には公知の他の方法も利用できる。例えば、該ボールコアを支持するための他の方法を、部分的な真空の代わりに利用できる。
様々なディンプルパターン及びプロフィールの使用は、ゴルフボールの空力的な諸特性を変えるのに、比較的有効な方法を与える。そこで、このディンプルを該ボール表面に配置する手段は、任意の利用可能な方法であり得る。例えば、該ボールは、例えば米国特許第4,560,168号に記載されているような、正二十面体を基本とするパターン、又は米国特許第4,960,281号に記載されているような、八面体を基本とするディンプルパターンを持つことができる。あるいはまた、該ディンプルパターンは、米国特許第6,338,684号(この特許の開示事項全体を、本発明の参考とする)に記載されているような、葉序学的なパターンに従って、配置することも可能である。このディンプルパターンは、また切頭八面体、大きなロンブキュブオクタヘドロン(rhombcuboctahedron)、切頭十二面体及び大きなロンビコシドデカヘドロン(rhombicosidodecahedron)を含む、アルキメデス様のパターンを基本とするものであっても良い。ここで、該パターンは、米国特許出願No. 10/078,417(この特許出願を、本発明の参考とする)に記載されているように、非線形の分離線を持つ。本発明のゴルフボールは、また米国特許第6,409,615号(この特許の開示事項全体を、本発明の参考とする)に記載されているような、非-円形型のディンプル、即ち不定形のディンプルで覆われていても良い。
さらに、環状格子パターン、例えば米国特許第6,290,615号(この特許の開示事項全体を、本発明の参考とする)に記載されているようなパターンも、本発明のゴルフボールについて使用できる。本発明のゴルフボールは、米国特許第6,383,092号(この特許の開示事項全体を、本発明の参考とする)に記載されているように、該ボールの中間層上に設けられた複数のピラミッド状の突起部を持つこともできる。
さらに、「カテナリ曲線状のプロフィールを持つゴルフボールディンプル(Golf Ball Dimples with a Catenary Curve Profile)」と題する、2001年11月21日付けで出願された、米国特許出願No. 09/989,191(この特許出願の開示事項全体を、本発明の参考とする)に記載されているような、カテナリ曲線状のディンプルプロフィールを、本発明のゴルフボールで使用することを意図する。
最後に、変動するディンプルサイズを持つディンプルパターンの、幾つかの追加の、非-限定的な例は、米国特許第6,351,161号及び同第6,213,898号(これら特許の開示事項全体を、本発明の参考とする)にも与えられている。
本発明のゴルフボールは、更なる便宜のために、塗装し、被覆し、あるいは表面処理に付すことができる。例えば、ゴルフボールのカバーは、しばしば所定の色に係る特徴を持たせるために、蛍光材料及び/又は染料又は顔料を含む。一態様において、7-トリアジルアミノ-3-フェニルクマリンの誘導体を、米国特許出願No. 2002/0082358(この特許出願の開示事項全体を、本発明の参考とする)に記載されているように、蛍光増白剤として使用して、改善された耐候性及び光沢を付与することを意図する。一態様において、該被覆層は、米国特許第5,849,168号(この特許の開示事項全体を、本発明の参考とする)に記載されているような、金型内被覆技術により、該ゴルフボールカバーに適用される。
さらに、例えば「ゴルフボール上での証印の形成法(Method of Forming Indicia on a Golf Ball)」と題する、2001年12月12日付けで出願された、米国特許出願No. 10/012,538、及び米国特許第5,248,878号、同第6,075,223号及び同第6,462,303号(これら特許文献の開示事項全体を、本発明の参考とする)に記載されているように、商標又は他の証印を、該ゴルフボールの部品に適用できる。
ゴルフボールの特性、例えば硬さ、弾性率、コア径、中間層の厚み及びカバー層の厚みが、本発明のゴルフボールのスピン、初期速度及び感触等の競技特性に影響を与えることが分かっている。例えば、該中間層の曲げ弾性率及び/又は引張弾性率は、本発明のゴルフボールの「感触」に影響を与えるものと考えられている。
部品の寸法
ゴルフボール部品の寸法、即ち厚み及び径は、所定の特性に応じて変えることができる。本発明の目的にとって、任意の層の厚みを使用できる。上で概説した様々な態様の非-限定的な例を、層の寸法に関連してここに与える。本発明では、ここに与えられる種々の範囲の相互の組み合わせをも意図しており、例えばある範囲の大きな端部値と、他の範囲の小さな端部値とを組み合わせることができる。
本発明は、任意サイズのゴルフボールに関する。USGA規格は、競技用ゴルフボールのサイズを、径約4.27cm(1.68in)を越える値に制限しているが、任意サイズのゴルフボールを、娯楽的ゴルフ競技で使用することができる。ゴルフボールの好ましい径は、約4.27〜4.57cm(約1.68〜1.8in)なる範囲にある。より好ましい径は、約4.27〜4.47cm(約1.68〜1.76in)なる範囲にある。約4.27〜4.42cm(約1.68〜1.74in)なる範囲の径が最も好ましいが、約4.32〜4.95cm(約1.7〜1.95in)なる範囲内の如何なる径を使用することも可能である。好ましくは、該コア及び全中間層の全体的な径は、該完成されたボールの全径の約80〜約98%である。
さらに別の態様では、本発明のゴルフボールで使用するコアは、約3.18〜4.06cm(約1.25〜1.60in)なる範囲の径を持つ。本発明のこの局面において、カバー及び中間層を組み込む場合、該コアの径は、約3.30〜3.76cm(約1.30〜1.48in)なる範囲にある。例えば、該コアは、約3.53cm(約1.39in)なる径を持つことができる。
該コアが内側コア層と外側コア層とを含む場合、該内側コア層は、約2.29cm(約0.9in)以上であることが好ましく、また該外側コア層は、約2.54mm(約0.1in)以上の厚みを持つことが好ましい。一態様において、該内側コア層は、約2.29〜30.5mm(約0.09〜1.2in)なる範囲の径を持ち、かつ該外側コア層は、約2.54〜約20.3mm(約0.1〜約0.8in)なる範囲の厚みを持つ。さらに別の態様では、該内側コア層は、約2.41〜27.9mm(約0.095〜1.1in)なる範囲の径を持ち、かつ該外側コア層は、約5.08〜約0.762mm(約0.20〜約0.03in)なる範囲の厚みを持つ。
一態様において、該中間層の厚みは、約2.29mm(約0.09in)以下、より好ましくは約0.762〜約2.03mm(約0.03〜約0.08in)なる範囲にある。例えば、該中間層は、約1.52mm(約0.06in)以下の厚みを持つことができる。他の態様では、該中間層は、約1.27mm(約0.05in)以下、より好ましくは約0.254〜約1.14mm(約0.01〜約0.045in)なる範囲の厚みを持つことができる。一態様において、該中間層は、約0.508〜約1.02mm(約0.02〜約0.04in)なる範囲の厚みを持つことができる。他の態様では、該中間層の厚みは、約0.635〜約0.889mm(約0.025〜約0.035in)なる範囲にある。さらに別の態様では、該中間層の厚みは約0.889mm(約0.035in)である。さらに別の態様では、該内側カバー層は、約0.762〜約8.89mm(約0.03〜約0.35in)なる範囲の厚みをもつ。これら中間層及び外側カバー層の厚みの、様々な組み合わせが、ここに記載する他の態様との組み合わせで利用できる。
該コアと該中間層の全体としての径は、完成されたボールの全径の約85〜約97%であることが好ましい。
殆どのゴルフボールは、所定の性能特性を達成するために、異なる硬さ、例えば硬さの勾配を持つ層からなっている。本発明は、層間に硬さの勾配を持つゴルフボール、並びに同一の硬さを持つ層を含むこのようなゴルフボールを目的とする。
特に、当業者は、「材料の硬さ」と「ゴルフボールについて直接測定した硬さ」との間には、基本的な違いがあることを理解すべきである。材料の硬さは、ASTM-D2240(ショアC及びD硬さ)に示された手順により規定され、一般に硬さを測定すべき該材料から形成した、平坦な「スラブ」又は「ボタン」の硬さを測定する工程を含む。ゴルフボール(またの球状の表面)について直接測定した場合の、硬さは、まったく異なる測定値であり、従って異なる硬さの値を与える。この差は、ボールの構造(即ち、コアの型、コアの数及び/又はカバー層の数等)、ボール(又は球)の径、及び隣接層の材料組成を含むが、これらに限定されないファクタの数に起因する。また、これら2つの測定技術が、線形関係を持たず、結果的に一方の硬さの値を、他方に対して容易に関連付けることができないことをも、理解すべきである。
該コアの硬さは、またショアCによって規定することも可能である。従って、一態様において、該コアは、約65〜約80ショアC、より好ましくは約65〜約75ショアCなる範囲の硬さを持つ。
例えば、該コアの内部は、約45〜約60ショアCなる第一の硬さを持ち、かつ該コアの外部表面は、約65〜約75ショアCなる第二の硬さを持つことができる。本発明に従って処方された1種のゴルフボールにおいて、該第一の硬さは、約51ショアCであり、かつ第二の硬さは約71ショアCであり、20%を越える硬さにおける差を与えた。
しかし、一態様において、該コアは、全体を通して実質的に均一な硬さを持つ。従って、この局面では、該第一及び第二の硬さは、好ましくは約5%以下、より好ましくは約3%以下、及びより一層好ましくは約2%以下だけ異なる。他の態様では、この硬さは、該部品全体を通して均一である。
他の態様では、該中間層は、約20〜約40ショアD、及びより好ましくは約27〜約33ショアDなる範囲の硬さを持つ。さらに別の態様では、該中間層は、約40〜約60ショアD、及びより好ましくは約50〜約60ショアDなる範囲の硬さを持つ。
該中間層を、該コア層よりも硬いものとしたい場合、該中間層の硬さ対該コアの硬さの比は、好ましくは約2以下である。一態様において、この比は約1.8以下である。さらに別の態様では、この比は約1.3以下である。
例えば、該中間層を、該ボール内の最も硬い点、例えば約50〜約75ショアDなる硬さとしたい場合には、そのカバー材料は、スラブにつき測定した値として、約20ショアD以上、好ましくは約25ショアD以上、及びより好ましくは約30ショアD以上の硬さを持つことができる。他の態様では、該カバー自体は、約30ショアD以上の硬さをもつ。特に、該カバーは、約30〜約60ショアD、好ましくは約35〜約55ショアDなる範囲の硬さを持つことができる。一態様において、該カバーは、約40〜約65ショアDなる範囲の硬さを持つ。他の態様では、該カバーは、約45ショアD未満、好ましくは約40ショアD未満、及びより好ましくは約25〜約40ショアDなる範囲の硬さを持つ。一態様において、該カバーは、約30〜約40ショアDなる範囲の硬さを持つ。
さらに他の態様では、該カバー及び中間層材料が、実質的に同一の硬さを持つ場合には、この比は約0.1以下である。該カバー層と該中間層との間における硬さの差を、有意なものとしたくない場合には、該カバーは、約55〜約65ショアDなる範囲の硬さを持つことができる。この態様において、該外側カバーのショアD硬さ対該中間層の硬さの比は、約1.0以下、好ましくは約0.9以下である。
該カバーの硬さを、またショアCによって規定することも可能である。例えば、該カバーは約70ショアC以上、好ましくは約80ショアC以上の硬さを持つことができる。他の態様では、該カバーは約95ショアC以下、好ましくは約90ショアC以下の硬さを持つことができる。
ツーピースボールを製造する場合、そのコアは、その外側カバーよりも柔軟であり得る。例えば、該コアの硬さは、約30〜約50ショアDなる範囲にあり、また該カバーの硬さは、約50〜約80ショアDなる範囲であり得る。この型の構造において、該カバーの硬さ対該コアの硬さの比は、好ましくは約1.75以下である。他の態様では、この比は、約1.55以下である。例えば、該材料に依存して、本発明の組成物が、酸-官能化されており、該酸基が、少なくとも部分的に中和されている場合、該カバー対該コアの硬さの比は、好ましくは約1.25以下である。
圧縮率値は、測定すべき部品の径に依存する。ここで使用するような、用語「アッチ圧縮率」又は「圧縮率」とは、NJ、ユニオンシティーのアッチエンジニアリング社(Atti Engineering Corp.)から市販品として入手できる、アッチコンプレッションゲージ(Atti Compression Gauge)を用いて測定した如き、較正したバネの撓みに対する、ある対象又は物体の撓みとして定義される。アッチ圧縮率は、典型的にゴルフボールの圧縮率を測定するのに利用される。
多くの従来のツーピース型「飛距離用(distance)」ゴルフボールは、高い圧縮率(例えば、約90を越える圧縮率)を持つコアを含むように作成して、該ボールに対して長い全体的な飛距離を得るのに必要な、所定の高い完成ボールのCOR及び初期速度を達成している。このように高い圧縮率を持つコアを含むボールは、典型的にゴルフクラブでヒットした際に、固い感触を持つ。本発明のこの局面、即ち硬いコアを持つボールにおいて、該コアの圧縮率は、約90以上である。例えば、該硬いコアの圧縮率は、約90〜約100なる範囲であり得る。
他の低圧縮率態様では、該コアは、約20未満、より好ましくは約10未満、及び最も好ましくは0なる圧縮率を持つ。しかし、当業者には公知であるように、本発明に従って製造した該コアは、該アッチコンプレッションゲージの測定限界以下であり得る。
一態様において、本発明のゴルフボールは、好ましくは約55以上、好ましくは約60〜約120なる範囲のアッチ圧縮率を持つ。他の態様では、本発明のゴルフボールのアッチ圧縮率は、少なくとも約40、好ましくは約50〜120、及びより好ましくは約60〜100なる範囲にある。さらに別の態様では、本発明のゴルフボールの、この圧縮率は、約75以上かつ約95以下である。例えば、本発明の好ましいゴルフボールは、約80〜約95なる範囲の圧縮率を持つことができる。他の態様では、本発明のゴルフボールは、約90、より好ましくは約75〜約85なる範囲の、全体としての最大圧縮率を持つ。
通常、ゴルフボールのCORに関するUSGAによる制限はないが、該ゴルフボールの初期速度は、約76.3±1.53 m/sec(250±5 ft/sec)を越えることはできない。従って、一態様において、該初期速度は約74.7 m/sec(約245 ft/sec)以上、かつ約77.8 m/sec(約255 ft/sec)以上である。他の態様では、該初期速度は約76.3 m/sec(250 ft/sec)以上である。一態様において、該初期速度は約77.2〜77.5 m/sec(約253〜約254 ft/sec)なる範囲にある。さらに別の態様では、該初期速度は約77.8 m/sec(約255 ft/sec)である。初期速度に関する一般的な規則は、ゴルフボールの製造業者がこの限界内に留まっていることを要求するが、当業者は、本発明のゴルフボールが、この範囲外の初期速度を持つゴルフボールにも、容易に転化できることを理解するであろう。
結果として、USGAによって示されたこの初期速度に関する制限のために、最終的な目標は、この約77.8 m/sec(約255 ft/sec)という制限を犯さずに、CORを最大にすることである。ここで使用する「COR」とは、復元係数を意味し、これはボールの反発速度を、その初期の、即ち入射(incoming)速度で割ることにより得られる。高いCORを持つゴルフボールは、プレートと衝突し、そこから戻ってくる際に、その全エネルギーの、より低いCORを持つボールよりも少ない部分を消費する。ここで報告するCOR値は、この対象を、入射速度約38.1 m/sec(125 ft/sec)にて、スチール板に対して発射させ、該板から離れてゆく速度(離反速度)を測定し、該離反速度の該入射速度に対する割合を決定することにより、得られる。
本発明は、約0.7〜約0.85なる範囲のCORを持つゴルフボールを意図する。一態様において、このCORは、約0.75以上、好ましくは約0.76以上、より好ましくは約0.78以上、及びより一層好ましくは約0.79以上である。他の態様では、該ボールは、約0.8以上のCORを持つ。
さらに、該内側ボールは、約0.780以上のCORを持つ。一態様において、該内側ボールのCORは、約0.790以上である。
従って、本発明のゴルフボールは、(ASTM D-790により測定した)曲げ弾性率約3.45〜約3450MPa(約500〜約500,000psi)を持つ中間層を持つことが好ましい。より好ましくは、該中間層の曲げ弾性率は、約6.89〜約1720MPa(約1000〜約250,000psi)なる範囲にある。一態様において、該中間層の曲げ弾性率は、約551MPa(約80,000psi)以下である。最も好ましくは、該中間層の曲げ弾性率は、約13.8〜約1380MPa(約2000〜約200,000psi)なる範囲にある。一態様において、該中間層は、約68.9MPa(約10,000psi)未満、より好ましくは約13.8〜約55.1MPa(約2000〜約8000psi)なる範囲の曲げ弾性率を持つ。
一態様において、該カバーの曲げ弾性率は、約3.45〜約1030MPa(約500〜約150,000psi)なる範囲、好ましくは約13.8MPa(約2000psi)以上、より好ましくは約34.5MPa(約5,000psi)以上である。他の態様では、該カバーの曲げ弾性率は、約68.9〜約1030MPa(約10,000〜約150,000psi)なる範囲にある。より好ましくは、該カバーの曲げ弾性率は、約103〜約827MPa(約15,000〜約120,000psi)なる範囲にある。最も好ましくは、該カバーの曲げ弾性率は、約124〜約758MPa(約18,000〜約110,000psi)なる範囲にある。さらに別の態様では、該カバーの曲げ弾性率は、約689MPa(約100,000psi)以下、好ましくは約551MPa(約80,000psi)以下、及びより好ましくは約482MPa(約70,000psi)以下である。一態様において、該カバー層が、約50〜約60ショアDなる範囲の硬さを持つ場合、該カバー層は、好ましくは約379〜約448MPa(約55,000〜約65,000psi)なる範囲の曲げ弾性率を持つ。さらに別の態様では、該カバー層の曲げ弾性率は、約6.89〜約20.7MPa(約1000〜約30,000psi)なる範囲にある。
一態様においては、本発明の組成物を、本質的に同一の硬さを持つが、曲げ弾性率において異なる、多数のカバー層を持つゴルフボールで使用する。本発明のこの局面において、これら2つのカバー層間の曲げ弾性率における差は、好ましくは約34.5MPa(約5,000psi)以下である。他の態様では、この曲げ弾性率における差は、約3.45MPa(約500psi)以上である。さらに別の態様では、少なくとも一方が強化されている、これら2つのカバー層間の曲げ弾性率における差は、約3.45〜約68.9MPa(約500〜約10,000psi)なる範囲、好ましくは約3.45〜約34.5MPa(約500〜約5,000psi)なる範囲にある。一態様において、未強化又は変性されていない材料で作られた、これら2つのカバー層間の曲げ弾性率の差は、約6.89〜約17.2MPa(約1,000〜約2,500psi)なる範囲にある。
当業者には公知であるように、ゴルフボールのスピン速度は、該ゴルフボールの構造に依存して変動するであろう。例えば、コア、中間層及びカバーを持つ、多層ボールにおいて、該カバーが、本発明のポリウレア又はポリウレタン組成物で作られている場合、ドライバーを離れた該ボールのスピン速度(ドライバースピン速度)は、約2000rpm以上であり得る。一態様において、該ドライバースピン速度は、約2000〜約3500rpmなる範囲にある。別の態様では、該ドライバースピン速度は、約2200〜約3400rpmなる範囲にある。さらに別の態様では、該ドライバースピン速度は、約2700rpm未満であり得る。
本発明に従って製造したツーピースボールも、1500rpm以上のドライバースピン速度を持つことができる。一態様において、該ドライバースピン速度は、約2000〜約3300rpmなる範囲にある。本発明に従って製造した糸巻きボールは、好ましくは同様なスピン速度を持つ。
このスピン速度を測定する方法は、当業者には十分に理解されているはずである。該スピン速度を測定する方法は、米国特許第6,500,073号、同第6,488,364号、同第6,286,364号及び同第6,241,622号に記載されている。これら特許の内容全体を、本発明の参考とする。
比重は、ASTM D-297を利用して測定し、これは、温度を20-23℃に制御した実験室条件下で行われる。特定のゴルフボール部品の比重は、該部品のサイズに依存する。一態様において、カバー又は中間層の比重は、好ましくは少なくとも約0.7である。他の態様では、該中間層は、約1以下の比重を持つ。さらに別の態様では、該中間層又はカバーの比重は、約0.8以上、好ましくは約0.9以上である。例えば、該ゴルフボールは、約0.9以上の比重を持つ中間層と、約0.95以上の比重を持つカバーとを含むことができる。
別の態様では、該中間層は、比較的高い比重、即ち約1.2を越える、好ましくは約1.21〜約1.30なる範囲、より好ましくは約1.23〜約1.29なる範囲の比重を持つ。本発明のこの局面において、中間層は、約1.27なる比重を持つことができる。この中間層の所定の比重は、上記のような中間層用の組成物に、硫酸バリウム、酸化亜鉛、二酸化チタン及びこれらの組合せ等のフィラーを添加することにより得ることができる。例えば、酸化亜鉛を、中間層用の組成物に添加して、約1.27なる比重を達成できる。
別の態様では、該ゴルフボールは、比重約1.10以上のコアと、比重約0.95以上のカバーとを含む。さらに他の態様では、本発明のコアは、約1.0〜約1.2なる範囲、好ましくは約1.1〜約1.18なる範囲の比重を持つ。
ここで使用する、%反発レジリエンスとは、ASTM-2632-92による反発装置を用いたプランジャーの、反発(戻り)高さの尺度である。一態様において、本発明の組成物の、%反発レジリエンスは、約40%以上、好ましくは約60%以上である。別の態様では、本発明の組成物は、約65%以上の%反発レジリエンスを持つ。さらに別の態様では、本発明の組成物の、%反発レジリエンスは、約70%以上である。
耐水性
本発明の組成物から製造したゴルフボール部分の耐水性は、経時における質量増加によって表すことができる。例えば、100%RH及び約22.2℃(72°F)にて7週間の期間に渡り追跡した、ゴルフボール部分の質量変化が、どのボールがより良好な耐水性を持つかを決定するのに役立つ。一態様において、本発明の該ゴルフボール部分は、7週間後に、約0.15g以下の質量増加を示す。別の態様では、本発明のゴルフボールは、7週間の保存期間後に、約0.13g以下の質量増加を示す。さらに別の態様では、本発明のゴルフボールの質量増加は、7週間後に、約0.09g以下である。さらに他の態様では、この質量増加は、7週間の期間後に、約0.06g以下である。本発明のゴルフボールは、好ましくは7週間の保存期間に渡り、約0.03g以下の質量増加を示す。
接着強度
本発明の組成物の接着、又は剥離強さは、好ましくは、約5 lbf/in以上である。一態様において、該接着強さは、約25 lbf/in以下である。例えば、該接着強さは、好ましくは約10 lbf/in以上で、かつ約20 lbf/in以下である。他の態様では、該接着強さは、約20 lbf/in以上、好ましくは約24 lbf/in以上である。さらに別の態様では、該接着強さは、約26 lbf/in以上である。さらに他の態様では、該接着強さは、約20〜約30 lbf/inなる範囲にある。
ゴルフボールカバーの切断抵抗は、損傷及び外観を評価する1〜9のスケールの、剪断テストを利用して、測定することができる。一態様において、損傷の順位(等級)は、好ましくは約3以下、より好ましくは約2以下である。他の態様では、損傷の順位は約1以下である。本発明のゴルフボールの外観の順位は、好ましくは約3以下である。一態様において、該外観の順位は、約2以下、好ましくは約1以下である。
光安定性
上で議論したように、本発明の組成物は、本来光安定性であり得、即ち芳香族成分をまったく含まない。該カバーの光安定性は、黄色度指数(*YI)の差、即ち所定の暴露時間の経過後に測定した黄色度から、暴露前の黄色度を差引いた値により定量化できる。一態様において、この*YIは、5日間(120時間)の暴露後に、約10以下、好ましくは5日間の暴露後に、約6以下、及びより好ましくは5日間の暴露後に、約4以下である。一態様において、この*YIは、5日間の暴露後に、約2以下であり、またより好ましくは5日間の暴露後に、約1以下である。
b彩度次元(b chroma dimension)の差(*b*、黄色から青色)も、またこのカバーの光安定性を定量化する手段である。一態様において、このbの値は、5日間(120時間)の暴露後に、約4以下であり、好ましくは5日間の暴露後に、約3以下であり、より好ましくは5日間の暴露後に、約2以下である。一態様において、このbの値は、5日間の暴露後に、約1以下である。
実施例1:
以下の表1に示したバッチ処方のブレンドを、圧縮成型することにより、多層ボールのコアを製造した。
表3から理解されるように、上記表2の実施例1-3に提示された組成物として示されたように、本発明により製造された、マントル層及びゴルフボール両者は、低圧縮率、即ちソフトな「感触」を示し、一方高い初期速度又はCORを維持している。
2種の同様な構造を持つゴルフボールを製造したが、各々は液体-充填中心、糸巻層、及びカバーを有していた。第一のゴルフボールのコントロール処方は、従来のポリウレタン組成物技術を利用した、コントロール処方から製造したカバーを有していた。第二のゴルフボール用の実験処方では、該カバー層は、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、及び1,3-ビス-(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンと1,3-[ビス-(2-ヒドロキシエトキシ)]-ジエトキシベンゼンとの混合物の反応生成物を含む、本発明の熱可塑性ポリウレタン組成物を用いて製造した。着色剤分散物をこれら両処方に添加した。これらゴルフボール製品を、米国特許第5,733,428号及び同第5,888,437号に記載されている方法に従って、処理した。これらゴルフボール両者の処方を、以下の表4に示す。
2) インデスペックケミカル社(Indspec Chemical Corporation)により製造された、1,3-ビス-(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンと1,3-[ビス-(2-ヒドロキシエトキシ)]-ジエトキシベンゼンとの混合物。
3) エアープローダクツ&ケミカルズ社(Air Products and Chemicals, Inc.) により製造された、オリゴマージアミン。
2種の同様な構造を持つゴルフボールを製造したが、各々は液体-充填中心、糸巻層、及びカバーを有していた。第一のゴルフボールのコントロール処方は、従来のポリウレタン組成物技術を利用した、コントロール処方から製造したカバーを有していた。第二のゴルフボール用の実験処方では、該カバー層は、4,4'-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、及び4,4'-ビス-(sec-ブチルアミノ)-ジシクロヘキシルメタンの反応生成物を含む、本発明の熱可塑性ポリウレタン組成物を用いて製造した。着色剤分散物をこれら両処方に添加した。これらゴルフボール製品を、米国特許第5,733,428号及び同第5,888,437号に記載されている方法に従って、処理した。これらゴルフボール両者の処方を、以下の表6に示す。
2) H12MDIは約8%なる量で、またPTMEG/ポリカプロラクトンは約92%なる量で存在する。
3) UOP, LLCにより製造された、脂肪族第二ジアミン。
4) エアープローダクツ&ケミカルズ社(Air Products and Chemicals, Inc.) により製造された、オリゴマージアミン。
Claims (23)
- コア;
30ショアD又はそれ以上の硬さ、6.89〜551MPa(1,000〜80,000psi)なる範囲の曲げ弾性率、及び0.254〜2.54mm(0.01〜0.100in)なる範囲の厚みを持つ、該コアの周りに配置された層、ここで該層は、以下の構造のヒドロキシ末端をもつ硬化剤で硬化される、p-フェニレンジイソシアネート及びポリオール又はアミノ末端をもつ成分の反応生成物から製造されるプレポリマーを含む熱可塑性組成物から製造され;
及び
20ショアD又はそれ以上の硬さ、6.89〜207MPa(1,000〜30,000psi)なる範囲の曲げ弾性率、及び0.254〜1.27mm(0.01〜0.05in)なる範囲の厚みを持つ、カバーを含み、該カバーが材料から製造されたことを特徴とする、ゴルフボール。 - 該コアが、中心部と、外部コア層とを含み、かつ該中心部が1.27〜3.30cm(0.5〜1.3in)なる範囲の径を持つ、請求項1記載のゴルフボール。
- 該熱可塑性組成物が、追加の硬化剤をさらに含む、請求項1記載のゴルフボール。
- 該追加の硬化剤が、ポリエチレンプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリオキシプロピレングリコール、エチレンオキシドでキャップしたポリ(オキシプロピレン)グリコール及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項3記載のゴルフボール。
- 該追加の硬化剤が、1,6-ヘキサンジオール-開始ポリカプロラクトン、ジエチレングリコール-開始ポリカプロラクトン、トリメチロールプロパン-開始ポリカプロラクトン、ネオペンチルグリコール-開始ポリカプロラクトン、1,4-ブタンジオール-開始ポリカプロラクトン、ポリテトラメチレンエーテルグリコール-開始ポリカプロラクトン、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項3記載のゴルフボール。
- 該ヒドロキシ末端を持つ硬化剤が、ポリ(フタレートカーボネート)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)グリコール、ポリカーボネートポリオール含有ビスフェノールA、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1記載のゴルフボール。
- コア;
30ショアD又はそれ以上の硬さ、6.89〜551MPa(1,000〜80,000psi)なる範囲の曲げ弾性率、及び0.254〜2.54mm(0.01〜0.100in)なる範囲の厚みを持つ、コアの周りに配置された中間層;及び
20ショアD又はそれ以上の硬さ、6.89〜207MPa(1,000〜30,000psi)なる範囲の曲げ弾性率、及び0.254〜1.27mm(0.01〜0.05in)なる範囲の厚みを持つ、少なくとも1種のカバー層、ここで少なくとも1種の該中間層又は少なくとも1種の該カバー層は、以下の構造のヒドロキシ末端をもつ硬化剤で硬化される、p-フェニレンジイソシアネートモノマー及びポリオール又はアミノ末端をもつ成分の反応生成物から製造されるプレポリマーを含む熱可塑性組成物から製造され;
0.76を越えるCORを持つことを特徴とする、ゴルフボール。 - 該中間層が、イオノマー樹脂、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアミド、高度に中和されたポリマー、メタロセン触媒ポリマー、又はこれらの混合物の少なくとも1種を含む、請求項7記載のゴルフボール。
- 該中間層が、該熱可塑性組成物を含む、請求項7記載のゴルフボール。
- 該少なくとも1種のカバー層が、該熱可塑性組成物から製造される、請求項7記載のゴルフボール。
- 該少なくとも1種のカバー層が、熱硬化性材料を含む、請求項9記載のゴルフボール。
- 該熱可塑性組成物が、本質的にウレタン結合からなる、請求項7記載のゴルフボール。
- 該熱可塑性組成物が、追加の硬化剤をさらに含む、請求項7記載のゴルフボール。
- 該追加の硬化剤が、アミノ末端を持つ硬化剤を含む、請求項3又は13記載のゴルフボール。
- 該少なくとも1種のアミノ末端を持つ硬化剤が、本質的に第二アミノ末端を持つ化合物からなる、請求項14記載のゴルフボール。
- 該カバーの硬さ対該層の硬さの比が、1.33以下である、請求項7記載のゴルフボール。
- 該カバーの硬さ対該層の硬さの比が、1.14以下である、請求項18記載のゴルフボール。
- コア:
30ショアD又はそれ以上の硬さ、6.89〜551MPa(1,000〜80,000psi)なる範囲の曲げ弾性率、及び0.254〜2.54mm(0.01〜0.100in)なる範囲の厚みを持つ、該コアの周りに配置された層、ここで該中間層は材料から製造され;及び
20ショアD又はそれ以上の硬さ、6.89〜207MPa(1,000〜30,000psi)なる範囲の曲げ弾性率、及び0.254〜1.27mm(0.01〜0.05in)なる範囲の厚みを持つ、カバーとを含むゴルフボールであって、該カバーは、以下の構造のヒドロキシ末端をもつ硬化剤で硬化される、p-フェニレンジイソシアネートモノマー及びポリオール又はアミノ末端をもつ成分の反応生成物から製造されるプレポリマーを含む熱可塑性組成物から製造され;
- 該コアが、中心部と、外部コア層とを含み、かつ該中心部が1.27〜3.30cm(0.5〜1.3in)なる範囲の径を持つ、請求項20記載のゴルフボール。
- 該熱可塑性組成物が、さらに少なくとも1種の密度調節用フィラーをも含む、請求項20記載のゴルフボール。
- 該ヒドロキシ末端を持つ硬化剤が、ポリ(フタレートカーボネート)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)グリコール、ポリカーボネートポリオール含有ビスフェノールA、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1、7又は20記載のゴルフボール。
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