JP4377134B2 - 濾過部材の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばエアバックインフレータ用フィルター等の巻線型フィルターのように複数層をなす素線同士が接合されて編目を形成した濾過部材の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両には衝突などによる急激な減速に伴いガスを瞬時に放出してバックを膨張させるエアバック装置が搭載されている。前記エアバック装置は、その作動に伴いガスを瞬時に放出する機能をもつインフレータと、該インフレータから放出したガスにより膨張して乗員を保護するためのバックとを備えている。そして、前記インフレータには、点火器及び該点火器の熱によって爆発的に燃焼してガスを発生するガス発生剤等と共に、このガス発生剤の燃焼により発生した高温で固体残渣を有するガスや液体を濾過及び冷却するためのエアバックインフレータ用フィルターが濾過部材として内装されている。このエアバックインフレータ用フィルターには、通常、金属製の丸線あるいは角線などの異形線(以下、「素線」という)を複数層に巻いて編目を有する筒状体に編み上げた巻線型フィルターが採用されている。即ち、この巻線型フィルターは、前記素線を筒状体となるように巻いたことで形成された編目の隙間をガスや液体が通過する際に濾過部材として機能するように構成されている。
【0003】
ところで、この種の巻線型フィルターにおいては、素線巻き付け後に編目を形成する素線同士の重なり合う部分を接合する方法として、ガスや液体などが前記編目を通過する際の膨張、衝撃力により編目形状が崩れて濾過性能が変化するのを防止するため、通常、熱処理(焼結)により接合する方法が用いられている。特に、エアバックで濾過部材として使用されるエアバックインフレータ用フィルターでは、非常に高温なガスが通過するため、強固な接合強度を付与できる接合方法が必要とされている。そこで、近時においては、エアバックインフレータ用フィルターの要求性能により接合強度を向上させる製造方法として、焼結処理温度を高くしたり、焼結処理時間を長くしたり、又は焼結処理雰囲気を変更したりする等の製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−171472号公報(第3−5頁、図4)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、特許文献1のエアバックインフレータ用フィルターの製造方法では、焼結処理温度を高くしたり焼結処理雰囲気を変更したりするために設備の改造を余儀なくされ、かかる改造による多大な設備投資のため製造コストが上昇するという問題があった。また、焼結処理時間の延長による生産性の低下という問題も招いていた。
【0006】
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、低コストで効率良く、編目を形成する素線同士の接合強度を向上できる濾過部材の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、複数層をなす素線同士の重なり合う部分が熱処理により接合されて編目を形成した濾過部材の製造方法において、前記編目を形成する素線同士の接合部分における接合強度が下記[1]式で表されるσNとなるように、接合される素線間の接触面圧を、下記[2]式を満足する所定の圧力値に維持した状態で熱処理することを要旨とする。
σ=γ P1/(γ −γ )×(γ /γ +1)×Z …[1]
σ=C1×exp(−C2/T)×(t/T) 0.4 ×P×b ×n …[2]
但し、σ:素線1本にかかる張力,P1:フィルターが受ける内圧,γ :フィルターの外半径,γ :フィルターの内半径,γ:フィルターの半径(γ ≦γ≦γ ),Z:素線1本の断面積,T:熱処理温度,t:熱処理時間,P:接触面圧,b:素線同士の接触幅,n:素線同士の接合部分の数,C1,C2は係数で、C1=4105,C2=9000。
【0009】
求項に記載の発明は、請求項1に記載の濾過部材の製造方法において、前記濾過部材は前記素線を複数層に巻いて編目を形成した巻線型フィルターであって、前記素線の巻き付け時に当該素線にかかる張力により前記接触面圧を確保するようにしたことを要旨とする。
【0010】
請求項に記載の発明は、請求項に記載の濾過部材の製造方法において、素線に前記巻き付け時における張力がかかった状態において当該素線の巻き終わり端部を固定することを要旨とする。
【0011】
請求項に記載の発明は、請求項又は請求項に記載の濾過部材の製造方法において、前記接触面圧を素線巻き付け時の張力を変化させることにより調整することを要旨とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をエアバック装置のインフレータに内装されるエアバックインフレータ用フィルター(濾過部材の一種)の製造方法に具体化した一実施形態を図1〜図4に従って説明する。
【0013】
図1に示すように、本実施形態におけるエアバック装置(図示略)のインフレータ10の中央部分には、センサ(図示略)からの作動信号に基づき点火を行う点火器11と、この点火器11の点火により熱の発生を補助する可燃性の助燃剤12が装備されている。前記点火器11及び前記助燃剤12の外周部にはチャンバー部13が設けられており、前記点火器11及び前記助燃剤12により発生した熱が流れ込むようになっている。前記チャンバー部13内にはガス発生剤14が装備され、このガス発生剤14は、前記点火器11及び前記助燃剤12の作動により発生した熱によって爆発的に燃焼してガスを大量に発生し、そのガスをインフレータ10と共にエアバック装置に装備されたバック(図示略)に供給するようになっている。
【0014】
また、前記インフレータ10内には前記チャンバー部13を取り囲むように濾過部材であるフィルター15が配置されている。そして、当該フィルター15は前記ガス発生剤14の爆発的な燃焼により発生した高温のガスを冷却してバックに供給する冷却部材としての機能と共に、前記ガス中に含まれる固体残渣を濾過してバックにガス供給する濾過部材としての機能を有するものとされている。
【0015】
前記フィルター15は、図2に示すように金属製の角線あるいは丸線などの異形線(以下、「素線」という)16を軸部材となる円筒状のボビン(図示略)に巻きつけて編目を形成した後、そのボビンを抜くことにより中空円筒状に作成される。本実施形態では、その一例として、鉄を主成分とした鉄線材(素線断面積0.2mm)を素線16とし、当該素線16を前記ボビンの外周面に500回巻いて(巻数500)編目を形成した外径φ60mmで内径φ50mmの中空円筒状をなす巻線型のフィルター15を例示している。
【0016】
従って、このフィルター15にあっては、金属製の素線16を巻くことにより形成された編目の隙間を、前記ガス発生剤14の爆発的な燃焼により発生した大量で高温なガスが通過する際に、前記ガスを冷却したり前記ガスに含まれる固体残渣を濾過したりすることが可能とされる。また、図2に示すように、巻き付け時における素線16の巻線間隔をピッチC、編目を形成するために互いに交差した素線16同士の巻き付け角を交差角θ、素線16のボビン軸方向に対する巻幅を巻幅L、互いに交差した素線16同士の接触して重なり合う部分を接触部Sと呼ぶことにする。
【0017】
ここで、濾過部材である前記フィルター15の製造方法を説明する。まず、金属製の角線や丸線などの素線16を所定の張力が付与された状態にしてボビンの外周面にクロス巻きにて巻き付けて編目を形成する。巻き付け方法としては、巻き付ける素線16を巻幅L方向に動かしながら巻き付ける方法や、ボビンの軸部分を巻幅L方向に動かしながら素線16を巻き付ける方法等がある。前記フィルター15の編目は、前記素線16のピッチC、巻幅L、交差角θ等をコンピュータシュミレーションにより最適な値を算出し、その最適な条件値で製造することにより、編目のパターンや巻き付け密度等を所望どおりにでき、多種多様な濾過機能の要請に応じた各種編目が形成される。
【0018】
次に、前記素線16の巻き終わり時には、当該素線16に未だ前記所定の張力がかかった状態で素線16の巻き終わり端部17を溶接等で固定(接合)する。そして、軸部材であるボビンを抜くことにより中空円筒状の熱処理前フィルターを得る。その後、巻き付けにより複数層をなして交差する素線16同士の前記接触部Sを接合するために熱処理として焼結を行うと、図2に示すような形態の巻線型フィルター15が製造される。
【0019】
ところで、特に前記エアバックで使用される濾過部材であるエアバックインフレータ用のフィルター15では、非常に高温なガス(2200℃ぐらいになる)が通過するため、前記接触部Sには強固な接合強度が必要とされる。そこで、かかる要請に応じて、本実施形態では前記フィルター15を製造する際においていくつかの条件を設定している。以下、それらの条件について説明する。
【0020】
図3は、エアバック作動時にインフレータ10のチャンバー部13内に発生する圧力と時間の関係を示すグラフである。図3のグラフよりエアバック作動時にインフレータ10のチャンバー部13内に発生する圧力は作動直後が最大値となり、その最大値は約4MPaになることがわかる。従って、インフレータ10のチャンバー部13内に配置されるフィルター15は、前記接触部Sの接合強度が約4MPaの圧力に耐えうる強度を確保する必要がある。
【0021】
一方、前記フィルター15のように、円筒状をなすボビンの外周面に針金等の素線を巻き付けて形成される巻線型フィルターの素線の1本にかかる張力σは下記の式(1)により求めることができる。
【0022】
σ=γ P1/(γ −γ )×(γ /γ+1)×Z …(1)
但し、σ:素線1本にかかる張力,P1:フィルターが受ける内圧,γ:フィルターの外径,γ:フィルターの内径,γ:フィルターの半径(γ≦γ≦γ),Z:素線1本の断面積である。
【0023】
この式(1)はインフレータ10のチャンバー部13内に設置されたガス発生剤14の爆発時に素線16の1本にかかる張力を表す式として把握できる。そこで、この式(1)に前記フィルター15の仕様(素線断面積0.2mm,巻数500,外径φ60,内径φ50)を代入したところ、σ≒4(N)となった。そのため、エアバック作動時に前記フィルター15の素線16の1本に対しては、およそ4N程度の荷重が張力としてかかるということが理解される。
【0024】
よって、前記フィルター15は、エアバック作動時に各素線16間の接合が外れないようにするためには当該4N程度の荷重に対抗しうる接合強度を有する必要がある。つまり、前記編目を形成する素線16同士の接合部分における接合強度が4N以上となるように、前記接触部Sの接触面圧を焼結条件に応じてそれぞれ設定される所定の圧力値以上に維持した状態で焼結を行うことが必要になる。
【0025】
そこで次に、前記素線16に相当する物質である針金同士等における焼結は拡散の起こる温度で焼結が始まるという事実に基づき、下記に示す内部拡散による焼結式(2)に着目した。
【0026】
/a=10γVDt/RT …(2)
但し、x:針金同士の接触面又は帯状接触面に成長する場合における当該丸い接触面の半径又は帯状接触面の幅の半分,a:針金の半径,γ:針金の表面張力,V:針金の1モルの体積,D:焼結時の拡散係数,t:焼結時間,R:気体定数(1.987cal/度),T:焼結温度(絶対温度)である。
【0027】
そして次に、前記式(2)におけるx(丸い接触面の半径等)を二乗したものを前記フィルター15における接触部Sの焼結による接合面積(=接合強度)と仮定して、図4に示す素線16同士の接合強度と素線16間の接触面圧の関係より下記の係数C1,C2を求めた。そして、焼結条件として焼結温度及び焼結時間をその条件要素として、接合強度、焼結温度、焼結時間、素線16間の接触面圧、素線16同士の接触部Sの接触幅、及び素線16同士の接合部分の数等からなる下記の実験式(3)を導き出した。
【0028】
F=C1×exp(−C2/T)×(t/T)0.4×P×b×n …(3)
但し、F:接合強度,T:焼結温度,t:焼結時間,P:素線間の接触面圧,b:素線同士の接触幅,n:素線同士の接合部分の数,C1,C2は係数で、C1=4105,C2=9000である。
【0029】
ここで、図4は素線16間の接触面圧と接合強度の関係を調べるために実験を行った結果をグラフにしたものであり、素線16同士の接合部分の数nが1の場合における素線16間の接合強度と素線16間の接触面圧の関係を焼結条件(温度×時間)毎に示している。具体的には、第1焼結条件(温度1100℃×時間30min)の素線16間の接合強度と素線16間の接触面圧の関係を実線(a)で示し、第2焼結条件(温度1100℃×時間10min)の素線16間の接合強度と素線16間の接触面圧の関係を実線(b)で示している。また同様に、第3焼結条件(温度1000℃×時間30min)の素線16間の接合強度と素線16間の接触面圧の関係を実線(c)で示し、第4焼結条件(温度1000℃×時間10min)の素線16間の接合強度と素線16間の接触面圧の関係を実線(d)で示している。
【0030】
従って、素線16間の接合強度が十分に確保されるためには、フィルター15の各素線16間に対しおよそ4N以上の接合強度Fが必要であることから、前記実験式(3)から導かれる下記の式(4)の条件を満足させるようにフィルター15の製造を行えばよいことになる。
【0031】
4≦C1×exp(−C2/T)×(t/T)0.4×P×b×n …(4)
なお、この式(4)におけるT,t,P,b,n,C1,C2については、前記実験式(3)の場合と同じである。
【0032】
この式(4)及び図4より、次のことが理解される。例えば、図4における第1焼結条件(温度1100℃×時間30min)の場合は、接触面圧を0.25N/mm以上の条件とすることで接合強度4N以上のフィルター15を製造することができる。逆に接触面圧を0.39N/mm以上の条件とすれば、第2焼結条件(温度1100℃×時間10min)の場合のように生産性の向上を図りつつ、接合強度4N以上のフィルター15を製造することができる。また同様に、接触面圧を0.39N/mm以上の条件とした場合には、第3焼結条件(温度1000℃×時間30min)の場合のように前記第1焼結条件の場合よりも低い焼結温度で接合強度4N以上のフィルター15を製造することができる。さらに、接触面圧を0.62N/mm以上の条件とした場合には、第4焼結条件(温度1000℃×時間10min)の場合のように生産性の向上を図りつつ低い焼結温度にて接合強度4N以上のフィルター15を製造することができる。
【0033】
以上より、複数層をなす素線16同士の重なり合う部分(接触部S)が焼結により接合されて編目を形成するフィルター15(濾過部材)においては、焼結温度等の焼結条件以外に素線16間の面圧レベル(接触面圧)が接合強度を決定する重要な因子となることがわかる。ここで、前記接触部Sに接触面圧を付与する方法としては、焼結時に互いに交差している素線16同士を圧接させるようにフィルター15の中空軸部にテーパー治具等を挿入することにより前記接触面圧を付与する方法も考えられる。しかし、本実施形態のフィルター15のように、素線16をボビンに巻き付けて編み上げ成形される巻線型フィルターの場合には、その巻き付け時の張力により前記接触面圧を確保することが可能であり、また、その方法によるのが最も簡易である。
【0034】
また、このような場合における素線16間の接触面圧と張力の関係は、下記の式(5)で表される。
P=σ/(r×b) …(5)
但し、P:素線間の接触面圧(N/mm),σ:素線1本にかかる張力(N),r:素線の巻き付け半径(mm),b:素線同士の接触幅(mm)である。
【0035】
よって、この式(5)より、素線16に張力をかけて巻線型フィルター15を製造する場合には、その巻き付け時の張力が前記接触部Sの接触面圧に関係する因子であることがわかる。つまり、前記巻き付け時の張力σが大きくなれば接触面圧Pは大きくなる一方、前記巻き付け時の張力σが小さくなれば接触面圧Pは小さくなる。例えば、素線16間の接触面圧を0.62N/mm以上に設定したい場合、前記接触幅bが0.5mm,前記巻き付け半径rが31mmとすると、前記式(5)より、張力σは9.61Nとなるが実際には処理温度が極めて高温であるため張力σの全てが接触面圧として作用しない。逆に素線16同士の接合部分の数nも実際には1である事はない。この点を考慮した場合、実際の効果は計算値の最低でも60%となることがわかっているため、巻き付け時の張力σを16N以上とすることで素線16間の接触部Sでの接触面圧を0.62N/mm以上にできることになる。
【0036】
また、濾過部材としてのフィルター15の製造時、前記式(5)に基づき素線16の巻き付け時の張力を変化させた場合には、前記接合強度を決定する重要因子である接触面圧が調整されることになり、接合強度の異なるフィルター15(濾過部材)が製造される。また、このような巻き付け時の張力に基づいた接触面圧は、前記巻き付け時における素線16の張力が抜けない状態において当該素線16の巻き終わり端部17を溶接やカシメなどでフィルター15における他の部位(素線16の中途部位等)に固定することで維持される。
【0037】
従って、上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、編目を形成する素線16同士の接合部分における接合強度が4N以上となるように、接合される素線16間(つまり、接触部S)の接触面圧を焼結条件に応じてそれぞれ設定される所定の圧力値以上に維持した状態で焼結を行う構成とした。そのため、エアバック作動時等の非常に高温で高圧な状況であっても、各素線16間の結合が前記接触部Sにおいて外れることがなくなり、フィルター15に対して濾過部材としての機能を発揮する強固な接合強度を低コストで効率良く付与することができる。
【0038】
(2)上記実施形態では、フィルター15(濾過部材)の製造方法において、焼結プロセスでの焼結温度、焼結時間、素線16間の接触面圧、素線16同士の接触幅、及び素線16同士の接合部分の数の関係が、所定の式(4)の条件を満足させる構成とした。即ち、素線16間に発生する接合強度を一定値(4N)以上に確保することができる条件のもとにフィルター15の焼結温度、焼結時間、素線16間の接触面圧、素線16同士の接触幅、及び素線16同士の接合部分の数の関係を定めた式(4)の条件を満足するようにして製造することとした。従って、確実にフィルター15をエアバック作動時の発生ガス圧に耐えうる構造とすることができる。また、それぞれの条件(T:焼結温度,t:焼結時間,P:素線間の接触面圧,b:素線同士の接触幅,n:素線同士の接合部分の数)の最適化を図ることで生産設備の能力に適応した、最も生産性の高い処理条件を選択しフィルター15を製造することができる。
【0039】
(3)上記実施形態では、素線16の巻き付け時には、当該素線16に張力をかけて巻き付けることにより素線16同士が交差する接触部Sでの接触面圧を確保してフィルター15を製造する構成とした。そのため、フィルター15の製造時において素線16同士の接合強度を決定する重要因子たる前記接触面圧を簡易に確保することができる。
【0040】
(4)上記実施形態では、巻線型フィルター15の製造に際して素線16に張力がかかった状態で素線16の巻き終わり端部17を溶接等で固定(接合)する構成とした。そのため、焼結時に前記接触面圧を必要充分に維持させた状態でフィルター15を製造することができる。
【0041】
(5)上記実施形態では、濾過部材たるフィルター15の製造時、所定の式(5)に基づき素線16の巻き付け時の張力を変化させることにより接触面圧を調整できるようにした。そのため、焼結条件の変化に応じて設定内容が異なったものとなる前記接触面圧を容易な方法で最適な接触面圧にして付与することができる。
【0042】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、素線16として鉄を主成分とした鉄線材(素線断面積0.2mm)を用い、当該素線16を500回巻いて(巻数500)、外径φ60、内径φ50の中空円筒状をなす巻線型フィルター15を作成する構成とした。しかし、フィルター15の材料(素線16)や大きさ等の仕様は、装備されるインフレータ10の形状や大きさに応じて適宜決めることができる。
【0043】
・上記実施形態では、フィルター15は、金属製の角線や丸線などの素線16をボビンの軸部分に巻き付ける(クロス巻きする)ことで編目を形成する構成とした。しかし、フィルター15の編み方は任意に変更することができる。例えば、フィルター15はメリヤスのようなニットメッシュにしたり、平織りしたものを重ね巻きしたりする構成であってもよい。
【0044】
・上記実施形態では、フィルター15の素線16間(接触部S)の接触面圧を付与する方法として、素線16を巻き付ける時の張力を利用する構成としたが、焼結時にテーパー治具等を用いて接触面圧を付与する構成としてもよい。
【0045】
・上記実施形態では、複数層をなす素線16同士の重なり合う部分が焼結により接合されて編目を形成する濾過部材の製造方法を示したが、焼結ではなく他の熱処理であってもよい。例えば、熱処理として、高周波誘導加熱により複数層をなす素線16同士の重なり合う部分が接合されて編目を形成する濾過部材の製造方法であってもよい。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、複数層をなす素線同士の重なり合う部分が熱処理により接合されて編目を形成した濾過部材の製造に際し、低コストで効率良く、編目を形成する素線同士の接合強度を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 インフレータの断面図。
【図2】 濾過部材(フィルター)の斜視図。
【図3】 チャンバー部内に発生する圧力と時間の関係を示すグラフ。
【図4】 素線間の接触面圧と接合強度の関係を示すグラフ。
【符号の説明】
10…インフレータ、15…フィルター(濾過部材)、16…素線、17…巻き終わり端部、S…接触部(素線同士の重なり合う部分)。

Claims (4)

  1. 複数層をなす素線同士の重なり合う部分が熱処理により接合されて編目を形成した濾過部材の製造方法において、前記編目を形成する素線同士の接合部分における接合強度が下記[1]式で表されるσNとなるように、接合される素線間の接触面圧を、下記[2]式を満足する所定の圧力値に維持した状態で熱処理する濾過部材の製造方法。
    σ=γ P1/(γ −γ )×(γ /γ +1)×Z …[1]
    σ=C1×exp(−C2/T)×(t/T) 0.4 ×P×b ×n …[2]
    但し、σ:素線1本にかかる張力,P1:フィルターが受ける内圧,γ :フィルターの外半径,γ :フィルターの内半径,γ:フィルターの半径(γ ≦γ≦γ ),Z:素線1本の断面積,T:熱処理温度,t:熱処理時間,P:接触面圧,b:素線同士の接触幅,n:素線同士の接合部分の数,C1,C2は係数で、C1=4105,C2=9000。
  2. 前記濾過部材は前記素線を複数層に巻いて編目を形成した巻線型フィルターであって、前記素線の巻き付け時に当該素線にかかる張力により前記接触面圧を確保するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の濾過部材の製造方法
  3. 素線に前記巻き付け時における張力がかかった状態において当該素線の巻き終わり端部を固定する請求項2に記載の濾過部材の製造方法。
  4. 前記接触面圧を素線巻き付け時の張力を変化させることにより調整する請求項2又は請求項3に記載の濾過部材の製造方法
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