JP4380946B2 - 空調装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空調装置に係わり、更に詳細には、自動車に使用される空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般の乗用車よりも車長の長いレクリエーション・ビークル(RV車)の普及に伴い、後部座席、即ち2列目及び3列目の座席に冷風等の空気を供給する空調装置がRV車に搭載されるようになっている。
【0003】
図4は、このような空調装置の一例を示す斜視図である。図4に示すように、空調装置50は、車両Vの天井VCに設けられ且つ温度調節された空気、例えば冷風を供給する天井ダクト52と、この天井ダクト52と連通するように車両の天井に設けられた吹出し方向調整可能な4つのグリル54とを有している。天井ダクト52は、後部座席(図示せず)の2列目と3列目の間の天井VCを車幅方向の左側から右側に延びている。図5は、天井ダクト52の底面図である。図5に示すように、4つのグリル54は、2つの前側グリル56と2つの後側グリル58とを有し、前側グリル56及び後側グリル58はそれぞれ、車両右側のグリル56R、58R及び車両左側のグリル56L、58Lとを有している。図4に示すように、自動車Vの後部VBに配置されたカーエアコンユニット60によって温度調節された空気、例えば冷風は、車両Vの側面VSに沿って天井ダクト52に案内され、天井ダクト52の中を流れる。天井ダクト52の中を流れてきた冷風は、各グリル56,58を通して、車両Vの室内VRに吹出される。冷風は、前側グリル56からは前方に、後側グリル58からは後方に吹出される。また、各グリル56、58は、冷風の吹出し方向を調整することができるので、例えば、後部座席に座っている乗員が後側グリル58から吹出されている冷風の吹出し方向を変えて、自分の顔に冷風を差し向けることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述の空調装置50は、その作動中に後部座席の乗員が冷風の吹出し方向を調整すると、グリル56、58から吹出される冷風の風速及び風量が大きくなったり小さくなったりしてしまうという欠点がある。例えば、各グリル56、58からの吹出し方向を右方にした場合、左側から右側に延びている天井ダクト52の中を流れる冷風は、流れの向きをほとんど変えずに各グリル56、58から右方に吹出されるので、風速及び風量が比較的大きいままであるのに対し、各グリル56、58からの吹出し方向を左方にした場合、天井ダクト52の中を左側から右側に流れてきた冷風は、流れの向きをほぼ180度変えて各グリル56、58から左方に吹出されるので、風速及び風量が比較的小さくなる。このため、後部座席に座っている乗員は、冷風の吹出し方向と風速及び風量の両方を同時に調整することができないという問題があった。
【0005】
また、上述の空調装置50では、前側グリル56からの冷風は、2列目の座席に座っている乗員の頭部後方に向って吹出される。乗員に適度な涼感を与えるためには、冷風を乗員の顔に向って吹出すことが好ましいので、このような空調装置50を搭載した車両の2列目に座っている乗員は、満足できるような涼感を得られない。
【0006】
更に、上述の空調装置50では、天井ダクト52が車幅方向の左側から右側に延びているので、右側のグリル56R、58Rから吹出される冷風の風速及び風量は、左側のグリル56L、58Lから吹出される冷風の風速及び風量よりも小さくなる傾向がある。このため、後部座席の左側に座るか、右側に座るかによって、乗員の受ける冷風の量に差が生じてしまう。
【0007】
そこで、本発明は、吹出し口の吹出し方向を変えることによる吹出し風速及び風量の変動が少ない空調装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明による空調装置は、空気を供給するための空気供給ダクトと、この空気供給ダクトと連通し、空気を車両の室内に吹出すための吹出し方向調整可能な吹出し口と、を有する空調装置であって、空気供給ダクトは、この空気供給ダクトの中を流れる空気を減速させるための分岐室を有し、この分岐室内で減速された空気が前記吹出し口から吹出されることを特徴としている。
【0009】
このように構成された本発明の空調装置において、空気は空気供給ダクトを通して供給される。空気供給ダクトの中を流れてきた空気は、空気供給ダクトに設けられている分岐室内で減速される。それにより、分岐室内で減速された空気は、その流れの方向性がなくなる。分岐室内で減速された空気が吹出し口から吹出されるとき、流れの方向性がなくなっている空気は、どの吹き出し方向に対しても同じような風速及び風量で吹出される。その結果、吹出し口の吹出し方向を変えることによる吹出し風速及び風量の変動を小さくすることができる。
【0010】
本発明による空調装置において、好ましくは、空気供給ダクトは、車両の天井に沿って車両の後方から前方に延び、分岐室は、車両の天井に配置され、空気供給ダクト内を車両の後方から前方に流れる空気を分岐室内に案内するための前壁を有し、この前壁は、案内された空気の流れの向きを徐々に変える曲面形状を有し、吹出し口は、車両の天井に配置され、分岐室の図心よりも後方の位置で分岐室と連通する。このような構成による本発明においては、空気供給ダクト及び吹出し口が、車両の天井に配置されているので、空気を車両の後部座席に吹出すのに有利であり、限られた車両内スペースを有効に利用することができる。また、車両の後方から前方に向って空気供給ダクト内を流れてきた空気は、分岐室の前壁によって分岐室内に案内され、分岐室内に案内された空気の流れの向きは、分岐室の前壁の曲面形状によって徐々に変えられ、分岐室内で減速される。このため、分岐室内に案内された空気の運動エネルギーは、低損失で圧力エネルギーに変換される。出願人は、この圧力エネルギーが最も高くなる分岐室内の淀み位置、即ち、車両の後方から前方に向って空気供給ダクト内を流れてきた空気の速度の影響が最も弱い分岐室内の位置が、分岐室の図心よりも後方に存在していることを見出した。吹出し口は、かかる淀み位置で分岐室と連通しているので、流れの方向性のない空気が吹出し口から吹出され、吹出し口の吹出し方向を変えることによる空気の吹出し風速及び風量の変動を少なくすることができる。
【0011】
本発明による空調装置において、好ましくは、分岐室は複数設けられ、各分岐室ごとに吹出し口が設けられている。このような構成による本発明においては、吹出し方向を変えることに吹出し風速及び風量の変動が小さい吹出し口を各座席ごとに設けることができる。また、すべての吹出し口を座席の前方上方に配置することによって、冷風を座席に座っている乗員の顔に向って吹出すことができ、すべての乗員に適度な涼感を与えることができる。
【0012】
本発明による空調装置において、好ましくは、吹出し口は、車両の前側座席及び後側座席それぞれの前方上方に配置され、空気供給ダクトは、後側座席よりも後方の天井に設けられたチャンバー室と、チャンバー室から前側座席用の吹出し口へ空気が流れる部分と、チャンバー室から後側座席用の吹出し口へ空気が流れる部分と、を有し、チャンバー室の上下方向の厚さは、空気がチャンバー室から前側座席用吹出し口及び後側座席用吹出し口に流れる部分の上下方向の厚さよりも厚い。このように構成された本発明は、チャンバー室から前側座席用の吹出し口へ空気が流れる部分と、チャンバー室から後側座席用の吹出し口へ空気が流れる部分とが、互いに独立している。更に、チャンバー室の上下方向の厚さは、空気がチャンバー室から前側座席用吹出し口及び後側座席用吹出し口に流れる部分の上下方向の厚さよりも厚い。それにより、空気供給ダクトは、安定した圧力の空気をチャンバー室から各吹出し口へ均等に供給することができ、すべての吹出し口への配風を均等にすることができる。
【0013】
本発明による空調装置において、チャンバー室の上下方向の厚さは、空気が前記チャンバー室から前側座席用吹出し口及び後側座席用吹出し口に流れる部分の上下方向の厚さの2倍以上であるのが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して本発明による空調装置の実施形態を説明する。説明を簡単にするために、空調装置から冷風を吹出す場合について説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施形態である空調装置1の斜視図である。空調装置1は、車両Vの後部VBに配置された冷風供給装置2と、冷風供給装置2に連結され、車両Vの後部ピラーVPに沿って車両Vの天井VCに延びるピラーダクト4と、ピラーダクト4に連結され、車両Vの天井VCに沿って延びる天井ダクト6と、を有している。
【0016】
天井ダクト6は、車両後部VBに配置され且つ車幅方向に延びるチャンバー室8と、チャンバー室8から車両前方に延びる後方幹線流路部10と、後方幹線流路部10に接続され、更に前方に延びて二又に分かれる前方幹線流路部12と、後方幹線流路部10から分岐するように且つそれと隣接して配置された2つの後側分岐室14と、前方幹線流路部12の2つの終端に隣接して配置された2つの前側分岐室16と、を有している。2つの後側分岐室14及び2つの前側分岐室16は、車幅方向に左右に離れて配置されている。
【0017】
図2は、天井ダクト6の側面図である。図2に示すように、天井ダクト6の後方幹線流路部10、前方幹線流路部12、後側分岐室16及び前側分岐室14の上下方向の厚さh1は、チャンバー室8の上下方向の厚さhpよりも小さくなっている。チャンバー室8の厚さhpは、天井ダクト6の厚さh1の2倍以上であるのが好ましい。
【0018】
図3は、天井ダクト6の底面図である。後方幹線流路部10とチャンバー室8とは、ほぼ同じ車幅方向の長さ、即ち幅で接続されている。後方幹線流路部10は、後側分岐室14に流入する冷風が流れる右部18及び左部20と、前方幹線流路部12への冷風が流れる中央部22とを有し、前方幹線流路部12の幅は、後方幹線流路部10の幅よりも狭く又は小さくなっている。前方幹線流路部12は、二又部24で左右に分かれ、それぞれ左右の前側分岐室16に向って延びている。かくして、チャンバー室8から前側分岐室16へ流れる冷風は、前方幹線流路部12及び後方幹線流路部10の中央部22を通り、チャンバー室8から後側分岐室14へ流れる冷風は、後方幹線流路部10の右部18又は左部20を通り、これらの冷風の流れは、互いに独立である。
【0019】
各後側分岐室14は、後方幹線流路部10の右部18又は左部20を流れてきた冷風を後側分岐室14内に案内する前壁26と、前壁26と滑らかに連結して後方に延びる側壁28と、側壁28と幹線流路壁30とに連結された後壁32とによって構成されている。それにより、各後側分岐室14は、冷風が流入する開口部34と、開口部34に隣接した前方空間36と、前方空間36の後方に位置する後方空間38とを有している。
【0020】
各後側分岐室14の前壁26は、後方幹線流路部10から後側分岐室14内に流入してきた冷風の流れの向きを徐々に変える曲面形状を有している。この曲面形状は、例えば、後側分岐室14に凹形に臨む円弧形状である。開口部34及び前方空間36の大きさ及び側壁32の位置及び形状は、前壁26によって向きを変えられた冷風が減速されるように構成されている。後方空間38の大きさ及び後壁32の形状は、減速された冷風が更に減速されるように構成され、本実施形態では、後壁32は、円弧形状をなしている。
【0021】
各前側分岐室16は、後側分岐室14と同様の構成を有しており、後側分岐室14では、後方幹線流路部10の右部18又は左部20を流れてきた冷風が後側分岐室14に流入するのに対して、前側分岐室16では、後方幹線流路部10の中央部を経て前方幹線流路部12を流れてきた冷風が前側分岐室16に流入する点だけが後側分岐室14と異なる。このため、前側分岐室16の説明を省略する。
【0022】
車両Vの天井VCには、車室VR内に冷風を吹出すための4つの円形グリル40が設けられている。4つの円形グリル40は、車両Vの後部座席(図示せず)、即ち2列目及び3列目の座席の前方上方に配置されている。また、各円形グリル40は、後側分岐室14又は前側分岐室16の図心42よりも後方で後側分岐室14又は前側分岐室16と連通している。円形グリル40は、格子状のフィン44を有し、この格子状のフィン44は、円形グリル40からの吹出し方向を前後左右に360度変えることができるようになっている。
【0023】
ここで、後側分岐室14又は前側分岐室16の図心42は、後側分岐室14又は前側分岐室16の重心である。例えば、後側分岐室14は、前方幹線流路部12から前壁26の曲線部分が始まる点と後方幹線流路部10から後壁32の曲線部分が始まる点とを結んだ線L1、前壁26、側壁28及び後壁32によって囲まれる領域によって構成され、後側分岐室14の図心は、この領域の重心として求められる。同様に、前側分岐室16は、前方幹線流路部12から前壁26の曲線部分が始まる点と前方幹線流路部12から後壁32の曲線部分が始まる点とを結んだ線L2、前壁26、側壁28及び後壁32によって囲まれる領域によって構成され、前側分岐室14の図心は、この領域の重心として求められる。
【0024】
以下、上述した空調装置1の作動について説明する。
【0025】
冷風供給装置2から供給された冷風は、ピラーダクト4を通って、チャンバー室8に入る。次いで、チャンバー室8内の冷風は、後方幹線流路部10に流入する。後方幹線流路部10とチャンバー室8とが、ほぼ同じ幅で接続されているのに対し、後方幹線流路部10の上下方向の厚さh1は、チャンバー室8の上下方向の厚さhpよりも薄い又は小さいので、チャンバー室8内の冷風は、ほぼ一定の圧力で後方幹線流路部10に流入する。
【0026】
後方幹線流路部10に流入した冷風は、後方幹線流路部10の幅全体にわたって前方に流れる。風速は、遅い方が好ましいが、例えば約5m/sである。次いで、後部幹線流路部10の右部18及び左部20を流れる冷風は、後側分岐室14の前壁26に案内されて、後側分岐室14に流入する。後方幹線流路部10の中央部22を流れる冷風は、前方幹線流路部12内を前方に流れ、次いで、二又部24で左右に分かれ、それぞれ、前側分岐室16の前壁26に案内されて、前側分岐室16に流入する。後側分岐室14及び前側分岐室16内に流入した冷風の流れは、各分岐室において同様であるので、以下、前側分岐室16に流入した冷風についてのみ説明する。
【0027】
前方幹線流路部12から前側分岐室16に流入した冷風の流れの向きは、前側分岐室16の前壁26の曲面形状によって徐々に変えられ、最終的には、ほぼ180度変えられる。冷風の流れの向きが徐々に変えられるので、前側分岐室16に流入した冷風の流れは乱されない。また、流れの向きが変えられた冷風は、前側分岐室16内で徐々に減速される。それにより、冷風の運動エネルギーは、低損失で圧力エネルギーに変換される。次いで、減速された冷風は、前側分岐室16の後方空間38に更に減速されながら移動する。減速されて圧力エネルギーが最も高くなる前側分岐室16内の淀み位置、即ち、車両Vの後方から前方に向って前方幹線流路部12内を流れてきた冷風の速度の影響が最も小さい前側分岐室16内の位置は、前側分岐室16の図心42よりも後方に存在している。かかる淀み位置において、冷風の流れの方向性はなくなっている。
【0028】
円形グリル40は、前側分岐室16の図心42よりも後方に、即ち、冷風の流れの方向性がなくなっている淀み位置に設けられているので、後方空間38内と車室VR内との間の圧力差によって、後方空間38内の冷風が円形グリル40を通して車室VR内に吹出される。冷風が円形グリル40の格子状フィン44によって差し向けられた吹出し方向に吹出される際、後方空間38の冷風は特定の流れの向きを有していないので、吹出し方向の違いによる風速及び風量の差はない。また、冷風の運動エネルギーは分岐室内において低損失で圧力エネルギーに変換されているので、冷風が円形グリル40から吹出される際、乗員に適度な涼感を与えるような運動エネルギーを有する風速に効率的に変換することができる。風速は、例えば8m/sである。かくして、円形グリル40からの冷風は、前後左右どの向きにも等風速で吹出される。
【0029】
上述した前側分岐室16内の冷風の流れは、後側分岐室14内の冷風の流れについても同様である。また、円形グリル40から吹出される冷風の流れは、4つある円形グリル40からの冷風の流れの何れについても同様である。
【0030】
上記実施形態において、後方幹線流路10又は前方幹線流路12内を後方から前方に流れてきた冷風は、各分岐室14、16内で減速され、静圧状態になった後、円形グリル40から吹出される。このため、円形グリル40の吹出し方向を、前後左右360度変えても、円形グリル40からの吹出し風速及び風量はほぼ同じであり、吹出し方向を変えることによる冷風の風速及び風量の変動を小さくすることができる。また、各分岐室14、16の前壁26は、各分岐室14、16内に案内された冷風の流れの向きを徐々に変える曲面形状を有しているので、冷風の運動エネルギーを低損失で圧力エネルギーに変換できる。このため、冷風を円形グリル40から吹出す際、この圧力エネルギーを、元の運動エネルギーとほぼ同じ大きさの運動エネルギーに再変換できる。このため、円形グリル40から吹出される冷風の風速及び風量を効率的に確保することができる。例えば、円形グリル40の向きを後部座席の乗員の顔の方に向けて、冷風を吹出す場合、乗員の顔に十分な風量の冷風が当たり、適度な涼感を与えることができる。また、冷風の吹出し方向を乗員の顔を中心に変化させても、風速及び風量に変化はないので、吹出し方向を乗員の望みの向きに変えることができる。
【0031】
また、上記実施形態において、分岐室14、16は、複数設けられ、各分岐室14、16ごとに円形グリル40が設けられているので、どの円形グリル40から吹出される冷風も、吹出し方向の違いによる風速及び風量の変化はない。円形グリル40は、2列目及び3列目の座席の前方上方に配置されているので、どの座席に座っているの乗員であっても、自分の顔を中心に自由に吹出し方向を変えることができる。
【0032】
また、チャンバー室8から前側分岐室16へ流れる冷風は、前方幹線流路部12及び後方幹線流路部10の中央部22を通り、チャンバー室8から後側分岐室14へ流れる冷風は、後方幹線流路部10の右部18又は左部20を通るため、これらの冷風の流れは、互いに独立であると共に、前方幹線流路部12及び後方幹線流路部10の上下方向の厚さh1は、チャンバー室8の上下方向の厚さhpよりも小さい。それにより、天井ダクト6は、安定した圧力の空気をチャンバー室8から各円形グリル40へ均等に供給することができ、すべての円形グリル40への配風を均等にすることができる。
【0033】
以上、本発明による空調装置の実施形態を説明したが、以下の変形例も可能である。
【0034】
上記実施形態では、冷風を供給する場合を説明したが、温度調節された空気又は外気が供給されても良い。
【0035】
上記実施形態では、円形グリルを採用したが、グリルの形状は、任意の形状、例えば長方形であっても良い。この場合、上記実施形態の案内チャンバーの後壁に相当する部分は、平面形状であるのが良い。
【0036】
上記実施形態では、4つのグリルを設けたが、3つ以下であっても良いし、5つ以上であっても良い。
【0037】
上記実施形態では、各分岐室への冷風を車両の後方から前方に向って供給したが、各分岐室への冷風を車幅方向に供給しても良い。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、吹出し口の吹出し方向を変えても、吹出しの風速及び風量の変動を小さくすることができる空調装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による空調装置の斜視図である。
【図2】本発明による空調装置の天井ダクトの側面図である。
【図3】図2の線3−3における底面図である。
【図4】従来の空調装置の斜視図である。
【図5】図4の線5-5における底面図である。
【符号の説明】
1 空調装置
6 天井ダクト
8 チャンバー室
10 後方幹線流路部
12 前方幹線流路部
14 後側分岐室
16 前側分岐室
18 右部
20 左部
22 中央部
26 前壁
40 吹出し口
42 図心
h1 幹線流路部の上下方向の厚さ
hp チャンバー室の上下方向の厚さ

Claims (4)

  1. 空気を供給するための空気供給ダクトと、この空気供給ダクトと連通し、空気を車両の室内に吹出すための吹出し方向調整可能な吹出し口と、を有する空調装置であって、
    前記空気供給ダクトは、この空気供給ダクトの中を流れる空気を減速させるための分岐室を有し、この分岐室内で減速された空気が前記吹出し口から吹出され
    前記空気供給ダクトは、車両の天井に沿って車両の後方から前方に延び、前記分岐室は、車両の天井に配置され、前記空気供給ダクト内を車両の後方から前方に流れる空気を前記分岐室内に案内するための前壁を有し、この前壁は、案内された空気の流れの向きを徐々に変える曲面形状を有し、前記吹出し口は、車両の天井に配置され、前記分岐室の図心よりも後方の位置で前記分岐室と連通することを特徴とする空調装置。
  2. 前記分岐室は、複数設けられ、各分岐室ごとに前記吹出し口が設けられている、請求項に記載の空調装置。
  3. 前記吹出し口は、車両の前側座席及び後側座席それぞれの前方上方に配置され、前記空気供給ダクトは、後側座席よりも後方の天井に設けられたチャンバー室と、このチャンバー室から前側座席用の前記吹出し口へ空気が流れる部分と、前記チャンバー室から後側座席用の前記吹出し口へ空気が流れる部分と、を有し、前記チャンバー室の上下方向の厚さは、空気が前記チャンバー室から前記前側座席用吹出し口及び前記後側座席用吹出し口に流れる前記部分の上下方向の厚さよりも厚い、請求項に記載の空調装置。
  4. 前記チャンバー室の上下方向の厚さは、空気が前記チャンバー室から前記前側座席用吹出し口及び前記後側座席用吹出し口に流れる前記部分の上下方向の厚さの2倍以上である、請求項に記載の空調装置。
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