JP4348070B2 - 収納容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、容器本体と蓋体とを具備する収納容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から屋外などに設置される収納容器として、上方が開口し且つ上方に行く程大径となった容器本体と、下方が開口し且つ下方に行く程大径となった蓋体とで構成される収納容器が知られている。(例えば特許文献1、特許文献2参照)
このように下方が開口した蓋体を有する収納容器は容器本体内に容器本体よりも背の高い収納物を収納しても下方が開口した蓋体を被せることで収納物を覆った状態で収納できるという特徴を有している。
【0003】
ところが、空の状態で搬送したり、保管したり、展示したりする場合、容器本体に上記下方が開口した蓋体を被せた状態のままであると、嵩が高くなり、大きなスペースが必要となるという問題がある。
【0004】
そこで、空の状態で搬送したり、保管したり、展示したりする場合、下方が開口し且つ下方に行く程大径となった蓋体を上下逆にして上方が開口し且つ上方に行く程大径となった容器本体の上開口部から嵌め込み収納することが考えられる。
【0005】
しかしながら、上記のように蓋体を上下反転して容器本体内に収納すると、クリアランスがあってがたつき、例えば搬送中にがたつくと傷がつくという問題がある。
【0006】
また、従来にあっては、容器本体又は蓋体に回動自在にバックルを取付け、容器本体に蓋体を被せた状態で該バックルにより容器本体と蓋体とをロックするようにしている。
【0007】
上記特許文献1、特許文献2に示された従来例にあっては、ロック解除に当たっては、ロック係止片の先端に指先を引掛けて回動軸支部を中心にしてバックルを回動することでロック用係止部をロック用被係止部から離脱させてロック解除を行うようにしている。
【0008】
このようにロック用係止部に指を引掛けてロック解除する従来例にあっては、係止部分に指先を掛けて強く引っ張るため、爪を引掛けてしまうことがあり、爪あるいは、指先を傷めるおそれがあり、また、ロック係止片に直接指先を引掛けて回動軸支部を中心に回動操作するので指先に大きな力を必要とし、操作がし難いものである。
【0009】
また、上記従来例にあっては、バックルは指先で引掛けるという方法でしかロック解除することができない。ところで、指先で引掛けるというロック解除の方法にあたっては、通常使用者は薬指や中指を引掛けてロック解除するのが一般的であるが、使用者が薬指や中指を痛めている場合には、普段引掛け操作に使用しない親指等を引掛けてロック解除しなければならず、作業がきわめてし難くなるものである。
【0010】
【特許文献1】
登録実用新案第3038352号公報
【0011】
【特許文献2】
特開平7−285604号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、容器本体及び蓋体の補強ができるだけでなく、簡単な構成で蓋体を上下逆となるように反転して容器本体の上開口部内に嵌め込み収納した際にがたつきなく嵌め込み収納でき、しかも補強及び嵌め込み収納の際のがたつき防止を行うための容器側凹条部又は蓋側凹条部を利用して容器本体や蓋体の外面からのバックルの突出長を短くしながらバックル操作がスムーズに行えるように構成できる収納容器を提供することを課題とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係る収納容器は、上方が開口し且つ上方に行く程大径となった容器本体1と、下方が開口し且つ下方に行く程大径となった蓋体2とで構成され、使用状態で容器本体1の上開口部に蓋体2の下開口部を被せて蓋体2により容器本体1を開閉自在とし、且つ、空で搬送又は保管する状態で蓋体2を上下逆にして容器本体1の上開口部から蓋体2を嵌め込み収納できるように構成した収納容器3であって、容器本体1の側壁部に外面部が凹んだ容器側凹条部30となり且つ内面部が凸となった容器側凸条部31となった正面視略台形状をした嵌め込み部40を容器本体1の上端部から少なくとも上部の蓋体2の上下長さ以上の上下長さで形成し、蓋体2の側壁部に外面部が凹んだ蓋側凹条部32となり且つ内面部が凸となった蓋側凸条部33となった正面視略逆台形状をした被嵌め込み部41を上下方向にわたって形成し、蓋体2を上下逆にして容器本体1の上開口部から容器本体1内に嵌め込み収納した状態で、正面視略台形状をした嵌め込み部40の内面部の容器側凸条部31に正面視略逆台形状をした上下逆となった被嵌め込み部41の外面部の蓋側凹条部32を当接又は近接対向させて嵌め込んで成ることを特徴とするものである。
【0014】
このような構成とすることで、容器側凹条部30により容器本体1の補強ができると共に蓋側凹条部32により蓋体2の補強ができるのはもちろんのこと、空の状態で搬送、保管、陳列等を行う際に、下方に行く程大径となった蓋体2を上下逆となるように反転して上方に行く程大径となった容器本体1の上開口部から嵌め込み収納して全体の嵩が低くなるようにコンパクトにできるものであり、しかも、この場合、正面視略台形状をした嵌め込み部40の内面部の容器側凸条部31に正面視略逆台形状をした上下逆となった被嵌め込み部41の外面部の蓋側凹条部32を当接又は近接対向させて嵌め込まれるので、容器本体1に対して蓋体2ががたつかないように嵌め込み収納できるものである。
【0015】
また、上方が開口し且つ上方に行く程大径となった容器本体1と、下方が開口し且つ下方に行く程大径となった蓋体2とで構成され、使用状態で容器本体1の上開口部に蓋体2の下開口部を被せて蓋体2により容器本体1を開閉自在とし、且つ、空で搬送又は保管する状態で蓋体2を上下逆にして容器本体1の上開口部から蓋体2を嵌め込み収納できるように構成した収納容器3であって、容器本体1の側壁部の両側に外面部が凹んだ容器側凹条部30となり且つ内面部が凸となった容器側凸条部31となった嵌め込み部40を容器本体1の上端部から少なくとも上部の蓋体2の上下長さ以上の上下長さで形成し、両側の嵌め込み部40間に挟まれた容器本体1の側壁の中間部の部位45を正面視略逆台形状とし、蓋体2の側壁部の両側に外面部が凹んだ蓋側凹条部32となり且つ内面部が凸となった蓋側凸条部33となった被嵌め込み部41を上下方向にわたって形成し、両側の被嵌め込み部41間に挟まれた蓋体2の側壁の中間部の部位46を正面視略台形状とし、蓋体2を上下逆にして容器本体1の上開口部から容器本体1内に嵌め込み収納した状態で、両側の嵌め込み部40間に挟まれた容器本体1の側壁の正面視略逆台形状をした中間部の部位45の内面部に、両側の被嵌め込み部41間に挟まれた蓋体2の側壁の正面視略台形状をした中間部の部位46を当接又は近接対向させて嵌め込んで成ることを特徴とすることも好ましい。
【0016】
このような構成とすることで、容器側凹条部30により容器本体1の補強ができると共に蓋側凹条部32により蓋体2の補強ができるのはもちろんのこと、空の状態で搬送、保管、陳列等を行う際に、下方に行く程大径となった蓋体2を上下逆となるように反転して上方に行く程大径となった容器本体1の上開口部から嵌め込み収納して全体の嵩が低くなるようにコンパクトにできるものであり、しかも、この場合、両側の嵌め込み部40間に挟まれた容器本体1の側壁の正面視略逆台形状をした中間部の部位45の内面部に、両側の被嵌め込み部41間に挟まれた蓋体2の側壁の正面視略台形状をした中間部の部位46を上下逆にして当接又は近接対向させて嵌め込まれるので、容器本体1に対して蓋体2ががたつかないように嵌め込み収納できるものである。
【0017】
また、容器本体1の上端部又は蓋体2の外端部のいずれか一方にロック用係止部4を有するバックル5を回動自在に取付けると共にいずれか他方にロック用係止部4が係止自在なロック用被係止部6を設け、バックル5の上下両端部の少なくとも一方又は両方にバックル5の操作を行うための操作部42を設け、該バックル5の操作部42を蓋体2の蓋側凹条部32又は容器本体1の容器側凹条部30の一方又は両方に対向させることが好ましい。このような構成とすることで、容器本体1、蓋体2の補強を行い且つ空の状態で蓋体2を上下逆にして容器本体1に嵌め込んだ状態で蓋体2を容器本体1に対してがたつかないようにするための容器側凹条部30、蓋側凹条部32を利用して容器本体1や蓋体2の外面からのバックル5の突出長を短くしながらバックル5操作がスムーズに行えるものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0019】
本発明の収納容器3は、上方が開口し且つ上方に行く程大径となった容器本体1と、下方が開口し且つ下方に行く程大径となった蓋体2とで構成してあり、使用状態で容器本体1の上開口部に蓋体2の下開口部を被せて蓋体2により容器本体1を開閉自在とし、且つ、空で搬送又は保管する状態で蓋体2を上下逆にして容器本体1の上開口部から蓋体2を嵌め込み収納できるように構成してある。
【0020】
添付図面中、図1乃至図7に示す実施形態、図17に示す実施形態、図18に示す実施形態、図19に示す実施形態は、それぞれ請求項1に記載の発明に対応する実施形態である。
【0021】
まず、図1乃至図7に示す実施形態に基づいて請求項1記載の発明につき説明する。
【0022】
図1乃至図6に示すように、容器本体1は平面視長方形状又は正方形状をしたもので、上開口の外周部に容器側フランジ部12を設けてある。容器側フランジ部12は断面逆L字状をしている。一方、上記容器本体1の上開口に着脱自在に被せられる蓋体2は下開口の外周部に蓋側フランジ部13が設けてある。断面略Lをした蓋側フランジ部13は容器側フランジ部12に着脱自在に被嵌自在となっている。
【0023】
容器本体1は合成樹脂製で上方に行くほど水平断面形状が大きくなるように側壁部が上広がりに傾斜して形成してある。図1、図2、図3に示すように、容器本体1の側壁部に外面部が凹んだ容器側凹条部30となり且つ内面部が凸となった容器側凸条部31となった正面視略台形状をした嵌め込み部40を容器本体1の上端部から少なくとも上部の蓋体2の上下長さ以上の上下長さで形成してある。添付図面に示す実施形態では容器本体1の上下の一対の対向する側壁部にそれぞれ嵌め込み部40が上下方向にわたって複数形成した例が示してある。
【0024】
また、蓋体2は合成樹脂製で下方に行くほど水平断面形状が大きくなるように側壁部が下広がりに傾斜して形成してある。図1、図2、図3に示すように、蓋体2の側壁部に外面部が凹んだ蓋側凹条部32となり且つ内面部が凸となった蓋側凸条部33となった正面視略逆台形状をした被嵌め込み部41を上下方向にわたって形成してある。添付図面に示す実施形態では蓋体2の一対の対向する側壁部に被嵌め込み部41を上下方向にわたって複数形成した例が示してある。
【0025】
容器側凹条部30、容器側凸条部31は下に行くほど横幅が広くなるような正面視略台形状をしており、また、蓋側凹条部32、蓋側凸条部33は上に行くほど横幅が広くなるような正面視略逆台形状をしている。そして、容器本体1の上開口に蓋体2を被せた状態で、容器側凹条部30の真上に蓋側凹条部32が位置するようになっている。容器側凸条部31の上端部の横幅と蓋側凹条部32の下端部の横幅とをほぼ等しくしなっており、正面視略台形状の容器側凸条部31の両側の傾斜と、正面視略逆台形状の蓋側凹条部32を上下逆にした場合における両側の傾斜とが同じ傾斜となっている。そして、収納容器3を搬送あるいは展示する際に、嵩を低くするために、図7に示すように、蓋体2を上下逆にして容器本体1の上開口から容器本体1内に嵌め込み収納できるようになっており、この場合、容器本体1の容器側凸条部31に上下逆にした蓋体2の蓋側凹条部32を被嵌して当接又はごく僅かな隙間を介して近接対向させて容器本体1に対して蓋体2ががたつかないように嵌め込み収納できるようになっている。
【0026】
上記平面視長方形状又は正方形状をした容器側フランジ部12の一辺、又は、平面視長方形状又は正方形状をした蓋側フランジ部13の一辺のいずれか一方側に軸14が設けてあると共にいずれか他方に軸受け15が設けてあって軸14を軸受け15に回動自在に取付けることで容器本体1に対して蓋体2を回動自在に取付けてある。
【0027】
添付図面に示す実施形態では、図14に示すように、容器本体1の容器側フランジ部12の一辺部の容器側凹条部30の上端部に対応する部位に凹欠部16を設け、この凹欠部16の下部に横向きに軸14を設けてある。
【0028】
また、図15に示すように、蓋体2の蓋側フランジ部13の一辺部の蓋側凹条部32の下端部に対応する部位に軸受け部15が設けてある。軸受け部15は蓋側フランジ部13の一辺部の蓋側凹条部32の下端部に対応する部位に凹欠部34を設け、凹欠部34の下端部にL字状片15aと逆L字状片15bとを横方向に隙間を介して隣接して形成することで軸受け部15を構成してある。ここで、L字状片15aの下横片15cと逆L字状片15bの上横片15dとが隙間を介して上下に対向しており、蓋体2を起立させた状態で逆L字状片15bの上横片15dとの間の隙間を上方から軸14に嵌め込むことで図10、図11に示すように軸14に軸受け部15を回動自在に取付けるようになっている。
【0029】
また、上記軸14を設けた辺又は軸受け部15を設けた辺と対向する容器側フランジ部12の他辺、又は、蓋側フランジ部13の他辺のいずれか一方側に、ロック用係止部4を有するバックル5を回動自在に取付けると共にいずれか他方にロック用係止部4が係止自在なロック用被係止部6を設けてある。
【0030】
添付図面に示す実施形態においては、容器本体1の容器側フランジ部12の他辺にバックル5が回動自在に複数取付けてあり、蓋体2の蓋側フランジ部13の他辺にロック用被係止部6が複数設けてある。
【0031】
すなわち、図12に示すように、容器本体1の容器側フランジ部12の他辺の容器側凹条部30の上端部に対応する部位にバックル取付け用凹部17を設け、このバックル取付け用凹部17の両内側壁に軸受け孔18を設けてあり、上記バックル取付け用凹部17の両内側壁間の幅が上から軸受け孔18側に近づくほど短くなるように傾斜した案内傾斜面17aとなっている。
【0032】
バックル5は図16に示すようなもので合成樹脂により形成してあって、前片部19の外周端縁部から背方に外周片部20が突設してあり、外周片部20のうち対向する両側片部21の略中央部に背方に開口したコ字状切欠部22が設けてあり、側片21の上記コ字状切欠部22を挟んで上下に対向する部位のうち一方(図の実施形態ではコ字状切欠部22の下側の部位)から外側方に向けて回動軸支部7となる軸部23が突設してあり、軸部23の突出端面は上下方向に傾斜していて案内面23aとなっている。
【0033】
側片部21の上記コ字状切欠部22を挟んで上下に対向する部位のうち他方(図の実施形態ではコ字状切欠部22の上側の部位)間に側片部21と前片部19とに一体に連設して横片部24が配設してあり、この横片部24の突出先端部の上下方向においてコ字状切欠部22側を向いた面(添付図面に示す実施形態では下面)に突部25が突設してある。コ字状切欠部22の上記横片部24を架設した方の縁部と上記突部25とがロック用係止部4を構成している。
【0034】
また、バックル5の前片部19のバックル5の上記回動軸支部7となる軸部23を境にして上下方向において上記ロック用係止部4と反対側にずれた位置にロック解除用の押圧部8を設けてある。押圧部8は容器側フランジ部12の凹欠部16の下端部よりも下方に突出しており、この下方に突出した押圧部8は容器側凹条部30の上端部と対向しており、この容器側凹条部30の上端部の部位が後述のように押圧部8を押圧してバックル5を回動軸支部7を中心に回動した際に押圧部8が入り込むための凹部10を構成している。
【0035】
また、バックル5の上下方向において上記押圧部8を設けた側と反対側の端部には指掛け部9が設けてある。すなわち、このロック用係止部4はバックル5の上下方向において回動軸支部7を挟んで指掛け部9を設けた側に設けてあり、しかも、指掛け部9はロック用係止部4よりも回動軸支部7から上下方向に離れた位置に設けてある。上記指掛け部9とロック用係止部4との間の前片部19の部位がロック操作の際に押圧操作するためのロック用押圧操作部26となっている。
【0036】
上記バックル5に設けた押圧部8、指掛け部9、ロック用押圧操作部26がバックル5のロック操作、ロック解除操作を行うための操作部42となっている。
【0037】
バックル取付け用凹部17の両内側壁の案内傾斜面17aにバックル5の両側の両軸部23の上記案内面23aを案内ガイドとして押し込むことで両軸部23を両軸受け孔18に回動自在に嵌め込むようになっている。
【0038】
図13に示すように、蓋体2の蓋側フランジ部13の他辺の蓋側凹条部32の下端部に対応する部位に蓋側切欠部35が設けてあり、この蓋側切欠部35内に奥側から断面L状をしたロック用被係止部6が突設してある。ロック用被係止部6の上面部の先端部には係止突起36が突設してある。
【0039】
また、図2乃至図4、図6に示すように、容器本体1の下面部の一方側の端部にはキャスター37を取付けたキャスター受け38が設けてあり、下面部の中央部及び他方側の端部には接地脚39が設けてある。接地脚39、キャスター受け38の接地脚39を向いた部位はキャスター37と同じか又は少し下となるようなレベルとなっていて接地が安定し、接地脚39側を浮かせるように容器本体1を傾けた場合はキャスター37のみが接地して容易に移動できるようになっている。
【0040】
しかして、図9のようにバックル5を倒した状態で容器本体1の上開口を蓋体2で覆うと共に蓋側フランジ部13を容器側フランジ部12に被嵌する。この状態で、バックル5のロック用押圧操作部26を図9矢印イ方向に押圧し、ロック用係止部4をロック用被係止部6に係止する。この場合、図8に示すようにバックルの両側片部21のコ字状切欠部22が断面L字状をしたロック用被係止部6に嵌め込まれコ字状切欠部22の横片部24を架設した方の縁部が断面L字状をしたロック用被係止部6の横片に弾性的に係止し且つ突部25が係止突起36に弾性的に係止することでバックル5によりロックがなされて容器本体1を蓋体2で閉じた状態が保持される。上記バックル5のロック操作において、ロック用押圧操作部26を回動軸支部7よりも上下方向において遠い位置に設けてあるので、ロック用押圧操作部26を軽い力で押圧しても大きなモーメント力を発生させることができて、ロック用押圧操作部26を軽い力で押圧してもロック用係止部4をロック用被係止部6に弾性的に強い弾性係止力により係止操作することが可能となる。
【0041】
図8に示すようにバックル5のロック状態においてバックル5の上端の指掛け部9はロック用被係止部6の横片よりも上方に突出した位置となるようになっており、この指掛け部9の背面側に蓋側凹条部32に対向していて該蓋側凹条部32の指掛け部9と対向する部分が指を入れることができる凹所11となっている。
【0042】
一方、図8のバックル5のロック状態においてバックル5によるロックを解除するには、図8において矢印ロ方向にバックル5の押圧部8を押圧して回動軸支部7を中心にバックル5を回動することで、ロック用係止部4をロック用被係止部6から離脱させてロック解除ができるものである。この場合、親指や人差し指や中指等により押圧部8を押圧操作することで、従来のように指先を引掛けて回動操作させてロック解除するものに比べ、爪などを傷つけることなく、押圧操作で容易にロック解除することができるものである。
【0043】
また、収納容器3を設置している場所の状況や、使用者の姿勢、あるいは指の状況(例えば押圧するための親指を痛めている場合等)等の理由で押圧部8を押圧操作してロック解除がし難い場合などは、指掛け部9に指先を掛けて回動軸支部7を中心にバックル5を回動することで、ロック用係止部4をロック用被係止部6から離脱させてロック解除することもできるものである。この場合、上下方向において指掛け部9をロック用係止部4よりも回動軸支部7から離してあることで、指掛け部9に引掛けて指先で加える小さな力で大きなモーメント力を生じさせてロック用係止部4をロック用被係止部6から容易に離脱させることができるものである。
【0044】
ところで、本発明においては、押圧部8を押圧してバックル5を回動軸支部7を中心に回動した際に押圧部8が入り込む凹部10を設けてあり、この凹部10は容器本体1の外面部よりも内側に凹んでいるので、押圧部8を押圧してバックル5を回動してロック解除する際に、押圧部8を容器本体1の外面部よりも内側に没入させることができるものである。これにより容器本体1の外面からのバックル5の突出長さをできるだけ短くでき、しかも、このようにバックル5の容器本体1の外面からの突出長さを短くしながら回動軸支部7から押圧部8までの長さを長くできて押圧力で大きなモーメントが発生して容易にロック解除ができることになる。
【0045】
また、蓋体2の外面部の指掛け部9に対応する部位に指を入れることができる凹所11を設けてあるので、指掛け部9に指先を入れる際に凹所11に指先を入れて指掛け部9に指先を引掛けることができ、これにより指掛け部9を設けるものにおいても容器本体1又は蓋体2の外面からのバックル5の突出長さをできるだけ短くできることになる。
【0046】
ところで、収納容器3を空の状態で搬送したり、展示したりする場合、できるだけ嵩を低くする必要があるので、本発明においては、蓋体2を容器本体1に取付けない状態で、図7に示すように、蓋体2を上下逆にして容器本体1の上開口から嵌め込むことができるようになっている。この場合、容器本体1の容器側凸条部31に上下逆にした蓋体2の蓋側凹条部32が被嵌して当接または近接対向させて容器本体1に対して蓋体2ががたつかないように嵌め込み収納できるようになっている。つまり、本発明においては、容器本体1の補強用に設けられ且つ一部が押圧部8が入り込む凹部10となった容器側凹条部30と、蓋体2の補強用に設けられ且つ一部が指先を入れる凹所11となった蓋側凹条部32を利用して容器本体1に蓋体2を上下逆にして嵌め込み収納した際のがたつき防止の役目を兼用させることができるものである。
【0047】
なお、上記実施形態において、容器本体1側にロック用係止部4を有するバックル5を回動自在に取付け、蓋体2側にロック用被係止部6を設けた例を示したが、蓋体2側にロック用係止部4を有するバックル5を回動自在に取付け、容器本体1側にロック用被係止部6を設けるものであってもよいものである。
【0048】
また、上記実施形態においては、バックル5に指掛け部9を設けた例を示したが、指掛け部9を設けない場合であってもよいものである。
【0049】
上記実施形態においては、容器側凹条部30、蓋側凹条部32の各横幅をバックル5が対向する部分においてバックル5の横幅よりも僅かに横幅が広い寸法にし、これにより容器側凹条部30、蓋側凹条部32のバックル5の操作部42と対向する部位に横方向から異物が入り難い構造として操作部42を操作してバックル5のロックあるいはロック解除操作を行う際に支障なくスムーズに行えるようにし、また、バックル5の側部に側方から異物が当たってバックル5を損傷したりしないようになっている。
【0050】
このように容器側凹条部30、蓋側凹条部32の各横幅をバックル5が対向する部分においてバックル5の横幅よりも僅かに横幅が広い寸法にする他例として図17に示す実施形態をあげることができる。
【0051】
また、正面視略台形状をした嵌め込み部40の両側辺又は一側辺、正面視略逆台形状をした被嵌め込み部41の両側辺又は一側辺が傾斜した直線となっている場合だけでなく、曲線の場合もある。この場合の一例を図18に示しており、正面視略台形状をした嵌め込み部40の一側辺、正面視略逆台形状をした被嵌め込み部41の一側辺が傾斜した直線となり、正面視略台形状をした嵌め込み部40の他側辺、正面視略逆台形状をした被嵌め込み部41の他側辺が傾斜した曲線となっている。もちろん、正面視略台形状をした嵌め込み部40の両側辺、正面視略逆台形状をした被嵌め込み部41の両側辺が傾斜した曲線となっていてもよい。
【0052】
もちろん本発明においては上記の各実施形態にのみ限定されず、図19のように容器本体1、蓋体2の側壁部の横方向の中間部分にそれぞれ横幅の広い容器側凹条部30、蓋側凹条部32を形成し、この横幅の広い容器側凹条部30、蓋側凹条部32にそれぞれ複数個(図19においては2個)のバックル5を配置したものであってもよい。
【0053】
次に、請求項2記載の発明に対応する実施形態を図20に基づいて説明する。本実施形態では図20のように容器本体1の側壁部の両側に外面部が凹んだ容器側凹条部30となり且つ内面部が凸となった容器側凸条部31となった嵌め込み部40を容器本体1の上端部から少なくとも上部の蓋体2の上下長さ以上の上下長さで形成し(図20では上下方向の全長に設けてある)、両側の嵌め込み部40間に挟まれた容器本体1の側壁の中間部の部位45を正面視略逆台形状としてある。また、蓋体2の側壁部の両側に外面部が凹んだ蓋側凹条部32となり且つ内面部が凸となった蓋側凸条部33となった被嵌め込み部41を上下方向にわたって形成し、両側の被嵌め込み部41間に挟まれた蓋体2の側壁の中間部の部位46を正面視略台形状としてある。嵌め込み部40、被嵌め込み部41の形状、形成位置を除き他の構成は前述の実施形態と同様であるので説明は省略する。本実施形態では、蓋体2を上下逆にして容器本体1の上開口部から容器本体1内に嵌め込み収納した状態で、両側の嵌め込み部40間に挟まれた容器本体1の側壁の正面視略逆台形状をした中間部の部位45の内面部に、両側の被嵌め込み部41間に挟まれた蓋体2の側壁の正面視略台形状をした中間部の部位46を当接又は近接対向させて嵌め込むものであり、これにより蓋体2を収納した状態において容器本体1に対して蓋体2のがたつきを防止するものである。本実施形態においても両側の嵌め込み部40の容器側凹条部30、両側の被嵌め込み部41の蓋側凹条部32にそれぞれバックル5の下部と上部とが対向するように配置してある。
【0054】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1記載の発明にあっては、容器本体に側壁部に外面部が凹んだ容器側凹条部となり且つ内面部が凸となった容器側凸条部となった嵌め込み部を形成し、蓋体の側壁部に外面部が凹んだ蓋側凹条部となり且つ内面部が凸となった蓋側凸条部となった被嵌め込み部を形成しているので、嵌め込み部、被嵌め込み部により容器本体、蓋体の補強ができ、また、空で搬送又は保管する状態で下方が開口し且つ下方に行く程大径となった蓋体を上下逆にして上方が開口し且つ上方に行く程大径となった容器本体の上開口部から蓋体を嵌め込み収納できるように構成してあるので、蓋体を上下逆にして容器本体の上開口部から嵌め込み収納して嵩を低くしてコンパクトにできるものであり、しかも、この場合、正面視略台形状をした嵌め込み部の内面部の容器側凸条部に正面視略逆台形状をした上下逆となった被嵌め込み部の外面部の蓋側凹条部を当接又は近接対向させて嵌め込まれるので、容器本体に対して蓋体ががたつかないように嵌め込み収納できるものである。
【0055】
また、請求項2にあっては、容器本体に側壁部に外面部が凹んだ容器側凹条部となり且つ内面部が凸となった容器側凸条部となった嵌め込み部を形成し、蓋体の側壁部に外面部が凹んだ蓋側凹条部となり且つ内面部が凸となった蓋側凸条部となった被嵌め込み部を形成しているので、嵌め込み部、被嵌め込み部により容器本体、蓋体の補強ができ、また、空で搬送又は保管する状態で下方が開口し且つ下方に行く程大径となった蓋体を上下逆にして上方が開口し且つ上方に行く程大径となった容器本体の上開口部から蓋体を嵌め込み収納できるように構成してあるので、蓋体を上下逆にして容器本体の上開口部から嵌め込み収納して嵩を低くしてコンパクトにできるものであり、しかも、この場合、両側の嵌め込み部間に挟まれた容器本体の側壁の正面視略逆台形状をした中間部の部位の内面部に、両側の被嵌め込み部間に挟まれた蓋体の側壁の正面視略台形状をした中間部の部位を当接又は近接対向させて嵌め込まれるので、容器本体に対して蓋体ががたつかないように嵌め込み収納できるものである。
【0056】
また、請求項3記載の発明にあっては、上記請求項1又は請求項2記載の発明の効果に加えて、容器本体の上端部又は蓋体の外端部のいずれか一方にロック用係止部を有するバックルを回動自在に取付けると共にいずれか他方にロック用係止部が係止自在なロック用被係止部を設け、バックルの上下両端部の少なくとも一方又は両方にバックルの操作を行うための操作部を設け、該バックルの操作部を蓋体の蓋側凹条部又は容器本体の容器側凹条部の一方又は両方に対向させてあるので、容器本体、蓋体の補強を行い且つ空の状態で蓋体を上下逆にして容器本体に嵌め込んだ状態で蓋体を容器本体に対してがたつかないようにするための容器側凹条部、蓋側凹条部を利用して容器本体や蓋体の外面からのバックルの突出長を短くしながらバックル操作がスムーズに行えるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態の収納容器の斜視図である。
【図2】 同上の正面図である。
【図3】 同上の背面図である。
【図4】 同上の側面図である。
【図5】 同上の平面図である。
【図6】 同上の断面図である。
【図7】 (a)は同上の蓋体を上下逆にして容器本体の上開口部から内部に嵌め込み収納した状態の断面図であり、(b)は容器本体の容器側凸状部に上下逆にした蓋体の蓋側凹条部を被嵌した部分の水平断面図である。
【図8】 同上のバックルでロックしている状態の断面図である。
【図9】 同上のバックルによるロックを解除した状態の断面図である。
【図10】 同上の容器本体に蓋体を回動自在に軸支した部分の断面図である。
【図11】 同上の容器本体に蓋体を回動自在に軸支した他の部分の断面図である。
【図12】 同上の容器本体のバックルを取付ける部分の斜視図である。
【図13】 同上の蓋体のロック用被係止部を設けた部分の斜視図である。
【図14】 同上の容器本体の軸を設けた部分の斜視図である。
【図15】 同上の蓋体の軸受け部を設けた部分の斜視図である。
【図16】 同上に使用するバックルを示し、(a)は正面から見た斜視図であり、(b)は背面から見た斜視図であり、(c)は正面図である。
【図17】 本発明の他の実施形態の正面図である。
【図18】 本発明の更に他の実施形態の正面図である。
【図19】 本発明の更に他の実施形態の正面図である。
【図20】 本発明の更に他の実施形態の正面図である。
【符号の説明】
1 容器本体
2 蓋体
3 収納容器
4 ロック用係止部
5 バックル
6 ロック用被係止部
7 回動軸支部
30 容器側凹条部
31 容器側凸条部
32 蓋側凹条部
33 蓋器側凸条部
40 嵌め込み部
41 被嵌め込み部
45 中間部の部位
46 中間部の部位
Claims (3)
- 上方が開口し且つ上方に行く程大径となった容器本体と、下方が開口し且つ下方に行く程大径となった蓋体とで構成され、使用状態で容器本体の上開口部に蓋体の下開口部を被せて蓋体により容器本体を開閉自在とし、且つ、空で搬送又は保管する状態で蓋体を上下逆にして容器本体の上開口部から蓋体を嵌め込み収納できるように構成した収納容器であって、容器本体の側壁部に外面部が凹んだ容器側凹条部となり且つ内面部が凸となった容器側凸条部となった正面視略台形状をした嵌め込み部を容器本体の上端部から少なくとも上部の蓋体の上下長さ以上の上下長さで形成し、蓋体の側壁部に外面部が凹んだ蓋側凹条部となり且つ内面部が凸となった蓋側凸条部となった正面視略逆台形状をした被嵌め込み部を上下方向にわたって形成し、蓋体を上下逆にして容器本体の上開口部から容器本体内に嵌め込み収納した状態で、正面視略台形状をした嵌め込み部の内面部の容器側凸条部に正面視略逆台形状をした上下逆となった被嵌め込み部の外面部の蓋側凹条部を当接又は近接対向させて嵌め込んで成ることを特徴とする収納容器。
- 上方が開口し且つ上方に行く程大径となった容器本体と、下方が開口し且つ下方に行く程大径となった蓋体とで構成され、使用状態で容器本体の上開口部に蓋体の下開口部を被せて蓋体により容器本体を開閉自在とし、且つ、空で搬送又は保管する状態で蓋体を上下逆にして容器本体の上開口部から蓋体を嵌め込み収納できるように構成した収納容器であって、容器本体の側壁部の両側に外面部が凹んだ容器側凹条部となり且つ内面部が凸となった容器側凸条部となった嵌め込み部を容器本体の上端部から少なくとも上部の蓋体の上下長さ以上の上下長さで形成し、両側の嵌め込み部間に挟まれた容器本体の側壁の中間部の部位を正面視略逆台形状とし、蓋体の側壁部の両側に外面部が凹んだ蓋側凹条部となり且つ内面部が凸となった蓋側凸条部となった被嵌め込み部を上下方向にわたって形成し、両側の被嵌め込み部間に挟まれた蓋体の側壁の中間部の部位を正面視略台形状とし、蓋体を上下逆にして容器本体の上開口部から容器本体内に嵌め込み収納した状態で、両側の嵌め込み部間に挟まれた容器本体の側壁の正面視略逆台形状をした中間部の部位の内面部に、両側の被嵌め込み部間に挟まれた蓋体の側壁の正面視略台形状をした中間部の部位を当接又は近接対向させて嵌め込んで成ることを特徴とする収納容器。
- 容器本体の上端部又は蓋体の外端部のいずれか一方にロック用係止部を有するバックルを回動自在に取付けると共にいずれか他方にロック用係止部が係止自在なロック用被係止部を設け、バックルの上下両端部の少なくとも一方又は両方にバックルの操作を行うための操作部を設け、該バックルの操作部を蓋体の蓋側凹条部又は容器本体の容器側凹条部の一方又は両方に対向させて成ることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の収納容器。
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