JP4105642B2 - ゴルフボール用のポリウレタン組成物 - Google Patents

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Description

(関連出願との相互引照)
本件出願は、現在継続中の、2002年7月15日付で出願された米国特許出願第10/194,057号の一部継続出願であり、この出願は、また現在米国特許第6,476,176号に相当する、1999年12月17日付で出願された米国特許出願第09/466,434号の一部継続出願である。本件出願は、また現在継続中の2002年8月27日付で出願された米国特許出願第10/228,311号の一部継続出願であり、この米国特許出願は、更に現時点において継続中であり、かつ現在継続中の、2002年8月6日付出願の、米国特許出願第60/401,047号について優先権を主張している、2001年9月13日付出願の、米国特許出願第09/951,963号の一部継続出願に係る、1999年12月17日付出願の、米国特許出願第09/466,434号の一部継続出願である。本件出願は、また現在米国特許第6,476,176号に相当する、1999年12月17日付で出願された米国特許出願第09/466,434号の継続出願である、2001年3月20日付出願の、米国特許出願第09/812,910号の一部継続出願である。これら特許出願の全開示事項を、本発明の参考とする。
本発明は、改善された顔料分散度および硬化剤ブレンドの安定性を持つ、ゴルフボール用のポリウレタンおよびポリウレア組成物に関する。特に、本発明は硬化剤と、凝固点降下剤とを含む、硬化剤ブレンドを意図し、ここで該硬化剤ブレンドは、それ自体該硬化剤よりも低い凝固点を有し、また該ブレンドは固化および後の解凍の際に顔料分散性を失わない。本発明は、またイソシアネートとポリオールとのプレポリマーから製造したポリウレタン組成物にも関連し、該プレポリマーは、本発明の改善された該硬化剤ブレンドによって架橋されている。更に、ポリウレア組成物も、本発明により意図されており、そこで該ポリウレア組成物は、少なくとも1種のアミノ末端をもつ硬化剤を主成分とする、変性された硬化剤ブレンドによって硬化された、イソシアネートとポリアミンとの反応生成物である。本発明は、更に本発明の組成物から製造したゴルフボール部材および該部材の製法にも関連する。
ゴルフボールは様々な組成物から製造され、該組成物は、ゴルフボール製造業者に、特定のボールの感触および空力的特性を変える能力を与える。例えば、バラタから製造したゴルフボールカバーは、熟練度の高いゴルファーによる、ボールの方向性および飛距離を、特により短い距離のショットについて、より正確に調節するのに十分な、スピン速度の達成を可能とする。しかし、バラタで被覆したゴルフボールは、容易に損傷を受け、このことが、平均的なゴルファーに、このようなボールの使用を思い止まらせている理由である。耐久性に係るこの結果を改善するために、製造業者は、典型的にカバー材料としてイオノマー樹脂を使用している。しかし、イオノマー樹脂で被覆したゴルフボールは、殆ど完全に切断耐性のカバーを持つが、バラタで被覆したボールに比して、スピン特性および感触において劣っている。
ポリウレタンおよびポリウレアも、得られるゴルフボールがイオノマー樹脂と同様に耐久性であることから、ゴルフボールカバー用の有用な材料として認識されているが、バラタで被覆したボールのソフトな感触を持つ。米国特許第4,123,061号は、ポリエーテルとジイソシアネートとから作成したポリウレタンプレポリマーで作られ、ポリオールまたはアミン型の硬化剤で硬化されたゴルフボールを教示している。更に、米国特許第5,334,673号は、ゴルフボールカバーを製造するための、市場で入手できる2つのカテゴリーに属するポリウレタン、即ち熱硬化性および熱可塑性ポリウレタンの使用を開示し、また特にポリウレタンプレポリマーと、低速反応性アミン硬化剤および/または二官能性グリコールを含む組成物から作成した、熱硬化性ポリウレタンで被覆したゴルフボールを開示している。米国特許第5,484,870号は、各々少なくとも2つの官能基を持つ、有機ジイソシアネートと有機アミンとの反応生成物を含むポリウレア組成物を開示している。一旦これら2つの成分が結合すると、ポリウレアが生成され、かくして該組成物の物性を変更する能力が限定される。
ポリウレタンおよびポリウレアで被覆したゴルフボールは、イオノマー樹脂で被覆したゴルフボールよりも柔軟であるが、このようなボールは、ゴルフクラブで打撃を与えた後の、ゴルフボールの初期速度の関数である、該ゴルフボールカバーのレジリエンスまたはリバウンドに関して、イオノマー樹脂製ゴルフボールと完全に一致することはない。更に、このようなゴルフボールのカバーを作成するのに使用する該ポリウレタンおよびポリウレアは、一般的に芳香族成分、例えば芳香族ジイソシアネート、ポリオール、またはポリアミンを含むので、これら樹脂は光、特に紫外(UV)光に暴露した場合に、変色し易い。この変色を遅延するために、光およびUV安定剤、例えばチヌビン(Tinuvin) 770、765および328を、これら芳香族ポリマー材料に添加している。しかし、芳香族ポリウレタン製の該カバーの変色を、更に確実に防止するためには、該カバーを白色塗料で塗装し、次いで透明皮膜で被覆して、該ゴルフボールの白色を維持している。ゴルフボールのディンプルをもつ表面への、均一に白く着色したコートの適用は、難しい工程であり、ゴルフボール製造の時間を延長し、かつコストを増大する。
更に、ポリウレタン組成物において典型的に使用される、該硬化剤は比較的高い凝固点を有し、これは冬季におけるこれら材料の輸送並びに保存を、問題のあるものとする。この問題は、該組成物が顔料を含む場合に、更に大きなものとなる。例えば、幾つかの硬化剤は、凍結状態から解凍された場合に、固形分が分離し、そこに分散された顔料の性能が、ヘグマン(Hegman)のスケールで測定したように、失われる可能性がある。このヘグマンスケールは、典型的に顔料分散度を表すのに利用される、粒径の尺度である。ある材料がその分散性を完全に失った場合(ヘグマン0)、該材料の粒径は、一般的に約100μ以上である。例えば、1,4-ブタンジオール等の顔料を含む硬化剤は、凍結した際に顔料分散性を失う。この顔料分散を克服するために、別のブレンドを再度分配した後に、種々の組成物に配合する必要があった。しかし、顔料が「激しく沈降する」場合には、該顔料は再度分配することはできず、該ブレンドは利用不可能となる。
性能特性、改善されたレジリエンス、高い切断、引掻きおよび磨耗抵抗、高い接着性、および改善された光安定性を持つ、ゴルフボールに、容易に加工できる改善された組成物に対する、絶えることのない需要がある。従って、改善された硬化剤ブレンド、特に顔料が分散され、低温保存および輸送条件に耐えることのできる、ブレンドに対する需要もある。更に、凍結状態においてさえ、顔料を再分散せずに、あるいは該樹脂の特性を犠牲にすること無しに使用できる、試薬を提供することが有利であろう。特に、保存安定性を持つ顔料分散物を与える硬化剤ブレンドへの凝固点降下剤の添加は、ゴルフボール組成物で使用するのに有利であろう。
本発明は、改善された耐久性、接着性および光安定性を持つゴルフボールを与える、ポリウレタンおよびポリウレア組成物で使用するための、改善された硬化剤ブレンドを目的とする。
本発明の一局面は、コアおよびカバーを含むゴルフボールに係り、該カバーは、イソシアネートとポリオールとの反応生成物から製造したポリウレタンプレポリマーと;少なくとも1種の硬化剤と少なくとも1種の相溶性凝固点降下剤とから製造した硬化剤ブレンドとを含む、組成物から製造したものである。
一態様において、該少なくとも1種の硬化剤は、第一の凝固点を有し、かつ該硬化剤ブレンドは、第二の凝固点を有し、また該第二凝固点は、該第一凝固点よりも約2.78℃(約5°F)以上、好ましくは約5.56℃(約10°F)以上およびより好ましくは約8.33℃(約15°F)以上低い。もう一つの態様では、該凝固点降下剤は、約-12.2℃ (約10°F)以下、好ましくは約-23℃〜約-73℃(約-10°F〜約-100°F)なる範囲の凝固点を持つ。
該凝固点降下剤は、1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,4-ブタンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,5-ペンタンジオール、ポリテトラメチレングリコール、プロピレングリコールおよびこれらの混合物からなる群から選択される、ヒドロキシ末端を持つ凝固点降下剤を含むことができる。一態様において、該凝固点降下剤は、該硬化剤ブレンドの質量基準で、約8質量%以上、好ましくは約10質量%以上なる量で存在する。
該硬化剤ブレンドは、好ましくはヘグマンスケールで約4以上の顔料分散度を持つ。一態様において、該硬化剤ブレンドは、ヘグマンスケールで約5以上の顔料分散度を持つ。
該ポリウレタンプレポリマーは飽和または不飽和であり得るが、該プレポリマーが飽和である場合には、該硬化剤ブレンドも、好ましくは飽和されている。
本発明は、またコアと、光安定性カバーとを含むゴルフボールをも目的とし、ここで該カバーは、イソシアネートとポリオールとの反応生成物から製造したポリウレタンプレポリマーと;少なくとも1種の硬化剤と少なくとも1種の凝固点降下剤とを含む硬化剤ブレンド内に分散させた顔料とを含む、組成物から製造したものである。一態様において、該硬化剤ブレンドは、凍結・解凍サイクル後に、約4以上の、顔料分散度を持つ。もう一つの態様において、該顔料は、粉砕ビヒクル中に含まれている。該少なくとも1種の硬化剤は、第一の凝固点を有し、かつ該硬化剤ブレンドは、第二の凝固点を有し、また該第二凝固点は、好ましくは該第一凝固点よりも約5.56℃(約10°F)以上低い。一態様において、該凝固点降下剤は、該硬化剤ブレンドの質量を基準として、約10質量%以上なる量で存在する。
該カバー層は、流し込み成型、射出成型または反応性射出成型により製造でき、また該カバーは、約0.51 mm〜約0.89 mm (約0.02 in〜約0.035 in)なる範囲の厚みを持つことができる。更に、該ポリウレタンプレポリマー中に含まれる該ポリオールは、好ましくは飽和ポリエーテルポリオール、飽和ポリカプロラクトンポリオール、飽和ポリエステルポリオール、飽和ポリカーボネートポリオール、飽和炭化水素ポリオール、脂肪族ポリオール、およびこれらの混合物からなる群から選択される。該少なくとも1種の硬化剤は、好ましくはエチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,4-ブタンジオール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、2,3-ジメチル-2,3-ブタンジオール、トリメチロールプロパン、シクロヘキシルジメチロール、トリイソプロパノールアミン、テトラ-(2-ヒドロキシプロピル)-エチレンジアミン、ジエチレングリコールジ-(アミノプロピル)エーテル、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,3-ビス-(2-ヒドロキシエトキシ)シクロヘキサン、1,4-シクロヘキシルジメチロール、1,3-ビス-[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ]シクロヘキサン、1,3-ビス-{2-[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エトキシ}シクロヘキサン、トリメチロールプロパン、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、およびこれらの混合物からなる群から選択される。
一態様において、該組成物は、更に少なくとも1種の触媒、少なくとも1種の光安定化剤、少なくとも1種の消泡剤、少なくとも1種の酸性官能化成分、少なくとも1種の芳香性成分、またはこれらの組合せをも含む。
本発明は、更にカバーおよびコアを含むゴルフボールを提供することを目的とし、ここで該カバーおよびコアの少なくとも一方は、溶媒を含まない顔料分散物を含み、該顔料分散物は、該顔料を再分散すること無しに、凍結、解凍および使用できる。本発明の目的にとって硬化剤ブレンドとも呼ぶことのできる、この顔料分散物は、好ましくは少なくとも1種の顔料と、少なくとも2種の活性水素含有物質のブレンドとを含む。一態様において、該少なくとも2種の活性水素含有物質は、異なる凝固点を持つ。例えば、該少なくとも2種の活性水素含有物質は、第一の凝固点を持つ第一の活性水素含有物質と、該第一の凝固点よりも低い第二の凝固点を持つ、第二の活性水素含有物質とを含む。本発明のこの局面において、該第一活性水素含有物質は硬化剤であり、また該第二活性水素含有物質は1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,4-ブタンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,5-ペンタンジオール、ポリテトラメチレングリコール、プロピレングリコールまたはこれらの混合物を含むことができる。該硬化剤ブレンドの該顔料分散物は、ヘグマンスケールで約4.0以上の値を持つ。
本発明は、様々なゴルフボール用部材において使用する、改良されたポリウレタンおよびポリウレアを主成分とする組成物を提供するものである。本発明の組成物は、様々なゴルフボール構造、即ちワンピース、ツーピースまたは多層ボールに組み込むことができる。更に、本発明の組成物は、またゴルフクラブ用部材、例えばクラブヘッドインサートにおいても使用できる。
特に、本発明の組成物で使用する該硬化剤ブレンドは、凝固点降下剤で変性して、該ブレンドの凝固点を、該硬化剤自体の凝固点以下に下げ、また該ブレンド中に分散されたあらゆる顔料を、多くの保存並びに輸送条件下で分散状態に維持する。このように、該変性された硬化剤ブレンドは、保存安定性を持つ顔料分散物を与える。本明細書で使用する「保存安定性」なる用語は、分散物、ブレンド、組成物等の、室温(約20.0〜約25.0℃(約68〜約77°F))およびそれ以下(約-26.1℃まで)における凍結に対して抵抗する能力並びに分散物、ブレンド、組成物等の、凍結状態においてさえ、その有利な特性、例えば接着強度、剪断/切断抵抗、硬さおよび耐久性を維持する能力を意味する。例えば、本発明の該改善された(変性)硬化剤ブレンドは、凍結した際および凍結/解凍サイクル後においても、顔料分散性を維持する。
様々なゴルフ部材、例えばカバーに組み込まれる、ポリウレタンまたはポリウレア組成物への、該改善硬化剤ブレンドの配合は、改善硬化剤ブレンドを含まない、ポリウレタンまたはポリウレア組成物を組み込んだゴルフボールに匹敵する、またはそれ以上の物理的並びに空力的諸特性を持つゴルフボールを与える。
本発明の組成物は、実際熱硬化性または熱可塑性であり、また好ましくは飽和されており、即ち実質的に炭素-炭素不飽和結合または芳香族基を含まず、光に対して安定な組成物を与えることができる。本発明の目的に対して、光安定性は、様々な方法で達成できる。例えば、本発明の組成物は、飽和成分のみ、即ち飽和プレポリマーおよび飽和硬化剤のみを含むことができ、あるいは光安定剤を含み、芳香族成分を使用した場合に、光安定性を改善することができる。
変性硬化剤ブレンド
本発明の硬化剤を、凝固点降下剤で変性して、固化開始を遅延させた、また保存安定性のある顔料分散度を持つ、硬化剤ブレンドを製造できる。換言すれば、該硬化剤を、好ましくは凝固点降下剤で変性して、該未変性硬化剤に比して低い凝固点を持つ硬化剤ブレンドを作成する。従って、この変性硬化剤ブレンドは、顔料用の改善された媒体を与え、結果として該硬化剤ブレンドに含まれる顔料は、凍結された際に凝集体を形成せずに、分散された状態を維持する。
顔料分散度は、一般的にヘグマンスケールで評価され、このスケールは粒子径の尺度である。このヘグマンスケールは、該粉砕された顔料の粉末度、即ち分散の程度および粒径のばらつきのなさを表す尺度であり、0 (約100μmを超える粒径)〜8 (サブミクロンオーダーの粒径)なる範囲にある。例えば、低い顔料分散度(約100μmを越える)は、この分散物の用途を制限する可能性のある、大きな顔料粒子または大きな凝集体を表す。この顔料分散度の測定は、引き抜き加工して、研磨ブロックのサンプルを得、該研磨ブロックの面を仕上げ加工して、特定の粒径を持つ粒子を、肉眼観察可能なように、所定の間隔で該ブロック上に突き出させることにより行われる。
凍結およびそれに引き続く解凍の後に、本発明の該変性された硬化剤ブレンドは、好ましくは該ヘグマンスケールで0を越える、好ましくは約1以上のおよびより好ましくは約2以上の顔料分散度を持つ。一態様において、凍結/解凍サイクル後の該変性硬化剤ブレンドは、該ヘグマンスケールで約3以上の顔料分散度を持つ。もう一つの態様では、凍結および解凍後の、この変性硬化剤ブレンドは、該ヘグマンスケールで約4以上、好ましくは約5以上の顔料分散度を持つ。更に別の態様では、凍結および解凍後の、この変性硬化剤ブレンドは、該ヘグマンスケールで約6以上の顔料分散度を持つ。更に別の態様では、凍結および解凍後の、この変性硬化剤ブレンドは、該ヘグマンスケールで約7以上の顔料分散度を持つ。
凍結/解凍サイクル後の該変性硬化剤ブレンドは、好ましくは約100μm以下、より好ましくは約89μm以下、およびより一層好ましくは約76μm以下の粒径を持つ。一態様において、該変性硬化剤ブレンドの粒径は、約64μm以下である。もう一つの態様では、該変性硬化剤ブレンドの粒径は約51μm以下である。更に別の態様では、該変性硬化剤ブレンドは、約38μm以下、好ましくは約25.4μm以下の粒径を持つ。更に他の態様では、該変性硬化剤ブレンドの粒径は、約19.1μm以下、好ましくは約12.7μm以下である。
該変性硬化剤ブレンドのメッシュサイズも、顔料分散度の指標であり、即ち該メッシュサイズが小さいければ小さい程、該顔料分散度は良好である。即ち、一態様において、凍結/解凍サイクル後の該変性硬化剤ブレンドのメッシュサイズは、約140以上、好ましくは約170以上、およびより好ましくは約200以上である。一態様において、該変性硬化剤ブレンドのメッシュサイズは、約140〜約1000なる範囲にある。もう一つの態様では、該変性硬化剤ブレンドのメッシュサイズは、約230以上である。更に別の態様では、該メッシュサイズは、約270以上、好ましくは約400以上、およびより好ましくは約500以上である。
本発明の変性硬化剤ブレンドは、保存安定性のある顔料分散度を与えるので、あらゆる相溶性の顔料が、分散性の維持に関して一般的に問題があるものであっても、本発明の該変性硬化剤ブレンドに分散させることができる。例えば、二酸化チタンは、不透明性を達成するのに一般に使用される濃度が高いために、分散性を維持することが難しいとされているが、本発明はこの問題に対する解決策を与える。即ち、適当な顔料の非-限定的な例は、二酸化チタン(TiO2)、赤色または黄色酸化鉄、カーボンブラックおよび群青等の無機顔料、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、カルバゾールバイオレット、およびナフトールレッド等の有機顔料、並びにこれらの混合物を包含する。
更に、該顔料は、オハイオ州、アーバンレイクの、ポリオン社(Polyone Corporation)から市販品として入手できるもの等の、予備調製した着色剤または染色剤に配合できる。これらの予備調製した着色剤または染色剤は、一般に粉砕ビヒクル、例えば高分子量ポリオール中に分散された顔料を含む。これら粉砕ビヒクルは、少量の活性水素含有物質を、本発明の硬化剤ブレンドに導入することを可能とするが、その量は、本発明の変性硬化剤ブレンドに対して有意な寄与をもたらさない。
この顔料は、好ましくは活性水素含有物質のブレンド中に分散され、例えば該変性硬化剤ブレンドは、少なくとも1種の顔料、少なくとも1種の硬化剤(第一の活性水素含有物質)、および少なくとも1種の凝固点降下剤(第二の活性水素含有物質)を含むことができる。ここで使用する活性水素含有物質とは、少なくとも一つの反応性の水素原子を含む物質であり、ヒドロキシル基、一級アミノ基、二級アミノ基、またはチオール基を持つことにより、このような活性水素を持つことができる。該活性水素含有物質は、一般的にポリマーまたは樹脂ではなく、寧ろモノマーまたはオリゴマーとして記載することができる。「モノマー」とは、それ自身または他の簡単な分子または化合物と結合することにより、ポリマー、樹脂またはエラストマーに転化できる、比較的低い分子量および簡単な構造を持つ分子または化合物を意味するものと理解されよう。オリゴマーとは、数個(即ち、4以下)の分子の組合せである。これに対して、ポリマーは、5個以上のこのような単位を含む。例えば、一態様では、本発明の変性硬化剤ブレンドに含まれる該活性水素含有物質は、約30〜約4000なる範囲の数平均分子量を持つ。もう一つの態様では、該活性水素含有物質の数平均分子量は、約90〜約1000なる範囲にある。
本発明では、活性水素含有物質のあらゆる組合せの使用を意図しており、該ブレンドが室温以下の温度において液体である限り、物質の選択は、ここに具体的に列挙したものに制限されない。当業者は、標準的な凝固点測定法を利用して、ブレンドの凝固点を測定できるであろう。例えば、凝固点の経験的な測定法は、サンプルを冷却(これは、撹拌しつつ該サンプルを氷浴で覆うことにより実施できる)し、該物質の固化が開始するまで、規則的な時間間隔、例えば1分毎にその温度を記録することである。固化が開始すると、該温度は安定化され、これが該物質の凝固点を意味する。更に、凝固点を測定するための分析的な方法、例えば示差走査型熱量測定法(DSC)も、利用できる。
これら活性水素含有物質は、ヒドロキシ-末端を持つ硬化剤またはアミノ-末端をもつ硬化剤等の硬化剤を含むことができる。適当なヒドロキシ-末端を持つ硬化剤は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,4-ブタンジオール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、2,3-ジメチル-2,3-ブタンジオール、トリメチロールプロパン、シクロヘキシルジメチロール、トリイソプロパノールアミン、テトラ-(2-ヒドロキシプロピル)-エチレンジアミン、ジエチレングリコールジ-(アミノプロピル)エーテル、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,3-ビス-(2-ヒドロキシエトキシ)シクロヘキサン、1,4-シクロヘキシルジメチロール、1,3-ビス-[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ]シクロヘキサン、1,3-ビス-{2-[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エトキシ}シクロヘキサン、トリメチロールプロパン、好ましくは分子量が約250〜約3900なる範囲にあるポリテトラメチレンエーテルグリコール、レゾルシノール-ジ-(β-ヒドロキシエチル)エーテルおよびその誘導体、ヒドロキノン-ジ-(β-ヒドロキシエチル)エーテルおよびその誘導体、1,3-ビス-(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,3-ビス[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ]ベンゼン、N,N-ビス-(β-ヒドロキシプロピル)アニリン、2-プロパノール-1,1'-フェニルアミノビス、およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。このヒドロキシ-末端を持つ硬化剤は、少なくとも約50の分子量を持つことができる。一態様では、このヒドロキシ-末端を持つ硬化剤の分子量は、約2000以下である。
更に、適当なアミノ-末端を持つ硬化剤は、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1-メチル-2,6-シクロヘキシルジアミン、テトラヒドロキシプロピレンエチレンジアミン、2,2,4-および2,4,4-トリメチル-1,6-ヘキサンジアミン、4,4'-ビス-(sec-ブチルアミノ)-ジシクロヘキシルメタン、1,4-ビス-(sec-ブチルアミノ)-シクロヘキサン、1,2-ビス-(sec-ブチルアミノ)-シクロヘキサン、4,4'-ビス-(sec-ブチルアミノ)-ジシクロヘキシルメタンの誘導体、4,4'-ジシクロヘキシルメタンジアミン、1,4-シクロヘキサン-ビス-(メチルアミン)、1,3-シクロヘキサン-ビス-(メチルアミン)、ジエチレングリコールジ-(アミノプロピル)エーテル、2-メチルペンタメチレン-ジアミン、ジアミノシクロヘキサン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、プロピレンジアミン、1,3-ジアミノプロパン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジプロピレントリアミン、イミド-ビス-プロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、イソホロンジアミン、4,4'-メチレンビス-(2-クロロアニリン)、3,5-ジメチルチオ-2,4-トルエンジアミン、3,5-ジメチルチオ-2,6-トルエンジアミン、3,5-ジエチルチオ-2,4-トルエンジアミン、3,5-ジエチルチオ-2,6-トルエンジアミン、4,4'-ビス(sec-ブチルアミノ)-ジフェニルメタンおよびその誘導体、1,4-ビス(sec-ブチルアミノ)-ベンゼン、1,2-ビス(sec-ブチルアミノ)-ベンゼン、N,N'-ジアルキルアミノ-ジフェニルメタン、N,N,N',N'-テトラキス-(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、トリメチレングリコール-ジ-p-アミノベンゾエート、ポリテトラメチレンオキシド-ジ-p-アミノベンゾエート、4,4'-メチレンビス-(3-クロロ-2,6-ジエチレンアニリン)、4,4'-メチレンビス-(2,6-ジエチルアニリン)、m-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。一態様において、該アミノ-末端を持つ硬化剤は、4,4'-ビス(sec-ブチルアミノ)-ジシクロヘキシルメタンである。
上記のように、各活性水素含有物質は、異なる凝固点を持つことができ、例えば硬化剤は室温に凝固点を持ち、また第二の活性水素含有物質は、例えば室温よりも十分に低い凝固点を持つ凝固点降下剤であり得る。異なる凝固点を持つ、2種の活性水素含有試薬の選択は、該硬化剤を単独で使用した場合よりも、全体として低い凝固点を持つブレンドを与える。例えば、一態様において、該硬化剤の凝固点と該硬化剤ブレンドの凝固点との差は、約2.78℃(約5°F)以上、好ましくは約5.56℃(約10°F)以上である。もう一つの態様において、この差は、約8.33℃(約15°F)以上、好ましくは約11.1℃(約20°F)以上である。このように、該凝固点降下剤の選択は、他方の活性水素含有物質、即ち該硬化剤の選択と相関性を持つ。
該凝固点降下剤は、好ましくは約-6.67℃(約20°F)以下、より好ましくは約-12.2℃(約10°F)以下の凝固点を持つ。一態様において、該凝固点降下剤は、約-17.8℃(約0°F)以下の凝固点を持つ。もう一つの態様において、該凝固点降下剤の凝固点は、約-23℃(約-10°F)〜約-84℃(約-120°F)なる範囲内にある。更に別の態様では、該凝固点降下剤の凝固点は、約-12.2℃(約10°F)〜約37.8℃(約100°F)なる範囲内にある。更に他の態様では、この凝固点は約-34℃(約-30°F)〜約-57℃(約-70°F) なる範囲内にある。
適当な凝固点降下剤は、温度が室温以下に低下した場合に、該硬化剤ブレンドの該顔料分散度を安定化する任意の試薬を含むことができる。例えば、2-メチル-1,3-プロパンジオールは、-53.9℃(-65°F)なる凝固点を持つ。約10質量%の2-メチル-1,3-プロパンジオールを、20.0℃(68°F)なる凝固点を持つ1,4-ブタンジオールを含む、硬化剤ブレンドに添加した場合、この硬化剤ブレンドの凝固点は、約6.67℃(44°F)まで低下する。従って、一態様では、該凝固点降下剤を、該ブレンドの凝固点が約15.6℃(約60°F)以下となるように選択する。別の態様では、該凝固点降下剤を、該ブレンドの凝固点が約10.0℃(約50°F)以下となるように選択する。更に別の態様では、該凝固点降下剤は、該ブレンドの凝固点が約7.22℃(約45°F)以下となるように、該ブレンドを変性する。更に他の態様では、該凝固点降下剤を添加した後に、該ブレンドの凝固点は約0℃(約32°F)以下である。
該凝固点降下剤は、好ましくは該硬化剤と相溶性である。例えば、1,4-ブタンジオール等のヒドロキシ-末端を持つ硬化剤は、ヒドロキシ-末端を持つ凝固点降下剤またはヒドロキシ-末端を持つ凝固点降下剤の混合物で変性できる。ヒドロキシ-末端を持つ凝固点降下剤の例は、1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,4-ブタンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,5-ペンタンジオール、ポリテトラメチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールおよびこれらの混合物を含むが、これらに制限されない。
更に、幾つかのアミノ-末端を持つ硬化剤は、比較的高い凝固点を持つ。例えば、ヘキサメチレンジアミン(41℃)(105.8°F)、ジエタノールアミン(28℃)(82.4°F)、トリエタノールアミン(21℃)(69.8°F)、ジイソプロパノールアミン(23℃)(73.4°F)、およびトリイソプロパノールアミン(44℃)(111.2°F)等である。このようなアミノ-末端を持つ硬化剤は、アミノ-末端を持つ凝固点降下剤またはアミノ-末端を持つ凝固点降下剤の混合物で変性できる。適当なアミノ-末端を持つ凝固点降下剤は、エチレンジアミン、1,3-ジアミノプロパン、ジメチルアミノプロピルアミン、テトラエチレンペンタミン、1,2-プロピレンジアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、2,2,4-トリメチル-1,6-ヘキサンジアミン、2,4,4-トリメチル-1,6-ヘキサンジアミンおよびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
一態様において、該変性硬化剤ブレンドは、分子量約200未満のアルコールおよびジヒドロキシ化合物ではないが、エステル基を含み、かつ約204〜約500なる範囲の分子量を持つ、他の活性水素含有物質を含む。
該凝固点降下剤は、好ましくは顔料分散度の喪失を防止するのに適した量だけ、該降下剤の凝固点を減じるのに十分であるが、該ゴルフボールの物性に影響を与えない量で添加される。一態様において、該凝固点降下剤は、該硬化剤ブレンド、即ち硬化剤、凝固点降下剤の質量を基準として、約5質量%以上なる量で、該硬化剤に添加する。他の態様では、該凝固点降下剤は、該硬化剤ブレンドの質量を基準として、約8質量%以上なる量で存在する。更に別の態様では、該凝固点降下剤は、約10質量%以上なる量で存在する。更に他の態様では、該硬化剤ブレンドは、該ブレンドの質量を基準として、約12質量%以上なる量で、該凝固点降下剤を含む。また、該硬化剤ブレンドは、その質量を基準として、約14質量%以上なる量で、該凝固点降下剤を含むことができる。
例えば、本発明の一態様において、該変性硬化剤ブレンドは、約90質量%の硬化剤と、約10質量%の凝固点降下剤とを含む。当業者は、比較的少ない割合の該変性硬化剤ブレンドが、本発明で意図する、該変性硬化剤ブレンドの液状で保存安定な諸特性を得るための、室温以下の凝固点を持つのに必要であることに気付くであろう。この適当なバランスが、顔料分散性を犠牲にすることなく、あるいは比較的高温にて凝固すること無しに、有利な諸特性を維持する変性硬化剤ブレンドを与える。
この顔料は、好ましくは該変性硬化剤ブレンド中に、該ブレンド全量、即ち硬化剤、凝固点降下剤および顔料を基準として、約10〜約70質量%なる範囲の量で含まれる。一態様において、該顔料は、該ブレンド全量を基準として、約15〜約55質量%なる範囲の量で、該変性硬化剤ブレンド中に含まれる。もう一つの態様においては、該顔料は、該ブレンド全量を基準として、約23質量%なる量で、該変性硬化剤ブレンド中に存在する。硬化剤および凝固点降下剤を含むこのブレンドは、好ましくはこの全硬化剤ブレンド中に、約30〜約90質量%なる範囲の量で含まれる。一態様において、硬化剤および凝固点降下剤を含むこのブレンドはこの全硬化剤ブレンド中に、約50〜約80質量%なる範囲の量、好ましくは約50〜約70質量%なる範囲の量で含まれる。
一態様において、該変性硬化剤ブレンドは、実質的にジメチルスルホキシドを含まない。ここで使用する用語「実質的に含まない」とは、該ブレンドの約3質量%未満、好ましくは該ブレンドの約1質量%未満、より好ましくは該ブレンドの約0.5質量%未満を意味する。
本発明の変性硬化剤ブレンドは、溶媒を含まないものであり得る。ここで使用する用語「溶媒を含まない」とは、約1%以下、好ましくは約0.5%以下の水、アルコール、ケトン、芳香族溶媒等の溶媒を意味する。
本発明の変性硬化剤ブレンドは、任意の適当な方法で作ることができる。例えば、一方法において、顔料を、少なくとも1種の硬化剤と少なくとも1種の凝固点降下剤との混合物中に配合する。これは、カウル粉砕またはミル粉砕による混合によって達成できる。あるいはまた、該顔料をまず該硬化剤に添加し、次いでこの硬化剤/顔料ブレンドを、該凝固点降下剤と混合するか、あるいは該顔料を該凝固点降下剤に添加した後、該硬化剤と配合することも可能である。上記のように、該顔料は二酸化チタン(TiO2)、無機または有機顔料、または市販品として入手できる、粉砕ビヒクルに分散された顔料であり得る。市販品として入手できる、粉砕ビヒクルに分散された顔料を使用する場合、簡単な混合を利用できる。というのは、該顔料は、該硬化剤、凝固点降下剤または硬化剤ブレンド中で粉砕する必要がないからである。標準的な添加剤を使用する場合には、この方法の任意の段階で添加することができる。
ポリウレタン組成物
上記のように、本発明の組成物はポリウレタン、即ち少なくとも1種のポリウレタンプレポリマーと、硬化剤との反応生成物を主成分とするものであり、ここで該ポリウレタンプレポリマーは、少なくとも1種のポリオールと少なくとも1種のジイソシアネートとの反応により生成される物質である。本発明のポリウレタンを主成分とする組成物は、好ましくは飽和であり、従って一態様では本発明の組成物は、少なくとも1種の飽和ジイソシアネートと少なくとも1種の飽和ポリオールとから形成された、少なくとも1種の飽和ポリウレタンプレポリマーと、少なくとも1種の飽和硬化剤との反応生成物である。
イソシアネート成分
該ポリウレタンプレポリマーと共に使用する飽和イソシアネートは、脂肪族、脂環式、芳香脂肪族(araliphatic)、これらの誘導体および1分子当たり2以上のイソシアネート(NCO)基を持つこれら化合物の組合せを包含する。これらイソシアネートは、有機、変性有機、有機ポリイソシアネート-末端を持つプレポリマー、およびこれらの混合物であり得る。このイソシアネート含有反応性成分は、また任意のイソシアネート-官能性モノマー、ダイマー、三量体、またはこれらの多量体型付加生成物、プレポリマー、準-プレポリマー、またはこれらの混合物を含むこともできる。イソシアネート-官能性化合物は、モノイソシアネートまたは2以上の任意のイソシアネート官能基を含むポリイソシアネートを含むことができる。適当なイソシアネート-含有化合物は、一般的な構造:O=C=N-R-N=C=O (ここで、Rは好ましくは約1〜20個の炭素原子を含む、環式、直鎖または分岐炭化水素部分である)を持つジイソシアネートを含む。このジイソシアネートは、また1以上の環式基を含むこともできる。多数の環式基が存在する場合、約1〜10個の炭素原子を含む直鎖および/または分岐炭化水素が、該環式基間のスペーサとして存在し得る。幾つかの場合、該環式基は、夫々2-、3-および/または4-位において置換されていても良い。置換基は、ハロゲン原子、一級、二級または三級炭化水素基、またはこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
該ポリウレタンプレポリマーにおいて使用できる飽和ジイソシアネートの例は、エチレンジイソシアネート、プロピレン-1,2-ジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、テトラメチレン-1,4-ジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレン-ジイソシアネート(HDI)、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカン-1,12-ジイソシアネート、シクロブタン-1,3-ジイソシアネート、シクロヘキサン-1,2-ジイソシアネート、シクロヘキサン-1,3-ジイソシアネート、シクロヘキサン-1,4-ジイソシアネート、メチル-シクロへキシレンジイソシアネート(HTDI)、2,4-メチルシクロヘキサンジイソシアネート、2,6-メチルシクロヘキサンジイソシアネート、4,4'-ジシクロヘキシルジイソシアネート、2,4'-ジシクロヘキシルジイソシアネート、1,3,5-シクロヘキサンジイソシアネート、イソシアナトメチルシクロヘキサンイソシアネート、1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチルシクロヘキサン、イソシアナトエチルシクロヘキサンイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)-シクロヘキサンジイソシアネート、4,4'-ビス(イソシアナトメチル)-ジシクロヘキサン、2,4'-ビス(イソシアナトメチル)-ジシクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、HDIのトリイソシアネート、2,2,4-トリメチル-1,6-ヘキサンジイソシアネート(TMDI)のトリイソシアネート、4,4'-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、2,4-ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート、2,6-ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート;芳香族-脂肪族イソシアネート、例えば1,2-、1,3-および1,4-キシレンジイソシアネート、m-テトラメチルキシレンジイソシアネート(m-TMXDI)、p-テトラメチルキシレンジイソシアネート(p-TMXDI)、任意のイソシアネートの三量化イソシアヌレート、例えばトルエンジイソシアネートのイソシアヌレート、ジフェニルメタンジイソシアネートの三量体、テトラメチルキシレンジイソシアネートの三量体、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレートおよびこれらの混合物;任意のポリイソシアネートのダイマー化ウレジオン(uredione)、例えばトルエンジイソシアネートのウレジオン、ヘキサメチレンジイソシアネートのウレジオンおよびこれらの混合物;上記イソシアネートおよびポリイソシアネート由来の、変性ポリイソシアネート;およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。一態様において、該飽和ジイソシアネートは、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4'-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、1,6-ヘキサメチレン-ジイソシアネート(HDI)、またはこれらの組合せを含む。
該ポリウレタンプレポリマー中の未反応NCO基の数は、反応速度、該組成物の達成される硬さ等の因子を調節することにより変えることができる。例えば、イソシアネートおよびポリオールの該ポリウレタンプレポリマー中の未反応NCO基の数は、約14%未満であり得る。一態様において、該ポリウレタンプレポリマーは、約5〜約11%なる範囲の未反応NCO基、および更に一層好ましくは約6〜約9.5%なる範囲の未反応NCO基を含む。一態様において、未反応NCO基の割合は、約3〜約9%なる範囲内にある。あるいは、該ポリウレタンポリマー中の未反応NCO基の割合は、約7.5%以下、およびより好ましくは約7%以下である。他の態様では、未反応NCO基の含有率は、約2.5〜約7.5%、およびより好ましくは約4〜約6.5%なる範囲内にある。
不飽和ジイソシアネート、即ち芳香族化合物も本発明において使用できるが、該プレポリマーにおける不飽和化合物の使用は、以下に論じるような光安定剤または顔料の使用と組み合わせることが好ましい。不飽和ジイソシアネートの例は、2,2'-、2,4'-および4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、3,3'-ジメチル-4,4'-ビフェニルジイソシアネート(TODI)、トルエンジイソシアネート(TDI)、ポリマー型MDI、カルボジイミド-変性液状4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート(PPDI)、m-フェニレンジイソシアネート(MPDI)、トリフェニルメタン-4,4'-およびトリフェニルメタン-4,4”-トリイソシアネート、ナフチレン-1,5-ジイソシアネート、2,4'-、4,4'-および2,2-ビフェニルジイソシアネートポリフェニルポリメチレンポリイソシアネート(PMDI)およびその混合物を含むが、これらに制限されない。
ポリオール成分
当業者が入手可能な如何なる飽和ポリオールも、該ポリウレタンプレポリマーにおいて使用するのに適している。ポリオールの例は、ポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、炭化水素ポリオール、およびこれらの混合物を含むが、これらに制限されない。本発明で使用するのに適した、飽和ポリエーテルポリオールは、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)、ポリテトラメチレンエーテルグリコールと2-メチル-1,4-ブタンジオール(PTG-L)とのコポリマー、ポリ(オキシエチレン)グリコール、ポリ(オキシプロピレン)グリコール、ポリ(エチレンオキシドキャップド(capped)オキシプロピレン)グリコール、およびこれらの混合物を含むが、これらに制限されない。
飽和ポリカプロラクトンポリオールは、ジエチレングリコール開始ポリカプロラクトン、プロピレングリコール開始ポリカプロラクトン、1,4-ブタンジオール開始ポリカプロラクトン、トリメチロールプロパン開始ポリカプロラクトン、ネオペンチルグリコール開始ポリカプロラクトン、1,6-ヘキサンジオール開始ポリカプロラクトン、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)開始ポリカプロラクトン、エチレングリコール開始ポリカプロラクトン、ジプロピレングリコール開始ポリカプロラクトン、およびこれらの混合物を含むが、これらに制限されない。
炭化水素ポリオールは、ヒドロキシ-末端を持つ液状イソプレンゴム(LIR)、ヒドロキシ-末端を持つポリブタジエンポリオール、飽和ヒドロキシ-末端を持つ炭化水素ポリオールおよびこれらの混合物を含むが、これらに制限されない。本発明のプレポリマーを製造するのに使用できる他の脂肪族ポリオールは、グリセロール、ヒマシ油およびその誘導体、クラトン(Kraton)ポリオール、アクリルポリオール、カルボン酸、スルホン酸またはリン酸基を主として持つ、酸官能性ポリオール、飽和ダイマー化脂肪酸から転化されたダイマーアルコール、およびこれらの混合物を含むが、これらに制限されない。
形成された際に、ポリウレタンプレポリマーは、該プレポリマーを基準として、遊離イソシアネートモノマーを約10〜約20質量%なる範囲で含むことができる。従って、一態様では、該ポリウレタンプレポリマーは、遊離イソシアネートモノマーをストリッピングすることができる。例えば、ストリッピング後、該プレポリマーは、約1%以下の遊離イソシアネートモノマーを含むことができる。もう一つの態様では、該プレポリマーは約0.5%以下の遊離イソシアネートモノマーを含む。
該ポリウレタンプレポリマーは、単一の硬化剤または硬化剤の混合物またはブレンドを用いて製造できる。本発明の硬化剤は、好ましくは上で論じたような凝固点降下剤で変性される。
硬化剤
本発明で使用する飽和硬化剤は、ヒドロキシ-末端を持つ硬化剤、アミノ-末端を持つ硬化剤、およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。使用する硬化剤の型に応じて、本発明のポリウレタン組成物は、事実上熱可塑性または熱硬化性であり得る。例えば、1:1の化学量論量のジオールまたは第2アミンで硬化したポリウレタンプレポリマーは、事実上熱可塑性である。他方、熱硬化性ポリウレタンは、一般的に一級ジアミンまたは例えば官能性グリコールで硬化したプレポリマーから作られる。
更に、使用する硬化剤の型が、該ポリウレタン組成物がポリウレタン-ウレタンであるか、あるいはポリウレタン-ウレアであるかを決定する。例えば、ヒドロキシ-末端を持つ硬化剤で硬化されたポリウレタンプレポリマーはポリウレタン-ウレタンである。というのは、あらゆる過剰なイソシアネート基が、該硬化剤のヒドロキシル基と反応して、更にウレタン結合を生成するからである。これに対して、アミノ-末端を持つ硬化剤を該ポリウレタンプレポリマーと共に使用した場合には、該過剰のイソシアネート基は、該アミノ-末端を持つ硬化剤のアミノ基と反応して、ウレア結合を生成するであろう。
適当な飽和ヒドロキシ-末端を持つ硬化剤は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,4-ブタンジオール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、2,3-ジメチル-2,3-ブタンジオール、トリメチロールプロパン、トリイソプロパノールアミン、ジエチレングリコールジ-(アミノプロピル)エーテル、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、グリセロール、1,3-ビス-(2-ヒドロキシエトキシ)シクロヘキサン、1,4-シクロヘキシルジメチロール、1,3-ビス-[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ]シクロヘキサン、1,3-ビス-{2-[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エトキシ}シクロヘキサン、約250〜約3900なる範囲の分子量をもつポリテトラメチレンエーテルグリコール、およびこれらの混合物を含むが、これらに制限されない。一態様において、このヒドロキシ-末端を持つ硬化剤は、少なくとも50なる分子量をもつ。別の態様では、このヒドロキシ-末端を持つ硬化剤の分子量は、約2000以下である。更に別の態様では、このヒドロキシ-末端を持つ硬化剤は約250〜約3900なる範囲の分子量をもつ。ここで使用する分子量とは、絶対重量平均分子量を意味し、またそれ自体は当業者に理解されるであろう。
適当なアミノ-末端を持つ硬化剤は、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1-メチル-2,6-シクロヘキシルジアミン、テトラヒドロキシプロピレンエチレンジアミン、2,2,4-および2,4,4-トリメチル-1,6-ヘキサンジアミン、4,4'-ビス(sec-ブチルアミノ)-ジシクロヘキシルメタン、1,4-ビス-(sec-ブチルアミノ)-シクロヘキサン、1,2-ビス-(sec-ブチルアミノ)-シクロヘキサン、4,4'-ビス(sec-ブチルアミノ)-ジシクロヘキシルメタンの誘導体、4,4'-ジシクロヘキシルメタンジアミン、1,4-シクロヘキサン-ビス-(メチルアミン)、1,3-シクロヘキサン-ビス-(メチルアミン)、ジエチレングリコールジ-(アミノプロピル)エーテル、N,N,N',N'-テトラキス-(2-ヒドロキシプロピル)-エチレンジアミン、2-メチルペンタメチレンジアミン、ジアミノシクロヘキサン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、プロピレンジアミン、ジプロピレントリアミン、1,3-ジアミノプロパン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、イミド-ビス-プロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、イソホロンジアミン、およびこれらの混合物を含むが、これらに制限されない。一態様において、該アミン硬化剤は、約64以上の分子量を持つ。別の態様では、該アミン硬化剤の分子量は、約2000以下である。
ポリウレア組成物
本発明の組成物は、またポリウレアを主成分とするものであり得、これらは、ポリウレタン組成物とは明らかに異なるが、ゴルフボール部材において使用した場合には、同様に所定の空力的および審美的特徴を与える。このポリウレアを主成分とする組成物は、好ましくは事実上飽和状態にある。
如何なる特定の理論にも拘泥するつもりはないが、該ポリウレタンプレポリマー中の長鎖ポリオールセグメントを、ポリウレアプレポリマーを製造するための、長鎖ポリアミンオリゴマーの軟質セグメントで置換することにより、剪断、切断およびレジリエンス特性、並びに他の成分との接着性が改善できることが、今や明らかになった。このように、本発明のポリウレア組成物は、硬化剤で架橋された、イソシアネートとポリアミンとの反応生成物から製造できる。例えば、本発明のポリウレアを主成分とする組成物は、少なくとも1種のイソシアネート、少なくとも1種のポリエーテルアミン、および少なくとも1種のジオール硬化剤または少なくとも1種のジアミン硬化剤から調製できる。
ポリアミン成分
当業者にとって入手可能な任意のポリアミンが、このポリウレアプレポリマーで使用するのに適している。ポリエーテルアミンが、このプレポリマーで使用するのに特に適している。ここで使用する用語「ポリエーテルアミン」は、少なくとも、ポリエーテル骨格の末端に結合した一級アミノ基を含む、ポリオキシアルキレンアミンを意味する。しかし、イソシアネートとアミンとの迅速な反応および多くのウレア生成物の不溶性のために、ジアミンおよびポリエーテルアミンの選択は、該ポリウレアプレポリマーを首尾良く生成し得るものに限定される。一態様において、該ポリエーテル骨格は、テトラメチレン、プロピレン、エチレン、トリメチロールプロパン、グリセリン、およびこれらの混合物を主成分とする。
適当なポリエーテルアミンは、メチルジエタノールアミン;ポリオキシアルキレンジアミン、例えばポリテトラメチレンエーテルジアミン、ポリオキシプロピレントリアミン、およびポリオキシプロピレンジアミン;ポリ(エチレンオキシドキャップドオキシプロピレン)エーテルジアミン;プロピレンオキシドを主成分とするトリアミン;トリエチレングリコールジアミン;トリメチロールプロパンを主成分とするトリアミン;グリセリンを主成分とするトリアミン;およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。一態様において、該プレポリマーを製造するために使用する該ポリエーテルアミンは、ジェファミン(Jeffamine)D2000(テキサス州、オースチンのハンツマン社(Huntsman Corporation)により製造されている)である。
該ポリウレアプレポリマーにおいて使用する該ポリエーテルアミンの分子量は、約100〜約5000なる範囲にある。ここで用語「約」は、1以上の数または数値範囲と共に使用され、ある範囲内の全ての数を含む、このような数の全てを意味するものと理解すべきである。一態様において、該ポリエーテルアミンの分子量は、約200以上、好ましくは約230以上である。他の態様において、該ポリエーテルアミンの分子量は約4000以下である。更に別の態様において、該ポリエーテルアミンの分子量は約600以上である。更に別の態様では、該ポリエーテルアミンの分子量は約3000以下である。更に別の態様では、該ポリエーテルアミンの分子量は約1000〜約3000なる範囲、およびより好ましくは約1500〜約2500なる範囲にある。より低分子量のポリエーテルアミンは、固体ポリウレアを生成する傾向があるので、より高い分子量のオリゴマー、例えばジェファミンD2000が好ましい。
一態様において、該ポリエーテルアミンは以下のような一般的構造を持つ:
Figure 0004105642
ここで、繰り返し単位xは約1〜約70なる範囲にある。より一層好ましくは、繰り返し単位は約5〜約50なる範囲、およびより一層好ましくは約12〜約35なる範囲内にある。
もう一つの態様において、該ポリエーテルアミンは以下のような一般的構造を持つ:
Figure 0004105642
ここで、繰り返し単位xおよびzは約3.6〜約8なる範囲の結合された値をもち、また繰り返し単位yは約9〜約50なる範囲内にあり、またRは-(CH2)a-を表し、ここで「a」は約1〜約10なる範囲の繰り返し単位である。
更に別の態様において、該ポリエーテルアミンは、以下の一般的構造を持つ:
H2N-(R)-O-(R)-O-(R)-NH2
ここで、Rは-(CH2)a-を表し、「a」は約1〜約10なる範囲の繰り返し単位である。
上で簡単に論じたように、幾つかのアミンは、イソシアネートとの反応にとって、これら2成分間の迅速な反応のために、不適当である可能性がある。特に、より単鎖のアミンは、迅速に反応する。しかし、一態様において、ヒンダード第二ジアミンは、このプレポリマーにおいて使用するのに適したものであり得る。如何なる特別な理論にも拘泥するつもりはないが、高度の立体障碍を持つアミン、例えば窒素原子上にt-ブチル基を持つアミンが、立体障碍を持たないまたは低度の立体障碍を持つアミンよりも緩慢な反応速度を持つものと考えられる。例えば、4,4'-ビス-(sec-ブチルアミノ)-ジシクロヘキシルメタン(クリアーリンク(Clearlink)1000)は、イソシアネートと組み合わせて使用して、該ポリウレアプレポリマーを製造するのに適したものであり得る。
イソシアネート成分
当業者にとって入手可能な任意のイソシアネートが、該ポリウレアプレポリマーにおいて使用するのに適している。本発明で使用するためのイソシアネートは、脂肪族、脂環式、芳香-脂肪族、芳香族、これらの任意の誘導体、および1分子当たり2以上のイソシアネート基(NCO)を持つこれら化合物の組合せを含む。該イソシアネートは、有機ポリイソシアネート-末端を持つプレポリマーであり得る。また、該イソシアネート-含有反応性化合物も、任意のイソシアネート-官能性モノマー、ダイマー、三量体またはこれらの多量体状付加生成物、プレポリマー、準-プレポリマー、またはこれらの混合物を含むことができる。イソシアネート-官能性化合物は、モノイソシアネートまたは2以上の任意のイソシアネート官能基をもつポリイソシアネートを含むことができる。
適当なイソシアネート-含有成分は、以下の一般的な構造:O=C=N-R-N=C=Oをもつジイソシアネートを含み、ここでRは、好ましくは約1〜約20個の炭素原子を含む、環式、芳香族、または直鎖または分岐炭化水素部分である。このジイソシアネートは、1以上の環式基または1以上のフェニル基を含むこともできる。多数の環式または芳香族基が存在する場合、約1〜約10個の炭素原子を含む直鎖または分岐炭化水素基が、該環式または芳香族基間にスペーサとして存在し得る。幾つかの場合、該環式または芳香族基は、夫々2-、3-および/または4-位において、あるいはo-、m-および/またはp-位において置換されていても良い。適当な基は、ハロゲン原子、一級、二級または三級炭化水素基またはこれらの混合物を含むことができるが、これらに限定されない。
本発明と共に使用可能なジイソシアネートの例は、2,2'-、2,4'-および4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を含む置換および異性体混合物;3,3'-ジメチル-4,4'-ビフェニレンジイソシアネート(TODI);トルエンジイソシアネート(TDI);ポリマー状MDI;カルボジイミド-変性液状4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート;p-フェニレンジイソシアネート(PPDI);m-フェニレンジイソシアネート(MPDI);トリフェニルメタン-4,4'-およびトリフェニルメタン4,4”-トリイソシアネート;ナフチレン-1,5-ジイソシアネート;2,4'-、4,4'-および2,2-ビフェニルジイソシアネート;ポリフェニルポリメチレンポリイソシアネート(PMDI);MDIとPMDIとの混合物;PMDIとTDIとの混合物;エチレンジイソシアネート;プロピレン-1,2-ジイソシアネート;テトラメチレン-1,2-ジイソシアネート;テトラメチレン-1,3-ジイソシアネート;テトラメチレン-1,4-ジイソシアネート;1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI);オクタメチレンジイソシアネート;デカメチレンジイソシアネート;2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート;2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート;ドデカン-1,12-ジイソシアネート;シクロブタン-1,3-ジイソシアネート;シクロヘキサン-1,2-ジイソシアネート;シクロヘキサン-1,3-ジイソシアネート;シクロヘキサン-1,4-ジイソシアネート;メチル-シクロへキシレンジイソシアネート(HTDI);2,4-メチルシクロヘキサンジイソシアネート;2,6-メチルシクロヘキサンジイソシアネート;4,4'-ジシクロヘキシルジイソシアネート;2,4'-ジシクロヘキシルジイソシアネート;1,3,5-シクロヘキサントリイソシアネート;イソシアナトメチルシクロヘキサンイソシアネート;1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチルシクロヘキサン;イソシアナトエチルシクロヘキサンイソシアネート;ビス(イソシアナトメチル)-シクロヘキサンジイソシアネート;4,4'-ビス(イソシアナトメチル)-ジシクロヘキサン;2,4'-ビス(イソシアナトメチル)-ジシクロヘキサン;イソホロンジイソシアネート(IPDI);HDIのトリイソシアネート;2,2,4-トリメチル-1,6-ヘキサンジイソシアネート(TMDI)のトリイソシアネート;4,4'-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI);2,4-ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート;2,6-ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート;1,2-、1,3-および1,4-フェニレンジイソシアネート;芳香族-脂肪族イソシアネート、例えば1,2-、1,3-および1,4-キシレンジイソシアネート;m-テトラメチルキシレンジイソシアネート(m-TMXDI);p-テトラメチルキシレンジイソシアネート(p-TMXDI);任意のポリイソシアネートの三量体化イソシアヌレート、例えばトルエンジイソシアネートのイソシアヌレート、ジフェニルメタンジイソシアネートの三量体、テトラメチルキシレンジイソシアネートの三量体、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレートおよびこれらの混合物;任意のポリイソシアネートのダイマー化ウレジオン、例えばトルエンジイソシアネートのウレジオン、ヘキサメチレンジイソシアネートのウレジオン、およびこれらの混合物;上記イソシアネートおよびポリイソシアネート由来の、変性ポリイソシアネートおよびその混合物を含むが、これらに限定されない。
本発明と共に使用できる飽和ジイソシアネートの例は、エチレンジイソシアネート;プロピレン-1,2-ジイソシアネート;テトラメチレンジイソシアネート;テトラメチレン-1,4-ジイソシアネート;1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI);オクタメチレンジイソシアネート;デカメチレンジイソシアネート;2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート;2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート;ドデカン-1,12-ジイソシアネート;シクロブタン-1,3-ジイソシアネート;シクロヘキサン-1,2-ジイソシアネート;シクロヘキサン-1,3-ジイソシアネート;シクロヘキサン-1,4-ジイソシアネート;メチル-シクロへキシレンジイソシアネート(HTDI);2,4-メチルシクロヘキサンジイソシアネート;2,6-メチルシクロヘキサンジイソシアネート;4,4'-ジシクロヘキシルジイソシアネート;2,4'-ジシクロヘキシルジイソシアネート;1,3,5-シクロヘキサントリイソシアネート;イソシアナトメチルシクロヘキサンイソシアネート;1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチルシクロヘキサン;イソシアナトエチルシクロヘキサンイソシアネート;ビス(イソシアナトメチル)-シクロヘキサンジイソシアネート;4,4'-ビス(イソシアナトメチル)-ジシクロヘキサン;2,4'-ビス(イソシアナトメチル)-ジシクロヘキサン;イソホロンジイソシアネート(IPDI);HDIのトリイソシアネート;2,2,4-トリメチル-1,6-ヘキサンジイソシアネート(TMDI)のトリイソシアネート;4,4'-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI);2,4-ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート;2,6-ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート;およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。芳香族-脂肪族イソシアネートを使用して、光安定性のある物質を製造することもできる。このようなイソシアネートの例は、1,2-、1,3-および1,4-キシレンジイソシアネート;m-テトラメチルキシレンジイソシアネート(m-TMXDI);p-テトラメチルキシレンジイソシアネート(p-TMXDI);任意のポリイソシアネートの三量体化イソシアヌレート、例えばトルエンジイソシアネートのイソシアヌレート、ジフェニルメタンジイソシアネートの三量体、テトラメチルキシレンジイソシアネートの三量体、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレートおよびこれらの混合物;任意のポリイソシアネートのダイマー化ウレジオン、例えばトルエンジイソシアネートのウレジオン、ヘキサメチレンジイソシアネートのウレジオン、およびこれらの混合物;上記イソシアネートおよびポリイソシアネート由来の、変性ポリイソシアネートおよびその混合物を含むが、これらに限定されない。更に、該芳香族-脂肪族イソシアネートは、本発明の目的にとって、上に列挙した飽和イソシアネートの何れかと混合することも可能である。
イソシアネートおよびポリエーテルアミンの該ポリウレアプレポリマーにおける未反応NCO基の数は、該反応の速度、該組成物の達成される硬さ等の因子を調節することにより、変えることができる。例えば、イソシアネートおよびポリエーテルアミンの該ポリウレアプレポリマーにおける未反応NCO基の数は、約14%未満であり得る。一態様において、該ポリウレアプレポリマーは、約5〜約11%なる範囲の未反応NCO基を持ち、より一層好ましくは約6〜約9.5%なる範囲内の未反応NCO基をもつ。一態様において、未反応NCO基の百分率は、約3〜約9%なる範囲にある。あるいはまた、該ポリウレアプレポリマーにおける未反応NCO基の百分率は、約7.5%以下、およびより好ましくは約7%以下である。他の態様において、この未反応NCO基の含有率は、約2.5〜約7.5%なる範囲、およびより好ましくは約4〜約6.5%なる範囲にある。
製造に際して、ポリウレアプレポリマーは、該プレポリマーの、約10〜約20質量%なる範囲の遊離イソシアネートモノマーを含むことができる。従って、一態様では、該ポリウレアプレポリマーは、遊離イソシアネートモノマーをストリッピングできる。例えば、ストリッピング後に、該プレポリマーは、約1%以下の遊離イソシアネートモノマーを含むことができる。もう一つの態様では、該プレポリマーは、約0.5%以下の遊離イソシアネートモノマーを含むことができる。
該ポリエーテルアミンを、追加のポリオールとブレンドして、過剰量のイソシアネートと反応して該ポリウレアプレポリマーを生成する、コポリマーを処方することができる。一態様では、該コポリマーの約30質量%未満のポリオールを、該飽和ポリエーテルアミンとブレンドする。もう一つの態様では、該コポリマーの約20質量%未満のポリオール、好ましくは該コポリマーの約15質量%未満のポリオールを、該ポリエーテルアミンとブレンドする。該ポリウレタンプレポリマーに関連して上に列挙したポリオール、例えばポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、炭化水素ポリオール、他のポリオールおよびこれらの混合物も、該ポリエーテルアミンとブレンドするのに適している。これらポリマーの分子量は、約200〜約4000なる範囲内であり得るが、該分子量は約1000〜約3000なる範囲内であり得、またより好ましくは約1500〜約2500なる範囲内にある。
硬化剤
本発明のポリウレア組成物は、該ポリウレアプレポリマーを、単一の硬化剤または硬化剤のブレンドで架橋することにより製造できる。本発明の硬化剤は、好ましくはアミノ-末端を持つ硬化剤、より好ましくは第二ジアミン硬化剤であって、該組成物はウレア結合のみを含有する。一態様において、該アミノ-末端を持つ硬化剤は、約64以上の分子量をもつことができる。もう一つの態様において、該アミノ-末端を持つ硬化剤は、約2000以下の分子量をもつことができる。上で論じたように、幾つかのアミノ-末端を持つ硬化剤は、相溶性のアミノ-末端を持つ凝固点降下剤または相溶性凝固点降下剤の混合物で変性することができる。
適当なアミノ-末端を持つ硬化剤は、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1-メチル-2,6-シクロヘキシルジアミン、テトラヒドロキシプロピレンエチレンジアミン、2,2,4-および2,4,4-トリメチル-1,6-ヘキサンジアミン、4,4'-ビス-(sec-ブチルアミノ)-ジシクロヘキシルメタン、1,4-ビス-(sec-ブチルアミノ)-シクロヘキサン、1,2-ビス-(sec-ブチルアミノ)-シクロヘキサン、4,4'-ビス-(sec-ブチルアミノ)-ジシクロヘキシルメタンの誘導体、4,4'-ジシクロヘキシルメタンジアミン、1,4-シクロヘキサン-ビス-(メチルアミン)、1,3-シクロヘキサン-ビス-(メチルアミン)、ジエチレングリコールジ-(アミノプロピル)エーテル、2-メチルペンタメチレンジアミン、ジアミノシクロヘキサン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、プロピレンジアミン、1,3-ジアミノプロパン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジプロピレントリアミン、イミド-ビス-プロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、イソホロンジアミン、4,4'-メチレンビス-(2-クロロアニリン)、3,5-ジメチルチオ-2,4-トルエンジアミン、3,5-ジメチルチオ-2,6-トルエンジアミン、3,5-ジエチルチオ-2,4-トルエンジアミン、3,5-ジエチルチオ-2,6-トルエンジアミン、4,4'-ビス-(sec-ブチルアミノ)-ジフェニルメタンおよびその誘導体、1,4-ビス-(sec-ブチルアミノ)-ベンゼン、1,2-ビス-(sec-ブチルアミノ)-ベンゼン、N,N'-ジアルキルアミノ-ジフェニルメタン、N,N,N',N'-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、トリメチレングリコール-ジ-p-アミノベンゾエート、ポリテトラメチレンオキシド-ジ-p-アミノベンゾエート、4,4'-メチレンビス-(3-クロロ-2,6-ジエチレンアニリン)、4,4'-メチレンビス-(2,6-ジエチルアニリン)、m-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。一態様では、該アミノ-末端を持つ硬化剤は、4,4'-ビス-(sec-ブチルアミノ)-ジシクロヘキシルメタンである。
適当な飽和アミノ-末端硬化剤は、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1-メチル-2,6-シクロヘキシルジアミン、テトラヒドロキシプロピレンエチレンジアミン、2,2,4-および2,4,4-トリメチル-1,6-ヘキサンジアミン、4,4'-ビス-(sec-ブチルアミノ)-ジシクロヘキシルメタン、1,4-ビス-(sec-ブチルアミノ)-シクロヘキサン、1,2-ビス-(sec-ブチルアミノ)-シクロヘキサン、4,4'-ビス-(sec-ブチルアミノ)-ジシクロヘキシルメタンの誘導体、4,4'-ジシクロヘキシルメタンジアミン、4,4'-メチレンビス-(2,6-ジエチルアミノシクロヘキサン、1,4-シクロヘキサン-ビス-(メチルアミン)、1,3-シクロヘキサン-ビス-(メチルアミン)、ジエチレングリコールジ-(アミノプロピル)エーテル、2-メチルペンタメチレンジアミン、ジアミノシクロヘキサン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、プロピレンジアミン、1,3-ジアミノプロパン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、イミド-ビス-プロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、イソホロンジアミン、トリイソプロパノールアミン、およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。更に、上に列挙したポリエーテルアミンの何れかを硬化剤として使用して、該ポリウレアプレポリマーと反応させることができる。
更に、該ポリウレアプレポリマーは、単一のヒドロキシ-末端を持つ硬化剤またはヒドロキシ-末端を持つ硬化剤の混合物で硬化することができる。しかし、一旦ヒドロキシ-末端を持つ硬化剤を使用すると、該ポリウレアプレポリマー中の過剰のイソシアネートが、該硬化剤中のヒドロキシル基と反応して、ある組成物を与えるウレタン結合を形成し、この組成物は、最早純粋なポリウレアではなく、ポリウレア-ウレタン組成物である。該ヒドロキシ-末端を持つ硬化剤は、好ましくは上に列挙したようなヒドロキシ-末端を持つ凝固点降下剤で変性される。
適当なヒドロキシ-末端を持つ硬化剤はエチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,4-ブタンジオール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、2,3-ジメチル-2,3-ブタンジオール、トリメチロールプロパン、シクロヘキシルジメチロール、トリイソプロパノールアミン、テトラ-(2-ヒドロキシプロピル)-エチレンジアミン、ジエチレングリコールジ-(アミノプロピル)エーテル、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,3-ビス-[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ]シクロヘキサン、1,3-ビス-{2-[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エトキシ}シクロヘキサン、トリメチロールプロパン、好ましくは約250〜約3900なる範囲の分子量を持つ、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、レゾルシノール-ジ-(β-ヒドロキシエチル)エーテルおよびその誘導体、ヒドロキノン-ジ-(β-ヒドロキシエチル)エーテルおよびその誘導体、1,3-ビス-(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,3-ビス-[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ]ベンゼン、N,N-ビス(β-ヒドロキシプロピル)アニリン、2-プロパノール-1,1'-フェニルアミノビス、およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。このヒドロキシ-末端を持つ硬化剤は、少なくとも約50なる分子量をもつことができる。一態様では、このヒドロキシ-末端を持つ硬化剤の分子量は約2000以下である。
適当な飽和ヒドロキシ-末端を持つ硬化剤は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,4-ブタンジオール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、2,3-ジメチル-2,3-ブタンジオール、トリメチロールプロパン、シクロヘキシルジメチロール、トリイソプロパノールアミン、テトラ-(2-ヒドロキシプロピル)-エチレンジアミン、ジエチレングリコールジ-(アミノプロピル)エーテル、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,3-ビス-(2-ヒドロキシエトキシ)シクロヘキサン、1,4-シクロヘキシルジメチロール、1,3-ビス-[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ]シクロヘキサン、1,3-ビス-{2-[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エトキシ}シクロヘキサン、トリメチロールプロパン、約250〜約3900なる範囲の分子量をもつポリテトラメチレンエーテルグリコール、およびこれらの混合物を含むが、これらに制限されない。一態様において、このヒドロキシ-末端を持つ硬化剤は、少なくとも50なる分子量をもつ。別の態様では、このヒドロキシ-末端を持つ硬化剤の分子量は、約2000以下である。
これら両タイプの硬化剤、即ちヒドロキシ-末端を持つおよびアミノ-末端を持つ硬化剤は、1種以上の飽和、不飽和、芳香族、および環式基を含むことができる。更に、ヒドロキシ-末端を持つおよびアミノ-末端を持つ硬化剤は、1種以上のハロゲン原子を含むこともできる。
当業者は、ゴルフボールおよびゴルフボール部材の様々な特性、例えば硬さが、プレポリマー対硬化剤の比を調節することにより、制御できることに気付いている。この比は、該プレポリマーのNCO含有率および該硬化剤の分子量の関数である。例えば、6%の未反応NCOを含む、1,4-ブタンジオールで硬化されたポリウレアプレポリマーの該比は、15.6:1であり、一方4,4'-ビス-(sec-ブチルアミノ)-ジシクロヘキシルメタン(クリアーリンク1000)で硬化した同一のプレポリマーの該比は、4.36:1である。本発明の目的にとって、プレポリマー対硬化剤のこの比は、好ましくは約0.5:1〜約16:1なる範囲内にある。
組成物添加剤
ポリウレタンおよびポリウレア組成物に、従来から添加されている付随的な物質は、本発明のポリウレタンおよびポリウレアプレポリマー、変性硬化剤ブレンド、または複合組成物に添加することができる。これら付随的な物質は触媒、湿潤剤、着色剤、蛍光増白剤、架橋剤、TiO2およびZnO等の白色体質顔料、UV吸収剤、ヒンダードアミン光安定化剤、消泡剤、加工助剤、界面活性剤、および他の公知の添加剤を含むが、これらに限定されない。例えば、湿潤添加剤を本発明の変性硬化剤ブレンドに添加して、該顔料をより効果的に分散させることが可能である。適当な湿潤剤は、特にバイク-ケムル&クロンプトン社(Byk-Chemle and Crompton Corporation)から入手できる。
酸化防止剤、安定化剤、柔軟剤、内部および外部可塑剤を含む可塑剤、耐衝撃性改良剤、発泡剤、密度調節フィラー、強化材料および相溶化剤を、本発明の任意の組成物に添加することができる。当業者は、これら添加物の添加目的およびこれら目的を満たすのに使用すべきその量を心得ている。
触媒
該ポリウレタンおよびポリウレア組成物両者に関する、該プレポリマーと該硬化剤との反応を促進するために、触媒を使用することも可能である。適当な触媒は、ビスマス触媒;亜鉛オクトエート;第一錫オクトエート;錫触媒、例えばジブチル錫ジラウレート(エアープロダクツ&ケミカルズ社(Air Products and Chemicals, Inc.)により製造されている、ダブコ(DABCOTM) T-12)、ジブチル錫ジアセテート(ダブコ(DABCOTM) T-1)、第一錫オクトエート(ダブコ T-9)、塩化錫(II)、塩化錫(IV)、ジブチル錫ジメトキシド(ファスカット(FASCATTM)-4211)、ジメチル-ビス[1-オキソンデシル]オキシ]スタンナン(フォルメッツ(FORMEZTM) UL-28)、ジ-n-オクチル錫ビス-イソオクチルメルカプトアセテート(フォルメッツ UL-29);アミン触媒、例えばトリエチレンジアミン(ダブコ 33-LV)、トリエチルアミンおよびトリブチルアミン;有機酸、例えばオレイン酸および酢酸;遅延触媒、例えばポリカット(POLYCATTM) SA-1、ポリカットSA-2、ポリカット等;およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。一態様では、該触媒は、ジブチル錫ジラウレートである。
この触媒は、好ましくは該反応混合物における成分の反応を触媒するのに十分な量で添加される。一態様において、該触媒は、該組成物基準で、約0.001〜約5質量%なる範囲の量で存在する。例えば、ジブチル錫ジラウレート等の錫触媒を使用する場合、該触媒は、好ましくは約0.005〜約1質量%なる範囲の量で存在する。別の態様では、該触媒は、約0.05質量%以上の量で存在する。他の態様では、該触媒は、約0.5質量%以上の量で存在する。
典型的に全組成物を基準として、約0〜約0.04質量%なる範囲の、低濃度での錫触媒の使用は、適当な反応速度を達成するのに高温度を必要とし、これは該プレポリマーの分解を起こす可能性がある。従来見られない高濃度まで触媒量を高めることにより、匹敵する硬化段階を維持しつつ、加工温度を低下することが可能となる。より高い濃度での触媒の使用は、混合速度を低下することをも可能とする。従って、一態様では、該錫触媒は、該組成物を基準として、約0.01〜約0.55質量%なる範囲の量で存在する。もう一つの態様では、約0.05〜約0.4質量%なる範囲の錫触媒が、該組成物中に存在する。更に別の態様では、該錫触媒は、約0.1〜約0.25質量%なる範囲の量で存在する。
密度-調節フィラー
フィラーを、本発明のポリウレタンおよびポリウレア組成物に添加して、レオロジーおよび混合性、比重(即ち、密度-調節フィラー)、弾性率、引裂き強さ、強化等に影響を与えることができる。これらフィラーは、一般的に無機物であり、また適当なフィラーは、多数の金属、金属酸化物および塩、例えば酸化亜鉛および酸化錫、並びに硫酸バリウム、硫酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、粘土、タングステン、炭化タングステン、一連のシリカ、リグラインド(典型的に約30メッシュサイズの粒子にまで粉砕されたリサイクルコア材料)、高-ムーニー粘度ゴムリグラインド、およびこれらの混合物を含む。
例えば、本発明の組成物は、当業者には公知であるように、広範囲の密度-調節フィラー、例えばセラミック、ガラス球(中実または中空、および充填または未充填)、および繊維、無機粒子、および金属粒子、例えば金属フレーク、金属粉末、酸化物およびその誘導体と混合することにより強化できる。このようなフィラーの選択は、以下に十分詳しく説明するように、所定のゴルフボールの型、即ちワンピース、ツーピース、多成分、または糸巻きボールに依存する。一般的に、該フィラーは、4 g/ccを越える密度を持つ無機物質であり、問題とする層内に含まれる該ポリマー成分の全質量を基準として、約5〜約65質量%なる範囲の量で存在する。有用なフィラーの例は、酸化亜鉛、硫酸バリウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、およびシリカ並びに他の公知の対応する塩およびその酸化物を包含する。
また、フィラーはコアまたは特性ボール用の少なくとも一つの付随的な層の質量を変えるのに使用でき、例えば低質量ボールは、スイング速度の低い競技者に好まれる。
発泡剤
本発明の組成物は、少なくとも1種の物理的または化学的な発泡剤を添加することにより製造することもできる。発泡性ポリマーの使用は、ゴルフボールデザイナーによるゴルフボールの密度または質量分布の調節、結果的な慣性モーメントの調節、即ち該ボールのスピン速度および性能の調節を可能とする。発泡性材料は、またポリマー材料の使用量の低下による経費節減の可能性をももたらす。
有用な発泡剤は、有機発泡剤、例えばアゾビスホルムアミド;アゾビスイソブチロニトリル;ジアゾアミノベンゼン;N,N-ジメチル-N,N-ジニトロソテレフタルアミド;N,N-ジニトロソペンタメチレンテトラミン;ベンゼンスルホニルヒドラジド;ベンゼン-1,3-ジスルホニルヒドラジド;ジフェニルスルホン-3,3-ジスルホニルヒドラジド;4,4'-オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド;p-トルエンスルホニルセミカルバジド;バリウムアゾジカルボキシレート;ブチルアミンニトリル;ニトロウレア;トリヒドラジノトリアジン;フェニル-メチル-ウレタン;p-スルホニルヒドラジド;パーオキシド;および無機発泡剤、例えば重炭酸アンモニウムおよび重炭酸ナトリウムを含むが、これらに制限されない。空気、窒素、二酸化炭素等のガスを、該射出成型工程中に、該組成物に吹き込むこともできる。
更に、本発明の発泡組成物は、該成型工程中またはその前に、該組成物と微小球とをブレンドすることによって製造することも可能である。ポリマー、金属、セラミックおよびガラス微小球が、本発明において有用であり、またこれらは、中実、中空および充填または未充填であり得る。特に、直径約1000μmまでの微小球が有用である。
射出成型または圧縮成型を利用して、発泡ポリマー材料を含む層またはコアを製造できる。例えば、本発明の組成物は、熱成型可能であり、従って圧縮成型可能である。圧縮成型し、グラフト化した、メタロセン触媒ポリマーブレンド層に関しては、半球状シェルを公知の半球シェル金型内で、グラフトした、メタロセン触媒ポリマーブレンドを射出成型することにより、あるいは発泡、グラフト化メタロセン触媒ポリマーのシートを圧縮成型することにより製造できる。該半球状シェルは、先に製造した中心部またはコア、カバー、またはマントル層の周りに配置され、またこのアセンブリーは、圧縮成型装置に導入され、約121〜204℃(約250〜400°F)にて圧縮成型される。この成型したボールを、次に依然として金型内にて冷却し、該グラフトした、メタロセン触媒ポリマーブレンド層が、変形を起こすこと無しに取り扱うのに十分な硬さとなったら、最終的に金型から取り出す。追加のコア、マントルおよびカバー層を、次に必要に応じて、完全なボールができるまで、前に成型した層上に、形成する。
光安定剤
本発明の組成物は、そこに含まれる不飽和成分に起因する、著しい黄変を防止するために、少なくとも1種の光安定剤を含むことができる。光安定剤の使用は、例えば約15以上の黄色度(*Y)における差をもつ組成物にとって好ましいが、約12〜約15なる範囲の黄色度差を持つ組成物に添加しても良い。ここで使用する光安定剤は、ヒンダードアミン光安定剤、紫外(UV)吸収剤、および酸化防止剤を含むものと理解することができる。
適当な光安定剤は、チヌビン(TINUVINTM)292、チヌビン328、チヌビン213、チヌビン765、チヌビン770およびチヌビン662を含むが、これらに限定されない。チヌビン製品は、チバガイギー(Ciba-Geigy)社から入手できる。一態様において、該光安定剤は、UV吸収剤チヌビン328であり、これは芳香族化合物と共に使用するのに有用である。別の態様において、ヒンダードアミン光安定剤チヌビン765を、芳香族または脂肪族化合物と共に使用する。更に、チヌビン292も、本発明の芳香族または脂肪族組成物と共に使用することができる。
上で論じたように、染料、並びに蛍光増白剤および蛍光性顔料も、本発明に従って製造したポリマーから作成した、該ゴルフボールカバー中に含めることができる。このような付随的な成分は、その所定の目的を達成するであろう、任意の量で添加できる。
以上議論したように、不飽和成分は時間の経過に伴って黄変するので、本発明の組成物は、好ましくは飽和成分のみを含む。飽和組成物は耐変色性であるが、屋外暴露の際のその機械的諸特性における劣化に対して抵抗性を示さない。上記組成物の何れかに対する、UV吸収剤および光安定剤の添加は、引張り強さ、伸びおよび色の安定性を維持するのに役立つ可能性がある。光安定化成分の使用も、光分解によるカバー表面の破壊を防止する上で役立つ可能性がある。従って、上に列挙したような適当なUV吸収剤および光安定剤も、本発明の飽和組成物に配合することができる。
得られるポリウレアエラストマーの剪断抵抗および耐熱性を改善するために、多官能性の硬化剤を使用して、架橋性の改善を助けることができる。本発明の一態様では、該多官能性の硬化剤を、上で詳述したように、相溶性の凝固点硬化剤で変性する。例えば、トリメチロールプロパン等のトリオールまたはN,N,N',N'-テトラキス-(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン等のテトラオールを、該組成物に添加できる。
一態様では、3,3'-ジメチル-4,4'-ジアミノジシクロヘキシルメタンまたは4,4'-ジアミノジシクロヘキシルメタン等の一級ジアミンを、該ポリウレア組成物に添加する。ポリウレアエラストマーの架橋性を改善するのに有用なトリアミン硬化剤は、プロピレンオキシドを主成分とするトリアミン;トリメチロールプロパンを主成分とするトリアミン;グリセリンを主成分とするトリアミン;N,N-ビス-{2-[(アミノカルボニル)アミノ]エチル}-ウレア;N,N',N”-トリス-(2-アミノエチル)-メタントリアミン;N1-(5-アミノペンチル)-1,2,6-ヘキサントリアミン;1,1,2-エタントリアミン;N,N',N”-トリス-(3-アミノプロピル)-メタントリアミン;N1-(2-アミノエチル)-1,2,6-ヘキサントリアミン;N1-(10-アミノデシル)-1,2,6-ヘキサントリアミン;1,9,18-オクタデカントリアミン;4,10,16,22-テトラアザペンタコサン-1,13-25-トリアミン;N1-{3-[[4-[(3-アミノプロピル)アミノ]ブチル]アミノ]プロピル}-1,2,6-ヘキサントリアミン;ジ-9-オクタデセニル-(Z,Z)-1,2,3-プロパントリアミン;1,4,8-オクタントリアミン;1,5,9-ノナントリアミン;1,9,10-オクタデカントリアミン;1,4,7-ヘプタントリアミン;1,5,10-デカントリアミン;1,8,17-ヘプタデカントリアミン;1,2,4-ブタントリアミン;プロパントリアミン;1,3,5-ペンタントリアミン;N1-{3-[[4-[(3-アミノプロピル)アミノ]ブチル]アミノ]プロピル}-1,2,6-ヘキサントリアミン;N1-{4-[(3-アミノプロピル)アミノ]ブチル}-1,2,6-ヘキサントリアミン;2,5-ジメチル-1,4,7-ヘプタントリアミン;N1-(6-アミノヘキシル)-1,2,6-ヘキサントリアミン;6-エチル-3,9-ジメチル-3,6,9-ウンデカントリアミン;1,5,11-ウンデカントリアミン;1,6,11-ウンデカントリアミン;N,N-ビス-(アミノメチル)-メタンジアミン;N,N-ビス-(2-アミノエチル)-1,3-プロパンジアミン;N1-(2-アミノエチル)-N2-(3-アミノプロピル)-1,2,5-ペンタントリアミン;N1-(2-アミノエチル)-1,2,6-ヘキサントリアミン;2,6,11-トリメチル-2,6,11-ドデカントリアミン;1,1,3-プロパントリアミン;6-(アミノメチル)-1,4,9-ノナントリアミン;1,2,6-ヘキサントリアミン;N2-(2-アミノエチル)-1,1,2-エタントリアミン;1,3,6-ヘキサントリアミン;N,N-ビス-(2-アミノエチル)-1,2-エタンジアミン;3-(アミノエチル)-1,2,4-ブタントリアミン;1,1,1-エタントリアミン;N1,N1-ビス-(2-アミノエチル)-1,2-プロパンジアミン;1,2,3-プロパントリアミン;2-メチル-1,2,3-プロパントリアミン;およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
芳香成分
本発明のポリウレタンまたはポリウレア組成物で使用される幾つかの材料は、事実上臭気を放ち、あるいは他の材料または酸素と反応して悪臭を発生する。例えば、硬化剤エタキュア(Ethacure)300の臭気は、ジメチルジスルフィド(DMDS)に起因し、この物質は酸素と反応する。ここで使用する、材料または生分は、臭気の閾値が、空気中で0.029 mg/m3なる閾値を越えた場合に、悪臭を発生する。芳香またはマスキング成分は、悪臭排除のために、本発明の組成物に添加することができる。
該芳香成分は、好ましくは該組成物基準で、約0.01〜約1.5質量%なる範囲の量で添加される。一態様では、この芳香成分は、該組成物基準で、約0.03質量%以上の量で、該組成物に添加される。他の態様では、この芳香成分は、約1.2質量%以下の量で、該組成物に添加される。更に別の態様では、該芳香成分は、該組成物基準で、約0.5〜約1質量%なる範囲の量で添加される。例えば、該芳香成分の最適の量は、該組成物を基準として約0.08質量%であり得るが、より多量で添加することにより、必要な効果を高めることができる。
適当な芳香成分は、ロングラスティングフレグランスマスク(Long Lasting Fragrance Mask)#59672、#46064および#55248;ノンデスクリプトフレグランスマスク(Non-Descript Fragrance Mask)#97779;フレッシュ&クリーンフレグランスマスク(Fresh and Clean Fragrance Mask)#88177;およびガーデンフレッシュフレグランスマスク(Garden Fresh Fragrance Mask)#87473を含むが、これらに制限されず、これらは全て、NJ州、マハワのフレーバー&フレグランススペシャルティーズ(Flavor and Fragrance Specialties)社により製造されている。本発明の組成物に添加できる芳香成分の他の非-限定的例は、ベンズアルデヒド、ベンジルベンゾエート、ベンジルプロピオネート、ベンジルサリチレート、ベンジルアルコール、シンナムアルデヒド、植物起源の天然油および精油、およびこれらの混合物を包含する。
組成物ブレンド
本発明の組成物は、好ましくは約1〜約100%なる範囲のポリウレタンまたはポリウレアを含むが、該組成物がポリウレタンを主成分とするか、あるいはポリウレアを主成分とするかによって、該組成物を他の材料とブレンドすることができる。一態様において、該組成物は、約10〜約90%なる範囲のポリウレタンまたはポリウレアを、好ましくは約10〜約75%なる範囲のポリウレタンまたはポリウレアを含み、また約90〜約10%、より好ましくは約90〜約25%なる範囲の、以下に記載するような他のポリマーおよび/または他の材料を含む。
本発明の組成物とブレンドするのに適した他のポリマー材料は、注型適性を持つ熱可塑性または熱硬化性ポリウレタン、カチオン性およびアニオン性ウレタンイオノマーおよびウレタンエポキシ樹脂、ポリウレタン/ポリウレアイオノマー、エポキシ樹脂、ポリエチレン、ポリアミドおよびポリエーテル、ポリカーボネート、ポリアクリリン(polyacrylin)、およびこれらの混合物を包含する。適当なウレタンイオノマーの例は、米国特許第5,692,974号に記載されており、その開示事項全体を本発明の参考とする。適当なポリウレタンの他の例は、米国特許第5,334,673号に記載されており、その開示事項全体を本発明の参考とする。上記ポリウレアイオノマーを製造するのに使用する適当なポリウレアの例は、米国特許第5,484,870号に記載されている。特に、米国特許第5,484,870号に記載のポリウレアは、ポリイソシアネートと、ポリアミン硬化剤との反応により製造されたポリウレアであり、これらは、ポリウレアプレポリマーと硬化剤とから製造される本発明のポリウレアとは異なっている。エポキシ基含有硬化剤で硬化された、適当なポリウレタンの例は、米国特許第5,908,358号に記載されている。上記特許の開示事項全体を、本発明の参考とする。これらの例は、本発明と共に使用するブレンドの非-限定例である。
組成物の酸官能化
本発明は、また「新規な酸官能性ポリウレタン、ポリウレアまたはそのコポリマーを含むゴルフボール組成物」と題する、2002年2月5日付出願の米国特許出願第10/072,395号に記載されているような、本発明のポリウレタンおよびポリウレア組成物の酸官能化をも意図する。この米国特許出願の開示事項全体を本発明の参考とする。如何なる理論にも拘泥するつもりはないが、酸官能性部分または基を含むポリウレタンおよびポリウレアは、他の成分または層に対する、改善された接着性を持つものと考えられる。該酸性官能基は、好ましくはスルホン酸基(HSO3)、カルボン酸基(HCO2)、リン酸基(H2PO3)またはこれらの組合せを主成分とする。1種以上の型の酸官能基を、該ポリウレタンまたはポリウレアに組み込むことができる。
一態様において、該酸官能性ポリウレタンまたはポリウレアは、酸官能性部分を持つプレポリマーから製造される。この酸性基は、ポリウレタン組成物を製造する場合には、そのイソシアネート部分またはポリオール成分に組み込むことができる。本発明のポリウレア組成物を製造する場合、該酸性基はそのイソシアネートまたはポリエーテルアミン成分に組み込むことができる。
本発明のポリウレタン組成物において使用する適当な酸官能性ポリオールは、このような酸官能性ポリオールを得るのに使用する試薬および方法と共に、米国特許第5,661,207号および同第6,103,822号に記載されている。これら特許の開示事項全体を本発明の参考とする。一態様において、ポリウレタンプレポリマーにおいて使用する、酸官能性ポリオールは、ポリエステルポリオールのカルボキシレート、スルホネートまたはホスホネート誘導体を含む。適当な酸官能性ポリオールは、少なくとも約10、好ましくは約20〜約420、より好ましくは約25〜約150および最も好ましくは約30〜約75なる範囲内の、酸価(酸の当量質量で56,100を割ることにより算出)を持つことができる。更に、このポリオールのヒドロキシ価(ヒドロキシルの当量質量で56,100を割ることにより算出)は、少なくとも約10、好ましくは約20〜約840、およびより好ましくは約20〜約175、および最も好ましくは約50〜約150なる範囲内にある。これらポリオールは、また少なくとも約1.8、好ましくは約2〜約4なる範囲内の、ヒドロキシ官能価(ポリオール1分子当たりのヒドロキシル基の平均数)を持つことができる。
適当な酸官能性イソシアネートは、米国特許第4,956,438号および同第5,071,578号に記載されているように、イソシアネートと酸官能性基含有化合物との反応によって形成し得る、酸官能性基を持つ公知のイソシアネートを含む。上記米国特許の開示事項全体を、本発明の参考とする。
該酸性基は、また重合後の反応中に導入することも可能であり、この場合、該酸官能基は、該ポリウレタンまたはポリウレアに導入または結合される。更に、上記のような共重合によって製造された、該酸官能性ポリウレアまたはポリウレタンは、このような重合後の反応により、追加の酸官能基を更に導入することも可能である。該ポリウレタンまたはポリウレアに酸官能基を導入するための適当な試薬およびその製法は、米国特許第6,207,784号に記載されており、その内容全体を本発明の参考とする。
当業者は、該酸官能性ポリウレアまたはポリウレタンの他の製法を知っているはずである。例えば、米国特許第5,661,207号に記載されているように、上記態様の組合せを利用することができる。この特許の開示事項全体を、本発明の参考とする。
この酸官能性ポリウレタンまたはポリウレアを、有機または無機金属塩基および/または三級アミンによって、部分的にまたは完全に中和して、アニオン性のポリウレタン/ポリウレアイオノマーを得ることができる。該塩基は、該プレポリマーを製造する際に、あるいは既に重合された酸官能性ポリウレタンおよびポリウレアに対する、別の中和段階として、添加することができる。これらの段階が同時に起こる場合、これら塩基は、好ましくは全段階を通して存在する。
部分的または完全な中和のために使用する適当な金属塩基は、金属酸化物、金属水酸化物、金属炭酸塩、金属重炭酸塩および金属の酢酸塩等の化合物を含むことができる。金属イオンは、第IA、IB、IIA、IIB、IIIA、IIIB、IVA、IVB、VA、VB、VIA、VIB、VIIBおよびVIIIB族の金属イオンを含むがこれらに限定されない。このような塩基の好ましい金属イオンは、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、亜鉛、カルシウム、マンガン、アルミニウム、タングステン、ジルコニウム、チタンおよびハフニウムを包含する。該アミンは、好ましくはヒンダード有機第三アミン、例えばトリブチルアミン、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ジメチルセチルアミンおよび同様な化合物である。第一または第二アミンを使用することも可能であり、好ましくは該中和段階が、該ポリマーの生成後に起こる場合においてのみ使用する。というのは、該アミンの水素原子が、該イソシアネート基と容易に反応して、該ポリウレアまたはポリウレタンの重合を妨害するからである。当業者は、中和用の他の適当な試薬を知っているはずである。
ゴルフボールコア層
本発明に従って製造したゴルフボールコアは、中実、半固体、中空、流体充填または粉末充填状態の、ワンピースまたは多成分コアであり得る。ここで使用する用語「半固体」とは、ペースト、ゲル等を意味する。当業者にとって公知の任意のコア材料が、本発明のゴルフボールにおいて使用するのに適している。適当なコア材料は、熱硬化性材料、例えばゴム、スチレンブタジエン、ポリブタジエン、イソプレン、ポリイソプレン、trans-イソプレン、並びに熱可塑性材料、例えばイオノマー樹脂、ポリアミドまたはポリエステル、および熱可塑性並びに熱硬化性ポリウレタンエラストマーを包含する。上記のように、本発明のポリウレタンまたはポリウレア組成物は、上記コアを含むゴルフボールの任意の部材に配合することができる。
一態様において、該ゴルフボールコアは、基材としてのゴム(天然、合成またはその組合せ)、架橋剤およびフィラーを含む組成物から作られる。もう一つの態様では、該ゴルフボールコアは、シス-トランス触媒、ポリブタジエンを含む弾性ポリマー成分、遊離基源、および場合により架橋剤、フィラーまたはこれら両者を含む、反応生成物から作られる。ポリマー、シス-トランス触媒、フィラー、架橋剤および遊離基源、例えば2002年7月9日付出願の、「ゴムコアを持つ、低圧縮率、弾性ゴルフボール」と題する、継続中、かつ同一出願人に譲渡された、米国特許出願第10/190,705号(この特許出願の開示事項全体を本発明の参考とする)に記載されているようなものの、様々な組合せを使用して、該反応生成物を製造できる。このポリブタジエン反応生成物は、コア組成物に関連する章で論じられるが、本発明はゴルフボールの任意の部材における、少なくとも一部を製造するのに、この反応生成物を使用することにも関する。
ポリブタジエン成分
高レジリエンスおよび低圧縮率を得るために、好ましくは約40%を越えるシス-異性体含有率を持つ、高分子量ポリブタジエンを、該ゴルフボールまたはその部分の任意の点における、トランス-異性体含有率を高めるように転化する。一態様において、該シス-異性体は、全ポリブタジエン含有率の、約70%を越える量、好ましくは約80%を越える量およびより好ましくは約90%を越える量で存在する。更に別の態様において、該シス-異性体は、全ポリブタジエン含有率の、約95%を越える量およびより好ましくは約96%を越える量で存在する。
初期のポリブタジエン、および該反応生成物においては、少量の1,2-ポリブタジエン異性体(ビニル-ポリブタジエン)を含むことが望ましい。もう一つの態様では、該ビニル-ポリブタジエン異性体含有率は、約7%未満、好ましくは約4%未満およびより好ましくは約2%未満である。
このポリブタジエン材料は、約200,000を越える分子量を持つことができる。一態様において、該ポリブタジエンの分子量は約250,000を越え、より好ましくは約300,000〜500,000なる範囲にある。もう一つの態様では、該ポリブタジエンの分子量は約400,000以上である。この物質の多分散性は、約2以下、より好ましくは1.8以下、およびより一層好ましくは1.6以下である。
一態様において、該ポリブタジエンは、約20を越える、好ましくは約30を越える、およびより好ましくは約40を越えるムーニー粘度を持つ。ムーニー粘度は、典型的にASTM-1646に従って測定する。もう一つの態様では、該ポリブタジエンのムーニー粘度は約35を越え、好ましくは約50を越える。一態様において、未加硫のポリブタジエンのムーニー粘度は約40〜約80なる範囲にある。もう一つの態様では、該ムーニー粘度は約45〜約60なる範囲、より好ましくは約45〜約55なる範囲にある。
一態様において、ゴルフボール中心部の組成は、少なくとも約40なるレジリエンス指数を持つ、少なくとも1種のゴム材料を含む。もう一つの態様では、該少なくとも1種のゴム材料のレジリエンス指数は、少なくとも約50である。
望ましいポリブタジエンゴムの例は、OHアクロンのバイエル(Bayer)社から市販品として入手できる、ブナ(BUNATM)CB22およびブナCB23;日本、東京のウベ工業(UBE Industries)社から市販品として入手できる、ウベポール(UBEPOLTM)150L;およびTXヒューストンのシェル(Shell)社から市販品として入手できる、カリフレックス(CARIFLEXTM)BCP820およびカリフレックスBCP824を含む。所望ならば、該ポリブタジエンを、当分野において公知の他のエラストマー、例えば天然ゴム、ポリイソプレンゴムおよび/またはスチレン-ブタジエンゴムと混合して、該コアの特性を変更することも可能である。
触媒
如何なる特別な理論にも拘泥するつもりはないが、該遊離基源と組合される、該シス-トランス触媒成分は、該ポリブタジエンポリマー成分のある割合を、シス配座からトランス配座に転化するように機能する。このように、シス-トランス転化は、好ましくはシス-トランス触媒、例えば有機硫黄化合物または金属-含有化合物、硫黄または金属を含まない、置換または無置換の芳香族有機化合物、無機スルフィド化合物、芳香族有機金属化合物、またはこれらの混合物の存在を含む。
ここで使用する「シス-トランス触媒」とは、所定温度にて、シス-異性体の少なくとも一部をトランス-異性体に転化する任意の成分またはその組合せを意味する。該シス-トランス触媒成分は、1種以上のここに記載するシス-トランス触媒を含むことができるが、典型的には少なくとも1種の有機硫黄成分、第VIA族成分、無機スルフィド、またはこれらの組合せを含む。一態様において、該シス-トランス触媒は、有機硫黄成分と無機スルフィド成分または第VIA族成分とのブレンドである。
本発明に言及する際にここで使用する用語「有機硫黄成分」または「有機硫黄化合物」とは、炭素、水素および硫黄を含む任意の化合物を意味する。ここで使用する用語「硫黄成分」とは、元素状硫黄、ポリマー状硫黄、またはこれらの組合せとしての成分を意味する。更に、「元素状硫黄」とは、S8のリング構造を意味し、また「ポリマー状硫黄」とは、該元素状硫黄に対して、少なくとも一つの付随的な硫黄原子を含む構造を意味するものと、理解すべきである。
該シス-トランス触媒は、典型的に全弾性ポリマー成分を基準として、約5〜70%のトランス-異性体ポリブタジエンを含むように、該トランス-ポリブタジエン異性体含有率を高めた反応生成物を製造するのに十分な量で存在する。該シス-トランス触媒は、該トランス-ポリブタジエン異性体含有率を少なくとも約15%、より好ましくは少なくとも約20%、および更に一層好ましくは少なくとも約25%に高めるのに十分な量で存在する。
従って、該シス-トランス触媒は、好ましくは全弾性ポリマー成分100部当たり、約0.1〜約25部なる量で存在する。ここで使用する用語「100部当たりの部」は、「phr」として知られ、全ポリマー成分100質量部に対して、混合物中のある特定成分の質量部数として定義される。数学的に、これは、ある成分の質量を該ポリマーの全質量で割り、ファクタ100を乗じたものとして表すことができる。一態様において、該シス-トランス触媒は、全弾性ポリマー成分に対して、約0.1〜約12phrなる範囲の量で存在する。もう一つの態様において、該シス-トランス触媒は、全弾性ポリマー成分に対して、約0.1〜約10phrなる範囲の量で存在する。更に別の態様において、該シス-トランス触媒は、全弾性ポリマー成分に対して、約0.1〜約8phrなる範囲の量で存在する。更に別の態様において、該シス-トランス触媒は、全弾性ポリマー成分に対して、約0.1〜約5phrなる範囲の量で存在する。上記範囲の下限は、0.1phrが所定の転化率を与えない場合には、高くすることができる。例えば、該シス-トランス触媒の存在量は、約0.5phr以上、0.75phr以上、1.0以上であり得、また1.5以上でもあり得る。
本発明で使用する適当な有機硫黄化合物は、少なくとも1種のジフェニルジスルフィド;4,4'-ジトリルジスルフィド;2,2'-ベンズアミドジフェニルジスルフィド;ビス-(2-アミノフェニル)ジスルフィド;ビス-(4-アミノフェニル)ジスルフィド;ビス-(3-アミノフェニル)ジスルフィド;2,2'-ビス-(4-アミノナフチル)ジスルフィド;2,2'-ビス-(3-アミノナフチル)ジスルフィド;2,2'-ビス-(4-アミノナフチル)ジスルフィド;2,2'-ビス-(5-アミノナフチル)ジスルフィド;2,2'-ビス-(6-アミノナフチル)ジスルフィド;2,2'-ビス-(7-アミノナフチル)ジスルフィド;2,2'-ビス-(8-アミノナフチル)ジスルフィド;1,1'-ビス-(2-アミノナフチル)ジスルフィド;1,1'-ビス-(3-アミノナフチル)ジスルフィド;1,1'-ビス-(3-アミノナフチル)ジスルフィド;1,1'-ビス-(4-アミノナフチル)ジスルフィド;1,1'-ビス-(5-アミノナフチル)ジスルフィド;1,1'-ビス-(6-アミノナフチル)ジスルフィド;1,1'-ビス-(7-アミノナフチル)ジスルフィド;1,1'-ビス-(8-アミノナフチル)ジスルフィド;1,2'-ジアミノ-1,2'-ジチオジナフタレン;2,3'-ジアミノ-1,2'-ジチオジナフタレン;ビス-(4-クロロフェニル)ジスルフィド;ビス-(2-クロロフェニル)ジスルフィド;ビス-(3-クロロフェニル)ジスルフィド;ビス-(4-ブロモフェニル)ジスルフィド;ビス-(2-ブロモフェニル)ジスルフィド;ビス-(3-ブロモフェニル)ジスルフィド;ビス-(4-フルオロフェニル)ジスルフィド;ビス-(4-ヨードフェニル)ジスルフィド;ビス-(2,5-ジクロロフェニル)ジスルフィド;ビス-(3,5-ジクロロフェニル)ジスルフィド;ビス-(2,4-ジクロロフェニル)ジスルフィド;ビス-(2,6-ジクロロフェニル)ジスルフィド;ビス-(2,5-ジブロモフェニル)ジスルフィド;ビス-(3,5-ジブロモフェニル)ジスルフィド;ビス-(2-クロロ-5-ブロモフェニル)ジスルフィド;ビス-(2,4,6-トリクロロフェニル)ジスルフィド;ビス-(2,3,4,5,6-ペンタクロロフェニル)ジスルフィド;ビス-(4-シアノフェニル)ジスルフィド;ビス-(2-シアノフェニル)ジスルフィド;ビス-(4-ニトロフェニル)ジスルフィド;ビス-(2-ニトロフェニル)ジスルフィド;2,2'-ジチオ安息香酸エチル;2,2'-ジチオ安息香酸メチル;2,2'-ジチオ安息香酸;4,4'-ジチオ安息香酸エチル;ビス-(4-アセチルフェニル)ジスルフィド;ビス-(2-アセチルフェニル)ジスルフィド;ビス-(4-ホルミルフェニル)ジスルフィド;ビス-(4-カルバモイルフェニル)ジスルフィド;1,1'-ジナフチルジスルフィド;2,2'-ジナフチルジスルフィド;1,2'-ジナフチルジスルフィド;2,2'-ビス-(1-クロロジナフチル)ジスルフィド;2,2'-ビス-(1-ブロモナフチル)ジスルフィド;1,1'-ビス-(2-クロロナフチル)ジスルフィド;2,2'-ビス-(1-シアノナフチル)ジスルフィド;2,2'-ビス-(1-アセチルナフチル)ジスルフィド等;およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。最も好ましい有機硫黄化合物は、ジフェニルジスルフィド、4,4'-ジトリルジスルフィド、またはこれらの混合物、特に4,4'-ジトリルジスルフィドを含む。
一態様において、該少なくとも1種の有機硫黄成分は、実質的に金属を含まない。ここで使用する用語「実質的に金属を含まない」とは、約10質量%未満、好ましくは約5質量%未満、より好ましくは約3質量%未満、より一層好ましくは約1質量%未満、および最も好ましくは約0.01質量%未満を意味する。硫黄または金属を含まない、適当な置換または無置換の芳香族有機成分は、ジフェニルアセチレン、アゾベンゼン、またはこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。該芳香族有機基は、好ましくはそのサイズにおいて、C6〜C20および好ましくはC6〜C10なる範囲にある。
一態様において、該有機硫黄シス-トランス触媒は、該反応生成物中に約0.5phr以上の量で存在する。もう一つの態様において、有機硫黄成分を包含する該シス-トランス触媒は、該反応生成物中に約0.6phr以上の量で存在する。更に別の態様において、有機硫黄成分を包含する該シス-トランス触媒は、該反応生成物中に約1.0phr以上の量で存在する。更に別の態様において、有機硫黄成分を包含する該シス-トランス触媒は、該反応生成物中に約2.0phr以上の量で存在する。
適当な金属-含有有機硫黄成分は、ジエチルジチオカルバメート、ジアミルジチオカルバメートおよびジメチルジチオカルバメートのカドミウム、銅、鉛およびテルル類似体またはこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。一態様において、該金属-含有有機硫黄シス-トランス触媒は、該反応生成物中に約1.0phr以上の量で存在する。もう一つの態様において、第VIA族成分を含む該シス-トランス触媒は、該反応生成物中に約2.0phr以上の量で存在する。更に別の態様において、第VIA族成分を含む該シス-トランス触媒は、該反応生成物中に約2.5phr以上の量で存在する。更に別の態様において、第VIA族成分を含む該シス-トランス触媒は、該反応生成物中に約3.0phr以上の量で存在する。
該有機硫黄成分は、またハロゲン化有機硫黄化合物であっても良い。ハロゲン化有機硫黄化合物は、以下の一般式で表される化合物を含むが、これらに限定されない:



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ここで、R1-R5は、任意の順序でC1-C8アルキル基;ハロゲン原子;チオール基(-SH)、カルボキシレート基;スルホネート基;および水素原子であり得、またペンタフルオロチオフェノール;2-フルオロチオフェノール;3-フルオロチオフェノール;4-フルオロチオフェノール;2,3-フルオロチオフェノール;2,4-フルオロチオフェノール;3,4-フルオロチオフェノール;3,5-フルオロチオフェノール;2,3,4-フルオロチオフェノール;3,4,5-フルオロチオフェノール;2,3,4,5-テトラフルオロチオフェノール;2,3,5,6-テトラフルオロチオフェノール;4-クロロテトラフルオロチオフェノール;ペンタクロロチオフェノール;2-クロロチオフェノール;3-クロロチオフェノール;4-クロロチオフェノール;2,3-クロロチオフェノール;2,4-クロロチオフェノール;3,4-クロロチオフェノール;3,5-クロロチオフェノール;2,3,4-クロロチオフェノール;3,4,5-クロロチオフェノール;2,3,4,5-テトラクロロチオフェノール;2,3,5,6-テトラクロロチオフェノール;ペンタブロモチオフェノール;2-ブロモチオフェノール;3-ブロモチオフェノール;4-ブロモチオフェノール;2,3-ブロモチオフェノール;2,4-ブロモチオフェノール;3,4-ブロモチオフェノール;3,5-ブロモチオフェノール;2,3,4-ブロモチオフェノール;3,4,5-ブロモチオフェノール;2,3,4,5-テトラブロモチオフェノール;2,3,5,6-テトラブロモチオフェノール;ペンタヨードチオフェノール;2-ヨードチオフェノール;3-ヨードチオフェノール;4-ヨードチオフェノール;2,3-ヨードチオフェノール;2,4-ヨードチオフェノール;3,4-ヨードチオフェノール;3,5-ヨードチオフェノール;2,3,4-ヨードチオフェノール;3,4,5-ヨードチオフェノール;2,3,4,5-テトラヨードチオフェノール;2,3,5,6-テトラヨードチオフェノール;およびこれらの亜鉛塩であっても良い。
好ましくは、該ハロゲン化有機硫黄化合物は、ペンタクロロチオフェノールであり,これは商品名ストラクトール(STRUKTOLTM)の下で、クリーム状のものとして市販されており、これは45%(2.4部のPCTPに相当)にて硫黄化合物ペンタクロロチオフェノールを含むクレーを主成分とする担体である。ストラクトールは、OH、ストウの米国ストラクトール社(Struktol Company)から市販品として入手できる。PCTPは、CA、サンフランシスコのエキナケム(EchinaChem)社からクリーム状で市販品として入手できる。最も好ましくは、該ハロゲン化有機硫黄化合物は、ペンタクロロチオフェノールの亜鉛塩であり、これはCA、サンフランシスコのエキナケム社から市販品として入手できる。本発明のハロゲン化有機硫黄化合物は、好ましくは約2.2phrを越える量、より好ましくは約2.3〜約5phrなる範囲の量および最も好ましくは約2.3〜約4phrなる範囲の量で存在する。
該シス-トランス触媒は、また第VIA族成分をも含む。ここで使用する用語「第VIA族成分」または「第VIA族元素」とは、硫黄成分、セレン、テルルまたはこれらの組合せを含む成分を意味する。元素状硫黄およびポリマー状硫黄は、例えばOH、チャードンのエラストケム社(Elastochem, Inc.)から市販品として入手できる。硫黄触媒化合物の例は、各々エラストケム社から入手できる、PB(RM-S)-80元素状硫黄およびPB(CRST)-65ポリマー状硫黄を含む。商品名テロイ(TELLOY)の下で入手できるテルル触媒の例および商品名バンデックス(VANDEX)の下で入手できるセレン触媒の例は、夫々CT、ノルウォークのRTバンダービルト(RT Vanderbilt)から市販品として入手できる。
一態様において、第VIA族成分を含む該シス-トランス触媒は、該反応生成物中に、約0.25phr以上の量で存在する。もう一つの態様において、第VIA族成分を含む該シス-トランス触媒は、該反応生成物中に、約0.5phr以上の量で存在する。更に別の態様において、第VIA族成分を含む該シス-トランス触媒は、該反応生成物中に、約1.0phr以上の量で存在する。
適当な無機スルフィド成分は、硫化チタン、硫化マンガン、および鉄、カルシウム、コバルト、モリブデン、タングステン、銅、セレン、イットリウム、亜鉛、錫およびビスマスのスルフィド類似体を包含するが、これらに限定されない。一態様において、無機スルフィド成分を含む該シス-トランス触媒は、該反応生成物中に、約0.5phr以上の量で存在する。もう一つの態様において、第VIA族成分を含む該シス-トランス触媒は、該反応生成物中に、約0.75phr以上の量で存在する。更に別の態様において、第VIA族成分を含む該シス-トランス触媒は、該反応生成物中に、約1.0phr以上の量で存在する。
反応生成物が、有機硫黄成分および無機硫黄成分を含むシス-トランス触媒のブレンドを含む場合、好ましくは、該有機硫黄成分は約0.5phr以上、好ましくは1.0phr以上およびより好ましくは約1.5phr以上の量で存在し、また該無機硫黄成分は約0.5phr以上、好ましくは0.75phr以上およびより好ましくは約1.0phr以上の量で存在する。
置換または無置換の芳香族有機化合物も、該シス-トランス触媒中に含めることができる。一態様において、該芳香族有機化合物は、実質的に金属を含まないものである。適当な置換または無置換の芳香族有機化合物は式:(R1)x-R3-M-R4-(R2)yで表される成分を含むが、これらに制限されない。ここで、R1およびR2は、各々水素原子または置換または無置換のC1-20の直鎖または分岐もしくは環式アルキル、アルコキシまたはアルキルチオ基、または単一、複数または縮合環状C6〜C24芳香族基を表し、xおよびyは各々0〜5なる範囲の整数であり、R3およびR4は各々単一、複数または縮合環状C6〜C24芳香族基から選択され、またMはアゾ基または金属成分を含む。R3およびR4各々は、好ましくはC6〜C10芳香族基から選択され、より好ましくはフェニル、ベンジル、ナフチル、ベンズアミドおよびベンゾチアジル基から選択される。R1およびR2各々は、好ましくは置換または無置換のC1-10の直鎖または分岐もしくは環式アルキル、アルコキシまたはアルキルチオ基またはC6〜C10芳香族基から選択される。R1、R2、R3またはR4が置換されている場合、この置換は、1種以上の以下に列挙する置換基を含むことができる:ヒドロキシおよびその金属塩;メルカプトおよびその金属塩;ハロゲン;アミノ、ニトロ、シアノおよびアミド;カルボキシル基含有エステル、酸およびその金属塩;シリル;アクリレートおよびその金属塩;スルホニルまたはスルホンアミド;およびホスフェートおよびホスフィット。Mが金族成分である場合、これは当業者が入手可能な、任意の適当な元素状金属であり得る。典型的に、該金属は遷移金属であるが、好ましくはテルルまたはセレンである。
遊離基源
しばしば遊離基開始剤とも呼ばれる、遊離基源は、本発明の組成物および方法において好ましい。この遊離基源は、典型的にパーオキシド、および好ましくは上記硬化サイクル中に分解する、有機パーオキシドである。適当な遊離基源は、有機パーオキシド化合物、例えばジ-t-アミルパーオキシド、ジ-(2-t-ブチルパーオキシプロピル)ベンゼンパーオキシドまたはα,α-ビス-(t-ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサンまたは1,1-ジ(t-ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、ジクミルパーオキシド、ジ-t-ブチルパーオキシド、2,5-ジ-(t-ブチルパーオキシ)-2,5-ジメチルヘキサン、n-ブチル-4,4-ビス(t-ブチルパーオキシ)バレレート、ラウリルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、t-ブチルヒドロパーオキシド等、およびこれらの任意の混合物を包含する。
その他の例は、PA、フィラデルフィアのエルフアトケム(Elf Atochem)社から市販品として入手できるバロックス(VAROXTM) 231XLおよびバロックスDCP-R;IL、シカゴのアクゾノーベル(Akzo Nobel)社から市販品として入手できるパーコドックス(PERKODOXTM) BCおよびパーコドックス14;およびNJ、トレントンのレインケミー(Rhein Chemie)社から市販品として入手できる、エラストケム(ELASTOCHEMTM) DCP-70を含むが、これらに制限されない。
パーオキシドが、異なる活性を持つ様々な形状で入手できることは周知である。この活性は、典型的に「活性酸素含有率」により定義される。例えば、パーコドックスBCパーオキシドは、98%活性であり、また5.8%なる活性酸素含有率を持ち、一方パーコドックスDCP-70は70%活性であり、また4.18%なる活性酸素含有率をもつ。このパーオキシドは、全弾性ポリマー成分100部当たり約0.1部を越える量、好ましくは全弾性ポリマー成分100部当たり約0.1〜15部なる範囲、およびより好ましくは全弾性ポリマー成分100部当たり約0.2〜5部なる範囲の量で存在する。該パーオキシドが純粋な形で存在する場合、これは好ましくは少なくとも約0.25phr、より好ましくは約0.35〜約2.5phrなる範囲、および最も好ましくは約0.5〜約2phrなる範囲の量で存在する。パーオキシドは、また上記のように異なる活性を持つことが周知である、濃縮状態で入手することもできる。この場合、本発明において、濃縮パーオキシドを使用する場合には、当業者は、該活性によって割ることにより、濃縮パーオキシドについて、純粋なパーオキシドにとって適した濃度を容易に調節できる。例えば、2phrの純粋なパーオキシドは、50%活性を持つ濃縮パーオキシド4phrに等価である(即ち、2÷0.5=4)。
一態様において、遊離基源の量は、約5phr以下であり、しかも約3phr以下であり得る。他の態様では、遊離基源の量は、約2.5phr以下である。更に別の態様において、遊離基源の量は、約2phr以下である。更に別の態様において、遊離基源の量は、約1phr以下、好ましくは約0.75phr以下である。
当業者には、幾つかの本発明によるシス-トランス触媒の存在は、従来の架橋反応と比較して、多量の、例えばここに記載したような量で存在する遊離基源にとってより適している。該遊離基源は、更にあるいは付随的に、一種以上の電子ビーム、UV、またはガンマ線、X-線または任意の他の、遊離基を発生し得る高エネルギー輻射源であっても良い。
一態様において、該遊離基源対該シス-トランス触媒の比は、約10以下であり、また約5以下であり得る。更に、この遊離基源対シス-トランス触媒の比は、約4以下であり得、しかも約2以下であり、また約1以下であり得る。別の態様において、この遊離基源対シス-トランス触媒の比は約0.5以下であり、好ましくは約0.4以下である。更に別の態様においては、この遊離基源対シス-トランス触媒の比は約1.0を越える。更に別の態様では、この遊離基源対シス-トランス触媒の比は約1.5以上であり、好ましくは約1.75以上である。
架橋剤
架橋剤は、該反応生成物の硬さを高めるために含めることができる。適当な架橋剤は、3〜8個の炭素原子を含む不飽和脂肪酸、例えばアクリル酸またはメタクリル酸もしくはモノカルボン酸の金属塩、例えば亜鉛、カルシウム、マグネシウムアクリレート塩等、並びにこれらの混合物の一種以上を含む。その例は、1種以上の金属塩ジアクリレート、ジメタクリレート、およびモノメタクリレートを含むが、これらに制限されない。ここで、該金属はマグネシウム、カルシウム、亜鉛、アルミニウム、ナトリウム、リチウムまたはニッケルである。好ましいアクリレートは、亜鉛アクリレート、亜鉛ジアクリレート、亜鉛メタクリレート、亜鉛ジメタクリレート、およびこれらの混合物を含む。一態様において、亜鉛メタクリレートは、ペンタクロロチオフェノールの亜鉛塩との組合せで使用される。
該架橋剤は、該弾性ポリマー成分におけるポリマー鎖部分を架橋するのに十分な量で存在する必要がある。例えば、所定の圧縮率は、架橋量を調節することによって達成することができる。これは、例えば架橋剤の型および量を変えることにより、当業者には周知の方法で達成できる。該架橋剤は、典型的に該ポリマー成分の約0.1%を越える量、好ましくは該ポリマー成分の約10〜50%なる範囲の量、より好ましくは該ポリマー成分の約10〜40%なる範囲の量で存在する。
一態様において、該架橋剤は、基材ポリマー100部当たり約10部(phr)を越える量、好ましくは該基材ポリマーの約20〜約40phrなる範囲、より好ましくは該基材ポリマーの約25〜約35phrなる範囲の量で存在する。
有機硫黄を該シス-トランス触媒として選択した場合、亜鉛ジアクリレートが、該架橋剤として選択され、また約25phr未満の量で存在する。
促進剤
元素状硫黄またはポリマー状硫黄が、該シス-トランス触媒に含まれる場合、該シス-トランス触媒の性能を改善する目的で促進剤を使用できるものと考えられている。適当な促進剤は、スルフェンアミド、例えばN-オキシジエチレン2-ベンゾチアゾール-スルフェンアミド、チアゾール、例えばベンゾチアジルジスルフィド、ジチオカルバメート、例えばビスマスジメチルジチオカルバメート、チウラム、例えばテトラベンジルチウラムジスルフィド、キサンテート、例えば亜鉛イソプロピルキサンテート、チアジアジン、チオウレア、例えばトリメチルチオウレア、グアナジン、例えばN,N'-ジ-オルト-トリルグアナジン、またはアルデヒドアミン、例えばブチルアルデヒド-アニリン縮合生成物、またはこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
酸化防止剤
典型的に、ゴルフボールコアにおいて使用する化合物の製造業者により供給された材料中に、酸化防止剤が含まれていることから、従来のゴルフボールには、酸化防止剤が含まれている。如何なる理論にも拘泥しないが、反応生成物中における高い濃度での酸化防止剤の存在は、該酸化防止剤が、該遊離基源の少なくとも一部を消費するために、トランス-異性耐含有率の低下をもたらす可能性がある。従って、上記の如く、該反応混合物における該遊離基源を多く(例えば、約3phr)しても、約0.3phrを越える酸化防止剤の量が、実際にシス-トランス転化を補助するのに利用される、遊離基の有効量を大幅に減じてしまう恐れがある。
該組成物における酸化防止剤の存在は、遊離基がシス-トランス転化を十分に補助する能力を阻害する可能性があると考えられるので、該転化のために使用される、十分な量の遊離基を確保する一つの方法は、該組成物中に存在する遊離基の初期濃度を高め、該組成物中の酸化防止剤との相互作用後も、遊離基を十分な量に維持することである。従って、該組成物に与えられる遊離基の初期量は、少なくとも約10%高め、またより好ましくは少なくとも約25%高めて、残留する遊離基の有効量を、所定のシス-トランス転化を与えるのに十分なものとすることができる。該組成物中の酸化防止剤の量に応じて、遊離基の初期量を、少なくとも50%、100%、または必要ならばそれ以上の量増やすことができる。以下において論じるように、該組成物中の遊離基量の選択は、遊離基対酸化防止剤の所定の比に基いて決定することができる。もう一つの方法は、該組成物中の酸化防止剤の量を減じ、あるいは該酸化防止剤を排除することである。例えば、本発明の反応生成物は、実質的に酸化防止剤を含まず、その結果該遊離基の該シス-トランス転化における利用性を高めることができる。ここで使用する用語「実質的に含まない」とは、一般的に該ポリブタジエン反応生成物が、約0.3phr未満の酸化防止剤、好ましくは約0.1phr未満の酸化防止剤、より好ましくは約0.05phr未満の酸化防止剤、および最も好ましくは約0.01phr未満の酸化防止剤を含むことを意味する。
酸化防止剤の量は、転化後のトランス-異性体の含有率との関連でここに示された。例えば、約168℃(335°F)にて11分間硬化された、酸化防止剤0.5phrを含む、ポリブタジエン反応生成物は、該転化反応後に、該中心の外部表面において約15%のトランス-異性体含有率を、また内部位置において約13.4%のトランス-異性体含有率を与える。これに対して、実質的に酸化防止剤を含まない、同一のポリブタジエン反応生成物は、該転化反応後に、外部表面において約32%のトランス-異性体含有率を、また内部位置において約21.4%のトランス-異性体含有率を与える。
一態様において、該遊離基源対酸化防止剤の比は約10を越える。他の態様では、該遊離基源対酸化防止剤の比は約25を越え、好ましくは約50を越える。更に別の態様では、該遊離基源対酸化防止剤の比は約100以上である。更に別の態様では、該遊離基源対酸化防止剤の比は約200以上、好ましくは250以上およびより好ましくは約300以上である。
該反応生成物が、実質的に酸化防止剤を含まない場合、該遊離基源の量は、好ましくは約3phr以下である。一態様において、該遊離基源は、約2.5phr以下、好ましくは約2phr以下の量で存在する。更に別の態様では、該反応生成物中の該遊離基源の量は、約1.5phr以下、好ましくは約1phr以下である。更に別の態様において、該遊離基源は約0.75phr以下の量で存在する。
該反応生成物が約0.1phr以上の酸化防止剤を含む場合、該遊離基源は好ましくは約1phr以上の量で存在する。一態様において、該反応生成物が約0.1phr以上の酸化防止剤を含む場合、該遊離基源は約2phr以上の量で存在する。他の態様において、該遊離基源は、該酸化防止剤が約0.1phr以上の量で存在する場合には、約2.5phr以上の量で存在する。
一態様において、該反応生成物が約0.05phrを越える酸化防止剤を含む場合、該遊離基源は、好ましくは約0.5phr以上の量で存在する。他の態様において、該反応生成物が約0.05phrを越える酸化防止剤を含む場合、該遊離基源は、約2phr以上の量で存在する。更に別の態様において、該遊離基源は、該酸化防止剤が約0.05phr以上の量で存在する場合には、約2.5phr以上の量で存在する。
他の添加物
従来ゴルフボール組成物に含められた追加の材料は、本発明のポリブタジエン反応生成物に添加できる。これら追加の材料は、密度調節フィラー、着色剤、反応促進剤、架橋剤、白色体質顔料、UV吸収剤、ヒンダードアミン光安定剤、消泡剤、加工助剤、および他の公知の添加剤を含むが、これらに限定されない。安定化剤、柔軟剤、内部および外部可塑剤を包含する可塑剤、耐衝撃性改良剤、発泡剤、結合剤(excipients)、強化材料および相溶化剤も、本発明の任意の組成物に添加できる。当分野において周知のこれら物質全ては、その通常の目的に対して、典型的な量で添加される。
例えば、本発明のポリウレタンおよびポリウレア組成物に関連して上で議論したフィラーを、該ポリブタジエン反応生成物に添加して、レオロジーおよび混合特性、比重(即ち、密度-改良フィラー)、弾性率、引裂き強さ、強化度等に影響を与えることができる。フィラーは、また該コアの質量を変えるために使用でき、例えば低質量をもつボールが、低スイング速度を持つ競技者に好まれる。
トランス-異性体転化
上で論じたように、ポリブタジエンコア材料におけるシス-異性体に対するトランス-異性体の割合を高めることが好ましい。一態様において、転化後のトランス-異性体含有率の値は、少なくとも約10%以上であり、一方他の部分においては約12%以上である。他の態様において、トランス-異性体含有率の値は、転化後に、約15%以上である。更に別の態様では、転化後のトランス-異性体含有率の値は、約20%以上であり、またより好ましくは約25%以上である。更に別の態様では、転化後のトランス-異性体含有率の値は、約30%以上であり、また好ましくは約32%以上である。転化後の該トランス-異性体の量は、また約35%以上、約38%以上、あるいは更に約40%以上であっても良い。更に別の態様では、転化後のトランス-異性体の量は、約42%以上であり、あるいは約45%以上であっても良い。
本発明の反応生成物を含む該成分の硬化部分は、内部位置において第一の量のトランス-異性体ポリブタジエンを、また外部表面位置において第二の量のトランス-異性体ポリブタジエンを含むことができる。一態様において、外部表面位置におけるトランス-異性体の量は、内部位置におけるトランス-異性体の量よりも多い。本明細書に与えられる実施例によって更に示されるように、該外部表面と該内部位置との間の、転化後におけるトランス-異性体含有率の差は、該硬化サイクルおよび該転化反応に使用する材料の比に応じて異なる。例えば、これらの差は、該外部部分におけるよりも、該内部部分においてより高いトランス-異性体含有率を持つ中心を得ることを可能とする。
該中心の外部部分は、転化後に、既にここに記載したような量、例えば約10%以上、約12%以上、約15%以上等、また上記のように約45%以上なる量までの量で、トランス-異性体を含むことができる。例えば、本発明の一態様では、該ポリブタジエン反応生成物は、中心部分の該外側表面において、約35%〜60%なる範囲のトランス-異性体を含むことができる。別の態様は、中心部分の該外側表面において、約40%〜50%なる範囲のトランス-異性体を含む。一態様において、該反応生成物は、中心部分の該外側表面において、約45%のトランス-異性ポリブタジエンを含む。一態様において、該中実中心部分の中心における該反応生成物は、従って該外部表面におけるよりも、少なくとも約20%、好ましくは少なくとも約30%、あるいは少なくとも約40%低いトランス-異性体を含むことができる。他の態様では、該内部部分におけるトランス-異性体の量は、該外部表面におけるよりも、少なくとも約6%、好ましくは該第二の量よりも少なくとも約10%低い。
該中心の内部部分および該中心の外側部分間の勾配は、変えることができる。一態様において、転化後の該外部および内部間のトランス-異性体含有率における差は、約3%以上であり、一方他の態様では、この差は約5%以上である。他の態様において、転化後の、該外部表面および内部位置間の差は約10%以上であり、またより好ましくは約20%以上である。更に別の態様において、転化後の、該外部表面および内部位置間の、トランス-異性体含有率における差は約5%以下、約4%以下および約3%以下でさえある。更に別の態様では、転化後の、該外部表面および内部位置間の差は約1%未満である。
反応生成物の諸特性
該ポリブタジエン反応生成物材料は、好ましくは少なくとも約15なるショアA硬さ、より好ましくは約30ショアA〜80ショアDなる範囲内、およびより一層好ましくは約50ショアA〜60ショアDなる範囲内の硬さを持つ。更に、比重は、該ゴルフボールのポリブタジエン材料に対して、典型的に約0.7を越え、好ましくは約1を越える。更に、該ポリブタジエン反応生成物は、好ましくは約3.45〜2067 MPa (約300〜300,000 psi)なる範囲、好ましくは約13.8〜1378 MPa (約2,000〜200,000 psi)なる範囲の曲げ弾性率を持つ。
該ポリブタジエン反応生成物における所定の損失正接は、1Hzなる周波数および1%の歪において測定した場合、-60℃にて約0.15未満であり、30℃にて約0.05である。一態様において、該ポリブタジエン反応生成物材料は、好ましくは-50℃にて約0.1以下、およびより好ましくは-50℃にて約0.07以下の損失正接を持つ。
所定の圧縮剛性(compressive stiffness)を持つゴルフボールを製造するためには、該ポリブタジエン反応生成物材料の動的剛性(dynamic stiffness)は、-50℃にて約50,000 N/m未満であるべきである。好ましくは、この動的剛性は、-50℃にて約10,000〜40,000 N/mなる範囲にあり、より好ましくはこの動的剛性は-50℃にて約20,000〜30,000 N/mなる範囲にあるべきである。
一態様において、この反応生成物は、-50℃にて測定した第一の動的剛性を持ち、この第一の剛性は、0℃にて測定した第二の動的剛性の約130%未満である。もう一つの態様において、該第一の動的剛性は、該第二の動的剛性の約125%未満である。更に別の態様では、該第一の動的剛性は、該第二の動的剛性の約110%未満である。
ゴルフボール中間層
本発明のゴルフボールが、中間層、例えば内側カバー層または外側コア層、即ちゴルフボールの内側コア層と外側カバー層との間に設けられた任意の層を含む場合、この層は、熱可塑性および熱硬化性材料を含む、当業者には公知の任意の材料を含むことができる。例えば、該中間層は、上で議論したポリウレタン、ポリウレア、およびポリブタジエン材料の何れかから製造できる。
該中間層は、また同様に以下に列挙するようなホモポリマーまたはコポリマーの一種以上を含むこともできる:
(1) ビニル樹脂、例えば塩化ビニルの重合により、または塩化ビニルと酢酸ビニル、アクリル酸エステルまたはビニリデンクロリドとの共重合によって製造されるビニル樹脂;
(2) ポリオレフィン、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、およびコポリマー、例えばエチレン-メチルアクリレート、エチレン-エチルアクリレート、エチレン-酢酸ビニル、エチレン-メタクリル酸またはエチレン-アクリル酸またはプロピレン-アクリル酸および単一サイト触媒またはメタロセン触媒を使用して製造したコポリマーおよびホモポリマー;
(3) ポリウレタン、例えばポリオールとジイソシアネートまたはポリイソシアネートとから製造されるポリウレタンおよび米国特許第5,334,673号に記載されているもの;
(4) ポリウレア、例えば米国特許第5,484,870号に記載されているもの;
(5) ポリアミド、例えばポリ(ヘキサメチレンアジパミド)およびジアミンと二塩基酸とから調製されるその他のもの、並びにアミノ酸から調製されるもの、例えばポリ(カプロラクタム)、およびポリアミドとサーリン(SURLYN)、ポリエチレン、エチレンコポリマー、エチル-プロピレン-非-共役型ジエンターポリマー等;
(6) アクリル樹脂およびこれら樹脂とポリ塩化ビニル、エラストマーとのブレンド等;
(7) 熱可塑性樹脂、例えばウレタン;オレフィン熱可塑性ゴム、例えばポリオレフィンとエチレン-プロピレン-非-共役型ジエンターポリマーとのブレンド;スチレンとブタジエン、イソプレンまたはエチレン-ブチレンゴムとのブロックコポリマー;またはコポリ(エーテルアミド)、例えばPA、フィラデルフィアのELFアトケムによって市販されているペバックス(PEBAX);
(8) ポリフェニレンオキシド樹脂またはMA、ピッツフィールドのゼネラルエレクトリック社(General Electric Company)によって、商標ノリル(NORYL)の下で市販されているような、ポリフェニレンオキシドと高耐衝撃性ポリスチレンとのブレンド;
(9) 熱可塑性ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、グリコール変性ポリエチレンテレフタレートおよびDE、ウイルミントンのE.I.デュポンドゥネモアーズ&コ(E.I. DuPont de Nemours & Co.)社により商標ハイトレル(HYTREL)の下で、およびMA、ピッツフィールドのゼネラルエレクトリック社により商標ロモド(LOMOD)の下で市販されているエラストマー;
(10) ポリカーボネートと、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、スチレン-無水マレイン酸、ポリエチレン、エラストマー等との組合せ、およびポリ塩化ビニルとアクリロニトリル-ブタジエン-スチレンまたはエチレン-酢酸ビニルまたは他のエラストマーとの組合せを含む、ブレンドおよびアロイ;および
(11) 熱可塑性ゴムと、ポリエチレン、プロピレン、ポリアセタール、ナイロン、ポリエステル、セルロースエステル、等とのブレンド。
一態様において、該中間層は、ポリマー、例えばエチレン、プロピレン、ブテン-1またはヘキサン-1を主成分とするホモポリマーまたは官能性モノマー、例えばアクリル酸およびメタクリル酸を含むコポリマー、および完全にまたは部分的に中和されたイオノマー樹脂およびこれらのブレンド、メチルアクリレート、メチルメタクリレートホモポリマーおよびコポリマー、イミド化された、アミノ基含有ポリマー、ポリカーボネート、強化ポリアミド、ポリフェニレンオキシド、高耐衝撃性ポリスチレン、ポリエーテルケトン、ポリスルホン、ポリ(フェニレンスルフィド)、アクリロニトリル-ブタジエン、アクリル酸-スチレン-アクリロニトリル、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリ(エチレンビニルアルコール)、ポリ(テトラフルオロエチレン)および官能性コモノマーを含むこれらのコポリマー、およびこれらのブレンドを含む。
イオノマー
上で簡単に述べたように、該中間層は、イオノマー材料、例えばエチレンおよび不飽和モノカルボン酸のイオン性コポリマーを含むことができ、該コポリマーは、DE、ウイルミントンのE.I.デュポンドゥネモアーズ&コ(E.I. DuPont de Nemours & Co.)社により商標サーリン(SURLYN)の下で、あるいはエクソン(Exxon)社の商標イオテック(IOTEKTM)またはエスコール(ESCORTM)の下で入手できる。これらは、エチレンおよびメタクリル酸またはアクリル酸の、完全にまたは部分的に中和された、即ち約1〜約100%、亜鉛、ナトリウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、カルシウム、マンガン、ニッケル等の塩で中和されたコポリマーまたはターポリマーである。一態様において、カルボン酸基は、約10〜約100%の範囲で中和される。該カルボン酸基は、またメタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマール酸またはイタコン酸をも含むことができる。該塩は、2〜10個の炭素原子を持つオレフィンと、炭素原子数3〜8の不飽和モノカルボン酸との反応生成物である。
該中間層は、また少なくとも1種のイオノマー、例えばE/X/Yターポリマー(ここで、Xは約0〜50質量%の範囲で存在する、アクリレートまたはメタクリレートを主成分とする軟質コモノマーであり、またYは約5〜35質量%の範囲で存在するアクリル酸またはメタクリル酸である)を含む、酸-含有エチレンコポリマーイオノマーを含有し得る。他の態様において、該アクリル酸またはメタクリル酸は、約8〜35質量%なる範囲、より好ましくは8〜25質量%なる範囲および最も好ましくは8〜20質量%なる範囲で存在する。
該イオノマーは、また所謂「低酸性」および「高酸性」イオノマー並びにそのブレンドを含むことができる。一般的に、約15%までの酸を含むイオン性コポリマーは、「低酸性」イオノマーであり、一方約15%を越えて酸を含むイオン性コポリマーは、「高酸性」イオノマーであると考えられる。
低酸性イオノマーは、高いスピン特性を付与するものと考えられる。従って、一態様において、該中間層は、酸が約10〜15質量%なる範囲の量で存在する低酸性イオノマーを含み、また場合により軟質のターポリマーを与えるべく、軟質コモノマー、例えばイソ-またはn-ブチルアクリレートを含んでいる。該柔軟化コモノマーは、酸が2〜10個の炭素原子をもつ、脂肪族カルボン酸のビニルエステル、アルキル基が1〜10個の炭素原子を含むビニルエステル、およびアルキル基が1〜10個の炭素原子を含むアルキルアクリレートまたはメタクリレートからなる群から選択することができる。適当な柔軟化コモノマーは酢酸ビニル、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート等を包含する。
もう一つの態様において、低スピン速度および最大飛距離を得るために、該中間層は少なくとも1種の高酸性イオノマーを含む。この点に関して、該アクリル酸またはメタクリル酸は、約15〜約35質量%の範囲で存在して、該イオノマーを高弾性率イオノマーとする。一態様において、該高弾性率イオノマーは、約6質量%のカルボン酸、好ましくは約17〜約25質量%のカルボン酸、より好ましくは約18.5〜約21.5質量%のカルボン酸を含む。幾つかの状況においては、付随的なコモノマー、例えばアクリレートエステル(即ち、イソ-またはn-ブチルアクリレート等)を含有させて、より軟質のターポリマーを製造することができる。該付随的なコモノマーは、酸が2〜10個の炭素原子をもつ、脂肪族カルボン酸のビニルエステル、アルキル基が1〜10個の炭素原子を含むビニルエステル、およびアルキル基が1〜10個の炭素原子を含むアルキルアクリレートまたはメタクリレートからなる群から選択することができる。適当な柔軟化コモノマーは酢酸ビニル、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート等を包含する。
結果的に、高弾性率イオノマーの製造で使用するのに適した、幾つかのコポリマーの例は、エチレン/アクリル酸コポリマー、エチレン/メタクリル酸コポリマー、エチレン/イタコン酸コポリマーエチレン/マレイン酸コポリマー、エチレン/メタクリル酸/酢酸ビニルコポリマー、エチレン/アクリル酸/ビニルアルコールコポリマー等の高酸性態様を含むが、これらに限定されない。
一態様において、該中間層は、有機脂肪酸により100%中和されている、α,β-不飽和カルボン酸基またはその塩を含む少なくとも1種のポリマーから作ることができる。該有機酸は、脂肪族、1-官能性(飽和、不飽和、または多重不飽和)有機酸である。これら有機酸の塩を使用することも可能である。本発明の有機酸の塩は、脂肪酸、特にステアリン酸、ベヘン酸、エルカ酸、オレイン酸、リノール酸、またはこれらの二量化誘導体の、バリウム、リチウム、ナトリウム、亜鉛、ビスマス、クロム、コバルト、銅、カリウム、ストロンチウム、チタン、タングステン、マグネシウム、セシウム、鉄、ニッケル、銀、アルミニウム、錫またはカルシウム塩を含む。本発明の有機酸および塩は、比較的移動性が低く(周囲温度条件下で、ポリマー表面に吹出すことのない)および非-揮発性(溶融ブレンドに必要な温度にて揮発しない)ものであることが好ましい。
高度に中和されたポリマー(HNP)、典型的にはエチレンを主成分とするイオノマーの酸部分は、好ましくは約70%を越える、より好ましくは約90%を越える、および最も好ましくは少なくとも約100%中和されている。このHNPは、また第二のポリマー成分とブレンドでき、該第二ポリマー成分が酸基を含む場合、これを、有機脂肪酸または両者によって、公知の方法で中和することができる。部分的にまたは完全に中和されていても良い、該第二ポリマー成分は、好ましくはイオノマーコポリマーおよびターポリマー、イオノマープリカーサ、熱可塑性樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリウレタン、ポリウレア、熱可塑性エラストマー、ポリブタジエンゴム、バラタ、メタロセン触媒ポリマー(グラフトおよび非-グラフト)、単一サイトポリマー、高結晶質酸性ポリマーカチオン性イオノマー等を含む。
この態様において、該酸性コポリマーは、E/X/Yコポリマー(ここで、Eはエチレンであり、Xはαβ-エチレン性不飽和カルボン酸であり、Yは柔軟化コモノマーである)として記載することができる。好ましい一態様では、Xはアクリル酸またはメタクリル酸であり、YはC1-8アルキルアクリレートまたはメタクリレートエステルである。Xは、好ましくは該ポリマーの約1〜約35質量%なる範囲、より好ましくは該ポリマーの約5〜約30質量%なる範囲および最も好ましくは該ポリマーの約10〜約20質量%なる範囲の量で存在する。Yは、好ましくは該ポリマーの約0〜約50質量%なる範囲、より好ましくは該ポリマーの約5〜約25質量%なる範囲、および最も好ましくは該ポリマーの約10〜約20質量%なる範囲の量で存在する。
該有機酸は、脂肪族、単官能性(飽和、不飽和、または多重不飽和)有機酸である。これら有機酸の塩を、使用することも可能である。本発明の有機酸の塩は、脂肪酸、特にステアリン酸、ベヘン酸、エルカ酸、オレイン酸、リノール酸、またはこれらの二量化誘導体の、バリウム、リチウム、ナトリウム、亜鉛、ビスマス、クロム、コバルト、銅、カリウム、ストロンチウム、チタン、タングステン、マグネシウム、セシウム、鉄、ニッケル、銀、アルミニウム、錫またはカルシウム塩を含む。本発明の有機酸および塩は、比較的移動性が低く(周囲温度条件下で、ポリマー表面に吹出すことのない)および非-揮発性(溶融ブレンドに必要な温度にて揮発しない)ものであることが好ましい。
熱可塑性ポリマー成分、例えばコポリエーテルエステル、コポリエステルエステル、コポリエーテルアミド、エラストマーポリオレフィン、スチレン-ジエンブロックコポリマーおよびその水素化誘導体、コポリエステルアミド、熱可塑性ポリウレタン、例えばコポリエーテルウレタン、コポリエステルウレタン、コポリウレアウレタン、エポキシを主成分とするポリウレタン、ポリカプロラクトンを主成分とするポリウレタン、ポリウレア、およびポリカーボネートを主成分とするポリウレタンフィラー、および存在する場合におけるその他の成分は、該酸性部分を中和して熱可塑性ポリウレタンとする前、その最中またはその後にブレンドすることができる。
これら物質の例は、米国特許出願第2001/0018375号および2001/0019971号に記載されている。これら特許出願の開示事項全体を、本発明の参考とする。
これらイオノマー組成物は、また少なくとも1種のグラフト化したメタロセン触媒ポリマーを含むことができる。この態様におけるブレンドは、約1〜約100phrの少なくとも1種のグラフト化したメタロセン触媒ポリマーおよび約99〜0phrの少なくとも1種のイオノマー、好ましくは約5〜約90phrの少なくとも1種のグラフト化したメタロセン触媒ポリマーおよび約95〜約10phrの少なくとも1種のイオノマー、より好ましくは約10〜約75phrの少なくとも1種のグラフト化したメタロセン触媒ポリマーおよび約90〜約25phrの少なくとも1種のイオノマー、および最も好ましくは約10〜約50phrの少なくとも1種のグラフト化したメタロセン触媒ポリマーおよび約90〜約50phrの少なくとも1種のイオノマーを含むことができる。該層を発泡する場合、該グラフト化したメタロセン触媒ポリマーブレンドは、任意の公知の発泡剤により成型する際に、発泡することができる。
更に、以下においてより詳細に説明するように、ポリアミドも、イオノマーとブレンドすることができる。
非-イオノマー型熱可塑性材料
他の態様において、該中間層は、少なくとも1種の本来的にまたは完全に非-イオノマー型の熱可塑性材料を含む。適当な非-イオノマー型の材料は、ポリアミドおよびポリアミドブレンド、グラフト化および非-グラフト化メタロセン触媒ポリオレフィンまたはポリアミド、ポリアミド/イオノマーブレンド、ポリアミド/非-イオノマーブレンド、ポリフェニレンエーテル/イオノマーブレンド、およびこれらの混合物を含む。グラフト化および非-グラフト化メタロセン触媒ポリオレフィンまたはポリアミド、ポリアミド/イオノマーブレンド、ポリアミド/非-イオノマーブレンドの例は、「グラフト化メタロセン触媒ポリマーブレンドを配合した、ゴルフボール」と題する、2002年5月6日付出願の、米国特許出願第10/138,304号に記載されている。この米国特許出願の開示事項全体を本発明の参考とする。
一態様において、ポリアミドホモポリマー、例えばポリアミド6,18およびポリアミド6,36は単独で、あるいは他のポリアミドホモポリマーとの組合せで使用される。他の態様では、ポリアミドコポリマー、例えばポリアミド6,10/6,36は、単独で、あるいは他のポリアミドホモポリマーとの組合せで使用される。適当なポリアミドホモポリマーおよびコポリマーの他の例は、ポリアミドポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド7、ポリアミド11、ポリアミド12(PA、フィラデルフィアのELFアトケムにより、リルサンAMNO(Rilsan AMNO)として製造されている)、ポリアミド13、ポリアミド4,6、ポリアミド6,6、ポリアミド6,9、ポリアミド6,10、ポリアミド6,12、ポリアミド6,36、ポリアミド12,12、ポリアミド13,13、ポリアミド6/6,6、ポリアミド6,6/6,10、ポリアミド6,10/6,36、ポリアミド66,6,18、ポリアミド66,6,36、ポリアミド6/6,18、ポリアミド6,12/6,18、ポリアミド6,12/6,36、ポリアミド6/66/6,18、ポリアミド6/66/6,36、ポリアミド66/6,10/6,18、ポリアミド66/6,10/6,36、ポリアミド6/6,12/6,18、ポリアミド6/6,12/6,36およびこれらの混合物を包含する。
上に述べたように、上記ポリアミドホモポリマー、コポリマーおよびホモポリマー/コポリマーブレンドの何れかを、場合により非-イオノマー型ポリマー、例えば非-イオノマー型熱可塑性ポリマー、非-イオノマー型熱可塑性コポリマー、非-イオノマー型TPEおよびこれらの混合物とブレンドできる。
ポリアミド-非-イオノマーブレンドの具体的な一例は、ポリアミド-メタロセン触媒ポリマーブレンドである。該ブレンド組成物は、グラフト化および/または非-グラフト化メタロセン触媒ポリマーを含むことができる。ペンダント基、例えば無水マレイン酸等で官能化した、グラフト化メタロセン触媒ポリマーは、デュポン社から実験的な量で入手できる。グラフト化メタロセン触媒ポリマーは、また市販品として入手できる非-グラフト化メタロセン触媒ポリマーを、モノマーおよび有機パーオキシドを含む、後-重合反応に掛けて、所定のペンダント基を含むグラフト化メタロセン触媒ポリマーとすることにより得ることも可能である。
ポリアミド-非-イオノマーブレンドの他の例は、ポリアミドと、非-メタロセン単一サイト触媒を使用して製造した、非-イオン性ポリマーとのブレンドである。ここで使用する用語「非-メタロセン触媒」または「非-メタロセン単一サイト触媒」とは、メタロセン触媒以外の単一サイト触媒である。適当な単一サイト触媒ポリマーの例は、継続中の米国特許出願第09/677,871号に記載されている。この特許出願の開示事項全体を、本発明の参考とする。
該ポリアミドとブレンドするのに適した非-イオノマーは、ブロックコポリ(エステル)コポリマー、ブロックコポリ(アミド)コポリマー、ブロックコポリ(ウレタン)コポリマー、スチレンを主成分とするブロックコポリマー、熱可塑性樹脂およびエラストマーブレンド(ここで、該エラストマーは、加硫されていない)(TEB)、熱可塑性樹脂およびエラストマーまたはゴムブレンド(ここで、該エラストマーは動的に加硫されている)(TED)を含むが、これらに制限されない。該ポリアミドとブレンドして中間層用の組成物を製造するのに適した非-イオノマーは、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシド、イミド化したアミノ基-含有ポリマー、高耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、ポリエーテルケトン、ポリスルホン、ポリ(フェニレンスルフィド)、強化エンジニアリングプラスチック、アクリル酸-スチレン-アクリロニトリル、ポリ(テトラフルオロエチレン)、ポリ(ブチルアクリレート)、ポリ(4-シアノブチルアクリレート)、ポリ(2-エチルブチルアクリレート)、ポリ(ヘプチルアクリレート)、ポリ(2-メチルブチルアクリレート)、ポリ(3-メチルブチルアクリレート)、ポリ(N-オクタデシルアクリルアミド)、ポリ(N-オクタデシルメタクリルアミド)、ポリ(4-ドデシルスチレン)、ポリ(4-テトラデシルスチレン)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(オキシメチレン)、ポリ(シラザン)、ポリ(フランテトラカルボン酸ジイミド)、ポリ(アクリロニトリル)、ポリ(“-メチルスチレン)、並びに官能性コモノマーを含む、上記ポリマーが属する群のポリマーおよびそのコポリマー、およびこれらのブレンドを包含するが、これらに限定されない。
一態様において、該非-イオノマー型物質は、約60ショアD以上の硬さおよび約207 MPa (約30,000 psi)以上の曲げ弾性率を持つ。
弾性ポリマー-強化ポリマーブレンド
該中間層は、好ましくは硬化状態においてレジリエンスを付与するための、該中間層におけるポリマーの大部分として使用される、弾性ポリマー成分および強化ポリマー成分をブレンドとして含む。
この中間層において使用するのに適した、弾性ポリマーは、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン-ブタジエン、スチレン-プロピレン-ジエンゴム、エチレン-プロピレン-ジエン(EPDM)、これらの混合物等を包含し、好ましくはこれらは少なくとも約50,000〜約1,000,000なる分子量を持つ。一態様において、この分子量は、約250,000〜約750,000なる範囲、より好ましくは約200,000〜約400,000なる範囲にある。
該強化ポリマー成分は、好ましくは十分に低いガラス転移点(TG)、好ましくは約35〜120℃なる範囲のガラス転移点を持ち、架橋を開始すること無しに混合することを可能とする。更に、該強化ポリマー成分は、好ましくは該弾性ポリマー成分と混合する際に、該混合温度にて十分に低い粘度を持ち、これら2種のポリマー成分の適当な混合を可能とする。該中間層を生成するための全組成物に対する該強化ポリマーの量は、一般に約5〜約25質量%なる範囲、好ましくは約10〜20質量%なる範囲にある。
該強化ポリマー成分において使用するのに適したポリマーの例は、トランス-ポリイソプレン、ブロックコポリマーエーテル/エステル、アクリル系ポリオール、ポリエチレン、ポリエチレンコポリマー、1,2-ポリブタジエン(シンジオタクチック)、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、トランス-ポリシクロオクテナマー(polycyclooctenenamer)、トランス-異性ポリブタジエン、およびこれらの混合物を包含する。特に適した強化ポリマーは、DE、ウイルミントンのデュポン社から市販品として入手できる、ブロックコポリマーエーテル/エステルである、ハイトレル(HYTREL) 3078;トランス-異性ポリブタジエン、例えばヤコウ、川崎区、川崎市、日本の旭ケミカルズ(Asahi Chemicals)から得られるフレン(FUREN) 88;クラレ社(KURRARAY Co.)から市販品として入手できるトランス-ポリイソプレンである、クラレ(KURRARAY) TP251;OH、アクロンのバイエルラバーディビジョン(Bayer-Rubber Division)から市販品として入手できるエチレン-酢酸ビニルコポリマーである、レバプレン(LEVAPREN) 700HV;およびOH、トールマッジ(Tallmadge)のハルスアメリカ社(Huls America Inc.)から市販品として入手できるトランス-ポリシクロオクテナマーである、ベステナマー(VESTENAMER) 8012を含む。幾つかの適当な強化ポリマー成分を、その結晶融点(TC)および/またはTGと共に以下の表1に列挙する:
Figure 0004105642
該強化ポリマー成分において使用するのに特に適した他のポリマーは、典型的に少なくとも約80%のトランス-異性体含有率を有し、残部がシス-異性体1,4-ポリブタジエンおよびビニル-異性体1,2-ポリブタジエンである、剛性化ポリブタジエン成分である。従って、これを、ここでは「高トランス-異性ポリブタジエン」または「剛性化ポリブタジエン」と呼び、本発明のゴルフボールコアを製造するのに使用する、シス-異性ポリブタジエン、即ち低い、典型的には80%以下のトランス-異性体含有率を持つポリブタジエンと区別する。好ましくは、該剛性化ポリブタジエン成分のビニル-含有率は、該ポリブタジエン異性体の約15%以下、好ましくは約10%未満、良い好ましくは約5%未満および最も好ましくは約3%未満である。
本発明のゴルフボールにおいて使用する場合、該剛性化ポリブタジエン成分は、好ましくは約4以下の、好ましくは約3以下の、およびより好ましくは約2.5以下の多分散性を持つ。この多分散性、即ちPDIは、あるポリマーの重量平均分子量(MW)と数平均分子量(Mn)との比である。
更に、本発明のゴルフボールにおいて使用する場合、該剛性化ポリブタジエン成分は、典型的に高い絶対平均分子量を有し、これは少なくとも約100,000、好ましくは約200,000〜1,000,000なる範囲内にあるものとして定義される。一態様において、該絶対平均分子量は、約230,000〜750,000なる範囲にある。他の態様において、該絶対平均分子量は、約275,000〜700,000なる範囲にある。該ビニル含有率が約10%を越える任意の態様において、該絶対平均分子量は、好ましくは約200,000を越える。
トランス-ポリイソプレンまたは高トランス-異性ポリブタジエンが、該剛性化ポリマー成分に含まれている場合、これは、該ポリマーブレンド、即ち該弾性および強化ポリマー成分の、約10〜40質量%なる範囲、好ましくは約15〜30質量%なる範囲、より好ましくは約15%から25質量%までの量で存在し得る。
コアに関連して上記したものと同一の架橋剤を、本態様で使用して、該弾性ポリマー-強化ポリマーブレンドに関する所定の弾性率を達成することができる。一態様において、該架橋剤は、該ポリマーブレンド100部当たり、約1〜約50部なる範囲、好ましくは該ポリマーブレンド100部当たり約20〜約45部なる範囲、およびより好ましくは該ポリマーブレンド100部当たり、約30〜約40部なる範囲の量で添加される。
該弾性ポリマー成分、強化ポリマー成分、遊離基開始剤、および本発明に従ってゴルフボールコアの中間層を形成するのに使用する任意の他の材料を、当業者には公知の任意の混合方法で併合することができる。
また、この中間層は、以下の表2に列挙するような、米国特許第5,688,191号に記載されている組成物から製造することも可能である。この米国特許の開示事項全体を本発明の参考とする。
































Figure 0004105642












Figure 0004105642
他の添加物
追加の物質を、上で略記した該中間層用の組成物に含めることができる。例えば、触媒、着色剤、蛍光増白剤、架橋剤、TiO2およびZnO等の白色体質顔料、UV吸収剤、ヒンダードアミン光安定化剤、消泡剤、加工助剤、界面活性剤、および他の公知の添加剤を、本発明の中間層用組成物に添加することができる。更に、酸化防止剤、安定化剤、柔軟剤、内部および外部可塑剤を含む可塑剤、耐衝撃性改良剤、発泡剤、密度-調節剤、強化材料および相溶化剤を、該中間層用の任意の組成物に添加することができる。当業者は、各特定の添加剤の利点を実現するために、各添加剤に対して必要とされる量をわきまえている筈である。
ゴルフボールカバー
このカバーは、ゴルフボールとクラブとの間の界面を与える。このカバーにとって望ましい特性は、とりわけ、良好な成型適正、高い磨耗抵抗、高い引裂き強さ、高いレジリエンス、および良好な金型からの離型性である。
一態様において、少なくとも一つのカバー層は、本発明のポリウレタン組成物の約1〜約100%なる範囲で含まれる。特に、該カバーは、イソシアネートとポリオールとの反応生成物から製造され、これはヒドロキシ-末端またはアミノ-末端を持つ硬化剤で硬化される。一態様において、該カバー層は、飽和イソシアネート、飽和ポリオール、および改良硬化剤ブレンドを含む組成物により製造され、該硬化剤ブレンドは、硬化剤と凝固点降下剤とを含む。
更に、本発明のポリウレア組成物は、本発明のゴルフボールの少なくとも一つのカバー層を製造するのに使用できる。例えば、該カバー層は、イソシアネートおよびポリアミンの反応生成物により製造でき、これは硬化剤と凝固点降下剤とから製造した、改良硬化剤ブレンドにより硬化される。一態様において、該カバー層は、飽和イソシアネートと飽和ポリエーテルアミンとの反応生成物から作ることができ、これは、好ましくはアミノ-末端を持つ硬化剤およびアミノ-末端を持つ凝固点降下剤を含む改良硬化剤ブレンドにより硬化される。
このカバー層は、上で議論したような組成物ブレンドから製造することもできる。例えば、一態様においては、少なくとも一つのカバー層は、約10〜約90%なる範囲の、好ましくは飽和のポリウレタン、および約90〜約10%なる範囲の他のポリマーおよび/または他の材料を含むブレンドから製造できる。もう一つの態様において、少なくとも一つのカバー層は、約10〜約90%なる範囲の、好ましくは飽和のポリウレア、および約90〜約10%なる範囲の他のポリマーおよび/または他の材料を含むブレンドから製造できる。更に別の態様では、該カバー組成物は、約10〜約75%なる範囲の、ポリウレタンまたはポリウレア、および約90〜約25%なる範囲の他のポリマーおよび/または他の材料、例えば上に列挙したものを含む。
ゴルフボールカバーは、また以下に列挙するような、1種以上のホモポリマーまたはコポリマー材料から製造することもできる:
(1) ビニル樹脂、例えば塩化ビニルの重合により、あるいは塩化ビニルと酢酸ビニル、アクリル酸エステルまたはビニリデンクロリドとの共重合により製造されるもの;
(2) ポリオレフィン、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、およびコポリマー、例えばエチレン-メチルアクリレート、エチレン-エチルアクリレート、エチレン-酢酸ビニル、エチレン-メタクリル酸またはエチレン-アクリル酸またはプロピレン-アクリル酸および単一サイト触媒を用いて製造したコポリマーおよびホモポリマー;
(3) 熱可塑性または熱硬化性、飽和または不飽和、脂肪族または芳香族の、酸官能化されたポリウレタン、例えばポリオールまたはアミンと、ジイソシアネートまたはポリイソシアネートとから製造されるポリウレタンおよび米国特許第5,334,673号および米国特許出願第10/072,395号に記載されているもの;
(4) 熱可塑性または熱硬化性、飽和または不飽和、脂肪族または芳香族の、酸官能化されたポリウレア、例えば米国特許第5,484,870号および米国特許出願第10/072,395号に記載されているもの;
(5) ポリアミド、例えばポリ(ヘキサメチレンアジパミド)およびジアミンと二塩基酸とから調製されるその他のもの、並びにアミノ酸から調製されるもの、例えばポリ(カプロラクタム)、強化ポリアミド、およびポリアミドとイオノマー、ポリエチレン、エチレンコポリマー、エチル-プロピレン-非-共役型ジエンターポリマー等;
(6) アクリル樹脂およびこれら樹脂とポリ塩化ビニル、エラストマーとのブレンド等;
(7) 熱可塑性樹脂、例えばウレタン;オレフィン系熱可塑性ゴム、例えばポリオレフィンとエチレン-プロピレン-非-共役型ジエンターポリマーとのブレンド;スチレンとブタジエン、イソプレンまたはエチレン-ブチレンゴムとのブロックコポリマー;またはコポリ(エーテルアミド)、例えばPA、フィラデルフィアのELFアトケムによって市販されているペバックス(PEBAX);
(8) ポリフェニレンオキシド樹脂またはMA、ピッツフィールドのゼネラルエレクトリック社によって、商標ノリル(NORYL)の下で市販されているような、ポリフェニレンオキシドと高耐衝撃性ポリスチレンとのブレンド;
(9) 熱可塑性ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、グリコール変性ポリエチレンテレフタレートおよびDE、ウイルミントンのE.I.デュポンドゥネモアーズ&コ社により商標ハイトレル(HYTREL)の下で、およびMA、ピッツフィールドのゼネラルエレクトリック社により商標ロモド(LOMOD)の下で市販されているエラストマー;
(10) アクリル酸またはメタクリル酸等の官能性モノマーを含む、エチレン、1-ブテンまたは1-ヘキサンを主成分とするホモポリマーまたはコポリマー、または完全にまたは部分的に中和されたイオノマー樹脂、およびこれらのブレンド、メチルアクリレート、メチルメタクリレートコポリマーまたはホモポリマー、低酸性イオノマー、高酸性イオノマー、およびこれらのブレンド;
(11) ポリカーボネートと、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、スチレン-無水マレイン酸、ポリエチレン、エラストマー等との組合せ、およびポリ塩化ビニルとアクリロニトリル-ブタジエン-スチレンまたはエチレン-酢酸ビニルまたは他のエラストマーとの組合せを含む、ブレンドおよびアロイ;および
(12) 熱可塑性ゴムと、ポリエチレン、プロピレン、ポリアセタール、ナイロン、ポリエステル、セルロースエステル、等とのブレンド。
該カバーは、また少なくとも部分的に、コアと関連して上で論じた、ポリブタジエン反応生成物から製造することも可能である。
本明細書のいたるところで論じたように、該組成物は、任意の公知の方法、例えば注型、圧縮成型、射出成型、反応性射出成型法により、該ゴルフボール上に成型することができる。当業者は、使用する成型法が、少なくとも部分的に該組成物の諸特性によって決まることを理解するであろう。例えば、該材料が熱硬化性である場合には、注型法が好ましく、一方熱可塑性組成物にとっては、圧縮成型または射出成型法が好ましいものであり得る。
ゴルフボールの構造
本発明の組成物は、あらゆる型のボール構造について使用できる。例えば、該ボールは、ワンピース、ツーピース、またはスリーピース設計であり得、該ボールの所定の性能に応じて、二重コア、二重カバー、中間層、多層コア、および/または多層カバーを持つことができる。ここで使用する用語「多層」とは、少なくとも2層を意味する。例えば、本発明の組成物は、ゴルフボールのコア、中間層および/またはカバーにおいて使用でき、これら各々は、単一の層または多数の層を含むことができる。
上記コア部分で既に述べたように、コアはワンピースまたは多層コア何れでもよく、これら両者は、中実、半-固体、中空、流体-充填または粉体-充填コアであり得る。多層コアは、その上に設けられた、1または複数の追加のコア層を持つ、最も内側の部材を持つものである。例えば、図1に示されたゴルフボール1は、コア2およびカバー3を含む。一態様において、図1のゴルフボールは、ポリブタジエン反応物質または他の公知の材料製のコア2と、本発明のポリウレタン組成物を含むカバー3とで構成される。もう一つの態様において、図1のゴルフボールは、ポリブタジエン反応物質で作られたコア2と、本発明のポリウレタン組成物を含むカバー3とで構成される。上で論じたように、該ポリウレタンおよびポリウレア組成物両者は、好ましくは飽和状態にある。
更に、本発明のゴルフボールが、内側カバー層または外側コア層、即ちゴルフボールの内側コアと外側カバーとの間に設けられた任意の層等の中間層を含む場合、この層は、例えば単一の層または複数のカバーと、ワンピースコアまたは多層コアと、単層カバーおよびコア両者と、または多層カバーおよび多層コア両者と組み合わせることができる。該コアと同様に、該中間層も複数の層を含むことができる。所望に応じて、任意の数または型の中間層を利用できることが理解されよう。
図2は、カバー13、少なくとも1層の中間層14、およびコア12を含む多層ゴルフボール11を示す。一態様において、図2のゴルフボール11は、ポリブタジエン反応物質製のコア12、中間層14および本発明のポリウレタン組成物で作られたカバー13を含むことができる。ここで、該ポリウレタンは、好ましくは飽和状態にある。もう一つの態様において、図2のゴルフボールにおける該カバー13は、本発明のポリウレア組成物で作ることができる。更に、図3のゴルフボール21は、ポリブタジエン反応物質または他の公知のコア材料製のコア22、少なくとも1層のイオノマー製の中間層24および本発明の飽和ポリウレタンまたは飽和ポリウレア組成物を含むカバー23を含む。
該中間層は、また中実、半-固体、中空、流体-充填または粉体-充填中心の周りに巻かれた、張力を印加した弾性材料であっても良い。この巻き付け層は、本発明の目的にとって、コア層または中間層として記載できる。一例として、図4のゴルフボール31は、コア層32、その上に巻き付けられた、張力を印加した弾性材料層34、およびカバー層33を含むことができる。特に、図4のゴルフボール31は、ポリブタジエン反応物質製のコア32、張力を印加した弾性材料34を含む中間層および本発明のポリウレタンまたはポリウレア組成物を含むカバー33を含むことができる。該張力を印加した弾性材料は、当業者には公知の任意の材料で作ることができる。更に別の態様では、図5の糸巻き、液状中心を持つゴルフボール41は、液体43で満たされた中空の内部をもつ、中空球状コアシェル、張力を印加した弾性材料44を含む糸巻きゴム層および本発明のポリウレタンまたはポリウレア組成物で作られたカバー45を含む。
一態様において、該張力を印加した弾性材料は、上記のポリブタジエン反応物質を含む。該張力を印加した弾性材料は、また公知のポリイソプレンから製造できる。他の態様では、本発明のポリウレア組成物を使用して、この張力を印加した弾性材料を製造する。別の態様では、米国特許第6,149,535号(この特許の開示全体を本発明の参考とする)に記載された、溶媒紡糸したポリエーテルウレアを使用して、多重ストランドを持つ、より小さな断面積を達成する努力において、該張力を印加した弾性材料を製造する。
一態様において、張力を印加した弾性材料層は、「フープ応力層を備えた、完全ゴムゴルフボール」と題する、2001年4月27日付出願の、継続中の米国特許出願第09/842,829号(この特許出願の開示全体を本発明の参考とする)に記載されているように、約68900 MPa (約10000 kpsi)以上の引張り弾性率を持つ、高張力フィラメントである。別の態様では、該張力を印加した弾性材料層は、該コアおよび活性化によりそれ自体とも結合する、結合材料で被覆され、該張力を印加した弾性材料層を膨潤し、かつ少なくとも約5%だけ、該層の断面積を増大する。このようなゴルフボール構造の一例は、継続中の米国特許出願第09/841,910号(この特許出願の開示全体を本発明の参考とする)に与えられている。
該中間層は、また結合材料および該結合材料中に分散された侵入性(interstitial)物質で作ることができ、ここで該中間層の効果的な材料特性は、該ボール表面に垂直な方向に掛けられた力に対して、該ボール表面に平行な方向に掛けられた力とは全く異なる。この種の中間層の例は、「放射状に配向され、横方向に等張性の層を持つゴルフボールおよびその製造」と題する、2001年12月28日付の、米国特許出願第10/028,826号(この特許出願の開示全体を本発明の参考とする)に記載されている。本発明の一態様において、該侵入性物質は、該中間層から該コア中に広がっていてもよい。別の態様では、該侵入性物質は、該カバー中に埋設され、あるいは該カバーの内側表面と接触し、あるいは該カバーにのみ埋設されていても良い。
少なくとも一つの中間層は、水分遮断層、例えば米国特許第5,820,488号(この特許の開示全体を本発明の参考とする)に記載されているものであり得る。該ボールのコアおよび外側表面間の他の層、即ちカバー、下塗り、および透明被膜よりも低い水蒸気透過率を持つ、任意の適当なフィルム-形成材料を使用できる。その例は、ポリビニリデンクロリド、ヒル石、フッ素ガスとのポリブタジエン反応生成物を含むが、これらに限定されない。一態様において、該水分遮断層は、該ゴルフボールを37.8℃(100°F)および相対湿度70%にて6週間保存された場合に、該水分遮断層を含まず、同一型のコアおよびカバーを含み、かつ実質的に同一条件下で保存されたゴルフボールに比して、少なくとも5%だけ該ゴルフボールのCOR損失を減じるのに十分低い、水蒸気透過率を持つ。
このカバー層の形成前に、内側ボール、即ちコアおよびその上に設けられた任意の中間層を、表面処理に掛けて、該内側ボールの外側表面と該カバーとの間の接着性を高めることができる。このような表面処理の例は、このサブアセンブリーの外側表面を機械的にまたは化学的に研磨する処理を包含する。更に、該内側ボールは、その回りにカバーを形成する前に、コロナ放電またはプラズマ処理に付すことができる。該ボールの他の層、例えば該コアも、表面処理することができる。これらのおよび他の表面処理技術の例は、米国特許第6,315,915号(この特許の開示全体を本発明の参考とする)に記載されている。
同様に、該カバーは、複数の層、例えばゴルフボール中心近傍に設けられた内側カバー層およびその上に形成された外側カバー層を含むことができる。例えば、図6は、コア51、薄い内側カバー層54、およびその上に設けられた薄い外側カバー層53を含むゴルフボール51を表す。特に、該コア51は、ポリブタジエン反応物質で製造され、該内側カバー層54はイオノマーブレンドで製造され、また該外側カバー層53は、本発明のポリウレタンまたはポリウレア組成物で製造される。更に、図7は、コア62、外側コア層65、薄い内側カバー層64、およびその上に設けられた薄い外側カバー層63を含むゴルフボール61を表すものであり得る。一態様において、該コア62および該外側コア層65は、該ポリブタジエン反応材料で作られるが、硬さは異なり、該内側カバー層64は、イオノマーブレンドで製造され、また該外側カバー層63は、本発明のポリウレタンまたはポリウレア組成物で製造される。更に、本発明の組成物は、大きなコア72および薄い外側カバー層73を持つ図8に示したゴルフボール71を製造するのに使用できる。一態様において、該大きなコア72は、該ポリブタジエン反応材料で作られ、また該薄い外側カバー層73は、好ましくは酸官能化された、本発明のポリウレタンまたはポリウレア組成物で製造される。ここで、該酸基は、少なくとも部分的に中和されている。
硬さの勾配は、典型的に幾つかの特性を得るために、ゴルフボールにおいて使用されるが、本発明は、また本質的に同一の硬さを持つ多数のカバー層を含むゴルフボールにおいて、本発明の組成物を使用することをも意図する。ここで、該層の少なくとも一つは、ある様式で変性され、該ボールの性能に影響する特性を変更する。このようなボールの構成は、「多数のカバー層を備えたゴルフボール」と題する、2002年6月13日付出願の、継続中の米国特許出願第10/167,744号(この特許出願の開示全体を本発明の参考とする)に記載されてる。
このような態様において、両カバー層は、同一の材料で作ることができ、また本質的に同一の硬さを持つが、これら層は異なる摩擦係数値を持つように設計される。別の態様において、本発明の組成物は、本質的に同一の硬さを持つが、高変形度において異なるレオロジー特性をもつ、多数のカバー層を備えたゴルフボールにおいて使用される。この組成物の他の局面は、硬い内側カバー上に軟質の外側カバーを持つボールを実現するために、本質的に同一の硬さを持つが、異なる厚みを持つ多数のカバー層を備えたゴルフボールに関する。
この概念のもう一つの局面においては、ゴルフボールのカバー層は、本質的に同一の硬さを持つが、周囲温度に比較して、高温および低温において異なる性質を持つ。特に、本発明のこの局面は、多数のカバー層を含むゴルフボールを目的とし、ここでその外側カバー層用の組成物は、その内側カバー層よりも、低温において低い曲げ弾性率を持ち、一方これら層は周囲温度および低温において同一の硬さを維持し、これは実現しようとする、硬い内側カバー上に軟質の外側カバーを持つ感触をもたらす。幾つかのポリウレアは、イオノマー樹脂と比較して、種々の温度にてより一層安定な曲げ弾性率を持つことができ、従って周囲温度または高温におけるよりも、より低温において効果的に「柔軟な(軟質の)」層を形成するのに使用できる。
この概念の更に別の局面は、本質的に同一の硬さを持ち、かつ乾燥条件下での特性と比較して、湿潤条件下での特性において異なっている、多数のカバー層を含むゴルフボールに関する。ゴルフボール層の湿潤性は、特に表面の粗面度、化学的異質性、分子配向、膨潤および界面張力により影響される可能性がある。従って、ゴルフボール層の非-破壊的な表面処理は、層の親水性を高める上で役立ち、一方ゴルフボール層表面の高度の研磨または平滑化は、湿潤性を低下する恐れがある。米国特許第5,403,453号および同第5,456,972号は、湿潤性を変更するために、ポリマー材料を表面処理する方法を開示している。これら特許の開示事項全体を、本発明の参考とする。更に、プラズマエッチング、コロナ処理、および火炎処理が、該湿潤性を所定の状態に変えるための表面処理として有用であり得る。湿潤剤をゴルフボール層用の組成物に添加して、該層の表面張力を改善することも可能である。
このように、本発明による該カバー層の湿潤性における違いは、接触角における違いにより測定できる。ある層に関する接触角は、約1度(低湿潤性)〜約180度(極めて高い湿潤性)なる範囲内であり得る。一態様において、該カバー層は、約1度以上変化する接触角をもつ。別の態様では、該カバー層の接触角は、約3度以上変動する。更に別の態様では、該カバー層の接触角は、約5度以上変動する。
本発明によって使用可能なボール構成の適当な型の、他の非-限定的な例は、米国特許第6,056,842号、同第5,688,191号、同第5,713,801号、同第5,803,831号、同第5,885,172号、同第5,919,100号、同第5,965,669号、同第5,981,654号、同第5,981,658号、および同第6,149,535号並びに公開第US2001/0009310 A1号、US2002/0025862号およびUS2002/0028885号に記載されているものを包含する。これら特許および公開特許出願の開示事項全体を、本発明の参考とする。
層の製造法
本発明のゴルフボールは、様々な応用技術、例えば圧縮成型、フリップ成型(flip molding)、射出成型、格納式ピン(retractable pin)射出成型、反応性射出成型(RIM)、液体射出成型(LIM)、流し込み成型、真空成型、粉末成型、フローコーティング、スピンコーティング、浸漬、噴霧等を利用して製造できる。スプリットベントピン(split vent pin)を使用する射出成型法は、「射出成型用のスプリットベントピン」と題する、2000年12月22日付で出願された、継続中の米国特許出願第09/742,435号に見出すことができる。スプリットベントピン射出成型の例は、米国特許第6,129,881号、同第6,235,230号および同第6,379,138号に見出すことができる。これら成型に関する参考文献の開示事項全体を、本発明の参考とする。更に、冷却チャンバー、即ち冷却ジャケット、例えば「ゴルフボールの製法」と題する、2000年11月22日付で出願された、米国特許出願第09/717,136号に記載されているものを使用して、注型の際の本発明の組成物を冷却することができ、これは更に該系内に高濃度での触媒の投入を可能とする。
従来、圧縮成型および射出成型は、熱可塑性材料に適用され、一方RIM、液体射出成型、および注型は、熱硬化性材料について利用されていた。これらのおよび他の製造方法は、米国特許第6,207,784号および同第5,484,870号に記載されており、これら特許の全開示事項を、本発明の参考とする。
コア層の製造
本発明のコアは、当業者には公知のあらゆる適当な方法で製造できる。これらコアを熱硬化性材料から作る場合、圧縮成型が、特に適した該コアの製造方法である。他方、熱可塑性コアの場合、該コアは、射出成型することができる。
例えば、ポリブタジエン製の弾性ポリマーコア部材のシス-異性体を、成型サイクル中にそのトランス-異性体に転化する方法は、当業者には公知である。適当な方法は、一回のパスによる混合(成分を順次添加する)、多数回のパスによる混合等を含む。架橋剤および該ゴルフボール中心または追加の層の諸特性を改善するのに使用するあらゆる他の随意の添加剤は、同様に任意の型の混合により配合できる。適当な混合装置は、当業者には周知であり、またこのような装置は、バンバリーミキサ、二本ロールミル、または二軸スクリュー押出機を含むことができる。適当な混合速度および温度は、当業者にとって周知であるか、あるいは不当な実験を行うことなしに容易に決定できる。
この混合物を、例えば圧縮または射出成型工程に付すことができ、また該成型サイクルは、一定期間中、単一温度で該混合物を成型する、単一段階を含むものであり得る。一態様においては、単一段階の硬化サイクルを使用する。該硬化時間は、選択された様々な材料に依存するが、適当な硬化時間は、約5〜約18分間、好ましくは約8〜約15分間およびより好ましくは約10〜約12分間である。ジクミルパーオキシドを含む混合物に対する、一段階による成型サイクルの一例は、15分間に渡り、該ポリマー混合物を171℃(340°F)に維持することである。二段階による成型サイクルの一例は、該金型を40分間に渡り143℃(290°F)に維持し、次いで171℃(340°F)まで該金型を昇温させ、この温度にて20分間維持する。当業者は、使用する特定の材料およびここにおける議論に基いて、容易にこの硬化時間を調節することができるであろう。
更に、米国特許第6,180,040号および同第6,180,722号は、二重コアを持つゴルフボールの製法を開示している。これら特許の全開示事項を、本発明の参考とする。
中間層の製造
中間層も、当業者には公知のあらゆる適当な方法を用いて製造できる。例えば、中間層を吹込み成型により製造し、射出成型、圧縮成型、注型、真空成型、粉末成型等により形成される、ディンプルを備えたカバー層により覆うことができる。
カバー層の製造
本発明のポリウレタンおよびポリウレア組成物は、様々な塗布技術、例えば当分野において周知の噴霧、圧縮成型、浸漬、スピンコートまたはフローコート法を利用して、内側ボール上に適用できる。一態様において、該ポリウレタンおよびポリウレア組成物は、注型および圧縮成型の組合せを利用して、該コア上にカバーを生成するのに利用する。従来圧縮成型および射出成型は、熱可塑性カバー材料に適用され、一方RIM、液体射出成型および注型法は、熱硬化性カバー材料について使用されていた。
米国特許第5,733,428号(その開示事項全体を、本発明の参考とする)は、ゴルフボールコア上にポリウレタンカバーを形成するための有用な方法を開示している。この方法は、該ゴルフボールカバーとしての、注型熱硬化性および熱可塑性材料両者の使用に関連しており、ここで該カバーは、該材料を混合し、金型部分に投入することにより、該コアの回りに形成されるので、本発明のポリウレア組成物も、同一の注型法を利用する際に、使用できる。
例えば、該ポリウレタンまたはポリウレア組成物のいずれかを一旦混合して、発熱反応を開始させ、該材料が該コアの回りで固化するまでこの反応を継続させる。粘度を経時にて測定して、各金型部分を満たし、一方の部分にコアを導入し、かつ該金型を閉じる、後の段階を適当に時間調節して、該コアカバー部分の溶融物の心出しを行い、また全体としての均一性を確保することができる。コアを該金型部分に導入するための、該硬化混合物の適当な粘度範囲は、凡そのところ約2000〜約30,000cP、また好ましい範囲は約8,000〜約15,000cPである。
カバーの製造を始める前に、該プレポリマーと硬化剤との混合を、プレポリマーと硬化剤の量を測定するラインを介して供給することにより、電動式ミキサの混合ヘッド内側にて行う。予備加熱した金型部分の上部を満たし、各金型部分の開口内で移動する心出しピンを利用して、取付け装置内に配置する。後に、金型部分底部の空洞、または一連の金型部分底部の空洞を、該上部金型部分に対して使用したものと同一量の混合物で満たす。該反応性材料を、上部金型部分に、約40〜約100秒、好ましくは約70〜約80秒維持した後、コアは、制御された速度で、該ゲル化中の反応混合物内を降下する。
ボールカップは、減圧(または部分的な真空)により該ボールコアを支持する。約40〜約12秒間のゲル化後に、該コアがこれら金型部分内の所定位置に配置された際に、該真空を解除して、該コアを開放する。一態様においては、該真空を解除して、約5〜約10秒後に該コアを開放する。コアおよびその上の固化されたカバーの半分を含む、該金型部分は、該心出し取付け装置から開放され、反転され、かつ適当な時間前に、内部に導入された、選択された量の反応性プレポリマーおよび硬化剤を含み、ゲル化を開始している、第二の金型部分と噛みあわせる。
同様に、米国特許第5,006,297号および同第5,334,673号両者は、本発明で使用される成型可能な反応性の液体を適用するのに利用できる、適当な成型技術を開示している。しかし、本発明の方法は、これら技術の利用に制限されず、当業者にとって公知の他の方法を使用することも可能である。例えば、該ボールコアを支持するための他の方法を、部分的な真空を利用する代わりに用いることができる。
ディンプル
様々なディンプルパターンのプロフィールの利用は、ゴルフボールの空気力学的な特徴を変更するための比較的有効な方法を与える。即ち、該ディンプルを該ボール表面上に配列する様式は、任意の利用可能な方法であり得る。例えば、該ボールは、米国特許第4,560,168号に記載されているような正二十面体を基本とするパターン、または米国特許第4,960,281号に記載されているような八面体を基本とするパターンを持つことができる。
本発明の一態様において、該ゴルフボールは、約362個のディンプルから作られる20個の三角形を含む、正二十面体形のディンプルパターンを持つが、恐らく成型分離線を除き、如何なるディンプルとも交差しない大きな円を持たない。該大きな三角形各々は、好ましくは各辺に沿って、奇数個(7)のディンプルを有し、小さな三角形は各辺に沿って偶数個(4)のディンプルを持つ。これらディンプルを適当に充填するためには、該大きな三角形は、該小さな三角形よりも9個余分にディンプルを含む。他の態様では、このボールは、全体で5種の異なるサイズを持つディンプルを含む。該大きな三角形の辺は、4種の異なるサイズのディンプルを持ち、また該小さな三角形は、2種の異なるサイズのディンプルを持つ。
本発明のもう一つの態様では、該ゴルフボールは正二十面体形ディンプルパターンを有し、このパターンは3種の異なるディンプルを含む一つの大きな三角形と、1種のみの径を持つディンプルを含む、複数の小さな三角形を含む。好ましい態様では、392個のディンプルと、何れのディンプルとも交差しない一つの大きな円が存在する。別の態様では、5種を越える交互のディンプル径を使用する。
本発明の一態様において、ゴルフボールは、約440個のディンプルから作られた8個の三角形と、何れのディンプルとも交差しない3個の大きな円を含む、八面体形のディンプルパターンを持つ。この八面体形パターンにおいて、このパターンは、該小さな三角形の内側の、隣接する1個の最小の三角形中に形成された、第三群のディンプルを含む。これらディンプルを適当に充填するために、該大きな三角形は、該小さな三角形よりも9個余分にディンプルを含み、また該小さな三角形は、該最小の三角形よりも9個余分にディンプルを含む。この態様において、該ボールは、その表面上に分配された6種の異なる径をもつディンプルを含む。該大きな三角形は、5種の異なる径を持つディンプルを含み、該小さな三角形は、3種の異なる径を持つディンプルを含み、かつ該最小の三角形は、2種の異なる径を持つディンプルを含む。
あるいはまた、該ディンプルパターンは、米国特許第6,338,684号(この特許の全開示を本発明の参考とする)に記載されているような葉序型のパターンに従って配置することも可能である。
ディンプルパターンは、切頭八面体、大きなロンブキューブ型八面体(rhombcuboctahedron)、切頭十二面体、および大きな菱形32面体形状を含む、アルキメデスパターンを基本とするものをも含み、ここで該パターンは、米国特許出願第10/078,417号(この特許出願を本発明の参考とする)に記載されているような、非-線形の分離線を持つ。
本発明のゴルフボールは、また非-円形のディンプル、即ち米国特許第6,409,615号(この特許の全開示を本発明の参考とする)に記載されているような無定形のディンプルで、覆われていても良い。
高い表面被覆率を与えるディンプルパターンが好ましく、これらは当分野において公知である。例えば、米国特許第5,562,552号、同第5,575,477号、同第5,957,787号、同第5,249,804号および同第4,925,193号は、ゴルフボール上にディンプルを配置するための幾何学的パターンを開示している。一態様において、本発明のゴルフボールは、少なくとも約60%、好ましくは少なくとも約65%およびより好ましくは少なくとも約70%またはそれ以上の、該カバー表面領域のディンプル被覆率を持つ。より一層高いディンプル被覆率値を持つディンプルパターンを、本発明と共に使用することも可能である。従って、本発明のゴルフボールは、少なくとも約75%またはそれ以上、約80%以上または約85%以上のディンプル被覆率を持つこともできる。
更に、環状の格子パターン、例えば米国特許第6,290,615号(この特許の全開示を本発明の参考とする)に記載されているパターンを、本発明のゴルフボールについて使用することもできる。本発明のゴルフボールは、また米国特許第6,383,092号(この特許の全開示を本発明の参考とする)に記載されているように、該ボールの中間層上に設けられた、複数のピラミッド型の突起を持つことができる。該ゴルフボール上の、該複数のピラミッド型突起は、該中間層の表面の約20〜約80%を覆うことができる。
もう一つの態様において、該ゴルフボールは、平坦でない分離線を含むことができ、これは該複数のピラミッド型突起の幾つかが、ほぼ赤道部分に配置されるようにする。このようなゴルフボールは、「ゴルフボール用の金型」と題する、1999年11月18日付出願の、継続中の米国特許出願第09/442,845号(この特許出願の全開示を本発明の参考とする)に記載されているような、金型を使用して製造できる。この態様は、該ピラミッド型突起の高い均一性をもたらす。
様々なサイズのディンプルをもつ、ディンプルパターンの付随的な幾つかの非-限定例は、また「ゴルフボールのディンプルパターン」と題する、1999年9月27日付出願の、継続中の米国特許出願第09/404,164号および米国特許第6,213,898号(これらの全開示を本発明の参考とする)に与えられている。
ゴルフボール上のディンプルの総数、またはディンプル数は、選択された該パターンおよび該ディンプルのサイズ等の因子に応じて、変動する可能性がある。該ボール上の全ディンプル数は、好ましくは約100〜約1000ディンプルなる範囲にあるが、当業者は、この範囲内のディンプル数を変えることで、該ボールの飛翔性能を大幅に変更できることを認識するであろう。一態様において、該ディンプル数は、約380ディンプル以上であるが、より好ましくは約400ディンプル以上および一層好ましくは約420ディンプル以上である。一態様において、該ボール上の該ディンプル数は、約422ディンプルである。幾つかの場合において、該ボール上のディンプル数は、より少ないことが望ましい場合がある。従って、本発明の一態様は、約380ディンプル以下、およびより好ましくは約350ディンプル以下である。
対称軸の回りに、カテナリー曲線を回転させるディンプルプロフィールは、空力的効率を高め、該ディンプルを変更して、該ディンプルパターンを変えることなしに、ボールの性能を調節する有利な方法を与え、かつあらゆるスイング速度のゴルファーに対して、均一に増大する飛翔距離を与える。このように、「カテナリー曲線プロフィールを持つゴルフボールディンプル」と題する、2001年11月21日付出願の、米国特許出願第09/989,191号(この特許出願の全開示を本発明の参考とする)に記載されているように、カテナリー曲線プディンプルロフィールを、本発明のゴルフボールについて使用することを意図している。
ゴルフボールの後処理
本発明のゴルフボールは、更なる便宜のために、塗装し、被覆し、あるいは表面処理することができる。
例えば、ゴルフボールカバーは、しばしば所定の着色特性を得るために、蛍光性材料および/または染料もしくは顔料を含む。しかし、本発明のゴルフボールは、また2002/0082358号に記載されているように、塩基性樹脂塗料組成物で処理できる。この特許公開は、7-トリアジニルアミノ-3-フェニルクマリン誘導体を、蛍光増白剤として含んでいて、改善された耐候性および光沢をもたらす。
更に、ゴルフボールカバーの外側表面上に、商標または他の印を押印、即ちパッド-印刷(pad-printed)し、次に該押印した外側表面を少なくとも1種の透明被膜で処理し、該ボールに光沢のある仕上げを施し、かつ該カバー上の押印した印を保護する。
本発明のゴルフボールは、また染料昇華処理に付すこともでき、そこでは少なくとも1種のゴルフボール部材を、該外側表面にまで移動し、印を形成する少なくとも1種の昇華性インキ処理にかける。該少なくとも1種の昇華性インキは、好ましくは「ゴルフボール上への印の形成方法」と題する、2001年12月12日付出願の、米国特許出願第10/012,538号(この特許出願の全開示を本発明の参考とする)に記載されているように、少なくとも1種のアゾ染料、ニトロアリールアミン染料、またはアンスラキノン染料を含む。
レーザー光を照射した部分の色の変化を生じる、ゴルフボールの選択された表面部分のレーザーマーキングも、本発明で利用することを意図する。米国特許第5,248,878号および同第6,075,223号は、一般的にこのような方法を開示しており、従ってこれら特許の全開示を本発明の参考とする。更に、該ゴルフボールを、アブレーションにかけることもでき、即ちレーザー輻射ビームを該ボールのカバー部分に導き、該カバー部分を照射することができる。ここで、該照射されたカバー部分は、融蝕されて、検出可能なマークを形成し、またこの処理は、該カバー部分の有意な変色を起こすことはない。アブレーションは、「ゴルフボールのレーザーマーキング」と題する、2002年12月18日付の、米国特許出願第09/739,469号(この特許出願の全開示を本発明の参考とする)に記載されている。
保護用および装飾用の被覆材料並びにこのような材料のゴルフボールカバー表面への適用法は、ゴルフボール技術分野で公知である。一般的にこのような被覆材料はウレタン、ウレタンハイブリッド、エポキシ樹脂、ポリエステルおよびアクリル樹脂を含む。必要ならば、1層を越える被覆層を使用できる。この被覆層は、当業者には公知の任意の適当な方法で適用できる。一態様において、該被覆層は、例えば米国特許第5,849,168号(この特許の全開示を本発明の参考とする)に記載されている、金型内被覆法によって該ゴルフボールカバーに適用できる。
ゴルフ用具におけるこれら飽和ポリウレアおよびポリウレタン組成物の使用は、典型的な後-加工の必要性、例えば該ボールに透明なトップコートを施す前に、着色された被膜で該ゴルフボールを被覆する必要性を排除する。光安定性を持たない組成物とは異なり、本発明のゴルフ用具の製造において使用する該組成物は、光への暴露、特に関連するまたは長期間の暴露に際して変色を起こさない。また、少なくとも一つの被覆段階を排除することにより、製造業者は、低減された加工時間およびその結果としての改善された労働効率による経済的な利益を実現する。更に、塗料の典型的な成分である、揮発性有機化合物の大幅な節減が、本発明の利用によって実現され、これは大幅な環境上の利益をもたらす。
このように、該飽和組成物で製造した場合には、本発明のゴルフボール上に着色された被膜を用いる必要はないが、本発明のゴルフボールは、更なる利点を得るために、塗装し、被覆し、あるいは表面処理に付すことができる。例えば、本発明に従って製造し、塗装されたゴルフボールの価値は、該表面塗装の劣化が、通常の競技の実施中に起こった場合に、高い色の安定性をもたらす。顕著な白色度を得るために今日利用されている主流技術は、二酸化チタンにより白色のカバーを生成し、このカバーをコロナ処理、プラズマ処理、UV処理、火炎処理、または電子ビーム処理等にかけ、蛍光増白剤を含む、1層以上の透明塗料を適用することである。この技術は製造効率およびコスト的に有効である。
ゴルフボールの特性
本発明のゴルフボールの硬さ、モジュラス、コア径、中間層の厚み、およびカバー層の厚み等の諸特性は、スピン、初期速度およびこのゴルフボールの感触等の競技特性をもたらすことが分かっている。例えば、該中間層の曲げおよび/または引張り弾性率は、本発明のゴルフボールの「感触」に影響を与えるものと考えられている。
部材の寸法
ゴルフボール部材の寸法、即ち厚みおよび径は、所定の特性に応じて、変動する可能性がある。本発明の目的にとって、任意の層厚を利用することができる。上で概説した様々な態様の非-限定例を、層の寸法に関して以下に与える。
本発明は、任意サイズのゴルフボールに関する。USGAの規格では、競技用ゴルフボールのサイズを、径4.27cm (1.68 in)以上に規定しており、任意のサイズのゴルフボールは、娯楽用ゴルフプレイでは使用可能である。ゴルフボールの好ましい径は、約4.27〜約4.57 cm (約1.68〜約1.8 in)である。より好ましいその径は、約4.27〜約4.47 cm (約1.68〜約1.76 in)である。約4.27〜約4.42 cm (約1.68〜約1.74 in)なる範囲の径が最も好ましいが、約4.32〜約4.95 cm (約1.7〜約1.95 in)なる範囲の何れの径も使用可能である。好ましくは、該コアおよびあらゆる中間層の全体としての径は、最終的な完成されたボールの前傾の約80〜約98%である。
該コアは、約0.229〜約4.19 cm (約0.09〜約1.65 in)なる範囲内の径をもつことができる。一態様において、本発明のコアの径は、約3.05〜約4.14 cm (約1.2〜約1.630 in)なる範囲にある。別の態様では、該コアの径は、約3.30〜約4.06 cm (約1.3〜約1.6 in)なる範囲、好ましくは約3.53〜約4.06 cm (約1.39〜約1.6 in)なる範囲およびより好ましくは約3.81〜約4.06 cm (約1.5〜約1.6 in)なる範囲にある。更に別の態様では、該コアは、約3.94〜約4.19 cm (約1.55〜約1.65 in)なる範囲の径を持つ。
ゴルフボールのコアは、その残部に対して極めて大きいものであり得る。例えば、一態様において、該コアは、該ゴルフボールの約90〜約98%を、好ましくは該ゴルフボールの約94~約96%を構成する。この態様において、好ましくは、該コアの径は約3.91 cm (約1.54 in)以上、好ましくは約3.94 cm (約1.55 in)以上である。一態様において、このコアの径は、約4.04 cm(約1.59 in)以上である。別の態様において、該コアの径は、約4.17 cm(約1.64 in)以下である。
該コアが、内側コア層および外側コア層を含む場合、該内側コア層は、好ましくは約2.29cm(約0.9in)以上、また該外側コア層は、好ましくは約0.254cm(約0.1in)以上の厚みを持つ。一態様において、該内側コア層は、約0.229〜約3.05cm(約0.09〜約1.2in)なる範囲の径を持ち、また該外側コア層は、約0.254〜約2.03cm(約0.1〜約0.8in)なる範囲の厚みを持つ。更に別の態様において、該内側コア層は、約0.241〜約2.79cm(約0.095〜約1.1 in)なる範囲の径を持ち、また該外側コア層は、約0.508〜約0.0762cm(約0.2〜約0.03in)なる範囲の厚みを持つ。
このカバーは、典型的に十分な強度、良好な性能特性および耐久性を得るのに十分な厚みを持つ。一態様において、該カバーの厚みは、約0.0508〜約0.889cm(約0.02〜約0.35 in)なる範囲にある。このカバーは、好ましくは約0.0508〜約0.305cm(約0.02〜約0.12 in)なる範囲、好ましくは約0.254cm(約0.1 in)以下の厚みを持つ。本発明の組成物を、ゴルフボールの外側カバーの製造に用いる場合、該カバーは、約0.254cm(約0.1 in)以下、好ましくは約0.178cm(約0.07 in)以下の厚みを持つ。一態様において、該外側カバーは、約0.0508〜約0.178cm(約0.02〜約0.07 in)なる範囲の厚みを持つ。他の態様において、該カバーの厚みは、約0.127cm(約0.05 in)以下、好ましくは約0.0508〜約0.127cm(約0.02〜約0.05 in)なる範囲にある。更に別の態様では、このようなゴルフボールの外側カバー層は、約0.0508〜約0.114cm(約0.02〜約0.045 in)なる範囲にある。更に別の態様では、該外側カバー層は、約0.0635〜約0.102cm(約0.025〜約0.04 in)なる範囲の厚みを持つ。一態様において、該外側カバー層は約0.0762cm(約0.03 in)なる厚みを持つ。
ゴルフボール中間層の厚みは、中間層、即ち外側コア層、内側カバー層、糸巻き層、水分/蒸気遮断層等を使用する場合の大きな可能性のために、大きな範囲にある。本発明のゴルフボールで使用する場合、該中間層、または内側カバー層は、約0.762cm(約0.3 in)以下の厚みを持つことができる。一態様において、該中間層の厚みは、約0.0508〜約2.54mm(約0.002〜約0.1 in)なる範囲、好ましくは約0.254mm(約0.01 in)以上である。一態様において、該中間層の厚みは約0.227cm(約0.09 in)以下、好ましくは約0.152cm(約0.06 in)以下である。別の態様では、該中間層の厚みは、約0.127cm(約0.05 in)以下、より好ましくは約0.0254〜約0.114cm(約0.01〜約0.045 in)なる範囲にある。一態様において、該中間層の厚みは約0.0508〜約0.102cm(約0.02〜約0.04 in)なる範囲にある。別の態様において、該中間層の厚みは約0.0635〜約0.0889cm(約0.025〜約0.035 in)なる範囲にある。更に別の態様において、該中間層の厚みは約0.0889cm(約0.035 in)である。更に別の態様において、該内側カバー層は、約0.0762〜約0.0889cm(約0.03〜約0.035 in)なる範囲の厚みを持つ。該中間層および外側カバー層の厚みに関するこれら範囲の様々な組合せが、ここに記載する他の態様との組合せで利用できる。
該中間層の厚み対該外側カバー層の厚み比は、好ましくは約10以下、好ましくは約3以下である。別の態様では、この中間層対外側カバー層の厚み比は、約1以下である。該コアと中間層とは一緒に、好ましくは4.27cm(1.68 in)-ボールに対して約3.76cm(約1.48 in)以上の径を持つ、内側ボールを生成する。一態様において、該4.27cm(1.68 in)-ボールの内側ボールは、約3.86cm(約1.52 in)以上の径を持つ。別の態様において、該4.27cm(1.68 in)-ボールの内側ボールは、約4.22cm(約1.66 in)以下の径を持つ。更に別の態様において、該4.37cm(1.72 in)(またはそれ以上の)-ボールは、約3.81cm(約1.50 in)以上の内側ボール径を持つ。更に別の態様において、該4.37cm(1.72 in)-ボールの内側ボール径は、約4.32cm(約1.70 in)以下である。
硬さ
殆どのゴルフボールは、所定の性能特性を獲得するために、異なる硬さ、例えば硬さの勾配を持つ層で構成される。本発明は、層間で硬さの勾配を持つゴルフボール、並びに同一の硬さを持つ層を備えたゴルフボールを意図する。
特に当業者は、「材料の硬さ」と「ゴルフボールについて直接測定したような硬さ」との間には、基本的な違いがあることを理解するはずである。材料の硬さとは、ASTM-D2240に示された手順により規定され、一般的に硬さを測定すべき材料で作った、平坦な「スラブ」または「ボタン」の硬さを測定する工程を含む。ゴルフボール(または他の球面)について直接測定した場合、硬さは全く異なる測定により求められ、従って異なる硬さの値をもたらす。この違いは、ボール構成(即ち、コアの型、コアおよび/またはカバー層の数等)、ボール(または球)の径、および隣接層の材料組成等(を含むが、これらに制限されない)の様々なファクタに起因する。同様に、これら2つの測定技術は、線形関係にはなく、従って一方の硬さ値を、容易に他方の値と相関させることはできない。
本発明のコアは、特定のゴルフボール構成に依存して、変動する硬さを持つことができる。一態様において、該コアの硬さは、成型した球について測定した値として、少なくとも約15ショアA、好ましくは約30ショアAである。別の態様において、該コアは、約50ショアA〜約90ショアDなる範囲の硬さを持つ。更に別の態様では、該コアの硬さは、約80ショアD以下である。好ましくは、該コアは、約30〜約60ショアDなる範囲、およびより好ましくは該コアは、約35〜約60ショアDなる範囲の硬さを持つ。
ポリブタジエン反応生成物をコアに配合する場合、このコアは、成型した球について測定した値として、硬さの勾配、即ち第一の点、即ち内部の位置における第一の硬さ、および第二の点、即ち外側表面における第二の硬さを持つことができる。一態様において、該第二の硬さは、該第一の硬さよりも少なくとも約6%以上、好ましくは該第一の硬さよりも少なくとも約10%以上大きい。他の態様では、該第二の硬さは、該第一の硬さよりも少なくとも約20%以上、好ましくは少なくとも約30%以上大きい。
例えば、該コアの内部は約45ショアC〜約60ショアCなる範囲の第一の硬さを持ち、かつ該コアの外側表面は約65ショアC〜約75ショアCなる範囲の第二の硬さを持つ。本発明に従って製造された一つのゴルフボールにおいて、該第一の硬さは約51ショアCであり、かつ該第二の硬さは約71ショアCであり、20%を越える硬さの差を与える。
しかし、一態様において、該コアは、全体を通して実質的に均一な硬さを持つ。従って、この局面において、該第一および第二の硬さは、好ましくは約5%以下、より好ましくは約3%以下、およびより一層好ましくは約2%以下だけ異なる。もう一つの態様において、この硬さは、該部材全体を通して均一である。
本発明の中間層も、該ボールの特定の構成に依存して、硬さを変えることができる。一態様では、該中間層の硬さは、約30ショアD以上である。他の態様では、該中間層の硬さは、約90ショアD以下、好ましくは約80ショアD以下、およびより好ましくは約70ショアD以下である。更に別の態様では、該中間層の硬さは、約50ショアD以上、好ましくは約55ショアD以上である。一態様では、該中間層の硬さは、約55ショアD〜約65ショアDなる範囲内にある。該中間層は、また約65ショアD以上であっても良い。
該中間層を該コア層よりも硬くしたい場合には、該中間層の硬さ対該コア層の硬さの比を、好ましくは約2以下とする。一態様において、この比は、約1.8以下である。更に別の態様では、この比は約1.3以下である。
該コアおよび中間層と同様に、該カバー層は、該ゴルフボールの構成および所望の特性に応じて変えることができる。カバーの硬さ対内側ボールの硬さ比は、ボールの空力特性、特にボールのスピン特性を調節するために、利用される主な変数である。一般的に、該内側ボールが硬いほど、ドライバースピンは大きく、また該カバーが柔軟であるほど、該ドライバーのスピンは大きくなる。
例えば、該中間層を、該ボール内の最も硬い、例えば約50ショアD〜約75ショアDなる範囲の硬さをもつ部分としたい場合には、該カバー材料は、スラブについて測定した値として、約20ショアD以上、好ましくは約25ショアD以上およびより好ましくは約30ショアD以上の硬さを持つことができる。もう一つの態様では、該カバー自体は、約30ショアD以上の硬さを持つ。特に、該カバーは、約30ショアD〜約60ショアDなる範囲の硬さを持つことができる。一態様において、該カバーは、約40ショアD〜約65ショアDなる範囲の硬さを持つ。別の態様では、該カバーは、約45ショアD未満、好ましくは約40ショアD未満、およびより好ましくは約25ショアD〜約40ショアDなる範囲の硬さを持つ。一態様において、該カバーは、約30ショアD〜約40ショアDなる範囲の硬さを持つ。
この態様では、該外側カバー層が、該中間層または内側カバー層よりも柔軟である場合、該外側カバー層対該中間層のショアD硬さの比は、約0.8以下、好ましくは約0.75以下、およびより好ましくは約0.7以下である。もう一つの態様では、この比は、約0.5以下、好ましくは約0.45以下である。
更に別の態様において、この比は、該カバーおよび中間層材料が実質的に同一の硬さを持つ場合には、約0.1以下である。該カバー層と該中間層との間における硬さの違いがそれ程大きくないものとしたい場合には、該カバーは、約55ショアD〜約65ショアDなる範囲の硬さを持つことができる。この態様において、該外側カバー対該中間層のショアD硬さの比は、約1.0以下、好ましくは約0.9以下である。
該カバーの硬さもショアCによって規定できる。例えば、該カバーは、約70ショアC以上、好ましくは約80ショアC以上の硬さを持つことができる。もう一つの態様において、該カバーは、約95ショアC以下、好ましくは約90ショアC以下の硬さを持つ。
もう一つの態様では、該カバー層は該中間層よりも硬い。この設計において、該カバー層対該中間層のショアD硬さの比は、約1.33以下、好ましくは約1.14以下である。
ツーピースボールを製造する場合、該コアは、該外側カバーよりも柔軟であっても良い。例えば、該コアの硬さは、約30ショアD〜約50ショアDなる範囲内であり得、また該カバーの硬さは約50ショアD〜約80ショアDなる範囲内であり得る。この型の構成において、該カバーの硬さと該コアの硬さとの間の比は、好ましくは約1.7以下である。他の態様において、該比は、約1.55以下である。材料に依存して、例えば本発明の組成物が、酸官能化され、そこで該酸基は少なくとも部分的に中和されている場合、該カバー対コアの該硬さの比は、好ましくは約1.25以下である。
圧縮(率)
圧縮率は、測定すべき部材の径に依存する。本発明に従って調製したゴルフボールの、該コア、または該コアの一部のアッチ圧縮率は、好ましくは約80未満、より好ましくは約75未満である。ここで使用する用語「アッチ圧縮率」または「圧縮率」とは、NJ、ユニオンシティーのアッチエンジニアリング社(Atti Engineering Corp.)から市販品として入手できる、アッチコンプレッションゲージ(Atti Compression Gauge)によって測定したような、較正されたバネの撓みに相対的な対象または材料の撓みとして定義される。アッチ圧縮率は、典型的にゴルフボールの圧縮率を測定するために使用される。もう一つの態様において、該コアの圧縮率は、約40〜約80、好ましくは約50〜約70なる範囲にある。更に別の態様では、該コア圧縮率は、好ましくは約50以下、およびより好ましくは約25以下である。
別の低圧縮率の態様では、該コアは、約20未満、より好ましくは約10未満、および最も好ましくは0なる圧縮率を有する。しかし、当業者には公知である如く、本発明に従って作成したコアは、該アッチコンプレッションゲージの測定限界以下であり得る。該コアが硬い態様では、該圧縮率は、約90以上であり得る。一態様において、該硬質のコアの圧縮率は約90〜約100なる範囲にある。
本発明のコアは、また約160未満、より好ましくは約40〜約160なる範囲、および最も好ましくは約60〜約120なる範囲の、軟質中心撓み指数(Soft Center Deflection Index; SCDI)圧縮率を持つことができる。
一態様において、本発明のゴルフボールは、好ましくは約55以上、好ましくは約60〜約120なる範囲のアッチ圧縮率を持つ。別の態様では、本発明のゴルフボールのアッチ圧縮率は、少なくとも約40、好ましくは約50〜約120なる範囲、およびより好ましくは約60〜100なる範囲にある。更に別の態様では、本発明のゴルフボールのアッチ圧縮率は、約75以上および約95以下である。例えば、本発明の好ましいゴルフボールは、約80〜約95なる範囲の圧縮率を持つことができる。
初期速度およびCOR
一般的には、ゴルフボールのCORに関するUSGAによる制限はないが、ゴルフボールの初期速度は、76.25±1.53m/s(250±5 ft/s)を越えることはできない。従って、一態様において、該初期速度は、約74.73m/s(245 ft/s)以上、および約77.78m/s(255 ft/s)以上である。別の態様では、この初期速度は、約76.25m/s(250 ft/s)以上である。一態様において、該初期速度は、約77.17m/s〜約77.47m/s(約253〜約254 ft/s)なる範囲内にある。更に別の態様では、該初期速度は、約77.78m/s(255 ft/s)である。初期速度に関する一般的な規則は、ゴルフボール製造業者が、該限界内に留まるべきことを要求するが、当業者は、本発明のゴルフボールが、この範囲外の初期速度を持つゴルフボールに容易に変換されるであろうことを理解するはずである。
USGAにより設定されたこの初期速度に関する制限の結果として、目標は、上記の約77.78m/s(255 ft/s)なる限界を越えることなしに、CORを最大にすることである。ワンピース中実ゴルフボールでは、このCORは、ボールの組成および硬さを包含する該ボールの様々な特性に依存するであろう。与えられた組成物に対して、CORは、一般的に硬さが増大するにつれて増加する。例えばコアとカバーとを持つ、ツーピース中実ゴルフボールにおいて、該カバーの目的の一つは、該コアのゲインを超える、CORにおけるゲインを生成することである。高いCORに対するコアの寄与が、かなりの程度である場合、より小さな寄与が、カバーに対して要求される。同様に、カバーが、該ボールの高いCORに実質的に寄与している場合、より小さな寄与が、該コアに対して要求される。
本発明は、約0.7〜約0.85なる範囲のCORを持つゴルフボールを意図する。一態様において、該CORは、約0.75以上、好ましくは約0.78以上である。別の態様では、該ボールは、約0.8以上のCORを持つ。
更に、該内側ボールは、好ましくは約0.780以上のCORを有する。一態様において、該CORは、約0.790以上である。
曲げ弾性率
従って、本発明のゴルフボールは、約3.445〜約3445MPa(約500〜約500,000 psi)なる範囲の曲げ弾性率を持つ中間層を持つことが好ましい。より好ましくは、この中間層の曲げ弾性率は、約6.89〜約1723MPa(約1000〜約250,000 psi)なる範囲にある。最も好ましくは、この中間層の曲げ弾性率は、約13.78〜約1378MPa(約2000〜約200,000 psi)なる範囲にある。
該カバー層の曲げ弾性率は、好ましくは約13.78MPa(約2000 psi)以上およびより好ましくは約34.45MPa(約5000 psi)以上である。一態様において、このカバーの曲げ弾性率は、約68.9〜約1034MPa(約10000〜約150,000 psi)なる範囲にある。より好ましくは、該カバー層の曲げ弾性率は、約103.4〜約826.8MPa(約15,000〜約120,000 psi)なる範囲にある。最も好ましくは、該カバー層の曲げ弾性率は、約124.0〜約757.9MPa(約18,000〜約110,000 psi)なる範囲にある。別の態様では、該カバー層の曲げ弾性率は、約689MPa(約100,000 psi)以下、好ましくは約551.2MPa(約80,000 psi)以下、およびより好ましくは約482.3MPa(約70,000 psi)以下である。一態様において、該カバー層が約50ショアD〜約60ショアDなる範囲の硬さを持つ場合、該カバー層は、好ましくは約379.0〜約447.9MPa(約55,000〜約65,000 psi)なる範囲の曲げ弾性率を持つ。
一態様において、該中間層対該カバー層の曲げ弾性率の比は、約0.003〜約50なる範囲にある。別の態様では、該中間層対該カバー層の曲げ弾性率の比は、約0.006〜約4.5なる範囲にある。更に別の態様では、該中間層対該カバー層の曲げ弾性率の比は、約0.11〜約4.5なる範囲にある。
一態様において、本発明の組成物は、本質的に同一の硬さを持つが、曲げ弾性率において異なる多数のカバー層を含むゴルフボールにおいて利用する。本発明のこの局面において、該2つのカバー層間の曲げ弾性率における差は、好ましくは約34.45MPa(約5000 psi)以下である。別の態様では、この曲げ弾性率における差は、約3.445MPa(約500 psi)以上である。更に別の態様では、少なくとも一方が強化されている、該2つのカバー層間の曲げ弾性率における差は、約3.445〜約68.9MPa(約500〜約10,000 psi)なる範囲、好ましくは約3.445〜約34.45MPa(約500〜約5,000 psi)なる範囲にある。一態様において、強化されていない、または変性されていない材料で作成した2つのカバー層間の曲げ弾性率における差は、約6.89〜約17.23MPa(約1,000〜約2,500 psi)なる範囲にある。
比重
本発明のポリウレタンまたはポリウレア組成物を含む、カバー層または中間層の比重は、好ましくは少なくとも約0.7である。
接着強度
本発明のポリウレタンまたはポリウレア組成物の、接着または剥離強さは、好ましくは約5 lbf/in以上である。一態様では、該接着強さは、約25 lbf/in以下である。例えば、該接着強さは、好ましくは約10 lbf/in以上および約20 lbf/in以下である。別の態様では、該接着強さは約20 lbf/in以上、好ましくは約24 lbf/in以上である。更に別の態様では、該接着強さは約26 lbf/in以上である。更に別の態様では、該接着強さは約20〜約30 lbf/inなる範囲にある。
剪断/切断抵抗
ゴルフボールカバーの切断抵抗は、損傷および外観を評価する1〜9なる範囲のスケールを持つ剪断テストを利用して、測定できる。一態様において、損傷ランクは、好ましくは約3以下、より好ましくは約2以下である。別の態様では、この損傷ランクは約1以下である。本発明のゴルフボールの外観ランクは、好ましくは約3以下である。一態様において、この外観ランクは約2以下、好ましくは約1以下である。
光安定性
上で議論したように、本発明の組成物は、本来的に光に対して安定、即ち芳香族成分を全く含まない。該カバーの光安定性は、黄変指数(*Y1)における差、即ち所定の暴露期間後に測定された黄変と、暴露前の黄変との差によって定量化できる。一態様において、該*Y1は5日間(120時間)の暴露後に、約10以下、好ましくは5日間の暴露後に約6以下、およびより好ましくは5日間の暴露後に約4以下である。一態様において、該*Y1は5日間の暴露後に約2以下であり、またより好ましくは5日間の暴露後に約1以下である。
b彩度次元(*b*、黄色乃至青)における差も、該カバーの光安定性を定量化する一つの方法である。一態様において、この*b*は、5日間(120時間)の暴露後に、約4以下、好ましくは5日間の暴露後に約3以下、より好ましくは5日間の暴露後に約2以下である。一態様において、この*b*は、5日間の暴露後に約1以下である。
以下の非-限定的な実施例は、単に本発明の好ましい態様を例示するものであり、本発明を制限するものと考えるべきではなく、本発明の範囲は、添付した特許請求の範囲によって規定される。特に述べない限り、「部」は、質量基準である。
実施例1-2:飽和ポリウレタンゴルフボールカバー
以下の表3は、飽和ポリウレタンゴルフボールカバーを製造するのに使用した成分を示す。





Figure 0004105642
*: プレポリマーは、イソホロンジイソシアネートとポリテトラメチレンエーテルグリコールとの反応生成物である。
**: プレポリマーは、4,4'-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートとポリテトラメチレンエーテルグリコールとの反応生成物である。
***: HCC-19584は、ハービックケミカル社(Harwick Chemical Corporation)により製造されている、白-青着色剤分散物である。
米国特許第5,733,428号の教示に従って、上記組成物から処方したカバーを含むゴルフボールを製造した。得られた物性およびボール性能を以下の表4に与える。
Figure 0004105642
表3に記載の上記実施例2の組成物から成型したボールを、更に、以下に説明するようなQUVテストに掛けた。
方法:以下に説明するような幾つかの修正を施した、ASTM G53-88の「非-金属材料の暴露に関する光および水-暴露装置(蛍光UV-凝縮型)を操作するための標準的な実務」に従った。
評価すべき各種類のボール6個を、オーダーメイドのゴルフボールホルダに置き、オハイオ州、クリーブランドのQ-パネルラブプローダクツ(Q-Panel Products)社により作成された、Q-パネルモデルOUV/SERアクセレレーテッドウエザリングテスタ(Q-PANEL Model OUV/SER Accelerated Weathering Tester)のサンプルラックに挿入した。このサンプルホルダは、各ボールが、最も近接した点における、UVA-340バルブから約4.45 cm (約1.75 in)離れるように組み立てられた。次いで、屋外暴露テストを、以下の2組の条件下で、4時間毎に繰り返した(指定した全時間24、48および120時間に渡り)。条件#1:上方にUVランプを備えた、温度約50℃の水浴で、輻射出力を1.00 W/m2/nmに設定し、かつこの値に調節した;条件#2:水浴の温度を約40℃とし、UVランプは消した。
色を、屋外暴露する前および上記各サイクル後に、25mmの開口を備えた、BYK-ガードナーモデルTCS II球型分光光度計(BYK-Gardner Model TCS II Sphere Type Spectrophotometer)を使用して測定した。照度D65/10°を、正反射含有モードで使用した。
24時間のUV暴露後の、該成型したボールに関するテスト結果を、以下の表5に示す。ここで、ΔL*はL次元(明暗)における差に等しく、Δa*は彩度次元(赤乃至緑) における差に等しく、Δb*はb彩度次元(黄色乃至青) における差に等しく、ΔC*は結合彩度差(a*およびb*尺度)、即ち色相および飽和に等しく、ΔH*は飽和および発光作用を除く、全色相差に等しく、ΔE*は全色差に等しく、ΔW1は白色度指数における差に等しく、またΔY1は黄変度指数に等しい。
Figure 0004105642
48時間に及ぶUV暴露後における、該成型ボールに関するテスト結果を、以下の表6に示す。
Figure 0004105642
120時間に及ぶUV暴露後における、該成型ボールに関するテスト結果を、以下の表7に示す。
Figure 0004105642
実施例3:H 12 MDIポリエーテルウレタンエラストマー
H12MDIポリエーテルウレタンエラストマーを含む、表8に記載の組成物から処方したカバーを備えた、ゴルフボールを製造した。



Figure 0004105642
*:S28755PST3着色剤分散物は、PPGインダストリーズ(PPG Industries)社により製造されている。
物性およびボール性能の測定結果を、以下の表9に列挙する。芳香族ポリウレタンで作成したコントロールボールに関する結果をも、比較の目的で以下の表9に含める。
Figure 0004105642
剪断テストのランク付け:1-9等級に基き、1が最良であり、9が最悪のものである。
実施例4:H 12 MDIポリカプロラクトンウレタンエラストマー
H12MDIポリカプロラクトンウレタンエラストマーを含む表10に記載の組成物から処方したカバーを備えた、ゴルフボールを製造した。
Figure 0004105642
*:S28755PST3 着色剤分散物は、PPGインダストリーズにより製造されている。
物性およびボール性能の測定結果を、以下の表11に列挙する。芳香族ポリウレタンで作成したコントロールボールの結果をも、比較の目的で以下の表11に含める。
Figure 0004105642
剪断テストのランク付け:1-9等級に基き、1が最良であり、9が最悪のものである。
実施例5:H 12 MDIポリエステルウレタンエラストマー
H12MDIポリエステルウレタンエラストマーを含む表12に記載の組成物から処方したカバーを備えた、ゴルフボールを製造した。
Figure 0004105642
*:S28755PST3 着色剤分散物は、PPGインダストリーズにより製造されている。
物性およびボール性能の測定結果を、以下の表13に列挙する。芳香族ポリウレタンで作成したコントロールボールの結果をも、比較の目的で以下の表13に含める。







Figure 0004105642
剪断テストのランク付け:1-9等級に基き、1が最良であり、9が最悪のものである。
実施例6:H 12 MDIポリエーテルウレタン/ウレアエラストマー
H12MDIポリエーテルウレタン/ウレアエラストマーを含む表14に記載の組成物から処方したカバーを備えた、ゴルフボールを製造した。
Figure 0004105642
*:HCC-19584着色剤分散物は、ポリオン(PolyOne)社により製造されている。
物性およびボール性能の測定結果を、以下の表15に列挙する。芳香族ポリウレタンで作成したコントロールボールの結果をも、比較の目的で以下の表15に含める。












Figure 0004105642
剪断テストのランク付け:1-9等級に基き、1が最良であり、9が最悪のものである。
実施例7:低遊離HDIポリエーテルウレタンエラストマー
低遊離HDIポリエーテルウレタンエラストマーを含む表16に記載の組成物から処方したカバーを備えた、ゴルフボールを製造した。
Figure 0004105642
*:S28755PST3 着色剤分散物は、PPGインダストリーズにより製造されている。
物性およびボール性能の測定結果を、以下の表17に列挙する。芳香族ポリウレタンで作成したコントロールボールの結果をも、比較の目的で以下の表17に含める。












Figure 0004105642
剪断テストのランク付け:1-9等級に基き、1が最良であり、9が最悪のものである。
実施例8:H 12 MDI/ダイマレート(Dimerate)ポリエステルウレタンエラストマー
H12MDI/ダイマレートポリエステルウレタンエラストマーを含む表18に記載の組成物から処方したカバーを備えた、ゴルフボールを製造した。
Figure 0004105642
*: ヒドロキシ-末端を持つダイマレートポリエステルポリオールは、ユニケマ(Uniquma)により製造されている。
**: S28755PST3 着色剤分散物は、PPGインダストリーズにより製造されている。
物性およびボール性能の測定結果を、以下の表19に列挙する。芳香族ポリウレタンで作成したコントロールボールの結果をも、比較の目的で以下の表19に含める。









Figure 0004105642
剪断テストのランク付け:1-9等級に基き、1が最良であり、9が最悪のものである。
実施例9:ジオールで硬化したH 12 MDIポリエーテルウレア
1,4-ブタンジオールで硬化した、分子量約2000の、H12MDIとポリオキシアルキレンから製造したプレポリマーを含む組成物から処方したカバーを備える、ゴルフボールを製造した。その物性およびボール性能の測定結果を、以下の表20に列挙する。光安定な、脂肪族ポリウレタン製の実施例2の製品に類似するゴルフボールを、比較の目的で使用した。
Figure 0004105642
剪断テストのランク付け:1-9等級に基き、1が最良であり、9が最悪のものである。
実施例10:ジアミンで硬化したH 12 MDIポリエーテルウレア
4,4'-ビス-(sec-ブチルアミノ)-ジシクロヘキシルメタン(クリアリンク1000)で硬化した、分子量約2000の、H12MDIとポリオキシアルキレンから製造したプレポリマーを含む組成物から処方したカバーを備える、ゴルフボールを製造した。その物性およびボール性能の測定結果を、以下の表21に列挙する。光安定な、脂肪族ポリウレタン製の実施例2の製品に類似するゴルフボールを、比較の目的で使用した。
Figure 0004105642
剪断テストのランク付け:1-9等級に基き、1が最良であり、9が最悪のものである。
実施例11-15:変性硬化剤ブレンド
顔料分散物の濃縮物を、以下の表22に概説するような成分を用いて、調製した。カウルズ(Cowles)ブレードを用いて、ヘグマンスケールにおいて6.0の顔料分散性を達成した。
Figure 0004105642
1:リオンデル社(Lyondel Corporation)から入手した。
2:デュポン社から入手した。
3:ウイタカ、クラーク&ダニエルズ(Whittaker, Clark, and Daniels)から入手した。
4:クロンプトン社(Crompton Corporation)から入手した、ポリアルケンオキシド-変性ポリジメチルシロキサン。
5:チバガイギー(Ciba-Geigy)社から入手した、ヒンダードアミン光安定剤。
6:エアープローダクツ(Air Products)から入手した、錫触媒。
次いで、この顔料分散物濃縮体を、硬化剤および凝固点降下剤と混合し(実施例11のコントロールを除く)、硬化剤ブレンドを製造した。該硬化剤ブレンドの凝固点は、氷浴中で該材料を冷却し、凝固点を記録することにより決定した。表23に示すように、凝固点降下剤の添加(実施例12-15)は、凝固点降下剤を含まない、該顔料分散物と比較して、少なくとも約7.78℃(約14°F)だけ、該ブレンドの凝固点を降下した。実施例12は、エチレングリコールの凝固点硬化剤としての使用を明らかにし、これは約10.6℃(約19°F)だけ該顔料分散体の凝固点を低下した。

Figure 0004105642
更に、実施例15の硬化剤ブレンドは、コントロール(実施例11)において生成した、結晶化固体に比して、凝固に際して軟質の半-固体を生成した。
実施例16-20:変性硬化剤ブレンド
チタンホワイト顔料分散物を、以下の表24に概説するように、本発明に従って調製した。カウルズブレードを用いて、ヘグマンスケールにおいて6.0の顔料分散性を達成した。
Figure 0004105642
1:リオンデル社から入手した。
2:デュポン社から入手した。
3:クロンプトン社から入手したポリアルケンオキシド-変性ポリジメチルシロキサン。
次いでこの顔料分散物を硬化剤、凝固点降下剤(実施例16のコントロールを除く)、および高速反応用の錫触媒とブレンドして、硬化剤ブレンドを調製した。該硬化剤ブレンドの凝固点は、氷浴中で該材料を冷却し、凝固点を記録することにより決定した。表25に示すように、十分な量の凝固点降下剤の添加(実施例18-20)は、凝固点降下剤を含まない該顔料分散物と比較して、少なくとも約4.44℃(約8°F)だけ、該ブレンドの凝固点を降下した。更に、実施例18および19の硬化剤ブレンドは、コントロール(実施例16)において生成した、結晶化固体に比して、凝固に際して軟質の半-固体を生成した。









Figure 0004105642
実施例16-20の硬化剤ブレンドを、約-25.5℃(約-14°F)〜約-10℃(約14°F)なる範囲内の温度にて、72時間冷凍機内に入れた。次に、このブレンドを室温にて解凍した。以下の表26は、解凍後の各ブレンドの、顔料分散性(ヘグマンスケールで測定)を示す。実施例19および20は、凍結/解凍サイクル後に、良好な顔料分散性を持つことを示し、このことは高速での撹拌またはミルでの粉砕なしに、再使用可能であることを示す。
Figure 0004105642
実施例21-25:変性硬化剤ブレンド
有機赤色顔料分散物を、以下の表27に略述したように、本発明に従って調製した。カウルズブレードを用いて、ヘグマンスケールにおいて5.0の顔料分散性を達成した。
Figure 0004105642
1:リオンデル社から入手した。
2:クラリアント(Clariant)社から入手した。
3:クロンプトン社から入手したポリアルケンオキシド-変性ポリジメチルシロキサン。
次いで、この顔料分散物を硬化剤および凝固点降下剤(実施例21のコントロールを除く)とブレンドして、硬化剤ブレンドを調製した。該硬化剤ブレンドの凝固点は、氷浴中で該材料を冷却し、凝固点を記録することにより決定した。表28に示すように、十分な量の凝固点降下剤の添加(実施例23-25)は、凝固点降下剤を含まない該顔料分散物と比較して、少なくとも約4.44℃(約8°F)だけ、該ブレンドの凝固点を降下した。更に、実施例18および19の硬化剤ブレンドは、コントロール(実施例に21)において生成した結晶化固体に比して、凝固に際して軟質の半-固体を生成した。
Figure 0004105642
実施例21-25の硬化剤ブレンドを、約-25.5℃(約-14°F)〜約-10℃(約14°F)なる範囲内の温度にて、72時間冷凍機内に入れた。次に、このブレンドを室温にて解凍した。以下の表29は、解凍後の各ブレンドの、顔料分散性(ヘグマンスケールで測定)を示す。実施例24および25は、凍結/解凍サイクル後に、良好な顔料分散性を持つことを示し、このことは高速での撹拌またはミルでの粉砕なしに、再使用可能であることを示す。
Figure 0004105642
実施例26:変性硬化剤ブレンドを含むゴルフボールカバー
硬化剤ブレンドのサンプルを、90質量部の1,4-ブタンジオールおよび10質量部の凝固点降下剤としての2-メチル-1,3-プロパンジオールを用いて製造した。一夜の冷却後、該サンプルは液体状態を維持していた。この硬化剤ブレンドは、約4.44℃(約40°F)にて固化を開始した。室温にて解凍した際に、これらサンプルは、ヘグマンスケールで約6.0以上の顔料分散性を有していた。更に、コントロールの、凝固点降下剤を含まず、硬化剤として1,4-ブタンジオールを含むサンプルとの比較は、該サンプルが、固化および分離について顕著に改善されていることを示した。
サンプルを凍結し、ゴルフボール製造のために、一夜搬送した。サンプル硬化剤ブレンドで硬化された、H12MDI/PTMEG 2000プレポリマー(9.1%なるNCO含有率)を用いて、内側部材上にカバーを生成した。コントロールボールを、実施例26と同一の内側部材上にカバーを生成することにより製造したが、このカバーは、未変性の1,4-ブタンジオール硬化剤で硬化された、H12MDI/PTMEG 2000プレポリマー(9.1%なるNCO含有率)を含んでいた。以下の表30は、該硬化剤ブレンドへの凝固点降下剤の添加(実施例26)が、ボール性能の劣化を生じず、あるいは結果としてボール物性の低下をもたらさず、該コントロールおよび実施例26両者が、実質的に同一であることを明らかにしている。

Figure 0004105642
本明細書において前に引用した特許および特許出願全て、特にその全開示事項を、本明細書に組み込む。ここに記載され、また特許請求された本発明は、その範囲において、ここに記載の特定の態様により、何等限定されるものではない。というのは、これらの態様は、本発明の幾つかの局面を例示するためのものであるからである。あらゆる等価な態様が、本発明の範囲内に入るものとする。事実、様々な本発明の変更が、ここに提示されかつ説明された態様に加えて、上記説明から、当業者には明らかとなろう。このような変更も、添付した特許請求の範囲に入るものである。
ツーピースゴルフボールの断面図であり、ここでそのカバーは、本発明のポリウレタンまたはポリウレア組成物から作られている。 多成分ゴルフボールの断面図であり、ここで少なくともそのカバーは、本発明のポリウレタンまたはポリウレア組成物から作られている。 多成分ゴルフボールの断面図であり、ここでそのカバーは、本発明のポリウレタンまたはポリウレア組成物から作られ、またその中間層は、少なくとも1種のイオノマー樹脂を含む組成物から作られている。 コアとカバーとを含む、多成分ゴルフボールの断面図であり、ここで該コアは、張力を掛けたエラストマー材料で包囲されており、また該カバーは、本発明のポリウレタンまたはポリウレア組成物から作られている。 液状中心を持つゴルフボールの断面図であり、ここで該液状コアは、張力を掛けたエラストマー材料で包囲されており、また該カバーは、本発明のポリウレタンまたはポリウレア組成物から作られている。 コア、薄い内側カバー層、およびその上に設けられた薄い外側カバー層を含む、多成分ゴルフボールの断面図であり、ここで該カバーは、本発明のポリウレタンまたはポリウレア組成物から作られている。 コア、外側コア層、薄い内側カバー層、およびその上に設けられた薄い外側カバー層を含む、多成分ゴルフボールの断面図であり、ここで該カバーは、本発明のポリウレタンまたはポリウレア組成物から作られている。および 大きなコアと、その上に設けられた薄い外側カバー層とを含む多成分ゴルフボールの断面図であり、ここで該カバーは、本発明のポリウレタンまたはポリウレア組成物から作られている。
符号の説明
1、21、31、41、51、61、71・・・ゴルフボール;2、12、22、52、62、72・・・コア;3、13、23、45・・・カバー;11・・・多層ゴルフボール;14、24・・・中間層;32・・・コア層;33・・・カバー層;34・・・弾性材料;42・・・中空球状コアシェル;43・・・液体;44・・・張力を掛けた弾性材料;53、63、73・・・薄い外側カバー層;54、64・・・薄い内側カバー層;65・・・外側カバー層

Claims (28)

  1. コアおよびカバーを含むゴルフボールであって、該カバーが、
    イソシアネートとポリオールとの反応生成物から製造したポリウレタンプレポリマーと;少なくとも1種の硬化剤と少なくとも1種の相溶性凝固点降下剤とから製造した硬化剤ブレンドとを含み、該凝固点降下剤の凝固点が-17.8℃(0°F)以下である組成物から製造されたものであることを特徴とする、上記ゴルフボール。
  2. 該少なくとも1種の硬化剤が、第一の凝固点を有し、かつ該硬化剤ブレンドが、第二の凝固点を有し、また該第二凝固点が、該第一凝固点よりも2.78℃(5°F)以上低い、請求項1記載のゴルフボール。
  3. 該少なくとも1種の硬化剤が、第一の凝固点を有し、かつ該硬化剤ブレンドが、第二の凝固点を有し、また該第二凝固点が、該第一凝固点よりも5.56℃(10°F)以上低い、請求項2記載のゴルフボール。
  4. 該少なくとも1種の硬化剤が、第一の凝固点を有し、かつ該硬化剤ブレンドが、第二の凝固点を有し、また該第二凝固点が、該第一凝固点よりも8.33℃(15°F)以上低い、請求項3記載のゴルフボール。
  5. 該凝固点降下剤が、該硬化剤ブレンドを基準として、8質量%以上なる量で存在する、請求項1記載のゴルフボール。
  6. 該凝固点降下剤が、該硬化剤ブレンドを基準として、10質量%以上なる量で存在する、請求項5記載のゴルフボール。
  7. 該硬化剤ブレンドが、ヘグマンスケールで4以上の顔料分散度を持つ、請求項1記載のゴルフボール。
  8. 該硬化剤ブレンドが、ヘグマンスケールで5以上の顔料分散度を持つ、請求項7記載のゴルフボール。
  9. 該ポリウレタンプレポリマーが飽和されており、かつ該硬化剤ブレンドが飽和されている、請求項1記載のゴルフボール。
  10. コアと、光安定性カバーとを含むゴルフボールであって、該カバーが、イソシアネートとポリオールとの反応生成物から製造したポリウレタンプレポリマーと;少なくとも1種の硬化剤と少なくとも1種の凝固点降下剤とを含む硬化剤ブレンド内に分散させた顔料とを含み、該凝固点降下剤の凝固点が、-17.8℃(0°F)以下である、組成物から製造されたものであることを特徴とする、上記ゴルフボール。
  11. 該硬化剤ブレンドが、凍結・解凍サイクル後に、4以上の、顔料分散度を持つ、請求項10記載のゴルフボール。
  12. 該顔料が、粉砕ビヒクル中に含まれている、請求項10記載のゴルフボール。
  13. 該少なくとも1種の硬化剤が、第一の凝固点を有し、かつ該硬化剤ブレンドが、第二の凝固点を有し、また該第二凝固点が、該第一凝固点よりも5.56℃(10°F)以上低い、請求項10記載のゴルフボール。
  14. 該凝固点降下剤が、該硬化剤ブレンドを基準として、10質量%以上なる量で存在する、請求項10記載のゴルフボール。
  15. 該カバー層が、流し込み成型、射出成型または反応性射出成型により製造される、請求項10記載のゴルフボール。
  16. 該カバーが、0.51 mm〜0.89 mm (0.02 in〜0.035 in)なる範囲の厚みを持つ、請求項10記載のゴルフボール。
  17. 該ポリオールが、飽和ポリエーテルポリオール、飽和ポリカプロラクトンポリオール、飽和ポリエステルポリオール、飽和ポリカーボネートポリオール、飽和炭化水素ポリオール、脂肪族ポリオール、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項10記載のゴルフボール。
  18. 該少なくとも1種の硬化剤が、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,4-ブタンジオール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、2,3-ジメチル-2,3-ブタンジオール、トリメチロールプロパン、シクロヘキシルジメチロール、トリイソプロパノールアミン、テトラ-(2-ヒドロキシプロピル)-エチレンジアミン、ジエチレングリコールジ-(アミノプロピル)エーテル、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,3-ビス-(2-ヒドロキシエトキシ)シクロヘキサン、1,4-シクロヘキシルジメチロール、1,3-ビス-[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ]シクロヘキサン、1,3-ビス-{2-[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エトキシ}シクロヘキサン、トリメチロールプロパン、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項10記載のゴルフボール。
  19. 該組成物が、更に少なくとも1種の触媒、少なくとも1種の光安定化剤、少なくとも1種の消泡剤、少なくとも1種の酸性官能化成分、少なくとも1種の芳香性成分、またはこれらの組合せをも含む、請求項10記載のゴルフボール。
  20. カバーおよびコアを含むゴルフボールであって、該カバーおよびコアの少なくとも一方が、イソシアネートとポリオール又はポリアミンとの反応生成物から製造したプレポリマー、及び溶媒を含まない顔料分散物を含む組成物から形成され、該顔料分散物が、顔料及び硬化剤ブレンドを含み、該硬化剤ブレンドが、硬化剤及び凝固点降下剤を含み、該凝固点降下剤の凝固点が、-17.8℃(0°F)以下であり、かつ該顔料分散物が、該顔料を再分散すること無しに、凍結、解凍および使用できることを特徴とする、上記ゴルフボール。
  21. 前記硬化剤及び凝固点降下剤が、活性水素含有物質である、請求項20記載のゴルフボール。
  22. 前記硬化剤及び凝固点降下剤が異なる凝固点を持つ、請求項20又は21記載のゴルフボール。
  23. 前記硬化剤が、第一の凝固点を持つ第一の活性水素含有物質を含みかつ前記凝固点降下剤が、該第一の凝固点よりも低い第二の凝固点を持つ、第二の活性水素含有物質を含む、請求項20又は22記載のゴルフボール。
  24. 該顔料分散物が、ヘグマンスケールで4.0以上の値を持つ、請求項20記載のゴルフボール。
  25. 前記顔料が、ビヒクル、前記硬化剤、前記凝固点降下剤、又はこれらの組合わせ中に分散されている、請求項20記載のゴルフボール。
  26. 前記凝固点降下剤が、-23℃(-10°F)〜-84℃(-120°F)の凝固点を有する請求項1、10又は20記載のゴルフボール。
  27. 前記凝固点降下剤が、-34℃(-30°F)〜-57℃(-70°F)の凝固点を有する請求項1、10又は20記載のゴルフボール。
  28. 前記凝固点降下剤が、-23℃〜-73℃(-10°F〜-100°F)なる範囲の凝固点を持つ、請求項1、10又は20記載のゴルフボール。
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