JPH034161Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 この考案は、コンパクト容器、特に該容器の開
閉構造の改良に関する。

《従来の技術》 コンパクト容器は一般に、容器本体と容器本体
の後端部に回動可能に軸支された蓋体とからなつ
ており、蓋体を閉じた場合には、蓋体および容器
本体の先端に設けた係合部同士がスナツプ係合
し、蓋体を閉鎖状態に保持している。

係合部を掛け外すための構造としては、容器本
体あるいは蓋体の一方に指掛け用切欠部を形成
し、この切欠部に指先を入れ強制的に開くように
するか、あるいは一方の係合部に別体のロツク解
除手段を設け、これを押圧することで係合部のロ
ツクを解除するようにしている。

《考案が解決しようとする問題点》 前者の構造、すなわち指掛け用切欠部を設けた
ものでは、狭い切欠部に指先を入れ、こじ開ける
ようにするため、ロツク解除に大きな力を要し、
操作性に乏しい。

また、後者の別体のロツク解除手段を設けたも
のにあつては、構造が複雑となり、また複雑化し
た分容器の製造コストが高くなり、さらにはデザ
イン的にも制約を受けていた。

この考案は、上記の問題点に鑑みなされたもの
で、その目的は、別体のロツク解除手段を設ける
ことなく蓋体の開放操作を簡単に行えることので
きるコンパクト容器を提供するにある。

《問題点を解決するための手段》 前記目的を達成するために、この考案では、化
粧料を収納する容器本体と、後端部がピンを介し
て前記容器本体の後端部に結合されて容器本体の
上面開口を蓋する蓋体とからなり、前記容器本体
と前記蓋体の前端部には相互にスナツプ係止する
係合部を設け、前記容器本体の後端部は前記ピン
を保持する軸受部を設け、前記ピンと蓋体の後端
部または軸受部を相対的に上下移動可能に係合す
るとともに、容器本体の蓋体との接合面に前記蓋
体の後端部を力点とする蓋体の回動支点部を形成
したのである。

《実施例》 以下にこの考案の好適な実施例について添附図
面を参照して説明する。

第１図乃至第３図はこの考案の第一実施例を示
すものである。

図において、このコンパクト容器は、容器本体
１０と容器本体１０の上面開口を開閉する蓋体１
２の２部材とから構成されている。

容器本体１０はその前端から後方へ向けて比較
的広い面積を有する化粧料収納凹部１４を形成す
るとともに、凹部１４の両側に中央から後部に向
けて傾斜する一対のテーパー面１６−１６を形成
したもので、テーパー面１６−１６の延長端を軸
受ブロツク１８−１８とし、これら各軸受ブロツ
ク１８−１８にピン２０−２０を挿通固定するよ
うにしている。また、容器本体１０の前端側には
係止部２２が一体に突設されている。

前記蓋体１２は概して平板状に形成され、その
内面に化粧用鏡２４を一体に接着したもので、そ
の後端側には軸受ブロツク１８−１８間に嵌合さ
れ、前記ピン２０−２０を受け入れる垂下突起２
６を垂直に形成したものである。垂下突起２６に
は上下方向に長孔２８が形成され、この長孔２８
に前記ピン２０−２０が挿通される。さらに、前
記蓋体１２の先端側には前記係止部２２と係合す
る第２係止部３０が形成されている。

従つて、蓋体１２が容器本体１０の開口を蓋し
た状態では、第３図ａに示すように各係止部２
２，３０が凹凸状にスナツプ係合し、この状態に
ロツクされる。また、蓋体１２の閉鎖状態では、
テーパー面１６と蓋体１２との間に第１図に示す
ように後端に向けて間隙ｄが開いた状態となる。

以上の状態から係止部２２，３０のロツクを外
すには、第３図ｂに示すように、蓋体１２の後端
部であつて、ピン２０−２０の直上を所定の押圧
力Ｆにより下方に押圧することにより、容器本体
１０のテーパー面１６−１６と蓋体１２との接合
面間に形成された境界線１６ａ−１６ａを回動支
点として回動し、係止部２２，３０間のロツクを
弾撥的に解除する。

つまり、長孔２８とピン２０−２０との係合部
分を力点とし、前記境界線１６ａ−１６ａを回動
支点とし、係止部２２，３０を作用点として間隙
ｄ分だけ開き、梃の原理によつて蓋体１２のロツ
クが解除されることになるのである。

その後、蓋体１２と容器本体１０との開閉端に
形成された隙間に指を入れ、蓋体１２を時計方向
に回動させれば、第３図ｃに示すように蓋体１２
を全開状態とすることができる。

第４図、第５図はこの考案の第二実施例を示
す。なお、図において、前記実施例と同一部分に
は同一符号を付し、異なる部分についてのみ説明
する。

この第２実施例においては、蓋体１２の長孔３
２の下端をテーパー状に切欠して開口部３２ａと
なし、蓋体１２のこの開口部３２ａを容器本体１
０の後端部に渡設したピン２０に強制的に押し込
むことによつて蓋体１２を容器本体１０に枢着で
きるようにしている。この長孔３２は、第５図ａ
に示すように、下端に向けて徐々に拡開した形状
となつている。

いま、蓋体１２が容器本体１０に対して閉じた
第５図ａに示す状態から蓋体１２の後端部を下方
に押圧すると前記実施例で述べたように蓋体１２
が開放し、第５図ｂに示すように長孔３２の上端
にピン２０が当接するようになる。この第５図ｂ
に示す状態では、長孔３２は第５図ａの状態から
強制的に拡開せられているため、第５図ａの状態
へ復帰しようとする弾性力が作用する。このた
め、前述のように蓋体１２を開放した後にその押
圧力を解除すると、長孔３２はピン２０に対して
第５図ａの位置に弾性的に復帰して安定的に位置
を占めるため、蓋体１２がその開放後においてピ
ン２０に対してガタ付かなくなる。

尚、上記各実施例では蓋体１２の垂下突起２６
側に長孔３２を形成し、ピン２０−２０を軸受ブ
ロツク１８−１８に固定した場合を示したが、垂
下突起側にピンを固定し、軸受ブロツク側に垂直
方向の突起を形成してもよいことは勿論である。

《考案の効果》 以上実施例で説明したように、この考案では上
述の如く構成することにより、梃の原理によつて
蓋体を開開くことができるので、より小さな力で
蓋を開けることができる。またこの考案では、別
体のロツク解除手段等も不要なので機構が簡素化
され、ロツク解除手段を設けることによるデザイ
ン上の制約も受けることがないなどの各種利点を
有する。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図はこの考案の第一実施例を示
すもので、第１図は蓋体の閉鎖時におけるコンパ
クト容器の外観斜視図、第２図は同コンパクト容
器の分解斜視図、第３図ａは蓋体閉鎖時における
断面図、ｂはロツク解除時における断面図、ｃは
蓋全開時における断面図、第４図および第５図は
この考案の第二実施例を示すもので、第４図ａは
蓋体の閉止時における断面図、ｂはロツク解除時
における断面図、ｃは蓋の全開状態の断面図、第
５図ａはピンが長孔の上部に位置した状態を示す
要部拡大図、ｂはピンが長孔の下端に位置した状
態を示す要部拡大図である。 １０……容器本体、１２……蓋体、１４……化
粧料収納用凹部、１６……テーパー面、１６ａ…
…境界線（支点部）、１８……軸受けブロツク、
２０……ピン、２６……垂下突起（後端部）、２
８，３２……長孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 化粧料を収納する容器本体と、後端部がピンを
   介して前記容器本体の後端部に結合されて容器本
   体の上面開口を蓋する蓋体とからなり、前記容器
   本体と前記蓋体の前端部には相互にスナツプ係止
   する係合部を設け、前記容器本体の後端部に前記
   ピンを保持する軸受部を設け、前記ピンと蓋体の
   後端部または軸受部を相対的に上下移動可能に係
   合するとともに、容器本体の蓋体との接合面に前
   記蓋体の後端部を力点とする蓋体の回動支点部を
   形成してなることを特徴とするコンパクト容器。