JP4368045B2 - 真空ゲート弁 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、真空容器の開口を開閉するための真空ゲート弁に関し、特に、シール材の熱劣化を防止する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、真空容器内でワークの処理を行う場合、真空ゲート弁の開弁により真空容器の開口を開いてその真空容器内にワークを搬入し、次いで、真空ゲート弁により開口を閉じた後に真空容器内を真空状態にしてワークの処理を行うようになされている。
【0003】
ところで、上記のように真空ゲート弁を閉弁して真空容器内でワークを処理する際に、そのワークを加熱手段により加熱することがあり、その場合、真空ゲート弁の弁板と開口周りの容器壁面(弁座)との間を真空シールしているシール材に熱が真空容器の壁部を経て伝達されて、そのシール材が熱劣化するという問題がある。
【0004】
このような真空ゲート弁におけるシール材の熱劣化を防止するために、従来、例えば実開昭62―199572号公報に示されるように、容器の開口周りにシール材が配置されている構造において、そのシール材近傍の容器壁部内に冷却流体が流れる冷却流体通路を形成するか、或いは特開昭57―154579号や実開昭57―77779号の各公報に示されるように、弁板側にシール材が設けられている構造において、そのシール材近傍の弁板の内部と、閉弁時にシール材が押し付けられる弁座面近くの容器壁部内とにそれぞれ冷却流体通路を形成することで、シール材を冷却流体により冷却することが提案されている。
【0005】
尚、この他、真空ゲート弁に限らず、通常のゲート弁におけるシール部分の耐熱性を確保する技術として、例えば実開平6―85970号公報に示されるように、バルブボディの弁座、又は該弁座にシール面にて着座して開閉する弁棒(弁体)のシール面のシールチップにタンタルを用いることで、シール材の耐熱性や閉弁時の密閉性を高めることが知られている。
【0006】
また、特開平4―107377号公報に示されるように、弁座及び弁板の各シール面の一方に金属薄膜を縁部にて気密接着し、この金属薄膜の表面に耐熱性樹脂の合成樹脂薄膜を形成し、閉弁状態では、金属薄膜の裏面側に空気圧を作用させて、合成樹脂薄膜を他方のシール面に圧接させることにより、シール効果を高めることが知られている。
【0007】
さらに、実開昭59―68868号公報に示されるものでは、バルブ台の開口の周縁部に取り付けられ、内周面がテーパ状のシール面に形成されたバルブシートと、外周縁部がバルブシートのシール面と同じ角度で傾斜し、その外周縁部にバルブシートのシール面と摺接するOリングが取り付けられた弁板とを設け、上記バルブシートの材料をポリイミド樹脂等の耐熱性材料で構成するようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記真空ゲート弁の構造のうち前者の提案例(実開昭62―199572号公報)のように、開口周りの容器壁部に冷却流体通路を形成して、その中を流れる流体によりシール材を冷却する構造では、真空容器内の加熱温度が高い場合、シール材の冷却が不十分でその熱劣化を安定して防止できない難がある。すなわち、ゲート弁の閉弁状態ではシール材が圧縮変形してシールしているものの、弁板と容器壁面(弁座)とは接触していない。従って、弁板の冷却は真空中での輻射のみによって行われることとなり、真空容器内の加熱温度の上昇に伴い弁板の冷却が不十分となって、その弁板を経てシール材が加熱される。
【0009】
一方、後者の提案例(特開昭57―154579号や実開昭57―77779号の各公報)の如く、弁板自体にも冷却流体通路を形成すれば、弁板を輻射に加えて流体による熱伝導により冷却することができるので、シール材の熱劣化を安定して防止することができる。しかしながら、その反面、弁板は開閉動作して移動するものであり、その弁板に対し冷却流体通路を形成してその内部に流体を流すためには、構造が大掛かりで複雑となり、コストアップも招いて実用上の対策とはなり難い。
【0010】
本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、上記の如き真空ゲート弁において、その弁板の冷却構造を改良することにより、簡単で低コストの構造を採りながら、弁板を効果的に冷却できるようにし、シール材が弁板を経由して加熱されるのを抑えてシール材の熱劣化を防止することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、この発明では、閉じ状態にある弁板を強制的に容器の壁部に伝熱可能に接触させることで、弁板を輻射のみならず熱伝導によっても冷却するようにした。
【0012】
具体的には、請求項1の発明では、真空容器の開口を開閉する弁板と、この弁板に設けられたシール材とを備え、該弁板の閉じ状態では弁板と開口周りの容器壁面との間を上記シール材により、該シール材のみが容器壁部に圧接しかつ弁板と容器壁部とが接触しない状態でシールするようにした真空ゲート弁が前提である。
【0013】
そして、上記弁板又は容器壁部の少なくとも一方に伝熱可能に設けられかつ弁板の閉じ状態で弁板又は容器壁部の他方に接触して弁板と容器壁部との間を熱伝導可能に接続する熱伝導材料からなる伝熱部材を備えたことを特徴としている。
【0014】
上記の構成によると、弁板の閉じ状態では弁板と開口周りの容器壁面との間が、弁板のシール材によりシールされ、そのシール状態では、シール材のみが容器壁部に圧接しかつ弁板と容器壁部とは接触しない状態となるが、それと同時に、この弁板又は容器壁部の少なくとも一方に伝熱可能に設けられた伝熱部材が、弁板又は容器壁部の他方に接触し、この伝熱部材の接触により弁板と容器壁部とが伝熱部材を介して熱伝導可能に接続される。この弁板と容器壁部との熱伝導可能な接続状態により、弁板の熱が伝熱部材を介して容器壁部に伝達されて放熱される熱伝導が生じ、この熱伝導と輻射との双方により弁板が冷却される。従って、真空容器内部の加熱温度が高い場合であっても、上記シール材が弁板を経由して加熱されるのは抑制されるようになり、シール材の熱劣化を安定して防止することができる。
【0015】
しかも、弁板と容器壁部とを伝熱部材により熱伝導可能に接続させるだけでよいので、弁板内に冷却流体通路を設けて弁板を冷却する場合に比べ、構造が極めて簡単になり、しかも低コストで製造することができる。
【0016】
請求項2の発明では、上記開口周りの容器壁部に、弁板が閉じ状態にあるときのシール材の位置に略対応して冷却流体の通路が形成されている構成とする。このことで、シール材は、容器壁部内の通路を流れる冷却流体によっても冷却されるようになり、その熱劣化をさらに安定して防止できる。
【0017】
請求項3の発明では、上記伝熱部材は、弁板の周縁部に固定されているものとする。こうすると、同じ伝熱部材を弁板の中間部に固定する場合に比較して、真空容器の開口の面積を大に保ったまま、伝熱部材の容器壁面に対する接触面積(伝熱面積)及び伝熱量を大きく確保することができる。
【0018】
請求項4の発明では、上記伝熱部材は弾性を有するものとする。このことで、伝熱部材自体に弾性が生じるので、弁板の閉じ状態で伝熱部材が安定して相手側の容器壁部又は弁板に押し付けられることとなり、弁板の冷却効果を安定維持することができる。
【0019】
請求項5の発明では、上記伝熱部材は、弁板又は容器壁部の少なくとも一方に他方に対し接離する方向に移動可能にかつ伝熱状態で支持された熱伝導材料からなるものとし、この伝熱部材を弁板又は容器壁部の他方に向けて付勢する付勢手段を設ける。こうすると、弁板の閉じ状態では、付勢手段により付勢された伝熱部材が弁板又は容器壁部の他方に押し付けられて、その伝熱部材を経て弁板の熱が容器壁部に伝導されて放熱されるようになり、望ましい伝熱構造を具体化できるとともに、弁板の冷却効果を安定維持することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
図7及び図8は本発明の実施形態1に係る真空ゲート弁Gを示す。この真空ゲート弁Gは、図2及び図3に示すように、前後に位置する第1及び第2真空容器C1,C2間に両真空容器C1,C2の内部空間(真空空間)同士を連通又は連通遮断するように配設される。
【0021】
上記真空ゲート弁Gは、両真空容器C1,C2間に気密状に挟まれた例えばステンレス鋼等からなる矩形状の弁箱1(固定体)を備え、この弁箱1の前壁1a(図2、図3及び図7で左側壁)の上部には第1真空容器C1に連通する前側開口2が、また後壁1b(同右側壁)の上部には第2真空容器C2に連通する後側開口3がそれぞれ同じ高さ位置に形成され、これらの開口2,3はいずれも左右方向(図7の紙面と直交する方向。図8では左右方向)に長い矩形状でかつ同じ大きさとされており、この各開口2,3を介して弁箱1内の空間が各真空容器C1,C2内部と連通している。すなわち、この実施形態では、弁箱1の前壁1aが第1真空容器C1の壁部を、また後壁1bが第2真空容器C2の壁部をそれぞれ構成しており、前側開口2は第1真空容器C1の開口を、また後側開口3は第2真空容器C2の開口をそれぞれ構成している。
【0022】
図2及び図3に拡大して示すように、上記弁箱1内には、上記前側開口2(第1真空容器C1の開口)を開閉する弁板5が配置収容されている。この弁板5は前側開口2よりも若干大きい左右方向に長い矩形状の例えばステンレス鋼等の板材からなり、その前面外周部には弁板5の全体に亘って連続するシール収容溝6が形成され、このシール収容溝6内には、弁箱1の前壁1a内面(開口2周りの第1真空容器C1の壁面)に圧接して変形して弁板5と弁箱1の前側開口2周囲の前壁1a内面との間をシールするゴム製や樹脂製のシール材7が収容固定されている。
【0023】
上記弁板5は、その長さ方向である左右方向に離れた左右両側の2箇所(3箇所以上でもよい)で後面側から同期して弁板支持体10により後述の平行リンク機構22,22を介して押圧されて前側開口2を閉じるものとされている。すなわち、弁板5の後側の弁箱1内に上記弁板支持体10が配置され、この弁板支持体10は、弁板5と共に、弁箱1内の下側に位置する開弁位置と、弁箱1内の上側でかつ前後の開口2,3に対応する閉弁位置との間を上記前側開口2に沿った鉛直平面と略平行に上下移動可能とされている。弁板支持体10は、弁箱1の後側開口3よりも大きい矩形板状の本体11を有し、この本体11の前面には、上記弁板5の左右の押圧位置に対応する部分にそれぞれ各平行リンク機構22の各ガイドローラ31,32を案内するためのガイド部材12が円環板状の取付部材20により一体的に取付固定されている。すなわち、上記ガイド部材12は、図4〜図6に示すように、後向きに開口する浅い略皿形状のもので、その下側壁部が切り欠かれて開放され、この切欠き部分以外の外周上半部の後端には半径方向外側に延びるフランジ12aが形成されており、このフランジ12aを取付部材20の内周部に係止した状態で該取付部材20をボルト21,21,…(1つのみ図示する)により本体11に取り付けることで、各ガイド部材12が本体11の前面に取付部材20を介して取付固定されている。
【0024】
また、上記弁板支持体10における取付部材20の下縁部には円筒状の第1ロッド36の上端部(内端部)が移動一体に気密状に溶接固定されており、この第1ロッド36の昇降移動(長さ方向の移動)により弁板支持体10が開弁位置と閉弁位置との間を移動する。
【0025】
上記ガイド部材12の前壁1a(底壁)の中心部には縦長矩形状の開口14が貫通形成されている。また、ガイド部材12の前面には、上記開口14の上下縁部からそれぞれ水平前側に平行に延びる上下1対の突出片15,16が一体に形成され、この上側突出片15下面は開口14の上縁部下面と、また下側突出片16上面は開口14の下縁部上面とそれぞれ面一とされている。また、上記弁板支持体10の本体11前面には、上記各ガイド部材12の開口14に対応して所定深さの矩形凹部11aが形成されている。そして、上記ガイド部材12の前壁(底壁)と本体11前面の凹部11aとにより、後述する第2ロッド37の移動方向(上下方向)に延びる垂直ガイド部13が、また上下1対の突出片15,16ないし開口14により、弁板5の移動方向(前後方向)に延びる水平ガイド部17がそれぞれ形成されている。また、図6に示すように、上記垂直ガイド部13を形成するガイド部材12の前壁後面において開口14の下側部と、水平ガイド部17において下側突出片16の上面後端部との交差部には、後述の下側リンク28との干渉を避けるために斜めに切り欠いてなる面取部18が形成されている。
【0026】
上記弁板支持体10の左右の各ガイド部材12内には、上記弁板5を弁板支持体10に対し前後方向に接離可能に支持するための平行リンク機構22が配置されている。すなわち、上記各ガイド部材12における上下の突出片15,16間には水平左右方向に延びる上下の前リンク軸23,23が上下方向に所定間隔をあけて配置され、この各前リンク軸23は、左右端部の前側切欠部23a,23a(図4参照)にて弁板取付部材25にボルト24,24により締結固定され、この弁板取付部材25は弁板5の後面にボルト26,26,…により締結されている。
【0027】
一方、上記各垂直ガイド部13内、つまりガイド部材12の開口14の左右両側部分の前壁後面と本体11前面の各矩形凹部11a底面(前面)との間には、水平左右方向に延びる上下の後リンク軸27,27が上記前リンク軸23,23と同じ間隔をあけて上下方向に配置されている。そして、図4に示すように、上記各前リンク軸23の左右両側寄りに位置する部分にはそれぞれ樹脂製等の左右リンク28,28の前端部が揺動可能に支持され、このリンク28,28の後端部は、それぞれ前リンク軸23の後側に対応して位置する後リンク軸27の左右両側寄り部分に揺動可能に支持されており、前後のリンク軸23,27同士は左右1対のリンク28,28により連結されている。この各リンク28の中間部にはその下面を切り欠いた形状の凹部29が形成されており、図3に示す如く、各リンク28が後側部を下げるように後向きに傾斜したときに、その凹部29によりガイド部材12の開口14の下縁部上面後端と干渉しないようにしている。
【0028】
さらに、上記上下の後リンク軸27,27は、その左右中央部にて、それぞれガイド部材12内を上下方向に延びる第2ロッド37の上端部に上記間隔をあけて取付固定されている。この上下の後リンク軸27,27の第2ロッド37との連結構造はいずれも同じで、各後リンク軸27の左右中央部にはその略前半部を平面状に切り欠いた嵌合部27aが、また第2ロッド37にはその略後半部を平面状に切り欠いてなる嵌合部37aがそれぞれ形成されており、後リンク軸27と第2ロッド37とは、互いに交差しかつ各々の嵌合部27a,37aで嵌合した状態で両者を前後方向に貫通するボルト38により一体的に締結固定されている。よって、上記前後のリンク軸23,23,27,27及び上下両側のリンク28,28,…により平行リンク機構22が構成されている。
【0029】
上記各前リンク軸23の左右中央部には、上記水平ガイド部17により水平前後方向に案内される樹脂製等の前ガイドローラ31が回転可能に支持されている。すなわち、上側に位置する前リンク軸23上の前ガイドローラ31は、ガイド部材12の上側突出片15下面ないし開口14の上縁部下面に沿って、また下側に位置する前リンク軸23上の前ガイドローラ31は、下側突出片16の上面ないし開口14の下縁部上面に沿ってそれぞれ前後方向に移動可能に転動案内されるようになっており、これら上下の前ガイドローラ31,31の案内により弁板5がガイド部材12(弁板支持体10)に対し上下方向に相対移動不能に位置決めされた状態で前後移動する。
【0030】
また、上記各後リンク軸27の左右端部にはそれぞれ上記垂直ガイド部13により垂直上下方向に案内される樹脂製等の後ガイドローラ32,32が回転可能に支持されている。つまり、これら後ガイドローラ32,32は、ガイド部材12の開口14の左右両側の前壁後面と本体11前面の各凹部11a底面との間を転動して案内される。
【0031】
そして、上記弁板支持体10が弁箱1内上側の閉弁位置にあるときに、その内部で第2ロッド37のみを昇降移動させることで、平行リンク機構22により弁板5を弁板支持体10に対し接離するように前後方向(両真空容器C1,C2の配列方向)に移動させて弁箱1の前側開口2を開閉し、図3に示すように、第2ロッド37を下降させたときには、平行リンク機構22の各リンク28を後側に向かって下側に向かうように傾斜させ、弁板5を弁板支持体10(第2ロッド37)に接近させて弁箱1の前側開口2周りの前壁1aから離隔させることで、その開口2を開く一方、図2に示すように、第2ロッド37を上昇させたときには、平行リンク機構22の各リンク28を前後方向に水平に配置し、弁板5を弁板支持体10から離して前側開口2周りの前壁1a内面に押し付けることで、その開口2を閉じるようになっている。
【0032】
上記弁板支持体10における各取付部材20の前端部とその前側の各弁板取付部材25との後面との間に亘り金属製円筒状の機構収容ベローズ34が両者の接離方向に伸縮可能に設けられている。この機構収容ベローズ34の前後端部はそれぞれ弁板取付部材25及び取付部材20に気密状に溶接されており、この機構収容ベローズ34、弁板5(弁板取付部材25)及び弁板支持体10で囲まれる気密状の空間に平行リンク機構22が収容されている。すなわち、機構収容ベローズ34は、平行リンク機構22から発生する塵を密閉空間内に封じ込めて弁箱1内への放出を防止するものである。
【0033】
上記弁板支持体10が弁箱1内で開弁位置及び閉弁位置間を昇降する動きと、この弁板支持体10に対し弁板5が接離する動きとは、いずれも弁箱1の底壁外側からの駆動により行われるようになっている。つまり、弁箱1の底壁において各平行リンク機構22の真下の部分(上記弁板5の左右の押圧位置に対応する部分)には開口部1c,1cが形成され、この各開口部1c下面には、上下方向に延びかつ上端が開口する有底状の筒部40の上端部が同心状にかつ気密状に接合され、この筒部40の底部中心には中心孔40aが貫通形成されている。さらに、上記筒部40の下側には円筒状のストッパ41が同心状に接続固定されている。
【0034】
そして、上記第1ロッド36は上記弁箱1底壁の開口部1cないし筒部40に挿通され、この第1ロッド36の下端部(外端部)は、筒部40底部の中心孔40aを気密状に貫通した後に弁箱1外であるストッパ41内を下側に延びてその下側に突出し、この下端部には円板状の上側プレート42が移動一体に取付固定されており、第1ロッド36の昇降移動(長さ方向の移動)により弁板支持体10を開弁位置及び閉弁位置間で移動させ、後述のベローズ取付フランジ54が略弁箱1の底壁の位置に移動したときを弁板支持体10の開弁位置に、また上側プレート42がストッパ41の下面に当接したときを閉弁位置にそれぞれ設定している。
【0035】
一方、上記弁板5を弁板支持体10に対し接離させて開閉させるための上記第2ロッド37は上記筒状の第1ロッド36内に上下方向に摺動可能に挿通されている。この第2ロッド37は、上記弁板支持体10における取付部材20の下端部に第1ロッド36と同心状に形成した挿通孔20aに挿通され、その上端部は、既述の如く弁板支持体10のガイド部材12内に位置して平行リンク機構22の後リンク軸27,27に移動一体に連結されている。第2ロッド37の下端部(外端部)は第1ロッド36の下端部から突出して弁箱1外に延び、この下端部には上側プレート42と略同径の円板状の下側プレート43が移動一体に取付固定されており、第2ロッド37が第1ロッド36に対し相対的に摺動して長さ方向に移動することにより、弁板5の開き状態及び閉じ状態を切り換え、下側プレート43が上側プレート42から最も離れて後述のリンク機構46,46が伸長したときを弁板5が弁板支持体10に接近した開き状態に、また下側プレート43が上側プレート42に最も接近して同リンク機構46,46が収縮したときを弁板5が弁板支持体10に離隔した閉じ状態にそれぞれなるようにしている。
【0036】
図8に示すように、上記左右の第2ロッド37,37下端の下側プレート43,43には駆動手段としての1つのエアシリンダ57が駆動連結されている。すなわち、このエアシリンダ57は上記弁板5の左右の押圧位置間の中央下方位置に配置された上下方向のシリンダ軸線を有するもので、そのボディ上端部は弁箱1に相対移動不能に固定されている。シリンダ57のピストンロッド57aの上端(先端)にはブラケット58の左右中央部が連結されている。このブラケット58は左右中央部よりも左右端部が低くなるように略コ字状に折れ曲がった部材からなるもので、その左右端部にそれぞれ上記左右の下側プレート43,43が連結されており、1つのシリンダ57の伸縮作動により、そのピストンロッド57aの上端部にブラケット58を介して連結された左右の第2ロッド37,37を長さ方向に昇降移動させて、その第1ロッド36,36との一体移動による弁板支持体10の開弁位置及び閉弁位置間の昇降移動と、第2ロッド37,37のみの移動による弁板5の開き状態及び閉じ状態間の切換えとを行うようにしている。
【0037】
上記弁箱1の外側にある上側及び下側プレート42,43間には、第2ロッド37の下端部周りに配置した圧縮ばね44が縮装されており、この圧縮ばね44により第2ロッド37を第1ロッド36に対し、弁板5が弁板支持体10に接近して弁箱1の前側開口2を開く下方向に相対移動させるように付勢している。
【0038】
さらに、図7に示すように、上記上側及び下側プレート42,43同士は、直径方向に対向した位置に配置した1対のリンク機構46,46により連結されている。この各リンク機構46は、上端部が上側プレート42に水平方向の軸心をもって揺動可能に軸支された上リンク47と、上端部が該上リンク47の下端部に水平方向の連結軸49を介して揺動可能に連結され、下端部が下側プレート43に水平方向の軸心をもって揺動可能に軸支された下リンク48とからなり、上記連結軸49にはガイドローラ50が回転可能に支持されている。そして、この各リンク機構46を上下のリンク47,48が上下方向に略一直線上に並ぶように伸長させたときには、下側プレート43を上側プレート42から離して弁板5を弁板支持体10に接近させる一方、リンク機構46を上下のリンク47,48が外側(連結軸49が第2ロッド37から離れる側)に折れ曲がるように収縮させたときには、下側プレート43を上側プレート42に接近させて弁板5を弁板支持体10から離隔させるようにしている。
【0039】
また、上記各ストッパ41の真下位置には、シリンダ57のストロークに対応した所定長さのリンク規制部52,52が配置固定されている。この両リンク規制部52,52は、その間を上記上側及び下側プレート42,43が所定の隙間をあけて昇降移動するように前後に対向配置されたもので、両リンク規制部52,52間には側方から上記ブラケット58の左右端部が昇降移動可能に挿通されており、シリンダ57の伸縮作動による各下側プレート43の昇降動作に応じて各リンク機構46を伸長状態又は収縮状態に切り換え、シリンダ57の伸縮作動に伴って弁板支持体10を開弁位置及び閉弁位置間で昇降移動させたとき、その弁板支持体10が上昇端の閉弁位置以外にある状態では、上記各リンク機構46をリンク規制部52内(両リンク規制部52,52間)に、上下リンク47,48間の連結軸49上のガイドローラ50が各リンク規制部52の内面で転動案内されるように潜らせて伸長状態に保持する一方、弁板支持体10が上昇端の閉弁位置にある状態では、各リンク機構46をリンク規制部52上端から突出させて収縮状態に切り換えるようにしている。尚、各リンク規制部52の上端面は、上記ガイドローラ50の昇降時のリンク規制部52内に対する出没をスムーズに行わせるように上側に向かって外側(相手側リンク規制部42から離れる側)に傾斜する傾斜面に形成されている。
【0040】
そして、上記弁箱1内の下部にある第1ロッド36の上端寄り部分にはベローズ取付フランジ54が気密状に一体に取付固定されている。このベローズ取付フランジ54の下面には、第1ロッド36の周りに配置した金属製の伸縮可能なロッド収容ベローズ55の上端部が気密状に溶接固定され、このロッド収容ベローズ55の下端部は、弁箱1の底壁における筒部40の底部上面に気密状に溶接固定されており、ロッド収容ベローズ55により第1ロッド36の貫通部を気密状に覆っている。
【0041】
さらに、本発明の特徴として、図1にも示すように、上記弁板5の外周縁部(外周端面)にはその周縁全体に亘り例えば銅やアルミニウム等の熱伝導材料からなる伝熱部材61が伝熱可能に取付固定されている(尚、伝熱部材61は弁板5の外周縁部に部分的に設けてもよい)。この伝熱部材61は、弁板5の外周縁部に伝熱状態で取付固定された取付部61aと、この取付部61aから弁板5の外方向に直角に折れ曲がって弁板5と平行に延びる当接部61b(伝熱部)とからなる断面略L字状のもので、その当接部61bは弁板5の前面(詳しくは弁板5の閉じ状態で弁箱1の前側開口2周囲の前壁1a内面と対向する前面)よりも所定寸法だけ前側に突出しており、弁板5の閉じ状態でシール材7が弁箱1の前側開口2周囲の前壁1a内面に圧接したときに、伝熱部材61の当接部61bが弁箱1の前側開口2周囲の前壁1a内面においてシール材7の圧接部分よりも外側部位に当接することで、伝熱部材61が弁板5と弁箱1の前壁1a内面(容器壁面)との間を熱伝導可能に接続する、換言すれば弁板5と弁箱1の前壁1aとの間に熱伝導経路を形成するようになっている。
【0042】
また、弁箱1の前側開口2周囲の前壁1a内には上記弁板5が閉じ状態にあるときのシール材7が圧接される位置に略対応して冷却流体通路63が開口2を取り囲むように形成され、この冷却流体通路63は、冷却水や冷却エア等からなる冷却流体を供給する図外の冷却流体供給装置に接続されており、冷却流体供給装置からの冷却流体を冷却流体通路63に流して前側開口2周囲の前壁1aを冷却するようにしている。
【0043】
次に、上記実施形態の作動について説明する。真空ゲート弁Gが開弁しているときには、シリンダ57は収縮してストロークエンドにある。このため、上側及び下側プレート42,43は両者を連結するリンク機構46,46と共にリンク規制部52,52間にあり、その各リンク機構46は伸長して両プレート42,43が離隔している。このことで弁板支持体10は開弁位置にあり、また、第2ロッド37の上端部は弁板支持体10内の下側に位置していて、各平行リンク機構22の各リンク28が後側に向かって下側に向かうように傾斜し(図3参照)、弁板5が弁板支持体10に接近した位置にあって弁箱1の前壁1a内面から離隔している。また、機構収容ベローズ34及びロッド収容ベローズ55はいずれも収縮している。
【0044】
この状態からゲート弁Gを閉弁させるときには、シリンダ57が伸長してピストンロッド57aが上昇する。このピストンロッド57aの上昇移動に伴い、その上端にブラケット58を介して連結されている各下側プレート43と、該各下側プレート43に下端が連結されている第2ロッド37とが上昇する。このとき、上記下側プレート43と上側プレート42とを連結しているリンク機構46,46はそれぞれリンク規制部52,52によりその間に伸長状態に拘束されており、しかも両プレート42,43間には圧縮ばね44が介在されているので、上記下側プレート43の上昇移動に伴って上側プレート42も下側プレート43から離隔したままで追従して上昇し、両者の相対移動は生じない。このことで、ロッド収容ベローズ55が伸長しながら、上側プレート42と共に第1ロッド36が上昇して、その第1ロッド36の上端部に連結されている弁板支持体10が開弁位置から閉弁位置に向かって弁板5と共に上昇する。また、第1及び第2ロッド36,37間の相対移動が生じないので、弁板5が閉じ状態に切り換わることはなく、その弁板5は弁板支持体10に接近したままに保たれ、その上昇時に弁箱1の前壁1aの内面に接触しない。
【0045】
シリンダ57がさらに伸長して伸長ストロークエンド近くに達すると、上側プレート42が、弁箱1の底壁下面の筒部40に接合されているストッパ41の下面に当接してそれ以上の上昇移動が規制される。このことで、図3に示すように、弁板支持体10が閉弁位置に停止して、弁板5が弁箱1における前側開口2に対応した位置に位置付けられる。この状態では、上記各リンク機構46がリンク規制部52の上端から抜け出し始めており、シリンダ57のさらなる伸長作動により、上記各リンク機構46が収縮状態に変化しかつ圧縮ばね44が圧縮されながら、上記ストッパ41で停止規制されている上側プレート42に対し下側プレート43のみが上昇する。このことで、図2に示すように、第1ロッド36と共に停止保持されている弁板支持体10に対し、第2ロッド37のみが相対的に上昇して、この第2ロッド37のみの上昇移動により、機構収容ベローズ34を伸長させながら、各平行リンク機構22の各リンク28が前後方向に水平に回動し、弁板5が弁板支持体10から離れるように前側に移動して弁箱1の前側開口2周囲の前壁1a内面を押圧し、その開口2がシール材7により気密状に閉塞されてゲート弁Gが閉弁する。
【0046】
一方、上記のような閉弁状態にあるゲート弁Gを開弁させるときには、上記シリンダ57が収縮してピストンロッド57aが下降する。このピストンロッド57aの下降移動に伴い、各下側プレート43が第2ロッド37と共に下降し、この第2ロッド37の下降移動により、機構収容ベローズ34を収縮させながら、各平行リンク機構22の各リンク28が傾斜方向に回動し、弁板5が弁板支持体10に近付く後方向に移動して弁箱1の前側開口2周囲の前壁1a内面から離れ、その開口2が開かれる。この後、リンク規制部52によるリンク機構46の伸長規制により第1及び第2ロッド36,37が一体的に下降して弁板支持体10が弁板5と共に開弁位置に移動し、ゲート弁Gが開弁する。
【0047】
そして、この実施形態においては、上記弁板5の外周縁部の全体に亘り熱伝導材料からなる伝熱部材61が伝熱可能に取付固定されているので、上記の如くゲート弁Gが閉弁して弁板5が閉じ状態になり、弁板5と弁箱1の前側開口2周囲の前壁1a内面との間がシール材7によりシールされたとき、弁板5の前面と弁箱1の前壁1a内面との間には隙間があいた状態に保たれるが、上記伝熱部材61の当接部61bは弁箱1の前側開口2周囲の前壁1a内面に直接に当接し、このことで弁板5と弁箱1の前壁1a内面とが熱伝導可能に接続された状態となる。この状態により、例えば第1真空容器C1内からの熱が輻射により前側開口2を通って弁板5に伝導されても、その弁板5の熱は輻射によって他の部分に伝導されるばかりでなく、伝熱部材61を介して弁箱1の前壁1aに伝達され、この伝熱部材61を経由する熱伝導と輻射との双方により弁板5が冷却される。その結果、第1真空容器C1内の加熱温度が高い場合であっても、上記シール材7が弁板5を経由して加熱されるのは抑制され、よってシール材7の熱劣化を安定して防止することができる。
【0048】
また、弁板5の外周縁部に伝熱部材61を取付固定して、その伝熱部材61により弁板5と弁箱1の前壁1a内面とを熱伝導可能に接続させるだけで済み、弁板5をその内部に冷却流体通路を設けて冷却する場合に比べ、構造が極めて簡単になり、しかも低コストで製造することができる。
【0049】
さらに、上記伝熱部材61は弁板5の外周縁部に固定されているので、その伝熱部材61の当接部61bを弁板5の外側に向かう方向に拡大することができ、同様の大きさの当接部を有する伝熱部材を弁板5前面においてシール材7の位置よりも中央側部分に固定する場合のように、弁箱1の前側開口2の面積が狭められることはなく、その前側開口2の面積を大に保ったまま、伝熱部材61の接触面積(伝熱面積)及び伝熱量を大きく確保することができる。
【0050】
また、上記弁箱1の前側開口2周囲の前壁1a内において弁板5が閉じ状態にあるときのシール材7が圧接される位置に略対応して冷却流体通路63が開口2を取り囲むように形成されているので、この冷却流体通路63を流れる冷却流体によっても上記シール材7が冷却されるようになり、その熱劣化をさらに安定して防止できる。
【0051】
尚、この実施形態1では、伝熱部材61を弁板5側に設けているが、弁箱1の前側開口2周囲の前壁1a内面に配設して、その当接部が弁板5の閉じ状態で弁板5に接触するようにしてもよく、上記実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0052】
また、伝熱部材61は弾性を有するものとしてもよい。こうすると、弁板5の閉じ状態で伝熱部材61がその弾性により圧力をもって弁箱1の前壁1a内面に押し付けられて、弁板5と弁箱1の前壁1a内面との間に安定した熱伝導経路が維持されるようになり、弁板5の冷却効果を安定して保つことができる。
【0053】
(実施形態2)
図9は本発明の実施形態2を示し(尚、図1〜図8と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する)、伝熱構造を変えたものである。
【0054】
すなわち、この実施形態では、弁箱1の前側開口2周囲の前壁1a内面において弁板5の閉じ状態でのシール材7が当接する位置よりも開口2側(尚、開口2と反対側であってもよい)に凹溝65が前側開口2を取り囲むように連続して形成され、この凹溝65内には断面略U字状の伝熱部材61′がその凸部側を後方向に向けた状態で弁板5に接離する前後方向に移動可能に、つまり凹溝65から出没可能に嵌装支持され、この伝熱部材61′は凹溝65内の側面に常時接触して弁箱1の前壁1aと伝熱状態にある。
【0055】
また、上記凹溝65の底面と伝熱部材61′の内底面との間には、伝熱部材61′を凹溝65から突出するように弁板5側(後側)に向けて付勢する付勢手段としての板ばね66が配置されており、弁板5の閉じ状態で、この板ばね66により付勢された伝熱部材61′の後面(凸部面)を弁板5の前面に当接させて弁板5と弁箱1の前壁1a内面との間を熱伝導可能に接続するようにしている。尚、図示しないが、弁板5が閉じ状態にないときに伝熱部材61′が凹溝65から飛び出して脱落するのを防止するためのストッパが設けられている。その他の構成は上記実施形態1と同様である。
【0056】
したがって、この実施形態においては、ゲート弁Gの閉弁に伴う弁板5の閉じ状態で、板ばね66により付勢された伝熱部材61′が凹溝65から突出して、その後面が弁板5の前面に押し付けられ、その伝熱部材61′を経て弁板5の熱が弁箱1の前壁1aに放熱されるようになり、この場合も上記実施形態1と同様の作用効果が得られる。
【0057】
尚、この実施形態2では、凹溝65及び伝熱部材61′を弁箱1の前壁1a内面に設けているが、それらを弁板5の前面に設けることもでき、同様の効果が得られる。
【0058】
また、上記実施形態では、駆動手段としてエアシリンダ57を用いているが、液圧シリンダでもよく、その他、回転型のアクチュエータを用いることもでき、電磁型の各種アクチュエータを用いてもよい。また、弁板支持体10とそれに対し接離する弁板5との連結構造、弁板支持体10の駆動構造等は上記実施形態に限定されず、本発明の技術思想を損なわない範囲で変更することができる。
【0059】
また、上記実施形態では、弁板支持体10及び弁板5を上昇移動させて開弁し、下降移動させて閉弁するようにしているが、逆に弁板支持体10及び弁板5の下降移動により開弁し、上昇移動により閉弁するようにしてもよい。また、弁板支持体10及び弁板5の開閉動作の向きを必ずしも上下方向に限定する必要はないのは勿論である。
【0060】
さらに、上記各実施形態では、弁箱1を備えた構成であるが、この弁箱1を省略することもでき、弁板5や弁板支持体10を案内支持する構造があればよい。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によると、真空容器の開口を開閉する弁板と、この弁板に設けられたシール材とを備え、弁板の閉じ状態で弁板と開口周りの容器壁面との間をシール材で、該シール材のみが容器壁部に圧接しかつ弁板と容器壁部とが接触しない状態でシールするようにした真空ゲート弁において、弁板又は容器壁部の少なくとも一方に伝熱可能に設けられかつ弁板の閉じ状態で弁板又は容器壁部の他方に接触して弁板と容器壁部とを熱伝導可能に接続する熱伝導材料からなる伝熱部材を設けたことにより、弁板を輻射と容器壁部への熱伝導との双方により冷却でき、簡単でかつ低コストの構造で、シール材の熱劣化を安定して防止することができる。
【0062】
請求項2の発明によると、開口周りの容器壁部に弁板の閉じ状態でのシール材の位置に略対応して冷却流体の通路を形成したことにより、シール材を冷却流体によっても冷却して、その熱劣化をさらに安定して防止できる。
【0063】
請求項3の発明によれば、伝熱部材を弁板の周縁部に固定したことにより、真空容器の開口の面積を大に保ちつつ、伝熱部材の容器壁面に対する伝熱面積及び伝熱量を大きく確保することができる。
【0064】
請求項4の発明によると、伝熱部材は弾性を有するものとしたことにより、弁板の閉じ状態で伝熱部材を安定して相手側の容器壁部又は弁板に押し付けて、弁板の冷却効果を安定維持することができる。
【0065】
請求項5の発明によると、伝熱部材は、弁板又は容器壁部の少なくとも一方に移動可能にかつ伝熱状態で支持された熱伝導材料からなるものとし、この伝熱部材を弁板又は容器壁部の他方に向けて付勢する付勢手段を設けたことにより、弁板の冷却効果が安定維持される望ましい伝熱構造を具体化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態1に係る真空ゲート弁の要部を概略的に示す斜視図である。
【図2】 真空ゲート弁の閉弁状態を示す要部拡大側面断面図である。
【図3】 真空ゲート弁の弁板が弁箱の前側開口を開いた状態を示す図2相当図である。
【図4】 平行リンク機構の一部を拡大して示す部分破断平面図である。
【図5】 ガイド部材の拡大正面図である。
【図6】 図5のVI−VI線断面図である。
【図7】 真空ゲート弁の全体構成を示す側面図である。
【図8】 真空ゲート弁の全体構成を示す正面図である。
【図9】 本発明の実施形態2に係る真空ゲート弁の要部を概略的に示す断面図である。
【符号の説明】
G 真空ゲート弁
1 弁箱
1a 前壁(容器壁部)
2 前側開口
5 弁板
7 シール材
61,61′ 伝熱部材
61b 当接部
63 冷却流体通路
66 板ばね(付勢手段)
C1,C2 真空容器
Claims (5)
- 真空容器の開口を開閉する弁板と、該弁板に設けられたシール材とを備え、該弁板の閉じ状態では弁板と開口周りの容器壁面との間を上記シール材により、該シール材のみが容器壁部に圧接しかつ弁板と容器壁部とが接触しない状態でシールするようにした真空ゲート弁において、
上記弁板又は容器壁部の少なくとも一方に伝熱可能に設けられかつ弁板の閉じ状態で弁板又は容器壁部の他方に接触して弁板と容器壁部との間を熱伝導可能に接続する熱伝導材料からなる伝熱部材を備えたことを特徴とする真空ゲート弁。 - 請求項1の真空ゲート弁において、
開口周りの容器壁部に、弁板が閉じ状態にあるときのシール材の位置に略対応して冷却流体の通路が形成されていることを特徴とする真空ゲート弁。 - 請求項1の真空ゲート弁において、
伝熱部材は、弁板の周縁部に固定されていることを特徴とする真空ゲート弁。 - 請求項1又は3の真空ゲート弁において、
伝熱部材は、弾性を有するものであることを特徴とする真空ゲート弁。 - 請求項1又は2の真空ゲート弁において、
伝熱部材は、弁板又は容器壁部の少なくとも一方に他方に対し接離する方向に移動可能にかつ伝熱状態で支持された熱伝導材料からなり、
上記伝熱部材を弁板又は容器壁部の他方に向けて付勢する付勢手段を備えていることを特徴とする真空ゲート弁。
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