JP4355139B2 - 収納容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、容器本体と蓋体とを具備する収納容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から屋外などに設置される収納容器として、容器本体と蓋体とを具備し、容器本体又は蓋体に回動自在に取付けたバックルにより容器本体に蓋体を被せた状態でバックルにより容器本体と蓋体とをロックするようにしたものが知られている(例えば特許文献1、特許文献2参照)。
【0003】
上記特許文献1、特許文献2に示された従来例にあっては、容器本体の上端部又は蓋体の外端部のいずれか一方にロック用係止部を有するバックルを回動自在に取付けると共にいずれか他方にロック用係止部が係止自在なロック用被係止部を設け、ロック用係止部をロック用被係止部に係止することでロックするのであるが、ロック解除するに当たっては、ロック係止片の先端に指先を引掛けて回動軸支部を中心にしてバックルを回動することでロック用係止部をロック用被係止部から離脱させてロック解除を行うようにしている。
【0004】
例えば特許文献1にあっては、図17に示すように、蓋体2の下端部に蓋側フランジ部13を設け、この蓋側フランジ部13の一部にコ字状をしたバックル5の一端部を回動軸支部7により回動自在に枢支し、容器本体1の上端部の容器側フランジ部12に蓋体2の下端部の蓋側フランジ部13を被せた状態で、コ字状をしたバックル5の他端部のロック用係止部4を容器本体1の上開口縁部に設けた断面逆L字状をした容器側フランジ部12の先端部のロック用被係止部6に弾性的に係止することでロックするようになっており、ロック解除に当たっては、ロック用係止部4の先端部と容器本体1の外面との間に指先を入れて該指先の先端をロック用係止部4の先端部に引掛け、この状態で、ロック用係止部4の先端部に引掛けた指先を手前の方に強く引っ張るようにして回動軸支部を中心にバックル5を回動することで、ロック用係止部4をロック用被係止部6から離脱させてロック解除するようにしている。
【0005】
このようにロック用係止部4に指を引掛けてロック解除する従来例にあっては、ロック用係止部4の先端に指先を掛けて強く引っ張るため、爪を引掛けてしまうことがあり、爪あるいは、指先を傷めるおそれがあり、また、ロック用係止部4の先端に直接指先を引掛けて回動軸支部を中心に回動操作するので指先に大きな力を必要とし、操作がし難いものである。
【0006】
また、上記従来例にあっては、バックル5は指先で引掛けるという方法でしかロック解除することができない。ところで、指先で引掛けるというロック解除の方法にあたっては、通常使用者は薬指や中指を引掛けてロック解除するのが一般的であるが、使用者が薬指や中指を痛めている場合には、普段引掛け操作に使用しない親指等を引掛けてロック解除しなければならず、作業がきわめてし難くなるものである。
【0007】
【特許文献1】
登録実用新案第3038352号公報
【特許文献2】
特開平7−285604号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、簡単な構成で爪を傷めることなく容易にバックルのロック解除ができ、また、バックルのロック解除を押圧によりロック解除と指先の引掛けによるロック解除のいずれでも行うことができて、その時々に応じたロック解除方式が選べて操作性を向上でき、しかも、バックルを押圧してロック解除するに当たって、バックルの容器本体の外面又は蓋体の外面からの突出長さを短くしながら回動軸支部から押圧部までの長さを長くできて小さな押圧力で大きなモーメントが発生して容易にロック解除ができる収納容器を提供することを課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係る収納容器は、上方が開口した容器本体1と、容器本体1の上開口を開閉自在に閉じるための蓋体2とで構成される収納容器3であって、容器本体1の上端部にロック用係止部4を有するバックル5を回動自在に取付けると共に蓋体2の外端部にロック用係止部4が係止自在なロック用被係止部6を設け、バックル5の回動軸支部7よりも上側に上記ロック用係止部4と指を掛けるための指掛け部9とを設けると共にバックル5の回動軸支部7よりも下側に外面側の押圧により回動軸支部7を中心にしてバックル5を回動するためのロック解除用の押圧部8を設け、上記指掛け部9をロック用係止部4よりも上下方向において回動軸支部7から離し、押圧部8の押圧による回動軸支部7を中心とするバックル5の回動によりロック用係止部4とロック用被係止部6との係止の解除と、指掛け部9に指先を掛けて回動軸支部7を中心とするバックル5の回動によりロック用係止部4とロック用被係止部6との係止解除とを可能とし、上記容器本体1の外面部の押圧部8に対応する部位に押圧部8を押圧してバックル5を回動軸支部7を中心に回動した際に押圧部8が入り込む凹部10を設け、上記蓋体2の外面部の指掛け部9に対応する部位に指を入れることができる凹所11を設け、蓋体2を上下逆にして容器本体1の上開口から嵌め込むことが可能で、該嵌め込み状態で上記押圧部8が入り込む凹部10を形成する容器側凹条部30の内面側である容器側凸条部31と、指が入り込む凹所11を形成する蓋側凹条部32が被嵌するように構成して成ることを特徴とするものである。
【0010】
このような構成とすることで、容器本体1に蓋体2を被せてバックル5のロック用係止部4をロック用被係止部6に係止してロックした状態で、ロック解除するに当たっては、押圧部8を押圧して回動軸支部7を中心にバックル5を回動することで、ロック用係止部4をロック用被係止部6から離脱させてロック解除ができるものであり、また、収納容器3を設置している場所の状況や、使用者の姿勢、あるいは指の状況(例えば押圧するための親指を痛めている場合等)等の理由で押圧部8を押圧操作し難い場合など、指掛け部9に指先を掛けて回動軸支部7を中心にバックル5を回動することで、ロック用係止部4をロック用被係止部6から離脱させてロック解除することもできる。この場合、上下方向において指掛け部9をロック用係止部4よりも回動軸支部7から離してあることで、指掛け部9に引掛けて指先で加える小さな力で大きなモーメント力を生じさせてロック用係止部4をロック用被係止部6から容易に離脱させることができるものである。また、押圧部8を押圧してバックル5を回動してロック解除する際に、押圧部8を容器本体1の外面部よりも内側に没入させることができ、これによりバックル5の容器本体1の外面からの突出長さをできるだけ短くしながら回動軸支部7から押圧部8までの長さを長くできて小さな押圧力で大きなモーメントが発生して容易にロック解除ができ、また、指掛け部9に指先を引掛けてロック解除操作をする場合、凹所11に指先を入れて指掛け部9に指先を引掛けることができ、これにより蓋体2の外面からのバックル5の突出長さをできるだけ短くできることになる。更に、収納容器3を空の状態で搬送したり、展示したりする場合、蓋体2を上下逆にして容器本体1の上開口から嵌め込むことで嵩を低くできる。この場合、容器本体1の容器側凸条部31に上下逆にした蓋体2の蓋側凹条部32が被嵌して容器本体1に対して蓋体2ががたつかないように嵌め込み収納できるようになっている。つまり、本発明においては、容器本体1の補強用に設けられ且つ一部が押圧部8が入り込む凹部10となった容器側凹条部30と、蓋体2の補強用に設けられ且つ一部が指先を入れる凹所11となった蓋側凹条部32を利用して容器本体1に蓋体2を上下逆にして嵌め込み収納した際のがたつき防止の役目を兼用させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0012】
本発明の収納容器3は、上方が開口した容器本体1と、容器本体1の上開口を開閉自在に閉じるための蓋体2とで構成してある。
【0013】
図1乃至図6に示すように、容器本体1は平面視長方形状又は正方形状をしたもので、上開口の外周部に容器側フランジ部12を設けてある。容器側フランジ部12は断面逆L字状をしている。一方、上記容器本体1の上開口に着脱自在に被せられる蓋体2は下開口の外周部に蓋側フランジ部13が設けてある。蓋側フランジ部13は断面略Lをした蓋側フランジ部13は容器側フランジ部12に着脱自在に被嵌自在となっている。
【0014】
容器本体1は合成樹脂製で上方に行くほど水平断面形状が大きくなるように側壁部が上広がりに傾斜して形成してある。図1、図2、図3に示すように、容器本体1の一対の対向する側壁部に外面側が凹んだ容器側凹条部30を上下方向にわたって複数形成してあり、この容器側凹条部30は内面側においては側壁部の内面から内方に突出した容器側凸条部31となっている。また、蓋体2は合成樹脂製で下方に行くほど水平断面形状が大きくなるように側壁部が下広がりに傾斜して形成してある。図1、図2、図3に示すように、蓋体2の一対の対向する側壁部に外面側が凹んだ蓋側凹条部32を上下方向にわたって複数形成してあり、この蓋側凹条部32は内面側においては側壁部の内面から内方に突出した蓋側凸条部33となっている。容器側凹条部30、容器側凸条部31は下に行くほど横幅が狭くなるような正面視略台形状をしており、また、蓋側凹条部32、蓋側凸条部33は上に行くほど横幅が狭くなるような正面視略逆台形状をしている。そして、容器本体1の上開口に蓋体2を被せた状態で、容器側凹条部30の真上に蓋側凹条部32が位置するようになっている。容器側凸条部31の上端部の横幅と蓋側凹条部32の下端部の横幅とがほぼ等しくしなっており、正面視略台形状の容器側凸条部31の両側の傾斜と、正面視略逆台形状の蓋側凹条部32を上下逆にした場合における両側の傾斜とが同じ傾斜となっている。そして、収納容器3を搬送あるいは展示する際に、嵩を低くするために、図16に示すように、蓋体2を上下逆にして容器本体1の上開口から容器本体1内に嵌め込み収納できるようになっており、この場合、容器本体1の容器側凸条部31に上下逆にした蓋体2の蓋側凹条部32を被嵌して容器本体1に対して蓋体2ががたつかないように嵌め込み収納できるようになっている。
【0015】
上記平面視長方形状又は正方形状をした容器側フランジ部12の一辺、又は、平面視長方形状又は正方形状をした蓋側フランジ部13の一辺のいずれか一方側に軸14が設けてあると共にいずれか他方に軸受け15が設けてあって軸14を軸受け15に回動自在に取付けることで容器本体1に対して蓋体2を回動自在に取付けてある。
【0016】
添付図面に示す実施形態では、図13のように、容器本体1の容器側フランジ部12の一辺部の容器側凹条部30の上端部に対応する部位に凹欠部16を設け、この凹欠部16の下部に横向きに軸14を設けてある。
【0017】
また、図14に示すように、蓋体2の蓋側フランジ部13の一辺部の蓋側凹条部32の下端部に対応する部位に軸受け部15が設けてある。軸受け部15は蓋側フランジ部13の一辺部の蓋側凹条部32の下端部に対応する部位に凹欠部34を設け、凹欠部34の下端部にL字状片15aと逆L字状片15bとを横方向に隙間を介して隣接して形成することで軸受け部15を構成してある。ここで、L字状片15aの下横片15cと逆L字状片15bの上横片15dとが隙間を介して上下に対向しており、蓋体2を起立させた状態で逆L字状片15bの上横片15dとの間の隙間を上方から軸14に嵌め込むことで図9、図10に示すように軸14に軸受け部15を回動自在に取付けるようになっている。
【0018】
また、上記軸14を設けた辺と対向する容器側フランジ部12の他辺にロック用係止部4を有するバックル5を複数回動自在に取付けると共に、軸受け部15を設けた辺と対向する蓋側フランジブ13の他辺に、ロック用係止部4が係止自在なロック用被係止部6を複数設けてある。
【0019】
すなわち、図11に示すように、容器本体1の容器側フランジ部12の他辺の容器側凹条部30の上端部に対応する部位にバックル取付け用凹部17を設け、このバックル取付け用凹部17の両内側壁に軸受け孔18を設けてあり、上記バックル取付け用凹部17の両内側壁間の幅が上から軸受け孔18側に近づくほど短くなるように傾斜した案内傾斜面17aとなっている。
【0020】
バックル5は図15に示すようなもので合成樹脂により形成してあって、前片部19の外周端縁部から背方に外周片部20が突設してあり、外周片部のうち対向する両側片部21の略中央部に背方に開口したコ字状切欠部22が設けてあり、側片部21の上記コ字状切欠部22を挟んで上下に対向する部位のうち一方(図の実施形態ではコ字状切欠部22の下側の部位)から外側方に向けて回動軸支部7となる軸部23が突設してあり、軸部23の突出端面は上下方向に傾斜していて案内面23aとなっている。
【0021】
側片部21の上記コ字状切欠部22を挟んで上下に対向する部位のうち他方(図の実施形態ではコ字状切欠部22の上側の部位)間に三辺を両側片部21と前片部19とに一体に連設して横片部24が配設してあり、この横片部24の突出先端部の上下方向においてコ字状切欠部22側を向いた面(添付図面に示す実施形態では下面)に突部25が突設してある。コ字状切欠部22の上記横片部24を架設した方の縁部と上記突部25とがロック用係止部4を構成している。
【0022】
また、バックル5の前片部19のバックル5の上記回動軸支部7となる軸部23を境にして上下方向において上記ロック用係止部4と反対側にずれた位置にロック解除用の押圧部8を設けてある。押圧部8は容器側フランジ部12の凹欠部16の下端部よりも下方に突出しており、この下方に突出した押圧部8は容器側凹条部30の上端部と対向しており、この容器側凹条部30の上端部の部位が後述のように押圧部8を押圧してバックル5を回動軸支部7を中心に回動した際に押圧部8が入り込むための凹部10を構成している。
【0023】
また、バックル5の上下方向において上記押圧部8を設けた側と反対側の端部には指掛け部9が設けてある。すなわち、このロック用係止部4はバックル5の上下方向において回動軸支部7を挟んで指掛け部9を設けた側に設けてあり、しかも、指掛け部9はロック用係止部4よりも回動軸支部7から上下方向に離れた位置に設けてある。上記指掛け部9とロック用係止部4との間の前片部19の部位がロック操作の際に押圧操作するためのロック用押圧操作部26となっている。そして、バックル取付け用凹部17の両内側壁の案内傾斜面17aにバックル5の両側の両軸部23の上記案内面23aを案内ガイドとして押し込むことで両軸部23を両軸受け孔18に回動自在に嵌め込むようになっている。
【0024】
図12に示すように、蓋体2の蓋側フランジ部13の他辺の蓋側凹条部32の下端部に対応する部位に蓋側切欠部35が設けてあり、この蓋側切欠部35内に奥側から断面L状をしたロック用被係止部6が突設してある。ロック用被係止部6の上面部の先端部には係止突起36が突設してある。
【0025】
また、図2乃至図4、図6に示すように、容器本体1の下面部の一方側の端部にはキャスター37を取付けたキャスター受け38が設けてあり、下面部の中央部及び他方側の端部には接地脚39が設けてある。接地脚39、キャスタ受け38の接地脚39を向いた部位はキャスター37と同じか又は少し下となるようなレベルとなっていて接地が安定し、接地脚39側を浮かせるように容器本体1を傾けた場合はキャスター37のみが接地して容易に移動できるようになっている。
【0026】
しかして、図8のようにバックル5を倒した状態で容器本体1の上開口を蓋体2で覆うと共に蓋側フランジ部13を容器側フランジ部12に被嵌する。この状態で、バックル5のロック用押圧操作部26を図8矢印イ方向に押圧し、ロック用係止部4をロック用被係止部6に係止する。この場合、図7に示すように、バックルの両側片部21のコ字状切欠部22が断面L字状をしたロック用被係止部6に嵌め込まれコ字状切欠部22の横片部24を架設した方の縁部が断面L字状をしたロック用被係止部6の横片に弾性的に係止し且つ突部25が係止突起36に弾性的に係止することでバックル5によりロックがなされて容器本体1を蓋体2で閉じた状態が保持される。上記バックル5のロック操作において、ロック用押圧操作部26を回動軸支部7よりも上下方向において遠い位置に設けてあるので、ロック用押圧操作部26を軽い力で押圧しても大きなモーメント力を発生させることできて、ロック用押圧操作部26を軽い力で押圧してもロック用係止部4をロック用被係止部6に弾性的に強い弾性係止力により係止操作することが可能となる。
【0027】
図7に示すようにバックル5のロック状態においてバックル5の上端の指掛け部9はロック用被係止部6の横片よりも上方に突出した位置となるようになっており、この指掛け部9の背面側に蓋側凹条部32が対向していて、該蓋側凹条部32の指掛け部9と対向する部分が指を入れることができる凹所11となっている。
【0028】
一方、図7のバックル5のロック状態においてバックル5によるロックを解除するには、図7において矢印ロ方向にバックル5の押圧部8を押圧して回動軸支部7を中心にバックル5を回動することで、ロック用係止部4をロック用被係止部6から離脱させてロック解除ができるものである。この場合、親指や人差し指や中指等により押圧部8を押圧操作することで、従来のように指先を引掛けて回動操作させてロック解除するものに比べ、爪などを傷つけることなく、押圧操作で容易にロック解除することができるものである。
【0029】
また、収納容器3を設置している場所の状況や、使用者の姿勢、あるいは指の状況(例えば押圧するための親指を痛めている場合等)等の理由で押圧部8を押圧操作してロック解除がし難い場合などは、指掛け部9に指先を掛けて回動軸支部7を中心にバックル5を回動することで、ロック用係止部4をロック用被係止部6から離脱させてロック解除することもできるものである。この場合、上下方向において指掛け部9をロック用係止部4よりも回動軸支部7から離してあることで、指掛け部9に引掛けて指先で加える小さな力で大きなモーメント力を生じさせてロック用係止部4をロック用被係止部6から容易に離脱させることができるものである。
【0030】
ところで、本発明においては、押圧部8を押圧してバックル5を回動軸支部7を中心に回動した際に押圧部8が入り込む凹部10を設けてあり、この凹部10は容器本体1の外面部よりも内側に凹んでいるので、押圧部8を押圧してバックル5を回動してロック解除する際に、押圧部8を容器本体1の外面部よりも内側に没入させることができるものである。これにより容器本体1の外面からのバックル5の突出長さをできるだけ短くでき、しかも、このようにバックル5の容器本体1の外面からの突出長さを短くしながら回動軸支部7から押圧部8までの長さを長くできて押圧力で大きなモーメントが発生して容易にロック解除ができる
ることになる。
【0031】
また、蓋体2の外面部の指掛け部9に対応する部位に指を入れることができる凹所11を設けてあるので、指掛け部9に指先を入れる際に凹所11に指先を入れて指掛け部9に指先を引掛けることができ、これにより指掛け部9を設けるものにおいても容器本体1又は蓋体2の外面からのバックル5の突出長さをできるだけ短くできることになる。
【0032】
ところで、収納容器3を空の状態で搬送したり、展示したりする場合、できるだけ嵩を低くする必要があるので、本発明においては、蓋体2を容器本体1に取付けない状態で、図16に示すように、蓋体2を上下逆にして容器本体1の上開口から嵌め込むことができるようになっている。この場合、容器本体1の容器側凸条部31に上下逆にした蓋体2の蓋側凹条部32が被嵌して容器本体1に対して蓋体2ががたつかないように嵌め込み収納できるようになっている。つまり、本発明においては、容器本体1の補強用に設けられ且つ一部が押圧部8が入り込む凹部10となった容器側凹条部30と、蓋体2の補強用に設けられ且つ一部が指先を入れる凹所11となった蓋側凹条部32を利用して容器本体1に蓋体2を上下逆にして嵌め込み収納した際のがたつき防止の役目を兼用させることができるものである。
【0033】
【発明の効果】
上記のように本発明にあっては、容器本体の上端部にロック用係止部を有するバックルを回動自在に取付けると共に蓋体の外端部にロック用係止部が係止自在なロック用被係止部を設け、バックルの回動軸支部よりも上側に上記ロック用係止部と指を掛けるための指掛け部とを設けると共にバックルの回動軸支部よりも下側に外面側の押圧により回動軸支部を中心にしてバックルを回動するためのロック解除用の押圧部を設け、上記指掛け部をロック用係止部よりも上下方向において回動軸支部から離し、押圧部の押圧による回動軸支部を中心とするバックルの回動によりロック用係止部とロック用被係止部との係止の解除と、指掛け部に指先を掛けて回動軸支部を中心とするバックルの回動によりロック用係止部とロック用被係止部との係止解除とを可能とし、上記容器本体の外面部の押圧部に対応する部位に押圧部を押圧してバックルを回動軸支部を中心に回動した際に押圧部が入り込む凹部を設け、上記蓋体の外面部の指掛け部に対応する部位に指を入れることができる凹所を設け、蓋体を上下逆にして容器本体の上開口から嵌め込むことが可能で、該嵌め込み状態で上記押圧部が入り込む凹部を形成する容器側凹条部の内面側である容器側凸条部と、指が入り込む凹所を形成する蓋側凹条部が被嵌するように構成しているので以下のような効果がある。
【0034】
すなわち、バックルのロック解除に当たって、押圧部を押圧して回動軸支部を中心にバックルを回動することで、ロック用係止部をロック用被係止部から離脱させて簡単にロック解除ができるものであり、従来のようにロック用係止部の先端に指先を掛けてバックルを回動させてロック解除するもののように指先の爪を傷めたりすることなく、簡単な押圧操作でロック解除ができるものであり、また、収納容器を設置している場所の状況や、使用者の姿勢、あるいは指の状況(例えば押圧するための親指を痛めている場合等)等の理由で押圧部を押圧操作し難い場合など、指掛け部に指先を掛けて回動軸支部を中心にバックルを回動してロック解除することも可能であって、押圧によるロック解除操作と指先を引掛けてのロック解除操作とを状況により選択できて、よりいっそうロック解除操作が容易となるものである。しかも、上下方向において指掛け部をロック用係止部よりも回動軸支部から離してあることで、指掛け部に引掛けて指先で加える小さな力で大きなモーメント力を生じさせてロック用係止部をロック用被係止部から容易に離脱させることができて、指先を掛けてのロック解除操作が軽い力で行え、指先を引掛けてロック解除操作する際に指先の爪を傷めにくいものである。また、押圧部を押圧してバックルを回動してロック解除する際に、押圧部を容器本体の外面部よりも内側に没入させることができ、これによりバックルの容器本体の外面からの突出長さをできるだけ短くしながら回動軸支部から押圧部までの長さを長くできて小さな押圧力で大きなモーメントが発生して容易にロック解除ができ、また、指掛け部に指先を引掛けてロック解除操作をする場合、凹所に指先を入れて指掛け部に指先を引掛けることができ、これにより蓋体の外面からのバックルの突出長さをできるだけ短くでき、使用、搬送、保管に当たってバックルが邪魔になりにくく且つ破損し難いものである。更に、収納容器を空の状態で搬送したり、展示したりする場合、蓋体を上下逆にして容器本体の上開口から嵌め込むことで嵩を低くできる。この場合、容器本体の容器側凸条部に上下逆にした蓋体の蓋側凹条部が被嵌して容器本体に対して蓋体ががたつかないように嵌め込み収納できるようになっている。つまり、本発明においては、容器本体の補強用に設けられ且つ一部が押圧部が入り込む凹部となった容器側凹条部と、蓋体の補強用に設けられ且つ一部が指先を入れる凹所となった蓋側凹条部を利用して容器本体に蓋体を上下逆にして嵌め込み収納した際のがたつき防止の役目を兼用させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の収納容器の斜視図である。
【図2】 同上の正面図である。
【図3】 同上の背面図である。
【図4】 同上の側面図である。
【図5】 同上の平面図である。
【図6】 同上の断面図である。
【図7】 同上のバックルでロックしている状態の断面図である。
【図8】 同上のバックルによるロックを解除した状態の断面図である。
【図9】 同上の容器本体に蓋体を回動自在に軸支した部分の断面図である。
【図10】 同上の容器本体に蓋体を回動自在に軸支した他の部分の断面図である。
【図11】 同上の容器本体のバックルを取付ける部分の斜視図である。
【図12】 同上の蓋体のロック用被係止部を設けた部分の斜視図である。
【図13】 同上の容器本体の軸を設けた部分の斜視図である。
【図14】 同上の蓋体の軸受け部を設けた部分の斜視図である。
【図15】 同上に使用するバックルを示し、(a)は正面から見た斜視図であり、(b)は背面から見た斜視図であり、(c)は正面図である。
【図16】 (a)は同上の蓋体を上下逆にして容器本体の上開口部から内部に嵌め込み収納した状態の断面図であり、(b)は容器本体の容器側凸条部に上下逆にした蓋体の蓋側凹条部を被嵌した部分の水平断面図である。
【図17】 従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 容器本体
2 蓋体
3 収納容器
4 ロック用係止部
5 バックル
6 ロック用被係止部
7 回動軸支部
8 押圧部
9 指掛け部
10 凹部
11 凹所
Claims (1)
- 上方が開口した容器本体と、容器本体の上開口を開閉自在に閉じるための蓋体とで構成される収納容器であって、容器本体の上端部にロック用係止部を有するバックルを回動自在に取付けると共に蓋体の外端部にロック用係止部が係止自在なロック用被係止部を設け、バックルの回動軸支部よりも上側に上記ロック用係止部と指を掛けるための指掛け部とを設けると共にバックルの回動軸支部よりも下側に外面側の押圧により回動軸支部を中心にしてバックルを回動するためのロック解除用の押圧部を設け、上記指掛け部をロック用係止部よりも上下方向において回動軸支部から離し、押圧部の押圧による回動軸支部を中心とするバックルの回動によりロック用係止部とロック用被係止部との係止の解除と、指掛け部に指先を掛けて回動軸支部を中心とするバックルの回動によりロック用係止部とロック用被係止部との係止解除とを可能とし、上記容器本体の外面部の押圧部に対応する部位に押圧部を押圧してバックルを回動軸支部を中心に回動した際に押圧部が入り込む凹部を設け、上記蓋体の外面部の指掛け部に対応する部位に指を入れることができる凹所を設け、蓋体を上下逆にして容器本体の上開口から嵌め込むことが可能で、該嵌め込み状態で上記押圧部が入り込む凹部を形成する容器側凹条部の内面側である容器側凸条部と、指が入り込む凹所を形成する蓋側凹条部が被嵌するように構成して成ることを特徴とする収納容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002367311A JP4355139B2 (ja) | 2002-12-18 | 2002-12-18 | 収納容器 |
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