JP4368024B2 - 巻き寿司の切断装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、軟質で、かつ粘着力のある海苔巻き寿司等のような被切断品を、一定長さ単位で切断するのに用いて好適な自動化された巻き寿司の切断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複数の切断刃を一定間隔に縦設した刃物枠を、上部から下方へ略弧状に回転して、上記切断刃により、受台上に固定状態に載せてある海苔巻き寿司等の被切断品を一定の長さに切断するよう構成したものが本願人によって提案されている。(特公平7−57162号公報参照)
【0003】
上記切断装置は、被切断品に対する切断刃の長さ方向移動量が、切断刃の幅方向切り込み量よりも大きくなるよう刃物枠をリンク機構によってフレームに軸支してなるので、各切断刃が、被切断品の切断に理想的な軌跡で移動して海苔巻き寿司のように軟らかく、粘着力のあるものを容易に、かつ変形せず、切り口を美しく切断することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記切断装置によれば、手動で刃物枠を上部から下方へ回動して被切断品を切断するので、切断効率が低く、また、刃物枠(切断刃)に複雑な動きが要求されるため、当該刃物枠をフレームに回動自在に連結する長尺、短尺両リンクの長さ及び該両リンクのフレームに対する支点の設定が難しい等の製作上の問題があって、高価となる等の問題がある。
【0005】
【目的】
本発明は、上記従来技術が有するこのような問題点に鑑みてなされたもので、駆動機構によって被切断品の受け台を上下移動するだけで、被切断品を変形させることなく、切り口を美しく、しかも効率良く切断できると共に、極めて簡潔な構成によって安価に製作できる自動化された巻き寿司の切断装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る巻き寿司の切断装置は、上下両端部をフレームに固定して縦設したガイドと、前面に、被切断品の受け部が設けられ、前記ガイドに沿って上下摺動自在に支承されている被切断品を載せる受け台と、前記受け台を上下方向に移動する駆動機構と、複数の切断刃が、被切断品の長さ方向に所定間隔をおいて縦設され、前記ガイドの上部前方において、被切断品の切断刃長さ方向移動量が、切断刃の幅方向切り込み量よりも大きくなるよう、上部から下部前方へ傾斜下降して前記ガイドに所定角度を有してフレームに固定されてなる刃物枠と、被切断品の長さ方向に一定の間隔をおいて前記各切断刃が挿入するよう前記受け台に開設された複数のスリットとを備え、被切断品を載せた受け台が上方へ移動されることで、該被切断品の前面上部が、切断刃の傾斜下降端に当接して切り込まれ、さらに受け台により被切断品が徐々に上方へ移動されていくことで切り込み量が大きくなり、上昇限まで移動された時点で、被切断品は、複数の切断刃により複数個に切断されるよう構成したことを特徴とする。
【0007】
【作用】
受け台をガイドに沿って下降させた状態で、該受け台上に海苔巻き寿司等の被切断品を載せたならば、スイッチをONし、駆動源を始動させると、該駆動源により駆動機構が作動し、上記受け台はガイドに沿って上方へ移動されていく。
【0008】
上記ガイドの上部前方において、刃物枠がガイドと一定の角度に傾斜固定されているので、被切断品が上方へ移動されることで、該被切断品の前面上部が、切断刃の傾斜下降端に当接して切り込まれ、さらに受け台により被切断品が徐々に上方へ移動されていくことで切り込み量が大きくなり、上昇限まで移動された時点で、被切断品は、複数の切断刃により複数個に切断される。
【0009】
また、ガイドと刃物枠とは、一定の角度で側面略逆向きV字形状に配設させてあるので、被切断品は、切断刃の長さ方向に沿って移動されるが、ここで、被切断品の切断刃長さ方向移動量が、切断刃の幅方向切り込み量よりも大きくなるよう、ガイドに対して刃物枠の傾斜角度が設定してあるので、被切断品は押しつぶされて変形することなく、美しい切り口に切断される。
【0010】
被切断品が切断され、受け台から取り出した後は、該受け台は、駆動源が逆転し、駆動機構により下方へ所定ストローク移動され、下降限に停止して次回の被切断品の切断に備えられる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る巻き寿司の切断装置の実施形態につき図面を参照して説明する。
図1は、本発明切断装置の縦断側面図を示し、図2は、同上装置のケースと刃物枠を取り除いた状態の平面図を示し、図3は、図1におけるA−A線矢視断面図を示し、図4は、同上装置における海苔巻き寿司の切断装置の海苔巻き寿司切断状態の説明図を示し、図5は、同上切断装置の外観斜視図を示す。
【0012】
本発明の切断装置は、図1ないし図3に示したように、左右2本の一対のガイド1、1と、刃物枠2と、被切断品としての海苔巻き寿司aを載せる受け台3と、該受け台3の駆動機構4とを主要部材として構成されている。
【0013】
上記一対のガイド1、1は、次のように構成される。
図1ないし図3に示したように、ケース5内の左右両側に配設した内部フレーム6、6の上部と下部に架設した上部フレーム7及び下部フレーム8に、上端及び下端をボルト9、9…等で固定して一対のガイド1、1は、上部から下部前方へ傾斜下降して所定角度αに傾斜並設させてある。図示例では、一対のガイド1、1の傾斜角度αを約77度に設定してある。
【0014】
上記刃物枠2は、次のように構成されている。
図1及び図3並びに図4に示したように、上部、下部両枠材2b、2cと左右の側枠材2d、2eとで正面矩形状に枠体2aを枠組み形成し、該枠体2a内の上部、下部両枠材2b、2c間には複数の切断刃2f、2f…(図示例では7個)を、海苔巻き寿司aの長さ方向に一定の間隔bをおいて並行に縦設して構成させてある。
【0015】
即ち、上記の複数の切断刃2f、2f…は、その各下端を上記下部枠材2cに固定し、上端は、正面略コ字形状とした調整部材2g、2g…に各固定し、該各調整部材2g、2g…を、上記上部枠部材2bに貫通して配置した各調整ネジ2h…に螺合し、該各調整ネジ2h…を上下方向へ螺進・退操作することで、各切断刃2f、2f…を緊・弛調整できるよう縦設させてある。
【0016】
さらに、上記刃物枠2は、図1及び図4に示したように、その上部枠材2bと、下部枠材2cを、既述内部フレーム6、6の上部から下部前方へ傾斜下降して形成した傾斜面6a、6aの上部及び下部から前方へ突設したブラケット6b、6cに上記した調整ネジ2h、2h…と固定ネジ6d、6d…とによって固定されている。
【0017】
また、上記刃物枠2は、図1及び図4に示したように、既述一対のガイド1、1の上部前方において、上部から下部前方へ傾斜下降して、上記一対のガイド1、1と所定の角度βに傾斜配設させてある。
【0018】
つまり、海苔巻き寿司aが上記受け台3に載せられて上方へ移動されることで切断されるように、かつ切断刃2f、2f…に対する海苔巻き寿司aの切断刃2f、2f…の長さ方向移動量が、切断刃2f、2f…の幅方向切り込み量よりも大きくなるように、上記傾斜角度βを設定してある。上記一対のガイド1、1に対する刃物枠2、即ち、切断刃2f、2f…の傾斜角度βは、図示例では20度に設定してある。
【0019】
上記受け台3は、次のように構成される。
図1ないし図4に示したように、前面に、底板3bと起立板3cを直角に配置して、海苔巻き寿司aを載せる受け部3aが設けられ、後部に上下方向へ貫通して形成したガイド孔3d、3dに、既述一対のガイド1、1を挿通して、該一対のガイド1、1に沿って上下方向へ摺動するよう構成されている。
【0020】
上記受け部3aは、当該受け台3の上方移動時や海苔巻き寿司aの切断時等において、海苔巻き寿司aが移動したり、落下することがないよう、底板3bと起立板3cの各端部には内向きの曲突部3e、3fを突設させてあると共に、上記受け部3aからその後方部には、海苔巻き寿司aの長さ方向に一定の間隔cをおいて各切断刃2f、2f…が挿入する複数のスリット3g、3g…を開設させてある。即ち、上記間隔cは、図3に示した複数の切断刃2f、2f…の間隔bと同一に設定してある。
【0021】
さらに、上記受け台3の上記した受け部3aの底板3b裏面には、各切断刃2f、2f…を掃除するためのスポンジ等からなるクリーナー10をL型金具11等によって固設させてあり、該クリーナー10には、図3に示した如く、上記した各スリット3g、3g…と対応して、各切断刃2f、2f…が挟入される複数のスリット10a、10a…を開設させてある。
【0022】
上記受け台3が、図1に実線で示したように下降限に下動した際、上記クリーナー10に掃除用のアルコール14が適量吸収されるよう、上記クリーナー10の下部には、開口部にスポンジ13等を配置したアルコール収容容器12を配設させてある。
【0023】
上記受け台3の駆動機構4は、次のように構成される。
図1及び図2に示したように、既述一対のガイド1、1間の後部(図1において左側)において、上端と下端に各軸支したプーリー15、16と、ケース5内の後部下方に配置した可逆モータ等による駆動源17の図示しない駆動軸と連動連結した減速機18の回転軸18aに固定したプーリー19とに無端ベルト20を巻き掛けし、該無端ベルト20を、既述受け台3の後部にボルト21、21…等にて固定し、上記駆動源17によって無端ベルト20が所定長さ正転、逆転されることで、上記受け台3を一定ストローク上方移動、または下方移動するよう構成されている。
【0024】
図示例では、既述一対のガイド1、1を所定角度α傾斜して並設した場合であるが、垂直に縦設することも可能であり、何れの場合も、海苔巻き寿司aの切断刃2f、2fの長さ方向移動量が、切断刃2f、2f…の幅方向切り込み量よりも大きくなるよう、一定のガイド1、1に対する刃物枠2、切断刃2f、2f…の傾斜角度βを任意に設定することで所期の目的を達成することができる。
【0025】
また、上記駆動機構5は、図示例では無端ベルト20を使用しているが、各プーリー15、16、19及び無端ベルト20に換えて、図示しないスプロケット及び無端チェーンとすることも可能である。
【0026】
なお、図1及び図5において、22はケース5下部に開設した切断前の海苔巻き寿司aの挿入口、23はケース5上部に開設した切断済海苔巻き寿司a1、a2…anの取り出し口を各示し、図5において24は駆動源17のON、OFFスイッチ、25は駆動源17を正転、逆転して受け台3を上方移動及び下方移動する切換えスイッチを各示す。
【0027】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、被切断品の上下移動軌跡に対して、切断刃が、切断に理想的な角度で傾斜配置されているため、海苔巻き寿司のように軟らかく、粘着力のあるものを、容易に、かつ効率良く、しかも変形させることなく、美しい切り口に切断することができ、さらに、受け台を直線に上下移動させる構成であるため、構造的に簡潔で、製作が容易であり、安価に提供できると共に、自動化により切断作業の能率を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る巻き寿司の切断装置の実施形態を示す縦断側面図である。
【図2】 同上装置のケースと刃物枠を取り除いた状態を示す平面図である。
【図3】 図1におけるA−A線矢視断面図である。
【図4】 同上装置の被切断品切断状態を示す説明図である。
【図5】 同上切断装置の外観斜視図である。
【符号の説明】
1、1 ガイド
2 刃物枠
2f 切断刃
3 受け台
3a 受け部
3g スリット
4 駆動機構
6 フレーム
β 刃物台の傾斜角度
a 被切断品(海苔巻き寿司)
b、c 間隔
Claims (1)
- 上下両端部をフレームに固定して縦設したガイドと、前面に、被切断品の受け部が設けられ、前記ガイドに沿って上下摺動自在に支承されている被切断品を載せる受け台と、前記受け台を上下方向に移動する駆動機構と、複数の切断刃が、被切断品の長さ方向に所定間隔をおいて縦設され、前記ガイドの上部前方において、被切断品の切断刃長さ方向移動量が、切断刃の幅方向切り込み量よりも大きくなるよう、上部から下部前方へ傾斜下降して前記ガイドに所定角度を有してフレームに固定されてなる刃物枠と、被切断品の長さ方向に一定の間隔をおいて前記各切断刃が挿入するよう前記受け台に開設された複数のスリットとを備え、被切断品を載せた受け台が上方へ移動されることで、該被切断品の前面上部が、切断刃の傾斜下降端に当接して切り込まれ、さらに受け台により被切断品が徐々に上方へ移動されていくことで切り込み量が大きくなり、上昇限まで移動された時点で、被切断品は、複数の切断刃により複数個に切断されるよう構成したことを特徴とする巻き寿司の切断装置。
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