JP4030987B2 - 多層ゴルフボール及び組成物 - Google Patents

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(関連出願との相互参照)
本特許出願は、現在継続中の、2001年1月10日付けで出願された、米国特許出願09/756,761の一部継続出願であり、該米国特許出願は、現在米国特許第6,210,294号となっている、1999年5月14日付けで出願された、米国特許出願09/311,591の一部継続出願であり、また現在継続中の、2002年1月22日付けで出願された、米国特許出願10/051,121の一部継続出願でもあり、この米国特許出願10/051,121は、現在米国特許第6,355,715号となっている、1999年9月27日付けで出願された、米国特許出願09/404,146の一部継続出願であり、この米国特許出願09/404,146は、現在米国特許第6,124,389号となっている、1997年12月23日付けで出願された、米国特許出願08/996,718の一部継続出願であり、この米国特許出願08/996,718は、現在米国特許第5,759,676号となっている、1996年2月16日付けで出願された、米国特許出願08/603,057の一部継続出願であり、この米国特許出願08/603,057は、現在米国特許第5,688,191号となっている、1995年6月7日付けで出願された、米国特許出願08/482,522の一部継続出願である。これら特許出願の全開示事項を本明細書における参考とする。
本発明は、一般的にゴルフボールに関連し、より詳しくは少なくとも部分的にポリウレタン又はポリウレア組成物から製造した、多層ゴルフボールに関する。本発明の該ポリウレタン又はポリウレア組成物は、少なくとも1種のジイソシアネート、少なくとも1種のポリオール(ポリウレタン)又はアミノ末端を持つ部分(ポリウレア)、及び少なくとも1種の硬化剤を含むことができる。特に、本発明はコアと、カバーと、場合により該コアとカバーとの間に設けられた中間層とを含むゴルフボールに関連し、ここで、少なくとも1層は、p-フェニレンジイソシアネートモノマーを含む、ポリウレタン又はポリウレア組成物から作られている。本発明の多層ゴルフボールは、良好な飛距離、耐久性、及び望ましい競技特性を与えることが分かった。
従来のゴルフボールは、2種の一般的な型又は群、即ち中実ボール又は糸巻きボールに分割できる。これらの構成における違いから生じる競技特性の差は、極めて大きなものであり得る。
中実構造を持つボールは、これらが極めて高い耐久性をもち、かつ最大の飛距離を与えることから、一般的に、平均的な娯楽的ゴルファーにとって最も人気がある。中実ボールは、カバー材料で包まれている、通常架橋ゴムで作られた、中実コアを用いて作られる。典型的に、この中実コアは、亜鉛ジアクリレート及び/又は同様な架橋剤で化学的に架橋された、ポリブタジエンから作られ、また強靭な、耐切断性のブレンドカバーによって覆われている。このカバーは、一般にサーリン(SURLYN) (ウイルミントン、DEのデュポン社により製造されたイオノマー樹脂に関する商標である)等の材料から製造される。このコアとカバー材料との組み合わせは、見かけ上ゴルファーによって破壊できないボールを与える。さらに、このような組み合わせは、該ボールに高い初期速度を与え、これは改善された飛距離をもたらす。該ボールが作られている材料は、極めて高剛性であるので、中実ボールは、一般にクラブでヒットした場合に、硬い「感触」を与える。同様に、その硬さのために、これらのボールは、比較的低いスピン速度を持ち、これはより長い飛距離をもたらす。
現時点において、糸巻きボールは、そのスピン及び感触特性のために、より熟練した競技者により好まれるものに留まっている。糸巻きボールは、典型的に、中実ゴム又は液状中心の何れかを含み、大量の延伸された弾性糸がその周りに巻きつけられている。次いで、この糸巻きコアを、耐久性のあるカバー材料、例えばサーリン又は同様な材料、あるいはより柔軟なカバー、例えばバラタ又はポリウレタンで覆う。糸巻きボールは、一般により軟質で、また糸巻き以外のボールよりも高いスピンをもたらし、結果的により熟練したゴルファーは、ボールの飛翔及び最終的な位置に関してより高い制御性を持つことができる。特に、グリーンへのアプローチショットに関連して、柔軟な糸巻きボールのこの高いスピン速度は、該ゴルファーが、該ボールを、その着地位置に極めて近い位置に止めることを可能とする。
典型的な単一コア、単一カバー構造の変更を通して、従来の中実ボールの諸特性を改善するための、多くの特許が発行されている。この変更は、二重カバー層、二重コア層を持つ多層ボール及び/又は該カバーと該コアとの間に設けられたマントル層を持つボールを与える。従来の特許に記載されたこれら発明は、「プレー中」の特性決定に役立つ様々なゴルフボールの物性の改善を志向している。
いくつかの特許は、このようなボールのキャリーでの飛距離の改善を志向している。例えば、米国特許第4,863,167号は、高い飛翔距離を持つ、スリーピース中実ゴルフボールに関連する。このボールは、中心部分と、ゴム組成物で作られた外側層とを含み、該外側層は該中心部分よりも硬く、また該中心部分の比重よりも、該外側部分の比重が高くなるように、比重-調節フィラーを含む。米国特許第5,184,828号は、改善された復元特性及びキャリーでの飛距離を持ち、かつ十分なスピン速度を維持した、中実スリーピースゴルフボールに関連し、ここでこれらの特性は、申し立てによれば、ポリブタジエン製の内側コア及び外側層のサイズ並びにその比重及び硬さを調節することにより得られる。該'828号特許によれば、所定の復元特性を得るための鍵は、該コアとマントル層との界面に最大の硬さ(42-62ショアD)を配置し、かつその硬さを該界面の内側及び外側両者に向けて減じることである。米国特許第4,714,253号も、改善された反発係数をもつスリーピースゴルフボールを意図している。このゴルフボールは、その中心部において、57-80なる範囲のショアC硬さを持つが、その中心から5-10mmの位置において、83を越えてはならず、また外側層は70-83なる範囲のショアC硬さを持つ。
さらに、該中実構造によって与えられる飛距離を維持しつつ、中実ボールのスピン速度及び感触を改善することを目的とする、多くの特許がある。例えば、米国特許第5,072,944号は、中心層と、ゴム組成物で作られた外側層とを持つ、スリーピース中実ゴルフボールを開示しており、ここでは該中心コア層が、該外側層よりも柔軟であり、これら層は、夫々25-50なる範囲及び70-90なる範囲の硬さ(ショアC)をもつ。
米国特許第4,625,964号は、32mmを越えない径を持つポリブタジエンゴム製のコア、該コア材料よりも低い比重を持つ、ポリブタジエンゴム製の中間層及びカバーを含む、中実ゴルフボールに関連する。米国特許第4,650,193号は、中心部分と、一体式の外側層とを含むコアを有する、中実ゴルフボールを意図しており、ここで該コアは、硬化性のエラストマー、例えばポリブタジエンであり、これを硬化剤(cure altering agent)で処理して、該コアの外側層を柔軟にし、75を越える硬さ(ショアC)を持つ中心層及び80未満の硬さ(ショアA)を持つ外側層を生成する。
米国特許第4,848,770号は、中実スリーピースゴルフボールを開示しており、これは高度に充填された合成ゴム又はポリマー材料製のコア、充填されていない合成ゴム製の中間マントル層及びカバーを含む。これらのコア及び中間マントル層は、50-95なる範囲のショアD硬さを持つ。米国特許第5,002,281号は、スリーピース中実ゴルフボールを開示しており、これは25-70なる範囲の(ショアC)硬さを持つ内側コア、80-95なる範囲の(ショアC)硬さを持つ外側シェル及びカバーを含む。さらに、該内側コアの比重は、1.0を越える必要があるが、1.3未満でなければならない、該外側シェルの比重以下である。
公知技術は、中間層として使用するために、ポリブタジエン以外の、様々な材料を開示している。例えば、米国特許第5,253,871号は、エラストマーコア、好ましくはイオノマーとブレンドされた、少なくとも10%のエーテルアミドブロックコポリマーを含む熱可塑性材料製の中間層、及び熱可塑性カバーを含む、スリーピース構造を持つゴルフボールに関する。米国特許第5,681,898号は、多層ゴルフボールを意図しており、これは公知のポリブタジエンコア、イオノマーカバー及びエチレン-メタクリル酸コポリマーと、ポリブタジエン及び過酸硬化剤から生成された加硫ゴムとのブレンドから製造された中間層を含む。
米国特許第5,439,227号及び同第5,556,098号両者は、多層ゴルフボールを開示しており、これらは公知のポリブタジエンコア、公知のカバー及びイオノマーとブレンドしたポリエーテルエステルブロックコポリマーから作成した中間層を含む。
さらに、また多層カバー層を含むゴルフボールを目的とする、幾つかの特許もある。例えば、米国特許第4,431,193号は、多層カバー層を含むゴルフボールに関連し、ここでその内側層は、硬く、高い曲げ弾性率を持つイオノマー樹脂製であり、またその外側層は柔軟で、曲げ弾性率の低いイオノマー樹脂製であり、またこれら層の何れか(又は両者)は、発泡イオノマー樹脂を含むことができる。米国特許第5,314,187号も、多層カバー層を含むゴルフボールに関連し、ここでその外側層は、その内側層上に成型され、またバラタとエラストマーとのブレンドを含み、該内側層はイオノマー樹脂製である。米国特許第4,919,434号は、内側層及び外側層を含むカバーを有する、ゴルフボールを意図しており、これら層各々は、熱可塑性樹脂を含む。好ましくは、これら層は、例えば熱あるいは当業者には公知の他の手段によって、相互に結合できる材料を含む。
米国特許第5,813,923号は、コアとカバーと、約68.9MPa(10,000psi)未満の曲げ弾性率を持つ中間層を備えたゴルフボールを開示している。このコアは、70未満の圧縮率を有し、また該カバーは、約517MPa(75,000psi)を越える曲げ弾性率を持つ。
しかし、議論した上記特許の何れも、ここに記載するような材料を使用し、改善されたゴルフボール特性を持つ、本発明の多層ボールを開示してはいない。
本発明に従って、ゴルフボールコア、中間層及び/又はカバーの製造に際して、ポリウレタン又はポリウレア組成物を使用することにより、この組成物で製造したゴルフボールの速度を、サーリンで被覆したゴルフボールについて観測された速度に近い値まで高めることができることを見出した。さらに、本発明の組成物で使用する硬化剤は、当業者によって典型的に使用される多くの硬化剤、例えばエアープローダクト&ケミカルズ社(Air Products and Chemicals, Inc.)によって製造されている、オリゴマージアミンである、ベルサリンク(VERSALINKTM) P-250よりも高価ではない。さらに、本発明の組成物は、他のコスト的に効率の良い代替品、例えばエタキュア(ETHACURETM) 300及びエタキュア100よりも、環境に対する負荷は低い。
本発明は、コアと;約30ショアD又はそれ以上の硬さ、約6.89〜551MPa(約1,000〜80,000psi)なる範囲の曲げ弾性率、及び約0.254〜2.54mm(約0.01〜0.100in)なる範囲の厚みを持つ、該コアの周りに配置された層と、ここで該層はp-フェニレンジイソシアネ−トを含む熱可塑性組成物から製造され;及び約20ショアD又はそれ以上の硬さ、約6.89〜207MPa(約1,000〜30,000psi)なる範囲の曲げ弾性率、及び約0.254〜1.27mm(約0.01〜0.05in)なる範囲の厚みを持つ、カバーとを含み、該カバーが熱硬化性材料から製造されたことを特徴とする、ゴルフボールを意図する。一態様において、該コアは中心部と、外側コア層とを含み、かつ該中心部は約1.27〜3.30cm(約0.5〜1.3in)なる範囲の径を持つ。
もう一つの態様において、該熱可塑性組成物は、p-フェニレンジイソシアネ−トと少なくとも1種のヒドロキシ末端を持つ硬化剤との反応生成物を含む。該少なくとも1種のヒドロキシ末端を持つ硬化剤は、ポリエチレンプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリオキシプロピレングリコール、エチレンオキシドでキャップしたポリ(オキシプロピレン)グリコール及びこれらの混合物からなる群から選択できる。他の態様では、該少なくとも1種のヒドロキシ末端を持つ硬化剤は、1,6-ヘキサンジオール-開始ポリカプロラクトン、ジエチレングリコール-開始ポリカプロラクトン、トリメチロールプロパン-開始ポリカプロラクトン、ネオペンチルグリコール-開始ポリカプロラクトン、1,4-ブタンジオール-開始ポリカプロラクトン、ポリテトラメチレンエーテルグリコール-開始ポリカプロラクトン、及びこれらの混合物からなる群から選択できる。
さらに別の態様において、該少なくとも1種のヒドロキシ末端を持つ硬化剤は、ポリ(フタレートカーボネート)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)グリコール、ポリカーボネートポリオール含有ビスフェノールA、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
本発明は、またコアと、p-フェニレンジイソシアネ−トモノマーを含む、約40又はそれ以上の反発レジリエンスを持つ熱可塑性組成物から形成された、少なくとも1種のカバー層とを含むゴルフボールを意図し、ここで該ゴルフボールは、約0.76を越えるCORを持つ。
本発明のこの局面において、該ゴルフボールは、さらに中間層を含むことができる。一態様において、該中間層は、イオノマー樹脂、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアミド、高度に中和されたポリマー、メタロセン触媒ポリマー、又はこれらの混合物の少なくとも1種を含む。
もう一つの態様において、該少なくとも1つのカバー層は、内側カバー層である。該ゴルフボールはさらに、該内側カバー層の周りに配置された外側カバー層を含み、かつ該外側カバー層が、少なくとも1種の熱硬化性材料又は少なくとも1種の熱可塑性材料を含む。また、該内側カバー層は、少なくとも2層を含むことができる。
該熱可塑性組成物は、ウレタン結合、ウレア結合、又はこれらの組み合わせを含むことができ、好ましくは約40ショアDなる硬さ、より好ましくは約45ショアD〜約70ショアDなる範囲の硬さを持つ。
一態様において、該熱可塑性組成物は、p-フェニレンジイソシアネ−トと少なくとも1種のヒドロキシ末端を持つ硬化剤との反応生成物を含む。例えば、該ヒドロキシ末端を持つ硬化剤は、以下の一般式:
Figure 0004030987
で表される化合物及びこれらの混合物からなる群から選択することができ、これら一般式において、R1及びR2は、約1〜約20個の炭素原子を持つ直鎖又は分岐鎖の炭化水素鎖を含み、R3は、少なくとも一つのフタレート基、少なくとも一つのヘキサメチレン基、少なくとも一つのビスフェノールA基、又はこれらの組み合わせを含み、mは約1〜約45なる範囲にあり、かつnは約1〜約25なる範囲にある。
もう一つの態様では、該熱可塑性組成物は、p-フェニレンジイソシアネ−トモノマーと少なくとも1種のアミノ末端を持つ硬化剤との反応生成物を含む。この少なくとも1種のアミノ末端を持つ硬化剤は、本質的に第二アミノ末端を持つ化合物からなる。
一態様において、該熱可塑性組成物は、さらに以下の一般式:
Figure 0004030987
で表される化合物及びこれらの混合物からなる群から選択される、少なくとも1種の硬化剤をも含み、該一般式において、Rはアルキル基を含み、R1及びR2は、夫々独立に約1〜約20個の炭素原子を持つ直鎖又は分岐鎖の炭化水素鎖を含み、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、及びR10は水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、又はこれらの組み合わせを含み、かつnは約1〜約20なる範囲にある。
本発明は、またコアと;約30ショアD又はそれ以上の硬さ、約6.89〜551MPa(約1,000〜80,000psi)なる範囲の曲げ弾性率、及び約0.254〜2.54mm(約0.01〜0.100in)なる範囲の厚みを持つ、該コアの周りに配置された層と、ここで該中間層は熱硬化性材料から製造され;約20ショアD又はそれ以上の硬さ、約6.89〜207MPa(約1,000〜30,000psi)なる範囲の曲げ弾性率、及び約0.254〜1.27mm(約0.01〜0.05in)なる範囲の厚みを持つ、カバーとを含み、該カバーはp-フェニレンジイソシアネートを含む熱可塑性組成物から製造されたことを特徴とする、ゴルフボールにも関連する。
一態様において、該コアは中心部と、外側コア層とを含み、かつ該中心部は約1.27〜3.30cm(約0.5〜1.3in)なる範囲の径を持つ。もう一つの態様において、該熱可塑性組成物は、さらに少なくとも1種の密度調節用フィラーをも含む。
本発明は、また中心、カバー、及び場合により該中心と該カバーとの間に配置された、少なくとも1層の中間層とを含むゴルフボールをも意図しており、該少なくとも1層のカバー及び該少なくとも1層の中間層は、プレポリマー(少なくとも1種のポリオール及び少なくとも1種のジイソシアネート)と、式:HOH2CH2C(OH2CH2C)nO-X-O(CH2CH2O)mCH2CH2OH (ここで、n及びmは夫々独立に0、1、2又は3なる値であり、Xはo-フェニレン、m-フェニレン、p-フェニレン、1,2-シクロヘキシル、1,3-シクロヘキシル又は1,4-シクロヘキシル及びこれらの組み合わせを表す。一態様において、n及びmは夫々独立に1又は2なる値を持つ。
もう一つの態様において、該ポリウレタン組成物は、さらに少なくとも1種のジオール硬化剤を含み、該硬化剤はエチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,6-ヘキサンジオール、及び2000未満の分子量を持つポリテトラメチレンエーテルグリコールからなる群から選択される。さらに別の態様では、該熱可塑性ポリウレタン組成物は、少なくとも2種の硬化剤を含む。さらに、該ジオール硬化剤の分子量は、好ましくは約50以上である。
該ジイソシアネートは2,2'-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリマー状の4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、液状の4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、3,3'-ジメチル-4,4'-ビフェニレンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、p-テトラメチルキシレンジイソシアネート、m-テトラメチルキシレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、4,4'-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、m-フェニレンジイソシアネート、低級遊離イソシアネートモノマー、及びこれらの混合物であり得る。
該ポリオールはポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリ(オキシエチレンオキシプロピレン)グリコール、エチレンオキシドでキャップしたポリ(オキシプロピレン) グリコール、ポリ(オキシエチレン)グリコール、ポリ(オキシプロピレン)グリコール、ポリエチレンアジペートグリコール、ポリエチレンプロピレンアジペートグリコール、及びポリブチレンアジペートグリコール、o-フタレート-1,6-ヘキサンジオールポリエステルポリオール、ジエチレングリコール-開始ポリカプロラクトン、トリメチロールプロパン-開始ポリカプロラクトン、ネオペンチルグリコール-開始ポリカプロラクトン、1,4-ブタンジオール-開始ポリカプロラクトン、1,6-ヘキサンジオール-開始ポリカプロラクトン、飽和及び不飽和炭化水素ポリオール、ヒドロキシ末端を持つ液状イソプレンゴム、ヒドロキシ末端を持つポリブタジエンポリオール、上記ポリオールのコポリマー、及びこれらの混合物であり得る。一態様において、該ポリオールはポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリエチレンアジペートグリコール、ポリブチレンアジペートグリコール、ジエチレングリコール-開始ポリカプロラクトン、及びこれらの混合物からなる群から選択される。他の態様において、該ポリオールの分子量は、約200〜4000なる範囲にある。
一態様において、該ポリオールは、好ましくは該プレポリマーの質量基準で、約70〜98質量%なる範囲の量で存在し、該ジイソシアネートは、該プレポリマーの質量基準で、約2〜30質量%なる範囲の量で存在し、また該ジオール硬化剤は、該ジイソシアネート及びポリオールの、約10〜110質量%なる範囲の量で存在する。他の態様において、該ジイソシアネートは、該プレポリマーの質量基準で、約2.5〜12質量%なる範囲の量で存在する。
該熱可塑性ポリウレタン組成物は、また少なくとも1種の第二ジアミン硬化剤をも含むことができる。該第二ジアミン硬化剤は4,4'-ビス-(sec-ブチルアミノ)-ジフェニルメタン、1,4-ビス-(sec-ブチルアミノ)-ベンゼン、1,2-ビス-(sec-ブチルアミノ)-ベンゼン、4,4'-ビス-(sec-ブチルアミノ)-ジフェニルメタンの誘導体、N,N'-ジイソプロピルイソホロンジアミン、1,4-ビス-(sec-ブチルアミノ)-シクロヘキサン、1,2-ビス-(sec-ブチルアミノ)-シクロヘキサン、4,4'-ビス-(sec-ブチルアミノ)-ジシクロヘキシルメタン、4,4'-ビス-(sec-ブチルアミノ)-ジシクロヘキシルメタンの誘導体、及びこれらの混合物からなる群から選択できる。
一態様において、該熱可塑性ポリウレタン組成物は、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、及び1,3-ビス-(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼン及び1,3-[ビス-(2-ヒドロキシエトキシ)]-ジエトキシベンゼンの混合物の反応生成物を含む。該カバーも、該熱可塑性ポリウレタン組成物を含むことができる。
本発明は、また中心、カバー及び場合によりこれら中心とカバーとの間に設けられた、少なくとも1層の中間層を含むゴルフボールをも目的とし、ここで少なくとも1層の該カバー及び該少なくとも1層の中間層は、少なくとも1種のポリオールと少なくとも1種のジイソシアネートとの反応生成物及び第二ジアミンからなる硬化剤を含む熱可塑性ポリウレタン組成物で作られる。一態様において、該熱可塑性ポリウレタン組成物は、少なくとも2種の硬化剤を含むことができる。
本発明のこの局面において、該ジイソシアネートは2,2'-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリマー状の4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、液状の4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、3,3'-ジメチル-4,4'-ビフェニレンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、p-テトラメチルキシレンジイソシアネート、m-テトラメチルキシレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、4,4'-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、m-フェニレンジイソシアネート、低級遊離イソシアネートモノマー、及びこれらの混合物からなる群から選択できる。
該ポリオールは、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリ(オキシエチレンオキシプロピレン)グリコール、エチレンオキシドでキャップしたポリ(オキシプロピレン)グリコール、ポリ(オキシエチレン)グリコール、ポリ(オキシプロピレン)グリコール、ポリエチレンアジペートグリコール、ポリエチレンプロピレンアジペートグリコール、及びポリブチレンアジペートグリコール、o-フタレート-1,6-ヘキサンジオールポリエステルポリオール、ジエチレングリコール-開始ポリカプロラクトン、トリメチロールプロパン-開始ポリカプロラクトン、ネオペンチルグリコール-開始ポリカプロラクトン、1,4-ブタンジオール-開始ポリカプロラクトン、1,6-ヘキサンジオール-開始ポリカプロラクトン、飽和及び不飽和炭化水素ポリオール、ヒドロキシ末端を持つ液状イソプレンゴム、ヒドロキシ末端を持つポリブタジエンポリオール、上記ポリオールのコポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択できる。一態様において、該ポリオールはポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリエチレンアジペートグリコール、ポリブチレンアジペートグリコール、ジエチレングリコール-開始ポリカプロラクトン、及びこれらの混合物からなる群から選択できる。該ポリオールの分子量は、好ましくは約200〜4000なる範囲にある。
該第二ジアミン硬化剤は4,4'-ビス-(sec-ブチルアミノ)-ジフェニルメタン、1,4-ビス-(sec-ブチルアミノ)-ベンゼン、1,2-ビス-(sec-ブチルアミノ)-ベンゼン、4,4'-ビス-(sec-ブチルアミノ)-ジフェニルメタンの誘導体、1,4-ビス-(sec-ブチルアミノ)-シクロヘキサン、N,N'-ジイソプロピルイソホロンジアミン、1,2-ビス-(sec-ブチルアミノ)-シクロヘキサン、4,4'-ビス-(sec-ブチルアミノ)-ジシクロヘキシルメタン、4,4'-ビス-(sec-ブチルアミノ)-ジシクロヘキシルメタンの誘導体、及びこれらの混合物であり得る。
一態様において、該ポリオールは、該プレポリマーの質量基準で、約70〜98質量%なる範囲の量で存在し、該ジイソシアネートは、該プレポリマーの質量基準で、約2〜30質量%なる範囲の量で存在し、また該第二ジアミン硬化剤は、該プレポリマーの質量基準で、約10〜110質量%なる範囲の量で存在する。他の態様では、該ジイソシアネートは、該プレポリマーの質量基準で、約2.5〜12質量%なる範囲の量で存在する。
一態様において、該熱可塑性ポリウレタン組成物は、4,4'-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ポリテトラメチレンエーテルグリコールとポリカプロラクトンとのコポリマー、及び4,4'-ビス-(sec-ブチルアミノ)-ジシクロヘキシルメタンの反応生成物を含む。さらに別の態様では、該カバーは、該熱可塑性ポリウレタン組成物を含む。
本発明のゴルフボールは、該熱可塑性ポリウレタン組成物で作られた、少なくとも1層の中間層を含むことができる。その中心は、流体充填中心、中実中心、ゲル中心、又は中空中心であり得る。該熱可塑性ポリウレタン組成物は、密度-調節フィラーを含むこともできる。
本発明の別の局面は、改良された多層ゴルフボールを目的としており、このボールはコアと少なくとも1層のカバーとを含み、該コアは約90以下の圧縮率を持ち、また該カバーは、約45を越える、好ましくは約60を越える%反発レジリエンスを持つ、ポリエーテル型の熱可塑性ポリウレタンを含むブレンドから製造され、かつ該ゴルフボールは約0.76を越える復元係数を持つ。
一態様において、該カバー用のブレンドは、さらに第二の成分を含み、この第二の成分は、熱可塑性材料である。該第二成分は、ポリエーテルエステルブロックコポリマー、ポリエステルエステルブロックコポリマー、ポリエーテルアミドブロックコポリマー、機械的に発泡させた熱可塑性エラストマー、スチレン-ブタジエンエラストマー、他の熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性ポリエステル、メタロセン触媒を用いて製造したポリマー、及びこれらのブレンドからなる群から選択できる。一態様において、該第二成分はポリエーテルエステルブロックコポリマーである。
このブレンドは、また約1.2を越える比重を持つ少なくとも1層を与えるのに十分な量で、密度調節フィラーを含むことができる。一態様において、この層は約1.25を越える比重を持つ。好ましくは、この密度調節フィラーは、酸化亜鉛を含む。
一態様において、本発明のこの局面によるゴルフボールは、コア、カバー及びこれらの間に設けられた中間層を含む。この中間層は、約45%を越える、好ましくは約60%を越える反発レジリエンスを持つポリエーテル型のポリウレタンと、他の熱可塑性材料とのブレンドを含むことができる。例えば、このブレンドは、約20〜約90質量%のポリエーテル型の熱可塑性ポリウレタン、約5〜50質量%の第二の熱可塑性成分、及び約5〜約40質量%の密度調節フィラーを含むことができる。一態様において、このブレンドは、約30〜60質量%の、60%を越える反発レジリエンスを持つポリエーテル型の熱可塑性ポリウレタンと、約20〜40質量%の第二の熱可塑性成分、及び約15〜約30質量%の密度調節フィラーを含む。
該中間層は、約25〜80ショアD、好ましくは約25〜80ショアDなる範囲の硬さ、及び6.89MPa〜55.1MPa(約1,000〜8,000psi)なる範囲の曲げ弾性率を持つことができる。一態様において、該中間層を形成している組成物100部当たり約50部を越える量が、ポリエーテル型の熱可塑性ポリウレタンである。
本発明のこの局面において、該ゴルフボールは、好ましくは約90を越えない圧縮率を持つ。一態様において、該カバーは、少なくとも1種の熱可塑性又は熱硬化性材料を含む。
本発明は、またポリブタジエンを含むコアと、約54〜72なる範囲のショアD硬さを持つカバー層と、該コアとカバーとの間に設けられた少なくとも1層の中間層とを含むゴルフボールをも目的とし、ここで該少なくとも1層の中間層は、約40〜60質量%の、60%を越える反発レジリエンスを持つポリエーテル型の熱可塑性ポリウレタンと、約15〜30質量%の、密度増加又は低下フィラー、例えば酸化亜鉛又は硫酸バリウム又は発泡剤もしくは微小球と、約20〜約40質量%の、ポリエーテルエステル又はポリエステルエステルブロックコポリマーとを含むブレンドから製造され、また該ゴルフボールは約0.78を越える復元係数を持つ。
一態様において、該中間層は、約45〜50質量%のポリエーテル型の熱可塑性ポリウレタンと、約18〜22質量%の酸化亜鉛と、約30〜35質量%のポリエーテルエステル又はポリエステルエステルブロックコポリマーとを含むブレンドから製造される。他の態様において、該中間層は約40未満のショアD硬さ及び約68.9MPa(約10,000psi)未満の曲げ弾性率を持つ。
本発明は、また約0.78を越える復元係数及び約50〜約90なる範囲の圧縮率を持つゴルフボールをも目的とし、ここで該ボールはコア及び該コアの周りに同心状に設けられた少なくとも内側又は外側層を持つカバーを含み、該層は、ヒドロキシ末端を持つポリエーテルとグリコール鎖伸長組成物と反応させたジイソシアネートから誘導される、ポリエーテル型のポリウレタンを含む組成物である。該ヒドロキシ末端を持つポリエーテルは、好ましくは炭素原子数2〜6のアルキレンオキシド繰り返し単位及び少なくとも1,400なる重量平均分子量を持つ。
該ポリエーテル型のポリウレタンは、ホモ-及びコ-ポリエステル、ホモ-及びコ-ポリアミド、ポリエーテルエステルブロックコポリマー、ポリエステルエステルブロックコポリマー、ポリエーテルアミドブロックコポリマー、ポリエステルアミドブロックコポリマー、及び他のポリウレタンからなる群から選択される熱可塑性材料とブレンドすることができる。内側カバー層として使用する場合、得られる材料は、好ましくは約138MPa(20,000psi)未満の曲げ弾性率を持つ。
本発明は、また熱硬化性ポリブタジエンゴムを主成分とするコア及び内側層及び外側層を含むカバーを含む、ゴルフボールをも目的とする。本発明のこの局面において、該内側カバー層は、好ましくは65%を越える反発レジリエンス及び約68.9MPa(約10,000psi)未満の曲げ弾性率を持つ射出成型可能なポリウレタンを含む。この得られるボールは、この低い曲げ弾性率に起因する、ソフトな感触及び該高い復元係数に起因する、良好な初期速度を持つ。
さらに、この種のボールは、その内側層が射出成型可能であることから、容易に製造できる。一態様では、該内側層を約204℃(400°F)未満の温度にて射出成型する。別の態様では、該ボールは、該コアを圧縮成型し、該内側層を約204℃(約400°F)未満の温度にて射出成型し、かつ熱可塑性材料から該外側層を圧縮又は射出成型することにより作られる。
一態様では、該内側カバー層は、第一の硬さを持ち、該外側層は、該第一の硬さよりも大きな第二の硬さを持つ。該カバーの硬さが該内側カバー層の硬さよりも大きく、かつ約413MPa(約60,000psi)を越える曲げ弾性率を持つ場合、該ボールは、ドライバーの低スピンオフ(spin off)をもたらし、優れた飛距離を与えるであろう。別の態様では、該コアは、該内側カバー層の硬さの約10ショアD以内で、かつ該外側カバー層の硬さ未満の第三の硬さを持つ。このより柔軟なコア及び内側カバー層は、得られるソフトな感触及び低ドライバースピンに寄与する。さらに別の態様では、該内側カバー層は、高い慣性モーメントを持つために、約1.2を越える比重を持つ。
本発明は、熱可塑性及び熱硬化性組成物を含むゴルフボールを目的とする。特に、本発明のゴルフボールは、中間層、内側カバー層、外側カバー層、コア層及びその組み合わせ中に、熱可塑性又は熱硬化性ポリウレタン又はポリウレア組成物を含むことができる。例えば、本発明は、少なくとも部分的に、少なくとも1種のジイソシアネートと少なくとも1種のポリオール又はアミノ末端を持つ成分との反応生成物、及び少なくとも1種のジオール又は第二ジアミンを含む硬化剤を含有する組成物から作られる。ここで、得られるゴルフボールは、改善されたレジリエンス及び初期速度並びに耐久性を持つ。さらに、本発明の組成物は、ゴルフ-関連部品、例えばゴルフクラブ用のインサート、並びにここで議論するゴルフボール中で、使用することができる。
本発明の組成物
本発明の組成物は、ポリウレタンを主成分とする、即ち少なくとも1種のジイソシアネート、ポリオール、及び硬化剤の反応生成物であり得る。さらに、本発明の組成物は、ポリウレアを主成分とする、即ち少なくとも1種のアミノ末端を持つ成分、ジイソシアネート、及び硬化剤の反応生成物であっても良い。
イソシアネート成分
該ポリウレタンプレポリマーと共に使用するイソシアネートは、イソシアネートの脂肪族、脂環式、芳香脂肪族(araliphatic)誘導体、及び1分子当たり2個又はそれ以上のイソシアネート(NCO)基を持つこれら化合物の組み合わせを包含する。該イソシアネートは有機、変性有機、有機ポリイソシアネート末端を持つプレポリマー、及びこれらの混合物であり得る。該イソシアネート含有反応性成分は、また任意のイソシアネート官能性モノマー、ダイマー、トライマー、又はイソシアネートのマルチマー付加生成物、プレポリマー、低級遊離イソシアネートプレポリマー、擬似-プレポリマー、又はこれらの混合物を含むことができる。イソシアネート官能性化合物は、2個又はそれ以上の任意のイソシアネート官能基を含む、モノイソシアネート又はポリイソシアネートを含むことができる。
適当なイソシアネート-含有成分は、一般的な構造:O=C=N-R-N=C=Oを持つジイソシアネートを含む。ここで、Rは好ましくは炭素原子数約1〜20の環式、直鎖又は分岐鎖炭化水素部分である。該ジイソシアネートは、また1又はそれ以上の環式基を含むことも可能である。多数の環式基が存在する場合、炭素原子数約1〜10の直鎖及び/又は分岐鎖炭化水素は、該環式基間のスペーサとして存在し得る。幾つかの場合において、該環式基は夫々2-、3-及び/又は4-位において置換されていても良い。置換基はハロゲン原子、一級、二級、三級炭化水素基又はこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
不飽和ジイソシアネート、即ち芳香族化合物も、本発明と共に使用できるが、該プレポリマーにおける不飽和化合物の使用は、以下において論じるように、光安定剤又は顔料の使用と組み合わせることが好ましい。不飽和ジイソシアネートの例は、2,2'-、2,4'-、及び4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、3,3'-ジメチル-4,4'-ビフェニルジイソシアネート(TODI)、トルエンジイソシアネート(TDI)、ポリマー状のMDI、カルボジイミド-変性液状4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート(PPDI)、m-フェニレンジイソシアネート(MPDI)、トリフェニルメタン-4,4'-及びトリフェニルメタン-4,4”-トリイソシアネート、ナフタレン-1,5-ジイソシアネート(NDI)、2,4'-、4,4'-及び2,2-ビフェニルジイソシアネート、ポリフェニルポリメチレンポリイソシアネート(PMDI)及びこれらの組み合わせを含む、置換及び異性混合物を含むが、これらに限定されない。
該ポリウレタンプレポリマー中で使用できる飽和ジイソシアネートの例は、エチレンジイソシアネート、プロピレン-1,2-ジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、テトラメチレン-1,4-ジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカン-1,12-ジイソシアネート、シクロブタン-1,3-ジイソシアネート、シクロヘキサン-1,2-ジイソシアネート、シクロヘキサン-1,3-ジイソシアネート、シクロヘキサン-1,4-ジイソシアネート、メチルシクロへキシレンジイソシアネート(HTDI)、2,4-メチルシクロヘキサンジイソシアネート、2,6-メチルシクロヘキサンジイソシアネート、4,4'-ジシクロヘキシルジイソシアネート、2,4'-ジシクロヘキシルジイソシアネート、1,3,5-シクロヘキサントリイソシアネート、イソシアナトメチルシクロヘキサンイソシアネート、1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチルシクロヘキサン、イソシアナトエチルシクロヘキサンイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンジイソシアネート、4,4'-ビス(イソシアナトメチル)ジシクロヘキサン、2,4'-ビス(イソシアナトメチル)ジシクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、HDIのトリイソシアネート、
2,2,4-トリメチル-1,6-ヘキサンジイソシアネート(TMDI) のトリイソシアネート、4,4'-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、2,4-ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート、2,6-ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート、芳香族-脂肪族イソシアネート、例えば1,2-、1,3-及び1,4-キシレンジイソシアネート、m-テトラメチルキシレンジイソシアネート(m-TMXDI)、p-テトラメチルキシレンジイソシアネート(p-TMXDI);任意のポリイソシアネートのトライマー化イソシアヌレート、例えばトルエンジイソシアネートのイソシアヌレート、ジフェニルメタンジイソシアネートのトライマー、テトラメチルキシレンジイソシアネートのトライマー、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート、及びこれらの混合物;任意のポリイソシアネートのダイマー化ウレトジオン(uretdione)、例えばトルエンジイソシアネートのウレトジオン、ヘキサメチレンジイソシアネートのウレトジオン、及びこれらの混合物;上記イソシアネート及びポリイソシアネートから誘導される変性ポリイソシアネート;及びこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。一態様において、該飽和ジイソシアネートは、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4'-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、又はこれらの組み合わせを含む。
プレポリマーは、該低級遊離イソシアネートモノマーを、約10〜20質量%なる範囲の量で含むことができる。従って、一態様では、該プレポリマーから、該遊離イソシアネートモノマーを除くことができる。例えば、ストリッピングの後、該プレポリマーは約1%以下の遊離イソシアネートモノマーを含むことができる。別の態様では、該プレポリマーは約0.5質量%以下の遊離イソシアネートモノマーを含むことができる。さらに別の態様では、該プレポリマーは約0.1質量%以下の遊離イソシアネートモノマーを含むことができる。
本発明の組成物が熱可塑性材料である場合、本発明で使用するのに適したジイソシアネートは、2,2'-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI);ポリマー状のMDI;液状MDI;トルエンジイソシアネート(TDI);3,3'-ジメチル-4,4'-ビフェニルジイソシアネート(TODI);p-フェニレンジイソシアネート(PPDI);イソホロンジイソシアネート(IPDI);4,4'-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI);1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI);p-テトラメチルキシレンジイソシアネート(p-TMXDI);m-テトラメチルキシレンジイソシアネート(m-TMXDI);ナフタレン-1,5-ジイソシアネート(NDI);m-フェニレンジイソシアネート(MPDI);及びこれらの混合物を含む。
他の態様において、該ジイソシアネートは、炭素原子数約4〜20の芳香族ジイソシアネートである。その非限定的な例は、1,4-ジイソシアナトベンゼン(PPDI)、1,5-ナフタレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネートの異性体、又は最も好ましくは2,2'-メチレンビス(フェニルイソシアネート)、2,4'-メチレンビス(フェニルイソシアネート)、4,4'-メチレンビス(フェニルイソシアネート)、これらの異性体又はこれらのオリゴマーを含む。許容される脂肪族ジイソシアネートは、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレン-ビス(4-シクロヘキシルイソシアネート)、1,4-シクロヘキシルジイソシアネート等を含む。
該ジイソシアネートは、好ましくは該プレポリマーの約2.5〜約15質量%、及びより好ましくは該プレポリマーの約2.5〜約14質量%なる範囲の量で存在する。一態様において、該ジイソシアネートは、該プレポリマーの約5〜約12質量%なる範囲の量で存在する。他の態様において、該ジイソシアネートは、約5〜約10質量%なる範囲のジイソシアネートを含む。
ポリオール成分
当業者が入手できる如何なるポリオールも、該ポリウレタンプレポリマーにおいて使用するのに適している。適当なポリオールはポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、炭化水素ポリオール、及びこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
適当なポリエーテルポリオールの例は、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)、ポリテトラメチレンエーテルグリコールと2-メチル-1,4-ブタンジオールとのコポリマー(PTG-L)、ポリ(オキシエチレン) グリコール、ポリ(オキシプロピレン) グリコール、ポリ(オキシエチレンオキシプロピレン) グリコール、エチレンオキシドでキャップしたポリ(オキシプロピレン) グリコール、及びこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。市販品として入手可能なポリエーテル型のポリウレタンは、エスタン(ESTANE) 5740X820及び5740X955なる名称の下でB.F.グッドリッチ(Goodrich)から入手できる。これら両材料は、30未満のショアD硬さ、約34.5MPa(5,000psi)未満の曲げ弾性率及び約45%を越える%反発レジリエンスをもつ。
適当なポリエステルポリオールは、o-フタレート-1,6-ヘキサンジオール、ポリエチレンアジペートグリコール、ポリエチレンプロピレンアジペートグリコール、ポリエチレンブチレンアジペートグリコール、ポリブチレンアジペートグリコール、ポリヘキサメチレンアジペートグリコール、ポリヘキサメチレンブチレンアジペートグリコール、ポリエチレンテレフタレートポリエステルポリオール、及びこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
適当なポリカプロラクトンポリオールは、エチレングリコール-開始ポリカプロラクトン、ジエチレングリコール-開始ポリカプロラクトン、プロピレングリコール-開始ポリカプロラクトン、ジプロピレングリコール-開始ポリカプロラクトン、トリメチロールプロパン-開始ポリカプロラクトン、ネオペンチルグリコール-開始ポリカプロラクトン、1,4-ブタンジオール-開始ポリカプロラクトン、1,6-ヘキサンジオール-開始ポリカプロラクトン、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)-開始ポリカプロラクトン、これらのコポリマー、及びこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。ここで使用する用語「コポリマー」とは、2種以上のモノマーから製造されるポリマーであり、ここで該モノマーは同一ではない。
本発明において使用可能なポリカーボネートポリオールの例は、ポリ(フタレートカーボネート)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)グリコール、ポリカーボネートポリオール含有ビスフェノールA、及びこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。炭化水素ポリオールは、ヒドロキシ末端を持つ液状イソプレンゴム(LIR)、ヒドロキシ末端を持つポリブタジエンポリオール、ヒドロキシ末端を持つポリオレフィンポリオール、ヒドロキシ末端を持つ炭化水素ポリオール、及びこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。本発明のプレポリマーを製造するのに使用できる他の脂肪族ポリオールは、グリセロール;ヒマシ油及びその誘導体;ポリテイル(Polytail) H;ポリテイルHA;クラトン(Kraton)ポリオール;アクリル系ポリオール;カルボン酸、スルホン酸又は燐酸基に基く酸官能化ポリオール;飽和ダイマー化脂肪酸から転化したダイマーアルコール;及びこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
適当な耐湿性ポリオールは、飽和及び不飽和炭化水素ポリオール、ヒドロキシ末端を持つ液状イソプレンゴム、ヒドロキシ末端を持つポリブタジエンポリオール、これらのコポリマー及び混合物を含むが、これらに限定されない。
一態様において、本発明と共に利用するのに好ましいポリオールは、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリエチレンアジペートグリコール、ポリブチレンアジペートグリコール、及びジエチレングリコール-開始ポリカプロラクトン;これらのコポリマー及び混合物を含む。他の態様において、該ポリオールは約200〜4000なる範囲の分子量を持つ。
さらに別の態様において、該ポリオールは、炭素原子数2〜6のアルキレンオキシド繰返し単位を持ち、かつ約1,400〜約10,000なる範囲、好ましくは約2,500〜約10,000なる範囲の平均分子量を持つ、ヒドロキシ末端を持つポリエーテルである。1以上の数又は数値範囲と関連してここで使用する用語「約」とは、ある範囲内のあらゆる数値を含む、全てのこのような数を意味するものとする。本発明のこの局面において、代表的な炭素原子数2〜6のアルキレンオキシド繰返し単位は、炭素原子数4のエチレンオキシド又はプロピレンオキシドを含むが、これらに限定されない。一態様において、テトラメチレン、ブチレンオキシド、及びこれらの混合物を、該アルキレンオキシド繰返し単位として選択する。市販品として入手できるヒドロキシ末端を持つポリエーテルの例は、リオンデルケミカル社(Lyondell Chemical Co.)から入手できるポリメグ(Polymeg) 2000及びデュポン社から入手できるテレタン(Terethane) 2900を包含する。
好ましくは、該ポリオールは、該ジイソシアネート及びポリオールを基準として、約70〜98質量%なる範囲の量で存在し、該ジイソシアネートは、該ジイソシアネート及びポリオールを基準として、約2〜30質量%なる範囲の量で存在し、また該ジオール及び/又は第二ジアミン硬化剤は、該ジイソシアネート及びポリオールを基準として、約10〜110質量%なる範囲の量で存在する。
アミノ末端を持つ成分
当業者が入手可能なあらゆるアミノ末端を持つ成分が、本発明のポリウレアプレポリマーの製造において使用するのに適している。該アミノ末端を持つ成分は、アミノ末端を持つ炭化水素、アミノ末端を持つポリエーテル、アミノ末端を持つポリエステル、アミノ末端を持つカーボネート、アミノ末端を持つカプロラクトン、及びこれらの混合物を含むことができ、これらは「ゴルフ用品用のポリウレア及びポリウレタン組成物(Polyurea and Polyurethane Compositions for Golf Equipments)」と題する、2003年4月9日付けで出願された、継続中の米国特許出願No. 10/409,144及び「光安定性材料を含むゴルフボール及びその製法(Golf Balls Comprising Light Stable Materials and Methods of Making Same)」と題する、2002年8月27日付けで出願された、米国特許No. 10/228,311(これらの内容全体を、本発明の参考とする)において詳細に説明されている。該アミノ末端を持つセグメントは、第一アミン(NH2)又は第二アミン(NHR)の形状であり得る。ポリオールの代わりにアミノ末端を持つ成分を使用することにより、ウレア結合のみを含むポリウレアプレポリマーが生成することを述べておくことは重要である。しかし、該プレポリマーが低級遊離イソシアネートモノマーを含み、かつヒドロキシ末端を持つ化合物、例えば上に列挙したポリオールを、該プレポリマーとブレンドする場合、得られるプレポリマーは、ウレタン結合を含むであろう。従って、純粋なポリウレア組成物を得る唯一の方法は、該組成物中にウレタン結合が全く存在しないことを、確認することである。
硬化剤
本発明で使用する硬化剤は、ヒドロキシ末端を持つ硬化剤、アミノ末端を持つ硬化剤及びこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。使用する硬化剤の型に依存して、該ポリウレタン組成物は、事実上熱可塑性又は熱硬化性であり得る。例えば、1:1の化学量論量のジオール又は第二ジアミンで硬化したポリウレタンプレポリマーは、一般にまったく熱可塑性である。他方、熱硬化性ポリウレタンは、第一ジアミン又は多官能性グリコールで硬化したプレポリマーから作られる。
一態様において、本発明の組成物は単一の硬化剤を含む。別の態様では、本発明の組成物は硬化剤混合物を含む。さらに別の態様では、該ポリウレタン組成物は、単一のジオール硬化剤を含む。
さらに、使用する硬化剤の型は、該ポリウレタン組成物が、ポリウレタン-ウレタン、ポリウレア-ウレア、又はポリウレア-ウレタンの何れであるかを決定する。例えば、ヒドロキシ末端を持つ硬化剤で硬化したポリウレタンプレポリマーは、ポリウレタン-ウレタンである。というのは、あらゆる過剰なイソシアネート基が該硬化剤のヒドロキシル基と反応して、より多くのウレタン結合を生成するからである。対照的に、アミノ末端を持つ硬化剤を、該ポリウレタンプレポリマーと共に使用した場合、その過剰量のイソシアネート基が、該アミノ末端を持つ硬化剤のアミノ基と反応して、ウレア結合を生成する。
一態様において、該硬化剤は、以下に列挙する化学的構造及びその組み合わせの一つを持つ:
Figure 0004030987
上記式において、Rはアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル及びエチルマレエート基を含み、R1及びR2は、夫々独立に、約1〜約20個の炭素原子を持つ直鎖又は分岐鎖の炭化水素鎖を含み、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、及びR10は水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、又はこれらの組み合わせを含み、かつnは約1〜約20なる範囲にある。
適当なヒドロキシ末端を持つ硬化剤はエチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,4-ブタンジオール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エタンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、2,3-メチル-2,3-ブタンジオール、トリメチロールプロパン、トリイソプロパノールアミン、ジエチレングリコールジ-(アミノプロピル)エーテル、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、グリセロール、1,3-ビス-(2-ヒドロキシエトキシ)シクロヘキサン、1,3-[ビス-(2-ヒドロキシエトキシ)]-ジエトキシベンゼン、1,4-シクロヘキシルジメチルオール、1,3-ビス-[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ]シクロヘキサン、1,3-ビス-{2-[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エトキシ}シクロヘキサン、約250〜約3900、好ましくは約250〜約1000なる範囲の分子量を持つポリテトラメチレンエーテルグリコール、及びこれらの混合物を含むが、これらに制限されない。1,3-[ビス-(2-ヒドロキシエトキシ)]-ジエトキシベンゼンが、2,2'-[1,3-フェニレンビスオキシ-2,1-エタンジイルオキシ]ビス-エタノールとも呼ばれていることは、当分野において周知である。
一態様において、本発明の組成物は、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、及び1,3-ビス-(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンと1,3-[ビス-(2-ヒドロキシエトキシ)]-ジエトキシベンゼンとの混合物の反応生成物を含む、熱可塑性ポリウレタンである。
該ヒドロキシ末端を持つ硬化剤は、好ましくは少なくとも約50の分子量を持つ。一態様において、該ヒドロキシ末端を持つ硬化剤の分子量は、約2000以下である。さらに別の態様では、該ヒドロキシ末端を持つ硬化剤は、約250〜約3900なる範囲の分子量を持つ。ここで使用する分子量とは、絶対重量平均分子量であるものと理解されるべきであり、当業者にはその通り理解されるであろう。
該硬化剤が、グリコール鎖伸長剤、即ちグリコール、エチレングリコール、プロパングリコール、ブタングリコール、ペンタングリコール、ヘキサングリコール、ベンゼングリコール及びキシレングリコールである場合、これらは好ましくは直鎖状のものである。全連鎖伸長剤の全質量を基準とする、該連鎖伸長剤の任意の分岐の全質量は、好ましくは約15質量%未満である。この硬化剤は脂肪族、芳香族、又はこれらの組み合わせであり得る。
該ヒドロキシ末端を持つ硬化剤は、本発明による組成物の該プレポリマー成分に関連して、上で論じたポリオールから選択することができる。例えば、一態様において、該硬化剤は、以下の構造:HO-(R1-O-R2-O)m-Hを持つポリエーテルポリオール又はヒドロキシ末端を持つ硬化剤である。ここで、R1及びR2は炭素原子数約1〜約20の、直鎖又は分岐鎖の炭化水素鎖であり、またnは約1〜約45なる範囲にある。このポリエーテルポリオールは、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリ(オキシプロピレン)グリコール、ポリ(オキシエチレン)グリコール、ポリ(オキシエチレンオキシプロピレン)グリコール、エチレンオキシドでキャップしたポリ(オキシプロピレン)グリコール、及びこれらの混合物を含むことができる。例えば、本発明のポリウレタン組成物は、PPDI及びPTMEGを含むことができ、ここで該組成物は、約40ショアD以上、好ましくは約45ショアD〜約70ショアDなる範囲の硬さを持つ。
別の態様において、該硬化剤は、以下に示す構造を持つポリエステルポリオール又はヒドロキシ末端を持つ硬化剤である:
Figure 0004030987
ここで、R1及びR2は炭素原子数約1〜約20の、直鎖又は分岐鎖の炭化水素鎖を含み、またnは約1〜約25なる範囲にある。このポリエステルポリオールは、o-フタレート-1,6-ヘキサンジオール、ポリエチレンアジペートグリコール、ポリエチレンプロピレンアジペートグリコール、ポリエチレンブチレンアジペートグリコール、及びこれらの混合物を含むことができる。
さらに別の態様において、該硬化剤は、以下の構造を持つポリカプロラクトンポリオール又はヒドロキシ末端を持つ硬化剤である:
Figure 0004030987
ここで、R1は炭素原子数約1〜約20の、直鎖又は分岐鎖の炭化水素鎖を含み、またnは約1〜約25なる範囲にある。該ポリカプロラクトンポリオールは1,6-ヘキサンジオール-開始ポリカプロラクトン、ジエチレングリコール-開始ポリカプロラクトン、トリメチロールプロパン-開始ポリカプロラクトン、ネオペンチルグリコール-開始ポリカプロラクトン、1,4-ブタンジオール-開始ポリカプロラクトン、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)-開始ポリカプロラクトン、及びこれらの混合物を含むことができる。例えば、本発明のポリウレタン組成物は、PPDI及びポリカプロラクトンポリオールを含むことができ、ここで該組成物は約40ショアD以上、好ましくは約45ショアD〜約70ショアDなる範囲の硬さを持つ。
さらに別の態様において、該硬化剤は、以下の構造を持つポリカーボネートポリオール又はヒドロキシ末端を持つ硬化剤、又はこれらの混合物である:
Figure 0004030987
ここで、R3は少なくとも1種のフタレート基、少なくとも1種のヘキサメチレン基、少なくとも1種のビスフェノールA基、又はこれらの組み合わせを含み、またnは約1〜約25なる範囲にある。該ポリカーボネートポリオールは、ポリ(フタレートカーボネート)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)グリコール、ビスフェノールAを含むポリカーボネートポリオール、及びこれらの混合物を含むことができる。
別の態様において、該硬化剤は以下の一般的な化学的構造:
HOH2CH2C(OH2CH2C)nO-X-O(CH2CH2O)mCH2CH2OH
ここで、n及びmは夫々別々に、0、1、2又は3を表し、Xはo-フェニレン、m-フェニレン、p-フェニレン、1,2-シクロヘキシル、1,3-シクロヘキシル、又は1,4-シクロヘキシルである。n及びmの値は、好ましくは1又は2である。種々のフェニレン構造を以下に列挙する:













Figure 0004030987
適当なアミノ末端を持つ硬化剤は、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1-メチル-2,6-シクロヘキシルジアミン、テトラヒドロキシプロピレンエチレンジアミン、2,2,4-及び2,4,4-トリメチル-1,6-ヘキサンジアミン、4,4'-ビス-(sec-ブチルアミノ)-ジシクロヘキシルメタン、4,4'-ビス-(sec-ブチルアミノ)-ジシクロヘキシルメタンの誘導体、4,4'-ビス-(sec-ブチルアミノ)-ジフェニルメタン、4,4'-ビス-(sec-ブチルアミノ)-ジフェニルメタンの誘導体、1,4-ビス-(sec-ブチルアミノ)-シクロヘキサン、1,4-ビス-(sec-ブチルアミノ)-ベンゼン、1,2-ビス-(sec-ブチルアミノ)-シクロヘキサン、1,2-ビス-(sec-ブチルアミノ)-ベンゼン、4,4'-ジシクロヘキシルメタンジアミン、1,4-シクロヘキサンビス-(メチルアミン)、1,3-シクロヘキサンビス-(メチルアミン)、ジエチレングリコールジ-(アミノプロピル)エーテル、N,N'-ジイソプロピル-イソホロンジアミン、3,3'-ジメチル-4,4'-ジシクロヘキシルメタンジアミン、2-メチルペンタメチレンジアミン、ジアミノシクロヘキサン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、プロピレンジアミン、ジプロピレントリアミン、1,3-ジアミノプロパン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、イミドビス-プロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、イソホロンジアミン、及びこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。一態様において、該アミン硬化剤は、約64以上の分子量を持つ。別の態様では、このアミン硬化剤の分子量は、約2000以下である。
例えば、一態様において、本発明の組成物は、4,4'-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ポリテトラメチレンエーテルグリコールとポリカプロラクトンとのコポリマー、及び4,4'-ビス-(sec-ブチルアミノ)-ジシクロヘキシルメタンの反応生成物を含む、熱可塑性ポリウレタンである。
該アミノ末端を持つ硬化剤は、また該プレポリマーに関連して上に列挙した任意のアミノ末端を持つ成分から選択できる。例えば、該アミノ末端を持つ硬化剤は、アミノ末端を持つポリエーテル、アミノ末端を持つポリエステル、アミノ末端を持つポリカーボネート、アミノ末端を持つポリカプロラクトン、及びこれらの混合物を含むことができる。一態様において、該アミノ末端を持つ硬化剤は、例えば2個のNH2基を含む、第一アミンである。他の態様において、該アミノ末端を持つ硬化剤は、例えば少なくとも1つのNHR基を含む第二アミン又はヒンダードアミンである。
本発明で使用するのに適したポリウレタン及びポリウレアの更なる例は、米国特許公開No. 2003/0088048、「光安定性材料を含むゴルフボール及びその製法(Golf Balls Comprising Light Stable Materials and Methods of Making Same)」と題する、2002年8月27日付けで出願された、米国特許出願No. 10/228,311、「ゴルフボール用のポリウレタン組成物(Polyurethane Compositions for Golf Balls)」と題する、2003年1月10日付けで出願された、米国特許出願No. 10/339,603、「ゴルフ用品用のポリウレア及びポリウレタン組成物(Polyurea and Polyurethane Compositions for Golf Equipments)」と題する、2003年4月9日付けで出願された、米国特許出願No. 10/409,144及び 「ゴルフ用品用の耐水性ポリウレアエラストマー(Water Resistant Polyurea Elastomers for Golf Equipments)」と題する、2003年4月9日付けで出願された、米国特許出願No. 10/409,092に見出すことができる(これらの内容全体を、本発明の参考とする)。
組成物の加工
本発明の該ポリウレタン及びポリウレアエラストマーを加工するのに利用される、2つの基本的な技術があり、これらはワンショット法及びプレポリマー法である。該ワンショット法は、該組成物材料を一段階で反応し、一方該プレポリマー法は、ポリウレタンプレポリマーを製造するための、ポリオールとジイソシアネートとの間の第一反応、又はポリウレアプレポリマーを製造するための、アミノ末端を持つ化合物とジイソシアネートとの間の第一反応、及びその後の該プレポリマーと硬化剤との反応を必要とする。何れかの方法を用いて本発明のポリウレタン組成物を製造できるが、該プレポリマー法は、化学反応の良好な制御が可能であり、結果的に該エラストマーに関してより均一な特性を得ることができる。
一態様において、本発明の組成物は、ワンショット法で作られ、即ち該ジイソシアネートモノマーを、次いで少なくとも1種の硬化剤を押出機に供給して、本発明のゴルフボールで使用するための、熱可塑性組成物を生成する。例えば、溶融されたPPDI及び硬化剤、例えばPTMEG、ポリカプロラクトン等を、押出機内に供給して、熱可塑性のPPDIを主成分とするポリウレタンを製造する。
組成物ブレンド
本発明の組成物を、他の材料とブレンドすることができる。例えば、本発明の組成物を、追加の熱可塑性成分とブレンドすることができる。適当な熱可塑性材料は、コポリエステル、ポリアミド、ポリエーテルエステルブロックコポリマー、ポリエステルエステルブロックコポリマー、ポリエーテルアミドブロックコポリマー、ポリエステルアミドブロックコポリマー、イオノマー樹脂、力学的に発泡させた熱可塑性エラストマー、結合された無水マレイン酸又はスルホン酸等の官能基を持つ、水添スチレン-ブタジエンエラストマー、熱可塑性ポリエステル、メタロセン触媒を用いて製造したポリマー(メタロセンポリマー)及びこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
適当な熱可塑性ポリエーテルエステルブロックコポリマーは、DE、ウイルミントンのデュポン社により、ハイトレル(HYTRELTM)なる商標の下で市販されている物質を含み、これはハイトレル3078、ハイトレルG3548W、ハイトレル4069及びハイトレルG4078Wを包含する。適当な熱可塑性ポリエーテルアミドブロックコポリマーは、PA、フィラデルフィアのエルフ-アトケム(Elf-Atochem)からペバックス(PEBAXTM)なる商標の下で市販されているものであり、これは例えばペバックス2533、ペバックス1205及びペバックス4033を含む。適当な熱可塑性イオノマー樹脂は、任意数のオレフィンを主成分とするイオノマー、例えばサーリン(デュポン社の商標)及びイオテック(IOTEKTM;エクソン(Exxon)社)を含む。適当な力学的に発泡させた熱可塑性エラストマーは、サントプレン(SANTOPRENETM)、サーリンク(SARLINKTM)、ビラン(VYRAMTM)、ディトロン(DYTRONTM)、及びビスタフレックス(VISTAFLEXTM)を包含する。サントプレンは、力学的に発泡させたPP/EPDMに関する商標であり、サントプレン203-40は、好ましいサントプレンの一例であり、またアドバンストエラストマーシステムズ(Advanced Elastomer Systems)から市販品として入手できる。無水マレイン酸又はスルホン酸等の官能基を持つ、適当な官能化水添スチレン-ブタジエンエラストマーは、シェル社(Shell Corporation)から市販品として入手できる、クラトン(KRATONTM) FG-1901x及びFG-1921xを包含する。適当な熱可塑性ポリウレタンの例は、OH、クリーブランドのB.F.グッドリッチ社(Goodrich Company)から市販品として入手できる、エスタン(ESTANETM) 58133、エスタン58134及びエスタン58144を含む。適当なメタロセン触媒ポリマー、即ちメタロセン触媒を用いて製造したポリマーは、エクソン(Exxon)社及びダウ(DOW)社から市販品として入手できるものを含む。適当な熱可塑性ポリエステルは、ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリ(エチレンテレフタレート)、及びポリ(トリメチレンテレフタレート)を含む。
一態様において、本発明に従って、ジイソシアネートとヒドロキシ末端を持つポリエーテル及びグリコール鎖伸長剤と反応させることにより組成物を製造し、さらにコポリエステル、ポリアミド、ポリエーテルエステルブロックコポリマー、ポリエステルエステルブロックコポリマー、ポリエーテルアミドブロックコポリマー、ポリエステルアミドブロックコポリマー、他のポリウレタン(例えば、ポリ(p-フェニレンジイソシアネートエーテル)ウレタン及びポリエステル型のウレタン)、及びこれらの混合物からなる群から選択される熱可塑性材料とブレンドする。得られる材料は、好ましくは約138MPa(約20,000psi)未満の曲げ弾性率を持つ。別の態様では、このブレンドの該熱可塑性成分は、ポリエーテルエステルブロックコポリマー、好ましくはハイトレル4069を含む。
追加の成分
追加の材料を、該ポリウレタン及びポリウレアプレポリマー、即ちジイソシアネートとポリオール又はアミノ末端を持つ化合物との反応生成物、又は本発明の完成されたポリウレタン組成物に添加することができる。これら追加の材料は、触媒、湿潤剤、着色剤、蛍光増白剤、架橋剤、白色体質顔料、例えばTiO2及びZnO、UV吸収剤、ヒンダードアミン光安定剤、消泡剤、加工助剤、界面活性剤、及びその他の公知の添加物を含むが、これらに制限されない。例えば、湿潤添加剤を、本発明の変性した硬化剤ブレンドに添加して、該顔料をより効果的に分散することができる。適当な湿潤剤は、特にバイクケムル(Byk-Chemle)及びクロンプトン社(Crompton Corporation)から入手できる。
酸化防止剤、安定化剤、柔軟剤、内部及び外部可塑剤を含む可塑剤、耐衝撃性改良剤、発泡剤、密度調節フィラー、強化材料、相溶化剤、触媒、香味成分、及びこれらの混合物を、本発明の任意の組成物に添加できる。当業者は、これら添加剤を使用する目的及びこれら目的を満たすのに使用すべきその量を承知している。例えば、フィラー成分は、前に記載した成分のブレンドに、追加の密度を与えるように選択できる。このようなフィラーの選択は、所定のゴルフボールの型、即ちワンピース、ツーピース、多成分、又は糸巻きボールであるかに依存する。有用なフィラーの例は、酸化亜鉛、硫酸バリウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、及びシリカ並びにこれらの、他の周知の対応する塩及び酸化物を含む。追加のフィラー、例えば発泡剤、ガラス球、及び金属を、その周知の目的で、必要とされる量で、本発明のポリウレタン組成物に添加できる。
また、触媒を使用して、該ポリウレタン及びポリウレア組成物両者に対して、該プレポリマーと該硬化剤との間の反応を、促進することができる。適当な触媒は、ビスマス触媒;コバルト(II)オクトエート;亜鉛オクトエート;オクタン酸第一錫;錫触媒、例えばジブチル錫ジラウレート(エアープローダクト&ケミカルズ社(Air Products & Chemicals, Inc.)により製造されている、ダブコ(DABCOTM) T-12)、ジブチル錫ジアセテート(ダブコT-1);オクタン酸第一錫(ダブコT-9);塩化錫(II);塩化錫(IV);ジブチル錫ジメトキシド(ファスカット(FASCATTM)-4211)、ジメチル-ビス[1-オキソンデシル)オキシ]スタナン(フォルメッツ(FORMEZTM) UL-29);アミン触媒、例えばトリエチレンジアミン(ダブコ33-LV)、トリエチルアミン、及びトリブチルアミン;有機酸、例えばオクタン酸、オレイン酸、及び酢酸;遅延触媒、例えばポリカット(POLYCATTM) SA-1、ポリカットSA-2、ポリカットTM等;及びこれらの混合物を含むが、これらに制限されない。一態様において、該触媒は、ジブチル錫ジラウレートである。
使用する場合、触媒は、好ましくは該反応性混合物における該成分の反応を触媒するのに十分な量で添加される。一態様において、該触媒は、該組成物の質量基準で、約0.001〜約5質量%なる範囲の量で存在する。例えば、錫触媒、例えばジブチル錫ジラウレートを使用する場合、該触媒は、約0.005〜約1%なる範囲の量で存在することが好ましい。他の態様では、該触媒は、約0.05質量%以上の量で存在する。別の態様では、該触媒は、約0.5質量%以上の量で存在する。
この触媒の量を非因襲的に高いレベルまで高めることにより、匹敵する硬化段階を維持しつつ、加工温度の低下を可能とする。より高いレベルでの触媒の使用は、また混合速度の低下を可能とする。従って、一態様では、該錫触媒は、該組成物を基準として、約0.01〜約0.55質量%なる範囲の量で存在する。他の態様では、約0.05〜約0.4質量%なる範囲の量の錫触媒が、存在する。さらに別の態様では、該錫触媒は、約0.1〜約0.25質量%なる範囲の量で存在する。
上で簡単に記載したように、本発明の組成物は、少なくとも1種の物理的又は化学的な発泡剤の添加により発泡させることができる。発泡ポリマーの使用は、ゴルフボールの設計者が、該ボールの密度又は質量を調節して、慣性の角運動量を調節し、結果的に該ボールのスピン速度及び性能を調節することを可能とする。発泡した材料は、またポリマー材料の使用量の低下により、潜在的な経費節減をもたらす。
有用な発泡剤は、有機発泡剤、例えばアゾビスホルムアミド、アゾビスイソブチロニトリル、ジアゾアミノベンゼン、N,N-ジメチル-N,N-ジニトロソテレフタルアミド、N,N-ジニトロソペンタメチレンテトラミン、ベンゼンスルホニルヒドラジン、ベンゼン-1,3-ジスルホニルヒドラジン、ジフェニルスルホン-3,3、ジスルホニルヒドラジン、4,4'-オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジン、p-トルエンスルホニルセミカルバジド、バリウムアゾジカルボキシレート、ブチルアミンにトリル、ニトロウレア、トリヒドラジノトリアジン、フェニルメチルウランタン(uranthan)、p-スルホンヒドラジド、過酸、及び無機発泡剤、例えば重炭酸アンモニウム及び重炭酸ナトリウムを含むが、これらに制限されない。空気、窒素、二酸化炭素等のガスを、射出成型工程中に、該組成物に吹込むこともできる。
さらに、本発明の発泡させた組成物は、該成型工程中に、あるいはその前に、該組成物と微小球とをブレンドすることにより製造できる。ポリマー、セラミック、金属及びガラス微小球が、本発明において有用であり、また中実、中空及び充填された、又は充填されていないものであり得る。特に、約1000μmまでの径を持つ微小球が有用である。
香料又は隠蔽剤を本発明の組成物に添加して、本発明の幾つかの組成物にとって固有の臭いを排除することができる。ここで使用するような材料又は成分は、臭いの閾値が、空気中で0.029mg/m3なる閾値を越える場合に、悪臭性である。従って、香料成分は、該組成物基準で、約0.01〜約1.5質量%なる範囲の量で添加できる。一態様において、該組成物基準で、約0.03質量%以上の量で、香料成分を該組成物に添加する。他の態様では、該組成物基準で、約1.2質量%以下の量で、香料成分を該組成物に添加する。さらに別の態様では、該組成物基準で、約0.5〜約1質量%なる範囲の量で、香料成分を添加する。例えば、香料の最適の添加量は、該組成物基準で、約0.08質量%なる量であり得るが、より多くの量の添加は、所定の効果を高める。
適当な香料成分は、ロングラスティングフレーグランスマスク(Long Lasting Fragrance Mask) #59672、同#46064、同#55248、ノンデスクリプトフレーグランスマスク(Non-Descript Fragrance Mask) #97779、フレッシュ&クリーンフレーグランスマスク(Fresh and Clean Fragrance Mask) #88177、及びガーデンフレッシュフレーグランスマスク(Garden Fresh Fragrance Mask) #87473を含むが、これらに限定されない。これらの香料全ては、ニュージャージー州、クラークのスタンレイS.ショーマン社(Stanley S. Schoemann, Inc.)によって作られているものである。本発明の組成物に添加することのできる、香料成分の非限定的な他の例は、ベンズアルデヒド、ベンジルベンゾエート、ベンジルプロピオネート、ベンジルサリチレート、ベンジルアルコール、桂皮酸アルデヒド、ニュージャージー州のフレーバー&フレーグランススペシャルティーズ(Flavor and Fragrance Specialties)によって頒布されている、ポリセント(PolyscentTM)マスカンツ(maskants)、植物起源由来の天然油及び精油、並びにこれらの混合物を包含する。
酸官能化
本発明は、また本発明のポリウレタン及びポリウレア組成物を、酸官能化して、「新規な酸官能性ポリウレタン、ポリウレア、又はそのコポリマーを含むゴルフボール組成物(Golf Ball Compositions Comprising a Novel Acid Functional Polyurethane, Polyurea, or Copolymer Thereof)」と題する、2002年2月5日付けで出願された、米国特許出願No. 10/072,395に記載されているような、接着性を高めることをも意図する。該米国特許出願の内容全体を、本発明の参考とする。該酸官能基は、好ましくはスルホン酸基(HSO3)、カルボキシル基(HCO2)、燐酸基(H2PO3)又はこれらの組み合わせに基づくものである。
一態様において、該酸官能性ポリウレタン又はポリウレアは、酸官能性部分を持つプレポリマーから製造する。該酸性基をポリウレタン組成物を製造する際に、該イソシアネート部分又はポリオール成分に組み込むことができる。本発明のポリウレア組成物を製造する際には、該酸性基を該イソシアネート又はポリエーテルアミン成分に組み込むことができる。
このような酸官能性ポリオールを誘導するのに使用する試薬及び方法と共に、本発明のポリウレタン組成物において使用する、適当な酸官能性ポリオールは、米国特許第5,661,207号及び同第6,103,822号に詳しく記載されている。これら特許の記載全体を本発明の参考とする。一態様において、ポリウレタンプレポリマーにおいて使用する酸官能性ポリオールは、ポリエステルポリオールのカルボキシル化、スルホネート化、又はホスホネート化誘導体を含む。適当な酸官能性ポリオールは、少なくとも約10、好ましくは約20〜約420なる範囲、より好ましくは約25〜約150なる範囲、及び最も好ましくは約30〜約75なる範囲の、酸価数(酸当量を56,100で割ることにより算出)をもつ。さらに、該ポリオールのヒドロキシル価(ヒドロキシル当量数を56,100で割ることにより算出)は、少なくとも約10、好ましくは約20〜約840なる範囲、より好ましくは約20〜約175なる範囲、及び最も好ましくは約50〜約150なる範囲であり得る。該ポリオールは、また少なくとも約1.8、好ましくは約2〜約4なる範囲の、ヒドロキシル官能性(ポリオール分子あたりの、ヒドロキシル基の平均数)を持つことができる。
適当な酸官能性イソシアネートは、イソシアネートと、米国特許第4,956,438号及び同第5,071,578号に記載されているような、酸官能基含有化合物との反応によって製造できる。これら特許の内容全体を、本発明の参考とする。
該酸基は、また後-重合反応中に組み込むことができ、ここで該酸官能基は該ポリウレア又はポリウレタンに導入又は結合される。さらに、上記のような共重合によって作られた、該酸官能性ポリウレア又はポリウレタンは、さらにこのような後-重合反応を通して、追加の酸官能基を組み込むことができる。該ポリウレア又はポリウレタンに酸官能基を組み込むための適当な試薬及びその製法は、米国特許第6,207,784号に記載されている。この特許の内容全体を、本発明の参考とする。
当業者は、該酸官能性ポリウレア又はポリウレタンを製造する他の方法を認識しているであろう。例えば、米国特許第5,661,207号に記載されているように、上記態様の組み合わせを利用することができる。この特許の内容全体を、本発明の参考とする。
該酸官能性ポリウレア又はポリウレタンを、有機又は無機金属塩基及び/又は三級アミンで部分的にもしくは完全に中和して、アニオン性のポリウレタン/ポリウレアイオノマーを製造できる。この塩基は、該プレポリマーの調製中に、又は既に重合された酸官能性のポリウレタン及び/又はポリウレアに対する別の中和段階において添加できる。これらの段階を同時に行う場合、該塩基は、好ましくは該段階全体を通して存在する。
部分的又は完全な中和のために使用する適当な金属塩基は、化合物、例えば金属酸化物、金属水酸化物、金属炭酸塩、金属重炭酸塩及び金属の酢酸塩を含むことができる。該金属イオンは、第IA、IB、IIA、IIB、IIIA、IIIB、IVA、IVB、VA、VB、VIA、VIB、VIIB及びVIIIB族金属イオンを含むが、これらに制限されない。このような塩基の好ましい金属イオンは、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、亜鉛、カルシウム、マンガン、アルミニウム、タングステン、ジルコニウム、チタン及びハフニウムを含む。該アミンは、好ましくはヒンダード有機三級アミン、例えばトリブチルアミン、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ジメチルセチルアミン及び同様な化合物である。一級又は二級アミンは、好ましくは該中和段階が該ポリマーの生成後に行われる場合にのみ利用できる。というのは、該アミンの水素が、該イソシアネート基と容易に反応して、該ポリウレア又はポリウレタンの重合を妨害するからである。当業者は追加の適当な中和用の化学試薬を認識している。
ゴルフボールの構造
本発明の組成物は、任意の型のボール構造について使用できる。例えば、本発明に従って製造したゴルフボールは、完全に本発明の組成物からなる、均一な質量を持つように作られたワンピース構造を持つことができる。このようなボールは、さらに所望によって、公知の材料のブレンド、例えばここで議論したようなものを含むことができる。本発明の組成物を用いて製造したワンピースボールは、極めて耐久性が高いが、比較的高いスピン及び低い速度のために、大きな飛距離を与えない。
そこで、本発明の他の局面は、ツーピース及びスリーピース仕様のボール、並びに二重コア、二重カバー、中間層、多層コア、及び/又は多層カバーを持つゴルフボールに関する。ここで使用する用語「多層」とは、少なくとも2層を意味する。例えば、本発明の組成物を、ゴルフボールのコア、中間層及び/又はカバーにおいて使用でき、その各々は単一層又は多重層を持つことができる。図1に示したように、本発明のゴルフボールは、コア2、カバー3、及びこれらコア2とカバー3との間に設けられた少なくとも1層の中間層4を含むことができる。当業者には理解されるであろうように、該ゴルフボールの構造は、該ボールに望まれる性能の型に依存する。
コア成分
本発明で使用するコアは、ワンピースコア又は多層コアであり得、その何れも中実、半-中実、ゲル、中空、流体-充填又は粉末-充填状態であり得る。多層コアは、最も内側の成分を含み、これはその上に付随的なコア層又は付随的な複数のコア層を持つものである。ここで使用する用語「ゴルフボールコア」とは、該カバー内に含まれる、ゴルフボールの任意の位置を表すのに使用できる。例えば、図2は、コア6及びカバー7を持つゴルフボール5を示す。3層以上の層を持つゴルフボールの場合には、該用語「ゴルフボールコア」とは、少なくとも1層の内側層を含むことができ、また典型的には中心部及び該カバーの下方に設けられた少なくとも1層の他の層を意味する。かかるボールは、「二重コア」ゴルフボールとして知られている。用語「内側コア」は、「中心」又は「ゴルフボール中心」なる用語と互換的に使用でき、また用語「外側コア」は、「中間層」又は「少なくとも1層の中間層」なる用語と、互換的に使用できる。
本発明の組成物を、本発明のゴルフボールのコアにおいて使用できるが、他の公知の組成物を使用することも可能である。例えば、本発明において使用するコアを製造するための、非限定的な代表的基本組成物は、ポリブタジエンと、約20〜約50質量部(ポリブタジエン100部を基準とする)の、α,β-不飽和カルボン酸、例えばジアクリレート、ジメタクリレート又はモノメタクリレートの金属塩を含む。一態様において、該α,β-不飽和カルボン酸の金属塩は、亜鉛ジアクリレートである。該ポリブタジエンは、好ましくは約90%を越える、及びより好ましくは約96%を越えるcis-1,4-異性体含有率を持つ。ポリブタジエンの供給源は、シェルケミカル社によって製造されているシェル(SHELL) 1220、エニケムエラストマーズ(Enichem Elastomers)社によって製造されているネオシス(NEOCIS) BR40、及びウベ工業社(Ube Industries, Ltd.) によって製造されているウベポール(UBEPOL) BR150を包含する。
ポリマー、シス-トランス触媒、フィラー、架橋剤、及びフリーラジカル源の様々な組み合わせ、例えば継続中の、又は同一の出願人に譲渡された、「ゴムのコアを含む低圧縮率の弾性ゴルフボール(Low Compression, Resilient Golf Ball With Rubber Core)」と題する、2002年7月9日付けで出願された、米国特許出願No. 10/190,705(この特許出願の全開示事項を、本発明の参考とする)に記載されているものを用いて、該コアで使用するのに適した、ポリブタジエン反応生成物を製造することができる。また、このポリブタジエン反応生成物は、コア組成物に関する章において論じたが、本発明は、このポリブタジエン反応生成物を使用して、ゴルフボールの任意の成分の少なくとも一部を製造することをも意図する。
従って、一態様では、図2のゴルフボールは、ポリブタジエン反応物質又は他の公知の材料製のコア6及びカバー7を示す。該カバーは、本発明のポリウレタン組成物で作ることができる。一態様では、該カバー7は、イソシアネートがPPDIモノマーを含む、本発明の組成物から作られる。
該ポリブタジエンを当分野において公知の他のエラストマー、例えば天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、及び/又はイソプレンゴムと混合して、該コアの特性をさらに改善することができる。本発明のこの局面では、該コア組成物における他の成分の量は、通常該全エラストマー混合物100重量部を基準とする。
本発明で使用するコアにおいて用いるのに適した、金属塩ジアクリレート、ジメタクリレート、及びモノメタクリレートは、該金属がマグネシウム、カルシウム、亜鉛、アルミニウム、ナトリウム、リチウム又はニッケルであるようなものを含む。亜鉛ジアクリレートが好ましい。というのは、このものが、USGAテストにおいて高い初期速度を持つゴルフボールを与えるからである。この亜鉛ジアクリレートは、様々な純度のものであり得る。本発明の目的にとって、該亜鉛ジアクリレート中に存在するステアリン酸亜鉛の量が少ない程、該亜鉛ジアクリレートの純度が高い。一態様において、約10%未満のステアリン酸亜鉛を含む亜鉛ジアクリレートを使用する。別の態様では、約4-8%のステアリン酸亜鉛を含む亜鉛ジアクリレートを使用する。適当な市販品として入手できる亜鉛ジアクリレートの一例は、サルトマー(Sartomer)から入手できるものである。
亜鉛ジアクリレートは、好ましくは該ポリブタジエン反応生成物中に、ポリブタジエン100pphを基準として、約20〜約50pphなる範囲の量で存在する。ここで使用する、バッチ処方物に関連する用語「pph」とは、基準の組成物100部当たりの、該成分の質量部を表す。別の態様において、亜鉛ジアクリレートは、ポリブタジエン-エラストマー混合物100pphを基準として、約20〜約50pphなる範囲の量で存在する。
適当なシス-トランス触媒は、「ゴム製コアを含む低圧縮率の弾性ゴルフボール(Low Compression, Resilient Golf Ball With Rubber Core)」と題する、2002年7月9日付けで出願された、米国特許出願No. 10/190,705(この特許出願の全開示事項を、本発明の参考とする)に記載されているものを含むが、これらに制限されない。例えば、該シス-トランス触媒成分は、1種以上のシス-トランス触媒を含むことができるが、典型的には少なくとも1種の有機硫黄成分、第VIA族成分、無機スルフィド、又はこれらの組み合わせを含む。一態様において、該シス-トランス触媒は、少なくとも1種の有機硫黄成分を含み、ここで該有機硫黄成分はハロゲン化有機硫黄化合物である。ハロゲン化有機硫黄化合物は、以下の一般式で示される化合物を含むが、これらに限定されない:
Figure 0004030987
ここで、R1-R5は、任意の順序で、C1-C8アルキル基;ハロゲン原子;チオール基(-SH)、カルボキシレート基;スルホネート基;及び水素原子を表すことができ;またペンタフルオロチオフェノール;2-フルオロチオフェノール;3-フルオロチオフェノール;4-フルオロチオフェノール;2,3-フルオロチオフェノール;2,4-フルオロチオフェノール;3,4-フルオロチオフェノール;3,5-フルオロチオフェノール;2,3,4-フルオロチオフェノール;3,4,5-フルオロチオフェノール;2,3,4,5-テトラフルオロチオフェノール;2,3,5,6-テトラフルオロチオフェノール;4-クロロテトラフルオロチオフェノール;ペンタクロロチオフェノール;2-クロロチオフェノール;3-クロロチオフェノール;4-クロロチオフェノール;2,3-クロロチオフェノール;2,4-クロロチオフェノール;3,4-クロロチオフェノール;3,5-クロロチオフェノール;2,3,4-クロロチオフェノール;3,4,5-クロロチオフェノール;2,3,4,5-テトラクロロチオフェノール;2,3,5,6-テトラクロロチオフェノール;ペンタブロモチオフェノール;2-ブロモチオフェノール;3-ブロモチオフェノール;4-ブロモチオフェノール;2,3-ブロモチオフェノール;2,4-ブロモチオフェノール;3,4-ブロモチオフェノール;3,5-ブロモチオフェノール;2,3,4-ブロモチオフェノール;3,4,5-ブロモチオフェノール;2,3,4,5-テトラブロモチオフェノール;2,3,5,6-テトラブロモチオフェノール;ペンタヨードチオフェノール;2-ヨードチオフェノール;3-ヨードチオフェノール;4-ヨードチオフェノール;2,3-ヨードチオフェノール;2,4-ヨードチオフェノール;3,4-ヨードチオフェノール;3,5-ヨードチオフェノール;2,3,4-ヨードチオフェノール;3,4,5-ヨードチオフェノール;2,3,4,5-テトラヨードチオフェノール;2,3,5,6-テトラヨードチオフェノール;及びこれらの亜鉛塩であり得る。好ましくは、該ハロゲン化有機硫黄化合物は、ペンタクロロチオフェノールであり、これは純粋なものとして市販されており、あるいは45%(2.4部のPCTPに相当)濃度で担持された、該硫黄化合物ペンタクロロチオフェノールを含有する、クレーを主成分とする担体からなる、ストラクトール(STRUKTOLTM)なる商標の下で入手できる。ストラクトールは、OH、ストーの米国ストラクトール社から市販されている。PCTPは、CA、サンフランシスコのエチナケム(eChinachem)社から純粋なものとして、また同社からその塩として入手できる。最も好ましくは、該ハロゲン化有機硫黄化合物は、ペンタクロロチオフェノールの亜鉛塩であり、これは上記のエチナケム社から市販品として入手できる。
フリーラジカル開始剤を使用して、該金属塩ジアクリレート、ジメタクリレート、又はモノメタクリレート及び該ポリブタジエンの架橋を促進する。本発明において使用するのに適したフリーラジカル開始剤は、過酸化合物、例えばジクミルパーオキシド、1,1-ジ(t-ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、ビス(t-ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ジ-(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、又はジ-t-ブチルパーオキシド、及びこれらの混合物を含むが、これらに制限されない。他の有用な開始剤は、如何なる実験も必要なしに、当業者には容易に明らかとなるであろう。好ましくは、100%活性の開始剤を、ポリブタジエン又はポリブタジエン-エラストマー混合物100部を基準として、約0.05〜約2.5pphなる範囲の量で添加する。一態様において、該開始剤は、約0.15〜約2pphなる範囲の量で存在する。別の態様では、該開始剤は、約0.25〜約1.5pphなる範囲の量で存在する。
典型的な公知技術のゴルフボールコアは、該コアの成型工程中に、ポリブタジエンを架橋する、亜鉛ジアクリレート-パーオキシド硬化系内に、約5〜約50pphなる範囲の酸化亜鉛又は酸化カルシウムを配合する。本発明の一態様では、該コア組成物中の該酸化亜鉛(ZnO)又は酸化カルシウム(CaO)を、コアの圧縮率を約60未満に維持するのに十分な量で使用する。例えば、該酸化亜鉛又は酸化カルシウムは、該コア形成組成物中に、ポリブタジエン又はポリブタジエン-エラストマー混合物100部を基準として、約0.1〜約15pph、好ましくは約1〜約10pph、最も好ましくは約1.25〜約5pphなる範囲の量で添加できる。
本発明で使用する該コア組成物は、またフィラーを含むこともでき、これは該コアの密度及び/又は比重を調節するために、該エラストマー組成物に添加される。ここで使用する用語「フィラー」とは、目的とする該ゴルフボールコアの密度及び他の特性を変更するのに使用できる、任意の化合物又は組成物を含む。本発明のゴルフボールコアにおいて有用なフィラーは、例えば酸化亜鉛、硫酸バリウム、ポリウェイト(Polywate)、及びリグラインド(30メッシュの粒径にまで粉砕された、再生コア成型マトリックス)を含む。使用するフィラーの量及び型は、該組成物中の他の成分の量及び質量により支配される。というのは、45.92g(1.620oz)なる、最大ゴルフボール質量が、USGAにより設定されているからである。一般に使用される適当なフィラーは、約2.0〜5.6なる範囲の比重を持つ。好ましいゴルフボールにおいては、該コア中のフィラーの量は、典型的なゴルフボールよりも低く、従って該コアの比重は減少する。
他の成分、例えばテトラメチルチウラム等の促進剤、加工助剤、プロセス油、可塑剤、染料及び顔料、酸化防止剤、並びに当業者には周知の他の添加物を、これらが典型的に使用される目的を達成するのに十分な量で、本発明において使用できる。
中間成分
当分野において、中間層は、しばしば、従って本発明においても、内側カバー層、外側カバー層、又はマントル層と呼ばれる。該コアと同様に、該中間層も、複数の層を含むことができる。また、中間層を、例えば単一層又は多層カバー、単一層又は多層コア、単一層カバー及び単一層コア両者、又は多層カバー及び多層コア両者を含むボール内に含むことができる。
本発明のゴルフボールが、中間層、即ちゴルフボールの内側コアと外側カバーとの間に設けられた任意の層を含む場合、この層は、熱可塑成及び熱硬化性材料を含む当業者には公知の任意の材料を含むことができる。
図3は、多層ボール8を例示しており、これはカバー11、少なくとも1層の中間層10、及びコア9を含む。一態様において、図3の該ゴルフボール8は、ポリブタジエン反応材料製のコア9、中間層10、及び本発明の組成物で作られたカバー11を含むことができ、ここで該ポリウレタン又はポリウレア組成物は、好ましくはPPDIモノマーを含む。該中間層は、ポリウレタン、ポリウレア、及び上で議論したポリブタジエン材料の何れかで作ることができる。該中間層も、同様に1種以上のホモポリマー又はコポリマー材料を含むことができ、該ホモポリマー又はコポリマー材料は以下に列挙するものを含む:
1) ビニル樹脂、例えば塩化ビニルの重合、又は塩化ビニルと酢酸ビニル、アクリル酸エステル又は塩化ビニリデンとの共重合により作られる樹脂;
2) ポリオレフィン、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン及びコポリマー、例えばエチレン-メタクリレートコポリマー、エチレン-エチルアクリレートコポリマー、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、エチレン-メタクリル酸又はエチレン-アクリル酸又はプロピレン-アクリル酸コポリマー、及び単一サイト触媒又はメタロセン触媒を使用して製造したコポリマー及びホモポリマー;
3) ポリウレタン、例えばポリオールとジイソシアネート又はポリイソシアネートとから調製されるもの、及び米国特許第5,334,673号に記載されているもの;
4) ポリウレア、例えば米国特許第5,484,870号に記載されているもの;
5) ポリアミド、例えばポリ(ヘキサメチレンアジパミド)及びジアミンと二塩基酸とから調製されるその他のもの、並びにアミノ酸から製造されるもの、例えばポリ(カプロラクタム)、及びポリアミドとサーリン、ポリエチレン、エチレンコポリマー、エチルプロピレン/非共役ジエンターポリマーとのブレンド等;
6) アクリル樹脂及びこれらとポリ塩化ビニル、エラストマーとのブレンド等;
7) 熱可塑性樹脂、例えばウレタン樹脂、オレフィン系熱可塑性ゴム、例えばポリオレフィンと、エチレン/プロピレン/非共役ジエンターポリマーとのブレンド、スチレンと、ブタジエン、イソプレン又はエチレン-ブチレンゴムとのブロックコポリマー、又はコポリ (エーテルアミド)、例えばPA、フィラデルフィアのアトフィナケミカルズ社(Atofina Chemicals, Inc.)により市販されているペバックス(PEBAX);
8) ポリフェニレンオキシド樹脂、又はポリフェニレンオキシドと、高耐衝撃性のポリスチレンとのブレンドであって、MA、ピッツフィールドのジェネラルエレクトリック社(General Electric Company)により、ノリル(NORYLTM)の下で市販されているもの;
9) 熱可塑性ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/グリコール変性及びエラストマー、例えばDE、ウイルミントンのE.I.デュポンドゥネモアーズ社(DuPont de Nemours & Co.)により、ハイトレル(HYTRELTM)の下で、及びMA、ピッツフィールドのジェネラルエレクトリック社により、ロモド(LOMODTM) の下で市販されているもの;
10) ポリカーボネートと、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、スチレン無水マレイン酸、ポリエチレン、エラストマー等を含む、及びポリ塩化ビニルと、アクリロニトリルブタジエンスチレン又はエチレン酢酸ビニル又は他のエラストマーとを含む、ポリマーブレンド及びポリマーアロイ;及び
11) 熱可塑性ゴムと、ポリエチレン、プロピレン、ポリアセタール、ナイロン、ポリエステル、セルロースエステル等とのブレンド。
ここで使用する用語「ターポリマー」とは、同一ではない3種のモノマーから製造される、ポリマーを意味する。
一態様において、該中間層は、ポリマー、例えばエチレン、プロピレン、ブテン-1又はヘキセン-1を主成分とするホモポリマー又は官能性モノマー、例えばアクリル酸及びメタクリル酸を含むコポリマー及び完全に又は部分的に中和されたイオノマー樹脂及びそのブレンド、メチルアクリレート、メチルメタクリレートホモポリマー及びコポリマー、イミド化アミノ基含有ポリマー、ポリカーボネート、強化ポリアミド、ポリフェニレンオキシド、高耐衝撃性ポリスチレン、ポリエーテルケトン、ポリスルホン、ポリ(フェニレンスルフィド)、アクリロニトリルブタジエン、アクリル酸/スチレン/アクリロニトリル、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリ(エチレンビニルアルコール)、ポリ(テトラフルオロエチレン)及び官能性コモノマーを含むこれらのコポリマー、及びこれらのブレンドを含む。
上で簡単に述べたように、イオノマー樹脂、例えばエチレンと不飽和モノカルボン酸とのイオン性コポリマーは、DE、ウイルミントンのE.I.デュポンドゥネモアーズ社から、サーリン(商標)の下で、あるいはエクソン社からイオテック(IOTEKTM)又はエスコール(ESCORTM) の下で入手できる。イオノマー材料の製造方法は、当分野において周知であり、米国特許第3,262,272号に記載されている。この特許請求の範囲の内容全体を、本発明の参考とする。
具体的な酸-含有エチレンコポリマーは、エチレン/アクリル酸、エチレン/メタクリル酸、エチレン/アクリル酸/n-ブチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/n-ブチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/イソ-ブチルアクリレート、エチレン/アクリル酸/イソ-ブチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/n-ブチルメタクリレート、エチレン/アクリル酸/メチルメタクリレート、エチレン/アクリル酸/メチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/メチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/メチルメタクリレート、及びエチレン/アクリル酸/n-ブチルメタクリレートを含む。一態様において、本発明において使用する該酸-含有エチレンコポリマーは、好ましくはエチレン/メタクリル酸、エチレン/アクリル酸、エチレン/メタクリル酸/n-ブチルアクリレート、エチレン/アクリル酸/n-ブチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/メチルアクリレート及びエチレン/アクリル酸/メチルアクリレートコポリマー又はこれらの混合物である。別の態様では、該酸-含有エチレンコポリマーは、好ましくはエチレン/メタクリル酸、エチレン/アクリル酸、エチレン/(メタ)アクリル酸/n-ブチルアクリレート、エチレン/(メタ)アクリル酸/エチルアクリレート、及びエチレン/(メタ)アクリル酸/メチルアクリレートコポリマー又はこれらの混合物である。
これらは、完全に又は部分的に中和、即ち約1〜約100%、亜鉛、ナトリウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、カルシウム、バリウム、鉛、錫、アルミニウム、マンガン、ニッケル又はこれらの組み合わせの塩で中和された、エチレンとメタクリル酸又はアクリル酸を含むコポリマー又はターポリマーである。一態様において、該塩は、好ましくはナトリウム、リチウム、亜鉛及びその混合物である。
一態様において、該カルボン酸基は約10〜約100%中和される。別の態様では、該酸基は約1〜約90%、好ましくは約40%又はそれ以上、及びより好ましくは約60%又はそれ以上中和されている。該カルボン酸基は、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマール酸又はイタコン酸を含むこともできる。該塩は、炭素原子数2〜10のオレフィンと、炭素原子数3〜8の不飽和モノカルボン酸との反応生成物である。
イオノマーも、E/X/Yコポリマー又はターポリマーを含むことができ、ここでEはエチレンである、Xは柔軟化コモノマー、例えば該ポリマーを基準として、0-50(好ましくは0-25)質量%なる範囲の量で存在する、アクリレート又はメタクリレートであり、Yは該ポリマーを基準として、約5〜約35質量%なる範囲の量で存在する、メタクリル酸又はアクリル酸である。さらに別の態様では、Yは該ポリマーを基準として、約10〜約35質量%なる範囲の量で存在する。さらに別の態様では、Yは該ポリマーを基準として、約15〜約20質量%なる範囲の量で存在する。別の態様では、Yは該ポリマーを基準として、約8〜約35質量%、好ましくは約8〜約25質量%、及びより好ましくは約8〜約20質量%なる範囲の量で存在する。
該イオノマーも所謂「低級酸」及び「高級酸」イオノマー、並びにそのブレンドを含むことができる。一般に、約15%までの酸を含む、イオン性コポリマーは、「低級酸」イオノマーであると考えられ、一方約15%を越える酸を含むイオン性コポリマーは、「高級酸」イオノマーであると考えられている。
低級酸イオノマーは、高いスピンを付与するものと考えられている。従って、一態様において、該中間層は、該酸が約10〜15質量%で存在し、かつ場合により柔軟化コモノマー、例えばイソ-又はn-ブチルアクリレートを含み、より柔軟なターポリマーを生成する、低級酸イオノマーを含む。該柔軟化コモノマーは、2〜10個の炭素原子を持つ脂肪族カルボン酸のビニルエステル、アルキル基が1〜10個の炭素原子を持つビニルエーテル、及びアルキル基が1〜10個の炭素原子を持つアルキルアクリレート又はメタクリレートからなる群から選択できる。適当な柔軟化コモノマーは酢酸ビニル、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート等を含む。
別の態様では、該中間層は、低スピン速度及び最大飛距離を得るために、少なくとも1種の高級酸イオノマーを含む。この局面において、該アクリル酸又はメタクリル酸は、約15〜約35質量%なる量で存在して、該イオノマーを高弾性率イオノマーとする。一態様において、該高弾性率イオノマーは、約16質量%、好ましくは約17〜約25質量%、より好ましくは約18.5〜約21.5質量%のカルボン酸を含む。幾つかの状況において、付随的なコモノマー、例えばアクリレートエステル(即ち、イソ-又はn-ブチルアクリレート等)を含めて、柔軟なターポリマーを生成することができる。該付随的なコモノマーは、2〜10個の炭素原子を持つ脂肪族カルボン酸のビニルエステル、アルキル基が1〜10個の炭素原子を持つビニルエーテル、及びアルキル基が1〜10個の炭素原子を持つアルキルアクリレート又はメタクリレートからなる群から選択できる。適当な柔軟化コモノマーは酢酸ビニル、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート等を含む。
高度に中和されたポリマー(HNP)、例えば約70%を越える、より好ましくは約90%を越える、及び最も好ましくは少なくとも約100%の中和された酸基を含む、エチレンを主成分とするイオノマーを、本発明において使用することも可能である。例えば、該中間層は、α,β-不飽和カルボン酸基又はその塩を含み、有機脂肪酸により100%中和された少なくとも1種のポリマーから製造できる。該有機酸は、脂肪族、単官能性(飽和、不飽和、又は多重-不飽和)有機酸、であり得る。これら有機酸の塩も使用可能である。本発明の有機酸の塩は、バリウム、リチウム、ナトリウム、亜鉛、ビスマス、クロム、コバルト、銅、カリウム、ストロンチウム、チタン、タングステン、マグネシウム、セシウム、鉄、ニッケル、銀、アルミニウム、錫、又はカルシウムの塩、脂肪酸、特にステアリン酸、ベヘン酸、エルカ酸、オレイン酸、リノール酸、又はこれらのダイマー化誘導体の塩を含む。本発明の有機酸及び塩は、比較的非-移動性(周囲温度にて、該ポリマー表面上へのブルーミングを起こさない)、かつ非-揮発性(溶融混合に必要とされる温度において、揮発しない)ものであることが好ましい。
該HNPも第二のポリマー成分とブレンドでき、該成分は、酸基を含む場合、有機脂肪酸又は両者により、従来の方法で中和することができる。部分的に又は完全に中和されていても良い、該第二のポリマー成分は、好ましくはイオノマーコポリマー及びターポリマー、イオノマープリカーサ、熱可塑性樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリウレタン、ポリウレア、熱可塑性エラストマー、ポリブタジエンゴム、バラタ、メタロセン-触媒ポリマー(グラフト化された又はされていない)、単一サイトポリマー、高結晶性酸性ポリマー、カチオン性イオノマー等を含む。
さらに別の態様では、該中間層は、少なくとも1種の主に又は十分に非-イオノマー性の熱可塑性材料を含む。適当な非-イオノマー性材料は、ポリアミド及びポリアミドブレンド、グラフト化又は非-グラフト化メタロセン-触媒ポリオレフィン又はポリアミド、ポリアミド/イオノマーブレンド、ポリアミド/非-イオノマーブレンド、ポリフェニレンエーテル/イオノマーブレンド、及びこれらの混合物を含む。グラフト化又は非-グラフト化メタロセン-触媒ポリオレフィン又はポリアミド、ポリアミド/イオノマーブレンド、ポリアミド/非-イオノマーブレンドの例は、継続中の、「グラフト化メタロセン-触媒ポリマーブレンドを配合したゴルフボール(Golf Ball Incorporating Grafted Metallocene Catalyzed Polymer Blends)」と題する、2002年5月6日付けで出願された、米国特許出願No. 10/138,304に記載されている。この特許出願の全開示を、本発明の参考とする。該中間層は、また米国特許第5,688,191号に記載されているような組成物から作ることもできる。この特許の全開示を、本発明の参考とする。
さらに別の態様では、本発明の該中間層は、100質量%までのポリエーテル型のポリウレタンを含むブレンドから作られる。例えば、該中間層は、約20〜約90質量%のポリエーテル型のポリウレタン、約0〜約50質量%の第二の熱可塑性成分(上記のような)、及び約0〜約40質量%のフィラー、例えば酸化亜鉛を含むブレンドから作ることができる。別の態様では、該中間層は、約30〜約60質量%のポリエーテル型のポリウレタン、約20〜約40質量%の第二の熱可塑性成分及び約5〜約40質量%のフィラー、例えば酸化亜鉛を含むブレンドから作られる。さらに別の態様では、該中間層は、約45〜約50質量%のポリエーテル型のポリウレタン、約30〜約35質量%の第二の熱可塑性成分及び約17〜約22質量%のフィラーを含むブレンドから作られる。
該中間層は、また中実、半-中実、中空、流体-充填、又は粉末-充填中心の周りに巻付けた、張力印加エラストマー材料であっても良い。糸巻層は、本発明の目的にとって、コア層又は中間層として記載することもできる。一例として、図3のゴルフボールは、コア層9、そこに巻き付けられた張力印加エラストマー層10、及びカバー層11を含むことができる。特に、図3のゴルフボール8は、ポリブタジエン反応生成物で作られたコア9、張力印加エラストマー材料を含む中間層10及び本発明の組成物を含むカバー11を含むことができる。該張力印加エラストマー材料は、当業者には公知の任意の適当な材料から作ることができる。さらに別の態様では、図3のゴルフボール8は、液体で満たされた中空球状コアシェルを含む、糸巻液状中心9、張力印加エラストマー材料10を含むゴム糸層及び本発明の組成物で作られたカバー11を含むことができる。
一態様において、該張力印加エラストマー材料は、上で議論したポリブタジエン反応生成物が組み込まれている。該張力印加エラストマー材料は、従来のポリイソプレンから作ることもできる。他の態様では、本発明の組成物は、該張力印加エラストマー材料を製造するのに使用される。他の態様では、米国特許第6,149,535号(この特許の開示全体を、本発明の参考とする)に記載されているような、溶媒紡糸した(solvent spun)ポリエーテルウレアを使用して、多重ストランドを含むより小さな断面積を達成する試みにおいて、該張力印加エラストマー材料を製造する。
一態様において、該張力印加エラストマー層は、「フープ応力層を持つ完全ゴム製ゴルフボール(All Rubber Golf Ball with Hoop-Stress Layer)」と題する、2001年4月27日付けで出願された、継続中の米国特許出願No. 09/842,829(この特許出願の開示全体を、本発明の参考とする)に記載されているような、約10,000kpsi以上の引張弾性率を持つ高張力フィラメントである。他の態様では、該張力印加エラストマー層は、結合材料で被覆され、該材料は活性化された場合に、該コア及びそれ自体に接着し、該張力印加エラストマー層のストランドの膨潤を生じ、かつ少なくとも約5%だけ、該層の断面積を増大する。このようなゴルフボール構造の例は、継続中の米国特許出願No. 09/841,910(この特許出願の開示全体を、本発明の参考とする)に記載されている。
該中間層は、結合材料と、その中に分配された間質材料とから形成でき、ここで該中間層の効果的な材料特性に関連して、該ボールの表面に対して垂直方向に掛かる力は、該ボールの表面に対して正接方向に印加される力とは全く異なる。この種の中間層の例は、「動径方向に配向され、横方向に等方性の層を含むゴルフボール及びその製造(Golf Ball with a Radially Oriented Transversely Isotropic Layer and Manufacture of Same)」と題する、2001年12月28日付けで出願された、米国特許出願No. 10/028,826に記載されている(この特許出願の開示全体を、本発明の参考とする)。本発明の一態様において、該間質材料は、該中間層から該コア内に伸びていても良い、別の態様では、該間質材料は、該カバー内に埋設することもでき、あるいは該カバーの内側表面と接触していてもよく、あるいは該カバーのみに埋設されていてもよい。
少なくとも1層の中間層は、米国特許第5,820,488号(この特許を、本発明の参考とする)に記載されているように、水分遮断層であっても良い。該コア層及び該ボールの外側表面、即ちカバー、プライマー層、及びクリアコート層との間の他の層よりも、低い水蒸気透過率を持つ、任意の適当なフィルム-形成材料であり得る。その例は、ポリ塩化ビニリデン、ヒル石、及びポリブタジエンとフッ素ガスとの反応生成物を含むが、これらに限定されない。一態様において、該水分遮断層は、該ゴルフボールを約37.8℃(100°F)及び70%RHにて6週間で保存した場合に、水分遮断層を持たず、同一の型のコア及びカバーを含み、かつ実質的に同一の条件下で保存したゴルフボールのCORの損失と比較して、少なくとも約5%だけ、該ボールCORの損失を減じるのに十分に低い、水蒸気透過率を持つ。
該カバー層を形成する前に、該内側ボール、即ちそのコア及び該コア上の任意の中間層を表面処理して、該内側ボールの外部表面と該カバーとの間の接着性を高めることができる。かかる表面処理の例は、該副集成部分(subassembly)の外側表面を、機械的に又は化学的に研磨することを含む。該内側ボールを、その回りに該カバーを形成する前に、コロナ放電処理又はプラズマ照射処理に付すことができる。該ボールの他の層、例えば該コアも、表面処理することができる。これら及び他の表面処理技術の例は、米国特許第6,315,915号(この特許の開示全体を、本発明の参考とする)に記載されている。
カバー成分
ゴルフボールカバーは、該ボールとクラブとの間に接触面を与える。このカバーにとって望ましい特性は、特に、良好な成型適正、良好な耐衝撃性、高い耐磨耗性、高い引裂き強さ、高いレジリエンス、及び良好な離型性である。即ち、望ましい特性に応じて、該カバーは、単一層を含むものとして形成でき、あるいは複数の層、例えばゴルフボール中心の周りに設けられた内側カバー層及びその上に形成された外側カバー層を含むことができる。例えば、図3は、コア9と、薄い内側カバー層10と、その上に形成された外側カバー層11とを含むゴルフボール8を表すものであり得る。特に、コア9は、ポリブタジエン反応物質で作ることができ、該内側カバー層10は、イオノマーブレンドで作ることができ、また該外側カバー層11は、本発明のポリウレタン又はポリウレア組成物から製造できる。
一態様において、少なくとも1層のカバー層は、約1〜100%の本発明による組成物を含む。別の態様では、少なくとも1層のカバー層は、上で論じた組成物ブレンドで形成される。例えば、一態様において、少なくとも1層のカバー層は、約10〜約90%のポリウレタン又はポリウレアと、約90〜約10%の他のポリマー及び/又は他の材料とのブレンドで、作られる。他の態様では、該カバー組成物は、約10〜約75%のポリウレタン又はポリウレアと、約90〜約25%の他のポリマー及び/又は他の材料とを含む。
さらに、図4は、コア13と、外側コア層14と、薄い内側カバー層15と、その上に形成された薄い外側カバー層16とを含むゴルフボール12を表すものであり得る。一態様において、該コア13及び該外側コア層14は、その硬さにおいて異なるが、同様なポリブタジエン反応物質で作られ、該内側カバー層15は、イオノマーブレンドで作られ、また該外側カバー層16は、本発明のポリウレタン又はポリウレア組成物から形成される。さらに、本発明の組成物を使用して、大きなコア6と、薄い外側カバー層7とを含む、図2に示されたゴルフボール5を製造することができる。一態様において、該大きなコア6は、ポリブタジエン反応物質で作られ、かつ該薄い外側カバー層7は、本発明のポリウレタン又はポリウレア組成物から形成される。本発明のこの局面において、該カバー組成物は、酸官能化されたものであり得、ここで該酸基は少なくとも部分的に中和されている。
本発明は、また実質的に同一の硬さを持つ、多数のカバー層を含む、ゴルフボールにおける、本発明の組成物の使用をも目的とする。ここで、少なくとも1層は、該ボールの性能に影響を与える特性を変更するために、何らかの方法で変性されている。このようなボール構造は、継続中の、「多数のカバー層を含むゴルフボール(Golf Ball with Multiple Cover Layers)」と題する、2002年6月13日付けで出願された米国特許出願No. 10/167,744(この特許出願の開示全体を、本発明の参考とする)に記載されている。
このような一態様において、両カバー層は、同一の材料で作ることができ、また本質的に同一の硬さを持つことができるが、これらの層は、異なる摩擦係数値を持つように設計される。他の態様では、本発明の組成物は、本質的に同一の硬さを持つが、高い変形度の下で異なるレオロジー特性を示す、多数のカバー層を含むゴルフボールにおいて用いられる。この態様の別の局面は、本質的に同一の硬さを持つが、硬質の内側カバーを持つボールよりも軟質の外側カバーをシミュレートするために、異なる厚みを持つ、多数のカバー層を含むゴルフボールに関する。
この概念の他の局面では、ゴルフボールの該カバー層は、本質的に同一の硬さを持つが、周囲温度に比較して、高温又は低温において異なる特性をもつ。特に、本発明のこの局面は、多数のカバー層を含むゴルフボールを意図しており、その外側カバー層組成物は、その内側カバー層に比して、低温において低い曲げ弾性率を持ち、一方これらの層は、周囲温度及び低温において同一の硬さを維持し、結果として硬質の内側カバー層の感触を越える、シミュレートされた柔軟な外側カバー層をもたらす。幾つかのポリウレタンのポリウレアは、イオノマー樹脂と比較して、種々の温度にて、より一層安定な曲げ弾性率を持つことができ、従って周囲温度又は高温におけるよりも、低温においてより効果的な「柔軟な」層を製造するのに使用できる。
この概念のさらに別の局面は、本質的に同一の硬さを持つが、乾燥状態に比して、湿潤状態で異なる特性を持つ、多数のカバー層を含むゴルフボールに関連する。ゴルフボール層の湿潤性は、特に粗面化度、化学的な不均質性、分子配向、膨潤、及び界面張力によって影響される可能性がある。従って、ゴルフボール層の非-破壊的な表面処理は、層の親水性を高めるのに役立ち、一方ゴルフボール層表面の高度な研磨又は平滑化は、湿潤性を低下する恐れがある。米国特許第5,403,453号及び同第5,456,972号(これら特許の開示全体を、本発明の参考とする)は、この湿潤性に影響を与える、ポリマー材料の表面処理法を開示している。さらに、プラズマエッチング、コロナ放電処理及び火炎処理は、該湿潤性を所定の状態に変えるのに有用な表面処理であり得る。湿潤剤を該ゴルフボール層組成物に添加して、該層の表面張力を変更することができる。
このように、本発明によるカバー層の湿潤性における差異は、接触角の差によって測定できる。ある層の接触角は、約1度(低い湿潤性)〜約180度(極めて高い湿潤性)なる範囲であり得る。一態様において、該カバー層は、約1度以上変化する接触角を持つ。他の態様では、該カバー層の接触角は、約3度以上変動する。さらに別の態様では、該カバー層の接触角は、約5度以上変動する。
該カバー組成物は、また完全に、1種以上のホモポリマー又はコポリマー材料と、ここで議論する他の材料(例えば、以下に列挙するもの)とのブレンドから製造でき、あるいはこれらを含むものであり得る:
1) ビニル樹脂、例えば塩化ビニルの重合、又は塩化ビニルと酢酸ビニル、アクリル酸エステル又は塩化ビニリデンとの共重合により作られる樹脂;
2) ポリオレフィン、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン及びコポリマー、例えばエチレン-メタクリレートコポリマー、エチレン-エチルアクリレートコポリマー、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、エチレン-メタクリル酸又はエチレン-アクリル酸又はプロピレン-アクリル酸コポリマー、及び単一サイト触媒を使用して製造したコポリマー及びホモポリマー;
3)熱可塑性又は熱硬化性、飽和又は不飽和、脂肪族又は芳香族、酸官能化されたポリウレタン、例えばポリオール又はアミンとジイソシアネート又はポリイソシアネートとから調製されるもの、及び米国特許第5,334,673号及び米国特許出願No. 10/072,395に記載されているもの;
4) 熱可塑性又は熱硬化性、飽和又は不飽和、脂肪族又は芳香族、酸官能化されたポリウレア、例えば米国特許第5,484,870号及び米国特許出願No. 10/072,395に記載されているもの;
5) ポリアミド、例えばポリ(ヘキサメチレンアジパミド)及びジアミンと二塩基酸とから調製されるその他のもの、並びにアミノ酸から製造されるもの、例えばポリ(カプロラクタム)、強化ポリアミド、及びポリアミドとイオノマー、ポリエチレン、エチレンコポリマー、エチル-プロピレン/非共役ジエンターポリマーとのブレンド等;
6) アクリル樹脂及びこれらとポリ塩化ビニル、エラストマーとのブレンド等;
7) 熱可塑性樹脂、例えばウレタン樹脂、オレフィン系熱可塑性ゴム、例えばポリオレフィンと、エチレン/プロピレン/非共役ジエンターポリマーとのブレンド、スチレンと、ブタジエン、イソプレン又はエチレン-ブチレンゴムとのブロックコポリマー、又はコポリ (エーテルアミド)、例えばPA、フィラデルフィアのアトフィナケミカルズ社により市販されているペバックス(PEBAX);
8) ポリフェニレンオキシド樹脂、又はポリフェニレンオキシドと、高耐衝撃性のポリスチレンとのブレンドであって、MA、ピッツフィールドのジェネラルエレクトリック社により、ノリル(NORYLTM)の下で市販されているもの;
9) 熱可塑性ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/グリコール変性及びエラストマー、例えばDE、ウイルミントンのE.I.デュポンドゥネモアーズ社により、ハイトレル(HYTRELTM)の下で、及びMA、ピッツフィールドのジェネラルエレクトリック社により、ロモド(LOMODTM) の下で市販されているもの;
10) 官能性モノマー、例えばアクリル酸又はメタクリル酸を含む、エチレン、プロピレン、1-ブテン又は1-ヘキセンを主成分とするホモポリマー又はコポリマー、あるいは完全に又は部分的に中和されたイオノマー樹脂、及びそのブレンド、メチルアクリレート、メチルメタクリレートホモポリマー又はコポリマー、低級酸イオノマー、高級酸イオノマー、及びこれらのブレンド;
11) ポリカーボネートと、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、スチレン無水マレイン酸、ポリエチレン、エラストマー等を含む、及びポリ塩化ビニルと、アクリロニトリルブタジエンスチレン又はエチレン酢酸ビニル又は他のエラストマーとを含む、ポリマーブレンド及びポリマーアロイ;及び
12) 熱可塑性ゴムと、ポリエチレン、プロピレン、ポリアセタール、ナイロン、ポリエステル、セルロースエステル等とのブレンド。
該カバーは、また少なくとも部分的に、該コアに関連して上で議論した、ポリブタジエン反応生成物から形成することができる。別の態様では、該カバー層は、イオノマー樹脂、例えば中間層材料に関連して上記したもの等で形成される。例えば、本発明によるゴルフボールのカバーは、2種以上のイオノマー樹脂のブレンドで形成し得る。このように、一態様において、該カバー材料は、約48質量%のサーリン7940、約48質量%のサーリン8940及び約4質量%のTiO2濃厚顔料を含むブレンドから製造される。
本発明のゴルフボールは、また熱可塑性中間層及び熱硬化性外側カバー層を持つように製造できる。例えば、一態様において、該中間層は、熱可塑性PPDIを主成分とするポリウレタン又はポリウレア組成物から製造し、かつ該カバー層を熱硬化性組成物から形成し得る。該熱硬化性カバー組成物も、PPDIを主成分とするポリウレタン又はポリウレアであり得る。
別の態様では、該カバー層は、熱可塑性組成物であり、また該中間層は熱硬化性組成物である。例えば、該カバー層は、本発明による熱可塑性PPDIを主成分とするポリウレタン又はポリウレア組成物であり得、該中間層は、熱硬化性組成物であり得る。
本発明で利用できる適当な型のボール構造の、非限定的な例は、米国特許第6,056,842号、同第5,688,191号、同第5,713,801号、同第5,803,831号、同第5,885,172号、同第5,919,100号、同第5,965,669号、同第5,981,654号、同第5,981,658号及び同第6,149,535号、並びに公開特許US2001/0009310 A1、US2002/0025862、及びUS2002/0028885に記載されているものを含む。これら特許及び公開特許出願の全開示を本発明の参考とする。
製造法
本発明のゴルフボールは、様々な応用技術、例えば圧縮成型、フリップ成型(flip molding)、射出成型、格納式ピン(retractable pin)射出成型、反応射出成型(RIM)、液体射出成型(LIM)、注入成型、真空成型、粉末被覆、流し塗り、回転塗り、浸漬、噴霧等を利用して製造できる。
従来、圧縮成型及び射出成型は、熱可塑性材料に対して適用され、一方RIM、液体射出成型、及び注入成型は、熱硬化性材料に利用されている。これらの及び他の製法は、米国特許第6,207,784号及び同第5,484,870号に記載されており、これら特許の全開示事項を本発明の参考とする。スプリットベントピンを用いる射出成型法は、継続中の、「射出成型用のスプリットベントピン(Split Vent Pin for Injection Molding)」と題する、2000年12月22日付けで出願された、米国特許出願No. 09/742,435に見出すことができる。格納式ピン射出成型の例は、米国特許第6,129,881号及び同第6,379,138号に見出すことができる。これら成型に関する文献の内容全体を、本発明の参考とする。さらに、冷却チャンバー、即ち冷却ジャケット、例えば「ゴルフボールの製法(Method of Making Golf Balls)」と題する、2000年11月22日付けで出願された、米国特許出願No. 09/717,136に記載されているものを使用して、注入成型の際に本発明の組成物を冷却することができ、これはまた該系に、より高濃度の触媒を導入することをも可能とする。
本発明のコアは、当業者には公知の任意の適当な方法を利用して製造することができる。該コアを熱硬化性材料から形成する場合、米国特許第4,389,365号に記載されているように、圧縮成型が、該コアを製造するための特に適した方法である。この特許の開示全体を、本発明の参考とする。他方、熱可塑性コアの一態様では、該コアを射出成型する。
例えば、該ポリブタジエン弾性ポリマー製コア成分のシス-異性体を、成型サイクル中にそのトランス-異性体に転化する方法は、当業者には公知である。適当な方法は、一回パス(single pass)混合(成分を順次周期的に添加する)、多数回パス混合等を含む。架橋剤、及びゴルフボールの中心又は追加の層の特性を改善するのに使用する、他の任意の、随意の添加物は、同様に任意の型の混合によって、併合される。適当な混合装置は、当業者には周知であり、またこのような装置は、バンバリーミキサ、二本ロールミル、又は二軸スクリュー押出機を含むことができる。適当な混合速度及び温度は、当業者には周知であり、あるいは不当に実験を行うことなく、容易に決定できる。
該混合物を、例えば圧縮又は射出成型工程に掛けることができ、またその成型サイクルは、該混合物を単一の温度にて、所定期間成型する、単一の段階を含むことができる。一態様において、一段階硬化サイクルを利用する。硬化時間は、選択した様々な材料に依存するが、適当な硬化時間は、約5〜約18分間、好ましくは約8〜約15分間、及びより好ましくは約10〜約12分間である。ジクミルパーオキシドを含む混合物に対する、一段階成型サイクルの例は、該ポリマー混合物を15分間に渡り171℃(340°F)に維持することである。二段階成型サイクルの例では、該金型を143℃(290°F)にて40分間維持し、次いで該金型を171℃(340°F)まで高め、この温度を20分間に渡り維持する。当業者は、使用する特定の材料及びここでの議論に基づいて、該硬化時間を容易に調節できるであろう。
さらに、米国特許第6,180,040号及び同第6,180,722号は、二重コアを持つゴルフボールの製法を開示している。これら特許の開示事項全体を、本発明の参考とする。
該中間層も、当業者には公知の任意の適当な方法を用いて製造できる。例えば、中間層は、吹込み成型で形成でき、これは、射出成型、圧縮成型、注入成型、真空成型、粉末被覆等によって製造した、ディンプルを持つカバー層で覆うことができる。この中間層材料が、該カバー層を適用する際に印加される温度に耐え得るものであることが重要である。この中間層を、該コアの周りに射出成型する場合、該射出成型は、好ましくは約204℃(400°F)以下の温度で行われる。
本発明の組成物は、様々な適用技術、例えば当分野において周知の噴霧、圧縮成型、射出成型、RIM、LIM、流し込み成型、浸漬、回転塗り又は流し塗り法を利用して、内側ボール上に適用できる。一態様においては、本発明の組成物を、注入成型及び圧縮成型の組み合わせを利用して、該コア上にカバーを形成するのに利用する。
米国特許第5,733,428号及び同第5,888,437号(これら特許の開示事項全体を、本発明の参考とする)両者は、ゴルフボールコア上にポリウレタンカバーを形成するための有用な方法を開示している。これらの方法は、該ゴルフボールカバーとして、熱硬化性及び熱可塑性材料の流し込み成型法の利用に関連するので、本発明のポリウレア組成物を、米国特許第5,733,428号及び同第5,888,437号に記載されている方法で、内側ボールの周りに、成型できる。
例えば、一旦本発明の熱硬化性組成物を混合すると、発熱反応が開始し、該材料が該コアの周りで固化するまで継続する。経時で粘度を測定して、各金型部分を満たし、一方の部分に該コアを導入し、かつ該金型を閉じる、その後の各段階を、半溶融状態のカバーを持つ該コアの芯出しを達成し、かつ全体的な均一性を確保するように、適当に時間調節することが重要である。該金型部分にコアを導入するための硬化混合物の、適当な粘度範囲は、凡そ約2,000〜約30,000cP、好ましくは約8,000〜約15,000cPなる範囲となるように、決定される。
熱硬化性組成物を用いた態様において、該カバーの形成を開始するために、秤量した該プレポリマー及び硬化剤を、ラインを介して供給することにより、これらのプレポリマーと硬化剤との混合を、自動式ミキサ内部の混合ヘッドにおいて行う。上部を予備加熱した金型部分を満たし、各金型内で開口内を移動する芯出しピンを用いて、固定装置内に配置する。後に、下方の金型部分のキャビティー又は一連の下方の金型部分のキャビティーを、該上部金型部分について使用したものと同様な量の混合物で満たす。これらの反応物質を、約40〜約100秒、好ましくは約60〜約80秒及びより好ましくは約70〜約80秒間、該上部金型部分に維持した後、コアを制御された速度にて、該ゲル化反応混合物中を下降させる。
減圧(又は部分的な真空)により、ボールキャップは、該ボールコアを保持する。約4〜約12秒間に渡るゲル化後の、該金型部分中での該コアの配置の際に、該真空を解除して、該コアを開放する。一態様においては、該真空を解除して、約5〜10秒後に、該コアを開放するようにする。コアと、その上部の半カバーを含む、これらの各金型部分を、該芯出し固定装置から取り出し、反転させ、かつ第二の金型部分と合わせる。後者は、適当な時間前に、反応中のプレポリマー所定量を含み、硬化剤がそこの導入されゲル化が開始している。
同様に、米国特許第5,006,297号及び同第5,334,673号両者も、本発明で使用する注入成型可能な反応性液体を適用するのに利用できる、適当な成型技術を開示している。しかし、本発明の方法はこれら技術の利用に限定されず、当業者には公知の他の方法も利用できる。例えば、該ボールコアを支持するための他の方法を、部分的な真空の代わりに利用できる。
ディンプル
様々なディンプルパターン及びプロフィールの使用は、ゴルフボールの空力的な諸特性を変えるのに、比較的有効な方法を与える。そこで、このディンプルを該ボール表面に配置する手段は、任意の利用可能な方法であり得る。例えば、該ボールは、例えば米国特許第4,560,168号に記載されているような、正二十面体を基本とするパターン、又は米国特許第4,960,281号に記載されているような、八面体を基本とするディンプルパターンを持つことができる。あるいはまた、該ディンプルパターンは、米国特許第6,338,684号(この特許の開示事項全体を、本発明の参考とする)に記載されているような、葉序学的なパターンに従って、配置することも可能である。このディンプルパターンは、また切頭八面体、大きなロンブキュブオクタヘドロン(rhombcuboctahedron)、切頭十二面体及び大きなロンビコシドデカヘドロン(rhombicosidodecahedron)を含む、アルキメデス様のパターンを基本とするものであっても良い。ここで、該パターンは、米国特許出願No. 10/078,417(この特許出願を、本発明の参考とする)に記載されているように、非線形の分離線を持つ。本発明のゴルフボールは、また米国特許第6,409,615号(この特許の開示事項全体を、本発明の参考とする)に記載されているような、非-円形型のディンプル、即ち不定形のディンプルで覆われていても良い。
高い表面被覆率を与えるディンプルパターンが好ましく、これらは当分野において周知である。例えば、米国特許第5,562,552号、同第5,575,477号、同第5,957,787号、同第5,249,804号及び同第4,925,193号(これら特許の開示事項全体を、本発明の参考とする)は、ゴルフボール上にディンプルを配置するための、幾何学的なパターンを開示している。一態様において、該ディンプル被覆率は約60%を越え、好ましくは約65%を越え、及びより好ましくは約75%を越える。
さらに、環状格子パターン、例えば米国特許第6,290,615号(この特許の開示事項全体を、本発明の参考とする)に記載されているようなパターンも、本発明のゴルフボールについて使用できる。本発明のゴルフボールは、米国特許第6,383,092号(この特許の開示事項全体を、本発明の参考とする)に記載されているように、該ボールの中間層上に設けられた複数のピラミッド状の突起部を持つこともできる。
別の態様では、該ゴルフボールは、該複数のピラミッド状の突起部の幾つかを、その赤道近傍に配置することを可能とする、非-平面状のラインを持つことも可能である。このようなゴルフボールは、継続中の「ゴルフボール用の金型(Mold For A Golf Ball)」と題する、1999年11月18日付けで出願された、米国特許出願No. 09/442,845(この特許出願の開示事項全体を、本発明の参考とする)に記載されているような、金型を用いて製造できる。この態様は、より均一な該ピラミッド状突起部の配列を可能とする。
さらに、「カテナリ曲線状のプロフィールを持つゴルフボールディンプル(Golf Ball Dimples with a Catenary Curve Profile)」と題する、2001年11月21日付けで出願された、米国特許出願No. 09/989,191(この特許出願の開示事項全体を、本発明の参考とする)に記載されているような、カテナリ曲線状のディンプルプロフィールを、本発明のゴルフボールで使用することを意図する。
最後に、変動するディンプルサイズを持つディンプルパターンの、幾つかの追加の、非-限定的な例は、米国特許第6,351,161号及び同第6,213,898号(これら特許の開示事項全体を、本発明の参考とする)にも与えられている。
ゴルフボールの後-加工
本発明のゴルフボールは、更なる便宜のために、塗装し、被覆し、あるいは表面処理に付すことができる。例えば、ゴルフボールのカバーは、しばしば所定の色に係る特徴を持たせるために、蛍光材料及び/又は染料又は顔料を含む。一態様において、7-トリアジルアミノ-3-フェニルクマリンの誘導体を、米国特許出願No. 2002/0082358(この特許出願の開示事項全体を、本発明の参考とする)に記載されているように、蛍光増白剤として使用して、改善された耐候性及び光沢を付与することを意図する。一態様において、該被覆層は、米国特許第5,849,168号(この特許の開示事項全体を、本発明の参考とする)に記載されているような、金型内被覆技術により、該ゴルフボールカバーに適用される。
さらに、例えば「ゴルフボール上での証印の形成法(Method of Forming Indicia on a Golf Ball)」と題する、2001年12月12日付けで出願された、米国特許出願No. 10/012,538、及び米国特許第5,248,878号、同第6,075,223号及び同第6,462,303号(これら特許文献の開示事項全体を、本発明の参考とする)に記載されているように、商標又は他の証印を、該ゴルフボールの部品に適用できる。
ゴルフボールの特性
ゴルフボールの特性、例えば硬さ、弾性率、コア径、中間層の厚み及びカバー層の厚みが、本発明のゴルフボールのスピン、初期速度及び感触等の競技特性に影響を与えることが分かっている。例えば、該中間層の曲げ弾性率及び/又は引張弾性率は、本発明のゴルフボールの「感触」に影響を与えるものと考えられている。
部品の寸法
ゴルフボール部品の寸法、即ち厚み及び径は、所定の特性に応じて変えることができる。本発明の目的にとって、任意の層の厚みを使用できる。上で概説した様々な態様の非-限定的な例を、層の寸法に関連してここに与える。本発明では、ここに与えられる種々の範囲の相互の組み合わせをも意図しており、例えばある範囲の大きな端部値と、他の範囲の小さな端部値とを組み合わせることができる。
本発明は、任意サイズのゴルフボールに関する。USGA規格は、競技用ゴルフボールのサイズを、径約4.27cm(1.68in)を越える値に制限しているが、任意サイズのゴルフボールを、娯楽的ゴルフ競技で使用することができる。ゴルフボールの好ましい径は、約4.27〜4.57cm(約1.68〜1.8in)なる範囲にある。より好ましい径は、約4.27〜4.47cm(約1.68〜1.76in)なる範囲にある。約4.27〜4.42cm(約1.68〜1.74in)なる範囲の径が最も好ましいが、約4.32〜4.95cm(約1.7〜1.95in)なる範囲内の如何なる径を使用することも可能である。好ましくは、該コア及び全中間層の全体的な径は、該完成されたボールの全径の約80〜約98%である。
該コアは、約2.29〜41.9mm(約0.09〜1.65in)なる範囲の径を持つことができる。一態様において、本発明のコアの径は、約3.05〜4.14cm(約1.2〜1.63in)なる範囲にある。他の態様では、該コアの径は、約3.30〜4.06cm(約1.3〜1.6in)なる範囲、好ましくは約3.53〜4.06cm(約1.39〜1.6in)なる範囲、及びより好ましくは約3.81〜4.06cm(約1.5〜1.6in)なる範囲にある。さらに別の態様では、該コアは、約3.94〜4.19cm(約1.55〜1.65in)なる範囲にある。
さらに別の態様では、本発明のゴルフボールで使用するコアは、約3.18〜4.06cm(約1.25〜1.60in)なる範囲の径を持つ。本発明のこの局面において、カバー及び中間層を組み込む場合、該コアの径は、約3.30〜3.76cm(約1.30〜1.48in)なる範囲にある。例えば、該コアは、約3.53cm(約1.39in)なる径を持つことができる。
該ゴルフボールのコアは、また該ボールの残りの部分に対して、極めて大きなものであっても良い。例えば、一態様においては、該コアは、該ボールの約90〜約98%、好ましくは該ボールの約94〜約96%を構成する。この態様において、該コアの径は、好ましくは約3.91cm(約1.54in)又はそれ以上、好ましくは約3.94cm(約1.55in)又はそれ以上である。一態様において、該コア径は、約4.04cm(約1.59in)又はそれ以上である。別の態様では、該コア径は、約4.17cm(約1.64in)又はそれ以下である。
該コアが内側コア層と外側コア層とを含む場合、該内側コア層は、約2.29cm(約0.9in)以上であることが好ましく、また該外側コア層は、約2.54mm(約0.1in)以上の厚みを持つことが好ましい。一態様において、該内側コア層は、約2.29〜30.5mm(約0.09〜1.2in)なる範囲の径を持ち、かつ該外側コア層は、約2.54〜約20.3mm(約0.1〜約0.8in)なる範囲の厚みを持つ。さらに別の態様では、該内側コア層は、約2.41〜27.9mm(約0.095〜1.1in)なる範囲の径を持ち、かつ該外側コア層は、約5.08〜約0.762mm(約0.20〜約0.03in)なる範囲の厚みを持つ。
該カバーは、典型的に十分な強度、良好な性能特性、及び耐久性を与えるような厚みを持つ。該カバーは、好ましくは約0.508〜約3.05mm(約0.02〜約0.12in)なる範囲、好ましくは約2.54mm(約0.1in)以下の厚みを持つ。本発明の組成物を使用してゴルフボールの該外側カバーを作る場合、該カバーは、約2.54mm(約0.1in)以下、好ましくは約1.78mm(約0.07in)以下の厚みを持つことができる。一態様において、該カバー層は、約0.254mm(約0.01in)以上である。別の態様では、該外側カバーは、約0.508〜約1.78mm(約0.02〜約0.07in)なる範囲の厚みを持つ。また、他の態様では、該カバーの厚みは、約1.27mm(約0.05in)以下、好ましくは約0.508〜約1.27mm(約0.02〜約0.05in)なる範囲にある。さらに別の態様では、このようなゴルフボールの外側カバー層は、約0.508〜約1.14mm(約0.02〜約0.045in)なる範囲の厚みを持つ。さらに別の態様では、該外側カバー層は、約0.635〜約1.02mm(約0.025〜約0.04in)なる範囲の厚みを持ち、他の態様では、約0.508〜約8.89mm(約0.02〜約0.35in)なる範囲の厚みをもつ。一態様において、該外側カバー層は、約0.762mm(約0.03in)なる厚みを持つ。
ゴルフボール中間層に関する厚みの範囲は、中間層の使用、即ち外側コア層、内側カバー層、糸巻層、水分/蒸気遮断層等として使用する際の多大な可能性のために、大きい。一態様において、該中間層の厚みは、約0.0508〜約2.54mm(約0.002〜約0.1in)なる範囲、好ましくは約0.254mm(約0.01in)以上である。例えば、該中間層は、約0.254〜約2.54mm(約0.01〜約0.10in)なる範囲、好ましくは約0.508〜約3.05mm(約0.02〜約0.12in)なる範囲の厚みを持つことができる。
一態様において、該中間層の厚みは、約2.29mm(約0.09in)以下、より好ましくは約0.762〜約2.03mm(約0.03〜約0.08in)なる範囲にある。例えば、該中間層は、約1.52mm(約0.06in)以下の厚みを持つことができる。他の態様では、該中間層は、約1.27mm(約0.05in)以下、より好ましくは約0.254〜約1.14mm(約0.01〜約0.045in)なる範囲の厚みを持つことができる。一態様において、該中間層は、約0.508〜約1.02mm(約0.02〜約0.04in)なる範囲の厚みを持つことができる。他の態様では、該中間層の厚みは、約0.635〜約0.889mm(約0.025〜約0.035in)なる範囲にある。さらに別の態様では、該中間層の厚みは約0.889mm(約0.035in)である。さらに別の態様では、該内側カバー層は、約0.762〜約8.89mm(約0.03〜約0.35in)なる範囲の厚みをもつ。これら中間層及び外側カバー層の厚みの、様々な組み合わせが、ここに記載する他の態様との組み合わせで利用できる。
該中間層の厚み対該外側カバー層の厚みの比は、好ましくは約10以下、さらに好ましくは約3以下である。他の態様では、該中間層の厚み対該外側カバー層の厚みの比は、約1以下である。該コアと中間層とは、一緒に内側ボールを形成し、好ましくはこれは約4.26cm(1.68in)のボールについては、約3.76cm(約1.48in)以上の径を持つ。該中間層の外径は、好ましくは約3.81〜約4.19cm(約1.5〜約1.65in)なる範囲にある。一態様において、該外径は、約3.81〜約4.06cm(約1.5〜約1.6in)なる範囲にある。一態様において、約4.26cm(1.68in)のボールの内側ボールは、約3.86cm(約1.52in)以上の径を持つ。別の態様では、約4.26cm(1.68in)のボールの該内側ボールは、約4.22cm(約1.66in)以上の径を持つ。さらに別の態様では、約4.37cm(1.72in)(又はそれ以上)のボールは、約3.81cm(約1.50in)以上の径を持つ内側ボールを含む。さらに別の態様では、約4.37cm(1.72in) ボールの該内側ボールの径は、約4.32cm(1.70in)以下である。
該コアと該中間層の全体としての径は、完成されたボールの全径の約85〜約97%であることが好ましい。
硬さ
殆どのゴルフボールは、所定の性能特性を達成するために、異なる硬さ、例えば硬さの勾配を持つ層からなっている。本発明は、層間に硬さの勾配を持つゴルフボール、並びに同一の硬さを持つ層を含むこのようなゴルフボールを目的とする。
特に、当業者は、「材料の硬さ」と「ゴルフボールについて直接測定した硬さ」との間には、基本的な違いがあることを理解すべきである。材料の硬さは、ASTM-D2240(ショアC及びD硬さ)に示された手順により規定され、一般に硬さを測定すべき該材料から形成した、平坦な「スラブ」又は「ボタン」の硬さを測定する工程を含む。ゴルフボール(またの球状の表面)について直接測定した場合の、硬さは、まったく異なる測定値であり、従って異なる硬さの値を与える。この差は、ボールの構造(即ち、コアの型、コアの数及び/又はカバー層の数等)、ボール(又は球)の径、及び隣接層の材料組成を含むが、これらに限定されないファクタの数に起因する。また、これら2つの測定技術が、線形関係を持たず、結果的に一方の硬さの値を、他方に対して容易に関連付けることができないことをも、理解すべきである。
本発明のコアは、特定のゴルフボールの構造に依存して、変動する硬さを持つことができる。一態様において、該コアの硬さは、形成した球について測定した値として、少なくとも約15ショアA、好ましくは約30ショアAである。他の態様では、該コアは、約50ショアA〜約90ショアDなる範囲の硬さを持つ。さらに別の態様では、該コアの硬さは、約80ショアD以下である。さらに別の態様では、該コアは、約30〜約65ショアDなる範囲の硬さを持ち、及びより好ましくは該コアは、約35〜約60ショアDなる範囲の硬さを持つ。好ましくは、該コアは、約35〜45なる範囲、及び好ましくは該中間層のショアD硬さの、10ショアD以内の硬さを持つ。
該コアの硬さは、またショアCによって規定することも可能である。従って、一態様において、該コアは、約65〜約80ショアC、より好ましくは約65〜約75ショアCなる範囲の硬さを持つ。
ポリブタジエン反応生成物を、コアに配合する場合、該コアは、硬さの勾配、即ち成型した球について測定した如き、内部位置第一の点における第一の硬さ、及び外部表面等の第二の点における第二の硬さを持つことができる。一態様において、該第二の硬さは、該第一の硬さよりも、少なくとも約6%大きく、好ましくは該第一の硬さよりも、少なくとも約10%大きい。他の態様では、該第二の硬さは、該第一の硬さよりも、少なくとも約20%大きく、又は少なくとも約30%大きい。
例えば、該コアの内部は、約45〜約60ショアCなる第一の硬さを持ち、かつ該コアの外部表面は、約65〜約75ショアCなる第二の硬さを持つことができる。本発明に従って処方された1種のゴルフボールにおいて、該第一の硬さは、約51ショアCであり、かつ第二の硬さは約71ショアCであり、20%を越える硬さにおける差を与えた。
しかし、一態様において、該コアは、全体を通して実質的に均一な硬さを持つ。従って、この局面では、該第一及び第二の硬さは、好ましくは約5%以下、より好ましくは約3%以下、及びより一層好ましくは約2%以下だけ異なる。他の態様では、この硬さは、該部品全体を通して均一である。
本発明の中間層も、その硬さにおいて、該ボールの特定の構造に依存して、変動し得る。一態様において、該中間層の硬さは、約30ショアD以上である。別の態様では、該中間層の硬さは、約90ショアD以下、好ましくは約80ショアD以下、及びより好ましくは約70ショアD以下である。さらに別の態様では、該中間層の硬さは、約50ショアD以上、好ましくは約55ショアD以上である。一態様において、該中間層の硬さは、約55〜約65ショアDなる範囲にある。該中間層は、また約65ショアD以上であり得る。該中間層が、薄い内側カバー層である場合、好ましくは、該内側カバー層は、約50〜約75ショアD、好ましくは約60〜約65ショアDなる範囲の、材料の硬さを持つ。
他の態様では、該中間層は、約20〜約40ショアD、及びより好ましくは約27〜約33ショアDなる範囲の硬さを持つ。さらに別の態様では、該中間層は、約40〜約60ショアD、及びより好ましくは約50〜約60ショアDなる範囲の硬さを持つ。
該中間層を、該コア層よりも硬いものとしたい場合、該中間層の硬さ対該コアの硬さの比は、好ましくは約2以下である。一態様において、この比は約1.8以下である。さらに別の態様では、この比は約1.3以下である。
該コア及び中間層と同様に、該カバーの硬さは、該ゴルフボールの構造並びに所定の特性に依存して、変えることができる。カバーの硬さ対内側ボールの硬さの比は、ボールの空力的特性及び特にボールのスピン特性を調節するための主な変数である。一般に、該内側ボールが硬いほど、ドライバーによるスピンが大きく、また該カバーが柔軟であるほど、該ドライバーによるスピンは大きくなる。
例えば、該中間層を、該ボール内の最も硬い点、例えば約50〜約75ショアDなる硬さとしたい場合には、そのカバー材料は、スラブにつき測定した値として、約20ショアD以上、好ましくは約25ショアD以上、及びより好ましくは約30ショアD以上の硬さを持つことができる。他の態様では、該カバー自体は、約30ショアD以上の硬さをもつ。特に、該カバーは、約30〜約60ショアD、好ましくは約35〜約55ショアDなる範囲の硬さを持つことができる。一態様において、該カバーは、約40〜約65ショアDなる範囲の硬さを持つ。他の態様では、該カバーは、約45ショアD未満、好ましくは約40ショアD未満、及びより好ましくは約25〜約40ショアDなる範囲の硬さを持つ。一態様において、該カバーは、約30〜約40ショアDなる範囲の硬さを持つ。
この態様において、該外側カバー層が、該中間層又は内側カバー層よりも柔軟である場合には、該外側カバー材料のショアD硬さ対該中間層材料の硬さの比は、約0.8以下、好ましくは約0.75以下、及びより好ましくは約0.7以下である。他の態様では、この比は約0.5以下、好ましくは約0.45以下である。
さらに他の態様では、該カバー及び中間層材料が、実質的に同一の硬さを持つ場合には、この比は約0.1以下である。該カバー層と該中間層との間における硬さの差を、有意なものとしたくない場合には、該カバーは、約55〜約65ショアDなる範囲の硬さを持つことができる。この態様において、該外側カバーのショアD硬さ対該中間層の硬さの比は、約1.0以下、好ましくは約0.9以下である。
該カバーの硬さを、またショアCによって規定することも可能である。例えば、該カバーは約70ショアC以上、好ましくは約80ショアC以上の硬さを持つことができる。他の態様では、該カバーは約95ショアC以下、好ましくは約90ショアC以下の硬さを持つことができる。
別の態様では、該カバー層は、該中間層よりも硬いものである。この設計において、該カバーのショアD硬さ対該中間層の硬さの比は、約1.33以下、好ましくは約1.14以下である。本発明のこの局面において、本発明で使用する該カバー層は、約54〜約72、より好ましくは約65〜約70、及び最も好ましくは約68〜約70なる範囲のショアD硬さを持つことができる。
ツーピースボールを製造する場合、そのコアは、その外側カバーよりも柔軟であり得る。例えば、該コアの硬さは、約30〜約50ショアDなる範囲にあり、また該カバーの硬さは、約50〜約80ショアDなる範囲であり得る。この型の構造において、該カバーの硬さ対該コアの硬さの比は、好ましくは約1.75以下である。他の態様では、この比は、約1.55以下である。例えば、該材料に依存して、本発明の組成物が、酸-官能化されており、該酸基が、少なくとも部分的に中和されている場合、該カバー対該コアの硬さの比は、好ましくは約1.25以下である。
圧縮率
圧縮率値は、測定すべき部品の径に依存する。ここで使用するような、用語「アッチ圧縮率」又は「圧縮率」とは、NJ、ユニオンシティーのアッチエンジニアリング社(Atti Engineering Corp.)から市販品として入手できる、アッチコンプレッションゲージ(Atti Compression Gauge)を用いて測定した如き、較正したバネの撓みに対する、ある対象又は物体の撓みとして定義される。アッチ圧縮率は、典型的にゴルフボールの圧縮率を測定するのに利用される。
多くの従来のツーピース型「飛距離用(distance)」ゴルフボールは、高い圧縮率(例えば、約90を越える圧縮率)を持つコアを含むように作成して、該ボールに対して長い全体的な飛距離を得るのに必要な、所定の高い完成ボールのCOR及び初期速度を達成している。このように高い圧縮率を持つコアを含むボールは、典型的にゴルフクラブでヒットした際に、固い感触を持つ。本発明のこの局面、即ち硬いコアを持つボールにおいて、該コアの圧縮率は、約90以上である。例えば、該硬いコアの圧縮率は、約90〜約100なる範囲であり得る。
しかし、本発明の、このツーピース及び多層ゴルフボールは、また比較的低い圧縮率を持つコアを用いて製造できるが、そのゴルフボール全体としての構造のために、依然として、従来のツーピース飛距離用ボールに近い、完成ボールのCOR及び初期速度を示す。一態様において、本発明に従って製造したゴルフボールの、該コア、又はその一部のアッチ圧縮率は、約80未満、より好ましくは約75未満である。他の態様では、該コアの圧縮率は、約40〜約80、好ましくは約50〜約70なる範囲にある。さらに別の態様では、本発明のゴルフボールで使用する該コアは、約60未満、より好ましくは約45〜約60及び最も好ましくは約50〜55なる範囲内の圧縮率を持つ。さらに別の態様では、該コアの圧縮率は、好ましくは約50以下、及びより好ましくは約25以下である。
他の低圧縮率態様では、該コアは、約20未満、より好ましくは約10未満、及び最も好ましくは0なる圧縮率を持つ。しかし、当業者には公知であるように、本発明に従って製造した該コアは、該アッチコンプレッションゲージの測定限界以下であり得る。
本発明のコアは、また約160未満、より好ましくは約40〜約160、及び最も好ましくは約60〜約120なる範囲の、ソフトセンターデフレクションインデックス(Soft Center Deflection Index; SCDI)圧縮率を持つことができる。
一態様において、本発明のゴルフボールは、好ましくは約55以上、好ましくは約60〜約120なる範囲のアッチ圧縮率を持つ。他の態様では、本発明のゴルフボールのアッチ圧縮率は、少なくとも約40、好ましくは約50〜120、及びより好ましくは約60〜100なる範囲にある。さらに別の態様では、本発明のゴルフボールの、この圧縮率は、約75以上かつ約95以下である。例えば、本発明の好ましいゴルフボールは、約80〜約95なる範囲の圧縮率を持つことができる。他の態様では、本発明のゴルフボールは、約90、より好ましくは約75〜約85なる範囲の、全体としての最大圧縮率を持つ。
初期速度及びCOR
通常、ゴルフボールのCORに関するUSGAによる制限はないが、該ゴルフボールの初期速度は、約76.3±1.53 m/sec(250±5 ft/sec)を越えることはできない。従って、一態様において、該初期速度は約74.7 m/sec(約245 ft/sec)以上、かつ約77.8 m/sec(約255 ft/sec)以上である。他の態様では、該初期速度は約76.3 m/sec(250 ft/sec)以上である。一態様において、該初期速度は約77.2〜77.5 m/sec(約253〜約254 ft/sec)なる範囲にある。さらに別の態様では、該初期速度は約77.8 m/sec(約255 ft/sec)である。初期速度に関する一般的な規則は、ゴルフボールの製造業者がこの限界内に留まっていることを要求するが、当業者は、本発明のゴルフボールが、この範囲外の初期速度を持つゴルフボールにも、容易に転化できることを理解するであろう。
結果として、USGAによって示されたこの初期速度に関する制限のために、最終的な目標は、この約77.8 m/sec(約255 ft/sec)という制限を犯さずに、CORを最大にすることである。ここで使用する「COR」とは、復元係数を意味し、これはボールの反発速度を、その初期の、即ち入射(incoming)速度で割ることにより得られる。高いCORを持つゴルフボールは、プレートと衝突し、そこから戻ってくる際に、その全エネルギーの、より低いCORを持つボールよりも少ない部分を消費する。ここで報告するCOR値は、この対象を、入射速度約38.1 m/sec(125 ft/sec)にて、スチール板に対して発射させ、該板から離れてゆく速度(離反速度)を測定し、該離反速度の該入射速度に対する割合を決定することにより、得られる。
ワンピース中実ゴルフボールにおいて、このCORは、該ボールの組成及び硬さを含む、その様々な特性に依存するであろう。与えられた組成に対して、CORは、一般に硬さが増大するにつれて、大きくなるであろう。ツーピース中実ゴルフボールにおいて、例えばコア及びカバーにおいて、該カバーの目的の一つは、該コアのCORを越える、CORにおけるゲインを得ることである。該コアの、高いCORに対する寄与が実質的なものである場合、該カバーからのより少ない寄与が要求される。同様に、該カバーによる、該ボールの高いCORに対する寄与が実質的なものである場合、該コアからの、より少ない寄与が必要とされる。
本発明は、約0.7〜約0.85なる範囲のCORを持つゴルフボールを意図する。一態様において、このCORは、約0.75以上、好ましくは約0.76以上、より好ましくは約0.78以上、及びより一層好ましくは約0.79以上である。他の態様では、該ボールは、約0.8以上のCORを持つ。
さらに、該内側ボールは、約0.780以上のCORを持つ。一態様において、該内側ボールのCORは、約0.790以上である。
曲げ弾性率
従って、本発明のゴルフボールは、(ASTM D-790により測定した)曲げ弾性率約3.45〜約3450MPa(約500〜約500,000psi)を持つ中間層を持つことが好ましい。より好ましくは、該中間層の曲げ弾性率は、約6.89〜約1720MPa(約1000〜約250,000psi)なる範囲にある。一態様において、該中間層の曲げ弾性率は、約551MPa(約80,000psi)以下である。最も好ましくは、該中間層の曲げ弾性率は、約13.8〜約1380MPa(約2000〜約200,000psi)なる範囲にある。一態様において、該中間層は、約68.9MPa(約10,000psi)未満、より好ましくは約13.8〜約55.1MPa(約2000〜約8000psi)なる範囲の曲げ弾性率を持つ。
一態様において、該カバーの曲げ弾性率は、約3.45〜約1030MPa(約500〜約150,000psi)なる範囲、好ましくは約13.8MPa(約2000psi)以上、より好ましくは約34.5MPa(約5,000psi)以上である。他の態様では、該カバーの曲げ弾性率は、約68.9〜約1030MPa(約10,000〜約150,000psi)なる範囲にある。より好ましくは、該カバーの曲げ弾性率は、約103〜約827MPa(約15,000〜約120,000psi)なる範囲にある。最も好ましくは、該カバーの曲げ弾性率は、約124〜約758MPa(約18,000〜約110,000psi)なる範囲にある。さらに別の態様では、該カバーの曲げ弾性率は、約689MPa(約100,000psi)以下、好ましくは約551MPa(約80,000psi)以下、及びより好ましくは約482MPa(約70,000psi)以下である。一態様において、該カバー層が、約50〜約60ショアDなる範囲の硬さを持つ場合、該カバー層は、好ましくは約379〜約448MPa(約55,000〜約65,000psi)なる範囲の曲げ弾性率を持つ。さらに別の態様では、該カバー層の曲げ弾性率は、約6.89〜約20.7MPa(約1000〜約30,000psi)なる範囲にある。
一態様において、該中間層の曲げ弾性率の該カバー層のそれに対する比は、約0.003〜約50なる範囲にある。他の態様では、該中間層の曲げ弾性率の該カバー層のそれに対する比は、約0.006〜約4.5なる範囲にある。さらに別の態様では、該中間層の曲げ弾性率の該カバー層のそれに対する比は、約0.11〜約4.5なる範囲にある。
一態様においては、本発明の組成物を、本質的に同一の硬さを持つが、曲げ弾性率において異なる、多数のカバー層を持つゴルフボールで使用する。本発明のこの局面において、これら2つのカバー層間の曲げ弾性率における差は、好ましくは約34.5MPa(約5,000psi)以下である。他の態様では、この曲げ弾性率における差は、約3.45MPa(約500psi)以上である。さらに別の態様では、少なくとも一方が強化されている、これら2つのカバー層間の曲げ弾性率における差は、約3.45〜約68.9MPa(約500〜約10,000psi)なる範囲、好ましくは約3.45〜約34.5MPa(約500〜約5,000psi)なる範囲にある。一態様において、未強化又は変性されていない材料で作られた、これら2つのカバー層間の曲げ弾性率の差は、約6.89〜約17.2MPa(約1,000〜約2,500psi)なる範囲にある。
スピン速度
当業者には公知であるように、ゴルフボールのスピン速度は、該ゴルフボールの構造に依存して変動するであろう。例えば、コア、中間層及びカバーを持つ、多層ボールにおいて、該カバーが、本発明のポリウレア又はポリウレタン組成物で作られている場合、ドライバーを離れた該ボールのスピン速度(ドライバースピン速度)は、約2000rpm以上であり得る。一態様において、該ドライバースピン速度は、約2000〜約3500rpmなる範囲にある。別の態様では、該ドライバースピン速度は、約2200〜約3400rpmなる範囲にある。さらに別の態様では、該ドライバースピン速度は、約2700rpm未満であり得る。
本発明に従って製造したツーピースボールも、1500rpm以上のドライバースピン速度を持つことができる。一態様において、該ドライバースピン速度は、約2000〜約3300rpmなる範囲にある。本発明に従って製造した糸巻きボールは、好ましくは同様なスピン速度を持つ。
このスピン速度を測定する方法は、当業者には十分に理解されているはずである。該スピン速度を測定する方法は、米国特許第6,500,073号、同第6,488,364号、同第6,286,364号及び同第6,241,622号に記載されている。これら特許の内容全体を、本発明の参考とする。
比重
比重は、ASTM D-297を利用して測定し、これは、温度を20-23℃に制御した実験室条件下で行われる。特定のゴルフボール部品の比重は、該部品のサイズに依存する。一態様において、カバー又は中間層の比重は、好ましくは少なくとも約0.7である。他の態様では、該中間層は、約1以下の比重を持つ。さらに別の態様では、該中間層又はカバーの比重は、約0.8以上、好ましくは約0.9以上である。例えば、該ゴルフボールは、約0.9以上の比重を持つ中間層と、約0.95以上の比重を持つカバーとを含むことができる。
別の態様では、該中間層は、比較的高い比重、即ち約1.2を越える、好ましくは約1.21〜約1.30なる範囲、より好ましくは約1.23〜約1.29なる範囲の比重を持つ。本発明のこの局面において、中間層は、約1.27なる比重を持つことができる。この中間層の所定の比重は、上記のような中間層用の組成物に、硫酸バリウム、酸化亜鉛、二酸化チタン及びこれらの組合せ等のフィラーを添加することにより得ることができる。例えば、酸化亜鉛を、中間層用の組成物に添加して、約1.27なる比重を達成できる。
別の態様では、該ゴルフボールは、比重約1.10以上のコアと、比重約0.95以上のカバーとを含む。さらに他の態様では、本発明のコアは、約1.0〜約1.2なる範囲、好ましくは約1.1〜約1.18なる範囲の比重を持つ。
%反発レジリエンス
ここで使用する、%反発レジリエンスとは、ASTM-2632-92による反発装置を用いたプランジャーの、反発(戻り)高さの尺度である。一態様において、本発明の組成物の、%反発レジリエンスは、約40%以上、好ましくは約60%以上である。別の態様では、本発明の組成物は、約65%以上の%反発レジリエンスを持つ。さらに別の態様では、本発明の組成物の、%反発レジリエンスは、約70%以上である。
耐水性
本発明の組成物から製造したゴルフボール部分の耐水性は、経時における質量増加によって表すことができる。例えば、100%RH及び約22.2℃(72°F)にて7週間の期間に渡り追跡した、ゴルフボール部分の質量変化が、どのボールがより良好な耐水性を持つかを決定するのに役立つ。一態様において、本発明の該ゴルフボール部分は、7週間後に、約0.15g以下の質量増加を示す。別の態様では、本発明のゴルフボールは、7週間の保存期間後に、約0.13g以下の質量増加を示す。さらに別の態様では、本発明のゴルフボールの質量増加は、7週間後に、約0.09g以下である。さらに他の態様では、この質量増加は、7週間の期間後に、約0.06g以下である。本発明のゴルフボールは、好ましくは7週間の保存期間に渡り、約0.03g以下の質量増加を示す。
耐水性の指標として、寸法増加を利用することもできる。即ち、ゴルフボールがより多くの水を取り込むほど、該ゴルフボール部分の最も外側の層の背後に閉じ込められる水のために、該ゴルフボールのサイズは大きくなる。従って、本発明のゴルフボールは、好ましくは検知し得るほどのサイズ増加を示さない。一態様において、本発明のゴルフボールのサイズ増加は、7週間の期間後に、約0.0254mm(約0.001in)以下である。
接着強度
本発明の組成物の接着、又は剥離強さは、好ましくは、約5 lbf/in以上である。一態様において、該接着強さは、約25 lbf/in以下である。例えば、該接着強さは、好ましくは約10 lbf/in以上で、かつ約20 lbf/in以下である。他の態様では、該接着強さは、約20 lbf/in以上、好ましくは約24 lbf/in以上である。さらに別の態様では、該接着強さは、約26 lbf/in以上である。さらに他の態様では、該接着強さは、約20〜約30 lbf/inなる範囲にある。
剪断/切断抵抗
ゴルフボールカバーの切断抵抗は、損傷及び外観を評価する1〜9のスケールの、剪断テストを利用して、測定することができる。一態様において、損傷の順位(等級)は、好ましくは約3以下、より好ましくは約2以下である。他の態様では、損傷の順位は約1以下である。本発明のゴルフボールの外観の順位は、好ましくは約3以下である。一態様において、該外観の順位は、約2以下、好ましくは約1以下である。
光安定性
上で議論したように、本発明の組成物は、本来光安定性であり得、即ち芳香族成分をまったく含まない。該カバーの光安定性は、黄色度指数(*YI)の差、即ち所定の暴露時間の経過後に測定した黄色度から、暴露前の黄色度を差引いた値により定量化できる。一態様において、この*YIは、5日間(120時間)の暴露後に、約10以下、好ましくは5日間の暴露後に、約6以下、及びより好ましくは5日間の暴露後に、約4以下である。一態様において、この*YIは、5日間の暴露後に、約2以下であり、またより好ましくは5日間の暴露後に、約1以下である。
b彩度次元(b chroma dimension)の差(*b*、黄色から青色)も、またこのカバーの光安定性を定量化する手段である。一態様において、このbの値は、5日間(120時間)の暴露後に、約4以下であり、好ましくは5日間の暴露後に、約3以下であり、より好ましくは5日間の暴露後に、約2以下である。一態様において、このbの値は、5日間の暴露後に、約1以下である。
以下の非限定的な実施例は、本発明の好ましい態様を、単に例示するものであり、また本発明を限定するものとして、捉えるべきではなく、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって規定される。部は、特に述べない限り、質量基準の、質量部である。
実施例1:
以下の表1に示したバッチ処方のブレンドを、圧縮成型することにより、多層ボールのコアを製造した。
Figure 0004030987
これらのコア全ては、約3.53cm(約1.39in)の径を有し、測定の結果約47〜53なる範囲の圧縮率を持ち、かつ約1.138〜1.156なる範囲の比重を有していた。上記のコアバッチ処方について、得られたコアは、圧縮率50を持つことが分かった。引き続き、以下の表2の中間層ブレンドを、表1のコアの周りに、約191℃(約375°F)なる温度にて射出成型して、約3.84cm(約1.51in)の外径を持つゴルフボールの中間層を形成した。
Figure 0004030987
1) デュポン社からの、ブロックコポリ(エーテル-エステル)エラストマー
これら多層ボールの全ては、該中間層の周りに、約50%のサーリン7940及び約50%のサーリン8940とのブレンドを、十分な量の二酸化チタン濃厚物と共に、圧縮成型することにより製造した、カバー組成物を含み、これらは引き続き、公知の透明塗料及びバフ研磨法を利用して完成させた。これらの完成されたゴルフボールは、僅かに約4.27cm(1.68in)よりも大きな径を有していた。これらのボールを、初期速度、圧縮率、カバーの硬さ、及びCORについてテストし、このテスト結果を以下の表3に示した。
表3から理解されるように、上記表2の実施例1-3に提示された組成物として示されたように、本発明により製造された、マントル層及びゴルフボール両者は、低圧縮率、即ちソフトな「感触」を示し、一方高い初期速度又はCORを維持している。









Figure 0004030987
1) ショアD硬さ
2) 約38.1 m/sec (125 ft/sec)なる入射速度における、調節されたCOR
実施例2:二種の硬化剤を用いて製造したゴルフボール
2種の同様な構造を持つゴルフボールを製造したが、各々は液体-充填中心、糸巻層、及びカバーを有していた。第一のゴルフボールのコントロール処方は、従来のポリウレタン組成物技術を利用した、コントロール処方から製造したカバーを有していた。第二のゴルフボール用の実験処方では、該カバー層は、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、及び1,3-ビス-(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンと1,3-[ビス-(2-ヒドロキシエトキシ)]-ジエトキシベンゼンとの混合物の反応生成物を含む、本発明の熱可塑性ポリウレタン組成物を用いて製造した。着色剤分散物をこれら両処方に添加した。これらゴルフボール製品を、米国特許第5,733,428号及び同第5,888,437号に記載されている方法に従って、処理した。これらゴルフボール両者の処方を、以下の表4に示す。
Figure 0004030987
1) MDIは約9%なる量で、またPTMEGは約91%なる量で存在する。
2) インデスペックケミカル社(Indspec Chemical Corporation)により製造された、1,3-ビス-(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンと1,3-[ビス-(2-ヒドロキシエトキシ)]-ジエトキシベンゼンとの混合物。
3) エアープローダクツ&ケミカルズ社(Air Products and Chemicals, Inc.) により製造された、オリゴマージアミン。
以下の表5から理解できる如く、本発明の実験処方により製造したゴルフボールは、コントロールのゴルフボールに比して、初期速度における約1.07 m/sec (3.5 ft/sec)なる増加を示した。当業者には周知の如く、ゴルフボールの初期速度における、約1.07 m/sec (3.5 ft/sec)なる増加は、かなりの増加である。USGAによって設定された、約68.6 m/sec (225 ft/sec)なる最大限界にできる限り近い、初期速度地を達成するための努力において、上で明らかにされた増加は、極めて有益である。さらに、本発明に従って製造されたゴルフボールは、著しく低い圧縮率、即ち良好な「感触」を呈し、しかもコントロール処方から製造したゴルフボールと同程度の硬さを維持していた。同様に、当業者には認識されているように、より低いゴルフボールの圧縮率は、より低いドライバースピンをもたらし、結果的に、該ゴルフボールが、最大飛距離にとって理想的な打撃、推進条件を、より一層厳密に満たすことを可能とする。
Figure 0004030987
実施例3:第二ジアミン硬化剤を用いて製造したゴルフボール
2種の同様な構造を持つゴルフボールを製造したが、各々は液体-充填中心、糸巻層、及びカバーを有していた。第一のゴルフボールのコントロール処方は、従来のポリウレタン組成物技術を利用した、コントロール処方から製造したカバーを有していた。第二のゴルフボール用の実験処方では、該カバー層は、4,4'-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、及び4,4'-ビス-(sec-ブチルアミノ)-ジシクロヘキシルメタンの反応生成物を含む、本発明の熱可塑性ポリウレタン組成物を用いて製造した。着色剤分散物をこれら両処方に添加した。これらゴルフボール製品を、米国特許第5,733,428号及び同第5,888,437号に記載されている方法に従って、処理した。これらゴルフボール両者の処方を、以下の表6に示す。
Figure 0004030987
1) MDIは約8%なる量で、またPTMEGは約92%なる量で存在する。
2) H12MDIは約8%なる量で、またPTMEG/ポリカプロラクトンは約92%なる量で存在する。
3) UOP, LLCにより製造された、脂肪族第二ジアミン。
4) エアープローダクツ&ケミカルズ社(Air Products and Chemicals, Inc.) により製造された、オリゴマージアミン。
該従来のゴルフボール及び本発明に従って製造したゴルフボール両者のゴルフボール特性を、以下の表7に示す。






Figure 0004030987
ここに記載した、本発明の例示的な態様は、上記の目的を満たすことは明らかであるが、様々な変更並びに他の態様が、当業者によって工夫できることは明らかであろう。例えば、ここで簡単に議論したように、本発明の組成物は、当業者により容易に決定できるであろうように、添加物、例えば顔料、発泡剤、セラミックス球ガラス球を含む、不活性な/反応性のフィラー等を含むことができる。さらに、本発明の組成物は、他のゴルフ用品に対して使用することもできる。例えば、ゴルフクラブのフェース及びバックキャビティーインサート、米国特許第5,316,298号及び同第5,575,472号(これら特許の開示事項全体を、本発明の参考とする)に記載されているようなものを、本発明の組成物を用いて、少なくとも部分的に製造することができる。従って、添付した特許請求の範囲は、本発明の精神並びに範囲内の、このような態様全てを網羅するものと理解すべきである。
本発明によるゴルフボールの一態様を示す、断面図である。 本発明の一態様による、大きなコアと、その上に設けられた、薄い外側カバー層とを含む、多層ゴルフボールの断面図である。 本発明の一態様による、コアと、中間層と、その上に設けられたカバー層とを含む、多層ゴルフボールの断面図である。 本発明の一態様による、コアと、外側コア層と、薄い内側カバー層と、その上に設けられた薄い外側カバー層とを含む、多層ゴルフボールの断面図である。

Claims (23)

  1. コア;
    30ショアD又はそれ以上の硬さ、6.89〜551MPa(1,000〜80,000psi)なる範囲の曲げ弾性率、及び0.254〜2.54mm(0.01〜0.100in)なる範囲の厚みを持つ、該コアの周りに配置された層、ここで該層は、以下の構造のヒドロキシ末端をもつ硬化剤で硬化される、p-フェニレンジイソシアネート及びポリオール又はアミノ末端をもつ成分の反応生成物から製造されるプレポリマーを含む熱可塑性組成物から製造され;
    Figure 0004030987
    式中、R 3 は、少なくとも一つのフタレート基、少なくとも一つのヘキサメチレン基、少なくとも一つのビスフェノールA基、又はこれらの組み合わせを含み、かつnは1〜25なる範囲にあり、
    及び
    20ショアD又はそれ以上の硬さ、6.89〜207MPa(1,000〜30,000psi)なる範囲の曲げ弾性率、及び0.254〜1.27mm(0.01〜0.05in)なる範囲の厚みを持つ、カバーを含み、該カバーが材料から製造されたことを特徴とする、ゴルフボール。
  2. 該コアが、中心部と、外部コア層とを含み、かつ該中心部が1.27〜3.30cm(0.5〜1.3in)なる範囲の径を持つ、請求項1記載のゴルフボール。
  3. 該熱可塑性組成物が、追加の硬化剤をさらに含む、請求項1記載のゴルフボール。
  4. 追加の硬化剤が、ポリエチレンプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリオキシプロピレングリコール、エチレンオキシドでキャップしたポリ(オキシプロピレン)グリコール及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項3記載のゴルフボール。
  5. 追加の硬化剤が、1,6-ヘキサンジオール-開始ポリカプロラクトン、ジエチレングリコール-開始ポリカプロラクトン、トリメチロールプロパン-開始ポリカプロラクトン、ネオペンチルグリコール-開始ポリカプロラクトン、1,4-ブタンジオール-開始ポリカプロラクトン、ポリテトラメチレンエーテルグリコール-開始ポリカプロラクトン、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項3記載のゴルフボール。
  6. 該ヒドロキシ末端を持つ硬化剤が、ポリ(フタレートカーボネート)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)グリコール、ポリカーボネートポリオール含有ビスフェノールA、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1記載のゴルフボール。
  7. コア;
    30ショアD又はそれ以上の硬さ、6.89〜551MPa(1,000〜80,000psi)なる範囲の曲げ弾性率、及び0.254〜2.54mm(0.01〜0.100in)なる範囲の厚みを持つ、コアの周りに配置された中間層;及び
    20ショアD又はそれ以上の硬さ、6.89〜207MPa(1,000〜30,000psi)なる範囲の曲げ弾性率、及び0.254〜1.27mm(0.01〜0.05in)なる範囲の厚みを持つ、少なくとも1種のカバー層、ここで少なくとも1種の該中間層又は少なくとも1種の該カバー層は、以下の構造のヒドロキシ末端をもつ硬化剤で硬化される、p-フェニレンジイソシアネートモノマー及びポリオール又はアミノ末端をもつ成分の反応生成物から製造されるプレポリマーを含む熱可塑性組成物から製造され;
    Figure 0004030987
    式中、R 3 は、少なくとも一つのフタレート基、少なくとも一つのヘキサメチレン基、少なくとも一つのビスフェノールA基、又はこれらの組み合わせを含み、かつnは1〜25なる範囲にあり、
    0.76を越えるCORを持つことを特徴とする、ゴルフボール。
  8. 該中間層が、イオノマー樹脂、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアミド、高度に中和されたポリマー、メタロセン触媒ポリマー、又はこれらの混合物の少なくとも1種を含む、請求項7記載のゴルフボール。
  9. 中間層が、該熱可塑性組成物を含む、請求項7記載のゴルフボール。
  10. 該少なくとも1種のカバー層が、該熱可塑性組成物から製造される、請求項7記載のゴルフボール。
  11. 少なくとも1種のカバー層が、熱硬化性材料を含む、請求項9記載のゴルフボール。
  12. 該熱可塑性組成物が、本質的にウレタン結合からなる、請求項7記載のゴルフボール。
  13. 該熱可塑性組成物が、追加の硬化剤をさらに含む、請求項7記載のゴルフボール。
  14. 追加の硬化剤がアミノ末端を持つ硬化剤を含む、請求項3又は13記載のゴルフボール。
  15. 該少なくとも1種のアミノ末端を持つ硬化剤が、本質的に第二アミノ末端を持つ化合物からなる、請求項14記載のゴルフボール。
  16. 追加の硬化剤が、以下の一般式:
    Figure 0004030987
    で表される化合物及びこれらの混合物からなる群から選択される、少なくとも1種の硬化剤をも含み、該一般式において、Rはアルキル基を含み、R1及びR2は、夫々独立に1〜20個の炭素原子を持つ直鎖又は分岐鎖の炭化水素鎖を含み、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、及びR10は水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、又はこれらの組み合わせを含み、かつnは1〜20なる範囲にある、請求項3又は13記載のゴルフボール。
  17. 追加の硬化剤が、以下の一般式:
    Figure 0004030987
    で表される化合物及びこれらの混合物からなる群から選択され、R1及びR2は、1〜20個の炭素原子を持つ直鎖又は分岐鎖の炭化水素鎖を含み、R3は、少なくとも一つのフタレート基、少なくとも一つのヘキサメチレン基、少なくとも一つのビスフェノールA基、又はこれらの組み合わせを含み、mは1〜45なる範囲にあり、かつnは1〜25なる範囲にある、請求項3又は13記載のゴルフボール。
  18. 該カバーの硬さ対該層の硬さの比が、1.33以下である、請求項7記載のゴルフボール。
  19. 該カバーの硬さ対該層の硬さの比が、1.14以下である、請求項18記載のゴルフボール。
  20. コア:
    30ショアD又はそれ以上の硬さ、6.89〜551MPa(1,000〜80,000psi)なる範囲の曲げ弾性率、及び0.254〜2.54mm(0.01〜0.100in)なる範囲の厚みを持つ、該コアの周りに配置された層、ここで該中間層は材料から製造され;及び
    20ショアD又はそれ以上の硬さ、6.89〜207MPa(1,000〜30,000psi)なる範囲の曲げ弾性率、及び0.254〜1.27mm(0.01〜0.05in)なる範囲の厚みを持つ、カバーとを含むゴルフボールであって、該カバーは、以下の構造のヒドロキシ末端をもつ硬化剤で硬化される、p-フェニレンジイソシアネートモノマー及びポリオール又はアミノ末端をもつ成分の反応生成物から製造されるプレポリマーを含む熱可塑性組成物から製造され;
    Figure 0004030987
    式中、R 3 は、少なくとも一つのフタレート基、少なくとも一つのヘキサメチレン基、少なくとも一つのビスフェノールA基、又はこれらの組み合わせを含み、かつnは1〜25なる範囲にあるゴルフボール。
  21. 該コアが、中心部と、外部コア層とを含み、かつ該中心部が1.27〜3.30cm(0.5〜1.3in)なる範囲の径を持つ、請求項20記載のゴルフボール。
  22. 該熱可塑性組成物が、さらに少なくとも1種の密度調節用フィラーをも含む、請求項20記載のゴルフボール。
  23. 該ヒドロキシ末端を持つ硬化剤が、ポリ(フタレートカーボネート)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)グリコール、ポリカーボネートポリオール含有ビスフェノールA、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1、7又は20記載のゴルフボール。
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